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特許7456078詰め替え可能コーヒーカプセル用の充填装置を有するコーヒーグラインダー
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  • 特許-詰め替え可能コーヒーカプセル用の充填装置を有するコーヒーグラインダー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】詰め替え可能コーヒーカプセル用の充填装置を有するコーヒーグラインダー
(51)【国際特許分類】
   B65B 29/02 20060101AFI20240319BHJP
   A47J 31/42 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B65B29/02
A47J31/42
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021538433
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 DE2019000333
(87)【国際公開番号】W WO2020135899
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】102018009992.0
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521285377
【氏名又は名称】シュマック、ジャン
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュマック、ジャン
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102016014089(DE,A1)
【文献】国際公開第2016/029355(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B29/00-29/10
A47J31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填チューブを含む、詰め替え可能コーヒーカプセル用の充填装置を備える、コーヒーを挽くコーヒーグラインダーであって、
アクセス開口であって、前記アクセス開口を通じて前記充填チューブ内へと挽いたコーヒーが落下可能となる、アクセス開口を備え、
前記充填チューブ内にガイドされ、前記コーヒーグラインダーから、前記アクセス開口および前記充填チューブを通じて前記詰め替え可能コーヒーカプセル内へと落下した前記挽いたコーヒーを圧縮するように、前記充填チューブの内部で上下移動可能なラムをさらに備え、
上側に前記詰め替え可能コーヒーカプセルを収容する窪みを有し、垂直軸の機能を有する構造により前記コーヒーグラインダーに存在するマウントに取り付けられて横に枢動可能である、詰め替え可能カプセル用の容器が前記充填チューブの下に設けられ、その結果、前記窪み内の前記詰め替え可能コーヒーカプセルは、枢動移動の両終端位置において、前記充填チューブの下に配置されて充填可能となるか、上方に取り外し可能となるまで、前記充填チューブの下から外に枢動可能となり、
前記詰め替え可能カプセル用の容器は、交換可能である、または、前記詰め替え可能コーヒーカプセルのための前記窪みは、前記詰め替え可能カプセル用の容器内に直接導入されるのではなく、前記詰め替え可能カプセル用の容器は、枢動可能な前記詰め替え可能カプセル用の容器に締結され、且つ、前記詰め替え可能コーヒーカプセルの前記窪みが導入される交換可能インサートを有する、コーヒーグラインダー。
【請求項2】
前記垂直軸の機能を有する前記構造に対する前記マウントは、前記コーヒーグラインダーのハウジングの一体的部位であるか、前記コーヒーグラインダーに取り付けられる別個の部位である、請求項1に記載のコーヒーグラインダー。
【請求項3】
前記垂直軸の機能を有する前記構造は、前記マウント内に固定的に取り付けられ、前記詰め替え可能カプセル用の容器内で自由に回転可能であるか、前記垂直軸の機能を有する前記構造は、前記マウント内で自由に回転可能であり、前記詰め替え可能カプセル用の容器内に固定的に取り付けられる、請求項1または2に記載のコーヒーグラインダー。
【請求項4】
