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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】発熱部品及びエアロゾル形成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20240318BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240318BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240318BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/40
A24F40/20
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022575485
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2021084628
(87)【国際公開番号】W WO2022062354
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】202011012204.9
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 幸福
(72)【発明者】
【氏名】王 守平
(72)【発明者】
【氏名】孫 利佳
(72)【発明者】
【氏名】李 亜飛
(72)【発明者】
【氏名】王 鬱
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-106984(JP,A)
【文献】特表2018-511316(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108552599(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111449291(CN,A)
【文献】中国実用新案第211431079(CN,U)
【文献】中国実用新案第209643859(CN,U)
【文献】特開2010-066218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体と、第一電極と、第二電極と、を含む発熱部品であって、
前記発熱体はエアロゾル形成基質に挿入され、エアロゾル形成基質を加熱することに用いられ、前記発熱体は第一接続端及び前記第一接続端と対向する第二接続端を有し、前記第一電極は前記発熱体の前記第一接続端に設置されかつ電気的に接続され、前記第二電極の一端前記第二接続端に電気的に接続され、
前記第一電極は前記第二電極と絶縁して設置されることを特徴とする発熱部品。
【請求項2】
前記第二電極の他端は前記発熱体の前記第一接続端に向かって延伸されることを特徴とする請求項1に記載の発熱部品。
【請求項3】
前記発熱体の形状は板状であり、
前記発熱体は本体部及び前記本体部の一端に接続された先端部を含み、
前記発熱体の第二接続端は前記先端部であり、
前記発熱体の第一接続端は前記先端部から離れた前記本体部の一端であり、
前記第二接続端から離れた前記第二電極の一端が前記発熱体の第一接続端に設置されることを特徴とする請求項2に記載の発熱部品。
【請求項4】
前記第一電極は前記発熱体の第一表面に設置され、
前記発熱体の第二表面に絶縁層が設置され、
前記絶縁層が前記発熱体の第一接続端から前記第二接続端に近接する位置まで延伸され、且つ前記発熱体の第二接続端の第二表面が前記絶縁層から露出され、
前記第二電極は前記発熱体から離れた前記絶縁層の表面に設置され、且つ前記第二電極の一部が前記絶縁層の外に延伸され、前記発熱体の第二接続端と接触され、
前記第一表面は前記第二表面と対向して設置されることを特徴とする請求項3に記載の発熱部品。
【請求項5】
前記第一電極は前記発熱体の第一表面に設置され、
前記発熱体から離れた前記第一電極の表面に絶縁層が設置され、
前記絶縁層が前記発熱体の第一接続端から前記第二接続端に近接する位置まで延伸され、
前記第二電極が前記第一電極から離れた前記絶縁層の表面に設置され、且つ前記第二電極の一部が前記絶縁層の外に延伸され、前記発熱体の第二接続端と接触されることを特徴とする請求項3に記載の発熱部品。
【請求項6】
前記第一電極は矩形構造体であり、前記第二電極は工字形構造体であり、前記絶縁層はT字形構造体であることを特徴とする請求項4に記載の発熱部品。
【請求項7】
前記本体部の形状は長方形であり、先端部は三角形、円弧または二等辺台形であることを特徴とする請求項3に記載の発熱部品。
【請求項8】
前記発熱体の形状が柱状であり、
前記発熱体は本体部及び前記本体部の一端に接続された先端部を含み、
前記発熱体の第二接続端が前記先端部であり、
前記発熱体の第一接続端が前記先端部から離れた前記本体部の一端であることを特徴とする請求項1に記載の発熱部品。
【請求項9】
前記第一電極は前記発熱体の第一接続端の少なくとも一部の表面に設置され、
前記発熱体の本体部の外側壁に絶縁層が設置され、
前記絶縁層が前記発熱体の第一接続端から前記第二接続端に近接する位置まで延伸され、且つ前記先端部に接近する前記本体部の位置が前記絶縁層から露出され、
