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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/798 20140101AFI20240319BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240319BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A63F13/798
A63F13/69
A63F9/00 513
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020089418
(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公開番号】P2021183045
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】大塚 公二
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-065733(JP,A)
【文献】特開2020-065850(JP,A)
【文献】特開2018-138198(JP,A)
【文献】特開2019-058536(JP,A)
【文献】特開2010-088830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイの対価として第一所定量の遊戯媒体の消費をプレイヤに要求し、前記プレイの結果に応じた報酬として第二所定量の前記遊戯媒体を前記プレイヤに付与するゲームの情報処理装置であって、
前記ゲームの複数のプレイ結果が良好であるほどプレイヤのランクを上位に変更する変更手段と、
前記プレイヤのランクが下位であるほど有利になるように、前記プレイヤのランクに基づいて異なる前記第一所定量及び/又は前記第二所定量を決定する決定手段と、
を備え、
前記決定手段は、前記第一所定量と前記第二所定量の差分の量が、前記ランクが上位であるほど多く、かつ前記ランクが下位であるほど少なくなるように前記第一所定量及び前記第二所定量を決定する、
報処理装置。
【請求項2】
プレイの対価として第一所定量の遊戯媒体の消費をプレイヤに要求し、前記プレイの結果に応じた報酬として第二所定量の前記遊戯媒体を前記プレイヤに付与するゲームの情報処理装置であって、
前記ゲームの複数のプレイ結果が良好であるほどプレイヤのランクを上位に変更する変更手段と、
前記プレイヤのランクが下位であるほど有利になるように、前記プレイヤのランクに基づいて異なる前記第一所定量及び/又は前記第二所定量を決定する決定手段と、
を備え、
前記ゲームは、複数のプレイヤが同時にプレイ可能に構成され、
前記決定手段は、前記複数のプレイヤに対応する複数のランクのうち少なくとも一つのランクが異なる場合、同一のプレイ結果にかかわらず異なる前記第一所定量及び/又は前記第二所定量を決定する、
報処理装置。
【請求項3】
プレイの対価として第一所定量の遊戯媒体の消費をプレイヤに要求し、前記プレイの結果に応じた報酬として第二所定量の前記遊戯媒体を前記プレイヤに付与するゲームの情報処理を行うコンピュータを、
前記ゲームの複数のプレイ結果が良好であるほどプレイヤのランクを上位に変更する変更手段、
前記プレイヤのランクが下位であるほど有利になるように、前記プレイヤのランクに基づいて異なる前記第一所定量及び/又は前記第二所定量を決定する決定手段、
として機能させ
前記決定手段は、前記第一所定量と前記第二所定量の差分の量が、前記ランクが上位であるほど多く、かつ前記ランクが下位であるほど少なくなるように前記第一所定量及び前記第二所定量を決定する、
ログラム。
【請求項4】
プレイの対価として第一所定量の遊戯媒体の消費をプレイヤに要求し、前記プレイの結果に応じた報酬として第二所定量の前記遊戯媒体を前記プレイヤに付与するゲームの情報処理を行うコンピュータを、
前記ゲームの複数のプレイ結果が良好であるほどプレイヤのランクを上位に変更する変更手段、
前記プレイヤのランクが下位であるほど有利になるように、前記プレイヤのランクに基づいて異なる前記第一所定量及び/又は前記第二所定量を決定する決定手段、
として機能させ、
前記ゲームは、複数のプレイヤが同時にプレイ可能に構成され、
前記決定手段は、前記複数のプレイヤに対応する複数のランクのうち少なくとも一つのランクが異なる場合、同一のプレイ結果にかかわらず異なる前記第一所定量及び/又は前記第二所定量を決定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレイヤのメダルを消費することで、ゲームを実行するゲームシステムが知られている(例えば、特許文献1等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6635632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、プレイヤのスキルに応じて結果が大きく左右されるゲームに関して、経験不足のプレイヤは、ゲームのスキルが低いうちは良好なプレイ結果を得ることができないことが多い。この場合、経験不足のプレイヤによるメダルの保有量は、自身よりもスキルが上位のプレイヤと比べて早く減少する傾向がある。つまり、経験不足のプレイヤは、自身よりもスキルが上位のプレイヤと比べて不利感を覚え、この結果、当該ゲームを継続的にプレイしようとする意欲が削がれるおそれがある。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、経験不足のプレイヤに対してゲームの継続的なプレイを促進可能な情報処理装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係る情報処理装置は、プレイの対価として第一所定量の遊戯媒体の消費をプレイヤに要求し、前記プレイの結果に応じた報酬として第二所定量の前記遊戯媒体を前記プレイヤに付与するゲームの情報処理装置であって、前記ゲームの複数のプレイ結果が良好であるほどプレイヤのランクを上位に変更する変更手段と、前記プレイヤのランクが下位であるほど有利になるように、前記プレイヤのランクに基づいて異なる前記第一所定量及び/又は前記第二所定量を決定する決定手段と、を備える。
