IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理システムおよびプログラム 図1
  • 特許-情報処理システムおよびプログラム 図2
  • 特許-情報処理システムおよびプログラム 図3
  • 特許-情報処理システムおよびプログラム 図4
  • 特許-情報処理システムおよびプログラム 図5
  • 特許-情報処理システムおよびプログラム 図6
  • 特許-情報処理システムおよびプログラム 図7
  • 特許-情報処理システムおよびプログラム 図8
  • 特許-情報処理システムおよびプログラム 図9
  • 特許-情報処理システムおよびプログラム 図10
  • 特許-情報処理システムおよびプログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20240319BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240319BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
G06F3/0481
B41J29/42 F
H04N1/00 350
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022175943
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2018179558の分割
【原出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2023014086
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2022-11-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】田邊 滋
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-202577(JP,A)
【文献】特開2006-091343(JP,A)
【文献】特開2007-156745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
B41J 29/42
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置に設けられた操作受け付け部に対する操作者の操作に応じて、当該操作に対応した対応画面を当該画像処理装置の表示部に表示する第1画面表示制御手段と、
前記画像処理装置の一部を動かす操作者の操作があった場合に予め定められた画面を前記表示部に表示し、前記対応画面が当該表示部に表示されている状態にて当該一部を動かす当該操作者の操作があった場合には、当該予め定められた画面の表示を行わない第2画面表示制御手段と、
を備える情報処理システムであり、
前記操作受け付け部に対する操作者の前記操作に応じて、当該操作に対応したアプリケーションである対応アプリケーションが起動され、当該操作に対応した前記対応画面が前記表示部に表示され、
前記第2画面表示制御手段は、
前記対応アプリケーションが起動され且つ前記対応画面が前記表示部に表示されている状態にて、前記一部を動かす操作者の操作があった場合、
前記一部を動かす操作者の操作に応じて起動されるアプリケーションである起動アプリケーションの種別と前記対応アプリケーションの種別とが同じである場合には、前記予め定められた画面の表示を行わず、当該起動アプリケーションの種別と当該対応アプリケーションの種別とが異なる場合には、当該予め定められた画面の表示を行う、
情報処理システム
【請求項2】
画像処理装置に設けられた操作受け付け部に対する操作者の操作に応じて、当該操作に対応した対応画面を当該画像処理装置の表示部に表示する第1画面表示制御機能と、
前記画像処理装置の一部を動かす操作者の操作があった場合に予め定められた画面を前記表示部に表示し、前記対応画面が当該表示部に表示されている状態にて当該一部を動かす当該操作者の操作があった場合には、当該予め定められた画面の表示を行わない第2画面表示制御機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラムであり、
前記操作受け付け部に対する操作者の前記操作に応じて、当該操作に対応したアプリケーションである対応アプリケーションが起動され、当該操作に対応した前記対応画面が前記表示部に表示され、
前記第2画面表示制御機能は、
前記対応アプリケーションが起動され且つ前記対応画面が前記表示部に表示されている状態にて、前記一部を動かす操作者の操作があった場合、
前記一部を動かす操作者の操作に応じて起動されるアプリケーションである起動アプリケーションの種別と前記対応アプリケーションの種別とが同じである場合には、前記予め定められた画面の表示を行わず、当該起動アプリケーションの種別と当該対応アプリケーションの種別とが異なる場合には、当該予め定められた画面の表示を行う、
プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、検知部が事象を検知した場合に、入力部が受け付けた識別情報により特定されるユーザに応じたアプリケーションソフトウェアの画面を表示させる処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-202577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像処理装置の状態の変化に応じて、特定のアプリケーションを起動したり予め定められた画面を表示したりすれば、操作者は、この起動や表示を行うための専用の操作を行わずに、この起動や表示を行える。
その一方で、画像処理装置の状態の変化に応じて、一律に、この起動や表示を行うと、すでにアプリケーションが起動されているにも関わらず他のアプリケーションが起動されたり、すでに表示されている画面が他の画面に切り替わってしまったりし、操作者の操作性の低下を招くおそれがある。
本発明の目的は、画像処理装置の状態が変化した場合に一律にこの状態の変化に応じた処理を行う場合に比べ、画像処理装置に対する操作を行う操作者の操作性の低下を抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、画像処理装置に設けられた操作受け付け部に対する操作者の操作に応じて、当該操作に対応した対応画面を当該画像処理装置の表示部に表示する第1画面表示制御手段と、前記画像処理装置の一部を動かす操作者の操作があった場合に予め定められた画面を前記表示部に表示し、前記対応画面が当該表示部に表示されている状態にて当該一部を動かす当該操作者の操作があった場合には、当該予め定められた画面の表示を行わない第2画面表示制御手段と、を備える情報処理システムであり、前記操作受け付け部に対する操作者の前記操作に応じて、当該操作に対応したアプリケーションである対応アプリケーションが起動され、当該操作に対応した前記対応画面が前記表示部に表示され、前記第2画面表示制御手段は、前記対応アプリケーションが起動され且つ前記対応画面が前記表示部に表示されている状態にて、前記一部を動かす操作者の操作があった場合、前記一部を動かす操作者の操作に応じて起動されるアプリケーションである起動アプリケーションの種別と前記対応アプリケーションの種別とが同じである場合には、前記予め定められた画面の表示を行わず、当該起動アプリケーションの種別と当該対応アプリケーションの種別とが異なる場合には、当該予め定められた画面の表示を行う、情報処理システムである。
