(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】フォークリフト用操作端末、フォークリフト用操作システム、及びフォークリフト用操作プログラム
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20240319BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20240319BHJP
【FI】
B66F9/24 A
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2020217726
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小野 琢磨
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-166458(JP,A)
【文献】特開2005-170579(JP,A)
【文献】特開2019-167213(JP,A)
【文献】特開2016-093125(JP,A)
【文献】米国特許第05646844(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/24
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフォークリフトのそれぞれを示す情報を表示可能な表示部と、
前記複数のフォークリフトそれぞれの識別情報を記憶した記憶部と、
前記表示部に表示された前記複数のフォークリフトから、1つのフォークリフトを選択する選択部と、
前記複数のフォークリフトに情報を送信可能な送信機と、
前記選択部で選択された前記フォークリフトに対する走行指令であって当該フォークリフトを目標位置まで自動で走行させるための走行指令、及び前記選択部で選択された前記フォークリフトの識別情報を含む走行指令情報を生成する走行指令生成部と、
前記走行指令情報を前記送信機から送信する走行指令送信部と、
前記選択部で選択された前記フォークリフトに対する荷役指令であって当該フォークリフトが荷役作業を自動で行う対象となる荷役対象を指示する荷役指令、及び前記選択部で選択された前記フォークリフトの識別情報を含む荷役指令情報を生成する荷役指令生成部と、
前記荷役指令情報を前記送信機から送信する荷役指令送信部と、を備えるフォークリフト用操作端末。
【請求項2】
前記表示部に関する制御を行う表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記目標位置を設定可能な目標位置設定領域と、前記荷役対象を選択可能な荷役対象選択領域との両方を前記表示部に表示する請求項1に記載のフォークリフト用操作端末。
【請求項3】
複数のフォークリフトと、
前記複数のフォークリフトを操作するフォークリフト用操作端末と、を備えるフォークリフト用操作システムであって、
前記複数のフォークリフトのそれぞれは、
地図情報を記憶した地図情報記憶部と、
前記地図情報で表される地図上での自己位置を推定する自己位置推定部と、
前記地図情報で表される地図上での目標位置まで前記フォークリフトを自動で走行させる走行制御部と、
荷役対象の位置を検出するための位置検出部と、
前記荷役対象に対して前記フォークリフトに自動で荷役作業を行わせる荷役制御部と、
前記フォークリフト用操作端末から送信される情報を受信する受信機と、を備え、
前記フォークリフト用操作端末は、
前記複数のフォークリフトのそれぞれを示す情報を表示可能な表示部と、
前記複数のフォークリフトそれぞれの識別情報を記憶した記憶部と、
前記表示部に表示された前記複数のフォークリフトから、1つのフォークリフトを選択する選択部と、
前記複数のフォークリフトに情報を送信可能な送信機と、
前記選択部で選択された前記フォークリフトに対して前記目標位置を指示する走行指令、及び前記選択部で選択された前記フォークリフトの識別情報を含む走行指令情報を生成する走行指令生成部と、
前記走行指令情報を前記送信機から送信する走行指令送信部と、
前記選択部で選択された前記フォークリフトに対して前記荷役対象を指示する荷役指令、及び前記選択部で選択された前記フォークリフトの識別情報を含む荷役指令情報を生成する荷役指令生成部と、
前記荷役指令情報を前記送信機から送信する荷役指令送信部と、を備えるフォークリフト用操作システム。
【請求項4】
複数のフォークリフトのそれぞれを示す情報を表示可能な表示部と、前記複数のフォークリフトそれぞれの識別情報を記憶した記憶部と、前記表示部に表示された前記複数のフォークリフトから、1つのフォークリフトを選択する選択部と、前記複数のフォークリフトに情報を送信可能な送信機と、を備えたフォークリフト用操作端末で実行されるフォークリフト用操作プログラムであって、
前記フォークリフト用操作プログラムは、
前記選択部で選択された前記フォークリフトに対する走行指令であって当該フォークリフトを目標位置まで自動で走行させるための走行指令、及び前記選択部で選択された前記フォークリフトの識別情報を含む走行指令情報を生成するステップと、
前記走行指令情報を前記送信機から送信するステップと、
前記選択部で選択された前記フォークリフトに対する荷役指令であって当該フォークリフトが荷役作業を自動で行う対象となる荷役対象を指示する荷役指令、及び前記選択部で選択された前記フォークリフトの識別情報を含む荷役指令情報を生成するステップと、
前記荷役指令情報を前記送信機から送信するステップと、を前記フォークリフト用操作端末に実行させるフォークリフト用操作プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フォークリフト用操作端末、フォークリフト用操作システム、及びフォークリフト用操作プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示のフォークリフト用操作システムは、複数のフォークリフトと、フォークリフトを操作するフォークリフト用操作端末と、を備える。フォークリフトが用いられる作業場には、誘導標識が設けられている。フォークリフトは、カメラを備える。カメラは、誘導標識を撮像する。フォークリフトは、誘導標識によって誘導されながら、予め定められた経路を走行する。フォークリフト用操作端末は、表示部と、フォークリフトを操作する操作部と、操作部の操作に応じてフォークリフトに指令を送信する送信部と、を備える。表示部には、カメラによって撮像された画像が表示される。フォークリフト用操作端末の操作者は、表示部を視認しながら操作部を操作することで、フォークリフトに荷役作業を行わせることができる。フォークリフトは、予め定められた経路を走行するため、フォークリフトの走行は自動で行われる。フォークリフト用操作端末の操作者は、フォークリフトに荷役作業を行わせる際に操作部を操作すればよく、複数のフォークリフトを操作することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のフォークリフト用操作システムでは、フォークリフトに荷役作業を行わせる際に、操作者が操作部を操作して、フォークリフトを操縦する必要がある。操作者が操作部を操作している間は、荷役作業を行っているフォークリフトとは異なるフォークリフトを操作することができない。このため、作業効率が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するフォークリフト用操作端末は、複数のフォークリフトのそれぞれを示す情報を表示可能な表示部と、前記複数のフォークリフトそれぞれの識別情報を記憶した記憶部と、前記表示部に表示された前記複数のフォークリフトから、1つのフォークリフトを選択する選択部と、前記複数のフォークリフトに情報を送信可能な送信機と、前記選択部で選択された前記フォークリフトに対する走行指令であって当該フォークリフトを目標位置まで自動で走行させるための走行指令、及び前記選択部で選択された前記フォークリフトの識別情報を含む走行指令情報を生成する走行指令生成部と、前記走行指令情報を前記送信機から送信する走行指令送信部と、前記選択部で選択された前記フォークリフトに対する荷役指令であって当該フォークリフトが荷役作業を自動で行う対象となる荷役対象を指示する荷役指令、及び前記選択部で選択された前記フォークリフトの識別情報を含む荷役指令情報を生成する荷役指令生成部と、前記荷役指令情報を前記送信機から送信する荷役指令送信部と、を備える。
【0006】
フォークリフト用操作端末は、識別情報を含む走行指令情報を送信することで、複数のフォークリフトに個別に走行指令情報を送信することが可能である。フォークリフト用操作端末は、識別情報を含む荷役指令情報を送信することで、複数のフォークリフトに個別に荷役指令情報を送信することが可能である。走行指令情報の送信により、フォークリフトは自動で走行を行う。荷役指令情報の送信により、フォークリフトは自動で荷役作業を行う。フォークリフトが自動で走行している間や、フォークリフトが自動で荷役作業を行っている間に、操作者はフォークリフト用操作端末の操作により走行指令情報の送信や荷役指令情報の送信を行うことができる。これにより、複数のフォークリフトを同時に動作させることができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0007】
上記フォークリフト用操作端末について、前記表示部に関する制御を行う表示制御部を備え、前記表示制御部は、前記目標位置を設定可能な目標位置設定領域と、前記荷役対象を選択可能な荷役対象選択領域との両方を前記表示部に表示してもよい。
【0008】
操作者が、目標位置の設定と、フォークリフトが荷役作業を行う対象となる荷役対象の選択とを行いやすい。
