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特許7455966改良された活性分付着を有する液垂れしないクレンジングマスク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】改良された活性分付着を有する液垂れしないクレンジングマスク
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20240318BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20240318BHJP
   A61K 8/368 20060101ALI20240318BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20240318BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20240318BHJP
   A61K 8/87 20060101ALI20240318BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240318BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/33
A61K8/368
A61K8/67
A61K8/86
A61K8/87
A61Q19/00
A61Q19/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022525468
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 US2020057700
(87)【国際公開番号】W WO2021086938
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】16/668,494
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ステッビンス, ニコラス デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ハルパーン チャーチ, スーザン
(72)【発明者】
【氏名】原 竜二
【審査官】▲高▼橋 明日香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/114800(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0321280(US,A1)
【文献】特表2016-520633(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109431964(CN,A)
【文献】特開2017-031064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)非アクリレート系レオロジー改質剤から選択される第1の増粘剤0.4~9wt.%;
b)アクリル系増粘剤又はアクリレート系増粘剤から選択される第2の増粘剤0.6~2wt.%;
c)少なくとも1つのアニオン界面活性剤及び少なくとも1つの両性界面活性剤2~25wt.%;
d)サリチル酸、アルファヒドロキシ酸、セラミド、アスコルビン酸、抗酸化剤、ビタミン、及びそれらの組み合わせから選択されるスキンケア活性構成成分;
を含むクレンジングマスク組成物であって、
組成物が、損失弾性率絶対値(G’’)及び貯蔵弾性率絶対値(G’)を有し、
重量パーセントが、クレンジングマスク組成物の全重量に基づき、
第1の増粘剤が、ステアレス-100/PEG-136/HDIコポリマー、ジステアレス-100IPDI(及び)ステアレス-100、トリオレイン酸PEG-120メチルグルコース、ジオレイン酸PEG-120メチルグルコース、並びにそれらの組み合わせから選択され、
第2の増粘剤が、アクリレーツコポリマー、ポリアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ステアレス-25)クロスポリマー、(アクリレーツ/イソデカン酸ビニル)クロスポリマー、及びそれらの組み合わせから選択される、組成物。
【請求項2】
損失弾性率絶対値(G’’)が、貯蔵弾性率絶対値(G’)の3倍未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組成物が肌に容易に広がる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
組成物が液垂れしない、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
第1の増粘剤が、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて0.4~2wt.%存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
第2の増粘剤が、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて0.8~2wt.%存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1つのアニオン界面活性剤及び少なくとも1つの両性界面活性剤が、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて5~12wt.%存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
スキンケア活性構成成分が、組成物の全重量に基づいて、0.6~10wt.%存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
スキンケア活性構成成分を肌に付着させる、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
スキンケア活性構成成分がサリチル酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
スキンケア活性構成成分が、セラミド、アスコルビン酸、抗酸化剤、ビタミン、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
アクリレーツコポリマーが、アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
請求項1の組成物を肌に塗布することを含む、肌をクレンジングする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権及び関連出願
本特許出願は、2019年10月30日出願の米国特許出願番号第16/668494号、発明の名称「DRIP-FREE CLEANSING MASK WITH ENHANCED ACTIVE DEPOSITION」に基づく優先権を主張するものであり、その開示は、本明細書において完全に再度書き込まれたかのように、参照によって組み込まれる。
【0002】
本開示は、クレンジングマスク組成物に関する。より詳細には、本開示は、改良された活性組成物を含む、液垂れしない(drip-free)クレンジングマスクに関する。
【背景技術】
【0003】
化粧用クレンジング製剤及びシャンプー製剤は、広範囲の消費者にとって価値あるものである。それらはしばしば、水の表面張力を減らし、ゆえに水が肌又は髪の汚れに着くことを可能にすることによってクレンジングプロセスを容易にする硫酸塩系界面活性剤を含有する。しかし、これらの製品は、組成物中の界面活性剤の存在のために、肌又は髪を過度に乾燥させる傾向があり、ゆえに消費者は、硫酸塩系界面活性剤を含有しない製品を使用する方を好む。しかし、硫酸塩フリークレンザーは、良好な感覚特性を可能にするほど十分に濃密であることが難しい。こうしたクレンザーは、塗布中及び/又は塗布後に、髪又は肌に残らず、使用者の目、口、耳又は鼻腔中に液垂れし流れ込むことがある。これにより、不快な消費者経験がもたらされる。現在、硫酸塩フリークレンザー製剤を濃密にするために、2つの手法が用いられる。1つは、高濃度の非硫酸塩界面活性剤を使用して、こうした構成成分の自己集合特性を利用することを含む。この手法は、最も一般的であるが、費用もかかる。第2の手法は、高濃度のレオロジー改質剤を使用することを含むが、これらの成分は、組成物の分配の容易さを減じることによって、組成物の特性に悪影響を与え得る。
【0004】
それゆえに、本開示の目的は、塗布すると、審美的に魅力がある特質をもたらすだけでなく、有利なことに、液垂れせず、又は流れないように、塗布されるケラチン表面で適所に残るクレンジング製品を作り出すことである。前述したように、クレンジング組成物は、塗布が容易で液垂れせず、また肌活性構成成分の良好な付着を有する能力においてユニークでもある。
【発明の概要】
【0005】
本開示は:
a)非アクリレート系レオロジー改質剤から選択される第1の増粘剤約0.4~9wt.%;
b)アクリル系増粘剤又はアクリレート系増粘剤から選択される第2の増粘剤約0.2~約2wt.%;
c)少なくとも1つの界面活性剤約2~25wt.%;
d)スキンケア活性構成成分;
を含むクレンジングマスク組成物であって、
