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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】文字板および時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/06 20060101AFI20240319BHJP
   G04B 19/12 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
G04B19/06 N
G04B19/06 S
G04B19/12 A
G04B19/12 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022006996
(22)【出願日】2022-01-20
(62)【分割の表示】P 2019202341の分割
【原出願日】2019-11-07
(65)【公開番号】P2022040356
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(74)【代理人】
【識別番号】100171882
【弁理士】
【氏名又は名称】北庄 麗絵子
(72)【発明者】
【氏名】天野 正男
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-249450(JP,A)
【文献】特開昭60-92839(JP,A)
【文献】実開昭61-170087(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/06-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の開口部が形成され、強化繊維を含むシート状のベース部材と、
複数の開口部が形成され、前記ベース部材の一面に設けられた脆性素材を含む装飾部材と、
を備え、
前記ベース部材の前記複数の開口部と、前記装飾部材の前記複数の開口部と、は重なるように配置されており、
前記ベース部材の前記複数の開口部の第1の開口部と第2の開口部との間における間隔の狭い狭間部は、前記強化繊維の一部が断線することなく通過して設けられ
前記ベース部材は、外周部に、前記装飾部材の外周よりも面方向に突出した複数の突起部を有し、前記複数の突起部は他の部材によって固定されている、
ことを特徴とする文字板。
【請求項2】
第1の開口部及び第2の開口部が形成され、糸が縦方向及び横方向に平織りで編まれた強化繊維を含むシート状のベース部材と、
前記ベース部材の一面に設けられた装飾部材と、
を備え、
前記ベース部材における前記第1の開口部と前記第2の開口部との間には、前記強化繊維における前記縦方向の糸の一部又は前記横方向の糸の一部が断線することなく通過するように設けられ
前記ベース部材は、外周部に、前記装飾部材の外周よりも面方向に突出した複数の突起部を有し、前記複数の突起部は他の部材によって固定されている、
ことを特徴とする文字板。
【請求項3】
軸挿入孔及び複数の開口部が形成され、強化繊維を含むシート状のベース部材と、
軸挿入孔及び複数の開口部が形成され、前記ベース部材の一面に設けられた脆性素材を含む装飾部材と、
を備え、
前記ベース部材の前記軸挿入孔及び前記複数の開口部と、前記装飾部材の前記軸挿入孔及び前記複数の開口部と、は重なるように配置されており、
前記ベース部材における前記複数の開口部の第1の開口部と第の開口部との間における間隔の狭い狭間部は、前記強化繊維の一部が断線することなく通過して設けられ
前記ベース部材における前記複数の開口部の前記第1の開口部と第2の開口部との間には、前記軸挿入孔が形成され、前記強化繊維が断線して通過せずに設けられている、
ことを特徴とする文字板。
【請求項4】
軸挿入孔、第1の開口部、第2の開口部及び第の開口部が形成され、糸が縦方向及び横方向に平織りで編まれた強化繊維を含むシート状のベース部材と、
前記ベース部材の一面に設けられた装飾部材と、
を備え、
前記ベース部材における前記第1の開口部と前記第3の開口部との間には、前記強化繊維における前記縦方向の糸の一部又は前記横方向の糸の一部が断線することなく通過するように設けられ
前記ベース部材における前記第1の開口部と前記第2の開口部との間には、前記軸挿入孔が形成され、前記強化繊維における前記縦方向の糸及び前記横方向の糸が断線して通過しないように設けられている、
ことを特徴とする文字板。
【請求項5】
請求項に記載の文字板において、
前記強化繊維における前記縦方向の糸及び前記横方向の糸は、前記ベース部材における前記第1の開口部、前記軸挿入孔及び前記第2の開口部を結ぶ直線に対して略45度傾斜している、
ことを特徴とする文字板。
【請求項6】
請求項1~請求項のいずれかに記載の文字板において、
前記ベース部材は、中央部から外周まで前記強化繊維の一部が断線することなく設けられている、
ことを特徴とする文字板。
【請求項7】
請求項1~請求項のいずれかに記載の文字板において、
前記ベース部材の前記強化繊維は炭素繊維である、
ことを特徴とする文字板。