上記課題を解決するフォークリフト用操作システムは、複数のフォークリフトと、前記複数のフォークリフトを操作するフォークリフト用操作端末と、を備えるフォークリフト用操作システムであって、前記複数のフォークリフトのそれぞれは、地図情報を記憶した地図情報記憶部と、前記地図情報で表される地図上での自己位置を推定する自己位置推定部と、前記地図情報で表される地図上での目標位置まで前記フォークリフトを自動で走行させる走行制御部と、荷役対象の位置を検出するための位置検出部と、前記荷役対象に対して前記フォークリフトに自動で荷役作業を行わせる荷役制御部と、前記フォークリフト用操作端末から送信される情報を受信する受信機と、を備え、前記フォークリフト用操作端末は、前記複数のフォークリフトのそれぞれを示す情報を表示可能な表示部と、前記複数のフォークリフトそれぞれの識別情報を記憶した記憶部と、前記表示部に表示された前記複数のフォークリフトから、1つのフォークリフトを選択する選択部と、前記複数のフォークリフトに情報を送信可能な送信機と、前記選択部で選択された前記フォークリフトに対して前記目標位置を指示する走行指令、及び前記選択部で選択された前記フォークリフトの識別情報を含む走行指令情報を生成する走行指令生成部と、前記走行指令情報を前記送信機から送信する走行指令送信部と、前記選択部で選択された前記フォークリフトに対して前記荷役対象を指示する荷役指令、及び前記選択部で選択された前記フォークリフトの識別情報を含む荷役指令情報を生成する荷役指令生成部と、前記荷役指令情報を前記送信機から送信する荷役指令送信部と、を備える。
【0009】
複数のフォークリフトを同時に動作させることができ、作業効率の向上を図ることができる。
上記課題を解決するフォークリフト用操作プログラムは、複数のフォークリフトのそれぞれを示す情報を表示可能な表示部と、前記複数のフォークリフトそれぞれの識別情報を記憶した記憶部と、前記表示部に表示された前記複数のフォークリフトから、1つのフォークリフトを選択する選択部と、前記複数のフォークリフトに情報を送信可能な送信機と、を備えたフォークリフト用操作端末で実行されるフォークリフト用操作プログラムであって、前記フォークリフト用操作プログラムは、前記選択部で選択された前記フォークリフトに対する走行指令であって当該フォークリフトを目標位置まで自動で走行させるための走行指令、及び前記選択部で選択された前記フォークリフトの識別情報を含む走行指令情報を生成するステップと、前記走行指令情報を前記送信機から送信するステップと、前記選択部で選択された前記フォークリフトに対する荷役指令であって当該フォークリフトが荷役作業を自動で行う対象となる荷役対象を指示する荷役指令、及び前記選択部で選択された前記フォークリフトの識別情報を含む荷役指令情報を生成するステップと、前記荷役指令情報を前記送信機から送信するステップと、を前記フォークリフト用操作端末に実行させる。
【0010】
複数のフォークリフトを同時に動作させることができ、作業効率の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態のフォークリフト用操作システムが用いられる作業場を模式的に示す図。
【
図2】第1実施形態のフォークリフトを示す側面図。
【
図3】第1実施形態のフォークリフト用操作システムを示す概略構成図。
【
図4】第1実施形態においてフォークリフトで行われる定常処理を示すフローチャート。
【
図5】第1実施形態においてフォークリフト用操作端末で行われる表示処理を示すフローチャート。
【
図6】第1実施形態のフォークリフト用操作端末の表示部を示す図。
【
図7】第1実施形態においてフォークリフト用操作端末で行われる走行指令処理を示すフローチャート。
【
図8】第1実施形態においてフォークリフトで行われる走行処理を示すフローチャート。
【
図9】第1実施形態においてフォークリフト用操作端末で行われる荷役指令処理を示すフローチャート。
【
図10】第1実施形態においてフォークリフトで行われる荷役処理を示すフローチャート。
【
図11】第1実施形態の作用について説明するためのタイムチャート。
【
図12】第2実施形態においてフォークリフトで行われる定常処理を示すフローチャート。
【
図13】第2実施形態においてフォークリフト用操作端末で行われる表示処理を示すフローチャート。
【
図14】第2実施形態においてフォークリフト用操作端末で行われる荷役指令処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
フォークリフト用操作端末、フォークリフト用操作システム、及びフォークリフト用操作プログラムの第1実施形態について説明する。
【0014】
図1に示すように、フォークリフト用操作システムOSは、2つのフォークリフト10と、1つのフォークリフト用操作端末80と、を備える。適宜、2つのフォークリフト10の一方を第1フォークリフト10A、他方を第2フォークリフト10Bと称する。フォークリフト10は、予め定められた区域Aで用いられる。区域Aは、パレットPの搬送を行う必要のある作業場の一部、あるいは、作業場の全体である。作業場としては、例えば、倉庫、工場、公共施設、商用施設、港湾、及び空港を挙げることができる。図示は省略するが、区域Aには、壁や柱等の構造物が存在している。区域Aには、荷取り場A1と、荷置き場A2と、が設定されている。荷取り場A1は、パレットPが置かれている場所である。荷取り場A1には、例えば、棚が配置されている。棚には、複数のパレットPが置かれている。荷置き場A2は、パレットPの搬送先となる場所である。フォークリフト10は、荷取り場A1に置かれたパレットPを荷置き場A2まで搬送する。フォークリフト10が行う荷役作業は、パレットPの荷取り作業と、パレットPの荷置き作業と、を含む。
【0015】
パレットPには、マーカーMが設けられている。マーカーMとしては、画像認識処理により位置及び姿勢を認識することができれば、どのようなマーカーを用いてもよい。マーカーMとしては、例えば、ドットコード、QRコード(登録商標)、及びARマーカーを用いることができる。
【0016】
図2に示すように、フォークリフト10は、車体11と、リーチレグ12と、前輪13と、後輪14と、ヘッドガード15と、荷役装置21と、を備える。本実施形態では、全てのフォークリフト10のハードウェア構成は同一である。
【0017】
フォークリフト10は、リーチ式のフォークリフトである。フォークリフト10は、自動で動作するものであってもよいし、自動での動作と手動での動作を切り替えられるものであってもよい。即ち、フォークリフト10は、自動での動作が可能なものであればよい。以下の説明において、前後左右上下とはフォークリフト10を基準にした前後左右上下である。前後方向は、フォークリフト10の進行方向ともいえる。左右方向は、フォークリフト10の車幅方向ともいえる。上下方向はフォークリフト10の高さ方向ともいえる。
【0018】
リーチレグ12は、左右方向に互いに離間して2つ設けられている。リーチレグ12は、車体11から前方に延びている。
前輪13は、各リーチレグ12に1つずつ設けられている。後輪14は、車体11に設けられている。後輪14は、操舵輪である。後輪14は、駆動輪である。
【0019】
ヘッドガード15は、車体11の上方に設けられている。
荷役装置21は、車体11の前方に設けられている。荷役装置21は、マスト22と、リフトブラケット25と、フォーク26と、リフトシリンダ31と、ティルトシリンダ32と、リーチシリンダ33と、を備える。
【0020】
マスト22は、多段式のマストである。マスト22は、アウタマスト23と、インナマスト24と、を備える。インナマスト24は、アウタマスト23に対して昇降可能に設けられている。
【0021】
リフトブラケット25は、インナマスト24に固定されている。フォーク26は、リフトブラケット25に固定されている。フォーク26は、左右方向に互いに離間して2つ設けられている。リフトブラケット25は、フォーク26をインナマスト24に固定するための部材である。
【0022】
リフトシリンダ31は、油圧シリンダである。リフトブラケット25は、リフトシリンダ31への作動油の給排によって昇降する。フォーク26は、リフトブラケット25とともに昇降する。
【0023】
ティルトシリンダ32は、油圧シリンダである。リフトブラケット25は、ティルトシリンダ32への作動油の給排によって前後方向に傾動する。フォーク26は、リフトブラケット25とともに傾動する。
【0024】
リーチシリンダ33は、油圧シリンダである。マスト22は、リーチシリンダ33への作動油の給排によって前後方向に移動する。フォーク26は、マスト22とともに前後方向に移動する。
【0025】
図3に示すように、フォークリフト10は、駆動機構41と、油圧機構42と、検出部50と、外界センサ54と、パレットセンサ55と、車両制御装置61と、車両補助記憶装置64と、カメラ71と、エンコーダ72と、車両通信装置73と、を備える。
【0026】
駆動機構41は、フォークリフト10を走行させるための部材である。駆動機構41は、後輪14を駆動させるための駆動源及び後輪14を操舵するための操舵機構を含む。駆動源をモータとするフォークリフト10であれば、駆動機構41はモータドライバを含む。駆動源をエンジンとするフォークリフト10であれば、駆動機構41は燃料噴射装置を含む。
【0027】
油圧機構42は、油圧機器への作動油の給排を制御するための部材である。油圧機器は、リフトシリンダ31、ティルトシリンダ32、及びリーチシリンダ33を含む。油圧機構42は、作動油を吐出するポンプ、及び油圧機器への作動油の給排を制御するコントロールバルブを含む。
【0028】
検出部50は、フォーク26の位置及び傾きを検出するために設けられている。検出部50は、ティルト角センサ51と、揚高センサ52と、リーチ量センサ53と、を含む。
ティルト角センサ51は、ティルト角を検出する。ティルト角とは、フォーク26の傾動角度である。フォーク26の傾動角度は、例えば、フォーク26が傾動していない状態を0°とした場合の角度である。ティルト角センサ51は、ティルト角に応じた電気信号を車両制御装置61に出力する。車両制御装置61は、ティルト角センサ51からの電気信号によりティルト角を認識可能である。
【0029】