組成物が、損失弾性率絶対値(G’’)及び貯蔵弾性率絶対値(G’)を有し、
重量パーセントが、クレンジングマスク組成物の全重量に基づく、組成物に関する。
【0006】
1つ又は複数の実施形態において、損失弾性率絶対値(G’’)は、貯蔵弾性率絶対値(G’)の3倍未満である。いくつかの実施形態において、組成物は肌に容易に広がる。いくつかの実施形態において、組成物は液垂れしない。
【0007】
1つ又は複数の実施形態において、第1の増粘剤は、ステアレス-100/PEG-136/HDIコポリマー、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ジステアレス-100IPDI(及び)ステアレス-100、トリオレイン酸PEG-120メチルグルコース、並びにそれらの組み合わせから選択される。
【0008】
1つ又は複数の実施形態において、第2の増粘剤は、アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)、ポリアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム、(アクリロイルジメチルタウリン(Acryloyldimthyltaurate)アンモニウム/VP)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンナトリウム/VP)コポリマー、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0009】
いくつかの実施形態において、第1の増粘剤は、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて約0.4~約2wt.%存在する。
【0010】
1つ又は複数の実施形態において、第2の増粘剤は、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて約0.2~約2wt.%存在する。
【0011】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの組み合わせから選択される。1つ又は複数の実施形態において、少なくとも1つの界面活性剤は、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて約5~約12wt.%存在する。
【0012】
いくつかの実施形態において、スキンケア活性構成成分は、サリチル酸、アルファヒドロキシ酸、セラミド、アスコルビン酸、抗酸化剤、ビタミン、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、スキンケア活性構成成分を肌に付着させる。一実施形態において、スキンケア活性構成成分はサリチル酸である。
【0013】
本開示の別の態様では:
a)ステアレス-100/PEG-136/HDIコポリマー、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ジステアレス-100IPDI(及び)ステアレス-100、トリオレイン酸PEG-120メチルグルコース、並びにそれらの組み合わせから選択される第1の増粘剤約0.5~約8wt%;
b)アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)、ポリアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンナトリウム/VP)コポリマー、及びそれらの組み合わせから選択される第2の増粘剤約0.2~約2wt%
c)少なくとも1つの界面活性剤約2~25wt.%;
d)スキンケア活性構成成分0.05~15wt.%
を含み、
組成物は、損失弾性率絶対値(G’’)及び貯蔵弾性率絶対値(G’)を有し;
損失弾性率絶対値(G’’)は、貯蔵弾性率絶対値(G’)の3倍未満であり;
組成物は、肌に塗布すると液垂れせず;
重量パーセントは、クレンジングマスク組成物の全重量に基づく。
【0014】
本開示の別の態様は、請求項1の組成物を肌に塗布することを含む、肌をクレンジングする方法を含む。
【0015】
本開示のクレンジングマスク組成物は、塗布すると、予想外の、審美的に魅力がある特質をもたらすだけでなく、有利なことに、塗布したケラチン表面で適所に残り、液垂れせず、又は流れない。
【0016】
前述の一般的な記載及び以下の詳細な記載は共に、単に例示的かつ説明的なものであり、本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】組成物の損失弾性率(G’’)及び貯蔵弾性率(G’)の測定を示すグラフであり、 - 損失弾性率(G’’)は破線で表され、 - 貯蔵弾性率(G’)実線で表される。 振動ひずみ領域の相対%を四角形で表す。 本開示の様々な態様は、図に示された構成及び手段に限定されるものではないと理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、肌をクレンジングするための組成物に関する。
【0019】
本開示のクレンジングマスク組成物は、その最も広範な意味において、典型的には、以下のもの:
a)非アクリレートベースレオロジー改質剤から選択される第1の増粘剤約0.4~9wt.%;
b)アクリル系増粘剤又はアクリレート系増粘剤から選択される第2の増粘剤約0.2~約2wt.%;
c)少なくとも1つの界面活性剤約2~25wt.%;
d)スキンケア活性構成成分;
を含み、
組成物は、損失弾性率絶対値(G’’)及び貯蔵弾性率絶対値(G’)を有し;
重量パーセントは、クレンジングマスク組成物の全重量に基づく。
【0020】
本開示のクレンジングマスク組成物は、肌に塗布すると、意外なほど液垂れしない挙動を示す。
【0021】
理論に捉われることなく、本開示に記載された特定の組み合わせは、液垂れしない挙動及び肌での肌活性構成成分の付着に関与すると考えられる。また、理論に捉われることを望まないが、サリチル酸の付着は、油性肌及び/又はニキビに役立つと考えられる。
【0022】
本明細書において、用語「付着」は、肌活性構成成分が、塗布後に肌に堆積し、製品を洗い流した後に残ることを意味する。
【0023】
本明細書において、用語「液垂れなし」又は「液垂れしない」は、肌に一旦塗布された組成物が、クレンジングマスクが塗布された肌の表面で、流れ落ちないことを意味する。
【0024】
本明細書において、用語「本質的に硫酸塩フリー」は、硫酸塩が本発明の組成物中に存在しないことが好ましいが、組成物中に、極めて少量の硫酸塩を有することが可能であり、ただし、これらの量は、組成物の有利な特性に実質的に影響を及ぼさないことを意味する。特に、「本質的に硫酸塩フリーアニオン性界面活性剤」は、従来の硫酸塩系アニオン性界面活性剤が組成物において使用されず、界面活性剤が、組成物に硫酸塩を付与しないことを意味する。最も好ましくは、組成物は、硫酸塩を含有しない。任意の硫酸塩が組成物中に存在する場合、硫酸塩は、組成物の全重量に基づいて、約2.0重量%未満、典型的には約1.5重量%未満、典型的には約1.0重量%未満、典型的には約0.5重量%未満、より典型的には、約0.1重量%未満の量で存在している。存在する場合、こうした組成物中の硫酸塩は、典型的には、アニオン性界面活性剤以外の成分によって付与される。
【0025】
増粘剤
非アクリレート系レオロジー改質剤
組成物は、非アクリレート系レオロジー改質剤を含む。非アクリレート系レオロジー改質剤は、貯蔵弾性率及び損失弾性率が、従来の水中油型エマルジョンに対して反転しており、すなわち、損失弾性率が貯蔵弾性率より大きいというユニークなレオロジーを示す。貯蔵弾性率と損失弾性率との両方を示す組成物において、貯蔵弾性率は、弾力性(すなわち、貯蔵された変形エネルギー)を測り、固体状挙動を部分的に説明し、損失弾性率は、粘性(すなわち、流れる間に失われた変形エネルギー)を測り、流体状挙動を部分的に説明する。損失弾性率が貯蔵弾性率よりも大きい系は、流体状挙動を示す。一実施形態において、組成物は、反転した貯蔵弾性率及び損失弾性率を示し、それは保存又は使用の間に交差せず、組成物が、本質的に常に流体状挙動を示すことが可能になる。
【0026】
レオロジー改質剤は、典型的には、水性ゲルの形態である。ゲルは見かけ上、固体であるが、より高い損失弾性率によって、ゲルが流体状挙動を示し、機械的応力から回復することが可能になる。
【0027】
様々な実施形態において、レオロジー改質剤は、
- 非イオン性会合性ポリウレタンポリエーテル:
好ましくは、非イオン性会合性ポリウレタンポリエーテルは、親水性ブロックによって分離された、6~30個の炭素原子を含有する親油性炭化水素系鎖を少なくとも2つ含み、炭化水素系鎖は、親水性ブロックの側鎖又は末端鎖であることができる。特に、1つ又は複数の側鎖が予測され得る。加えて、ポリマーは、親水性ブロックの一方の末端で、又は両方の末端で、炭化水素系鎖を含むことができる。
【0028】
ポリウレタンポリエーテルは、マルチブロック、特にトリブロック形態であってもよい。疎水性ブロックは、分子鎖のそれぞれの末端にあってもよく(例えば:親水性中央ブロックを有するトリブロックコポリマー)、又は末端で、かつ分子鎖中の両方に分布してもよい(例えば、マルチブロックコポリマー)。これらの同じポリマーは、グラフトポリマー又は星形ポリマーであってもよい。
【0029】
