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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】口腔内測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/04 20060101AFI20240319BHJP
   A61B 1/24 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A61C19/04 Z
A61B1/24
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020114530
(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公開番号】P2022012590
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯島 成幸
(72)【発明者】
【氏名】松尾 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】長岡 敦
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1304169(KR,B1)
【文献】特表2014-521163(JP,A)
【文献】特表2019-517864(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0223916(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/04
A61B 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内の測定対象の形状を個別に測定する複数の測定光学系と、制御手段とを備え、
前記複数の測定光学系は、口腔内のうち互いに異なる領域の形状を測定し、
前記制御手段は、前記複数の測定光学系から取得した情報に基づいて、前記測定対象の形状を算出し、
前記複数の測定光学系の各々は、
光源と、
前記光源から射出した光を集光するとともに、前記測定対象に導く光学素子と、
前記測定対象から反射した光を受光する受光センサーと、
を含み、
前記複数の測定光学系の光照射位置を移動させる可動部と、前記可動部の移動量を検出する検出手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、
前記受光センサーから取得した情報に基づいて、三次元の画像データを複数生成し、
前記検出手段から取得した前記移動量に基づいて、前記複数の測定光学系が照射する複数の光照射位置の位置関係についての光照射位置情報を算出し、
各画像データ内の特徴点と、前記光照射位置情報とに基づいて、複数の画像データを連結させる、
ことを特徴とする口腔内測定装置。
【請求項2】
前記可動部は、口腔内に接触するガイド部材を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の口腔内測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、歯科で行われる型取りの代替手段として、口腔内を三次元測定する装置の利用が進んできている。この装置で口腔全体の三次元画像データを取得する場合、装置を口腔内で移動させながら取得した複数の画像データを繋ぎ合わせることで、口腔全体の画像データが生成される。複数の画像データの繋ぎ合わせは、個々の画像データの特徴点(例えば、歯の凸凹部分など)を合致させるようにして行われる。
【0003】
しかし、画像データの正確度及び精度によっては、2つの画像データを繋ぎ合わせるときに繋ぎ合わせ誤差が発生してしまう。それが多数の画像データを繋ぎ合わせる口腔全体の画像データとなった場合、繋ぎ合わせ誤差が大きく累積してしまう。
【0004】
これに対し、例えば特許文献1に記載の技術では、シート上に識別可能な複数の識別部を設けた補助器具を患者の口腔内に装着し、三次元画像データの位置合わせ基準として使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-170608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、患者の口腔内に補助器具を装着する必要があるため、患者の負担が大きくなる。また、取得した画像データの精度によっては、繋ぎ合わせ誤差が残るおそれもある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来に比べ、口腔内形状の測定精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、口腔内測定装置であって、
