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特許7455834手術室用コーティングアプリケータ及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】手術室用コーティングアプリケータ及びその方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/00 20160101AFI20240318BHJP
   A61L 2/23 20060101ALI20240318BHJP
   A61L 17/14 20060101ALI20240318BHJP
   A61L 29/16 20060101ALI20240318BHJP
   A61L 31/16 20060101ALI20240318BHJP
   A61L 29/08 20060101ALI20240318BHJP
   A61L 29/14 20060101ALI20240318BHJP
   A61L 31/14 20060101ALI20240318BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20240318BHJP
   B05D 1/02 20060101ALI20240318BHJP
   B05D 5/00 20060101ALI20240318BHJP
   A61L 17/00 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
A61B90/00
A61L2/23
A61L17/14 100
A61L29/16
A61L31/16
A61L29/08 100
A61L29/14 500
A61L31/14 500
B05D3/00 C
B05D1/02 Z
B05D3/00 B
B05D5/00 Z
A61L17/00 100
【請求項の数】 70
(21)【出願番号】P 2021530902
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 IB2019060232
(87)【国際公開番号】W WO2020110031
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】62/773,102
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512080321
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】チチョッキ・フランク
(72)【発明者】
【氏名】タンハウザー・ロバート・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】クリクスノフ・レオ・ビー
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-524465(JP,A)
【文献】特表2011-500227(JP,A)
【文献】特開2006-051498(JP,A)
【文献】特表2004-536621(JP,A)
【文献】特表2005-534399(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0181159(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-90/98
A61L 17/00
A61L 2/23
A61L 17/14
A61L 29/16
A61L 31/16
A61L 29/08
A61L 29/14
A61L 31/14
B05D 3/00
B05D 1/02
B05D 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングされる物体上に治療薬のコーティングを適用するための使い捨てコーティングアプリケータ容器であって、
封止可能な容器であって、前記封止可能な容器が、容器底部であって、前記容器底部が上向きに延びる壁を有し、前記上向きに延びる壁が上縁部で終端している、容器底部と、前記上向きに延びる壁によって部分的に形成されたデバイス区画を封止するための閉鎖部であって、前記閉鎖部が前記上向きに延びる壁の前記上縁部に隣接する、閉鎖部と、を有する、封止可能な容器と、
前記デバイス区画と流体連通するように位置付けられた治療薬と、を備え、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、可撓性材料を含み、バッグ状構造の形態である、使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項2】
前記治療薬が担体に取り込まれる、請求項1に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項3】
前記治療薬がトリクロサンを含み、前記担体が、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む、請求項2に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項4】
前記吸収性ポリマーが、ラクチドグリコリドコポリマーである、請求項3に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項5】
前記治療薬を気化させ、前記治療薬を前記デバイス区画内に流し、前記物体をコーティングするための熱源を更に備える、請求項2に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項6】
前記熱源が抵抗ヒータである、請求項5に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項7】
前記担体が、前記抵抗ヒータに隣接して位置付けられる、請求項6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項8】
前記抵抗ヒータが、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される、請求項7に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項9】
前記抵抗ヒータが、前記デバイス区画内に配置されている、請求項7に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項10】
前記抵抗ヒータが、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器の外側に配置される、請求項7に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項11】
前記抵抗ヒータに給電するための電源を更に備える、請求項6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項12】
前記電源が、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される、請求項11に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項13】
前記電源が電池である、請求項12に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項14】
前記熱源が化学的熱パックである、請求項5に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項15】
蒸気循環ポンプを更に備え、前記蒸気循環ポンプが、前記担体内に取り込まれた加熱された前記治療薬と流体連通している、請求項6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項16】
ガス循環ポンプを更に備え、前記ガス循環ポンプが前記デバイス区画と流体連通している、請求項15に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項17】
前記蒸気循環ポンプ及び前記ガス循環ポンプが、手動のバルブタイプポンプ又はベローズタイプポンプである、請求項16に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項18】
ガス循環ポンプを更に備え、前記ガス循環ポンプが前記デバイス区画と流体連通している、請求項6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項19】
再循環ポンプを更に備え、前記再循環ポンプが、前記担体及び前記デバイス区画内に取り込まれた加熱された前記治療薬と流体連通しており、チェックバルブシステムを介して圧力と真空を交互に適用するように構成されている、請求項6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項20】
前記デバイス区画の第1の側面と流体連通する治療薬供給カニューレと、前記デバイス区画の第2の側面と流体連通する吸気カニューレと、を更に備える、請求項6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項21】
前記治療薬供給カニューレと前記吸気カニューレの各々が、その周りに離間配置された複数の開口を有して、前記治療薬をより均一に提供し、戻り吸気ガスをより均一に引き込む、請求項20に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項22】
前記電源によって給電される再循環ファンを更に備えて、前記再循環ファンが、前記治療薬の移動促進にする、請求項11に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項23】
前記再循環ファンを制御するためのマイクロプロセッサを更に備える、請求項22に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項24】
外部パワーブロックを更に備え、前記外部パワーブロックが、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器をその中に位置付けるため、及び前記担体内に取り込まれた前記治療薬に熱を加えるためのスリットを有する、請求項6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項25】
前記治療薬が流体を含み、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記治療薬を霧化するように動作可能なアトマイザを更に備える、請求項1に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項26】
前記アトマイザがネブライザを備える、請求項25に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項27】
前記アトマイザが、超音波ネブライザ及び/又はジェットネブライザ及び/又は振動式メッシュネブライザ及び/又は加圧スプレーノズルネブライザ及び/又は振動式フリットネブライザ及び/又は熱駆動式ウィックベースエアロゾル発生器及び/又は加熱キャピラリーエアロゾル発生器及び/又は気化器を備える、請求項25に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項28】
前記治療薬が、懸濁液及び/又はエマルション及び/又は溶液を含む、請求項25に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項29】
真空源が前記デバイス区画に適用される、請求項25に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項30】
前記熱源が外部誘導又は温水熱源である、請求項5に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項31】
前記熱源が、前記治療薬に隣接して位置付けられた金属要素である、請求項30に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項32】
前記熱源が、外部エネルギ源を備える、請求項31に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項33】
前記熱源が、マイクロ波エネルギ又は高周波エネルギを用いるシステムを含む、請求項32に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項34】
前記物体が外科用インプラント及び/又は医療用デバイスである、請求項1に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項35】
前記可撓性材料が、ポリマー、コポリマー、又はそれらのブレンドを含む、請求項1に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【請求項36】
治療薬で物体をコーティングする方法であって、
コーティングされる物体を、使い捨てコーティングアプリケータ容器に配置するステップであって、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、封止可能な容器であって、前記封止可能な容器が、容器底部であって、前記容器底部が上向きに延びる壁を有し、前記上向きに延びる壁が上縁部で終端する、容器底部と、前記上向きに延びる壁によって部分的に形成されたデバイス区画を封止するための閉鎖部であって、前記閉鎖部が前記上向きに延びる壁の前記上縁部に隣接する、閉鎖部と、を有する、封止可能な容器と、前記デバイス区画と流体連通するように位置付けられた治療薬と、を備える、ステップと、
前記デバイス区画を封止するステップと、
前記治療薬を、前記治療薬を霧化することによって、封止された前記デバイス区画内に分散させるステップと、
前記治療薬を用いて前記物体をコーティングするステップと、
を含み、
前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が可撓性材料を含み、バッグ状構造の形態である、
方法。
【請求項37】
コーティングされた前記物体を前記デバイス区画から取り外すステップを更に含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記治療薬が担体に取り込まれる、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記治療薬がトリクロサンを含み、前記担体が、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド又はフィルムを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記吸収性ポリマーが、ラクチドグリコリドコポリマーである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記治療薬を気化させ、前記治療薬を前記デバイス区画内に流し、前記物体をコーティングするための熱源を更に備える、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記熱源が抵抗ヒータである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記担体が、前記抵抗ヒータに隣接して位置付けられる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記抵抗ヒータが、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記抵抗ヒータが、前記デバイス区画内に配置される、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記抵抗ヒータが、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器の外側に配置される、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記抵抗ヒータに給電するための電源を更に備える、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記電源が、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記電源が電池である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記熱源は、化学的熱パックである、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、蒸気循環ポンプを更に備え、前記蒸気循環ポンプが、前記担体内に取り込まれた加熱された前記治療薬と流体連通している、請求項42に記載の方法。
【請求項52】
前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、ガス循環ポンプを更に備え、前記ガス循環ポンプが前記デバイス区画と流体連通している、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記蒸気循環ポンプ及び前記ガス循環ポンプが、手動のバルブタイプポンプ又はベローズタイプポンプである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、ガス循環ポンプを更に備え、前記ガス循環ポンプが前記デバイス区画と流体連通している、請求項42に記載の方法。
【請求項55】
前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が再循環ポンプを更に備え、前記再循環ポンプが、前記担体及び前記デバイス区画内に取り込まれた加熱された前記治療薬と流体連通しており、チェックバルブシステムを介して圧力及び真空を交互に適用するように構成されている、請求項42に記載の方法。
【請求項56】
前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記デバイス区画の第1の側面と流体連通する治療薬供給カニューレと、前記デバイス区画の第2の側面と流体連通する吸気カニューレと、を更に備える、請求項42に記載の方法。
【請求項57】
前記治療薬供給カニューレと前記吸気カニューレの各々が、その周りに離間配置された複数の開口を有して、前記治療薬をより均一に提供し、戻り吸気ガスをより均一に引き込む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記電源によって給電される再循環ファンを更に備えて、前記再循環ファンが、前記治療薬の移動を促進する、請求項47に記載の方法。
【請求項59】
前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記再循環ファンを制御するためのマイクロプロセッサを更に備える、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、外部パワーブロックを更に備え、前記外部パワーブロックが、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器をその中に位置付けるため、及び前記担体内に取り込まれた前記治療薬に熱を加えるためのスリットを有する、請求項43に記載の方法。
【請求項61】
前記治療薬が流体を含み、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記治療薬を霧化するように動作可能なアトマイザを更に備える、請求項37に記載の方法。
【請求項62】
前記アトマイザがネブライザを備える、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記アトマイザが、超音波ネブライザ及び/又はジェットネブライザ及び/又は振動式メッシュネブライザ及び/又は加圧スプレーノズルネブライザ及び/又は振動式フリットネブライザ及び/又は熱駆動式ウィックベースエアロゾル発生器及び/又は加熱キャピラリーエアロゾル発生器及び/又は気化器を備える、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記治療薬が、懸濁液及び/又はエマルション及び/又は溶液を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
真空源が前記デバイス区画に適用される、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記熱源が外部誘導又は温水熱源である、請求項41に記載の方法。
【請求項67】
前記熱源が、前記治療薬に隣接して位置付けられた金属要素である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記熱源が、外部エネルギ源を備える、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記物体が外科用インプラント及び/又は医療用デバイスである、請求項36に記載の方法。
【請求項70】
前記可撓性材料が、ポリマー、コポリマー、又はそれらのブレンドを含む、請求項36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年11月29日出願の米国仮特許出願第62/773,102号に基づく利益を主張するものであり、その内容は全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、同時に提出され、共通の譲受人がいる、米国仮特許出願第________号(代理人整理番号ETH6020WOPCT1)及び米国仮特許出願第________号(代理人整理番号ETH6020WOPCT2)に関連しており、各々の内容は全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
