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特許7455992ワイパーアームおよびワイパーアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】ワイパーアームおよびワイパーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/46 20060101AFI20240318BHJP
   B60S 1/34 20060101ALI20240318BHJP
   B60S 1/52 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
B60S1/46 C
B60S1/34 270
B60S1/52
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022556023
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2021056277
(87)【国際公開番号】W WO2021185678
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】202010184724.1
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】ハオイー、ホン
(72)【発明者】
【氏名】チンロン、プー
(72)【発明者】
【氏名】シュイ、チョン
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-206118(JP,A)
【文献】特開2015-217842(JP,A)
【文献】特開2016-088308(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03002166(EP,A1)
【文献】国際公開第2019/238223(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/02- 1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパーアーム(1;1’)であって、
一端部(10A)において前記ワイパーアームのための駆動機構の出力部に連結されたワイパーアームホルダ(10)であり、前記駆動機構が前記ワイパーアーム(1;1’)を戻り方向(Z)と外向き揺動方向(B)とに往復的に揺動させるようにして駆動するように構成されている、ワイパーアームホルダ(10)と、
前記ワイパーアームホルダ(10)の他端部(10B)に枢動可能に連結された延長アーム(20)と、
前記ワイパーアーム(1;1’)の、前記ワイパーアームホルダ(10)とは反対の側に位置するワイパーアーム端部部材(40;40’)であり、ワイパーブレード(60)を保持するように構成された、ワイパーアーム端部部材(40;40’)と、
フロントガラス(G)に洗浄流体をスプレーするように構成されたウォッシャーアセンブリ(2)であり、少なくとも第1ノズル(50;50’)と、前記第1ノズルと流体連通した第1導管(71A)と、を含み、前記第1ノズル(50;50’)が前記ワイパーブレード(60)の外向き揺動側に前記洗浄流体をスプレーし、前記第1導管は前記ワイパーアーム(1;1’)の長手延在方向に向けられている、ウォッシャーアセンブリ(2)と、
を備え、
前記第1ノズル(50;50’)は、少なくとも1つのノズルユニットと、前記第1導管のための第1コネクタ(54;54’)と、それらの間に位置したブリッジチャネル(52;52’)と、を含み、前記ブリッジチャネルは、前記ワイパーブレード(60)の上方に位置しているとともに、前記ワイパーアーム端部部材(40;40’)の、同じく前記ワイパーブレード(60)の上方に位置したセグメントと、少なくとも部分的に並び、
前記第1ノズル(50;50’)には、車両の走行時に空気の通過を可能とするための少なくとも1つの貫通部(57)が設けられていることを特徴とする、ワイパーアーム(1;1’)。
【請求項2】
前記ブリッジチャネル(52;52’)は、前記ワイパーアーム端部部材(40;40’)の前記長手延在方向に対して所定角度とされている、特に、前記ワイパーアーム端部部材(40;40’)の前記長手延在方向に対して垂直とされている、ことを特徴とする、請求項1に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項3】
前記第1ノズル(50;50’)は、前記第1ノズル(50;50’)が前記ワイパーアーム端部部材(40;40’)と係合する係合セグメント(53、53’)を有していることを特徴とする、請求項に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項4】
前記第1ノズル(50;50’)は、曲がった形状であるとともに、第1曲げセグメント(51)と第2曲げセグメント(55)とを有しており、前記第1曲げセグメント(51)には前記係合セグメントおよび前記ブリッジチャネル(52)が設けられており、前記ノズルユニットは前記第2曲げセグメント(55)に設けられていることを特徴とする、請求項に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項5】