【0007】
上記第一態様によれば、ゲームの複数のプレイ結果が良好であるほどプレイヤのランクが上位に変更されるとともに、プレイヤのランクが下位であるほど有利になるように第一所定量及び/又は第二所定量が決定されるので、経験不足のプレイヤに対してゲームの継続的なプレイを促進することができる。
【0008】
本発明の第二態様に係る情報処理装置では、前記決定手段は、前記第一所定量以下になるように前記第二所定量を決定する。特に、報酬が対価を上回らないようにゲームが運営される場合、プレイヤにとって不利感が助長される傾向があるため、その分だけ上記した促進効果がより顕著に現われる。
【0009】
本発明の第三態様に係る情報処理装置では、前記決定手段は、前記ランクが上位であるほど多く、かつ前記ランクが下位であるほど少なくなるように前記第一所定量を決定する。
【0010】
本発明の第四態様に係る情報処理装置では、前記決定手段は、前記ランクが上位であるほど少なく、かつ前記ランクが下位であるほど多くなるように前記第二所定量を決定する。
【0011】
本発明の第五態様に係る情報処理装置では、前記決定手段は、前記第一所定量と前記第二所定量の差分の量が、前記ランクが上位であるほど多く、かつ前記ランクが下位であるほど少なくなるように前記第一所定量及び前記第二所定量を決定する。
【0012】
本発明の第六態様に係る情報処理装置では、前記ゲームは、複数のプレイヤが同時にプレイ可能に構成され、前記決定手段は、前記複数のプレイヤに対応する複数のランクのうち少なくとも1つのランクが異なる場合、同一のプレイ結果にかかわらず異なる前記第一所定量及び/又は前記第二所定量を決定する。
【0013】
本発明の第七態様に係る情報処理装置では、前記変更手段は、さらに前記ゲームの種類毎に前記ランクを変更し、前記決定手段は、さらに前記ゲームの種類毎に前記第一所定量及び/又は前記第二所定量を決定する。
【0014】
本発明の第八態様に係る情報処理装置では、前記遊戯媒体は、複数種類のゲームに対して共通に使用可能であって保有量がプレイヤ毎に記憶される。
【0015】
本発明の第九態様に係るプログラムは、プレイの対価として第一所定量の遊戯媒体の消費をプレイヤに要求し、前記プレイの結果に応じた報酬として第二所定量の前記遊戯媒体を前記プレイヤに付与するゲームの情報処理を行うコンピュータを、前記ゲームの複数のプレイ結果が良好であるほどプレイヤのランクを上位に変更する変更手段、前記プレイヤのランクが下位であるほど有利になるように、前記プレイヤのランクに基づいて異なる前記第一所定量及び/又は前記第二所定量を決定する決定手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、経験不足のプレイヤに対してゲームの継続的なプレイを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置としてのゲームサーバが組み込まれるゲームシステムの全体構成の一例を示す概略ブロック図である。
図2図1に示すゲームサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図1に示す管理サーバ及びゲームサーバの機能構成を示す図である。
図4】口座情報テーブル及びランク情報テーブルが有するデータ構造の一例を示す図である。
図5図1に示すゲームシステムにおけるゲーム処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6A】消費量及び付与量に関する第一の決定規則を示す図である。
図6B】消費量及び付与量に関する第一の決定規則を示す図である。
図7A】消費量及び付与量に関する第二の決定規則を示す図である。
図7B】消費量及び付与量に関する第二の決定規則を示す図である。
図7C】消費量及び付与量に関する第二の決定規則を示す図である。
図8A】消費量及び付与量に関する第三の決定規則を示す図である。
図8B】消費量及び付与量に関する第三の決定規則を示す図である。
図8C】消費量及び付与量に関する第三の決定規則を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0019】
<全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置としてのゲームサーバが組み込まれるゲームシステムの全体構成の一例を示す概略ブロック図である。
【0020】
図1に示すように、ゲームシステム1は、管理サーバ10と、一又は複数のゲームサーバ12と、一又は複数の貸出装置14と、一又は複数の第一端末装置16と、一又は複数の第二端末装置18と、を備える。これらの装置は、インターネットやイントラネット等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に構成されている。なお、第一端末装置16は、他の装置と直接通信せず、図示しないターミナル装置を介して、他の装置と通信してもよい。
【0021】
管理サーバ10は、ゲームの際に消費(減算)される電子遊戯媒体の口座をプレイヤ毎に管理する装置である。電子遊戯媒体としては、第一端末装置16に投入することでゲームの遊戯が可能になる媒体が電子化されたもので、例えば電子メダル、仮想通貨、クレジット、ポイント、あるいはゲーム内で消費される各種のパラメータ等が挙げられるが、本実施形態では電子メダルである場合を一例として説明する。なお、電子メダルとは、物理メダルと異なり、無体物の情報である。
【0022】
