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特許7456218管理装置、管理システム、管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム、管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240319BHJP
   G06F 11/36 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06F11/36 188
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020048839
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021149510
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】君塚 政彦
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/114601(WO,A1)
【文献】容量市場システムのテストに参加する事業者の募集について,[online],電力広域的運営推進機関,2020年02月13日,https://www.occto.or.jp/market-board/market/oshirase/2019/200203_youryousys_test_bosyu.html,[検索日 2023.12.05]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソースアグリゲーションサービスの申込者のエネルギーリソースのリソース応動時間、及びリソース継続時間を含むリソース情報を取得する取得部と、
前記リソース情報に基づいて、前記エネルギーリソースの接続テストを指令する指令部と、
前記接続テストにおいて、前記エネルギーリソースから供給された電力を収集する収集部と、
前記収集部の収集結果に応じて、前記リソース応動時間、及び前記リソース継続時間を満たすか否かを判定する判定部と、を備えた管理装置。
【請求項2】
前記判定部での判定結果に応じて、申し込みの可否を前記申込者に通知する請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記判定部での判定結果に基づいて、前記申込者に前記リソース応動時間及びリソース継続時間の要求値を満たすRAサービスを提示する請求項1、又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の管理装置と、
前記申込者から入力された前記リソース情報を前記管理装置に送信する端末と、
前記接続テストの指令に基づいて、電力を供給するエネルギーリソースと、を備えた管理システム。
【請求項5】
コンピュータが、
リソースアグリゲーションサービスの申込者のエネルギーリソースのリソース応動時間、及びリソース継続時間を含むリソース情報を取得するステップと、
前記リソース情報に基づいて、前記エネルギーリソースの接続テストを指令するステップと、
前記接続テストにおいて、前記エネルギーリソースから供給された電力を収集するステップと、
前記電力の収集結果に応じて、前記リソース応動時間、及び前記リソース継続時間を満たすか否かを判定するステップと、を備えた管理方法。
【請求項6】
管理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記管理方法は、
リソースアグリゲーションサービスの申込者のエネルギーリソースのリソース応動時間、及びリソース継続時間を含むリソース情報を取得するステップと、
前記リソース情報に基づいて、前記エネルギーリソースの接続テストを指令するステップと、
前記接続テストにおいて、前記エネルギーリソースから供給された電力を収集するステップと、
前記電力の収集結果に応じて、前記リソース応動時間、及び前記リソース継続時間を満たすか否かを判定するステップと、を備えたプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はリソースアグリゲーション(Resource Aggregation:RA)サービスの申込を管理する管理装置、管理システム、管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、受給装置管理サーバと、送配電サーバと、需要家の機器と、を備えた電力管理システムが開示されている。特許文献1では、送配電サーバが、機器による受電又は給電の開始の申請をアンシラリー情報に基づいて承認又は却下している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-16199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RAサービスの利用申し込みをより効率的に管理したいという要望がある。
【0005】
