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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240318BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023014677
(22)【出願日】2023-02-02
(62)【分割の表示】P 2022058058の分割
【原出願日】2022-03-31
(65)【公開番号】P2023152702
(43)【公開日】2023-10-17
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 美弥子
(72)【発明者】
【氏名】松村 敏幸
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-069080(JP,A)
【文献】特開2017-204206(JP,A)
【文献】国際公開第2020/008524(WO,A1)
【文献】特開2015-100431(JP,A)
【文献】特開2002-015156(JP,A)
【文献】国際公開第2017/077660(WO,A1)
【文献】平手宏志朗,NFT × ファッション NFTが現実にしたデジタルファッションの新たな表現と展望,NFTの教科書,第8刷発行,朝日新聞出版,2022年03月30日,pp.116~123
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが実空間で購入した購買物に対応するデジタルコンテンツを対象にした非代替性トークンを示す非代替性トークンデータを非代替性トークン管理システムから取得する非代替性トークン取得部と、
仮想現実空間を制御する動作を行う前記ユーザのユーザデバイスで表示されることによって前記ユーザに仮想現実空間を見せるための仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信する仮想現実空間処理部と、
前記仮想現実空間処理部に対して、仮想現実空間上に表示されるオブジェクトであって前記ユーザのユーザ識別情報に関連付けられたユーザ関連オブジェクトを前記デジタルコンテンツを使用して変化させる第1仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記仮想現実空間処理部に対して、前記非代替性トークンデータに基づいて、前記デジタルコンテンツが前記非代替性トークンに対応付けられていることを前記ユーザ関連オブジェクトに関連付けて仮想現実空間上に表示する第2仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザのユーザ識別情報に関連付けられた実空間での購買の履歴情報を取得する取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記購買物を購買したことを検出した場合に、前記仮想現実空間処理部に対して、前記第2仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザのユーザ識別情報に関連付けられた実空間での購買の決済情報を取得する取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記決済情報に基づいて、前記ユーザが前記購買物を購買したことを検出した場合に、前記仮想現実空間処理部に対して、前記第2仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記デジタルコンテンツは、前記ユーザによる実空間での購買に対して付与されたデジタルコンテンツである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2仮想現実空間データは、前記非代替性トークンの保有者を示す情報を前記デジタルコンテンツに関連付けて仮想現実空間上に表示させるデータである、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2仮想現実空間データは、前記デジタルコンテンツのURLの情報を前記デジタルコンテンツに関連付けて仮想現実空間上に表示させるデータである、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記仮想現実空間処理部に対して、前記非代替性トークンデータに含まれるメタデータの情報を仮想現実空間上に表示する第3仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第3仮想現実空間データは、前記メタデータの情報を仮想現実空間上にポップアップ表示するデータである、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ユーザが実空間で購入した購買物に対応するデジタルコンテンツを対象にした非代替性トークンを示す非代替性トークンデータを非代替性トークン管理システムから取得する非代替性トークン取得ステップと、
仮想現実空間を制御する動作を行う前記ユーザのユーザデバイスで表示されることによって前記ユーザに仮想現実空間を見せるための仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信する仮想現実空間処理ステップと、
前記仮想現実空間処理ステップに対して、仮想現実空間上に表示されるオブジェクトであって前記ユーザのユーザ識別情報に関連付けられたユーザ関連オブジェクトを前記デジタルコンテンツを使用して変化させる第1仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる制御ステップと、を含み、
前記制御ステップは、前記仮想現実空間処理ステップに対して、前記非代替性トークンデータに基づいて、前記デジタルコンテンツがが前記非代替性トークンに対応付けられていることを前記ユーザ関連オブジェクトに関連付けて仮想現実空間上に表示する第2仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザに対して仮想現実(Virtual Reality:VR)の空間(仮想現実空間)のサービス(仮想現実空間サービス)を提供するためのサービスシステムが知られている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に記載された技術は、ユーザが保有者になっているNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)に対応するデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示し、仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに対応するNFTを売買するための取引をユーザ間で行うことができるサービスシステムを提供する。
