(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
B60K 35/215 20240101AFI20240319BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B60K35/215
G09G5/00 510A
G09G5/00 530A
(21)【出願番号】P 2020110885
(22)【出願日】2020-06-26
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 博之
【審査官】中野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-275787(JP,A)
【文献】特開2008-203768(JP,A)
【文献】特開2006-284314(JP,A)
【文献】特開2018-083590(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0018083(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示手段と、
車両情報を取得し、取得した前記車両情報に基づいて第1描画データを生成する描画処理用のコンピュータと、
前記コンピュータにより生成される前記第1描画データを前記画像表示手段に送信し、かつ、前記画像表示手段による前記第1描画データの表示状態をチェックする集積回路と、
前記集積回路に接続され、前記第1描画データとは異な
り、前記第1描画データの表示コンテンツに関するガイダンス情報を含む第2描画データを記憶する記憶部とを備え、
前記集積回路は、前記コンピュータにより前記第1描画データが生成されない所定状態において、前記記憶部内の前記第2描画データを前記画像表示手段に送信する、車両用表示装置。
【請求項2】
前記所定状態は、車両の起動に伴って前記コンピュータが起動している状態を含む、請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記所定状態は、車速が所定閾値以下の状態を含む、請求項1又は2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記ガイダンス情報は、前記第1描画データの表示コンテンツの内容に関する情報と、前記画像表示手段の表示領域全体内における該表示コンテンツの表示位置に関する情報とを含む、
請求項1に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
起動の際に、画像表示用の第1アプリケーションソフトウェアを不揮発性メモリから揮発性メモリに展開するよりも前に、第2アプリケーションソフトウェアを動作させて画像表示手段に所定の画像を表示させる技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の車両用表示装置は、グラフィックコントローラが画像表示手段に画像を表示する構成であるので、グラフィックコントローラが起動している状態等のような特定の状態においては、画像表示手段に画像が出力されない状態が形成される。このようなグラフィックコントローラによる画像が画像表示手段に出力されない状態においても、画像表示手段上に何らかの情報を出力することができれば、ユーザ(例えば運転者)にとっても有用となりうる。
【0005】
そこで、本開示は、グラフィックコントローラのようなコンピュータによる画像が画像表示手段に出力されない状態を利用して、画像表示手段を介したユーザへの情報の伝達を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、画像表示手段と、
車両情報を取得し、取得した前記車両情報に基づいて第1描画データを生成する描画処理用のコンピュータと、
前記コンピュータにより生成される前記第1描画データを前記画像表示手段に送信し、かつ、前記画像表示手段による前記第1描画データの表示状態をチェックする集積回路と、
前記集積回路に接続され、前記第1描画データとは異なり、前記第1描画データの表示コンテンツに関するガイダンス情報を含む第2描画データを記憶する記憶部とを備え、
前記集積回路は、前記コンピュータにより前記第1描画データが生成されない所定状態において、前記記憶部内の前記第2描画データを前記画像表示手段に送信する、車両用表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、グラフィックコントローラのようなコンピュータによる画像が画像表示手段に出力されない状態を利用して、画像表示手段を介したユーザへの情報の伝達を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施例による車両用表示装置の概略的な構成を示す図である。
