(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】画像処理装置、読取制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240319BHJP
B65H 1/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
H04N1/00 J
B65H1/00 501A
(21)【出願番号】P 2022504339
(86)(22)【出願日】2021-03-01
(86)【国際出願番号】 JP2021007611
(87)【国際公開番号】W WO2021177203
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】P 2020035538
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】▲瀬▼戸 彰史
【審査官】鈴木 圭一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-010029(JP,A)
【文献】特開2013-066041(JP,A)
【文献】特開2003-298808(JP,A)
【文献】特開2005-200153(JP,A)
【文献】特開2011-057434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B65H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿載置部に載置された原稿を搬送する搬送部と、
前記原稿載置部において少なくとも一方が前記搬送部による前記原稿の搬送方向に直交する幅方向に移動可能に設けられ、前記原稿の前記幅方向における位置を規制する一対の規制部と、
前記搬送部を用いて前記原稿を搬送するとともに当該原稿の画像データを読み取る読取処理を実行する処理実行部と、
前記一対の規制部の離間距離と
予め定められた複数の原稿サイズに対応する複数の前記幅方向の距離のうち予め定められた基準距離との差が予め定められた閾値を超える場合に前記読取処理の実行を制限する制限処理部と、
前記読取処理で読み取られる前記画像データを出力する出力処理が実行される場合に、当該出力処理が前記読取処理の実行前に前記画像データの出力先との間で電話回線網を介したファクス通信の通信接続を確立する特定ファクス送信処理であるか否かを判定する判定処理部と、
前記判定処理部によって前記出力処理が前記特定ファクス送信処理であると判定された場合に、前記制限処理部による前記読取処理の実行の制限を禁止する禁止処理部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記搬送部は、前記搬送方向に沿って並ぶ複数の搬送ローラー対を含み、
前記画像処理装置は、
前記読取処理の実行中に複数の前記搬送ローラー対のうち前記搬送方向における最上流とは異なる位置に配置された特定ローラー対に前記原稿の先端を突き当てて前記原稿の搬送姿勢を矯正する姿勢矯正部と、
前記判定処理部によって前記出力処理が前記特定ファクス送信処理であると判定された場合であって、前記姿勢矯正部による前記搬送姿勢の矯正機能が無効に設定されている場合に、当該矯正機能を有効に設定する設定変更部と、
を備える請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記設定変更部により前記矯正機能が有効に設定された場合に、前記読取処理の終了後に前記矯正機能を無効に設定する設定復元部を備える、
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記読取処理で読み取られる前記画像データに基づいて画像を形成する画像形成部を備える、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
原稿載置部に載置された原稿を搬送する搬送部と、前記原稿載置部において少なくとも一方が前記搬送部による前記原稿の搬送方向に直交する幅方向に移動可能に設けられ、前記原稿の前記幅方向における位置を規制する一対の規制部と、を備える画像処理装置で実行される読取制御方法であって、
前記搬送部を用いて前記原稿を搬送するとともに当該原稿の画像データを読み取る読取処理を実行することと、
前記一対の規制部の離間距離と
予め定められた複数の原稿サイズに対応する複数の前記幅方向の距離のうち予め定められた基準距離との差が予め定められた閾値を超える場合に前記読取処理の実行を制限することと、
前記読取処理で読み取られる前記画像データを出力する出力処理が実行される場合に、当該出力処理が前記読取処理の実行前に前記画像データの出力先との間で電話回線網を介したファクス通信の通信接続を確立する特定ファクス送信処理であるか否かを判定することと、
前記出力処理が前記特定ファクス送信処理であると判定された場合に、前記離間距離と前記基準距離との差に基づく前記読取処理の実行の制限を禁止することと、
