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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/14 20060101AFI20240319BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240319BHJP
   G01N 21/3554 20140101ALI20240319BHJP
   G01N 27/22 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B65H7/14
B41J2/01 303
B41J2/01 305
G01N21/3554
G01N27/22 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020014611
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021121552
(43)【公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 恒之
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-194361(JP,A)
【文献】特開平09-105716(JP,A)
【文献】特開2016-102867(JP,A)
【文献】特開2018-090344(JP,A)
【文献】特開2015-168115(JP,A)
【文献】特開2008-179107(JP,A)
【文献】特開2013-057513(JP,A)
【文献】特開2018-146724(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0153273(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106769979(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01
B41J 2/165-2/20
B41J 2/21-2/215
B65H 7/00-7/20
B65H 43/00-43/08
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/61
G01N 27/00-27/10
G01N 27/14-27/24
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00-21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピーク波長が900nm以上2100nm以下に含まれる光を発する第1光源及び第2
光源と、
前記第1光源が発する光を受ける第1受光部と、
前記第2光源が発する光を受ける第2受光部と、
搬送される媒体を支持する支持部と、
前記支持部と対向し、前記媒体が含む水分量を増加又は減少させる処理を前記媒体に施
す処理部と、を備え、
前記第1光源及び前記第1受光部は、前記処理部よりも、搬送される前記媒体の搬送方
向の上流に位置し、
前記第1光源は、前記処理部により処理が施される前の前記媒体に光を照射し、
前記第1受光部は、前記媒体で反射した光を受け、
前記第2光源及び前記第2受光部は、前記処理部よりも、前記搬送方向の下流に位置し

前記第2光源は、前記処理部により処理が施された後の前記媒体に光を照射し、
前記第2受光部は、前記媒体で反射した光を受け
前記第1光源及び前記第2光源の少なくとも一方は、ピーク波長が異なる光を発する複
数の発光素子を有し、
前記第1光源及び前記第2光源の少なくとも一方は、ピーク波長が940nmの光を発
する短波長発光素子と、ピーク波長が1450nmの光を発する長波長発光素子とを有す
ることを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記第1光源が発する光を遮る第1遮光部を備え、
前記第1光源が発する光は、前記支持部に支持される前記媒体で反射することによって
前記第1受光部に入射する第1検知光路、又は、前記支持部に支持される前記媒体で反射
することなく前記第1受光部に入射する第1参照光路、を進行し、
前記第1遮光部は、
前記第1検知光路を遮らず、前記第1参照光路を遮る第1状態と、
前記第1検知光路を遮り、前記第1参照光路を遮らない第2状態と、
に切り替わるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
ピーク波長が900nm以上2100nm以下に含まれる光を発する第1光源及び第2
光源と、
前記第1光源が発する光を受ける第1受光部と、
前記第2光源が発する光を受ける第2受光部と、
搬送される媒体を支持する支持部と、
前記支持部と対向し、前記媒体が含む水分量を増加又は減少させる処理を前記媒体に施
す処理部と、
前記第2光源が発する光を遮る第2遮光部と、を備え、
前記第1光源及び前記第1受光部は、前記処理部よりも、搬送される前記媒体の搬送方
向の上流に位置し、
前記第1光源は、前記処理部により処理が施される前の前記媒体に光を照射し、
前記第1受光部は、前記媒体で反射した光を受け、
前記第2光源及び前記第2受光部は、前記処理部よりも、前記搬送方向の下流に位置し

前記第2光源は、前記処理部により処理が施された後の前記媒体に光を照射し、
前記第2受光部は、前記媒体で反射した光を受け、
前記第2光源が発する光は、前記支持部に支持される前記媒体で反射することによって
前記第2受光部に入射する第2検知光路、又は、前記支持部に支持される前記媒体で反射
することなく前記第2受光部に入射する第2参照光路、を進行し、
前記第2遮光部は、
前記第2検知光路を遮らず、前記第2参照光路を遮る第3状態と、
前記第2検知光路を遮り、前記第2参照光路を遮らない第4状態と、
に切り替わるように構成されることを特徴とする処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記支持部が接触する裏面とは反対となる前記媒体の表面に処理を施し

前記第1光源及び前記第2光源は、前記表面に光を照射することを特徴とする請求項1
から請求項の何れか一項に記載の処理装置。
【請求項5】
ピーク波長が900nm以上2100nm以下に含まれる光を発する第1光源及び第2
光源と、
前記第1光源が発する光を受ける第1受光部と、
前記第2光源が発する光を受ける第2受光部と、
搬送される媒体を支持する支持部と、
前記支持部と対向し、前記媒体が含む水分量を増加又は減少させる処理を前記媒体に施
す処理部と、
電極対を有し、前記電極対に接触する前記媒体の静電容量を検知する静電容量センサー
と、
超音波を発信する発信部と、前記発信部が発信した超音波を受信する受信部と、を有す
る超音波センサーと、を備え、
前記第1光源及び前記第1受光部は、前記処理部よりも、搬送される前記媒体の搬送方
向の上流に位置し、
前記第1光源は、前記処理部により処理が施される前の前記媒体に光を照射し、
前記第1受光部は、前記媒体で反射した光を受け、
前記第2光源及び前記第2受光部は、前記処理部よりも、前記搬送方向の下流に位置し

前記第2光源は、前記処理部により処理が施された後の前記媒体に光を照射し、
前記第2受光部は、前記媒体で反射した光を受け、
前記発信部と前記受信部とは、搬送される前記媒体を挟むように位置することを特徴と
る処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、媒体に処理を施す処理装置の一例として、媒体に印刷を施す画像形成装置が記載されている。この画像形成装置は、媒体の表面粗さを検知するセンサーを備える。画像形成装置は、センサーによって検知された媒体の表面粗さに基づいて、媒体の光沢度を判別する。画像形成装置は、媒体の光沢度に基づいて、媒体の種別を判別する。画像形成装置は、媒体の種別を判別することによって、その種別に応じた設定で媒体に印刷を施す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-181060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
媒体の表面粗さは、同じ種別の媒体であっても、媒体ごとに異なる場合がある。媒体の表面粗さに限らず、同じ種別の媒体であっても、媒体ごとにその特性が異なる場合がある。例えば、同じ種別の媒体に同じ処理を施しても、媒体が含む水分量の変化は、媒体ごとに異なる場合がある。媒体が含む水分量は、媒体の印刷品質に大きく影響する。そのため、処理に対する媒体が含む水分量の変化を検知することは、処理装置においては肝要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する処理装置は、ピーク波長が900nm以上2100nm以下に含まれる光を発する第1光源及び第2光源と、前記第1光源が発する光を受ける第1受光部と、前記第2光源が発する光を受ける第2受光部と、搬送される媒体を支持する支持部と、前記支持部と対向し、前記媒体が含む水分量を増加又は減少させる処理を前記媒体に施す処理部と、を備え、前記第1光源及び前記第1受光部は、前記処理部よりも、搬送される前記媒体の搬送方向の上流に位置し、前記第1光源は、前記処理部により処理が施される前の前記媒体に光を照射し、前記第1受光部は、前記媒体で反射した光を受け、前記第2光源及び前記第2受光部は、前記処理部よりも、前記搬送方向の下流に位置し、前記第2光源は、前記処理部により処理が施された後の前記媒体に光を照射し、前記第2受光部は、前記媒体で反射した光を受ける。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】処理装置を備える印刷システムの第1実施形態を示す模式図。
図2図1の拡大図。
図3】第1遮光部が第1状態である第1光学センサーの断面図。