(発明の分野)
本開示は、概して、治療薬で物体をコーティングするための装置及び方法に関し、より具体的には、最小限の中断及び遅延を伴う外科手術の過程で外科用器具又は外科用インプラントを治療薬でコーティングするために手術室で使用するのに好適な装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
環境
毎年、約2700万の外科手術が米国で行われる。術後又は手術部位感染(「SSI」)は、全事例のうちの約2~3%に生じている。この率は、毎年、675,000個を超えるSSIの発生に対応する。
【0005】
SSIの発生は多くの場合、手術において使用されるインプラント式医療用デバイスにコロニーを形成し得る細菌に関連するものである。外科手術の間、周囲大気の細菌が手術部位に侵入し、医療用具に付着することがある。具体的には、細菌は、インプラント式医療用デバイスを周囲組織への経路として使用することによって拡散し得る。医療用デバイスへのそのようなバクテリアコロニー化は、患者の感染及び外傷につながることがある。したがって、SSIは、患者の治療費を著しく増大させることがある。
【0006】
内部に適用されるか又は組み込まれた抗菌剤を含むインプラント式医療用デバイスが、当技術分野において開示及び/又は例示されてきた。そのような器具の例が、欧州特許出願公開第0761243号に開示されている。この出願にて例示されている実際の器具には、フレンチパーキュフレックスカテーテルが含まれている。これらのカテーテルは、2,4,4’-トリクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(Ciba Geigy Irgasan(DP300))及び他の添加剤を含有するコーティング浴中でディップコーティングされたものである。これらのカテーテルは次いで、エチレンオキシドで滅菌され、30日間にわたって保管された。そのような溶液でコーティングされたカテーテルは抗菌特性を呈した。すなわち、これらのカテーテルは、コーティングされた後の30日間にわたり、増殖培地に置かれ微生物の攻撃を受けたときに阻害ゾーンを生じた。
【0007】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Scalzoらによる、米国特許出願公開第2004/0220614号は、抗菌剤がその上に配置された1つ以上の表面を含む封じ込め区画を含む抗菌性縫合糸アセンブリを記載している。当該抗菌剤は、ハロゲン化ヒドロキシルエーテル、アシルオキシジフェニルエーテル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、当該封じ込め容器上の細菌のコロニー形成を実質的に阻害するのに十分な量である。縫合が封じ込め容器内に位置付けられ、縫合糸は、その上に配置された抗菌剤を有する1つ以上の表面を含む。当該抗菌剤は、ハロゲン化ヒドロキシルエーテル、アシロキシジフェニルエーテル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、殺生物剤、消毒剤、防腐剤、抗生物質、抗菌ペプチド、溶解性バクテリオファージ、界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つの活性剤、接着阻害剤、オリゴヌクレオチド、排出ポンプ阻害剤、感光性色素、免疫調整剤、及びキレート剤からなる群より選択される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、コーティングされる物体上に治療薬のコーティングを適用するための使い捨てコーティングアプリケータ容器が提供される。使い捨てコーティングアプリケータ容器は、封止可能な容器であって、封止可能な容器が、容器底部であって、容器底部は上向きに延びる壁を有し、各上向きに延びる壁は上縁部で終端している、容器底部と、上向きに延びる壁によって部分的に形成されたデバイス区画を封止するための閉鎖部であって、閉鎖部は上向きに延びる壁の上縁部に隣接する、閉鎖部と、を有する、封止可能な容器と、デバイス区画と流体連通するように位置付けられた治療薬と、を含み、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、可撓性材料を含み、バッグ状構造の形態である。
【0009】
いくつかの形態では、治療薬は担体に取り込まれる。
【0010】
いくつかの形態では、治療薬はトリクロサンを含み、担体は、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む。
【0011】
いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである。
【0012】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は治療薬を気化させ、治療薬をデバイス区画内に流し、物体をコーティングするための熱源も含む。
【0013】
いくつかの形態では、熱源は抵抗ヒータである。
【0014】
いくつかの形態では、担体は抵抗ヒータに隣接して位置付けられる。
【0015】
いくつかの形態では、抵抗ヒータは、使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される。
【0016】
いくつかの形態では、抵抗ヒータはデバイス区画内に配置される。
【0017】
いくつかの形態では、抵抗ヒータは、使い捨てコーティングアプリケータ容器の外側に配置される。
【0018】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は抵抗ヒータに電力を供給するための電源も含む。
【0019】
いくつかの形態では、電源は、使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される。
【0020】
いくつかの形態では、電源は電池である。
【0021】
いくつかの形態では、熱源は化学的熱パックである。
【0022】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、蒸気循環ポンプを含み、蒸気循環ポンプは、担体内に取り込まれた加熱された治療薬と流体連通している。
【0023】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、ガス循環ポンプを含み、ガス循環ポンプは、デバイス区画と流体連通している。
【0024】
いくつかの形態では、蒸気循環ポンプ及びガス循環ポンプは、手動のバルブポンプ又はベローズタイプポンプである。
【0025】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、再循環ポンプを含み、再循環ポンプは、担体及びデバイス区画内に取り込まれた加熱された治療薬と流体連通し、チェックバルブシステムを介して圧力及び真空を交互に適用するように構成されている。
【0026】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、デバイス区画の第1の側面と流体連通する治療薬供給カニューレと、デバイス区画の第2の側面と流体連通する吸気カニューレと、を含む。
【0027】
いくつかの形態では、治療薬供給カニューレと吸気カニューレ各々は、その周りに離間配置された複数の開口を有して、治療薬をより均一に提供し、戻り吸気ガスをより均一に引き込む。
【0028】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、治療薬の提供及び吸気ガスの戻りを容易にするために、電源によって給電される再循環ファンを含む。
【0029】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、再循環ファンを制御するためのマイクロプロセッサを含む。
【0030】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、外部パワーブロックを含み、外部パワーブロックは、使い捨てコーティングアプリケータ容器をその中に位置付けるため、及び担体内に取り込まれた治療薬に熱を加えるためのスリットを有する。
【0031】
いくつかの形態では、治療薬は流体を含み、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、治療薬を霧化するように動作可能なアトマイザを更に含む。
【0032】
いくつかの形態では、アトマイザはネブライザを含む。
【0033】
いくつかの形態では、アトマイザは、超音波ネブライザ及び/又はジェットネブライザ及び/又は振動式メッシュネブライザ及び/又は加圧スプレーノズルネブライザ及び/又は振動式フリットネブライザ及び/又は熱駆動式ウィックリックエアロゾルジェネレータ及び/若しくは加熱された毛管エアロゾル発生器及び/又は蒸発器を含む。
【0034】
いくつかの形態では、治療薬は、懸濁液及び/又はエマルション及び/又は溶液を含む。
【0035】
いくつかの形態では、真空源がデバイス区画に適用される。
【0036】
いくつかの形態では、熱源は外部誘導又は温水熱源である。
【0037】
いくつかの形態では、熱源は、治療薬に隣接して位置付けられた金属要素である。
【0038】
いくつかの形態では、熱源は、外部エネルギ源を含む。
【0039】
いくつかの形態では、熱源は、マイクロ波エネルギ又は高周波エネルギを用いるシステムを含む。
【0040】
いくつかの形態では、物体は、外科用インプラント及び/又は医療用デバイスである。
【0041】
いくつかの形態では、可撓性材料は、ポリマー、コポリマー、又はそれらのブレンドを含む。
【0042】
別の態様では、治療薬を用いて物体をコーティングする方法が提供される。本方法は、コーティングされる物体を、使い捨てコーティングアプリケータ容器に配置するステップであって、使い捨てコーティングアプリケータ容器が、封止可能な容器であって、封止可能な容器が、容器底部であって、容器底部が上向きに延びる壁を有し、各上向きに延びる壁が上縁部で終端している、容器底部と、上向きに延びる壁によって部分的に形成されたデバイス区画を封止するための閉鎖部であって、閉鎖部が上向きに延びる壁の上縁部に隣接する、閉鎖部と、を有する、封止可能な容器と、デバイス区画と流体連通するように位置付けられた治療薬と、を備える、ステップと、デバイス区画を封止するステップと、治療薬を、治療薬を霧化することによって、封止されたデバイス区画内に分散させるステップと、治療薬を用いて物体をコーティングするステップと、を含み、使い捨てコーティングアプリケータ容器が可撓性材料を含み、バッグ状構造の形態である。
【0043】
いくつかの形態では、方法は、コーティングされた物体をデバイス区画から取り外すステップを含む。
【0044】
いくつかの形態では、治療薬は担体に取り込まれる。
【0045】
いくつかの形態では、治療薬はトリクロサンを含み、担体は、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む。
【0046】
いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである。
【0047】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、治療薬を気化させ、治療薬をデバイス区画内に流し、物体をコーティングするための熱源を更に含む。
【0048】
いくつかの形態では、熱源は抵抗ヒータである。
【0049】
いくつかの形態では、担体は抵抗ヒータに隣接して位置付けられる。
【0050】
いくつかの形態では、抵抗ヒータは、使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される。
【0051】
いくつかの形態では、抵抗ヒータはデバイス区画内に配置される。
【0052】
いくつかの形態では、抵抗ヒータは、使い捨てコーティングアプリケータ容器の外側に配置される。
【0053】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、抵抗ヒータに給電するための電源を更に備える。
【0054】
いくつかの形態では、電源は、使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される。
【0055】
いくつかの形態では、電源は電池である。
【0056】
いくつかの形態では、熱源は化学的熱パックである。
【0057】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、蒸気循環ポンプを更に備え、蒸気循環ポンプは、担体内に取り込まれた加熱された治療薬と流体連通している。
【0058】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、ガス循環ポンプを更に備え、ガス循環ポンプは、デバイス区画と流体連通している。
【0059】
いくつかの形態では、蒸気循環ポンプ及びガス循環ポンプは、手動のバルブポンプ又はベローズタイプポンプである。
【0060】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、再循環ポンプを更に備え、再循環ポンプは、担体及びデバイス区画内に取り込まれた加熱された治療薬と流体連通し、チェックバルブシステムを介して圧力及び真空を交互に適用するように構成されている。
【0061】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、デバイス区画の第1の側面と流体連通する治療薬供給カニューレと、デバイス区画の第2の側面と流体連通する吸気カニューレと、を更に備える。
【0062】
いくつかの形態では、治療薬供給カニューレと吸気カニューレ各々は、その周りに離間配置された複数の開口を有して、治療薬をより均一に提供し、戻り吸気ガスをより均一に引き込む。
【0063】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、治療薬の提供及び吸気ガスの戻りを容易にするために、電源によって給電される再循環ファンを更に備える。
【0064】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、再循環ファンを制御するためのマイクロプロセッサを更に備える。
【0065】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、外部パワーブロックを更に備え、外部パワーブロックは、使い捨てコーティングアプリケータ容器をその中に位置付けるため、及び担体内に取り込まれた治療薬に熱を加えるためのスリットを有する。
【0066】
いくつかの形態では、治療薬は流体を含み、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、治療薬を霧化するように動作可能なアトマイザを更に含む。
【0067】
いくつかの形態では、アトマイザはネブライザを含む。
【0068】
いくつかの形態では、アトマイザは、超音波ネブライザ及び/又はジェットネブライザ及び/又は振動式メッシュネブライザ及び/又は加圧スプレーノズルネブライザ及び/又は振動式フリットネブライザ及び/又は熱駆動式ウィックリックエアロゾルジェネレータ及び/若しくは加熱された毛管エアロゾル発生器及び/又は蒸発器を含む。
【0069】
いくつかの形態では、治療薬は、懸濁液及び/又はエマルション及び/又は溶液を含む。
【0070】
いくつかの形態では、真空源がデバイス区画に適用される。
【0071】
いくつかの形態では、熱源は外部誘導又は温水熱源である。
【0072】
いくつかの形態では、熱源は、治療薬に隣接して位置付けられた金属要素である。
【0073】
いくつかの形態では、熱源は、外部エネルギ源を含む。
【0074】
いくつかの形態では、物体は、外科用インプラント及び/又は医療用デバイスである。
【0075】
いくつかの形態では、可撓性材料は、ポリマー、コポリマー、又はそれらのブレンドを含む。
【0076】
更に、本方法は、気化した治療薬が加熱された状態にある間、医療用デバイスを気化した治療薬と接触させることを更に含むことができる。接触中、医療用デバイスの温度は、15℃未満だけ上昇する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図に示され、続いて本明細書に記載される実施形態は、限定としてではなく、例として提示される。図中において、同様の参照番号は同様の要素を指す。
図1】本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器10の一形態の概略図を示す。
図2】本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器100の別の形態の概略図を示す。
図3】本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器200の更に別の形態の概略図を示す。
図4】本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器300の更に別の形態の概略図を示す。
図5】本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器400の別の形態の概略図を示す。
図6】本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器500の更に別の形態の概略図を示す。
図7】本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器600の更に別の形態の概略図を示す。
図8】本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器700の別の形態の概略図を示す。
図9】本明細書に従う使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800の更に別の形態の概略図を示す。
図10】本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器900の更に別の形態の概略図を示す。
図11】本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器1000の別の形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0078】
図1図11は、バッグの形態の手術室用コーティングアプリケータ容器の例示的な非排他的な例を提供し、本開示に係る様々な方法及びシステムに関し、及び/又はそのような容器を含み得、そのような容器に関連付けられ得、そのような容器に動作可能に取り付けられ得、及び/又はそのような容器を利用し得るシステム、装置、及び/又はアセンブリの例示的な非排他的な例を提供する。図1図11において、同様の数字は、同様の又は類似の構造及び/又は特徴を示す。また、図示された構造及び/又は特徴の各々が、必ずしも本明細書中で図1図11を参照して詳細に説明されるわけではない。同様に、各構造及び/又は特徴は、図1図11において明示的に図示されているわけではない。本明細書で図1図11の任意の1つを参照して説明されている任意の構造及び/又は特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、図1図11の任意の他の構造及び/又は特徴と共に利用してもよい。
【0079】
一般に、所与の実施形態に含まれる構造及び/又は特徴は、図1図11に実線で示されているが、任意選択の構造及び/又は特徴が破線で示されている。しかしながら、所与の実施形態は、中に実線で示されている全ての構造及び/又は特徴、並びに任意の好適な数のかかる構造及び/又は特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、所与の実施形態から省略されてもよい。
【0080】
本明細書で参照される医療用及び外科用デバイスは、外科用器具及びインプラント式医療用デバイスを含んでもよく、後者は、外傷又は関節再建、乳房インプラント、胸骨閉鎖デバイス、ペースメーカ、単繊維及び多繊維縫合糸、ヘルニア修復メッシュなどの外科用メッシュ、ヘルニアプラグ、ブラキーシードスペーサ、縫合糸クリップ、縫合糸アンカー、接着防止メッシュ及びフィルム、並びに縫合糸ノットクリップのための整形外科用インプラントを含み得るが、これらに限定されない。インプラント式医療用デバイスは、吸収性若しくは非吸収性ポリマー、又はステンレス鋼、チタンなどの好適な金属から作製されてもよい。
【0081】
吸収性ポリマーは、生理学的条件にさらされると、ある時間期間にわたって分解し、体に吸収される。吸収性医療器具は通常、グリコリド、ラクチド、グリコリドのコポリマー、又は、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、及びそれらの等価物などのポリマーの混合物を含めて、周知の通常の吸収性ポリマーから形成されるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、ポリマーとしては、約70%超の重合化グリコリド、約70%超の重合化ラクチド、重合化1,4-ジオキサン-2-オン、約70%超のポリペプチド、グリコリドとラクチドとのコポリマー、約70%超のセルロース及びセルロース誘導体からなる群から選択されるポリマー材料が挙げられる。吸収性医療用デバイスの例には、単繊維及び多繊維縫合糸も含まれ得る。多繊維縫合糸には、複数の繊維が編み上げ構造に形成された縫合糸が含まれ得る。
【0082】
非吸収性医療デバイスの例としては、外傷又は関節再建用の整形外科用インプラント、乳房インプラント、胸骨閉鎖装置、ペースメーカ、単繊維及び多繊維縫合糸、ヘルニア修復メッシュなどの外科用メッシュ、ヘルニアプラグ及びブラキーシードスペーサなどの外科用メッシュが挙げられ、これはポリマー又は非ポリマーであってもよい。非吸収性ポリマーとしては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、及びポリカーボネートなどが挙げられる。
