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特許7455865エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/70 20200101AFI20240318BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20240318BHJP
【FI】
A24F40/70
A24F40/465
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021570154
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2020064611
(87)【国際公開番号】W WO2020239787
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】19177265.6
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ウーアマイスター,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ローガン,アンドリュー・ロバート・ジョン
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-515113(JP,A)
【文献】米国特許第5233813(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第3330190(EP,A1)
【文献】特表2018-523983(JP,A)
【文献】特開2019-071901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/70
A24F 40/465
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生ポッド(1)を製造する方法であって、前記方法が、
(i)エアロゾル発生材料(10)を準備するステップと、
(ii)前記エアロゾル発生材料(10)の両側にシート材料(14)を配置するステップと、
(iii)前記エアロゾル発生材料(10)及び前記シート材料(14)を前記両側のうちの一方から打ち抜いて、前記シート材料(14)によって覆われたエアロゾル発生材料(10)を備えるエアロゾル発生ポッド(1)を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
ステップ(i)が、連続プロファイルを有するエアロゾル発生材料(10)を供給することを含み、
ステップ(ii)が、エアロゾル発生材料(10)の前記連続プロファイルの両側に連続シート材料(14)を供給することを含み、
ステップ(iii)が、エアロゾル発生材料(10)の前記連続プロファイル及び前記連続シート材料(14)を、前記シート材料(14)の前記両側のうちの一方の側から繰り返し打ち抜いて、前記シート材料(14)によって覆われたエアロゾル発生材料(10)を備える複数のエアロゾル発生ポッド(1)を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(iv)誘導加熱可能サセプタ(18)を前記エアロゾル発生材料(10)に配置するステップ
を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(iv)が、誘導加熱可能サセプタシート(18)を前記エアロゾル発生材料(10)に配置することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(iv)が、開口部(22)を備える誘導加熱可能サセプタシート(18)を前記エアロゾル発生材料(10)に配置することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(i)が、前記シート材料(14)と誘導加熱可能サセプタシート(18)との間に、及び/又は誘導加熱可能サセプタシート(18)の間にエアロゾル発生材料(10)を配置することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(iii)の前に、
(v)前記エアロゾル発生材料(10)の少なくとも一方の側に配置された前記シート材料(14)を切断して、前記シート材料(14)を残りのシート材料から分離すること、又は前記エアロゾル発生材料(10)の少なくとも一方の側に配置された前記シート材料(14)に脆弱領域(46)を作成して、ステップ(iii)の間に前記シート材料(14)を残りのシート材料から切断して分離するのを促進するステップ
を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(iii)が、前記エアロゾル発生材料(10)の一方の側に配置された前記シート材料(14)に向かって、且つ前記エアロゾル発生材料(10)の他方の側に配置された前記シート材料(14)に隣接する金型(34)の空洞(44)内に、打ち抜き要素(32)を移動させることを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(iii)が、前記エアロゾル発生材料(10)の一方の側に配置された前記シート材料(14)に向かって打ち抜き要素(32)を移動させ、前記エアロゾル発生材料(10)の反対側に配置された前記シート材料(14)を金型(34)の空洞(44)内に押し込んで、それにより、前記エアロゾル発生材料(10)の露出した領域を前記シート材料(14)で包むことを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(iii)の後に、
(vi)前記エアロゾル発生材料(10)の両側に配置された前記シート材料(14)を結合して、前記エアロゾル発生材料(10)を前記シート材料(14)の内側に固定するステップ
を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
エアロゾル発生ポッドを製造するための装置であって、前記装置が、
エアロゾル発生材料(10)を供給するための第1の供給ユニット(24)と、
前記エアロゾル発生材料(10)の両側にシート材料(14)を配置するための第2の供給ユニット(12)と、
前記エアロゾル発生材料(10)及び前記シート材料(14)を前記両側のうちの一方から打ち抜いて、前記シート材料(14)によって覆われたエアロゾル発生材料(10)を備えるエアロゾル発生ポッド(1)を形成するように構成された打ち抜きユニット(30)と、