を含む読取制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、及び読取制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ADF(オートドキュメントフィーダー)のような原稿搬送装置を備える複合機のような画像処理装置が知られている。この種の原稿搬送装置では、搬送対象の原稿が載置される原稿載置部に一対の規制部が設けられる。例えば、前記一対の規制部は、両方が前記原稿載置部において原稿の搬送方向に直交する幅方向に移動可能であって、前記原稿載置部に載置された原稿の前記幅方向における位置を規制する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記原稿載置部に載置された原稿が傾斜姿勢で搬送されることを抑制するために、前記一対の規制部の離間距離と当該原稿のサイズとの差が所定の閾値を超える場合に、当該原稿の画像データを読み取る読取処理の実行を制限する構成が考えられる。
【0005】
しかしながら、前記読取処理で読み取られる画像データの出力先との間で電話回線網を介したファクス通信が開始された後においても、前記離間距離に基づく前記読取処理の実行の制限が行われる場合には、当該ファクス通信中に前記読取処理の実行が制限されて当該ファクス通信の通信時間が無駄に長くなることがある。
【0006】
本発明の目的は、原稿が傾斜姿勢で搬送されることを抑制するとともに、ファクス通信の通信時間が無駄に長くなることを抑制可能な画像処理装置、及び読取制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る画像処理装置は、搬送部と、一対の規制部と、処理実行部と、制限処理部と、判定処理部と、禁止処理部とを備える。前記搬送部は、原稿載置部に載置された原稿を搬送する。前記一対の規制部は、前記原稿載置部において少なくとも一方が前記搬送部による前記原稿の搬送方向に直交する幅方向に移動可能に設けられ、前記原稿の前記幅方向における位置を規制する。前記処理実行部は、前記搬送部を用いて前記原稿を搬送するとともに当該原稿の画像データを読み取る読取処理を実行する。前記制限処理部は、前記一対の規制部の離間距離と予め定められた基準距離との差が予め定められた閾値を超える場合に前記読取処理の実行を制限する。前記判定処理部は、前記読取処理で読み取られる前記画像データを出力する出力処理が実行される場合に、当該出力処理が前記読取処理の実行前に前記画像データの出力先との間で電話回線網を介したファクス通信の通信接続を確立する特定ファクス送信処理であるか否かを判定する。前記禁止処理部は、前記判定処理部によって前記出力処理が前記特定ファクス送信処理であると判定された場合に、前記制限処理部による前記読取処理の実行の制限を禁止する。
【0008】
本発明の他の局面に係る読取制御方法は、原稿載置部に載置された原稿を搬送する搬送部と、前記原稿載置部において少なくとも一方が前記搬送部による前記原稿の搬送方向に直交する幅方向に移動可能に設けられ、前記原稿の前記幅方向における位置を規制する一対の規制部と、を備える画像処理装置で実行され、前記搬送部を用いて前記原稿を搬送するとともに当該原稿の画像データを読み取る読取処理を実行することと、前記一対の規制部の離間距離と予め定められた基準距離との差が予め定められた閾値を超える場合に前記読取処理の実行を制限することと、前記読取処理で読み取られる前記画像データを出力する出力処理が実行される場合に、当該出力処理が前記読取処理の実行前に前記画像データの出力先との間で電話回線網を介したファクス通信の通信接続を確立する特定ファクス送信処理であるか否かを判定することと、前記出力処理が前記特定ファクス送信処理であると判定された場合に、前記離間距離と前記基準距離との差に基づく前記読取処理の実行の制限を禁止することと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、原稿が傾斜姿勢で搬送されることを抑制するとともに、ファクス通信の通信時間が無駄に長くなることを抑制可能な画像処理装置、及び読取制御方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る画像処理装置のシステム構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る画像処理装置のADFの構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る画像処理装置で実行される画像出力処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る画像処理装置で実行される読取制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[画像処理装置10の構成]
まず、
図1及び
図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像処理装置10の構成について説明する。ここで、
図1は画像処理装置10の構成を示す断面図である。
【0013】
画像処理装置10は、原稿から画像データを読み取るスキャン機能とともに、プリント機能、ファクス機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像処理装置10はファクス装置であってもよい。
【0014】
図1及び
図2に示されるように、画像処理装置10は、ADF1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、操作表示部6、通信部7、及び画像メモリー8を備える。
【0015】
ADF1は、画像読取部2によって画像データが読み取られる原稿を搬送する。
【0016】
画像読取部2は、原稿から画像データを読み取る。
