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特許7456440炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20240319BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20240319BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
H01L29/78 652H
H01L29/78 652T
H01L29/78 652S
H01L29/78 652F
H01L29/78 653A
H01L29/78 658G
H01L29/78 658A
H01L29/78 658F
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021525948
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(86)【国際出願番号】 JP2020019061
(87)【国際公開番号】W WO2020250612
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2019107907
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 健良
【審査官】石塚 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-083249(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0302657(US,A1)
【文献】特開2008-135522(JP,A)
【文献】特開2007-220711(JP,A)
【文献】特開2016-187007(JP,A)
【文献】特開平03-105947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 29/12
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面とを有する炭化珪素基板を備え、
前記炭化珪素基板は、
前記第1主面と前記第2主面との間にあり、かつ第1導電型を有する第1不純物領域と、
前記第1主面と前記第2主面との間にあり、前記第1不純物領域に接して設けられ、かつ前記第1導電型と異なる第2導電型を有する第2不純物領域と、
前記第1主面と前記第2主面との間にあり、前記第1不純物領域から隔てられるように前記第2不純物領域に接して設けられ、かつ前記第1導電型を有する第3不純物領域と、
前記第1不純物領域に接し、前記第1不純物領域と前記第2主面との間にあり、かつ前記第1導電型を有する第1領域と、前記第2不純物領域および前記第1領域の各々と接し、かつ前記第2導電型を有する第2領域とを有する第1スーパージャンクション部と、
前記第1主面と前記第2主面との間にあり、かつ前記第1導電型を有する第4不純物領域と、
前記第1主面と前記第2主面との間にあり、前記第4不純物領域に接して設けられ、かつ前記第2導電型を有する第5不純物領域と、
前記第1主面と前記第2主面との間にあり、前記第4不純物領域から隔てられるように前記第5不純物領域に接して設けられ、かつ前記第1導電型を有する第6不純物領域と、
前記第4不純物領域に接し、前記第4不純物領域と前記第2主面との間にあり、かつ前記第1導電型を有する第3領域と、前記第5不純物領域および前記第3領域の各々と接し、かつ前記第2導電型を有する第4領域とを有する第2スーパージャンクション部と、
前記第2不純物領域に接し、前記第2導電型を有し、かつ前記第2不純物領域よりも高い不純物濃度を有する第1コンタクト領域と、
前記第5不純物領域に接し、前記第2導電型を有し、かつ前記第5不純物領域よりも高い不純物濃度を有する第2コンタクト領域と、を含み、
前記第2領域は、前記第2不純物領域に接する第1端面と、前記第1端面と反対側の第2端面とを有し、
前記第4領域は、前記第5不純物領域に接する第3端面と、前記第3端面と反対側の第4端面とを有し、
前記第1領域と、前記第2領域と、前記第4領域と、前記第3領域とは、前記第2主面と平行な第1方向に並んで設けられており、
前記第2領域は、前記第1領域と前記第4領域との間にあり、かつ前記第4領域は、前記第2領域と前記第3領域との間にあり、
前記第1主面には、前記第2領域と前記第4領域とを隔てる第1トレンチが設けられており、さらに、
前記第1トレンチの内部に設けられた第1絶縁体を備え、
前記第2主面に対して垂直な方向において、前記第1トレンチの底面は、前記第2端面と前記第2主面との間にあり、かつ前記第4端面と前記第2主面との間にあり、
前記第1コンタクト領域は、前記第1トレンチの第1側面および前記第1主面の各々に接し、かつ、前記第2コンタクト領域は、前記第1トレンチの第2側面および前記第1主面の各々に接している、炭化珪素半導体装置。
【請求項2】
前記第1領域および前記第3領域の各々の不純物濃度は、3×1016cm-3以上3×1017cm-3以下である、請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項3】
前記第1方向において、前記第1領域の幅を第1幅とし、前記第2領域の幅を第2幅とし、かつ前記第1領域の不純物濃度を第1濃度とし、前記第2領域の不純物濃度を第2濃度とした場合、前記第1濃度に前記第1幅を乗じた値を前記第2濃度に前記第2幅を乗じた値で除した値は、0.5以上1.5以下であり、かつ、
前記第1方向において、前記第3領域の幅を第3幅とし、前記第4領域の幅を第4幅とし、かつ前記第3領域の不純物濃度を第3濃度とし、前記第4領域の不純物濃度を第4濃度とした場合、前記第3濃度に前記第3幅を乗じた値を前記第4濃度に前記第4幅を乗じた値で除した値は、0.5以上1.5以下である、請求項1または請求項2に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項4】
前記第2幅および前記第4幅の各々は、0.2μm以上2μm以下である、請求項3に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項5】
前記第1方向における前記第1トレンチの幅は、0.5μm以上5μm以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項6】
前記第1トレンチの深さは、1μm以上100μm以下である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項7】
前記第1トレンチの深さを、前記第1方向における前記第1トレンチの幅で除した値は、0.5以上25以下である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項8】
前記第1トレンチは、前記第2領域に接しかつ前記第2領域から前記第1領域に向かって凹んでいる前記第1側面と、前記第4領域に接しかつ前記第4領域から前記第3領域に向かって凹んでいる前記第2側面とを有している、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項9】
前記第1方向において、前記第1領域の最大幅から前記第1領域の最小幅を差し引いた値は、0.05μm以上2.0μm以下であり、かつ、
前記第1方向において、前記第3領域の最大幅から前記第3領域の最小幅を差し引いた値は、0.05μm以上2.0μm以下である、請求項8に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項10】
前記第1不純物領域と前記第1領域とは一体であり、かつ前記第4不純物領域と前記第3領域とは一体である、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項11】
前記第1主面においては、前記第2主面に対して垂直な方向に見て、前記第1トレンチを取り囲む第2トレンチが設けられており、さらに、
前記第2トレンチの内部に設けられた第2絶縁体を備える、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項12】
炭化珪素単結晶基板と、前記炭化珪素単結晶基板上に設けられかつ第1導電型を付与可能な不純物イオンを有する炭化珪素エピタキシャル層とを含む炭化珪素エピタキシャル基板を準備する工程と、
前記炭化珪素エピタキシャル層に、第1側面と、前記第1側面に対向する第2側面とを有するトレンチを形成する工程と、
前記第1側面に対して第2導電型を付与可能な不純物イオンを斜め注入することにより、第2領域を形成する工程と、
前記第2側面に対して前記第2導電型を付与可能な不純物イオンを斜め注入することにより、第4領域を形成する工程とを備え、
前記炭化珪素エピタキシャル基板は、第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、
前記炭化珪素エピタキシャル層は、前記第1導電型を有しかつ前記第2領域に接する第1領域と前記第2領域とを有する第1スーパージャンクション部と、前記第1導電型を有しかつ前記第4領域に接する第3領域と前記第4領域とを有する第2スーパージャンクション部と、前記第1主面と前記第2主面との間にあり、前記第1領域に接し、かつ前記第1導電型を有する第1不純物領域と、前記第1主面と前記第2主面との間にあり、前記第1不純物領域および前記第2領域の各々に接して設けられ、かつ前記第2導電型を有する第2不純物領域と、前記第1主面と前記第2主面との間にあり、前記第1不純物領域から隔てられるように前記第2不純物領域に接して設けられ、かつ前記第1導電型を有する第3不純物領域と、前記第1主面と前記第2主面との間にあり、前記第3領域に接し、かつ前記第1導電型を有する第4不純物領域と、前記第1主面と前記第2主面との間にあり、前記第4不純物領域および前記第4領域の各々に接して設けられ、かつ前記第2導電型を有する第5不純物領域と、前記第1主面と前記第2主面との間にあり、前記第4不純物領域から隔てられるように前記第5不純物領域に接して設けられ、かつ前記第1導電型を有する第6不純物領域と、前記第2不純物領域に接し、前記第2導電型を有し、かつ前記第2不純物領域よりも高い不純物濃度を有する第1コンタクト領域と、前記第5不純物領域に接し、前記第2導電型を有し、かつ前記第5不純物領域よりも高い不純物濃度を有する第2コンタクト領域と、を含み、
