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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】加熱体及び電磁加熱ベーキング装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20240318BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240318BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/40
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022549137
(86)(22)【出願日】2021-01-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 CN2021072966
(87)【国際公開番号】W WO2021169685
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】202010118849.4
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】張幸福
(72)【発明者】
【氏名】廖▲イェン▼程
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209121868(CN,U)
【文献】特開2019-110895(JP,A)
【文献】特開2019-134701(JP,A)
【文献】特開2019-088273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁加熱ベーキング装置であって、
固定ホルダと、収容管と、加熱体とを備え、
前記固定ホルダには、磁気誘導コイルが設けられており、
前記コイルには、収容キャビティが前記コイルで囲まれて形成されており、
前記収容管は、前記収容キャビティ内に位置して、ベーキング物を収容するように構成されており、
前記加熱体は、前記ベーキング物の内部に挿入するように構成され、非導磁性支持柱と、前記非導磁性支持柱に外嵌された金属導磁管とを備え、
前記金属導磁管は、前記磁気誘導コイルよって生成された磁場で前記ベーキング物を加熱するように構成され
前記加熱体は、前記ベーキング物の内部に挿入される挿入部を備え、
前記挿入部は、回転体構造であり、前記収容管内に位置して、中空管状の前記金属導磁管と前記非導磁性支持柱とを備え、
前記非導磁性支持柱の外径は、前記金属導磁管の内径に対応している、電磁加熱ベーキング装置
【請求項2】
取付座をさらに備え、
前記加熱体は、取付部をさらに備え、
前記取付座は、前記取付部に外嵌され、前記固定ホルダに接続されている、請求項1に記載の電磁加熱ベーキング装置。
【請求項3】
前記固定ホルダの底端には、筒部が形成されており、
前記筒部は、前記収容管と連通して、前記取付座及び前記加熱体の前記取付部を取り付けるように構成されており、
前記取付座の外壁は、前記筒部の内壁に固定接続又は取り外し可能に接続されている、請求項に記載の電磁加熱ベーキング装置。
【請求項4】
前記挿入部は、頂部と本体部とを備え、
前記頂部及び前記取付部は、それぞれ、前記加熱体の対向した両端に位置しており、前記本体部は、前記頂部と前記取付部との間に位置しており、
前記頂部の外径は、前記本体部から離れる方向に次第に縮径する、請求項に記載の電磁加熱ベーキング装置。
【請求項5】
前記加熱体の前記頂部と前記本体部と前記取付部とは、直径が一致する非導磁性支持柱である、請求項に記載の電磁加熱ベーキング装置。
【請求項6】
前記非導磁性支持柱は、セラミックからなる、請求項又はに記載の電磁加熱ベーキング装置。
【請求項7】
前記金属導磁管と前記取付座との間には、本体部が介在している、請求項に記載の電磁加熱ベーキング装置。
【請求項8】
前記加熱体の前記取付部と前記固定ホルダ及び前記取付座との間には、シリコンゴム部が設けられている、請求項に記載の電磁加熱ベーキング装置。
【請求項9】
金属管をさらに備え、
前記金属管は前記コイルに外嵌されている、請求項1に記載の電磁加熱ベーキング装置。