図4】第1遮光部が第2状態である第1光学センサーの断面図。
図5】第2遮光部が第3状態である第2光学センサーの断面図。
図6】第2遮光部が第4状態である第2光学センサーの断面図。
図7】静電容量センサーを示す断面図。
図8】処理装置を備える印刷システムの第2実施形態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、処理装置を備える印刷システムの一実施形態について図を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態の印刷システム11は、保持装置12と、巻取装置13と、印刷装置14と、乾燥装置15とを備える。
【0008】
保持装置12は、媒体99が巻き重ねられたロール体100を保持する装置である。保持装置12は、ロール体100を保持する保持軸17を有する。保持軸17は、例えば、回転可能に構成される。保持軸17が回転することに伴い、ロール体100から媒体99が繰り出される。第1実施形態では、保持軸17は、能動的に回転せず、例えば、ロール体100から媒体99が引っ張られることによって、ロール体100とともに回転する。媒体99は、例えば、用紙、布帛などのシートである。保持軸17は、回転しない構成でもよい。この場合に、ロール体100は、ロール体100から媒体99が引っ張られることによって、保持軸17に対して回転する。
【0009】
巻取装置13は、保持装置12から繰り出された媒体99を巻き取る装置である。巻取装置13は、媒体99を巻き取る巻取軸18を有する。巻取軸18は、回転可能に構成される。巻取軸18は、回転することによって、媒体99を巻き取る。その結果、巻取軸18は、媒体99を巻き取ることによって形成されたロール体100を保持する。第1実施形態では、巻取軸18が回転することによって、保持軸17に保持されたロール体100から媒体99が繰り出される。
【0010】
媒体99は、巻取装置13に巻き取られることによって搬送される。媒体99は、保持装置12から巻取装置13に向けて搬送される。第1実施形態では、保持装置12から巻取装置13に向かう方向が、媒体99の搬送方向Yである。媒体99は、表面99Aと、表面99Aとは反対の面である裏面99Bとを有する。
【0011】
印刷装置14は、媒体99に印刷する装置である。印刷装置14は、例えば、媒体99に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真、図形などの画像を記録するインクジェット式のプリンターである。第1実施形態では、印刷装置14は、処理装置の一例である。すなわち、印刷装置14は、媒体99に印刷することによって、媒体99に処理を施す。
【0012】
印刷装置14は、搬送方向Yにおいて保持装置12と巻取装置13との間に位置する。さらにいうと、印刷装置14は、搬送方向Yにおいて保持装置12と乾燥装置15との間に位置する。そのため、保持装置12から繰り出される媒体99は、印刷装置14、乾燥装置15の順に通過する。
【0013】
印刷装置14は、第1支持部21と、印刷部22と、第1制御部23とを備える。印刷装置14は、第1超音波センサー24と、第2超音波センサー25とを備える。印刷装置14は、第1光学センサー26と、第2光学センサー27とを備える。印刷装置14は、静電容量センサー28を備える。
【0014】
第1支持部21は、例えば、板状の部材である。第1支持部21は、搬送される媒体99を支持する。第1実施形態の第1支持部21は、媒体99を下方から支持する。第1実施形態の第1支持部21は、媒体99の裏面99Bに接触する。第1支持部21は、印刷システム11において、印刷装置14が備える支持部である。第1実施形態の第1支持部21は、静電容量センサー28が取り付けられるための取付穴31を有する。
【0015】
印刷部22は、第1支持部21と対向する。第1実施形態の印刷部22は、第1支持部21の上方に位置する。印刷部22は、媒体99に印刷するように構成される。第1実施形態の印刷部22は、ヘッド32と、キャリッジ33とを備える。
【0016】
ヘッド32は、第1支持部21と対向する。第1実施形態のヘッド32は、第1支持部21の上方に位置する。ヘッド32は、第1支持部21に支持される媒体99に液体を吐出する。その結果、媒体99に画像が印刷される。第1実施形態のヘッド32は、媒体99の表面99Aに液体を吐出する。ヘッド32が吐出する液体は、例えば、水を溶媒とする水系インクである。
【0017】
ヘッド32が媒体99に液体を吐出すると、媒体99が含む水分量が増加する。すなわち、ヘッド32は、媒体99に液体を吐出することによって、媒体99が含む水分量を増加させる処理を媒体99に施す。ヘッド32は、第1支持部21が接触する裏面99Bとは反対となる媒体99の表面99Aに処理を施す。この点で、第1実施形態のヘッド32は、処理部の一例である。
【0018】
キャリッジ33は、ヘッド32を搭載する。キャリッジ33は、第1支持部21と対向する。第1実施形態のキャリッジ33は、第1支持部21の上方に位置する。キャリッジ33は、搬送される媒体99に対して走査する。すなわち、キャリッジ33は、第1支持部21の上方で、媒体99の幅にわたって往復移動する。このとき、キャリッジ33は、走査方向Xに往復移動する。
【0019】
走査方向Xは、第1方向D1と第2方向D2とを含む双方向を示す。第1方向D1は、第2方向D2とは反対となる方向である。第1方向D1と第2方向D2とは、搬送方向Y及び鉛直方向Zと異なる方向である。
【0020】
第1実施形態の印刷装置14は、ヘッド32が媒体99に対して走査するシリアル式のプリンターである。印刷装置14は、ヘッド32が媒体99の幅にわたって一斉に液体を吐出するライン式のプリンターでもよい。
【0021】
第1制御部23は、印刷装置14の各種構成を制御する。例えば、第1制御部23は、印刷部22を制御する。第1制御部23は、印刷システム11において、印刷装置14が備える制御部である。
【0022】
第1実施形態の第1制御部23は、保持装置12、巻取装置13及び乾燥装置15と通信可能とされる。第1制御部23は、必要に応じて、保持装置12、巻取装置13及び乾燥装置15から信号を受信したり、保持装置12、巻取装置13及び乾燥装置15に信号を送信したりする。第1制御部23は、印刷システム11を統括的に制御してもよい。
【0023】
第1制御部23は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路などの1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピューター可読媒体は、汎用又は専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0024】
図2に示すように、第1超音波センサー24は、例えば、第1支持部21よりも搬送方向Yの上流に位置する。第1超音波センサー24は、第1発信部34と、第1受信部35とを有する。第1発信部34と第1受信部35とは、搬送される媒体99を挟むように位置する。第1実施形態では、第1発信部34と第1受信部35とは、搬送される媒体99を上下で挟むように位置する。すなわち、媒体99は、第1発信部34と第1受信部35との間を通過するように搬送される。
【0025】
第1発信部34は、例えば、第1受信部35の上方に位置する。第1発信部34は、超音波を発信するように構成される。第1発信部34は、第1受信部35に向けて超音波を発信する。すなわち、第1発信部34は、下方に向けて超音波を発信する。そのため、第1発信部34と第1受信部35との間に媒体99が位置する場合、第1発信部34から発信される超音波は、媒体99に照射される。このとき、第1発信部34から発信される超音波は、印刷前の媒体99に照射される。第1発信部34と第1受信部35との間に媒体99が位置しない場合、第1発信部34から発信される超音波は、第1受信部35に直接照射される。
【0026】
第1受信部35は、例えば、第1発信部34の下方に位置する。第1受信部35は、超音波を受信するように構成される。第1受信部35は、第1発信部34が発信した超音波を受信する。すなわち、第1受信部35は、上方から照射される超音波を受信する。そのため、第1発信部34と第1受信部35との間に媒体99が位置する場合、第1受信部35は、第1発信部34から発信され、媒体99を透過した超音波を受信する。このとき、第1受信部35は、印刷前の媒体99を透過した超音波を受信する。第1発信部34と第1受信部35との間に媒体99が位置しない場合、第1受信部35は、第1発信部34から発信された超音波を直接受信する。
【0027】
第1発信部34から発信された超音波は、媒体99を透過することによって減衰する。そのため、第1発信部34と第1受信部35との間に媒体99が位置する場合、第1発信部34と第1受信部35との間に媒体99が位置しない場合と比べて、第1受信部35が受信する超音波の強度は、低くなる。媒体99を透過する超音波の減衰度合いは、媒体99の密度、厚みなどによって変わる。
【0028】
第1発信部34と第1受信部35との間に媒体99が位置する場合に第1受信部35が受信する超音波の強度と、第1発信部34と第1受信部35との間に媒体99が位置しない場合に第1受信部35が受信する超音波の強度とに基づいて、媒体99に対する超音波の透過率が検知される。媒体99に対する超音波の透過率とは、第1発信部34が発信した超音波に対し、媒体99を透過した超音波の割合である。
【0029】
媒体99に対する超音波の透過率と媒体99の坪量との間には、相関がある。例えば、媒体99に対する超音波の透過率が大きいほど、媒体99の坪量が小さい。媒体99に対する超音波の透過率が小さいほど、媒体99の坪量が大きい。このように、媒体99に対する超音波の透過率に基づいて、媒体99の坪量が検知される。したがって、第1超音波センサー24は、媒体99の坪量を検知するセンサーである。第1超音波センサー24から送信される信号に基づいて、第1制御部23が媒体99の坪量を算出してもよい。