【0083】
好適な抗菌剤は、ハロゲン化ヒドロキシエーテル、アシルオキシジフェニルエーテル、又はそれらの組み合わせから選択されてもよいが、これらに限定されない。具体的には、抗菌剤は、ハロゲン化2-ヒドロキシジフェニルエーテル及び/又はハロゲン化2-アシルオキシジフェニルエーテルであってもよく、又は分解せずに約300℃までの温度で昇華又は気化可能な抗菌活性を有する任意の材料であってもよい。
【0084】
特に好ましい抗菌剤の1つは、一般にトリクロサン(Ciba Geigyによって商標名Irgasan DP300又はIrgacare MPとして製造されている)と呼ばれる2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテルであってもよい。トリクロサンは、様々な製品に使用されている広域スペクトル抗菌剤であり、一般にSSIに関連した多数の生物に対して効果的である。そのような微生物には、ブドウ球菌属、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
別の特に好ましい抗菌剤はゲンタマイシンを含む。ゲンタマイシンはまた、様々な製品で使用されている広域スペクトル抗菌剤であり、上記に列挙したものを含むSSIと一般的に関連するいくつかの生物に対しても有効である。
【0086】
製造プロセス中、医療用デバイスは、抗菌剤を含む組成物でコーティングされてもよい。このコーティングは、例えば、ディップコーティング、スプレーコーティング、サスペンドドロップコーティング、又は他の任意の通常のコーティング手段でデバイスに適用されてもよい。しかしながら、製造中又は製造後にパッケージ化された外科用デバイス(インプラント及び/又は器具)上にコーティングを確立するためのそのような技術は、問題を提示し得る。例えば、化学的要因及び他の要因に応じて、いくつかのコーティングは、コーティングされたデバイスからそのパッケージへと経時的に移動する傾向があり、それによって、デバイス自体上のコーティングの量が減少し得る。また、コーティング剤の中には、その化学的性質やその他の要因により、時間の経過と共に劣化するものがあり、そのため保存期間が限られる。ガンマ線照射、電子ビーム照射、熱又は蒸気などの抗菌剤の完全性を損なう可能性がある堅牢な滅菌プロセスが、一次滅菌プロセスで使用されることが多い。最後に、コーティングされたパッケージ化されたデバイスは、いくつかのコーティングを不注意で機械的に劣化させ得る取り扱いを受ける。更に、これらの技術はサイクルタイムが長く、コーティングを適用するために大型の機械を必要とすることが多く、時間とスペースが限られている手術室の限られた空間での操作には適していないことがある。
【0087】
表皮ブドウ球菌属の微生物が、デバイス関連の手術部位感染に関連した全ての細菌のうちで、最も多く見られるものである。黄色ブドウ球菌及び表皮ブドウ球菌は、患者の皮膚に広く存在し、したがって容易に創傷部に導入される。ブドウ球菌に対して最も効果的な抗菌剤の1つが、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)である。この化合物が有する、黄色ブドウ球菌に対する最小素子濃度(MIC)は、好適な増殖培地で測定して、またBhargava,H.らによって、the American Journal of Infection Control,June 1996,pages 209-218に記載されているように、0.01ppmである。特定の抗菌剤及び特定の微生物に対するMICは、増殖培地をその微生物にとって不適切なものにするために、さもなければ、その微生物にとって好適となる増殖培地に存在しなければならない抗菌剤の最小濃度、すなわち、微生物の増殖を阻害するための最小濃度として定義される。本明細書で使用される「細菌のコロニー形成を実質的に阻害するのに十分な量」という語句は、黄色ブドウ球菌の最少阻害濃度以上と定義される。
【0088】
このMICの実証例が、感受性のディスク拡散法に見出される。特定の抗菌剤を含浸させた濾紙ディスク又は他の物体が、試験微生物を接種した寒天培地に当てられる。抗菌剤が媒体を通じて拡散する場合、また抗菌剤の濃度が最小阻害濃度(MIC)を上回る限りにおいて、感受性微生物は、ある距離にわたってディスクの上又は周りで増殖しない。この距離を阻害ゾーンという。抗菌剤が培地中である拡散速度を有すると仮定すると、抗菌剤を含浸させたディスクの周りに阻害ゾーンが存在することから、さもなければ良好となる増殖培地に抗菌剤が存在することによって生物が阻害されると示唆される。阻害ゾーンの直径はMICに反比例する。
【0089】
同様に、コーティング縫合糸などの医療用デバイスの表面に存在するトリクロサンの有効濃度は、約0.01ppm超(重量/重量コーティング)又は約30ppm~5,000ppm(重量/重量縫合糸)であってもよい。パッケージ又は封じ込め区画の表面上におけるトリクロサンの濃度は、約5ppm~5,000ppm(重量/重量パッケージ又は区画)であってもよい。しかしながら、他の特定の用途に関しては、更に多量の抗菌剤が有用となることがあり、本発明の範囲に十分に含まれると見なされるべきである。
【0090】
同様に、コーティング縫合糸などの医療用デバイスの表面に存在するトリクロサンの濃度は、約0.01ppm超(重量/重量コーティング)又は約30ppm~5,000ppm(重量/重量縫合糸)であってもよい。パッケージ又は封じ込め区画の表面上におけるゲンタマイシンの濃度は、約5ppm~5,000ppm(重量/重量パッケージ又は区画)であってもよい。もう一度、他の特定の用途に関しては、更に多量の抗菌剤が有用となることがあり、本発明の範囲に十分に含まれると見なされるべきである。
【0091】
ここで図1を参照すると、本明細書に従う使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器10の一形態の概略図が示されている。現在考えられ、実施されることが意図されているように、図1の使い捨てコーティングアプリケータ容器10は、コーティングされる物体D上に治療薬Cのコーティングを適用するように構築され配置される。使い捨てコーティングアプリケータ容器10は、封止可能な容器12を含み、封止可能な容器12は容器底部14を有し、容器底部14は上向きに延びる壁16を有し、各々上向きに延びる壁16は上縁部18で終端する。
【0092】
封止可能容器12は、デバイス区画22を封止するための閉鎖部20も含む。デバイス区画22は、上向きに延びる壁16と、上向きに延びる壁16の上縁部18に隣接して配置された閉鎖部20と、デバイス区画フロア30とによって形成されている。閉鎖部20は、封止可能な容器12の確実かつ完全な閉鎖を提供する、ジップロック閉鎖部、リブ及び溝型閉鎖部などの形態であってもよい。使い捨てコーティングアプリケータ容器10は、ポリマー材料又は多層ポリマー複合体などの可撓性材料を含み、図示のようにバッグ状構造の形態であってもよい。
【0093】
デバイス区画22は、封止可能な容器12のデバイス区画22の内側に、インプラントなどであってよい物体Dの位置付けを可能にするようにサイズ決めされる。ワイヤフレーム26の形態であり得る任意選択のスペーサ24をデバイス区画22内に位置付けて、物体Dの周囲に十分なガス空間を確保することができる。当業者に理解され得るように、スペーサ24は、デバイス区画22内部のガス又は蒸気の流れを可能にする役割を果たし、物体Dの表面又は表面の少なくとも大部分を、デバイス区画22内部を流れるガス又は蒸気にアクセス可能にし、物体Dの表面の少なくとも一部又は大部分が、デバイス区画22の内壁28に接触すること、及び/又は、デバイス区画22の内壁28によって閉塞されることを防止することができる。
【0094】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器10は、閉鎖部20の反対側に位置付けられ得る底部32も含む。当業者に理解されるように、他の形態では、セクション20は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器10の任意の側面に位置付けられ得る。底部32は、デバイス区画22から概ね分離されるように構成されてもよい。
【0095】
図1に示すように、底部32は、電気リード又はトレース36によって熱源38に接続された電源又は電池34を含む。いくつかの形態では、熱源38は抵抗加熱要素38である。電気スイッチ(図示せず)を設けて、スイッチを作動させることにより、電池34からの電力が加熱要素38に供給され、加熱が開始されるようにしてもよい。底部32内には、デバイス区画22と流体連通する通路又はチャネル42によって接続されたサブ区画40があり、ガス又は蒸気がチャネル42を介してサブ区画40からデバイス区画22に移動できるようになっている。
【0096】
更に図1を参照すると、サブ区画40内に位置付けられているのは、物体DにコーティングCを適用するのに有用な、蒸発可能又は昇華可能な薬液又は治療薬44の供給源である。治療薬44は、抗菌剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、除菌剤、又はそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0097】
いくつかの形態では、治療薬44は、キャリア46に取り込まれる。一形態では、治療薬44はトリクロサンからなり、任意の適切なポリマー、又は天然材料、例えば非多孔質又は多孔質の紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどで作ることができる多孔質又は吸収性パッチなどの不活性パッチの形態で担体46に担持されている。いくつかの形態では、担体46は、抵抗加熱要素38に隣接して位置付けられる。
【0098】
代替的には、治療薬44は、サブ区画40に直接、又は加熱要素38に堆積させることができる。前述のように、加熱要素38は、サブ区画40内に配置されてもよく、サブ区画40にすぐに近接して位置付けられてもよい。
【0099】
一形態では、加熱要素38は、治療薬44と直接接触するように位置付けられる。いくつかの形態では、治療薬44はトリクロサンからなり、キャリア46は吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド又はフィルムを含む。いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである
【0100】
いくつかの形態では、LED電球(図示せず)などのマイクロ電球を電気回路に設置し、電池34からの電力が加熱要素38に供給されたときに点灯するように構成することで、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器10が正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。いくつかの形態では、色変更可能な温度インジケータ(図示せず)などの温度指示ストリップも、加熱要素38の近位に設置することができ、加熱要素38が高温であること、及びシステムが正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。
【0101】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器10の動作では、物体Dがデバイス区画22内に位置付けられ、閉鎖部20が閉じられる。次いで、電源34がスイッチオンされて加熱要素38に電力を供給し、次いで、サブ区画40内の治療薬44を加熱しその温度を上昇させる。その後、治療薬44は蒸発又は昇華し、チャネル42を介してデバイス区画22に供給され、治療薬44は物体Dの表面にコーティングCを再堆積するか又は形成する。
【0102】
十分な時間、例えば1分、3分、5分、10分、20分、60分、120分、又は240分後に、電源34はスイッチオフされるか、又は電力が切れる。閉鎖部20を開き(又は代替的に封止可能な容器12を切り開き)、コーティングされた物体Dを取り外して外科手術に使用することができる。
【0103】
有利には、蒸発又は昇華する治療薬44は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器10内に完全に収容される。有利には、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器10のごく一部、すなわちサブ区画40のみが加熱される。
【0104】
ここで図2を参照すると、本発明に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器100の別の形態の概略図が示される。図2の使い捨てコーティングアプリケータ容器100は、コーティングされる物体D上に治療薬Cのコーティングを適用するように設計されている。使い捨てコーティングアプリケータ容器100は、封止可能な容器112を含み、封止可能な容器112は、容器底部114を有し、容器底部114は、上向きに延びる壁116を有し、各上向きに延びる壁116は、上縁部118で終端する。
【0105】
封止可能な容器112は、デバイス区画122を封止するための閉鎖部120も含む。デバイス区画122は、上向きに延びる壁116と、上向きに延びる壁116の上縁部118に隣接して配置された閉鎖部120と、デバイス区画フロア130とによって形成される。閉鎖部120は、ジップロック閉鎖部、リブ及び溝タイプの閉鎖部などの形態であってもよく、封止可能な容器112の信頼できる完全な閉鎖を提供する。使い捨てコーティングアプリケータ容器100は、高分子材料、又は多層高分子複合材料などの可撓性材料からなり、図示のようにバッグ状構造の形態であってもよい。
【0106】
図1の形態と同様に、デバイス区画122は、封止可能な容器112のデバイス区画122の内部に、やはりインプラントなどであってもよい物体Dの位置付けを可能にするようにサイズ決めされる。ワイヤフレーム126の形態であり得る任意のスペーサ124が、物体Dの周りに十分なガス空間を確保するために、デバイス区画122内に位置付けられてもよい。スペーサ124は、デバイス区画122内のガス又は蒸気の流れを可能にする役割を果たし、物体Dの表面又は表面の少なくとも大部分を、デバイス区画122内を流れるガス又は蒸気にアクセス可能にし、物体Dの表面の少なくとも一部又は大部分が、デバイス区画122の内壁128に接触すること、及び/又は、デバイス区画122の内壁128によって閉塞されることを防止することができる。
【0107】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器100は、閉鎖部120の反対側に位置付けられ得る底部132も含む。他の形態では、底部120は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器100の任意の側面に位置付けられてもよい。底部132は、デバイス区画122から概ね分離されるように構成されてもよい。
【0108】
図示のように、底部132は、電気リード又はトレース136によって熱源138に接続された電源又は電池134を含み、熱源138は、デバイス区画122内に位置付けられている。いくつかの形態では、熱源138は、抵抗加熱要素138である。電気スイッチが提供されてもよく(図示せず)、スイッチを作動させることにより、電池134からの電力が加熱要素138に供給されて加熱が開始されるようになっている。
【0109】
更に図2を参照すると、デバイス区画122に直接開いているサブ区画140が設けられており、その中に治療薬の供給源144が位置付けられている。一形態では、加熱要素134は、治療薬144と直接接触して位置付けられる。理解され得るように、ガス又は蒸気は、サブ区画140から移動して、対象物DにコーティングCを適用することができる。治療薬144は、抗微生物剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、除菌剤、又はそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0110】
いくつかの形態では、治療薬144は、担体146に取り込まれる。一態様では、治療薬144はトリクロサンからなり、任意の適切なポリマー、又は天然材料、例えば非多孔質又は多孔質の紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどで作ることができる多孔質又は吸収性パッチなどの不活性パッチの形態でキャリア146に担持されている。いくつかの形態では、担体146は、抵抗加熱要素138に隣接して位置付けられる。代替的には、治療薬144は、加熱要素138に直接堆積させることができる。
【0111】
一形態では、加熱要素138は、治療薬144と直接接触するように位置付けられる。いくつかの形態では、治療薬144はトリクロサンからなり、キャリア146は吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド又はフィルムを含む。いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである
【0112】
いくつかの形態では、LED電球(図示せず)などのマイクロ電球を電気回路に設置し、電池134からの電力が加熱要素138に供給されたときに点灯するように構成することで、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器100が正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。いくつかの形態では、色変更可能な温度インジケータ(図示せず)などの温度指示ストリップも、加熱要素138の近位に設置することができ、加熱要素138が高温であり、システムが正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。
【0113】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器100の動作では、物体Dがデバイス区画122内に位置付けられ、閉鎖部120が閉じられる。次いで、電源134がスイッチオンされて加熱要素138に電力を供給し、次いで治療薬144を加熱しその温度を上昇させる。次いで、治療薬144は、蒸発又は昇華し、デバイス区画122内に供給され、治療薬144は、対象物Dの表面にコーティングCを再堆積するか又は形成する。
【0114】
十分な時間、例えば1分、3分、5分、10分、20分、60分、120分、又は240分が経過すると、電源134はスイッチオフされるか、又は電力が切れる。閉鎖部120を開き(又は代わりに封止可能な容器112を切り開き)、次にコーティングされた物体Dを取り出し、外科手術に使用することができる。
【0115】
有利には、蒸発又は昇華治療薬144は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器100内に完全に収容される。
【0116】
ここで図3を参照すると、本発明に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器200の更に別の形態の概略図が示される。現在考えられ、実施されることが意図されているように、図3の使い捨てコーティングアプリケータ容器200は、コーティングされる物体D上に治療薬Cのコーティングを適用するように設計されている。使い捨てコーティングアプリケータ容器200は、封止可能な容器212を含み、封止可能な容器212は、容器底部214を有し、容器底部214は、上向きに延びる壁216を有し、各上向きに延びる壁216は、上縁部218で終端する。
【0117】
封止可能な容器212は、デバイス区画222を封止するための閉鎖部220も含む。デバイス区画222は、上向きに延びる壁216と、上向きに延びる壁216の上縁部218に隣接して配置された閉鎖部220と、デバイス区画フロア230とによって形成される。閉鎖部220は、本明細書に記載された他の実施形態と同様に、ジップロック閉鎖体、リブ及び溝タイプの閉鎖体などの形態であってもよく、封止可能な容器212の信頼性の高い完全な閉鎖部を提供する。使い捨てコーティングアプリケータ容器200は、ポリマー材料又は多層ポリマー複合体などの可撓性材料を含み、図示のようにバッグ状構造の形態であってもよい。
【0118】
デバイス区画222は、封止可能な容器212のデバイス区画222の内側に、インプラントなどであってよい物体Dの位置付けを可能にするようにサイズ決めされる。ワイヤフレーム226の形態であり得る任意選択のスペーサ224をデバイス区画222内に位置付けて、物体Dの周囲に十分なガス空間を確保することができる。当業者に理解され得るように、スペーサ224は、デバイス区画222内部のガス又は蒸気の流れを可能にする役割を果たし、デバイス区画222内部を流れるガス又は蒸気に物体Dの表面又は少なくとも大部分をアクセス可能にし、物体Dの表面の少なくとも一部又は大部分が、デバイス区画222の内壁228に接触すること、及び/又はデバイス区画222の内壁228によって閉塞されることを防止することが可能である。
【0119】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器200は、閉鎖部220の反対側に位置付けられ得る底部232も含む。当業者に理解されるように、他の形態では、底部220は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器200の任意の側面に位置付けられ得る。底部232は、デバイス区画222から概ね分離されるように構成されてもよい。
【0120】