【請求項8】
請求項1~請求項のいずれかに記載の文字板において、
前記ベース部材の前記強化繊維はガラス繊維である、
ことを特徴とする文字板。
【請求項9】
請求項1~請求項のいずれかに記載の文字板において、
前記ベース部材は、前記強化繊維を編んだシート素材が複数積層されている、
ことを特徴とする文字板。
【請求項10】
請求項1~請求項のいずれかに記載の文字板において、
前記装飾部材は、貝、あるいは天然または人工の貴石の脆性素材を板状に形成したものである、
ことを特徴とする文字板。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれかに記載の文字板において、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部の形状は、円形である、
ことを特徴とする文字板。
【請求項12】
請求項1~請求項11のいずれかに記載された文字板を備えている、
ことを特徴とする時計。
【請求項13】
請求項12に記載の時計において、
ケースを備え、
前記装飾部材は、前記ベース部材を介して前記ケースに固定されている、
ことを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、時計、携帯通信機、携帯情報端末機などの電子機器に用いられる文字板およびそれを備えた時計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、時計の文字板においては、特許文献1に記載されているように、ガラス繊維を編んだシート素材の一面に第1の膜を設け、このシート素材の他面に第2の膜を設けた構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-40970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような文字板では、シート素材の一面に第1の膜を設け、このシート素材の他面に第2の膜を設けた構造であるから、文字板全体の強度を高めることができても、装飾性に乏しいという問題がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、強度を確保して装飾性を高めることができる文字板およびそれを備えた時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この一の発明は、複数の開口部が形成され、強化繊維を含むシート状のベース部材と、複数の開口部が形成され、前記ベース部材の一面に設けられた脆性素材を含む装飾部材と、を備え、前記ベース部材の前記複数の開口部と、前記装飾部材の前記複数の開口部と、は重なるように配置されており、前記ベース部材の前記複数の開口部の第1の開口部と第2の開口部との間における間隔の狭い狭間部は、前記強化繊維の一部が断線することなく通過して設けられ、前記ベース部材は、外周部に、前記装飾部材の外周よりも面方向に突出した複数の突起部を有し、前記複数の突起部は他の部材によって固定されている、ことを特徴とする文字板である。
この他の発明は、第1の開口部及び第2の開口部が形成され、糸が縦方向及び横方向に平織りで編まれた強化繊維を含むシート状のベース部材を備え、前記ベース部材における前記第1の開口部と前記第2の開口部との間には、前記強化繊維における前記縦方向の糸の一部又は前記横方向の糸の一部が断線することなく通過するように設けられ、前記ベース部材は、外周部に、前記装飾部材の外周よりも面方向に突出した複数の突起部を有し、前記複数の突起部は他の部材によって固定されている、ことを特徴とする文字板である。
この他の発明は、軸挿入孔及び複数の開口部が形成され、強化繊維を含むシート状のベース部材と、軸挿入孔及び複数の開口部が形成され、前記ベース部材の一面に設けられた脆性素材を含む装飾部材と、を備え、前記ベース部材の前記軸挿入孔及び前記複数の開口部と、前記装飾部材の前記軸挿入孔及び前記複数の開口部と、は重なるように配置されており、前記ベース部材における前記複数の開口部の第1の開口部と第3の開口部との間における間隔の狭い狭間部は、前記強化繊維の一部が断線することなく通過して設けられ、前記ベース部材における前記複数の開口部の前記第1の開口部と第2の開口部との間には、前記軸挿入孔が形成され、前記強化繊維が断線して通過せずに設けられている、ことを特徴とする文字板である。
この他の発明は、軸挿入孔、第1の開口部、第2の開口部及び第3の開口部が形成され、糸が縦方向及び横方向に平織りで編まれた強化繊維を含むシート状のベース部材と、前記ベース部材の一面に設けられた装飾部材と、を備え、前記ベース部材における前記第1の開口部と前記第3の開口部との間には、前記強化繊維における前記縦方向の糸の一部又は前記横方向の糸の一部が断線することなく通過するように設けられ、前記ベース部材における前記第1の開口部と前記第2の開口部との間には、前記軸挿入孔が形成され、前記強化繊維における前記縦方向の糸及び前記横方向の糸が断線して通過しないように設けられている、ことを特徴とする文字板である。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、強度を確保して装飾性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明を腕時計に適用した第1実施形態を示した拡大正面図である。