図1に示されるように、画像読取部2は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCDを備える。画像読取部2は、原稿から読み取られる画像データを画像メモリー8に格納する。
【0017】
画像形成部3は、画像データに基づいて、電子写真方式でシートに画像を形成する。
図1に示されるように、画像形成部3は、感光体ドラム、帯電ローラー、光走査装置、現像装置、転写ローラー、クリーニング装置、定着装置、及び排紙トレイを備える。なお、画像形成部3は、インクジェット方式などの他の画像形成方式に従って画像を形成してもよい。
【0018】
給紙部4は、画像形成部3にシートを供給する。
図1に示されるように、給紙部4は、給紙カセット、及び複数の搬送ローラーを備える。
【0019】
制御部5は、画像処理装置10を統括的に制御する。
図2に示されるように、制御部5は、CPU5A、ROM5B、及びRAM5Cを備える。CPU5Aは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM5Bは、CPU5Aに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。RAM5Cは、CPU5Aが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性の記憶装置である。制御部5では、CPU5AによりROM5Bに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像処理装置10が制御部5により統括的に制御される。なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよい。また、制御部5は、画像処理装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0020】
操作表示部6は、画像処理装置10のユーザーインターフェイスである。操作表示部6は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0021】
通信部7は、通信ネットワークを介して接続される外部の通信装置との間でデータ通信を行うインターフェイスである。具体的に、通信部7は、電話回線網を介して接続される外部のファクス通信装置との間でファクス通信を実行する。また、通信部7は、インターネット又はLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して接続される外部の情報処理装置との間でデータ通信を実行する。
【0022】
画像メモリー8には、画像読取部2によって読み取られる画像データが格納される。
【0023】
[ADF1の構成]
次に、
図1~
図3を参照しつつ、ADF1の構成について説明する。ここで、
図3はADF1の構成を示す平面図である。
【0024】
図1~
図3に示されるように、ADF1は、原稿載置部11、複数の搬送ローラー対12(本発明における搬送部の一例)、原稿ガイド13、排紙部14、一対の規制部15、及び位置センサー16を備える。
【0025】
原稿載置部11には、画像データが読み取られる原稿が載置される。
【0026】
複数の搬送ローラー対12は、原稿載置部11から排紙部14へ至る原稿の搬送路に設けられる。複数の搬送ローラー対12は、前記搬送路に沿って並んで設けられる。複数の搬送ローラー対12は、不図示のモーターによって駆動されることで、原稿載置部11に載置された原稿を前記搬送路における画像読取部2による画像データの読取位置を経由して排紙部14へ搬送する。
【0027】
原稿ガイド13は、複数の搬送ローラー対12によって搬送される原稿を前記読取位置へ案内する。
【0028】
排紙部14には、複数の搬送ローラー対12によって搬送される原稿が排出される。
【0029】
一対の規制部15は、原稿載置部11において、複数の搬送ローラー対12による原稿の搬送方向D1(
図1及び
図3参照)に直交する幅方向D2(
図3参照)における原稿の位置を規制する。
【0030】
具体的に、一対の規制部15は、原稿載置部11において幅方向D2に離間して設けられる。また、一対の規制部15に含まれる規制部15A(
図3参照)及び規制部15B(
図3参照)は、それぞれ幅方向D2に移動可能に設けられる。
【0031】
例えば、規制部15A及び規制部15Bは、
図3に示されるように、原稿載置部11の原稿載置面の下側に設けられたラック151及びピニオン152に接続されることで、幅方向D2において互いに接近又は離間する方向へ連動可能に設けられる。
【0032】
なお、原稿載置部11において、規制部15A及び規制部15Bのうちいずれか一方のみが幅方向D2に移動可能に設けられ、他方が固定されて設けられてもよい。
【0033】
位置センサー16は、一対の規制部15の離間距離を検出する。例えば、位置センサー16は、ピニオン152の回転に応じて抵抗値を変化させる可変抵抗器を含む電子回路である。位置センサー16は、前記可変抵抗器の抵抗値、即ち一対の規制部15の離間距離を示す情報を含む電気信号を制御部5に出力する。
【0034】
ところで、原稿載置部11に載置された原稿が傾斜姿勢で搬送されることを抑制するために、一対の規制部15の離間距離と当該原稿のサイズとの差が予め定められた閾値を超える場合に、当該原稿の画像データを読み取る読取処理の実行を制限する構成が考えられる。
【0035】
