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特許7456199ビジュアルプログラミングの補助方法、プログラム及びビジュアルプログラミング補助装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】ビジュアルプログラミングの補助方法、プログラム及びビジュアルプログラミング補助装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/34 20180101AFI20240319BHJP
   G06F 3/04817 20220101ALI20240319BHJP
【FI】
G06F8/34
G06F3/04817
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020036733
(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2021140397
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】小田 利彦
(72)【発明者】
【氏名】廣田 達哉
(72)【発明者】
【氏名】宮浦 宏之
(72)【発明者】
【氏名】松島 星子
(72)【発明者】
【氏名】吉川 泰司
【審査官】▲はま▼中 信行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/198221(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/086049(WO,A1)
【文献】特開2014-72307(JP,A)
【文献】特開2018-77613(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0033453(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04817
G06F 8/34
G05B 15/00 -15/02
G05B 19/04 -19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビジュアルプログラミングの補助方法であって、
前記ビジュアルプログラミングによって生成されるプログラムは、装置に関連する実データの加工処理をコンピュータに実行させるように構成されており、
前記プログラムは、各々が所定の情報処理を実行するように構成された複数のプログラム要素を含み、
前記実データの属性を示す項目を含むメタデータは、データベース上で管理されており、
前記補助方法は、
前記複数のプログラム要素に対応した複数のアイコンを画面に表示させるステップと、
前記メタデータの内容変更が生じた場合に、前記複数のプログラム要素のうち前記内容変更の影響を受けるプログラム要素に対応するアイコンの表示態様を変更するステップとを含む、ビジュアルプログラミングの補助方法。
【請求項2】
前記メタデータの内容変更が生じた場合に、前記複数のプログラム要素の各々が参照するデータに基づいて、前記複数のプログラム要素のうち前記内容変更の影響を受けるプログラム要素を特定するステップをさらに含む、請求項1に記載のビジュアルプログラミングの補助方法。
【請求項3】
前記メタデータは、前記装置の属性を示す項目をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載のビジュアルプログラミングの補助方法。
【請求項4】
前記アイコンの色を変更することによって前記表示態様を変更する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のビジュアルプログラミングの補助方法。
【請求項5】
前記装置は、デバイスの製造装置であり、
前記製造装置は、複数の工程を実行するように構成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のビジュアルプログラミングの補助方法。
【請求項6】
ビジュアルプログラミングを補助するための処理をコンピュータに実行させるように構成されたプログラムであって、
前記プログラムは、装置に関連する実データの加工処理を前記コンピュータに実行させるように構成されており、
前記プログラムは、各々が所定の情報処理を実行するように構成された複数のプログラム要素を含み、
前記実データの属性を示す項目を含むメタデータは、データベース上で管理されており、
前記プログラムは、
前記複数のプログラム要素にそれぞれが対応した複数のアイコンを画面に表示させるステップと、
前記メタデータの内容変更が生じた場合に、前記複数のプログラム要素のうち前記内容変更の影響を受けるプログラム要素に対応するアイコンの表示態様を変更するステップとを前記コンピュータに実行させるように構成されている、プログラム。
【請求項7】
ビジュアルプログラミングを補助するように構成されたビジュアルプログラミング補助装置であって、
前記ビジュアルプログラミングによって生成されるプログラムは、装置に関連する実データの加工処理をコンピュータに実行させるように構成されており、
前記プログラムは、各々が所定の情報処理を実行するように構成された複数のプログラム要素を含み、
前記実データの属性を示す項目を含むメタデータは、データベース上で管理されており、
前記ビジュアルプログラミング補助装置は、
前記複数のプログラム要素にそれぞれが対応した複数のアイコンを表示するように構成された表示部と、