本開示の目的は、RAサービスの利用申し込みをより効率的に管理することができる管理装置、管理システム、管理方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態にかかる管理装置は、エネルギーリソースリソースアグリゲーションのサービス申込者のエネルギーリソースのリソース応動時間、及びリソース継続時間を含むリソース情報を取得する取得部と、前記リソース情報に基づいて、前記エネルギーリソースの接続テストを指令する指令部と、前記接続テストにおいて、前記エネルギーリソースから供給された電力を収集する収集部と、前記収集部の収集結果に応じて、前記リソース応動時間、及び前記リソース継続時間を満たすか否かを判定する判定部と、を備えている。
【0007】
本実施形態にかかる管理方法は、リソースアグリゲーションサービスの申込者のエネルギーリソースのリソース応動時間、及びリソース継続時間を含むリソース情報を取得するステップと、前記リソース情報に基づいて、前記エネルギーリソースの接続テストを指令するステップと、前記接続テストにおいて、前記エネルギーリソースから供給された電力を収集するステップと、前記収集部の収集結果に応じて、前記リソース応動時間、及び前記リソース継続時間を満たすか否かを判定するステップと、を備えている。
【0008】
本実施形態にかかるプログラムは、管理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記管理方法は、リソースアグリゲーションサービスの申込者のエネルギーリソースのリソース応動時間、及びリソース継続時間を含むリソース情報を取得するステップと、前記リソース情報に基づいて、前記エネルギーリソースの接続テストを指令するステップと、前記接続テストにおいて、前記エネルギーリソースから供給された電力を収集するステップと、前記収集部の収集結果に応じて、前記リソース応動時間、及び前記リソース継続時間を満たすか否かを判定するステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、RAサービスの利用申し込みをより効率的に管理することができる管理装置、管理システム、管理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1にかかるシステム全体の構成を模式的に示す図である。
図2】実施の形態1にかかる管理システムでのフローを示す図である。
図3】実施の形態1にかかる管理システムでのフローを示す図である。
図4】実施の形態1にかかる管理方法の処理を示すフローチャートである。
図5】実施の形態2にかかる管理方法の処理を示すフローチャートである。
図6】管理装置の構成を示すブロックである。
図7】管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、エネルギーリソースアグリゲーションビジネスの概要について説明する。エネルギーリソースアグリゲーションビジネスとして、例えば、容量市場や需給調整市場などの導入が進められている。容量市場では、例えば、オークション形式で将来の供給力(kW)が取引される。需給調整市場では、周波数制御及び需給バランス調整に対する調整力が取引される。
【0012】
小売電気事業者や一般送配電事業者等がデマンドレスポンス(Demand Response : DR)を行うと、需要家が節電又は電力供給を行う。需要家は、蓄電池、電気自動車(EV)、太陽光発電パネル、発電設備などのエネルギーリソース(エネルギー機器ともいう)を有している。
【0013】
このようなリソースアグリゲーションビジネスでは、リソースアグリゲータが、アグリゲーションコーディネータ(AC)にアグリゲーションサービスの申込を行う場合がある。ここで、リソースアグリゲータは、1又は複数のエネルギーリソースを制御する事業者である。アグリゲーションコーディネータは、リソースアグリゲータが制御した電力量を束ねて、一般送配電事業者又は小売電気事業者と直接取引を行う事業者である。
【0014】
具体的には、リソースアグリゲータが分散する複数のエネルギーリソースを統括的に制御することで、バーチャルパワープラント(VPP)が構築される。例えば、リソースアグリゲータは、需要家とVPPサービス契約を締結して、リソース制御を行っている。それぞれのエネルギーリソースはリソース管理者によって管理されている。ここでは、需給調整市場において、小売電気事業者等が調整力としての電力の提供を受ける場合について説明する。
【0015】
アグリゲーションコーディネータは、小売電気事業者等からのデマンドレスポンスに応札する。アグリゲーションコーディネータはデマンドレスポンスを落札すると、リソースアグリゲータに電力供給を指令する。リソースアグリゲータは、各需要家から電力を調達する。リソースアグリゲータは各需要家から調達した電力を小売電気事業者等に提供する。このようにすることで、小売電気事業者等はデマンドレスポンスに応じた電力(調整力)の提供を受けることができる。
【0016】
さらに、小売電気事業者等はアグリゲーションコーディネータを介して、デマンドレスポンスの落札金額に応じた対価をリソースアグリゲータに支払う。そして、リソースアグリゲータは供給電力量等に応じた対価を需要家に支払う。アグリゲーションコーディネータとリソースアグリゲータと同一の事業者となる場合がある。また、リソースアグリゲータと需要家(エネルギー管理者)は、同一の事業者となる場合がある。
【0017】
上記のように、アグリゲーションコーディネータ(AC)にアグリゲーションサービスの申込を行う場合がある。本実施の形態では、このようなサービスの申込を管理する管理装置を提供することができる。本実施の形態の管理装置によれば、サービスの申込を適切かつ簡便に管理することができる。
【0018】
実施の形態1.