底部232内に配置されているのは、対象物DにコーティングCを塗布するのに有用な、蒸発可能又は昇華可能な薬剤又は治療薬244の供給源である。治療薬244は、抗微生物剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、除菌剤、又はそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0121】
いくつかの形態では、治療薬244は、担体246に取り込まれる。一形態では、治療薬244はトリクロサンからなり、任意の適切なポリマー、又は天然材料、例えば非多孔性又は多孔性の紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどで作ることができる多孔性又は吸収性パッチなどの不活性パッチの形態で担体246上に支持されている。
【0122】
図3に示す形態では、底部232は、ハンドウォーマーとして使用されるタイプの、又はすぐに食べられる食事キットを加熱するために使用されるタイプの加熱パック238などの発熱源を提供する熱源238を含んでもよい。加熱パック238は、底部232の内部に配置してもよく、治療薬244の近傍のバッグの外部に位置付けてもよい。加熱パック238を作動させると、加熱パック238は急速に加熱され、したがって治療薬244の温度が上昇する。
【0123】
理解され得るように、この形態では、熱源は、化学反応又は溶解又は結晶化のエンタルピーである。加熱パック238は、半透過性パウチを開封して活性化(酸素活性化)するか、又は結晶化を引き起こすためにスナップ活性化するか、又は水パウチを破裂させて活性化し、溶解のエンタルピーによる熱を発生させることができる。特定の加熱パック238は、非常に迅速に加熱することができる。これは、適切な加熱混合物の組成(例えば、鉄粉、塩、水、活性炭、及び充填剤など)、粒子サイズ(例えば、粒子が細かいほど表面積が大きくなり、反応が促進される)、及びパウチの通気性(例えば、通気性が高いほど加熱速度が速くなる)を用いることで達成される。
【0124】
即効性のあるヒートパックの中には、現場で兵士の食料配給を温めるために使用されるものもある。例えば、その内容がこれらの詳細を参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許第5,205,277号は、NaCl、酢酸、及び水を含む液体と混合される酸化カルシウムを使用する自己発熱容器を開示している。別の例は、鉄粉末、塩化物又は硫酸塩、活性炭及び水からなる発熱組成物を開示する米国特許第3,976,049号によって提供され、その内容は、これらの詳細についての参照により本明細書に組み込まれる。更に別の例として、米国特許第5,046,479号には、鉄粉をベースにした同様の発熱組成物が開示されており、その内容はこれらの詳細を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0125】
典型的には、発熱組成物は、約30%~約80%の鉄粉、約3%~約25%の活性炭、非活性炭、及びそれらの混合物、約0.5%~約10%の金属塩、及び約1%~約40%の水、を含む。より速い作用のために、組成物は、アルミニウム若しくはマグネシウムなどの約1%~約20%の反応性金属粉末を更に含んでもよく、又はより微細な鉄粉を更に含んでもよい。
【0126】
急速かつ安全な加熱動作を生成するための他の化学システムとしては、脆弱なパウチに貯蔵される水と混合した際に熱を生成する塩化カルシウム、水と混合した際に熱を生成する硫酸マグネシウム(例えば、米国特許第4,057,047号参照)、酢酸ナトリウム水溶液、などが含まれる。
【0127】
一形態では、加熱パック238は、治療薬244と直接接触するように位置付けられる。いくつかの形態では、治療薬244はトリクロサンを含み、担体246は、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む。いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである。
【0128】
いくつかの形態では、色変化温度表示器(図示せず)などの温度表示ストリップを加熱パック238の近位に設置することもでき、加熱パック238が高温であること、及びシステムが正常に動作していることをユーザに示す表示を提供する。
【0129】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器200の動作では、物体Dがデバイス区画222内に配置され、閉鎖部220が閉じられる。加熱パック238が作動し、治療薬244の温度を上昇させる。次いで、治療薬244は、蒸発又は昇華し、治療薬244が物体Dの表面上にコーティングCを再堆積又は形成するデバイス区画222に供給される。
【0130】
十分な時間、例えば1分、3分、5分、10分、20分、60分、120分、又は240分後に、閉鎖部20を開き(又は代わりに封止容器212を切り開き)、コーティングされた対象物Dを取り出して、外科手術に使用することができる。
【0131】
有利なことに、蒸発又は昇華する治療薬244は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器200内に完全に収容される。
【0132】
ここで図4を参照すると、本発明に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器300の一形態の概略図が示されている。現在考えられ、実施されることが意図されているように、図4の使い捨てコーティングアプリケータ容器300は、コーティングされる物体D上に治療薬Cのコーティングを適用するように構築され、配置されている。使い捨てコーティングアプリケータ容器300は、封止可能な容器312を含み、封止可能な容器312は、容器底部314を有し、容器底部314は、上向きに延びる壁316を有し、各上向きに延びる壁316は、上縁部318で終端する。
【0133】
封止可能な容器312は、デバイス区画322を封止するための閉鎖部320も含む。デバイス区画322は、上向きに延びる壁316と、上向きに延びる壁316の上縁318に隣接して配置された閉鎖部320と、デバイス区画フロア330とによって形成される。閉鎖部320は、ジップロック式閉鎖部、リブ及び溝タイプの閉鎖部などの形態であってもよく、封止可能な容器312の信頼性の高い完全な閉鎖を提供する。使い捨てコーティングアプリケータ容器300は、ポリマー材料又は多層ポリマー複合体などの可撓性材料を含み、図示のようにバッグ状構造の形態であってもよい。
【0134】
デバイス区画322は、封止可能な容器312のデバイス区画322の内側に、インプラントなどであってもよい物体Dの位置付けを可能にするようにサイズ決めされる。ワイヤフレーム326の形態であり得る任意選択のスペーサ324をデバイス区画322内に位置付けて、物体Dの周囲に十分なガス空間を確保することができる。当業者に理解され得るように、スペーサ324は、デバイス区画322内部のガス又は蒸気の流れを可能にする役割を果たし、デバイス区画322内部を流れるガス又は蒸気に物体Dの表面又は少なくとも大部分をアクセス可能にし、物体Dの表面の少なくとも一部又は大部分が、デバイス区画322の内壁328に接触すること、及び/又はデバイス区画322の内壁328によって閉塞されることを防止することが可能である。
【0135】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器300は、閉鎖部320の反対側に位置付けられ得る底部332も含む。当業者に理解されるように、他の形態では、底部332は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器300の任意の側面に位置付けられ得る。底部332は、デバイス区画322から概ね分離されるように構成されてもよい。
【0136】
図4に示すように、底部332は、電気リード又はトレース336によって熱源338に接続された電源又は電池334を含む。いくつかの形態では、熱源338は、抵抗加熱要素338である。電気スイッチが設けられてもよく(図示せず)、スイッチを作動させることにより、電池334からの電力が加熱要素338に供給されて加熱が開始される。底部332内には、デバイス区画322と流体連通する通路又はチャネル342によって接続されたサブ区画340があり、ガス又は蒸気がチャネル342を介してサブ区画340からデバイス区画322に移動できるようになっている。
【0137】
更に図4を参照すると、サブ区画340内に位置付けられているのは、物体DにコーティングCを適用するのに有用な、蒸発可能又は昇華可能な薬液又は治療薬344の供給源である。治療薬344は、抗菌剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、除菌剤、又はそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0138】
いくつかの形態では、治療薬344は、キャリア346に取り込まれる。一形態では、治療薬344はトリクロサンからなり、任意の適切なポリマー、又は天然材料、例えば非多孔性又は多孔性の紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどで作ることができる多孔性又は吸収性パッチなどの不活性パッチの形態で担体346上に支持されている。いくつかの形態では、担体346は、抵抗加熱要素338に隣接して位置付けられる。
【0139】
代替的には、治療薬344は、サブ区画340に直接、又は加熱要素338に堆積させることができる。前述のように、加熱要素338は、サブ区画340内に配置されてもよく、サブ区画340にすぐに近接して位置付けられてもよい。
【0140】
一形態では、加熱要素338は、治療薬344と直接接触するように位置付けられる。いくつかの形態では、治療薬344はトリクロサンからなり、キャリア346は吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド又はフィルムを含む。いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである。
【0141】
図4に示すように、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器300は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器300に接続された、圧縮可能な弾性バルブ又はベローズなどの手動蒸気循環ポンプ348も含む。蒸気循環ポンプ348は、チャネル350を介してサブ区画340と流体連通しており、更に、チャネル342を介してデバイス区画322と流体連通している。
【0142】
一態様では、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器300は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器300に接続された、圧縮可能な弾性バルブ又はベローズなどの手動ガス循環ポンプ352を含む。ガス循環ポンプ352は、チャネル354を介してデバイス区画322と流体連通している。
【0143】
いくつかの形態では、LED電球(図示せず)などのマイクロ電球を電気回路内に設置することができ、電池334からの電力が加熱要素338に供給されると点灯するように構成され、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器300が通常動作していることをユーザに示す表示を提供する。いくつかの形態では、色変化可能な温度インジケータ(図示せず)などの温度指示ストリップも、加熱要素338の近位に設置することができ、加熱要素338が高温であり、システムが正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。
【0144】
いくつかの形態では、蒸気循環ポンプ348のみが存在する。いくつかの形態では、ガス循環ポンプ352のみが存在する。いくつかの形態では、蒸気循環ポンプ348及びガス循環ポンプ352の両方が存在する。
【0145】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器300の動作では、物体Dがデバイス区画322内に位置付けられ、閉鎖部320が閉じられる。次いで、電源334がスイッチオンされて加熱要素338に電力を供給し、次いで、サブ区画340内の治療薬344を加熱しその温度を上昇させる。
【0146】
加熱要素338の加熱と同時に、蒸気循環ポンプ348及び/又はガス循環ポンプ352を以下のように作動させることができる。蒸気循環ポンプ352は、電球356を圧縮及び解放することによって作動し、したがって、矢印358によって示されるように、チャネル350を介してガス(空気など)をチャネル342を介してデバイス区画322内に移動させ、チャネル342を介してデバイス区画322から排出させ、これにより、対象物Dの表面への治療薬344の交換及び均一な堆積を容易にする。
【0147】
ガス循環ポンプ352は、バルブ360を圧縮及び解放することによって作動し、したがって、矢印362によって示されるように、チャネル354を介してガスをデバイス区画322内に移動させ、次いで戻し、したがって、物体Dの表面上の治療薬344の交換及び均一な堆積を促進する。
【0148】
いくつかの実施形態では、蒸気循環ポンプ348は、それ自体で動作させることができ、又はガス循環ポンプ352は、それ自体で動作させることができ、あるいは代替的に蒸気循環ポンプ348及びガス循環ポンプ352の両方を同時に動作させることができる。
【0149】
一態様では、蒸気循環ポンプ348が圧縮され、チャネル350を介してガスをサブ区画340に、次いでチャネル342を介してデバイス区画322に移動させると、ガス循環ポンプ352が同時に解放され、デバイス区画322からチャネル354を介してガス循環ポンプ352へのガスの取り込みを容易にする。
【0150】
蒸気循環ポンプ60が解放されて、ガスをデバイス区画322からチャネル342を介してサブ区画340に、次いでチャネル350を介して蒸気循環ポンプ348に移動させるときに必要な変更が行われると、ガス循環ポンプ352が同時に圧縮されて、ガス循環ポンプ352からチャネル354を介してデバイス区画322にガスを移動させる。
【0151】
治療薬344は、蒸発又は昇華し、物体Cの表面に再堆積する。十分な時間、例えば1分、3分、5分、10分、20分、60分、120分、又は240分後に、電源34はスイッチオフされるか、又は電力が切れる。閉鎖部320を開き(又は代わりに封止可能な容器312を切り開き)、次にコーティングされた物体Dを取り出し、外科手術に使用することができる。
【0152】
有利には、蒸発又は昇華治療薬344は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器300内に完全に収容される。有利には、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器300のごく一部、すなわちサブ区画340のみが加熱される。
【0153】
ここで図5を参照すると、本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器400の一形態の概略図が示されている。現在考えられ、実施されることが意図されているように、図5の使い捨てコーティングアプリケータ容器400は、コーティングされる物体D上に治療薬Cのコーティングを適用するように設計されている。使い捨てコーティングアプリケータ容器400は、封止可能な容器412を含み、封止可能な容器412は、容器底部414を有し、容器底部414は、上向きに延びる壁416を有し、各上向きに延びる壁416は、上縁部418で終端する。
【0154】
封止可能な容器412は、デバイス区画422を封止するための閉鎖部420も含む。デバイス区画422は、上向きに延びる壁416と、上向きに延びる壁416の上縁部418に隣接して配置された閉鎖部420と、デバイス区画フロア430とによって形成される。閉鎖部420は、ジップロック式閉鎖部、リブ及び溝タイプの閉鎖部などの形態であってもよく、封止可能な容器412の信頼性の高い完全な閉鎖を提供する。使い捨てコーティングアプリケータ容器400は、高分子材料、又は多層高分子複合材料などの可撓性材料からなり、図示されているように、バッグ状構造の形態であってもよい。
【0155】
デバイス区画422は、封止可能な容器412のデバイス区画422の内側に、インプラントなどであってもよい物体Dの位置付けを可能にするようにサイズ決めされる。ワイヤフレーム426の形態であり得る任意のスペーサ424は、物体Dの周囲に十分なガス空間を確保するために、デバイス区画422内に位置付けられてもよい。当業者に理解され得るように、スペーサ424は、デバイス区画422内部のガス又は蒸気の流れを可能にする役割を果たし、物体Dの表面又は表面の少なくとも大部分を、デバイス区画422内部を流れるガス又は蒸気にアクセス可能にし、物体Dの表面の少なくとも一部又は大部分が、デバイス区画422の内壁428に接触すること、及び/又は、デバイス区画422の内壁428によって閉塞されることを防止する。
【0156】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器400は、閉鎖部420の反対側に位置付けられ得る底部432も含む。当業者に理解されるように、他の形態では、底部432は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器400の任意の側面に位置付けられ得る。底部432は、デバイス区画422から概ね分離されるように構成されてもよい。
【0157】
図5に示すように、底部432は、電気リード又はトレース436によって熱源438に接続された電源又は電池434を含む。いくつかの形態では、熱源438は、抵抗加熱要素438である。電気スイッチが設けられていてもよく(図示せず)、スイッチを作動させることにより、電池434からの電力が加熱要素438に供給され加熱が開始される。底部432内には、デバイス区画422と流体連通する通路又はチャネル442によって接続されたサブ区画440があり、ガス又は蒸気がチャネル442を介してサブ区画440からデバイス区画422に移動できるようになっている。
【0158】
サブ区画440内に配置されているのは、対象物D上にコーティングCを適用するのに有用な、蒸発可能又は昇華可能な薬剤又は治療薬444の供給源である。治療薬444は、抗微生物剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、除菌剤、又はそれらの組み合わせから選択され得る。
【0159】
いくつかの形態では、治療薬444は、担体446に取り込まれる。一形態では、治療薬444はトリクロサンを含み、任意の好適なポリマー、又は非多孔質若しくは多孔質紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの天然材料で作製され得る、多孔質若しくは吸収性パッチなどの不活性パッチの形態で担体446上に支持される。いくつかの形態では、担体446は、抵抗加熱要素438に隣接して位置付けられる。
【0160】
代替的には、治療薬444は、サブ区画440又は加熱要素438上に直接堆積されてもよい。前述のように、加熱要素438は、サブ区画440内に位置付けられてもよく、又はサブ区画440のすぐ近くに位置付けられてもよい。
【0161】
一形態では、加熱要素438は、治療薬444と直接接触するように位置付けられる。いくつかの形態では、治療薬444はトリクロサンを含み、担体446は、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む。いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである。
【0162】
図5に示すように、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器400は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器400に接続された、圧縮可能な弾性バルブ又はベローズなどの手動の再循環ポンプ448も含む。再循環ポンプ448は、チャネル450を介してサブ区画440と流体連通しており、更に、チャネル442を介してデバイス区画422とも流体連通している。再循環ポンプ448は、別ガス吸入チャネル468を介してデバイス区画422とも流体連通している。
【0163】
再循環ポンプ448のバルブ456は、圧縮及び解放することができ、その結果、矢印458によって示すように、再循環ポンプ448のバルブから又はバルブ内へのガスの移動が生じる。一方向供給弁470は、蒸気供給チャネル450に設置され、矢印472で示すように、チャネル468を介して、ガスが再循環ポンプ448から蒸気供給チャネル450に、更にサブ区画440に、更にデバイス区画422に移動することを可能にするように構成されている。一方向供給弁470は、ガスがサブ区画440から蒸気供給チャネル450に、そして再循環ポンプ448に直接移動することを防止する。
【0164】
一方向吸気弁474は、ガス吸気チャネル468に設置され、矢印476で示すように、ガスがデバイス区画422から再循環ポンプ458に移動することを可能にするように構成される。一方向吸気弁474は、任意のガスが再循環ポンプ458からガス吸気チャネル468に直接移動することを防止する。
【0165】
いくつかの形態では、LED電球(図示せず)などのマイクロ電球を電気回路内に設置することができ、電池434からの電力が加熱要素438に供給されると点灯するように構成され、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器400が通常動作していることをユーザに示す表示を提供する。いくつかの形態では、色変化可能な温度インジケータ(図示せず)などの温度指示ストリップも、加熱要素438の近位に設置することができ、加熱要素438が高温であり、システムが正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。