【請求項10】
メインケーシングをさらに備え、
前記メインケーシング内には、電気的に接続された回路基板及び電源が設けられており、
前記コイルは、前記回路基板に電気的に接続されている、請求項1に記載の電磁加熱ベーキング装置。
【請求項11】
トップカバーをさらに備え、
前記収容管は、前記トップカバー内に固定されており、
前記トップカバーは、前記固定ホルダに外嵌されており、
前記固定ホルダの頂壁と前記トップカバーの頂壁との間には、隙間が形成されている、請求項10に記載の電磁加熱ベーキング装置。
【請求項12】
前記トップカバーは、前記メインケーシングに取り外し可能に接続されている、請求項11に記載の電磁加熱ベーキング装置。
【請求項13】
前記固定ホルダの外壁の底端は、前記メインケーシングの内壁に固定接続されており、
前記トップカバーは、前記固定ホルダの外壁の上端に取り外し可能に外嵌されている、請求項11に記載の電磁加熱ベーキング装置。
【請求項14】
前記固定ホルダは、同軸に配置された第1筒体及び第2筒体を備え、
前記第1筒体は、前記第2筒体に外嵌されており、
前記第1筒体と前記第2筒体との間には、第1キャビティ部が形成されており、
前記第2筒体内には、第2キャビティ部が形成されており、
前記コイルは、前記第1キャビティ部内に位置して、前記第2筒体に巻き付けられており、
前記収容管は、前記第2キャビティ部内に位置している、請求項1に記載の電磁加熱ベーキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年2月26日に出願された、発明の名称が「加熱体及び電磁加熱ベーキング装置」である中国特許出願第202010118849.4号の優先権を主張し、その開示の全体が参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本発明は、電磁加熱装置の技術分野に関し、特に、加熱体及び電磁加熱ベーキング装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、加熱式の非燃焼タバコ用品は通常、電気抵抗加熱又は電磁加熱を使用している。加熱構造は、電気抵抗加熱又は電磁加熱の使用にかかわらず、一般的に、加熱ブレードがタバコスティックに挿入される構造又は加熱チューブがタバコスティックを囲む構造を採用している。加熱ブレードが挿入される構造は、通常、タバコスティックがタバコパイプの一端からタバコパイプに挿入され、加熱ブレードが他端からタバコパイプに差し込んでタバコスティック内に挿入されている。タバコスティックの加熱が完了した後に加熱ブレードに粘着しやすいので、タバコスティックを加熱ブレードから分離させるように、タバコパイプを押し動かすための押動機構を設計する必要がある。押動機構の設計は複雑で、繰り返し使用すると壊れやすくなる。また、加熱チューブでタバコスティックを加熱する場合には、加熱チューブがタバコスティックの周りに接触するので、通常、粘着を発生させないが、タバコスティックの中心からの距離が遠いため、加熱効果が良くない。
【発明の概要】
【0004】
本発明の各実施形態によると、加熱体及び電磁加熱ベーキング装置を提供する。
【0005】
本発明の電磁加熱ベーキング装置は、固定ホルダと、収容管と、加熱体とを備える。固定ホルダには、磁気誘導コイルが設けられており、前記コイルには、収容キャビティが前記コイルで囲まれて形成されている。収容管は、前記収容キャビティ内に位置して、ベーキング物を収容するように構成されている。加熱体は、前記ベーキング物の内部に挿入するように構成され、非導磁性支持柱と、非導磁性支持柱に外嵌された金属導磁管(magnetic conductivity tube)とを備える。金属導磁管は、磁気誘導コイルよって生成された磁場で前記ベーキング物を加熱するように構成されている。
【0006】
一実施形態では、加熱体は、挿入部を備え、前記挿入部は、回転体構造であり、前記収容管内に位置して、中空管状の前記金属導磁管と前記非導磁性支持柱とを備え、前記非導磁性支持柱の外径は、金属導磁管の内径に対応している。
【0007】
一実施形態では、電磁加熱ベーキング装置は、取付座をさらに備え、前記加熱体は、取付部をさらに備え、前記取付座は、前記取付部に外嵌され、前記固定ホルダに接続されている。