【0030】
第2超音波センサー25は、例えば、印刷部22よりも搬送方向Yの上流に位置する。第1実施形態の第2超音波センサー25は、搬送方向Yにおいて、第1超音波センサー24と印刷部22との間に位置する。
【0031】
第2超音波センサー25は、第2発信部36と、第2受信部37とを有する。第2発信部36と第2受信部37とは、第1支持部21と対向する。第2発信部36と第2受信部37とは、第1支持部21の上方に位置する。第1実施形態では、第2発信部36と第2受信部37とは、この順で搬送方向Yに並ぶ。
【0032】
第2発信部36は、超音波を発信するように構成される。第2発信部36は、下方に向けて超音波を発信する。第2発信部36は、媒体99又は第1支持部21に超音波を照射する。すなわち、第2発信部36の下方に媒体99が位置する場合、第2発信部36は、媒体99に超音波を照射する。このとき、第2発信部36は、媒体99の表面99Aに超音波を照射する。第2発信部36の下方に媒体99が位置しない場合、第2発信部36は、第1支持部21に超音波を照射する。
【0033】
第2発信部36から発信された超音波は、媒体99又は第1支持部21で反射する。第1実施形態では、第2発信部36の下方に媒体99が位置する場合、第2発信部36から発信された超音波は、図2において実線で示すように、媒体99で反射する。このとき、第2発信部36から発信された超音波は、媒体99の表面99Aで反射する。第2発信部36の下方に媒体99が位置しない場合、第2発信部36から発信された超音波は、図2において2点鎖線で示すように、第1支持部21で反射する。
【0034】
第2受信部37は、超音波を受信するように構成される。第2受信部37は、第2発信部36が発信した超音波を受信する。第2受信部37は、第2発信部36から発信され、媒体99又は第1支持部21で反射した超音波を受信する。すなわち、第2発信部36の下方に媒体99が位置する場合、第2受信部37は、第2発信部36から発信され、媒体99で反射した超音波を受信する。このとき、第2受信部37は、媒体99の表面99Aで反射した超音波を受信する。第2発信部36の下方に媒体99が位置しない場合、第2受信部37は、第2発信部36から発信され、第1支持部21で反射した超音波を受信する。
【0035】
第2発信部36から発信され、対象物で反射する超音波を、第2受信部37が受信することによって、第2超音波センサー25と対象物との間の距離が検知される。すなわち、第2発信部36が超音波を発信してから第2受信部37が超音波を受信するまでの時間を検知すること、いわゆるタイムオブフライトによって、第2超音波センサー25と対象物との間の距離が検知される。第1実施形態では、第2超音波センサー25は、第2超音波センサー25と対象物との間の鉛直距離を検知する。
【0036】
第2発信部36から発信され、媒体99の表面99Aで反射する超音波を、第2受信部37が受信することによって、第2超音波センサー25と媒体99の表面99Aとの間の距離が検知される。第2発信部36から発信され、第1支持部21で反射する超音波を、第2受信部37が受信することによって、第2超音波センサー25と第1支持部21との間の距離が検知される。ここで、第2超音波センサー25と第1支持部21との間の距離は、第2超音波センサー25と媒体99の裏面99Bとの間の距離とみなすことができる。
【0037】
第2超音波センサー25と表面99Aとの間の距離と、第2超音波センサー25と裏面99Bとの間の距離とに基づいて、表面99Aと裏面99Bとの距離である媒体99の厚みが把握できる。すなわち、媒体99の表面で反射する超音波と、第1支持部21で反射する超音波とに基づいて、媒体99の厚みが検知される。このように、第2超音波センサー25は、媒体99の厚みを検知するセンサーである。第2超音波センサー25から送信される信号に基づいて、第1制御部23が媒体99の厚みを算出してもよい。
【0038】
図1に示すように、第1光学センサー26は、ヘッド32よりも搬送方向Yの上流に位置する。第1光学センサー26は、第1支持部21と対向する。第1光学センサー26は、第1支持部21の上方に位置する。第1光学センサー26は、例えば、キャリッジ33に取り付けられる。第1実施形態の第1光学センサー26は、キャリッジ33に対し、搬送方向Yの上流を向く面に取り付けられる。第1光学センサー26は、キャリッジ33に取り付けられることによって、キャリッジ33とともに媒体99に対して走査する。
【0039】
図3及び図4に示すように、第1光学センサー26は、第1ケース41と、第1光源42と、第1受光部43とを有する。第1実施形態の第1光学センサー26は、さらに、第1遮光部44を有する。第1光学センサー26は、反射型の光学センサーである。
【0040】
第1ケース41は、第1光源42、第1受光部43、第1遮光部44を収容する。第1ケース41の形状は、例えば、直方体、又は直方体状である。第1ケース41は、第1開口45を有する。第1開口45は、第1ケース41のうち、第1支持部21と対向する面に設けられる。すなわち、第1実施形態では、第1開口45は、第1ケース41の下面に設けられる。第1ケース41の内部と、第1ケース41の外部とは、第1開口45によって通じている。
【0041】
第1光源42は、光を発する光源である。第1光源42は、水の吸収波長をピーク波長とする光を発する。第1光源42は、例えば、ピーク波長が900nm以上2100nm以下に含まれる光を発するように構成される。第1実施形態の第1光源42は、近赤外線光を発する。
【0042】
第1実施形態の第1光源42は、下方に向けて光を照射する。そのため、第1実施形態の第1光源42は、例えば、ヘッド32により処理が施される前の媒体99に光を照射する。このとき、第1光源42は、媒体99の表面99Aに光を照射する。
【0043】
第1光源42は、発光する1又は複数の発光素子を有する。第1実施形態では、第1光源42は、発光素子を複数有する。具体的には、第1光源42は、ピーク波長が異なる複数の発光素子を有する。発光素子は、例えば、LEDである。第1光源42は、例えば、第1発光素子46と、第2発光素子47とを有する。第1光源42は、発光素子を3つ以上有していてもよい。
【0044】
第1発光素子46は、例えば、ピーク波長が940nmとなる光を発する発光素子である。940nmは、水の吸収波長である。第2発光素子47は、例えば、ピーク波長が1450nmとなる光を発する発光素子である。1450nmは、水の吸収波長である。第1発光素子46及び第2発光素子47は、ピーク波長が水の吸収波長となる光を発する発光素子であればよい。例えば、第1発光素子46は、ピーク波長が1800nmとなる光を発する発光素子でもよいし、1940nmとなる光を発する発光素子でもよいし、2100nmとなる光を発する発光素子でもよい。同様に、第2発光素子47は、ピーク波長が1800nmとなる光を発する発光素子でもよいし、1940nmとなる光を発する発光素子でもよいし、2100nmとなる光を発する発光素子でもよい。1800nm、1940nm、2100nmは、何れも水の吸収波長である。
【0045】
第1発光素子46が発する光のピーク波長は、第2発光素子47が発する光のピーク波長よりも低い。この点で、第1発光素子46は、短波長発光素子の一例である。第2発光素子47は、長波長発光素子の一例である。
【0046】
第1受光部43は、第1光源42が発する光を受ける。第1受光部43は、例えば、受光素子を含む。受光素子は、例えば、フォトダイオードである。第1受光部43は、第1光源42から第1検知光路L1を進行する光、又は、第1光源42から第1参照光路L2を進行する光、を受ける。すなわち、第1光源42が発する光は、第1検知光路L1又は第1参照光路L2を進行することによって、第1受光部43に入射する。
【0047】
第1検知光路L1は、第1光源42が発する光が第1支持部21に支持される媒体99で反射することによって第1受光部43に入射する光路である。第1検知光路L1は、図3において実線、図4において2点鎖線で示される光路である。第1検知光路L1は、第1開口45を通じて第1ケース41の内部と第1ケース41の外部とを延びる。第1検知光路L1は、第1光源42から第1支持部21に支持される媒体99にまで延びた後、媒体99から第1受光部43にまで延びる。
【0048】
第1検知光路L1を進行する光は、まず、第1光源42から第1開口45を通過することによって媒体99に当たる。このとき、第1検知光路L1を進行する光は、媒体99の表面99Aに当たる。媒体99の表面99Aに当たった光は、媒体99の表面99Aで反射する。媒体99の表面99Aで反射した光は、第1開口45を通過することによって第1受光部43に入射する。このようにして、第1光源42が発する光は、第1検知光路L1を進行する。その結果、第1受光部43は、媒体99で反射した光を受ける。
【0049】
第1参照光路L2は、第1光源42が発する光が第1支持部21に支持される媒体99で反射することなく第1受光部43に入射する光路である。第1参照光路L2は、図3において2点鎖線、図4において実線で示される光路である。第1参照光路L2は、第1ケース41の内部を延びる。第1参照光路L2は、第1ケース41の内部において、第1光源42から第1受光部43にまでまっすぐに延びる。そのため、第1参照光路L2を進行する光は、第1光源42から直接第1受光部43に入射する。これにより、第1受光部43は、第1光源42が発した光を直接受ける。
【0050】
第1遮光部44は、第1光源42が発する光を遮るように構成される。第1遮光部44の形状は、例えば、平板、又は平板状である。第1遮光部44は、第1ケース41の内部において、第1光源42と第1受光部43との間に位置する。第1遮光部44は、例えば、第1検知光路L1と第1参照光路L2とにまたがるように位置する。第1遮光部44は、第1検知光路L1又は第1参照光路L2を塞ぐ。第1遮光部44は、第1検知光路L1又は第1参照光路L2を塞ぐことによって、第1光源42が発する光を遮る。
【0051】