揚高センサ52は、揚高を検出する。揚高は、路面からフォーク26までの高さである。揚高センサ52は、揚高に応じた電気信号を車両制御装置61に出力する。車両制御装置61は、揚高センサ52からの電気信号により揚高を認識可能である。
【0030】
リーチ量センサ53は、リーチ量を検出する。リーチ量とは、フォーク26が最も車体11に近い状態を0とした場合のフォーク26の前進量である。リーチ量センサ53は、リーチ量に応じた電気信号を車両制御装置61に出力する。車両制御装置61は、リーチ量センサ53からの電気信号によりリーチ量を認識可能である。
【0031】
外界センサ54は、フォークリフト10の周辺に存在する物体の3次元座標を車両制御装置61に認識させることができるセンサである。外界センサ54としては、例えば、ミリ波レーダー、ステレオカメラ、ToF(Time of Flight)カメラ、及びLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)を挙げることができる。本実施形態では、外界センサ54としてLIDARを用いている。外界センサ54は、周囲にレーザーを照射し、レーザーが当たった点から反射された反射光を受光することで点までの距離を導出する。レーザーが当たった点は、物体の表面の一部を表す点である。外界センサ54は、センサ座標系での点の座標を導出する。センサ座標系は、外界センサ54を原点とする3軸直交座標系である。適宜、センサ座標系の座標をセンサ座標と称する。外界センサ54は、レーザーを照射することにより得られた複数の点のセンサ座標を点群データとして車両制御装置61に出力する。外界センサ54は、ヘッドガード15に設けられている。
【0032】
パレットセンサ55は、フォーク26にパレットPが積まれていることを検出するためのセンサである。パレットセンサ55としては、例えば、パレットPが接触していないとオフであり、パレットPが接触するとオンする接触式のセンサを用いることができる。車両制御装置61は、パレットセンサ55の検出結果からフォーク26にパレットPが積まれているか否かを判定することができる。パレットセンサ55は、例えば、フォーク26に設けられている。
【0033】
車両制御装置61は、車両プロセッサ62と、車両記憶部63と、を備える。車両プロセッサ62としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)が用いられる。車両記憶部63は、RAM(Random access memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。車両記憶部63は、処理を車両プロセッサ62に実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。車両記憶部63、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。車両制御装置61は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である車両制御装置61は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0034】
車両制御装置61は、フォークリフト10の走行に関する制御を行う。車両制御装置61は、駆動機構41を制御することでフォークリフト10を走行させる。車両制御装置61は、荷役動作に関する制御を行う。車両制御装置61は、油圧機構42を制御することで荷役装置21に荷役動作を行わせる。荷役動作は、フォーク26を昇降させるリフト動作、フォーク26を傾動させるティルト動作、及びフォーク26を前後進させるリーチ動作を含む。
【0035】
車両補助記憶装置64は、車両制御装置61が読み取り可能な情報を記憶している。車両補助記憶装置64としては、例えば、ハードディスクドライブ、又はソリッドステートドライブを用いることができる。
【0036】
車両補助記憶装置64は、フォークリフト10が用いられる環境の地図を示す地図情報MD1を記憶している。フォークリフト10が用いられる環境の地図とは、環境の形状、環境の広さ等、環境の物理的構造に関する情報である。本実施形態において地図情報MD1は、区域Aの構造を地図座標系の座標で表したデータである。地図座標系は、例えば、2軸直交座標系である。地図座標系は、区域A内の任意の一点を原点とする座標系である。適宜、地図座標系の座標を地図座標と称する。
【0037】
地図情報MD1は、フォークリフト10が用いられる環境を予め把握できていれば、予め車両補助記憶装置64に記憶されていてもよい。フォークリフト10が用いられる環境の地図を予め車両補助記憶装置64に記憶する場合、壁、柱など位置の変化しにくい物の座標を地図情報MD1として記憶する。地図情報MD1は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)によるマッピングにより作成されてもよい。車両補助記憶装置64は、地図情報MD1を記憶した地図情報記憶部である。
【0038】
カメラ71は、RGBカメラである。カメラ71は、CCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサ等の撮像素子を備える。カメラ71は、赤、緑及び青の3色のカラー信号で構成された画像データを出力する。
【0039】
カメラ71は、フォーク26とともに昇降し、かつ、フォーク26とともに傾動する箇所に取り付けられている。本実施形態において、カメラ71は、リフトブラケット25又はリフトブラケット25に一体に設けられたバックレストに取り付けられている。カメラ71の左右方向の位置は、例えば、2つのフォーク26同士の中心位置である。
【0040】
カメラ71は、前方を向いて配置されている。カメラ71は、撮像範囲にフォーク26の前方が映りこむように配置されている。撮像範囲は、カメラ71の水平画角と垂直画角によって定まる。
【0041】
エンコーダ72は、画像データの符号化を行う。エンコーダ72は、符号化を行った画像データを車両通信装置73に出力する。エンコーダ72は、符号化を行う専用のハードウェアであってもよい。車両制御装置61にソフトウェアを実行させることで車両制御装置61をエンコーダ72として機能させてもよい。即ち、エンコーダ72は、ハードウェアエンコーダであってもよいし、ソフトウェアエンコーダであってもよい。
【0042】
車両通信装置73は、無線LAN、Zigbee(登録商標)、LPWA(Low Power Wide Area)、又は移動通信システム等、任意の無線通信方式で通信を行うことが可能な通信機器である。車両通信装置73は、無線信号を送受信可能である。車両通信装置73は、受信した無線信号を復調したデータを出力可能である。車両通信装置73は、入力されたデータを変調して無線信号として送信することが可能である。車両通信装置73には、車両制御装置61によって生成される車両データ、及びエンコーダ72から出力された画像データがデータとして入力される。これらのデータには、識別情報が含まれている。識別情報は、個々のフォークリフト10を識別するための固有のIDコードである。従って、第1フォークリフト10Aと第2フォークリフト10Bとでは識別情報が異なる。識別情報は、フォークリフト10に付与されたものであってもよいし、車両通信装置73に付与されたものであってもよい。即ち、識別情報は、データがいずれのフォークリフト10に関するものであるかを特定できるものであればよい。識別情報は、例えば、車両記憶部63又は車両補助記憶装置64に記憶されている。車両データには、車両情報が含まれる。車両情報は、フォークリフト10及び荷役対象に関する情報である。車両情報には、フォークリフト10の自己位置を示す情報、ティルト角を示す情報、揚高を示す情報、リーチ量を示す情報、及びフォーク26にパレットPが積まれているか否かを示す情報が含まれる。荷役対象は、フォークリフト10が荷役作業を行う対象である。荷役対象は、荷取り作業によってフォーク26に積まれるパレットP、及び荷置き作業によってパレットPが置かれる対象となる荷置き場A2を含む。
【0043】
フォークリフト用操作端末80は、端末制御装置81と、端末補助記憶装置84と、入力部85と、端末通信装置86と、デコーダ87と、表示部88と、を備える。本実施形態では、フォークリフト用操作端末80として、携帯通信端末が用いられる。携帯通信端末としては、例えば、タブレット端末及びスマートフォンを挙げることができる。以下、フォークリフト用操作端末80を操作端末80と称する。
【0044】
端末制御装置81は、端末プロセッサ82と、端末記憶部83と、を備える。端末プロセッサ82としては、例えば、CPU、GPU、又はDSPが用いられる。端末記憶部83は、RAM及びROMを含む。端末記憶部83は、処理を端末プロセッサ82に実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。端末記憶部83、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。端末制御装置81は、ASICやFPGA等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である端末制御装置81は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0045】
記憶部としての端末記憶部83は、複数のフォークリフト10それぞれの識別情報を記憶している。即ち、端末記憶部83は、第1フォークリフト10Aの識別情報と、第2フォークリフト10Bの識別情報とを記憶している。
【0046】
端末補助記憶装置84は、端末制御装置81が読み取り可能な情報を記憶している。端末補助記憶装置84としては、例えば、ソリッドステートドライブ又はフラッシュメモリを用いることができる。フラッシュメモリは、eMMC(embedded Multi Media Card)等のフラッシュメモリを利用した記憶媒体を含む。
【0047】