【0008】
一実施形態では、前記固定ホルダの底端には、筒部が形成されており、前記筒部は、前記収容管と連通して、前記取付座及び前記加熱体の取付部を取り付けるように構成されており、前記取付座の外壁は、前記筒部の内壁に固定接続又は取り外し可能に接続されている。
【0009】
一実施形態では、前記挿入部は、頂部と本体部とを備え、前記頂部及び取付部は、それぞれ、前記加熱体の対向した両端に位置しており、本体部は、頂部と取付部との間に位置しており、前記頂部の外径は、本体部から離れる方向に次第に縮径する。
【0010】
一実施形態では、前記加熱体の頂部と本体部と取付部とは、直径が一致する非導磁性支持柱である。
【0011】
一実施形態では、前記非導磁性支持柱は、セラミックからなる。
【0012】
一実施形態では、前記金属導磁管と前記取付座との間には、本体部が介在している。
【0013】
一実施形態では、前記加熱体の取付部と前記固定ホルダ及び取付座との間には、シリコンゴム部が設けられている。
【0014】
一実施形態では、電磁加熱ベーキング装置は金属管をさらに備え、前記金属管は前記コイルに外嵌されている。
【0015】
一実施形態では、電磁加熱ベーキング装置はメインケーシングをさらに備え、前記メインケーシング内には、電気的に接続された回路基板及び電源が設けられており、前記コイルは、前記回路基板に電気的に接続されている。
【0016】
一実施形態では、電磁加熱ベーキング装置は、トップカバーをさらに備え、前記収容管は、前記トップカバー内に固定されている。前記トップカバーは、前記固定ホルダに外嵌されており、前記固定ホルダの頂壁と前記トップカバーの頂壁との間には、隙間が形成されている。
【0017】
一実施形態では、前記トップカバーは、メインケーシングに取り外し可能に接続されている。
【0018】
一実施形態では、前記固定ホルダの外壁の底端は、前記メインケーシングの内壁に固定接続されており、前記トップカバーは、前記固定ホルダの外壁の上端に取り外し可能に外嵌されている。
【0019】
一実施形態では、前記固定ホルダは、同軸に配置された第1筒体及び第2筒体を備え、前記第1筒体は、前記第2筒体に外嵌されており、前記第1筒体と前記第2筒体との間には、第1キャビティ部が形成されており、前記第2筒体内には、第2キャビティ部が形成されており、前記コイルは、前記第1キャビティ部内に位置して、前記第2筒体に巻き付けられており、前記収容管は、前記第2キャビティ部内に位置している。
【0020】
本発明は、非導磁性支持柱と、前記非導磁性支持柱に外嵌された金属導磁管とを備える加熱体をさらに提供する。加熱体の外部には、磁気誘導コイルが設けられている。金属導磁管は、前記磁気誘導コイルによって生成された磁場でベーキング物を加熱するように構成されている。
【0021】
一実施形態では、加熱体は、回転体構造である挿入部を備え、前記挿入部は、中空管状の前記金属導磁管と、前記非導磁性支持柱とを備え、前記非導磁性支持柱の外径は、金属導磁管の内径に対応している。
【0022】
本発明の加熱体及び電磁加熱ベーキング装置は、挿入部の外部に磁気誘導コイルを設けることにより、コイルが通電されるときに挿入部との間で電磁誘導効果を発生させ、加熱体の昇温を引き起こす。また、本発明では、挿入部は、回転体構造として設計された形状を有し、ベーキング物の内部に挿入されてベーキング物を加熱することができる。タバコスティックなどのベーキング物の加熱、ベーキングが完了した後、ベーキング物を回転させることによりベーキング物を加熱体から分離することができ、このように、タバコの押出機構を設ける必要がないので、本発明の電磁加熱ベーキング装置は、加熱効率が高く、構造が簡単であり、使用に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下、本発明の上述した目的、特徴及び優位点をより明確にするために、添付図面に示す本発明の好ましい実施形態をさらに詳細に説明する。添付図面では、同じ符号で同じ部分を示し、図面作成時に意図的に実際のサイズどおりに拡大縮小されておらず、本発明の主旨を示すことに重点が置かれている。
図1図1は、本発明の1つの実施形態に係る電磁加熱ベーキング装置の構造概略図である。
図2図2は、本発明の1つの実施形態に係る電磁加熱ベーキング装置の概略構造分解図である。