第1遮光部44は、第1状態S1と第2状態S2とに切り替わるように構成される。図3に示す第1遮光部44は、第1状態S1である。図4に示す第1遮光部44は、第2状態S2である。
【0052】
第1遮光部44は、例えば、変位することによって、第1状態S1と第2状態S2とに切り替わる。第1実施形態の第1遮光部44は、仮想軸である第1回転軸48を中心に回転するように構成される。第1実施形態の第1遮光部44は、第1回転軸48を中心に回転することによって、第1状態S1と第2状態S2とに切り替わる。第1遮光部44は、例えば、第1回転軸48を中心に回転可能な状態で、第1ケース41に支持される。
【0053】
第1遮光部44は、例えば、第1穴49を有する。第1遮光部44が第1状態S1である場合、第1穴49は、第1検知光路L1上に位置する。そのため、第1遮光部44が第1状態S1である場合、第1光源42から第1検知光路L1を進行する光は、第1穴49を通過することによって、第1受光部43に入射する。すなわち、第1遮光部44は、第1状態S1である場合、第1光源42が発する光が第1検知光路L1を進行することを許容する。また、第1遮光部44が第1状態S1である場合、第1穴49は、第1参照光路L2上に位置しない。すなわち、第1遮光部44は、第1状態S1である場合、第1光源42が発する光が第1参照光路L2を進行することを許容しない。このように、第1遮光部44の第1状態S1は、第1遮光部44が第1検知光路L1を遮らず、第1遮光部44が第1参照光路L2を遮る状態である。
【0054】
第1遮光部44が第2状態S2である場合、第1穴49は、第1参照光路L2上に位置する。そのため、第1遮光部44が第2状態S2である場合、第1光源42から第1参照光路L2を進行する光は、第1穴49を通過することによって、第1受光部43に入射する。すなわち、第1遮光部44は、第2状態S2である場合、第1光源42が発する光が第1参照光路L2を進行することを許容する。また、第1遮光部44が第2状態S2である場合、第1穴49は、第1検知光路L1上に位置しない。すなわち、第1遮光部44は、第2状態S2である場合、第1光源42が発する光が第1検知光路L1を進行することを許容しない。このように、第1遮光部44の第2状態S2は、第1遮光部44が第1検知光路L1を遮り、第1遮光部44が第1参照光路L2を遮らない状態である。
【0055】
第1遮光部44は、第1状態S1と第2状態S2とに切り替わることによって、第1光源42が発する光が進行する光路を決定する。第1実施形態では、第1制御部23が、第1遮光部44を第1状態S1と第2状態S2とで切り替える。
【0056】
第1光源42から光が媒体99に照射されると、すなわち第1検知光路L1を進行する光が媒体99に当たると、一部の光が媒体99に吸収される。特に、第1光源42が発する近赤外線光は、水に吸収されやすい。そのため、媒体99が含む水分量が多いと、媒体99に吸収される光が多くなる。逆に、媒体99が含む水分量が少ないと、媒体99に吸収される光が少なくなる。
【0057】
第1検知光路L1を進行する光を第1受光部43が受けることによって、媒体99で反射する光の強度が検知される。第1参照光路L2を進行する光を第1受光部43が受けることによって、第1光源42が媒体99に照射する光の強度が検知される。第1検知光路L1を進行する光の強度と、第1参照光路L2を進行する光の強度とに基づいて、媒体99に対する光の反射率が検知される。ここで、媒体99に対する光の反射率とは、媒体99に照射した光に対し、媒体99で反射した光の割合である。
【0058】
媒体99に対する光の反射率と媒体99が含む水分量との間には、相関がある。例えば、媒体99に対する光の反射率が大きいほど、媒体99が含む水分量が少ない。媒体99に対する光の反射率が小さいほど、媒体99が含む水分量が多い。このように、媒体99に対する光の反射率に基づいて、媒体99が含む水分量が検知される。したがって、第1光学センサー26は、印刷前、すなわち処理前の媒体99が含む水分量を検知するセンサーである。第1光学センサー26は、特に、表面99Aの水分量を精度よく検知できる。第1光学センサー26から送信される信号に基づいて、第1制御部23が、媒体99が含む水分量を算出してもよい。
【0059】
図1に示すように、第2光学センサー27は、ヘッド32よりも、搬送方向Yの下流に位置する。第2光学センサー27は、第1支持部21と対向する。第2光学センサー27は、第1支持部21の上方に位置する。第2光学センサー27は、例えば、キャリッジ33に取り付けられる。第1実施形態の第2光学センサー27は、キャリッジ33に対し、搬送方向Yの下流を向く面に取り付けられる。第2光学センサー27は、キャリッジ33に取り付けられることによって、キャリッジ33とともに媒体99に対して走査する。第1実施形態では、第2光学センサー27の構成は、第1光学センサー26の構成と同一である。
【0060】
図5及び図6に示すように、第2光学センサー27は、第2光学センサー27は、第2ケース51と、第2光源52と、第2受光部53とを有する。第1実施形態の第2光学センサー27は、さらに、第2遮光部54を有する。第2光学センサー27は、反射型の光学センサーである。
【0061】
第2ケース51は、第2光源52、第2受光部53、第2遮光部54を収容する。第2ケース51の形状は、例えば、直方体、又は直方体状である。第2ケース51は、第2開口55を有する。第2開口55は、第2ケース51のうち、第1支持部21と対向する面に設けられる。すなわち、第1実施形態では、第2開口55は、第2ケース51の下面に設けられる。第2ケース51の内部と、第2ケース51の外部とは、第2開口55によって通じている。
【0062】
第2光源52は、光を発する光源である。第2光源52は、水の吸収波長をピーク波長とする光を発する。第2光源52は、例えば、ピーク波長が900nm以上2100nm以下に含まれる光を発するように構成される。第1実施形態の第2光源52は、近赤外線光を発する。
【0063】
第1実施形態の第2光源52は、下方に向けて光を照射する。そのため、第1実施形態の第2光源52は、例えば、ヘッド32により処理が施された後の媒体99に光を照射する。このとき、第2光源52は、媒体99の表面99Aに光を照射する。
【0064】
第2光源52は、発光する1又は複数の発光素子を有する。第1実施形態では、第2光源52は、発光素子を複数有する。具体的には、第2光源52は、ピーク波長が異なる複数の発光素子を有する。第2光源52は、例えば、第3発光素子56と、第4発光素子57とを有する。第2光源52は、発光素子を3つ以上有していてもよい。
【0065】
第3発光素子56は、例えば、ピーク波長が940nmとなる光を発する発光素子である。第4発光素子57は、例えば、ピーク波長が1450nmとなる光を発する発光素子である。第3発光素子56及び第4発光素子57は、ピーク波長が水の吸収波長となる光を発する発光素子であればよい。例えば、第3発光素子56は、ピーク波長が1800nmとなる光を発する発光素子でもよいし、1940nmとなる光を発する発光素子でもよいし、2100nmとなる光を発する発光素子でもよい。同様に、第4発光素子57は、ピーク波長が1800nmとなる光を発する発光素子でもよいし、1940nmとなる光を発する発光素子でもよいし、2100nmとなる光を発する発光素子でもよい。
【0066】
第3発光素子56が発する光のピーク波長は、第4発光素子57が発する光のピーク波長よりも低い。この点で、第3発光素子56は、短波長発光素子の一例である。第4発光素子57は、長波長発光素子の一例である。
【0067】
第2受光部53は、第2光源52が発する光を受ける。第2受光部53は、例えば、受光素子を含む。第2受光部53は、第2光源52から第2検知光路L3を進行する光、又は、第2光源52から第2参照光路L4を進行する光、を受ける。すなわち、第2光源52が発する光は、第2検知光路L3又は第2参照光路L4を進行することによって、第2受光部53に入射する。
【0068】
第2検知光路L3は、第2光源52が発する光が第1支持部21に支持される媒体99で反射することによって第2受光部53に入射する光路である。第2検知光路L3は、図5において実線、図6において2点鎖線で示される光路である。第2検知光路L3は、第2開口55を通じて第2ケース51の内部と第2ケース51の外部とを延びる。第2検知光路L3は、第2光源52から第1支持部21に支持される媒体99にまで延びた後、媒体99から第2受光部53にまで延びる。
【0069】
第2検知光路L3を進行する光は、まず、第2光源52から第2開口55を通過することによって媒体99に当たる。このとき、第2検知光路L3を進行する光は、媒体99の表面99Aに当たる。媒体99の表面99Aに当たった光は、媒体99の表面99Aで反射する。媒体99の表面99Aで反射した光は、第2開口55を通過することによって第2受光部53に入射する。このようにして、第2光源52が発する光は、第2検知光路L3を進行する。その結果、第2受光部53は、媒体99で反射した光を受ける。
【0070】
第2参照光路L4は、第2光源52が発する光が第1支持部21に支持される媒体99で反射することなく第2受光部53に入射する光路である。第2参照光路L4は、図5において2点鎖線、図6において実線で示される光路である。第2参照光路L4は、第2ケース51の内部を延びる。第2参照光路L4は、第2ケース51の内部において、第2光源52から第2受光部53にまでまっすぐに延びる。そのため、第2参照光路L4を進行する光は、第2光源52から直接第2受光部53に入射する。これにより、第2受光部53は、第2光源52が発した光を直接受ける。
【0071】
第2遮光部54は、第2光源52が発する光を遮るように構成される。第2遮光部54の形状は、例えば、平板、又は平板状である。第2遮光部54は、第2ケース51の内部において、第2光源52と第2受光部53との間に位置する。第2遮光部54は、例えば、第2検知光路L3と第2参照光路L4とにまたがるように位置する。第2遮光部54は、第2検知光路L3又は第2参照光路L4を塞ぐ。第2遮光部54は、第2検知光路L3又は第2参照光路L4を塞ぐことによって、第2光源52が発する光を遮る。
