(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
B60R 16/037 20060101AFI20240319BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B60R16/037
B60R16/02 660B
(21)【出願番号】P 2020191869
(22)【出願日】2020-11-18
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 有華里
(72)【発明者】
【氏名】千葉 晋彦
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-001350(JP,A)
【文献】国際公開第2015/118658(WO,A1)
【文献】特開2017-100659(JP,A)
【文献】特開2019-182231(JP,A)
【文献】特開2008-308035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/037
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
車両に搭載される車載装置の設定を自動的に実行可能な自動設定機能であって、前記車両において実行可能な前記自動設定機能である少なくとも1つの第1の設定機能と、前記車両の運転者にあらかじめ対応付けられた前記自動設定機能である少なくとも1つの第2の設定機能と、のうちいずれか一方にのみ存在する前記自動設定機能があるか否かを判定するように構成された判定部(13)と、
前記少なくとも1つの第1の設定機能に対して設定を実行するように構成された設定部(14)と、
を備え
、
前記設定部は、前記判定部により前記少なくとも1つの第1の設定機能にのみ存在する前記自動設定機能があると判定された場合、かつ、当該自動設定機能が搭乗者の安全性に影響を与える自動設定機能である場合、当該自動設定機能に対して、前記車両が安全に走行するように設定を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記判定部によりいずれか一方にのみ存在する前記自動設定機能があると判定された場合、報知装置(50)に対して報知を実行させるように構成された報知制御部(15)を更に備える、情報処理装置。
【請求項3】
請求項
1又は請求項
2に記載の情報処理装置であって、
前記判定部により前記少なくとも1つの第1の設定機能にのみ存在する前記自動設定機能があると判定された場合、当該自動設定機能を使用することが許可されたか否かを判定するように構成された許可部(16)を更に備え、
前記設定部は、前記許可部により当該自動設定機能を使用することが許可されたと判定された場合、当該自動設定機能の使用を可能にするよう設定を実行する、情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置であって、
車両に搭載される車載装置の設定を自動的に実行可能な自動設定機能であって、前記車両において実行可能な前記自動設定機能である少なくとも1つの第1の設定機能と、前記車両の運転者にあらかじめ対応付けられた前記自動設定機能である少なくとも1つの第2の設定機能と、のうちいずれか一方にのみ存在する前記自動設定機能があるか否かを判定するように構成された判定部(13)と、
前記判定部によりいずれか一方にのみ存在する前記自動設定機能があると判定された場合、報知装置(50)に対して報知を実行させるように構成された報知制御部(15)と、
前記少なくとも1つの第1の設定機能に対して設定を実行するように構成された設定部と、
前記判定部により前記少なくとも1つの第1の設定機能にのみ存在する前記自動設定機能があると判定された場合、当該自動設定機能を使用することが許可されたか否かを判定するように構成された許可部(16)と、
を備え
、
前記設定部は、前記判定部により前記少なくとも1つの第1の設定機能にのみ存在する前記自動設定機能があると判定された場合、当該自動設定機能に対して、当該自動設定機能を使用しないように設定を実行し、前記許可部により当該自動設定機能を使用することが許可されたと判定された場合、当該自動設定機能の使用を可能にするよう設定を実行する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項