前記第二電極が前記発熱体から離れた前記絶縁層の表面に設置され、かつ前記第二電極の一部は、前記絶縁層の外に延伸され、前記発熱体の本体部の前記先端部に近接しかつ前記絶縁層に露出される位置の前記第二接続端と接触して設置されることを特徴とする請求項8に記載の発熱部品。
【請求項10】
前記絶縁層は前記発熱体の外側壁の周りを取り囲んで設置され、前記第一電極に対応する位置に切欠きを有し、前記第一電極が少なくとも部分的に露出されることを特徴とする請求項9に記載の発熱部品。
【請求項11】
前記第一電極は前記発熱体の周りを取り囲んで設置され、前記第二電極が絶縁層の外に延伸する部分は前記発熱体の前記本体部の周りを取り囲んで設置されることを特徴とする請求項9に記載の発熱部品。
【請求項12】
前記発熱体はさらに保護層を含み、
前記保護層は発熱棒の表面にコーティングされ、且つ前記第一電極及び前記第二電極は前記保護層で被覆されることを特徴とする請求項請求項1に記載の発熱部品。
【請求項13】
前記保護層はガラス釉薬層であり、
前記発熱体の表面全体は前記保護層で被覆されることを特徴とする請求項12に記載の発熱部品。
【請求項14】
前記本体部の形状は円筒形であり、前記先端部の形状は円錐形または円台形であることを特徴とする請求項8に記載の発熱部品。
【請求項15】
前記発熱体は、第一発熱領域と、第二発熱領域と、を含み、
前記第二発熱領域の発熱温度と前記第一発熱領域の発熱温度との比は2より大きいことを特徴とする請求項1に記載の発熱部品。
【請求項16】
前記発熱体の材料は導電性セラミックスであることを特徴とする請求項1に記載の発熱部品。
【請求項17】
前記導電性セラミックスの発熱体は主成分及び結晶成分を含み、
前記主成分はマンガン、ストロンチウム、ランタン、スズ、アンチモン、亜鉛、ビスマス、ケイ素、チタンのうちの一種又は多種であり、
前記結晶成分はマンガン酸ランタン、マンガン酸ストロンチウムランタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化ケイ素、酸化イットリウムのうちの一種又は多種であることを特徴とする請求項16に記載の発熱部品。
【請求項18】
筐体と、発熱部品と、電源部品と、を含むエアロゾル形成装置であって、
前記発熱部品及び前記電源部品は前記筐体に設置され、
前記電源部品は前記発熱部品に接続され、前記発熱部品に電力を供給することに用いられ、
前記発熱部品は前記請求項1に記載の発熱部品であることを特徴とするエアロゾル形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は加熱式非燃焼式喫煙品の技術分野に関し、特に発熱部品およびエアロゾル形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコはタバコ代用品として、それが安全で、便利で、健康で、環境に優しい等の利点を有するため、人々の注目及び関心が高まっている。例えば、加熱非燃焼電子タバコは、加熱非燃焼エアゾール形成装置とも呼ばれる。
【0003】
従来の加熱非燃焼エアゾール形成装置の加熱方式は一般的に管状周辺加熱又は中央埋め込み加熱である。管状周辺加熱とは、加熱管がエアロゾル形成基質(例えば、タバコ)の周りに配置され、エアロゾル形成基質を加熱することを意味する。中央埋め込み加熱とは、加熱管がエアロゾル形成基質に挿入されてエアロゾル形成基材を加熱することを意味する。その中で、加熱部品はその製造が簡単で、使用しやすい等の特徴によって幅広く応用される。現在の発熱部品は主にセラミック又は絶縁処理された金属を基板として用い、その後基板に抵抗発熱回路を印刷又はコーティングし,且つ高温処理後に抵抗発熱回路を基板に固定して、発熱部品は形成される。さらに、発熱部品及び取付座は加熱部品を形成し、且つ取付座により加熱非燃焼エアロゾル形成装置に固定される。
【0004】
しかしながら、従来の発熱部品の抵抗発熱回路は、後で基板に印刷またはコーティングされる薄膜であるため、発熱部品をエアロゾル形成基質に何度も挿入するプロセスで、基板の曲げ変形により、抵抗発熱回路が高温で加熱されると、基板から剥離しやすく、安定性が低い。発熱プロセス中、抵抗発熱回路は、抵抗発熱回路が基板に配置されている側でのエアロゾル形成基質のみと接触し、抵抗発熱回路が基板に配置されていない側でのエアロゾル形成基質と接触していないため、エアロゾル形成基質の加熱均一性が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願が主に解決しようとする技術的問題は発熱部品およびエアロゾル形成装置を提供する。発熱部品は、従来の抵抗発熱回路が高温で加熱されると、基板から剥離しやすく、安定性が悪いという問題、および発熱プロセス中、抵抗発熱回路によるエアロゾル形成基質を加熱する均一性が悪いという問題を解決できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的問題を解決するために、本願の実施例が採用する一つの技術案は以下のとおりである。発熱部品を提供し、発熱部品は発熱体と、第一電極と、第二電極と、を含み、発熱体はエアロゾル形成基質に挿入され、エアロゾル形成基質を加熱することに用いられ、発熱体は第一接続端及び第一接続端と対向する第二接続端を有し、第一電極は第一接続端に設置されかつ電気的に接続され、第二電極の一端は第二接続端に電気的に接続され、第一電極は第二電極と絶縁して設置される。
【0007】