【0003】
NFTは、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカード等のデジタルコンテンツに対して唯一性や保有者を証明することができるものである。そのNFTを扱うマーケットプレイス(NFTマーケットプレイス)では、NFTを購入したり販売したりすることができるようになっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】「次世代型NFTマーケットプレイスXANALIA(ザナリア)が日本マーケティングリサーチ機構の調査で3冠を獲得しました!」、株式会社日本マーケティングリサーチ機構、2021年5月14日、インターネット<URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000822.000033417.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、仮想現実空間上でのユーザの活動は、現実の空間(実空間)での当該ユーザの活動とは独立している。このため、ユーザは仮想現実空間と実空間とを別個な世界として認識し活動を行う必要があり、これが仮想現実空間サービスに対するユーザの満足度が十分に上がらない一要因に挙げられる。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、ユーザが感じる仮想現実空間と実空間との間の距離感を縮めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ユーザが実空間で購入した購買物に対応するデジタルコンテンツを対象にした非代替性トークンを示す非代替性トークンデータを非代替性トークン管理システムから取得する非代替性トークン取得部と、仮想現実空間を制御する動作を行う前記ユーザのユーザデバイスで表示されることによって前記ユーザに仮想現実空間を見せるための仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信する仮想現実空間処理部と、前記仮想現実空間処理部に対して、仮想現実空間上に表示されるオブジェクトであって前記ユーザのユーザ識別情報に関連付けられたユーザ関連オブジェクトを前記デジタルコンテンツを使用して変化させる第1仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記仮想現実空間処理部に対して、前記非代替性トークンデータに基づいて、前記デジタルコンテンツが前記非代替性トークンに対応付けられていることを前記ユーザ関連オブジェクトに関連付けて仮想現実空間上に表示する第2仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ユーザのユーザ識別情報に関連付けられた実空間での購買の履歴情報を取得する取得部をさらに備え、前記制御部は、前記履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記購買物を購買したことを検出した場合に、前記仮想現実空間処理部に対して、前記第2仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ユーザのユーザ識別情報に関連付けられた実空間での購買の決済情報を取得する取得部をさらに備え、前記制御部は、前記決済情報に基づいて、前記ユーザが前記購買物を購買したことを検出した場合に、前記仮想現実空間処理部に対して、前記第2仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記デジタルコンテンツは、前記ユーザによる実空間での購買に対して付与されたデジタルコンテンツである、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記第2仮想現実空間データは、前記非代替性トークンの保有者を示す情報を前記デジタルコンテンツに関連付けて仮想現実空間上に表示させるデータである、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記第2仮想現実空間データは、前記デジタルコンテンツのURLの情報を前記デジタルコンテンツに関連付けて仮想現実空間上に表示させるデータである、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、前記仮想現実空間処理部に対して、前記非代替性トークンデータに含まれるメタデータの情報を仮想現実空間上に表示する第3仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記第3仮想現実空間データは、前記メタデータの情報を仮想現実空間上にポップアップ表示するデータである、情報処理装置である。
【0008】
本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、ユーザが実空間で購入した購買物に対応するデジタルコンテンツを対象にした非代替性トークンを示す非代替性トークンデータを非代替性トークン管理システムから取得する非代替性トークン取得ステップと、仮想現実空間を制御する動作を行う前記ユーザのユーザデバイスで表示されることによって前記ユーザに仮想現実空間を見せるための仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信する仮想現実空間処理ステップと、前記仮想現実空間処理ステップに対して、仮想現実空間上に表示されるオブジェクトであって前記ユーザのユーザ識別情報に関連付けられたユーザ関連オブジェクトを前記デジタルコンテンツを使用して変化させる第1仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる制御ステップと、を含み、前記制御ステップは、前記仮想現実空間処理ステップに対して、前記非代替性トークンデータに基づいて、前記デジタルコンテンツがが前記非代替性トークンに対応付けられていることを前記ユーザ関連オブジェクトに関連付けて仮想現実空間上に表示する第2仮想現実空間データを前記ユーザデバイスへ送信させる、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが感じる仮想現実空間と実空間との間の距離感を縮めることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る仮想現実空間サービスシステムの構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る仮想現実空間サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係る情報処理方法の例1の手順を示すシーケンス図である。