前記メタデータの内容変更が生じた場合に、前記複数のプログラム要素のうち前記内容変更の影響を受けるプログラム要素に対応するアイコンの表示態様を変更するように前記表示部を制御するように構成された制御部とを備える、ビジュアルプログラミング補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビジュアルプログラミングの補助方法、プログラム及びビジュアルプログラミング補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平07-064479号公報(特許文献1)は、プラントの制御プログラム自動生成方法を開示する。この制御プログラム自動生成方法においては、プラントの機器構成情報の変更データを用いることによって、修正が必要なプログラムモジュールが自動的に選択され、選択されたプログラムモジュールが自動的に修正される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平07-064479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、デバイスの製造装置等の装置に関連する実データの加工処理をコンピュータに実行させるプログラムの修正であって、該装置の変更等に起因して必要となる修正を容易にすることが可能なビジュアルプログラミングの補助方法、プログラム及びビジュアルプログラミング補助装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある局面に従うビジュアルプログラミングの補助方法において、ビジュアルプログラミングによって生成されるプログラムは、装置に関連する実データの加工処理をコンピュータに実行させるように構成されている。プログラムは、各々が所定の情報処理を実行するように構成された複数のプログラム要素を含む。実データの属性を示す項目を含むメタデータは、データベース上で管理されている。ビジュアルプログラミングの補助方法は、複数のプログラム要素に対応した複数のアイコンを画面に表示させるステップと、メタデータの内容変更が生じた場合に、複数のプログラム要素のうち上記内容変更の影響を受けるプログラム要素に対応するアイコンの表示態様を変更するステップとを含む。
【0006】
このビジュアルプログラミングの補助方法においては、装置の変更等に起因してメタデータの内容変更が生じた場合に、複数のプログラム要素のうち上記内容変更の影響を受けるプログラム要素に対応するアイコンの表示態様が変更される。したがって、ユーザは、修正すべきプログラム要素を視覚的に認識できる。その結果、このビジュアルプログラミングの補助方法によれば、修正すべきプログラム要素がユーザによって視覚的に認識されるため、装置の変更等に起因して必要となるプログラムの修正を容易にすることができる。
【0007】
上記ビジュアルプログラミングの補助方法は、メタデータの内容変更が生じた場合に、複数のプログラム要素の各々が参照するデータに基づいて、複数のプログラム要素のうち上記内容変更の影響を受けるプログラム要素を特定するステップをさらに含んでもよい。
【0008】
上記ビジュアルプログラミングの補助方法において、メタデータは、装置の属性を示す項目をさらに含んでもよい。
【0009】
上記ビジュアルプログラミングの補助方法は、アイコンの色を変更することによって上記表示態様を変更してもよい。
【0010】
このビジュアルプログラミングの補助方法においては、メタデータの内容変更が生じた場合に、複数のプログラム要素のうち上記内容変更の影響を受けるプログラム要素に対応するアイコンの色が変更される。したがって、ユーザは、修正すべきプログラム要素をアイコンの色の変化を通じて認識できる。その結果、このビジュアルプログラミングの補助方法によれば、修正すべきプログラム要素がアイコンの色の変化を通じて認識されるため、装置の変更等に起因して必要となるプログラムの修正を容易にすることができる。
【0011】
上記ビジュアルプログラミングの補助方法において、装置は、デバイスの製造装置であり、製造装置は、複数の工程を実行するように構成されていてもよい。
【0012】
本発明の他の局面に従うプログラムは、ビジュアルプログラミングを補助するための処理をコンピュータに実行させるように構成されている。プログラムは、装置に関連する実データの加工処理をコンピュータに実行させるように構成されている。プログラムは、各々が所定の情報処理を実行するように構成された複数のプログラム要素を含む。実データの属性を示す項目を含むメタデータは、データベース上で管理されている。プログラムは、複数のプログラム要素にそれぞれが対応した複数のアイコンを画面に表示させるステップと、メタデータの内容変更が生じた場合に、複数のプログラム要素のうち上記内容変更の影響を受けるプログラム要素に対応するアイコンの表示態様を変更するステップとをコンピュータに実行させるように構成されている。
【0013】
このプログラムにおいては、装置の変更等に起因してメタデータの内容変更が生じた場合に、複数のプログラム要素のうち上記内容変更の影響を受けるプログラム要素に対応するアイコンの表示態様が変更される。したがって、ユーザは、修正すべきプログラム要素を視覚的に認識できる。その結果、このプログラムによれば、修正すべきプログラム要素がユーザによって視覚的に認識されるため、装置の変更等に起因して必要となるプログラムの修正を容易にすることができる。
【0014】