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は、管理システム100の構成を示す模式図である。管理システム100は、受付サーバ11、DB(データベース)12、テストサーバ13、リソースアグリゲーションサーバ(RAサーバ)20、端末31、エネルギーリソース41、及び測定器42を備えている。管理システム100はアグリゲーションサービスの申込を管理している。
【0019】
申込者30は、例えば、リソースアグリゲータであり、1又は複数のエネルギーリソース41を保有している。申込者30は、リソースコーディネータに対して、リソースアグリゲーションサービス(RAサービス)の利用を申し込む。申込者30は、端末31を操作することで、サービスの利用に必要な利用情報を入力する。利用情報は、申込者に関する申込者情報やエネルギーリソース41に関するリソース情報を含んでいる。
【0020】
・申込関連手続きに関する秘密保持契約と申込情報の取扱規定の同意
・RAサービスのサービスレベルの同意(SLA)
・RAサービス利用規約の同意
・利用開始希望日
・利用者情報(氏名、所属、企業コード、住所、連絡先(電話番号、メールアドレス)
なお、利用者が複数名の場合は全員分の情報を登録する。
・取引先情報(AC、対応希望の市場情報など)
【0021】
また、申込者は、リソース情報として、エネルギーリソース41に関する以下の情報を入力する。
・エネルギーリソース管理者情報
・リソース種別(蓄電池、発電機、xEMSなど)
・リソース設置場所(住所)
・供給地点番号
・需要家と契約しているPPS(Power Producer and Supplier)の事業者コード
・基準値計測地点(受電点、個別など)
・逆潮流可否
・定格電力[kW]
・定格容量[kWh]
・リソース応動時間(単に、応動時間ともいう)
・リソース継続時間(単に、継続時間ともいう)
・通信方法(インターネット、シリアル、直接通信は不可など)
【0022】
上記のリソース情報は、エネルギーリソース41毎に登録される。つまり、複数のエネルギーリソース41を有する場合、申込者30は、それぞれのエネルギーリソース41に対して上記の情報を入力する。なお、リソース応動時間は、エネルギーリソース41が、電力供給の指令を受けてから、指令通りの出力まで変化するのに要する時間である。リソース継続時間は、供給可能量の範囲で指令値を継続して出力し続けることが可能な時間である。例えば、三次調整力の市場では、応動時間が45分以内又は15分以内であり、継続時間は3時間以上である。
【0023】
端末31は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどである。端末31は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力機器を有しており、申込者30の入力操作を受け付ける。端末31は、有線又は無線の通信機能を有しており、ネットワーク50に接続している。端末31は、ネットワーク50を介して、利用情報を受付サーバ11に送信する。ネットワーク50は例えば、インターネットなどである。
【0024】
受付サーバ11は、申込者30からの申込を受付け、その後の通知や申込者30からの登録などのやり取りなどを実施する機器である。受付サーバ11は、プロセッサやメモリなどを有するコンピュータ装置である。受付サーバ11は、メモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することで、後述する管理方法を実現する。受付管理者10は、受付サーバ11を操作して、申込者30への対応を管理する。
【0025】
例えば、申込者30が端末31を操作して、受付サーバ11にアクセスすると、受付サーバ11は、端末31に利用情報を入力させる入力フォームを表示させる。申込者30は、タッチパネルやキーボードを操作することで、利用情報に含まれる各項目を入力する。申込者30は、入力フォームに沿って利用情報の入力を完了すると、送信ボタンをクリックする。これにより、端末31が利用情報を受付サーバ11に送信する。このようにして、受付サーバ11が、利用申込を受け付ける。利用情報は、上記の通り、リソース応動時間及びリソース継続時間などのリソース情報を含んでいる。
【0026】
DB12は、利用情報が格納されているデータベースである。つまり、申込者毎に各種情報を対応付けて記憶している。DB12は、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置を有している。受付サーバ11、端末31からの利用情報をDB12に書き込む。DB12は、受付サーバ11と異なる装置となっているが、DB12と受付サーバ11と物理的に単一の装置であってもよい。
【0027】