充填チューブを含む、詰め替え可能コーヒーカプセル用の充填装置を備える、コーヒーを挽くコーヒーグラインダーであって、
アクセス開口であって、前記アクセス開口を通じて前記充填チューブ内へと挽いたコーヒーが落下可能となる、アクセス開口を備え、
前記充填チューブ内にガイドされ、前記コーヒーグラインダーから、前記アクセス開口および前記充填チューブを通じて前記詰め替え可能コーヒーカプセル内へと落下した前記コーヒーを圧縮するように、前記充填チューブの内部で上下移動可能なラムをさらに備え、
詰め替え可能カプセル用の容器であって、上側に前記詰め替え可能コーヒーカプセルを収容する窪みを有し、前記詰め替え可能カプセル用の容器の直線移動を可能にする直線ガイドを有する、詰め替え可能カプセル用の容器が前記充填チューブの下に設けられ、その結果、前記窪み内の前記詰め替え可能コーヒーカプセルは、直線移動の両終端位置において、前記充填チューブの下に配置されて充填可能となるか、前記詰め替え可能コーヒーカプセルが上方に取り外し可能となるまで、前記充填チューブの下から外に引き出し可能となり、
前記詰め替え可能カプセル用の容器は、交換可能である、または、前記詰め替え可能コーヒーカプセルのための前記窪みは、前記詰め替え可能カプセル用の容器内に直接導入されるのではなく、前記詰め替え可能カプセル用の容器は、前記詰め替え可能カプセル用の容器に締結され、且つ、前記詰め替え可能コーヒーカプセルの前記窪みが導入される交換可能インサートを有する、コーヒーグラインダー。
【請求項5】
充填チューブを含む、詰め替え可能コーヒーカプセル用の充填装置を備える、コーヒーを挽くコーヒーグラインダーであって、
アクセス開口であって、前記アクセス開口を通じて前記充填チューブ内へと挽いたコーヒーが落下可能となる、アクセス開口を備え、
前記充填チューブ内にガイドされ、前記コーヒーグラインダーから、前記アクセス開口および前記充填チューブを通じて前記詰め替え可能コーヒーカプセル内へと落下した前記コーヒーを圧縮するように、前記充填チューブの内部で上下移動可能なラムをさらに備え、
詰め替え可能カプセル用の容器であって、上側に詰め替え可能カプセルを収容する窪みを有し、前記コーヒーグラインダーに存在するマウントに取り付けられて前記詰め替え可能カプセル用の容器が前記充填チューブの下から前方向に傾斜する枢動移動を可能にする水平軸の機能を有する構造を有する、詰め替え可能カプセル用の容器が前記充填チューブの下に設けられ、その結果、前記窪み内の前記詰め替え可能コーヒーカプセルは、枢動移動の両終端位置において、前記充填チューブの下に配置されて充填可能となるか、上方に取り外し可能となるまで、前記充填チューブの下から外に枢動可能となり、
前記詰め替え可能カプセル用の容器は、交換可能である、または、前記詰め替え可能コーヒーカプセルのための前記窪みは、前記詰め替え可能カプセル用の容器内に直接導入されるのではなく、前記詰め替え可能カプセル用の容器は、枢動可能な前記詰め替え可能カプセル用の容器に締結され、且つ、前記詰め替え可能コーヒーカプセルの前記窪みが導入される交換可能インサートを有する、コーヒーグラインダー。
【請求項6】
前記詰め替え可能カプセル用の容器は、少なくとも1つのフックを有し、水平軸を中心に移動可能であり、取手を含み、前記フックの傾斜面が、前記詰め替え可能カプセル用の容器の、少なくとも1つの開口を有する中空の前記マウントの表面に対する移動中に、前記少なくとも1つの開口の縁に当接し、移動し、さらなる移動中に、前記フックの前記傾斜面が、完全に前記開口内へと摺動し、その後前記フックが前記中空のマウントの壁の後ろに移動するように、移動可能であり、それにより、前記詰め替え可能コーヒーカプセルが前記充填チューブの直下に位置するような位置に前記詰め替え可能カプセル用の容器を保持し、前記取手が押されると、前記フックは前記フックの先端が前記中空のマウントの前記壁の後ろに位置しなくなるように移動しながらも、前記開口に正確に嵌合するように移動し、これにより、前記詰め替え可能カプセル用の容器が、前記詰め替え可能コーヒーカプセルが取り外し可能である、別の終端位置へと移動可能となる、請求項に記載のコーヒーグラインダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詰め替え可能コーヒーカプセル用の充填装置と、そのような充填装置を有するコーヒーグラインダーとに関する。
【背景技術】
【0002】