請求項に記載の発明は、画像処理装置に設けられた操作受け付け部に対する操作者の操作に応じて、当該操作に対応した対応画面を当該画像処理装置の表示部に表示する第1画面表示制御機能と、前記画像処理装置の一部を動かす操作者の操作があった場合に予め定められた画面を前記表示部に表示し、前記対応画面が当該表示部に表示されている状態にて当該一部を動かす当該操作者の操作があった場合には、当該予め定められた画面の表示を行わない第2画面表示制御機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムであり、前記操作受け付け部に対する操作者の前記操作に応じて、当該操作に対応したアプリケーションである対応アプリケーションが起動され、当該操作に対応した前記対応画面が前記表示部に表示され、前記第2画面表示制御機能は、前記対応アプリケーションが起動され且つ前記対応画面が前記表示部に表示されている状態にて、前記一部を動かす操作者の操作があった場合、前記一部を動かす操作者の操作に応じて起動されるアプリケーションである起動アプリケーションの種別と前記対応アプリケーションの種別とが同じである場合には、前記予め定められた画面の表示を行わず、当該起動アプリケーションの種別と当該対応アプリケーションの種別とが異なる場合には、当該予め定められた画面の表示を行う、プログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1、の発明によれば、画像処理装置の一部を動かす操作者の操作があった場合に一律にこの操作に応じた処理を行う場合に比べ、画像処理装置に対する操作を行う操作者の操作性の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像処理装置の全体構成を示した図である。
図2】管理テーブルを示した図である。
図3】登録部により記憶される情報を示した図である。
図4】操作パネルに表示されたホーム画面を示した図である。
図5】「Copy」のアプリケーションが起動された後の表示画面を示した図である。
図6】画像処理装置にて実行される処理の流れの一例を示した図である。
図7】画像処理装置にて実行される処理の流れの一例を示した図である。
図8】画像処理装置にて実行される処理の流れの一例を示した図である。
図9】(A)、(B)は、予約情報格納テーブルを示した図である。
図10】アプリケーションの状態を説明する図である。
図11】(A)、(B)は、処理形態の他の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態の画像処理装置1の全体構成を示した図である。
画像処理装置1には、管理部10、登録部11、検知部12、判定部13、選択アプリケーション起動部14、特定アプリケーション起動部15、表示制御部16、保持部17、操作パネル18、スキャナ部19、プリント部20、ファックス部21、通信部22が設けられている。さらに、図示は省略するが、画像処理装置1には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)が設けられている。
ここで、画像処理装置1は、これらの機能部により構成された情報処理システムを有し、この情報処理システムによって、後述する処理が実行される。
【0009】
CPUは、ROMや磁気記憶装置などに記憶されているプログラムを読み出し、RAMを作業エリアにしてプログラムを実行する。これにより、本実施形態では、管理部10、登録部11、検知部12、判定部13、選択アプリケーション起動部14、特定アプリケーション起動部15、表示制御部16、保持部17などの各機能部が実現される。
【0010】
ここで、CPUによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、画像処理装置1へ提供しうる。また、CPUによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて画像処理装置1へダウンロードしてもよい。
【0011】
管理部10は、画像処理装置1に格納されている複数のアプリケーションについての情報を記憶(保持)する。
ここで、アプリケーションとは、アプリケーションプログラムを指し、本実施形態では、アプリケーションが実行されると、このアプリケーションに予め対応付けられている機能が実現される。
【0012】
より具体的には、管理部10は、図2(管理テーブルを示した図)に示す管理テーブルに、各アプリケーションの、名称、登録情報、ライセンス情報、状態などの情報を登録して、各アプリケーションについての情報を記憶する。
【0013】
ここで、登録情報とは、画像処理装置1の工場出荷時から登録されているアプリケーションであるか、あるいは、工場出荷時よりも後に登録されたアプリケーションであるかを示す情報である。図2において、「Native」は、工場出荷時から登録されているアプリケーションを指し、「Custom」は、工場出荷時よりも後に登録されたアプリケーションを指す。
【0014】
また、管理部10は、ライセンス情報として、アプリケーションを使用できるか否かを示す情報を記憶している。具体的には、ライセンス情報として、アプリケーションの使用期限を示す情報を記憶している。
本例では、「Copy(コピー)」、「Scan(スキャン)」、「CS1」の3つのアプリケーションについては、使用期限の設定がなされておらず、常に使用できる状態となっている。また、「CS2」、「CS3」の2つのアプリケーションについては、使用期限の設定がなされ、この使用期限まで使用できる状態となっている。
さらに、管理部10は、各アプリケーションの状態(表示、表示予約、非表示)についての情報を記憶している。
【0015】
登録部11(図1参照)は、画像処理装置1にて検知される検知事象と、この検知事象に応じて起動されるアプリケーションとを対応付けて記憶(保持)する機能部である。
この例では、登録部11は、図3(登録部11により記憶される情報を示した図)に示すように、検知事象「DADF用紙検知」と、アプリケーション「Scan」とを対応付けて記憶している。
【0016】
本実施形態では、「DADF用紙検知」という検知事象が検知されると、「Scan」のアプリケーションが起動され、さらに、この「Scan」のアプリケーションについての情報が、表示部の一例としての操作パネル18に表示される。
ここで、「DADF用紙検知」とは、スキャナ部19に設置された原稿送り装置(不図示)に置かれた原稿が検知される事象を指す。