【0166】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器400の動作では、物体Dがデバイス区画422内に位置付けられ、閉鎖部420が閉じられる。次いで、電源434は、加熱要素438に電力を供給するためにスイッチオンされ、次いで、サブ区画440内の治療薬444を加熱しその温度を上昇させる。
【0167】
要素434の加熱と同時に、再循環ポンプ458がバルブ456を圧縮してから解放し、その結果、チャネル450を介して一方向供給弁470からサブ区画440にガス(空気など)を移動させ、ここでガスが治療薬444の蒸気を拾い、矢印464で示すように、チャネル442を介してその蒸気をデバイス区画422に移すことができる。次いで、ガスは、矢印476で示すように、デバイス区画422から、ガス吸気チャネル468及び一方向吸気弁474を介して再循環ポンプ458に逆流することができ、したがって、物体Dの表面上の治療薬444の交換及び均一な堆積が促進される。
【0168】
十分な時間、例えば1分、3分、5分、10分、20分、60分、120分、又は240分が経過すると、電源434はスイッチオフされるか、又は電力が切れる。閉鎖部420を開き(又は代わりに封止可能な容器412を切り開き)、次にコーティングされた物体Dを取り出し、外科手術に使用することができる。
【0169】
有利には、蒸発又は昇華治療薬444は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器400内に完全に収容される。有利には、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器400のごく一部、すなわちサブ区画440のみが加熱される。
【0170】
ここで図6を参照すると、本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器500の一形態の概略図が示されている。現在考えられ、実施されることが意図されているように、図6の使い捨てコーティングアプリケータ容器500は、コーティングされる物体D上に治療薬Cのコーティングを適用するように設計されている。使い捨てコーティングアプリケータ容器500は、封止可能な容器512を含み、封止可能な容器512は、容器底部514を有し、容器底部514は、上向きに延びる壁516を有し、各上向きに延びる壁516は、上縁部518で終端する。
【0171】
封止可能な容器512は、デバイス区画522を封止するための閉鎖部520も含む。デバイス区画522は、上向きに延びる壁516と、上向きに延びる壁516の上縁518に隣接して配置された閉鎖部520と、デバイス区画フロア530とによって形成される。閉鎖部520は、ジップロック式閉鎖部、リブ及び溝タイプの閉鎖部などの形態であってもよく、封止可能な容器512の信頼性の高い完全な閉鎖を提供する。使い捨てコーティングアプリケータ容器500は、ポリマー材料又は多層ポリマー複合体などの可撓性材料を含み、図示のようにバッグ状構造の形態であってもよい。
【0172】
デバイス区画522は、封止可能な容器512のデバイス区画522の内部に、インプラントなどであってもよい物体Dを位置付けできるようにサイズ決めされる。ワイヤフレーム526の形態であり得る任意のスペーサ524は、物体Dの周囲に十分なガス空間を確保するために、デバイス区画522内に位置付けられてもよい。当業者に理解され得るように、スペーサ524は、デバイス区画522内部のガス又は蒸気の流れを可能にする役割を果たし、物体Dの表面又は表面の少なくとも大部分を、デバイス区画522内部を流れるガス又は蒸気にアクセス可能にし、物体Dの表面の少なくとも一部又は大部分が、デバイス区画522の内壁528に接触すること、及び/又は、デバイス区画522の内壁528によって閉塞されることを防止する。
【0173】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器500は、閉鎖部520の反対側に位置付けられ得る底部532も含む。当業者に理解されるように、他の形態では、底部532は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器500の任意の側面に位置付けられ得る。底部532は、デバイス区画522から概ね分離されるように構成されてもよい。
【0174】
図6に示すように、底部532は、電気リード又はトレース536によって熱源538に接続された電源又は電池534を含む。いくつかの形態では、熱源538は、抵抗加熱要素538である。電気スイッチが設けられていてもよく(図示せず)、スイッチを作動させることにより、電池534からの電力が加熱要素538に供給され、加熱が開始される。底部532内には、デバイス区画522と流体連通する通路又はチャネル542によって接続されたサブ区画540があり、ガス又は蒸気がチャネル542を介してサブ区画540からデバイス区画522に移動できるようになっている。
【0175】
サブ区画540内に配置されているのは、対象物D上にコーティングCを適用するのに有用な、蒸発可能又は昇華可能な薬剤又は治療薬544の供給源である。治療薬544は、抗微生物剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、除菌剤、又はそれらの組み合わせから選択され得る。
【0176】
いくつかの形態では、治療薬544は、担体546に取り込まれる。一形態では、治療薬544はトリクロサンを含み、任意の好適なポリマー、又は非多孔質若しくは多孔質紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの天然材料で作製され得る、多孔質若しくは吸収性パッチなどの不活性パッチの形態で担体546上に支持される。いくつかの形態では、担体546は、抵抗加熱要素538に隣接して位置付けられる。
【0177】
代替的には、治療薬544は、サブ区画540又は加熱要素538上に直接堆積されてもよい。前述のように、加熱要素538は、サブ区画540内に位置付けられてもよく、又はサブ区画540のすぐ近くに位置付けられてもよい。
【0178】
一形態では、加熱要素538は、治療薬544と直接接触するように位置付けられる。いくつかの形態では、治療薬544はトリクロサンを含み、担体546は、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む。いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである。
【0179】
図6に示すように、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器500は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器500に接続された、圧縮可能な弾性バルブ又はベローズなどの手動の再循環ポンプ548も含む。再循環ポンプ548は、チャネル550を介してサブ区画540と流体連通しており、更に、チャネル542を介してデバイス区画522とも流体連通している。
【0180】
再循環ポンプ548は、別ガス吸気チャネル568を介してデバイス区画522とも流体連通しており、このチャネルは、ガス吸気チャネル568に接続され、デバイス区画522の中央(図示せず)又は閉鎖部520(図示)の近位など、チャネル542の遠位でデバイス区画522内で終端する、ポリマーチューブ580の形態であってもよい吸気カニューレ578と流体連通している。
【0181】
吸気カニューレ578は、矢印576で示すように、ガスがデバイス区画522からガス吸気チャネル568及び一方向吸気弁574を介して再循環ポンプ548に逆流するのを容易にするのに役立つ。この配置は、デバイス区画522全体のガス及び蒸気の良好な交換を容易にし、治療剤544の蒸気を含むガスは、矢印572で示すように、底部532に近接した使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器500の一方の側面でデバイス区画522に入り、次いで、ガスは、底部532に離れた吸気カニューレ578を介して出る前に、デバイス区画522の周りを移動する。
【0182】
有利には、吸気カニューレ578は、物体Dの表面への治療剤544の良好な交換及び均一な堆積を更に容易にする。
【0183】
再循環ポンプ548のバルブ556は、圧縮及び解放することができ、その結果、矢印558によって示すように、再循環ポンプ548のバルブから又はバルブ内へのガスの移動が生じる。一方向供給弁570は、蒸気供給チャネル550に設置され、矢印572で示すように、チャネル568を介して、ガスが再循環ポンプ548から蒸気供給チャネル550に、更にサブ区画540に、更にデバイス区画522に移動することを可能にするように構成されている。一方向供給弁570は、ガスがサブ区画540から蒸気供給チャネル550に、そして再循環ポンプ548に直接移動することを防止する。
【0184】
一方向吸気弁574は、ガス吸気チャネル568に設置され、矢印576で示すように、ガスがデバイス区画522から再循環ポンプ558に移動することを可能にするように構成される。一方向吸気弁574は、任意のガスが再循環ポンプ558からガス吸気チャネル568及び吸気カニューレ578に移動することを防止する。
【0185】
いくつかの形態では、LED電球(図示せず)などのマイクロ電球を電気回路内に設置することができ、電池534からの電力が加熱要素538に供給されると点灯するように構成され、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器500が通常動作していることをユーザに示す表示を提供する。いくつかの形態では、色変化可能な温度インジケータ(図示せず)などの温度指示ストリップも、加熱要素538の近位に設置することができ、加熱要素538が高温であり、システムが正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。
【0186】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器500の動作では、物体Dがデバイス区画522内に位置付けられ、閉鎖部520が閉じられる。次いで、電源534は、加熱要素538に電力を供給するためにスイッチオンされ、次いで、サブ区画540内の治療薬544を加熱しその温度を上昇させる。
【0187】
要素534の加熱と同時に、再循環ポンプ558がバルブ556を圧縮してから解放し、その結果、チャネル550を介して一方向供給弁570からサブ区画540にガス(空気など)を移動させ、ここでガスが治療薬544の蒸気を拾い、矢印564で示すように、チャネル542を介してその蒸気をデバイス区画522に移すことができる。次いで、ガスは、矢印576で示すように、デバイス区画522から、ガス吸気チャネル568及び吸気カニューレ578及び一方向吸気弁574を介して再循環ポンプ558に逆流することができ、したがって、治療剤544の交換及び均一な堆積を促進する。
【0188】
十分な時間、例えば1分、3分、5分、10分、20分、60分、120分、又は240分が経過すると、電源534はスイッチオフされるか、又は電力が切れる。閉鎖部520を開き(又は代わりに封止可能な容器512を切り開き)、次にコーティングされた物体Dを取り出し、外科手術に使用することができる。
【0189】
有利には、蒸発又は昇華治療薬544は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器500内に完全に収容される。有利には、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器500のごく一部、すなわちサブ区画540のみが加熱される。
【0190】
ここで図7を参照すると、本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器600の一形態の概略図が示されている。現在考えられ、実施されることが意図されているように、図7の使い捨てコーティングアプリケータ容器600は、コーティングされる物体D上に治療薬Cのコーティングを適用するように設計されている。使い捨てコーティングアプリケータ容器600は、封止可能な容器612を含み、封止可能な容器612は、容器底部614を有し、容器底部614は、上向きに延びる壁616を有し、各上向きに延びる壁616は、上縁部618で終端する。
【0191】
封止可能な容器612は、デバイス区画622を封止するための閉鎖部620も含む。デバイス区画622は、上向きに延びる壁616と、上向きに延びる壁616の上縁部618に隣接して配置された閉鎖部620と、デバイス区画フロア630とによって形成される。閉鎖部620は、ジップロック式閉鎖部、リブ及び溝タイプの閉鎖部などの形態であってもよく、封止可能な容器612の信頼性の高い完全な閉鎖を提供する。使い捨てコーティングアプリケータ容器600は、ポリマー材料又は多層ポリマー複合体などの可撓性材料を含み、図示のようにバッグ状構造の形態であってもよい。
【0192】
デバイス区画622は、封止可能な容器612のデバイス区画622の内側に、インプラントなどであってもよい物体Dの位置付けを可能にするようにサイズ決めされる。ワイヤフレーム626の形態であり得る任意のスペーサ624は、物体Dの周囲に十分なガス空間を確保するために、デバイス区画622内に位置付けられてもよい。当業者に理解され得るように、スペーサ624は、デバイス区画622内部のガス又は蒸気の流れを可能にする役割を果たし、物体Dの表面又は表面の少なくとも大部分を、デバイス区画622内部を流れるガス又は蒸気にアクセス可能にし、物体Dの表面の少なくとも一部又は大部分が、デバイス区画622の内壁628に接触すること、及び/又は、デバイス区画622の内壁628によって閉塞されることを防止する。
【0193】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器600は、閉鎖部620の反対側に位置付けられ得る底部632も含む。当業者に理解されるように、他の形態では、底部632は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器600の任意の側面に位置付けることができる。底部632は、デバイス区画622から概ね分離されるように構成されてもよい。
【0194】
図7に示すように、底部632は、電気リード又はトレース636によって熱源638に接続された電源又は電池634を含む。いくつかの形態では、熱源638は、抵抗加熱要素638である。電気スイッチが設けられていてもよく(図示せず)、スイッチを作動させることにより、電池634からの電力が加熱要素638に供給され加熱が開始される。底部632内には、デバイス区画622と流体連通する通路又はチャネル642によって接続されたサブ区画640があり、ガス又は蒸気がチャネル642を介してサブ区画640からデバイス区画622に移動できるようになっている。
【0195】
サブ区画640内に配置されているのは、対象物D上にコーティングCを適用するのに有用な、蒸発可能又は昇華可能な薬剤又は治療薬644の供給源である。治療薬644は、抗微生物剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、除菌剤、又はそれらの組み合わせから選択され得る。
【0196】
いくつかの形態では、治療薬644は、担体646に取り込まれる。一形態では、治療薬644はトリクロサンを含み、任意の好適なポリマー、又は非多孔質若しくは多孔質紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの天然材料で作製され得る、多孔質若しくは吸収性パッチなどの不活性パッチの形態で担体646上に支持される。いくつかの形態では、担体646は、抵抗加熱要素638に隣接して位置付けられる。
【0197】
代替的には、治療薬644は、サブ区画640又は加熱要素638上に直接堆積されてもよい。前述のように、加熱要素638は、サブ区画640内に位置付けられてもよく、又はサブ区画640のすぐ近くに位置付けられてもよい。
【0198】
一形態では、加熱要素638は、治療薬644と直接接触するように位置付けられる。いくつかの形態では、治療薬644はトリクロサンを含み、担体646は、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む。いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである。
【0199】
図7に示すように、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器600は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器600に接続された、圧縮可能な弾性バルブ又はベローズなどの手動の再循環ポンプ648も含む。再循環ポンプ648は、チャネル650を介してサブ区画640と流体連通しており、更に、チャネル642を介してデバイス区画622とも流体連通している。
【0200】
再循環ポンプ648は、別ガス吸気チャネル668も介してデバイス区画622とも流体連通しており、このチャネルは、ガス吸気チャネル668に接続され、デバイス区画622の中央(図示せず)又は閉鎖部620(図示)の近位など、チャネル642の遠位でデバイス区画622内で終端する、ポリマーチューブ680の形態であってもよい吸気カニューレ678と流体連通している。
【0201】
吸気カニューレ678は、矢印676で示すように、ガスがデバイス区画622からガス吸気チャネル668及び一方向吸気弁674を介して再循環ポンプ648に逆流するのを容易にするのに役立つ。この配置は、デバイス区画622全体のガス及び蒸気の良好な交換を容易にし、治療剤644の蒸気を含むガスは、矢印672で示すように、底部632に近接した使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器600の一方の側面でデバイス区画622に入り、次いで、ガスは、底部632に離れた吸気カニューレ678を介して出る前に、デバイス区画622の周りを移動する。
【0202】
図7に示す形態では、吸気カニューレ678は、デバイス区画622のエリアにわたってガスを収集し、再循環ポンプ648及び蒸発/昇華治療薬644の供給源に戻すための複数の開口部682を備える。有利には、吸気カニューレ678は、物体Dの表面への治療薬644の良好な交換及び均一な堆積を更に容易にする。
【0203】
更に、図示のように、開口部686を有するガス及び治療薬供給カニューレ684が、デバイス区画622のエリアにわたってガス及び治療薬644を供給するために設けられる。供給カニューレ684は、吸気カニューレ678の反対側に位置付けられてもよく、したがって、デバイス区画622を横切るガス及び治療薬644の移動を容易にする。
【0204】
再循環ポンプ648のバルブ656は、圧縮及び解放することができ、その結果、矢印658によって示すように、再循環ポンプ648のバルブから又はバルブ内へのガスの移動が生じる。一方向供給弁670は、蒸気供給チャネル650に設置され、矢印672で示すように、チャネル668を介して、ガスが再循環ポンプ648から蒸気供給チャネル650に、更にサブ区画640に、更にデバイス区画622に移動することを可能にするように構成されている。一方向供給弁670は、ガスがサブ区画640から蒸気供給チャネル650に、そして再循環ポンプ648に直接移動することを防止する。
【0205】
一方向吸気弁674は、ガス吸気チャネル668に設置され、矢印676で示すように、ガスがデバイス区画622から再循環ポンプ658に移動することを可能にするように構成される。一方向吸気弁674は、任意のガスが再循環ポンプ658からガス吸気チャネル568及び吸気カニューレ678に直接移動することを防止する。
【0206】
いくつかの形態では、LED電球(図示せず)などのマイクロ電球を電気回路内に設置することができ、電池634からの電力が加熱要素638に供給されると点灯するように構成され、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器600が通常動作していることをユーザに示す表示を提供する。いくつかの形態では、色変化可能な温度インジケータ(図示せず)などの温度指示ストリップも、加熱要素638の近位に設置することができ、加熱要素638が高温であり、システムが正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。
【0207】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器600の動作では、物体Dがデバイス区画622内に位置付けられ、閉鎖部620が閉じられる。次いで、電源634は、加熱要素638に電力を供給するためにスイッチオンされ、次いで、サブ区画640内の治療薬644を加熱しその温度を上昇させる。
【0208】
要素634の加熱と同時に、再循環ポンプ658がバルブ656を圧縮してから解放し、その結果、チャネル650を介して一方向供給弁670からサブ区画640にガス(空気など)を移動させ、ここでガスが治療薬644の蒸気を拾い、矢印664で示すように、チャネル642を介してその蒸気をデバイス区画622に移すことができる。次いで、ガスは、矢印676で示すように、デバイス区画622から、ガス吸気チャネル668及び吸気カニューレ678及び一方向吸気弁674を介して再循環ポンプ658に逆流することができ、したがって、治療剤644の交換及び均一な堆積を促進する。
【0209】
十分な時間、例えば1分、3分、5分、10分、20分、60分、120分、又は240分が経過すると、電源634はスイッチオフされるか、又は電力が切れる。閉鎖部620を開き(又は代わりに封止可能な容器612を切り開き)、次にコーティングされた物体Dを取り出し、外科手術に使用することができる。