図3図3は、本発明の1つの実施形態に係る電磁加熱ベーキング装置の縦断面図である。
図4図4は、図3におけるA部の拡大構造概略図である。
図5図5は、本発明の1つの実施形態に係る電磁加熱ベーキング装置における固定ホルダの縦断面図である。
図6図6は、本発明の1つの実施形態に係る電磁加熱ベーキング装置におけるトップカバーが収容管に接続した後の縦断面図である。
図7図7は、本発明の1つの実施形態に係る電磁加熱ベーキング装置における加熱体の構造概略図である。
図8図8は、本発明の1つの実施形態に係る電磁加熱ベーキング装置における加熱体の概略構造分解図である。
図9図9は、本発明の1つの実施形態に係る電磁加熱ベーキング装置における加熱体の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を容易に理解するために、添付図面を参照して本発明をより十分に説明する。添付図面では、本発明の好ましい実施形態が示されている。しかしながら、本発明は、本明細書に記載の実施形態に限定されず、多くの異なる形態で具現化することができる。むしろ、これらの実施形態は、本発明の開示をより徹底的かつ包括的にするように提供されている。
【0025】
なお、1つの素子が別の素子に「固定される」と言及される場合、その素子が別の素子に直接に位置してもよく、その素子と別の素子の間に介在素子が存在してもよい。1つの素子が別の素子に「接続される」と認められる場合、その素子が別の素子に直接に接続されてもよく、その素子がと別の素子の間に介在素子が存在してもよい。本明細書で使用される「垂直」、「水平」、「左」、「右」という用語及び類似の表現は、説明のためのものに過ぎず、唯一の実施形態を表すものではない。
【0026】
本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、別段の明記がない限り、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連する列挙された項目のうちの任意及び全ての組合せを含む。
【0027】
図1に示すように、一実施形態では、電磁加熱ベーキング装置の全体構造は、トップカバー100とメインケーシング200とを備える。トップカバー100は、開口が設けられ、中空である内部にベーキング物900が挿入される。電磁加熱ベーキング装置の分解構造は図2に示される。電磁加熱ベーキング装置の内部には、さらに、収容管110と、固定ホルダ300と、金属管400と、磁気誘導コイル500と、加熱体600と、回路基板700と、電源800とが設けられている。磁気誘導コイル500と電源800は、いずれも回路基板700に電気的に接続されている。
【0028】
図3~5を参照すると、図3は電磁加熱ベーキング装置の縦断面図を示し、図4図3におけるA部分の拡大構造を示し、図5は固定ホルダ300の縦断面図を示す。固定ホルダ300は、同軸に配置された第1筒体310及び第2筒体320を備える。第1筒体310は第2筒体320に外嵌されており、第1筒体310と第2筒体320とは頂部で接続されている。第1筒体310と第2筒体320との間には第1キャビティ部330が形成されている。金属管400及びコイル500が底部から第1キャビティ部330に挿入されることを容易にするために、第1キャビティ部330は、頂部が閉塞されるとともに底部が開放されている。コイル500は、第1キャビティ部330内に位置するとともに第2筒体320に巻き付けられており、金属管400は、第1キャビティ部330内に設けられるとともにコイル500に外嵌されている。1つの具体的な実施形態では、金属管400は鉄管であり、弾性締付力によって螺旋状のコイル500にしっかりと外嵌され、コイル500がパワーオンされた後に発生する電磁波の漏れを防止するように構成されている。なお、コイル500の外部に絶縁層が設けられているので、金属管400が螺旋状のコイル500にしっかりと外嵌される場合には、金属管400とコイル500の導通を引き起こさない。また、金属管400を設けることにより、コイル500の外部の絶縁層をスクラッチまたは損傷から保護するのに役立つ。
【0029】