【0017】
さらに、登録部11は、検知事象「プラテン用紙検知」と、アプリケーション「Copy」とを対応付けて記憶している。
本実施形態では、「プラテン用紙検知」という検知事象が検知されると、「Copy」のアプリケーションが起動され、さらに、この「Copy」のアプリケーションについての情報が操作パネル18に表示される。
ここで、「プラテン用紙検知」とは、スキャナ部19に設けられた原稿台(不図示)に置かれた原稿が検知される事象を指す。
【0018】
また、登録部11は、検知事象「給紙装置の開閉」と、アプリケーション「Scan」とを対応付けて記憶している。本実施形態では、「給紙装置の開閉」という検知事象が検知されると、「Scan」のアプリケーションが起動され、さらに、この「Scan」のアプリケーションについての情報が操作パネル18に表示される。
ここで、「給紙装置の開閉」とは、プリント部20に設けられた給紙装置(不図示)の開閉が検知される事象を指す。
【0019】
また、登録部11は、検知事象「ログアウト」と、アプリケーション「HomeMenu」とを対応付けて記憶している。本実施形態では、「ログアウト」という検知事象が検知されると、「HomeMenu」のアプリケーションが起動され、さらに、この「HomeMenu」のアプリケーションについての情報が操作パネル18に表示される(ホーム画面が表示される)。
ここで、「ログアウト」とは、認証状態が解除される事象を指す。
【0020】
また、登録部11は、検知事象「節電復帰」と、アプリケーション「HomeMenu」とを対応付けて記憶している。本実施形態では、「節電復帰」という検知事象が検知されると、「HomeMenu」のアプリケーションが起動され、さらに、この「HomeMenu」のアプリケーションについての情報が操作パネル18に表示される。
ここで、「節電復帰」とは、給電を停止していた状態から給電状態になる事象を指す。
【0021】
また、登録部11は、検知事象「オートリセット」と、アプリケーション「Copy」とを対応付けて記憶している。本実施形態では、「オートリセット」という検知事象が検知されると、「Copy」のアプリケーションが起動され、さらに、この「Copy」のアプリケーションについての情報が操作パネル18に表示される。
ここで、「オートリセット」とは、その時点でなされている設定が解除され、予め設定されている初期状態に遷移する事象を指す。
【0022】
さらに、登録部11は、検知事象の検知方法についての情報を記憶している。
具体的には、登録部11は、検知事象の検知方法についての情報として、「Sensor」、「出力監視」の何れかの情報を記憶している。
ここで、「Sensor」とは、画像処理装置1に設けられたセンサ(不図示)からの出力に基づき検知事象を検知することを指す。
また、「出力監視」とは、検知事象を行う機能部からの出力に基づき検知事象を検知することを指す。
【0023】
さらに、登録部11は、回数閾値を、各検知事象(各アプリケーション)に対応付けた状態で記憶している。
本実施形態では、検知事象が発生した数が、この回数閾値に達すると、この検知事象に対応付けられたアプリケーションが起動される(詳細は後述)。
【0024】
本実施形態では、例えば、「DADF用紙検知」という検知事象については、回数閾値が3に設定されており、「DADF用紙検知」という検知事象が3回検知されると、「Scan」のアプリケーションが起動され、このアプリケーションについての情報が、操作パネル18に表示される(詳細は後述)。
また、「プラテン用紙検知」という検知事象が2回検知されると、「Copy」のアプリケーションが起動され表示される。
また、例えば、「給紙装置の開閉」、「オートリセット」という検知事象が1回検知されると、「Scan」や「Copy」のアプリケーションが起動され表示される。
【0025】
検知部12(図1参照)は、画像処理装置1で発生する上記の検知事象を検知する。
具体的には、検知部12は、センサからの出力を得て、又は、上記のログアウトなどを実行する機能部からの出力を得て、上記にて説明した6つの検知事象を検知する。
即ち、検知部12は、「DADF用紙検知」、「プラテン用紙検知」、「給紙装置の開閉」、「ログアウト」、「節電復帰」、「オートリセット」の6つの検知事象を検知する。
【0026】
判定部13は、操作パネル18に表示するアプリケーションを何れのアプリケーションにするかを判定(決定)する。
そして、本実施形態では、この判定の結果が、特定アプリケーション起動部15に出力される。この判定の結果が、アプリケーションを起動するという判定結果である場合、特定アプリケーション起動部15は、検知事象に応じたアプリケーション(特定アプリケーション)を起動する。これにより、操作パネル18に、検知事象に応じたアプリケーションについての表示が行われる。
【0027】
選択アプリケーション起動部14は、画像処理装置1に格納された複数のアプリケーションのうち、操作者により選択されたアプリケーションである選択アプリケーションを起動する。
より具体的には、本実施形態では、操作者が、操作受け付け部として機能する操作パネル18に対する操作を行ってアプリケーションの選択を行う。
選択アプリケーション起動部14は、操作者により選択されたアプリケーションを起動する。これにより、操作パネル18には、操作者により選択されたアプリケーション(選択アプリケーション)についての情報が表示される。
【0028】
操作パネル18には、表示装置、ホーム画面に戻るためのハードキー、スタートボタンなどが設けられている。この表示装置は、いわゆるタッチパネルにより構成されている。
操作パネル18は、操作受け付け部として機能し、操作者により行われる操作を受け付ける。また、操作パネル18は、表示部としても機能し、操作者に対する情報の表示を行う。
【0029】
スキャナ部19は、CCDなどの画像読み取り部を有し、設置される原稿上の画像を読み取る。
プリント部20は、電子写真方式やインクジェットヘッド方式などを用い、記録媒体の一例である用紙への画像形成を行う。
ファックス部21は、スキャナ部19で読み取った原稿の画像を、外部装置へ送信する。また、ファックス部21は、外部装置から送信されてきた画像情報を受信する。
通信部22は、いわゆる通信装置により構成され、外部装置との間で情報の送受信を行う。
【0030】
図4は、操作パネル18に表示されたホーム画面を示した図である。
本実施形態では、このホーム画面に、アプリケーションの各々を表す複数の選択用ボタン(アイコン)29が表示され、この選択用ボタン29の何れかが操作者により選択(押圧)されると、選択アプリケーション起動部14が、選択された選択用ボタン29に対応付けられたアプリケーション(選択アプリケーション)を起動する。
【0031】
図5は、「Copy(コピー)」のアプリケーション(選択アプリケーション)が起動された後の表示画面を示した図である。
操作者は、コピーを行う際、図5にて示すこの表示画面に対する操作を行って、部数などの設定値の入力を行う。そして、本実施形態では、不図示のスタートボタンが操作者により押圧(選択)されると、この「Copy」のアプリケーションによる処理が開始される。