前記第1コンタクト領域は、前記第1側面および前記第1主面の各々に接し、かつ、前記第2コンタクト領域は、前記第2側面および前記第1主面の各々に接し、
前記炭化珪素単結晶基板と前記炭化珪素エピタキシャル層との境界面に対して垂直な方向において、前記トレンチの底面は、前記第2領域および前記第4領域の各々と、前記炭化珪素単結晶基板との間に位置しており、さらに、
前記トレンチを絶縁体で埋める工程とを備える、炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第2領域を形成する工程および前記第4領域を形成する工程の各々において、前記底面に対して前記第2導電型を付与可能な不純物イオンが注入され、さらに、
前記底面に対して注入された前記第2導電型を付与可能な不純物イオンをエッチングにより除去する工程を備える、請求項12に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記第2領域を形成する工程および前記第4領域を形成する工程の各々において、前記底面に対して前記第2導電型を付与可能な不純物イオンが注入されないように斜め注入が行われる、請求項12に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。本出願は、2019年6月10日に出願した日本特許出願である特願2019-107907号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
国際公開2019/069416号(特許文献1)には、スーパージャンクション部を有するMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2019/069416号
【発明の概要】
【0004】
本開示に係る炭化珪素半導体装置は、炭化珪素基板と、第1絶縁体と、第1電極と、第2電極とを備えている。炭化珪素基板は、第1主面と、第1主面と反対側の第2主面とを有する。炭化珪素基板は、第1主面と第2主面との間にあり、かつ第1導電型を有する第1不純物領域と、第1主面と第2主面との間にあり、第1不純物領域に接して設けられ、かつ第1導電型と異なる第2導電型を有する第2不純物領域と、第1主面と第2主面との間にあり、第1不純物領域から隔てられるように第2不純物領域に接して設けられ、かつ第1導電型を有する第3不純物領域と、第1不純物領域に接し、第1不純物領域と第2主面との間にあり、かつ第1導電型を有する第1領域と、第2不純物領域および第1領域の各々と接し、かつ第2導電型を有する第2領域とを有する第1スーパージャンクション部と、第1主面と第2主面との間にあり、かつ第1導電型を有する第4不純物領域と、第1主面と第2主面との間にあり、第4不純物領域に接して設けられ、かつ第2導電型を有する第5不純物領域と、第1主面と第2主面との間にあり、第4不純物領域から隔てられるように第5不純物領域に接して設けられ、かつ第1導電型を有する第6不純物領域と、第4不純物領域に接し、第4不純物領域と第2主面との間にあり、かつ第1導電型を有する第3領域と、第5不純物領域および第3領域の各々と接し、かつ第2導電型を有する第4領域とを有する第2スーパージャンクション部と含んでいる。第2領域は、第2不純物領域に接する第1端面と、第1端面と反対側の第2端面とを有している。第4領域は、第5不純物領域に接する第3端面と、第3端面と反対側の第4端面とを有している。第1領域と、第2領域と、第4領域と、第3領域とは、第2主面と平行な第1方向に並んで設けられている。第2領域は、第1領域と第4領域との間にあり、かつ第4領域は、第2領域と第3領域との間にある。第1主面には、第2領域と第4領域とを隔てる第1トレンチが設けられている。第1絶縁体は、第1トレンチの内部に設けられている。第2主面に対して垂直な方向において、第1トレンチの底面は、第2端面と第2主面との間にあり、かつ第4端面と第2主面との間にある。
【0005】
本開示に係る炭化珪素半導体装置の製造方法は以下の工程を備えている。炭化珪素単結晶基板と、炭化珪素単結晶基板上に設けられかつ第1導電型を付与可能な不純物イオンを有する炭化珪素エピタキシャル層とを含む炭化珪素エピタキシャル基板が準備される。炭化珪素エピタキシャル層に、第1側面と、第1側面に対向する第2側面とを有するトレンチが形成される。第1側面に対して第2導電型を付与可能な不純物イオンを斜め注入することにより、第2領域が形成される。第2側面に対して第2導電型を付与可能な不純物イオンを斜め注入することにより、第4領域が形成される。炭化珪素エピタキシャル層は、第1導電型を有しかつ第2領域に接する第1領域と第2領域とを有する第1スーパージャンクション部と、第1導電型を有しかつ第4領域に接する第3領域と第4領域とを有する第2スーパージャンクション部とを含んでいる。炭化珪素単結晶基板と炭化珪素エピタキシャル層との境界面に対して垂直な方向において、トレンチの底面は、第2領域および第4領域の各々と、炭化珪素単結晶基板との間に位置している。トレンチが絶縁体で埋められる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置の構成を示す断面模式図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿った断面模式図である。
図3図3は、図1のIII-III線に沿った断面模式図である。
図4図4は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の構成を示す平面模式図である。
図5図5は、第2実施形態に係る炭化珪素半導体装置の構成を示す断面模式図である。
図6図6は、第3実施形態に係る炭化珪素半導体装置の構成を示す断面模式図である。
図7図7は、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を概略的に示すフローチャートである。
図8図8は、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第1工程を示す断面模式図である。
図9図9は、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第2工程を示す断面模式図である。
図10図10は、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第3工程を示す断面模式図である。
図11図11は、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第4工程を示す断面模式図である。
図12図12は、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第5工程を示す断面模式図である。
図13図13は、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第6工程を示す断面模式図である。
図14図14は、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第7工程を示す断面模式図である。
図15図15は、第5実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第1工程を示す断面模式図である。
図16図16は、第5実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第2工程を示す断面模式図である。
図17図17は、第5実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第3工程を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[本開示が解決しようとする課題]
本開示の目的は、スーパージャンクション部のチャージバランスを良好に保つことができる炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することである。
[本開示の効果]
本開示によれば、スーパージャンクション部のチャージバランスを良好に保つことができる炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列挙して説明する。本明細書の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示す。結晶学上の指数が負であることは、通常、数字の上に”-”(バー)を付すことによって表現されるが、本明細書では数字の前に負の符号を付すことによって結晶学上の負の指数を表現する。
【0008】