【0210】
有利には、蒸発又は昇華治療薬644は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器600内に完全に収容される。有利には、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器600のごく一部、すなわちサブ区画640のみが加熱される。
【0211】
ここで図8を参照すると、本発明に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器700の別の形態の概略図が示される。図8の使い捨てコーティングアプリケータ容器700は、コーティングされる物体D上に治療薬Cのコーティングを適用するように設計されている。使い捨てコーティングアプリケータ容器700は、封止可能な容器712を含み、封止可能な容器712は、容器底部714を有し、容器底部714は、上向きに延びる壁716を有し、各上向きに延びる壁716は、上縁部718で終端する。
【0212】
封止可能な容器712は、デバイス区画722を封止するための閉鎖部720も含む。デバイス区画722は、上向きに延びる壁716と、上向きに延びる壁716の上縁部718に隣接して配置された閉鎖部720と、デバイス区画フロア730とによって形成される。閉鎖部720は、ジップロック式閉鎖部、リブ及び溝タイプの閉鎖部などの形態であってもよく、封止可能な容器712の信頼性の高い完全な閉鎖を提供する。使い捨てコーティングアプリケータ容器700は、ポリマー材料又は多層ポリマー複合体などの可撓性材料を含み、図示のようにバッグ状構造の形態であってもよい。
【0213】
図1図7の形態と同様に、デバイス区画122は、封止可能な容器712のデバイス区画722の内部に、やはりインプラントなどであってもよい物体Dの位置付けを可能にするようにサイズ決めされる。ワイヤフレーム726の形態であり得る任意のスペーサ724が、物体Dの周りに十分なガス空間を確保するために、デバイス区画722内に位置付けられてもよい。スペーサ724は、デバイス区画722内のガス又は蒸気の流れを可能にする役割を果たし、物体Dの表面又は表面の少なくとも大部分を、デバイス区画722内を流れるガス又は蒸気にアクセス可能にし、物体Dの表面の少なくとも一部又は大部分が、デバイス区画722の内壁728に接触すること、及び/又は、デバイス区画722の内壁728によって閉塞されることを防止することができる。
【0214】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器700は、閉鎖部720の反対側に位置付けされ得る底部732も含む。他の形態では、底部720は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器700の任意の側面に位置付けられてもよい。底部732は、デバイス区画722から概ね分離されるように構成されてもよい。
【0215】
図示のように、底部732は、電気リード又はトレース736によって熱源738に接続された電源又は電池734を含み、熱源738は、デバイス区画722内に位置付けられている。いくつかの形態では、熱源738は、抵抗加熱要素738である。電気スイッチが設けられていてもよく(図示せず)、スイッチを作動させることにより、電池734からの電力が加熱要素738に供給され加熱が開始される。
【0216】
更に図8を参照すると、デバイス区画722に直接開いているサブ区画740が設けられており、その中に治療薬の供給源744が位置付けされている。一形態では、加熱要素734は、治療薬744と直接接触して位置付けされる。理解され得るように、ガス又は蒸気は、サブ区画740から移動して、対象物DにコーティングCを適用することができる。治療薬744は、抗微生物剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、除菌剤、又はそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0217】
いくつかの形態では、治療薬744は、担体746に取り込まれる。一形態では、治療薬744はトリクロサンを含み、任意の好適なポリマー、又は非多孔質若しくは多孔質紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの天然材料で作製され得る、多孔質若しくは吸収性パッチなどの不活性パッチの形態で担体746上に支持される。いくつかの形態では、担体746は、抵抗加熱要素738に隣接して位置付けられる。代替的には、治療薬744は、加熱要素738に直接堆積させることができる。
【0218】
一形態では、加熱要素738は、治療薬744と直接接触するように位置付けされる。いくつかの形態では、治療薬744はトリクロサンを含み、担体746は、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む。いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである。
【0219】
図8に示すように、ガス及び治療薬744の移動を容易にするために、再循環ファン786が設けられている。再循環ファン786は、電気リード又はトレース788を介して電源734から電力を供給することができる。再循環ファン786は、必要に応じてオン又はオフにするようにマイクロプロセッサ(図示せず)で制御することができ、抵抗加熱要素738と協働することができるが、この抵抗加熱要素も、リレー又はロジックレベルのMosfetを介してなど、マイクロプロセッサで制御することができる。
【0220】
いくつかの形態では、LED電球(図示せず)などのマイクロ電球を電気回路内に設置することができ、電池734からの電力が加熱要素738に供給されると点灯するように構成され、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器700が通常動作していることをユーザに示す表示を提供する。いくつかの形態では、色変化可能な温度インジケータ(図示せず)などの温度指示ストリップも、加熱要素738の近位に設置することができ、加熱要素738が高温であり、システムが正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。
【0221】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器700の動作では、物体Dがデバイス区画722内に位置付けられ、閉鎖部720が閉じられる。次いで、電源734がスイッチオンされて加熱要素738に電力を供給し、次いで治療薬744を加熱しその温度を上昇させる。再循環ファン786は、矢印750、760及び776によって示されるようなガス及び治療薬744の移動を促進するために給電される。次いで、治療薬744は、蒸発又は昇華し、治療薬744が物体Dの表面上にコーティングCを再堆積又は形成するデバイス区画722に供給される。
【0222】
十分な時間、例えば1分、3分、5分、10分、20分、60分、120分、又は240分が経過すると、電源734はスイッチオフされるか、又は電力が切れる。閉鎖部720を開き(又は代わりに封止可能な容器712を切り開き)、次にコーティングされた物体Dを取り出し、外科手術に使用することができる。
【0223】
有利には、蒸発又は昇華治療薬744は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器700内に完全に収容される。
【0224】
ここで図9を参照すると、本発明に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800の一形態の概略図が示されている。現在考えられ、実施されることが意図されているように、図9の使い捨てコーティングアプリケータ容器800は、コーティングされる物体D上に治療薬Cのコーティングを適用するように構築され配置される。使い捨てコーティングアプリケータ容器800は、封止可能な容器812を含み、封止可能な容器812は、容器底部814を有し、容器底部814は、上向きに延びる壁816を有し、各上向きに延びる壁816は、上縁部818で終端する。
【0225】
封止可能な容器812は、デバイス区画822を封止するための閉鎖部820も含む。デバイス区画822は、上向きに延びる壁816と、上向きに延びる壁816の上縁部818に隣接して配置された閉鎖部820と、デバイス区画フロア830とによって形成される。閉鎖部820は、ジップロック式閉鎖部、リブ及び溝タイプの閉鎖部などの形態であってもよく、封止可能な容器812の信頼性の高い完全な閉鎖を提供する。使い捨てコーティングアプリケータ容器800は、ポリマー材料又は多層ポリマー複合体などの可撓性材料を含み、図示のようにバッグ状構造の形態であってもよい。
【0226】
デバイス区画822は、封止可能な容器812のデバイス区画822の内側に、インプラントなどであってもよい物体Dの位置付けを可能にするようにサイズ決めされる。ワイヤフレーム826の形態であり得る任意のスペーサ824は、物体Dの周囲に十分なガス空間を確保するために、デバイス区画822内に位置付けられてもよい。当業者に理解され得るように、スペーサ824は、デバイス区画822内部のガス又は蒸気の流れを可能にする役割を果たし、物体Dの表面又は表面の少なくとも大部分を、デバイス区画822内部を流れるガス又は蒸気にアクセス可能にし、物体Dの表面の少なくとも一部又は大部分が、デバイス区画822の内壁828に接触すること、及び/又は、デバイス区画822の内壁828によって閉塞されることを防止する。
【0227】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800は、閉鎖部820の反対側に配置され得る底部832も含む。当業者に理解されるように、他の形態では、底部820は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800の任意の側面に位置付けることができる。底部832は、デバイス区画822から概ね分離されるように構成されてもよい。
【0228】
電池駆動電源(図示せず)を有するか、又は標準的なAC若しくはDC電源(図示せず)に接続して通電するかのいずれかを有する別電源ユニット890は、使い捨てコーティングアプリケータ容器800の底部820の少なくとも一部分をスリット892に受容するように構築され、配置され、構成される。スリット892は、スリット892内での底部820を挿入、取り外し、及びぴったりとした嵌合を可能にするようにサイズ決めされる。スリット892の内側表面894は、少なくともサブ区画840と位置合わせされたエリアにおいて、電気的に加熱されるように構成される。
【0229】
電池駆動電源又は別電源ユニット890のAC若しくはDC電源は、電気リード又はトレースによって熱源に接続されてもよい。いくつかの形態では、熱源は抵抗加熱要素である。電気スイッチを設けることができ(図示せず)、その結果、スイッチを作動させることにより、電池駆動電源又は別電源ユニット890のAC若しくはDC電源からの電力が加熱要素に供給されて加熱を開始する。
【0230】
底部832内には、デバイス区画822と流体連通する通路又はチャネル842によって接続されたサブ区画840があり、ガス又は蒸気がチャネル842を介してサブ区画840からデバイス区画822に移動できるようになっている。
【0231】
更に図9を参照すると、サブ区画840内に位置付けているのは、物体DにコーティングCを適用するのに有用な、蒸発可能又は昇華可能な薬剤又は治療薬844の供給源である。治療薬844は、抗菌剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、除菌剤、又はそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0232】
いくつかの形態では、治療薬844は、担体846に取り込まれる。一態様では、治療薬844はトリクロサンからなり、任意の適切なポリマー、又は天然材料、例えば非多孔質又は多孔質の紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどで作製することができる多孔質又は吸収性パッチなどの不活性パッチの形態で担体46に担持される。いくつかの形態では、担体846は、抵抗加熱要素838に隣接して位置付けられる。
【0233】
図示のように、底部832が別電源ユニット890のスロット892内に位置付けられるとき、電源ユニット890の加熱要素は、治療薬844にごく近接するか又は隣接するように位置付けられる。いくつかの形態では、治療薬844はトリクロサンを含み、担体846は、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む。いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである。
【0234】
いくつかの形態では、LED電球などのマイクロ電球(図示せず)を別電源ユニット890の電気回路に設置し、電池駆動電源又は別電源ユニット890のAC若しくはDC電源からの電力が別電源ユニット890の加熱要素に供給されたときに点灯するように構成することで、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800が正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。いくつかの形態では、色変化可能な温度インジケータ(図示せず)などの温度指示ストリップも、別電源ユニット890の加熱要素の近位に設置することができ、加熱要素が高温であり、システムが正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。
【0235】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800の動作では、物体Dがデバイス区画22内に位置付けられ、閉鎖部820が閉じられる。次いで、電池駆動電源又は別電源ユニット890のAC若しくはDC電源をオンにして別電源ユニット890の加熱要素に電力を供給し、サブ区画840内の治療薬484を加熱しその温度を上昇させる。次いで、治療薬844は蒸発又は昇華し、チャネル842を介してデバイス区画822に供給され、治療薬844は物体Dの表面にコーティングCを再堆積するか又は形成する。
【0236】
十分な時間、例えば1分、3分、5分、10分、20分、60分、120分、又は240分が経過すると、電源890はスイッチオフされるか、又は電力が切れる。閉鎖部820を開き(又は代わりに封止可能な容器812を切り開き)、次にコーティングされた物体Dを取り出し、外科手術に使用することができる。
【0237】
有利には、蒸発又は昇華治療薬844は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800内に完全に収容される。有利には、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800のごく一部、すなわちサブ区画840のみが加熱される。
【0238】
上述の実施形態と同様に、更なる形態によれば、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800は、図4図7に描かれた形態について説明してきたように、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800に接続された、圧縮可能な弾性バルブ若しくはベローズなどの蒸気循環ポンプ(図示せず)、及び/又は使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800に接続された、圧縮可能な弾性バルブ若しくはベローズなどのガス循環ポンプを含むこともできる。別電源ユニットを設けることも可能であり、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800の底部832を別電源ユニット890のスリット892に受容するように構成される。蒸気循環ポンプ60及び/又はガス循環ポンプは、上述のように、電源ユニット890によって、又は手動で作動されてもよい。
【0239】
ここで図10を参照すると、本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800の一形態の概略図が示されている。現在考えられ、実施されることが意図されているように、図9の使い捨てコーティングアプリケータ容器800は、コーティングされる物体D上に治療薬Cのコーティングを適用するように構築され配置される。使い捨てコーティングアプリケータ容器800は、封止可能な容器812を含み、封止可能な容器812は、容器底部814を有し、容器底部184は、上向きに延びる壁816を有し、各上向きに延びる壁16は、上縁部818で終端する。
【0240】
封止可能な容器812は、デバイス区画822を封止するための閉鎖部820も含む。デバイス区画822は、上向きに延びる壁816と、上向きに延びる壁816の上縁部818に隣接して配置された閉鎖部820と、デバイス区画フロア830とによって形成される。閉鎖部820は、ジップロック式閉鎖部、リブ及び溝タイプの閉鎖部などの形態であってもよく、封止可能な容器812の信頼性の高い完全な閉鎖を提供する。使い捨てコーティングアプリケータ容器800は、ポリマー材料又は多層ポリマー複合体などの可撓性材料を含み、図示のようにバッグ状構造の形態であってもよい。
【0241】
デバイス区画822は、封止可能な容器812のデバイス区画822の内側に、インプラントなどであってもよい物体Dの位置付けを可能にするようにサイズ決めされる。ワイヤフレーム826の形態であり得る任意のスペーサ824は、物体Dの周囲に十分なガス空間を確保するために、デバイス区画822内に位置付けられてもよい。当業者に理解され得るように、スペーサ24は、デバイス区画822内部のガス又は蒸気の流れを可能にする役割を果たし、物体Dの表面又は表面の少なくとも大部分を、デバイス区画822内部を流れるガス又は蒸気にアクセス可能にし、物体Dの表面の少なくとも一部又は大部分が、デバイス区画22の内壁828に接触すること、及び/又は、デバイス区画822の内壁828によって閉塞されることを防止する。
【0242】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器810は、閉鎖部820の反対側に位置付けられ得る底部832も含む。当業者に理解されるように、他の形態では、底部820は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800の任意の側面に位置付けることができる。底部832は、デバイス区画822から概ね分離されるように構成されてもよい。
【0243】
電池駆動電源(図示せず)を有するか、又は標準的なAC若しくはDC電源(図示せず)に接続して通電するかのいずれかを有する別電源ユニット890は、使い捨てコーティングアプリケータ容器800の底部820の少なくとも一部分をスリット892に受容するように構築され、配置され、構成される。スリット892は、スリット892内での底部820を挿入、取り外し、及びぴったりとした嵌合を可能にするようにサイズ決めされる。スリット892の内側表面894は、少なくともサブ区画840と位置合わせされたエリアにおいて、電気的に加熱されるように構成される。
【0244】
電池駆動電源又は別電源ユニット890のAC若しくはDC電源は、電気リード又はトレースによって熱源に接続されてもよい。いくつかの形態では、熱源は抵抗加熱要素である。電気スイッチを設けることができ(図示せず)、その結果、スイッチを作動させることにより、電池駆動電源又は別電源ユニット890のAC若しくはDC電源からの電力が加熱要素に供給されて加熱を開始する。
【0245】
底部832内には、デバイス区画822と流体連通する通路又はチャネル842によって接続されたサブ区画840があり、ガス又は蒸気がチャネル842を介してサブ区画840からデバイス区画822に移動できるようになっている。
【0246】
更に図9を参照すると、サブ区画840内に位置付けているのは、物体DにコーティングCを適用するのに有用な、蒸発可能又は昇華可能な薬剤又は治療薬844の供給源である。治療薬844は、抗菌剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、除菌剤、又はそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0247】
いくつかの形態では、治療薬844は、担体846に取り込まれる。一態様では、治療薬844はトリクロサンからなり、任意の適切なポリマー、又は天然材料、例えば非多孔質又は多孔質の紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどで作製することができる多孔質又は吸収性パッチなどの不活性パッチの形態で担体46に担持される。いくつかの形態では、担体846は、抵抗加熱要素838に隣接して位置付けられる。
【0248】
図示のように、底部832が別電源ユニット890のスロット892内に位置付けられるとき、電源ユニット890の加熱要素は、治療薬844にごく近接するか又は隣接するように位置付けられる。いくつかの形態では、治療薬844はトリクロサンを含み、担体846は、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む。いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである。
【0249】