【
図2】画像表示手段による画像の表示状態の一例を示す図である。
【
図3】車両の起動時におけるグラフィックマイコン等の動作を説明するタイミングチャートである。
【
図4A】画像表示手段上の第2描画データに基づく画像の出力例(その1)を示す図である。
【
図4B】画像表示手段上の第2描画データに基づく画像の出力例(その2)を示す図である。
【
図4C】画像表示手段上の第2描画データに基づく画像の出力例(その3)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。以下の説明において、「マイコン」とは、「マイクロコンピュータ」の略であり、「IC」は、「Integrated Circuit(集積回路)」の略である。
【0010】
図1は、一実施例による車両用表示装置1の概略的な構成を示す図である。
【0011】
車両用表示装置1は、車両に搭載される。車両用表示装置1は、
図1に示すように、インターフェース回路10と、グラフィックマイコン12(コンピュータの一例)と、表示デバイスIC14(集積回路の一例)と、外部メモリ16(記憶部の一例)と、画像表示手段18とを含む。
【0012】
インターフェース回路10は、例えばCAN(controller area network)などの適切なバスを介して、車両内の各種の電子部品(車速センサのような各種センサや、ボデーECU(Electronic Control Unit)のような各種制御装置等)に接続される。車両用表示装置1は、インターフェース回路10を介して、車両内の各種の電子部品から各種の車両情報を取得する。また、インターフェース回路10は、
図1に模式的に示すように、ユーザが車内に持ち込みうるユーザ端末100(例えばスマートフォン)等と通信可能であってもよい。
【0013】
グラフィックマイコン12は、描画用のアプリケーションを備える。グラフィックマイコン12は、インターフェース回路10を介して取得される車両情報(
図1には「車速情報」が一例で表記)に基づいて、当該アプリケーションの動作により、各種の描画データを生成する。そして、グラフィックマイコン12は、生成した描画データを表示デバイスIC14に送信する。このようにして、車両情報に基づきグラフィックマイコン12が生成する描画データに基づく画像は、表示デバイスIC14を介して画像表示手段18上に表示される。
【0014】
例えば、グラフィックマイコン12は、車両情報(スピード、エンジン回転数、水温、燃料、外気温、シフト情報、ADAS:Advanced Driver-Assistance Systems等)やスマートフォンのようなユーザ端末100からのアプリケーション情報(地図情報、音楽情報等)をインターフェース回路10を介して取得し、取得した情報に基づいて描画データを生成し、生成した描画データを表示デバイスIC14を経由して画像表示手段18に入力することで、当該描画データに基づく画像を画像表示手段18上に表示させる。
【0015】
表示デバイスIC14は、グラフィックマイコン12と画像表示手段18の間に設けられる。表示デバイスIC14は、グラフィックマイコン12からの描画データを画像表示手段18に送信する。
また、表示デバイスIC14は、巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check)等に基づいて、グラフィックマイコン12からの描画データに基づく画像が画像表示手段18上で適切に表示されているかどうかをチェックする。例えば、表示デバイスIC14は、画像表示手段18上で表示される警告灯マークが正常であるかどうか等をチェックする。
【0016】
また、本実施例では、表示デバイスIC14は、更に、グラフィックマイコン12により描画データが生成されない所定状態において、外部メモリ16の描画データ(後述)を画像表示手段18に送信することで、OSD(On-Screen Display)表示を実現する。所定状態は、好ましくは、車両の起動に伴ってグラフィックマイコン12が起動している状態(以下、「起動状態」とも称する)を含む。起動状態では、グラフィックマイコン12は起動完了するまで描画データを生成できない状態となる。
【0017】
外部メモリ16は、表示デバイスIC14によりアクセス可能なメモリであり、表示デバイスIC14に接続される。例えば、外部メモリ16は、表示デバイスIC14に直接的(他の要素を介さず)に接続されてよい。
【0018】
外部メモリ16には、画像表示手段18上で表示される画像に係る描画データが記憶される。以下では、区別する場合、グラフィックマイコン12により生成される描画データを、「第1描画データ」と称し、外部メモリ16に記憶される描画データを、「第2描画データ」と称する。