前記係合セグメントは、前記ワイパーアーム端部部材の壁部分を収容する係合開口(53A)を有していることを特徴とする、請求項に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項6】
前記ブリッジチャネル(52)は、前記ワイパーアームホルダ(10)と対面する側に位置していることを特徴とする、請求項1に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項7】
前記ワイパーアーム端部部材(40;40’)は、係合ポート(44’)を有しており、前記係合セグメントは、2つの側面に切欠(53A’)を有しており、前記ワイパーアーム端部部材(40;40’)の、前記係合ポートを構成するエッジ(44A’)は、前記切欠内に収容されることを特徴とする、請求項に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項8】
前記ブリッジチャネルは、前記係合セグメントの前記切欠(53A’)の間に設けられていることを特徴とする、請求項に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項9】
前記第1ノズル(50;50’)は、前記ワイパーブレードの一端部に向けて流体をスプレーする第1ノズルユニット(56A)と、前記ワイパーブレードの反対の他端部に向けて流体をスプレーする第2ノズルユニット(56C)と、前記フロントガラス(G)に向けて流体をスプレーする第3ノズルユニット(56B)と、を有していることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項10】
前記第1ノズル(50;50’)の対応するノズルユニットの流体スプレー方向は、調整可能であることを特徴とする、請求項に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項11】
前記ウォッシャーアセンブリ(2)は、第2ノズル(80)および前記第2ノズルと流体連通した第2導管(71B)を有して前記ワイパーブレード(60)の戻り側に洗浄流体をスプレーし、前記第2ノズル(80)は、前記延長アーム(20)に取り付けられていることを特徴とする、請求項に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項12】
前記延長アーム(20)は、U字形状断面を有したセグメントを含み、前記第2ノズル(80)は、前記延長アーム(20)の前記U字形状セグメントの側壁(21B)に取り付けられていることを特徴とする、請求項11に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項13】
前記第2ノズル(80)は、前記第1導管(71A)のための支持アーム(83)を有していることを特徴とする、請求項12に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項14】
前記第2ノズル(80)は、前記ワイパーブレードの一端部に向けて流体をスプレーする第4ノズルユニット(81A)と、前記ワイパーブレードの反対の他端部に向けて流体をスプレーする第5ノズルユニット(81C)と、前記フロントガラス(G)に向けて流体をスプレーする第6ノズルユニット(81B)と、を含むことを特徴とする、請求項12に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項15】
前記第2ノズル(80)の対応するノズルユニットの流体スプレー方向は、調整可能であることを特徴とする、請求項14に記載のワイパーアーム(1;1’)。
【請求項16】
ワイパーブレード(60)と、請求項1~15のいずれか一項に記載のワイパーアーム(1;1’)と、を備えることを特徴とするワイパーアセンブリ(S、S’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車用に使用されるワイパーアームおよびワイパーアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイパーアセンブリは、輸送手段において重要な役割を果たすものであり、運転者の視線に影響するフロントガラス上の雨水または他の汚れを清掃するために使用されることで、運転の安全性を確保する。
【0003】
従来のワイパーアセンブリでは、レインワイパーシステムは、ウォッシャーシステムから分離されている。ウォッシャーシステムは、フロントフードの下に隠されている。フロントガラスを洗浄することが必要とされた時には、ウォッシャーシステムが、フロントガラスの表面上へと洗浄液をスプレーし、その後、レインワイパーシステムが、動作を開始する。この場合、洗浄液のスプレー後、短時間にわたって運転者の死角を形成し得ることのために、運転の安全性を脅かす可能性がある。加えて、洗浄液を全面上へとスプレーするため、洗浄液を無用に多く使ってしまうこととなる。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の目的は、コンパクトな構造で上記課題を少なくとも部分的に解決し得るワイパーアームを提案することである。