本発明の他の局面に従うビジュアルプログラミング補助装置は、ビジュアルプログラミングを補助するように構成されている。ビジュアルプログラミングによって生成されるプログラムは、装置に関連する実データの加工処理をコンピュータに実行させるように構成されている。プログラムは、各々が所定の情報処理を実行するように構成された複数のプログラム要素を含む。実データの属性を示す項目を含むメタデータは、データベース上で管理されている。ビジュアルプログラミング補助装置は、表示部と、制御部とを備えている。表示部は、複数のプログラム要素にそれぞれが対応した複数のアイコンを表示するように構成されている。制御部は、メタデータの内容変更が生じた場合に、複数のプログラム要素のうち上記内容変更の影響を受けるプログラム要素に対応するアイコンの表示態様を変更するように表示部を制御するように構成されている。
【0015】
このビジュアルプログラミング補助装置においては、装置の変更等に起因してメタデータの内容変更が生じた場合に、複数のプログラム要素のうち上記内容変更の影響を受けるプログラム要素に対応するアイコンの表示態様が変更される。したがって、ユーザは、修正すべきプログラム要素を視覚的に認識できる。その結果、このビジュアルプログラミング補助装置によれば、修正すべきプログラム要素がユーザによって視覚的に認識されるため、装置の変更等に起因して必要となるプログラムの修正を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、装置に関連する実データの加工処理をコンピュータに実行させるプログラムの修正であって、該装置の変更等に起因して必要となる修正を容易にすることが可能なビジュアルプログラミングの補助方法、プログラム及びビジュアルプログラミング補助装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ETLシステムの概要を説明するための図である。
図2】システムを模式的に示す図である。
図3】製造ラインにおける電磁式リレーの各製造工程を説明するための図である。
図4】検査データの一例を示す図である。
図5】日報データの一例を示す図である。
図6】データレイクのハードウェア構成の一例を示す図である。
図7】ETLシステムのハードウェア構成の一例を示す図である。
図8】データマートのハードウェア構成の一例を示す図である。
図9】ETLプログラムの内容の表示例を示す図である。
図10】サブプログラムの一例を示す図である。
図11】サブプログラムの一例を示す図である。
図12】プログラム要素におけるタイムライングラフの生成手順のイメージを示す図である。
図13】日報データに関するメタデータセットを示す図である。
図14】検査データに関するメタデータセットを示す図である。
図15】各プログラム要素が参照するメタデータ項目を説明するための図である。
図16】メタデータの変更タイプ毎のETLプログラムへのアクションの一例を説明するための図である。
図17】プログラム要素の表示態様の変更例を説明するための図である。
図18】ETLシステムにおけるビジュアルプログラミングの補助動作の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下で説明する本実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。本実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【0019】
[1.概要]
図1は、本実施の形態に従うETL(Extract/Transform/Load)システム100の概要を説明するための図である。図1を参照して、製造ライン200は、たとえば、製品等のデバイスを製造するための装置で構成されている。データレイク300には、実データDB(database)301と、メタデータDB302とが格納されている。
【0020】
実データDB301は、たとえば、製造ライン200によって製造された製品の検査データ等を実データとして管理する。メタデータDB302は、たとえば、製造ライン200の属性を示すデータ等をメタデータとして管理する。
【0021】
ETLシステム100は、ビジュアルプログラミングによるプログラム開発環境を提供する。ETLシステム100において開発されたプログラム(以下、「ETLプログラム」とも称する。)は、データレイク300に格納されている実データの加工処理をコンピュータ(ETLシステム100)に実行させる。加工後のデータは、たとえば、データマート400(後述)に格納され、製造ライン200の動作状態の分析等に用いられる。すなわち、ETLシステム100は、いわゆるETLツールであるといえる。ETLプログラムは、複数のプログラム要素PEを含む。各プログラム要素PEは、所定の情報処理を実行する。
【0022】
ETLシステム100は、表示部140を含む。ETLシステム100においては、各プログラム要素PEがアイコンとして表示部140上に表示される。各プログラム要素PEをコネクタにより接続することによって、ETLプログラムが開発される。
【0023】
たとえば、製造する製品が変更される等の製造ライン200における変更が生じると、ETLプログラムの修正が必要になる場合がある。一般的に、このような場合に、プログラミングに関する専門知識を有さないユーザがETLプログラムにおける修正箇所を特定することは難しい。
【0024】
製造ライン200における変更が生じると、該変更に伴なってメタデータの内容が変更される。ETLシステム100においては、メタデータの内容変更が生じた場合に、複数のプログラム要素PEのうち該内容変更の影響を受けるプログラム要素PEに対応するアイコンの表示態様が変更される。たとえば、修正すべきプログラム要素PEに対応するアイコンの色が変わる。したがって、ユーザは、修正すべきプログラム要素PEを視覚的に認識できる。その結果、ETLシステム100によれば、修正すべきプログラム要素PEがユーザによって視覚的に認識されるため、製造ライン200の変更等に起因して必要となるETLプログラムの修正を容易にすることができる。以下、本実施の形態に従うETLシステム100を含むシステム10の構成について詳細に説明する。