端末補助記憶装置84は、地図情報MD2を記憶している。この地図情報MD2は、フォークリフト10が用いられる環境の地図を示す。即ち、地図情報MD2は、区域Aの地図を示す。端末補助記憶装置84に記憶される地図情報MD2と、車両補助記憶装置64に記憶される地図情報MD1とは、区域Aの地図を示す情報であればよく、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。端末補助記憶装置84に記憶される地図情報MD2は、表示部88に地図を表示するのに用いられる。これに対し、車両補助記憶装置64に記憶される地図情報MD1は、地図の表示に用いられない。このため、端末補助記憶装置84に記憶される地図情報MD2は、車両補助記憶装置64に記憶される地図情報MD1よりも地図を精度良く描写できるような情報であってもよい。
【0048】
端末補助記憶装置84は、フォークリフト用操作プログラムPGを記憶している。フォークリフト用操作プログラムPGは、端末記憶部83のRAMに読み込まれ、端末プロセッサ82によって実行される。フォークリフト用操作プログラムPGは、端末プロセッサ82により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、及び暗号化されたプログラムを含み得る。フォークリフト用操作プログラムPGは、通信網を介してサーバーから取得されてもよい。フォークリフト用操作プログラムPGは、可搬型記憶媒体を用いて取得されてもよい。
【0049】
入力部85は、操作者の操作を受け付けて、入力信号として出力する部材である。本実施形態の入力部85は、タッチパネルである。入力部85は、操作者の操作が入力された位置を検出し、位置を示す情報を入力信号として出力する。操作者の操作としては、例えば、タップ操作、スワイプ操作、フリック操作、及びピンチ操作を挙げることができる。
【0050】
端末通信装置86は、無線LAN、Zigbee、LPWA、又は移動通信システム等、任意の無線通信方式で通信を行うことが可能な通信機器である。端末通信装置86は、無線信号を送受信可能である。端末通信装置86は、受信した無線信号を復調したデータを出力可能である。端末通信装置86は、入力されたデータを変調して無線信号として送信することが可能である。端末通信装置86と車両通信装置73とは互いに無線信号を送受信可能である。端末通信装置86は、フォークリフト10に情報を送信する送信機である。車両通信装置73は、操作端末80から送信される情報を受信する受信機である。
【0051】
デコーダ87は、画像データの復号を行う。デコーダ87は、復号を行った画像データを表示部88に出力する。デコーダ87は、復号を行う専用のハードウェアであってもよい。端末制御装置81にソフトウェアを実行させることで端末制御装置81をデコーダ87として機能させてもよい。即ち、デコーダ87は、ハードウェアデコーダであってもよいし、ソフトウェアデコーダであってもよい。
【0052】
表示部88は、例えば、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のディスプレイである。表示部88には、入力部85が重ねて設けられており、入力部85と表示部88とでタッチスクリーンを構成している。
【0053】
次に、フォークリフト用操作システムOSで行われる各種処理について説明する。
フォークリフト10で行われる定常処理について説明する。
図4に示すように、ステップS1において、車両制御装置61は、自己位置の推定を行う。自己位置とは、フォークリフト10の現在位置を示す地図座標である。即ち、自己位置とは、地図情報で表される地図上でのフォークリフト10の現在位置である。自己位置の推定は、デッドレコニングを用いて行われてもよいし、ランドマークと地図情報MD1とのマッチング結果から行われてもよいし、これらを組み合わせて行われてもよい。デッドレコニングとは、車輪の回転量を検出する回転数センサ、加速度センサ及びジャイロセンサの少なくとも1つを用いることで、自己移動量を推定することである。ランドマークは、外界センサ54によって検出可能である。フォークリフト10が用いられる環境が屋外であれば、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて自己位置を推定してもよい。ステップS1の処理を行うことで、車両制御装置61は、自己位置推定部として機能している。
【0054】
次に、ステップS2において、車両制御装置61は、車両データを無線信号として車両通信装置73から送信する。本実施形態の車両データには、車両情報として、フォークリフト10の自己位置を示す情報、ティルト角を示す情報、揚高を示す情報、及びリーチ量を示す情報が含まれる。これらの車両情報は、1つの車両データに含まれるようにしてもよいし、複数の車両データに分割して含まれるようにしてもよい。例えば、車両制御装置61は、車両情報としてフォークリフト10の自己位置を示す情報を含む車両データと、車両情報としてティルト角を示す情報、揚高を示す情報、及びリーチ量を示す情報を含む車両データとを別々に送信してもよい。
【0055】
次に、ステップS3において、エンコーダ72は、画像データを無線信号として車両通信装置73から送信する。ステップS1~ステップS3の処理は、2つのフォークリフト10の両方で行われる。車両制御装置61は、ステップS1~ステップS3の処理を所定の制御周期で行う。操作端末80は、車両データと、画像データとを定期的に取得することができる。
【0056】
操作端末80で行われる表示処理について説明する。一例として、フォークリフト10にパレットPの荷取り作業を行わせる場合の表示処理について説明する。
表示処理は、表示部88の表示内容を更新するために行われる。表示処理は、端末プロセッサ82によってフォークリフト用操作プログラムPGが実行されることで行われる。フォークリフト用操作プログラムPGは、表示部88の表示に関する処理を端末プロセッサ82に行わせる表示プログラムを含む。
【0057】
図5に示すように、ステップS11において、端末制御装置81は、端末通信装置86から2つのフォークリフト10の自己位置、即ち、2つのフォークリフト10の地図座標を取得する。前述したように、車両データには、識別情報が含まれている。このため、端末制御装置81は、第1フォークリフト10Aの地図座標と、第2フォークリフト10Bの地図座標とを識別することができる。
【0058】
次に、ステップS12において、端末制御装置81は、端末通信装置86から2つのフォークリフト10から送信された画像データを取得する。画像データには、識別情報が含まれている。このため、端末制御装置81は、第1フォークリフト10Aの車両通信装置73から送信された画像データと、第2フォークリフト10Bの車両通信装置73から送信された画像データとを識別することができる。
【0059】
次に、ステップS13において、端末制御装置81は、表示部88に地図の表示を行う。
図6に示すように、端末制御装置81は、表示部88を2つの領域D1,D2に分割している。2つの領域D1,D2の一方を第1領域D1、他方を第2領域D2とする。端末制御装置81は、第1領域D1に区域Aの地図を表示する。区域Aの地図は、地図情報MD2に基づき、区域Aの地図を所定の縮尺で描写したものである。即ち、端末制御装置81は、区域Aの地図座標を表示部88のピクセル位置に変換し、第1領域D1に地図の表示を行っている。
図6に示す例では、荷取り場A1を示すアイコンIA1と、荷置き場A2を示すアイコンIA2とが第1領域D1に表示されている。ピクセル位置とは、表示部88中の位置を示し、縦画素と横画素とで表される位置である。第1領域D1に表示される地図の縮尺は、例えば、ピンチ操作によって変更することができる。
【0060】
図5に示すように、ステップS14において、端末制御装置81は、2つのフォークリフト10の位置を表示部88に表示する。端末制御装置81は、2つのフォークリフト10の地図座標を表示部88のピクセル位置に変換する。
図6に示すように、端末制御装置81は、第1領域D1のうちフォークリフト10の地図座標に対応する位置にフォークリフト10を示すアイコンI10A,I10Bを表示する。第1領域D1には、第1フォークリフト10Aを示すアイコンI10Aと、第2フォークリフト10Bを示すアイコンI10Bとが表示される。アイコンI10A,I10Bは、複数のフォークリフト10のそれぞれを示す情報である。端末制御装置81は、フォーク26にパレットPが積まれているか否かによってアイコンI10A,I10Bの種類を変更してもよい。
図6に示す例では、第1フォークリフト10AのアイコンI10Aは、フォーク26にパレットPが積まれていないことを示す。第2フォークリフト10BのアイコンI10Bは、フォーク26にパレットPが積まれていることを示す。フォーク26にパレットPが積まれているか否かによってアイコンI10A,I10Bの種類を変更する場合、フォーク26にパレットPが積まれているか否かを示す情報をフォークリフト10から取得すればよい。
【0061】
図5に示すように、ステップS15において、端末制御装置81は、選択フォークリフトが決定されているか否かを判定する。選択フォークリフトとは、2つのフォークリフト10のうち操作者によって選択される1つのフォークリフト10である。操作者は、2つのアイコンI10A,I10Bのうちいずれかをタップ操作することによって、選択フォークリフトを決定できる。第1フォークリフト10Aを示すアイコンI10Aがタップ操作されれば、第1フォークリフト10Aが選択フォークリフトとして選択される。第2フォークリフト10Bを示すアイコンI10Bがタップ操作されれば、第2フォークリフト10Bが選択フォークリフトとして選択される。ステップS15の判定結果が肯定の場合、端末制御装置81は、ステップS16の処理を行う。ステップS15の判定結果が否定の場合、端末制御装置81は、ステップS17の処理を行う。
【0062】
ステップS16において、端末制御装置81は、選択フォークリフトの強調表示を行う。強調表示は、例えば、選択フォークリフトを示すアイコンを枠で囲んだり、選択フォークリフトを示すアイコンを点滅表示させることで行われる。