上記技術的問題を解決するために、本願の実施例が採用するもう一つの技術案は以下のとおりである。エアロゾル形成装置を提供し、エアロゾル形成装置は筐体と、筐体に設置された発熱部品及び電源部品と、を含み、電源部品は発熱部品における発熱体に接続され、発熱体に電力を供給することに用いられ、加熱部品は上記加熱部品である。
【発明の効果】
【0008】
本出願が提供する発熱部品は発熱体を含み、発熱体がエアロゾル形成基質に挿入された後に、エアロゾル形成基質を加熱することができる。従来の基板にシルクプリントされた又はコーティングされた抵抗発熱回路と比べて、本願の発熱体は、エアロゾル形成基質に直接に独立して挿入されることができ、高温発熱中に基板から剥離して故障を引き起こすという問題がなく、発熱部品の安定性が大幅に向上する。同時に、発熱体は第一電極および第一電極と絶縁された第二電極を含み、第一電極は第一接続端に設置されかつ電気的に接続され、第二電極の一端は第二接続端に電気的に接続されることにより、発熱体の第一接続端と第二接続端の間に電流回路が形成され、短絡の問題を回避できるだけでなく、生産プロセスがより簡単になり、発熱体の強度をたかめる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1a】本願の第一実施例に係る発熱部品の構造模式図である。
図1b】本願の第一実施例に係る発熱部品のエアロゾル形成基質に挿入された構造を示す概略図である。
図2】本願の一実施例に係る図1aに示す構造体の分解概略図である。
図3】本願のもう一つの実施例に係る図1aに示す構造体の分解概略図である。
図4】本願の一実施例に係る発熱体が並列に設置される断面図である。
図5】本願のもう一つの実施例に係る発熱体が並列に設置される断面図である。
図6】本願の第二実施例に係る発熱部品の構造模式図である。
図7図6に示す構造体の分解概略図である。
図8】本出願の一実施例に係る保護層が発熱棒の表面全体にコーティングされた発熱部品の構造模式図である。
図9】本願の一実施例に係るエアロゾル形成装置の構造模式図である。
図10】本願の一実施例に係る取付座と発熱部品とが組み立てられた後の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の実施例の図面を参照しながら本願の実施例の技術方案を明確且つ完全に説明する。理解されるように、ここで説明される具体的な実施例は本願を解釈するためのものであって、本願を限定するものではない。本願の実施例に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに取得するすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0011】
本願における用語「第一」、「第二」、「第三」等は、説明目的でのみ使用され、相対的な重要性を示しまたは暗示したり、示された技術的特徴の数を暗示したりすると解釈されるべきではない。 従いまして、「第一」、「第二」、「第三」として定義される特徴は、その特徴の少なくとも一つを明示的または黙示的に含むことができる。本願の説明において、「複数」とは、別段の明確かつ具体的な定義がない限り、少なくとも二つ、例えば二つ、三つなどを意味する。 本願の実施例におけるすべての方向指示(例えば、上、下、左、右、前、後など)は、特定の姿勢(図に示すように)のさまざまな構成要素間の相対的な位置関係および動作状況等を説明するためにのみ使用される。 特定の姿勢が変化すると、方向指示もそれに応じて変化する。また、用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含む過程、方法、システム、製品又は装置は列挙したステップ又はユニットに限定されず、選択的に列挙しないステップ又はユニットを更に含み、又は選択的にこれらの過程、方法、製品又は装置固有の他のステップ又はユニットを更に含む。
【0012】
本明細書に言及した「実施例」とは、実施例を参照して説明した特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも一つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書の各箇所に該連語が出現することは必ずしもいずれもが同じ実施例を指すとは限らず、他の実施例と相互排他的な独立した又は代替の実施例でもない。当業者であれば明示的及び暗示的に理解されるように、本明細書に説明される実施例は他の実施例と組み合わせられることができる。
【0013】
以下では図面と実施例とを参照しながら本出願を詳細に説明する。
【0014】
図1a~図2を併せて参照して、図1aは本願の第一実施例に係る発熱部品の構造模式図であり、図1bは本願の第一実施例に係る発熱部品のエアロゾル形成基質に挿入された構造を示す概略図であり、図2は本願の一実施例に係る図1aに示す構造体の分解概略図である。本実施例において、発熱部品90を提供し、発熱部品90はエアロゾル形成基質98に挿入され、エアロゾル形成基質98を加熱することに用いられる。一つの実施例において、発熱体98がタバコに挿入されるによって、タバコを加熱することができ、以下の実施例はいずれもこれを例とする。他の実施例では、エアロゾル形成基質98は、タバコまたは非タバコ植物の葉または花の砕屑であってもよい。発熱部品90のエアロゾル形成基質98に挿入される構造の概略図を図1bに見ることができる。
【0015】
具体的には、発熱部品90は発熱体91と、第一電極92a及び第二電極92bと、を含む。
【0016】