しかしながら、前記読取処理で読み取られる画像データの出力先との間で電話回線網を介したファクス通信が開始された後においても、一対の規制部15の離間距離に基づく前記読取処理の実行の制限が行われる場合には、当該ファクス通信中に前記読取処理の実行が制限されて当該ファクス通信の通信時間が無駄に長くなることがある。
【0036】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像処理装置10では、以下に説明するように、原稿が傾斜姿勢で搬送されることを抑制するとともに、ファクス通信の通信時間が無駄に長くなることを抑制することが可能である。
【0037】
具体的に、制御部5のROM5Bには、CPU5Aに後述の画像出力処理(
図4参照)を実行させるための画像出力プログラムが予め記憶されている。なお、前記画像出力プログラムは、CD、DVD、又はフラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、当該記録媒体から読み取られて画像処理装置10に設けられる不揮発性の記憶装置にインストールされてもよい。
【0038】
そして、制御部5は、
図2に示されるように、処理実行部51、判定処理部52、検出処理部53、制限処理部54、解除処理部55、禁止処理部56、姿勢矯正部57、設定変更部58、及び設定復元部59を含む。具体的に、制御部5は、CPU5Aを用いてROM5Bに記憶されている前記画像出力プログラムを実行する。これにより、制御部5は、処理実行部51、判定処理部52、検出処理部53、制限処理部54、解除処理部55、禁止処理部56、姿勢矯正部57、設定変更部58、及び設定復元部59として機能する。
【0039】
処理実行部51は、複数の搬送ローラー対12を用いて原稿載置部11に載置された原稿を搬送するとともに、画像読取部2を用いて当該原稿の画像データを読み取る前記読取処理を実行する。
【0040】
判定処理部52は、前記読取処理で読み取られる画像データを出力する出力処理が実行される場合に、当該出力処理が第1ファクス送信処理(本発明における特定ファクス送信処理の一例)であるか否かを判定する。
【0041】
ここで、前記第1ファクス送信処理は、前記読取処理の実行前に画像データの出力先との間で前記電話回線網を介したファクス通信の通信接続を確立して、当該通信接続が確立された後に前記読取処理を実行するとともに当該読取処理の実行によって画像メモリー8に格納される画像データを前記出力先に送信する処理である。
【0042】
また、前記出力処理には、前記第1ファクス送信処理の他に、第2ファクス送信処理、及びコピー処理が含まれる。
【0043】
前記第2ファクス送信処理は、前記読取処理を実行し、当該読取処理が終了した後に前記出力先との間で前記ファクス通信の通信接続を確立して、当該出力先に前記読取処理によって画像メモリー8に格納された画像データを送信する処理である。
【0044】
また、前記コピー処理は、前記読取処理を実行するとともに、当該読取処理の実行によって画像メモリー8に格納される画像データを画像形成部3に出力して印刷する処理である。
【0045】
なお、前記出力処理は、前記読取処理を実行するとともに、当該読取処理の実行によって画像メモリー8に格納される画像データを前記電話回線網とは異なる前記通信ネットワークを介して接続される前記外部の通信装置に送信するスキャン送信処理を含んでいてもよい。
【0046】
検出処理部53は、一対の規制部15の離間距離を検出する。具体的に、検出処理部53は、位置センサー16を用いて一対の規制部15の離間距離を検出する。
【0047】
例えば、検出処理部53は、予め定められた特定タイミングで、一対の規制部15の離間距離を検出する。例えば、前記特定タイミングは、判定処理部52によって前記出力処理が前記第1ファクス送信処理ではないと判定された後であって、前記読取処理が実行される前のタイミングである。
【0048】
制限処理部54は、前記特定タイミングで検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離と予め定められた基準距離との差が前記閾値を超える場合に、前記読取処理の実行を制限する。
【0049】
例えば、前記基準距離は、予め定められた複数の原稿サイズに対応する複数の幅方向D2の距離のうち、前記特定タイミングで検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離との差が最も小さい距離である。例えば、前記複数の原稿サイズは、B5縦、A4縦、及びB4縦である。また、前記複数の原稿サイズに対応する複数の幅方向D2の距離は、182センチメートル(B5縦サイズの短手方向の長さ)、210センチメートル(A4縦サイズの短手方向の長さ)、及び257センチメートル(B4縦サイズの短手方向の長さ)である。
【0050】
また、前記閾値は、予めROM5Bに格納される値である。なお、前記閾値は、操作表示部6における予め定められたユーザー操作に応じて任意に設定可能であってもよい。また、前記閾値は、前記基準距離ごとに異なる値であってもよい。
【0051】
なお、制限処理部54は、操作表示部6におけるユーザーの操作によって原稿載置部11に載置される原稿のサイズが設定されている場合に、設定されたサイズに対応する幅方向D2の距離を前記基準距離として取得してもよい。
【0052】