また、管理サーバ10は、プレイヤ識別情報(以下、「プレイヤID」と称す。)を含む加減算要求を端末装置(貸出装置14や第一端末装置16、第二端末装置18)からゲームサーバ12を介して受信した場合に、当該プレイヤIDに対応付けられている口座の電子メダルを加減算する。なお、管理サーバ10は、ゲームサーバ12と一体の情報処理装置であってもよい。なお、上記「減算」には、電子メダルをベットすることも含まれるものとする。
【0023】
ゲームサーバ12は、第一端末装置16又は第二端末装置18(以下、これらを「プレイヤ端末19」と称す。)から加減算要求を受信した場合に、当該加減算要求を管理サーバ10に送信するとともに、管理サーバ10により電子メダルが減算された場合に、ゲームを実行するとともに、当該ゲームの実行結果を対応するプレイヤ端末19に送信する。なお、管理サーバ10とゲームサーバ12は、ゲーム会社等の管理会社Mによって運営される。また、端末装置(貸出装置14や第一端末装置16、第二端末装置18)からの加減算要求は、電子メダルの量のほか、この量を算出するための間接的な情報(ゲームプレイ開始情報やゲーム結果等)であってもよい。さらに電子メダルの加減算は、管理サーバ10により実行してもよい。
【0024】
貸出装置14は、複数の店舗S(例えば店舗A、店舗B等)にそれぞれ設置されている。この貸出装置14は、プレイヤによる、現金や仮想通貨等の価値媒体の支払いを条件に、プレイヤIDを含む加算要求を、ゲームサーバ12を介して管理サーバ10に送信(若しくは直接管理サーバ10に送信)し、当該管理サーバ10のプレイヤの口座に電子メダルを加算することで、プレイヤに電子メダルの貸し出し(プレイヤ側から見た場合は「借り入れ」)が装置である。なお、貸出装置14とともに又は貸出装置14の代わりに、プレイヤ端末19が加算要求を送信してもよい。また、貸出装置14は物理メダルを払い出したり戻したりするようにしてもよく、その際には、管理サーバ10が管理する電子遊戯媒体は、貸出装置14に対して出し入れされた物理メダルに相当する電子メダルを加減算して記憶する。このようにすることで、物理メダルであっても電子メダルと同様に遊戯媒体を管理することが可能になる。
【0025】
第一端末装置16は、複数の店舗S(例えば店舗A、店舗B、店舗C等)にそれぞれ設置されている。この第一端末装置16は、プレイヤが操作する装置であり、ゲームの実行を行う装置であったり、ゲームの実行は行わないもののプレイヤの操作情報に基づいたゲームの実行結果を出力する装置である。後者の場合、第一端末装置16は、プレイヤの操作情報をゲームサーバ12に送信することで、当該ゲームサーバ12から操作情報に基づいたゲームの実行結果を受信し、これを表示装置等に出力することで、プレイヤにゲームを提供する。このゲームは、プレイの対価として第一所定量(以下、「消費量」と称す。)の電子メダルの消費をプレイヤに要求し、当該プレイの結果に応じた報酬として第二所定量(以下、「付与量」と称す。)の当該遊戯媒体を当該プレイヤに付与するものである。
【0026】
ゲームの種類としては、例えば、競馬や競輪等の育成や賭けを行うゲームや、アクションやパズル、レースなどのビデオゲームや、トレーディングカード等の遊技媒体を読み込ませてプレイするカードゲームなどが挙げられる。これらのゲームでは、プレイに必要なクレジットとして、また、キャラクタの育成やアイテムの入手等のため、さらに、賭けなどで電子メダルをベットすることで電子メダルを消費する。そして、その後のゲームプレイの結果(プレイ成績や賭けの勝敗等)に応じて電子メダルが付与される。第一端末装置16としては、業務用・家庭用などのゲーム装置やタブレット、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0027】
第二端末装置18は、プレイヤが所持している装置である。この第二端末装置18は、第一端末装置16と同様に、プレイヤが操作するゲーム装置であり、ゲームの実行を行う装置であったり、ゲームの実行は行わないもののプレイヤの操作情報に基づいたゲームの実行結果を出力するゲーム装置である。すなわち後者の場合、第二端末装置18は、プレイヤの操作情報をゲームサーバ12に送信することで、ゲームサーバ12から操作情報に基づいたゲームの実行結果を受信し、これを出力することで、プレイヤにゲームを提供する。第二端末装置18としては、家庭用ゲーム装置(ポータブルゲーム装置も含む)や携帯電話(スマートフォン等の携帯端末を含む)、タブレット、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。なお、ゲームシステム1としては、第一端末装置16と第二端末装置18の何れか一方のみであってもよい。
【0028】
<ハードウェア構成>
図2は、図1に示すゲームサーバ12のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0029】
図2に示すように、ゲームサーバ12は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。この他に、管理サーバ10は、図示しない表示装置や操作装置等を備えてもよい。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0030】
制御装置20では、CPU22が記憶装置28或いはメモリ24等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能構成として機能する。この機能構成の詳細については後述する。
【0031】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、第一端末装置16や第二端末装置18との間で各種の情報を送受信する。
【0032】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置28は、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0033】