その中、発熱体91はエアロゾル形成基質98に挿入され、エアロゾル形成基質102を加熱することに用いられる。基板にシルクスクリーンされた又はコーティングされた従来の抵抗発熱回路と比較して、発熱体91は、エアロゾル形成基質98に直接に独立して挿入されることができ、高温発熱中に発熱体91が基板から剥離して故障を引き起こすという問題がなく、発熱部品90の安定性が大幅に向上する。具体的には、該発熱体91は第一接続端E及び第一接続端Eに対向する第二接続端Fを有する。発熱体91がタバコに挿入される過程において、発熱体91の第二接続端Fは最初にタバコに挿入される。従いまして、発熱体91がタバコに容易に挿入されるため、発熱体91の第二接続端Fには先端が形成され、すなわち、先端が三角形構造を呈し、先端部Dが形成される。且つ先端の隣接する2つの辺が形成する夾角は具体的に45゜~90゜であってもよく、例えば、60゜であってもよい。本願における第一接続端E及び第二接続端Fは、端点または端面を指すのではなく、対応する端部に占有される特定の領域をそれぞれ含むと理解することができる。具体的には、第一電極92a及び第二電極92bは具体的に発熱体91の第一接続端Eに設置され、且つ第一電極92aが発熱体91の第一接続端Eに電気的に接続され、第二電極92bが発熱体91の第一接続端Eと絶縁されて設置され、短絡が発生することを回避する。且つ第二電極92bは発熱体91の第一接続端Eから第二接続端Fまで延伸し、且つ第二接続端Fに電気的に接続され、それにより発熱体91の第一接続端Eと第二接続端Fとの間に電流回路が形成される。このように加工プロセスがより簡単であり、且つ発熱部品90の全体的な強度を効果的に向上させ、同時に使用過程においてタバコへの付着及び霧化後のタバコ油への付着を減少させる。
【0017】
具体的には、発熱体91の形状及び寸法は制限されず、必要に応じて設計することができる。具体的な実施例において、発熱体91はストリップ状であり、たとえば、長方形であり、かつ長方形の一端に先端を形成する。
【0018】
具体的には、図1aを参照して、発熱体91は、第一発熱領域Aおよび第一発熱領域Aに接続された第二発熱領Bを含む。第一発熱領域Aは、エーロゾル形成基質98に挿入されて、加熱された主要霧化領域である。その霧化温度が280℃~350℃に集中して、第一発熱領域Aは霧化領域の面積の75%以上を占める。第二発熱領Bとは、発熱体91の嵌合部であり、その温度が150℃以下である。具体的に、発熱体91の第一発熱領域Aの発熱温度と第二発熱領域Bの発熱温度との比が2より大きいことができる。具体的な実施例において、第一電極92aは具体的に発熱体91の第二発熱領域Bに設置され、それにより第二発熱領域Bに位置するセラミック発熱体91の霧化温度を低下させる。理解できるように、発熱体91の第一接続端Eは発熱体91の第二発熱領域Bに位置し、第二接続端Fは発熱体91の第一発熱領域Aに位置する。

【0019】
一つの実施例において、第二発熱領域Bに位置する発熱体91の材料の抵抗率は第一発熱領域Aに位置する発熱体91の材料の抵抗率より小さく、これにより、発熱体91の第一発熱領域Aの温度は第二発熱領域Bの温度より高い。同時に、異なる発熱領域に異なる抵抗率を有する材料を設置することにより、抵抗率差によって異なる発熱領域の温度を制御できる。具体的には、第二発熱領域Bに位置する発熱体91及び第一発熱領域Aに位置する発熱体91におけるセラミック材料の本体成分は実質的に同一で且つ一体成形されるが、第二発熱領域Bに位置する発熱体91及び第一発熱領域Aに位置する発熱体91には、セラミック材料の比率が異なるか又は他の成分が異なり、それにより第二発熱領域Bに位置する発熱体91及び第一発熱領域Aに位置する発熱体91の抵抗率が異なる。従来技術では、2つの発熱領域で異なる導電性材料で形成された金属膜を接合することを行う。例えば、アルミニウム膜及び金膜という2つの異なる導電性材料を接合させる。しかしながら、本願では、接合方式を採用する必要はなく、発熱体11の第一発熱領域Aと第二発熱領域Bとの導電体が破断するという問題を効果的に回避することができる。
【0020】
一つの実施例において、発熱体91の第一発熱領域A及び第二発熱領域Bにおける大部分の第一発熱領域Aのみがエアロゾル形成基質98に挿入され、小さい部分の第一発熱領域A及び第二発熱領域Bはエアロゾル形成基質98の外に露出される。一つの実施例において、第一発熱領域Aはエアロゾル形成基質98に完全に挿入され、第二発熱領域Bはエアロゾル形成基質98の外に露出される。もう一つの実施例において、第一発熱領域Aの全てはエアロゾル形成基質98に挿入され、且つ小部分の第二発熱領域Bもエアロゾル形成基質98に挿入され、大部分の第二発熱領域Bのみがエアロゾル形成基質98の外に露出される。
【0021】
発熱体91は自立構造体であり、すなわち、発熱体91は、他のキャリアに取り付けられることなく独立して存在することができる。基板にシルクスクリーンされたまたはコーティングされた従来の抵抗発熱回路と比較して、本願の発熱体91は高温発熱中に基板から剥離して故障を引き起こすという問題がなく、発熱部品90の安定性が大幅に向上する。発熱体91は自立構造体であり、基板に設置される必要がなく、発熱体91の2つの対向する表面はいずれもタバコと直接に接触することができ、エネルギー利用率が高いだけでなく、また、タバコを均一に加熱でき、設定温度場の境界が明確であり、特に低電圧の起動により、即時の電力制御及び設計が容易になる。
【0022】