【0019】
第2描画データは、第1描画データとは異なり、事前に用意される固定の描画データである。ただし、第2描画データは、定期的又は不定期的に更新データに基づいて更新されてもよい。この場合、更新データは、例えば外部サーバ(図示せず)からユーザ端末100や車載通信モジュール(図示せず)及びインターフェース回路10を介して取得されてもよい。第2描画データは、好ましくは、第1描画データの表示コンテンツに関するガイダンス情報を含む。
【0020】
ところで、第1描画データは、上述したように、多様な車両情報に係る描画データであり、車両の状態に応じて動的に変化しうる。また、特殊な警告灯のような車両情報は、頻繁に出力されることがなく、表示された際にユーザがすぐに意味を認識できない可能性もある。
【0021】
従って、第1描画データの表示コンテンツに関するガイダンス情報を含む第2描画データを出力することで、ユーザは、第1描画データにより表現される表示コンテンツに基づいて、各種の車両情報を容易に理解しやすくなる。
【0022】
画像表示手段18は、例えばTFT(Thin-Film-Transistor)液晶装置であり、インストルメントパネルに配置される。画像表示手段18は、車両のメータ(計器)として機能する。画像表示手段18は、上述したように、表示デバイスIC14から送信される第1描画データを受信すると、第1描画データに基づく画像を表示し、表示デバイスIC14から送信される第2描画データを受信すると、第2描画データに基づく画像を表示する。
【0023】
図2は、画像表示手段18による画像の表示状態の一例を示す図である。
図2に示す例では、画像表示手段18は、フルスクリーンタイプであり、左側には速度メータ画像を出力し、右側にはエンジン回転数画像を出力し、中央部には、ナビゲーション画像を出力している。なお、画像表示手段18上で表示される表示コンテンツは、これらに限られず、また、ユーザにより選択やカスタマイズが可能であってもよい。
【0024】
図3は、車両の起動時におけるグラフィックマイコン12等の動作を説明するタイミングチャートである。
図3では、上から順に、グラフィックマイコン12の状態と、表示デバイスIC14の状態と、画像表示手段18の表示状態(
図3では、“TFT表示”と表記)とが、時系列に示される。
【0025】
図3では、時点t0にて車両が起動する。なお、車両の起動は、例えばイグニッションスイッチがオンすることで実現されてもよい。ただし、電気自動車の場合は、車両の起動は、メインスイッチ(駆動用モータと高圧バッテリとの間に設けられるスイッチ)がオンすることで実現されてもよい。
【0026】
時点t0にて車両が起動すると、時点t1にてグラフィックマイコン12及び表示デバイスIC14の電源がオフ状態からオン状態へ移行する。
【0027】
時点t1にて電源がオン状態へ移行すると、グラフィックマイコン12は、起動処理を開始する。例えば、グラフィックマイコン12は、オペレーティングシステムの起動、オペレーティングシステム上で動作するアプリケーションソフトウェアの起動、車両情報と画像データ及び画像データの配置や表示条件を関連付けた状態遷移データの読み込み等の初期化処理を実行する。
【0028】
他方、時点t1にて電源がオン状態へ移行すると、表示デバイスIC14は、直ちに、外部メモリ16からの第2描画データを画像表示手段18に送信する。これにより、時点t1から、画像表示手段18は、第2描画データに基づく画像の表示(すなわちOSD表示)を開始する。
【0029】
時点t2にてグラフィックマイコン12は、起動処理を完了する。すなわち、グラフィックマイコン12は、起動完了状態へ移行する。グラフィックマイコン12は、起動完了状態へ移行すると、通常表示への移行情報を生成して、表示デバイスIC14に送信する。表示デバイスIC14は、通常表示への移行情報を受信すると、第2描画データによる画像の表示を終了してから、グラフィックマイコン12から受信した第1描画データを画像表示手段18に送信する。これにより、時点t2から、画像表示手段18は、第1描画データに基づく画像の表示(
図3では、“通常表示”と表記)を開始する。
【0030】
ところで、車両用表示装置1は、上述したように、グラフィックマイコン12が画像表示手段18に画像を表示する準備として、オペレーティングシステムの起動、オペレーティングシステム上で動作するアプリケーションソフトウェアの起動等の初期化処理が必要である。しかしながら、この初期化処理が全て終わるには時間(
図3の時点t1から時点t2までの時間)を要し、グラフィックマイコン12が起動を開始してから画像表示手段18に画像が表示できる状態(すなわち起動完了状態)に至るまでの時間が長くなる、という不都合がある。