図4】一実施形態に係る情報処理方法の例2の手順を示すシーケンス図である。
図5】一実施形態に係る情報処理方法の例3の手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る仮想現実空間サービスシステムの構成例を示すブロック図である。図1において、仮想現実空間サーバ(情報処理装置)1は、仮想現実空間サービスを提供するための情報処理を実行する。本実施形態では、仮想現実空間サービスとして、ユーザのユーザ識別情報(ユーザID)に関連付けられたオブジェクト(物体)を仮想現実空間上に表示させるサービスを提供する。ユーザIDに関連付けられたオブジェクトは、例えばユーザの分身として仮想現実空間上に表示されるキャラクター(一般に「アバター」と称される)等である。また、仮想現実空間サービスにより、ユーザは、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行うことができる。
【0012】
仮想現実空間サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークNWを介して、ユーザが使用するデバイス(ユーザデバイス)UE,VRとの間でデータを送受する。各ユーザデバイスUE,VRは、ユーザのユーザIDに関連付けて仮想現実空間サーバ1に登録されている。
【0013】
第1ユーザデバイスUEは、仮想現実空間を制御する動作を行わないデバイスである。第1ユーザデバイスUEによる動作は、仮想現実空間を制御しない動作である。したがって、ユーザは、第1ユーザデバイスUEでは、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行わない。第1ユーザデバイスUEは、例えばスマートフォンである。
【0014】
第2ユーザデバイスVRは、仮想現実空間を制御する動作を行うデバイスである。したがって、ユーザは、第2ユーザデバイスVRを使用して、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行う。
【0015】
第2ユーザデバイスVRは、例えばヘッドマウントディスプレー(HMD)である。ヘッドマウントディスプレーは、装着者に対して、コンピューターグラフィックス(CG)により作られた仮想現実空間を、リアルな空間(実空間)のように見せることができる。また、ヘッドマウントディスプレーが備える各種センサーによって動きや傾きなどが検出され、装着者が仮想現実空間上を移動しているように見せたり、仮想現実空間上のオブジェクトを見る方向を変えたりすることができる。ユーザは、ヘッドマウントディスプレーが備える操作部を使用して、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行うことができる。ヘッドマウントディスプレーが備える操作部は、例えば、ヘッドマウントディスプレー本体とは別個の装置として構成されるものであって、ヘッドマウントディスプレー本体との間で近距離無線通信を行う。
【0016】
仮想現実空間サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、実空間サーバRSVとの間でデータを送受する。実空間サーバRSVは、実空間のサービス(実空間サービス)を提供するためのサーバである。実空間サービスは、例えば、インターネットを介した通信販売(一般に「オンラインショップ」や「ネット通販」と称される)を提供するサービスである。実空間サービスは、例えば、インターネットを介した遠隔診療(一般に「オンライン診療」と称される)を提供するサービスである。
【0017】
仮想現実空間サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、コンテンツデータベースCDBとの間でデータを送受する。コンテンツデータベースCDBは、実空間サーバRSVが提供する実空間サービスに関するデジタルコンテンツを格納するデータベースである。
【0018】
仮想現実空間サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、NFT管理システム4との間でデータを送受する。NFT管理システム4は、NFT(非代替性トークン)を管理するための情報処理システムである。NFT管理システム4が管理するNFTは、ブロックチェーン5上で保有者が管理される。ブロックチェーン5には、NFT管理システム4が管理するNFTの来歴が記録されている。このブロックチェーン5によって、NFT管理システム4が管理するNFTの保有者が証明される。
【0019】
ブロックチェーン5には、NFTに関するメタデータが記録される。NFTに関するメタデータは、当該NFTについての、識別子や作成日時や保有者を特定する保有者アドレス(保有者識別情報(保有者ID))や対象物URL等の情報を有する。対象物URLは、NFTが保有者を証明する対象物であるデジタルコンテンツの所在を示すURL(Uniform Resource Locator)である。NFTが保有者を証明する対象物であるデジタルコンテンツは、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカードやデジタル写真やデジタル音声やデジタルテキストなど、様々である。
【0020】
なお、NFT管理システム4は、NFTマーケットプレイスの機能を有してもよい。NFTマーケットプレイスの機能は、NFTの発行や購入や販売等の流通に関する機能として、例えばNFTの販売情報の提示やNFTの購入依頼及び売却依頼の受付やNFTの代金の決済等である。
【0021】
図2は、本実施形態に係る仮想現実空間サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。図2において、仮想現実空間サーバ1は、仮想現実空間処理部10と、ユーザ変化情報取得部11と、制御部12と、NFT取得部13と、記憶部20と、を備える。
【0022】
仮想現実空間サーバ1の各機能は、仮想現実空間サーバ1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、仮想現実空間サーバ1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、仮想現実空間サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、仮想現実空間サーバ1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、仮想現実空間サーバ1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は仮想現実空間サーバ1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、仮想現実空間サーバ1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0023】