テストサーバ13は、RAサービスとエネルギーリソース41との接続可否をテストするための機器である。テストサーバ13は、受付サーバ11からの指令に基づいて、エネルギーリソース41に対する接続テストを実施する。テストサーバ13は、クラウドサーバであってもよい。
【0028】
RAサーバ20は、エネルギーリソース41を制御するサーバである。RAサーバ20は、エネルギーリソース41を使って、デマンドレスポンスを実現する。例えば、利用申込が完了すると、RAサーバ20がエネルギーリソース41を遠隔制御可能となる。これにより、申込者30がRAサービスを利用可能となり、エネルギーリソース41からの電力供給が可能となる。つまり、RAサービスは、エネルギーリソース41を使って、デマンドレスポンスを実現することができる。これにより、申込者30が供給電力に応じた対価を受け取ることができる。RAサーバ20は、クラウドサーバであってもよい。
【0029】
エネルギーリソース管理者40は、エネルギーリソース41を管理する管理者又は上位管理者である。一人のエネルギーリソース管理者が1つ又は複数のエネルギーリソース41を管理している。エネルギーリソース41は上記の通り、蓄電池、電気自動車(EV)、太陽光発電パネル、発電設備などである。もちろん、エネルギーリソース管理者40は異なるタイプのエネルギーリソース41を管理していてもよい。
【0030】
測定器42は、エネルギーリソース41からの供給電力をモニタするセンサを有している。例えば、測定器42は、スマートメータや電力計などである。測定器42は、エネルギーリソース41が供給する電力を測定する。測定器42は、ネットワーク50を介して、測定値を受付サーバ11、テストサーバ13又はRAサーバ20に送信する。つまり、つまり、測定器42は、エネルギーリソース41の供給電力を測定する測定機能と、測定結果を送信する送信機能とを有している。測定器42は電力値を定期的に測定して、テストサーバ13等に送信する。なお、図1では、測定器42とエネルギーリソース41とが別々に示されているが、測定器42は、エネルギーリソース41内に設置されていてもよい。
【0031】
図2図3は、管理システム100の動作全体フローを示す図である。まず、申込者30が利用申込を行う(S1)。具体的には、申込者30が端末31を用いて、利用情報を入力する。受付サーバ11が利用情報を受信すると、DB12に利用情報を登録する(S2)。さらに、受付サーバ11は、受付管理者10に申込を受けたことを通知する(S3)。
【0032】
受付管理者10は申込内容を確認する(S4)。受付管理者10は、登録された利用情報を確認し、RAサービスの利用可否を判断する。例えば、エネルギーリソース管理者40の住所が、小売電力事業者の管轄外である場合等、エネルギーリソース41が電力を供給することができない。このため、受付管理者10は、利用不可であると判断する。このように、受付管理者10は、利用情報がRAサービスの利用条件を満たすか否かを確認する。なお、受付管理者10が利用可否の判断を行っているとしたが、判断の一部又は全てを受付サーバ11が自動で行ってもよい。
【0033】
受付管理者10は、受付サーバ11にRAサービスの利用可否を登録する(S5)。受付サーバ11は申込者30に対して、RAサービスの申込結果を回答する(S6)。例えば、受付サーバ11は電子メールなどで申込者30に利用可否を通知する。申込者30は端末31で電子メールを受信することで、利用可否を確認することができる。あるいは、申込者30が所定のウェブページにアクセスして、ログインすることで利用可否を確認してもよい。さらに、RAサービスを利用可能な場合、受付サーバ11は接続テストを申込者30に依頼する。
【0034】
受付サーバ11は、端末31に接続テストに必要なテスト情報などを送信する。受付サーバ11は、申込者30の端末31に対して、例えば、以下の情報を送信する。
・RAサービスの利用料金情報(初期費用(手数料)、月額利用料)
・RAサービスへ接続するための通信仕様
・テストサーバ13へのアクセス情報
・通信に使用するクライアント証明書
・接続テスト実施方法、実施内容(以下、まとめて、テスト情報ともいう)
【0035】
接続テスト情報は、テスト日時、電力、電力量などの情報を含んでいてもよい。申込者30とエネルギーリソース管理者40とが異なる場合、受付サーバ11は接続テストの実施依頼をエネルギーリソース管理者40に送信する(S7)。受付サーバ11は、接続テストに関するテスト情報等をエネルギーリソース管理者40に送信する。受付サーバ11は、電子メールなどによりテスト情報を送信することができる。なお、申込者30とエネルギーリソース管理者40とが同じ場合は、ステップS7は省略可能である。
【0036】