を備える、装置。
【請求項12】
前記装置が、誘導加熱可能サセプタ(18)を前記エアロゾル発生材料(10)に配置するための第3の供給ユニット(16)を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記打ち抜きユニット(30)が、前記エアロゾル発生材料(10)の一方の側に配置された前記シート材料(14)に隣接する打ち抜き要素(32)と、前記エアロゾル発生材料(10)の反対側に配置された前記シート材料(14)に隣接する空洞(44)を有する金型(34)であって、前記打ち抜き要素(32)が、前記エアロゾル発生ポッド(1)を形成するために前記金型(34)の前記空洞(44)内に移動可能である、金型(34)とを備える、請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記打ち抜き要素(32)が、前記エアロゾル発生材料(10)の前記打ち抜き要素(32)に隣接する側に配置された前記シート材料(14)を前記側に配置された残りのシート材料(14)から分離するように、及び前記エアロゾル発生材料(10)の前記反対側に配置された前記シート材料(14)を前記金型(34)の前記空洞(44)内に押し込んで、それにより、前記エアロゾル発生材料(10)の露出した領域を前記シート材料(14)で包むように周辺縁部(38)を適合させた周辺壁(36)を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記エアロゾル発生材料(10)を前記シート材料(14)の内側に固定するために前記エアロゾル発生材料(10)の両側に配置された前記シート材料(14)を接合するように適合された接合ユニット(48)を更に備える、請求項11~14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エアロゾル発生材料を備えるエアロゾル発生ポッドに関し、より具体的には、エアロゾル発生材料を加熱して、ユーザが吸入するためのエアロゾルを発生させるエアロゾル発生デバイスで使用するためのエアロゾル発生ポッドに関する。本開示の実施形態は、特に、エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エアロゾル発生材料を燃やすのではなく加熱して吸入用の蒸気及び/又はエアロゾルを発生させるデバイスが、消費者に人気になってきている。そのようなデバイスは、いくつかの異なる手法のうちの1つを使用して、エアロゾル発生材料に熱を供給することができる。
【0003】
1つの手法は、抵抗加熱システムを採用するエアロゾル発生デバイスを設けることである。そのようなデバイスでは、抵抗加熱素子が、エアロゾル発生材料を加熱するために設けられ、加熱素子から伝達される熱によってエアロゾル発生材料が加熱されると蒸気又はエアロゾルが発生する。
【0004】
別の手法は、誘導加熱システムを採用するエアロゾル発生デバイスを設けることである。そのようなデバイスでは、誘導コイルがデバイスに設けられ、サセプタが、通常、エアロゾル発生材料に設けられる。使用者がデバイスを作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、これにより交流電磁場を発生させる。サセプタがこの電磁場と結合して熱を発生し、この熱が、例えば伝導によって、エアロゾル発生材料に伝達され、エアロゾル発生材料が加熱されると蒸気又はエアロゾルが発生する。
【0005】
蒸気発生材料を加熱するためにどの手法が用いられても、ユーザがエアロゾル発生デバイスに挿入できるポッドでエアロゾル発生材料を提供することが便利であり得る。したがって、エアロゾル発生ポッドを製造するのに適切な方法及び装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル発生ポッドを製造する方法が提供され、本方法は、
(i)エアロゾル発生材料を準備するステップと、
(ii)エアロゾル発生材料の両側にシート材料を配置するステップと、
(iii)エアロゾル発生材料及びシート材料を両側のうちの一方から打ち抜いて、シート材料によって覆われたエアロゾル発生材料を備えるエアロゾル発生ポッドを形成するステップと
を含む。
【0007】
本開示の第2の態様によれば、エアロゾル発生ポッドを製造するための装置が提供され、本装置が、
エアロゾル発生材料を供給するための第1の供給ユニットと、
エアロゾル発生材料の両側にシート材料を配置するための第2の供給ユニットと、
エアロゾル発生材料及びシート材料を両側のうちの一方から打ち抜いて、シート材料によって覆われたエアロゾル発生材料を備えるエアロゾル発生ポッドを形成するように構成された打ち抜きユニットと
を備える。
【0008】
本明細書で使用される場合、「打ち抜く(punching)」という用語、又は打ち抜く(punch)などのその同義語は、剪断によって材料を残りの材料から分離するために、材料(例えば、エアロゾル発生材料、シート材料、又は誘導加熱可能サセプタシート)を貫通して切る、形成プロセスを意味する。材料の打ち抜きの際に剪断によって材料に孔を形成させ得る。
【0009】
エアロゾル発生ポッドは、エアロゾル発生材料の少なくとも1つの成分を揮発させ、それによって、冷却及び凝縮してユーザが吸入するためのエアロゾルを形成する加熱された蒸気を発生させるために、エアロゾル発生材料を燃やすのではなく、エアロゾル発生材料を加熱するエアロゾル発生デバイスと共に使用するためのものである。
【0010】
一般論として、蒸気は、臨界温度よりも低い温度で気相である物質であり、これは、温度を低下させることなく圧力を増加させることにより蒸気を液体に凝縮させ得ることを意味する。一方、エアロゾルは、空気中又は別のガス中に微細な固体粒子又は液滴が浮遊しているものである。しかしながら、本明細書では、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特にユーザが吸入するために発生される吸入可能媒体の形態に関して、互換的に使用され得ることに留意されたい。
【0011】
エアロゾル発生ポッドは、本開示による方法及び装置を用いて効率的に製造され得る。エアロゾル発生ポッドは、エアロゾル発生材料がシート材料によって覆われる簡素な構造を有する。エアロゾル発生材料は、1枚又は複数枚のシート材料のシートで覆うことができ、それにより、製造工程に柔軟性を持たせることができる。エアロゾル発生ポッドは、そのまま使用することもできるし、エアロゾル発生物品をスティック形状などの任意の形状で製造するために使用することもできる。この場合、エアロゾル発生ポッドは、マウスピースに取り付けられ、マウスピースと一緒に包まれて、例えばスティック状のエアロゾル発生物品を作ることができる。
