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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】液体金属イオン源
(51)【国際特許分類】
   H01J 27/22 20060101AFI20240318BHJP
   H01J 37/08 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
H01J27/22
H01J37/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021555815
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 US2020023664
(87)【国際公開番号】W WO2020197938
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】62/822,313
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505413587
【氏名又は名称】アクセリス テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】バソム,ニール
(72)【発明者】
【氏名】コルヴィン,ニール
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ツェー-ジェン
(72)【発明者】
【氏名】アミーン,マイケル
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-174762(JP,A)
【文献】特表2013-536561(JP,A)
【文献】特表2022-500830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 27/22
H01J 37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンビームを形成するように構成されたイオン源であって、
アークチャンバ環境を概して囲むアークチャンバと、
前記アークチャンバ環境に液体金属を提供するように構成された貯蔵機器と、
前記アークチャンバに対して前記貯蔵機器を電気的にバイアスするように構成されたバイアス電源と、
を備え、
前記貯蔵機器は、前記液体金属を概して収容するように構成された凹部を含むカップを備え、
前記貯蔵機器は、キャップをさらに備え、
前記キャップは、前記カップと選択的に係合し、前記貯蔵機器の上部を概して囲んで、前記液体金属に関連する貯蔵環境を画定し、
前記キャップは、前記凹部内に延在する1つ以上の機構部をさらに含み、
前記1つ以上の機構部は、前記凹部内の前記液体金属と接触し、毛管作用によって前記アークチャンバ環境に向けて前記液体金属を供給するように構成されている、
イオン源。
【請求項2】
前記カップは、前記液体金属を重力によって概して収容するように構成されている、
請求項に記載のイオン源。
【請求項3】
前記液体金属は、前記貯蔵環境内に存在しており、
前記貯蔵機器は、貯蔵している前記液体金属の少なくとも一部を選択的に蒸発させるようにさらに構成されている、
請求項に記載のイオン源。
【請求項4】
前記貯蔵機器は、熱源を介して当該貯蔵機器を選択的に加熱することによって、前記液体金属の少なくとも一部を選択的に蒸発させるように構成されている、
請求項に記載のイオン源。
【請求項5】
前記熱源は、前記アークチャンバ内で生成されたプラズマ、前記貯蔵機器に衝突する前記プラズマからのイオンに関連するエネルギー、および補助ヒーターのうちの1つ以上を含む、
請求項に記載のイオン源。
【請求項6】
前記キャップは、その中に画定された1つ以上の孔を含み、
前記1つ以上の孔は、前記貯蔵環境と前記アークチャンバ環境との間の流体連通を提供する、
請求項に記載のイオン源。
【請求項7】
前記1つ以上の機構部は、前記毛管作用を提供するように構成された、所定の表面積、表面粗さ、および表面材料のうちの1つ以上を含む、
請求項に記載のイオン源。
【請求項8】
前記1つ以上の機構部は、
前記キャップから前記凹部内に延在する環状機構部と、
前記凹部から前記キャップに向かって延在する貯蔵機構部と、
前記キャップの中央部分から前記凹部内の前記液体金属内に延在する細長機構部と、のうちの1つ以上を含む、
請求項に記載のイオン源。
【請求項9】
前記液体金属が、アルミニウム、ガリウム、およびインジウムのうちの1つからなる、請求項1に記載のイオン源。
【請求項10】
イオンビームを形成するためのアークチャンバであって、
アークチャンバ環境を概して囲むハウジングと、
前記アークチャンバ環境内に配置されており、当該アークチャンバ環境内において、液体金属を収容するように構成され貯蔵機器と、
前記貯蔵機器を電気的にバイアスし、前記アークチャンバ環境内にプラズマを形成するように構成されたバイアス電源と、
を備え、
前記貯蔵機器は、カップと、キャップとを含み、
前記カップは、前記液体金属を少なくとも部分的に収容するように構成された凹部を含み、
前記キャップは、前記カップと選択的に係合し、前記貯蔵機器の上部を概して囲んで、前記液体金属に関連する貯蔵環境を画定しており、
前記液体金属は、前記貯蔵環境内に存在し、
前記貯蔵機器は、前記液体金属の少なくとも一部を選択的に蒸発させるようにさらに構成され、
前記キャップは、前記カップ内に延在する1つ以上の機構部を含み、
前記1つ以上の機構部は、前記凹部内の前記液体金属と接触し、毛管作用によって前記アークチャンバ環境に向けて前記液体金属を供給するように構成されている、
アークチャンバ。
【請求項11】
前記貯蔵機器は、熱源を介して当該貯蔵機器を選択的に加熱することによって前記液体金属の少なくとも一部を選択的に蒸発させるように構成されている、
前記熱源は、前記アークチャンバ内で生成されたプラズマ、前記イオンビームに関連するエネルギー、および補助ヒーターのうちの1つ以上を含む、
請求項10に記載のアークチャンバ。
【請求項12】
前記キャップは、その中に1つ以上の孔を含み、
前記1つ以上の孔は、前記貯蔵環境と前記アークチャンバ環境との間の流体連通を提供し、
前記1つ以上の孔は、1つ以上の直径を有し、
前記1つ以上の孔は、前記アークチャンバ内のプラズマが前記凹部内の前記液体金属と直接接触しないように配向されている、
請求項11に記載のアークチャンバ。
【請求項13】
前記1つ以上の機構部は、前記キャップ内に画定された1つ以上の環状リングを含み、
前記環状リングは、前記キャップの主要部分から前記凹部内の前記液体金属内に延在する、
請求項10に記載のアークチャンバ。
【請求項14】
前記1つ以上の機構部は、前記キャップの主要部分から前記凹部内の前記液体金属内に延在する細長機構部を含む、
請求項10に記載のアークチャンバ。
【請求項15】
イオンビームを形成するための方法であって、
元素金属を、請求項10から14の何れか1項に記載のアークチャンバの内部環境に向かう液体状態へと加熱するステップと、
前記元素金属を気化させるステップと、
前記アークチャンバ内において金属イオンを形成するために前記元素金属を励起するステップと、を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願へのリファレンス〕
本出願は「液体金属イオン源」と題する、2019年3月22日に出願された米国仮出願第62/822,313号の利益を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は一般に、イオン注入システムに関し、より具体的には、イオン源のための原料を供給するための装置、システムおよび方法に関する。