図2図1に示された腕時計のA-A矢視における要部を示した拡大断面図である。
図3図2に示された文字板を示し、(a)はその拡大斜視図、(b)は図3(a)に示された文字板のB-B矢視における要部を示した拡大断面図である。
図4図3に示された文字板のベース板と装飾板とを示し、(a)はベース板を示した拡大正面図、(b)は装飾板を示した拡大正面図である。
図5】この発明を腕時計に適用した第2実施形態におけるベース板を示した拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、図1図4を参照して、この発明を腕時計に適用した第1実施形態について説明する。
この腕時計は、図1に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1の12時側と6時側とには、時計バンド(図示せず)が取り付けられるバンド取付部2がそれぞれ設けられている。また、この腕時計ケース1の2時側、3時側、および4時側には、スイッチ部3がそれぞれ設けられている。
【0010】
この腕時計ケース1は、図1および図2に示すように、第1ケース4と第2ケース5とを備えている。第1ケース4は、本体ケースであり、金属または硬質の合成樹脂によって形成されている。第2ケース5は、ベゼルであり、第1ケース4と同様、金属または硬質の合成樹脂によって形成され、第1ケース4の上部に一体的に設けられている。
【0011】
この腕時計ケース1の上部開口部、つまり第2ケース5の上部開口部には、図1および図2に示すように、時計ガラス6がバッキン6aを介して取り付けられている。この腕時計ケース1の下部、つまり第1ケース4の下部には、裏蓋7が防水リング7aを介して取り付けられている。また、この腕時計ケース1の内部には、時計モジュール8が収容されている。
【0012】
この時計モジュール8は、図2に示すように、ハウジング10を備えている。このハウジング10は、図示されていないが、複数の指針を個別に運針させて時刻などの情報をそれぞれ指示表示させる複数の時計ムーブメント、日付や曜日などの情報を表示する表示部、標準時刻電波などの電波を受信するアンテナ、これらを駆動して制御する回路基板、および2次電池などの時計機能に必要な各種の部品が搭載されている。
【0013】
ハウジング10は、図2に示すように、その外周に合成樹脂製の中枠11が設けられ、この中枠11によって腕時計ケース1の第1ケース4内に組み込まれるように構成されている。このハウジング10の上面には、文字板12がソーラーパネル9を介して設けられている。
【0014】
文字板12は、図3(a)および図3(b)に示すように、ベース部材であるベース板13と装飾部材である装飾板14とを備えている。すなわち、この文字板12は、ベース板13の上面に装飾板14が両面粘着テープや液体接着剤などの接着材12fによって貼り付けられた構造になっている。
【0015】
この場合、文字板12は、図1および図3に示すように、主表示領域および第1~第4副表示領域15a~15dを備えている。主表示領域は、指針(図示せず)が文字板12全体の上方を運針する領域である。この主表示領域は、文字板12の中心に指針軸(図示せず)が挿入する軸挿入孔12aが文字板12の上下に貫通して設けられている。
【0016】
第1副表示領域15aは、図1および図3に示すように、文字板12の12時側に設けられて第1副針(図示せず)が運針する円形状の領域である。この第1副表示領域15aは、円形状の領域に対応する開口部である第1円形孔12bが文字板12の上下に貫通して設けられ、この第1円形孔12bの中心に第1副針軸(図示せず)が設けられるように構成されている。
【0017】
第2副表示領域15bは、図1および図3に示すように、文字板12の6時側に設けられて第2副針(図示せず)が運針する大きさの円形状の領域である。この第2副表示領域15bは、円形状の領域に対応する開口部である第2円形孔12cが文字板12の上下に貫通して設けられ、この第2円形孔12cの中心に第2副針軸(図示せず)が設けられるように構成されている。
【0018】
第3副表示領域15cは、図1および図3に示すように、文字板12の9時側に設けられて第3副針(図示せず)が運針する円形状の領域である。この第3副表示領域15cは、円形状の領域に対応する開口部である第3円形孔12dが文字板12の上下に貫通して設けられ、この第3円形孔12dの中心に第3副針軸(図示せず)が設けられるように構成されている。
【0019】
第4副表示領域15dは、図1および図3(a)に示すように、文字板12の3時側に設けられた四角形状の領域である。この第4副表示領域15dは、四角形状の領域に対応する四角形状の表示開口部12eが文字板12の上下に貫通して設けられている。この第4副表示領域15dは、その下側に配置された時計モジュール8の表示部(図示せず)が対応し、この表示部に表示された日付や曜日などの情報が上方から見えるように構成されている。