【0005】
本発明の第1態様によれば、一端部においてワイパーアームのための駆動機構の出力部に連結されたワイパーアームホルダであり、駆動機構がワイパーアームを戻り方向と外向き揺動方向とに往復的に揺動させるようにして駆動するワイパーアームホルダと、ワイパーアームホルダの他端部に枢動可能に連結された延長アームと、ワイパーアームの、ワイパーアームホルダとは反対の側に位置するワイパーアーム端部部材であり、ワイパーブレードを保持するように構成されたワイパーアーム端部部材と、フロントガラスに対して洗浄流体をスプレーするように構成されたウォッシャーアセンブリであり、少なくとも第1ノズルと、第1ノズルと流体連通(流体が通じるように接続)した第1導管と、を含み、第1ノズルがワイパーブレードの外向き揺動側に洗浄流体をスプレーし、第1導管がワイパーアームの長手延在方向に向けられている、ウォッシャーアセンブリと、を含むワイパーアームが提案され、この場合、第1ノズルは、少なくとも1つのノズルユニットと、第1導管のための第1コネクタと、それらの間に位置したブリッジチャネルと、を含み、ブリッジチャネルは、ワイパーブレードの上方に位置しているとともに、ワイパーアーム端部部材の、同じくワイパーブレードの上方に位置したセグメントと、少なくとも部分的に並んでいる。
【0006】
「並んでいる」とは、以下の通り、ワイパーアームの延在方向から見たときに、ブリッジチャネルの投影が、ワイパーアーム端部部材の関連セグメントの投影と部分的に重なっていることとして、理解されるべきである。特に、取り付けられた状態のワイパーアームにおいて、ブリッジチャネルは、ワイパーアーム端部部材のワイパーブレードと対面する側の下方では、ワイパーアーム端部部材とワイパーブレードとの間に配置されていない。これにより、ワイパーアームの高さ寸法を小さくすることができる、あるいは、関連部材の構造を再設計する必要がない。したがって、ワイパーアームは、コンパクトな構造を有しており、コスト的に有利である。
【0007】
本発明の有利な実施形態によれば、ブリッジチャネルは、ワイパーアーム端部部材の長手延在方向に対して所定角度とされている、特に、ワイパーアーム端部部材の長手延在方向に対して垂直とされている。
【0008】
本発明の有利な実施形態によれば、第1ノズルは、第1ノズルがワイパーアーム端部部材と係合する係合セグメントを有している。
【0009】
本発明の有利な実施形態によれば、第1ノズルは、曲がった形状であるとともに、第1曲げセグメントと第2曲げセグメントとを有しており、第1曲げセグメントには係合セグメントおよびブリッジチャネルが設けられており、ノズルユニットは第2曲げセグメントに設けられている。
【0010】
本発明の有利な実施形態によれば、係合セグメントは、ワイパーアーム端部部材の壁部分を収容する係合開口を有している。
【0011】
本発明の有利な実施形態によれば、ブリッジチャネルは、ワイパーアームホルダと対面する側に位置している。
【0012】
本発明の有利な実施形態によれば、第1ノズルには、車両の走行時に空気の通過を可能とするための少なくとも1つの貫通部が設けられている。
【0013】
本発明の有利な実施形態によれば、ワイパーアーム端部部材は、係合ポートを有しており、係合セグメントは、2つの側面に切欠を有しており、ワイパーアーム端部部材の、係合ポートを構成するエッジは、切欠内に収容される。
【0014】
本発明の有利な実施形態によれば、ブリッジチャネルは、係合セグメントの切欠の間に設けられている。
【0015】
本発明の有利な実施形態によれば、第1ノズルは、ワイパーブレードの一端部に向けて流体をスプレーする第1ノズルユニットと、ワイパーブレードの反対の他端部に向けて流体をスプレーする第2ノズルユニットと、フロントガラスに向けて流体をスプレーする第3ノズルユニットと、を有している。
【0016】
本発明の有利な実施形態によれば、第1ノズルの対応するノズルユニットの流体スプレー方向は、調整可能である。
【0017】
本発明の有利な実施形態によれば、ウォッシャーアセンブリは、第2ノズルおよび第2ノズルと流体連通した第2導管を有してワイパーブレードの戻り側へと洗浄流体をスプレーし、第2ノズルは、延長アームに取り付けられている。
【0018】
本発明の有利な実施形態によれば、延長アームは、U字形状断面を有したセグメントを含み、第2ノズルは、延長アームのU字形状セグメントの側壁に取り付けられている。
【0019】
本発明の有利な実施形態によれば、第2ノズルは、第1導管のための支持アームを有している。
【0020】
本発明の有利な実施形態によれば、第2ノズルは、ワイパーブレードの一端部に向けて流体をスプレーする第4ノズルユニットと、ワイパーブレードの反対の他端部に向けて流体をスプレーする第5ノズルユニットと、フロントガラスに向けて流体をスプレーする第6ノズルユニットと、を含む。
【0021】
本発明の有利な実施形態によれば、第2ノズルの対応するノズルユニットの流体スプレー方向は、調整可能である。
【0022】
本発明の別の態様によれば、ワイパーブレードと、上述したワイパーアームと、を備えるワイパーアセンブリが提案される。
【0023】
本発明について、図面を参照しつつ、以下において、より詳細に説明する。図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明によるワイパーアセンブリの第1実施形態に関する斜視図を概略的に示している。