図6に示す例では、第1フォークリフト10Aが選択フォークリフトとして選択されており、アイコンI10Aが枠Fで囲まれている。ステップS16の処理を終えると、端末制御装置81はステップS17の処理を行う。
【0063】
ステップS17において、端末制御装置81は、カメラ71によって撮像された画像を表示部88に表示する。適宜、カメラ71によって撮像された画像をカメラ画像と称する。
【0064】
図6に示すように、端末制御装置81は、第2領域D2を2つの領域D3,D4に分割している。2つの領域D3,D4のうち一方を画像領域D3、他方を操作領域D4とする。画像領域D3には、デコーダ87によって復号された画像データによってカメラ画像が表示される。2つのフォークリフト10のうちいずれのフォークリフト10のカメラ画像を表示するかは、操作者が任意に切り替えできるようにしてもよいし、端末制御装置81が自動で切り替えを行うようにしてもよい。画像領域D3に表示されるカメラ画像を操作者が切り替え可能にする場合、端末制御装置81は、選択フォークリフトのカメラ71によって撮像される画像を画像領域D3に表示するようにしてもよい。この場合、アイコンI10A,I10Bをタップ操作して選択フォークリフトを切り替えることで、画像領域D3に表示されるカメラ画像を切り替えることができる。
【0065】
図5に示すように、ステップS18において、端末制御装置81は、画像データからパレットPを抽出する。詳細にいえば、端末制御装置81は、2つのフォークリフト10の車両通信装置73から送信された画像データのうち、画像領域D3に表示されるカメラ画像に対応する画像データからパレットPを抽出する。端末制御装置81は、画像認識処理により画像データからマーカーMを抽出することでパレットPを抽出する。端末制御装置81は、画像データに複数のパレットPが存在する場合、全てのパレットPを抽出する。端末制御装置81は、マーカーMとパレットPとの関係から、画像データ上でパレットPが占有する領域を認識することができる。
【0066】
次に、ステップS19において、端末制御装置81は、パレットPの位置を示すアイコンをカメラ画像に重畳して表示する。
図6では、パレットPを囲む枠をアイコンIPとして表示している。端末制御装置81は、OSD(On Screen Display)データを生成し、このOSDデータを画像データに合成することでカメラ画像に重畳してアイコンIPを表示させる。これにより、画像領域D3には、カメラ画像と、パレットPの位置を示すアイコンIPとが表示される。
【0067】
次に、ステップS20において、端末制御装置81は、選択パレットが決定されているか否かを判定する。選択パレットは、フォークリフト10に荷取り作業を行わせる対象となるパレットPである。選択パレットは、複数のパレットPのうち操作者によって選択される1つのパレットPである。操作者は、いずれかのアイコンIPに囲まれる領域をタップ操作することによって、選択パレットを決定できる。ステップS20の判定結果が肯定の場合、端末制御装置81はステップS21の処理を行う。ステップS20の判定結果が否定の場合、端末制御装置81はステップS22の処理を行う。
【0068】
ステップS21において、端末制御装置81は、選択パレットの強調表示を行う。強調表示は、例えば、選択パレットを示すアイコンIPを、選択パレットとは異なるパレットPを示すアイコンIPとは異なる色に変更したり、選択パレットを示すアイコンIPを点滅表示させることで行われる。ステップS21の処理を終えると、端末制御装置81はステップS22の処理を行う。
【0069】
図5及び
図6に示すように、ステップS22において、端末制御装置81は、操作領域D4に荷役開始アイコンIP1を表示する。荷役開始アイコンIP1は、フォークリフト10に荷役作業を行われる際に操作者によって操作されるアイコンである。
【0070】
ステップS11~ステップS22の処理が所定の制御周期で繰り返し行われることで、第1領域D1に表示されるアイコンI10A,I10Bの位置は、自己位置に応じて更新される。画像領域D3に表示されるカメラ画像は、カメラ71の位置に応じて更新される。また、選択フォークリフト、及び選択パレットによって表示部88の表示が変更される。端末制御装置81は、表示部88に関する制御を行う表示制御部として機能している。
【0071】
一例として、フォークリフト10に荷取り作業を行わせる場合の表示処理について説明したが、フォークリフト10に荷置き作業を行わせる場合であっても同様の表示処理が行われる。例えば、端末制御装置81は、画像データに荷置き場A2が含まれている場合には、荷置き場A2からパレットPを置く荷置き位置を抽出する。荷置き位置の抽出は、荷置き位置にマーカーMを設けることで行われてもよい。端末制御装置81は、荷置き位置を示すアイコンを画像領域D3に表示することで、操作者に荷置き位置を決定させればよい。
【0072】
操作端末80で行われる走行指令処理について説明する。
走行指令処理は、フォークリフト10に走行指令情報を送信することで、フォークリフト10を自動で走行させるための処理である。走行指令処理は、端末プロセッサ82によってフォークリフト用操作プログラムPGが実行されることで行われる。フォークリフト用操作プログラムPGは、フォークリフト10を走行させるための処理を端末プロセッサ82に行わせるための走行プログラムを含む。
【0073】
図7に示すように、ステップS31において、端末制御装置81は、選択フォークリフトが決定されているか否かを判定する。前述したように、選択フォークリフトは、フォークリフト10を示すアイコンI10A,I10Bをタップ操作することで選択することができる。タップ操作の検出を行う入力部85が選択部である。ステップS31の判定結果が肯定の場合、端末制御装置81は、ステップS32の処理を行う。ステップS31の判定結果が否定の場合、端末制御装置81は走行指令処理を終了する。
【0074】
ステップS32において、端末制御装置81は、目標位置が設定されているか否かを判定する。目標位置は、地図情報MD2で表される地図上での一点を表す地図座標である。目標位置は、第1領域D1をタップ操作することで設定することができる。操作者は、第1領域D1に表示される地図のうち選択フォークリフトを移動させたい地点を目標位置として設定する。例えば、フォークリフト10に荷取り作業を行わせたい場合には荷取り場A1、あるいは、荷取り場A1の周辺が目標位置として設定される。フォークリフト10に荷置き作業を行わせたい場合には荷置き場A2、あるいは、荷置き場A2の周辺が目標位置として設定される。
図6に示すように、端末制御装置81は、目標位置が設定されると、目標位置を示すアイコンIDを第1領域D1に表示する。第1領域D1は、操作者の操作によって目標位置を設定可能な目標位置設定領域である。端末制御装置81は、地図上で設定された目標位置に対応するピクセル位置を地図座標に変換することで、目標位置を把握することができる。ステップS32の判定結果が肯定の場合、端末制御装置81は、ステップS33の処理を行う。ステップS32の判定結果が否定の場合、端末制御装置81は走行指令処理を終了する。
【0075】
ステップS33において、端末制御装置81は、走行指令情報を生成する。走行指令情報は、走行指令及び選択フォークリフトの識別情報を含む。走行指令は、フォークリフト10を目標位置まで走行させるための指令である。走行指令は、少なくとも目標位置を示す情報を含む。走行指令には、目標位置までの経路や目標車速等、走行に関する指令が含まれていてもよい。ステップS33の処理を行うことで、端末制御装置81は、走行指令生成部として機能している。
【0076】
次に、ステップS34において、端末制御装置81は、走行指令情報を端末通信装置86から無線信号として送信する。ステップS34の処理を行うことで、端末制御装置81は、走行指令送信部として機能している。
【0077】
フォークリフト10で行われる走行処理について説明する。車両制御装置61は、車両通信装置73によって走行指令情報を受信すると、走行処理を行う。走行処理は、フォークリフト10を目標位置まで走行させるための処理である。
【0078】
図8に示すように、ステップS41において、車両制御装置61は、走行指令情報を車両通信装置73から取得する。
次に、ステップS42において、車両制御装置61は、識別情報の照合を行う。車両制御装置61は、走行指令情報に含まれる識別情報と、車両制御装置61が搭載されるフォークリフト10の識別情報とが一致しているか否かを判定する。第1フォークリフト10Aに搭載される車両制御装置61であれば、第1フォークリフト10Aの識別情報と、走行指令情報に含まれる識別情報とが一致しているか否かを判定する。第2フォークリフト10Bに搭載される車両制御装置61であれば、第2フォークリフト10Bの識別情報と、走行指令情報に含まれる識別情報とが一致しているか否かを判定する。車両制御装置61は、ステップS42の判定結果が否定の場合、走行処理を終了する。車両制御装置61は、ステップS42の判定結果が肯定の場合、ステップS43の処理を行う。
【0079】
ステップS43において、車両制御装置61は、走行指令情報に含まれている目標位置までの目標パスを生成する。
次に、ステップS44において、車両制御装置61は、フォークリフト10を目標位置に向けて走行させる。車両制御装置61は、自己位置を推定しながら、フォークリフト10が目標パスに追従して移動するように駆動機構41を制御する。ステップS43及びステップS44の処理を行うことで、車両制御装置61は、目標位置までフォークリフト10を自動で走行させる走行制御部として機能している。
【0080】
次に、ステップS45において、車両制御装置61は、フォークリフト10が目標位置に到達したか否かを判定する。フォークリフト10が目標位置に到達したか否かは、自己位置と目標位置とを比較することで判定することができる。例えば、自己位置と目標位置とが所定の範囲内であれば、車両制御装置61は、フォークリフト10が目標位置に到達したと判定する。ステップS45の判定結果が否定の場合、車両制御装置61は、ステップS43の処理を行う。ステップS45の判定結果が肯定になると、車両制御装置61は走行処理を終了する。