【0032】
特定アプリケーション起動部15は、判定部13によって判定(決定)されたアプリケーション(起動するとの判定がなされたアプリケーション)を起動する。
付言すると、特定アプリケーション起動部15は、検知事象が起き画像処理装置1の状態の変化があった場合に、この検知事象に対応付けられた特定のアプリケーション(以下、「特定アプリケーション」と称する)を起動する。
【0033】
なお、後述するように、特定アプリケーション起動部15は、上記の選択アプリケーションが起動されている状態にて、画像処理装置1の状態の変化があった場合には、特定アプリケーションの起動を行わない。
又は、特定アプリケーション起動部15は、上記の選択アプリケーションが起動されている状態にて、画像処理装置1の状態の変化があった場合、予め定められた条件がさらに満たされた場合に、特定アプリケーションを起動する。
【0034】
表示制御手段、第1画面表示制御手段、第2画面表示制御手段の一例としての表示制御部16(図1参照)は、操作パネル18に設けられた表示装置の表示制御を行う。
これにより、表示装置に、上記の選択アプリケーションや特定アプリケーションについての表示が行われる。
【0035】
具体的には、表示制御部16は、画像処理装置1に設けられた操作パネル18に対する操作者の操作に応じて、この操作に対応した対応画面を操作パネル18に表示する。
より具体的には、表示制御部16は、操作者による選択アプリケーションの選択操作があると(選択用ボタン29の選択があると)、この選択操作に応じて、この選択操作に応じた対応画面(選択アプリケーションに対応した対応画面)を表示する。
【0036】
また、表示制御部16は、画像処理装置1の状態の変化があった場合、予め定められた画面を操作パネル18に表示する。言い換えると、表示制御部16は、上記の検知事象が起きると、予め定められた画面を表示する。
付言すると、本実施形態では、画像処理装置1の状態の変化があると、特定アプリケーン起動部15により特定アプリケーションが起動されるが、この際、表示制御部16は、この特定アプリケーションに関する予め定められた画面を表示する。
【0037】
また、表示制御部16は、上記の対応画面(選択アプリケーションに対応した対応画面)が操作パネル18に表示されている状態にて、状態の変化があった場合には(検知事象が起きた場合には)、特定アプリケーションに関する予め定められた画面の表示を行わない。
又は、表示制御部16は、上記の対応画面(選択アプリケーションに対応した対応画面)が操作パネル18に表示されている状態にて、状態の変化があった場合、予め定められた条件がさらに満たされた場合に、特定アプリケーションに関する予め定められた画面を表示する。
【0038】
保持手段の一例としての保持部17(図1参照)は、上記の選択アプリケーションが起動されている状態にて操作者が設定した設定情報(例えば、図5にて示す表示画面が表示されている状態にて設定者が設定した設定情報)を、上記特定のアプリケーションが起動された後も保持する。
そして、本実施形態では、保持部17により保持されたこの設定情報は、特定のアプリケーションが閉じられ、上記の選択アプリケーションが再び選択された場合に、この選択アプリケーションに反映される。
【0039】
図6図8は、画像処理装置1にて実行される処理の流れの一例を示した図である。
本実施形態では、検知事象が起きると、検知部12が、この検知事象を検知する(ステップS101)。
次いで、本実施形態では、登録部11が、検知事象に対応付けられたアプリケーション(以下、「事象対応アプリケーション」)が有るかを判断する(ステップS102)。
付言すると、登録部11は、図3に示したテーブルを参照して、検知事象に対応付けられた事象対応アプリケーションが有るかを判断する。
【0040】
そして、事象対応アプリケーションがある場合、管理部10が、この事象対応アプリケーションのライセンス情報を参照し、この事象対応アプリケーションが使用できるかを判断する(ステップS103)。
そして、ステップS103にて、事象対応アプリケーションが使用できると判断された場合、既に起動され操作パネル18に表示されているアプリケーション(選択アプリケーション起動部14により起動された選択アプリケーション)(以下、「表示アプリケーション」ともいう)の有無を判断する(ステップS104)。
【0041】
そして、表示アプリケーションが存在しないと判断された場合、特定アプリケーション起動部15が、検知事象に対応付けられた事象対応アプリケーションを起動する。言い換えると、特定アプリケーション起動部15は、検知事象に対応付けられた特定アプリケーションを起動する。
これにより、事象対応アプリケーションについての情報が、操作パネル18に表示される(ステップS105)。
【0042】
なお、本実施形態では、ステップS104にて、表示アプリケーションの有無を判断するが、この表示アプリケーションには、ホーム画面の表示のためのアプリケーションや、初期設定画面(電源オン時に表示される画面)の表示のためのアプリケーションは含まれない。
このため、例えば、操作パネル18にホーム画面が表示されている場合、ステップS104では、表示アプリケーションは無いと判断され、ステップS105にて、事象対応アプリケーションについての情報が表示される。
【0043】
一方、ステップS104にて、表示アプリケーションが有ると判断された場合は、ステップS106の処理に進む。
具体的には、例えば、操作者により選択された選択アプリケーションについての表示が、操作パネル18にて行われている場合には、ステップS106の処理に進む。
【0044】
ステップS106では、判定部13が、表示予約アプリケーションが有るかを判断する。
ここで、表示予約アプリケーションとは、その時点で表示されている表示アプリケーション(選択アプリケーション)の次に表示される予定にあるアプリケーションをいう。
判定部13は、ステップS106にて、表示予約アプリケーションが無いと判断した場合、事象対応アプリケーションを表示予約アプリケーションとし、さらに、この表示予約アプリケーションのカウント値をインクリメントする(増加させる)(ステップS107)。
【0045】
ここで、判定部13は、図9(予約情報格納テーブルを示した図)の(A)、(B)に示すように、予約情報格納テーブルを有しており、ステップS106では、この予約情報格納テーブルを参照し、表示予約アプリケーションが有るかを判断する。
ステップS106にて、表示予約アプリケーションが無いと判断された場合、判定部13は、図9(B)に示すように、事象対応アプリケーションを、表示予約アプリケーションとして登録する。
【0046】
この例では、「Scan」が、事象対応アプリケーションである場合を例示しており、判定部13は、図9(B)で示すように、この「Scan」のアプリケーションを、表示予約アプリケーションとして登録する。
なお、この場合、管理部10も、事象対応アプリケーションである「Scan」のアプリケーションの状態を、「表示予約」とする(図2の管理テーブル参照)。