なお、ゲームサーバ12は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、ゲームサーバ12は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、図2は、ゲームサーバ12が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、ゲームサーバ12は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。また、管理サーバ10の構成も、ゲームサーバ12と同様の構成である。また、第一端末装置16や第二端末装置18の構成も、表示装置や音出力装置、操作装置等を備える他は、ゲームサーバ12と同様の構成である。
【0034】
<機能構成>
図3は、図1に示す管理サーバ10及びゲームサーバ12の機能構成を示す図である。
【0035】
図3に示すように、管理サーバ10は、記憶手段40と、管理手段42と、付与手段44と、を備える。また、ゲームサーバ12は、記憶手段50と、決定手段52と、変更手段54と、実行手段56と、を備える。記憶手段40は、管理サーバ10の一又は複数の記憶装置28で実現される。管理手段42と付与手段44は、管理サーバ10の記憶装置28に記憶されているプログラムを制御装置20が実行することにより実現される。また、記憶手段50は、ゲームサーバ12の一又は複数の記憶装置で実現される。決定手段52、変更手段54及び実行手段56は、ゲームサーバ12の記憶装置に記憶されているプログラムを制御装置が実行することにより実現される。
【0036】
記憶手段40は、例えば口座情報テーブル40Aを記憶する機能を有する。図4に示す口座情報テーブル40Aには、店舗Sやゲームの種類に関係なく、プレイヤID毎に電子メダル(ここでは、メダル保有量)が対応付けて記述されている。
【0037】
管理手段42は、プレイヤIDを含む減算要求を、プレイヤ端末19から受信した場合に、当該プレイヤIDに対応付けられている電子メダルを減算する機能を有する。また、プレイヤIDを含む加算要求を貸出装置14又はプレイヤ端末19から受信した場合に、当該プレイヤIDに対応付けられている電子メダルを加算する機能も有する。なお、上記減算要求や加算要求は、ゲームサーバ12を介して管理サーバ10に送信されても、プレイヤ端末19等から直接、管理サーバ10に送信されてもよい。
【0038】
付与手段44は、店舗Sの各第一端末装置16において電子メダルが消費された量に応じて、当該店舗Sに報酬を付与する機能を有する。この報酬としては、現金やポイント、仮想通貨等が挙げられる。
【0039】
記憶手段50は、例えば、プレイヤID毎のプレイデータ50Aと、ランク情報を記述するランク情報テーブル50Bを記憶する機能を有する。図4に示すランク情報テーブル50Bには、プレイヤID毎、かつゲームの種類毎のランク情報が対応付けて記述されている。ここで、ランク情報とは、プレイヤ毎のランクを特定可能な情報であり、例えば、新規・中位・上位等の定性値であってもよいし、累積スコア等の定量値であってもよい。一例として、この場合におけるランクは、累積スコアが0点以上であって10000点未満が「新規」、10000点以上であって30000点未満が「中位」、30000点以上が「上位」とそれぞれ設定されてもよい。なお、ランク情報テーブル50Bのランク情報は、プレイデータ50Aに含まれていてもよい。
【0040】
決定手段52は、例えばプレイヤのランクが下位であるほど有利になるように、プレイヤのランクに基づいて異なる消費量及び/又は付与量を決定する。ここで、付与量は、消費量以下であってもよいし、消費量を上回ってもよい。特に、付与量は、消費量以下であることが好ましい。すなわち、決定手段52は、消費量以下になるように付与量を決定してもよい。「下位であるほど有利」とは、具体的には、[1]ランクが上位であるほど消費量が多く、ランクが下位であるほど消費量が少ないこと、[2]ランクが上位であるほど付与量が少なく、ランクが下位であるほど付与量が多いこと、又は[3]ランクが上位であるほど消費量と付与量の差分の量が多く、ランクが下位であるほど消費量と付与量の差分の量が少ないこと、のうちの何れかである。 なお、[3]の場合、付与量は、消費量以下であることが前提となる。
【0041】
また、複数のプレイヤが同時にプレイ可能に構成されるゲームに関して、決定手段52は、複数のプレイヤに対応する複数のランクのうち少なくとも一つのランクが異なる場合、同一のプレイ結果にかかわらず異なる消費量及び/又は付与量を決定する。また、ゲームの種類毎にプレイヤのランクが設定される場合、決定手段52は、ランク毎、かつゲームの種類毎に消費量及び/又は付与量を決定する。
【0042】
変更手段54は、ゲームのプレイ毎にそのゲーム結果に基づいてプレイヤのランクを必要に応じて変更(更新)する。具体的には、変更手段54は、ゲームの複数のプレイ結果のトータルが良好であるほどプレイヤのランクを上位に変更する。ゲームサーバ12が複数種類のゲームを提供可能である場合、変更手段54は、ゲームの種類毎にプレイヤのランクを適時に変更する。
【0043】
上記したランクの変更方法として、様々な演算手法を適用し得る。例えば、ランク情報が累積スコアである場合、変更手段54は、ゲームの実行結果に応じた個別スコアを計算した後、当該個別スコアを該当するプレイヤの累積スコアに加算する。そして、変更手段54は、累積スコアに対して閾値判定を行い、必要に応じてプレイヤのランクを変更する。例えば、加算前の累積スコアが9950点であり、今回の個別スコアが100点である場合、加算後の累積スコアが閾値(10000点)を上回るため、当該タイミングにおいてランクが「新規」から「中位」に変更される。累積スコアで電子メダル等の遊戯媒体の消費量及び/又は付与量を決定することにより、そのゲームの成績のみで消費量及び/又は付与量を決定するより正確にプレイヤの技量を予測することが可能になる。