カプセルコーヒー、またはカプセルコーヒーメーカーが普及している。元からあるカプセルコーヒーのベンダーに加え、現在、独自のカプセルシステムを提供するか、別のベンダー製の製品と互換性のあるカプセルを提供する数多くのコーヒー生産者も市場に参入している。カプセルは通常、金属またはプラスチック製、あるいはこれら両材料製である。カプセル毎のコーヒーの量は、通常約5gと少ない。カプセルは1度使用すると捨てる必要があるため、コーヒー1キログラムあたりの金属およびプラスチックの廃棄量は比較的大きくなる。
【0003】
ここ数年、(使い捨て)カプセルの代わりに、詰め替え可能カプセルも各種製造業者により提供されている。そのようなカプセルの例は、EP2483177B1およびFR2905683A1に記載されている。これらは金属またはプラスチック製、あるいはこれら両方により製造され、使用後に洗浄して、複数回詰め替え可能である。
【0004】
これら詰め替え可能カプセルは、使い捨てカプセルまたは使い捨てカプセル用のカプセルコーヒーメーカーと互換性がある。これら詰め替え可能カプセルの利点としては、廃棄量の低減と、コーヒーを自分で選ぶことができる選択肢を提供することが挙げられる。したがって、1杯あたりのコストが大幅に抑えられる、またはフェアトレードコーヒーまたはオーガニックコーヒーなどの特定の種類を自由に使用することが可能になる。
【0005】
詰め替え可能カプセルは通常、硬質な蓋を有する。蓋は、ヒンジを介してカプセルに接続されるか、カプセルに接続されない別個のコンポーネントである。蓋が可撓性膜であるカプセルもある。この蓋は、接着により取り付けられ、使用毎に除去され新しい膜と交換される。
【0006】
詰め替え可能カプセルは、例えばスプーンまたは漏斗を使用して充填可能である。カプセルに取り付けられる取手を設ける製造業者もある。この場合、挽いたコーヒーを掬って直接カプセルに充填が行われる。その後、カプセルの縁からはみ出たコーヒーを掃い落とす必要がある。指でカプセルを摘まんで、挽いたコーヒーの中から引き出す場合も同様である。カプセルに加えたコーヒーは、カプセルを蓋で閉める前に圧縮する必要がある。この目的のため、いくつかの詰め替え可能カプセル用に、タンパーと呼ばれる特定の手持ちラムが利用可能である。
【0007】
詰め替え可能カプセルは、購入した予め挽いたコーヒー、またはコーヒー豆から自分で挽いたコーヒーにより充填可能である。
【0008】
詰め替え可能カプセルから作ったコーヒー飲料が、良好な風味および良好な濃さを有するかどうかは、コーヒーの種類だけではなく、カプセルに加えられるコーヒーの量と、挽き目に依存することは間違いない。挽き目を最適に設定できることから、自分で挽いたコーヒーを使用することが有利である。
【0009】
現状、あらゆる詰め替え可能カプセルの欠点として、これらを最適な分量の挽いたコーヒーで充填することが困難であり、そしてそれを繰り返し行うことはほぼ不可能であることが挙げられる。このためには、各カプセル1つずつについて必要な量のコーヒーを計量することが求められるが、これは全く現実的ではない。挽き時間を設定可能なグラインダーを使用したとしても、1つのカプセルの充填のために挽いたそれぞれの量をまとめ、それを全てカプセルに加え、圧縮するのは面倒である。これは通常、淹れたコーヒーがいまひとつで、また品質も大幅に変動することに帰結する。その結果、使い捨てカプセルと比して物足りなさがかなり感じられる。さらなる欠点として、充填時のカプセルの扱いが面倒であることが挙げられる。使い捨てカプセルを使用するよりも大幅に時間がかかるのである。
【0010】
さらなる欠点として、カプセル充填時にコーヒーがカプセルの縁、したがってカプセルと蓋の間の封止面に載ってしまうことが多いことが挙げられる。その場合、カプセルを閉じる前にこれを払い落とす必要がある。
【0011】
CN202801269Uは、コーヒーカプセルを充填するための、コーヒーメーカー用の装置に関する。これは、コーヒーメーカーに合わせてコーヒーカプセルを封止する装置である。
【0012】
EP3312101A1にも、コーヒーグラインダーを備える、コーヒーカプセルを充填するための装置が、より具体的には、自動的な複数のカプセルの連続した充填および封止のための変形例において記載されている。
【0013】
WO2016/029355A1には、コーヒーグラインダーと、コーヒー豆用の焙煎ユニットを備える、コーヒーカプセルを充填するための装置が、より具体的には、同様に、自動的なカプセルの充填および封止のための変形例において記載されている。
【0014】