【0047】
図9(B)にて示す、この予約情報格納テーブルでは、カウント値も登録できるようになっており、判定部13は、カウント値をインクリメントした場合、インクリメント後のカウント値を、予約情報格納テーブルに登録する。
さらに、判定部13は、事象対応アプリケーションを、表示予約アプリケーションとして登録すると、この事象対応アプリケーションに対応付けられた回数閾値を、登録部11から取得し(図3にて示したテーブルから取得し)、この回数閾値も、予約情報格納テーブルに登録する。
【0048】
なお、図9(A)は、表示予約アプリケーションが存在しない場合を示しており、表示予約アプリケーションが存在しない場合には、予約情報格納テーブルには、表示予約アプリケーションについての情報が格納されない状態となる。
【0049】
表示予約アプリケーションが生じた場合、この表示予約アプリケーションについての情報を、操作パネル18に表示するようにしてもよい。
付言すると、表示予約アプリケーションが生じた時点では、未だ特定アプリケーションは起動されておらず、表示画面には、未だ、選択アプリケーション(表示アプリケーション)についての情報が表示されている状態となる。
【0050】
この場合、表示制御部16は、選択アプリケーションについての情報が表示されているこの表示画面に、予約状態となった事象対応アプリケーションについての情報(表示予約アプリケーションについての情報)を表示するようにしてもよい。
例えば、「現在表示されているアプリケーションを閉じると、予約状態にあるアプリケーションが表示されます」などの情報を表示するようにしてもよい。
言い換えると、特定アプリケーション起動部15により起動される予定の特定アプリケーションについての情報を表示するようにしてもよい。
【0051】
図7に戻り、処理の流れを更に説明する。
ステップS108では、判定部13は、インクリメント後のカウント値と、回数閾値とを比較する。
そして、カウント値が回数閾値よりも小さい場合は、そのまま終了する(表示予約アプリケーションをそのままの状態にしておく)。
一方で、判定部13は、カウント値が回数閾値以上である場合、表示アプリケーション(選択アプリケーション)を非表示とし、表示予約アプリケーション(事象対応アプリケーション、特定アプリケーション)を表示する決定を行う。
【0052】
そして、本実施形態では、これに応じ、特定アプリケーション起動部15が、表示予約アプリケーション(特定アプリケーション)を起動する。
また、表示制御部16が、表示アプリケーション(選択アプリケーション)を非表示とし(ステップS109)、また、表示制御部16は、特定アプリケーション起動部15が起動した表示予約アプリケーション(事象対応アプリケーション、特定アプリケーション)についての表示を行う(ステップS110)。
【0053】
なお、判定部13が行った上記の決定(表示アプリケーションを非表示とし、表示予約アプリケーションを表示する決定)の内容は、管理部10に出力される。
そして、本実施形態では、管理テーブル(図2参照)に格納されている情報のうち、表示アプリケーションに対応したアプリケーションの状態が「非表示」とされ、表示予約アプリケーションに対応したアプリケーションの状態が「表示」とされる。
【0054】
ここで、本実施形態では、インクリメント後のカウント値が、回数閾値に達すると、事象対応アプリケーション(特定アプリケーション)が、起動され表示される。
言い換えると、本実施形態では、検知事象が起き、さらに、この検知事象が起きた回数が回数閾値に達すると、事象対応アプリケーションが起動され表示される。
【0055】
付言すると、本実施形態では、特定アプリケーション起動部15は、上記の選択アプリケーションが起動されている状態にて、回数閾値が2以上に設定されている検知事象が1回起きただけでは、事象対応アプリケーション(特定アプリケーション)の起動は行わない。
その一方で、特定アプリケーション起動部15は、この状態から(検知事象が1回起きた後の状態から)、操作者による予め定められた操作がさらにあった場合には(検知事象がさらに起きた場合には)、特定のアプリケーションの起動を行う。
【0056】
付言すると、本実施形態では、特定アプリケーション起動部15は、選択アプリケーションが起動されている状態にて1回目の状態の変化があり、その後、この状態の変化がさらにあった場合に、回数閾値が2以上に設定されている、特定アプリケーションの起動を行う。
また、特定アプリケーション起動部15は、回数閾値が3以上に設定されている特定アプリケーションについては、選択アプリケーションが起動されている状態にて1回目の状態の変化があり、その後、この状態の変化が予め定められた複数の回数さらにあった場合に、特定アプリケーションの起動を行う。
【0057】
さらに説明すると、本実施形態では、操作者の操作に対応した対応画面(選択アプリケーションを選択することにより表示された、選択アプリケーションに対応した対応画面)が操作パネル18に表示されている状態にて、状態の変化があると、特定アプリケーションが起動され、特定アプリケーションについての表示が行われる。
【0058】
なお、特定アプリケーション(検知事象に対応した事象対応アプリケーション)が起動されると、操作パネル18における表示画面が切り替わるが、この場合、表示制御部16は、切り替わり後のこの表示画面にて、選択アプリケーションに関する表示を行うことが好ましい。
言い換えると、表示制御部16は、表示画面が切り替わる前に表示されていたアプリケーションに関する表示を、切り替わり後の表示画面にて行うことが好ましい。
【0059】
より具体的には、本実施形態では、選択アプリケーションが起動されている状態にて特定アプリケーションが起動されると、選択アプリケーションについて表示した第1表示画面から、特定アプリケーションについて表示した第2表示画面に切り替わる。
この場合に、もともと表示されていた選択アプリケーションに関する表示を、この第2表示画面の一部にて行うことが好ましい。
【0060】
より具体的には、この第2表示画面の一部に、選択アプリケーションに関する表示として、例えば、第1表示画面に戻す操作(選択アプリケーションについての表示に戻す操作)を受け付けるための表示を行うことが好ましい。
より具体的には、例えば、第2表示画面の一部に、第1表示画面に戻るための選択ボタンを表示する。また、その他に、例えば、「選択アプリケーションに戻ることができます。戻るには、ボタンを押してください」などの、第1表示画面に戻るための操作の案内を行ってもよい。
【0061】
一方、ステップS106にて、表示予約アプリケーションが既にあると判断された場合は、ステップS111の処理に進む。
ステップS111では、判定部13は、既にあるこの表示予約アプリケーションに対応付けられている検知事象と、事象対応アプリケーション(新たに起きた検知事象に対応付けられたアプリケーション)に対応付けられている検知事象とが同一であるかを判断する。
【0062】
そして、判定部13は、同一であると判定した場合、予約情報格納テーブル(図9参照)にその時点で登録されている表示予約アプリケーションのカウント値をインクリメントする(ステップS112)。