【0003】
〔背景技術〕
金属イオンを用いたイオン注入に対する要求が高まっている。例えば、アルミニウム注入は、電力装置市場にとって重要視されており、小規模ではあるものの、非常に急速に成長している市場である。アルミニウムを含む多くの金属に関して、イオン源への原料供給が問題となる。アルミニウムまたは他の金属を含有するガス分子を利用することができるが、金属原子は炭素および/または水素に付着する傾向があり、イオン源に問題を引き起こすおそれがある。イオン源のアークチャンバの外部にある小さなオーブンである気化器を利用し、金属塩を加熱して適切な蒸気圧を生成してイオン源に蒸気を供給するシステムが従前から提供されている。しかしながら、オーブンはアークチャンバから離れており、所望の温度まで加熱し、蒸気流を確立し、プラズマを開始し、イオンビームを開始するまでに時間を要する。さらに、1つの金属種から他の種への変更が望まれる場合、そのような種の変更のためにオーブンが十分に冷却されるのを待つ際に時間がかかる。
【0004】
別の従来技術は、アルミニウムまたは別の金属などの金属含有材料をアークチャンバ内に配置することである。アルミニウムの場合、金属含有材料としては酸化アルミニウム、フッ化アルミニウム、または窒化アルミニウムを含むことができ、これらはすべてプラズマチャンバの約800℃の温度に耐えることができる。このようなシステムでは、イオンはプラズマ中の材料から直接スパッタされる。別の技術は、金属の化学エッチングを達成するためにフッ素のようなエッチング剤を含むプラズマを使用することである。これらの様々な技術を用いて許容可能なビーム電流を達成することができるが、酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、および窒化アルミニウムの化合物(これらはすべて良好な絶縁体である)は比較的短時間(例えば5~10時間)でイオン源に隣接する電極上に堆積する傾向がある。このように、高電圧不安定性、および注入されるイオンのドーズ投与量の関連する変動のような、様々な有害な影響が見られる。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明の態様は、予防保守サイクルと次の予防保守サイクルとの間のイオン注入システムのイオン源の使用期間を長期化させるためのイオン注入プロセスを提供し、イオン注入システムの全体的な生産性および長寿命を実現する。
【0006】
一態様によれば、イオンビームを形成するように構成されたイオン源が提供される。当該イオン源は、アークチャンバ環境を概して囲むアークチャンバを備える。貯蔵機器がさらに設けられ、当該アークチャンバ環境に液体金属を提供するように構成される。更に、アークチャンバに対して貯蔵機器を電気的にバイアスするように構成されたバイアス電源を備える。貯蔵機器は、一例として、液体金属を概して収容するように構成されたカップを備える。カップは例えば、液体金属を重力によって概して収容するように構成されている。
【0007】
一実施態様としては、貯蔵機器がキャップをさらに備え、キャップはカップと選択的に係合し、貯蔵機器の上部を概して囲んで、液体金属に関連する貯蔵環境を画定する。液体金属は一例として貯蔵環境に存在し、貯蔵機器は、液体金属の少なくとも一部を選択的に蒸発させるようにさらに構成される。貯蔵機器は、一例として、熱源を介して貯蔵機器を選択的に加熱することによって、液体金属の少なくとも一部を選択的に蒸発させるように構成されている。
【0008】
一例においては、熱源が、アークチャンバ内で生成されるプラズマと、貯蔵機器に衝突する前記プラズマからのイオンに関連するエネルギーと、補助ヒーターとのうちの1つ以上を備える。
【0009】
別の実施例な態様ではキャップがその中に画定された1つ以上の孔を含み、1つ以上の孔は貯蔵環境とアークチャンバ環境との間の流体連通(流路)を提供する。一例としては、キャップが貯蔵環境内に延びる1つ以上の機構部をさらに含み、当該1つ以上の機構部は貯蔵環境内の液体金属に接し、毛管作用によってアークチャンバ環境に向かって液体金属を供給するように構成されている。一例として、当該1つ以上の機構部は、毛管作用を提供するように構成された、所定の表面積、表面粗さ、および表面物質のうちの1つ以上を含む。別の例では、当該1つ以上の機構部が、キャップから貯蔵環境内に延びる環状機構部と、貯蔵環境からキャップに向かって延びる貯蔵機構部と、キャップの中央部から貯蔵環境内の液体金属内に延びる細長機構部とのうちの1つ以上を含む。
【0010】
本開示の別の態様によれば、イオンビームを形成するためのアークチャンバが提供される。当該アークチャンバは、アークチャンバ環境を概して囲むハウジングを備える。貯蔵機器は一例として、アークチャンバ環境内に配置され、貯蔵機器はアークチャンバ環境内に液体金属を収容するように構成されている。さらに、バイアス電源が提供され、貯蔵機器を電気的にバイアスし、アークチャンバ環境内にプラズマを形成するように構成されている。
【0011】
一例では、貯蔵機器がカップおよびキャップを備え、カップはその中に液体金属を少なくとも部分的に収容するように構成され、キャップはカップと選択的に係合し、貯蔵機器の上部を概して囲み、その中に液体金属に関連する貯蔵環境を画定する。液体金属は一例として、貯蔵環境内に存在し、貯蔵機器中の液体金属の少なくとも一部を選択的に蒸発させるようにさらに構成されている。
【0012】
別の実施例では、貯蔵機器が、熱源を介して貯蔵機器を選択的に加熱することによって、液体金属の少なくとも一部を選択的に蒸発させるように構成され、熱源はアークチャンバ内で生成されるプラズマ、イオンビームに関連するエネルギー、および補助ヒーターのうちの1つ以上を含む。
【0013】
キャップは一実施例として、その中に1つ以上の孔を含むことができ、1つ以上の孔は貯蔵環境とアークチャンバ環境との間の流体連絡を提供し、1つ以上の孔は1つ以上の直径を有し、1つ以上の孔は、アークチャンバ内のプラズマが貯蔵環境内の液体金属と直接接しないように配向されている。
【0014】
別の実施例では、キャップがカップ内に延在する1つ以上の機構部をさらに備えることができ、当該1つ以上の機構部は貯蔵環境内の液体金属に接し、毛管作用によってアークチャンバ環境に向かって液体金属を供給するように構成されている。一例として、当該1つ以上の機構部は、キャップ内に画定された環状リングのうちの1つ以上を備えることができ、当該環状のリップ部分は、キャップの主要部から貯蔵環境内の液体金属内に延在する。別の実施例では、1つ以上の機構部がキャップの主要部から貯蔵環境内の液体金属内に延在する細長機構部を備える。
【0015】
本発明のさらに別の実施態様では、イオンビームを形成するための方法が提供される。この方法では、元素金属がアークチャンバの内部に供給され、液状に加熱される。元素金属はアークチャンバ内で金属イオンを形成するために、さらに気化され、励起される。
【0016】
上記の概要は単に、本開示のいくつかの実施形態のいくつかの特徴の簡単な概要を与えることを意図したものであり、他の実施形態は、上記のものとは別のおよび/または異なる特徴を含んでもよい。特に、この概要は、本願の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。したがって、前述の目的および関連する目的を達成するために、本開示は、以下に記載され、特に特許請求の範囲で指摘される特徴を備える。以下の説明および添付の図面は、本開示の特定の例示的な実施形態を詳細に記載する。しかしながら、これらの実施形態は、本開示の原理が採用され得る様々な方法のうちのいくつかを示す。本開示の他の物体、利点、および新規な特徴は、以下の本開示の詳細な説明を図面と併せて考慮することによって明らかになるのであろう。