発熱体91の材料は導電性セラミックであってもよい。従来の金属材料に比べて、該セラミック材料の発熱体91の導電効率が高く、加熱により発生する温度が均一である。且つ該セラミックの発熱体91のパワーは3ワット~4ワットに調整し及び設計することができる。その導電率は1*10-4オーム1~1*10-6オームに達することができ、その曲げ強度は40MPaより大きく、その耐火性能は1200℃より高い。同時に、該セラミックの発熱体11は全起動電圧の特性を有する。発熱体91は主成分及び結晶成分を含む。主成分はマンガン、ストロンチウム、ランタン、スズ、アンチモン、亜鉛、ビスマス、ケイ素、チタンのうちの一種又は多種である。結晶成分は前記マンガン酸ランタン、マンガン酸ストロンチウムランタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化ケイ素、酸化イットリウムのうちの一種又は多種である。他の実施例では、発熱体91は金属合金で形成されてもよく、鉄ケイ素合金からなるセラミック合金からなるセラミック合金であってもよく、あるいは鉄-ケイ素-アルミニウム合金からなるセラミック合金であってもよい。
【0023】
具体的には、該セラミックの発熱体91の電磁気熱波長は中赤外波長であり、タバコ油を霧化し且つ口当たりを向上させることに有利である。また、該セラミックの発熱体91の結晶相構造は高温安定型の酸化物セラミックスであり、酸化物セラミックスの耐疲労性が良好であり、強度が高く、密度が大きく、それにより有害な重金属揮発及び粉塵問題を効果的に回避することができ、発熱体91の耐用年数を大幅に向上させる。
【0024】
上記セラミックの発熱体91を用い、最高温度ホットスポット面積を減少させることができ、疲労亀裂及び疲労抵抗の増加のリスクを解消し、良好な均一性を有する。且つ該セラミック発熱材料の高強度及び微結晶構造による平滑度により、該発熱体91の表面が洗浄しやすく、付着しにくい。また、セラミック製造プロセスを用いて発熱体91を製造するため、生産プロセスがシンプルで且つ制御しやすく、コストが低く、生産化の普及及び経済効果の向上に有利である。また、上記導電性セラミックスはTCR特性を有する材料であってもよく、すなわち、温度値と抵抗値とが対応する関係を有する。これにより、使用中の抵抗値を検出して温度値を獲得でき、発熱体91の温度を制御することができる。
【0025】
具体的には、第一電極92a及び第二電極92bはコーティング方式で発熱体91の表面に設置されてもよく、これにより第一電極92aと第二電極92bと発熱体91との結合力を向上させ、第一電極92a及び第二電極92bに接続される電極リード線95と発熱体91との間の接続安定性を向上させる。セラミックは微細孔構造を有し、第一電極92a及び第二電極92bがコーティングされる厚さが大きい場合に、セラミックの微細孔構造は第一電極92aと発熱体11との結合力及び第二電極92bと発熱体11との結合力を強くすることができ、それにより第一電極92aと発熱体11との結合力及び第二電極92bと発熱体11との結合力を大幅に向上させることができる。具体的には、上記コーティング材料は銀ペーストを選択することができる。第一電極92a及び第二電極92bは、金属膜を堆積することによって形成されてもよく、例えば、金、白金、銅等のような1*10-6オームを超える金属材料を堆積することによって形成されてもよい。
【0026】
一実施例では、図2及び図3を参照して、図3図1aに示す構造体の分解概略図である。発熱体91は板状であり、且つ本体部C及び本体部Cの一端に接続された先端部Dを含む。ここで、発熱体91の第二接続端Fは先端部Dであり、発熱体92の第一接続端Eは先端部Dから離れた本体部Cの一端である。第二接続端Fから離れた第二電極92bの一端が発熱体92の第一接続端Eに設置される。ここで、本体部Cの形状は具体的には矩形であってもよく、先端部Dの形状は具体的に三角形、弧状又は二等辺台形であってもよい。
【0027】
具体的には、発熱体91はストリップ状の発熱板であってもよい。
【0028】
具体的な実施例において、図2を参照して、第一電極92a及び第二電極92bは発熱板の両側に対向して設置される。具体的には、第一電極92aが発熱板の第二表面Nにコーティングされ、且つ発熱板の第一接続端Eに電気的に接続される。発熱板の第一表面Mに絶縁層93が設置され、絶縁層93が発熱板の第一接続端Eから第二接続端Fに近接する位置まで延伸し、且つ発熱体91の第二接続端Fの第一表面Mが絶縁層93から露出される。第二電極92bは具体的に発熱板から離れた絶縁層93の表面に設置され、且つ発熱体91の第二接続端Fに向かって延伸し、且つ第二電極92bの一部が絶縁層93の外に延伸して、発熱板の第二接続端Fと接触され且つ電気的に接続される。第一電極92aは発熱板の第一表面M、第二表面N及び側面にコーティングされてもよく、すなわち、環状構造体を形成する。一つの実施例において、発熱板の第一表面Mにコーティングされる第一電極92aは絶縁層93と発熱板との間に設置される。
【0029】