【0012】
本方法の1つの態様では、
ステップ(i)は、連続プロファイルを有するエアロゾル発生材料を供給することを含むことができ、
ステップ(ii)は、エアロゾル発生材料の連続プロファイルの両側に連続シート材料を供給することを含むことができ、
ステップ(iii)は、エアロゾル発生材料の連続プロファイル及び連続シート材料を、シート材料の両側のうちの一方から繰り返し打ち抜いて、シート材料によって覆われたエアロゾル発生材料を備える複数のエアロゾル発生ポッドを形成することを含むことができる。
【0013】
本方法のこの態様によって、エアロゾル発生ポッドの大量生産が容易になる。
【0014】
エアロゾル発生材料は、任意のタイプの固体又は半固体の材料であり得る。エアロゾル発生材料の例示的なタイプとしては、粉末、顆粒、粒子、ゲル、条片、ルーズリーフ、カットフィラー、ペレット、粉末、細片、ストランド、発泡材料、及びシートが挙げられる。エアロゾル発生材料の連続プロファイルは、エアロゾル発生材料の連続供給を含み得る。
【0015】
発泡材料は、複数の微粒子(例えば、タバコ粒子)を含むことができ、一定量の水及び/又は保湿剤などの水分添加物も含むことができる。発泡材料は、多孔性であってよく、発泡材料を通る空気及び/又は蒸気の流れを可能にすることができる。
【0016】
エアロゾル発生材料は、植物由来の材料を含み得、特にタバコを含み得る。エアロゾル発生材料は、例えば、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ又は複数とを含む、カットフィラータバコ又は再構成タバコを含んでもよい。
【0017】
エアロゾル発生材料は、エアロゾルフォーマを含み得る。エアロゾルフォーマの例としては、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が挙げられる。通常、エアロゾル発生材料は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含有率を有し得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル発生材料は、乾燥重量ベースで約10%~約20%のエアロゾルフォーマ含有率、場合により乾燥重量ベースで約15%を有し得る。
【0018】
本方法は、
(iv)誘導加熱可能サセプタをエアロゾル発生材料に配置するステップ
を更に含み得る。
【0019】
誘導加熱可能サセプタを使用することにより、エアロゾル発生材料を加熱するための便利で効果的且つエネルギー効率の良い仕方が提供される。エアロゾル発生ポッドがエアロゾル発生デバイスに配置され、交流の電磁場に曝露されると、エネルギーが電磁エネルギーから熱エネルギーに変換される渦電流及び磁気ヒステリシス損失により、誘導加熱可能サセプタで熱が発生する。誘導加熱可能サセプタで発生した熱はエアロゾル発生材料に伝達され、それにより、エアロゾル発生材料を加熱して蒸気を発生させ、蒸気が冷却され凝縮して、所望の特性を備えたエアロゾルを形成する。
【0020】
誘導加熱可能サセプタは、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅のうちの1つ又は複数を含み得るが、これらに限定されない。
【0021】
誘導加熱可能サセプタは、粒子状のサセプタ材料を含み得る。ステップ(iv)は、エアロゾル発生材料に粒子状のサセプタ材料を配置することを含むことができる。粒子状のサセプタ材料を使用することにより、特に粒子状のサセプタ材料がエアロゾル発生材料内に均一に分散されている場合、エアロゾル発生材料への均一な熱伝達が提供され得る。
【0022】
誘導加熱可能サセプタは、誘導加熱可能サセプタシートを含み得る。ステップ(iv)は、エアロゾル発生材料に誘導加熱可能サセプタシートを配置することを含むことができる。1つの態様では、ステップ(iv)は、エアロゾル発生材料に複数の誘導加熱可能サセプタシート、例えば2枚以上のシートを配置することを含むことができる。誘導加熱可能サセプタシートを使用することにより、誘導加熱可能エアロゾル発生デバイスでポッドを使用する際に、確実にエアロゾル発生ポッド全体に均一に熱を発生させ得る。また、エアロゾル発生ポッドにおけるサセプタシートの位置も容易に制御され得る。
【0023】
誘導加熱可能サセプタシートは、開口部を備えることができる。ステップ(iv)は、開口部を備える誘導加熱可能サセプタシートをエアロゾル発生材料に配置することを含むことができる。誘導加熱可能サセプタシートは、シートの長手方向に沿って等間隔で配置された複数の開口部を備えていてもよい。ステップ(iv)は、シートの長手方向に沿って等間隔で配置された複数の開口部を備える誘導加熱可能サセプタシートをエアロゾル発生材料に配置することを含むことができる。1つ又は複数の開口部を備える誘導加熱可能サセプタシートを使用することにより、シート内における、例えば円形の経路の周囲での渦電流の発生が促進され得る、及び/又は例えばエアロゾル発生デバイスの出口(例えば、マウスピース)に向かってエアロゾル発生ポッドを通過する空気及び蒸気の流れが促進され得る。
【0024】
ステップ(i)は、シート材料と誘導加熱可能サセプタシートとの間に、及び/又は誘導加熱可能サセプタシートの間にエアロゾル発生材料を配置することを含むことができる。このような構成はエアロゾル発生材料への熱伝達を最大化し、これにより発生されるエアロゾルの量を最大化し得ると同時に、エネルギー効率を最大化し得る。
【0025】
ステップ(i)は、カットフィラーエアロゾル発生材料、例えばカットフィラータバコを準備することを含むことができる。カットフィラータバコを使用することにより、好都合なことに、例えばエアロゾル発生デバイスの出口(例えば、マウスピース)に向かってエアロゾル発生ポッドを通過する空気及び蒸気の流れが促進され得る。
【0026】
ステップ(i)は、エアロゾル発生材料のシートを供給することを含むことができる。ステップ(i)は、複数枚のエアロゾル発生材料のシート、例えば2枚以上のエアロゾル発生材料のシートを誘導加熱可能サセプタシートの間に配置することを含むことができる。よって、本方法によって、シートを容易に供給でき、シートの位置を容易に制御できるため、エアロゾル発生ポッドを効率的且つ確実に製造することが可能になる。
【0027】