【0017】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、本開示のいくつかの態様による代表的な真空システムのブロック図である。
【0018】
図2は、本発明の一実施例によるイオン源の模式図である。
【0019】
図3Aは、本発明の様々な実施例による、液体金属を収容するための貯蔵機器の斜視図である。
【0020】
図3Bは、本発明の様々な実施例による図3Aの貯蔵器具の部分断面図である。
【0021】
図4は、本発明の様々な実施例によるイオン源のアークチャンバの部分断面図である。
【0022】
図5Aは、本発明の様々な実施例によるキャップを有する貯蔵機器の斜視図である。
【0023】
図5Bは、本発明の様々な実施例による図5Aの貯蔵機器の側面図である。
【0024】
図5Cは、本発明の様々な実施例による図5Aの貯蔵機器の断面図である。
【0025】
図6Aは、本発明の様々な実施例によるキャップを有する別の貯蔵機器の斜視図である。
【0026】
図6Bは、本発明の様々な実施例による図6Aの貯蔵器具の側面図である。
【0027】
図6Cは、本発明の様々な実施例による図6Aの貯蔵器具の断面図である。
【0028】
図7Aは、本発明の様々な実施例による貯蔵機器のためのキャップの斜視図である。
【0029】
図7Bは、本発明の様々な実施例による図7Aのキャップの側面図である。
【0030】
図7Cは、本発明の様々な実施例による図7Aのキャップの断面図である。
【0031】
図8は、本発明の他の実施例による液体金属源からイオンを形成するための方法の一例を示すフロー図である。
【0032】
〔発明の詳細な説明〕
本開示は、概して、ワークピースへのイオンの注入に関連する様々な装置、システム、および方法を対象とする。より具体的には、本開示は、アークチャンバからイオンを抽出するためにアークチャンバ内に液体金属を提供するように構成されたイオン源を対象とする。
【0033】
したがって、本発明は図面を参照して説明され、同様の参照番号は全体を通して同様の構成要素を指すために使用され得る。これらの態様の説明は単に例示的なものであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことを理解されたい。また、以下の記載において、説明の目的のために、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者には明らかなように、本発明は、これらの具体的な詳細なしに実施することができる。さらに、本発明の範囲は、添付の図面に関連して以下に記載される実施形態または実施例によって限定されることを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されることを意図するものである。
【0034】
また、図面は、本開示の実施形態のいくつかの態様の例示を与えるために提供され、したがって、概略的なものに過ぎないと見なされるべきであることにも留意されたい。特に、図面に示される構成要素同士の縮尺は必ずしも合っているものではなく、図面における様々な構成要素の配置はそれぞれの実施形態の明確な理解を提供するために選択され、本実施形態による実装形態における様々な構成要素の実際の相対位置の表現であると必ずしも解釈されるべきではない。さらに、本明細書で説明される様々な実施形態および実施例の特徴は、特に断りのない限り、互いに組み合わせることができる。
【0035】
また、以下の説明では、図面に示された、または本明細書で説明された、機能ブロック、装置、構成要素、回路要素、または他の物理的または機能的ユニット間の任意の直接的な接続または結合も、間接的な接続または結合によって実施され得ることを理解されたい。さらに、図面に示される機能ブロックまたはユニットは一実施形態では別個の特徴または回路として実装されてもよく、または代替として、別の実施形態では共通の特徴または回路で完全にまたは部分的に実装されてもよいことを理解されたい。一実施例として、いくつかの機能ブロックは、信号プロセッサなどの一般的なプロセッサ上で実行されるソフトウエアとして実装されてもよい。さらに、以下の明細書において有線ベースとして説明される任意の接続は逆に言及されない限り、無線通信として実装されてもよいことが理解されるべきである。
【0036】
半導体装置の製造においては、半導体に不純物をドープするためにイオン注入が用いられる。イオン注入システムは、半導体ウェハなどのワークピースを、イオンビームからのイオンでドープするためにしばしば利用され、n型またはp型の材料ドーピングを生成するため、または集積回路の製造中にパッシベーション層を形成するために利用される。このようなビーム処理はしばしば、集積回路の製造中に所望の半導体材料を生成するために、所定のエネルギーレベルで、且つ制御された濃度で、特定のドーパント材料の不純物をワークピースに選択的に注入するために使用される。半導体ウェハをドープするために使用される場合、一実施例として、イオン注入装置は、選択されたイオン種をワークピースに注入して、所望の外因性物質を生成する。実施例として、アンチモン、ヒ素、またはリンなどの原料物質から生成されたイオンを注入すると、「n型」外因性材料ウェハが得られるが、「p型」外因性材料ウェハはホウ素、ガリウム、またはインジウムなどの原料物質で生成されたイオンから得られることが多い。
【0037】
イオン注入装置は、イオン源と、イオン引き出し装置と、質量分析装置と、ビーム輸送装置と、ワークピース処理装置とを含む。イオン源は、所望の原子または分子ドーパント種のイオンを生成する。これらのイオンは、電圧がかけられてイオン源からイオンの流れを方向付ける電極のセットのような抽出システムによって、イオン源から抽出され、イオンビームとなる。所望のイオンは、抽出されたイオンビームの質量分散または分離を行う磁気双極子のような質量分析装置においてイオンビームから分離される。一連の集束装置を含む真空システムのようなビーム輸送装置は、イオンビームの所望の特性を維持しながら、ワークピース処理装置にイオンビームを輸送する。最後に、半導体ウェハのような処理されるべきワークピースは、イオンビームの前に配置したり、処理済のワークピースをイオン注入装置から除去したりするための1つ以上のロボットアームを含み得るワークピースハンドリングシステムを介して、ワークピース処理装置に出し入れされる。
【0038】
本発明は、一例として、従来のイオン源内においてスパッタターゲットとしてアルミニウムまたは他の金属元素または化合物を使用する従来のイオン源に対して、あるいは、ヨウ化アルミニウム、塩化アルミニウム、または他の金属化合物を使用する気化器内のフィードとしてアルミニウムまたは他の金属元素または化合物を使用する従来のイオン源に対して、利点を提供するものである。ここで、そのような従来の手法は、ビーム電流が低く、従来のイオン源内のプラズマ内に所望のドーパント以外の原子を導入するものである。
【0039】