【0031】
この点、本実施例では、上述したように、表示デバイスIC14は、グラフィックマイコン12の起動状態において、第2描画データを画像表示手段18に送信することで、第2描画データに基づく画像を画像表示手段18に出力する。すなわち、時点t2よりも有意に前の時点t1にて、画像表示手段18上に画像を表示させることができる。これにより、グラフィックマイコン12の起動状態において生じる上述したような不都合を低減できる。
【0032】
特に、表示デバイスIC14は、時点t1にて電源がオン状態へ移行すると、すぐに動作可能となるので、時点t1から時点t2までの時間の最大化を図ることができ、当該時間を利用して多くの情報を、画像表示手段18上の画像を介してユーザに伝達できる。
【0033】
なお、
図3では、グラフィックマイコン12は、起動処理を完了すると、すぐに第1描画データを生成し、生成した第1描画データを表示デバイスIC14を介して画像表示手段18に送信するが、これに限られない。例えば、グラフィックマイコン12は、起動処理を完了しても、所定時間経過するまで待機した上で、第1描画データを生成し、生成した第1描画データを表示デバイスIC14を介して画像表示手段18に送信してもよい。例えば、第2描画データに基づく画像の出力時間が一定である場合、グラフィックマイコン12は、当該第2描画データの出力が終了するタイミングに合わせて、第1描画データを生成してもよい。
【0034】
次に、
図4A以降を参照して、画像表示手段18上に第2描画データに基づく画像が出力される場合における好適な画像の出力態様を説明する。
【0035】
図4Aから
図4Cは、画像表示手段18上の第2描画データに基づく画像の出力例を示す。
【0036】
本実施例では、
図4Aから
図4Cに示すように、第2描画データは、第1描画データの表示コンテンツに関する各種のガイダンス情報を含み、画像表示手段18は、第2描画データに基づいて、各種のガイダンス情報に係る画像を順次出力する。
【0037】
具体的には、
図4Aから
図4Cに示す例では、画像表示手段18は、まず、
図4AのステップS400に示すように、速度メータ画像(アイコン)とともに、速度情報が画像表示手段18の左側に表示されることを示す吹き出し型のガイダンス表示G1(表示コンテンツの機能名や表示位置を表す表示)を出力する。なお、
図4Aでは、速度メータ画像は、デモ表示として、実際の車速とは異なる102km/hを表すが、初期値(すなわち0km/h)を表してもよい。また、ガイダンス表示G1(以下の他のガイダンス表示G2からガイダンス表示G8も同様)は、吹き出し型でなくてもよく、他の形態であってもよい。
【0038】
ついで、画像表示手段18は、
図4AのステップS401に示すように、速度メータ画像を残したまま、エンジン回転数画像とともに、エンジン回転数情報が画像表示手段18の右側に表示されることを示す吹き出し型のガイダンス表示G2を出力する。なお、
図4Aでは、エンジン回転数画像は、デモ表示として、2500rpmを表すが、初期値(すなわち0rpm)を表してもよい。
【0039】
なお、
図4Aでは、エンジン回転数画像は、AT(Automatic Transmission)のシフト位置画像を含み、ガイダンス表示G2は、エンジン回転数情報とともに、シフト位置情報が画像表示手段18の右側に表示されることを示す。
【0040】
ついで、画像表示手段18は、
図4AのステップS402に示すように、速度メータ画像及びエンジン回転数画像を残したまま、内気温情報、オドメータ情報、外気温情報、残燃料情報等の画像(以下、「パラメータ情報画像」とも称する)とともに、これらの情報が画像表示手段18の下側に表示されることを示す吹き出し型のガイダンス表示G3を出力する。
【0041】
ついで、画像表示手段18は、
図4BのステップS403に示すように、速度メータ画像、エンジン回転数画像、及びパラメータ情報画像を残したまま、テンテール(Telltale)画像とともに、テンテール情報が画像表示手段18の上部に表示されることを示す吹き出し型のガイダンス表示G4を出力する。なお、テンテール情報は、例えば、シートベルト非着用や、ドアの開放状態、エンジンオイルやガソリンの不足など、警告ASIL(Automotive Safety Integrity Level)に係る情報を含んでよい。
【0042】
ついで、画像表示手段18は、
図4BのステップS404に示すように、速度メータ画像、エンジン回転数画像、パラメータ情報画像、及びテンテール画像を残したまま、オーディオ画像とともに、オーディオ情報が画像表示手段18の中央部に表示されることを示す吹き出し型のガイダンス表示G5を出力する。オーディオ情報は、音量やトラック番号、曲名等を示す情報を含んでよい。