仮想現実空間処理部10は、ユーザに対して仮想現実空間を見せるための仮想現実空間データをコンピューターグラフィックスにより生成する仮想現実空間処理を実行する。仮想現実空間データは、例えばヘッドマウントディスプレーで表示されることにより、コンピューターグラフィックスにより作られた仮想現実空間を装着者に対して実空間のように見せることができるデータである。仮想現実空間データは、仮想現実空間サーバ1からユーザのヘッドマウントディスプレー等の第2ユーザデバイスVRへ送信される。
なお、仮想現実空間データを生成する情報処理装置(図示せず)を仮想現実空間サーバ1とは別個に設け、仮想現実空間処理部10は、仮想現実空間サーバ1とは別個に設けられた当該情報処理装置から仮想現実空間データを取得してもよい。
【0024】
本実施形態に係る仮想現実空間上には、ユーザのユーザIDに関連付けられたオブジェクトとして例えばアバターが表示される。ユーザは、第2ユーザデバイスVRを使用して、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行うことができる。
【0025】
ユーザ変化情報取得部11は、ユーザに関する変化を示す情報(ユーザ変化情報)を取得する。ユーザ変化情報取得部11は、ユーザのユーザIDに関連付けられた実空間情報が第1ユーザデバイスUEによる動作に基づいて変化したことを示すユーザ変化情報を取得する。実空間情報は、実空間上の事柄を示す情報である。第1ユーザデバイスUEによる動作は、仮想現実空間を制御しない動作である。
【0026】
制御部12は、仮想現実空間処理部10に対する制御を行う。制御部12は、ユーザ変化情報取得部11が取得したユーザ変化情報が示す実空間情報の変化に応じて、仮想現実空間処理部10により、当該ユーザ変化情報に該当するユーザIDに関連付けられた第2ユーザデバイスVRで表示される仮想現実空間上の環境を変化させる。より具体的には、制御部12は、仮想現実空間処理部10に対して、当該実空間情報の変化に応じて、新たな仮想現実空間データを仮想現実空間処理部10に取得させ、当該新たな仮想現実空間データを第2ユーザデバイスVRへ送信させ、当該新たな仮想現実空間データを第2ユーザデバイスVRで表示させるように制御する。制御部12が新たな仮想現実空間データの表示制御を行うことによって、第2ユーザデバイスVRで表示される表示データが変化する。
【0027】
NFT取得部13は、NFTを取得するためのNFT取得処理を実行する。NFT取得部13は、NFT取得処理において、NFT管理システム4に対して、デジタルコンテンツを指定し、指定したデジタルコンテンツを対象にしたNFTの取得を要求する。また、NFT取得部13は、取得されたNFTを示すNFTデータをNFT管理システム4から取得する。NFTデータは、NFTに関するデータであって、ブロックチェーン5上のメタデータを含むデータである。
【0028】
記憶部20は、ユーザ情報201、反映方法情報202等の各種のデータを記憶する。
【0029】
ユーザ情報201は、ユーザ毎に、ユーザID、各ユーザデバイスUE,VRのデバイス識別情報(デバイスID)、ユーザ変化情報の履歴などの情報を含む。ユーザ情報201のうちユーザID及び各ユーザデバイスUE,VRのデバイスIDは、仮想現実空間サービスへのユーザ登録時に記憶部20に記憶される。ユーザ情報201のうちユーザ変化情報の履歴は、ユーザ変化情報取得部11によって、ユーザ変化情報の取得の度に更新される。
【0030】
反映方法情報202は、実空間情報の変化の種類毎に設けられた所定の反映方法を示す情報である。反映方法は、制御部12が仮想現実空間処理部10により仮想現実空間上の環境を変化させる方法である。より具体的には、制御部12は、仮想現実空間処理部10に対して、実空間情報の変化の種類毎に設けられた所定の反映方法に従って、新たな仮想現実空間データを仮想現実空間処理部10に取得させ、当該新たな仮想現実空間データを第2ユーザデバイスVRへ送信させ、当該新たな仮想現実空間データを第2ユーザデバイスVRで表示させるように制御する。制御部12が新たな仮想現実空間データの表示制御を行うことによって、第2ユーザデバイスVRで表示される表示データが変化する。反映方法は、仮想現実空間サービスの管理者によって決定される。反映方法情報202は、予め仮想現実空間サーバ1に設定される。
【0031】
次に本実施形態に係る情報処理方法の例を説明する。
【0032】
[情報処理方法の例1]
図3を参照して本実施形態に係る情報処理方法の例1について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理方法の例1の手順を示すシーケンス図である。
【0033】
(ステップS101) ユーザは、第1ユーザデバイスUE(スマートフォン)を使用して、実空間サーバRSVにアクセスし、実空間サービスの提供を受ける。ここでは、実空間サービスの例としてオンラインショップでの購買を挙げて説明する。また、説明の便宜上、仮想現実空間サービスと実空間サービスとで同じユーザIDを使用する。なお、仮想現実空間サービスと実空間サービスとでユーザIDが異なる場合には、仮想現実空間サーバ1は、ユーザ情報201において、ユーザ毎に、仮想現実空間サービスのユーザIDと実空間サービスのユーザIDとを関連付けて格納する。
【0034】
ユーザ(購買ユーザ)は、第1ユーザデバイスUEを使用して、実空間サーバRSVによるオンラインショップで所望の物品(購買物)を購入する。
【0035】
(ステップS102) 実空間サーバRSVは、購買ユーザのユーザIDに関連付けて購買データを記録する。購買データは、購買ユーザのユーザID、購買日時、オンラインショップの識別情報(オンラインショップID)、購買金額、購買物に対応するデジタルコンテンツの所在を示すコンテンツURLなどを示す情報を含む。コンテンツURLは、コンテンツデータベースCDBにおけるデジタルコンテンツの所在を示すURLである。
【0036】
購買物に対応するデジタルコンテンツは、購買物を示すコンピューターグラフィックス画像(CG画像)である。例えば、購買物が衣服である場合、購買物に対応するデジタルコンテンツは当該衣服に模したCG画像である。例えば、購買物がバッグである場合、購買物に対応するデジタルコンテンツは当該バッグに模したCG画像である。
【0037】
実空間サーバRSVは、ユーザ毎に、ユーザIDに関連付けて購買データの履歴を記録する。購買データの履歴は、実空間情報である。
【0038】