ステップ(i)は、複数の穿孔を備えるエアロゾル発生材料のシートを供給することを含むことができる。穿孔は、好都合なことに、エアロゾル発生デバイスにおけるエアロゾル発生ポッドの使用中に、エアロゾル発生材料を通る空気及び蒸気の流れを促進する。穿孔により、結果として得られるエアロゾル発生ポッドの通気性を慎重に制御及び最適化することができる。例えば、エアロゾル発生材料のシートは、約50~約24,000コレスタ単位(CU)、好ましくは約4,000~約24,000コレスタ単位(CU)の通気性を有し得る。
【0028】
ステップ(i)は、エアロゾル発生材料のクレープ加工されたシートを供給することを含むことができる。エアロゾル発生材料のクレープ加工されたシートを使用することにより、好都合なことに、例えばエアロゾル発生デバイスの出口(例えば、マウスピース)に向かってエアロゾル発生ポッドを通過する空気及び蒸気の流れが促進され得る。
【0029】
ステップ(i)は、エアロゾル発生材料のカレンダー仕上げされたシートを供給することを含むことができる。エアロゾル発生材料のカレンダー仕上げされたシートを使用することにより、好都合なことに、エアロゾル発生シートの厚さ及び/又は密度を最適化することができ、それによりエアロゾル発生デバイスにおけるエアロゾル発生ポッドの使用の際に、最適な特性を有するエアロゾルを確実に発生させることができる。
【0030】
シート材料は通気性であり得る。ステップ(ii)は、エアロゾル発生材料の連続プロファイルの両側に通気性シート材料を配置することを含むことができる。通気性シート材料を使用することにより、好都合なことに、エアロゾル発生デバイスの使用の際にエアロゾル発生ポッドを通過する空気及び蒸気の流れが促進され得る。また、通気性シート材料は、フィルタとしても機能し得る。或いは、シート材料は、通気性ではないが、そこを通って空気及び蒸気が流れるようにするための適切な穿孔又は開口部を備える材料を備え得る。
【0031】
本方法は、ステップ(iii)の前に、
(v)エアロゾル発生材料の少なくとも一方の側に配置されたシート材料を切断して、シート材料を残りのシート材料から分離すること、又はエアロゾル発生材料の少なくとも一方の側に配置されたシート材料に脆弱領域を作成して、ステップ(iii)の間にシート材料を残りのシート材料から切断して分離するのを促進するステップ
を更に含むことができる。
【0032】
脆弱領域は、溝、スコア、穿孔、脆弱線などのいずれか1つ又は複数を含むことができる。
【0033】
シート材料を切断するステップは、エアロゾル発生材料の両側、例えば上側及び下側に配置されたシート材料を切断することを含むことができる。エアロゾル発生材料の一方の側、例えば上側の切断面積は、エアロゾル発生材料の他方の側、例えば下側の切断面積よりも小さくなり得る。これにより、エアロゾル発生材料の上記他方の側、例えば下側の切断されたシート材料は、エアロゾル発生材料の露出した領域、例えば側部領域を覆うことができるより大きな表面積を確実に有する。
【0034】
ステップ(iii)は、エアロゾル発生材料の一方の側に配置されたシート材料に向かって、且つエアロゾル発生材料の他方の側に配置されたシート材料に隣接する金型の空洞内に、打ち抜き要素を移動させることを含むことができる。打ち抜き要素は、円形の断面を有し得る。金型の空洞は、打ち抜き要素を受け入れるための円形の断面を有し得る。打ち抜き要素及び金型を使用することにより、エアロゾル発生材料及びシート材料を打ち抜いて、エアロゾル発生材料及びシート材料において剪断によって孔を作成することによって、エアロゾル発生ポッドを形成する便利な仕方が提供される。打ち抜き要素及び円形の断面を有する空洞を使用することにより、好都合なことに、円形断面を有するエアロゾル発生ポッドを製造し得る。円形の断面は、例えば正方形又は三角形の断面と比較して、シート材料及びエアロゾル発生材料の上に圧力が均一に分散され、それにより、円滑なパンチング作業が可能になるため、及び/又はエアロゾル発生ポッドの側壁が縁部を持たず、エアロゾル発生材料の側部領域が、エアロゾル発生材料の上記他方の側に配置されたシート材料に均一に包まれやすくなるため、有利であり得る。
【0035】
ステップ(iii)は、エアロゾル発生材料の一方の側に配置されたシート材料に向かって打ち抜き要素を移動させ、エアロゾル発生材料の反対側に配置されたシート材料を金型の空洞内に押し込んで、それにより、エアロゾル発生材料の露出した領域をシート材料で包むことを含むことができる。エアロゾル発生材料の露出した領域、例えば側部領域は、打ち抜き要素が金型の空洞内に移動する間、好都合にも包まれて覆われる。
【0036】
エアロゾル発生材料の上記反対側にあるシート材料は、ステップ(iii)の間に金型の空洞内に押し込まれると変形し得る。例えば、エアロゾル発生材料の上記反対側にあるシート材料は、変形可能な材料、例えば、弾性変形又は塑性変形を経得る材料を含み得る。よって、エアロゾル発生材料の上記反対側にあるシート材料は、ステップ(iii)の間に空洞内に押し込まれると、例えば弾性的又は塑性的に伸長され得る。シート材料の変形、例えば伸長は、エアロゾル発生材料の露出した領域、例えば側部領域が、打ち抜き要素が金型の空洞内に移動する間、確実に包まれて覆われるように助ける。
【0037】
エアロゾル発生材料の上記一方の側に配置されたシート材料は、打ち抜き要素によって残りのシート材料から剪断によって切断及び分離され得る。エアロゾル発生材料に誘導加熱可能サセプタシートが配置される実施形態では、金型の空洞への打ち抜き要素の移動中に、残りのサセプタシートから剪断によって誘導加熱可能サセプタシートが切断及び分離され得る。よって、本方法により、エアロゾル発生ポッドが効率的且つ確実に製造され得る。
【0038】
1つの態様では、本方法は、ステップ(iii)の後に、
(vi)エアロゾル発生材料の両側に配置されたシート材料を結合して、エアロゾル発生材料と、任意選択で誘導加熱可能サセプタとをシート材料の内側に固定するステップ
を更に含み得る。
【0039】
ステップ(vi)は、エアロゾル発生材料の両側に配置されたシート材料を、例えばシーリングヒータを用いて加熱することにより接合することを含むことができる。これにより、エアロゾル発生材料と任意選択の誘導加熱可能サセプタとは、シート材料の内部に確実に配置され、シート材料によって囲まれて、シールされたエアロゾル発生ポッドを形成する。
【0040】
本方法は、
(vii)エアロゾル発生ポッドを金型の空洞から離型するステップ
を更に含むことができる。
【0041】