【0044】
実行手段56は、一又は複数種類のゲームを実行可能に構成される。実行手段56は、管理手段42によってプレイヤの電子メダルが減算された場合に、ゲームを実行するとともに、当該ゲームの実行結果を対応するプレイヤ端末19、すなわち当該プレイヤが操作しているプレイヤ端末19に送信する。なお、ゲームは、単体のプレイヤがプレイ可能に構成されてもよいし、複数のプレイヤが同時にプレイ可能に構成されてもよい。
【0045】
<ゲーム処理の流れ>
図5は、図1に示すゲームシステム1におけるゲーム処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下のステップの順番や、プレイヤ端末19やゲームサーバ12、管理サーバ10等の処理対象は、適宜、変更することができる。
【0046】
(ステップSP10)
プレイヤがゲームをするために操作するプレイヤ端末19は、プレイヤIDが記録されたプレイヤカードを電子的又は光学的に読み取ることにより、又は、プレイヤが予めプレイヤIDとして設定された記号や数字等を図示しない操作入力部から入力したり、生体情報等を入力して認証することにより、プレイヤIDを取得する。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0047】
(ステップSP12)
プレイヤ端末19は、取得したプレイヤIDを含む実行要求をゲームサーバ12に送信する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0048】
(ステップSP14)
ゲームサーバ12は、プレイヤ端末19から実行要求を受信する。これに応答して、ゲームサーバ12の決定手段52は、所定の決定規則に従って電子メダルの消費量を決定する。なお、消費量の決定規則の詳細については後述する。また、ゲームサーバ12は、この決定処理の前に、プレイヤIDを用いてプレイヤの認証を行うログイン処理を実行してもよい。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0049】
(ステップSP16)
実行手段56は、プレイヤIDを含む消費要求(減算要求)であって、決定手段52により決定された電子メダルの枚数の消費を要求する消費要求を管理サーバ10に送信する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0050】
(ステップSP18)
管理サーバ10は、ゲームサーバ12から消費要求を受信する。これに応答して、管理サーバ10の管理手段42は、口座情報テーブル40Aにおいて、消費要求に含まれるプレイヤIDに対応する電子メダルから、消費要求に応じた電子メダルの枚数を消費(減算)する。続いて、管理手段42は、プレイヤIDを含むゲームの実行許可をゲームサーバ12に送信する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0051】
(ステップSP20)
ゲームサーバ12は、管理サーバ10から実行許可を受信する。これに応答して、ゲームサーバ12の実行手段56は、ゲームの実行を開始する。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0052】
(ステップSP22)
実行手段56は、実行許可に含まれるプレイヤIDに対応するプレイデータ50Aを取得し、実行を開始したゲームに反映する。そして、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0053】
(ステップSP24)
実行手段56は、プレイヤ端末19にゲームの実行結果を送信する。そして、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0054】
(ステップSP26)
プレイヤ端末19は、ゲームサーバ12から実行結果を受信する。これに応答して、プレイヤ端末19は、受信した実行結果を映像や音声等で出力する。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0055】
(ステップSP28)
プレイヤ端末19は、プレイヤによるプレイヤ端末19の操作を操作情報として入力する。そして、処理は、ステップSP30の処理に移行する。
【0056】
(ステップSP30)
プレイヤ端末19は、入力した操作情報をゲームサーバ12に送信する。そして、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0057】
(ステップSP32)
ゲームサーバ12は、プレイヤ端末19から操作情報を受信する。これに応答して、実行手段56は、受信した操作情報に基づき、ゲームを進行する。そして、処理は、ステップSP34の処理に移行する。
【0058】
(ステップSP34)
実行手段56は、ゲームの進行状況に基づき、ゲームが終了したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP40の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP36の処理に移行する。
【0059】
(ステップSP36)
実行手段56は、進行結果をプレイヤ端末19に送信する。そして、処理は、ステップSP38の処理に移行する。なお、ステップSP32、ステップSP34、ステップSP36は、ステップSP30及びステップSP38に代えてプレイヤ端末19が実行するようにしてもよい。
【0060】
(ステップSP38)
プレイヤ端末19は、ゲームサーバ12から進行結果を受信する。これに応答して、プレイヤ端末19は、受信した進行結果を映像や音声等で出力する。そして、処理は、ステップSP28の処理に戻る。
【0061】
(ステップSP40)