したがって、上述の文献の全てには、カプセル封止のための一体的装置の自動化による、比較的複雑な充填処理について記載されている。
【0015】
DE102016014089A1により、自分で挽いたコーヒーで、詰め替え可能カプセルに対する最適な充填を迅速に、綺麗に、そして何よりも繰り返し可能に実現するという目的が実現される。
【0016】
同文献には、充填チューブと、ラムとを備えるコーヒーグラインダーが記載されている。挽いたコーヒーは、横アクセス開口を通じて充填チューブに入ると、充填チューブの下に配置された詰め替え可能カプセル内へと落下する。可動ラムが、横アクセス開口の上方で、充填チューブ内に配置される、またはその内部に挿入可能であり、したがって、カプセルの充填作業の終了後即、充填チューブ内を下方に移動することで、カプセル内へと落下したコーヒーを圧縮する。充填チューブと、充填チューブに対して近傍に安置されたカプセルとにより、挽いたコーヒーの全量が常にカプセル内に入ることが保証される。
【0017】
充填チューブの下にカプセルを配置するために、充填チューブ自体、または充填チューブの下にマウントが設けられる。マウントは、カプセルを、特に挽いたコーヒーが加えられ圧縮されている間、中心に、好ましくは充填チューブの下で可能な限り近くに配置および保持されるように支持する。
【0018】
さらに、カプセルに対するマウントは、好ましくはカプセルが充填チューブの下で、横から、または水平に押せるように設計されることができるものとする。これは例えば、互いに対向する2つの水平U字状ガイドが、フランジ状の縁を持つカプセルに対して設けられることで実現できる。ガイドはカプセルの縁を支持し、これによりカプセルを充填チューブの直下で、垂直に保持されながら水平に押すことができるようになる。フランジ状の縁を持たないカプセルの場合、カプセルは下から支持されて、横ガイド面によりガイドされ得、その結果、このカプセルも同様に水平方向に変位可能で、充填チューブの下で垂直位置に保持される。いずれの設計でも、マウントはコーヒーグラインダーに動かないように取り付けられる。
【0019】
さらに、挽いたコーヒーがラムの作動の結果、カプセル内に圧縮された後、カプセルに過剰に詰め込みされていなければ、ラムがカプセルの縁の下に位置することが記載されている。その後、余剰な挽いたコーヒーが、底の充填チューブ縁によりカプセルから押し出されることなく、マウントからカプセルを引き出すことができる。これにより、カプセルの充填がカプセル内への押し込み、挽き処理の開始、ラムの作動、およびカプセル取り外しに限定され、極めて迅速および綺麗に実行可能となる。
【0020】
この発明の欠点としては、押し込み時にカプセルが十分な精度で充填チューブの下に配置されるか、顕著な遊びなしでマウント内に保持されるように、マウントの上記設計は、いずれの場合もカプセルの断面に正確に一致しなければならないことが挙げられる。これは縁あり、縁なしの両方のカプセルに当てはまる。このように上記マウントにより、DE102016014089A1に記載の発明は、常に1つの特定の詰め替え可能カプセルモデルにしか適切とならない。
【発明の概要】
【0021】
この欠点は、以下に説明する発明により解消される。これは、フランジ下の直径が23mmから最大75mmで、高さが最大55mmの回転対称詰め替え可能カプセル、またはフランジ下で最大75mm×75mmの周縁のサイズの正方形で、最大60mmの高さの非回転対称詰め替え可能カプセルに適する。
【0022】
本発明は、独立請求項に記載される。本発明の好ましい実施形態は、従属項において確認可能である。
【0023】
DE102016014089A1に記載のとおり、充填チューブと、ラムとを備えるコーヒーグラインダーは、詰め替え可能カプセル用のマウントと共に設計される。ただし、マウントにおいて、カプセル用の容器は、可動に設計される。この場合、容器はカプセルとともに、充填チューブの下に、またはそこから離間するように移動できる。これは、容器の横または水平枢動移動、または容器の直線移動により実現され得る。カプセル用の容器は、詰め替え可能カプセルを収容可能な窪みを含む。カプセル用の容器は、それ自体が容易に交換できるように、またはカプセルを収容する交換可能インサートを含むように設計され得る。カプセルを収容する窪みの異なる設計により、コーヒーグラインダーは異なる詰め替え可能カプセルに対して利用可能となる。
【0024】