いくつかの形態では、LED電球などのマイクロ電球(図示せず)を別電源ユニット890の電気回路に設置し、電池駆動電源又は別電源ユニット890のAC若しくはDC電源からの電力が別電源ユニット890の加熱要素に供給されたときに点灯するように構成することで、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800が正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。いくつかの形態では、色変化可能な温度インジケータ(図示せず)などの温度指示ストリップも、別電源ユニット890の加熱要素の近位に設置することができ、加熱要素が高温であり、システムが正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。
【0250】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800の動作では、物体Dがデバイス区画822内に位置付けられ、閉鎖部820が閉じられる。次いで、電池駆動電源又は別電源ユニット890のAC若しくはDC電源をオンにして別電源ユニット890の加熱要素に電力を供給し、サブ区画840内の治療薬844を加熱しその温度を上昇させる。次いで、治療薬844は蒸発又は昇華し、チャネル842を介してデバイス区画822に供給され、治療薬844は物体Dの表面にコーティングCを再堆積するか又は形成する。
【0251】
十分な時間、例えば1分、3分、5分、10分、20分、60分、120分、又は240分が経過すると、電源890はスイッチオフされるか、又は電力が切れる。閉鎖部820を開き(又は代わりに封止可能な容器812を切り開き)、次にコーティングされた物体Dを取り出し、外科手術に使用することができる。
【0252】
有利には、蒸発又は昇華治療薬844は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800内に完全に収容される。有利には、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800のごく一部、すなわちサブ区画840のみが加熱される。
【0253】
上述の実施形態と同様に、更なる形態によれば、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800は、図4図7に描かれた形態について説明してきたように、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800に接続された、圧縮可能な弾性バルブ若しくはベローズなどの蒸気循環ポンプ(図示せず)、及び/又は使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800に接続された、圧縮可能な弾性バルブ若しくはベローズなどのガス循環ポンプを含むこともできる。別電源ユニットを設けることも可能であり、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器800の底部832を別電源ユニット890のスリット892に受容するように構成される。蒸気循環ポンプ及び/又はガス循環ポンプは、上述のように、電源ユニット890によって、又は手動で作動されてもよい。
【0254】
ここで図10を参照すると、本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器900の別の形態の概略図が示されている。現在考えられ、実施されることが意図されているように、使い捨てコーティングアプリケータ容器900は、コーティングされる物体D上に治療薬Cのコーティングを適用するように構築され配置される。使い捨てコーティングアプリケータ容器900は、封止可能な容器912を含み、封止可能な容器912は、容器底部914を有し、容器底部984は、上向きに延びる壁916を有し、各上向きに延びる壁916は、上縁部918で終端する。
【0255】
封止可能な容器912は、デバイス区画922を封止するための閉鎖部920も含む。デバイス区画922は、上向きに延びる壁916と、上向きに延びる壁916の上縁部918に隣接して配置された閉鎖部920と、デバイス区画フロア930とによって形成される。閉鎖部920は、ジップロック式閉鎖部、リブ及び溝タイプの閉鎖部などの形態であってもよく、封止可能な容器912の信頼性の高い完全な閉鎖を提供する。使い捨てコーティングアプリケータ容器900は、ポリマー材料又は多層ポリマー複合体などの可撓性材料を含み、図示のようにバッグ状構造の形態であってもよい。
【0256】
デバイス区画922は、封止可能な容器912のデバイス区画922の内側に、インプラントなどであってもよい物体Dの位置付けを可能にするようにサイズ決めされる。ワイヤフレーム926の形態であり得る任意のスペーサ924は、物体Dの周囲に十分なガス空間を確保するために、デバイス区画922内に位置付けられてもよい。当業者に理解され得るように、スペーサ924は、デバイス区画922内部のガス又は蒸気の流れを可能にする役割を果たし、物体Dの表面又は表面の少なくとも大部分を、デバイス区画922内部を流れるガス又は蒸気にアクセス可能にし、物体Dの表面の少なくとも一部又は大部分が、デバイス区画922の内壁928に接触すること、及び/又は、デバイス区画922の内壁928によって閉塞されることを防止する。
【0257】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器900は、閉鎖部920の反対側に位置付けられ得る底部932も含む。当業者に理解されるように、他の形態では、底部920は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器900の任意の側面に位置付けることができる。底部932は、デバイス区画922から概ね分離されるように構成されてもよい。
【0258】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器900は、セクション932内に形成された流体区画996も含み、この流体区画は、チャネル942を介してデバイス区画922と流体連通しており、抗生物質溶液などの流体Fを含む。流体Fは、流体区画996を、超音波プレートなどの振動アクチュエータ998に接触させることによって、微細な液滴又はミストにネブライジングすることができる。流体区画996からのミストは、次いで、チャネル942を介してデバイス区画922に移動し、物体Dに再堆積及び/又はコーティングすることができる。
【0259】
流体区画996は、流体Fの形で、治療薬の量子を受領するように構成される。この実施形態及び他の様々な実施形態において、治療薬は、水溶液及び/又は治療薬の水性懸濁液の形であってもよい。流体区画996は、シリンジ又はスポイトなどの適切なディスペンサを用いて充填可能である。また、流体区画996を予め充填しておき、破断可能なカバーを設けることで、治療薬を使用するまで流体区画996内に保持することも想定される。
【0260】
流体区画996の底部にある振動アクチュエータ998は、AMAZONなどの世界中のサプライヤーから広く市販されている、振動する圧電ディスク又はプレートなどの一般的な超音波ネブライザの形態であってもよい。非限定的な例として、とりわけ、ジェットネブライザ及び/又は振動メッシュネブライザ及び/又は加圧スプレーノズルネブライザ及び/又は加熱フリットネブライザ及び/又は加熱ウィックエアロゾル生成器及び/又は加熱キャピラリーなど、多数の異なる形態のアトマイザが使用され得ることが想定される。本開示に従ってアトマイザとして使用するために検討されているデバイスの間で共有され得る1つの共通の態様は、治療薬の溶液又は懸濁液を、本明細書の教示に従って物体Dをコーティングするのに十分な時間、空気中に浮遊したままであり得る治療薬の小さな液体粒子(小さな液滴)を含む霧、雲の蒸気又はエアロゾルに変換する候補アトマイザの能力である。
【0261】
理解され得るように、振動アクチュエータ998に電力を供給するために、別電源ユニットが提供されてもよい(図示せず、詳細は図9、要素890を参照)。電源ユニットは、電池駆動の電源を含んでよく、標準的なAC又はDC電源に接続して振動アクチュエータ998に通電してもよい。図9を参照すると、使い捨てコーティングアプリケータ容器900の底部920の少なくとも一部をスリット892に受容するように構築、配置、及び構成されていてもよい。スリット892は、スリット892内での底部820の挿入、取り外し、及びぴったりとした嵌合を可能にするようにサイズ決めされる。スリット892の内面894は、電気的接続を提供するように構成されてもよい。
【0262】
電気スイッチを設けることができ(図示せず)、その結果、スイッチを作動させることにより、電池駆動電源又は別電源ユニットのAC若しくはDC電源からの電力が振動アクチュエータ998に供給されてもよい。
【0263】
いくつかの形態では、LED電球(図示せず)などのマイクロ電球を別の電源ユニットの電気回路に設置し、電池駆動電源又は別の電源ユニットのAC若しくはDC電源からの電力が振動アクチュエータ998に供給されたときに点灯するように構成することで、使い捨ての手術室用コーティングアプリケータ容器900が正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することができる。
【0264】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器900の動作では、物体Dがデバイス区画922内に位置付けられ、閉鎖部920が閉じられる。次いで、電池駆動電源又はAC若しくはDC電源がスイッチオンされて、振動アクチュエータ998に電力を供給し、次いで、抗生物質溶液であり得る流体Fをネブライズする。抗生物質溶液であってもよい流体Fは、チャネル942を介してデバイス区画996に供給され、抗生物質溶液などの流体Fは、物体Dの表面にコーティングCを形成する。
【0265】
十分な時間、例えば1分、3分、5分、10分、20分、60分、120分、又は240分が経過すると、電源ユニット990はスイッチオフされるか、又は電力が切れる。閉鎖部920を開き(又は代わりに封止可能な容器912を切り開き)、次にコーティングされた物体Dを取り出し、外科手術に使用することができる。
【0266】
有利には、抗生物質溶液であってもよい流体Fは、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器900内に完全に収容される。
【0267】
更なる形態によれば、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器900は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器900に接続された、圧縮可能な弾性バルブ又はベローズなどのポンプ(図示せず)も含んでもよい。別電源ユニットも設けてもよく、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器900の底部932を別電源ユニット890(図9参照)のスリット892に受容するように構成されてもよい。ポンプは、上述のように、電源ユニット890によって、又は手動で作動されてもよい。
【0268】
ここで図11を参照すると、本明細書に係る使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器1000の一形態の概略図が示されている。使い捨てコーティングアプリケータ容器1000は、コーティングされる物体D上に治療薬Cのコーティングを適用するように構築、及び配置されている。使い捨てコーティングアプリケータ容器1000は、封止可能な容器1012を含み、封止可能な容器1012は、容器底部1014を有し、容器底部1014は、上向きに延びる壁1016を有し、各上向きに延びる壁16は、上縁部1018で終端する。
【0269】
封止可能な容器1012は、デバイス区画1022を封止するための閉鎖部1020も含む。デバイス区画1022は、上向きに延びる壁1016と、上向きに延びる壁1016は上縁部1018に隣接して配置された閉鎖部1020と、デバイス区画フロア1030とによって形成される。閉鎖部1020は、ジップロック式閉鎖部、リブ及び溝タイプの閉鎖部などの形態であってもよく、封止可能な容器1012の信頼性の高い完全な閉鎖を提供する。使い捨てコーティングアプリケータ容器1000は、ポリマー材料又は多層ポリマー複合体などの可撓性材料を含み、図示のようにバッグ状構造の形態であってもよい。
【0270】
デバイス区画1022は、封止可能な容器1012のデバイス区画1022の内側に、インプラントなどであってもよい物体Dの位置付けを可能にするようにサイズ決めされる。ワイヤフレーム1026の形態であり得る任意のスペーサ1024は、物体Dの周囲に十分なガス空間を確保するために、デバイス区画1022内に位置付けられてもよい。当業者に理解され得るように、スペーサ1024は、デバイス区画1022内部のガス又は蒸気の流れを可能にする役割を果たし、物体Dの表面又は表面の少なくとも大部分を、デバイス区画1022内部を流れるガス又は蒸気にアクセス可能にし、物体Dの表面の少なくとも一部又は大部分が、デバイス区画1022の内壁1028に接触すること、及び/又は、デバイス区画1022の内壁1028によって閉塞されることを防止する。
【0271】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器1000は、閉鎖部1020の反対側に位置付けられ得る底部1032も含む。当業者に理解されるように、他の形態では、底部1020は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器1000の任意の側面に位置付けることができる。底部1032は、デバイス区画1022から概ね分離されるように構成されてもよい。
【0272】
底部1032内には、デバイス区画1022と流体連通する通路又はチャネル1042によって接続されたサブ区画1040があり、ガス又は蒸気がチャネル1042を介してサブ区画1040からデバイス区画1022に移動できるようになっている。
【0273】
更に図11を参照すると、サブ区画1040内に位置付けているのは、物体DにコーティングCを適用するのに有用な、蒸発可能又は昇華可能な薬剤又は治療薬1044の供給源である。治療薬1044は、抗菌剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、除菌剤、又はそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0274】
いくつかの形態では、治療薬1044は、担体1046に取り込まれる。一態様では、治療薬1044はトリクロサンからなり、任意の適切なポリマー、又は天然材料、例えば非多孔質又は多孔質の紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどで作製することができる多孔質又は吸収性パッチなどの不活性パッチの形態で担体1046に担持される。いくつかの形態では、担体1046は、抵抗加熱要素1038に隣接して位置付けられる。
【0275】
いくつかの形態では、治療薬1044はトリクロサンを含み、担体1046は、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む。いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである。
【0276】
上述のように、サブ区画1044内には、蒸発可能又は昇華可能な薬剤1044の供給源が位置付けられる。一形態では、金属要素1100は、サブ区画1044の内部に、又はサブ区画1044にすぐに近接して位置付けられ、又は一形態では、治療薬1044と直接接触する。
【0277】
サブ区画1044は、任意の適切な外部エネルギ源によって加熱されるように構成される。一形態では、サブ区画1044は、誘導加熱器(図示せず)によって加熱され、その誘導加熱器が金属要素1100を加熱する。一態様では、サブ区画1044は、マイクロ波又は高周波エネルギによって加熱される。別の形態では、サブ区画1044は、温水浴、又は任意の温浴に浸漬することによって加熱される。ある態様では、サブ区画1044は、ホットプレートとの接触によって加熱される。
【0278】
いくつかの形態では、色変化温度インジケータ(図示せず)などの温度表示ストリップをサブ区画1040の近位に設置して、システムが正常に動作していることをユーザに示す表示を提供することもできる。
【0279】
使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器1000の動作では、物体Dがデバイス区画1022内に位置付けられ、閉鎖部1020が閉じられる。サブ区画1040は、上記の方法のいずれかによって加熱され、次いで、サブ区画1040内の治療薬1044の温度が上昇する。次いで、治療薬1044は蒸発又は昇華し、チャネル1042を介してデバイス区画1022に供給され、治療薬1044は物体Dの表面にコーティングCを再堆積するか又は形成する。
【0280】
1分、3分、5分、10分、20分、60分、120分、240分などの十分な時間が経過した後、加熱を続ける。閉鎖部1020を開き(又は代わりに封止可能な容器1012を切り開き)、次にコーティングされた物体Dを取り出し、外科手術に使用することができる。
【0281】
有利には、蒸発又は昇華治療薬844は、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器1000内に完全に収容される。有利には、使い捨て手術室用コーティングアプリケータ容器1000のごく一部、すなわちサブ区画1040のみが加熱される。
【0282】
インプラントは、スタンドオフメッシュによって熱源から部分的に熱的に絶縁されており、また、プロセスが急速に発生し、インプラントの熱質量が加熱要素の熱質量に対して大きいという事実によって、熱源とインプラントとの間の熱平衡は決して起こらない。その結果、インプラントは通常、熱源よりもかなり温度が低くなる。トリクロサンをインプラントなどの医療用デバイスにコーティングするように設計されたコーティングデバイスでは、温度差(又は熱勾配)は約50℃~約150℃になり得る。したがって、インプラントの比較的低温の表面上での高温蒸気の凝縮のための非常に大きな熱力学的駆動力が存在する。これにより、活性剤が好ましく吸収されないような様々な表面に活性剤を凝縮させることができる。このようにして、本開示の装置及び方法は、米国特許出願公開第2004/0220614号(Scalzo,et.al)に開示されているようなトリクロサン含浸吸収性縫合糸を作製するために使用される前のプロセスとは著しく異なる。
【0283】
別の態様では、治療薬を用いて物体をコーティングする方法が提供される。本方法は、コーティングされる物体を、使い捨てコーティングアプリケータ容器に配置するステップであって、使い捨てコーティングアプリケータ容器が、封止可能な容器であって、封止可能な容器が、容器底部であって、容器底部が上向きに延びる壁を有し、各上向きに延びる壁が上縁部で終端している、容器底部と、上向きに延びる壁によって部分的に形成されたデバイス区画を封止するための閉鎖部であって、閉鎖部が上向きに延びる壁の上縁部に隣接する、閉鎖部と、を有する、封止可能な容器と、デバイス区画と流体連通するように位置付けられた治療薬と、を備える、ステップと、デバイス区画を封止するステップと、治療薬を、治療薬を霧化することによって、封止されたデバイス区画内に分散させるステップと、治療薬を用いて物体をコーティングするステップと、を含み、使い捨てコーティングアプリケータ容器が可撓性材料を含み、バッグ状構造の形態である。
【0284】
いくつかの形態では、方法は、コーティングされた物体をデバイス区画から取り外すステップを含む。
【0285】
いくつかの形態では、治療薬は担体に取り込まれる。いくつかの形態では、治療薬はトリクロサンを含み、担体は、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む。いくつかの形態では、吸収性ポリマーは、ラクチドグリコリドコポリマーである。
【0286】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、治療薬を気化させ、治療薬をデバイス区画内に流し、物体をコーティングするための熱源を更に含む。いくつかの形態では、熱源は抵抗ヒータである。いくつかの形態では、担体は抵抗ヒータに隣接して位置付けられる。いくつかの形態では、抵抗ヒータは、使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される。いくつかの形態では、抵抗ヒータはデバイス区画内に配置される。いくつかの形態では、抵抗ヒータは、使い捨てコーティングアプリケータ容器の外側に配置される。
【0287】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、抵抗ヒータに給電するための電源を更に備える。いくつかの形態では、電源は、使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される。いくつかの形態では、電源は電池である。いくつかの形態では、熱源は化学的熱パックである。
【0288】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、蒸気循環ポンプを更に備え、蒸気循環ポンプは、担体内に取り込まれた加熱された治療薬と流体連通している。いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、ガス循環ポンプを更に備え、ガス循環ポンプは、デバイス区画と流体連通している。いくつかの形態では、蒸気循環ポンプ及びガス循環ポンプは、手動のバルブタイプポンプ又はベローズタイプポンプである。いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、ガス循環ポンプを更に備え、ガス循環ポンプは、デバイス区画と流体連通している。