また、図4及び図5に示すように、第2筒体320内には、第2キャビティ部340が形成されている。収容管110が頂部から第2キャビティ部340に挿入されることを容易にするために、第2キャビティ部340は、頂部が開放されている。具体的な実施形態では、収容管110はトップカバー100内に固定されているか、又は、収容管110はトップカバー100と一体に成形されている。図6は、収容管110がトップカバー100内に固定されたときの縦断面図を示す。また、コイル500が第2筒体320の外に巻き付けられるので、コイル500によって囲まれてなる収容キャビティは、第2筒体320における第2キャビティ部340となる。収容管110は、第2キャビティ部340内に位置して、ベーキング物900及び加熱体600の挿入部660を収容するように構成されている。
【0030】
図7及び図9に示すように、加熱体600は、挿入部660と取付部630とを備える。挿入部660は、回転体構造であり、収容管110内に位置している。挿入部660は、頂部610と本体部620とを備え、取付部630及び頂部610は、それぞれ、加熱体600の対向した両端に位置しており、本体部620は、頂部610と取付部630との間に位置している。挿入部660がベーキング物900の内部に挿入されることを容易にために、頂部610の外径は、本体部620から離れる方向に次第に縮径する。
【0031】
また、図9に示すように、電磁加熱ベーキング装置は、取付座640をさらに備える。取付座640は、加熱体600の取付部630に外嵌され、加熱体600を固定ホルダ300内に取り付けるように構成されている。図5に示すように、固定ホルダ300の第2筒体320の底端には、同軸であり且つ第2筒体第2筒体320の直径よりも小さい直径を有する筒部350が形成されている。第2筒体320と筒部350との間における底板360には、第1開口370が設けられている。図6に示すように、筒部350と収容管110の連通を容易にするために、収容管110の底部には、第1開口370の位置に対応して第2開口111が設けられている。図4に示すように、筒部350は、加熱体600の取付部630及び取付座640を取り付けるように構成されている。加熱体600の挿入部660は、筒部350を貫通して収容管110に挿設され、頂部610が鋭い円錐状をなしている。タバコスティックなどのベーキング物900が収容管110に挿入されと、挿入部660が鋭い頂部610でベーキング物900の内部に容易に挿入され、さらに、ベーキング物900の加熱を容易にする。また、加熱体600の挿入部660が回転体構造であるので、タバコスティックなどのベーキング物900の加熱、ベーキングが完了した後にベーキング物900を回転させることにより、ベーキング物900を加熱体600から分離することができ、タバコの押出機構を設ける必要がない。
【0032】
図7~9を参照すると、挿入部660は、中空管状の金属導磁管621と非導磁性支持柱622とを備える。非導磁性支持柱622の外径は、金属導磁管621の内径に対応している。金属導磁管621は、非導磁性支持柱622に外嵌されている。コイル500が通電された後に収容管110の内部に交番磁界を発生させ、金属導磁管621が交互に変化する磁力線を切断することにより渦電流を発生させる。金属導磁管621内の電子は、渦電流によって高速でランダム運動をするとともに互いに衝突、摩擦をして熱エネルギーを生成することで、加熱の役割を果たす。具体的な実施形態では、コイル500における電流の強度及び通電時間を制御することにより加熱体600の加熱温度を制御することができる。また、1つの具体的な実施形態では、非導磁性支持柱は、セラミック支持柱、ガラス支持柱、又は耐高温プラスチック支持柱であってもよい。非導磁性支持柱がセラミック支持柱である場合、セラミック支持柱を焼結する前に金属導磁管621をセラミック支持柱に外嵌した後、金属導磁管621をセラミック支持柱と共に焼結成形することにより、金属導磁管621とセラミック支持柱との間の結合力を向上することができる。また、セラミック支持柱は、放熱が遅く、金属導磁管621で発生する熱を十分に利用でき、成形容易性及び高強度の特徴も持つ。
【0033】