【0072】
第2遮光部54は、第3状態S3と第4状態S4とに切り替わるように構成される。図5に示す第2遮光部54は、第3状態S3である。図6に示す第2遮光部54は、第3状態S3である。
【0073】
第2遮光部54は、例えば、変位することによって、第3状態S3と第4状態S4とに切り替わる。第1実施形態の第2遮光部54は、仮想軸である第2回転軸58を中心に回転するように構成される。第1実施形態の第2遮光部54は、第2回転軸58を中心に回転することによって、第3状態S3と第4状態S4とに切り替わる。第2遮光部54は、例えば、第2回転軸58を中心に回転可能な状態で、第2ケース51に支持される。
【0074】
第2遮光部54は、例えば、第2穴59を有する。第2遮光部54が第3状態S3である場合、第2穴59は、第2検知光路L3上に位置する。そのため、第2遮光部54が第3状態S3である場合、第2光源52から第2検知光路L3を進行する光は、第2穴59を通過することによって、第2受光部53に入射する。すなわち、第2遮光部54は、第3状態S3である場合、第2光源52が発する光が第2検知光路L3を進行することを許容する。また、第2遮光部54が第3状態S3である場合、第2穴59は、第2参照光路L4上に位置しない。すなわち、第2遮光部54は、第3状態S3である場合、第2光源52が発する光が第2参照光路L4を進行することを許容しない。このように、第2遮光部54の第3状態S3は、第2遮光部54が第2検知光路L3を遮らず、第2遮光部54が第2参照光路L4を遮る状態である。
【0075】
第2遮光部54が第4状態S4である場合、第2穴59は、第2参照光路L4上に位置する。そのため、第2遮光部54が第4状態S4である場合、第2光源52から第2参照光路L4を進行する光は、第2穴59を通過することによって、第2受光部53に入射する。すなわち、第2遮光部54は、第4状態S4である場合、第2光源52が発する光が第2参照光路L4を進行することを許容する。また、第2遮光部54が第4状態S4である場合、第2穴59は、第2検知光路L3上に位置しない。すなわち、第2遮光部54は、第4状態S4である場合、第2光源52が発する光が第2検知光路L3を進行することを許容しない。このように、第2遮光部54の第4状態S4は、第2遮光部54が第2検知光路L3を遮り、第2遮光部54が第2参照光路L4を遮らない状態である。
【0076】
第2遮光部54は、第3状態S3と第4状態S4とに切り替わることによって、第2光源52が発する光が進行する光路を決定する。第1実施形態では、第1制御部23が、第2遮光部54を第3状態S3と第4状態S4とで切り替える。
【0077】
第2検知光路L3を進行する光を第2受光部53が受けることによって、媒体99で反射する光の強度が検知される。第2参照光路L4を進行する光を第2受光部53が受けることによって、第2光源52が媒体99に照射する光の強度が検知される。第2検知光路L3を進行する光の強度と、第2参照光路L4を進行する光の強度とに基づいて、媒体99に対する光の反射率が検知される。すなわち、第1光学センサー26と同様に、媒体99に対する光の反射率に基づいて、媒体99が含む水分量が検知される。したがって、第2光学センサー27は、印刷後、すなわち処理後の媒体99が含む水分量を検知するセンサーである。第2光学センサー27は、特に、表面99Aの水分量を精度よく検知できる。第2光学センサー27から送信される信号に基づいて、第1制御部23が、媒体99が含む水分量を算出してもよい。
【0078】
第1光学センサー26の検知結果と第2光学センサー27の検知結果とに基づいて、処理部が媒体99に施した処理に対する、媒体99が含む水分量の変化が検知される。すなわち、第1実施形態では、ヘッド32が媒体99に吐出した液体に対する、媒体99が含む水分量の増加が検知される。第1光学センサー26の検知結果と、第2光学センサー27の検知結果とに基づいて、第1制御部23が、処理に対する媒体99が含む水分量の増加を算出してもよい。処理部が媒体99に施した処理に対する、媒体99が含む水分量の変化は、媒体99の特性を把握するにあたり有用である。
【0079】
図1に示すように、静電容量センサー28は、例えば、第1支持部21に取り付けられる。第1実施形態の静電容量センサー28は、取付穴31に取り付けられる。静電容量センサー28は、例えば、搬送方向Yにおいて第1光学センサー26と第2光学センサー27との間に位置する。第1実施形態の静電容量センサー28は、ヘッド32よりも搬送方向Yの下流に位置する。
【0080】
図7に示すように、静電容量センサー28は、取付穴31に収容されるように位置する。静電容量センサー28は、第1支持部21に支持される媒体99よりも下方に位置する。静電容量センサー28は、媒体99に対して下方から接触する。静電容量センサー28は、媒体99に接触することによって、媒体99の静電容量を検知する。第1実施形態の静電容量センサー28は、印刷後、すなわち処理が施された後の媒体99の静電容量を検知する。
【0081】
静電容量センサー28は、保持部61と、電極対62と、位置調整部63とを有する。
保持部61は、電極対62を保持する。保持部61の形状は、例えば、直方体又は直方体状である。保持部61は、位置調整部63に取り付けられる。
【0082】
電極対62は、保持部61から突出するように設けられる。第1実施形態の電極対62は、保持部61の上面から突出する。電極対62は、第1支持部21に支持される媒体99に接触する。第1実施形態では、電極対62は、媒体99の裏面99Bに接触する。この場合、電極対62が媒体99の表面99Aに接触する場合と比べて、印刷される表面99A、すなわち処理が施される表面99Aを傷つけるおそれが低減される。
【0083】
電極対62は、静電容量センサー28が有する発振回路の一部を構成する。電極対62は、2つの電極64で構成される。2つの電極64間には、交流電圧が印加される。すなわち、静電容量センサー28は、2つの電極64間の静電容量を検知する。2つの電極64が媒体99に接触すると、媒体99に交流が流れる。これにより、静電容量センサー28は、電極対62が接触する媒体99の静電容量を検知する。
【0084】
2つの電極64から媒体99に交流が流れることによって、2つの電極64間の静電容量が変化する。このとき、2つの電極64間の静電容量の変化は、2つの電極64が接触する媒体99が含む水分量に大きく影響される。その理由は、紙、布帛などが採用される媒体99と比べ、水の比誘電率が大きいためである。そのため、例えば、媒体99が含む水分量が多いと、2つの電極64間の静電容量の変化が大きくなる。媒体99が含む水分量が少ないと、2つの電極64間の静電容量の変化が小さくなる。このように、2つの電極64間の静電容量の変化と、媒体99が含む水分量との間には、相関がある。したがって、2つの電極64間の静電容量の変化に基づいて、媒体99が含む水分量が検知される。静電容量センサー28から送信される信号に基づいて、第1制御部23が、媒体99が含む水分量を算出してもよい。
【0085】
2つの電極64間の静電容量の変化は、2つの電極64が接触する媒体99の坪量にも影響される。例えば、媒体99の坪量が大きいと、2つの電極64間の静電容量の変化が大きくなる。媒体99の坪量が小さいと、2つの電極64間の静電容量の変化が小さくなる。そのため、第1実施形態では、第1超音波センサー24と、静電容量センサー28とによって、媒体99が含む水分量が精度よく検知される。特に、媒体99の比重と、媒体99の厚みと、2つの電極64間の静電容量の変化とに基づいて、媒体99が含む水分量が精度よく検知される。
【0086】
第1光学センサー26及び第2光学センサー27が主として媒体99の表面99Aに含まれる水分量を検知する一方、静電容量センサー28は主として媒体99の裏面99Bと媒体99の内部に含まれる水分量を検知する。そのため、第1光学センサー26と、第2光学センサー27と、静電容量センサー28とによって、媒体99が含む水分量が精度よく検知される。
【0087】
ヘッド32が媒体99に液体を吐出すると、その液体の大部分が媒体99の表面99Aに残る場合がある。この場合、第1光学センサー26の検知結果と第2光学センサー27の検知結果とを参照すると、ヘッド32が吐出した液体量に対して媒体99が含む水分量の増加が大きいことが把握できる。一方、第1光学センサー26の検知結果と静電容量センサー28の検知結果とを参照すると、媒体99に液体があまり吸収されていないため、ヘッド32が吐出した液体量に対して媒体99が含む水分量の増加が小さいことが把握できる。以上のことから、この媒体99は、液体を吸収しにくい特性を有することが把握される。このように、第1光学センサー26の検知結果と、第2光学センサー27の検知結果と、静電容量センサー28の検知結果とに基づいて、媒体99の特性が把握できる。
【0088】
位置調整部63は、第1調整部材65と、第2調整部材66とを有する。第1実施形態では、第1調整部材65及び第2調整部材66は、保持部61よりも搬送方向Yの下流に位置するが、保持部61よりも搬送方向Yの上流に位置してもよい。
【0089】
第1調整部材65は、例えば、板、又は板状の部材である。第1調整部材65は、第1支持部21と第2調整部材66とに取り付けられる。第1調整部材65は、第1支持部21に対し、取付穴31の内周面に取り付けられる。
【0090】
第1調整部材65は、走査方向Xに延びる第1長穴67を有する。第1調整部材65は、第1長穴67を通じて第1支持部21とねじ止めされることによって、第1支持部21に固定される。すなわち、第1調整部材65は、第1支持部21に対して、走査方向Xに移動可能である。このように、第1調整部材65は、第1支持部21に対する位置を走査方向Xで調整可能である。
【0091】