さらに、本発明の場合、カプセル用の容器を、より容積の大きな入れ物と交換可能となる。この場合、コーヒーグラインダーを使用して、より大量のコーヒーを挽くことも可能になり、その結果、この量を、例えばフィルターで入れたコーヒーの準備など、別の目的にも使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下の説明は、添付の図面を参照する。
図1】横に枢動可能なカプセル用の容器を備えるグラインダーの好ましい例示的実施形態を示す。
図2】横に枢動可能なカプセル用の容器を備えるグラインダーの好ましい例示的実施形態を示す。
図3】直線移動可能なカプセル用の容器を備える別の例示的実施形態を示す。
図4】直線移動可能なカプセル用の容器を備える別の例示的実施形態を示す。
図5】水平傾斜可能なカプセル用の容器を含む別の例示的実施形態を示す。
図6】水平傾斜可能なカプセル用の容器を含む別の例示的実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
コーヒーグラインダーは、挽き処理中に、排出口を通じて、挽いたコーヒーを出力する、あらゆる種類のコーヒーグラインダーを意味するものとする。
【0027】
アクセス開口は、コーヒーグラインダーの排出口から、充填チューブ内へと、挽いたコーヒーを自重で摺動可能とする、経路を意味するものとする。これは経路の十分な傾斜の結果である。アクセス開口は使用時、コーヒーグラインダーに固定接続される。
【0028】
充填チューブは、横方向に閉鎖しながらも、上下に開いた空間で、内部をラムが垂直に上下移動可能であり、横方向の開口を有する空間を意味するものとする。このアクセス開口から、挽いたコーヒーが充填チューブ内に、さらにこの充填チューブを通じて、その下に配置された詰め替え可能カプセル内へと落下可能である。充填チューブは使用時、コーヒーグラインダーに固定接続される。
【0029】
カプセル用の容器は、充填チューブ、すなわち延いてはコーヒーグラインダーに対して移動可能となるようにコーヒーグラインダーに締結されたコンポーネントを意味するものとする。同コンポーネントは、詰め替え可能カプセルが挿入可能な窪みを上側に含む。窪みの形状により、カプセルが定位置に保持される。カプセル用の容器が可動に取り付けられる、または可動に保持されるマウントを介して、コーヒーグラインダーへの接続がなされる。
【0030】
マウントは、カプセル用の容器と、コーヒーグラインダーとの間を接続する構造を意味するものとする。このマウントは、対応する形状により直接、または例えば軸の機能を有する構造などのさらなるコンポーネントによって、カプセル用の容器を保持する。マウントは、コーヒーグラインダーに取り付けられる別個のコンポーネントであり得、または例えばハウジング部のような、コーヒーグラインダーのコンポーネントの一体的な部位であり得る。
【0031】
交換可能インサートは、カプセルがカプセル用の容器内に直接導入されるものでない限り、カプセル用の窪みを含む別個のコンポーネントを意味するものとする。交換可能インサートが使用される場合、それは常にカプセル用の容器内に取り付けられる。
【0032】
軸の機能を有する構造とは、詰め替え可能カプセル用の容器(5)またはマウント(7)のいずれかの一体的部位であり得、別のコンポーネントを、それを中心に回転移動可能とする、1もしくは複数の別個の軸、または1もしくは複数の構造を意味するものとする。
【0033】
軸の機能を有する垂直構造は、詰め替え可能カプセル用の容器またはマウントのいずれかの一体的部位であり得る、1もしくは複数の別個の軸、または1もしくは複数の構造であり得る。
【0034】
図1および図2は、横に枢動可能なカプセル用の容器を備えるグラインダーの好ましい例示的実施形態を示し、挽いたコーヒーが、それを通じて充填チューブ(3)内に入る横アクセス開口(2)と、充填チューブの内部でガイドされるラム(4)とを含むコーヒーグラインダー(1)を備える。一方側に枢動可能なカプセル用の容器(5)が、充填チューブ(3)の下に位置する。これは、軸の機能を有する垂直構造(6)を中心に回転する。同構造は別個のコンポーネントであり、例えば、下端に雄ねじを有し、下からマウント(7)内の雌ねじに螺合されることで、マウント(7)に取り付けられる。マウント(7)は、コーヒーグラインダーのハウジングに固定的に接続される。これは、コーヒーグラインダー(1)に取り付けられた別個の部位であるか、コーヒーグラインダーのハウジングの一体的部位であり得る。