【0020】
ところで、文字板12は、図2図4に示すように、強度を確保する以外に、時計モジュール8内のアンテナ(図示せず)による電波受信を可能にする必要があるために、金属以外の素材を用いる必要がある。このため、これらの条件を満たすために、ベース板13は、強化繊維である炭素繊維16を用いた構造になっている。
【0021】
すなわち、このベース板13は、図3および図4に示すように、強化繊維である炭素繊維16を縦横に平織りで編んでエポキシ樹脂でコーティングしたシート素材を備え、このシート素材が炭素繊維16の向きを揃えて重なり合った状態で複数積層された構造になっている。この場合、1本の炭素繊維16の束は、千本の炭素繊維16を束ねたものである。
【0022】
このベース板13には、図3および図4に示すように、主表示領域の軸挿入孔12a、第1副表示領域15aに対応する第1円形孔12b、第2副表示領域15bに対応する第2円形孔12c、第3副表示領域15cに対応する第3円形孔12d、および第4副表示領域15dの表示開口部12eが、それぞれ上下に貫通して設けられている。
【0023】
この場合、ベース板13には、図4(a)に示すように、軸挿入孔12a、第1~第3円形孔12b~12d、および表示開口部12eのうち、第1円形孔12bと第3円形孔12dとの間に位置する箇所に間隔の狭い第1狭間部K1が設けられていると共に、第2円形孔12cと第3円形孔12dとの間に位置する箇所に間隔の狭い第2狭間部K2が設けられている。
【0024】
このため、このベース板13は、図4(a)に示すように、ベース板13の第1狭間部K1と第2狭間部K2とを炭素繊維16の一部が断線することなく通過するように設けられている。すなわち、このベース板13は、炭素繊維16が縦横に平織りで編まれた状態で、45°回転され、この状態で軸挿入孔12a、第1~第3円形孔12b~12d、および表示開口部12eが形成されている。
【0025】
これにより、ベース板13は、図4(a)に示すように、第1円形孔12bと第3円形孔12dとの間に位置する第1狭間部K1がベース板13の中心つまり主表示領域の軸挿入孔12aから10時側と11時側との中間に向けて斜め45°の方向に沿って設けられている。このため、ベース板13は、第1狭間部K1に縦横に平織りで編まれた炭素繊維16における縦糸と横糸との一方(例えば、横糸)の一部(この実施形態では1束)が断線することなく通過するように設けられている。
【0026】
同様に、このベース板13は、図4(a)に示すように、第2円形孔12cと第3円形孔12dとの間に位置する第2狭間部K2がベース板13の中心つまり主表示領域の軸挿入孔12aから7時側と8時側との中間に向けて斜め45°の方向に沿って設けられている。このため、このベース板13は、第2狭間部K2に縦横に平織りで編まれた炭素繊維16における縦糸と横糸との他方(例えば縦糸)の一部(この実施形態では2束)が断線することなく通過するように設けられている。
【0027】
これにより、ベース板13は、図4(a)に示すように、第1狭間部K1を断線せずに通過した一部の炭素繊維16によって第1狭間部K1の強度が高められ、第2狭間部K2を断線せずに通過した一部の炭素繊維16によって第2狭間部K2の強度が高められるように構成されている。このため、ベース板13は、軸挿入孔12a、第1~第3円形孔12b~12d、および表示開口部12eが設けられ、且つ第1、第2狭間部K1、K2が設けられていても、ベース板13全体の強度が高められている。
【0028】
一方、文字板12の装飾板14は、図2図4に示すように、夜光貝、鮑貝などの貝、あるいはアヴェンチュリン、サファイア、ヒスイなどの天然または人工の貴石で、装飾性の高い脆性素材によって板状に形成されている。この場合、この実施形態では、装飾板14が夜光貝、鮑貝などの貝によってベース板13とほぼ同じ外形の円板状に形成されている。
【0029】
この装飾板14には、図3および図4(b)に示すように、ベース板13と同様、主表示領域の軸挿入孔12a、第1副表示領域15aに対応する第1円形孔12b、第2副表示領域15に対応する第2円形孔12c、第3副表示領域15cに対応する第3円形孔12d、および第4副表示領域15dの表示開口部12eが、それぞれ上下に貫通して設けられている。
【0030】
また、この装飾板14は、図3(b)に示すように、脆性素材であることにより、強度と全体の薄型化の相関関係から、その厚みが0.4mm~2.0mmの範囲で形成され、この実施形態では0.7mm程度に形成されている。すなわち、この装飾板14は、厚みが厚いと加工し易いが、文字板12全体の厚みが厚くなり、時計モジュール8全体の厚みが厚くなる。このため、時計モジュール8を薄型化する際には、この装飾板14は、脆性素材であっても、厚みの薄い方が望ましい。
【0031】