口腔内の測定対象の形状を個別に測定する複数の測定光学系と、制御手段とを備え、
前記複数の測定光学系は、口腔内のうち互いに異なる領域の形状を測定し、
前記制御手段は、前記複数の測定光学系から取得した情報に基づいて、前記測定対象の形状を算出し、
前記複数の測定光学系の各々は、
光源と、
前記光源から射出した光を集光するとともに、前記測定対象に導く光学素子と、
前記測定対象から反射した光を受光する受光センサーと、
を含み、
前記複数の測定光学系の光照射位置を移動させる可動部と、前記可動部の移動量を検出する検出手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、
前記受光センサーから取得した情報に基づいて、三次元の画像データを複数生成し、
前記検出手段から取得した前記移動量に基づいて、前記複数の測定光学系が照射する複数の光照射位置の位置関係についての光照射位置情報を算出し、
各画像データ内の特徴点と、前記光照射位置情報とに基づいて、複数の画像データを連結させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来に比べ、口腔内形状の測定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る口腔内測定装置の装置本体の構成を示す図である。
図2】実施形態に係る口腔内測定装置の概略の制御構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る口腔内測定装置の動作を説明するための図である。
図4】実施形態の第1の変形例に係る口腔内測定装置の装置本体の構成を示す図である。
図5】実施形態の第1の変形例に係る口腔内測定装置の概略の制御構成を示すブロック図である。
図6】実施形態の第2の変形例に係る口腔内測定装置を説明するための図である。
図7】実施形態の第2の変形例に係る口腔内測定装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
[口腔内測定装置の構成]
図1は、本実施形態に係る口腔内測定装置1の装置本体10の構成を示す図である。
口腔内測定装置1は、主に人(人体)の口腔内の三次元形状を測定するものであり、図1に示すように、装置本体10を備える。
【0013】
装置本体10は、口腔内に挿入される部分であり、その内部に、口腔内を個別に三次元測定するための2つ(2系統)の測定光学系40を収容している。
各測定光学系40は、光源41、ハーフミラー42、集光レンズ43、第1ミラー44、第2ミラー45、受光センサー46を含む。各測定光学系40では、光源41から出射した光がハーフミラー42で反射され、集光レンズ43を経て第1ミラー44及び第2ミラー45でさらに反射された後に、装置本体10先端の図示しない透光窓を通じて口腔内の測定対象(例えば歯T)に照射される。この光の少なくとも一部は、測定対象で反射して透光窓から装置本体10内に入射し、第2ミラー45、第1ミラー44及び集光レンズ43を経てからハーフミラー42を透過して、受光センサー46に受光される。そして、受光された光の光学情報に基づいて、口腔内の測定対象の形状が測定される。ただし、後述するように、装置本体10の状態によっては第1ミラー44での反射が省略される。
なお、測定光学系40は、口腔内を光学的に三次元測定できるものであれば、その具体構成は特に限定されない。
【0014】
装置本体10は、ベース部11と、2つのアーム部12とを備える。2つのアーム部12は、各々の基端部がエルボ部13を介してベース部11の先端部に連結されている。エルボ部13は、2つのアーム部12が同一の平面内で先端を接離可能なように、当該2つのアーム部12を回動可能に支持している。2つのアーム部12は、互いの先端を近接させてベース部11の長手方向に沿った伸長状態(図6(a)参照)から、互いの先端を離間させた屈曲状態まで、所定の角度範囲で回動可能となっている。2つのアーム部12は、エルボ部13に組み込まれたモータ14(図2参照)により、互いに同じ回動量だけ回動する。ただし、2つのアーム部12は別々のモータで個別に回動させてもよい。
なお、本明細書では、装置本体のうち、先に口腔内に挿入される側(図1の左側)を「先端」側といい、先端側とは反対側を「基端」側という。
【0015】