【0025】
[2.システム構成]
図2は、システム10の一例を模式的に示す図である。図2に示されるように、システム10は、製造ライン200と、データレイク300と、ETLシステム100と、データマート400とを含んでいる。
【0026】
製造ライン200は、一例として電磁式リレーを製造するように構成されている。電磁式リレーは、たとえば、コイル、鉄片、鉄心及びヨークを含んでいる。
【0027】
図3は、製造ライン200における電磁式リレーの各製造工程を説明するための図である。図3に示されるように、製造ライン200においては、工程201-206が行なわれる。
【0028】
工程201においては、電磁式リレーの製造に必要な各部品が準備される。すなわち、工程201においては、コイル、鉄片、鉄心及びヨーク等が準備される。工程202においては、工程201で準備された各部品に必要な加工が施される。工程203においては、オーダー内容に従った部品の組立てが行なわれる。
【0029】
工程204においては、工程203で組み立てられた電磁式リレーの調整が行なわれる。工程205においては、必要に応じて、調整後の電磁式リレーに対する二次加工が行なわれる。工程206においては、完成した電磁式リレーの最終検査が行なわれる。最終検査においては、たとえば、検査装置によって電磁式リレーのPV値及びCP値が測定される。製造ライン200における主要な工程は、組立工程(工程203)及び最終検査工程(工程206)である。
【0030】
本実施の形態においては、製造ライン200による電磁式リレーの製造を通じて、実データ及びメタデータが生成される。実データは、検査データと、日報データとを含む。
【0031】
検査データは、最終検査(工程206)における検査結果に基づいて生成される。検査データは、各製品(電磁式リレー)に関する検査項目毎の計測値を含む。検査データは、製造ライン200における作業者によって生成されてもよいし、製造ライン200に含まれるコンピュータによって自動的に生成されてもよい。
【0032】
図4は、検査データの一例を示す図である。図4に示されるように、検査データは、たとえば、ID、検査時刻、CP値及びPV値を含む。
【0033】
日報データは、製造ライン200の稼働/停止等のイベントに関する情報を含む。日報データは、製造ライン200における作業者によって生成される。
【0034】
図5は、日報データの一例を示す図である。図5に示されるように、日報データは、たとえば、製造ライン200の停止期間、停止タイプ(停止の種類)及び停止の原因を含む。
【0035】
再び図3を参照して、メタデータは、検査データメタデータと、日報データメタデータとを含む。検査データメタデータは、検査データの各種属性に関する情報を含む。日報データメタデータは、日報データの各種属性に関する情報を含む。検査データメタデータ及び日報データメタデータについては、後程詳しく説明する。検査データメタデータ及び日報データメタデータの各々は、たとえば、製造ライン200における作業者によって生成されてもよいし、製造ライン200に含まれるコンピュータによって自動的に生成されてもよい。
【0036】
再び図2を参照して、データレイク300は、実データDB301と、メタデータDB302とを含んでいる。実データDB301は、製造ライン200において生成された実データを管理する。メタデータDB302は、製造ライン200において生成されたメタデータを管理する。
【0037】
ETLシステム100においては、少なくとも、ETLシステム100において開発されたETLプログラム101と、VP(Visual Programming)補助プログラム102とが実行可能である。ETLプログラム101は、データレイク300(実データDB301)に格納されている実データの加工処理を実行する。VP補助プログラム102は、製造ライン200に変更が生じた場合等、ETLプログラム101の修正が必要な場合に、ETLプログラム101の修正を容易にするための処理を実行する。VP補助プログラム102によって実行される処理については、後程詳しく説明する。
【0038】
データマート400は、分析用データセット401を含んでいる。ETLシステム100において加工されたデータは、分析用データセット401において管理される。分析用データセット401は、製造ライン200の動作状態の分析等に用いられる。
【0039】
[3.各構成要素のハードウェア構成]
(3-1.データレイクのハードウェア構成)
図6は、データレイク300のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、本実施の形態において、データレイク300は、たとえば、汎用コンピュータによって実現される。
【0040】
図6の例では、データレイク300は、制御部310と、通信I/F(interface)330と、記憶部320とを含み、各構成は、バスを介して電気的に接続されている。
【0041】
制御部310は、CPU(Central Processing Unit)311、RAM(Random Access Memory)312及びROM(Read Only Memory)313等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。
【0042】
通信I/F330は、ネットワークを介して、データレイク300の外部に設けられた外部装置(たとえば、製造ライン200及びETLシステム100(図2))と通信するように構成されている。通信I/F330は、たとえば、有線LAN(Local Area Network)モジュールや無線LANモジュールで構成される。