本明細書においてマウント(7)は、カプセル用の容器(5)を下から支持し、その上からその全体にわたって延在するように設計される。この場合、軸の機能を有する構造(6)が取り外された後にのみ、コーヒーグラインダーからカプセル用の容器(5)が取り外し可能となる。あるいは、マウント(7)はカプセル用の容器(5)を下から支持するようにのみ設計することも可能であり、その結果、カプセル用の容器(5)は上から軸の機能を有する構造(6)上に載置可能となる。これは、カプセルを収容する窪み(9)が、交換可能インサート(8)ではなく、カプセル用の容器(5)内に直接配置されている場合に有用である。この場合、カプセル用の容器(5)は、洗浄または交換するために、上へと単純に引き抜くだけでよい。軸の機能を有する構造(6)は、別個のコンポーネントとして、マウント内に上から取り付けられることで、上または横から見えないように設計されてもよい。
【0035】
この例示的実施形態において、カプセル用の容器(5)は、カプセル用の容器(5)から上に取り外し可能で、特定の種類のカプセルに嵌合する窪み(9)を含む、交換可能インサート(8)を備える。窪み(9)にはカプセル(10)が挿入される。この例において、カプセル用の容器(5)、軸の機能を有する構造(6)、マウント(7)、および交換可能インサート(8)はそれぞれ、別個の射出形成プラスチック部品であることが意図される。ただし、これらは例えば軽金属ダイカスト部品の形式のように、金属製でもあり得る。
【0036】
図3および図4は、直線移動可能なカプセル用の容器を備える別の例示的実施形態を示し、挽いたコーヒーが、それを通じて充填チューブ(3)内に入る横アクセス開口(2)と、充填チューブの内部でガイドされるラム(4)とを含むコーヒーグラインダー(1)を備える。カプセル用の容器(5)は、充填チューブ(3)の下から、直線移動の前方向に引き出し可能であり、充填チューブ(3)の下に位置する。この目的のため、カプセル用の容器(5)の前部に取手(11)が配置される。カプセル用の容器(5)は、マウント(7)内でガイドされる。移動方向における内断面は、カプセル用の容器(5)のそれに対応するため、容器は直線移動時にわずかな遊びでガイドされる。あるいは、カプセル用の容器(5)はさらに、マウント(7)に設けられた2つの舌部が係合する、移動方向の2つ横方向溝をさらに含み得る。これにより、カプセル用の容器(5)と、マウント(7)との間の接触面が低減し、より移動が容易となる。カプセル用の容器(5)の直線移動は、止め具により制限可能であり、その結果、カプセルは所定の点までのみ、マウント(7)から引き出し可能となる。所定の点まで至ると、カプセル(10)はカプセル用の容器(5)から上方へ取り外し可能となる。
【0037】
この例示的実施形態において、カプセル用の容器(5)は、カプセル用の容器(5)から上に取り外し可能で、特定の種類のカプセルに嵌合する窪み(9)を含む、交換可能インサート(8)を備える。窪み(9)にはカプセル(10)が挿入される。この例において、カプセル用の容器(5)、交換可能インサート(8)、およびマウント(7)はそれぞれ、別個の射出形成プラスチック部品であることが意図される。取手(11)は、カプセル用の容器(5)の一体的部位として設計される。ただし、全ての部位は、例えば軽金属ダイカスト部品の形式のように、金属製でもあり得る。
【0038】
図5および図6は、水平傾斜可能なカプセル用の容器を含む別の例示的実施形態を示し、挽いたコーヒーが、それを通じて充填チューブ(3)内に入る横アクセス開口(2)と、充填チューブの内部でガイドされるラム(4)とを含むコーヒーグラインダー(1)を備える。カプセル用の容器(5)は、充填チューブ(3)の下から、水平枢動移動の前方向に傾斜可能であり、充填チューブ(3)の下に位置する。これは、マウント(7)内に締結される軸の機能を有する水平構造(6)を中心に回転する。この例示的実施形態において、軸は連続的ではなく、1つの軸スタブがマウント(7)の各側に位置する。カプセル用の容器(5)はこの例では、射出形成プラスチック部品として設計され、後ろが開口している。したがって、軸用の2つの孔を含む、カプセル用の容器(5)の2つの側壁は、容易に外側に曲げることができるので、2つの軸スタブを越えて押し込まれると、その元の形状に跳ね返る。あるいは、カプセル用の容器(5)およびマウント(7)を通じて延在し、その後軸方向変位を防止するようにねじにより固定される、別個の軸を利用してもよい。