(ステップS103) 実空間サーバRSVは、購買ユーザのユーザIDに関連付けたユーザ変化情報を仮想現実空間サーバ1へ送信する。この例のユーザ変化情報は、購買ユーザのユーザIDに関連付けられた購買データの履歴(実空間情報)が第1ユーザデバイスUEによる動作(オンラインショップでの購入に関する動作)に基づいて変化したことを示す情報である。当該ユーザ変化情報は、購買ユーザのユーザID、購買日時、オンラインショップID、購買物に対応するデジタルコンテンツの所在を示すコンテンツURLなどの情報を含む。当該ユーザ変化情報が示す実空間情報の変化の種類は、ユーザによる購買物の購買である。
【0039】
仮想現実空間サーバ1においてユーザ変化情報取得部11は、実空間サーバRSVからユーザ変化情報を受信する。ユーザ変化情報取得部11は、実空間サーバRSVから受信したユーザ変化情報を購買ユーザのユーザIDに関連付けてユーザ情報201に格納する。
【0040】
なお、購買ユーザがインターネットを介した電子決済を利用する場合には、電子決済サービスを提供する電子決済サーバ(図示せず)がユーザ変化情報を仮想現実空間サーバ1へ送信してもよい。この場合、実空間サーバRSVは、購買ユーザのユーザID、購買日時、オンラインショップID、購買金額、購買物に対応するデジタルコンテンツの所在を示すコンテンツURLなどの情報を含む電子決済データを電子決済サーバへ送信する。
【0041】
電子決済サーバは、実空間サーバRSVから受信した電子決済データに基づいて電子決済を行う。また、電子決済サーバは、実空間サーバRSVから受信した電子決済データに含まれる購買ユーザのユーザID、購買日時、オンラインショップID、購買物に対応するデジタルコンテンツの所在を示すコンテンツURLなどを含むユーザ変化情報を、仮想現実空間サーバ1へ送信する。当該ユーザ変化情報が示す実空間情報の変化の種類は、ユーザによる購買物の購買である。なお、ユーザ変化情報は、当該ユーザIDに対応するユーザに関する、当該電子決済サービスの利用履歴(利用回数、利用頻度、利用金額の累計など)、当該オンラインショップの利用履歴(利用回数、利用頻度、利用金額の累計など)、ユーザの口座残高の変化(購買に伴う残高の減少など)、及び決済用アプリケーションソフトの利用履歴(利用回数、利用頻度、利用金額の累計など)などの情報を含んでもよい。
【0042】
電子決済サーバは、ユーザ毎に、ユーザIDに関連付けて電子決済データの履歴を記録する。電子決済データの履歴は、実空間情報である。この例のユーザ変化情報は、購買ユーザのユーザIDに関連付けられた電子決済データの履歴(実空間情報)が第1ユーザデバイスUEによる動作(オンラインショップでの購入に関する動作)に基づいて変化したことを示す情報である。
【0043】
電子決済サーバがユーザ変化情報を仮想現実空間サーバ1へ送信する場合、複数の実空間サーバRSVに関するユーザ変化情報の仮想現実空間サーバ1への送信を電子決済サーバに集約することができる。これにより、特に多数の実空間サーバRSVがそれぞれにユーザ変化情報を仮想現実空間サーバ1へ送信する場合に比較して、仮想現実空間サーバ1におけるユーザ変化情報の受信管理の負担が軽減される。
【0044】
また、電子決済サーバがユーザ変化情報を仮想現実空間サーバ1へ送信する場合、購買ユーザが現実の店舗で購買物を購入するときにも対応することができる。購買ユーザが現実の店舗で購買物を購入する場合には、ユーザ変化情報は、購買ユーザが店舗での代金の支払いに利用した電子決済サーバから仮想現実空間サーバ1へ送信される。このユーザ変化情報は、購買ユーザのユーザID、購買日時、店舗の識別情報(店舗ID)、購買物に対応するデジタルコンテンツの所在を示すコンテンツURLなどの情報を含む。なお、ユーザ変化情報は、当該ユーザIDに対応するユーザに関する、当該電子決済サービスの利用履歴(利用回数、利用頻度、利用金額の累計など)、当該オンラインショップの利用履歴(利用回数、利用頻度、利用金額の累計など)、ユーザの口座残高の変化(購買に伴う残高の減少など)、及び決済用アプリケーションソフトの利用履歴(利用回数、利用頻度、利用金額の累計など)などの情報を含んでもよい。
【0045】
説明を図3に戻す。
(ステップS104) 仮想現実空間サーバ1において制御部12は、ユーザ変化情報取得部11が実空間サーバRSVから受信したユーザ変化情報に基づいて、反映方法情報202に示される反映方法により、仮想現実空間処理部10に対して、当該ユーザ変化情報に含まれる購買ユーザのユーザID(反映対象ユーザID)に関連付けられた第2ユーザデバイスVRで表示される仮想現実空間上の環境を変化させるように指示する。
【0046】
ここでの例では、ユーザ変化情報取得部11が実空間サーバRSVから受信したユーザ変化情報が示す実空間情報の変化の種類は、ユーザによる購買物の購買である。反映方法情報202において、ユーザ変化情報が示す実空間情報の変化の種類がユーザによる購買物の購買である場合の反映方法は、ユーザ変化情報(コンテンツURL)に基づいて購買に関する情報に対応するデジタルコンテンツを取得し、取得したデジタルコンテンツを、仮想現実空間処理部10により、第2ユーザデバイスVRで表示される仮想現実空間上の反映対象ユーザIDに関連付けられたオブジェクト(アバター)に反映させる、である。制御部12は、この反映方法に従って、ユーザ変化情報取得部11が実空間サーバRSVから受信したユーザ変化情報に含まれるコンテンツURLにアクセスし、コンテンツデータベースCDBに対してデジタルコンテンツの照会を行う。
なお、購買に関する情報は、購買物や購買店舗や購買店舗の事業者などの情報を含む。購買に関する情報は、例えば、購買物のブランドの情報や、購買店舗や購買店舗の事業者が扱うブランドの情報などであってもよい。また、購買に関する情報に対応するデジタルコンテンツは、例えば、購買物に対応するデジタルコンテンツであってもよく、又は購買物のブランドのデジタルグッズや、購買店舗や購買店舗の事業者が扱うブランドのデジタルグッズなどであってもよい。
【0047】
(ステップS105) コンテンツデータベースCDBは、仮想現実空間サーバ1からのデジタルコンテンツの照会に応じて、コンテンツURLに所在のデジタルコンテンツのデータ(コンテンツデータ)を仮想現実空間サーバ1へ応答する。コンテンツデータは、デジタルコンテンツの本体データ及びメタデータ含むデータである。デジタルコンテンツのメタデータは、当該デジタルコンテンツの作成者名、作成日時、本体データのサイズ及び購買物の種類などの情報を有する。購買物の種類は、例えば衣服やバッグや帽子や携帯機器などである。
【0048】
仮想現実空間サーバ1において制御部12は、コンテンツデータベースCDBから取得したコンテンツデータを、反映対象ユーザIDに関連付けて記憶部20に記憶させる。
【0049】
(ステップS106) 仮想現実空間サーバ1において制御部12は、仮想現実空間処理部10に対して、反映対象ユーザIDを通知し、反映対象ユーザIDに関連付けて記憶部20に記憶されているコンテンツデータで示されるデジタルコンテンツを反映対象ユーザIDに関連付けられた仮想現実空間上のオブジェクト(アバター)に反映させるように指示する。