図2図2は、フロントガラスにおけるワイパーアセンブリの揺動を概略的に示している。
図3図3は、図1のワイパーアセンブリに関する別の斜視図である。
図4図4は、図1のワイパーアセンブリにおけるワイパーアームの底面図を示している。
図5図5は、図4のワイパーアームにおける、ワイパーアームホルダと延長アームとの間の連結を示している。
図6図6は、図4のワイパーアームにおける前端部分を示す図であって、ウォッシャーアセンブリの第1ノズルおよび第2ノズルを示しており、第2ノズルは、取り付けられるべき状態にある。
図7図7は、図4のワイパーアームにおける前端部分を示す図であって、ウォッシャーアセンブリに関して、取り付けられた第1ノズルおよび第2ノズルを示している。
図8図8は、図4のワイパーアームにおける前端部分を示す図であって、ウォッシャーアセンブリの第1ノズルおよび第2ノズルを示しており、第1ノズルは、取り付けられるべき状態にある。
図9図9は、図4のワイパーアームにおける前端部分の平面図を概略的に示している。
図10図10は、第1ノズルの斜視図を概略的に示している。
図11図11は、図4のワイパーアームの、線E-Eに沿った断面図を示している。
図12図12は、図4のワイパーアームの、線F-Fに沿った断面図を示している。
図13図13は、本発明によるワイパーアセンブリの第2実施形態に関する斜視図を概略的に示している。
図14図14は、図13のワイパーアセンブリにおけるワイパーアームのブレード連結側部分に関する分解図を示している。
図15図15は、図13のワイパーアセンブリの、線G-Gに沿った断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下においては、本発明の実施形態について、例示的に説明する。当業者であれば理解されるように、説明する実施形態は、本発明の概念から逸脱することなく、様々な態様で修正され得る。よって、添付図面および明細書は、本質的に、例示的でありかつ非限定的なものである。以下の説明では、同一の参照符号は、一般に、機能的に同一のまたは機能的に同様の構成要素を示している。
【0026】
図1は、固定端から見た時の、本発明の第1実施形態によるワイパーアセンブリSの図を概略的に示している。固定端は、例えばモータなどのワイパーアセンブリ用駆動機構の駆動部(例えば、出力軸など)に連結されている。ワイパーアセンブリSは、ワイパーアーム1と、ワイパーブレード60と、を含み、両者は、長手方向に延びる長尺形状を有しているとともに、フロントガラスGを拭き取るための公知の態様で、互いに着脱可能に連結されている。
【0027】
図1におけるワイパーアセンブリSの動作については、図2を参照することができる。図2は、2つのワイパーアセンブリSが、フロントガラスGのところで、車両の横方向に並んで配置されていることを、例示的に図示している。フロントガラスGのところに配置されるワイパーアセンブリSの数が、拭き取り対象をなすフロントガラスGのサイズに応じて増加または減少し得ることに、留意されたい。各ワイパーアセンブリSは、フロントガラスG上で、外向き揺動方向Bと戻り方向Zとに往復して揺動でき、これにより、戻り限界位置Iと外向き揺動限界位置IIとに位置し、よって、各ワイパーアセンブリSは、両限界位置の間の拭き取り領域A1、A2をそれぞれ拭き取ることができる。このことから、複数のワイパーアセンブリが配置されている場合には、対応する拭き取り領域どうしの間に、重なる領域が存在し得ることを、理解することができる。当然のことながら、ワイパーアセンブリSの元々の位置は、すなわち、駆動前に位置していた位置は、また、戻り限界位置よりも下方であってもよく、これにより、車両の前方から見た時には、ワイパーアセンブリは、車両のエンジンフードによって覆われることとなり、車両の走行時であってワイパーアセンブリが動作する必要がない場合に、ワイパーアセンブリに作用する風の抵抗が、容易に低減される。
【0028】
説明を簡略化するために、ワイパーアセンブリSの、フロントガラスGに面する側を、下側Dと称し、フロントガラスGから離間する側を、上側Uと称し、戻り限界位置に面する側を、戻り側Rと称し、外向き揺動限界位置IIに面する側を、外向き揺動側Oと称する。これは、図1に示されている。
【0029】
ワイパーアーム1は、上記の固定端をなす一端部10Aにおいて、ワイパーアームのための、例えばモータとされた駆動機構の、または少なくともモータを含む駆動機構の、出力部に連結されたワイパーアームホルダ10と、ワイパーアームホルダ10の他端部10Bに枢動可能に連結されているとともにワイパーアームの長手方向中間部分を形成する延長アーム20と、ワイパーアーム1の、ワイパーアームホルダ10とは反対の側に位置しているとともに、ワイパーブレード60を保持するために使用される、ワイパーアーム端部部材40と、を含む。加えて、ワイパーアーム1には、さらに、フロントガラスGに洗浄流体をスプレー(噴霧)するためのウォッシャーアセンブリ2が設けられている。ウォッシャーアセンブリは、ノズルアセンブリと、洗浄流体を案内するための導管ユニット70であるとともに、ワイパーアーム1の長手延在方向に向けられている導管ユニット70と、を含む。以下においては、ワイパーアームの特定の構造について、さらに説明する。