(1)本開示に係る炭化珪素半導体装置200は、炭化珪素基板100と、第1絶縁体80と、第1電極60と、第2電極70とを備えている。炭化珪素基板100は、第1主面1と、第1主面1と反対側の第2主面2とを有する。炭化珪素基板100は、第1主面1と第2主面2との間にあり、かつ第1導電型を有する第1不純物領域11と、第1主面1と第2主面2との間にあり、第1不純物領域11に接して設けられ、かつ第1導電型と異なる第2導電型を有する第2不純物領域12と、第1主面1と第2主面2との間にあり、第1不純物領域11から隔てられるように第2不純物領域12に接して設けられ、かつ第1導電型を有する第3不純物領域13と、第1不純物領域11に接し、第1不純物領域11と第2主面2との間にあり、かつ第1導電型を有する第1領域31と、第2不純物領域12および第1領域31の各々と接し、かつ第2導電型を有する第2領域32とを有する第1スーパージャンクション部16と、第1主面1と第2主面2との間にあり、かつ第1導電型を有する第4不純物領域21と、第1主面1と第2主面2との間にあり、第4不純物領域21に接して設けられ、かつ第2導電型を有する第5不純物領域22と、第1主面1と第2主面2との間にあり、第4不純物領域21から隔てられるように第5不純物領域22に接して設けられ、かつ第1導電型を有する第6不純物領域23と、第4不純物領域21に接し、第4不純物領域21と第2主面2との間にあり、かつ第1導電型を有する第3領域33と、第5不純物領域22および第3領域33の各々と接し、かつ第2導電型を有する第4領域34とを有する第2スーパージャンクション部26とを含んでいる。第2領域32は、第2不純物領域12に接する第1端面17と、第1端面17と反対側の第2端面3とを有している。第4領域34は、第5不純物領域22に接する第3端面27と、第3端面27と反対側の第4端面4とを有している。第1領域31と、第2領域32と、第4領域34と、第3領域33とは、第2主面2と平行な第1方向101に並んで設けられている。第2領域32は、第1領域31と第4領域34との間にあり、かつ第4領域34は、第2領域32と第3領域33との間にある。第1主面1には、第2領域32と第4領域34とを隔てる第1トレンチ8が設けられている。第1絶縁体80は、第1トレンチ8の内部に設けられている。第2主面2に対して垂直な方向において、第1トレンチ8の底面7は、第2端面3と第2主面2との間にあり、かつ第4端面4と第2主面2との間にある。
【0009】
(2)上記(1)に係る炭化珪素半導体装置200において、第1領域31および第3領域33の各々の不純物濃度は、3×1016cm-3以上3×1017cm-3以下であってもよい。
【0010】
(3)上記(1)または(2)に係る炭化珪素半導体装置200において、第1方向101において、第1領域31の幅を第1幅W1とし、第2領域32の幅を第2幅W2とし、かつ第1領域31の不純物濃度を第1濃度とし、第2領域32の不純物濃度を第2濃度とした場合、第1濃度に第1幅W1を乗じた値を第2濃度に第2幅W2を乗じた値で除した値は、0.5以上1.5以下であり、かつ、第1方向101において、第3領域33の幅を第3幅W3とし、第4領域34の幅を第4幅W4とし、かつ第3領域33の不純物濃度を第3濃度とし、第4領域34の不純物濃度を第4濃度とした場合、第3濃度に第3幅W3を乗じた値を第4濃度に第4幅W4を乗じた値で除した値は、0.5以上1.5以下であってもよい。
【0011】
(4)上記(3)に係る炭化珪素半導体装置200において、第2幅W2および第4幅W4の各々は、0.1μm以上2μm以下であってもよい。
【0012】
(5)上記(1)から(4)のいずれかに係る炭化珪素半導体装置200において、第1方向101における第1トレンチ8の幅は、1μm以上3μm以下であってもよい。
【0013】
(6)上記(1)から(5)のいずれかに係る炭化珪素半導体装置200において、第1トレンチ8の深さは、3μm以上30μm以下であってもよい。
【0014】
(7)上記(1)から(6)のいずれかに係る炭化珪素半導体装置200において、第1トレンチ8の深さを、第1方向101における第1トレンチ8の幅で除した値は、0.5以上25以下であってもよい。
【0015】
(8)上記(1)から(7)のいずれかに係る炭化珪素半導体装置200において、第1トレンチ8は、第2領域32に接しかつ第2領域32から第1領域31に向かって凹んでいる第1側面5と、第4領域34に接しかつ第4領域34から第3領域33に向かって凹んでいる第2側面6とを有していてもよい。
【0016】
(9)上記(8)に係る炭化珪素半導体装置200において、第1方向101において、第1領域31の最大幅から第1領域31の最小幅を差し引いた値は、0.05μm以上2.0μm以下であり、かつ、第1方向101において、第3領域33の最大幅から第3領域33の最小幅を差し引いた値は、0.05μm以上2.0μm以下であってもよい。
【0017】
(10)上記(1)から(9)のいずれかに係る炭化珪素半導体装置200において、第1不純物領域11と第1領域31とは一体であり、かつ第4不純物領域21と第3領域33とは一体であってもよい。
【0018】
(11)上記(1)から(10)のいずれかに係る炭化珪素半導体装置200において、第1主面1においては、第2主面2に対して垂直な方向に見て、第1トレンチ8を取り囲む第2トレンチ9が設けられており、さらに、第2トレンチ9の内部に設けられた第2絶縁体90を備えていてもよい。
【0019】
(12)本開示に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法は以下の工程を備えている。炭化珪素単結晶基板50と、炭化珪素単結晶基板50上に設けられかつ第1導電型を付与可能な不純物イオンを有する炭化珪素エピタキシャル層40とを含む炭化珪素基板100が準備される。炭化珪素エピタキシャル層40に、第1側面5と、第1側面5に対向する第2側面6とを有するトレンチ8が形成される。第1側面5に対して第2導電型を付与可能な不純物イオンを斜め注入することにより、第2領域32が形成される。第2側面6に対して第2導電型を付与可能な不純物イオンを斜め注入することにより、第4領域34が形成される。炭化珪素エピタキシャル層40は、第1導電型を有しかつ第2領域32に接する第1領域31と第2領域32とを有する第1スーパージャンクション部16と、第1導電型を有しかつ第4領域34に接する第3領域33と第4領域34とを有する第2スーパージャンクション部26とを含んでいる。炭化珪素単結晶基板50と炭化珪素エピタキシャル層40との境界面45に対して垂直な方向において、トレンチ8の底面7は、第2領域32および第4領域34の各々と、炭化珪素単結晶基板50との間に位置している。トレンチ8が絶縁体80で埋められる。
【0020】
(13)上記(12)に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法によれば、第2領域32を形成する工程および第4領域34を形成する工程の各々において、底面7に対して第2導電型を付与可能な不純物イオンが注入されてもよい。底面7に対して注入された第2導電型を付与可能な不純物イオンがエッチングにより除去されてもよい。
【0021】
(14)上記(12)に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法によれば、第2領域32を形成する工程および第4領域34を形成する工程の各々において、底面7に対して第2導電型を付与可能な不純物イオンが注入されないように斜め注入が行われてもよい。[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態の詳細について説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付し、それらについて同じ説明は繰り返さない。
【0022】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の構成を示す断面模式図である。
【0023】
図1に示されるように、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置200は、たとえば平面型MOSFETであり、炭化珪素基板100と、ゲート電極52と、ゲート絶縁膜51と、分離絶縁膜53と、第1電極60と、第2電極70と、第1絶縁体80とを主に有している。炭化珪素基板100は、第1主面1と、第1主面1と反対側の第2主面2とを有している。炭化珪素基板100は、炭化珪素単結晶基板50と、炭化珪素単結晶基板50上に設けられた炭化珪素エピタキシャル層40とを含んでいる。炭化珪素単結晶基板50は、第2主面2を構成している。炭化珪素エピタキシャル層40は、第1主面1を構成している。
【0024】
炭化珪素単結晶基板50は、たとえばポリタイプ4Hの六方晶炭化珪素から構成されている。第1主面1は、たとえば{0001}面または{0001}面に対して8°以下オフした面である。具体的には、第1主面1は、たとえば(0001)面または(0001)面に対して8°以下オフした面である。第1主面1は、たとえば(000-1)面または(000-1)面に対して8°以下オフした面であってもよい。
【0025】
炭化珪素基板100は、第1不純物領域11と、第2不純物領域12と、第3不純物領域13と、第1コンタクト領域14と、第1スーパージャンクション部16とを含んでいる。第1不純物領域11は、たとえばN(窒素)などのn型を付与可能なn型不純物を含んでいる。第1不純物領域11は、たとえばn型(第1導電型)を有している。第1不純物領域11は、たとえばドリフト領域である。第2不純物領域12は、第1不純物領域11に接して設けられている。第1不純物領域11は、第1主面1と第2主面2との間にある。
【0026】
第2不純物領域12は、たとえばAl(アルミニウム)などのp型を付与可能なp型不純物を含んでいる。第2不純物領域12は、n型と異なるp型(第2導電型)を有している。第2不純物領域12は、たとえばボディ領域である。第2不純物領域12が含むp型不純物の濃度は、第1不純物領域11が含むn型不純物の濃度よりも高くてもよい。第2不純物領域12は、第1主面1と第2主面2との間にある。
【0027】
第2不純物領域12は、第5領域41と、第6領域42とを有していてもよい。第5領域41が含むp型不純物の濃度は、第6領域42が含むp型不純物の濃度よりも高くてもよい。第5領域41は、第2領域32と、第3不純物領域13と、第1コンタクト領域14とに接している。第6領域42は、第1領域31と、第3不純物領域13と、第1不純物領域11とに接している。