制限処理部54は、前記読取処理の実行を制限する場合に、その旨を示す第1メッセージと、ユーザーに一対の規制部15を操作して原稿載置部11に載置された原稿の位置を整えるよう指示する旨の第2メッセージと、ユーザーに一対の規制部15で原稿の位置を整えた後に予め定められた検出操作を行うよう指示する旨の第3メッセージとを含む案内画面を操作表示部6に表示させる。そして、制限処理部54は、ユーザーによる前記検出操作を受け付ける。例えば、前記検出操作は、前記案内画面に含まれる操作アイコンへのタッチ操作である。
【0053】
ここで、検出処理部53は、制限処理部54による前記読取処理の実行の制限後に、前記検出操作に応じて、一対の規制部15の離間距離を検出する。
【0054】
なお、制限処理部54は、前記案内画面において前記検出操作を受け付けなくてもよい。この場合、検出処理部53は、例えば、前記案内画面の表示タイミングから所定の時間が経過した場合に、一対の規制部15の離間距離を検出することが考えられる。
【0055】
解除処理部55は、制限処理部54による前記読取処理の実行の制限後に検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離が、当該離間距離の検出タイミングよりも前であって前記特定タイミング以後に検出処理部53によって検出された一対の規制部15の離間距離と同一である場合、及び制限処理部54による前記読取処理の実行の制限後に検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離と前記基準距離との差が前記閾値以下である場合のいずれかの場合に、前記読取処理の実行の制限を解除する。
【0056】
例えば、解除処理部55は、制限処理部54による前記読取処理の実行の制限後に検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離が、当該離間距離の検出タイミングの直前に検出処理部53によって検出された一対の規制部15の離間距離と同一である場合に、前記読取処理の実行の制限を解除する。
【0057】
なお、解除処理部55は、制限処理部54による前記読取処理の実行の制限後に検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離と、当該離間距離の検出タイミングよりも前であって前記特定タイミング以後に検出処理部53によって検出された一対の規制部15の離間距離との差が前記閾値よりも小さい許容値以下である場合に、当該2つの離間距離が同一であると判断してもよい。
【0058】
また、解除処理部55は、制限処理部54による前記読取処理の実行の制限後に検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離が、前記特定タイミングで検出処理部53によって検出された一対の規制部15の離間距離と同一である場合に、前記読取処理の実行の制限を解除してもよい。
【0059】
また、解除処理部55は、制限処理部54による前記読取処理の実行の制限後に検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離が、当該離間距離の検出タイミングよりも前であって前記特定タイミング以後に検出処理部53によって検出された一対の規制部15の離間距離と同一である場合にのみ、前記読取処理の実行の制限を解除してもよい。
【0060】
また、解除処理部55は、制限処理部54による前記読取処理の実行の制限後に検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離と前記基準距離との差が前記閾値以下である場合にのみ、前記読取処理の実行の制限を解除してもよい。
【0061】
また、解除処理部55は、制限処理部54による前記読取処理の実行の制限後に検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離が、当該離間距離の検出タイミングよりも前であって前記特定タイミング以後に検出処理部53によって検出された一対の規制部15の離間距離と同一である場合に、原稿載置部11に載置された原稿の枚数に応じて前記読取処理の実行の制限を解除するか否かを切り替えてもよい。
【0062】
具体的に、解除処理部55は、原稿載置部11に載置された原稿の枚数が予め定められた基準枚数を超える場合に前記読取処理の実行の制限を解除し、前記基準枚数以下である場合は前記読取処理の実行の制限を解除しないようにしてもよい。この場合、解除処理部55は、原稿載置部11に載置された原稿の重量を検出する重量センサーを用いるなどの手法で、原稿載置部11に載置された原稿の枚数を検出すればよい。
【0063】
禁止処理部56は、判定処理部52によって前記出力処理が前記第1ファクス送信処理であると判定された場合に、制限処理部54による前記読取処理の実行の制限を禁止する。
【0064】
なお、制御部5は、判定処理部52、及び禁止処理部56を含んでいなくてもよい。この場合、前記特定タイミングは、前記出力処理の実行指示が入力された後であって、前記読取処理が実行される前のタイミングである。
【0065】
姿勢矯正部57は、前記読取処理の実行中に、複数の搬送ローラー対12のうち予め定められた特定ローラー対12A(
図1参照)に原稿の先端を突き当てて当該原稿の搬送姿勢を矯正する。ここで、特定ローラー対12Aは、
図1に示されるように、搬送方向D1における最上流とは異なる位置に配置された搬送ローラー対12である。
【0066】