金型は、分離可能な金型部分を備えることができ、ステップ(vii)は、金型部分を分離して、金型の空洞からエアロゾル発生ポッドを離型することを含むことができる。よって、エアロゾル発生ポッドは空洞から確実に離型することができる。
【0042】
1つの態様では、シート材料は、エアロゾル発生材料の一方の側に配置された第1のシート材料と、エアロゾル発生材料の反対側に配置された第2のシート材料とを備え得る。第1のシート材料はエアロゾル発生材料の第1の側面、例えば打ち抜き要素に隣接して配置され、第2のシート材料はエアロゾル発生材料の第2の側面、例えば金型に隣接して配置され得る。
【0043】
本方法は、
(viii)第1のシート材料、第2のシート材料、及びエアロゾル発生材料を、金型の空洞の上にある打ち抜き位置に移動させるステップ
を更に含むことができる。
【0044】
誘導加熱可能サセプタがエアロゾル発生材料に配置される実施形態では、エアロゾル発生材料を打ち抜き位置に移動する間に、誘導加熱可能サセプタが打ち抜き位置に移動される。
【0045】
第1のシート材料、第2のシート材料、及びエアロゾル発生材料は、第1のシート材料、第2のシート材料、及びエアロゾル発生材料を打ち抜き位置に移動させるために、同じ距離を移動され得る。製造方法は、それによって簡略化される。或いは、第1のシート材料及び第2のシート材料の一方を有するエアロゾル発生材料は、第1のシート材料、第2のシート材料、及びエアロゾル発生材料を打ち抜き位置に移動させるために、第1のシート材料及び第2のシート材料の他方よりも小さな距離だけ移動され得る。これにより、シート材料の効率的な使用がもたらされ得る。
【0046】
第1の供給ユニットは、1枚又は複数枚のエアロゾル発生材料のクレープ加工又はカレンダー仕上げされたシートを供給するように適合され得る複数のローラを備え得る。
【0047】
本装置は、エアロゾル発生材料の一方の側に第1のシート材料を供給するための第2の供給ユニット、例えば供給ローラを備え得、またエアロゾル発生材料の反対側に第2のシート材料を供給するための第2の供給ユニット、例えば供給ローラを備え得る。
【0048】
本装置は、エアロゾル発生材料に誘導加熱可能サセプタシートを配置するための第3の供給ユニットを備え得る。上記のように、誘導加熱可能サセプタを使用することにより、エアロゾル発生材料を加熱するための便利で効果的且つエネルギー効率の良い仕方が提供される。
【0049】
打ち抜きユニットは、エアロゾル発生材料の一方の側に配置されたシート材料に隣接する打ち抜き要素と、エアロゾル発生材料の反対側に配置されたシート材料に隣接する空洞を有する金型とを備え得る。打ち抜き要素は、エアロゾル発生ポッドを形成するために金型の空洞内に移動可能であり得る。打ち抜き要素及び金型を使用することにより、エアロゾル発生ポッドの製造が容易になる。
【0050】
打ち抜き要素は、周辺縁部を有し得る周辺壁を備え得る。打ち抜き要素は、円形の断面を有することができ、よって、円形の周辺縁部を有し得る円形の周辺壁を備え得る。周辺縁部は、エアロゾル発生材料の打ち抜き要素に隣接する側に配置されたシート材料を、上記の側に配置された残りのシート材料から剪断によって分離するように適合され得る。周辺縁部は、剪断によって周囲のエアロゾル発生材料からエアロゾル発生材料の一部分を分離するように適合され得る。周辺縁部は、エアロゾル発生材料の反対側に配置されたシート材料を金型の空洞内に押し込んで、それにより、エアロゾル発生材料の露出した領域をシート材料で包むように適合され得る。
【0051】
誘導加熱可能サセプタシートがエアロゾル発生材料に配置される実施形態では、周辺縁部は、誘導加熱可能サセプタシートを切断して、誘導加熱可能サセプタシートを残りのサセプタシートから剪断によって分離するように適合され得る。よって、本装置により、誘導加熱可能エアロゾル発生ポッドが効率的且つ確実に製造され得る。
【0052】
打ち抜き要素は、端壁を備え得る。端壁と周辺壁とは、エアロゾル発生材料の分離された部分と、エアロゾル発生材料の打ち抜き要素に隣接する側にある分離されたシート材料とを受け入れるための中空部分を画定し得る。
【0053】
本装置は、エアロゾル発生材料の両側に配置されたシート材料(例えば、第1のシート材料及び第2のシート材料)を結合して、エアロゾル発生材料をシート材料の内側に固定するように適合された接合ユニットを更に備え得る。接合ユニットはシーリング加熱器を備え得る。接合ユニットを使用することにより、エアロゾル発生材料及び任意選択の誘導加熱可能サセプタが、シート材料の内部に確実に配置され、シート材料によって囲まれて、シールされたエアロゾル発生ポッドを確実に形成する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】エアロゾル発生材料及び誘導加熱可能サセプタシートをシート材料の間に配置する1つの仕方を示す、エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置の一部分の概略側断面図である。
図2】エアロゾル発生材料及び誘導加熱可能サセプタシートをシート材料の間に配置する別の仕方を示す、エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置の一部分の概略側断面図である。
図3】エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置の更なる部分の概略図である。
図4】エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置の更なる部分の概略図である。
図5】エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置の更なる部分の概略図である。
図6】エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置の更なる部分の概略図である。
図7】エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置の更なる部分の概略図である。
図8】エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置の更なる部分の概略図である。
図9】エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置の更なる部分の概略図である。
図10】エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置の更なる部分の概略図である。