【0289】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、再循環ポンプを更に備え、再循環ポンプは、担体及びデバイス区画内に取り込まれた加熱された治療薬と流体連通し、チェックバルブシステムを介して圧力及び真空を交互に適用するように構成されている。
【0290】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、デバイス区画の第1の側面と流体連通する治療薬供給カニューレと、デバイス区画の第2の側面と流体連通する吸気カニューレと、を更に備える。いくつかの形態では、治療薬供給カニューレと吸気カニューレ各々は、その周りに離間配置された複数の開口を有して、治療薬をより均一に提供し、戻り吸気ガスをより均一に引き込む。
【0291】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、治療薬の提供及び吸気ガスの戻りを容易にするために、電源によって給電される再循環ファンを更に備える。いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、再循環ファンを制御するためのマイクロプロセッサを更に備える。
【0292】
いくつかの形態では、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、外部パワーブロックを更に備え、外部パワーブロックは、使い捨てコーティングアプリケータ容器をその中に位置付けるため、及び担体内に取り込まれた治療薬に熱を加えるためのスリットを有する。
【0293】
いくつかの形態では、治療薬は流体を含み、使い捨てコーティングアプリケータ容器は、治療薬を霧化するように動作可能なアトマイザを更に含む。いくつかの形態では、アトマイザはネブライザを含む。いくつかの形態では、アトマイザは、超音波ネブライザ及び/又はジェットネブライザ及び/又は振動式メッシュネブライザ及び/又は加圧スプレーノズルネブライザ及び/又は振動式フリットネブライザ及び/又は熱駆動式ウィックリックエアロゾルジェネレータ及び/若しくは加熱された毛管エアロゾル発生器及び/又は蒸発器を含む。いくつかの形態では、治療薬は、懸濁液及び/又はエマルション及び/又は溶液を含む。
【0294】
いくつかの形態では、真空源がデバイス区画に適用される。
【0295】
いくつかの形態では、熱源は外部誘導又は温水熱源である。いくつかの形態では、熱源は、治療薬に隣接して位置付けられた金属要素である。いくつかの形態では、熱源は、外部エネルギ源を含む。
【0296】
いくつかの形態では、物体は、外科用インプラント及び/又は医療用デバイスである。
【0297】
いくつかの形態では、可撓性材料は、ポリマー、コポリマー、又はそれらのブレンドを含む。
【0298】
更に、本方法は、気化した治療薬が加熱された状態にある間、医療用デバイスを気化した治療薬と接触させることを更に含むことができる。接触中、医療用デバイスの温度は、15℃未満だけ上昇する。
【0299】
産業上の利用可能性
本明細書に開示されるシステム及び方法は、医療装置産業に適用可能である。
【0300】
上記の開示は、独立した有用性を有する複数の別発明を包含すると考えられる。これらの発明のそれぞれは、その好ましい形態で開示されているが、本明細書に開示及び例示されるこれらの特定の実施形態は、多くの変形形態が可能であるため、限定的な意味で考慮されるべきではない。本発明の主題は、本明細書に開示される様々な要素、特徴、機能、及び/又は特性の全ての新規かつ非自明のコンビネーション及びサブコンビネーションを含む。同様に、「特許請求の範囲」が「a」又は「第1の」要素又はその等価物を列挙する場合、このような「特許請求の範囲」は、1つ以上のそのような要素の組み込みを含むものであり、2つ又はそれ以上のそのような要素を必須とすることも除外することもないことを理解すべきである。
【0301】
以下の「特許請求の範囲」は、開示される発明の1つを対象とする特定のコンビネーション及びサブコンビネーションを具体的に指摘し、新規かつ非自明であると考えられる。特徴、機能、要素、及び/又は特性の他のコンビネーション及びサブコンビネーションで具現化された発明は、本特許請求の範囲の修正、又は本願若しくは関連出願における新規の特許請求の範囲の提示によって主張され得る。また、そのような修正又は新規の特許請求の範囲は、それらが異なる発明を対象とするか、又は同一の発明を対象としているかに関わらず、元の特許請求の範囲と異なるか、より広いか、より狭いか、又は同一の範囲であるかに関わらず、本開示の発明の主題に含まれるものと見なされる。
【0302】
本開示は、特定の形態を参照して以下に図示及び説明されているが、当業者であれば、本発明が本明細書に必ずしも示されていない変形に適していることを理解するであろう。このため、次いで、本開示の真の範囲を決定する目的で、添付の特許請求の範囲のみを参照するべきである。
【0303】
〔実施の態様〕
(1) コーティングされる物体上に治療薬のコーティングを適用するための使い捨てコーティングアプリケータ容器であって、
封止可能な容器であって、前記封止可能な容器が、容器底部であって、前記容器底部が上向きに延びる壁を有し、各上向きに延びる壁が上縁部で終端している、容器底部と、前記上向きに延びる壁によって部分的に形成されたデバイス区画を封止するための閉鎖部であって、前記閉鎖部が前記上向きに延びる壁の前記上縁部に隣接する、閉鎖部と、を有する、封止可能な容器と、
前記デバイス区画と流体連通するように位置付けられた治療薬と、を備え、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、可撓性材料を含み、バッグ状構造の形態である、使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(2) 前記治療薬が担体に取り込まれる、実施態様1に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(3) 前記治療薬がトリクロサンを含み、前記担体が、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド、又はフィルムを含む、実施態様2に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(4) 前記吸収性ポリマーが、ラクチドグリコリドコポリマーである、実施態様3に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(5) 前記治療薬を気化させ、前記治療薬を前記デバイス区画内に流し、前記物体をコーティングするための熱源を更に備える、実施態様2に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【0304】
(6) 前記熱源が抵抗ヒータである、実施態様5に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(7) 前記担体が、前記抵抗ヒータに隣接して位置付けられる、実施態様6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(8) 前記抵抗ヒータが、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される、実施態様7に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(9) 前記抵抗ヒータが、前記デバイス区画内に配置されている、実施態様7に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(10) 前記抵抗ヒータが、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器の外側に配置される、実施態様7に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【0305】
(11) 前記抵抗ヒータに給電するための電源を更に備える、実施態様6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(12) 前記電源が、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される、実施態様11に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(13) 前記電源が電池である、実施態様12に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(14) 前記熱源が化学的熱パックである、実施態様5に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(15) 蒸気循環ポンプを更に備え、前記蒸気循環ポンプが、前記担体内に取り込まれた加熱された前記治療薬と流体連通している、実施態様6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【0306】
(16) ガス循環ポンプを更に備え、前記ガス循環ポンプが前記デバイス区画と流体連通している、実施態様15に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(17) 前記蒸気循環ポンプ及び前記ガス循環ポンプが、手動のバルブタイプポンプ又はベローズタイプポンプである、実施態様16に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(18) ガス循環ポンプを更に備え、前記ガス循環ポンプが前記デバイス区画と流体連通している、実施態様6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(19) 再循環ポンプを更に備え、前記再循環ポンプが、前記担体及び前記デバイス区画内に取り込まれた加熱された前記治療薬と流体連通しており、チェックバルブシステムを介して圧力と真空を交互に適用するように構成されている、実施態様6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(20) 前記デバイス区画の第1の側面と流体連通する治療薬供給カニューレと、前記デバイス区画の第2の側面と流体連通する吸気カニューレと、を更に備える、実施態様6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【0307】
(21) 前記治療薬供給カニューレと前記吸気カニューレの各々が、その周りに離間配置された複数の開口を有して、前記治療薬をより均一に提供し、戻り吸気ガスをより均一に引き込む、実施態様20に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(22) 前記電源によって給電される再循環ファンを更に備えて、治療薬の前記提供及び前記吸気ガスの前記戻りを容易にする、実施態様11に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(23) 前記再循環ファンを制御するためのマイクロプロセッサを更に備える、実施態様22に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(24) 外部パワーブロックを更に備え、前記外部パワーブロックが、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器をその中に位置付けるため、及び前記担体内に取り込まれた前記治療薬に熱を加えるためのスリットを有する、実施態様6に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(25) 前記治療薬が流体を含み、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記治療薬を霧化するように動作可能なアトマイザを更に備える、実施態様1に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【0308】
(26) 前記アトマイザがネブライザを備える、実施態様25に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(27) 前記アトマイザが、超音波ネブライザ及び/又はジェットネブライザ及び/又は振動式メッシュネブライザ及び/又は加圧スプレーノズルネブライザ及び/又は振動式フリットネブライザ(vibrated frit nebulizer)及び/又は熱駆動式ウィックベースエアロゾル発生器(thermally driven, wick-based aerosol generator)及び/又は加熱キャピラリーエアロゾル発生器(heated capillary aerosol generator)及び/又は気化器を備える、実施態様25に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(28) 前記治療薬が、懸濁液及び/又はエマルション及び/又は溶液を含む、実施態様25に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(29) 真空源が前記デバイス区画に適用される、実施態様25に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(30) 前記熱源が外部誘導又は温水熱源である、実施態様5に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【0309】
(31) 前記熱源が、前記治療薬に隣接して位置付けられた金属要素である、実施態様30に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(32) 前記熱源が、外部エネルギ源を備える、実施態様31に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(33) 前記熱源が、マイクロ波エネルギ又は高周波エネルギを用いるシステムを含む、実施態様32に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(34) 前記物体が外科用インプラント及び/又は医療用デバイスである、実施態様1に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
(35) 前記可撓性材料が、ポリマー、コポリマー、又はそれらのブレンドを含む、実施態様1に記載の使い捨てコーティングアプリケータ容器。
【0310】
(36) 治療薬で物体をコーティングする方法であって、
コーティングされる物体を、使い捨てコーティングアプリケータ容器に配置するステップであって、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、封止可能な容器であって、前記封止可能な容器が、容器底部であって、前記容器底部が上向きに延びる壁を有し、各上向きに延びる壁が上縁部で終端する、容器底部と、前記上向きに延びる壁によって部分的に形成されたデバイス区画を封止するための閉鎖部であって、前記閉鎖部が前記上向きに延びる壁の前記上縁部に隣接する、閉鎖部と、を有する、封止可能な容器と、前記デバイス区画と流体連通するように位置付けられた治療薬と、を備える、ステップと、
前記デバイス区画を封止するステップと、
治療薬を、前記治療薬を霧化することによって、封止された前記デバイス区画内に分散させるステップと、
前記治療薬を用いて前記物体をコーティングするステップと、
を含み、
前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が可撓性材料を含み、バッグ状構造の形態である、
方法。
(37) コーティングされた前記物体を前記デバイス区画から取り外すステップを更に含む、実施態様36に記載の方法。
(38) 前記治療薬が担体に取り込まれる、実施態様36に記載の方法。
(39) 前記治療薬がトリクロサンを含み、前記担体が、吸収性ポリマー又はシリコーンを含むシート、パッド又はフィルムを含む、実施態様38に記載の方法。
(40) 前記吸収性ポリマーが、ラクチドグリコリドコポリマーである、実施態様39に記載の方法。
【0311】
(41) 前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記治療薬を気化させ、前記治療薬を前記デバイス区画内に流し、前記物体をコーティングするための熱源を更に備える、実施態様38に記載の方法。
(42) 前記熱源が抵抗ヒータである、実施態様41に記載の方法。
(43) 前記担体が、前記抵抗ヒータに隣接して位置付けられる、実施態様42に記載の方法。
(44) 前記抵抗ヒータが、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される、実施態様43に記載の方法。
(45) 前記抵抗ヒータが、前記デバイス区画内に配置される、実施態様43に記載の方法。
【0312】
(46) 前記抵抗ヒータが、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器の外側に配置される、実施態様43に記載の方法。
(47) 前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記抵抗ヒータに給電するための電源を更に備える、実施態様42に記載の方法。
(48) 前記電源が、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器内に配置される、実施態様47に記載の方法。
(49) 前記電源が電池である、実施態様48に記載の方法。
(50) 前記熱源は、化学的熱パックである、実施態様41に記載の方法。
【0313】
(51) 前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、蒸気循環ポンプを更に備え、前記蒸気循環ポンプが、前記担体内に取り込まれた加熱された前記治療薬と流体連通している、実施態様42に記載の方法。
(52) 前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、ガス循環ポンプを更に備え、前記ガス循環ポンプが前記デバイス区画と流体連通している、実施態様51に記載の方法。
(53) 前記蒸気循環ポンプ及び前記ガス循環ポンプが、手動のバルブタイプポンプ又はベローズタイプポンプである、実施態様52に記載の方法。
(54) 前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、ガス循環ポンプを更に備え、前記ガス循環ポンプが前記デバイス区画と流体連通している、実施態様42に記載の方法。
(55) 前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が再循環ポンプを更に備え、前記再循環ポンプが、前記担体及び前記デバイス区画内に取り込まれた加熱された前記治療薬と流体連通しており、チェックバルブシステムを介して圧力及び真空を交互に適用するように構成されている、実施態様42に記載の方法。
【0314】
(56) 前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記デバイス区画の第1の側面と流体連通する治療薬供給カニューレと、前記デバイス区画の第2の側面と流体連通する吸気カニューレと、を更に備える、実施態様42に記載の方法。
(57) 前記治療薬供給カニューレと前記吸気カニューレの各々が、その周りに離間配置された複数の開口を有して、前記治療薬をより均一に提供し、戻り吸気ガスをより均一に引き込む、実施態様56に記載の方法。
(58) 前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記電源によって給電される再循環ファンを更に備えて、治療薬の前記提供及び前記吸気ガスの前記戻りを促進する、実施態様47に記載の方法。
(59) 前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記再循環ファンを制御するためのマイクロプロセッサを更に備える、実施態様58に記載の方法。
(60) 前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、外部パワーブロックを更に備え、前記外部パワーブロックが、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器をその中に位置付けるため、及び前記担体内に取り込まれた前記治療薬に熱を加えるためのスリットを有する、実施態様43に記載の方法。
【0315】
(61) 前記治療薬が流体を含み、前記使い捨てコーティングアプリケータ容器が、前記治療薬を霧化するように動作可能なアトマイザを更に備える、実施態様37に記載の方法。
(62) 前記アトマイザがネブライザを備える、実施態様61に記載の方法。
(63) 前記アトマイザが、超音波ネブライザ及び/又はジェットネブライザ及び/又は振動式メッシュネブライザ及び/又は加圧スプレーノズルネブライザ及び/又は振動式フリットネブライザ及び/又は熱駆動式ウィックベースエアロゾル発生器及び/又は加熱キャピラリーエアロゾル発生器及び/又は気化器を備える、実施態様61に記載の方法。
(64) 前記治療薬が、懸濁液及び/又はエマルション及び/又は溶液を含む、実施態様61に記載の方法。
(65) 真空源が前記デバイス区画に適用される、実施態様61に記載の方法。
【0316】
(66) 前記熱源が外部誘導又は温水熱源である、実施態様41に記載の方法。
(67) 前記熱源が、前記治療薬に隣接して位置付けられた金属要素である、実施態様66に記載の方法。
(68) 前記熱源が、外部エネルギ源を備える、実施態様66に記載の方法。
(69) 前記物体が外科用インプラント及び/又は医療用デバイスである、実施態様36に記載の方法。
(70) 前記可撓性材料が、ポリマー、コポリマー、又はそれらのブレンドを含む、実施態様36に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11