この場合、装飾板14として、夜光貝、鮑貝などの貝を薄い板状に形成した場合には、螺鈿としての装飾性の高いデザインが表現される。また、アヴェンチュリン、サファイア、ヒスイなどの天然または人工の貴石を厚みの薄い板状に形成した場合には、貴石の素材そのもの高級感のあるデザインが表現される。これにより、文字板12は、ベース板13の強度が確保され、このベース板13によって装飾板14の変形を防いで装飾板14の破損を防ぎ、且つ装飾板14によってデザイン性が高められるように構成されている。
【0032】
また、この文字板12は、図2に示すように、耐衝撃性を確保するために、装飾板14が腕時計ケース1に対して非接触状態で、腕時計ケース1内に設けられるように構成されている。すなわち、ベース板13の外周には、図3および図4に示すように、複数の突起部13aが装飾板14の外周よりも面方向に突出して設けられている。この場合、文字板12は、ベース板13がハウジング10の上面に配置された際に、ベース板13および装飾板14が中枠11の上端部に配置される。
【0033】
これにより、この文字板12は、図2図4に示すように、中枠11を介してハウジング10が腕時計ケース1の第1ケース4内に配置された状態で、ベース板13の複数の突起部13aが第2ケース5の内周面の下部に設けられたリング状の鍔部5aと中枠11との間に挟まれた状態で、腕時計ケース1内に保持されるように構成されている。
【0034】
この場合、装飾板14は、図2図4に示すように、その外周面の全周囲が第2ケース5の鍔部5aの内周面に接触することなく配置されるように構成されている。また、この装飾板14の外周部は、図1および図2に示すように、第2ケース5の鍔部5aの上面に設けられたリング状の見切り部材17によって覆われている。
【0035】
この場合、見切り部材17は、ベース板13の複数の突起部13aの上面が第2ケース5の鍔部5aの下面に押し当てられてベース板13が保持されていることにより、腕時計ケース1が外部から衝撃を受けても、装飾板14に接触しないように、第2ケース5の鍔部5aの上面に設けられている。
【0036】
一方、ソーラーパネル9は、図2に示すように、文字板12の下面に配置され、文字板12に設けられた第1~第3円形孔12b~12dを通して、外部光が照射されるように構成されている。このため、このソーラーパネル9は、文字板12の第1~第3円形孔12b~12dを通して照射された外部光によって発電し、この発電した電力が時計モジュール8の2次電池(図示せず)に供給されて蓄えられるように構成されている。
【0037】
次に、この腕時計の作用について説明する。
この腕時計は、通常、文字板12の装飾板14が時計ガラス6を通して腕時計ケース1の外部から見える。このため、文字板12は、装飾板14によってデザイン性が高められる。
【0038】
すなわち、装飾板14が夜光貝、鮑貝などの貝を薄い板状に形成した場合には、螺鈿としての装飾性の高いデザインが表現される。また、装飾板14がアヴェンチュリン、サファイア、ヒスイなどの天然または人工の貴石を薄い板状に形成した場合には、貴石の素材そのもの高級感のあるデザインが表現される。
【0039】
この場合には、文字板12のベース板13が、強化繊維である炭素繊維16を縦横に平織りで編んでエポキシ樹脂でコーティングしたシート素材を備え、このシート素材が炭素繊維16の向きを揃えて重なり合った状態で複数積層された構造であるから、ベース板13の強度が確保され、これにより脆性素材である装飾板14の変形を防いで、装飾板14の破損が防げる。
【0040】
この場合、ベース板13は、軸挿入孔12a、第1~第3円形孔12b~12d、および表示開口部12eが設けられ、且つ第1円形孔12bと第3円形孔12dとの間に間隔の狭い第1狭間部K1が設けられていると共に、第2円形孔12cと第3円形孔12dとの間に間隔の狭い第2狭間部K2が設けられていても、炭素繊維16の一部が第1、第2狭間部K1、K2を断線せずに通過して設けられていることにより、ベース板13全体の強度が高められている。
【0041】
すなわち、このベース板13は、第1狭間部K1を断線せずに通過した一部の炭素繊維16によって第1狭間部K1の強度が高められ、第2狭間部K2を断線せずに通過した一部の炭素繊維16によって第2狭間部K2の強度が高められる。これにより、ベース板13は、軸挿入孔12a、第1~第3円形孔12b~12d、および表示開口部12eが設けられ、且つ第1、第2狭間部K1、K2が設けられていても、ベース板13全体の強度が高められている。このため、ベース板13は、脆性素材である装飾板14の変形を確実に防いで、装飾板14の破損を防いでいる。
【0042】
この状態では、時計ガラス6を通して外部光が文字板12に照射され、この文字板12に照射された光のうち、一部の光が文字板12に設けられた第1~第3円形孔12b~12dを通して、ソーラーパネル9に照射される。これにより、ソーラーパネル9が発電する。
【0043】
このソーラーパネル9は、発電した電力が時計モジュール8の2次電池(図示せず)に供給されて蓄えられる。このため、2次電池の電力が時計モジュール8の回路基板(図示せず)に供給され、この回路基板によって複数の時計ムーブメントやアンテナなどの各種の部品が駆動される。
【0044】