第2調整部材66は、例えば、板、又は板状の部材である。第2調整部材66は、第1調整部材65と保持部61とに取り付けられる。第2調整部材66は、第1調整部材65と保持部61との間に位置する。第2調整部材66は、保持部61に固定される。
【0092】
第2調整部材66は、鉛直方向Zに延びる第2長穴68を有する。第2調整部材66は、第2長穴68を通じて第1調整部材65とねじ止めすることによって、第1調整部材65に固定される。すなわち、第2調整部材66は、第1調整部材65に対して、鉛直方向Zに移動可能である。このように、第2調整部材66は、第1調整部材65に対する位置を鉛直方向Zで調整可能である。
【0093】
第1調整部材65が第1支持部21に対して走査方向Xに移動すると、電極対62は、第1支持部21に対して走査方向Xに移動する。第2調整部材66が第1調整部材65に対して鉛直方向Zに移動すると、電極対62は、第1支持部21に対して鉛直方向Zに移動する。このように、静電容量センサー28は、位置調整部63によって、走査方向X及び鉛直方向Zに位置を調整可能である。これにより、電極対62が媒体99に対して効果的に接触するように、電極対62の位置を調整できる。
【0094】
図1に示すように、乾燥装置15は、印刷装置14よりも搬送方向Yの下流に位置する。乾燥装置15は、媒体99を乾燥させる装置である。乾燥装置15は、印刷装置14によって印刷された媒体99を乾燥させる。乾燥装置15は、処理装置の一例である。すなわち、乾燥装置15は、媒体99を乾燥させることによって、媒体99に処理を施す。印刷システム11において、印刷装置14、乾燥装置15は、この順で媒体99に処理を施す。
【0095】
第1実施形態の乾燥装置15は、第2支持部71と、収容体72と、加熱部73と、第2制御部74とを備える。
第2支持部71は、例えば、板状の部材である。第2支持部71は、搬送される媒体99を支持する。第2支持部71は、印刷装置14によって印刷された媒体99を支持する。第1実施形態の第2支持部71は、媒体99を下方から支持する。第1実施形態の第2支持部71は、媒体99に対して裏面99Bに接触する。第2支持部71は、印刷システム11において、乾燥装置15が備える支持部である。
【0096】
収容体72は、第2支持部71と対向する。第1実施形態の収容体72は、第2支持部71の上方に位置する。収容体72は、例えば、箱である。収容体72は、第2支持部71と対向する面に開口75を有する。そのため、開口75は、収容体72において下方を向く。収容体72は、加熱部73を収容する。
【0097】
加熱部73は、第2支持部71と対向する。第1実施形態の加熱部73は、第2支持部71の上方に位置する。加熱部73は、媒体99を加熱するように構成される。加熱部は73、例えば、走査方向Xに延びるヒーター管である。第1実施形態では、加熱部73は、2つ設けられる。2つの加熱部73は、搬送方向Yに間隔をあけて並ぶ。
【0098】
加熱部73は、熱を発生させる。発生した熱は、開口75を通じて第2支持部71上に及ぶ。これにより、加熱部73は、第2支持部71に支持される媒体99を加熱する。このとき、加熱部73は、媒体99の表面99Aを加熱する。加熱部73が媒体99を加熱することによって、媒体99に吐出された液体が乾く。その結果、媒体99が乾燥される。
【0099】
加熱部73が媒体99を加熱すると、媒体99が含む水分量が減少する。すなわち、加熱部73は、媒体99を加熱することによって、媒体99が含む水分量を減少させる処理を媒体99に施す。加熱部73は、第2支持部71が接触する裏面99Bとは反対となる媒体99の表面99Aに処理を施す。この点で、第1実施形態の加熱部73は、処理部の一例である。
【0100】
第2制御部74は、乾燥装置15の各種構成を制御する。例えば、第2制御部74は、加熱部73を制御する。第2制御部74は、印刷システム11において、乾燥装置15が備える制御部である。
【0101】
第1実施形態の第2制御部74は、保持装置12、巻取装置13及び印刷装置14と通信可能とされる。第2制御部74は、必要に応じて、保持装置12、巻取装置13及び印刷装置14から信号を受信したり、保持装置12、巻取装置13及び印刷装置14に信号を送信したりする。第2制御部74は、例えば、第1制御部23と相互に通信する。第2制御部74は、印刷システム11を統括的に制御してもよい。
【0102】
第2制御部74は、第1制御部23と同様に、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路などの1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピューター可読媒体は、汎用又は専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0103】
次に、上記第1実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)第1光源42と第1受光部43とによって、処理が施される前の媒体99が含む水分量が検知される。第2光源52と第2受光部53とによって、処理が施された後の媒体99が含む水分量が検知される。これにより、処理に対する媒体99が含む水分量の減少、又は処理に対する媒体99が含む水分量の増加、を検知できる。したがって、処理に対する媒体99が含む水分量の変化を検知できる。
【0104】
(2)第1光源42及び第2光源52の少なくとも一方は、ピーク波長が異なる光を発する複数の発光素子を有する。この場合、異なるスペクトルを有する光が媒体99に照射される。これにより、媒体99が含む水分量を精度よく検知できる。
【0105】
(3)第1光源42及び第2光源52の少なくとも一方は、ピーク波長が940nmの光を発する短波長発光素子と、ピーク波長が1450nmの光を発する長波長発光素子とを有する。940nmと、1450nmとは、水の吸収波長である。そのため、短波長発光素子と長波長発光素子とが発する光は、水に吸収されやすい。したがって、これによれば、媒体99が含む水分量を精度よく検知できる。
【0106】
(4)第1遮光部44は、第1検知光路L1を遮らず、第1参照光路L2を遮る第1状態S1と、第1検知光路L1を遮り、第1参照光路L2を遮らない第2状態S2と、に切り替わるように構成される。これによれば、第1遮光部44が第1状態S1である場合、第1光源42が発する光は、第1検知光路L1を進行することによって、第1受光部43に入射する。第1遮光部44が第2状態S2である場合、第1光源42が発する光は、第1参照光路L2を進行することによって、第1受光部43に入射する。第1検知光路L1を進行する光と、第1参照光路L2を進行する光とに基づいて、媒体99に対する光の反射率が精度よく検知される。これにより、例えば、第1光源42が経年劣化したとしても、媒体99が含む水分量を精度よく検知できる。
【0107】
(5)第2遮光部54は、第2検知光路L3を遮らず、第2参照光路L4を遮る第3状態S3と、第2検知光路L3を遮り、第2参照光路L4を遮らない第4状態S4と、に切り替わるように構成される。これによれば、第2遮光部54が第3状態S3である場合、第2光源52が発する光は、第2検知光路L3を進行することによって、第2受光部53に入射する。第2遮光部54が第4状態S4である場合、第2光源52が発する光は、第2参照光路L4を進行することによって、第2受光部53に入射する。第2検知光路L3を進行する光と、第2参照光路L4を進行する光とに基づいて、媒体99に対する光の反射率が精度よく検知される。これにより、例えば、第2光源52が経年劣化したとしても、媒体99が含む水分量を精度よく検知できる。
【0108】
(6)処理部であるヘッド32は、第1支持部21に接触する裏面99Bとは反対となる媒体99の表面99Aに処理を施す。一方、第1光源42及び第2光源52は、表面99Aに光を照射する。これによれば、処理が施される媒体99の表面99Aに含まれる水分量を精度よく検知できる。
【0109】
(7)処理装置である印刷装置14は、静電容量センサー28と、第1超音波センサー24とを備える。第1超音波センサー24が有する第1発信部34と第1受信部35とは、搬送される媒体99を挟むように位置する。これによれば、第1発信部34と第1受信部35との間に媒体99がある場合、第1発信部34が発信した超音波は、媒体99を透過する。この場合、第1受信部35は、媒体99を透過した超音波を受信する。第1発信部34と第1受信部35との間に媒体99がない場合、第1発信部34が発信した超音波は、そのまま第1受信部35に受信される。媒体99を透過しない超音波と、媒体99を透過した超音波とに基づいて、媒体99に対する超音波の透過率が検知される。そして、媒体99に対する超音波の透過率に基づいて、媒体99の坪量が検知される。そのため、静電容量センサー28が検知する媒体99の静電容量と、第1超音波センサー24が検知する媒体99の坪量とに基づいて、媒体99が含む水分量を検知できる。これにより、媒体99が含む水分量を精度よく検知できる。
【0110】
(8)第1超音波センサー24は、キャリッジ33に取り付けられる。そのため、第1超音波センサー24は、キャリッジ33とともに走査することによって、媒体99の幅にわたって媒体99が含む水分量を検知できる。
【0111】
(9)第2超音波センサー25は、キャリッジ33に取り付けられる。そのため、第2超音波センサー25は、キャリッジ33とともに走査することによって、媒体99の幅にわたって媒体99が含む水分量を検知できる。
【0112】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と比べて、乾燥装置15が、第1超音波センサー24と、第2超音波センサー25と、第1光学センサー26と、第2光学センサー27と、静電容量センサー28とを備える点で異なる。第2実施形態については、第1実施形態と異なる点について主に記載する。
【0113】