【0043】
ついで、画像表示手段18は、
図4BのステップS405に示すように、速度メータ画像、エンジン回転数画像、パラメータ情報画像、及びテンテール画像を残したまま、地図画像とともに、地図情報が画像表示手段18の中央部に表示されることを示す吹き出し型のガイダンス表示G6を出力する。地図画像は、上述したオーディオ画像と選択的に、画像表示手段18の中央部に出力される。
【0044】
ついで、画像表示手段18は、
図4CのステップS406に示すように、速度メータ画像、エンジン回転数画像、パラメータ情報画像、及びテンテール画像を残したまま、ナビゲーション画像とともに、ナビゲーション情報が画像表示手段18の中央部に表示されることを示す吹き出し型のガイダンス表示G7を出力する。ナビゲーション画像は、上述したオーディオ画像や地図画像に対して代替えされる態様で、選択的に、画像表示手段18の中央部に出力される。
【0045】
ついで、画像表示手段18は、
図4CのステップS407に示すように、速度メータ画像、エンジン回転数画像、パラメータ情報画像、及びテンテール画像を残したまま、ADAS画像とともに、ADAS情報が画像表示手段18の中央部に表示されることを示す吹き出し型のガイダンス表示G8を出力する。ADAS画像は、上述したオーディオ画像や地図画像に対して代替えされる態様で、選択的に、画像表示手段18の中央部に出力される。
【0046】
ところで、近年では、高画質のTFT液晶を装備した車両用表示装置1のような車両用表示装置が増加してきているが、車両の入力信号も増え表示コンテンツが複雑化しており、どこに何の表示が出ているか探しづらく、ユーザは、走行中に画像表示手段18上の画像を凝視してしまう可能性がある。
【0047】
この点、
図4Aから
図4Cに示す例によれば、画像表示手段18に常時表示される表示コンテンツや、画像表示手段18に表示されうる表示コンテンツが、順次、ガイダンス情報ととともに出力されるので、画像表示手段18上に表示される表示コンテンツの内容をユーザ(例えば運転者)は容易に理解できる。従って、実際の運転中等において、かかる表示コンテンツが表示されると、ユーザはすぐに、その内容を容易に理解できる。このようにして本実施例によれば、グラフィックマイコン12の起動状態を利用して、安全な運転を効果的に支援できる画像やガイダンス情報を表示できる。
【0048】
また、
図4Aから
図4Cに示す例によれば、ガイダンス情報は、各種の表示コンテンツの表示位置(上部等)を示すので、ユーザは、どのような表示コンテンツがどの位置に表示されるかを事前に把握できる。これにより、ユーザは、実際の運転中等において、効率的に車両情報の変化等を把握できる。
【0049】
このようにして、本実施例によれば、車両用表示装置のグラフィックマイコン12による通常表示が可能になるまでの間、グラフィックマイコン12とは別の表示デバイスIC14を利用し、通常表示の際の表示コンテンツの機能名とアイコン等を表示させ、ユーザに容易に表示されるコンテンツ内容と位置情報を提供できる。
【0050】
なお、
図4Aから
図4Cに示す例では、特定の順に各種画像やガイダンス情報が出力されるが、これに限られない。例えば、順序は変更されてもよいし、一部の画像やガイダンス情報の出力は省略されてもよい。
【0051】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0052】
例えば、上述した実施例では、第2描画データに基づく画像は、グラフィックマイコン12の起動状態において出力されるが、これに限られない。例えば、所定状態は、グラフィックマイコン12の起動状態に代えて又は加えて、車速が所定閾値以下である状態を含んでよい。この場合、グラフィックマイコン12が起動完了した後でも、車速が所定閾値以下である状態において、第2描画データに基づく画像が出力されてもよい。この場合、表示切替スイッチ(図示せず)がユーザにより操作された場合に、第2描画データに基づく画像が出力されてもよい。あるいは、グラフィックマイコン12の起動状態かつ車速が所定閾値以下である状態が所定状態とされてもよい。この場合、車速が所定閾値を超えると、第2描画データに基づく画像の出力が停止(途中で中止)されてもよい。なお、車速に関する所定閾値は、例えば停車状態を検出できるような非常に小さい値であってよい。
【符号の説明】
【0053】
1 車両用表示装置
10 インターフェース回路
12 グラフィックマイコン
14 表示デバイスIC
16 外部メモリ
18 画像表示手段
100 ユーザ端末
G1 ガイダンス表示
G2 ガイダンス表示
G3 ガイダンス表示
G4 ガイダンス表示
G5 ガイダンス表示
G6 ガイダンス表示
G7 ガイダンス表示
G8 ガイダンス表示