図11】エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置の更なる部分の概略図である。
図12】エアロゾル発生ポッドを製造するための方法及び装置の更なる部分の概略図である。
図13】第1の実装形態及び第2の実装形態をそれぞれ示す、図3図12に示す方法及び装置の上面図である。
図14】第1の実装形態及び第2の実装形態をそれぞれ示す、図3図12に示す方法及び装置の上面図である。
図15】エアロゾル発生材料の一方の側にあるシート材料の伸長を示す、図5と同様の概略側断面図である。
図16a図1図15に示す方法及び装置を用いて製造されたエアロゾル発生ポッドの一例の概略側断面図である。
図16b図16aの線A-Aに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
ここで、本開示の実施形態について、あくまで例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【0056】
まず図1を参照すると、図16a及び図16bに示すエアロゾル発生ポッド1を製造するための装置の一部分の第1の例が示されている。エアロゾル発生ポッド1は、デバイスのユーザが吸入するためのエアロゾルを発生させるためにエアロゾル発生デバイスにおいて使用するためのものである。適切なエアロゾル発生デバイスについては、当技術分野では周知であり、本明細書では更に詳細には説明しない。
【0057】
本装置は、エアロゾル発生材料10を供給するための第1の供給ユニットと、エアロゾル発生材料10の両側にシート材料14を配置するための第2の供給ユニット12と、エアロゾル発生材料10に誘導加熱可能サセプタ18を配置するための第3の供給ユニット16とを備える。図1の下部にある水平矢印は、プロセスフローの方向、つまり、エアロゾル発生材料10、シート材料14、及び誘導加熱可能サセプタ18の移動の方向を示している。
【0058】
より詳細には、第2の供給ユニット12のそれぞれが、エアロゾル発生材料10の一方の側に第1のシート材料14aを配置し、エアロゾル発生材料10の反対側に第2のシート材料14bを配置するように構成された、供給ローラ12a及び送りローラ12bを備える。第1のシート材料14a及び第2のシート材料14bは、エアロゾル発生ポッド1内のエアロゾル発生材料10を覆うことを意図されており、よって、典型的には、空気及び蒸気をエアロゾル発生ポッド1に流入流出させ、エアロゾル発生材料10を通過させることができる通気性材料を備える。
【0059】
第3の供給ユニット16のそれぞれは、誘導加熱可能サセプタシート18を供給し、誘導加熱可能サセプタシート18をエアロゾル発生材料10に配置するように構成された供給ローラ16aを備える。図示の実施形態では、誘導加熱可能サセプタシート18のそれぞれが、サセプタシート18の長手方向に沿って等間隔で配置された複数の開口部22を備える。開口部22は、誘導加熱可能なエアロゾル発生デバイスにおけるエアロゾル発生ポッド1の使用中に誘導加熱可能サセプタシート18における渦電流の発生を促進する、及び/又はエアロゾル発生ポッド1を通る空気及び蒸気の流れを促進する。しかしながら、当業者であれば、開口部22は必須ではなく、省略されてもよいことを理解されよう。
【0060】
第1の供給ユニットによって供給されたエアロゾル発生材料10は、隣接する誘導加熱可能サセプタシート18の間に配置される。また、エアロゾル発生材料10は、第1の供給ユニットによって、図1で見たときに第1のシート材料14aと最も上にある誘導加熱可能サセプタシート18との間、及び図1で見たときに第2のシート材料14bと最も下にある誘導加熱可能サセプタシート18との間に配置される。これにより、図16aで最もよく分かるように、エアロゾル発生材料10が確実にエアロゾル発生ポッド1全体に均一に分散される。
【0061】
図1の例では、エアロゾル発生材料10は、典型的にはカットフィラー材料であり、例えばカットフィラータバコなどの植物由来のカットフィラー材料である。
【0062】
エアロゾル発生材料10は、グリセリン又はプロピレングリコールなどのエアロゾルフォーマを含み得る。典型的には、エアロゾル発生材料10は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含有量を含む。加熱すると、エアロゾル発生材料10は、場合によりニコチン又はタバコ香味料などのフレーバー化合物を含む揮発性化合物を放出する。
【0063】
次に、図2を参照すると、エアロゾル発生ポッドを製造するための装置の一部分の第2の例が示されている。本装置は、図1を参照して上述した装置といくつかの類似点を共有しており、対応する特徴は同じ参照番号を使用して特定される。ここでも、図2の下部にある水平矢印は、プロセスフローの方向、つまり、エアロゾル発生材料10、シート材料14、及び誘導加熱可能サセプタ18の移動の方向を示している。
【0064】
本装置は、エアロゾル発生材料10の両側にシート材料14を配置するための第2の供給ユニット12と、誘導加熱可能サセプタシート18をエアロゾル発生材料10に配置するための第3の供給ユニット16とを備える。第2の供給ユニット12及び第3の供給ユニット16は、図1を参照して上述したものと同じである。
【0065】
本装置はまた、エアロゾル発生材料10を供給するための第1の供給ユニット24を備える。第1の供給ユニット24のそれぞれが、連続プロファイル、例えばエアロゾル発生シート26の形態の連続プロファイルを有するエアロゾル発生材料10を供給するように典型的には構成される供給ローラ24aを備える。エアロゾル発生材料10は、典型的には再構成された材料を含み、例えば、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ又は複数とを含む、再構成タバコを含む。
【0066】
第1の供給ユニット24のそれぞれは、エアロゾル発生シート26を通る空気及び蒸気の流れを促進するために、エアロゾル発生シート26がローラ24bを通過する際にエアロゾル発生シート26を穿孔するように適合された第1の協働ローラ24b(例えば、穿孔ローラ)を備える。また、第1の供給ユニット24のそれぞれは、第2の協働ローラ24c、例えば、カレンダー仕上げされたエアロゾル発生シート26を提供するためのカレンダーローラ、又はクレープ加工されたエアロゾル発生シート26を提供するためのクレープローラを備える。
【0067】
第1の供給ユニット24のそれぞれから供給されるエアロゾル発生材料10は、隣接する誘導加熱可能サセプタシート18の間に配置される。また、エアロゾル発生材料10は、図2で見たときに第1のシート材料14aと最も上にある誘導加熱可能サセプタシート18との間、及び図2で見たときに第2のシート材料14bと最も下にある誘導加熱可能サセプタシート18との間に配置される。