図8に示すように、乾燥装置15は、第2支持部71と、収容体72と、加熱部73と、第2制御部74と、を備える。第2実施形態の乾燥装置15は、第1超音波センサー24と、第2超音波センサー25とを備える。第2実施形態の乾燥装置15は、第1光学センサー26と、第2光学センサー27とを備える。第2実施形態の乾燥装置15は、静電容量センサー28を備える。
【0114】
第2実施形態の第2支持部71は、静電容量センサー28が取り付けられるための取付穴31を有する。取付穴31は、例えば、第2支持部71において、収容体72が対向する領域に位置する。第2実施形態の取付穴31は、搬送方向Yにおいて、2つの加熱部73の間に位置する。
【0115】
第2実施形態の第1超音波センサー24は、第2支持部71よりも搬送方向Yの下流に位置する。第2実施形態の第1超音波センサー24は、搬送方向Yにおいて、第2支持部71と巻取装置13との間に位置する。
【0116】
第1超音波センサー24は、加熱部73に処理を施された後の媒体99の坪量を検知する。すなわち、第1超音波センサー24は、加熱された後の媒体99の坪量を検知する。これにより、第1超音波センサー24が媒体99の坪量を検知するにあたり、ヘッド32から媒体99に吐出された液体による影響が低減される。その理由は、媒体99に液体が多く含まれていると、媒体99の坪量を精度よく検知することが難しいためである。
【0117】
第2実施形態の第2超音波センサー25は、第2支持部71と対向する。第2超音波センサー25は、第2支持部71の上方に位置する。第2実施形態の第2超音波センサー25は、加熱部73よりも搬送方向Yの下流に位置する。第2実施形態の第2超音波センサー25は、搬送方向Yにおいて、収容体72と第1超音波センサー24との間に位置する。
【0118】
第2超音波センサー25は、加熱部73に処理を施された後の媒体99の厚みを検知する。すなわち、第2超音波センサー25は、加熱された後の媒体99の坪量を検知する。これにより、第2超音波センサー25が媒体99の厚みを検知するにあたり、媒体99に吐出された液体による影響が低減される。その理由は、媒体99に液体が多く含まれていると、媒体99が膨潤することがあるため、媒体99の厚みを精度よく検知することが難しいためである。
【0119】
第2実施形態の第1光学センサー26は、加熱部73よりも、搬送方向Yの上流に位置する。第2実施形態の第1光学センサー26は、収容体72よりも、搬送方向Yの上流に位置する。第1光学センサー26は、第2支持部71と対向する。第1光学センサー26は、第2支持部71の上方に位置する。
【0120】
第1光学センサー26は、加熱部73に加熱される前の媒体99が含む水分量を検知する。すなわち、第1光学センサー26は、加熱部73に処理が施される前の媒体99が含む水分量を検知する。もっといえば、第1光学センサー26は、液体が吐出された後の媒体99が含む水分量を検知する。そのため、第1光源42は、加熱部73に加熱される前の媒体99に光を照射する。第1受光部43は、加熱部73に加熱される前の媒体99で反射した光を受ける。
【0121】
第2実施形態の第2光学センサー27は、加熱部73よりも、搬送方向Yの下流に位置する。第2実施形態の第2光学センサー27は、収容体72よりも、搬送方向Yの上流に位置する。第2光学センサー27は、第2支持部71と対向する。第2光学センサー27は、第2支持部71の上方に位置する。
【0122】
第2光学センサー27は、加熱部73に加熱された後の媒体99が含む水分量を検知する。すなわち、第2光学センサー27は、加熱部73に処理が施された後の媒体99が含む水分量を検知する。そのため、第2光源52は、加熱部73に加熱された後の媒体99に光を照射する。第2受光部53は、加熱部73に加熱された後の媒体99で反射した光を受ける。
【0123】
第1光学センサー26と第2光学センサー27とによって、処理部が媒体99に施した処理に対する、媒体99が含む水分量の変化が検知される。すなわち、第2実施形態では、加熱部73による媒体99の加熱に対する、媒体99が含む水分量の減少が検知される。
【0124】
第2実施形態の静電容量センサー28は、第2支持部71に取り付けられる。第2実施形態の静電容量センサー28は、取付穴31に取り付けられる。静電容量センサー28は、例えば、搬送方向Yにおいて第1光学センサー26と第2光学センサー27との間に位置する。第2実施形態の静電容量センサー28は、搬送方向Yにおいて、2つの加熱部73の間に位置する。
【0125】
第2実施形態の静電容量センサー28は、加熱部73に加熱されている最中の媒体99が含む水分量を検知する。すなわち、静電容量センサー28は、加熱部73に処理が施されている最中の媒体99が含む水分量を検知する。静電容量センサー28は、処理途中の媒体99が含む水分量を検知する。
【0126】
第1光学センサー26、第2光学センサー27、静電容量センサー28によって、処理に対して変化する媒体が含む水分量の推移が検知される。これにより、加熱部73による媒体99の加熱に対する、媒体99が含む水分量の減少量を精度よく検知できる。
【0127】
加熱部73が媒体99を加熱すると、その表面99Aが乾燥される一方で、媒体99の内部が乾燥されない場合がある。この場合、第1光学センサー26の検知結果と第2光学センサー27の検知結果とを参照すると、加熱部73が媒体99に与えた熱量に対して媒体99が含む水分量の減少が大きいことが把握できる。一方、第1光学センサー26の検知結果と静電容量センサー28の検知結果とを参照すると、加熱部73が媒体99に与えた熱量に対して媒体99が含む水分量の減少が小さいことが把握できる。以上のことから、この媒体99は、乾燥しにくい特性を有することが把握できる。このように、第1光学センサー26の検知結果と、第2光学センサー27の検知結果と、静電容量センサー28の検知結果とに基づいて、媒体99の特性が把握できる。
【0128】
上述した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(10)処理部である加熱部73は、第1支持部21に接触する裏面99Bとは反対となる媒体99の表面99Aに処理を施す。一方、第1光源42及び第2光源52は、表面99Aに光を照射する。これによれば、処理が施される媒体99の表面99Aに含まれる水分量を精度よく検知できる。
【0129】
(11)処理装置である乾燥装置15は、静電容量センサー28と、第1超音波センサー24とを備える。第1超音波センサー24が有する第1発信部34と第1受信部35とは、搬送される媒体99を挟むように位置する。第1発信部34と第1受信部35との間に媒体99がある場合、第1発信部34が発信した超音波は、媒体99を透過する。この場合、第1受信部35は、媒体99を透過した超音波を受信する。第1発信部34と第1受信部35との間に媒体99がない場合、第1発信部34が発信した超音波は、そのまま第1受信部35に受信される。媒体99を透過しない超音波と、媒体99を透過した超音波とに基づいて、媒体99に対する超音波の透過率が検知される。そして、媒体99に対する超音波の透過率に基づいて、媒体99の坪量が検知される。そのため、静電容量センサー28が検知する媒体99の静電容量と、第1超音波センサー24が検知する媒体99の坪量とに基づいて、媒体99が含む水分量を検知できる。これにより、媒体99が含む水分量を精度よく検知できる。
【0130】
上述した第1実施形態及び第2実施形態は、以下のように変更して実施することができる。第1実施形態、第2実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0131】
・取付穴31に代えて、窪みが支持部に設けられてもよい。
・第1発信部34は、第1超音波センサー24と第2超音波センサー25との双方を構成してもよい。すなわち、第1発信部34は、第2発信部36として機能してもよい。この場合、例えば、第1発信部34は、搬送方向Y及びその反対方向に移動する。これにより、第1発信部34は、第1受信部35に超音波を発信でき、支持部に超音波を発信できる。
【0132】
・第2実施形態において、第1超音波センサー24及び第2超音波センサー25は、第1実施形態と同様の位置に位置してもよい。液体が吐出された後の媒体99に超音波を照射する場合よりも、液体が吐出される前の媒体99に超音波を照射する場合の方が、媒体99の坪量、媒体99の厚みを精度よく検知できる。
【0133】
・第1遮光部44は、第1開口45を塞ぐことによって第1検知光路L1を遮るように構成されてもよい。例えば、第1遮光部44は、第1光源42が発する光を反射することによって、第1受光部43にその光を入射させてもよい。この場合、第1遮光部44は、第1穴49を有しなくともよい。
【0134】
・第2遮光部54は、第2開口55を塞ぐことによって第2検知光路L3を遮るように構成されてもよい。例えば、第2遮光部54は、第2光源52が発する光を反射することによって、第2受光部53にその光を入射させてもよい。この場合、第2遮光部54は、第2穴59を有しなくともよい。
【0135】
・第1状態S1は、第1検知光路L1を通過する光量が第1参照光路L2を通過する光量よりも多くなる状態であってもよい。この場合、第1状態S1である第1遮光部44は、第1検知光路L1を進行する光よりも第1参照光路L2を進行する光を多く遮る。
【0136】
・第2状態S2は、第1参照光路L2を通過する光量が第1検知光路L1を通過する光量よりも多くなる状態であってもよい。この場合、第2状態S2である第1遮光部44は、第1参照光路L2を進行する光よりも第1検知光路L1を進行する光を多く遮る。
【0137】
・第3状態S3は、第2検知光路L3を通過する光量が第2参照光路L4を通過する光量よりも多くなる状態であってもよい。この場合、第3状態S3である第2遮光部54は、第2検知光路L3を進行する光よりも第2参照光路L4を進行する光を多く遮る。
【0138】
・第4状態S4は、第2参照光路L4を通過する光量が第2検知光路L3を通過する光量よりも多くなる状態であってもよい。この場合、第4状態S4である第2遮光部54は、第2参照光路L4を進行する光よりも第2検知光路L3を進行する光を多く遮る。