従来、イオン注入装置は、多種多様な種を注入するために利用されている。気体前駆体が利用可能である場合、そのような前駆体は、他の種が実行されるときに相互汚染の危険性があるアークチャンバ内の材料の堆積を最小限に抑えるだけでなく、種間の比較的高速な切り替えを提供するので、一般に好ましい。しかしながら、従前では、ガリウム、インジウム、およびアルミニウムのようないくつかの材料については、適切な気体前駆体が利用可能ではない。このような場合、気化器システムを用いて、ターゲット原子を含む蒸気をイオン源に供給する。約100℃~800℃の範囲の温度で約1mtorr~1torrの範囲の蒸気圧を有する材料が選択され、これらの材料は、イオン源のアークチャンバの外部のオーブン内で従来の加熱方法で加熱される。オーブンはノズルを介してアークチャンバと連絡しており、これにより、蒸気は、オーブンからアークチャンバへと流れる。しかしながら、このようなシステムは、オーブンおよびノズルシステムが高い熱質量と長いセッティング時間を有するので、気化される種の間で遷移するための長い期間を要する傾向がある。
【0040】
代替として、原子を含む固体ターゲットを、アークチャンバ内のリペラ端部および/または側壁に配置して、アークチャンバ内に形成されたプラズマが、固体ターゲットからプラズマ内に材料をスパッタするようにすることができる。このようなスパッタリングは、フッ素含有ガスまたは他の反応性ガスをプラズマ中に導入することによる化学的効果によって強化することができる。しかしながら、利用可能な材料は、溶融または昇華することなく、アークチャンバ内で見られる600℃~1000℃の温度に耐えなければならないので、当該材料として用いることが出来るものは限られている。そのような材料の多くは、例えばガリウムおよびアルミニウムといった特に技術的に興味深い金属では、酸化物、フッ化物、または窒化物である。これらの材料は反応性ガスと組み合わされると、イオン源から引き出されるイオンビームを引き出し、成形するために使用される高電圧電極上に絶縁化合物の堆積をもたらす。このような堆積は、高電圧不安定性およびイオン源の短寿命を引き起こし得る。さらに、固体ターゲットは、他の種が抽出されているときでさえプラズマに曝され、抽出されたビームの汚染および固体ターゲットの摩耗をもたらす。しかしながら、本開示は、プラズマにドーパント種の純粋なソースを提供することにおいて、イオン源を比較的短い時間でターンオンおよびターンオフする利点を示す。
【0041】
本開示の一態様によれば、図1は、例示的な真空システム100を示す。本実施例における真空システム100は、イオン注入システム101を含む。しかしながら、プラズマ処理システム、または他の半導体処理システムなど、他の種々の真空システムも考えられる。イオン注入システム101は、一実施例として、端末102と、ビームラインアセンブリ104と、エンドステーション106とを備えている。
【0042】
一般的に言えば、端末102内のイオン源108は電源110に接続され、それによって、原料物質112(ドーパント材料とも呼ばれる)が、アークチャンバ114に供給され、イオン化されて複数のイオンになり、抽出開口117を通してイオンビーム116を形成し、抽出される。本実施例におけるイオンビーム116は、ビームステアリング装置118(ソースマグネットとも呼ばれる)を通って方向付けられ、エンドステーション106に向かう開口120から出る。エンドステーション106では、イオンビーム116が、チャック124(例えば、静電チャックまたはESC)に選択的にクランプまたは取り付けられたワークピース122(例えば、シリコンウエハ、ディスプレイパネルなどの半導体)に衝突する。そして、ワークピース122の格子に埋まった注入イオンは、ワークピースの物理的及び/又は化学的特性を変更させる。このため、イオン注入は、半導体デバイスの製造や金属の仕上げ加工、さらには材料科学研究における様々な応用に用いられている。
【0043】
本開示のイオンビーム116は、ペンシルまたはスポットビーム、リボンビーム、走査ビームといった任意の形態、またはイオンがエンドステーション106に向けられる任意の他の形態などをとることができ、そのような形態はすべて、本開示の範囲内に入ると考えられる。
【0044】
1つの例示的な態様によれば、エンドステーション106は、真空チャンバ128などの処理チャンバ126を含み、処理環境130が、当該処理チャンバ126に関連付けられる。処理環境130は、一般に、処理チャンバ126内に存在し、一例では、処理チャンバに結合され、処理チャンバを実質的に排気するように構成された真空源132(一実施例として、真空ポンプ)によって生成された真空部を備える。さらに、コントローラ134は、真空システム100およびその構成要素の全体的な制御のために提供される。
【0045】
本開示の装置はCVD、PVD、MOCVD、エッチング装置、および様々な他の半導体処理装置などの他の半導体処理装置で実施することができ、そのような実施はすべて、本開示の範囲内に入ると考えられることを理解されたい。本発明の装置は、予防保守サイクルの間のイオン源108の使用可能期間を有利に増加させ、従って、真空システム100の全体的な生産性を向上させ、且つ長寿命化を実現することができる。
【0046】
実施例のために、イオン源108(イオン源チャンバとも呼ばれる)は、適当な高温性能を提供するために、高融点金属(W、Mo、Taなど)およびグラファイトを使用して構築することができ、このような材料は、一般的に半導体チップ製造業者によって受け入れられている。本発明によれば、原料物質112はイオン源108(一実施例として、アークチャンバ114内)内に液体状態で有利に設けられる金属(例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウム、または他の金属)を含有するか、または当該金属からなる。
【0047】
イオン源108のアークチャンバ114は、一実施例として、図2に概略的に示されており、本発明のイオン源は、アルミニウム、インジウム、ガリウム、アンチモン、または他の金属などの金属原料物質136からの蒸着物を使用することによって、高ビーム電流を有するイオンビーム116を提供するように構成することができる。金属原料物質136はアークチャンバ114内で加熱されて、液体金属138を画定する液体状態を形成するか、さもなければ維持し、当該液体金属は、プラズマ140を形成するためにアークチャンバ内でさらに気化される。液体金属138は、一実施例として、プラズマ140が形成されるアークチャンバ環境142に直接的に露出されていてもよい。代替的に、または追加的に、本開示は液体金属138をプラズマ140に曝露させるための毛管作用を提供することができ、ここで、物理的または化学的作用によってプラズマに取り込まれる(これについては後述する)。金属原料物質136(実施例の場合、液体金属138)は例えば、貯蔵機器144内に保持されるか、または他の方法で保持されてもよい。貯蔵機器144は一実施例として、イオン源108のリペラ148内に形成されたカップ146を備え、このカップはリペラ電源152によって与えられるバイアス150(一実施例として、0~500V)によってアークチャンバ114に対して負にバイアスされる。例えばバイアス電圧150(実施例のために、リペラー電源電圧)は、アーク電流、取り出し電流、または制御目的のための他の因子の変化に応じて変更され得る。図3A図3Bは貯蔵器具144の一例を示しており、金属原料物質136は、カップ146の凹部154内に収容され得る。一実施例では、図2に示すイオン源108のアークチャンバ114の幾何学的形状は、液体金属138が重力によってカップ146内に保持され、イオン源108の動作中に傾いたりこぼれたりしないように提供される。
【0048】