1から請求項4までのいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記設定部は、設定が実行されている間に、前記運転者により前記少なくとも1つの第1の設定機能に対し新たに設定が指示された場合、当該少なくとも1つの第1の設定機能に対する設定を中断し、前記運転者による指示に基づき設定を実行する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記少なくとも1つの第1の設定機能の設定状況が前記運転者により確認可能である、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記運転者からの要求に応じて、前記少なくとも1つの第1の設定機能の詳細情報を提供するように構成された詳細提供部(17)を更に備える、情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記運転者の過去の運転状況に基づいて、前記少なくとも1つの第1の設定機能のうちおすすめ機能を前記運転者に提示するように構成された提案部(18)を更に備える、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、運転者が入力した車載機器の設定情報をサーバに記憶しておき、その運転者が再び乗車した際に、サーバに記憶された設定情報に基づき自動で車載機器の設定をする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、以下の課題が見出された。すなわち、運転者がシェアリングカーに乗車する場合や、車両を買い換えた場合など、車両の車種や年式等が変わると、サーバに記憶された設定情報に係る車載機器と実際に乗車する車両における車載機器とが相違することがある。特許文献1に記載の技術では、このような場合、相違する車載機器について適切に設定されないことにより、運転者が違和感を覚える可能性がある。
【0005】
本開示の一局面は、運転者が乗車する車両が異なっても、運転者が違和感を覚えるのを抑制することができる情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、情報処理装置であって、判定部(13)と、報知制御部(15)と、を備える。判定部は、少なくとも1つの第1の設定機能と、少なくとも1つの第2の設定機能と、のうちいずれか一方にのみ存在する自動設定機能があるか否かを判定するように構成される。第1の設定機能とは、車両に搭載される車載装置の設定を自動的に実行可能な自動設定機能であって、車両において実行可能な自動設定機能である。第2の設定機能とは、車両の運転者にあらかじめ対応付づけられた自動設定機能である。報知制御部は、判定部によりいずれか一方にのみ存在する自動設定機能があると判定された場合、報知装置(50)に対して報知を実行させるように構成される。
【0007】
このような構成によれば、運転者が乗車する車両が異なっても、運転者が違和感を覚えるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態及び第2実施形態における情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】認証処理を説明するためのシーケンス図である。
【
図4】第1実施形態における報知処理のフローチャートである。
【
図5】第2実施形態における報知処理のフローチャートである。
【
図6】第3実施形態における情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図10】自動設定機能のグループ化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1及び
図2に示す情報処理システム1は、情報処理装置10と、携帯端末装置20と、サーバ装置30と、車載装置40と、報知装置50と、を備える。情報処理システム1は、運転者が車両に乗車したときに、運転者が前回車両に乗車したときと同じように車載装置40の設定を自動的に実行するためのシステムである。運転者が乗車する車両は、前回と同一の車両でもよいし、前回とは別の車両でもよい。
【0010】
情報処理装置10は、自動車などの車両に搭載され、車載装置40の設定が適切に行われない等、運転者が違和感を覚える状況の場合、運転者に報知するための装置である。以下、情報処理装置10が搭載される車両を自車両という。
【0011】
情報処理装置10は、図示しないCPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。CPUは、非遷移的実体的記録媒体であるROMに格納されたプログラムを実行する。当該プログラムが実行されることで、当該プログラムに対応する方法が実行される。具体的には、情報処理装置10は当該プログラムに従い、後述する
図3に示す認証処理、及び、後述する
図4,5に示す報知処理を実行する。なお、情報処理装置10は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。
【0012】