この例示的実施形態において、カプセル用の容器(5)は、充填チューブ(3)の下で、上側位置に、係止機構により保持される必要がある。これは本例では、可動取手(11)が、カプセル用の容器(5)の後ろに突出する2つのフック(12)を備えることで実現される。軸により、フック(12)は、いずれの場合にもカプセル用の容器(5)の内側の中心で、カプセルに可動接続される。したがって、取手(11)を持ち上げると、カプセル用の容器(5)の後ろのフック(12)が下がる。フック(12)を含む取手(11)は、弾性要素により付勢されるように設計される。これにより、取手(11)を放すとすぐに、フック(12)が常に上位置に戻る。カプセル用の容器(5)が充填チューブ(3)の下の位置に押し込まれると、2つのフック(12)は、マウント(7)の2つの開口(13)内へと移動する。この際、フック(12)は、開口(13)内へと移動すると、その傾斜上面が、開口(13)の上縁により下方に押される。フック(12)が完全に開口(13)内へと移動すると、フック(12)は、マウント(7)の壁の後ろで上方へスナップし、充填チューブ(3)の下の位置にカプセル用の容器(5)を保持する。この状態で取手(11)を上げると、フック(12)は開口(13)内で下降し、カプセル用の容器(5)は前方に枢動可能となる。この例示的実施形態において、カプセル用の容器(5)内の交換可能インサート(8)内で、カプセル(10)を収容する窪み(9)が実施される。同インサートは、別の種類のカプセルが使用される場合、別のインサートと交換可能である。
【0039】
この例において、カプセル用の容器(5)、マウント(7)、および交換可能インサート(8)はそれぞれ、別個の射出形成プラスチック部品であることが意図される。取手(11)は、カプセル用の容器(5)の一体的部位として設計される。ただし、全ての部位は、例えば軽金属ダイカスト部品の形式のように、金属製でもあり得る。
[項目1]
詰め替え可能コーヒーカプセル(10)用の充填装置であって、
アクセス開口(2)であって、上記アクセス開口(2)を通じて上記充填チューブ(3)内へと上記挽いたコーヒーが落下可能となる、アクセス開口(2)を備え、
上記充填チューブ(3)内にガイドされ、上記コーヒーグラインダー(1)から、上記アクセス開口(2)および上記充填チューブ(3)を通じて上記カプセル(10)内へと落下した上記挽いたコーヒーを圧縮するように、上記充填チューブの内部で上下移動可能なラム(4)をさらに備え、
上側に詰め替え可能カプセル(10)を収容する窪み(9)を有し、上記垂直軸の機能を有する構造(6)により上記コーヒーグラインダー(1)に存在するマウント(7)に取り付けられて横に枢動可能である、詰め替え可能カプセル用の容器(5)が上記充填チューブ(3)の下に設けられ、その結果、上記窪み(9)内の上記カプセル(10)は、枢動移動の両終端位置において、上記充填チューブ(3)の下に配置されて充填可能となるか、上方に取り外し可能となるまで、上記充填チューブ(3)の下から外に枢動可能となる、ことを特徴とする、詰め替え可能コーヒーカプセル(10)用の充填装置。
[項目2]
上記軸の機能を有する上記構造(6)に対する上記マウント(7)は、上記コーヒーグラインダー(1)の上記ハウジングの一体的部位であるか、上記コーヒーグラインダー(1)に取り付けられる別個の部位であることを特徴とする、項目1に記載の充填装置。
[項目3]
上記軸の機能を有する上記構造(6)は、上記マウント(7)内に固定的に取り付けられ、上記カプセル用の容器(5)内で自由に回転可能であるか、上記軸の機能を有する上記構造(6)は、上記マウント(7)内で自由に回転可能であり、上記カプセル用の容器(5)内に固定的に取り付けられることを特徴とする、項目1または2に記載の充填装置。
[項目4]
上記カプセル(10)のための上記窪み(9)は、上記カプセル用の容器(5)内に直接導入されるのではなく、枢動可能な上記カプセル用の容器(5)に締結され、且つ、上記カプセル(9)の上記窪みが導入される交換可能インサート(8)を有することを特徴とする、項目1から3のいずれか一項に記載の充填装置。
[項目5]
詰め替え可能コーヒーカプセル(10)用の充填装置であって、
アクセス開口(2)であって、上記アクセス開口を通じて(2)上記充填チューブ(3)内へと上記挽いたコーヒーが落下可能となる、アクセス開口(2)を備え、