一例では、バイアス電圧150を変化させること、図1のソースマグネット118への入力パラメータを変化させること、および/または図2のプラズマ140に関連する他のパラメータを変化させることによって、プラズマからの力の大きさを制御し、液体金属138に供給することができ、したがって、蒸気圧がアークチャンバ114内のプラズマを維持するのに十分なほどその温度を上昇させることができる。プラズマ140をさらに維持するために、例えばサポートガス156をアークチャンバ114に任意に導入することができ、そのため、当該サポートガスは、材料136と不活性(例えばアルゴン)または化学反応性(例えばフッ素、塩素)とする。例えばバイアス電圧150は、支持ガス156による衝撃などを通して、原料物質136の直接スパッタリングを提供する役割も果たすことができる。支持ガス156は例えば、アークチャンバ114を概して囲んでスパッタされた材料を再びプラズマ140に変換する1以上の壁158(側壁とも呼ばれる)上に凝縮する材料をスパッタリングすることによって、イオン源108の能率をさらに高めることができる。バイアス電圧150は例えば、イオン源108のカソード162に印加されるアーク電圧160(例えば0~150V)によってさらに提供されてもよく、制御されてもよく、増大されてもよく、または代替的に、カソード電源164によって提供されてもよい。
【0049】
したがって、本発明の貯蔵機器144(例えばるつぼ)は、従来のシステムを上回る利点を提供し、それによって、貯蔵機器は一例として、リペラ148に関連する1つ以上のリペラ位置166か、イオン源108のアークチャンバ114の側壁158かの少なくとも何れかに設けることができる。そして、当該貯蔵機器は、概して、上述の液体金属138の形態の材料136を保持または収容するように構成されている。
【0050】
図4は、本発明の別の態様によるアークチャンバ114の別の実施例を示す。図4に示す例では、アークチャンバ114内の貯蔵機器144が、カップ146を全体的に覆うキャップ168(リッドとも呼ばれる)をさらに備え、貯蔵機器はアークチャンバのリペラ位置166に配置されている。図4に示された貯蔵機器144は例えば、図2を用いて上述したようにリペラ148として利用することができるほか、代替的に、貯蔵機器は、電源に接続することなく単にアークチャンバ114のリペラ位置166に実装することもできる。図4のアークチャンバ114は一実施例として、マサチューセッツ州ビーバリーのアクセリス・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Axcelis Technologies、Inc.)によって製造された「ピュリオン」イオン注入システムにおいて有利に実施することができ、それによって、貯蔵機器144は、垂直に整列されたイオン源の底部において垂直に配向することができる。キャップ168は例えば、1つ以上の孔170を備え、図2のイオン源108内のプラズマ140がカップ146内に保持された原料物質136に直接的に接しないように、当該孔は構成され且つ配向されている。
【0051】
例えば、図5A図5Cに示す貯蔵機器200は、貯蔵機器144と同様の様式で構成され得る。図5A図5Cの貯蔵機器200は例えば、動作可能に結合されたキャップ204を有するカップ202を備えている。図5Cに示す凹部206は、図2に示される液体金属138(一実施例として、粉末状の固体アルミニウムのような固体由来のもの)を概して保持または閉じ込めるように構成されている。図5A図5Cのキャップ204は例えば、カップ202上に載置されるか、または、カップおよびキャップのうちの1つ以上に関連付けられた1つ以上の固定機構208(実施例として、1つ以上のスロット、ピン、クランプなど)を介してカップ202に固定されることで、概ね凹部206を覆うことができる。凹部206は、様々な直径を有することができる。貯蔵機器200は一例として、液体状態の図2の1つ以上の材料136で充填されているか、あるいは含んでいる。当該1つ以上の材料が、リペラ148によって経験される温度(例えば約800C)において、低い気圧(例えば<1mtorr)を有する。この場合も、そのような材料の例としては、アルミニウム、ガリウム、およびインジウムを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0052】
図5A図5Cのキャップ204は一例として、キャップ内に画定された1つ以上の孔210をさらに備えることができ、当該1つ以上の孔は、図2のアークチャンバ環境142への凹部206の露出を提供するように構成されている。図5A図5Cのキャップ204内の1つ以上の孔210の配置および構成は、例えば、図5Cに示す1つ以上の直径212を有するなど、任意の数、位置、および大きさになるように選択することができ、それによって、レイアウトおよび構成は、1つ以上の孔を透過することができる所望の量の蒸気に基づくことができる。貯蔵機器200は、一例として、図2の金属原料物質136がレベル214に概して維持され、液体金属138がカップ202の凹部206をそのレベルまで概ね満たすように構成することができる。このように、図5Cに示すキャビティ216は一例として、金属原料物質136のレベル214の上方にあり、蒸気圧が形成され、その後、キャップ204上の1つ以上の孔210から拡散して図2のプラズマ140を形成するためのヘッドスペースを提供するように構成することができ、カップ202およびキャップ204はそれぞれ、例えば、側壁218、220に沿ったウィッキングおよび/またはキャビティ216内での気化を提供するようにさらに構成されている。
【0053】
別の実施例である図6A図6Cに示す貯蔵機器300は、図2の貯蔵機器144と同様に構成することができ、一例として、図6A図6Cの貯蔵機器300は図2のリペラ148として実施することができ、金属原料物質136が液化され、その後、気相に遷移する。一例として、図6Cの貯蔵機器300はカップ302およびキャップ304を含み、キャップは、1つ以上の孔306を含む。図6Cの例に示される1つ以上の孔306は、さらに角度が付けられている。さらに、キャップ304は、一例として、カップ302の凹部310内に延在する1つ以上の機構部308を備える。図6Cに示す例では、1つ以上の機構部308が、図2の金属原料物質136が概ね維持されるレベル312より下に延在し、その結果、当該1つ以上の機構部は液体金属138内に延在する構成となっている。一例として、1つ以上の機構部308は、環状リング316を含む。図示されていないが、環状リング又はシリンダ316は、一実施例として、カップ302の底部318まで(又は底部に近接して)延在することができ、任意選択で、シリンダ内に半径方向の孔(図示せず)を含むことができ、カップ内の液体金属のレベル312が低下したときに、以下で説明するように、追加の毛管作用のためにキャップとの接点が形成され続けるようになっている。
【0054】
この場合も、金属原料物質136のレベル312の上方の図6Cに示すキャビティ314は、例えば、蒸気圧を発生させ、その後、キャップ304上の1つ以上の孔306から拡散させるためのヘッドスペースを提供するようにさらに構成することができる。それぞれのキャップ304は例えば、側壁320に沿ったウィッキングまたは毛管作用、および/またはキャビティ314内での気化を提供するようにさらに構成されている。
【0055】
図7A図7Cはキャップ400の別の実施例を示しており、キャップは上述のように、様々な直径404A、404Bを有する複数の孔402と、液体金属のレベルより下に延びるように構成された1つ以上の機構部406(例えば環状リング408)とを含む。図6Cおよび図7Cの例に見られるように、それぞれのキャップ304、400はカップ302を覆い、側壁409に沿ったウィッキングおよび/またはカップ内の液体金属の上端部との間のキャビティ内での気化を提供するように構成されている。