この場合、ベース板13は、強化繊維として炭素繊維16を用いて形成されていることにより、時計モジュール8が標準電波を受信するアンテナ(図示せず)を備えていても、炭素繊維16のベース板13によってアンテナによる電波受信に影響を及ぼすことがなく、アンテナで標準電波が良好に受信される。
【0045】
また、この状態では、主表示領域において指針(図示せず)が文字板12全体の上方を運針することにより、時刻を指示表示する。また、第1副表示領域15aでは、複数のスイッチ部3のいずれかのスイッチ操作によって選択された第1モードに応じて、第1副針(図示せず)が文字板12の第1円形孔12b内で運針することにより、その選択された第1モードに応じた機能情報を指示する。
【0046】
同様に、第2副表示領域15bでは、複数のスイッチ部3のいずれかのスイッチ操作によって選択された第2モードに応じて、2つの第2副針(図示せず)が文字板12の第2円形孔12c内でそれぞれ運針することにより、その選択された第2モードに応じた機能情報を指示する。
【0047】
第3副表示領域15cでは、複数のスイッチ部3のいずれかのスイッチ操作によって選択された第3モードに応じて、第3副針(図示せず)が文字板12の第3円形孔12d内で運針することにより、その選択された第3モードに応じた機能情報を指示する。また、第4副表示領域15dでは、時計モジュール8の表示部(図示せず)に表示された日付や曜日などの情報が表示開口部12eから見える。
【0048】
これにより、この腕時計では、主表示領域の指針の運針、第1副表示領域15aの第1副針の運針、第2副表示領域15bの第2副針の運針、および第3副表示領域15cの第3副針の運針に応じて、それぞれ時刻や第1~第3の機能情報などの各種の情報が指示表示される。これら指示表示された情報および時計モジュール8の表示部(図示せず)に表示された時刻や日付などの情報は、時計ガラス6を通して腕時計ケース1の外部から視認される。
【0049】
また、この腕時計は、腕時計ケース1が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃が時計モジュール8のハウジング10の外周に設けられた中枠11によって多少緩衝されても、一部の衝撃が腕時計ケース1内の時計モジュール8に伝わる。このため、ハウジング10上に設けられた文字板12は、中枠11によって緩衝しきれなかった衝撃を受ける。
【0050】
このときには、文字板12のベース板13の外周部に設けられて、装飾板14の外周よりも面方向に突出した複数の突起部13aが、腕時計ケース1の第2ケース5の鍔部5aと中枠11とに挟まれた状態で、文字板12が第1ケース4内に保持されている。この状態では、腕時計ケース1が外部から衝撃を受けても、ベース板13の強度が確保されているので、衝撃によってベース板13が変形することがない。
【0051】
このため、装飾板14は、腕時計ケース1が外部から衝撃を受けても、装飾板14の外周部が第2ケース5の鍔部5aの内周部に接触することがないばかりか、第2ケース5の鍔部5aの上面に設けられたリング状の見切り部材17に接触することがない。これにより、装飾板14が夜光貝、鮑貝などの貝、あるいはアヴェンチュリン、サファイア、ヒスイなどの天然または人工の貴石などの脆性素材によって形成されていても、装飾板14が傷付いたり破損したりするのを防ぐことができる。
【0052】
このように、この腕時計の文字板12によれば、強化繊維である炭素繊維16を編んだシート状のベース部材であるベース板13と、このベース板13の上面に設けられた脆性素材の装飾部材である装飾板14と、を備えていることにより、文字板12全体の強度を確保して装飾性を高めることができる。
【0053】
すなわち、この腕時計の文字板12では、ベース板13が炭素繊維16を縦横に平織りで編んでシート状に形成されていることにより、ベース板13の強度を確保することができ、これにより脆性素材の装飾板14の変形を防いで装飾板14の破損を防ぐことができる。また、装飾板14が夜光貝、鮑貝などの貝、あるいはアヴェンチュリン、サファイア、ヒスイなどの天然または人工の貴石などの脆性素材によって形成されているので、装飾板14によって装飾性を高めることができる。
【0054】
この場合、文字板12は、複数のベース開口部である主表示領域の軸挿入孔12a、第1副表示領域15aの第1円形孔12b、第2副表示領域15bの第2円形孔12c、第3副表示領域15cの第3円形孔12d、および第4副表示領域15dの表示開口部12eがそれぞれ設けられていることにより、主表示領域で指針を運針させて時刻を指示表示でき、第1~第3副表示領域15a~15cで第1~第3副針を運針させて第1~第3副機能を指示表示でき、第4副表示領域15dで日付や曜日を表示できる。
【0055】
このため、この腕時計の文字板12では、ベース板13に、複数のベース開口部である第1円形孔12bと第3円形孔12dとの間、および第2円形孔12cと第3円形孔12dとの間における間隔の狭い第1、第2狭間部K1、K2が設けられており、このベース板13は、第1、第2狭間部K1、K2を炭素繊維16の一部が断線することなく通過して設けられていることにより、ベース板13の第1、第2狭間部K1、K2の各強度を確保することができ、これによりベース板13全体の強度を高めることができる。
