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特許7456589学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023185431
(22)【出願日】2023-10-30
【審査請求日】2023-10-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523123651
【氏名又は名称】AwakApp Japan合同会社
(73)【特許権者】
【識別番号】523123662
【氏名又は名称】アウェイクアップ インコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩飽 哲生
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-084038(JP,A)
【文献】特許第7370118(JP,B1)
【文献】特許第7338839(JP,B1)
【文献】ChatGPTを活用したAI自動採点「DEEP GRADE」が国語の記述問題にも対応、精度の高い採点結果を即座に返却,Edtechzine[online],2023年10月10日,インターネット:[URL:https://edtechzine.jp/article/detail/10158],[2023年12月21日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00-9/56、17/00-19/26
G06N 20/00-20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題の解答について解説を生成することでユーザの学習を支援する学習支援装置であって、
ユーザの要求に応じて、問題を送信することを促すメッセージ及び前記問題の教科書又は問題集に記載されている解答を送信することを促すメッセージをユーザ端末に送信し、該ユーザ端末からユーザが入力した問題及び該問題の解答を受信し、前記問題及び前記解答を生成AIに送信し、前記問題及び前記解答の送信後にさらに、前記ユーザ端末から前記ユーザが入力した質問を受信し、該質問を前記生成AIに送信する送受信部と、
前記生成AIから前記質問に対する回答を受信し、該回答に基づいて前記ユーザに対する解説を生成する生成部と、
を備える学習支援装置。
【請求項2】
前記送受信部は、さらに、前記ユーザ端末から前記ユーザが入力した追加の質問を受信し、該追加の質問を前記生成AIに送信する、
前記生成部は、前記生成AIから前記追加の質問に対する回答を受信し、該回答に基づいて前記ユーザに対する解説を生成する、請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項3】
前記解説を前記ユーザ端末に出力する出力部をさらに備える、請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項4】
前記送受信部は、前記ユーザ端末から前記ユーザが入力した答案を受信し、前記答案を前記生成AIに送信して採点させ、
前記生成部は、前記生成AIから前記答案の採点結果を受信する、請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項5】
前記送受信部は、さらに、前記ユーザ端末から前記ユーザが入力した前記採点結果に対する質問を受信し、該質問を前記生成AIに送信し、
前記生成部は、前記生成AIから前記質問に対する回答を受信し、該回答に基づいて前記ユーザに対する解説を生成する、請求項4に記載の学習支援装置。
【請求項6】
前記生成AIは、前記学習支援装置にネットワークを介して接続された生成AIである、請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項7】
前記送受信部は、前記問題、前記解答、又は前記質問のうちの少なくとも1つを画像情報として受信する、請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項8】
前記送受信部は、画像情報として受信した前記問題、前記解答、又は前記質問のうちの少なくとも1つに含まれる文字を認識し、文字情報として前記生成AIに送信する、請求項6に記載の学習支援装置。
【請求項9】
前記生成部は、さらに、前記生成AIに前記解答から複数の要点を抽出させ、前記解説に前記複数の要点を加える、請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項10】
前記生成部は、さらに、前記生成AIに前記解答から複数の要点を抽出させ、前記複数の要点を前記ユーザ端末に提供し、前記ユーザが選択した要点を前記生成AIに送信し、前記生成AIから前記要点に対する回答を受信し、該回答に基づいて前記ユーザに対する解説を生成する、請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の学習支援装置と、
前記ユーザ端末と、
前記生成AIと、
を備えるシステム。
【請求項12】
問題の解答について解説を生成することでユーザの学習を支援する学習支援方法であって、
ユーザの要求に応じて、問題を送信することを促すメッセージ及び前記問題の教科書又は問題集に記載されている解答を送信することを促すメッセージをユーザ端末に送信する段階と、
前記ユーザ端末からユーザが入力した問題及び該問題の解答を受信し、前記問題及び前記解答を生成AIに送信する段階と、
前記問題及び前記解答の送信後にさらに、前記ユーザ端末から前記ユーザが入力した質問を受信し、該質問を前記生成AIに送信する段階と、
前記生成AIから前記質問に対する回答を受信し、該回答に基づいて前記ユーザに対する解説を生成する段階と、