エネルギーリソース管理者40は、エネルギーリソース41の接続テストを実施する(S8)。エネルギーリソース管理者40が任意のタイミングでテストサーバ13にアクセスし、接続テストを実施する。テスト情報に沿って、エネルギーリソース41が電力を供給するように、エネルギーリソース管理者40がエネルギーリソース41を管理する。ステップS6の申込結果の通知から一定期間経過しても接続テストが開始されない場合は、受付サーバ11から申込者に対して、申込取り消しの連絡を行ってもよい。申込取り消しの場合、申込時に同意した秘密保持契約と申込情報の取扱規定に則り、申込者に秘密情報の破棄依頼を通知する。これにより、RAサーバ20上の秘密情報が破棄される。
【0037】
接続テストでは、ステップS2で登録されたエネルギーリソース41と、テストサーバ13が通信可能なことが確認される。また、エネルギーリソースが蓄電池等の場合、例えば、以下の内容が確認される。
(1)エネルギーリソース41からRAサーバ20に対して、出力(kW)などのデータを定期的に送信(レポート)できること
(2)RAサーバ20からエネルギーリソース41に対して充電、放電などの制御指示(指令)を出し、レポートで確認できること
(3)充電、放電などの制御指示(指令)に対して、応動速度、継続時間が申込内容を満たすこと
【0038】
テストサーバ13は、接続テストの結果をDB12に登録する(S9)。テストサーバ13は、接続テストの結果を受付管理者10に通知する(S10)。例えば、テストサーバ13は、応動時間、継続時間が、申込内容を満たしたが否かのテスト結果を受付サーバ11に通知する。応動時間、継続時間などの申込内容は、S2でDB12に登録された登録値から定められている。つまり、S1で申込者30が入力した応動時間及び継続値が、登録値となる。テストサーバ13が、測定器42での測定結果を収集する。そして、テストサーバ13が収集結果と登録値を比較することで、テスト結果の良否判定を行うことができる。そして、テストサーバ13は、電子メールなどにより、テスト結果を受付サーバ11に送信する。これにより、受付管理者10がテスト結果を確認することができる。
【0039】
次に、テストサーバ13は、接続テストの結果をエネルギーリソース管理者40に通知する(S11)。同様に、テストサーバ13は、接続テストの結果を申込者30に通知する(S12)。例えば、テストサーバ13は、電子メールなどにより、エネルギーリソース管理者40及び申込者30にテスト結果を送信する。なお、エネルギーリソース管理者40と申込者30とが同一である場合、ステップS11又はステップS12を省略することが可能である。また、テストサーバ13ではなく、受付サーバ11が接続テスト結果を通知してもよい。
【0040】
接続テスト結果が良好の場合、受付管理者10は、DB12に申込者の情報をRAサービス利用者情報として登録する(S13)。応動時間及び継続時間が、DB12に登録された登録値を満たしている場合、テスト結果が良好となる。この場合、受付管理者10が受付サーバ11を通じて申込者30を利用者としてDB12に登録する。一方、応動時間及び継続時間の少なくとも一方が、S2で登録された利用情報を満たしていない場合、テスト結果が不良となる。この場合、受付管理者10が利用者登録を行わない。
【0041】
もちろん、テストサーバ13が、応動時間及び継続時間以外のリソース情報を用いて、テスト結果の良否判定を行ってもよい。テストサーバ13が、例えば、定格出力や定格容量等を用いて、テスト結果の良否判定を行うことができる。
【0042】
受付管理者10は、受付サーバ11を通じて、申込者30に対してRAサーバ20のRAサービス利用情報を通知する(S14)。接続テスト結果が良好であった場合、受付サーバ11は、RAサーバ20を利用可能であることを申込者30に通知する。受付サーバ11は、通知とともに、RAサービス利用情報の登録を申込者30に依頼する。RAサービス利用情報としては、利用料金請求先、及び利用開始予定日等がある。受付サーバ11は、S1で入力された利用情報の更新があるか否かを確認して、更新がある場合、申込者30に利用情報の更新を依頼する。接続テスト結果が不良であった場合、受付サーバ11は、RAサーバ20を利用可能でないことを申込者30に通知する。
【0043】
申込者30は、受付サーバ11に対して、利用登録を行う(S15)。つまり、申込者30は端末31を用いて、利用料金請求先、利用開始予定日などを入力して、受付サーバ11に送信する。また、S1で入力された利用情報に更新がある場合、申込者30は、利用情報を更新する。
【0044】
登録が完了すると、受付サーバ11から申込者30に以下のRAサービス利用情報が通知される。
RAサービスへのアクセス情報
通信に使用するクライアント証明書
利用開始日
【0045】