非イオン性脂肪鎖ポリウレタンポリエーテルは、トリブロックコポリマーであってもよく、その親水性ブロックは、10~500個のオキシエチレン基、好ましくは10~300個のオキシエチレン基を含むポリオキシエチレン鎖である。
【0030】
第1の変形例において、
(i)エチレンオキシド120~250molを含むポリエチレングリコール
(ii)エチレンオキシド(とりわけ20~100 OE)15~120molを含む、14~24個の炭素原子を含むポリオキシエチレン化モノアルコール(とりわけデシルテトラデシルアルコール又はステアリルアルコール)、並びに
(iii)6~20個の炭素原子を含有する、とりわけメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)から選択される、ジイソシアネート、好ましくはHDI
の重縮合から誘導されるポリウレタンポリエーテルによるものを使用してもよい。
【0031】
こうしたポリウレタンポリエーテルは、例えば:
- エチレンオキシド136molを含有するポリエチレングリコール、エチレンオキシド100molでポリオキシエチレン化されたステアリルアルコール及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の重縮合物であり、とりわけ重量平均分子量(Mw)30000又は40000を有するもの(INCI名:PEG-136/ステアレス-100/HDIコポリマー)、例えば、Elementis社によって、名称Rheoluxe811又はNuvis FX1100(以前は、Rheolate(登録商標)FX1100)で販売される製品
である。
【0032】
第2の変形例において、
(i)エチレンオキシド130~200molを含むポリエチレングリコール
(ii)8~22個の炭素原子を含むモノアルコール、とりわけ、デシルアルコール又はステアリルアルコール、並びに
(iii)6~20個の炭素原子を含有する、とりわけメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)から選択される、ジイソシアネート、、好ましくはSMDI
の重縮合から誘導されるポリウレタンポリエーテルによるものを使用してもよい。
【0033】
こうしたポリウレタンポリエーテルは、例えば:
- エチレンオキシド150mol又は180molを含有するポリエチレングリコール、ステアリルアルコール、及びメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)の重縮合物(INCI名:PEG-150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー)、例えば、Dow Chemical Company社によって、名称Aculyn46で、マルトデキストリン(4%)及び水(81%)の媒体中15重量%で販売される製品;
- エチレンオキシド150mol又は180molを含有するポリエチレングリコール、デシルアルコール及びメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)の重縮合物(INCI名:PEG-150/デシルアルコール/SMDIコポリマー)、例えば、Dow Chemical Company社によって、名称Aculyn44Polymerで、プロピレングリコール(39%)及び水(26%)の混合物中35重量%で販売される製品
である。
【0034】
第3の変形例において、エチレンオキシド200molを含有するポリエチレングリコール、エチレンオキシド10molを含有するポリエチレングリコール及び/又はメチルグルコースのエーテル、エチレンオキシド6molを含有するポリエチレングリコール及びトリデシルアルコールのエーテル、ヘキサメチレンジイソシアネートの重縮合物であり、C16~C20アルコール末端基を含有するもの、例えば、Lubrizol社によって、名称Avalure(登録商標)Flex6Polymer(INCI名:ポリウレタン-62)で販売される製品によるものを使用してもよい。
【0035】
好ましくは、例として前述されたポリウレタンポリエーテルを使用する。
【0036】
本開示の組成物は、前述された会合性ポリマーの混合物を含むことができる。いくつかの実施形態において、会合性ポリマーは、ステアレス-100/PEG-136/HDIコポリマー、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ジステアレス-100IPDI(及び)ステアレス-100、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、トリオレイン酸PEG-120メチルグルコース、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、2つ以上のレオロジー改質剤が存在する。
【0037】
これらの増粘剤が例として挙げられるが、当分野で公知の、化粧用途と適合性である他の増粘剤を使用することができると認識されたい。
【0038】
レオロジー改質剤は、組成物中に、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて、重量パーセントで、約0.4wt.%、約0.6wt.%、約0.8wt.%、約1.0wt.%、約1.2wt.%、約1.4wt.%、約1.6wt.%、約1.8wt.%、約2.0wt.%、約2.2wt.%、約2.4wt.%、約2.6wt.%、約2.8wt.%、約3.0wt.%、約3.2wt.%、約3.4wt.%、約3.6wt.%、約3.8wt.%、約4.0wt.%、約4.2wt.%、約4.4wt.%、約4.6wt.%、約4.8wt.%、約5.0wt.%、約5.2wt.%、約5.4wt.%、約5.6wt.%、約5.8wt.%から、約5.8wt.%、約6.0wt.%、約6.2wt.%、約6.4wt.%、約6.8wt.%、約7.0wt.%、約7.2wt.%、約7.4wt.%、約7.6wt.%、約7.8wt.%、約8.0wt.%、約8.2wt.%、約8.4wt.%、約8.6wt.%、約8.8wt.%、約9.0wt.%、約9.2wt.%、約9.4wt.%、約9.6wt.%、約9.8wt.%、又は約10wt.%までの量で存在することができる。
【0039】
これらの増粘剤が例として挙げられるが、当分野で公知の、化粧用途と適合性である他の増粘剤を使用することができると認識されたい。
【0040】
第1の増粘剤は、組成物中に、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて、重量パーセントで、約0.4wt.%、約0.6wt.%、約0.8wt.%、約1.0wt.%、約1.2wt.%、約1.4wt.%、約1.6wt.%、約1.8wt.%、約2.0wt.%、約2.2wt.%、約2.4wt.%、約2.6wt.%、約2.8wt.%、約3.0wt.%、約3.2wt.%、約3.4wt.%、約3.6wt.%、約3.8wt.%、約4.0wt.%、約4.2wt.%、約4.4wt.%、約4.6wt.%、約4.8wt.%、約5.0wt.%、約5.2wt.%、約5.4wt.%、約5.6wt.%、約5.8wt.%から、約5.8wt.%、約6.0wt.%、約6.2wt.%、約6.4wt.%、約6.8wt.%、約7.0wt.%、約7.2wt.%、約7.4wt.%、約7.6wt.%、約7.8wt.%、約8.0wt.%、約8.2wt.%、約8.4wt.%、約8.6wt.%、約8.8wt.%、約9.0wt.%、約9.2wt.%、約9.4wt.%、約9.6wt.%、約9.8wt.%、又は約10wt.%までの量で存在することができる。
【0041】
アクリル系増粘剤又はアクリレート系増粘剤
本開示に好適な第2の増粘剤は、ポリマーから選択される。本開示によれば、本開示の好適な増粘剤ポリマーは、アクリル系ポリマー又はアクリレート系ポリマーから選択することができる。
【0042】
ポリマーは、予め中和され、好ましくはタウレートポリマーから選択される。こうしたポリマーは、イオン性モノマー部分、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、及び極性の低いさらなるモノマー部分(ビニルピロリドン又はメタクリル酸ベヘネス-25)を含む。これらのポリマーは、増粘剤として使用される。
【0043】
タウレートポリマーの例は、(アクリレーツ/イソデカン酸ビニル)クロスポリマー(3VからのStabylen30)、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー(Pemulen TR1及びPemulen TR2)、カルボマー(Aqua SF-1)、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー(ClariantからのAristoflex AVC)、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス-25)クロスポリマー(ClariantからのAristoflex HMB)、(アクリレーツ/イタコン酸セテス-20)コポリマー(National StarchからのStructure3001)、ポリアクリルアミド(SEPPICからのSepigel305)、非イオン性増粘剤(Rohm and HaasからのAculyn46)、又はそれらの混合物である。