具体的には、第一電極92aは矩形構造を呈してもよく、絶縁層93はT形構造を呈してもよい。具体的には、第二電極92bは第一コーティング部921と、第二コーティング部922と、第三コーティング部923と、を含む。ここで、第一コーティング部921は発熱体91から離れた絶縁層93の表面に塗布され、且つ第一電極92aに対向して設置される。第一コーティング部921の形状は第一電極92aの形状と同じである。第二コーティング部922は第一コーティング部921に接続され、発熱体91から離れた絶縁層93の表面に塗布され、かつその形状は絶縁層93の形状と同じである。第三コーティング部923は、第二コーティング部922に接続され、発熱体91の第一表面Mに直接にコーティングされ、発熱体91の第二接続端Fに電気的に接続される。第三コーティング部923は、第二コーティング部922と垂直であり、ストリップ状の長方形の構造を呈する。具体的には、第一コーティング部921、第二コーティング部922及び第三コーティング部923は工字形構造体に形成する。絶縁層93及び第二電極92bは上記形状に制限されず、必要に応じて設計することができる。具体的な実施例において、第一コーティング部921、第二コーティング部922及び第三コーティング部923のサイズは対応する位置の絶縁層93のサイズより小さい。すなわち、本願では、第一電極92aおよび第二電極92bの両方が発熱板にコーティングによって設置される。他の実施例では、それは、スパッタリングまたはスクリーン印刷によって発熱板に設置されることができる。
【0030】
一実施例において、発熱体91の少なくとも一つの表面にさらに保護層94で被覆される。保護層94は少なくとも第一電極92a及び第二電極92bを被覆し、タバコが加熱されると形成されたタバコ油が第一電極92a及び第二電極92bを損傷することを防止できる。勿論、該保護層94は発熱体91の表面全体(図2を参照)を被覆することができ、それにより第一電極92a、第二電極92b及び発熱体91を保護すると同時に、発熱体91全体が平滑表面を有する。具体的には、保護層94は具体的にガラス釉薬層であってもよい。
【0031】
他の具体的な実施例において、図3を参照して、図3は本願の別の具体的な実施例が提供する図1aに示す製品における発熱部品の分解概略図である。上記の実施例と異なるのは、第一電極92a及び第二電極92bが発熱体91の同じ側に設置されることである。具体的には、第一電極92aが発熱体91の第一表面Mにコーティングされ、且つ発熱板の第一接続端Eに電気的に接続される。具体的には、発熱板の表面から離れた第一電極92aの表面に絶縁層93が設置される。絶縁層93が第一電極92aを被覆し、且つ発熱板の第一接続端Eから第二接続端Fに近接する位置まで延伸する。第二電極92bが具体的に第一電極92aから離れた絶縁層93の表面に設置され、且つ発熱体91の第二接続端Fに向かって延伸し、且つ第二電極92bの一部が絶縁層93の外に延伸して、発熱板の第二接続端Fと接触され且つ電気的に接続される。
【0032】
具体的には、第一電極92aは矩形構造体であってもよく、絶縁層93はT字形構造体であってもよくい。具体的には、絶縁層93が第一電極92aを被覆する部分の形状と第一電極92aの形状が同じであり、且つその寸法は第一電極92aの寸法よりやや大きいか又は第一電極92aの寸法と同じである。なお、絶縁層93の第一電極92aを被覆する部分の形状及び寸法に制限されず、第一電極92aと第二電極92bとが絶縁すればよい。例えば、絶縁層93が第一電極92aの全体を覆うか、又は絶縁層93が第一電極92aの一部を覆って、且つ絶縁層93の寸法は第二電極92bの寸法より大きい。
【0033】
具体的な実施例において、第一電極92aの位置と対向する発熱体91の第二表面Nにさらに第一電極92aが設置されることができ、第二電極92bと対向する位置は絶縁層93により第二電極92bが設置されることができる。すなわち、第一電極92a、第二電極92bの数はいずれも2つである。これにより、導電性セラミックの導電性成分が導電性セラミックの2つの表面に近接してより短い電流経路を有することができ、発熱体91の2つの表面の温度場をより均一にすることができる。
【0034】
本実施例が提供する発熱部品90には、発熱体91がエアロゾル形成基質98に挿入されてエアロゾル形成基質98を加熱することに用いられる。基板にスクリーン印刷された又はコーティングされた従来の抵抗発熱回路と比較して、発熱体91は、エアロゾル形成基質98に直接に独立して挿入されることができ、高温発熱中に発熱体91が基板から剥離して故障を引き起こすという問題がなく、発熱部品90の安定性が大幅に向上する。同時に、発熱体91を板状に設置することにより、エアロゾル形成基質98と発熱体91との接触面積を効果的に増加させ、それによりエネルギー利用率及び加熱効率を向上させる。また、第一電極92a及び第一電極92aと絶縁設置された第二電極92bを設置し、且つ第一電極92aが発熱体91の第一接続端Eに設置され且つ第一接続端Eに電気的に接続され、第二電極92bの一端が第二接続端Fに電気的に接続されることにより、短絡問題の発生を回避するだけでなく、且つ加工プロセスが簡単になり、発熱部品90の強度を高めることができる。
【0035】
他の実施例において、図4及び図5を参照して、図4は本願の実施例に係る発熱体の並列に設置される状態を示す断面図であり、図5は本願の他の実施例に係る発熱体の並列に設置される状態を示す断面図である。発熱部品90は少なくとも2つの発熱体91を含み、且つ少なくとも2つの発熱体91が並列に設置される。具体的な実施例において、発熱体91の数は具体的には2つであってもよく、2つの発熱体91が対向して設置され、且つ両者の間に絶縁層93が設置される。
【0036】