また、申込者30とエネルギーリソース管理者40が異なる場合、申込者30がエネルギーリソース管理者40にRAサービス利用情報を通知する(S16)。あるいは、受付サーバ11がRAサービス利用情報をエネルギーリソース管理者40に連絡してもよい。エネルギーリソース管理者40のエネルギーリソース41がRAサーバ20にアクセスし、サービスの利用を開始する(S17)。
【0046】
本実施の形態により、RAサービスを利用したい申込者30が申し込みを行う際、申込から利用開始までの作業フローを定型化することができる。RAサービス関係者による人手作業を最小化し、自動化することにより、サービス開始までにかかる負荷とリードタイムを最小化することができる。よって、RAサービスの申し込みを効率的に管理することができる。
【0047】
本実施の形態にかかるRAサービスの申込の管理方法について、図4を用いて説明する。図4は、管理システム100におけるサービス申し込みの管理方法を示すフローチャートである。以下の説明では、受付サーバ11が、管理方法を実施する例について説明するが、受付サーバ11とテストサーバ13とが協働して管理方法を実施してもよい。つまり、一部の処理はテストサーバ13で実施されてもよい。また、受付サーバ11とテストサーバ13とを一体的な装置としてもよい。
【0048】
まず、受付サーバ11が申込者30から送信された利用情報を取得する(S101)。つまり、S1、S2のように、受付サーバ11は利用情報をDB12に登録する。ここでは、利用情報は、応動時間及び継続時間等のリソース情報を含んでいる。DB12に登録された応動時間及び継続時間を登録値とする。
【0049】
受付サーバ11が申込者30又はエネルギーリソース管理者40に対して接続テストを依頼する(S102)。S6、S7のように接続テスト依頼が申込者30又はエネルギーリソース管理者40に送信される。エネルギーリソース41がテストサーバ13又はRAサーバ20にアクセスして、接続テストが実施される。つまり、エネルギーリソース41は、リソース情報に基づいて、接続テストを実施する。これにより、エネルギーリソース41が電力を供給する。
【0050】
受付サーバ11は、テストサーバ13からテスト結果を取得する(S103)。S8のように、測定器42は、エネルギーリソース41が供給した電力を随時測定している。テストサーバ13は、測定器42が測定した電力値を収集する。そして、テストサーバ13は、収集結果を受付サーバ11に送信する。あるいは、テストサーバ13は、収取された電力値から、応動時間及び継続時間を算出して、受付サーバ11に送信する。
【0051】
そして、受付サーバ11は、接続テスト時の応動時間及び継続時間が登録値を満たすか否かを判定する(S104)。つまり、受付サーバ11は、測定された応動時間が登録値以下であるか、及び測定された継続時間が登録値以上であるか否かを判定する。
【0052】
判定結果が良好の場合(S104のOK)、受付管理者10が受付サーバ11を通じて利用者情報の登録を行う(S105)。S13のように、申込者30がサービスを利用可能であることを、受付管理者10がDB12に登録する。そして、受付管理者10が受付サーバ11を通じて申込者30に対して、テスト結果を通知する(S106)。つまり、受付サーバ11が、ステップS104での判定結果を申込者30に通知する。ここでは、受付サーバ11がS14のように、テスト結果が良好であり、サービスの利用が可能であることを申込者30に通知する。これにより、S14のように受付サーバ11がRAサービスの利用開始に必要な情報を端末31に送信することができる。
【0053】
判定結果が不良の場合(S104のNG)、受付管理者10が受付サーバ11を通じてテスト結果を通知する(S106)。つまり、受付サーバ11が、ステップS104での判定結果を申込者30に通知する。ここでは、受付サーバ11がS14のように、テスト結果が不良であったことを申込者30に通知する。ここでは、テスト結果が不良であったため、受付サーバ11が申込の取り消しを申込者30に通知する。
【0054】
このように、受付サーバ11がサービスの申し込みを管理する管理装置となっている。受付サーバ11は、応動時間及び継続時間に基づいて、サービスの利用可否を判定している。つまり、応動時間及び継続時間が登録値を満たすか否かに応じてサービスの利用可否を判定している。よって、RAサービスの申し込みを効率的に管理することができる。
【0055】
具体的には、申込者30が、応動時間及び継続時間を含むリソース情報を受付サーバ11に送信している。受付サーバ11は、受信した応動時間及び継続時間をDB12に登録している。テストサーバ13が、接続テストでの応動時間及び継続時間の実測値が登録値を満たすか否かを判定している。
【0056】
このようにすることで、サービスの利用可否を適切に判定することができるため、サービスの申し込みの管理を自動化することができる。適切かつ簡便にサービスの申し込みを管理することができる。
【0057】
実施の形態2.