【0056】
図4に示した例を再度概略的に参照すると、金属原料物質136(例えば、元来、固体または粉末の形態であるもの)が加熱されて溶融して液体金属138になると、液状の金属原料物質は、毛管作用によってリペラ148のキャップ168の1つ以上の孔170にウィッキングされる。本開示は例えば、液化された金属原料物質をキャップ168内の1つ以上の孔170に通すことを補助する毛管作用を企図し、それにより、金属原料物質はさらに気相に遷移する。例えば、気相への転移は、リペラ148上の負の偏向によって誘起されるイオン電流によって、キャップ168が貯蔵機器144のなかで最も熱い面を構成することによって達成される。
【0057】
本発明の一実施例として、アークチャンバ114内に液体金属を導入し(例えば、リペラに近接して、またはリペラの代わりに)、当該液体金属に印加される電力を制御するように液体金属に電気的にバイアスをかけるように構成された導入装置を提供する。アークチャンバ114内の約800Cの温度では、一例として、蒸気圧は概して、特定の金属に対してプラズマを維持するには低すぎる。しかしながら、金属が1000℃~1200℃の間に加熱される場合、プラズマが純粋な金属(例えば分子形態の金属ではない元素金属)から直接的に達成され得るために十分な蒸気圧を提供できる。したがって、分子形態で提供される金属ソースの様々な他の構成要素とは対照的に、金属イオン(またはアルゴンなどのガスと共に使用される場合には金属イオン)のみがプラズマ中にあるので、従来の方法と比較して、より良好なビーム電流を達成することができる。このような装置はしたがって、システムをオンおよびオフにするためのより速い応答を提供することができる。これは、蒸気圧対温度の曲線が一般に指数関数的であり、本開示のリペラ様構造は従来の気化器よりもはるかに小さい熱質量を有するからである。このように、適切な蒸気圧による温度変化は一例として30~50℃だけ減少させることができ、その結果、蒸気圧は1桁または2桁減少し、したがって、アークチャンバ114内の金属気化を迅速にオフにできる。そのような迅速な切り替えは、汚染をさらに最小限に抑えることができ、他の利点も有することができる。
【0058】
本開示では、液体金属の表面がプラズマに直接曝されると不安定な様式で動作する傾向があり、液体金属上の垂直に高いプラズマ密度を有する位置で当該金属を局所的に加熱すると、より多くの蒸気を放出して、プラズマがより高密度にして、さらにそれ自体がフィードバックして、迅速かつ不安定な加熱につながることが解る。
【0059】
そこで、本開示では、上にキャップまたは蓋が設けられた液体金属のカップまたはるつぼを有する貯蔵機器を提供する。また、当該キャップには1つ以上の孔を含む。これにより、貯蔵機器の内部の液体金属と、イオンを形成するためのアークチャンバの体積との間に領域が提供される。したがって、アルミニウム注入のための従前のイオン源で見られるわずか5~10時間の動作の代わりに、本開示の液体金属ソースは従来のシステムよりも大きなビーム電流をさらに提供しながら、安定であり、40時間を超えて動作することができる。
【0060】
本発明は気化及びプラズマフォーメーションのための2つの潜在的なメカニズムを意図しており、一方のメカニズムは液体金属の純粋な気化を提供し、その他のメカニズムは液体金属と、(例えばタングステンから形成された)カップの内面との間のウィッキング作用を提供する。液体金属が孔を通過すると(または僅かに通過する前に)、液体金属はカップの側壁または機構部を伝ってウィッキングされて、毛管作用によってキャップ内の孔から排出されることによって、プラズマに遭遇し、蒸発し、プラズマ内に入る。本開示は反応効果として気化およびウィッキングの両方を提供し、カップおよび/またはキャップの材料構成要素、金属原料物質、カップおよび/またはキャップの表面処理、および/または貯蔵機器の温度などの様々なパラメータについて、蒸気と毛管作用との間の相互作用が異なり得ることを認識し、それによって、前記パラメータは、様々な注入種に合わせて調整することができる。例えば、物質の気化および吸上を制御するために、表層構造、きめ、材料組成、およびウィッキングに利用可能な面積などに対する変更を修正することができ、そのようなすべての修正は、本発明の範囲内に含まれると考えられる。
【0061】
図7Cのキャップ400は、一例として、ロウソクと同様に構成することができ、キャップの中心区域410はカップ(図示せず)内に収容された液体金属内に突出する1つ以上の細長機構部412を含み、その結果、液体金属(例えば液体アルミニウム)を当該1つ以上の細長機構部から引き上げることができる。当該1つ以上の細長機構部は例えば、ピラー、管、ロッド、または他の構成のうちの1つ以上を含むことができる。
【0062】
図6Cおよび図7Cのそれぞれの環状リング316、408、および/または図7Cの1つ以上の細長機構部412は、カップ内の凹部の底部に近接して延在することができ、その結果、カップ内の液体金属のレベルが低下すると、さらなる毛管作用のためにキャップとの接触が継続される。このような毛管作用により、溝、材料構成の変化、または焼結材料の提供等のような修正は、毛管効果をさらに増加させるか、または変化させることができる。さらに、カップまたはキャップ内の孔のサイズおよび数は、液体金属または蒸気のプラズマへの様々な程度の曝露を提供するように修正されてもよい。毛管作用は一例として、カップの側壁上で、キャップと貯蔵機器のキャビティとの間に、液体金属(一例としてロウソクまたは多数のピラーのような中央構造)内に延びる1つ以上のピラーに沿って、キャップ内の孔まで延びるように構成されたリップを有するキャップ内に画定されたシリンダ、および/またはキャップ内の傾斜した穴に沿って発生することができ、それによって、キャップおよびカップの幾何学的形状および構成は、孔を通して液体金属を露出させる(一例として孔を通したウィッキング)。さらに、液体金属は、キャビティ内で気相を成すこともできる。
【0063】
図7A図7Cのキャップ400は一例として、凸状上部414をさらに備え、それによって、凸状上部は孔402を通ってウィッキングされる任意の余分な材料が中心区域410に向かって流れるようにし、それによって、余分な材料は中心区域での高温によって有利に気化され得る。凸状上部414を設けることによって、例えば孔402を通ってウィックされた余分な材料は、キャップ400の側面416を滴下または流下することを概して防止され、したがって、キャップの他の構成要素との電気的短絡が概して防止される。
【0064】
本開示は例えば、貯蔵機器からアークチャンバまたはイオン源に1つ以上の原料物質を導入するための2つの機構、すなわち、気化および毛細管現象を提供する。第1のケースでは、プラズマに関連するパラメータ(例えば、アーク電流、ソースマグネットに関連するパラメータなど)を調整することによって、またはリペラを電気的にバイアスすることによって、貯蔵機器の温度を蒸気範囲(例えば1000C~1200C)まで上昇させて、イオン源を適切に動作させるのに充分な蒸気圧を提供することができる。本発明の貯蔵機器はさらに、イオン源への入力電力が低減されるとき、例えば、貯蔵機器の温度が急速に低下し、それによって、ほんの数十度の温度降下が蒸気圧を1桁以上低減するのに充分であり、材料の喪失が最小限に抑えられ、相互汚染が排除されることを有利に提供する。このように、気化は、例えば、貯蔵機器への熱入力および損失、ならびに貯蔵機器とイオン源のアークチャンバとの間のコンダクタンスを制御することによって制御することができる。
【0065】