ゲームサーバ12の決定手段52は、ゲームを終了した際の進行結果(あるいは、実行結果)に基づき、所定の決定規則に従って電子メダルの付与量を決定する。なお、付与量の決定規則の詳細については後述する。そして、処理は、ステップSP42の処理に移行する。
【0062】
(ステップSP42)
続いて、実行手段56は、決定した枚数及びプレイヤIDを含む付与要求(加算要求)を管理サーバ10に送信する。そして、処理は、ステップSP44の処理に移行する。
【0063】
(ステップSP44)
管理サーバ10は、ゲームサーバ12から付与要求を受信する。これに応答して、管理サーバ10の管理手段42は、口座情報テーブル40Aにおいて、付与要求に含まれるプレイヤIDに対応する電子メダルに対して、付与要求に含まれる電子メダルの枚数を付与(加算)する。そして、処理は、ステップSP46の処理に移行する。
【0064】
(ステップSP46)
管理手段42は、付与結果をゲームサーバ12に送信する。そして、処理は、ステップSP48の処理に移行する。
【0065】
(ステップSP48)
ゲームサーバ12は、管理サーバ10から付与結果を受信する。これに応答して、ゲームサーバ12は、受信した付与結果をプレイヤ端末19に転送する。そして、処理は、ステップSP50の処理に移行する。
【0066】
(ステップSP50)
プレイヤ端末19は、管理サーバ10から付与結果を受信する。これに応答して、プレイヤ端末19は、付与結果を出力する。
【0067】
(ステップSP52)
ゲームサーバ12の変更手段54は、ゲームの実行結果が良好であるほど高くなるような個別スコアを計算し、この個別スコアを該当するプレイヤの累積スコアに加算する。また、変更手段54は、加算後の累積スコアに対して閾値判定を行い、必要に応じてプレイヤのランクを変更する。そして、変更手段54は、ランク情報テーブル50Bの内容を上書き更新する。このようにして、図5に示す処理が終了する。
【0068】
<決定規則の具体例>
続いて、電子メダルの消費量及び/又は付与量に関する決定規則の具体例について、図6A図8Cを参照しながら説明する。なお、決定規則は、以下の具体例に限られず、様々な手法が適用され得る。
【0069】
(第一の決定規則)
図6A及び図6Bは、消費量及び付与量に関する第一の決定規則を示す図である。より詳しくは、本図は、プレイヤのランク、消費量(Mc)及び付与量(Mr)の間の対応関係を示している。ここでは、1回のゲームにつき1名のプレイヤが参加する場合を想定する。
【0070】
図6Aに示す第1例では、消費量は、上位では「10」、中位では「9」、新規では「8」にそれぞれ決定される。一方、付与量は、上位では「4」、中位では「6」、新規では「8」にそれぞれ決定される。この場合、消費量と付与量の差分の量は、上位では「6」、中位では「3」、新規では「0」に決定される。
【0071】
つまり、ランクが上位であるほど差分量が多くなり、ランクが下位であるほど差分量が少なくなっている。これにより、プレイヤは、ランクが下位であるほどゲームを有利に進めることができる。なお、ゲームのバランスを保つという観点から、消費量又は付与量の何れか一方を、ランクにかかわらず一定値にしてもよい。
【0072】
図6Bに示す第2例では、消費量は、上位では「8」、中位では「9」、新規では「10」にそれぞれ決定される。一方、付与量は、上位では「4」、中位では「6」、新規では「8」にそれぞれ決定される。この場合、消費量と付与量の差分の量は、上位では「4」、中位では「3」、新規では「2」に決定される。つまり、ランクが上位であるほど差分量が多くなり、ランクが下位であるほど差分量が少なくなっている。これによっても、プレイヤは、ランクが下位であるほどゲームを有利に進めることができる。
【0073】
しかも、第1例とは反対に、ランクが上位であるほど消費量を少なくすることで、ランクが上位であるプレイヤが、ゲームの有利さの恩恵を受けるために「新規プレイヤ」になりすまそうとする動機付けが抑制される。また、ランク間の付与量の差(=2)を消費量の差(=1)よりも大きくすることで、ランクが上位であるほど多くの付与量を獲得するための難度がより高く設定される。
【0074】
(第二の決定規則)
図7A図7Cは、消費量及び付与量に関する第二の決定規則を示す図である。より詳しくは、本図は、プレイヤのランク及び消費量(Mc)の間の対応関係を示している。ここでは、1回のゲームにつき複数のプレイヤが同時に参加する場合を想定する。
【0075】
この決定規則では、消費量Mcは、Bc、A1、Rを用いて、次の(1)式に従って計算される。
Mc=Bc+A1×R ‥‥(1)
【0076】
ここで、Bcは基準値、A1はランク振れ幅を示す第1乗数、Rはランク指標にそれぞれ相当する。Bc、A1は、ゲームの種類毎に定められた固定パラメータである。Rは、複数のプレイヤにおけるランクの相対関係から定められる可変パラメータである。例えば、プレイヤ毎のRの値は、総和(ΣR)がゼロであり、かつ絶対値の総和(Σ|R|)が最小となるように決定されてもよい。また、Mcの値は、上記した(1)式に従ってその都度計算されてもよいし、テーブルデータとして読み出し可能に記憶されてもよい。
【0077】
図7Aに示す第1例では、Bc=6、A1=3であり、ランクが「上位」、「中位」及び「新規」であるプレイヤが1名ずつ参加する場合を示している。この場合、指標Rは、上位では「+1」、中位では「0」、新規では「-1」と計算される。その結果、消費量(Mc)は、上位では「9」、中位では「6」、新規では「3」とそれぞれ決定される。
【0078】
図7Bに示す第2例では、Bc=6、A1=2であり、ランクが「上位」である2名のプレイヤと、「新規」である1名のプレイヤが参加する場合を示している。この場合、指標Rは、上位では「+1」、新規では「-2」と計算される。その結果、消費量(Mc)は、上位では「8」、新規では「2」とそれぞれ決定される。
【0079】