【0081】
上記したように、端末制御装置81で行われる走行指令処理によって目標位置が指示されると、車両制御装置61はフォークリフト10を目標位置に向けて走行させる。これにより、端末制御装置81の操作によってフォークリフト10を自動で走行させることができる。
【0082】
操作端末80で行われる荷役指令処理について説明する。一例として、フォークリフト10にパレットPの荷取り作業を行わせる場合の荷役指令処理について説明する。
荷役指令処理は、フォークリフト10に荷役指令情報を送信することで、フォークリフト10に自動で荷役作業を行わせるための処理である。荷役指令処理は、端末プロセッサ82によってフォークリフト用操作プログラムPGが実行されることで行われる。フォークリフト用操作プログラムPGは、フォークリフト10に荷役作業を行わせるための処理を端末プロセッサ82に行わせるための荷役プログラムを含む。
【0083】
図9に示すように、ステップS51において、端末制御装置81は、選択フォークリフトが決定されているか否かを判定する。ステップS51の判定結果が肯定の場合、端末制御装置81は、ステップS52の処理を行う。ステップS51の判定結果が否定の場合、端末制御装置81は荷役指令処理を終了する。
【0084】
ステップS52において、端末制御装置81は、選択パレットが決定されているか否かを判定する。前述したように、選択パレットは、パレットPの位置を示すアイコンIPをタップ操作することで選択することができる。選択パレットの選択を行うことが可能な画像領域D3は、操作者の操作によって荷役対象を選択可能な荷役対象選択領域である。ステップS52の判定結果が肯定の場合、端末制御装置81は、ステップS53の処理を行う。ステップS52の判定結果が否定の場合、端末制御装置81は荷役指令処理を終了する。
【0085】
ステップS53において、端末制御装置81は、フォークリフト10に荷役作業を開始させるか否かを判定する。端末制御装置81は、荷役開始アイコンIP1がタップ操作されているか否かにより、フォークリフト10に荷役作業を開始させるか否かを判定する。端末制御装置81は、荷役開始アイコンIP1がタップ操作されていればフォークリフト10に荷役作業を開始させる。端末制御装置81は、荷役開始アイコンIP1がタップ操作されていなければフォークリフト10に荷役作業を開始させない。ステップS53の判定結果が肯定の場合、端末制御装置81は、ステップS54の処理を行う。ステップS53の判定結果が否定の場合、端末制御装置81は、荷役指令処理を終了する。
【0086】
ステップS54において、端末制御装置81は、選択パレットのカメラ座標系での座標を導出する。端末制御装置81は、画像データから抽出されたマーカーMから、画像認識処理によりカメラ座標系でのパレットPの座標を導出する。カメラ座標系は、カメラ71を原点とする3軸直交座標系である。適宜、カメラ座標系の座標をカメラ座標と称する。
【0087】
次に、ステップS55において、端末制御装置81は、選択パレットのワールド座標系での座標を導出する。端末制御装置81は、選択パレットのカメラ座標をワールド座標系での座標に変換する。ワールド座標系は、フォークリフト10の左右方向に延びる軸をX軸、フォークリフト10の前後方向に延びる軸をY軸、X軸及びY軸に直交する軸をZ軸とする3軸直交座標系である。ワールド座標系の原点は、例えば、2つの前輪13同士の間の中心位置である。適宜、ワールド座標系の座標をワールド座標と称する。
【0088】
ワールド座標系の原点とカメラ座標系の原点とのずれと、ワールド座標系の座標軸とカメラ座標系の座標軸とのずれとの両方を把握することができれば、端末制御装置81は、カメラ座標からワールド座標への変換を行うことができる。カメラ座標系の原点は、フォークリフト10に対するカメラ71の取付位置によって定まる。カメラ座標系の座標軸はカメラ71の取付角度によって定まる。また、カメラ座標系は、ティルト角、揚高、及びリーチ量によって変動する。端末制御装置81は、カメラ71の取付位置、カメラ71の取付角度、ティルト角、揚高、及びリーチ量に基づき、カメラ座標をワールド座標に変換する。カメラ71の取付位置及びカメラ71の取付角度を予め把握できている場合、端末記憶部83又は端末補助記憶装置84にカメラ71の取付位置を示す情報及びカメラ71の取付角度を示す情報を記憶していてもよい。カメラ71の取付位置を示す情報及びカメラ71の取付角度を示す情報は、車両データに含めて車両通信装置73が送信するようにしてもよい。ティルト角を示す情報、揚高を示す情報、及びリーチ量を示す情報は、車両データに含めて車両通信装置73が送信を行っている。
【0089】
次に、ステップS56において、端末制御装置81は、荷役指令情報を生成する。荷役指令情報は、荷役指令及び選択フォークリフトの識別情報を含む。荷役指令は、フォークリフト10に荷役作業を行わせるパレットPを指示するための指令である。荷役指令は、選択パレットのワールド座標を示す情報を含む。ステップS56の処理を行うことで、端末制御装置81は荷役指令生成部として機能している。
【0090】
ステップS57において、端末制御装置81は、荷役指令情報を端末通信装置86から無線信号として送信する。ステップS57の処理を行うことで、端末制御装置81は、荷役指令送信部として機能している。
【0091】
一例として、フォークリフト10に荷取り作業を行わせる場合の荷役指令処理について説明したが、フォークリフト10に荷置き作業を行わせる場合であっても同様の荷役指令処理が行われる。例えば、端末制御装置81は、パレットPを置く荷置き位置が決定されている場合には、当該荷置き位置のワールド座標を導出する。荷役指令は、荷置き位置のワールド座標を含むようにすればよい。
【0092】
フォークリフト10で行われる荷役処理について説明する。車両制御装置61は、車両通信装置73によって荷役指令情報を受信すると、荷役処理を行う。荷役処理は、フォークリフト10に荷取り作業又は荷置き作業を行わせるための処理である。荷取り作業を例に挙げて説明する。
【0093】
図10に示すように、ステップS61において、車両制御装置61は、荷役指令情報を車両通信装置73から取得する。なお、車両制御装置61は、フォーク26にパレットPが積まれているか否かで、荷役指令情報が荷置き作業を指示するものか、荷取り作業を指示するものかを判定することができる。車両制御装置61は、フォーク26にパレットPが積まれていない状態で荷役指令情報を取得した場合、当該荷役指令情報は荷取り作業を指示するものであると判定する。車両制御装置61は、フォーク26にパレットPが積まれている状態で荷役指令情報を取得した場合、当該荷役指令情報は荷置き作業を指示するものであると判定する。
【0094】
次に、ステップS62において、車両制御装置61は、荷役指令情報に含まれる識別情報と、車両制御装置61が搭載されるフォークリフト10の識別情報とが一致しているか否かを判定する。車両制御装置61は、ステップS62の判定結果が否定の場合、荷役処理を終了する。車両制御装置61は、ステップS62の判定結果が肯定の場合、ステップS63の処理を行う。
【0095】
ステップS63において、車両制御装置61は、荷取り対象となるパレットPを特定する。荷役指令情報には、荷取り対象となるパレットPのワールド座標を示す情報が含まれているため、車両制御装置61は当該ワールド座標に存在するパレットPを荷取り対象と特定することができる。
【0096】
次に、ステップS64において、車両制御装置61は、油圧機構42を制御することでパレットPの荷取り作業を行う。車両制御装置61は、ワールド座標系でのパレットPの座標及び姿勢と、ワールド座標系でのフォーク26の座標及び姿勢とを把握しながら油圧機構42を制御する。これにより、荷役装置21に荷取り作業を行わせる。
【0097】
パレットPのワールド座標としては、荷役指令情報から取得したパレットPのワールド座標を用いることもできるが、本実施形態では外界センサ54の検出結果を利用してパレットPのワールド座標を把握する。これは、フォークリフト10が荷取り作業を行っている間に、フォークリフト10とパレットPとの相対位置がずれた場合であってもパレットPのワールド座標を把握するためである。
【0098】
車両制御装置61は、外界センサ54の検出結果からパレットPのワールド座標を導出する。車両制御装置61は、点群データによって得られた点のセンサ座標をワールド座標に変換することで、パレットPの座標を導出する。ワールド座標系の原点とセンサ座標系の原点とのずれと、ワールド座標系の座標軸とセンサ座標系の座標軸とのずれとは一定である。このため、車両制御装置61は、ワールド座標系の原点とセンサ座標系の原点とのずれと、ワールド座標系の座標軸とセンサ座標系の座標軸とのずれと、に基づきセンサ座標をワールド座標に変換することができる。また、車両制御装置61は、外界センサ54の検出結果からワールド座標系でのパレットPの姿勢を導出する。ワールド座標系でのパレットPの姿勢とは、ワールド座標系の座標軸に対するパレットPの傾きである。パレットPのワールド座標は、パレットPの位置を表している。外界センサ54は、荷役対象の位置を検出するための位置検出部である。
【0099】
フォーク26とワールド座標系の原点との位置関係は、ティルト角、揚高、及びリーチ量によって変化する。車両制御装置61は、ティルト角、揚高、及びリーチ量からフォーク26のワールド座標を導出することができる。車両制御装置61は、ティルト角からワールド座標系でのフォーク26の姿勢を導出することができる。車両制御装置61は、フォーク26にパレットPが積まれるように、荷役装置21に荷取り作業を行わせる。ステップS64の処理を行うことで、車両制御装置61は、荷役対象に対してフォークリフト10に自動で荷役作業を行わせる荷役制御部として機能している。
【0100】