情報処理装置10は、CPUがプログラムを実行することで実現される機能ブロック、すなわち、仮想的な構成要素として、車載側認証部11と、車載側通信部12と、判定部13と、設定部14と、報知制御部15と、を備える。情報処理装置10に含まれる各部の機能を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の機能は、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は、デジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現されてもよい。
【0013】
車載側認証部11は、携帯端末装置20と近距離無線通信を行うように構成されている。また、車載側認証部11は、あらかじめ保持する認証情報と、携帯端末装置20から受信した認証情報と、を照合して運転者を特定するように構成されている。認証情報とは、運転者を識別するための情報である。車載側認証部11は、特定した運転者の認証情報を車載側通信部12に出力する。
【0014】
車載側通信部12は、サーバ装置30と無線通信を行うように構成されている。具体的には、車載側通信部12は、車載側認証部11から入力された認証情報をサーバ装置30に送信する。また、車載側通信部12は、後述する第2の設定機能の情報をサーバ装置30から受信する。車載側通信部12は、受信した第2の設定機能の情報を判定部13に出力する。
【0015】
また、車載側通信部12は、運転者が降車するときに、設定部14により設定された後述する第1の設定機能の情報をサーバ装置30に送信する。
判定部13は、第1の設定機能と、第2の設定機能とのうちいずれか一方にのみ存在する自動設定機能があるか否かを判定するように構成されている。ここで、自動設定機能とは、自車両に搭載される車載装置40の設定を自動的に実行可能な機能である。第1の設定機能とは、自車両において実行可能な自動設定機能である。第2の設定機能とは、自車両の運転者にあらかじめ対応付けられた自動設定機能である。あらかじめ対応付けられたとは、サーバ装置30により、運転者の認証情報と紐付けられている状態を意味する。
【0016】
設定部14は、第1の設定機能に対して設定を実行するように構成されている。
報知制御部15は、判定部13によりいずれか一方にのみ存在する自動設定機能があると判定された場合、報知装置50に対して報知を実行させるように構成されている。
【0017】
携帯端末装置20は、運転者が携帯する端末であって、運転者を特定するために用いられる装置である。
携帯端末装置20は、図示しないCPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。CPUは、非遷移的実体的記録媒体であるROMに格納されたプログラムを実行する。当該プログラムが実行されることで、当該プログラムに対応する方法が実行される。具体的には、携帯端末装置20は当該プログラムに従い、後述する
図3に示す認証処理を実行する。なお、情報処理装置10は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。
【0018】
携帯端末装置20は、CPUがプログラムを実行することで実現される機能ブロック、すなわち、仮想的な構成要素として、端末側認証部21を備える。携帯端末装置20に含まれる各部の機能を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の機能は、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は、デジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現されてもよい。
【0019】
端末側認証部21は、情報処理装置10と近距離無線通信を行うように構成されている。具体的には、端末側認証部21は、保持する認証情報を車載側認証部11に送信する。
サーバ装置30は、自車両の外部に設置されたサーバ装置であって、第2の設定機能の情報を記憶するための装置である。
【0020】
サーバ装置30は、図示しないCPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。CPUは、非遷移的実体的記録媒体であるROMに格納されたプログラムを実行する。当該プログラムが実行されることで、当該プログラムに対応する方法が実行される。具体的には、サーバ装置30は当該プログラムに従い、後述する
図3に示す認証処理を実行する。なお、サーバ装置30は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。
【0021】
サーバ装置30は、CPUがプログラムを実行することで実現される機能ブロック、すなわち、仮想的な構成要素として、サーバ側通信部31と、保持部32と、を備える。サーバ装置30に含まれる各部の機能を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の機能は、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は、デジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現されてもよい。