上記充填チューブ(3)内にガイドされ、上記コーヒーグラインダー(1)から、上記アクセス開口(2)および上記充填チューブ(3)を通じて上記カプセル(10)内へと落下した上記コーヒーを圧縮するように、上記充填チューブの内部で上下移動可能なラム(4)をさらに備え、
詰め替え可能カプセル用の容器(5)であって、上側に詰め替え可能カプセル(10)を収容する窪み(9)を有し、上記カプセル用の容器(5)の直線移動を可能にする直線ガイドを有する、詰め替え可能カプセル用の容器(5)が上記充填チューブ(3)の下に設けられ、その結果、上記窪み(9)内の上記カプセル(10)は、直線移動の両終端位置において、上記充填チューブ(3)の下に配置されて充填可能となるか、上記カプセル(10)が上方に取り外し可能となるまで、上記充填チューブ(3)の下から外に引き出し可能となることを特徴とする、詰め替え可能コーヒーカプセル(10)用の充填装置。
[項目6]
上記カプセル(10)のための上記窪み(9)は、上記カプセル用の容器(5)内に直接導入されるのではなく、上記カプセル用の容器(5)に締結され、且つ、上記カプセルの上記窪み(9)が導入される交換可能インサート(8)を有することを特徴とする、項目5に記載の充填装置。
[項目7]
詰め替え可能コーヒーカプセル(10)用の充填装置であって、
アクセス開口(2)であって、上記アクセス開口を通じて(2)上記充填チューブ(3)内へと挽いたコーヒーが落下可能となる、アクセス開口(2)を備え、
上記充填チューブ(3)内にガイドされ、上記コーヒーグラインダー(1)から、上記アクセス開口(2)および上記充填チューブ(3)を通じて上記カプセル(10)内へと落下した上記コーヒーを圧縮するように、上記充填チューブの内部で上下移動可能なラム(4)をさらに備え、
詰め替え可能カプセル用の容器(5)であって、上側に詰め替え可能カプセル(10)を収容する窪み(9)を有し、上記コーヒーグラインダー(1)に存在するマウント(7)に取り付けられて上記詰め替え可能カプセル用の容器(5)の水平方向の枢動移動を可能にする上記水平軸の機能を有する構造(6)を有する、詰め替え可能カプセル用の容器が上記充填チューブ(3)の下に設けられ、その結果、上記窪み(9)内の上記カプセル(10)は、枢動移動の両終端位置において、上記充填チューブ(3)の下に配置されて充填可能となるか、上方に取り外し可能となるまで、上記充填チューブ(3)の下から外に枢動可能となることを特徴とする、詰め替え可能コーヒーカプセル(10)用の充填装置。
[項目8]
上記カプセル(10)のための上記窪み(9)は、上記カプセル用の容器(5)内に直接導入されるのではなく、枢動可能な上記カプセル用の容器(5)に締結され、且つ、上記カプセルの上記窪み(9)が導入される交換可能インサート(8)を有することを特徴とする、項目7に記載の充填装置。
[項目9]
上記詰め替え可能カプセル用の容器(5)は、少なくとも1つのフック(12)を有し、水平軸を中心に移動可能であり、取手(11)を含み、上記フック(12)の上記傾斜面が、上記詰め替え可能カプセル用の容器(5)の、少なくとも1つの開口(13)を有する中空の上記マウント(7)の表面に対する移動中に、上記少なくとも1つの開口の縁に当接し、移動し、さらなる移動中に、上記フック(12)の上記傾斜面が、完全に上記開口(13)内へと摺動し、その後上記フック(12)が上記中空のマウント(7)の上記壁の後ろに移動するように、移動可能であり、それにより、上記カプセルが上記充填チューブ(3)の直下に位置するような位置に上記詰め替え可能カプセル用の容器(5)を保持し、上記取手(11)が押されると、上記フックは上記フックの先端が上記中空のマウント(7)の上記壁の後ろに位置しなくなるように移動しながらも、上記開口(13)に正確に嵌合するように移動し、これにより、上記詰め替え可能カプセル用の容器(5)が、上記カプセルが取り外し可能である、別の終端位置へと移動可能となることを特徴とする、項目7または8に記載の充填装置。
[項目10]
項目1から9のいずれか一項に記載の充填装置を備える、コーヒーグラインダー(1)。
【符号の説明】
【0040】
(1) コーヒーグラインダー
(2) アクセス開口
(3) 充填チューブ
(4) ラム
(5) カプセル用の容器
(6) 軸の機能を有する構造
(7) マウント
(8) 交換可能インサート
(9) カプセル用の窪み
(10) 詰め替え可能カプセル
(11) 取手
(12) フック
(13) 開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6