【0030】
ワイパーアームホルダ10は、一般に、アルミニウムまたはアルミニウム合金から、ダイカストされる。ワイパーアームホルダ10の固定側の端部10Aは、図示していない駆動機構の軸を通す円筒穴11を有しており、円筒穴11内には、駆動機構の出力部としての軸が、相対回転不可能に固定されている。このようにして、駆動機構は、軸を介してワイパーアームに対して駆動動作を伝達し、これにより、ワイパーアームは、上記2つの限界位置どうしの間で、往復して揺動することができる。
【0031】
図1および図3図5から理解されるように、ワイパーアームホルダ10は、端部10Aとは反対側の他端部10Bにおいて、ピボット16を介して延長アーム20に連結されている。ピボット16は、ワイパーアームホルダ10および延長アーム20を、ワイパーアームの長手延在方向に対して直交した方向に、貫通している。
【0032】
ワイパーアームホルダ10には、ウォッシャーアセンブリ2の導管ユニット70のためのチャネル12が、さらに設けられている。チャネルは、長手方向に延びていると考えることもできる、すなわち、導管ユニット70を延長アーム20内へと導入し得るよう、端部10Aに面する一端部から、他端部10Bへと、さらには延長アーム20へと、延びていると考えることができる。
【0033】
図示の例では、チャネル12の端部10Aに面する端部は、ワイパーアームホルダ10の上側に位置しており、ワイパーアームホルダ10の他端部は、ワイパーアームホルダ10の下側に位置している(図1および図4を参照されたい)。このため、導管ユニット70は、下側から延長アーム20内へと導入されている。また、チャネル12が、ワイパーアームホルダ10の戻り側Rに面する側に設けられていることが、図示されている。
【0034】
導管ユニットを延長アームに案内し得る限りにおいて、チャネルが、他の適切な態様でもワイパーアームホルダ内に配置され得ることに、留意されたい。
【0035】
カバー13は、ワイパーアームホルダ10の上側に配置されている。例えば、カバー13の一端部は、ワイパーアームホルダと延長アームとの枢動部分において回転可能に配置されており、カバーの側壁には、リブ14と、制限用フック15と、が設けられている。図1に示すカバー13の状態では、カバー13をワイパーアームホルダ10に対して固定するためには、カバーを押し下げるだけでよい。したがって、ワイパーアームホルダおよび導管ユニット70は、カバー13によって覆われる。必要であれば、円筒穴11内の出力軸体を覆うために、カバー13を、円筒穴11の上方まで延ばしてもよい。
【0036】
延長アーム20は、また、長尺部材と考えることができ、例えば、シート状金属部材である。延長アーム20は、実質的にその長手方向延在長さの全体にわたって、U字形状断面を有しており、U字形状の開口は、下側Dに面している。この目的のため、延長アーム20は、上壁部分21Aと、上壁部分の両側に位置した側壁21B、21Cと、を有してもよい。2つの側壁は、それぞれ、頂壁部分21Aの縁部から、フロントガラスGに面する側に向けて、延びている。上壁部分21Aの形状は、車両の走行時に延長アームに対して作用する風の負荷を低減するために、空気力学に基づいて設計されるべきである。
【0037】
延長アーム20の開放された側には、少なくとも一部分に、底面カバー30が設けられてもよい。
【0038】
ワイパーアームホルダ10と延長アーム20との連結部分のところでは、ワイパーアームホルダ10の他端部10Bは、延長アーム20の側壁21B、21Cの内壁どうしの間に位置している。ワイパーアームホルダ10と延長アーム20とを連結する、上記ピボット16の両端部は、側壁21B、21Cの外壁によって押圧されてもよく、これにより、ピボット16の両端部の外径は、延長アームの側壁に設けられた図示していない通し穴の内径よりも大きなものとされ、よって、延長アーム20に対しての、ワイパーアームホルダ10の回転を、実現することができる。
【0039】
ワイパーブレード60のゴムストリップ63がフロントガラスに当接するように、延長アーム20に予荷重を印加することで延長アーム20をフロントガラスに向けて付勢するため、スプリング部材23が、延長アーム20内に配置されている。スプリング部材23の第1端部23Aは、延長アームにおいて保持されており、あるいは、延長アームに対して固定的に連結された部材のところで保持されており、他方、スプリング部材23の第2端部23Bは、ワイパーアームホルダに連結されており、よって、スプリング部材23が取り付けられた状態では、スプリング部材23は、元々の状態と比較して引き延ばされており、これにより、予荷重が印加される。この目的のため、例えば、延長アーム20における一方の側壁21Bの縁部には、他方の側壁21Cに向けて突出したタブ22Aが設けられている。タブは、スプリング部材23の第1端部23Aが引っ掛けられる開口22Bを有している。ワイパーアームホルダ10の、延長アーム20における側壁21B、21Cの内壁どうしの間に位置した部分10Bには、ペグ17が配置されており、このペグ上へと、C字形状部材24を介して、スプリング部材23の第2端部23Bが引っ掛けられている。
【0040】
ペグ17は、別個に準備された後に、部分10Bに取り付けられてもよい。これに代えて、ペグ17は、また、部分10Bにおいて、一体的に形成されてもよい。C字形状部材24の開放された側は、延長アーム20の上壁部分21Aと対面している。