具体的に、姿勢矯正部57は、原稿載置部11から1枚の原稿が搬送される場合に、特定ローラー対12Aを停止させた状態で他の搬送ローラー対12を回転させる。これにより、原稿載置部11から搬送される原稿の先端が特定ローラー対12Aに突き当てられて、当該原稿の搬送姿勢が矯正される。そして、姿勢矯正部57は、原稿の搬送姿勢が矯正された後に、特定ローラー対12Aを回転させて原稿を搬送方向D1の下流側へ搬送する。
【0067】
ここで、姿勢矯正部57は、原稿の搬送姿勢の矯正機能が有効に設定されている場合に、原稿の搬送姿勢を矯正する。例えば、制御部5は、操作表示部6における予め定められた設定操作に応じて、原稿の搬送姿勢の矯正機能の有効無効を設定する。
【0068】
設定変更部58は、判定処理部52によって前記出力処理が前記第1ファクス送信処理であると判定された場合であって、姿勢矯正部57による原稿の搬送姿勢の矯正機能が無効に設定されている場合に、当該矯正機能を有効に設定する。
【0069】
また、設定変更部58は、前記第2タイミングで検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離と前記第3タイミングで検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離とが同一であるとの判断に基づいて前記読取処理の実行の制限が解除された場合であって、姿勢矯正部57による原稿の搬送姿勢の矯正機能が無効に設定されている場合に、当該矯正機能を有効に設定する。
【0070】
なお、設定変更部58は、前記第2タイミングで検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離と前記第3タイミングで検出処理部53によって検出される一対の規制部15の離間距離とが同一であるとの判断に基づいて前記読取処理の実行の制限が解除された場合であって、姿勢矯正部57による原稿の搬送姿勢の矯正機能が無効に設定されている場合に、当該矯正機能の設定を変更しなくてもよい。
【0071】
設定復元部59は、設定変更部58により原稿の搬送姿勢の矯正機能が有効に設定された場合に、前記読取処理の終了後に当該矯正機能を無効に設定する。
【0072】
なお、制御部5は、設定復元部59を含んでいなくてもよい。また、制御部5は、姿勢矯正部57、設定変更部58、及び設定復元部59を含んでいなくてもよい。
【0073】
[画像出力処理]
以下、
図4を参照しつつ、画像処理装置10において制御部5により実行される画像出力処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部5により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記画像出力処理は、前記出力処理の実行指示が入力された場合に実行される。
【0074】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部5は、実行が指示された前記出力処理が前記第1ファクス送信処理であるか否かを判断する。ここで、ステップS11の処理は、制御部5の判定処理部52により実行される。
【0075】
ここで、制御部5は、実行が指示された前記出力処理が前記第1ファクス送信処理であると判断すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、実行が指示された前記出力処理が前記第1ファクス送信処理でなければ(S11のNo側)、制御部5は、処理をステップS21に移行させる。
【0076】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部5は、一対の規制部15の離間距離と前記基準距離との差に基づく前記読取処理の実行の制限を禁止する。ここで、ステップS12の処理は、制御部5の禁止処理部56により実行される。
【0077】
例えば、画像処理装置10では、前記画像出力処理が実行される場合に、一対の規制部15の離間距離と前記基準距離との差に基づく前記読取処理の実行の制限が禁止されているか否かを示す禁止フラグが、RAM5Cの予め定められた第1記憶領域に格納される。前記禁止フラグの初期値は、前記読取処理の実行の制限が禁止されていないことを示す「0」である。制御部5は、ステップS12において、前記禁止フラグの値を前記読取処理の実行の制限が禁止されていることを示す「1」に書き換える。
【0078】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部5は、前記出力先との間で前記ファクス通信の通信接続を確立する。
【0079】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部5は、後段で説明する読取制御処理を実行する。
【0080】
<ステップS21>
ステップS21において、制御部5は、実行が指示された前記出力処理が前記第2ファクス送信処理であるか否かを判断する。
【0081】
ここで、制御部5は、実行が指示された前記出力処理が前記第2ファクス送信処理であると判断すると(S21のYes側)、処理をステップS22に移行させる。また、実行が指示された前記出力処理が前記第2ファクス送信処理でなければ(S21のNo側)、制御部5は、処理をステップS31に移行させる。
【0082】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部5は、前記読取制御処理を実行する。
【0083】
<ステップS31>
ステップS31において、制御部5は、前記読取制御処理を実行する。
【0084】
[読取制御処理]
ここで、