【0056】
すなわち、この文字板12のベース板13では、炭素繊維16が縦横に平織りで編まれた状態で、45°回転され、この状態で軸挿入孔12a、第1~第3円形孔12b~12d、および表示開口部12eを形成することにより、第1円形孔12bと第3円形孔12dとの間に位置する第1狭間部K1をベース板13の中心から10時側と11時側との中間に向けて斜め45°の方向に沿って設けることができ、これにより第1狭間部K1に縦横に平織りで編まれた炭素繊維16における縦糸と横糸との一方(例えば、横糸)の一部を断線させることなく通過させて設けることができる。
【0057】
同様に、このベース板13では、炭素繊維16が縦横に平織りで編まれた状態で、45°回転され、この状態で第2円形孔12cと第3円形孔12dとの間に位置する第2狭間部K2をベース板13の中心から7時側と8時側との中間に向けて斜め45°の方向に沿って設けることができ、これにより第2狭間部K2に縦横に平織りで編まれた炭素繊維16における縦糸と横糸との他方(例えば縦糸)の一部を断線させることなく通過させて設けることができる。
【0058】
このため、このベース板13では、第1狭間部K1を断線せずに通過した一部の炭素繊維16によって第1狭間部K1の強度を高めることができると共に、第2狭間部K2を断線せずに通過した一部の炭素繊維16によって第2狭間部K2の強度を高めることができる。これにより、ベース板13では、軸挿入孔12a、第1~第3円形孔12b~12d、および表示開口部12eが設けられ、且つ第1、第2狭間部K1、K2が設けられていても、ベース板13全体の強度を高めることができる。
【0059】
この場合、この腕時計の文字板12では、ベース板13が強化繊維として炭素繊維16を用いて形成されているので、時計モジュール8が標準電波を受信するアンテナを備えていても、炭素繊維16で形成されたベース板13によってアンテナが電波の受信を妨げられることがなく、アンテナで標準電波を確実に且つ良好に受信することができる。
【0060】
また、この腕時計の文字板12では、ベース板13が強化繊維である炭素繊維16を縦横に平織りで編んだシート素材を備え、このシート素材を複数積層させた構造であることにより、時計モジュール8のアンテナによる電波受信に影響を与えることがなく、ベース板13全体の強度を十分に高めることができる。
【0061】
すなわち、このベース板13は、炭素繊維16を縦横に平織りで編んでエポキシ樹脂でコーティングしたシート素材を備え、このシート素材を炭素繊維16の向きを揃えて重なり合うように複数積層させた構造であるから、シート素材を複数積層させた構造であっても、ベース板13の第1、第2狭間部K1、K2に、積層されたシート素材の各炭素繊維16の一部を断線させることなく通過させることができ、これによりベース板13全体の強度を、より一層、高めることができる。
【0062】
さらに、この腕時計の文字板12では、装飾板14が、夜光貝、鮑貝などの貝、あるいはアヴェンチュリン、サファイア、ヒスイなどの天然または人工の貴石などの脆性素材を板状に形成したものであるから、装飾板14が夜光貝、鮑貝などの貝を薄い板状に形成した場合に、螺鈿としての装飾性の高いデザインを表現することができ、また、装飾板14がアヴェンチュリン、サファイア、ヒスイなどの天然または人工の貴石を薄い板状に形成した場合に、貴石の素材そのもの高級感のあるデザインを表現することができる。
【0063】
(第2実施形態)
次に、図5を参照して、この発明を腕時計に適用した第2実施形態について説明する。なお、図1図4に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計は、図5に示すように、ベース板20が強化繊維であるガラス繊維21を編んだ構造であり、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構造になっている。
【0064】
すなわち、このベース板20は、図5に示すように、ガラス繊維21を縦横に平織りで編んでエポキシ樹脂でコーティングしたシート素材を備え、このシート素材がガラス繊維21の向きを揃えて重なり合った状態で複数積層された構造になっている。この場合にも、ベース板20は、第1実施形態と同様、第1、第2狭間部K1、K2に縦横に編まれたガラス繊維21の一部が断線することなく通過して設けられている。
【0065】
また、この腕時計の時計モジュール8は、図示されていないが、標準電波を受信するアンテナに変えて、波長の短いGPS(グローバル・ポジショニング・システム)用の電波を受信するGPSアンテナを備えている。この場合、ベース板20は、ガラス繊維21を用いた構造であるから、波長の短いGPS用の電波を妨げることがなく、GPSアンテナで受信されるように構成されている。
【0066】
このように、この第2実施形態の文字板12によれば、第1実施形態と同様の作用効果があるほか、ベース板20が強化繊維としてガラス繊維21を用いて形成されているので、時計モジュール8が波長の短いGPS用の電波を受信するGPSアンテナを備えていても、ガラス繊維21で形成されたベース板20によってGPS用の電波が妨げられることがなく、GPSアンテナでGPS用の電波を確実に且つ良好に受信することができる。