その後、上記と同様、判定部13は、表示予約アプリケーションのカウント値(インクリメント後のカウント値)と、回数閾値とを比較する(ステップS113)。
【0063】
そして、カウント値が回数閾値よりも小さい場合は、そのまま終了する。
一方、カウント値が回数閾値以上である場合には、上記と同様、判定部13は、表示アプリケーションを非表示とし、表示予約アプリケーションを表示する決定を行う。
そして、この場合、上記と同様、表示制御部16が、表示アプリケーションを非表示とし(ステップS114)、また、表示予約アプリケーションを表示する処理を行う(ステップS115)。
【0064】
また、判定部13は、ステップS111にて、既にある表示予約アプリケーションに対応付けられている検知事象と、事象対応アプリケーション(新たに起きた検知事象に対応付けられたアプリケーション)に対応した検知事象とが同一ではないと判定した場合、予約情報格納テーブルに格納されている情報を一旦クリアする(ステップS116)。言い換えると、表示予約アプリケーションについての表示予約を解除する。
【0065】
そして、判定部13は、事象対応アプリケーション(新たに起きた検知事象に対応付けられたアプリケーション)を、新たな表示予約アプリケーションとして、予約情報格納テーブルに登録する。なお、このとき、判定部13は、この新たな表示予約アプリケーションについてのカウント値をインクリメントし(ステップS112)、カウント値を1とする。
その後、ステップS113以降の処理が行われる。ここで、ステップS113以降の処理は上記と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0066】
なお、その他の処理として、表示アプリケーション(選択アプリケーション)の種別と、事象対応アプリケーション(これから起動しようとする特定アプリケーション)の種別とが同じである場合には、事象対応アプリケーション(特定アプリケーション)の起動を行わないようにしてもよい。
言い換えると、表示アプリケーションの種別と、事象対応アプリケーションの種別とが異なる場合にのみ、事象対応アプリケーションの起動を行うようにしてもよい。
【0067】
具体的には、選択アプリケーションが起動されている状態にて、状態の変化があり(検知事象が起こり)、さらに、この選択アプリケーションの種別と、この検知事象に対応して起動されようとする特定アプリケーションの種別とが異なる場合に、この特定アプリケーションの起動を行うようにし、その一方で、種別が同じである場合には、特定アプリケーションの起動を行わないようにしてもよい。
【0068】
なお、このような処理を行う場合は、予め、選択アプリケーション起動部14により起動される選択アプリケーション、および、特定アプリケーション起動部15により起動される特定アプリケーション(事象対応アプリケーション)の各々に、アプリケーションの種別を示す情報を付しておく。
種別が同じあるか否かの判断は、各アプリケーションに付されたこの種別の情報に基づき行う。
【0069】
ここで、アプリケーションには、コピー、スキャン、ファックスなどの種別があり、さらに、1つの種別毎に、複数のアプリケーションが存在することが多い。
例えば、スキャンという種別であれば、通常のスキャンを行うアプリケーション(スキャンアプリケーション)だけではなく、スキャンした後に送信処理を行うアプリケーション(スキャン後送信アプリケーション)もある。
【0070】
この場合、仮に、スキャンアプリケーションが、選択アプリケーションとして表示されている状態にて、スキャン後送信アプリケーションが起動されなかったとしても(検知事象に応じた起動が行われなかったとしても)、スキャンアプリケーションに対する操作をさらに行うことで、スキャン後送信アプリケーションと同じ処理を行えることも多い。
そこで、上記のとおり、選択アプリケーションの種別と特定アプリケーションの種別とが同じである場合には、特定アプリケーションの起動を行わないようにしてもよい。
【0071】
その一方で、種別が同じであったとしても、これから起動されようとする特定アプリケーションが、それまで表示されていた選択アプリケーションにおける一部の設定が済んでいる特定アプリケーションである場合には、この特定アプリケーションを起動するようにしてもよい。
【0072】
例えば、選択アプリケーション(表示アプリケーション)が、「Copy」アプリケーションであり、特定アプリケーション(事象対応アプリケーション)が、「2UPコピー」のアプリケーションのように、特定アプリケーションが、印刷形態についての一部の設定が既になされているアプリケーションである場合には、このアプリケーションを起動するようにしてもよい。
この場合、例えば、「Copy」アプリケーションが閉じられ、「2UPコピー」のアプリケーションが起動されると、既に2UPの設定がなされている状態となり、操作者は、設定入力の手間が軽減される。
なお、「2UPコピー」とは、1枚の用紙に複数ページ分の画像を形成する印刷形態を指す。
また、種別が同じであったとしても、選択アプリケーションにおいて設定できない設定を特定アプリケーションでは設定できるように、選択アプリケーションと特定アプリケーションの利用用途が異なる場合には、この特定アプリケーションを起動するようにしてもよい。
例えば、選択アプリケーション(表示アプリケーション)がSMBプロトコルを用いて利用者のPC上のフォルダにスキャンしたファイルを格納する「Scan to SMB」アプリケーションであり、特定アプリケーション(事象対応アプリケーション)がメールを用いて宛先となるメールアドレスにスキャンしたファイルを送付する「Scan to mail」アプリケーションであった場合は、特定アプリケーションを起動するようにしてもよい。
この場合、「Scan to SMB」アプリケーションが閉じられ、「Scan to mail」アプリケーションが起動されると、例えば利用者が文書をスキャンしてMFPと同一のサブネットに存在する自身のPC内のフォルダへの格納を行い、同一の文書をスキャンして取引先のメールアドレスに送るといった、選択アプリケーションでは送れない送信先(例えば、ファイアーウォール外にあるメールサーバ)への送信をする場合において、「Scan to mail」アプリケーションが自動的に起動することとなる。
ここで利用用途が異なるとは、アプリケーション同士で実行できる処理に差があることを指し、利用用途が異なるアプリケーションとは、例えば利用するプロトコルが異なる、アプリにおいて設定できる設定に差がある、利用者が用途が異なると事前に指定した、といったものである。
【0073】
ここで、本実施形態では、検知事象に応じて、この検知事象に対応付けられたアプリケーションが起動され、このアプリケーションについての情報が操作パネル18に表示される。
この場合、操作者は、操作パネル18に対する操作(アプリケーションの選択操作など)を行わずに済み、簡易な手順で、アプリケーションによる処理を行える。
【0074】