【0044】
アニオンポリマーは、ポリマー主鎖に沿って分布したアニオン基を有するポリマーであってもよい。カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩又は他の負の電荷をもつ系列若しくはイオン化可能な系列を含み得るアニオン基は、主鎖からのペンダント基で配置されてもよく、主鎖自体に組み込まれてもよい。
【0045】
アニオンポリマーは、オレフィン不飽和カルボン酸型の少なくとも1つの親水性単位、及び専ら不飽和カルボン酸型の(C10~C30)アルキルエステルの少なくとも1つの疎水性単位を含むことができる。
【0046】
本明細書で有用なアニオンポリマーとしては、例えば:ポリアクリル酸;ポリメタクリル酸;カルボキシビニルポリマー;アクリレートコポリマー、例えば、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、アクリル酸/ビニルエステルコポリマー/アクリレーツイソデカン酸ビニル(Ninyl)クロスポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸パルメス-25)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス-20)コポリマー、及び(アクリレーツ/イタコン酸セレス-20)コポリマー;スルホネートポリマー、例えば、ポリスルホン酸、Akzo Nobelより商品名FLEXAN IIで供給されるポリスチレンスルホン酸ナトリウム、メタクリル酸とアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸とのコポリマー、及びアクリル酸とアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸とのコポリマー;カルボキシメチルセルロース;カルボキシグアーガム;エチレンとマレイン酸とのコポリマー;並びにアクリレートシリコーンポリマーが挙げられる。ある場合において、アニオンポリマーとしては、例えば、Noveonより商品名CARBOPOL981及びCARBOPOL980で供給されるカルボマー;全てNoveonより入手可能である、商品名Pemulen TR-1、PEMULEN TR-2、CARBOPOL1342、CARBOPOL1382、及びCARBOPOL ETD2020を有する(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー;HerculesよりCMCシリーズとして供給されるカルボキシメチルセルロースナトリウム;並びにSeppicより供給される商品名Capigelのアクリレートコポリマー;Lubrizolより水性分散体として入手可能な、商品名CARBOPOL Aqua SF-1のアクリレートコポリマー、並びにLubrizolより水性分散体として入手可能な、商品名CARBOPOL Aqua SF-2のアクリレートクロスポリマー-4が挙げられる。
【0047】
一実施形態において、本発明のアニオンポリマーは、供給元Lubrizolより商品名CARBOPOL980で市販され得るカルボマーである。非イオン性ポリマーの例は、以下の通りであることができる:
(i)ヒドロキシエチルセルロース、例として、Ashland社によって販売される製品NATROSOL250HHR PC又はNATROSOL250HHR CS;
(ii)少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されたセルロース;言及され得る例としては:
- 少なくとも1つの脂肪鎖、例えば、アルキル基、アリールアルキル基、若しくはアルキルアリール基、又はそれらの混合物を含む基で修飾され、そのアルキル基が、好ましくはC8~C22である、ヒドロキシエチルセルロース、例として、Ashland社によって販売される製品NATROSOL Plus Grade330CS(C16アルキル)、若しくはAkzoNobel社によって販売される製品BERMOCOLL EHM100;メチルヒドロキシエチルセルロース;AkzoNobel社によって販売される製品STRUCTURE CEL8000Mとして既知のメチルエチルヒドロキシエチルセルロース;又はAshland社によって販売される製品KLUCEL MF PHARM HYDROXYPROPYLCELLULOSEとして既知のヒドロキシプロピルセルロース;
- アルキルフェニルポリアルキレングリコールエーテル基で修飾されたヒドロキシエチルセルロース、例えば、Amerchol社によって販売される製品Amercell Polymer HM-1500(ノニルフェニルポリエチレングリコール(15)エーテル);あるいは
(iii)ヒドロキシプロピルグアー、例えば、Rhodia社によって製品JAGUAR HP105として販売されるヒドロキシプロピルグアー、及び少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されたヒドロキシプロピルグアー、例えば、Lamberti社によって販売される製品Esaflor HM22(C22アルキル鎖)、並びにRhodia社によって販売される、製品RE210-18(C14アルキル鎖)及びRE205-1(C20アルキル鎖)。
【0048】
いくつかの実施形態において、第2の増粘剤は、親水性アクリルポリマーであってもよい。いくつかの実施形態において、第2の増粘剤は、アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)、ポリアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンナトリウム/VP)コポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0049】
したがって、本開示の組成物中の第2の増粘剤の量は、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて、重量パーセントで、約0.4wt.%、0.5wt.%、約0.6wt.%、約0.7wt.%、約0.8wt.%、約0.9wt.%、約1.0wt.%、約1.1wt.%から、約1.2wt.%、約1.3wt.%、約1.4wt.%、約1.5wt.%、約1.6wt.%、約1.7wt.%、約1.8wt.%、約1.9wt.%、又は約2.0wt.%までであってもよい。
【0050】
界面活性剤
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性(双性)界面活性剤を含めた、様々な界面活性剤の組み合わせからもたらされ得る。アニオン性界面活性剤は、極性頭部基で負電荷を担持する。これらの界面活性剤は、典型的には、その洗浄力特性のために使用される。それらは、髪及び頭皮から汚れ及び油を取り除くのに極めて有効である。非イオン性界面活性剤は、残留電荷をもたないものであるか、又は残留電荷を極めて少なく有するものである。これらの界面活性剤は、多様な機能、例えば、エマルジョン安定化、穏やかな洗浄力、及び粘度調整を施すことができる。両性(双性)界面活性剤は、二重帯電である(分子に正電荷と負電荷との両方を有する)。多くの両性界面活性剤は、より低いpHで一方の電荷を有し、より高いpHで反対の電荷を有するpH依存性電荷挙動を呈する。これらの種類の界面活性剤は、肌と髪の両方に対して穏やかである傾向がある。それらは、アニオン性界面活性剤と組み合わせて、増泡特性をもたらすこともでき、泡立ちを高める。
【0051】
本開示の界面活性剤は、(i)1つ又は複数のアニオン性界面活性剤;及び(ii)1つ又は複数の両性界面活性剤を含む。界面活性剤系はまた、場合により、(iii)追加の多種多様な非イオン性界面活性剤を含むこともできる。
【0052】
本開示の界面活性剤の全量は、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて、重量パーセントで、約2~約25wt.%の範囲で存在してもよい。一部の実施形態で、界面活性剤の全量は、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて、重量パーセントで、約4~約12wt.%であってもよい。
【0053】
本開示の界面活性剤の全量は、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて、重量パーセントで、約2wt.%、約3wt.%、約4wt.%、約5wt.%、約6wt.%、約7wt.%、約8wt.%、約9wt.%、約10wt.%、約11wt.%、約12wt.%、約13wt.%、約14wt.%から、約14wt.%、約15wt.%、約16wt.%、約17wt.%、約18wt.%、約19wt.%、約20wt.%、約21wt.%、約22wt.%、約23wt.%、約24wt.%、又は25wt.%まで存在してもよい。
【0054】
本開示で使用することができる、有用であるが非限定的な界面活性剤の例を以下に挙げる。
【0055】
(i)非硫酸塩アニオン性界面活性剤
有用な非硫酸塩アニオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが、アルキルスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルスルホアセテート、アシルイセチオネート、アルコキシル化一酸、アシルアミノ酸、例えば、アシルタウレート、アシルグリシネート、アシルグルタメート、アシルサルコシネート、それらの塩、及びそれらの混合物が挙げられる。有用な非硫酸塩アニオン性界面活性剤の非限定的な例を以下に挙げる。