【0041】
スプリング部材23が取り付けられた状態では、ワイパーアームホルダ10の部分10Bは、スプリング部材の作用に基づき、その側面が延長アーム20の上壁部分21Aに面する状態で、延長アーム20に当接する。この部分10Bは、ワイパーアームホルダ10の幅方向において、第1部分10B1と、第2部分10B2と、に分割されてもよく、その場合、第1部分10B1の前端は、U字形状とされ、これにより、延長アームがピボット16を中心として図5の図示へと回転した時には、すなわち、回転方向が図5の図示の内部へと向いている時には、ワイパーを交換するためにフロントガラスから離れる向きに延長アームを回転させた際に、C字形状部材24は、第1部分10B1の前端に接触することが防止される。言い換えれば、設けられたスプリング部材は、ワイパーアームホルダ10および延長アーム20の、所定方向への相対移動を、妨げてはならない。第2部分10B2は、導管ユニット70のためのチャネル12の一部を形成する、すなわち、導管ユニット70は、この第2部分10B2と一緒に延長アームへと進入する。
【0042】
導管ユニット70は、延長アーム20の上壁部分と両側壁とによって形成された内部空間内において、延長アーム20内に収容される。延長アーム20から導管ユニットが脱落してしまうことを防止するために、側壁21B、21Cのエッジにも、内部空間に向けて突出した支持シート22Aを設けてもよく、支持シートの配置位置および数は、必要に応じて構成されてもよい。
【0043】
延長アーム20は、その他端部25Aにおいて、ワイパーアーム端部部材40に固定的に連結されている。例えば、延長アーム20は、端部25Aにおいて、ワイパーアーム端部部材40の固定セグメント41を、少なくとも部分的に取り囲んでおり、これについては、図6および図7を参照されたい。以下においては、ワイパーアーム端部部材40について、さらに説明する。
【0044】
加えて、特に図4から明確に理解されるように、特に延長アーム20に関して、スプリング部材23は、延長アーム20のワイパーアームホルダ10に面する側におけるいくつかの部分を占有しており、延長アーム20は、その全長にわたって、徐々に狭まる幅を有している。
【0045】
ワイパーアーム端部部材40は、また、シート状金属部材であってもよい。ワイパーアーム端部部材40は、延長アーム20に連結された固定セグメント41と、中間セグメント42と、取付セグメント43と、を有している。取付セグメントは、ワイパーブレード60を取り付けるために使用される。
【0046】
図示の例では、取付セグメント43は、U字形状フックの形態とされている。しかしながら、取付セグメント43は、また、J字形状フック、N字形状フック、E字形状フック、バヨネット型(bayonet-type)チャック、内部ロックチャック、側面ロックチャック、等を含むがこれらに限定されない他の形態を有してもよい。ワイパーブレードの対応する連結部分は、対応する取付セグメントに一致した構造を有している。
【0047】
ワイパーアーム端部部材40は、また、全体的には長手方向に延びているものの、固定セグメント41と取付セグメント43とは、長手方向に直交した方向に位置をずらして配置されており、その位置ずれセグメントが、中間セグメント42を形成している。したがって、ワイパーアーム端部部材40は、クランク形状の長尺部材であると考えることができる。
【0048】
ワイパーアームのウォッシャーアセンブリ2におけるノズルアセンブリのノズルは、延長アーム20に、および/またはワイパーアーム端部部材40に、取り付けられてもよい。図示の例では、延長アーム20に、およびワイパーアーム端部部材40に、それぞれ取り付けられた2つのノズルが図示されており、これらノズルは、ワイパーブレードが外向き揺動方向Bおよび戻り方向Zに揺動するする際に、ワイパーブレードの戻り側および外向き揺動側に向けてフロントガラスへと、例えばフロントガラス洗浄流体などの洗浄流体をスプレーするために使用される。
【0049】
ワイパーアーム端部部材40に取り付けられた第1ノズル50は、図8図10に図示されている。図8は、第1ノズル50を取り外した状態を示しており、図9は、第1ノズル50を取り付けた状態を示している。図10は、第1ノズル50単体の斜視図を示している。
【0050】
第1ノズル50は、ワイパーアーム端部部材40の外向き揺動側に配置されている。第1ノズル50は、少なくとも1つのノズルユニットと、第1導管71Aの端部73Aに対する第1コネクタ54と、それらの間に位置したブリッジチャネル52と、を含む。
【0051】
第1ノズル50は、曲がった形状であって、第1曲げセグメント51と、第2曲げセグメント55と、を有しており、ブリッジチャネル52が、第1曲げセグメント51に設けられているとともに、ノズルユニットが、第2曲げセグメント55に設けられている。
【0052】