図5を参照しつつ、前記画像出力処理のステップS14、ステップS22、及びステップS31で実行される前記読取制御処理について説明する。
【0085】
<ステップS41>
まず、ステップS41において、制御部5は、一対の規制部15の離間距離と前記基準距離との差に基づく前記読取処理の実行の制限が禁止されているか否かを判断する。
【0086】
例えば、制御部5は、前記禁止フラグの値が「1」である場合に、一対の規制部15の離間距離と前記基準距離との差に基づく前記読取処理の実行の制限が禁止されていると判断する。
【0087】
ここで、制御部5は、前記読取処理の実行の制限が禁止されていると判断すると(S41のYes側)、処理をステップS52に移行させる。これにより、前記読取処理の実行を制限するためのステップS42からステップS48までの処理の実行が回避される。また、前記読取処理の実行の制限が禁止されていなければ(S41のNo側)、制御部5は、処理をステップS42に移行させる。
【0088】
<ステップS42>
ステップS42において、制御部5は、一対の規制部15の離間距離を検出する。ここで、ステップS42の処理は、制御部5の検出処理部53により実行される。
【0089】
<ステップS43>
ステップS43において、制御部5は、前記案内画面が表示済であるか否かを判断する。なお、制御部5は、後述するRAM5Cの第2記憶領域に離間距離が格納されているか否かに基づいて、前記案内画面を表示済であるか否かを判断可能である。
【0090】
ここで、制御部5は、前記案内画面が表示済であると判断すると(S43のYes側)、処理をステップS51に移行させる。また、前記案内画面が表示済でなければ(S43のNo側)、制御部5は、処理をステップS44に移行させる。
【0091】
<ステップS44>
ステップS44において、制御部5は、ステップS42で検出された離間距離と前記基準距離との差を取得する。
【0092】
<ステップS45>
ステップS45において、制御部5は、ステップS44で取得された取得値が前記閾値を超えるか否かを判断する。
【0093】
ここで、制御部5は、ステップS44で取得された取得値が前記閾値を超えなければ(S45のNo側)、制御部5は、処理をステップS54に移行させる。ステップS54では、前記読取処理の実行が開始される。つまり、制御部5は、ステップS44で取得された取得値が前記閾値を超えないと判断した場合に、前記読取処理の実行を許可する。一方、制御部5は、ステップS44で取得された取得値が前記閾値を超えると判断すると(S45のYes側)、処理をステップS46に移行させることで、前記読取処理の実行を制限する。ここで、ステップS45の処理は、制御部5の制限処理部54により実行される。
【0094】
<ステップS46>
ステップS46において、制御部5は、ステップS42で検出された離間距離をRAM5Cにおける予め定められた第2記憶領域に格納する。具体的に、制御部5は、ステップS42で検出された離間距離を前記第2記憶領域に上書きで格納する。なお、前記第2記憶領域は、例えば、前記画像出力処理の実行開始時にRAM5C内に新たに確保される記憶領域である。
【0095】
<ステップS47>
ステップS47において、制御部5は、前記案内画面を表示する。ここで、ステップS47の処理は、制御部5の制限処理部54により実行される。
【0096】
<ステップS48>
ステップS48において、制御部5は、前記案内画面において前記検出操作が行われたか否かを判断する。
【0097】
なお、前記案内画面は、一対の規制部15を操作することなく前記検出操作を行うことによって前記読取処理の実行の制限が解除される旨を伝える第4メッセージを含んでいてもよい。
【0098】
ここで、制御部5は、前記案内画面において前記検出操作が行われたと判断すると(S48のYes側)、処理をステップS42に移行させる。また、前記検出操作が行われていなければ(S48のNo側)、制御部5は、ステップS48で前記検出操作が行われるのを待ち受ける。
【0099】
<ステップS51>
ステップS51において、制御部5は、ステップS42で検出された離間距離と前記第2記憶領域に格納された離間距離とが同一であるか否かを判断する。
【0100】
ここで、制御部5は、ステップS42で検出された離間距離と前記第2記憶領域に格納された離間距離とが同一であると判断すると(S51のYes側)、処理をステップS52に移行させる。ステップS52の後に実行されるステップS54では、前記読取処理の実行が開始される。つまり、制御部5は、ステップS42で検出された離間距離と前記第2記憶領域に格納された離間距離とが同一であると判断した場合に、前記読取処理の実行の制限を解除する。一方、ステップS42で検出された離間距離と前記第2記憶領域に格納された離間距離とが同一でなければ(S51のNo側)、制御部5は、処理をステップS44に移行させる。この場合には、当該ステップS44の後に実行されるステップS45において、ステップS44で取得された取得値が前記閾値を超えないと判断された場合に、前記読取処理の実行の制限が解除される。ここで、ステップS51の処理、及び2回目以降のステップS45の処理は、制御部5の解除処理部55により実行される。
【0101】
<ステップS52>
ステップS52において、制御部5は、姿勢矯正部57による原稿の搬送姿勢の矯正機能が無効に設定されているか否かを判断する。
【0102】
ここで、制御部5は、姿勢矯正部57による原稿の搬送姿勢の矯正機能が無効に設定されていると判断すると(S52のYes側)、処理をステップS53に移行させる。また、姿勢矯正部57による原稿の搬送姿勢の矯正機能が無効に設定されていなければ(S52のNo側)、制御部5は、処理をステップS54に移行させる。