【0056】
(i-a)アルキルスルホネート
有用なアルキルスルホネートとしては、アルキルアリールスルホネート、第一級アルカンジスルホネート、アルケンスルホネート、ヒドロキシアルカンスルホネート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、アルファ-オレフィンスルホネート、アルキルフェノールポリグリコールエーテルのスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、フェニルアルカンスルホネート(phenvlalkanesulfonate)、アルファ-オレフィンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルケンスルホネート、ヒドロキシアルカンスルホネート及びヒドロキシアルカンジスルホネート、第二級アルカンスルホネート、パラフィンスルホネート、エステルスルホネート、スルホン化脂肪酸グリセロールエステル、並びにメチルエステルスルホネートなどのアルファ-スルホ脂肪酸メチルエステルが挙げられる。
【0057】
ある場合において、式(III)のアルキルスルホネートは、特に有用である。
【0058】
Rは、H、又は1~24個の炭素原子、好ましくは6~24個の炭素原子、より好ましくは8~20個の炭素原子を有するアルキル鎖から選択され、上記アルキル鎖は、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝鎖状である。上記の式(III)においてはナトリウムがカチオンとして示されているが、カチオンは、アルカリ金属イオン、例えば、ナトリウムイオン若しくはカリウムイオン、アンモニウムイオン、又はアルカノールアンモニウムイオン、例えば、モノエタノールアンモニウムイオン若しくはトリエタノールアンモニウムイオンであってもよい。ある場合において、アルキルスルホネート(複数可)は、C8~C16アルキルベンゼンスルホネート、C10~C20パラフィンスルホネート、C10~C24オレフィンスルホネート、それらの塩、及びそれらの混合物から選択される。C10~C24オレフィンスルホネートが特に好ましい。非限定的であるが特に有用な、本発明の組成物で使用することができるC10~C24オレフィンスルホネートの例は、オレフィン(C14-16)スルホン酸ナトリウムである。
【0059】
(i-b)アルキルスルホスクシネート
有用なスルホスクシネートの非限定的な例としては、式(IV)のものが挙げられる。
[式中、Rは、10~22個の炭素原子、好ましくは10~20個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、Xは、平均エトキシル化度を表す数であり、0~約5、好ましくは0~約4、最も好ましくは約2~約3.5の範囲であることができ、M及びM’は、互いに同じであってもよく異なっていてもよい、一価のカチオンである。好ましいカチオンは、アルカリ金属イオン、例えば、ナトリウムイオン若しくはカリウムイオン、アンモニウムイオン、又はアルカノールアンモニウムイオン、例えば、モノエタノールアンモニウムイオン若しくはトリエタノールアンモニウムイオンである]
【0060】
アルキルスルホスクシネート塩の非限定的な例としては、オレアミドMIPAスルホコハク酸二ナトリウム、オレアミドMEAスルホコハク酸二ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二アンモニウム、スルホコハク酸ラウレス二アンモニウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、オレアミドMEAスルホコハク酸二ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、及びそれらの混合物が挙げられる。ある場合において、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウムが特に好ましい。
【0061】
(i-c)アルキルスルホアセテート
アルキルスルホアセテート(alkyl sulfacetate)の非限定的な例としては、例えば、C4~C18脂肪アルコールスルホアセテート及び/又はその塩などのアルキルスルホアセテートが挙げられる。特に好ましいスルホアセテート塩は、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムである。塩に有用なカチオンとしては、アルカリ金属イオン、例えば、ナトリウムイオン若しくはカリウムイオン、アンモニウムイオン、又はアルカノールアンモニウムイオン、例えば、モノエタノールアンモニウムイオン若しくはトリエタノールアンモニウムイオンが挙げられる。
【0062】
(i-d)アシルイセチオネート
有用なアシルイセチオネートの非限定的な例としては、式(V)及び式(VI)のものが挙げられる:
[式中、R、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、H、又は1~24個の炭素原子を有するアルキル鎖から選択され、上記アルキル鎖は、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝鎖状であり、XはCOO-又はSO3-である。]式(VI)のカチオンとしてナトリウムが示されているが、両方の式(V)及び式(VI)のカチオンは、アルカリ金属イオン、例えば、ナトリウムイオン若しくはカリウムイオン、アンモニウムイオン、又はアルカノールアンモニウムイオン、例えば、モノエタノールアンモニウムイオン若しくはトリエタノールアンモニウムイオンであってもよい。アシルイセチオネートの非限定的な例としては、イセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、及びココイルメチルイセチオン酸ナトリウムが挙げられる。
【0063】
(i-e)アルコキシル化一酸
アルコキシル化一酸の非限定的な例としては、式(VII)に対応する化合物が挙げられる。
RO[CH2O]u[(CH2)xCH(R’)(CH2)y(CH2)zO]v[CH2CH2O]wCH2COOH
(VII)
[式中、
Rは、約6~約40個の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり;
u、v及びwは、互いに独立して、0~60の数を表し;
x、y及びzは、互いに独立して、0~13の数を表し;
R’は、水素、アルキルを表し、
x+y+zの合計>0である]
【0064】
式(VII)に対応する化合物は、アルコールROHと単独のアルコキシドであるエチレンオキシドとのアルコキシル化、又はアルコールROHと数種類のアルコキシドとのアルコキシル化、及びそれに続く酸化によって得ることができる。数u、v及びwはそれぞれ、アルコキシル化度を表す。数u、v及びw、並びに全体のアルコキシル化度は、分子レベルでは、0を含めた整数のみであることができ、一方で、巨視的レベルでは、小数の形態の平均値である。
【0065】
式(VII)において、Rは、直鎖状又は分枝鎖状、非環式又は環式、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族、置換又は非置換である。典型的には、Rは、直鎖状又は分枝鎖状で非環式のC6~40アルキル基若しくはアルケニル基、又はC1~40アルキルフェニル基、より典型的には、C8~22アルキル基若しくはアルケニル基、又はC4~18アルキルフェニル基、さらにより典型的には、C12~18のアルキル基若しくはアルケニル基、又はC6~16アルキルフェニル基であり;u、v、wは、互いに独立して、典型的には2~20の数、より典型的には3~17の数、最も典型的には5~15の数であり;x、y、zは、互いに独立して、典型的には2~13の数、より典型的には1~10の数、最も典型的には0~8の数である。
【0066】
好適なアルコキシル化一酸としては、これらに限定されないが:ブトキシノール-5カルボン酸、ブトキシノール-19カルボン酸、カプリレス-4カルボン酸、カプリレス-6カルボン酸、カプリレス-9カルボン酸、セテアレス-25カルボン酸、コセス-7カルボン酸、C9~11パレス-6カルボン酸、C11~15パレス-7カルボン酸、C12~13パレス-5カルボン酸、C12~13パレス-8カルボン酸、C12~13パレス-12カルボン酸、C12~15パレス-7カルボン酸、C12~15パレス-8カルボン酸、C14~15パレス-8カルボン酸、デセス-7カルボン酸、ラウレス-3カルボン酸、ラウレス-4カルボン酸、ラウレス-5カルボン酸、ラウレス-6カルボン酸、ラウレス-8カルボン酸、ラウレス-10カルボン酸、ラウレス-11カルボン酸、ラウレス-12カルボン酸、ラウレス-13カルボン酸、ラウレス-14カルボン酸、ラウレス-17カルボン酸、PPG-6-ラウレス-6カルボン酸、PPG-8-ステアレス-7カルボン酸、ミレス-3カルボン酸、ミレス-5カルボン酸、ノノキシノール-5カルボン酸、ノノキシノール-8カルボン酸、ノノキシノール-10カルボン酸、オクテス-3カルボン酸、オクトキシノール-20カルボン酸、オレス-3カルボン酸、オレス-6カルボン酸、オレス-10カルボン酸、PPG-3-デセス-2カルボン酸、カプリレス-2カルボン酸、セテス-13カルボン酸、デセス-2カルボン酸、ヘキセス-4カルボン酸、イソステアレス-6カルボン酸、イソステアレス-11カルボン酸、トルデセス(Trudeceth)-3カルボン酸、トリデセス-6カルボン酸、トリデセス-8カルボン酸、トリデセス-12カルボン酸、トリデセス-3カルボン酸、トリデセス-4カルボン酸、トリデセス-7カルボン酸、トリデセス-15カルボン酸、トリデセス-19カルボン酸、ウンデセス-5カルボン酸、及びそれらの混合物が挙げられる。一部の場合において、好ましいエトキシル化酸としては、オレス-10カルボン酸、ラウレス-5カルボン酸、ラウレス-11カルボン酸、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0067】