【0043】
記憶部320は、たとえば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部320は、たとえば、制御プログラム321と、実データDB301と、メタデータDB302とを記憶するように構成されている。
【0044】
(3-2.ETLシステムのハードウェア構成)
図7は、ETLシステム100のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、本実施の形態において、ETLシステム100は、たとえば、汎用コンピュータによって実現される。
【0045】
図7の例では、ETLシステム100は、制御部110と、通信I/F130と、記憶部120とを含み、各構成は、バスを介して電気的に接続されている。
【0046】
制御部110は、CPU111、RAM112及びROM113等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。
【0047】
通信I/F130は、ネットワークを介して、ETLシステム100の外部に設けられた外部装置(たとえば、データレイク300及びデータマート400(図2))と通信するように構成されている。通信I/F130は、たとえば、有線LANモジュールや無線LANモジュールで構成される。
【0048】
記憶部120は、たとえば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部120は、たとえば、ETLプログラム101と、VP補助プログラム102とを記憶するように構成されている。
【0049】
表示部140は、ETLプログラム101の内容等を表示するように構成されている。表示部140は、たとえば、液晶モニタや有機EL(Electro Luminescence)モニタ等のモニタで構成される。
【0050】
(3-3.データマートのハードウェア構成)
図8は、データマート400のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、本実施の形態において、データマート400は、たとえば、汎用コンピュータによって実現される。
【0051】
図8の例では、データマート400は、制御部410と、通信I/F430と、記憶部420とを含み、各構成は、バスを介して電気的に接続されている。
【0052】
制御部410は、CPU411、RAM412及びROM413等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。
【0053】
通信I/F430は、ネットワークを介して、データマート400の外部に設けられた外部装置(たとえば、ETLシステム100(図2))と通信するように構成されている。通信I/F430は、たとえば、有線LANモジュールや無線LANモジュールで構成される。
【0054】
記憶部420は、たとえば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部420は、たとえば、制御プログラム421と、分析用データセット401とを記憶するように構成されている。
【0055】
[4.ETLプログラムの一例]
図9は、ETLシステム100におけるETLプログラム101の内容の表示例を示す図である。ETLプログラム101は、日報データと検査データとを統合することによって、製造ライン200の動作状態を分析するためのタイムライングラフを生成するように構成されている。
【0056】
図9に示されるように、ETLプログラム101は、プログラム要素PE1-PE9を含んでいる。プログラム要素PE1-PE9の各々は、手続き関数等のサブプログラムを含んでいる。
【0057】
プログラム要素PE1は、データレイク300における指定フォルダ内の日報ファイルのファイル名を取得するように構成されている。日報ファイルはエクセルファイル(表データを含むファイル)であり、日報ファイルには日報データが含まれている。プログラム要素PE2は、対象の日報ファイルをデータレイク300(実データDB301)から読み込むように構成されている。プログラム要素PE3は、日報ファイルから必要なデータを抽出し、抽出されたデータの形式を所望の形式に変換するように構成されている。
【0058】
図10は、プログラム要素PE3に含まれるサブプログラムの一例を示す図である。図10に示されるように、プログラム要素PE3においては、エクセルファイルがCSVファイルに変換される。この場合に、エクセルファイルに含まれる「開始時刻」、「終了時刻」、「停止タイプ」、「原因」が、それぞれCSVファイルに含まれる「StartDate」、「EndDate」、「Cause」、「EventName」に対応付けられる。また、「開始時刻」及び「終了時刻」に関しては、処理ブロックX10において、日付表現が変換される。
【0059】
再び図9を参照して、プログラム要素PE4は、変換後の日報データ(イベントデータ)をRAM112(図7)に書き込むように構成されている。プログラム要素PE1-PE4による処理は、対象の日報ファイルのすべてについて処理が完了するまで繰り返される。
【0060】
プログラム要素PE5は、データレイク300(実データDB301)における検査データDBを読み込むように構成されている。プログラム要素PE6は、検査データDBに含まれる各種データに対してデータクレンジングを施すように構成されている。
【0061】