次に、ステップS65において、車両制御装置61は、荷取り作業が完了したか否かを判定する。荷取り作業が完了したか否かは、例えば、パレットセンサ55の検出結果によって判定することができる。ステップS65の判定結果が否定の場合、車両制御装置61は、ステップS64の処理を行う。ステップS65の判定結果が肯定になると、車両制御装置61は荷役処理を終了する。
【0101】
上記したように、端末制御装置81で行われる荷役指令処理によって荷取り作業の対象となるパレットPが指示されると、車両制御装置61は指示されたパレットPの荷取り作業を行う。これにより、自動でパレットPの荷取り作業が行われる。
【0102】
一例として、フォークリフト10に荷取り作業を行わせる場合の荷役処理について説明したが、フォークリフト10に荷置き作業を行わせる場合であっても同様の荷役処理が行われる。例えば、車両制御装置61は、ワールド座標系での荷置き位置の座標及び姿勢と、ワールド座標系でのフォーク26の座標及び姿勢とを把握しながら、パレットPが荷置き位置に置かれるように油圧機構42の制御を行う。
【0103】
第1実施形態の作用について説明する。以下では、操作端末80を用いて、操作者が第1フォークリフト10Aに荷取り作業を行わせ、第2フォークリフト10Bに荷置き作業を行わせる場合について説明する。
【0104】
図11に示すように、操作者が操作端末80を操作することで、時刻T1で操作端末80から第1フォークリフト10Aに走行指令情報CM1が送信される。第1フォークリフト10Aは、走行指令情報CM1に基づき、時刻T2から自動で走行を開始する。第1フォークリフト10Aは、時刻T5で目標位置に到達する。
【0105】
操作者が操作端末80を操作することで、時刻T3で操作端末80から第2フォークリフト10Bに走行指令情報CM2が送信される。時刻T3は、時刻T2よりも後の時刻であり、時刻T5よりも前の時刻である。操作者は、第1フォークリフト10Aが自動で走行している間に、操作端末80の操作によって第2フォークリフト10Bに走行指令情報CM2を送信している。第2フォークリフト10Bは、走行指令情報CM2に基づき、時刻T4から自動で走行を開始する。時刻T4は、時刻T2よりも後の時刻であり、時刻T5よりも前の時刻である。第2フォークリフト10Bは、時刻T6で目標位置に到達する。時刻T6は、時刻T5よりも後の時刻である。時刻T4から時刻T5までの期間は、第1フォークリフト10Aと第2フォークリフト10Bとが同時に走行している。
【0106】
操作者が操作端末80を操作することで、時刻T7で操作端末80から第1フォークリフト10Aに荷役指令情報CM3が送信される。第1フォークリフト10Aは、荷役指令情報CM3に基づき、時刻T8から自動で荷取り作業を開始する。第1フォークリフト10Aは、時刻T11で荷取り作業を完了する。
【0107】
操作者が操作端末80を操作することで、時刻T9で操作端末80から第2フォークリフト10Bに荷役指令情報CM4が送信される。時刻T9は、時刻T8よりも後の時刻であり、時刻T11よりも前の時刻である。操作者は、第1フォークリフト10Aが自動で荷取り作業をしている間に、操作端末80の操作によって第2フォークリフト10Bに荷役指令情報CM4を送信している。第2フォークリフト10Bは、荷役指令情報CM4に基づき、時刻T10から自動で荷置き作業を開始する。時刻T10は、時刻T8よりも後の時刻であり、時刻T11よりも前の時刻である。第2フォークリフト10Bは、時刻T12で荷置き作業を完了する。時刻T12は、時刻T11よりも後の時刻である。時刻T10から時刻T11までの期間は、第1フォークリフト10Aと第2フォークリフト10Bとが同時に荷役作業を行っている。
【0108】
なお、自動での走行とは、操作者による操作中にのみフォークリフト10の走行が行われるのではなく、操作者による操作が行われていない間であっても、目標位置に到達するまでフォークリフト10が走行することを意味する。自動での荷役作業とは、操作者による操作中にのみフォークリフト10の荷役作業が行われるのではなく、操作者による操作が行われていない間であっても、荷役作業が完了するまでフォークリフト10が荷役作業を行うことを意味する。
【0109】
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)端末制御装置81は、識別情報を含む走行指令情報を送信することで、2つのフォークリフト10に個別に走行指令情報を送信することができる。端末制御装置81は、識別情報を含む荷役指令情報を送信することで、2つのフォークリフト10に個別に荷役指令情報を送信することができる。走行指令情報の送信により、フォークリフト10は自動で走行を行う。荷役指令情報の送信により、フォークリフト10は自動で荷役作業を行う。これにより、複数のフォークリフト10を同時に動作させることができる。フォークリフト10が自動で走行している間や、フォークリフト10が自動で荷役作業を行っている間に、操作者は操作端末80の操作により走行指令情報の送信や荷役指令情報の送信を行うことができる。実施形態であれば、第1フォークリフト10Aが自動で走行している間や自動で荷役作業を行っている間に、第2フォークリフト10Bに走行指令情報、又は荷役指令情報を送信することができる。第2フォークリフト10Bが自動で走行している間や自動で荷役作業を行っている間に、第1フォークリフト10Aに走行指令情報、又は荷役指令情報を送信することができる。フォークリフト10の走行、及び荷役作業の少なくともいずれかを手動で行う場合に比べて、操作端末80の操作者が操作端末80の操作に必要とする時間が短い。これにより、作業効率の向上を図ることができる。
【0110】
(1-2)端末制御装置81は、第1領域D1に地図を表示し、画像領域D3にカメラ画像を表示している。操作端末80の操作者は、第1領域D1をタップ操作することで、目標位置を設定できる。操作端末80の操作者は、画像領域D3をタップ操作することで、荷役作業の対象となる荷役対象を選択することができる。目標位置の設定と、荷役対象の選択との両方を表示部88の表示内容を切り替えることなく行うことができる。操作者が、目標位置の設定と、荷役対象の選択とを行いやすい。
【0111】
(1-3)フォークリフト用操作システムOSは、操作端末80と、複数のフォークリフト10と、を備える。操作端末80によって複数のフォークリフト10を操作することができる。従って、上記した効果と同様の効果を得ることができる。
【0112】
(1-4)車両制御装置61は、自己位置の推定によって区域A内の任意の位置にフォークリフト10を走行させることができる。車両制御装置61は、フォーク26と荷役対象との位置を把握しながら荷役作業を行うことで、任意の荷役対象に対して荷役作業を行うことができる。定型作業を行うフォークリフトに比べて、自由度の高い作業を行うことができる。例えば、予め定められた経路を走行したり、予め定められた位置に存在する荷役対象に対して荷役作業を行うフォークリフトの場合、目標位置を任意に設定したり、荷役作業を任意に選択することができない。これに対し、本実施形態では、操作端末80によって任意の位置を目標位置とすることができるし、任意の荷役対象に対して荷役作業を行うことができる。例えば、操作端末80の操作者は、フォークリフト10の様子を確認したい場合に、自らの近くにフォークリフト10を移動させることができる。
【0113】
(1-5)フォークリフト用操作プログラムPGが、端末制御装置81の端末プロセッサ82に実行されることで、端末制御装置81は、走行指令生成部、走行指令送信部、荷役指令生成部、及び荷役指令送信部として機能する。従って、上記した効果と同様の効果を得ることができる。
【0114】
(第2実施形態)
フォークリフト用操作端末、フォークリフト用操作システム、及びフォークリフト用操作プログラムの第2実施形態について説明する。第1実施形態と同一の箇所については説明を省略し、第1実施形態との相違点について説明する。
【0115】
第2実施形態では、パレットPにマーカーMが設けられていない。パレットPにマーカーMが設けられていない場合、フォークリフト10で行われる定常処理、操作端末80で行われる表示処理、及び操作端末80で行われる荷役指令処理が第1実施形態とは異なる。
【0116】
フォークリフト10で行われる定常処理について説明する。
図12に示すように、ステップS71において、車両制御装置61は、外界センサ54から取得した点群データを用いて、パレットPのワールド座標を導出する。パレットPの抽出は、種々の方法で行うことができる。車両制御装置61、予めパレットPの形状及びパレットPの大きさを認識しておき、点群データのうちパレットPの形状及びパレットPの大きさに一致する度合いの高い領域にパレットPが存在していると判定してもよい。車両制御装置61は、機械学習による学習を行った学習済みモデルを用いて、パレットPの抽出を行ってもよい。車両制御装置61は、ステップS71の処理を終えると、第1実施形態のステップS1~ステップS3の処理を行う。ステップS3では、第1実施形態の車両情報に加えて、パレットPのワールド座標を含む車両データが送信される。
【0117】
操作端末80で行われる表示処理について説明する。
図13に示すように、端末制御装置81は、第1実施形態の表示処理で行われる処理のうちステップS18に代えて、ステップS81の処理を行う。
【0118】
ステップS81において、端末制御装置81は、画像データ中のパレットPの位置を導出する。第2実施形態では、パレットPにマーカーMが設けられていないため、端末制御装置81は、外界センサ54と、カメラ71との位置関係から画像データ中のパレットPの位置を導出する。外界センサ54とカメラ71との位置関係がわかっていれば、パレットPのワールド座標が画像データ中の、いずれの位置であるかを導出することができる。言い換えれば、パレットPのワールド座標と、画像データ中のパレットPの位置との対応付けを行うことができる。カメラ71の位置は、カメラ71の取付位置、カメラ71の取付角度、ティルト角、揚高、及びリーチ量から導出することができる。外界センサ54の位置は車両情報に含めて車両通信装置73から送信されるようにしてもよいし、端末記憶部83、又は端末補助記憶装置84に予め記憶されていてもよい。端末制御装置81は、外界センサ54とカメラ71との位置関係、及びパレットPのワールド座標から、画像データ上でパレットPが占有する領域を導出することができる。