【0068】
図2の装置は、複数の供給アセンブリ28を備え、各供給アセンブリ28は、2つの第1の供給ユニット24と、第1の供給ユニット24によって供給されたエアロゾル発生材料10に誘導加熱可能サセプタシート18を配置するように構成された第3の供給ユニット16とを備える。図2に示すように、第3の供給ユニット16が隣接する供給アセンブリ28の間に配置されているという条件で、本装置は任意の適切な数の供給アセンブリ28を備え得ることが理解されよう。
【0069】
次に、図3図14を参照すると、図16a及び図16bに示すエアロゾル発生ポッド1を製造するための装置の更なる部分であって、図1及び図2に示す装置の部分の下流に配置される部分が示されている。本装置は、シート材料14の両側のうちの一方の側からエアロゾル発生材料10及びシート材料14を打ち抜いて、図16a及び図16bに示すエアロゾル発生ポッド1を形成する打ち抜きユニット30を備える。
【0070】
より詳細には、打ち抜きユニット30は、第1のシート材料14aに隣接して配置された打ち抜き要素32と、第2のシート材料14bに隣接して配置された協働金型34とを備える。打ち抜き要素32は、断面が略円形であり、周辺縁部38を有する周辺壁36を備える。また、打ち抜き要素32は端壁40を備え、端壁40は周辺壁36と一緒に中空内部部分42を画定する。金型34は空洞44を備え、空洞44も円形の断面を有し、その中に打ち抜き要素32が移動できる。金型34は、例えば図8に示すように分離可能な第1の金型部分34a及び第2の金型部分34bを備える。
【0071】
エアロゾル発生材料10、エアロゾル発生材料10に配置された誘導加熱可能サセプタシート18、並びに図1及び図2に示す装置の上流部分で生成された第1のシート材料14a及び第2のシート材料14bは、第1、第2、及び第3の供給ユニットによって、図3に示す打ち抜き位置に進められる。本装置は、第2のシート材料14bが打ち抜き位置にあるときに、例えば、第2のシート材料14bを(図3の切断ユニット43の左側に示されている)残りの第2のシート材料14bから分離するために、又は、例えば、溝、スコア、穿孔、脆弱線などのうちのいずれか1つ若しくは複数を備える脆弱領域46を第2のシート材料14bに作成するために、第2のシート材料14bを切断するように適合された切断ユニット43を備える。
【0072】
エアロゾル発生材料10、誘導加熱可能サセプタシート18、並びに第1のシート材料14a及び第2のシート材料14bが打ち抜き位置にある状態で、打ち抜き要素32が、図4の矢印で示すように、金型34の空洞44に向けて移動される。打ち抜き要素32の周辺縁部38は、これが空洞44に向かって移動すると、第1のシート材料14a、エアロゾル発生材料10、及び誘導加熱可能サセプタシート18を剪断によって切断する。第1のシート材料14a、エアロゾル発生材料10、及び誘導加熱可能サセプタシート18の切断された部分は、打ち抜き要素32の中空内部部分42の内部に受け入れられて、図16a及び図16bに示すエアロゾル発生ポッド1の一部分を形成する。
【0073】
図5及び図6の矢印で示すように、金型34の空洞44内に打ち抜き要素32を移動させ続けることにより、第2のシート材料14bの分離された部分は、空洞44内に押し込まれ、エアロゾル発生材料10の露出した側部領域に巻き付けられる。
【0074】
次いで、打ち抜き要素32は、図7の大きい矢印で示すように金型34の空洞44から引き出され、図示の実施形態では、例えばシーリング加熱器の形態の円形形状を有する接合ユニット48が、図7の小さい矢印で示すように金型34に向かって移動されて、第1のシート材料14aの切断された部分の周辺縁部と第2のシート材料14bの分離された部分の上側周辺縁部とのこれが接触している部分に熱を加えることができるようにする。これにより、第1のシート材料14aと第2のシート材料14bとが一緒にシールされ、それによって、エアロゾル発生材料10及び誘導加熱可能サセプタ18がシート材料14によって完全に封入されたエアロゾル発生ポッド1が形成される。
【0075】
いくつかの実施形態では、第2のシート材料14bの分離された部分は、図6に示すように、空洞44の上縁部から突出する余分な第2のシート材料14bが実質的に存在せず、第2のシート材料14bの分離された部分の上側周辺縁部が第1のシート材料14aの切断された部分の周辺縁部に接触するように寸法決めされ得る。実際には、第2のシート材料14bの分離された部分のこのような正確な寸法決めは実現するのが困難であり得、代わりに、第2のシート材料14bの分離された部分は、エアロゾル発生材料10の露出した側部領域を覆うのに十分な第2のシート材料14bの面積があるように、また空洞44の上縁部から突出する余分な第2のシート材料14bがあるように寸法決めされ得る。この場合、余分な第2のシート材料14bは、第1のシート材料14a及び第2のシート材料14bが接合ユニット48によって一緒にシールされた後に切断して除去することもできるし、又はエアロゾル発生ポッド1の一部分としてその場に残すこともできる。
【0076】
第1のシート材料14aと第2のシート材料14bとが加熱されて一緒にシールされた後、図8及び図9の小さな縦矢印で示すように接合ユニット48は元の位置に移動され、図8の水平矢印で示すように第1の金型部分34aと第2の金型部分34bとが分離されて、図9の矢印で示すように金型34の空洞44からエアロゾル発生ポッド1が離型される。次いで、図10に矢印で示すように、第1の金型部分34aと第2の金型部分34bとは元の位置に戻される。
【0077】
上記の方法は、エアロゾル発生ポッド1の大量生産を可能にするために連続的に行われる。よって、図11を参照すると、第2のシート材料14bの更なるセクションが、上述のように金型34の空洞44の上に重なるように、矢印で示すように打ち抜き位置に進められる。また、図12の矢印で示すように、第1のシート材料14及び誘導加熱可能サセプタシート18を備えるエアロゾル発生材料10の更なるセクションも打ち抜き位置に移動される。切断ユニット43は、上述のように、第2のシート材料14bを切断するように、又は第2のシート材料14bに脆弱領域46を作るようにここでも動作する。次いで、上述のステップは、更なるエアロゾル発生ポッド1を製造するために連続的に繰り返される。
【0078】