その一方で、操作者によっては、操作パネル18に対する選択操作をまず行い、その後に検知事象に対応する操作を行うことも想定される。
この場合、選択操作を行って起動したアプリケーション(選択アプリケーション)にて行った設定がリセットされたり、選択操作を行って起動したアプリケーションについての表示が、他の表示に切り替わってしまったりする。
【0075】
これに対し、本実施形態では、回数閾値が複数値であるアプリケーションについては、検知事象が検知されても、すぐには起動されずに留保される(表示予約の状態とされる)。
このため、本実施形態では、設定がリセットされたり、表示画面が他の表示画面に切り替わったりするなどの事態が生じにくくなる。
【0076】
その一方、操作者によっては、検知事象を利用したアプリケーションの起動を望んでいる場合もある。
この場合、本実施形態では、上記のように、表示アプリケーションが表示されている状態にて、操作者が検知事象に対応する操作を複数回行うと、事象対応アプリケーション(特定アプリケーション)が起動される。この場合、操作者は、操作パネル18における選択操作を行わずにアプリケーションの起動を行える。
【0077】
また、後述するように、本実施形態では、表示アプリケーションを閉じるなど、表示アプリケーションから離脱する操作を操作者が行うと、表示アプリケーション(選択アプリケーション)が非表示となる。
そして、本実施形態では、この場合、表示予約アプリケーション(事象対応アプリケーション、特定アプリケーション)が起動する。
【0078】
ここで、表示アプリケーションから離脱する操作とは、表示アプリケーションについての情報が表示されている表示画面から、他の表示画面への切り替えを伴う操作を指す。
表示アプリケーションから離脱する操作としては、表示アプリケーションを閉じる操作や、表示アプリケーションを縮小して表示する操作が一例として挙げられる。
また、表示アプリケーションから離脱する操作としては、他に、スタートボタンの押圧などの表示アプリケーションの実行を開始するための操作や、ホーム画面に戻るための操作も一例として挙げられる。
【0079】
なお、本実施形態では、表示アプリケーションが存在する状態にて、検知事象が検知された場合(回数閾値が複数値で設定されている検知事象が検知された場合)、事象対応アプリケーションを表示予約状態とする場合を一例に説明した。
ところで、これに限らず、表示予約状態とせず、表示アプリケーションが既に存在する場合には、事象対応アプリケーションの起動を一切行わないという処理を行ってもよい。
なお、この場合は、検知事象を利用したアプリケーションの起動を行いたいと考えている操作者の要望に応えられなくなる。上記のように、表示予約状態とする場合は、この要望に応えられるようになる。
【0080】
図10は、アプリケーションの状態を説明する図である。
本実施形態では、アプリケーションは、非表示、表示、表示予約の3つ状態の何れかの状態となる。付言すると、本実施形態では、ライセンスが有効であり使用可能なアプリケーションについては、「非表示」、「表示」、「表示予約」の3つ状態の何れかの状態となる。
【0081】
ここで、「非表示」状態とは、操作パネル18に表示されていない状態を指す。
本実施形態では、この非表示となっているアプリケーションについては、このアプリケーションに対応付けられた検知事象が検知され、且つ、この検知事象の発生回数が回数閾値以上となると、起動され、また、操作パネル18における表示が行われる。
【0082】
付言すると、本実施形態では、検知事象が検知された際に表示アプリケーションが存在しない場合は、この検知事象に対応したアプリケーションが表示される。
その一方で、表示アプリケーションが有る場合は、検知事象の発生回数が回数閾値未満であると、この検知事象に対応したアプリケーションは、表示予約状態とされ、検知事象の発生回数が回数閾値以上であると、検知事象に対応したこのアプリケーションは、表示状態とされる。
【0083】
「表示」状態とは、アプリケーションが起動され且つこのアプリケーションについての情報が操作パネル18に表示されている状態を指す。
ここで、本実施形態では、表示状態にある表示アプリケーションを閉じるなど、表示アプリケーションから離脱する指示が操作者からあり、且つ、表示予約状態のアプリケーションがある場合、この表示予約状態のアプリケーションが起動され、表示状態となる。
【0084】
なお、本実施形態では、表示アプリケーションから離脱する指示が操作者からあった後に、表示予約状態のアプリケーションが起動される場合を一例に説明するが、処理の形態はこれに限られない。
例えば、表示アプリケーションから離脱する指示が操作者からある前に、表示予約状態のアプリケーションを起動しておき、離脱する指示が操作者からあった場合に、起動済みのこのアプリケーションについての表示を行うようにしてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、表示アプリケーションから離脱する指示が操作者からあり、且つ、そのとき、表示予約状態のアプリケーションが無い場合には、ホーム画面が表示される(初期設定画面として設定されている画面が表示される)。
また、本実施形態では、表示アプリケーションから離脱する指示が操作者からあり、且つ、そのとき、表示予約状態のアプリケーションが有る場合には、表示予約状態にあるこのアプリケーションについての表示が行われる。
【0086】
より具体的には、本実施形態では、操作パネル18に、ホーム画面に戻るためのハードキーが設けられていたり、表示アプリケーションが表示されている表示画面に、表示を閉じるための表示ボタンが表示されていたりする。
本実施形態では、このハードキーや表示ボタンの押圧(選択)があり、且つ、そのとき、表示予約状態のアプリケーションが無い場合には、ホーム画面が表示される。
【0087】
また、本実施形態では、このハードキーや表示ボタンの押圧(選択)があり、且つ、そのとき、表示予約状態のアプリケーションが有る場合には、表示予約状態にあるこのアプリケーションについての表示が行われる。
言い換えると、本実施形態では、表示アプリケーションから離脱する指示が操作者からあると、ホーム画面が表示され、又は、表示予約状態にあるアプリケーションが表示される。
【0088】
ここで、表示されているアプリケーションから離脱する指示が操作者からあった場合、操作者が、別のアプリケーションの起動を望んでいることが想定される。
この場合に、離脱する指示に応じ、表示予約状態にあるアプリケーションを起動するようにすると、操作者は、このアプリケーションを別途選択して起動する手間が省ける。
【0089】
なお、表示アプリケーションが表示されている状態にて、離脱する指示として、ホーム画面に戻るためのボタンが押圧された場合には(ホーム画面に戻るための予め定められた操作が行われた場合には)、予約状態にあるアプリケーションの起動ではなく、ホーム画面を表示する処理を行ってもよい。
なお、この場合、表示予約状態にあったアプリケーションのこの予約状態は、取り止める。
【0090】