(i-f)アシルアミノ酸
使用され得るアシルアミノ酸としては、これらに限定されないが、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、リジン、フェニルアラニン、セリン、チロシン、バリン、サルコシン、スレオニン、及びタウリンに基づくアミノ酸界面活性剤が挙げられる。アシルアミノ酸に会合する最も一般的なカチオンは、ナトリウム又はカリウムであり得る。あるいは、カチオンは、有機塩、例えばトリエタノールアミン(TEA)又は金属塩であってもよい。有用なアシルアミノ酸の非限定的な例としては、式(VIII)のものが挙げられる。
[式中、R、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、H、又は1~24個の炭素原子を有するアルキル鎖から選択され、上記アルキル鎖は、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝鎖状であり、XはCOO-又はSO3-である]
【0068】
アシルタウレート:アシルタウレートの非限定的な例としては、式(IX)のものが挙げられる:
[式中、R、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、H、又は1~24個の炭素原子、6~20個の炭素原子、若しくは8~16個の炭素原子を有するアルキル鎖から選択され、上記アルキル鎖は、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝鎖状であり、XはCOO-又はSO3-である。]アシルタウレート塩の非限定的な例としては、ココイルタウリンナトリウム及びメチルココイルタウリンナトリウムが挙げられる。
【0069】
アシルグリシネート:有用なアシルグリシネートの非限定的な例としては、式(X)のものが挙げられる:
[式中、Rは8~16個の炭素原子のアルキル鎖である。]上記の式(X)においては、ナトリウムがカチオンとして示されているが、カチオンは、アルカリ金属イオン、例えば、ナトリウムイオン若しくはカリウムイオン、アンモニウムイオン、又はアルカノールアンモニウムイオン、例えば、モノエタノールアンモニウムイオン若しくはトリエタノールアンモニウムイオンであってもよい。アシルグリシネートの非限定的な例としては、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、ミリストイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸カリウム、及びココイルグリシン酸カリウム、特にココイルグリシン酸ナトリウムが挙げられる。
【0070】
アシルグルタメート:有用なアシルグルタメートの非限定的な例としては、式(XI)のものが挙げられる:
[式中、Rは、8~16個の炭素原子のアルキル鎖である。]上記の式(XI)においては、ナトリウムがカチオンとして示されているが、カチオンは、アルカリ金属イオン、例えば、ナトリウムイオン若しくはカリウムイオン、アンモニウムイオン、又はアルカノールアンモニウムイオン、例えば、モノエタノールアンモニウムイオン若しくはトリエタノールアンモニウムイオンであってもよい。アシルグルタメートの非限定的な例としては、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、オリボイル(olivoyl)グルタミン酸ナトリウム、パルミトイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸ナトリウム、モノ-ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、及びココイルグルタミン酸二ナトリウムが挙げられる。一部の場合において、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0071】
アシルサルコシネート:アシルサルコシネートの非限定的な例としては、ラウロイルサルコシンカリウム、ココイルサルコシンカリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、オレオイルサルコシンナトリウム、パルミトイルサルコシンナトリウム、及びラウロイルサルコシンアンモニウムが挙げられる。
【0072】
(ii)アルキルポリグルコシド
アルキルポリグルコシドは、非イオン性界面活性剤の一分類である。クレンジング組成物中のアルキルポリグルコシド(複数可)の全量は、様々であってもよいが、典型的には、クレンジング組成物の全重量に基づいて約2~約25wt.%である。ある場合において、クレンジング組成物中のアルキルポリグルコシド(複数可)の全量は、クレンジング組成物の全重量に基づいて、約2~約20wt.%、約2~約15wt.%、約2~約10wt.%、約5~約25wt.%、約5~約20wt.%、約5~約15wt.%、又は約5~約10wt.%である。
【0073】
有用なポリグルコシドとしては、以下の式(XII)を有するアルキルポリグルコシドが挙げられる。
R1-O-(R2O)n-Z(x)
(XII)
[式中、R1は、8~18個の炭素原子を有するアルキル基であり;
R2は、エチレン又はプロピレンの基であり;
Zは、5~6個の炭素原子を有する糖類基であり;
nは整数0~10であり;
xは整数1~5である]
【0074】
有用なアルキルポリグルコシドとしては、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、デシルグルコシド、ココグルコシド、(カプリリル/カプリル)グルコシド、及びラウリルグルコースカルボン酸ナトリウムが挙げられる。典型的には、少なくとも1つのアルキルポリグルコシド化合物は、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、及びココグルコシドからなる群から選択される。ある場合において、デシルグルコシドが特に好ましい。
【0075】
(iii)両性界面活性剤
有用な両性界面活性剤としては、ベタイン、アルキルスルタイン、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロプリオネート、及びそれらの混合物が挙げられる。有用な両性界面活性剤の非限定的な例を以下に示す。
【0076】
(iii-a)ベタイン
有用なベタインとしては、式(XIIIa~XIIId)のものが挙げられる。
[式中、R10は、8~18個の炭素原子を有するアルキル基であり;nは整数1~3である]
【0077】
特に有用なベタインとしては、例えば、コカベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ベヘニルベタイン、(カプリル/カプラミド)プロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ステアリルベタイン、及びそれらの混合物が挙げられる。典型的には、少なくとも1つのベタイン化合物は、ココベタイン、コカミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、(カプリル/カプラミド)プロピルベタイン、及びラウリルベタイン、並びにそれらの混合物から選択される。特に好ましいベタインとしては、ココベタイン及びコカミドプロピルベタインが挙げられる。
【0078】
(iii-b)アルキルスルタイン
アルキルスルタインの非限定的な例としては、式(XIV)のヒドロキシルスルタインが挙げられる。
[式中、Rは、8~18個の炭素原子を有するアルキル基である。]より詳しい例としては、これらに限定されないが、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0079】
(iii-c)アルキルアンホアセテート及びアルキルアンホジアセテート
有用なアルキルアンホアセテート及びアルキルアンホジアセテートとしては、式(XV)及び式(XVI)のものが挙げられる:
[式中、Rは8~18個の炭素原子を有するアルキル基である。]上記の式においては、ナトリウムがカチオンとして示されているが、カチオンは、アルカリ金属イオン、例えば、ナトリウムイオン若しくはカリウムイオン、アンモニウムイオン、又はアルカノールアンモニウムイオン、例えば、モノエタノールアンモニウムイオン若しくはトリエタノールアンモニウムイオンであってもよい。より詳細であるが非限定的な例は、ラウロアンホ酢酸ナトリウムである。