【0022】
サーバ側通信部31は、情報処理装置10と無線通信を行うように構成されている。具体的には、サーバ側通信部31は、認証情報を車載側通信部12から受信する。また、サーバ側通信部31は、保持部32に保持されている自動設定機能のうち、認証情報に紐づく第2の設定機能の情報を選択し、車載側通信部12に送信する。
【0023】
また、サーバ側通信部31は、運転者が降車するときに、車載側通信部12から第1の設定機能の情報を受信する。サーバ側通信部31は、受信した第1の設定機能の情報を運転者の認証情報と紐付けて第2の設定機能として保持部32に保持させる。
【0024】
保持部32は、運転者の認証情報と紐付けられた第2の設定機能の情報を保持するための記録媒体である。保持するとは、外部から記憶情報の書き換え操作を行わない限り、記憶情報が永続的に維持されることを意味する。
【0025】
車載装置40は、設定部14により設定が実行される機器である。例えば、車載装置40には、座席やステアリングホイールのドライビングポジションを定める機器、車内の空調を制御する空調機器、車両位置を案内するナビゲーション機器、音を出力するオーディオ機器などが含まれる。
【0026】
報知装置50は、運転者に報知するための装置である。例えば、スピーカ、メータ、CIDなどが含まれる。報知装置50は、報知制御部15からの入力に基づき、報知を実行する。なお、CIDは、Center Infomation Displayの略である。
【0027】
[1-2.処理]
[1-2-1.認証処理]
運転者が自車両に乗車した場合における認証処理を、
図3のシーケンス図を用いて説明する。
【0028】
まず、S10で、情報処理装置10の電源がオンされると、情報処理装置10と携帯端末装置20とは無線通信を開始する。
続いて、S11で、情報処理装置10は、携帯端末装置20に、運転者の認証情報を送信するよう要求する。
【0029】
携帯端末装置20は、情報処理装置10から運転者の認証情報を送信するよう要求されると、S12で、情報処理装置10に、運転者の認証情報を送信する。
情報処理装置10は、携帯端末装置20から運転者の認証情報を受信すると、S13で、あらかじめ保持する運転者の認証情報と、携帯端末装置20により送信された運転者の認証情報とを照合し、運転者を特定する。
【0030】
情報処理装置10は、S13で、運転者の特定が完了すると、S14で、サーバ装置30と無線通信を行い、運転者を特定する認証情報をサーバ装置30に送信する。なお、運転者を特定する認証情報は、情報処理装置10があらかじめ保持する運転者の認証情報でもよいし、携帯端末装置20により送信された運転者の認証情報でもよい。また、この2つの認証情報とは別の認証情報が用いられてもよい。
【0031】
サーバ装置30は、情報処理装置10から認証情報を受信すると、S15で、認証情報が特定する運転者に対応付けられた第2の設定機能の情報を情報処理装置10に送信する。つまり、サーバ装置30は、前回運転者が乗車したときにおける、第1の設定機能の情報を情報処理装置10に送信する。
情報処理装置10は、サーバ装置30から第2の設定機能の情報を受信すると、S16で、後述する報知処理を実行する。
【0032】
[1-2-2.報知処理]
情報処理装置10が実行する報知処理について、
図4のフローチャートを用いて説明する。報知処理は、サーバ装置30から第2の設定機能の情報を受信したときに実行される。
【0033】
まず、S101で、情報処理装置10は、第1の設定機能と第2の設定機能とのうちいずれか一方にのみ存在する自動設定機能があるか否かを判定する。つまり、情報処理装置10は、第1の設定機能と第2の設定機能とにおいて、自動設定機能の種別について全て一致するか否かを判定する。
【0034】
情報処理装置10は、S101で、第1の設定機能と第2の設定機能とにおいて、自動設定機能の種別について全て一致していると判定した場合、S102へ移行する。つまり、情報処理装置10は、第1の設定機能と第2の設定機能とのうちいずれか一方にのみ存在する自動設定機能がないと判定した場合、S102へ移行する。
【0035】
S102で、情報処理装置10は、第1の設定機能と第2の設定機能とにおける対応する自動設定機能のそれぞれについて、設定値の分解能が等しいか否かを判定する。設定値の分解能とは、設定可能な設定値の段階の精度を意味する。例えば、情報処理装置10は、ACCについて、先行車両との車間距離における設定値の段階の精度が等しいか否かを判定する。S102は、第1の設定機能の数だけ処理が繰り返される。なお、ACCとは、Adaptive Cruise Controlの略である。
【0036】
S102で、情報処理装置10は、第1の設定機能のうちのいずれか1つでも設定値の分解能が等しくないと判定した場合、S103に移行する。