具体的な実施例において、図4を参照すると、2つの発熱体91の対向する表面にいずれも第一電極92aが設置され、且つ第一電極92aが2つの発熱体91の第一接続端Eに設置される。本実施例において、第二電極92bは絶縁層93に設置され、且つ発熱体91の第一接続端Eから第二接続端Fに近接する位置まで延伸し、且つそれぞれ2つの発熱体91の第二接続端Fに電気的に接続される。これにより、2つの発熱体91が第一電極92aと第二電極92bとの間に電流回路を形成し且つ並列に設置される。
【0037】
他の具体的な実施例において、図5を参照して、第一電極92aは熱体91の第一接続端Eに置され、且つ2つの発熱体91の第一接続端Eに電気的に接続される。該実施例において、2つの発熱体91の第二接続端Fはそれぞれ対応する第二電極92bに接続され、それにより2つの発熱体91が第一電極92aにより、それぞれ対応する第二電極92bと並列に設置される。具体的には、2つの発熱体91の対向する表面にいずれも絶縁層93がコーティングされ、各発熱体91に設置された第二電極92bが発熱体91から離れた絶縁層93の表面に設置され、且つ発熱体91の第一接続端Eから第二接続端Fに近接する位置まで延伸し、発熱体91の第二接続端Fに接続される。
【0038】
他の実施例において、図6を参照して、図6は本願の第二実施例に係る発熱部品の構造模式図である。上記実施例と異なるのは、発熱体91の形状が具体的に柱状であり、かつ本体部C及び本体部Cの一端に接続された先端部Dを含む。発熱体91の第二接続端Fが先端部Dであり、発熱体91の第一接続端Eが先端部Dから離れた本体部Cの一端である。具体的な実施例において、本体部Cの形状は円筒形であり、先端部Dの形状は円錐形又は円台形であってもよい。具体的に、発熱体91は、図6に示すように加熱棒とすることができ、加熱棒の第二接続端Fは先端部であり、エアロゾル形成基質98に容易に挿入される。
【0039】
具体的には、図7を参照して、図7は本願の具体的な実施例に係わる図7に示す構造の分解概略図である。第一電極92aは発熱棒の第一接続端Eの少なくとも一部の表面に設置される。発熱棒の本体部Cの外側壁に絶縁層93が設置され、絶縁層93が発熱棒の第一接続端Eから第二接続端Fに近接する位置まで延伸し、且つ先端部Dに接近する本体部Cの位置が絶縁層93から露出される。第二電極92bが発熱棒から離れた絶縁層93の表面に設置され、かつ第二電極92bの一部は、絶縁層93の外に延伸し、加熱棒の第二接続端Fと接触して設置される。すなわち、第二電極92bの一部は、絶縁層93の外に延伸し、発熱体91の本体部Cの先端部Dに近接しかつ絶縁層93に露出される位置の第二接続端Fが接触される。
【0040】
さらに、具体的な実施例において、第一電極92aは発熱棒の外側壁の周りを取り囲んで設置され、その具体的な形状は弧状構造であってもよい。本実施例において、絶縁層93が発熱棒の円周方向に巻き付けられ、且つ第一電極92aが設置された発熱棒の位置に対応する絶縁層93が切欠きを有し、該切欠きを介して第一電極92aを少なくとも部分的に露出させ、それにより電極リード線95を接続することを容易にする。具体的な実施例において、第二電極92bが絶縁層93の外に延伸する部分は発熱棒の本体部Cの周りを取り囲んで設置されてもよく、その形状は具体的には環状構造であってもよく、それにより第二電極92bが発熱棒の第二接続端Fに効果的に接続されることができる。他の実施例において、第一電極92aはさらに発熱棒が第一接続端Eに近接する端面まで延伸し、それにより全体的な結合力及び電気的安定性を向上させることができる。
【0041】
他の具体的な実施例において、第一電極92aは発熱棒の外側壁の周りを取り囲んで配置され、且つ環状構造を呈してもよい。絶縁層93は具体的に該第一電極92aを完全に被覆することができ、且つ発熱棒の外側壁の周りを取り囲んで設置され、絶縁層93が第一電極92aと第二電極92bと間の短絡を防ぐことができる限り、前記絶縁層93の設置方式は制限されない。
【0042】
具体的な実施例において、発熱棒の少なくとも一つの表面にさらに保護層94で被覆される。保護層94は少なくとも第一電極92a及び第二電極92bを被覆し、タバコが加熱されると、形成されたタバコ油が第一電極92a及び第二電極92bを損傷することを防止できる。他の実施例において、図8を参照して、図8は本願の実施例が提供する保護層が発熱棒の表面全体にコーティングされた発熱部品の構造模式図である。該保護層94は発熱棒の表面全体を被覆することができ、それにより第一電極92a、第二電極92b及び発熱棒を保護すると同時に、発熱棒全体が平滑表面を有する。具体的には、保護層94は具体的にガラス釉薬層であってもよい。
【0043】
具体的な実施例では、発熱棒の抵抗は0.3オーム~1オームであってもよく、例えば、0.6オームであってもよい。その抵抗率は1*10-4オーム~4*10-4オームであってもよく、具体的には、2*10-4オームであってもよい。その使用電力は2ワット~5ワットであってもよく、具体的には、3.5ワットであってもよい。具体的には、図8を参照して、発熱棒の全長L41は18ミリメートル~20ミリメートルであってもよい。タバコに挿入された長さL42が具体的には14ミリメート~15ミリメートルであってもよい。発熱棒の直径φは具体的には2.0ミリメートル~3.0ミリメートルであってもよく、例えば、3ミリメートルであってもよい。
【0044】
具体的な加工過程において、発熱棒にまず銀ペーストをコーティングして電極を形成し、次に発熱棒の表面の他の位置に絶縁媒体層をコーティングし、さらに電極リード線95を溶接し、電極リード線95が発熱棒に接触することを回避する。
【0045】