図11は、プログラム要素PE6に含まれるサブプログラムの一例を示す図である。図11に示されるように、プログラム要素PE6においては、検査データDBに含まれるCP値及びPV値に関してデータクレンジングが行なわれる。CP値及びPV値に関しては、たとえば、処理ブロックX11においてNULL値や異常値の除去処理等が行なわれる。
【0062】
再び図9を参照して、プログラム要素PE7は、検査データDBに含まれる各種データの変則性を検知するように構成されている。プログラム要素PE8は、RAM112に格納されているイベントデータ(変換後の日報データ)を読み込むように構成されている。プログラム要素PE9は、データクレンジング後の検査データと読み込まれたイベントデータとを統合することによってタイムライングラフ402を生成し、生成されたタイムライングラフ402を表示部140に出力させる。
【0063】
図12は、プログラム要素PE9におけるタイムライングラフ402の生成手順のイメージを示す図である。図12に示されるように、タイムライングラフ402は、日報データ303と検査データ304とを統合することによって生成される。タイムライングラフ402において、横軸は時間を示し、縦軸はCV値又はPV値を示す。タイムライングラフ402を参照することによって、各イベントと、電磁式リレーのCV値又はPV値の変化との関係を認識することができる。
【0064】
[5.各種メタデータの一例]
図13は、メタデータDB302に格納されている、日報データに関するメタデータセット500を示す図である。図13に示されるように、メタデータセット500は、メタデータ要素510-560を含んでいる。各メタデータ要素は、複数のメタデータ項目570を含んでいる。
【0065】
メタデータ要素510は、日報データの目録を示すデータ目録メタデータである。メタデータ要素520は、日報データのデータ仕様を示すデータ仕様メタデータである。メタデータ要素530は、日報データの出自を示すデータ出自メタデータである。メタデータ要素540は、日報データの品質を示すデータ品質メタデータである。メタデータ要素550は、製造ライン200における工程206で検査される対象の属性を示すメタデータである。メタデータ要素560は、製造ライン200における主要な工程の仕様を示すメタデータである。すなわち、メタデータ要素510-540は日報データの属性を示し、メタデータ要素550,560は製造ライン200の属性を示す。
【0066】
たとえば、メタデータ要素520は、日報データを含むエクセルファイル(日報ファイル)のカラム構成に関する複数のメタデータ項目570を含んでいる。たとえば、ETLプログラム101に含まれるプログラム要素PE1-PE8(図9)は、メタデータ要素520に含まれるカラム構成に関する各メタデータ項目570を参照することによって、日報ファイルの各カラムに含まれる各データを適切に処理することができる。
【0067】
図14は、メタデータDB302に格納されている、検査データに関するメタデータセット600を示す図である。図14に示されるように、メタデータセット600は、メタデータ要素610-670を含んでいる。各メタデータ要素は、複数のメタデータ項目680を含んでいる。
【0068】
メタデータ要素610は、検査データの目録を示すデータ目録メタデータである。メタデータ要素620は、検査データのデータ仕様を示すデータ仕様メタデータである。メタデータ要素630は、検査データの出自を示すデータ出自メタデータである。メタデータ要素640は、検査データの品質を示すデータ品質メタデータである。メタデータ要素650は、製造ライン200における工程206で検査される対象の属性を示すメタデータである。メタデータ要素660は、製造ライン200の工程206で用いられる検査装置の仕様を示すメタデータである。メタデータ要素670は、製造ライン200の工程206における検査パラメータの仕様を示すメタデータである。すなわち、メタデータ要素610-640は検査データの属性を示し、メタデータ要素650-670は製造ライン200の属性を示す。
【0069】
たとえば、メタデータ要素630は、検査データの出自に関する複数のメタデータ項目680を含んでいる。たとえば、メタデータ要素630は、検査データの格納場所を特定可能な情報(サーバ名、検査データが格納されたフォルダの格納場所に関する情報)を含んでいる。たとえば、ETLプログラム101に含まれるプログラム要素PE1-PE8(図9)は、メタデータ要素630に含まれるソース場所に関するメタデータ項目680を参照することによって、検査データDBにアクセスすることができる。
【0070】
[6.各プログラム要素によるメタデータの参照例]
ETLプログラム101に含まれているプログラム要素PE1-PE9の各々は、各項目の設定値をメタデータDB302から取得する手段(API(Application Programming Interface)の引数等)を有している。プログラム要素PE1-PE9の各々は、該手段を用いることによって、メタデータDB302から各項目の設定値を取得する。
【0071】
図15は、プログラム要素PE1-PE9の各々が参照するメタデータ項目を説明するための図である。図15を参照して、部分710はプログラム要素PE1の各設定項目が参照するメタデータ項目570を示し、部分720はプログラム要素PE2の各設定項目が参照するメタデータ項目570を示す。部分730はプログラム要素PE3の各設定項目が参照するメタデータ項目570示し、部分740はプログラム要素PE4の各設定項目が参照するメタデータ項目570を示す。
【0072】
部分750はプログラム要素PE5の各設定項目が参照するメタデータ項目680を示し、部分760はプログラム要素PE6の各設定項目が参照するメタデータ項目680を示す。部分765は、プログラム要素PE7の各設定項目が参照するメタデータ項目680を示す。部分770はプログラム要素PE8の各設定項目が参照するメタデータ項目680を示し、部分780はプログラム要素PE9の各設定項目が参照するメタデータ項目680を示す。