図7Cに示す第3例では、Bc=6、A1=2であり、ランクが「上位」である1名のプレイヤと、「新規」である2名のプレイヤが参加する場合を示している。この場合、指標Rは、上位では「+2」、新規では「-1」と計算される。その結果、消費量(Mc)は、上位では「10」、新規では「4」とそれぞれ決定される。
【0080】
なお、Mcの値が非負(つまり、0以上)の整数であることが望ましいので、すべてのプレイヤにおけるMcの値が0以上になるように、ゲームの参加人数に応じてBcの値を調整してもよい。あるいは、この調整を行う代わりに、Mc<0の場合には、Mc=0とするか、付与量|Mc|として電子メダルを付与してもよい。
【0081】
(第三の決定規則)
図8A図8Cは、消費量及び付与量に関する第三の決定規則を示す図である。より詳しくは、本図は、プレイヤのランク及び付与量(Mr)の間の対応関係を示している。ここでは、1回のゲームにつき複数のプレイヤが同時に参加する場合を想定する。
【0082】
この決定規則では、付与量Mrは、Br、A2、G、A3、Rを用いて、次の(2)式に従って計算される。
Mr=Br+A2×G+A3×R ‥‥(2)
【0083】
ここで、Brは基準値、A2は成績振れ幅を示す第2乗数、Gは成績指標、A3はランク振れ幅を示す第3乗数、Rはランク指標にそれぞれ相当する。Br、A2、A3は、ゲームの種類毎に定められた固定パラメータである。Gは、複数のプレイヤにおける成績の相対関係から定められる固定又は可変パラメータである。Rは、複数のプレイヤにおけるランクの相対関係から定められる可変パラメータである。
【0084】
例えば、プレイヤ毎のGの値は、総和(ΣG)がゼロであり、かつ絶対値の総和(Σ|G|)が最小となるように決定されてもよい。同様に、プレイヤ毎のRの値は、総和(ΣR)がゼロであり、かつ絶対値の総和(Σ|R|)が最小となるように決定されてもよい。また、Mrの値は、上記した(2)式に従ってその都度計算されてもよいし、テーブルデータとして読み出し可能に記憶されてもよい。
【0085】
図8Aに示す第1例では、Bc=4、A2=2、A3=2であり、ランクが「中位」であるプレイヤが1位(G=+1)、2位(G=0)、3位(G=-1)をそれぞれ獲得した場合を示している。この場合、指標Rは、中位では何れも「0」と計算される。その結果、付与量(Mr)は、1位のプレイヤでは「6」、2位のプレイヤでは「4」、3位のプレイヤでは「2」とそれぞれ決定される。
【0086】
図8Bに示す第2例では、Bc=4、A2=2、A3=2であり、ランクが「上位」であるプレイヤが1位(G=+1)、「中位」であるプレイヤが2位(G=0)、「新規」であるプレイヤが3位(G=-1)をそれぞれ獲得した場合を示している。この場合、指標Rは、上位では「-1」、中位では「0」、新規では「+1」と計算される。その結果、付与量(Mr)は、1位、2位、3位のプレイヤでは何れも「4」と決定される。
【0087】
図8Cに示す第3例では、Bc=4、A2=2、A3=2であり、ランクが「新規」であるプレイヤが1位(G=+1)、「中位」であるプレイヤが2位(G=0)、「上位」であるプレイヤが3位(G=-1)をそれぞれ獲得した場合を示している。この場合、指標Rは、新規では「+1」、中位では「0」、上位では「-1」と計算される。その結果、付与量(Mr)は、1位のプレイヤでは「8」、2位のプレイヤでは「4」、3位のプレイヤでは「0」とそれぞれ決定される。
【0088】
なお、Mrの値が非負(つまり、0以上)の整数であることが望ましいので、すべてのプレイヤにおけるMrの値が0以上になるように、ゲームの参加人数に応じてBrの値を調整してもよい。あるいは、この調整を行う代わりに、Mr<0の場合には、Mr=0とするか、消費量|Mr|として口座から差し引いてもよい。
【0089】
<効果>
以上、本実施形態では、プレイの対価として電子メダルの消費をプレイヤに要求し、当該プレイの結果に応じた報酬として電子メダルを当該プレイヤに付与するゲームサーバ12が、ゲームの複数のプレイ結果が良好であるほどプレイヤのランクを上位に変更する変更手段54と、プレイヤのランクが下位であるほど有利になるように、プレイヤのランクに基づいて異なる消費量及び/又は付与量を決定する決定手段52と、を備える。
【0090】
上記構成によれば、ゲームの複数のプレイ結果が良好であるほどプレイヤのランクが上位に変更されるとともに、プレイヤのランクが下位であるほど有利になるように消費量及び/又は付与量が決定されるので、経験不足のプレイヤに対してゲームの継続的なプレイを促進することができる。
【0091】
また、決定手段52は、消費量以下になるように付与量を決定してもよい。特に、報酬が対価を上回らないようにゲームが運営される場合、プレイヤにとって不利感が助長される傾向があるため、その分だけ上記した促進効果がより顕著に現われる。
【0092】
また、決定手段52は、ランクが上位であるほど多く、かつランクが下位であるほど少なくなるように消費量を決定してもよい。これにより、ランクが下位であるプレイヤにとってゲームの対価に対する負担が軽減されるので、上記した促進効果が一層高まる。
【0093】
また、決定手段52は、ランクが上位であるほど少なく、かつランクが下位であるほど多くなるように付与量を決定してもよい。これにより、ランクが下位であるプレイヤにとってゲームの報酬に対する期待度が増すので、上記した促進効果が一層高まる。
【0094】
また、決定手段52は、消費量と付与量の差分の量が、ランクが上位であるほど多く、かつランクが下位であるほど少なくなるように消費量及び付与量を決定してもよい。これにより、ランクが下位であるプレイヤにとってゲームに伴う収支差が有利になるので、上記した促進効果が一層高まる。
【0095】
また、複数のプレイヤが同時にプレイ可能に構成されるゲームに関して、決定手段52は、複数のプレイヤに対応する複数のランクのうち少なくとも一つのランクが異なる場合、同一のプレイ結果にかかわらず異なる消費量及び/又は付与量を決定してもよい。特に、複数のプレイヤが同時にプレイ可能に構成されるゲームでは、ランクが下位のプレイヤほど他のプレイヤとの比較を通じて不利感が助長される傾向があるため、その分だけ上記した促進効果がより顕著に現われる。