【0028】
第3不純物領域13は、第1不純物領域11から隔てられるように第2不純物領域12に接して設けられている。第3不純物領域13は、たとえばP(リン)などのn型を付与可能なn型不純物を含んでいる。第3不純物領域13は、たとえばn型を有している。第3不純物領域13は、たとえばソース領域である。第3不純物領域13は、第1主面1と第2主面2との間にある。第3不純物領域13が含むn型不純物の濃度は、第2不純物領域12が含むp型不純物の濃度よりも高くてもよい。第1コンタクト領域14は、たとえばAlなどのp型を付与可能なp型不純物を含んでいる。第1コンタクト領域14は、p型を有している。第1コンタクト領域14が含むp型不純物の濃度は、第2不純物領域12が含むp型不純物の濃度よりも高くてもよい。
【0029】
第1スーパージャンクション部16は、第1領域31および第2領域32を有している。第1領域31は、第1不純物領域11に接している。第1領域31は、第1不純物領域11と第2主面2との間に位置している。第1領域31は、たとえばNなどのn型を付与可能なn型不純物を含んでいる。第1領域31は、たとえばn型を有している。第1領域31は、第2不純物領域12に接していてもよい。
【0030】
第2領域32は、第2不純物領域12および第1領域31の各々と接している。第2領域32は、たとえばAlなどのp型を付与可能なp型不純物を含んでいる。第2領域32は、たとえばp型を有している。第1領域31は、たとえば一対の第2領域32によって挟まれている。第1領域31および第2領域32は、第1スーパージャンクション部16を構成している。図1に示されるように、第1方向101および第3方向103の各々に対して垂直な方向(第2方向102)に見て、第1領域31および第2領域32の各々は、柱状である。
【0031】
炭化珪素基板100は、第4不純物領域21と、第5不純物領域22と、第6不純物領域23と、第2コンタクト領域24と、第2スーパージャンクション部26とを含んでいる。第4不純物領域21は、たとえばNなどのn型を付与可能なn型不純物を含んでいる。第4不純物領域21は、たとえばn型(第1導電型)を有している。第4不純物領域21は、たとえばドリフト領域である。第4不純物領域21は、第1主面1と第2主面2との間にある。
【0032】
第5不純物領域22は、第4不純物領域21に接して設けられている。第5不純物領域22は、たとえばAlなどのp型を付与可能なp型不純物を含んでいる。第5不純物領域22は、n型と異なるp型(第2導電型)を有している。第5不純物領域22は、たとえばボディ領域である。第5不純物領域22が含むp型不純物の濃度は、第4不純物領域21が含むn型不純物の濃度よりも高くてもよい。第5不純物領域22は、第1主面1と第2主面2との間にある。
【0033】
第5不純物領域22は、第7領域43と、第8領域44とを有していてもよい。第7領域43が含むp型不純物の濃度は、第8領域44が含むp型不純物の濃度よりも高くてもよい。第7領域43は、第4領域34と、第6不純物領域23と、第2コンタクト領域24とに接している。第8領域44は、第3領域33と、第6不純物領域23と、第4不純物領域21とに接している。
【0034】
第6不純物領域23は、第4不純物領域21から隔てられるように第5不純物領域22に接して設けられている。第6不純物領域23は、たとえばP(リン)などのn型を付与可能なn型不純物を含んでいる。第6不純物領域23は、たとえばn型を有している。第6不純物領域23は、たとえばソース領域である。第6不純物領域23は、第1主面1と第2主面2との間にある。第6不純物領域23が含むn型不純物の濃度は、第5不純物領域22が含むp型不純物の濃度よりも高くてもよい。第2コンタクト領域24は、たとえばAlなどのp型を付与可能なp型不純物を含んでいる。第2コンタクト領域24は、p型を有している。第2コンタクト領域24が含むp型不純物の濃度は、第5不純物領域22が含むp型不純物の濃度よりも高くてもよい。
【0035】
第2スーパージャンクション部26は、第3領域33と、第4領域34とを有している。第3領域33は、第4不純物領域21に接している。第3領域33は、第4不純物領域21と第2主面2との間に位置している。第3領域33は、たとえばNなどのn型を付与可能なn型不純物を含んでいる。第3領域33は、たとえばn型を有している。第3領域33は、第5不純物領域22に接していてもよい。
【0036】
第4領域34は、第5不純物領域22および第3領域33の各々と接している。第4領域34は、たとえばAlなどのp型を付与可能なp型不純物を含んでいる。第4領域34は、たとえばp型を有している。第3領域33は、たとえば第4領域34によって挟まれている。第3領域33および第4領域34は、第2スーパージャンクション部26を構成している。図1に示されるように、第1方向101および第3方向103の各々に対して垂直な方向(第2方向102)に見て、第3領域33および第4領域34の各々は、柱状である。第3領域33から第4領域34に向かう方向(第1方向101)において、第1スーパージャンクション部16と第2スーパージャンクション部26とが交互に配置されている。
【0037】
図1に示されるように、第1領域31から第2領域32に向かう方向(第1方向101)において、第1領域31の幅は第1幅W1であり、かつ第2領域32の幅は第2幅W2である。第3領域33から第4領域34に向かう方向(第1方向101)において、第3領域33の幅は第3幅W3であり、かつ第4領域34の幅は第4幅W4である。なお、図1のように第2領域32が2つに分離している場合には、第2領域32の幅とは、2つの第2領域32の幅の合計である。同様に、第4領域34が2つに分離している場合には、第4領域34の幅とは、2つの第4領域34の幅の合計である。
【0038】
第2幅W2および第4幅W4の各々は、たとえば0.3μm以上0.5μm以下である。第2幅W2および第4幅W4の各々の上限は、特に限定されないが、たとえば1μm以下であってもよいし、2μm以下であってもよい。第2幅W2および第4幅W4の各々の下限は、特に限定されないが、たとえば0.2μm以上であってもよいし、0.1μm以上であってもよい。
【0039】
第1領域31および第3領域33の各々の不純物濃度は、たとえば3×1016cm-3以上3×1017cm-3以下である。第1領域31および第3領域33の各々の不純物濃度の上限は、特に限定されないが、たとえば5×1017cm-3以下であってもよいし、1×1018cm-3以下であってもよい。第1領域31および第3領域33の各々の不純物濃度の下限は、特に限定されないが、たとえば2×1016cm-3以上であってもよいし、1×1016cm-3以上であってもよい。
【0040】
第1領域31の不純物濃度を第1濃度とし、第2領域32の不純物濃度を第2濃度とした場合、第1濃度に第1幅W1を乗じた値を第2濃度に第2幅W2を乗じた値で除した値(第1比率)は、0.7以上1.3以下である。第1比率の上限は、特に限定されないが、たとえば1.4以下であってもよいし、1.5以下であってもよい。第1比率の下限は、特に限定されないが、たとえば0.6以上であってもよいし、0.5以上であってもよい。
【0041】
第3領域33の不純物濃度を第3濃度とし、第4領域34の不純物濃度を第4濃度とした場合、第3濃度に第3幅W3を乗じた値を第4濃度に第4幅W4を乗じた値で除した値(第2比率)は、0.7以上1.3以下である。第2比率の上限は、特に限定されないが、たとえば1.4以下であってもよいし、1.5以下であってもよい。第2比率の下限は、特に限定されないが、たとえば0.6以上であってもよいし、0.5以上であってもよい。
【0042】
炭化珪素基板100は、第1下部ドリフト領域15と、第2下部ドリフト領域25と、第3下部ドリフト領域91とを含んでいる。第1下部ドリフト領域15は、たとえばNなどのn型を付与可能なn型不純物を含んでいる。第1下部ドリフト領域15は、n型を有している。第1下部ドリフト領域15は、第1領域31および第2領域32の各々に接している。第1下部ドリフト領域15は、第1領域31および第2領域32の各々と、第2主面2との間に位置している。第2下部ドリフト領域25は、n型を有している。第2下部ドリフト領域25は、第3領域33および第4領域34の各々に接している。第2下部ドリフト領域25は、第3領域33および第4領域34の各々と、第2主面2との間に位置している。
【0043】
第3下部ドリフト領域91は、たとえばNなどのn型を付与可能なn型不純物を含んでいる。第3下部ドリフト領域91は、n型を有している。第3下部ドリフト領域91は、第1下部ドリフト領域15と第2下部ドリフト領域25との間に位置している。第3下部ドリフト領域91は、第1下部ドリフト領域15および第2下部ドリフト領域25の各々に連なっている。第1下部ドリフト領域15は、第3下部ドリフト領域91を介して第2下部ドリフト領域25と電気的に接続されている。
【0044】
図1に示されるように、第1領域31と、第2領域32と、第4領域34と、第3領域33とは、第2主面2と平行な第1方向101に並んで設けられている。第2領域32は、第1領域31と第4領域34との間にあり、かつ第4領域34は、第2領域32と第3領域33との間にある。図1に示されるように、第1主面1には、第1トレンチ8が設けられている。第1トレンチ8は、第2領域32と第4領域34とを隔てている。第1トレンチ8は、第2領域32と第4領域34との間に位置している。第1トレンチ8は、第1側面5と、第1底面7と、第2側面6とを有している。第2側面6は、第1側面5に対向している。第1側面5および第2側面6の各々は、第1主面1に連なっている。第1底面7は、第1側面5および第2側面6の各々に連なっている。
【0045】