【0080】
(iii-d)アルキルアンホプロピオネート
アルキルアンホプロピオネートの非限定的な例としては、ココアンホプロピオネート、コーンアンホプロピオネートカプリルアンホプロピオネート、コーンアンホプロピオネート、カプロアンホプロピオネート、オレオアンホプロピオネート、イソステアロアンホプロピオネート、ステアロアンホプロピオネート、ラウロアンホプロピオネート、それらの塩、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0081】
(iv)多種多様な非イオン性界面活性剤
場合により、クレンジング組成物は、1つ又は複数種の多種多様な非イオン性界面活性剤、すなわち、前述したアルキルポリグリコシド(polyglucosode)及びアミド界面活性剤に加えて、1つ又は複数の非イオン性界面活性剤を含むことができる。
【0082】
非イオン性界面活性剤(複数可)は、例えば、エトキシル化、プロポキシル化又はグリセロール化され、例えば8~18個の炭素原子を有する少なくとも1つの脂肪鎖を有する、アルコール類、アルファ-ジオール類、アルキルフェノール類、及び脂肪酸のエステル類から選択することができ、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基の数が2~50の範囲であり、グリセロール基の数が1~30の範囲であることができる。マルトース誘導体もまた挙げることができる。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマー;エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと脂肪アルコールとの縮合物;例えば、エチレンオキシド2~30molを含むポリエトキシル化脂肪アミド;例えば、グリセロール基1.5~5、例えば1.5~4を含むポリグリセロール化脂肪アミド;エチレンオキシド2~30molを含む、ソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル;植物起源からのエトキシル化油;スクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;グリセロール(C6~C24)アルキルポリグリコシドのポリエトキシル化脂肪酸のモノエステル又はジエステル;N-(C6~C24)アルキルグルカミン誘導体、アミンオキシド、例えば(C10~C14)アルキルアミンオキシド又はN-(C10~C14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシド;及びそれらの混合物も非限定的に挙げることができる。
【0083】
こうした非イオン性界面活性剤は、好ましくは、ポリオキシアルキレン化又はポリグリセロール化の非イオン性界面活性剤から選択することができる。オキシアルキレン単位は、より詳細には、オキシエチレン単位若しくはオキシプロピレン単位、又はそれらの組み合わせであり、好ましくは、オキシエチレン単位である。
【0084】
スキンケア活性構成成分
有機酸
本開示の組成物は、化粧用活性構成成分として、少なくとも1つの有機酸を含む。
【0085】
多くの有機酸を、特異な有効性、例えば、抗ニキビ効果及び/又はピーリング効果をもたらすために、化粧用活性構成成分として使用することができる。
【0086】
ピーリングは、肌及び/又は頭皮の外観及び/又はテクスチャーを改善するための周知の手法であり、特に、肌の色の輝き及び均一性を改善し、並びに/又は肌の目視できる凹凸及び/若しくは触知できる凹凸を減らすものであり、特に、肌表面の外観を改善するため、光線性黒子、ニキビ跡及び水疱跡を減らすため、並びに肌の老化の兆候を防ぎ、低減し若しくは対処するために、特に肌のテクスチャーの凹凸、例えばシワ及び細かい線を滑らかにするためのものである。
【0087】
ピーリングは、肌の表面部分(表皮、及び可能性として、真皮の表面層)を取り除く効果を有する。
【0088】
抗ニキビ剤及び/又はピーリング剤として使用され得る有機酸は、好ましくは、飽和モノカルボン酸及び不飽和モノカルボン酸、飽和ジカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸、飽和トリカルボン酸及び不飽和トリカルボン酸;モノカルボン酸のα-ヒドロキシ酸及びβ-ヒドロキシ酸;ジカルボン酸のα-ヒドロキシ酸及びβ-ヒドロキシ酸;トリカルボン酸のα-ヒドロキシ酸及びβ-ヒドロキシ酸;ポリカルボン酸のケト酸、α-ケト酸、β-ケト酸、ポリヒドロキシモノカルボン酸のケト酸、α-ケト酸、β-ケト酸、ポリヒドロキシジカルボン酸のケト酸、α-ケト酸、β-ケト酸、又はポリヒドロキシトリカルボン酸のケト酸、α-ケト酸、β-ケト酸;並びに(3-ヒドロキシ-2-ペンチルシクロペンチル)酢酸から選択される。
【0089】
例示的な好ましいα-ヒドロキシ酸としては、グリコール酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸又はマンデル酸が挙げられる。
【0090】
好ましいβ-ヒドロキシ酸は、サリチル酸、及びその誘導体、特に5-n-オクタノイルサリチル酸から選択される。
【0091】
当業者は、肌への所望の効果を得るために、本発明の組成物中に存在する有機酸の、必要とされる量を定めることができる。
【0092】
スキンケア活性構成成分は、クレンジングマスク組成物の全重量に基づいて、重量パーセントで、約0.05%、約0.06%、約0.08%、約0.1%、約0.2%、約0.4%、約0.6%、約0.8%、約1.0%、約1.2%、約1.4%、約1.6%、約1.8%、約2%、約2.2%、約2.4%、約2.6%、約2.8%、約3%、約3.2%、約3.4%、約3.6%、約3.8%、約4%、約4.2%、約4.4%、約4.6%、約4.8%、約5%、約5.2%、約5.4%、約5.6%、約5.8%、約6%、約6.2%、約6.4%、約6.6%、約6.8%、約7%から、約7%wt.、約7.2%wt.、約7.4%wt.、約7.6%wt.、約7.8%wt.、約8%wt.、約8.2%wt.、約8.4%wt.、約8.6%wt.、約8.8%wt.、約9%wt.、約9.2%wt.、約9.4%wt.、約9.6%wt.、約9.8%wt.、約10%wt.、約10.2%wt.、約10.4%wt.、約10.6%wt.、約10.8%wt.、約11%wt.、約11.2%wt.、約11.6%wt.、約11.8%wt.、約12%wt.、約12.2%wt.、約12.6%wt.、約12.8%wt.、約13%wt.、約13.2%wt.、約13.4%wt.、約13.6%wt.、約13.8%wt.、約14%wt.、約14.2%wt.、約14.4%wt.、約14.6%wt.、約14.8%wt.、又は約15%wt.までの量であることができる。
【0093】
化粧品として許容できる担体
組成物中の水及び又はグリコールは、典型的には、化粧品として許容できる担体の一部又は全てを形成する。化粧品として許容できる担体としては、例えば、グリセリン、C1~4アルコール、有機溶媒、脂肪アルコール、脂肪エーテル、脂肪エステル、ポリオール、グリコール、植物油、鉱物油、リポソーム、層状脂質物質、水、又はそれらの任意の組み合わせを挙げることができる。有機溶媒の例として、モノアルコール及びポリオール、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール、又はグリコール若しくはグリコールエーテル、例えば、エチレングリコールのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコール若しくはそのエーテル、例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテル、並びにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコールのモノエチルエーテル若しくはモノブチルエーテルを非限定的に挙げることができる。他の好適な、有機溶媒の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、プロパンジオール、及びグリセリンである。有機溶媒は、揮発性化合物又は不揮発性化合物であってもよい。
【0094】
ある場合において、化粧品として許容できる担体は、水、水と化粧品として許容できる少なくとも1つの有機溶媒との混合物、又は化粧品として許容できる少なくとも1つの有機溶媒を含むことができる。追加で、化粧品として許容できる担体は、エタノール、グリコールエーテル、例えばジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、イソドデカン、鉱物油、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、及びそれらの混合物であってもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0095】
任意選択成分