【0050】
仮想現実空間処理部10は、制御部12からの反映の指示に応じて、反映対象ユーザIDに関連付けられたコンテンツデータを記憶部20から取得し、取得したコンテンツデータで示されるデジタルコンテンツを、仮想現実空間上において、反映対象ユーザIDに関連付けられたオブジェクト(アバター)に反映させる。この反映の処理において、仮想現実空間処理部10は、記憶部20から取得したコンテンツデータのメタデータが示す購買物の種類に応じた所定の方法によって、デジタルコンテンツを、反映対象ユーザIDに関連付けられた仮想現実空間上のアバターに反映させる。
【0051】
例えば、購買物の種類が衣服である場合には、反映対象ユーザIDに関連付けられたアバターとして、デジタルコンテンツ(衣服に模したCG画像)を衣服に使用したアバターを仮想現実空間上に表示させる。例えば、購買物の種類がバッグである場合には、反映対象ユーザIDに関連付けられたアバターとして、デジタルコンテンツ(バッグに模したCG画像)を身に着けたアバターを仮想現実空間上に表示させる。例えば、購買物の種類が帽子である場合には、反映対象ユーザIDに関連付けられたアバターとして、デジタルコンテンツ(帽子に模したCG画像)を頭にかぶったアバターを仮想現実空間上に表示させる。例えば、購買物の種類が携帯機器である場合には、反映対象ユーザIDに関連付けられたアバターとして、デジタルコンテンツ(携帯機器に模したCG画像)を手に持ったアバターを仮想現実空間上に表示させる。
【0052】
(ステップS107) 購買ユーザは、第2ユーザデバイスVR(HMD)を使用して、仮想現実空間サーバ1が提供する仮想現実空間サービスにより、仮想現実空間上に表示された自己のアバターを認識する。このアバターは、購買ユーザが購入した購買物に対応するデジタルコンテンツが反映されたアバターである。例えば、購買ユーザが衣服を購入した場合、購買ユーザは、アバターの衣服が購買以前とは異なる衣服に着せ替えられていることを認識する。例えば、購買ユーザがバッグを購入した場合、購買ユーザは、アバターが購買以前には身に着けていなかったバッグがアバターに身に着けられていることを認識する。例えば、購買ユーザが帽子を購入した場合、購買ユーザは、アバターが購買以前には頭にかぶっていなかった帽子がアバターの頭にかぶられていることを認識する。例えば、購買ユーザが携帯機器を購入した場合、購買ユーザは、アバターが購買以前には手に持っていなかった携帯機器がアバターの手に持たれていることを認識する。
【0053】
このように、購買ユーザが購入した購買物に対応するデジタルコンテンツが購買ユーザの分身であるアバターに反映されて仮想現実空間上に表示されることにより、購買ユーザの実空間上の事柄の変化(購買ユーザによる購買)が仮想現実空間上に反映されるので、購買ユーザが感じる仮想現実空間と実空間との間の距離感を縮めることできるという効果が得られる。
【0054】
なお、上述の例では、実空間情報の変化の種類がユーザによる購買物の購買である場合を説明したが、オンライン診療等のサービスの購買であってもよい。実空間情報の変化の種類がサービスの購買である場合、ユーザ変化情報は、購買ユーザのユーザID、購買日時、サービス提供者の識別情報(サービス提供者ID)、サービス内容などの情報を含み、コンテンツURLは含まれない。オンライン診療サービスの場合、ユーザ変化情報は、オンライン診療サービスを提供する実空間サーバRSV又は電子決済サーバから仮想現実空間サーバ1へ送信され、サービス内容は「オンライン診療」である。
【0055】
また、他のサービスの例として、購買ユーザが現実の店舗でサービスの提供を受ける場合、ユーザ変化情報は、購買ユーザが店舗での代金の支払いに利用した電子決済サーバから仮想現実空間サーバ1へ送信され、サービス内容は当該店舗の所定の内容である。例えば、購買ユーザが理髪店を利用した場合、サービス内容は「理髪」である。
【0056】
反映方法情報202において、ユーザ変化情報が示す実空間情報の変化の種類がユーザによるサービスの購買である場合の反映方法は、ユーザ変化情報に示されるサービス内容を、仮想現実空間処理部10により、第2ユーザデバイスVRで表示される仮想現実空間上の反映対象ユーザIDに関連付けられたオブジェクト(アバター)に反映させる、である。
【0057】
例えば、サービス内容が「オンライン診療」である場合、仮想現実空間処理部10は、制御部12からの反映方法に基づいた反映の指示に応じて、反映対象ユーザIDに関連付けられた仮想現実空間上のアバターの表情を所定の病状を表す表情(例えば風邪をひいている表情など)にする。例えば、サービス内容が「理髪」である場合、仮想現実空間処理部10は、制御部12からの反映方法に基づいた反映の指示に応じて、反映対象ユーザIDに関連付けられた仮想現実空間上のアバターの髪型を、所定の髪型の候補の中から現在の髪型とは異なる髪型に変える。
【0058】
なお、購買ユーザがインターネットを介した電子決済を利用した場合に、特典として所定のデジタルコンテンツを付与するようにしてもよい。この場合、購買ユーザに付与されたデジタルコンテンツを、仮想現実空間上において、購買ユーザのユーザIDに関連付けられたアバターに反映させてもよい。
【0059】
[情報処理方法の例2]
情報処理方法の例2は、上述した情報処理方法の例1の変形例である。図4を参照して本実施形態に係る情報処理方法の例2について説明する。図4は、本実施形態に係る情報処理方法の例2の手順を示すシーケンス図である。図4において、図3の各ステップに対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0060】
情報処理方法の例2では、購買ユーザが購入した購買物が限定品である場合に、当該購買物に対応するデジタルコンテンツを対象にしたNFTを取得し、当該デジタルコンテンツに対応するNFTが取得されていることを、仮想現実空間上で当該デジタルコンテンツに対して表示させる。
【0061】
ステップS101からステップS105までは、上述した情報処理方法の例1と同様に実行される。但し、仮想現実空間サーバ1がコンテンツデータベースCDBから取得したデジタルコンテンツのコンテンツデータに含まるメタデータは、デジタルコンテンツに対応する購買物が限定品であることを示す情報を有する。これにより、仮想現実空間サーバ1において制御部12は、コンテンツデータベースCDBから取得したコンテンツデータに含まるメタデータから、購買物が限定品であることを認識する。
【0062】