第2領域32は、第1端面17と、第2端面3とを有している。第1端面17は、第2不純物領域12に接している。第2端面3は、第1端面17と反対側にある。第4領域34は、第3端面27と、第4端面4とを有している。第3端面27は、第5不純物領域22に接している。第4端面4は、第3端面27と反対側にある。図1に示されるように、第2主面2に対して垂直な方向(第3方向103)において、第1トレンチ8の第1底面7は、第2端面3と第2主面2との間にあり、かつ第4端面4と第2主面2との間にある。別の観点から言えば、第1トレンチ8の第1底面7は、第2端面3および第4端面4の各々に対して第2主面2側に位置している。
【0046】
第1コンタクト領域14と、第2不純物領域12と、第2領域32と、第1下部ドリフト領域15とは、第1側面5に接している。第2コンタクト領域24と、第5不純物領域22と、第4領域34と、第2下部ドリフト領域25とは、第2側面6に接している。第3下部ドリフト領域91は、第1底面7に接している。第2領域32および第4領域34の各々は、第1底面7から離間している。
【0047】
図1に示されるように、第2領域32から第4領域34に向かう方向(第1方向101)における第1トレンチ8の幅(第5幅W5)は、たとえば1μm以上3μm以下である。第1トレンチ8の幅の上限は、特に限定されないが、たとえば4μm以下であってもよいし、5μm以下であってもよい。第1トレンチ8の幅の下限は、特に限定されないが、たとえば0.75μm以上であってもよいし、0.5μm以上であってもよい。
【0048】
図1に示されるように、炭化珪素基板100の厚み方向(第3方向103)において、第1トレンチ8の深さ(第1深さH1)は、たとえば3μm以上30μm以下である。第1トレンチ8の深さの上限は、特に限定されないが、たとえば50μm以下であってもよいし、100μm以下であってもよい。第1トレンチ8の深さの下限は、特に限定されないが、たとえば2μm以上であってもよいし、1μm以上であってもよい。
【0049】
第1トレンチ8の深さ(第1深さH1)を、第2領域32から第4領域34に向かう方向(第1方向101)における第1トレンチ8の幅(第5幅W5)で除した値(アスペクト比)は、たとえば2以上20以下である。アスペクト比の上限は、特に限定されないが、たとえば1以上であってもよいし、0.5以上であってもよい。アスペクト比の下限は、特に限定されないが、たとえば25以下であってもよいし、50以下であってもよい。
【0050】
図1に示されるように、第1不純物領域11と第1領域31とは一体であることが好ましい。第1不純物領域11と第1領域31とは一体であることが好ましい。具体的には、第1不純物領域11と第1領域31との境界領域(3μm以上の領域)において、第3方向103に沿ったn型不純物の濃度分布(最大濃度から最小濃度を引いた値を平均濃度で除した値)は、10以内である。好ましくは、第1不純物領域11と第1領域31と第1下部ドリフト領域15とはシームレスに繋がっている。別の観点から言えば、第1不純物領域11と第1領域31と第1下部ドリフト領域15とは、一回のエピタキシャル成長工程において形成されている。
【0051】
同様に、第4不純物領域21と第3領域33とは一体であることが好ましい。具体的には、第4不純物領域21と第3領域33との境界領域(3μm以上の領域)において、第3方向103に沿ったn型不純物の濃度分布(最大濃度から最小濃度を引いた値を平均濃度で除した値)は、10以内である。好ましくは、第4不純物領域21と第3領域33と第2下部ドリフト領域25とはシームレスに繋がっている。別の観点から言えば、第4不純物領域21と第3領域33と第2下部ドリフト領域25とは、一回のエピタキシャル成長工程において形成されている。
【0052】
第1絶縁体80は、第1トレンチ8の内部に設けられている。別の観点から言えば、第1トレンチ8は、第1絶縁体80により埋められている。第1絶縁体80は、たとえばBCB(BenzoCycloButene)樹脂である。BCB樹脂は、耐熱性、耐薬品性および埋込性に優れている。第1絶縁体80は、たとえばSOG(Spin On Glass)膜または二酸化珪素膜であってもよい。
【0053】
図1に示されるように、第1不純物領域11と、第2不純物領域12と、第3不純物領域13と、第1コンタクト領域14と、第1領域31と、第2領域32と、第1下部ドリフト領域15とは、第1メサ領域10を構成していてもよい。第4不純物領域21と、第5不純物領域22と、第6不純物領域23と、第2コンタクト領域24と、第3領域33と、第4領域34と、第2下部ドリフト領域25とは、第2メサ領域20を構成していてもよい。第1メサ領域10と、第2メサ領域20とは、第1絶縁体80によって分離されている。
【0054】
ゲート絶縁膜51は、たとえば二酸化珪素から構成されている。ゲート絶縁膜51は、第1主面1に接するように設けられている。ゲート絶縁膜は、第1主面1において、第1不純物領域11、第2不純物領域12および第3不純物領域13の各々に接している。ゲート絶縁膜51に接する第2不純物領域12には、チャネルが形成可能に構成されている。ゲート絶縁膜は、第1主面1において、第4不純物領域21、第5不純物領域22および第6不純物領域23の各々に接している。ゲート絶縁膜51に接する第5不純物領域22には、チャネルが形成可能に構成されている。ゲート絶縁膜51の厚みは、たとえば40nm以上150nm以下である。
【0055】
ゲート電極52は、ゲート絶縁膜51上に設けられている。ゲート電極52は、ゲート絶縁膜51に接触して配置されている。ゲート電極52は、たとえば不純物がドーピングされたポリシリコンなどの導電体から構成されている。
【0056】
分離絶縁膜53は、ゲート電極52を覆うように設けられている。分離絶縁膜53は、ゲート電極52およびゲート絶縁膜51の各々に接している。分離絶縁膜53は、たとえばNSG(None-doped Silicate Glass)膜またはPSG(Phosphorus Silicate Glass)膜などにより構成されている。分離絶縁膜53は、ゲート電極52と第1電極60とを電気的に絶縁している。
【0057】
第1電極60は、第1主面1に設けられている。第1電極60は、たとえばソース電極である。第1電極60は、第3不純物領域13および第6不純物領域23の各々と電気的に接続されている。第1電極60は、電極層61と、ソース配線62とを有している。電極層61は、たとえばNi合金により構成されている。電極層61は、たとえばTi(チタン)とAl(アルミニウム)とSi(シリコン)を含む材料から構成されている。ソース配線62は、たとえばAlを含む材料から構成されている。
【0058】
第1電極60は、第1主面1において、第3不純物領域13および第6不純物領域23の各々に接していてもよい。第1電極60は、第1主面1において、第1コンタクト領域14および第2コンタクト領域24の各々に接していてもよい。第1電極60は、第1トレンチ8上を跨いでいる。第1電極60は、第1絶縁体80に接していてもよい。
【0059】
第2電極70は、第2主面2に設けられている。第2電極70は、たとえばドレイン電極である。第2電極70は、第1領域31および第3領域33の各々と電気的に接続されている。第2電極70は、第2主面2において、炭化珪素単結晶基板50に接している。第2電極70は、たとえばNiSi(ニッケルシリサイド)など、n型の炭化珪素単結晶基板50とオーミック接合可能な材料から構成されている。
【0060】
図2は、図1のII-II線に沿った断面模式図である。図2に示されるように、第2主面2に垂直な方向に見て、第1トレンチ8は、第2方向102に沿って延在している。別の観点から言えば、第1トレンチ8の長手方向は、第2方向102である。第1トレンチ8の短手方向は、第1方向101である。同様に、第1絶縁体80は、第2方向102に沿って延在している。別の観点から言えば、第1絶縁体80の長手方向は、第2方向102である。第1絶縁体80の短手方向は、第1方向101である。第2主面2に垂直な方向に見て、第1トレンチ8および第1絶縁体80の各々は、実質的に長方形状であってもよい。
【0061】
図2に示されるように、第1不純物領域11、第2不純物領域12、第3不純物領域13、第1コンタクト領域14、第4不純物領域21、第5不純物領域22、第6不純物領域23および第2コンタクト領域24の各々は、第2方向102に沿って延在している。別の観点から言えば、第1不純物領域11、第2不純物領域12、第3不純物領域13、第1コンタクト領域14、第4不純物領域21、第5不純物領域22、第6不純物領域23および第2コンタクト領域24の各々の長手方向は、第2方向102である。第1不純物領域11、第2不純物領域12、第3不純物領域13、第1コンタクト領域14、第4不純物領域21、第5不純物領域22、第6不純物領域23および第2コンタクト領域24の各々の短手方向は、第1方向101である。
【0062】
図3は、図1のIII-III線に沿った断面模式図である。図3に示されるように、第2主面2に垂直な方向に見て、第1領域31および第2領域32の各々は、第2方向102に沿って延在している。別の観点から言えば、第1領域31および第2領域32の各々の長手方向は、第2方向102である。第1領域31および第2領域32の各々の短手方向は、第1方向101である。第1方向101において、第2領域32は、第1領域31の両側に配置されている。
【0063】
同様に、第2主面2に垂直な方向に見て、第3領域33および第4領域34の各々は、第2方向102に沿って延在している。別の観点から言えば、第3領域33および第4領域34の各々の長手方向は、第2方向102である。第3領域33および第4領域34の各々の短手方向は、第1方向101である。第1方向101において、第4領域34は、第3領域33の両側に配置されている。
【0064】