【0067】
この場合にも、この第2実施形態の文字板12では、ベース板20が強化繊維であるガラス繊維21を縦横に平織りで編んだシート素材を備え、このシート素材を複数積層させた構造であることにより、時計モジュール8のアンテナによる電波受信に影響を与えることがなく、ベース板20全体の強度を十分に高めることができる。
【0068】
すなわち、この第2実施形態の文字板12では、第1実施形態と同様、ベース板20に、複数のベース開口部である第1円形孔12bと第3円形孔12dとの間、および第2円形孔12cと第3円形孔12dとの間における間隔の狭い第1、第2狭間部K1、K2が設けられていても、このベース板20の第1、第2狭間部K1、K2をガラス繊維21の一部が断線することなく通過して設けられていることにより、ベース板20の第1、第2狭間部K1、K2の強度を確保することができ、これによりベース板20全体の強度を高めることができる。
【0069】
なお、上述した第1、第2実施形態では、炭素繊維16またはガラス繊維21を縦横に平織りで編んでシート素材を形成した場合について述べたが、この発明はこれに限らず、例えば炭素繊維16またはガラス繊維21を綾織りで編んでシート素材を形成しても良く、また必ずしも平織りや綾織りである必要はなく、他の織り方で編んだものであっても良い。
【0070】
また、上述した第1、第2実施形態では、文字板12は、ベース板13の複数の突起部13aが第2ケース5の鍔部5aと中枠11との間に挟まれた状態で、腕時計ケース1内に保持される場合について述べたが、ベース板13の外周の面方向に複数の凹部を設け、ベース板13の凹部に対応する凸部を中枠11やハウジング10などのベース板13の下側にある部材に設けて、ベース板13の凹部に中枠11やハウジング10などの凸部が嵌合して、ベース板13の径方向の位置を規制して、文字板12が腕時計ケース1内に保持されるようにしても良い。
【0071】
また、上述した第1、第2実施形態では、文字板12は、ベース板13の上に装飾板14を備えた場合について述べたが、ベース板13が装飾部材を兼ねても良く、炭素繊維16またはガラス繊維21のシート素材を文字板として見せたい場合は、装飾板14は無くても良い。
【0072】
また、上述した第1、第2実施形態では、腕時計に適用した場合について述べたが、この発明は必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができる。また、この発明は、時計に限らず、携帯電話機、携帯情報端末機などの電子機器にも適用することができる。
【0073】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0074】
(付記)
請求項1に記載の発明は、強化繊維を編んだシート状のベース部材と、前記ベース部材の一面に設けられた脆性素材の装飾部材と、を備えていることを特徴とする文字板である。
【0075】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の文字板において、前記ベース部材および前記装飾部材には、複数の開口部が対応して設けられている、ことを特徴とする文字板である。
【0076】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の文字板において、前記ベース部材は、前記複数の開口部間における間隔の狭い狭間部を前記強化繊維の一部が断線することなく通過して設けられている、ことを特徴とする文字板である。
【0077】
請求項4に記載の発明は、請求項1~請求項3のいずれかに記載の文字板において、前記ベース部材の前記強化繊維は炭素繊維である、ことを特徴とする文字板である。
【0078】
請求項5に記載の発明は、請求項1~請求項3のいずれかに記載の文字板において、前記ベース部材の前記強化繊維はガラス繊維である、ことを特徴とする文字板である。
【0079】
請求項6に記載の発明は、請求項1~請求項5のいずれかに記載の文字板において、前記ベース部材は、前記強化繊維を編んだシート素材が複数積層されている、ことを特徴とする文字板である。
【0080】
請求項7に記載の発明は、請求項1~請求項6のいずれかに記載の文字板において、前記装飾部材は、貝、あるいは天然または人工の貴石の脆性素材を板状に形成したものである、ことを特徴とする文字板。
【0081】
請求項8に記載の発明は、請求項1~請求項7のいずれかに記載された文字板を備えている、ことを特徴とする時計である。
【符号の説明】
【0082】
1 腕時計ケース
6 時計ガラス
8 時計モジュール
9 ソーラーパネル
10 ハウジング
11 中枠、
12 文字板
12b~12d 第1~第3円形孔
13、20 ベース板
13a 突起部
14 装飾板
15a~15c 第1~第3副表示領域
16 炭素繊維
17 見切り部材
21 ガラス繊維
K1、K2 第1、第2狭間部
図1
図2
図3
図4
図5