情報処理装置10は、S103で、設定値の分解能が等しくない機能について、安全側に設定する。安全側に設定するとは、自車両が安全に走行するように設定を実行することを意味する。例えば、ACCにおいて、先行車両との車間距離の設定値の分解能が、第1の設定機能と第2の設定機能とにおいて異なる場合、第1の設定機能において車間距離の設定値が最大となるように設定する。その後、情報処理装置10は、S104に移行する。
【0037】
なお、情報処理装置10は、設定値の分解能が等しくない機能について、第2の設定機能の設定値と近い近似値を第1の設定機能に設定してもよい。
一方、S102で、情報処理装置10は、設定値の分解能が等しいと判定した場合、S103をスキップし、S104に移行する。
【0038】
情報処理装置10は、S104で、第1の設定機能の設定を実行する。具体的には、情報処理装置10は、S102で設定値の分解能が等しいと判定された自動設定機能について、第1の設定機能に、第2の設定機能の設定値を設定する。
【0039】
一方、S101で、情報処理装置10は、第1の設定機能と第2の設定機能とのうちいずれか一方にのみ存在する自動設定機能があると判定した場合、S105へ移行する。つまり、情報処理装置10は、第1の設定機能と第2の設定機能とにおいて、自動設定機能の種別について一致していない自動設定機能があると判定した場合、S105へ移行する。
【0040】
情報処理装置10は、S105で、いずれか一方にのみ存在する自動設定機能について、報知装置50に対して報知を実行させる。具体的には、情報処理装置10は、スピーカに対して「対応していない機能があります」等と音声を出力させるよう制御する。また、情報処理装置10は、メータに対して「対応していない機能があります」等と文字を表示させるよう制御する。また、情報処理装置10は、CIDに対して自動設定機能を一覧で表示させるよう制御する。この際、CID上では、対応していない自動設定機能については、黒枠で囲い目立つように表示させてもよい。
【0041】
続いて、情報処理装置10は、S106で、第2の設定機能でオンの自動設定機能が第1の設定機能において不足しているか否かを判定する。具体的には、情報処理装置10は、第2の設定機能でオンが設定されている自動設定機能について、第1の設定機能には存在しない自動設定機能であるか否かを判定する。S106は、S101で一致していないと判定された自動設定機能の数だけ繰り返される。
【0042】
なお、S106は、第2の設定機能が、搭乗者の安全性に影響を与える自動設定機能である場合、実行されることとしてもよい。具体的には、第2の設定機能が、安全支援システムに関する自動設定機能である場合、S106が実行されることとしてもよい。
【0043】
S106で、情報処理装置10は、第2の設定機能でオンの自動設定機能が第1の設定機能において不足していると判定した場合、S107へ移行する。
情報処理装置10は、S107で、第1の設定機能に不足していると判定された自動設定機能について、通知を強調する。具体的には、情報処理装置10は、スピーカに対して「〇〇機能が使用できません」等と音声を出力させるよう制御する。また、情報処理装置10は、メータに対して「〇〇機能が使用できません」等と文字を表示させるよう制御する。また、情報処理装置10は、CIDに対して「〇〇機能が使用できません」等とポップアップを表示させるよう制御する。その後、情報処理装置10は、S104に移行する。
【0044】
一方、S106で、情報処理装置10は、第2の設定機能でオンの自動設定機能が第1の設定機能において不足していないと判定した場合、S108へ移行する。
情報処理装置10は、S108で、第2の設定機能でオンの自動設定機能について、対応する第1の設定機能をオンに設定する。
【0045】
続いて、S104で、情報処理装置10は、S108で設定していない第1の設定機能について設定をする。その後、本報知処理を終了する。
[1-3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0046】
(1a)第1実施形態では、情報処理装置10は、第1の設定機能と、第2の設定機能と、のうちいずれか一方にのみ存在する自動設定機能があるか否かを判定する。そして、情報処理装置10は、いずれか一方にのみ存在する自動設定機能があると判定した場合、報知装置50に対して報知を実行させる。このような構成によれば、運転者が乗車する車両が異なる等、第1の設定機能と第2の設定機能とにずれが生じる場合、報知により運転者に喚起される。よって、運転者が乗車する車両が異なった場合でも報知せずに自動的に第1の設定機能を設定する構成と比較して、運転者が違和感を覚えるのを抑制することができる。
【0047】
(1b)第1実施形態では、情報処理装置10は、第1の設定機能と第2の設定機能とにおける対応する自動設定機能のそれぞれについて、設定値の分解能が等しいかを判定する。そして、情報処理装置10は、分解能が等しくない自動設定機能に対して、自車両が安全に走行するように設定を実行する。このような構成によれば、運転者が乗車する車両が異なっても、安全に走行することができる。