なお、上記において、第1方向101および第2方向102の各々は、第2主面2に平行である。第3方向103は、第2主面2に対して垂直である。第1方向101は、たとえば<11-20>方向である。第2方向102は、たとえば<1-100>方向である。第3方向103は、たとえば<0001>方向である。第1方向101は、たとえば<11-20>方向を第1主面1に射影した方向であってもよい。第2方向102は、たとえば<1-100>方向を第1主面1に射影した方向であってもよい。第3方向103は、たとえば<0001>方向に対して傾斜した方向であってもよい。
【0065】
図4は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の構成を示す平面模式図である。図4においては、第1絶縁体80、第2絶縁体90、第1トレンチ8、第2トレンチ9および第1主面1のみ図示しており、その他の構成は省略している。
【0066】
図4に示されるように、炭化珪素基板100の第1主面1には、複数の第1トレンチ8が設けられている。複数の第1トレンチ8の各々は、第2方向102に沿って延在している。複数の第1トレンチ8は、第1方向101に沿って互いに離間するように配置されている。第1主面1には、第2トレンチ9が設けられている。図4に示されるように、第2主面2に対して垂直な方向に見て、第2トレンチ9は、環状である。第2主面2に対して垂直な方向に見て、第2トレンチ9は、第1トレンチ8を取り囲んでいる。
【0067】
炭化珪素半導体装置200は、第2絶縁体90を有している。第2絶縁体90は、第2トレンチ9の内部に設けられている。第2主面2に対して垂直な方向に見て、第2絶縁体90は、環状である。第2主面2に対して垂直な方向に見て、第2絶縁体90は、第1絶縁体80を取り囲んでいる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の構成について説明する。第2実施形態に係る炭化珪素半導体装置200は、主に第1領域31および第3領域33が狭窄されている構成において、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置200と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置200と同様である。以下、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置200と異なる構成を中心に説明する。
【0069】
図5は、第2実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の構成を示す断面模式図である。図5に示されるように、第1トレンチ8の第1側面5は、第2領域32に接している。第1側面5は、第2領域32から第1領域31に向かって凹んでいる。第1トレンチ8の第2側面6は、第4領域34に接している。第2側面6は、第4領域34から第3領域33に向かって凹んでいる。第1側面5および第2側面6の各々は、湾曲している。
【0070】
図5に示されるように、第1主面1から第2主面2に向かう方向において、第1領域31の中央部における第1領域31の幅は、第1領域31の上端部における第1領域31の幅よりも小さく、かつ第1領域31の下端部における第1領域31の幅よりも小さくてもよい。第1領域31から第2領域32に向かう方向において、第1領域31の最大幅(第6幅W6)は、たとえば0.5μm以上5.0μm以下である。第1領域31から第2領域32に向かう方向において、第1領域31の最小幅(第7幅W7)は、たとえば0.3μm以上3.0μm以下である。
【0071】
第1領域31から第2領域32に向かう方向において、第1領域31の最大幅から第1領域31の最小幅を差し引いた値(第1差分)は、たとえば0.2μm以上0.5μm以下であってもよい。第1差分の上限は、特に限定されないが、たとえば1.0μm以下であってもよいし、2.0μm以下であってもよい。第1差分の下限は、特に限定されないが、たとえば0.1μm以上であってもよいし、0.05μm以上であってもよい。
【0072】
図5に示されるように、第1主面1から第2主面2に向かう方向において、第3領域33の中央部における第3領域33の幅は、第3領域33の上端部における第3領域33の幅よりも小さく、かつ第3領域33の下端部における第3領域33の幅よりも小さくてもよい。第3領域33から第4領域34に向かう方向において、第3領域33の最大幅(第8幅W8)は、たとえば0.5μm以上5.0μm以下である。第3領域33から第4領域34に向かう方向において、第3領域33の最小幅(第9幅W9)は、たとえば0.3μm以上3.0μm以下である。
【0073】
第3領域33から第4領域34に向かう方向において、第3領域33の最大幅から第3領域33の最小幅を差し引いた値(第2差分)は、たとえば0.2μm以上0.5μm以下であってもよい。第2差分の上限は、特に限定されないが、たとえば1.0μm以下であってもよいし、2.0μm以下であってもよい。第2差分の下限は、特に限定されないが、たとえば0.1μm以上であってもよいし、0.05μm以上であってもよい。
【0074】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の構成について説明する。第3実施形態に係る炭化珪素半導体装置200は、ゲートトレンチ型MOSFETである構成において、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置200と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置200と同様である。以下、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置200と異なる構成を中心に説明する。
【0075】
図6は、第3実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の構成を示す断面模式図である。図6に示されるように、第3実施形態に係る炭化珪素半導体装置200は、ゲートトレンチ型MOSFETである。
【0076】
図6に示されるように、第1主面1には、第1ゲートトレンチ74が設けられている。第1ゲートトレンチ74は、第3側面71と、第4側面72と、第2底面73とを有している。第4側面72は、第3側面71に対向している。第3側面71および第4側面72の各々は、第1主面1に連なっている。第2底面73は、第3側面71および第4側面72の各々に連なっている。第1ゲートトレンチ74の第2底面73は、第1トレンチ8の第1底面7よりも浅い位置にある。別の観点から言えば、第2主面2に垂直な方向(第3方向103)において、第2底面73と第1主面1との距離は、第1底面7と第1主面1との距離よりも短い。
【0077】
第1不純物領域11、第2不純物領域12および第3不純物領域13の各々は、第3側面71において、ゲート絶縁膜51に接している。同様に、第1不純物領域11、第2不純物領域12および第3不純物領域13の各々は、第4側面72において、ゲート絶縁膜51に接している。第1不純物領域11は、第2底面73において、ゲート絶縁膜51に接している。第2領域32は、第3側面71および第4側面72の各々に対向していてもよい。
【0078】
図6に示されるように、第1主面1には、第2ゲートトレンチ78が設けられている。第2ゲートトレンチ78は、第5側面75と、第6側面76と、第3底面77とを有している。第6側面76は、第5側面75に対向している。第5側面75および第6側面76の各々は、第1主面1に連なっている。第3底面77は、第5側面75および第6側面76の各々に連なっている。第2ゲートトレンチ78の第3底面77は、第1トレンチ8の第1底面7よりも浅い位置にある。別の観点から言えば、第2主面2に垂直な方向(第3方向103)において、第3底面77と第1主面1との距離は、第1底面7と第1主面1との距離よりも短い。
【0079】
第4不純物領域21、第5不純物領域22および第6不純物領域23の各々は、第5側面75において、ゲート絶縁膜51に接している。同様に、第4不純物領域21、第5不純物領域22および第6不純物領域23の各々は、第6側面76において、ゲート絶縁膜51に接している。第4不純物領域21は、第3底面77において、ゲート絶縁膜51に接している。第4領域34は、第5側面75および第6側面76の各々に対向していてもよい。
【0080】
次に、各不純物領域におけるp型不純物の濃度およびn型不純物の濃度の測定方法について説明する。
【0081】
各不純物領域におけるp型不純物の濃度およびn型不純物の濃度は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)を用いて測定することができる。測定装置は、たとえばCameca製の二次イオン質量分析装置である。測定ピッチは、たとえば0.01μmである。検出するn型不純物が窒素の場合、一次イオンビーム(primary ion beam)は、セシウム(Cs)である。一次イオンエネルギーは、14.5keVである。二次イオンの極性(secondary ion polarity)は、負(negative)である。検出するp型不純物がアルミニウムまたはホウ素の場合、一次イオンビーム(primary ion beam)は、酸素(O)である。一次イオンエネルギーは、8keVである。二次イオンの極性(secondary ion polarity)は、正(positive)である。
【0082】
次に、p型領域とn型領域との判別方法について説明する。
p型領域とn型領域との判別方法には、SCM(Scanning Capacitance Microscope)が用いられる。測定装置は、たとえばブルカー・エイエックスエス社製のNanoScope IVである。SCMは、半導体中のキャリア濃度分布を可視化する方法である。具体的には、金属コートされたシリコン探針を用いて、試料の表面上が走査される。その際、試料に高周波電圧が印加される。多数キャリアを励振して系の静電容量に変調が加えられる。試料に印可される高周波電圧の周波数は、100kHzであり、電圧は4.0Vである。