ワイパーアーム端部部材40に第1ノズル50を取り付けるために、第1ノズル50は、係合開口53Aを有した係合セグメント53を有している。係合開口は、第1ノズル50の第1曲げセグメント51に設けられている。第1ノズル50とワイパーアーム端部部材40との間には、直接的な機械的連結が確立されてもよい。この目的のために、ワイパーアーム端部部材40には、その中間セグメント42の表面上に、第1突起42Aが形成されている。ここでは、2つの第1突起42Aが、例示的に図示されている。第1ノズル50には、その係合開口内に、対応する数の第1凹所53Bが設けられている。加えて、係合開口53Aの開口幅は、ワイパーアーム端部部材の中間セグメント42における壁部分の厚さに対応している。取付時には、第1ノズル50の係合開口53Aを、ワイパーアーム端部部材40の中間セグメント42に押圧するだけでよく、これにより、第1突起42Aが、第1凹所53B内の適正な位置を占有する(図9を参照されたい)。ここで、第1ノズル50は、ワイパーアーム端部部材40にスナップフィット(snap-fit)式により取り付けられると考えることができる。
【0053】
この例では、第1ノズル50は、ワイパーブレードの一端部に向けて流体をスプレーする第1ノズルユニット56Aと、ワイパーブレードの反対の他端部に向けて流体をスプレーする第2ノズルユニット56Cと、フロントガラスGに向けて流体をスプレーする第3ノズルユニット56Bと、を含む。好ましくは、第1ノズル50の対応するノズルユニットの流体スプレー方向は、調整可能である。
【0054】
ブリッジチャネル52は、係合セグメント53の側部に設けられてもよく、第1曲げセグメント51の厚さ方向において係合セグメントと少なくとも部分的に並べられてもよい。図示の例では、ブリッジチャネル52の、ワイパーブレードに面する側は、係合セグメント53の、ワイパーブレードに面する側を超えて延びていない。第1ノズル50の取付状態では、ブリッジチャネル52は、ワイパーアームホルダ10に面している。
【0055】
ブリッジチャネル52は、ワイパーアーム端部部材自体の形状に一致するよう、ワイパーアームの長手延在方向に対して、特にワイパーアームのワイパーアーム端部部材40の長手延在方向に対して、所定角度であってもよい。例えば、ブリッジチャネル52は、ワイパーアーム端部部材の固定セグメント41と取付セグメント43とが位置をずらして配置されている状況と一致するよう、ワイパーアーム端部部材40の長手延在方向に対して垂直であってもよい。
【0056】
第1ノズル50には、車両の走行時に空気の通過を可能とするための少なくとも1つの貫通部57が、さらに設けられている。図示の例では、貫通部57が、部分的に第1屈曲セグメント51に設けられていること、および、部分的に第2屈曲セグメント55に設けられていること、を理解することができる。
【0057】
図11および図12は、線E-E、線F-Fに沿った、図4のワイパーアームの断面図を示しており、ワイパーブレードが、追加的に図示されている。
【0058】
図11では、第1ノズル50が、係合セグメント53を介して、ワイパーアーム端部部材40の中間セグメント42の壁部分に保持されていること、その場合、第1突起42Aが、第1凹所53B内に配置されていること、を理解することができる。係合セグメント53の係合開口53A内への、中間セグメント42の導入をさらに容易とするために、第1突起42Aの、係合方向において係合開口53Aに面する側は、第1突起42Aが面取りを有するように、面取りされてもよい。
【0059】
矢印Lは、第1ノズル50の貫通部57を通してフロントガラスに向けて流れる空気流を概略的に示しており、この空気流は、ワイパーアームに対して作用する荷重の低減を容易とする。
【0060】
図11では、中間セグメント42の上側から係合セグメント53の下側までの距離が、D1によって示されている。図12では、中間セグメント42の上側からブリッジチャネル52の下側までの距離が、D2によって示されている。好ましくは、D2は、D1よりも大きくない。
【0061】
ノズルをワイパーアーム端部部材に取り付けた後に、図11および図12において垂直方向から見ると、ブリッジチャネル52は、ワイパーブレード60の上方に位置しているとともに、ワイパーアーム端部部材40の、同じくワイパーブレード60の上方に位置したセグメント(ここでは、中間セグメント)と、少なくとも部分的に並んでいる。対応する部分の構造的サイズは、ブリッジチャネルを設けることによって過度に増大することはないものの、ブリッジチャネルとワイパーブレードとの間には、まだ空間が残されている。したがって、ワイパーアセンブリの全体的なサイズおよび構造に対して大きな影響を与えることがなく、ノズルは、可能な限り少ない変更で、取り付けることができる。ワイパーブレード自体は、特にブレードの上方部分61に関して、変更する必要はない。
【0062】
ワイパーアーム1は、ワイパーアセンブリが戻り方向Zに揺動する時にワイパーアームの戻り側に向けて洗浄流体をスプレーするための別のノズルを、さらに有してもよい。
【0063】
図6および図7は、延長アーム20の側壁に取り付けられる第2ノズル80の一例として、外向き揺動側の側壁21Bに取り付けられる第2ノズル80が取り外された状態、および取り付けられた状態を、例示的に示している。側壁21Bには、第2突起28が形成されている。ここでは、2つの第2突起が例示的に図示されている。第2ノズル80は、側壁21Bに取り付けられる第2取付開口82を有しており、この場合、第2取付開口82には、第2突起28に適合する図示していない第2凹所が設けられており、第2取付開口82の開口幅は、側壁21Bの厚さに対応している。取付に際しては、第2突起が第2凹所内の適正な位置を占有するように、第2ノズル50の取付開口82を側壁21Bに押圧するだけでよい。