【0048】
(1c)第1実施形態では、第1の設定機能の設定状況が運転者により確認可能である。このような構成によれば、運転者が第1の設定機能の設定状況を容易に確認できるため、利便性を向上させることができる。
【0049】
なお、第1実施形態では、S101,S102,S106が判定部13としての処理に相当し、S103,S104,S108が設定部14としての処理に相当し、S105,S107が報知制御部15としての処理に相当する。
【0050】
[2.第2実施形態]
[2-1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成及び処理は第1実施形態と同様であるため、共通する構成及び処理については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0051】
第1実施形態では、
図4に示す報知処理が実行されたが、第2実施形態では、
図5に示す報知処理が実行される。
[2-2.報知処理]
情報処理装置10が実行する報知処理について、
図5のフローチャートを用いて説明する。報知処理は、サーバ装置30から運転者に対応付けられた第2の設定機能を受信したときに実行される。
【0052】
まず、S201で、情報処理装置10は、第1の設定機能と第2の設定機能とのうちいずれか一方にのみ存在する自動設定機能があるか否かを判定する。つまり、情報処理装置10は、第1の設定機能と第2の設定機能とにおいて、自動設定機能の種別について全て一致するか否かを判定する。
【0053】
情報処理装置10は、S201で、第1の設定機能と第2の設定機能とが全て一致していると判定した場合、S202へ移行する。
S202で、情報処理装置10は、第2の設定機能に設定されている設定値を第1の設定機能に設定する。その後、本報知処理を終了する。
【0054】
一方、情報処理装置10は、S201で、第1の設定機能と第2の設定機能とのうちいずれか一方にのみ存在する自動設定機能があると判定した場合、S203へ移行する。
S203で、情報処理装置10は、いずれか一方にのみ存在する自動設定機能について、報知装置50に対して報知を実行させる。
【0055】
続いて、S204で、情報処理装置10は、新規機能が存在するか否かを判定する。新規機能とは、第1の設定機能には存在するが、第2の設定機能には存在しない自動設定機能のことである。つまり、情報処理装置10は、第1の設定機能の中に、第2の設定機能には存在しない自動設定機能があるか否かを判定する。
【0056】
情報処理装置10は、S204で、新規機能が存在すると判定した場合、S205に移行し、新規機能を使用しないように設定する。新規機能を使用しないように設定するとは、新規機能をオフに設定することを意味する。
【0057】
一方、情報処理装置10は、S204で、新規機能が存在しないと判定した場合、S205をスキップし、S202に移行する。その後、情報処理装置10は、本報知処理を終了する。
【0058】
[2-3.効果]
(2a)第2実施形態では、情報処理装置10は、第1の設定機能にのみ存在する自動設定機能があると判定した場合、当該自動設定機能に対して、当該自動設定機能を使用しないように設定を実行する。このような構成によれば、運転者が把握していない自動設定機能についてオンされることがなく、運転者が違和感を覚えるのを抑制することができる。
【0059】
なお、第2実施形態では、S201,S204が判定部13としての処理に相当し、S202,S205が設定部14としての処理に相当し、S203が報知制御部15としての処理に相当する。
【0060】
[3.第3実施形態]
[3-1.第1実施形態との相違点]
第3実施形態は、基本的な構成及び処理は第1実施形態と同様であるため、共通する構成及び処理については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0061】
第3実施形態では、
図6に示すように、情報処理装置10は、CPUがプログラムを実行することで実現される機能ブロック、すなわち、仮想的な構成要素として、許可部16と、詳細提供部17と、提案部18と、を備える。また、第3実施形態の設定部14は、第1の設定機能に対して設定を実行するとともに、後述する中断実行処理も実行する。
【0062】
設定部14は、設定が実行されている間に、運転者により第1の設定機能に対し新たに設定が指示された場合、当該第1の設定機能に対する設定を中断し、運転者による指示に基づき設定を実行するように構成されている。
【0063】
許可部16は、判定部13により少なくとも1つの第1の設定機能にのみ存在する自動設定機能があると判定された場合、当該自動設定機能を使用することが許可されたか否かを判定するように構成されている。許可部16により当該自動設定機能を使用することが許可されたと判定された場合、設定部14が、当該自動設定機能についてオンを設定する。