一実施形態において、組成物は、活性分、フレグランス、防腐剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される任意選択成分を含むことができる。活性分は、ブチル化ヒドロキシトルエン、トコフェロール、トコフェロール(tocopheropl)誘導体、トコトリエノール、トコトリエノール誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、パルミチン酸アスコルビル、ビタミンE、ビタミンC、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0096】
組成物は、セルフクレンジング製品、特にシャンプーの分野で通常使用される、任意の他のアジュバント又は添加剤を含むこともできる。当業者は、特許請求の範囲に記載のエマルジョンの特性に悪影響を与えることなく所望の結果を得るように、どのアジュバント及び/又は添加剤(例えば、防腐剤)を選択すべきかを知っている。例えば、こうした添加剤としては、防腐剤(例えば、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、安息香酸)、稠度調整剤(例えば、イソプロピルアルコール)、増粘剤、抗酸化剤、フレグランス、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0097】
上記の構成成分リストは、単に例であり、非限定的である。
【0098】
本開示の組成物は、当業者に周知の技術、特にシェービング組成物の調製のための技術に従って調製することができる。
【0099】
本開示は、以下の実施例からより良好に理解されることになり、それら実施例の全ては説明を目的とすることのみを意図しており、決して、本開示の範囲を限定することを意味するものではない。
【0100】
本明細書において、用語「含む(comprising)」「有する(having)」、及び「含む(including)」は、その開放的で非限定的な意味で用いられる。
【0101】
用語「a」、「an」、及び「the」は、複数形及び単数形を包含すると理解される。
【0102】
表現「少なくとも1つ」は、1つ又は複数を意味し、ゆえに、個々の成分、及び混合物/組み合わせを含む。
【0103】
本明細書における表現「1つ又は複数」は、個々の成分、及び混合物/組み合わせを含む。
【0104】
本明細書で開示された全ての範囲及び値は、包括的でありかつ組み合わせ可能である。例えば、本明細書に記載された任意の値又は点であって、本明細書に記載の範囲内にあるものは、下位範囲などを導くための最小値又は最大値となることができる。
【0105】
本明細書における、全てのパーセント、部、及び比は、別段指示がない限り、本開示の組成物の全重量に基づく。
【0106】
本明細書で開示された、全ての範囲及び値は、包括的でありかつ組み合わせ可能である。例えば、本明細書に記載された任意の値又は点であって、本明細書に記載の範囲内にあるものは、下位範囲などを導くための最小値又は最大値となることができる。
【0107】
さらに、与えられる全ての範囲は、所与の範囲内の全ての特異な範囲、及び所与の範囲間の下位範囲の組み合わせを含むことを意味する。ゆえに、1~5の範囲は、詳しくは1、2、3、4及び5、並びに2~5、3~5、2~3、2~4、1~4などの下位範囲を含む。
【0108】
本明細書に引用された全ての文献及び特許出願は、それぞれの個々の文献又は特許出願が、具体的にかつ個々に、参照によって組み込まれることが示されるように、任意のかつ全ての目的のために、参照によって本明細書に組み込まれる。本開示と、参照によって本明細書に組み込まれた任意の文献又は特許出願との間で矛盾がある場合には、本開示が支配する。
【実施例
【0109】
以下の実施例は、本発明を説明するものであるが、本発明の範囲を制限するものではない。
【0110】
表1の本発明の実施例は、以下の手順に従って調製された。溶媒/担体を水と混合し、次いで増粘剤(複数可)を、十分に分散されるまで添加した。pHを調節して増粘剤(複数可)を(必要に応じて)中和した。次いで、活性分をバッチに添加し、混合し、次いで界面活性剤(複数可)を添加し、バッチを均一になるまで撹拌した。次いで、レオロジー改質剤(複数可)を添加し、バッチが均一になるまで混合した。最後に、存在する場合、任意の他の防腐剤、添加剤、及びフレグランスを添加した。十分に混合され均一になったら、そのバッチを完了した。
【0111】
組成物のレオロジー評価
【0112】
実験
レオロジー測定
組成物のレオロジー測定は、TA Instruments ディスカバリーHR-2ハイブリッドレオメーターを用いて実施した。実験は、試料取得の間常に制御温度25℃で、間隔1mmを有する直径40mmの平行板ジオメトリーで実施された。装入後、試料を1分間平衡状態にした。次いで、振幅スイープ実験は、周波数1Hz及び0.01~1000の範囲の振動ひずみ%で実施した。データは、TRIOSソフトウェアを使用して分析した(図1参照)。
【0113】
解説
本発明の実施例1の損失弾性率絶対値G’’(四角、破線)は、同じ製剤の貯蔵弾性率絶対値G’(四角、実線)の3倍未満であった。図1を参照されたい。本発明の実施例1は、肌にわたる良好な広がり、及び液垂れしないテクスチャーを示した。
【0114】
比較例7(三角、破線)の損失弾性率絶対値G’’は、同じ製剤の貯蔵弾性率絶対値G’(三角、実線)よりも有意により高かった。図1を参照されたい。
【0115】
比較例7は、肌にあまり広がらず、均一に塗布することができなかった。G’及びG’’の絶対値(Pa)が、本開示の重要な特質ではないことに留意するのが重要である。G’とG’’との比が重要である。すなわち、本発明の実施例1のG’’及びG’は、比較例7のG’’及びG’のそれぞれの値よりもより大きい;しかし、G’’がG’の3倍未満であったゆえに、本発明の実施例1は、広げることが容易であり、液垂れしなかった。
【0116】
注記:測定について、スキンケア用途(すなわち、肌に製品を塗ること)に関係する振動ひずみ領域の相対%は、明確化のために四角形で表されている。
【0117】
肌での評価
組成物の既知の量を指で取り出し、前腕を上げて地面と平行にしながら、前腕に塗布した。濃密な層を肌表面に塗布し、擦り込み、前後に動かして3秒間静かに擦り込んだ。塗布の間、製剤が滑らかに残った場合、又は任意の許容できない「ピリング(pilling)」又は「張り付き(balling up)」が生じた場合に、記録を収集した。次いで、重力による下方へ(最初の塗布サイトから離れて)の製剤の移動を数分の時間にわたって観測することによって、液垂れを調べた。
【0118】
解説
比較例7は、本発明の実施例1と同量のレオロジー改質剤(すなわち、ステアレス-100/PEG-136/HDIコポリマー)、及び他の構成成分を含有した。唯一の違いは、第2の増粘剤を含まないことである。本発明の実施例1と比較すると、レオロジー改質剤が、他の増粘剤なしで存在した場合、クレンジングマスクは液垂れしないが、濃密すぎて肌に容易に広げられないことが観測された。
【0119】
比較例8は、レオロジー改質剤を含有しなかったが、本発明の実施例1と同量の増粘剤及び他の構成成分を含有した。本発明の実施例1と比較すると、レオロジー改質剤が、第2の増粘剤と会合しない場合、クレンジングマスクは、希薄すぎて肌に塗布すると液垂れすることが観測された。
【0120】
上記の結果によれば、第1の増粘剤、例えば非アクリレート系レオロジー改質剤と、増粘剤、例えばアクリル系増粘剤又はアクリレート系増粘剤との、所定の範囲内の会合は、予想外の審美的魅力性を示し、かつ有利なことに、肌の適所に残り、すなわち、塗布された表面から液垂れせず、又は流れなかった。
【0121】
スキンケア活性構成成分の付着評価
塗布され、洗い流された後の、肌へのスキンケア活性構成成分の付着を測定するため、本発明の実施例を評価し、数種の市販品(ベンチマーク製品1及びベンチマーク製品2)と比較した。
【0122】
測定は、分析チームで行われた。本発明の実施例を、ヒトの前腕に10分間塗布し、次いで洗い流した。次いで、肌のいくつかの外層をテープ剥離法で取り出した。集めた層をHPLCで分析して、肌に付着したサリチル酸を定量化した。結果を以下の表3に表す。
【0123】
サリチル酸1.5%を含有する本発明の実施例1について観測されたサリチル酸の付着は、47.71μgであった。サリチル酸2%を含有する市販品について観測されたサリチル酸の付着は、35μgから37.21μgまでの間であった。1.5%を含有する製剤は、意外なことに、サリチル酸2%を含有する市販品と比較して、より高いサリチル酸付着を示した。それゆえに、本発明の実施例に関して、サリチル酸の付着が増加したことが明らかになった。本開示で呈示された、増粘剤、例えば非アクリレート系レオロジー改質剤と、アクリル系増粘剤又はアクリレート系増粘剤との組み合わせは、意外なことに、サリチル酸の付着を改善した。
【0124】
本開示について、好ましい実施形態を参照して説明してきたが、本発明の範囲を逸脱することなく、様々に変更することができ、均等物をその要素と置き換えることができると、当業者により理解される。加えて、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく、本発明の教示に、特定の状況又は材料を適応させるように、多くの改変をすることができる。それゆえに、本発明は、本発明を実行するために考えられる最良の様式として開示された、特定の実施形態に限定されることなく、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内にある、全ての実施形態を含むことが意図されている。