【0064】
第2ノズル80は、第2ノズルと流体連通(流体が通じるように接続)する第2導管71Bの端部73Bのためのコネクタ84を有している。
【0065】
第2ノズル80は、ワイパーブレードの一端部に向けて流体をスプレーする第4ノズルユニット81Aと、ワイパーブレードの反対の他端部に向けて流体をスプレーする第5ノズルユニット81Cと、フロントガラスGに向けて流体をスプレーする第6ノズルユニット81Bと、をさらに有している。
【0066】
第2ノズル80は、第1導管71Aのための支持アーム83を、さらに有している。
【0067】
好ましくは、第2ノズル80の対応するノズルユニットの流体スプレー方向は、調整可能である。
【0068】
本発明によるワイパーアセンブリの第2実施形態に関する斜視図が、図13に概略的に示されている。第2実施形態のワイパーアセンブリS’と、第1実施形態のワイパーアセンブリSと、の相違点は、第1ノズルの取付方法である。以下では、繰り返しを避けるため、この相違点だけを説明することとし、他の部分については、上記の説明を参照することができる。参照符号には、一重引用符(シングル・クォーテション・マーク)が追加されている。
【0069】
ワイパーアセンブリS’のワイパーアーム1’は、同様に、ワイパーアーム端部部材40’と、第1ノズル50’と、を有しており、第1ノズルは、ワイパーアーム端部部材に取り付けられる。
【0070】
特に図14の分解図から理解されるように、ワイパーアーム端部部材40’は、延長アームに固定された固定セグメント41’と、ワイパーブレードを取り付けるための取付セグメント43’と、それらの間の中間セグメント42’と、を有している。中間セグメントには、係合ポート44’が設けられており、係合ポートは、例えば、打ち抜き加工によって形成される。
【0071】
第1ノズル50’は、同様に、第1セクション51’と、第2セクション55’と、を有している。係合セグメント53’は、第1セクション51’に形成されており、ノズルユニットは、第2セクション55’に設けられる。係合セグメント53’は、2つの側面に切欠53A’を有している。第1ノズルの取付状態では(図13を参照されたい)、中間セグメント42’の係合ポート44’の対応する2つのエッジ44A’が、切欠53A’内に収容される。当然のことながら、第1ノズルがワイパーアーム端部部材から分離することを防止するために、落下防止構造が、同様に設けられる。例えば、落下防止構造には、上述した突起と凹所との組合せと同様に、第1ノズル内に、およびワイパーアーム端部部材内に、対応する構造が設けられてもよい。当然のことながら、接着剤による接着を使用して、または他の適切な手法を使用して、実装することもできる。
【0072】
第1ノズル50’の第1セクション51’には、また、ノズルのための導管に対して連結されるコネクタ54’と、図示していないノズルユニットのブリッジチャネル52’と、が形成されている。ブリッジチャネル52’は、2つの切欠53A’の間に配置されている。ワイパーブレード60をワイパーアーム1’に取り付けた後には、第1ノズル50’のコネクタ54’と、ノズルユニットとは、ワイパーブレードに対して両側面上に位置しており、ブリッジチャネル52’は、ワイパーブレードの上方に位置している。
【0073】
図15では、中間セグメントの上側と、ブリッジチャネルの下側と、の間の距離が、D3によって示されている。第1実施形態と同様に、D3は、好ましくは、中間セグメントの上側から係合セグメントの下側までの距離よりも、大きくない。より好ましくは、ブリッジチャネルの下側は、係合セグメントの下側である。この実施形態では、第1ノズル50’を取り付けた後には、ワイパーブレードの上方に位置したブリッジチャネルは、ワイパーアーム端部部材の、同じくワイパーブレードの上方に位置するセグメントにと、少なくとも部分的に並んでおり、これにより、ブリッジチャネルを設けることによって対応部分の構造的サイズが過度に増大することはない。したがって、ワイパーアセンブリの全体的なサイズおよび構造に対して大きな影響を与えることがなく、ノズルは、可能な限り少ない変更で、取り付けることができる。
【0074】
ウォッシャーアセンブリの上述した第1ノズル50および第2ノズル80が、同様に、代替的に使用され得ること、および、ノズルのための導管には、それぞれその端部にアダプタ72A、72Bが設けられていること、に留意されたい。
【0075】
ワイパーアーム端部部材と延長アームとが、また、間接的に連結され得ること、すなわち更なる構成要素を介して連結され得ること、に留意されたい。
【0076】
本発明は、上述した構造に限定されるものではなく、他の変形例を有することができる。本発明について、限られた数の実施形態を使用して上述したけれども、当業者であれば、この開示に基づいて利点を見出し得るとともに、ここで開示した本発明の保護範囲から逸脱していない他の実施形態を設計することができる。よって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって規定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15