【0073】
図15に示されるように、プログラム要素PE1-PE9の各々は、メタデータ要素510-560,610-670のいずれかを参照している。たとえば、メタデータ要素510-560,610-670のいずれかの内容が変更された場合には、該変更されたメタデータ要素を参照しているプログラム要素の内容を修正する必要が生じる。このように、製造ライン200における変更等(金型の劣化・変更、仕入れ材料の変更、装置の置換え等)が生じ、該変更に伴なってメタデータの内容が変更されると、ETLプログラム101に含まれる複数のプログラム要素のうちメタデータの変更の影響を受けるプログラム要素を変更する必要が生じる。
【0074】
[7.修正すべきプログラム要素を特定するルールの一例]
上述のように、本実施の形態に従うETLシステム100においては、メタデータの内容変更が生じた場合に、ETLプログラム101に含まれる複数のプログラム要素のうち該内容変更の影響を受けるプログラム要素が自動的に特定され、特定されたプログラム要素PEに対応するアイコンの表示態様が変更される。
【0075】
図16は、メタデータの変更タイプ毎のETLプログラム101へのアクションの一例を説明するための図である。図16に示されるように、本実施の形態においては、7つのルールが設けられている。以下、ルール番号1-7について順に説明する。
【0076】
(1)ルール番号1は、メタデータセット500,600のようなメタデータセットが追加された場合のルールを規定する。これは、たとえば、新たな日報データが追加され、該日報データのメタデータセットが追加された場合である。このような場合に、制御部110(図7)は、ETLプログラム101に対して特にアクションを起こさない。
【0077】
(2)ルール番号2は、メタデータセット500,600のようなメタデータセットが削除された場合のルールを規定する。これは、たとえば、日報データが削除され、該日報データのメタデータセットも削除された場合である。このような場合に、制御部110は、削除されたメタデータセットを参照しているすべてのプログラム要素を修正対象として特定し、特定されたプログラム要素の表示部140における表示態様を変更する。
【0078】
図17は、プログラム要素の表示態様の変更例を説明するための図である。図17を参照して、この例においては、プログラム要素PE6が修正対象として特定されている。この場合に、プログラム要素PE6の表示部140における表示色が変更されている。また、プログラム要素PE6のサブプログラムを開くと、サブプログラム内においても変更が必要な可能性のある箇所の表示色が変更されている。
【0079】
(3)再び図16を参照して、ルール番号3は、いずれかのメタデータセット内においてメタデータ要素が追加された場合のルールを規定する。これは、たとえば、日報データのメタデータセット500に新たなメタデータ要素が追加された場合である。このような場合に、制御部110は、メタデータ要素が追加されたメタデータセットに含まれるいずれかのメタデータ要素を参照するプログラム要素を修正対象として特定し、特定されたプログラム要素の表示部140における表示態様を変更する。
【0080】
(4)ルール番号4は、いずれかのメタデータセット内においてメタデータ要素が削除された場合のルールを規定する。これは、たとえば、日報データのメタデータセット500においてメタデータ要素520(データ仕様メタデータ)が削除された場合である。このような場合に、制御部110は、メタデータ要素が削除されたメタデータセットに含まれるいずれかのメタデータ要素を参照するプログラム要素を修正対象として特定し、特定されたプログラム要素の表示部140における表示態様を変更する。
【0081】
(5)ルール番号5は、いずれかのメタデータセット内のいずれかのメタデータ要素において新たなメタデータ項目が追加された場合のルールを規定する。これは、たとえば、日報データのデータ仕様メタデータに新たなメタデータ項目が追加された場合である。このような場合に、制御部110は、メタデータ項目が追加されたメタデータ要素を参照するプログラム要素を修正対象として特定し、特定されたプログラム要素の表示部140における表示態様を変更する。
【0082】
(6)ルール番号6は、いずれかのメタデータセット内のいずれかのメタデータ要素においてメタデータ項目が削除された場合のルールを規定する。これは、たとえば、日報データのデータ仕様メタデータに含まれるいずれかのメタデータ項目が削除された場合である。このような場合に、制御部110は、削除されたメタデータ項目を参照するプログラム要素を修正対象として特定し、特定されたプログラム要素の表示部140における表示態様を変更する。
【0083】
(7)ルール番号7は、いずれかのメタデータセット内のいずれかのメタデータ要素においてメタデータ項目の値が変更された場合のルールを規定する。これは、たとえば、日報データのデータ仕様メタデータに含まれるいずれかのメタデータ項目の値が変化した場合である。このような場合に、制御部110は、値が変更されたメタデータ項目を参照するプログラム要素の設定値を自動的に変更する。
【0084】
[8.ビジュアルプログラミングの補助動作]
図18は、ETLシステム100におけるビジュアルプログラミングの補助動作の手順を示すフローチャートである。図18に示される処理は、製造ライン200における変更、たとえば、金型の劣化・変更、仕入れ材料の変更、装置の置換え等が生じ、該変更に伴なってメタデータの内容が変更された後に、ETLシステム100のユーザの指示に従って又は自動的に制御部110がVP補助プログラム102を実行することによって行なわれる。