1つの具体的な実施形態では、図7~9に示すように、加熱体600の頂部610と本体部620と取付部630とは、一体に成形されたセラミック支持柱構造である。ここで、頂部610及び本体部620は、いずれも回転体構造である。より具体的に、頂部610が円錐体構造であり、本体部620が円柱体構造であり、頂部610における本体部620に接近した端部の直径が本体部620の直径と一致する一方、取付部630が非回転体構造である。他の実施形態では、本体部620及び取付部630が異なる直径を有する円柱体構造であり、頂部610が円錐体構造であってもよいし、本体部620及び取付部630が同径の円柱体構造であり、頂部610が尖塔構造であり、頂部610における本体部620に接近した端部の直径が本体部620の直径と一致してもよいことが理解され得る。
【0034】
また、図4に示すように、トップカバー100は、固定ホルダ300に外嵌されている。トップカバー100の過熱を防止するために、固定ホルダ300の頂壁とトップカバー100の頂壁との間には、断熱のための隙間が形成されている。トップカバー100は、メインケーシング200の外径と同じ外径を有し、メインケーシング200に当接している。固定ホルダ300の第1筒体310の外壁の底端は、メインケーシング200の内壁に固定接続されている。トップカバー100は、固定ホルダ300の第1筒体310の外壁の上端に取り外し可能に外嵌されている。取り外し可能な形が限定されず、具体的な実施形態では、トップカバー100は、上下摺動構造、スナップフィット構造又はねじ山構造で固定ホルダ300の第1筒体310の外壁の上端に取り外し可能に外嵌されてもよい。他の実施形態では、トップカバー100は、メインケーシング200に外嵌されてもよいし、メインケーシング200の内部に挿設されてもよく、上下摺動構造、スナップフィット構造又はねじ山構造などの取り外し可能な手段でメインケーシング200に接続されている。トップカバー100の取り外し可能な構造により、トップカバー100の内部における収容管110の洗浄に便利である。
【0035】
さらに、タバコスティックなどのベーキング物900が収容管110に挿入されると、加熱体600に下向きの力を加えるので、加熱体600が固定ホルダ300から外れることを防止するために、取付座640の外壁は、固定ホルダ300の筒部350の内壁に固定接続又は取り外し可能に接続されている。固定接続の形が限定されず、具体的な実施形態では、取付座640の外壁と固定ホルダ300の筒部350の内壁とは、接着剤によって固定接続されてもよいし、締り嵌めで固定接続されてもよい。取り外し可能な形が限定されず、具体的な実施形態では、取付座640の外壁と固定ホルダ300の筒部350の内壁とは、スナップフィット手段又はねじ山手段によって接続されている。
【0036】
本発明の電磁加熱ベーキング装置では、加熱体600が交互に変化する磁力線を切断することにより熱を発生し、加熱体600に加熱回路が設けられていない。従来の電気抵抗式の加熱の加熱体と比較して、本発明の電磁加熱ベーキング装置における加熱体600は、より簡単な構造、より長い耐用年数を有し、頻繁に交換する必要がない。そこで、取付座640の外壁と固定ホルダ300の筒部350の内壁とを固定接続することにより、加熱体600と固定ホルダ300とを固定接続することができ、タバコスティックなどのベーキング物900が収容管110挿入されるときに加熱体600が固定ホルダ300から外れることを防止できる。いくつかの実施形態では、取付座640の外壁と固定ホルダ300の筒部350の内壁とは取り外し可能に接続されてもよいことが理解され得る。このように、加熱体600と固定ホルダ300を取り外し可能に接続することにより、加熱体600が固定ホルダ300から外れることを防止できるだけでなく、加熱体600の交換にも便利である。
【0037】
図9に示すように、金属導磁管621と取付座640とは、間隔を置いて形成されており、このように、効果的に断熱することができ、すなわち、熱が電子部品に近接した取付座640に伝達されることを防止でき、ひいては、熱が電子部品に伝達されることを回避できる。また、図4及び図9に示すように、加熱体600の取付部630と固定ホルダ300との間には、シリコンゴム部650が設けられている。シリコンゴム部650が200℃以上の高温に耐えるので、シリコンゴム部650を設けることにより、加熱体600と固定ホルダ300との間の接続をより安定かつ信頼的にすることができ、タバコスティックなどのベーキング物900が加熱された後に形成される液体はベーキング装置の内部まで流下することを防止できる。