【0083】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法について説明する。
【0084】
まず、炭化珪素基板を準備する工程(S10:図7)が実施される。たとえば改良レーリー法により成長させた炭化珪素単結晶インゴットをスライスして基板を切り出し、基板の表面に対して鏡面研磨を行うことにより、炭化珪素単結晶基板50が準備される。炭化珪素単結晶基板50は、たとえばポリタイプ4Hの六方晶炭化珪素である。炭化珪素単結晶基板50の直径は、たとえば150mmである。
【0085】
次に、炭化珪素エピタキシャル層40を形成する工程が実施される。たとえば、炭化珪素単結晶基板50上に、水素を含むキャリアガスと、シラン、プロパンを含む原料ガスと、窒素を含むドーパントガスが供給され、10kPaの圧力下、炭化珪素単結晶基板50が、たとえば1550℃程度に加熱される。これにより、n型を有する炭化珪素エピタキシャル層40が炭化珪素単結晶基板50上に形成される(図8参照)。
【0086】
以上により、炭化珪素単結晶基板50と、炭化珪素単結晶基板50上に設けられた炭化珪素エピタキシャル層40とを含む炭化珪素基板100が準備される。炭化珪素エピタキシャル層40は、n型(第1導電型)を付与可能な不純物イオンを有している。炭化珪素エピタキシャル層40の第1主面1は、たとえば{0001}面または{0001}面から8°以下程度オフした面である。
【0087】
次に、炭化珪素エピタキシャル層40に対してイオン注入が実施される。まず、p型不純物が、炭化珪素エピタキシャル層40に対してイオン注入される。これにより、第1p型不純物領域92が形成される。p型不純物は、たとえばアルミニウムである。次に、n型不純物が、第1p型不純物領域92に対してイオン注入される。これにより、第1n型不純物領域93が形成される。第1n型不純物領域93は、第1p型不純物領域92に接するように形成される。n型不純物は、たとえばリンである。次に、p型不純物が、第1n型不純物領域93に対してイオン注入される。これにより、第2p型不純物領域94が形成される。p型不純物は、たとえばアルミニウムである。第1p型不純物領域92は、第2不純物領域12および第5不純物領域22となる。第1n型不純物領域93は、第3不純物領域13および第6不純物領域23となる。第2p型不純物領域94は、第1コンタクト領域14および第2コンタクト領域24となる。
【0088】
トレンチを形成する工程(S20:図7)が実施される。まず、第1主面1上にマスク層54が形成される。マスク層54は、たとえば堆積酸化膜を含む材料から構成されている。マスク層54には、第1トレンチ8が形成される領域上に開口が形成されている。次に、マスク層54を用いて、炭化珪素エピタキシャル層40に対してエッチングが行われる。
【0089】
以上により、炭化珪素エピタキシャル層40に第1トレンチ8が形成される(図10参照)。第1トレンチ8は、第1側面5と、第2側面6と、第1底面7とを有している。第2側面6は、第1側面5に対向している。第1底面7は、第1側面5および第2側面6の各々に連なっている。第1トレンチ8の深さ(第1深さH1)は、たとえば3μm以上30μm以下である。第1トレンチ8の幅(第5幅W5)は、たとえば1μm以上3μm以下である。
【0090】
次に、エッチング条件について説明する。トレンチ内のプラズマによる側壁のエッチング保護膜として、トレンチ側壁へのC堆積物が十分多くなるような条件を用いることで、直線状の第1側面5および第2側面6を有する第1トレンチ8が形成される(図1参照)。一方、トレンチ側壁へのC堆積物が不足するような条件を用いることで、両側に膨らんだ第1トレンチ8が形成される(図5参照)。
【0091】
次に、斜めイオン注入工程(S30:図7)が実施される。具体的には、第1主面1にマスク層54が配置された状態で、第1トレンチ8の第1側面5に対して、たとえばアルミニウムなどのp型(第2導電型)を付与可能な不純物イオンが斜め注入される。これにより、第1側面5に露出する第2領域32が形成される(図11参照)。次に、第1トレンチ8の第2側面6に対して、たとえばアルミニウムなどのp型を付与可能な不純物イオンが斜め注入される。これにより、第2側面6に露出する第4領域34が形成される(図12参照)。なお、第2側面6に対してp型を付与可能な不純物イオンが斜め注入された後に、第1側面5に対してp型を付与可能な不純物イオンが斜め注入されてもよい。
【0092】
第3実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法によれば、第2領域32を形成する工程および第4領域34を形成する工程の各々において、底面7に対して第2導電型を付与可能な不純物イオンが注入されないように斜め注入が行われる。具体的には、第1トレンチ8の幅を第5幅W5とし、第1トレンチ8の深さを第1深さH1とし、マスク層54の厚みを第1厚みH3とし、第1厚みH3と第1深さH1の合計を第2厚みH2とした場合、第1側面5と第1底面7との境界にイオン注入を行うことができる角度(第1角度θ1)は、第2厚みH2を第5幅W5で除した値のアークタンジェントで表される角度である(図11参照)。そのため、第1側面5に対してイオン注入を行い、かつ第1底面7に対してイオン注入を行わないようにするためには、第1底面7に対して平行な平面に対する角度が、第1角度θ1よりも小さい角度(第2角度θ2)となるように、炭化珪素基板100とイオン注入方向とがなす角度が調整される。
【0093】
以上のように、炭化珪素エピタキシャル層40に第2領域32および第4領域34が形成される。一対の第2領域32に挟まれた炭化珪素エピタキシャル層40の部分は、第1領域31となる。一対の第4領域34に挟まれた炭化珪素エピタキシャル層40の部分は、第3領域33となる。炭化珪素単結晶基板50と炭化珪素エピタキシャル層40との境界面45に対して垂直な方向において、第1トレンチ8の第2底面73は、第2領域32および第4領域34の各々と、炭化珪素単結晶基板50との間に位置している。別の観点から言えば、第1トレンチ8の第2底面73は、第2領域32および第4領域34の各々よりも第2主面2側に位置している。斜めイオン注入工程(S30:図7)後に活性化アニールが行われてもよい。
【0094】
炭化珪素エピタキシャル層40は、n型を有する第1領域31と、p型を有する第2領域32とを有する第1スーパージャンクション部16を含んでいる。第1領域31は、第2領域32に接している。第1領域31および第2領域32は、第1スーパージャンクション部16を構成している。炭化珪素エピタキシャル層40は、n型を有する第3領域33と、p型を有する第4領域34とを有する第2スーパージャンクション部26を含んでいる。第3領域33は、第4領域34に接している。第3領域33および第4領域34は、第2スーパージャンクション部26を構成している。第1方向101において、第1スーパージャンクション部16と第2スーパージャンクション部26とが交互に配置されている。
【0095】
なお、図11および図12に示されるように、斜めイオン注入工程(S30:図7)において、第2不純物領域12、第3不純物領域13、第1コンタクト領域14、第5不純物領域22、第6不純物領域23および第2コンタクト領域24の各々の一部に対して、p型を付与可能な不純物イオンの一部が注入されても構わない。
【0096】
次に、トレンチを絶縁体で埋める工程(S40:図7)が実施される。たとえば第1絶縁体80がBCB樹脂またはSOGの場合には、スピンコート法により第1絶縁体80が第1トレンチ8内に形成される。以上により、第1トレンチ8が第1絶縁体80で埋められる(図13参照)。
【0097】
次に、ゲート絶縁膜51が形成される。具体的には、第1主面1上にゲート絶縁膜51が形成される。ゲート絶縁膜51は、第1主面1において、第1不純物領域11と、第2不純物領域12と、第3不純物領域13とに接している。同様に、ゲート絶縁膜51は、第1主面1において、第4不純物領域21と、第5不純物領域22と、第6不純物領域23とに接している。ゲート絶縁膜51の厚みは、たとえば40nm以上150nm以下である。
【0098】
次に、ゲート電極52が形成される。具体的には、ゲート絶縁膜51上にゲート電極52が形成される。ゲート電極52は、たとえば不純物を含むポリシリコンを含む材料から構成される。次に、ゲート電極52を覆うように分離絶縁膜53が形成される。分離絶縁膜53は、たとえば二酸化珪素膜である(図14参照)。
【0099】
次に、第1電極60が形成される。第1電極60は、第1トレンチ8を跨ぐように形成される。具体的には、第1電極60は、第1主面1において、第3不純物領域13と、第1コンタクト領域14と、第1絶縁体80と、第2コンタクト領域24と、第6不純物領域23とに接するように形成される。第1電極60は、電極層61を含んでいる。電極層61は、たとえばスパッタリングにより形成される。電極層61は、たとえばTiと、Alと、Siとを含む材料から構成されている。
【0100】
次に、電極層61が形成された炭化珪素基板100に対して、たとえば900℃以上1100℃以下のRTA(Rapid Thermal Anneal)が2分程度実施される。これにより、電極層61の少なくとも一部が、炭化珪素基板100が含む珪素と反応してシリサイド化する。これにより、電極層61が第3不純物領域13および第6不純物領域23の各々とオーミック接合する。好ましくは、電極層61は、第1コンタクト領域14および第2コンタクト領域24の各々とオーミック接合する。
【0101】