反映方法情報202において、ユーザ変化情報が示す実空間情報の変化の種類がユーザによる購買物の購買であり且つ購買物が限定品である場合の反映方法は、(1)ユーザ変化情報(コンテンツURL)に基づいて購買物に対応するデジタルコンテンツを取得し、取得したデジタルコンテンツを、仮想現実空間処理部10により、第2ユーザデバイスVRで表示される仮想現実空間上の反映対象ユーザIDに関連付けられたオブジェクト(アバター)に反映させる、及び(2)購買物に対応するデジタルコンテンツを対象にしたNFTを取得し、当該デジタルコンテンツに対応するNFTが取得されていることを、仮想現実空間上で当該デジタルコンテンツに対して表示させる、である。この反映方法(1),(2)のうち、反映方法(1)は上述した情報処理方法の例1と同じである。したがって、情報処理方法の例2では、上述した情報処理方法の例1に対してさらに、反映方法(2)が実行される。このため、ステップS105に次いでステップS121が実行される。
【0063】
(ステップS121) 仮想現実空間サーバ1においてNFT取得部13は、NFT管理システム4に対して、購買物に対応するデジタルコンテンツを対象にしたNFTを取得するNFT取得要求を送信する。このNFT取得要求において、NFT取得部13は、NFTの保有者になる所定の者の識別情報(保有者ID)と、購買物に対応するデジタルコンテンツのコンテンツURL(対象物URL)とをNFT管理システム4へ通知する。NFTの保有者になる者は、例えば仮想現実空間サービスの管理者である。
【0064】
(ステップS122) NFT管理システム4は、仮想現実空間サーバ1からのNFT取得要求に応じて、購買物に対応するデジタルコンテンツを対象にしたNFT(取得対象NFT)を新規に発行する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上には、取得対象NFTが新規に記録されるとともに、取得対象NFTに関するメタデータが記録される。取得対象NFTに関するメタデータは、取得対象NFTについての、識別子や作成日時や保有者ID(例えば仮想現実空間サービスの管理者の識別情報(サービス管理者ID))や対象物URL(コンテンツURL)等の情報を有する。
【0065】
(ステップS123) NFT管理システム4は、仮想現実空間サーバ1に対して、取得対象NFTに関するNFTデータを応答する(NFT取得応答)。取得対象NFTに関するNFTデータは、取得対象NFTに関するデータであって、ブロックチェーン5上のメタデータを含むデータである。仮想現実空間サーバ1においてNFT取得部13は、NFT管理システム4から受信した取得対象NFTに関するNFTデータを、購買ユーザのユーザID(反映対象ユーザID)に関連付けて記憶部20に記憶されているコンテンツデータ(購買物に対応するデジタルコンテンツのコンテンツデータ)に関連付けて、記憶部20に記憶させる。
【0066】
(ステップS124) 仮想現実空間サーバ1において制御部12は、仮想現実空間処理部10に対して、購買ユーザのユーザID(反映対象ユーザID)を通知し、反映対象ユーザIDに関連付けて記憶部20に記憶されているコンテンツデータで示されるデジタルコンテンツを反映対象ユーザIDに関連付けられた仮想現実空間上のオブジェクト(アバター)に反映させるように指示する。さらに制御部12は、仮想現実空間処理部10に対して、当該コンテンツデータに関連付けて記憶部20に記憶されている取得対象NFTに関するNFTデータに基づいて、当該デジタルコンテンツに対応するNFT(取得対象NFT)が取得されていることを、仮想現実空間上で当該デジタルコンテンツに対して表示させるように指示する。
【0067】
仮想現実空間処理部10は、制御部12からの反映の指示に応じて、反映対象ユーザIDに関連付けられたコンテンツデータを記憶部20から取得し、取得したコンテンツデータで示されるデジタルコンテンツを、仮想現実空間上において、反映対象ユーザIDに関連付けられたオブジェクト(アバター)に反映させる。この反映の処理は、上述した情報処理方法の例1と同じである。
【0068】
仮想現実空間処理部10は、仮想現実空間上において、反映対象ユーザIDに関連付けられたオブジェクト(アバター)に反映されたデジタルコンテンツに対して、NFT(取得対象NFT)が取得されていることを表示する。例えば、NFTが取得済みであることを示すマークをデジタルコンテンツに付加して仮想現実空間上に表示させる。当該マークに対しては、当該マークが仮想現実空間上で指定されると、取得対象NFTに関するNFTデータが有するメタデータの情報が仮想現実空間上でポップアップ表示されるようにする。
【0069】
(ステップS107) 購買ユーザは、第2ユーザデバイスVR(HMD)を使用して、仮想現実空間サーバ1が提供する仮想現実空間サービスにより、仮想現実空間上に表示された自己のアバターを認識する。このアバターは、購買ユーザが購入した購買物に対応するデジタルコンテンツが反映されたアバターである。この点は、上述した情報処理方法の例1と同じである。さらに購買ユーザは、仮想現実空間上に表示された自己のアバターに反映されたデジタルコンテンツに対して、NFTが取得されていることが表示されていることを認識する。例えば、購買ユーザは、当該デジタルコンテンツに対して、NFTが取得済みであることを示すマークが付加されていることを視認する。さらに、購買ユーザは、当該マークを仮想現実空間上で指定すると、取得対象NFTに関するNFTデータが有するメタデータの情報が仮想現実空間上でポップアップ表示されることを視認する。
【0070】
[情報処理方法の例3]
図5を参照して本実施形態に係る情報処理方法の例3について説明する。図5は、本実施形態に係る情報処理方法の例3の手順を示すシーケンス図である。
【0071】
(ステップS201) ユーザ(対象ユーザ)は、第1ユーザデバイスUE(スマートフォン)を使用して、アプリケーションを実行する。なお、アプリケーションは、自動的に実行されてもよい。
【0072】
(ステップS202) アプリケーションは、自アプリケーションが実行した内容(アプリケーション実行内容)を、対象ユーザの識別情報(対象ユーザID)に関連付けて第1ユーザデバイスUEに記録する。第1ユーザデバイスUEは、アプリケーション毎に、アプリケーション実行内容の履歴を記録する。アプリケーション実行内容の履歴は、実空間情報である。
【0073】
(ステップS203) 第1ユーザデバイスUEは、対象ユーザIDに関連付けたユーザ変化情報を仮想現実空間サーバ1へ送信する。この例のユーザ変化情報は、対象ユーザのユーザID(対象ユーザID)に関連付けられたアプリケーション実行内容の履歴(実空間情報)が第1ユーザデバイスUEによる動作(アプリケーションの実行に関する動作)に基づいて変化したことを示す情報である。
当該ユーザ変化情報は、対象ユーザID、アプリケーション実行日時、アプリケーション実行内容などの情報を含む。
【0074】
仮想現実空間サーバ1においてユーザ変化情報取得部11は、第1ユーザデバイスUEからユーザ変化情報を受信する。ユーザ変化情報取得部11は、第1ユーザデバイスUEから受信したユーザ変化情報を対象ユーザIDに関連付けてユーザ情報201に格納する。
【0075】