ベース部11の内部には、2系統の測定光学系40のうち、光源41、ハーフミラー42、集光レンズ43、受光センサー46が2つずつ配置されている。このうち、2つの受光センサー46がベース部11の基端部に並設され、2組のハーフミラー42及び集光レンズ43が、各々対応する受光センサー46の先端側にこの順に配置されている。こうして、2組の受光センサー46、ハーフミラー42及び集光レンズ43が、各組で基端側から先端側に向かってこの順に直列に配列された状態で、ベース部11の幅方向(図1の上下方向)に並設されている。2つの光源41は、各々対応するハーフミラー42の側方に配置されている。
【0016】
各アーム部12の内部には、第2ミラー45が配置されている。第2ミラー45は、基端側からの光を当該アーム部12の回動平面と直交する方向(図1の紙面垂直方向)に反射させる向きで、アーム部12の先端に配置されている。アーム部12が伸長状態のときに、その内部の第2ミラー45が、対応する受光センサー46、ハーフミラー42及び集光レンズ43の直線上に位置する。
【0017】
エルボ部13の内部には、2系統の測定光学系40のうち、2つの第1ミラー44が配置されている。各第1ミラー44は、対応する受光センサー46、ハーフミラー42及び集光レンズ43の直線上に配置されている。各第1ミラー44は、対応する第2ミラー45を収容するアーム部12の回動に伴って自身も回動し、この回動により、集光レンズ43からの光を第2ミラー45に向けて反射させるように向きを変化させる。但し、対応するアーム部12が伸長状態(から所定の角度範囲内)のとき、第1ミラー44は当該アーム部12に沿った状態となり、集光レンズ43からの光は第1ミラー44を介さずに第2ミラー45に直接入射する(図6(a)参照)。
【0018】
図2は、口腔内測定装置1の概略の制御構成を示すブロック図である。
この図に示すように、口腔内測定装置1は、制御装置60を備える。
制御装置60は、図示しないケーブルを介して装置本体10と接続されており、ユーザ操作等に基づいて、口腔内測定装置1を中央制御する。具体的に、制御装置60は、制御部61と記憶部62を備える。
【0019】
記憶部62には、口腔内測定装置1を動作させるための各種プログラムや、測定光学系40により取得された情報を含む各種データが格納される。
【0020】
制御部61は、記憶部62に格納された所定のプログラムに基づいて、装置本体10の動作を制御して口腔内の三次元形状を測定する。具体的に、制御部61は、モータ14を駆動して2つのアーム部12を回動させたり、モータ14に接続されたエンコーダ15からモータ14の駆動量(すなわち、2つのアーム部12の回動量)を取得したり、測定光学系40の動作を制御して口腔内の三次元形状を測定したりする。
【0021】
[口腔内測定装置の動作]
続いて、口腔内測定装置1の動作について説明する。
図3は、口腔内を形状測定する際の口腔内測定装置1の動作を説明するための図である。
【0022】
口腔内の形状測定時には、まず装置本体10が先端側から口腔内に挿入される。このとき、図3(a)に示すように、制御部61は、モータ14を駆動して2つのアーム部12を伸長状態から回動させ、2つのアーム部12の先端部を両奥歯に対向させる。そして、制御部61は、モータ14を駆動して2つのアーム部12を徐々に閉じつつ、手動により奥歯側から前歯側に向かって装置本体10を移動させて、2系統の測定光学系40により口腔内の左右両側の歯列を個別かつ同時に測定する。なお、口腔内で測定を行う方向は特に限定されず、2つのアーム部12を徐々に開きつつ前歯側から奥歯側に向かって測定を行ってもよい。
【0023】
このとき、制御部61は、2系統の測定光学系40の各々において、光源41から出射させて口腔内の歯Tで反射された光を受光センサー46で受光させ、この受光センサー46が受光した光学情報を取得する。制御部61は、受光センサー46から得られた情報に基づいて三次元の画像データを生成する。
こうして、2系統の測定光学系40が、口腔内のうち左側の測定位置L1、L2、…と、右側の測定位置R1、R2、…とを個別に測定した複数の画像データが得られる。このとき、隣接する測定位置での撮影範囲が互いに重なるように、画像データが生成される。
【0024】
次に、制御部61は、生成した複数の画像データを連結させる。このとき、制御部61は、隣接する測定位置での2つの画像データを、同じ特徴点を合致させるように繋ぎ合わせていき、複数の画像データを連結させる。画像の特徴点は、画像情報から歯Tを特定できるものであれば特に限定されず、例えば歯Tの凹凸部や外形などを利用できる。こうして、口腔内の歯列全体を表す1つの画像データが生成される。
【0025】