【0038】
一実施形態では、電磁加熱ベーキング装置の組み立てプロセスは以下の通りである。まず、金属管400をコイル500に外嵌した後、金属管400及びコイル500を固定ホルダ300の底端から固定ホルダ300の第1キャビティ部330に挿設し、加熱体600を固定ホルダ300の底端の筒部350を貫通して固定ホルダ300における第2キャビティ部340に挿設して取り付ける。次に、コイル500に電気的に接続された回路基板700及び電源800をメインケーシング200内に設けて、固定ホルダ300の第1筒体310の外壁の底端をスナップフィットなどの接続手段でメインケーシング200の内壁に固定接続する。最後に、トップカバー100を固定ホルダ300の第1筒体310の外壁の上端に取り外し可能に外嵌するとともに、トップカバーの底面をメインケーシングの上端面に対向して接続すると同時に、トップカバー100における収容管110を固定ホルダ300の第2キャビティ部340に挿設し(トップカバーと収容管とはスナップフィットによって接続され得る)、加熱体600の挿入部660を収容管110内に位置させる。タバコスティックなどのベーキング物900が収容管110に挿入されると、加熱体600の挿入部660がベーキング物の内部に挿入することができ、さらに、ベーキング物900の加熱に便利である。他の実施形態では、収容管とトップカバーとは、一体に成形されてもよい。
【0039】
図4に示す実施形態では、ベーキング物900はタバコスティックであり、上から下に順番に、フィルター910、ファイバーチューブ920、支持管930、及びタバコ葉部940を備え、タバコ葉部940はシワ付きのタバコ葉の束を含む。タバコスティックが収容管110に挿入されると、加熱体600がタバコ葉部940の内部に挿入され、さらに、タバコ葉部940を加熱することができる。中空の支持管930は、タバコ葉部940とファイバーチューブ920とを離間させるためのものであり、加熱体600がタバコ葉部940に挿入されるときにタバコ葉部940がファイバーチューブ920に向かって押し付けられることを防止できる。ファイバーチューブ920は、長手方向に延びる複数のチャネルを有する。フィルター910は、酢酸セルロースで形成された従来のフィルター910である。
【0040】
本発明の加熱体及び電磁加熱ベーキング装置は、挿入部660の外部に磁気誘導コイル500を設けることにより、コイル500が通電されるときに挿入部660との間で電磁誘導効果を発生させ、加熱体600の昇温を引き起こす。また、本発明では、挿入部660は、回転体構造として設計された形状を有し、ベーキング物の内部に挿入されてベーキング物900を加熱することができる。タバコスティックなどのベーキング物900の加熱、ベーキングが完了した後、ベーキング物900を回転させることによりベーキング物900を加熱体600から分離することができ、このように、タバコの押出機構を設ける必要がないので、本発明の電磁加熱ベーキング装置は、加熱効率が高く、構造が簡単であり、使用に便利である。
【0041】
上述した実施形態の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができる。説明を簡潔にするために、上記の実施形態における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせが説明されていない。しかしながら、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、それは本明細書の範囲にあるものとみなされるべきである。
【0042】
上述した実施形態は、本発明のいくつかの実施形態を示すものであり、その説明が詳細で具体的であるが、本発明の特許請求の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。なお、本発明の思想を逸脱しない範囲において、当業者が、複数の変形及び改良をしても、本発明の保護範囲に属するものである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に基づくものである。
図1
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図9