【0085】
図18を参照して、制御部110は、メタデータの変更タイプ(図16)を特定する(ステップS100)。たとえば、メタデータDB302にメタデータの変更履歴が記憶されており、制御部110は、該変更履歴を参照することによって、メタデータの変更のタイプを特定してもよい。また、ETLシステム100のユーザが変更のタイプを入力し、制御部110は、該入力内容を参照することによって、メタデータの変更のタイプを特定してもよい。
【0086】
制御部110は、図16に示されるルール、及び、ステップS100において特定されたメタデータの変更タイプに基づいて、プログラム要素に対して修正の影響を与えるメタデータの範囲を特定する(ステップS110)。制御部110は、ステップS110において特定された範囲に含まれるメタデータを参照しているプログラム要素を特定する(ステップS120)。たとえば、制御部110は、ETLプログラム101を調べることによって、ステップS110において特定された範囲に含まれるメタデータを参照しているプログラム要素を特定する。
【0087】
制御部110は、ステップS120において特定されたプログラム要素に対して、図16に示されるルールに従った処理を実行する(ステップS130)。たとえば、制御部110は、プログラム要素PE6が修正対象であると特定された場合に、プログラム要素PE6に対応するアイコンの表示色を変更するように表示部140を制御する(図17)。
【0088】
[9.特徴]
以上のように、本実施の形態に従うETLシステム100においては、メタデータの内容変更が生じた場合に、ETLプログラム101に含まれる複数のプログラム要素のうち該内容変更の影響を受けるプログラム要素に対応するアイコンの表示態様が変更される。たとえば、修正すべきプログラム要素に対応するアイコンの色が変わる。したがって、ユーザは、修正すべきプログラム要素を視覚的に認識できる。その結果、ETLシステム100によれば、修正すべきプログラム要素がユーザによって視覚的に認識されるため、製造ライン200の変更等に起因して必要となるETLプログラム101の修正を容易にすることができる。
【0089】
[10.変形例]
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。但し、以下の変形例は適宜組合せ可能である。
【0090】
<10-1>
上記実施の形態においては、製造ライン200によって電磁式リレーが製造された。しかしながら、製造ライン200によって製造される製品は電磁式リレーに限定されない。
【0091】
<10-2>
上記実施の形態において、実データは、日報データ及び検査データであった。しかしながら、実データは、これらに限定されない。実データは、たとえば、製造ライン200に含まれる装置の電気的な値等であってもよい。
【0092】
<10-3>
上記実施の形態において、制御部110は、図18のステップS120の処理を実行する場合に、ETLプログラム101内を調べることによって、ステップS110において特定された範囲に含まれるメタデータ(以下、「対象メタデータ」とも称する。)を参照しているプログラム要素を特定した。しかしながら、対象メタデータを参照しているプログラム要素の特定方法はこれに限定されない。たとえば、図15に示されるようなデータが記憶部120等に記憶されており、制御部110がこのようなデータを参照することによって、対象メタデータを参照しているプログラム要素が特定されてもよい。
【0093】
<10-4>
上記実施の形態においては、表示部140に表示されるアイコンの色を変更することによって、プログラム要素に対応するアイコンの表示態様が変更された。しかしながら、アイコンの表示態様の変更は、アイコンの色の変更に限定されない。たとえば、アイコンの横に星マーク等の別のマークを並べて表示することによって、アイコンの表示態様が変更されてもよい。
【0094】
<10-5>
また、上記実施の形態において、修正対象のプログラム要素が修正された後に、該プログラム要素に対応するアイコンの表示態様が元に戻ってもよい。これにより、ETLシステム100のユーザは、修正対象のプログラム要素の修正が完了したことを視覚的に認識することができる。
【符号の説明】
【0095】
10 システム、100 ETLシステム、101 ETLプログラム、102 VP補助プログラム、110,310,410 制御部、111,311,411 CPU、112,312,412 RAM、113,313,413 ROM、120,320,420 記憶部、130,330,430 通信I/F、140 表示部、200 製造ライン、201,202,203,204,205,206 工程、300 データレイク、301 実データDB、302 メタデータDB、303 日報データ、304 検査データ、321,421 制御プログラム、400 データマート、401 分析用データセット、402 タイムライングラフ、500,600 メタデータセット、510,520,530,540,550,560,610,620,630,640,650,660,670 メタデータ要素、570,680 メタデータ項目、710,720,730,740,750,760,765,770,780 部分、PE1,PE2,PE3,PE4,PE5,PE6,PE7,PE8,PE9 プログラム要素、X10,X11 処理ブロック。
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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