を備える学習支援方法。
【請求項13】
問題の解答について解説を生成するために、コンピュータに、
ユーザの要求に応じて、問題を送信することを促すメッセージ及び前記問題の教科書又は問題集に記載されている解答を送信することを促すメッセージをユーザ端末に送信する手順と、
前記ユーザ端末からユーザが入力した問題及び該問題の解答を受信し、前記問題及び前記解答を生成AIに送信する手段と、
前記問題及び前記解答の送信後にさらに、前記ユーザ端末から前記ユーザが入力した質問を受信し、該質問を前記生成AIに送信する手段と、
前記生成AIから前記質問に対する回答を受信し、該回答に基づいて前記ユーザに対する解説を生成する手段と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、問題の解答について解説を生成することでユーザの学習を支援する学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
学習において、問題の解説は理解を深めるのに重要である。しかし、解説は紙面の制限により省略されることもあり、十分な解説が得られないことが多い。生成AIに質問を送信して解説を生成させても、ユーザの理解が深まる解説を得ることは難しい。ここで、非特許文献1には、2023年3月版のGPT-4(登録商標)は、素数と合成数の識別で84%の精度を示したのに対し、同年6月版では、素数と合成数の識別が51%の精度に低下しており、大規模言語モデルサービスの動作が、比較的短時間に大きく変化する可能性が示されている。
[先行技術文献]
[非特許文献]
[非特許文献1]Chen et al."How Is ChatGPT's Behavior Changing over Time?",arXiv:2307.09009 [cs.CL],2023年7月18日
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の第1の態様においては、問題の解答について解説を生成することでユーザの学習を支援する学習支援装置であって、ユーザ端末からユーザが入力した問題及び該問題の解答を受信し、前記問題及び前記解答を生成AIに送信し、前記問題及び前記解答の送信後にさらに、前記ユーザ端末から前記ユーザが入力した質問を受信し、該質問を前記生成AIに送信する送受信部と、前記生成AIから前記質問に対する回答を受信し、該回答に基づいて前記ユーザに対する解説を生成する生成部と、を備える学習支援装置が提供される。
【0004】
本発明の第2の態様においては、第1の態様の問題解説装置と、前記ユーザ端末と、前記生成AIと、を備えるシステムが提供される。
【0005】
本発明の第3の態様においては、問題の解答について解説を生成することでユーザの学習を支援する学習支援方法であって、ユーザ端末からユーザが入力した問題及び該問題の解答を受信し、前記問題及び前記解答を生成AIに送信する段階と、前記問題及び前記解答の送信後にさらに、前記ユーザ端末から前記ユーザが入力した質問を受信し、該質問を前記生成AIに送信する段階と、前記生成AIから前記質問に対する回答を受信し、該回答に基づいて前記ユーザに対する解説を生成する段階と、を備える学習支援方法が提供される。
【0006】
本発明の第4の態様においては、問題の解答について解説を生成するために、コンピュータに、ユーザ端末からユーザが入力した問題及び該問題の解答を受信し、前記問題及び前記解答を生成AIに送信する手段と、前記問題及び前記解答の送信後にさらに、前記ユーザ端末から前記ユーザが入力した質問を受信し、該質問を前記生成AIに送信する手段と、前記生成AIから前記質問に対する回答を受信し、該回答に基づいて前記ユーザに対する解説を生成する手段と、を実行させるプログラムが提供される。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る学習支援システムの構成を示す。
図2】学習支援システムの動作フローを示す。
図3】操作開始時のユーザ端末画面の一例を示す。
図4】問題及び解答の送信時のユーザ端末画面の一例(問題送信前の状態)を示す。
図5A】問題の一例を示す。
図5B】解答の一例を示す。
図6】問題及び解答の送受信の詳細フローを示す。
図7】問題及び解答の送信時のユーザ端末画面の一例(問題送信後解答送信前の状態)を示す。
図8A】問題及び解答の送信時のユーザ端末画面の一例(解答送信後の状態)を示す。
図8B】問題及び解答の送信時のユーザ端末画面の一例(解答が手元にない状態)を示す。
図9】質問の送信時のユーザ端末画面の一例を示す。
図10】質問の一例を示す。
図11】回答の一例を示す。
図12】質問応答における解説生成の詳細フローを示す。
図13】複数の要点の一例を示す。
図14A】解説の一例を示す。
図14B】異なる生成方式の解説の一例を示す。
図15】質問に対する解説受信時のユーザ端末画面の一例を示す。
図16】追加の質問に対する解説受信時のユーザ端末画面の一例を示す。
図17】要点選択時の学習支援システムの動作フローを示す。
図18】答案採点時の学習支援システムの動作フローを示す。
図19】採点要求時のユーザ端末画面の一例を示す。
図20】答案の一例を示す。
図21】採点結果及び解説の受信時のユーザ端末画面の一例を示す。
図22】コンピュータの構成の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1に、本実施形態に係る学習支援システム1の構成を示す。学習支援システム1は、ユーザの質問に応じて高い精度の解説を生成し、ユーザの学習効果を向上させるシステムであり、ユーザ端末100、学習支援装置200、生成人工知能(生成AI)300、及び光学文字認識装置(OCR装置)400を備える。これらはインターネット等のネットワーク500を介して互いに通信可能に接続されている。