本発明の別の実施例によれば、毛管作用を利用して、液体材料が貯蔵機器に関連する側壁または機構部をウィッキングされ、それによって、液体材料がキャップ内の孔を通過し、したがって、液体材料をプラズマに曝露させて、液体材料がプラズマによって気化されるようにすることができる。一例として、このような毛管作用または「ウィッキング」の速度は、貯蔵機器の内部表面積、柱、管、またはキャップに関連する中央ウィッキングまたはその他機構部の存在の有無、カップおよびキャップの表面における溝または条痕の有無などのカップおよびキャップの1つ以上の表面処理、ならびにカップおよびキャップの様々な機構部の材料選択によって影響を受けるか、または制御され得る。
【0066】
カップ及びキャップの1つ以上に関連する蒸発と毛管作用との間の相互作用は、例えば、幾何学、材料選択、表面処理、又は、異なる熱特性を有する中央区域と外側区域を有するキャップといった他の事項によって変化する。一例として、タングステンからなる(またはタングステンを含む)貯蔵器具は、液体アルミニウムのような金属原料物質と共に使用するのに非常に適している。本開示はさらに、モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、およびタンタルなどの他の耐火材料が、貯蔵機器の形成に代替的に使用されることを企図する。
【0067】
アークチャンバ内の貯蔵機器内に保持又は保持することができる金属原料物質の体積は、一例として、アークチャンバの幾何学的形状によって凡そ制限される。貯蔵機器内に提供される原料物質の体積は、一例として、アークチャンバ内の貯蔵機器と流体連通する補助供給源(例えばアクセサリリザーバ、タンク、または他の体積)を提供することによって増加または補充することができ、それによって、補助供給源は、管などのコンジットを介して貯蔵機器のカップにより大きな体積の金属原料物質を提供する。例えば、補助電源は、プラズマチャンバおよび/または外部ヒーターから集められた熱によって、金属原料物質の温度を金属原料物質の融点より高く維持するように構成される。
【0068】
別の実施例によれば、本開示の貯蔵機器はイオン源において40時間より長い時間、10mAのGa+、および>2mA Al+および1mA Al++のAlイオンビーム電流を提供するのに好適であり、それにより、貯蔵機器を利用するイオン源は実質的な維持なしに、40時間より長い間、有利に動作することができる。比較のために、アークチャンバの内部のAlNスパッタターゲットを利用する従来のイオン源の動作はおよそ10時間の典型的な寿命を提供し、それによって、寿命はしばしば、イオン源引出し電極上に形成された蒸着物によって制限される。
【0069】
別の実施例では、本開示のイオン源がガリウムイオンの注入のために構成することができ、それによって、液体ガリウムを含む金属原料物質は、イオン源内にリペラとして設けられた貯蔵機器内に収容される。当該リペラは、例えば、プラズマから金属原料物質に伝達されるエネルギーを増加させ、制御することができるように、陰極よりも負にバイアスされる。したがって、金属原料物質の温度は有利には1300K~1400Kに上昇させることができ、ガリウムの場合、プラズマを維持するのに十分に高い蒸気圧が得られる。本開示は、様々な他の金属原料物質がリペラカップのそのような加熱から利益を得ることができ、本開示の範囲内に入るものとして、そのような材料のすべてを企図することをさらに理解する。
【0070】
例えば、ガリウムの場合、計算すると、1200Kで約1mtorr、1320Kで10mtorrの蒸気圧を示すとされる。隔離されたリペラ構造では例えば約1000℃の温度を達成することができ、リペラを陰極よりも負にさらにバイアスすることによって、所望の蒸気圧に対してこれらの増加した温度を達成することができる。
【0071】
必要とされるガリウムの面積について、ソースとターゲットが1300Kにおいて平衡状態にある場合、速度論は、8mtorrの圧力に対して次のように定められる:
ガリウム原子ガス中の個数密度= 5.9x 1019 -3
【0072】
【数1】
【0073】
ここで、Flux=9.2x1021 atoms/m/sで、これは5.5x10/分、0.92mol/m/分、または20600sccm/mに相当する。したがって、例示された注入について5sccmの流れを維持するために、2.4×10-4 の面積、または一辺が15mmの正方形が妥当であると考えられる。
【0074】
次世代のPMOS S/Dのために、例えば、ガリウムドーピングを使用することによって、低コンタクト抵抗を実現できることが理解される。例えばガリウム‐69は、302.91°K(29.76℃または85.57°F)の融点を有する金属である。ガリウム‐69は、一例として、室温をちょうど上回る温度で凡そ液体状態である。ガリウムを気化させるのに必要な温度を発生させるための原料ガスとしては、一例としてアルゴン等のガスを用いることができる。
【0075】
貯蔵機器内の液体金属は、例えば、アークチャンバ内でプラズマによって加熱される際に液体状態に留まることができ、加熱量は、プラズマの密度の変更または制御、アーク電流の変更または制御、および/またはソースマグネットのパラメータの変更または制御によって修正することができる。リペラの形態をとるキャップおよびカップの場合、このような制御装置は、プラズマをリペラ上に集中させて、その加熱をさらに制御することができる。さらに、放射線シールド(図示せず)をキャップおよびカップの周りに適用して、キャップおよびカップをより高温にするか、または他の方法で加熱を制御することができる。更に、ノッチ及び/又は溝は熱損失を低減するためにカップから延びるステム部分内に実装することができ、この場合、ステムは、熱伝達を低減又は制御するために同様に構成することができる断面を有するクランプ内に保持される。
【0076】
別の実施例では、キャップにおける、イオンが当たるところである中心部は、より厚く構成されている。プラズマカラムの最も密な部分は例えば、イオンの大部分が当たってスパッタリングしている実施例であり、これにより、リペラはさらに、異なった電圧にバイアスされて、その表面へのイオン衝突のエネルギーを増減させて、リペラの加熱をさらに制御することができる。図2に示すリペラ電源によってキャップを付勢することによって、実施例のために、電力をほぼ瞬時に電気的に制御して、リペラおよびキャップおよび/またはカップに印加される電力の量を制御することができる。
【0077】
キャップ内の孔の構成、サイズ、数、位置などは変更することができ、また、シリンダ、ピラー、または他の機構部の数および構成は特定のインプラントの特定の必要性に適合するように変更することができる。上述したように、本発明は、一例として、液体金属が、カップからプラズマと接する位置までのウィッキングを提供する。また、一例として原料温度の制御を行うことにより、液体金属のウィッキング流量は調整でき、これにより、プラズマを維持または制御するために、液体金属がプラズマ内に一定供給され得るように調整され得る。一例として、当該液体金属は、カップから孔及びキャップの外面にウィッキングされた後に、プラズマによって気化される。
【0078】
本開示は、ガリウム注入などの直接気化を達成することができ、それによって、約1100℃の温度によって、蒸気圧だけでプラズマを維持することができることをさらに理解されたい。そのような場合、ウィッキングは依然として達成され得るが、カップ内の液体金属の蒸発は蒸発した金属が孔を通って「漏れる」ことを可能にし得るので、必要ではない場合がある。一例として図9A図9Cには、側壁上にキャップを示す(カップ内に延在する機構部を有さない、カップ内の容積は側壁と共に可能な限り増大され、それによって、その中に画定されたキャビティはいくらかの気化した金属を収容するためのヘッドスペースを有する)。