実施の形態2では、図4のフローチャートにおいて、判定結果が不良の場合の処理が異なっている。具体的には、ステップS104とステップS106との間に、ステップS107が追加されている。ステップS107以外の処理については、実施の形態1と同様であるため、適宜説明を省略する。
【0058】
判定結果が不良の場合(S104のOK)、受付サーバ11が、利用可能なRAサービスを提示する(S107)。例えば、受付サーバ11には、予め複数のサービス事業者が登録されている。サービス事業者に応じて、要求される応動時間及び継続時間の仕様値が異なる場合がある。そこで、受付サーバ11には、サービス事業者毎にその仕様値が対応付けられている。
【0059】
応動時間及び継続時間の実測値が仕様値を満たさない場合、受付サーバ11は仕様値を満たすことが可能なRAサービスを提示する。つまり、受付サーバ11は仕様値に対する要求が厳しくないサービス事業者を選択する。受付サーバ11が利用可能なサービス事業者を提示して、別のRAサービスへの申し込みを提案する。例えば、受付サーバ11は別のRAサービスのアグリゲーションコーディネータを申込者30に提示する。申込者30は、あるRAサービスの利用が拒否された場合でも別のRAサービスに申し込むことができる。もちろん、測定値が仕様値を満たすサービス事業者が複数ある場合、受付サーバ11は複数のサービス事業者を提示してもよい。
【0060】
受付サーバ11は、判定部での判定結果に基づいて、申込者30にリソース応動時間及びリソース継続時間の要求値を満たすRAサービスを提示する。これにより、より効率的に申し込みを管理することができ、利便性を向上することができる。
【0061】
その他の実施の形態
その他の実施の形態について、図6を用いて説明する。図6は、管理装置の構成を示すブロック図である。管理システム600は、管理装置610を備えている。管理装置610は、取得部611と、指令部612と、収集部613と、判定部614と、を備えている。
【0062】
取得部611は、リソースアグリゲーションサービスの申込者のエネルギーリソースのリソース応動時間、及びリソース継続時間を含むリソース情報を取得する。指令部612はリソース情報に基づいて、前記リソースの接続テストを指令する。収集部613は、接続テストにおいてエネルギーリソースから供給された電力を収集する。判定部614は、収集部613での収集結果に基づいて、リソース応動時間、及び前記リソース継続時間を満たすか否かを判定する。
【0063】
管理システム600は、上記の管理装置610に加えて、端末31と、エネルギーリソース641とを備えていてもよい。端末631は、申込者から入力されたリソース情報を管理装置610に送信する。エネルギーリソース641は、接続テストにおいて電力を供給する。
【0064】
図7は、管理装置700のハードウェア構成例を示すブロック図である。図7を参照すると、管理装置700等は、ネットワークインタフェース701、プロセッサ702、及びメモリ703を含む。ネットワークインタフェース701は、申込者30の端末31、エネルギーリソース41、又は測定器42と通信するために使用される。ネットワークインタフェース701は、無線通信又は有線通信により、データを送受信することができる。
【0065】
プロセッサ702は、メモリ703からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明された処理を行う。プロセッサ702は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ702は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0066】
メモリ703は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ703は、プロセッサ702から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ702は、図示されていないI/O(Input/Output)インタフェースを介してメモリ703にアクセスしてもよい。
【0067】
図7の例では、メモリ703は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ702は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ703から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された管理装置等の処理を行うことができる。
【0068】
図7を用いて説明したように、上述の実施形態における管理装置等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0069】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0070】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 受付管理者
11 受付サーバ
12 DB
13 テストサーバ
20 RAサーバ
30 申込者
31 端末
40 エネルギーリソース管理者
41 エネルギーリソース
42 測定器
50 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7