【0064】
詳細提供部17は、運転者からの要求に応じて、第1の設定機能の詳細情報を提供するように構成されている。
提案部18は、運転者の過去の運転状況に基づいて、第1の設定機能のうちおすすめ機能を運転者に提示するように構成されている。運転者の過去の運転状況は、判定部13により判定された、第1の設定機能と第2の設定機能との一致、不一致の結果に基づいていてもよい。具体的には、情報処理装置10は、第2の設定機能でオンとなっている自動設定機能と同じグループに属する他の自動設定機能を運転者に提示してもよい。また、情報処理装置10は、第2の設定機能でオンとなっている自動設定機能と同じグループに属する他の自動設定機能であって、新規機能に該当する自動設定機能を運転者に提示してもよい。
【0065】
[3-2.許可実行処理]
情報処理装置10が実行する許可実行処理について、
図7のフローチャートを用いて説明する。許可実行処理は、アクセサリスイッチがオンである間、繰り返し実行される。
【0066】
まず、S301で、情報処理装置10は、第1の設定機能にのみ存在する自動設定機能について、当該自動設定機能を使用することが許可されたか否かを判定する。例えば、情報処理装置10は、CID上で当該自動設定機能について許可のボタンが押下されたと判定した場合、当該自動設定機能を使用することが許可されたと判定する。
【0067】
情報処理装置10は、S301で、第1の設定機能にのみ存在する自動設定機能について、当該自動設定機能を使用することが許可されたと判定した場合、S302へ移行する。
S302で、情報処理装置10は、S302で使用することが許可されたと判定された自動設定機能について、オンを設定する。その後、本許可実行処理を終了する。
【0068】
一方、情報処理装置10は、S301で、第1の設定機能にのみ存在する自動設定機能について、当該自動設定機能を使用することが許可されていないと判定した場合、S302をスキップし、本許可実行処理を終了する。
【0069】
なお、本許可実行処理は、第1実施形態の報知処理において、S105の後に実行されてもよい。例えば、S301で、情報処理装置10は、CID上で、対応していない自動設定機能についてポップアップを表示させ、ポップアップに表示された許可のボタンが押下された場合、当該自動設定機能を使用することが許可されたと判定してもよい。なお、ポップアップは、一定時間経過後、非表示とすることとし、その後S106へ処理が続くこととしてもよい。
【0070】
[3-3.中断実行処理]
情報処理装置10が実行する中断実行処理について、
図8のフローチャートを用いて説明する。中断実行処理は、アクセサリスイッチがオンである間、繰り返し実行される。
【0071】
まず、S401で、情報処理装置10は、第1の設定機能について、自動で設定が実行されている間に、運転者により第1の設定機能に対し新たに設定が指示されたか否かを判定する。例えば、ACCにおいて自動的に所定の速度に加速中に、運転者により設定値が変更された場合、運転者により第1の設定機能に対し新たに設定が指示されたと判定する。
【0072】
S401で、情報処理装置10は、運転者により第1の設定機能に対し新たに設定が指示されたと判定した場合、S402へ移行する。
情報処理装置10は、S402で、自動で実行されている第1の設定機能に対する設定を中断し、運転者による指示に基づき設定を実行する。その後、本中断実行処理を終了する。
【0073】
一方、S401で、情報処理装置10は、運転者により第1の設定機能に対し新たに設定が指示されていないと判定した場合、S402をスキップし、本中断実行処理を終了する。
【0074】
[3-4.提案処理]
情報処理装置10が実行する提案処理について、
図9のフローチャートを用いて説明する。提案処理は、アクセサリスイッチがオンである間、繰り返し実行される。
【0075】
まず、S501で、情報処理装置10は、運転者から詳細情報の提供の要求があったか否かを判定する。例えば、情報処理装置10は、CIDに表示された自動設定機能のポップアップの詳細ボタンが押下されたと判定した場合、運転者から詳細情報の提供の要求があったと判定する。また例えば、情報処理装置10は、「〇〇機能について詳しく知りたい」という運転者の音声を検知したと判定した場合、運転者から詳細情報の提供の要求があったと判定する。
【0076】
S501で、情報処理装置10は、運転者から詳細情報の提供の要求があったと判定した場合、S502へ移行し、詳細情報を提供する。
一方、S501で、情報処理装置10は、運転者から詳細情報の提供の要求がなかったと判定した場合、S502をスキップする。
【0077】
続いて、S503で、情報処理装置10は、運転者の過去の運転状況に基づいて、第1の設定機能のうちおすすめ機能を運転者に提示する。
例えば、