【0119】
操作端末80で行われる荷役指令処理について説明する。
図14に示すように、端末制御装置81は、第1実施形態の荷役指令処理で行われる処理のうちステップS54及びステップS55に代えて、ステップS91の処理を行う。
【0120】
ステップS91において、端末制御装置81は、選択パレットのワールド座標を導出する。上記したように、画像データ中のパレットPの位置と、車両制御装置61から送信されたパレットPのワールド座標とは対応付けられている。このため、端末制御装置81は、車両制御装置61から送信されたパレットPのワールド座標のうち、選択パレットに対応するワールド座標を選択すればよい。
【0121】
ステップS56では、選択パレットのワールド座標として、車両制御装置61から送信されたパレットPのワールド座標のうち、選択パレットのワールド座標を示す情報を含む荷役指令を生成する。言い換えれば、端末制御装置81は、車両制御装置61から取得したパレットPのワールド座標のうち、選択パレットのワールド座標をフォークリフト10に返送する。
【0122】
上記した各種処理では、荷役対象がパレットPの場合を例に挙げて説明を行ったが、荷役対象が荷置き場A2であっても同様に処理を行うことができる。
第2実施形態では、第1実施形態の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
【0123】
(2-1)車両制御装置61は、外界センサ54の検出結果を用いて荷役対象のワールド座標を導出することができる。この荷役対象のワールド座標を操作端末80に送信することで、操作端末80がマーカーMを用いて荷役対象のワールド座標を導出する必要がなくなる。従って、マーカーMが設けられていない荷役対象に対してフォークリフト10に荷役作業を行わせることができる。
【0124】
各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○各実施形態において、端末制御装置81は、表示部88を第1領域D1と第2領域D2に分割しなくてもよい。この場合、第1領域D1に表示されている表示内容と、第2領域D2に表示されている表示内容とを切り替えられるようにすればよい。上記した表示内容の切り替えは、任意の手法で行うことができる。例えば、表示内容の切り替えは、表示部88のフリック操作やスワイプ操作によって行われてもよいし、表示部88に切り替え用のアイコンを表示し、当該アイコンのタップ操作によって行われてもよい。
【0125】
○各実施形態において、画像領域D3に表示されるカメラ画像を端末制御装置81が自動で切り替える場合、端末制御装置81は、種々の条件によってカメラ画像を切り替えることができる。
【0126】
端末制御装置81は、2つのフォークリフト10のうち目標位置に到達しているフォークリフト10のカメラ画像を画像領域D3に表示してもよい。2つのフォークリフト10の両方が目標位置に到達している場合、先に目標位置に到達したフォークリフト10のカメラ画像を画像領域D3に表示してもよい。
【0127】
端末制御装置81は、2つのフォークリフト10のカメラ画像のうち、荷役対象が含まれているカメラ画像を画像領域D3に表示するようにしてもよい。例えば、荷役対象にマーカーMが設けられている場合、カメラ画像にマーカーMが含まれている方のカメラ画像を表示してもよい。
【0128】
○各実施形態において、目標位置の設定は、任意の操作で行われてもよい。端末制御装置81は、ダブルタップ操作やロングタップ操作によって目標位置を設定するようにしてもよい。端末制御装置81は、タップ操作によって表示されたアイコンIDがスワイプ操作されることで目標位置を設定してもよい。
【0129】
○各実施形態において、第2領域D2は、画像領域D3のみであってもよい。この場合、荷役開始アイコンIP1は表示されない。端末制御装置81は、荷役対象が選択されると、荷役指令情報を送信するようにしてもよい。
【0130】
○各実施形態において、端末制御装置81は、走行開始アイコンを第1領域D1に表示してもよい。走行開始アイコンは、フォークリフト10に走行を開始させる際に操作者によって操作されるアイコンである。この場合、端末制御装置81は、目標位置が設定された後に、走行開始アイコンが操作されると、フォークリフト10に走行指令情報を送信する。
【0131】
○各実施形態において、端末制御装置81は、パレットPの位置を示すアイコンIPを表示しなくてもよい。
○各実施形態において、端末制御装置81は、選択フォークリフトの強調表示を行わなくてもよい。同様に、端末制御装置81は、選択された荷役対象の強調表示を行わなくてもよい。
【0132】
○各実施形態において、端末制御装置81は、自己位置に応じてアイコンI10A,I10Bの位置を変更しなくてもよい。即ち、表示部88には、フォークリフト10の位置を表示しなくてもよい。
【0133】
○各実施形態において、端末制御装置81は、ステップS20の判定結果が否定の場合には、表示処理を終了してもよい。
○各実施形態において、端末制御装置81は、ステップS52の処理を行わなくてもよい。この場合、操作者により選択パレットが決定された状態でステップS53の判定結果が肯定になった場合、操作者により選択されたパレットPが選択パレットとなる。一方で、選択パレットが決定されていない状態でステップS53の判定結果が肯定になった場合、端末制御装置81は、例えば、フォーク26に最も近いパレットPを選択パレットとして自動で決定する。
【0134】
○各実施形態において、フォークリフト10を選択する手法は任意である。例えば、表示部88に区域Aで用いられているフォークリフト10の一覧をリストとして表示し、このリストからフォークリフト10を選択するようにしてもよい。
【0135】
○各実施形態において、操作端末80は、パーソナルコンピュータであってもよい。
○各実施形態において、入力部85としては、操作者の操作を入力信号に変換できるものであればよく、キーボード、マイク、マウス、及びカメラが含まれていてもよい。入力部85がキーボードの場合、キーボードが備えるキーに操作端末80の操作が割り当てられていてもよい。例えば、選択フォークリフトの決定、荷役作業の対象となる荷役対象の選択、目標位置の設定を行うための操作がキーに割り当てられていてもよい。入力部85がマイクの場合、音声入力によって操作端末80が操作される。入力部85がマウスの場合、例えば、マウスの移動、マウスによるクリック操作、及びダブルクリック操作によって操作端末80が操作される。入力部85がカメラの場合、カメラで撮像した画像を用いたジェスチャー認識によって操作端末80が操作される。
【0136】
○各実施形態において、識別情報は、端末補助記憶装置84に記憶されていてもよい。この場合、端末補助記憶装置84が記憶部である。
○第1実施形態において、選択パレットのカメラ座標からワールド座標への変換は、車両制御装置61が行ってもよい。この場合、荷役指令は、選択パレットのカメラ座標を示す情報を含む。
【0137】
○各実施形態において、地図情報MD1は、車両制御装置61が読み取り可能な記憶装置に記憶されていればよく、車両記憶部63のROMに記憶されていてもよい。この場合、車両記憶部63が地図情報記憶部である。
【0138】
○各実施形態において、フォークリフト用操作システムOSは、複数の操作端末80を備えていてもよい。
○各実施形態において、フォークリフト10は、カメラ71を備えていなくてもよい。この場合、フォークリフト10による荷役作業の対象となる荷役対象の選択は、表示部88に表示されたアイコンによって行われてもよい。例えば、車両制御装置61は、外界センサ54の検出結果から荷役対象を抽出し、荷役対象のワールド座標を示す情報を操作端末80に送信する。端末制御装置81は、フォークリフト10と荷役対象との位置関係を操作者が認識できるように、荷役対象を模したアイコンを表示部88に表示する。操作端末80の操作者は、荷役対象を模したアイコンをタップ操作することで荷役対象を選択することができる。
【0139】
○各実施形態において、フォークリフト10は、パレットセンサ55を備えていなくてもよい。この場合、荷役指令には、荷置き作業を指示するか、荷取り作業を指示するかを示す情報が含まれていてもよい。荷取り作業を指示するか、荷置き作業を指示するかは、操作端末80の操作によって選択可能である。
【0140】
○各実施形態において、車両制御装置61は、カメラ71によって撮像された画像からフォーク26にパレットPが積まれているか否かを判定してもよい。
○各実施形態において、フォークリフト用操作システムOSは、複数のフォークリフト10を備えていればよく、フォークリフト10は3つ以上であってもよい。この場合、端末記憶部83には、全てのフォークリフト10の識別情報が記憶される。
【0141】
○各実施形態において、フォークリフト10は、カウンタ式であってもよい。複数のフォークリフト10は、リーチ式とカウンタ式とが混在していてもよい。
【符号の説明】
【0142】
D1…目標位置設定領域としての第1領域、D3…荷役対象選択領域としての画像領域、MD1…地図情報、OS…フォークリフト用操作システム、P…荷役対象としてのパレット、PG…フォークリフト用操作プログラム、10…フォークリフト、54…位置検出部としての外界センサ、61…自己位置推定部、走行制御部、荷役制御部としての車両制御装置、64…地図情報記憶部としての車両補助記憶装置、73…受信機としての車両通信装置、80…フォークリフト用操作端末、81…走行指令生成部、走行指令送信部、荷役指令生成部、及び荷役指令送信部としての端末制御装置、83…記憶部としての端末記憶部、85…選択部としての入力部、86…送信機としての端末通信装置、88…表示部。