【0139】
・第1光源42は、水に吸収されやすい波長と、水に吸収されにくい波長とを含む光を発するように構成されてもよい。この場合、媒体99で反射された光のうち、水に吸収されやすい波長の光の強度と、水に吸収されにくい波長の光の強度とを比較することによって、媒体99に対する光の反射率が算出可能である。こうすると、第1光源42から直接第1受光部43に光を入射させずとも、媒体99に対する光の反射率が算出できる。
【0140】
・第1光源42は、第1発光素子46だけ有していてもよいし、第2発光素子47だけ有していてもよい。すなわち、第1光源42は、ピーク波長が940nmの光を発する短波長発光素子だけ有していてもよいし、ピーク波長が1450nmの光を発する長波長発光素子だけ有していてもよい。
【0141】
・第2光源52は、水に吸収されやすい波長と、水に吸収されにくい波長とを含む光を発するように構成されてもよい。この場合、媒体99で反射された光のうち、水に吸収されやすい波長の光の強度と、水に吸収されにくい波長の光の強度とを比較することによって、媒体99に対する光の反射率が算出可能である。こうすると、第2光源52から直接第2受光部53に光を入射させずとも、媒体99に対する光の反射率が算出できる。
【0142】
・第2光源52は、第3発光素子56だけ有していてもよいし、第4発光素子57だけ有していてもよい。すなわち、第2光源52は、ピーク波長が940nmの光を発する短波長発光素子だけ有していてもよいし、ピーク波長が1450nmの光を発する長波長発光素子だけ有していてもよい。
【0143】
・静電容量センサー28は、処理が施される前の媒体が含む水分量を検知する位置に位置していてもよい。静電容量センサー28は、第1光学センサー26及び第2光学センサー27が発する光の影響を受けない位置に位置していればよい。
【0144】
・位置調整部63は、電気的な駆動によって電極対62の位置を調整可能に構成されてもよい。例えば、位置調整部63は、アクチュエーターでもよい。
・位置調整部63は、保持部61に対して電極対62の位置を調整可能に構成されてもよい。この場合でも、支持部に対する電極対62の位置が調整される。
【0145】
・乾燥装置15は、加熱部73に代えて、媒体99に向けて送風する送風部を備えてもよい。この場合、送風部が処理部に該当する。媒体99に風が吹きつけられることによっても、媒体99の乾燥が促進される。
【0146】
・乾燥装置15は、加熱部73に加えて、媒体99に向けて送風する送風部を備えてもよい。この場合、加熱部73及び送風部が処理部に該当する。媒体99を加熱することに加えて媒体99に風が吹きつけられることによって、媒体99の乾燥が一層促進される。
【0147】
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)処理装置は、ピーク波長が900nm以上2100nm以下に含まれる光を発する第1光源及び第2光源と、前記第1光源が発する光を受ける第1受光部と、前記第2光源が発する光を受ける第2受光部と、搬送される媒体を支持する支持部と、前記支持部と対向し、前記媒体が含む水分量を増加又は減少させる処理を前記媒体に施す処理部と、を備え、前記第1光源及び前記第1受光部は、前記処理部よりも、搬送される前記媒体の搬送方向の上流に位置し、前記第1光源は、前記処理部により処理が施される前の前記媒体に光を照射し、前記第1受光部は、前記媒体で反射した光を受け、前記第2光源及び前記第2受光部は、前記処理部よりも、前記搬送方向の下流に位置し、前記第2光源は、前記処理部により処理が施された後の前記媒体に光を照射し、前記第2受光部は、前記媒体で反射した光を受ける。
【0148】
媒体に光が照射されると、媒体が含む水分量によって、媒体で反射する光の反射率が変化する。すなわち、媒体で反射する光の反射率に基づいて、媒体が含む水分量を検知できる。上記構成によれば、第1光源と第1受光部とによって、処理が施される前の媒体が含む水分量が検知される。第2光源と第2受光部とによって、処理が施された後の媒体が含む水分量が検知される。これにより、処理に対する媒体が含む水分量の減少、又は処理に対する媒体が含む水分量の増加、を検知できる。したがって、処理に対する媒体が含む水分量の変化を検知できる。
【0149】
(B)上記処理装置において、前記第1光源及び前記第2光源の少なくとも一方は、ピーク波長が異なる光を発する複数の発光素子を有してもよい。
上記構成によれば、異なるスペクトルを有する光が媒体に照射される。これにより、媒体が含む水分量を精度よく検知できる。
【0150】
(C)上記処理装置において、前記第1光源及び前記第2光源の少なくとも一方は、ピーク波長が940nmの光を発する短波長発光素子と、ピーク波長が1450nmの光を発する長波長発光素子とを有してもよい。
【0151】
940nmと、1450nmとは、水の吸収波長である。そのため、短波長発光素子と長波長発光素子とが発する光は、水に吸収されやすい。したがって、上記構成によれば、媒体が含む水分量を精度よく検知できる。
【0152】
(D)上記処理装置は、前記第1光源が発する光を遮る第1遮光部を備え、前記第1光源が発する光は、前記支持部に支持される前記媒体で反射することによって前記第1受光部に入射する第1検知光路、又は、前記支持部に支持される前記媒体で反射することなく前記第1受光部に入射する第1参照光路、を進行し、前記第1遮光部は、前記第1検知光路を遮らず、前記第1参照光路を遮る第1状態と、前記第1検知光路を遮り、前記第1参照光路を遮らない第2状態と、に切り替わるように構成されてもよい。
【0153】
上記構成によれば、第1遮光部が第1状態である場合、第1光源が発する光は、第1検知光路を進行することによって、第1受光部に入射する。第1遮光部が第2状態である場合、第1光源が発する光は、第1参照光路を進行することによって、第1受光部に入射する。第1検知光路を進行する光と、第1参照光路を進行する光とに基づいて、媒体に対する光の反射率が精度よく検知される。これにより、例えば、第1光源が経年劣化したとしても、媒体が含む水分量を精度よく検知できる。
【0154】
(E)上記処理装置は、前記第2光源が発する光を遮る第2遮光部を備え、前記第2光源が発する光は、前記支持部に支持される前記媒体で反射することによって前記第2受光部に入射する第2検知光路、又は、前記支持部に支持される前記媒体で反射することなく前記第2受光部に入射する第2参照光路、を進行し、前記第2遮光部は、前記第2検知光路を遮らず、前記第2参照光路を遮る第3状態と、前記第2検知光路を遮り、前記第2参照光路を遮らない第4状態と、に切り替わるように構成されてもよい。
【0155】
上記構成によれば、第2遮光部が第3状態である場合、第2光源が発する光は、第2検知光路を進行することによって、第2受光部に入射する。第2遮光部が第2状態である場合、第2光源が発する光は、第2参照光路を進行することによって、第2受光部に入射する。第2検知光路を進行する光と、第2参照光路を進行する光とに基づいて、媒体に対する光の反射率が精度よく検知される。これにより、例えば、第2光源が経年劣化したとしても、媒体が含む水分量を精度よく検知できる。
【0156】
(F)上記処理装置において、前記処理部は、前記支持部が接触する裏面とは反対となる前記媒体の表面に処理を施し、前記第1光源及び前記第2光源は、前記表面に光を照射してもよい。
【0157】
上記構成によれば、処理が施される媒体の表面に含まれる水分量を精度よく検知できる。
(G)上記処理装置は、電極対を有し、前記電極対に接触する前記媒体の静電容量を検知する静電容量センサーと、超音波を発信する発信部と、前記発信部が発信した超音波を受信する受信部と、を有する超音波センサーと、を備え、前記発信部と前記受信部とは、搬送される前記媒体を挟むように位置してもよい。
【0158】
発信部と受信部との間に媒体がある場合、発信部が発信した超音波は、媒体を透過する。この場合、受信部は、媒体を透過した超音波を受信する。発信部と受信部との間に媒体がない場合、発信部が発信した超音波は、そのまま受信部に受信される。媒体を透過しない超音波と、媒体を透過した超音波とに基づいて、媒体に対する超音波の透過率が検知される。媒体に対する超音波の透過率に基づいて、媒体の坪量が検知される。そのため、上記構成によれば、静電容量センサーが検知する媒体の静電容量と、超音波センサーが検知する媒体の坪量とに基づいて、媒体が含む水分量を検知できる。これにより、媒体が含む水分量を精度よく検知できる。
【符号の説明】
【0159】
11…印刷システム、12…保持装置、13…巻取装置、14…印刷装置、15…乾燥装置、17…保持軸、18…巻取軸、21…第1支持部、22…印刷部、23…第1制御部、24…第1超音波センサー、25…第2超音波センサー、26…第1光学センサー、27…第2光学センサー、28…静電容量センサー、31…取付穴、32…ヘッド、33…キャリッジ、34…第1発信部、35…第1受信部、36…第2発信部、37…第2受信部、41…第1ケース、42…第1光源、43…第1受光部、44…第1遮光部、45…第1開口、46…第1発光素子、47…第2発光素子、48…第1回転軸、49…第1穴、51…第2ケース、52…第2光源、53…第2受光部、54…第2遮光部、55…第2開口、56…第3発光素子、57…第4発光素子、58…第2回転軸、59…第2穴、61…保持部、62…電極対、63…位置調整部、64…電極、65…第1調整部材、66…第2調整部材、67…第1長穴、68…第2長穴、71…第2支持部、72…収容体、73…加熱部、74…第2制御部、75…開口、99…媒体、99A…表面、99B…裏面、100…ロール体、D1…第1方向、D2…第2方向、L1…第1検知光路、L2…第1参照光路、L3…第2検知光路、L4…第2参照光路、S1…第1状態、S2…第2状態、S3…第3状態、S4…第4状態、X…走査方向、Y…搬送方向、Z…鉛直方向。
図1
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図8