【0079】
いくつかの例では、本明細書にて説明した液体金属設備を使用して、100時間を超える稼働が達成された。さらに、リペラ装置(例えばカップおよびキャップ)が図2に示される垂直配向でイオン源アークチャンバの底部に設けられる場合、一例として、重力は、さらなる利点を提供することができる。すなわち、カップがアークチャンバの底部で従来の技術によって単純に支持されてもよく、これにより、液体金属のための十分なサイズの貯蔵部分を提供するからである。しかしながら、本開示は、管または他の導管などを介して、アークチャンバ内のキャップ状構造に動作可能に結合または接続される外部貯蔵体を提供することをさらに企図する。一例として、外部貯蔵体が金属の融点を超えて維持される限り、液体金属は様々な方法でアークチャンバ内に供給することができ、したがって、アークチャンバの構成要素の寿命をさらに延ばす可能性がある。同様に、一定レベルの液体金属をアルキメデス原理によってカップ内にさらに保持することができ、それによって液体金属を貯蔵機器内に供給してアークチャンバの動作時間を延長することができる。一例として、補助的な貯蔵体をアークチャンバの温度で設け(例えば600~700℃に維持する)、金属を液相に維持するように保つことができる。本開示はガリウムが室温で溶融し、インジウムが130℃で溶融することを理解し、そのため、様々な程度の積極的な加熱を提供することもできる。
【0080】
本開示は、液体金属が他の方法でアークチャンバに提供されてもよく、必ずしもリペラを介した導入を必要としないことがさらに理解される。例えば、本開示は、アークチャンバ内に液体金属を提供するように構成されたアークチャンバ内の任意のバイアスされたまたはバイアスされていない構造を企図する。例えば、いくつかのイオン源では、イオン源アークチャンバが水平に提供され、液体金属を供給するための本発明に係る機器によってウィッキング作用が実施され、および/または、金属蒸気を提供するために当該液体金属が加熱される構成であってもよい。このような装置は例えば、イオン源の側面上に配置することができ(例えばアークチャンバが水平に向いている場合)、そのような装置に熱源を提供することができる(例えば、ヒーターを当該装置の周囲に設けることができる)。さらに、水平面構造が設けられる場合、カップは一例として、重力がカップ内に液体金属を保持するように、配向されることができ、それによって、キャップはカップに対して(例えば90度または他の角度で)角度付けされることができ、それによって、ウィッキング作用および/または直接的な気化も達成されることができる。同様に、シャワーヘッド型または他の構成をアークチャンバの側面に設けることができる。
【0081】
この場合も、本開示のいくつかの実施例ではリペラが提供されるが、本開示の概念はリペラに限定されない。さらに、本明細書で論じる材料の選択、温度、および構成を制御することによって、液体金属は、必ずしも常にプラズマに曝されるわけではない。液体金属の浴がイオン源の側面に沿って配置される場合、液体金属は、プラズマが活性であるときはいつでもプラズマに曝され得る。本開示はさらに、液体金属のプラズマへの暴露をオンおよびオフにする能力を提供する。従って、本発明は、一例として、イオン源の内部に液体金属を供給するための別の貯蔵部又は他の装置を提供する。
【0082】
別の例示的な態様によれば、ワークピースへのイオン注入のためのイオンビームを形成するために、イオン源に液体金属を提供するための方法500が図8に提供される。本明細書に示し説明する例示的な方法は一連の工程または事象として説明するが、いくつかのステップは開示に従って、本明細書において説明したものとは別の工程、異なる順序、および/または同時において起こり得るので、本開示のような工程または事象の示された順序によって限定されないことに留意されたい。さらに、本開示による方法を実施するために、図示されたすべての工程が必要とされるわけではない。さらに、本発明に係る方法は、ここで図示しかつ説明しているシステムと同様に、説明しない他のシステムとも関連して実行することができる。
【0083】
図1のコントローラ134は、図8の方法500を実行するように構成されてもよく、それによって、上述の様々な構成要素の制御が本明細書で説明される方法で達成されてもよいことに留意されたい。図8に示すように、例示的な方法500は工程502で始まり、元素形態の金属などの金属が、固体形態のイオン源に提供される。金属は、粉末または他の固体形態であり得る。金属は一例として上述で例示したように、アークチャンバ内に配置された貯蔵機器のカップに供給される。
【0084】
工程504において、金属は液体状態に加熱され、工程506において、液化金属はアークチャンバの内部区域に供給される。工程504および工程506は様々な順序で連続的に、または同時に実行され得る。一実施例では、金属が工程504においてアークチャンバの外部で液状に加熱され、その後、工程506においてアークチャンバの内部に供給されてもよい。工程508では、液体金属を気化させてプラズマを形成する。
【0085】
1つ以上の特定の実施形態に関して図示して説明を展開したが、上述の実施形態は、本発明のいくつかの実施形態の実装用の実施例としてのみ役立ち、本発明の適用はこれらの実施形態に限定されないことに留意されたい。特に、上述の構成要素(アセンブリ、装置、回路など)によって実行される様々な機能に関して、そのような構成要素を説明するために使用される用語(「手段」への言及を含む)は、別段の指示がない限り、本明細書に示される本発明の例示的な実施形態において機能を実行する開示された構造と構造的に同等ではないにもかかわらず、説明された構成要素の指定された機能を実行する(すなわち、機能的に同等である)任意の構成要素に対応することが意図される。更に、本発明の特定の特徴が幾つかの実施形態のただ一つに対して開示されてきたが、そのような特徴はいずれかの或る又は特定の用途にとって望ましくかつ有利な他の実施形態における一つ以上の特徴と組み合わされ得るものである。したがって、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
図1】本開示のいくつかの態様による代表的な真空システムのブロック図である。
図2】本発明の一実施例によるイオン源の模式図である。
図3A】本発明の様々な実施例による、液体金属を収容するための貯蔵機器の斜視図である。
図3B】本発明の様々な実施例による図3Aの貯蔵器具の部分断面図である。
図4】本発明の様々な実施例によるイオン源のアークチャンバの部分断面図である。
図5A】本発明の様々な実施例によるキャップを有する貯蔵機器の斜視図である。
図5B】本発明の様々な実施例による図5Aの貯蔵機器の側面図である。
図5C】本発明の様々な実施例による図5Aの貯蔵機器の断面図である。
図6A】本発明の様々な実施例によるキャップを有する別の貯蔵機器の斜視図である。
図6B】本発明の様々な実施例による図6Aの貯蔵器具の側面図である。
図6C】本発明の様々な実施例による図6Aの貯蔵器具の断面図である。
図7A】本発明の様々な実施例による貯蔵機器のためのキャップの斜視図である。
図7B】本発明の様々な実施例による図7Aのキャップの側面図である。
図7C】本発明の様々な実施例による図7Aのキャップの断面図である。
図8】本発明の他の実施例による液体金属源からイオンを形成するための方法の一例を示すフロー図である。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8