具体的には、上記発熱体91を柱状に設置することにより、発熱体91がタバコに容易に挿入されるだけでなく、且つ柱状の発熱体91を加工しやすく、加工難度係数を効果的に低下させる。
【0046】
本願実施例によって提供される発熱部品90の発熱方式は導電性セラミック材料で作られた自立構造を有する発熱板(又は発熱棒)を直接に使用することができ、且つ発熱体91は電極配置位置及び抵抗値に基づいて、単一の直列型、複数の直列型あるいは複数の並列型に配置されるものができる。同時に発熱体91はセラミック材料を採用し、従来の基板に金属発熱材料をコーティングして形成された抵抗発熱回路に比べて、その2つの表面が同時にタバコを接触しかつ加熱することができ、加熱がより均一で、安定である。
【0047】
図9を参照すると、図9は本願の実施例に係るエアロゾル形成装置の構造模式図である。本実施例では、エアロゾル形成装置900を提供する。該エアロゾル形成装置900は筐体901と、発熱部品90と、取付座96と、電源部品97と、を含む。発熱部品90と、取付座96と、電源部品97とは筐体901に設置される。
【0048】
ここで、発熱部品90は上記実施例の提供する発熱部品90であり、その具体的な構造は上記実施例の発熱部品90に関連する文字で説明され、ここでは説明を省略する。具体的には、発熱部品90は取付座96によって筐体901の内側壁に取り付けられる。且つ発熱部品90は電源部品97に接続され、電源部品97を介して発熱部品90に給電する。具体的には、電源部品97は充電可能なリチウムイオン電池であってもよい。
【0049】
一つの実施例において、発熱部品90が取付座96に取り付けられた具体的な構造は上記図1a及び図8に示すとおりである。具体的には、図8を参照して、取付座96は取付本体961及び取付孔962を含む。発熱部品90は取付孔962に挿入され、取付座96に固定される。一つの実施例において、発熱部品90の第二発熱領域Bは取付孔962に挿入され、取付座96に固定される。発熱部品90がエアロゾル形成基質98に挿入された後、エアロゾル形成基質98の下端は取付座96の上端に突き当てられて接合される。取付孔962の側壁に逃げ溝が設置されることができる。電極リード線は逃げ溝によって、取付座96に延伸し、かつ発熱体91に設置された電極に接続される。取付本体961は、少なくとも二つの係合部963をさらに備える。取付座96は、係合部963を介してエアロゾル形成装置900の筐体901に固定されることができる。
【0050】
一つの実施例において、図10を参照すると、本願の一実施例に係る取付座と発熱部品との組立てられた後の正面図である。発熱体91が取付座96の取付孔962に係合される。一つの実施例において、取付座96を挿入するための発熱体11の表面の一部は、第一係止構造964を有し、取付座96の取付孔962における第一係止構造964に対応する位置は、第二係止構造965を有する。取付座96及び発熱体91は、第一係止構造964と第二係止構造965との係合により両者の固定を達成し、それによって、取付座96と発熱体91との接続の安定性を向上させます。具体的には、第一係止構造964は複数の突起(または窪み)であり、第二係止構造965は第一係止構造964に対応する窪み(または突起)である。
【0051】
一つの実施例において、図1aを参照すると、取付本体961の一側面には、取付孔962と連通する延長溝966がさらに設けられてもよい。延長溝966は、発熱部品90の第二接続端Fと離れた端部に設置されてもよい。延長溝966の形状は、発熱部品90の取付座96に挿入される部分の形状と一致である。これにより、延長溝966によって発熱部品90の取付座96に挿入される部分をされに固定して、それが壊れないようにする。一つの実施例では、取付座96には二つの延長溝966が設置され、二つの延長溝966は交差して垂直に設置することができる。
【0052】
具体的には、取付座96の材料は、融点が160℃以上である有機材料又は無機材料を採用することができ、例えば、PEEK材料であってもよい。取付座96は接着剤を介して発熱部品90に接着されることができる。接着剤は高温に耐える接着剤であってもよい。
【0053】
本実施例が提供するエアロゾル形成装置900は発熱部品90を含む。発熱部品90が発熱体91を含み、発熱体91がエアロゾル形成基質に挿入された後にエアロゾル形成基質を加熱することができる。従来の基体にシルクプリントされた又はコーティングされた抵抗発熱回路と比べて、本願の発熱体91は、エアロゾル形成基質98に直接に独立して挿入されることができ、高温発熱中に発熱体91が基板から剥離して故障を引き起こすという問題がなく、発熱部品90の安定性が大幅に向上する。同時に、発熱体91は第一電極92a及び第一電極92aと絶縁された第二電極92bを含み、第一電極92aは発熱体91の第一接続端Eに設置されかつ電気的に接続され、第二電極92bの一端は第二接続端Fに電気的に接続されることにより、発熱体91の第一接続端Eと第二接続端Fの間に電流回路が形成され、短絡の問題を回避できるだけでなく、生産プロセスがより簡単になり、発熱体91の強度を高めることができる。
【0054】
以上は本願の実施形態であって、本願の特許範囲を制限するものではなく、本願の明細書及び図面の内容を利用して行われる等価構造又は等価プロセス変換、又は他の関連する技術分野に直接又は間接的に適用されるものは、いずれも同様に本願の特許保護範囲内に含まれる。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10