【0103】
<ステップS53>
ステップS53において、制御部5は、姿勢矯正部57による原稿の搬送姿勢の矯正機能を有効に設定する。ここで、ステップS53の処理は、制御部5の設定変更部58により実行される。
【0104】
<ステップS54>
ステップS54において、制御部5は、前記読取処理の実行を開始する。ここで、ステップS54の処理は、制御部5の処理実行部51により実行される。
【0105】
以上で、前記読取制御処理の説明を終了して、前記画像出力処理の説明を再開する。
【0106】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部5は、ステップS13で前記ファクス通信の通信接続が確立された前記出力先に、前記読取制御処理のステップS54で実行が開始された前記読取処理により画像メモリー8に格納される画像データを送信する第1送信処理を実行する。
【0107】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部5は、前記読取制御処理のステップS54で実行が開始された前記読取処理が終了したか否かを判断する。
【0108】
ここで、制御部5は、前記読取処理が終了したと判断すると(S16のYes側)、処理をステップS17に移行させる。また、前記読取処理が終了していなければ(S16のNo側)、制御部5は、ステップS16で前記読取処理の終了を待ち受ける。
【0109】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部5は、前記出力先との間の前記ファクス通信の通信接続を遮断する。
【0110】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部5は、前記読取制御処理のステップS53で原稿の搬送姿勢の矯正機能が有効に設定されたか否かを判断する。
【0111】
ここで、制御部5は、原稿の搬送姿勢の矯正機能が有効に設定されたと判断すると(S18のYes側)、処理をステップS19に移行させる。また、原稿の搬送姿勢の矯正機能が有効に設定されていなければ(S18のNo側)、制御部5は、前記画像出力処理を終了させる。
【0112】
<ステップS19>
ステップS19において、制御部5は、原稿の搬送姿勢の矯正機能を無効に設定する。ここで、ステップS19の処理は、制御部5の設定復元部59により実行される。
【0113】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部5は、前記読取制御処理のステップS54で実行が開始された前記読取処理が終了したか否かを判断する。
【0114】
ここで、制御部5は、前記読取処理が終了したと判断すると(S23のYes側)、処理をステップS24に移行させる。また、前記読取処理が終了していなければ(S23のNo側)、制御部5は、ステップS23で前記読取処理が終了するのを待ち受ける。
【0115】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部5は、前記出力先との間で前記ファクス通信の通信接続を確立する。
【0116】
<ステップS25>
ステップS25において、制御部5は、ステップS24で前記ファクス通信の通信接続が確立された前記出力先に、前記読取制御処理のステップS54で実行が開始された前記読取処理によって画像メモリー8に格納された画像データを送信する第2送信処理を実行する。
【0117】
<ステップS26>
ステップS26において、制御部5は、前記出力先との間の前記ファクス通信の通信接続を遮断する。
【0118】
<ステップS32>
ステップS32において、制御部5は、前記読取制御処理のステップS54で実行が開始された前記読取処理により画像メモリー8に格納される画像データを印刷する印刷処理を実行する。
【0119】
<ステップS33>
ステップS33において、制御部5は、前記読取制御処理のステップS54で実行が開始された前記読取処理が終了したか否かを判断する。
【0120】
ここで、制御部5は、前記読取処理が終了したと判断すると(S33のYes側)、処理をステップS18に移行させる。また、前記読取処理が終了していなければ(S33のNo側)、制御部5は、ステップS33で前記読取処理の終了を待ち受ける。
【0121】
このように、画像処理装置10では、前記第1ファクス送信処理が実行される場合に、一対の規制部15の離間距離に基づく前記読取処理の実行の制限が禁止される。これにより、ファクス通信中に一対の規制部15の離間距離に基づいて前記読取処理の実行が制限されることが回避される。従って、原稿が傾斜姿勢で搬送されることを抑制するとともに、ファクス通信の通信時間が無駄に長くなることを抑制することが可能である。
【0122】
なお、給紙部4は、画像形成部3に供給されるシートが載置される手差しトレイと、当該手差しトレイにおいて少なくとも一方が給紙部4によるシートの搬送方向に直交する幅方向に移動可能に設けられ、当該手差しトレイに載置されたシートの当該幅方向における位置を規制する一対の規制部を備えていてもよい。この場合、本発明は、給紙部4に適用されてもよい。即ち、前記特定処理は、給紙部4を用いて前記手差しトレイに載置されたシートを搬送するとともに、当該シートに画像データに基づく画像を形成する印刷処理であってもよい。