図13に示す第1の実装形態では、本装置(特に、供給ユニット)は、第1のシート材料14a、エアロゾル発生材料10、及び誘導加熱可能サセプタシート18を第2のシート材料14bよりも小さい距離だけ移動させて、第1のシート材料14a、第2のシート材料14b、及び誘導加熱可能サセプタシート18を備えるエアロゾル発生材料10を、矢印で示す方向に打ち抜き位置まで移動させるように構成される。図13から明らかなように、この第1の実装形態では、打ち抜き要素32は、第1のシート材料14a、エアロゾル発生材料10、及び誘導加熱可能サセプタシート18を上述のように打ち抜き、それによって、互いに直接隣接する一連の孔50を剪断によって形成する。これにより、第1のシート材料14a、エアロゾル発生材料10、及び誘導加熱可能サセプタシート18の使用率を最大にすることができ、よって、第1の実施態様は、これらの材料の特に効率的な使用を最小の廃棄量で提供し得る。分かるように、図13の破線で示された大きな円は、上記のような第2のシート材料14bにおける脆弱領域46に対応し、一方、実線で示された大きな円は、図5及び図6を参照して上述したように、第2のシート材料14bの一部分が打ち抜き要素32によって分離されることに起因して形成された、第2のシート材料14bにおける孔52を示している。
【0079】
図14に示す第2の実装形態では、本装置(特に、供給ユニット)は、第1のシート材料14a、第2のシート材料14b、エアロゾル発生材料10、及び誘導加熱可能サセプタシート18を同じ距離だけ移動させて、第1のシート材料14a、第2のシート材料14b、及び誘導加熱可能サセプタシート18を備えるエアロゾル発生材料10を、矢印で示す方向に打ち抜き位置まで移動させるように構成される。図14から明らかなように、この第2の実装形態では、打ち抜き要素32は、第1のシート材料14a、エアロゾル発生材料10、及び誘導加熱可能サセプタシート18を上述のように打ち抜き、それによって、互いに間隔があいている一連の孔50を剪断によって形成し、図14において明らかなように、第1のシート材料14a、エアロゾル発生材料10、及び誘導加熱可能サセプタシート18の未使用領域を孔50の間に残す。第1のシート材料14a、エアロゾル発生材料10、及び誘導加熱可能サセプタシート18は、孔50の間に未使用領域が存在することに起因して、使用効率が低下し得るが、第2の実装形態によって本装置及び製造方法を簡略化できる。分かるように、図14の破線で示された大きな円は、上記のような第2のシート材料14bにおける脆弱領域46に対応し、一方、実線で示された大きな円は、図5及び図6を参照して上述したように、第2のシート材料14bの一部分が打ち抜き要素32によって分離されることに起因して形成された、第2のシート材料14bにおける孔52を示している。
【0080】
図15は、上述の方法の変形形態を示しており、ここでは、図15の矢印で示すように、第2のシート材料14bは、打ち抜き要素32によって金型34の空洞44内に押し込まれると、変形、特に伸長される。本方法のこの変形形態では、打ち抜き加工中の第2のシート材料14bの伸長に起因して、打ち抜き要素32の空洞44内への移動中にエアロゾル発生材料10及び誘導加熱可能サセプタシート18を覆うために必要な第2の材料14bの量が少なくて済むため、第1のシート材料14aと(対応する第2の供給ユニット12によって供給される)、第2のシート材料14bとの間の送り速度の差が最小化され得る。
【0081】
上記の方法で製造された、図8の実施形態に対応するエアロゾル発生ポッド1が図16a及び図16bに示されている。エアロゾル発生ポッド1は、エアロゾル発生材料10と複数のサセプタ要素18aとを備え、これらは、誘導加熱可能サセプタシート18の切断された部分によって形成される。サセプタ要素18aにある開口部22により、例えばエアロゾル発生デバイスの出口(例えば、マウスピース)に向かって、エアロゾル発生ポッド1を通過する空気及び蒸気の流れが促進される。エアロゾル発生材料10及びサセプタ要素18aは、シート材料14(第1のシート材料14a及び第2のシート材料14b)によって完全に封入されて、シールされたエアロゾル発生ポッド1を形成する。
【0082】
これまでの段落で例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正を加えることができることを理解されたい。したがって、特許請求の範囲が含む範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されるべきではない。
【0083】
例えば、図1及び図2の装置は、誘導加熱可能サセプタ18をエアロゾル発生材料10に配置するための第3の供給ユニット16を備えるが、第3の供給ユニット16は、結果として得られるエアロゾル発生ポッド1がシート材料14によって覆われたエアロゾル発生材料10のみを備えるように省略されてもよい。この場合、エアロゾル発生ポッド1は抵抗加熱システムを採用したエアロゾル発生デバイスと共に使用され得、抵抗加熱システムでは、例えば、抵抗加熱素子が、エアロゾル発生ポッド1を貫通する、及び/又はエアロゾル発生ポッド1に近接して構成されて、エアロゾル発生ポッド1がエアロゾル発生デバイスの加熱区画に配置されているときに、エアロゾル発生ポッド1内のエアロゾル発生材料10を加熱できるようにする。エアロゾル発生ポッド1は誘導加熱システムを採用したエアロゾル発生デバイスと共に同様に使用されてもよく、誘導加熱システムでは、例えば、誘導加熱可能サセプタが、エアロゾル発生ポッド1を貫通する、及び/又はエアロゾル発生ポッド1に近接して構成されて、エアロゾル発生ポッド1がエアロゾル発生デバイスの加熱区画に配置されているときに、エアロゾル発生ポッド1内のエアロゾル発生材料10を加熱できるようにする。
【0084】
第1のシート材料14a及び第2のシート材料14bを使用してエアロゾル発生材料10及び任意選択の誘導加熱可能サセプタ18を覆うことは厳密には必要ではなく、代わりに、単一のシート材料14を使用することもできる。
【0085】
本明細書で特段の断りのない限り又は文脈に明らかに矛盾しない限り、全ての可能な変形における上述した特徴の任意の組み合わせが、本開示によって包含される。
【0086】
文脈が明らかにそうでないことを必要としない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「含む」、「含んでいる」などの語は、排他的意味又は網羅的意味とは反対に、包含的に、即ち「含むが、限定されない」という意味で解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16a
図16b