このように、本実施形態では、2系統の測定光学系40により個別に口腔内の形状が測定される。これにより、図3(b)に示すように、1系統の測定光学系40だけで口腔内全域を測定する場合に比べ、各測定光学系40での画像の演算回数(繋ぎ合わせ処理回数)を低減させ、これに伴い累積繋ぎ合わせ誤差を低減することができる。またこれにより、演算処理時間も短縮できる。
【0026】
なお、複数の画像データを繋ぎ合わせる場合に、画像の特徴点に加え、光照射位置データを位置補正用に用いてもよい。光照射位置データとは、2つのアーム部12先端の2箇所の光照射位置の位置関係についての情報である。制御部61は、当該光照射位置データを、各アーム部12での回動中心から光照射位置までの距離と、エンコーダ15から取得される2つのアーム部12の回動量(伸長状態からの回動角α)とに基づいて算出し、この回動量のときに取得された画像データと対応付けて記憶部62に記憶させる。各アーム部12での上記距離は、予め取得された計測値又は設計値である。そして、制御部61は、2系統の測定光学系40間で左右の歯列の画像データを繋ぎ合わせるときに、取得した光照射位置データに基づいて画像データの位置を補正する。これにより、より高精度な口腔全体の画像データを生成できる。
【0027】
[実施形態の技術的効果]
以上のように、本実施形態の口腔内測定装置1によれば、2系統の測定光学系40が口腔内のうち互いに異なる領域の形状を測定し、当該2系統の測定光学系40が取得した情報に基づいて口腔内の形状が算出される。
これにより、1系統の測定系だけで形状測定を行っていた従来に比べ、各測定光学系40での画像の演算回数を抑えて累積繋ぎ合わせ誤差を低減し、口腔内形状の測定精度を向上させることができる。
【0028】
また、本実施形態の口腔内測定装置1によれば、各画像データ内の特徴点と、2箇所の光照射位置の位置関係についての光照射位置データとに基づいて、複数の画像データが連結される。
これにより、より高精度な口腔全体の画像データを生成できる。
【0029】
また、本実施形態の口腔内測定装置1によれば、エンコーダ15から取得した2つのアーム部12の回動角αに基づいて、光照射位置データが算出される。
これにより、光照射位置データを好適に算出でき、ひいては、高精度な口腔全体の画像データを好適に生成できる。
【0030】
[変形例1]
続いて、本実施形態の第1の変形例に係る口腔内測定装置2について説明する。
本変形例の口腔内測定装置2は、装置本体の2つのアーム部が回動ではなく並進移動する点で上記実施形態の口腔内測定装置1と異なる。以下では、主にこの異なる点について説明し、上記実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図4は、口腔内測定装置2の装置本体20の構成を示す図である。
この図に示すように、口腔内測定装置2は、装置本体20を備える。
【0031】
装置本体20の内部には、口腔内を個別に三次元測定するための2つ(2系統)の測定光学系50が収容されている。
各測定光学系50は、光源51、ハーフミラー52、集光レンズ53、ミラー55、受光センサー56を含む。これらは、上記実施形態における光源41、ハーフミラー42、集光レンズ43、第2ミラー45、受光センサー46と同様に機能する。
【0032】
装置本体20は、ベース部21と、2つのアーム部22とを備える。
ベース部21は、装置本体20の幅方向(図4の上下方向)に沿ったレール23を備える。
2つのアーム部22は、各々が幅方向と直交する方向に延在した状態で、幅方向に並設されている。2つのアーム部22は、各々の基端部がレール23に連結されている。レール23は、2つのアーム部22が接離可能なように、当該2つのアーム部22を幅方向に移動可能に支持している。2つのアーム部22は、ベース部21に組み込まれたモータ24(図5参照)により、互いに同じ移動量だけ移動する。ただし、2つのアーム部22は別々のモータで個別に移動してもよい。
【0033】
2つのアーム部22の内部には、2系統の測定光学系50が個別に収容されている。具体的に、各アーム部22の内部には、受光センサー56、ハーフミラー52、集光レンズ53、ミラー55が、基端側から先端側に向かってこの順に直列に配列され、このうち、受光センサー56が基端部に、ミラー55が先端部に配置されている。光源51は、ハーフミラー52の側方に配置されている。
【0034】
図5は、口腔内測定装置2の概略の制御構成を示すブロック図である。
この図に示すように、口腔内測定装置2は、制御装置60を備える。
制御装置60は、図示しないケーブルを介して装置本体20と接続されており、ユーザ操作等に基づいて、口腔内測定装置1を中央制御する。具体的に、制御装置60は、制御部61と記憶部62を備える。
【0035】
制御装置60は、上記実施形態のものと同様に機能する。