(ステップS204) 仮想現実空間サーバ1において制御部12は、対象ユーザIDに関連付けて記憶部20に記憶されているユーザ変化情報に基づいて、反映方法情報202に示される反映方法により、仮想現実空間処理部10に対して、当該ユーザ変化情報に含まれる対象ユーザIDに関連付けられた第2ユーザデバイスVRで表示される仮想現実空間上の環境を変化させるように指示する。
【0076】
仮想現実空間処理部10は、制御部12からの反映の指示に応じて、対象ユーザIDに関連付けられた第2ユーザデバイスVRで表示される仮想現実空間上の環境を変化させる。
【0077】
ここで、情報処理方法の例3に係る反映方法の例を説明する。
【0078】
[情報処理方法の例3に係る反映方法の例1]
実空間情報の変化の種類がユーザの心身状態の変化である場合の反映方法は、ユーザ変化情報に示される対象ユーザの心身状態の変化を、仮想現実空間処理部10により、第2ユーザデバイスVRで表示される仮想現実空間上の対象ユーザIDに関連付けられたオブジェクト(アバター)に反映させる、である。
【0079】
例えば、ユーザ変化情報に含まれるアプリケーション実行内容がウェルネスアプリケーションによる健康指標の変化(例えば、対象ユーザが1日に歩いた歩数)を示す場合は、対象ユーザの心身状態の変化に対応する。この場合、仮想現実空間処理部10は、制御部12からの反映方法に基づいた反映の指示に応じて、対象ユーザIDに関連付けられた仮想現実空間上のアバターの表情を所定の表情にする。例えば、対象ユーザが1日に歩いた歩数が所定の標準歩数以上である場合には、アバターの表情を所定の非常に元気よい溌剌な表情にする。一方、対象ユーザが1日に歩いた歩数が所定の標準歩数未満である場合には、アバターの表情を所定の通常の元気よい表情にする。
【0080】
例えば、ユーザ変化情報に含まれるアプリケーション実行内容がヘルスケアアプリケーションによる通院(現実の病院又はオンラインでの診療)の検知を示す場合は、対象ユーザの心身状態の変化に対応する。この場合、仮想現実空間処理部10は、制御部12からの反映方法に基づいた反映の指示に応じて、対象ユーザIDに関連付けられた仮想現実空間上のアバターの表情を所定の病状を表す表情(例えば風邪をひいている表情など)にする。
【0081】
[情報処理方法の例3に係る反映方法の例2]
実空間情報の変化の種類がユーザの周辺環境の変化である場合の反映方法は、ユーザ変化情報に示される対象ユーザの周辺環境の変化を、仮想現実空間処理部10により、第2ユーザデバイスVRで表示される仮想現実空間上の対象ユーザIDに関連付けられたオブジェクト(アバター)の周辺環境に反映させる、である。
【0082】
例えば、ユーザ変化情報に含まれるアプリケーション実行内容がGPS:Global Positioning System)アプリケーションによる端末位置を示す場合は、対象ユーザの周辺環境の変化に対応する。この場合、仮想現実空間処理部10は、制御部12からの反映方法に基づいた反映の指示に応じて、対象ユーザIDに関連付けられたアバターを、ユーザ変化情報に含まれるアプリケーション実行内容が示す端末位置に対応する仮想現実空間上の位置に表示する。これにより、対象ユーザ(第1ユーザデバイスUE)が現実の例えば渋谷駅周辺に存在している時に、当該第1ユーザデバイスUEの端末位置がユーザ変化情報(アプリケーション実行内容)として仮想現実空間サーバ1に通知されると、仮想現実空間上において、対象ユーザのアバターが仮想現実空間上の渋谷駅周辺に表示される。
【0083】
例えば、ユーザ変化情報に含まれるアプリケーション実行内容がスケジュール管理アプリケーションによるイベントの検知を示す場合は、対象ユーザの周辺環境の変化に対応する。この場合、仮想現実空間処理部10は、制御部12からの反映方法に基づいた反映の指示に応じて、対象ユーザIDに関連付けられた仮想現実空間上のアバターの周辺において、ユーザ変化情報に含まれるアプリケーション実行内容が示すイベントに対応する所定の表示を行う。例えば、イベントが誕生日や引越し等のお祝い事である場合には、仮想現実空間処理部10は、対象ユーザIDに関連付けられた仮想現実空間上のアバターの周辺に、所定の祝福の画像やテキストの表示を行う。
【0084】
(ステップS205) 対象ユーザは、第2ユーザデバイスVR(HMD)を使用して、仮想現実空間サーバ1が提供する仮想現実空間サービスにより、仮想現実空間上に表示された自己のアバターやアバターの周辺環境を認識する。このアバターやアバターの周辺環境は、対象ユーザの現実の心身状態や周辺環境が仮想現実空間上でアバターやアバターの周辺環境に反映されたものである。
【0085】
上述した情報処理方法の例3によれば、対象ユーザの現実の心身状態や周辺環境が変化した場合に、当該現実の変化が対象ユーザの分身であるアバターやアバターの周辺環境に反映されて仮想現実空間上に表示されることにより、対象ユーザの実空間上の事柄の変化(対象ユーザの現実の心身状態や周辺環境の変化)が仮想現実空間上に反映されるので、対象ユーザが感じる仮想現実空間と実空間との間の距離感を縮めることできるという効果が得られる。
【0086】
上述したように本実施形態によれば、ユーザが感じる仮想現実空間と実空間との間の距離感を縮めることができる。これにより、仮想現実空間サービスに対するユーザの満足度の向上に寄与することができる。
【0087】
なお、ユーザの実空間上の事柄の変化を仮想現実空間上に自動的に反映し過ぎると、プライバシーの面でユーザを不安にさせる可能性がある。このため、実空間上の事柄を仮想現実空間上に反映させるか否かをユーザが選択することができることは好ましい。このことから、仮想現実空間サーバ1において制御部12は、ユーザに対して、実空間上の事柄を仮想現実空間上に反映させるか否かを選択するためのメニューを提供する機能を有してもよい。制御部12は、当該メニューにおいて実空間上の事柄を仮想現実空間上に反映させないことがユーザにより選択された場合には、当該ユーザに関して、ユーザ変化情報が示す実空間情報の変化に応じた仮想現実空間上の環境の変化を行わない。
【0088】
なお、これにより、例えば仮想現実空間サービスを提供するシステムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0090】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0091】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0092】
1…仮想現実空間サーバ(情報処理装置)、UE…第1ユーザデバイス、VR…第2ユーザデバイス、CDB…コンテンツデータベース、RSV…実空間サーバ、4…NFT管理システム、5…ブロックチェーン、10…仮想現実空間処理部、11…ユーザ変化情報取得部、12…制御部、13…NFT取得部、20…記憶部、NW…通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5