図10に示すように、情報処理装置10は、あらかじめ分類された自動設定機能のグループに基づいて、第1の設定機能のうちおすすめ機能を運転者に提示する。例えば、情報処理装置10は、スピーカに対して「〇〇機能を使用してみませんか?」等と音声を出力させるよう制御する。
【0078】
[3-5.効果]
(3a)第3実施形態では、情報処理装置10は、第1の設定機能にのみ存在する自動設定機能があると判定された場合、当該自動設定機能を使用することが許可されたか否かを判定する。そして、情報処理装置10は、当該自動設定機能を使用することが許可されたと判定した場合、当該自動設定機能の使用を可能にするよう設定を実行する。このような構成によれば、情報処理装置10は、運転者により使用が許可されるまでは当該自動設定機能を実行しない。よって、運転者が把握していない自動設定機能についてオンされることがなく、運転者が違和感を覚えるのを抑制することができる。
【0079】
(3b)第3実施形態では、情報処理装置10は、自動的に設定が実行されている間に、運転者により第1の設定機能に対し新たに設定が指示された場合、第1の設定機能に対する設定を中断し、運転者による指示に基づき設定を実行する。このような構成によれば、自動で設定中であっても運転者が手動で設定できないということがなく、利便性を向上させることができる。
【0080】
(3c)第3実施形態では、情報処理装置10は、運転者からの要求に応じて、第1の設定機能の詳細情報を提供する。このような構成によれば、運転者が自動設定機能の詳細を容易に知ることができる。
【0081】
(3d)第3実施形態では、情報処理装置10は、運転者の過去の運転状況に基づいて、第1の設定機能のうちおすすめ機能を運転者に提示する。このような構成によれば、運転者の好みを加味して自動設定機能を提示できる。よって、運転者が快適に運転をしやすくなる。
【0082】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0083】
(3a)上記実施形態では、情報処理装置10は、認証処理において、携帯端末装置20から受信した運転者の認証情報を照合することで、運転者を特定した。しかし、運転者を特定する方法はこれに限定されるものではない。例えば、乗車した運転者を車載のカメラで撮影し、あらかじめ保持する運転者の画像データと照合することで、運転者を特定してもよい。
【0084】
(3b)上記実施形態では、情報処理装置10において、第1の設定機能と第2の設定機能とのうちいずれか一方にのみ存在する自動設定機能があるか否かが判定された。しかし、例えば、サーバ装置30において、第1の設定機能と第2の設定機能とのうちいずれか一方にのみ存在する自動設定機能があるか否かが判定されてもよい。この場合、S101,S201の処理がサーバ装置30にて実行される。情報処理装置10は、認証情報と併せて、第1の設定機能についてもサーバ装置30に送信する。サーバ装置30は、一致した自動設定機能の情報と、一致しなかった自動設定機能の情報とを情報処理装置10に送信する。また、サーバ装置30は、一致した自動設定機能については、設定値についても情報処理装置10に送信する。
【0085】
(3c)上記第1実施形態では、情報処理装置10は、S101で、第1の設定機能と第2の設定機能とのうちいずれか一方にのみ存在する自動設定機能がないと判定した場合、S102で、第1の設定機能と第2の設定機能とにおける対応する自動設定機能のそれぞれについて、設定値の分解能が等しいか否かを判定した。しかし、例えば、第1の設定機能と第2の設定機能とのうちいずれか一方にのみ存在する自動設定機能がある場合であっても、一致した機能についてS102の処理を実行してもよい。
【0086】
(3d)第2実施形態における情報処理装置10が、許可部16、詳細提供部17及び提案部18のうちの少なくとも1つを備えてもよい。また、第2実施形態における情報処理装置10が、第3実施形態における設定部14を備えてもよい。
【0087】
(3e)第3実施形態の提案処理において、情報処理装置10は、第2の設定機能でオンとなっている自動設定機能と同じグループに属する他の自動設定機能を運転者に提示した。しかし、例えば、情報処理装置10は、運転者の操作に基づき、運転者の操作をアシストできる自動設定機能を運転者に提示してもよい。
【0088】
(3f)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【0089】
(3g)本開示は、前述した情報処理装置10の他、当該情報処理装置10を構成要素とするシステム、当該情報処理装置10としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体、報知方法など、種々の形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0090】
1…情報処理システム、10…情報処理装置、13…判定部、15…報知制御部、50…報知装置。