ただし、本変形例における制御部61は、上記実施形態のモータ14に代えてモータ24を駆動して2つのアーム部22を移動させ、モータ24に接続されたエンコーダ25からモータ24の駆動量(すなわち、2つのアーム部22の移動量)を取得する。
【0036】
このように構成された口腔内測定装置2によっても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、画像データの位置補正用に用いる光照射位置データは、上記実施形態における2つのアーム部12の回動角αに代えて、エンコーダ25から取得される2つのアーム部22の移動量(中央位置からの移動距離D:図4参照)に基づいて算出すればよい。
【0037】
[変形例2]
続いて、上記実施形態の第2の変形例に係る口腔内測定装置1Aについて説明する。
図6(a)、(b)は、本変形例に係る口腔内測定装置1Aの装置本体10Aの構成を示す図である。
これらの図に示すように、口腔内測定装置1Aの装置本体10Aは、2つのアーム部12に代えて、2つのアーム部12Aを備える。
【0038】
2つのアーム部12Aの各々には、その先端部のうち回動方向外側の側面に、ガイド部材30が取り付けられている。各アーム部12Aは、その他の点については、上記実施形態におけるアーム部12と同様に構成されている。
ガイド部材30は、例えば人体への十分な安全性を有する柔軟な弾性体で構成されている。このガイド部材30を、口腔内の測定対象を含むその周辺の部位(例えば歯茎や口唇等)に接触させることで、2つのアーム部12Aの回動を含む装置本体10Aの移動を安定させ、ひいては、画像データの位置精度を向上させることができる。このとき、モータ14による駆動ではなく、口腔内の部位と接触したガイド部材30によってアーム部12Aが動かされるようにしてもよい。
なお、ガイド部材30は、測定対象を含むその周辺の部位と接触して装置本体10Aを安定させるものであればよく、その位置や形状は特に限定されない。
【0039】
また、図7(a)、(b)に示すように、上記第1の変形例における口腔内測定装置2にガイド部材30を設けてもよい。
このガイド部材30を設けた口腔内測定装置2Aの装置本体20Aでは、2つのアーム部22Aの幅方向外側の各側面に、当該ガイド部材30が配置されている。これにより、上記同様の効果を得ることができる。
【0040】
[その他]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態及びその変形例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0041】
例えば、上記実施形態及びその変形例では、可動部としての2つのアーム部がモータで駆動されることとしたが、当該2つのアーム部の可動は手動によるものであってもよい。
また、可動部の駆動手段(駆動機構)や、可動部の移動量を検出する検出手段は、モータやエンコーダに限定されない。
【0042】
また、本発明に係る可動部として、回動又は並進移動する2つのアーム部を例に挙げて説明したが、当該可動部は、2つの光照射位置を移動させるものであれば、その可動態様は特に限定されない。
さらに言えば、2系統の測定光学系を備えていれば、可動部を有していなくとも(2つのアーム部が可動しなくとも)よい。この場合、2つの光照射位置の位置関係についての光照射位置データは、予め計測等されて記憶部に記憶されていればよい。
【0043】
また、3系統以上の測定光学系を用いてもよい。例えば、上顎の歯列を測定する2系統と、下顎の歯列を測定する2系統との、4系統の測定光学系を用いてもよい。この場合、下顎用の2系統の測定光学系と、これを上下反転させた上顎用の2系統の測定光学系とを、装置本体内に上下に並設すればよい。
【0044】
また、複数の測定光学系は、個別に形状を測定可能であれば、互いに部品を共用してもよい。ただし、少なくとも光源は各測定光学系に設ける必要がある。
【符号の説明】
【0045】
1、1A、2、2A 口腔内測定装置
10、10A、20、20A 装置本体
12、12A、22、22A アーム部(可動部)
14、24 モータ
15、25 エンコーダ(検出手段)
30 ガイド部材
40、50 測定光学系
41、51 光源
42、52 ハーフミラー(光学素子)
43、53 集光レンズ(光学素子)
44 第1ミラー(光学素子)
45 第2ミラー(光学素子)
46、56 受光センサー
55 ミラー(光学素子)
60 制御装置(制御手段)
61 制御部
62 記憶部(記憶手段)
α (アーム部の)回動角
D (アーム部の)移動距離
T 歯(測定対象)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7