次に、ソース配線62が形成される。ソース配線62は、第1トレンチ8を跨ぐように形成される。具体的には、ソース配線62は、電極層61に接し、かつ第1絶縁体80を覆うように形成される。ソース配線62は、好ましくはAlを含む材料からなる。次に、炭化珪素単結晶基板50に対して裏面研磨が行われる。これにより、炭化珪素単結晶基板50の厚みが低減される。
【0102】
次に、第2電極70が形成される。第2電極70は、炭化珪素基板100の第2主面2に接して形成される。第2電極70は、たとえばNiSiを含む材料により構成されている。第2電極70の形成は、好ましくはスパッタリング法により実施されるが、蒸着により実施されても構わない。第2電極70が形成された後、第2電極70がたとえばレーザーアニールにより加熱される。これにより、第2電極70の少なくとも一部がシリサイド化する。以上のように、図1に示すMOSFET200が製造される。
【0103】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法について説明する。第5実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法は、主に第1トレンチ8の第1底面7に対してイオン注入が行われる工程において、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法と異なっており、他の工程については、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法と同様である。以下、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法と異なる工程を中心に説明する。
【0104】
図15に示されるように、第5実施形態に係る炭化珪素半導体装置200のトレンチ8を形成する工程(S20:図7)における第1トレンチ8の深さ(第2深さH4)は、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法のトレンチ8を形成する工程(S20:図7)における第1トレンチ8の深さ(第1深さH1)よりも浅い。第2深さH4は、たとえば2.5μm以上29.5μm以下である。
【0105】
次に、斜めイオン注入工程(S30:図7)が実施される。具体的には、第1主面1にマスク層54が配置された状態で、第1トレンチ8の第1側面5および第1底面7に対して、たとえばアルミニウムなどのp型(第2導電型)を付与可能な不純物イオンが斜め注入される。これにより、第1側面5および第1底面7に露出する第2領域32が形成される(図16参照)。次に、第1トレンチ8の第2側面6および第1底面7に対して、たとえばアルミニウムなどのp型を付与可能な不純物イオンが斜め注入される。これにより、第2側面6および第1底面7に露出する第4領域34が形成される(図17参照)。
【0106】
以上のように、第5実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法によれば、第2領域32を形成する工程および第4領域34を形成する工程の各々において、底面7に対して第2導電型を付与可能な不純物イオンが注入される。
【0107】
次に、追加のエッチングが行われる。具体的には、第1トレンチ8の第1底面7に対して注入されたp型を付与可能な不純物イオンが追加のエッチングにより除去される。これにより、第1トレンチ8の深さが第2深さH4から第1深さH1になる(図11参照)。結果として、第1トレンチ8の第1底面7がn型の第3下部ドリフト領域91に露出する。図11に示されるように、炭化珪素単結晶基板50と炭化珪素エピタキシャル層40との境界面45に対して垂直な方向において、第1トレンチ8の第1底面7は、第2領域32および第4領域34の各々と、炭化珪素単結晶基板50との間に位置している。以降の工程は、第4実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法と同様である。
【0108】
なお上記においては、第1導電型はn型でありかつ第2導電型はp型であるとして説明したが、第1導電型はp型でありかつ第2導電型はn型であってもよい。また上記においては、MOSFETを例示して、本開示に係る炭化珪素半導体装置200を説明したが、本開示に係る炭化珪素半導体装置200はMOSFETに限定されない。本開示に係る炭化珪素半導体装置200は、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等であってもよい。
【0109】
次に、上記実施形態に係る炭化珪素半導体装置200およびその製造方法の作用効果について説明する。
【0110】
図17に示されるように、第2領域32が第1トレンチ8の第1底面7に接している場合には、第1底面7よりも第2主面2側にある第2領域32の幅は、第1底面7よりも第1主面1側にある第2領域32の幅よりも大きくなる。この場合、第1底面7よりも第2主面2側における第2領域32と第1領域31とのチャージバランスは、第1底面7よりも第1主面1側における第2領域32と第1領域31とのチャージバランスとは異なる。同様に、第1底面7よりも第2主面2側における第4領域34と第3領域33とのチャージバランスは、第1底面7よりも第1主面1側における第4領域34と第3領域33とのチャージバランスとは異なる。そのため、第2領域32と第1領域31とのチャージバランスおよび第4領域34と第3領域33とのチャージバランスの各々がとれなくなる。つまり、スーパージャンクション部のチャージバランスを良好に保つことが困難となる。
【0111】
一方、上記実施形態に係る炭化珪素半導体装置200およびその製造方法によれば、第2主面2に対して垂直な方向において、第1トレンチ8の第1底面7は、第2領域32の底面(第2端面3)と第2主面2との間にあり、かつ第4領域34の底面(第4端面4)と第2主面2との間にある。この場合、第2領域32は、第1トレンチ8の第1底面7から離間している。そのため、第2領域32が第1トレンチ8の第1底面7に接している場合とは異なり、第2領域32の幅は、第2主面2に対して垂直な方向において、ほぼ一定に保たれる。同様に、第4領域34は、第1トレンチ8の第1底面7から離間している。そのため、第4領域34が第1トレンチ8の第1底面7に接している場合とは異なり、第4領域34の幅は、第2主面2に対して垂直な方向において、ほぼ一定に保たれる。結果として、第2領域32と第1領域31とのチャージバランスおよび第4領域34と第3領域33とのチャージバランスの各々がとれなくなることを抑制することができる。つまり、スーパージャンクション部のチャージバランスを良好に保つことができる。
【0112】
また深いスーパージャンクション部は、通常、エピタキシャル成長工程とイオン注入工程とを繰り返すことによって製造される。しかしながら、この製造方法を使用すると、製造工程が大幅に長くなり、コスト増加につながる。またエピタキシャル成長工程とイオン注入工程とを繰り返すことにより、各エピタキシャル層における不純物濃度が大きく異なる場合がある。
【0113】
一方、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置200の製造方法によれば、炭化珪素エピタキシャル層40に、第1側面5と、第1側面5に対向する第2側面6とを有するトレンチ8が形成される。第1側面5に対して第2導電型を付与可能な不純物イオンを斜め注入することにより、第2領域32が形成される。第2側面6に対して第2導電型を付与可能な不純物イオンを斜め注入することにより、第4領域34が形成される。これにより、深いスーパージャンクション部を簡易な方法で製造することができる。そのため、製造工程を大幅に短縮することができる。
【0114】
またエピタキシャル成長工程が1回の場合には、エピタキシャル成長工程を2回以上繰り返す場合と比較して、第2主面2に対して垂直な方向における不純物濃度のばらつきを低減することができる。そのため、スーパージャンクション部のチャージバランスを良好に保つことができる。
【0115】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
1 第1主面、2 第2主面、3 第2端面、4 第4端面、5 第1側面、6 第2側面、7 第1底面(底面)、8 第1トレンチ(トレンチ)、9 第2トレンチ、10 第1メサ領域、11 第1不純物領域、12 第2不純物領域、13 第3不純物領域、14 第1コンタクト領域、15 第1下部ドリフト領域、16 第1スーパージャンクション部、17 第1端面、20 第2メサ領域、21 第4不純物領域、22 第5不純物領域、23 第6不純物領域、24 第2コンタクト領域、25 第2下部ドリフト領域、26 第2スーパージャンクション部、27 第3端面、31 第1領域、32 第2領域、33 第3領域、34 第4領域、40 炭化珪素エピタキシャル層、41 第5領域、42 第6領域、43 第7領域、44 第8領域、45 境界面、50 炭化珪素単結晶基板、51 ゲート絶縁膜、52 ゲート電極、53 分離絶縁膜、54 マスク層、60 第1電極、61 電極層、62 ソース配線、70 第2電極、71 第3側面、72 第4側面、73 第2底面、74 第1ゲートトレンチ、75 第5側面、76 第6側面、77 第3底面、78 第2ゲートトレンチ、80 絶縁体(第1絶縁体)、90 第2絶縁体、91 第3下部ドリフト領域、92 第1p型不純物領域、93 第1n型不純物領域、94 第2p型不純物領域、100 炭化珪素基板、101 第1方向、102 第2方向、103 第3方向、200 炭化珪素半導体装置(MOSFET)、H1 第1深さ、H2 第2厚み、H3 第1厚み、H4 第2深さ、W1 第1幅、W2 第2幅、W3 第3幅、W4 第4幅、W5 第5幅、W6 第6幅、W7 第7幅、W8 第8幅、W9 第9幅。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図17