【0096】
また、変更手段54は、さらにゲームの種類毎にランクを変更するとともに、決定手段52は、さらにゲームの種類毎に消費量及び/又は付与量を決定してもよい。これにより、ゲームの種類及びプレイヤのランクの組み合わせに適した消費量又は付与量を決定することができる。
【0097】
さらに、電子メダルは、複数種類のゲームに対して共通に使用可能であって保有量がプレイヤ毎に記憶されてもよい。これにより、ゲームの種類毎に異なる電子メダルを設けなくても済み、その分だけ管理が容易になる。
【0098】
<変形例>
なお、本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0099】
例えば、上記実施形態では、取引対象として電子遊戯媒体を用いる場合を説明したが、これに代えて物理メダルを含む有体物が用いられてもよい。また、電子遊戯媒体がポイント等の電子データである場合、電子遊戯媒体は、管理サーバ10に代えてプレイヤが所持するICカード等の可搬型記録媒体に記録されてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、ランク情報テーブル50Bがゲームサーバ12に記憶される場合を説明したが、管理サーバ10や他のサーバに記憶されていてもよい。また、上記実施形態では、口座情報テーブル40Aは、管理サーバ10に記憶される場合を説明したが、ゲームサーバ12に記憶されていてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、変更手段54が、ゲームの複数のプレイ結果が良好であるほどプレイヤのランクを上位に変更する場合を説明したが、ゲーム1回のプレイ結果が良好であるほどプレイヤのランクを上位に変更してもよい。また、変更手段54は、ゲームのプレイ結果にかかわらず、プレイヤの自己申告に基づいてランクを変更してもよい。この場合、ランクが上位の場合は、他のプレイヤがプレイヤのゲームプレイを視聴できるようになったり、特別な称号が付与されるようになったり等、誉れが得られるようにしてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、決定手段52が、ゲームサーバ12に設けられる場合を説明したが、管理サーバ10に設けられてもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、決定手段52が、ゲームの開始時に消費量を決定し、かつゲームの終了時に付与量を決定する場合を説明したが、これと併せて又はこれとは別に、ゲームの実行中に電子メダルの消費又は付与が行われてもよい。消費タイミングの一例として、アイテムの購入やアイテムの合成等が挙げられる。付与タイミングの一例として、ステージのクリア・ボスの討伐・ラップタイムの更新等を含む、プレイ中のイベント終了時や、アイテムの売却等が挙げられる。
【0104】
また、上記実施形態では、決定手段52が、プレイヤのランクに基づいて異なる第一所定量及び/又は第二所定量を決定する場合を説明したが、このランクは、複数のゲームのランクの総合的なランクであってもよい。この場合において、特定のゲームのみランクが高いときは、そのゲームの消費量や付与量も低ランク扱いとなってもよい。また、決定手段52は、プレイヤのスキルを直接的に又は間接的に示す指標(パラメータ)であれば、ランクに限られず、他の指標に基づいて異なる第一所定量及び/又は第二所定量を決定してもよい。この「他の指標」としては、例えば、ゲームのプレイ時間の合計時間、プレイヤが所有するキャラクタのレベルの平均値や最大値、プレイヤが所有するコンテンツ数等であってもよい。なお、コンテンツとは、キャラクタや、アイテム、武器、防具、ゲームポイント等が挙げられる。
【0105】
また、上記実施形態では、決定手段52が、プレイヤのランクに基づいて異なる第一所定量及び/又は第二所定量を決定する場合を説明したが、プレイするときの天気情報、季節情報、時間帯情報又はプレイヤの参加人数に基づいて異なる第一所定量及び/又は第二所定量を決定してもよい。例えば、雨の場合には晴れの場合に比べて第一所定量を低くしたり、第二所定量を高くしたりしてもよい。また、冬の場合には夏の場合に比べて第一所定量を低くしたり、第二所定量を高くしたりしてもよい。また、朝の場合には昼の場合に比べて第一所定量を低くしたり、第二所定量を高くしたりしてもよい。また、プレイヤの参加人数が閾値以上の場合には第一所定量を低くしたり、第二所定量を高くしたりしてもよい。この構成によれば、経験不足のプレイヤだけでなく全てのプレイヤに対してゲームの継続的なプレイを促進することができる。
【0106】
また、上記実施形態では、付与手段44が、プレイの結果に応じた報酬として第二所定量の遊戯媒体をプレイヤに付与する場合を説明したが、プレイヤのランクに基づき、プレイの結果に応じた報酬として異なる種類の報酬をプレイヤに付与してもよい。例えば、付与手段44は、プレイヤのランクが新規や中位である場合は遊戯媒体を付与し、プレイヤのランクが上位である場合は遊戯媒体以外の報酬、例えば称号やゲームアイテムをプレイヤに付与してもよい。この構成によれば、経験不足のプレイヤに対してはゲームの継続的なプレイを促進するとともに、経験のある上位のプレイヤに対しては誉れを与えることができる。
【0107】
また、上記実施形態では、図7A図7Cでは計算式により消費量Mcを、図8A図8Cでは計算式により付与量Mrをそれぞれ算出したが、図7A図7Cで付与量Mrを、図8A図8Cで消費量Mcを同様の計算式で算出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0108】
12…ゲームサーバ(情報処理装置)、52…決定手段、54…変更手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C