表示アプリケーションを閉じる操作ではなく、ホーム画面に戻るためのボタンを選択したということは、ユーザは、表示アプリケーションを閉じて、ホーム画面を表示してほしいと考えている可能性が高い。
そこで、表示アプリケーションを閉じる操作ではなく、ホーム画面に戻るボタンなど、表示されるアプリケーション(画面)が予め定まっているボタンが操作者により押圧されたときには、表示予約状態のアプリケーションではなく、このボタンに対応した画面を表示することが好ましい。
【0091】
「表示予約」状態とは、対象となるアプリケーションが、表示アプリケーションの次に表示される予定にある状態を指す。
本実施形態では、事象対応アプリケーションを表示しようとする際に(特定アプリケーションを起動しようとする際に)、表示アプリケーションが存在する場合、上記のとおり、この事象対応アプリケーションは、表示予約状態のアプリケーションとなる。
【0092】
本実施形態では、表示予約状態のアプリケーションが存在する場合、同時に、表示アプリケーションも存在していることになり、この表示アプリケーションが閉じられると、表示予約アプリケーションが起動され表示される。
【0093】
また、本実施形態では、上記のとおり、新たな事象対応アプリケーションが、表示予約のアプリケーションとして登録される際に、既に表示予約アプリケーションが存在する場合もある。
この場合、既に存在する表示予約アプリケーションと、新たな事象対応アプリケーションとが同じである場合は、カウンタをインクリメントし、インクリメント後のカウント値に応じて、表示予約状態を維持し、又は、表示予約アプリケーション(=事象対応アプリケーション)を起動し表示する。
【0094】
また、表示予約アプリケーションと事象対応アプリケーションとが異なる場合は、この表示予約アプリケーションの表示予約状態を取り止め、事象対応アプリケーションを、新たな表示予約アプリケーションとして登録する。
【0095】
なお、上記では、ステップS111(図8参照)にて示したように、表示予約アプリケーションに対応付けられた検知事象と、事象対応アプリケーションに対応付けられた検知事象とを比較した。そして、比較した検知事象が同じである場合に、表示予約アプリケーションのカウント値をインクリメントした。
ところで、これに限らず、アプリケーション毎にカウント値をインクリメントし、このカウント値が回数閾値を超えるか否かに応じて、事象対応アプリケーションの表示/非表示を行ってもよい。
【0096】
ここで例えば、図11(処理形態の他の一例を説明する図)の(A)に示すように、検知事象Aに、アプリケーション「Copy」が対応付けられ、また、検知事象Bに、アプリケーション「Copy」が対応付けられ、さらに、検知事象毎に、カウント値をインクリメントとする場合を考える。
この場合は、図11(A)の符号11Cで示すように、操作者が、2つの検知事象(検知事象A、検知事象B)の各々を複数回行っているにも関わらず、カウント値が回数閾値(=2)に達せず、表示が切り替わらない(事象対応アプリケーションが起動しない)。
【0097】
これに対し、アプリケーション毎に、カウント値をインクリメントすると、図11(B)に示すように、例えば、2回目の検知事象Bが検知されると、表示が切り替わるようになる(事象対応アプリケーションが起動するようになる)。
【0098】
さらに、上記では説明を省略したが、本実施形態では、表示アプリケーションが表示されている状態にて、操作者が、この表示アプリケーションに関する操作を行った場合、その際に存在する表示予約状態は取り消してもよい(表示予約状態にあるアプリケーションの、表示予約状態のステータスを取り消してもよい)。
【0099】
具体的には、例えば、表示アプリケーションが表示されている状態にて、操作者が、操作パネル18に対する操作を行い、表示アプリケーションに関する設定値の変更や、設定値の入力を行った場合、また、例えば、操作者が、表示アプリケーションの実行を開始する指示を行った場合、その際に存在する表示予約状態を取り消してもよい。
【0100】
ここで、例えば、表示アプリケーションが表示されている状態にて、検知事象が検知され、この検知事象に対応した事象対応アプリケーションが表示予約状態になった場合を想定する。
この場合において、操作者が、表示アプリケーションに関する操作を行った場合、具体的には、上記の設定値を変更する操作など、表示アプリケーションを閉じる操作以外の操作を行った場合、操作者は、この表示アプリケーションによる処理を望んでいると考えられる。
【0101】
この場合は、上記のように、表示予約を取り消すようにする。これにより、この場合、表示アプリケーションの処理が終了すると、表示予約のアプリケーションが起動されずに、ホーム画面に戻るようになる。
ここで、この表示アプリケーションの処理が終了した後に、表示予約のアプリケーションを起動する態様も考えられるが、この場合は、逆に、操作者が望んでいない処理が実行される可能性が高くなる(操作者が望んでいない表示がなされる可能性が高くなる)。
【0102】
そこで、上記のように、表示アプリケーションに対する操作が行われた場合は、その時点にある、表示予約を取り消すようにしてもよい。
なお、表示予約の取り消しは、表示アプリケーションに対する操作があった場合に限らず、表示予約の取り消しのための専用の操作を予め用意しておき、この操作があった場合に、表示予約を取り消すようにしてもよい。
【0103】
(その他)
アプリケーションの種類としては、即時実行型のアプリケーション(以下、「即時型アプリケーション」と称する)と、確認型のアプリケーション(以下、「確認型アプリケーション」と称する)とがある。
即時型アプリケーションとは、起動されると、操作者による追加の入力操作がなくても、最後まで処理が行われるアプリケーションである。
確認型アプリケーションとは、上記にて説明した各アプリケーションであり、起動されると、操作パネル18における表示が一旦行われ、その後、操作者からの指示がさらにあると処理が開始されるアプリケーションである。
【0104】
本実施形態では、上記の即時型アプリケーションについても、表示予約状態とすることができ、この場合、上記の離脱する操作を操作者が行うと、この即時型アプリケーションが起動され実行される。
ここで、離脱する操作に応じて、この即時型アプリケーションを起動する場合、この即時型アプリケーションの処理内容の表示を一旦行い、そして、操作者からの指示があった場合に、この即時型アプリケーションによる処理を開始することが好ましい。
【0105】
言い換えると、即時型アプリケーションは、本来、離脱する操作があれば、操作者からの指示が別途無くても実行を行えるアプリケーションであるが、表示予約状態にある状態から起動される場合には、上記のように、処理内容の表示を一旦行い、そして、操作者からの指示があった場合に、処理を開始することが好ましい。
【符号の説明】
【0106】
1…画像処理装置、14…選択アプリケーション起動部、15…特定アプリケーション起動部、16…表示制御部、17…保持部、18…操作パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11