【0011】
ユーザ端末100は、ユーザが所有又は利用している通信端末であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータである。ユーザ端末100は、学習支援システム1に複数含まれてよく、それぞれ個別の個体認識情報を有し、通信時にID、タグ、又はユーザ名等の個体認識情報を送信してよい。これにより、複数のユーザがそれぞれユーザ端末100を使用して、独立して学習支援装置200と通信することができる。本実施形態では、一人のユーザが使用する1つのユーザ端末100に注目して、学習支援システム1の構成及び機能を説明する。
【0012】
ユーザ端末100は、中央処理装置(CPU)、通信装置、及び記憶装置(いずれも不図示)を備える。CPUにより専用プログラムを実行することで質問解説の記録機能を発現する。なお、専用プログラムは、例えばROM(不図示)に記憶され、それをCPUが読み出し、あるいはSDカード等の記憶媒体に記憶され、それをCPUが読み取り装置(不図示)を用いて読み出し、あるいはクラウド(複数の分散サーバあるいは複数のサブシステム等)に記憶され、それを通信装置を介してクラウドからCPUが読み出し、RAMに展開することで起動される。通信装置は、ネットワーク500を介して学習支援装置200及びOCR装置400と相互に通信する手段であり、一例としてTCP/IP等のプロトコルを利用して通信することができる。通信装置は、有線通信又は無線通信のどちらの通信方法を採用してもよい。記憶装置は,後に説明する問題10、解答20、質問30、及び解説40の履歴を記憶するNAND型フラッシュメモリ等の記憶装置である。ユーザ端末100は、ネットワーク500を介して学習支援装置200と通信して、解説生成に必要な問題10、解答20、及び質問30を学習支援装置200に提供することができる。
【0013】
なお、ユーザ端末100は、カメラなどの撮影機能を有してもよい。斯かる場合、ユーザは、ユーザ端末100を使って、問題10、解答20、及び質問30を撮影機能によって画像情報に変換して学習支援装置200に提供することができる。ユーザは、問題10、解答20、及び質問30のそれぞれを個別の画像情報に含め、それぞれの画像情報の領域を指定して提供してもよく、事前に撮影及び領域指定した画像情報をユーザ端末100に保存し、読み出して提供してもよい。また、問題10、解答20、及び質問30のうちの2つ以上を1つの画像情報に含め、それぞれの領域を指定して提供してもよい。
【0014】
学習支援装置200は、生成AI300を利用することで、ユーザの質問に応じて高い精度の解説を生成するコンピュータ装置である。学習支援装置200は、中央処理装置(CPU)、通信装置、及び記憶装置(いずれも不図示)を備える。CPUにより専用プログラムを実行することで解説生成機能を発現する。なお、専用プログラムは、例えばROM(不図示)に記憶され、それをCPUが読み出し、あるいはCD-ROM等の記憶媒体に記憶され、それをCPUが読み取り装置(不図示)を用いて読み出し、あるいはクラウド(複数の分散サーバあるいは複数のサブシステム等)に記憶され、それを通信装置を介してクラウドからCPUが読み出し、RAMに展開することで起動される。通信装置は、ネットワーク500を介してユーザ端末100、生成AI300、及びOCR装置400と相互に通信する手段であり、一例としてTCP/IP等のプロトコルを利用して通信することができる。通信装置は、有線通信又は無線通信のどちらの通信方法を採用してもよい。記憶装置は、問題10、解答20、質問30、及び解説40等の各種情報を記憶するハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置である。本実施形態では、記憶装置は、学習支援装置200内に備えられている。学習支援装置200は、ネットワーク500を介して生成AI300と通信して、解説生成に必要な問題10、解答20、及び質問30を生成AI300に提供すること、及びネットワーク500を介してユーザ端末100と通信して、生成した解説40をユーザ端末100に提供することができる。なお、記憶装置として外部記憶装置(不図示)を使用してもよい。
【0015】
生成AI300は、収集したトレーニングデータに基づいて、パターンや関係を学習し、コンテンツの生成を行うAIである。本実施例では、生成AI300にはテキスト生成AIを利用するが、これに限定する必要はない。生成AI300は、商用の生成AIを利用してもよく、商用のテキスト生成AIには、GPT-4(登録商標)、Llama2、PaLM2等がある。商用の生成AIを利用することで、トレーニングデータの収集などの準備が必要なく、簡便にシステムを構築することができる。
【0016】
OCR装置400は、画像情報から文字を抽出し、テキスト情報に変換する装置である。OCR装置400は、商用のOCRソフトウェアを搭載した装置、商用のOCR装置、又は商用のオンラインOCRサービスを利用するのでもよく、商用のOCRソフトウェア又はオンラインOCRサービスには、例えばSmartRead(登録商標)、スマートOCR(登録商標)、Seisho(登録商標)等がある。なお、本実施例では、OCR装置400はネットワーク500を介して接続されているが、これに限らず、学習支援装置200内に組み込むのでもよい。
【0017】
図2に、本実施形態に係る学習支援システム1の動作フローを図示する。図3に、操作開始時のユーザ端末100の画面表示の一例を示す。ユーザ端末100の画面上には、「問題を撮る」「質問する」「採点する」の3つの選択肢が表示される。ユーザが、ユーザ端末100で「問題を撮る」を選択すると「解説を要求」が実行されて、フローが開始される。
【0018】
ステップS10において、ユーザが、ユーザ端末100で問題10及び解答20をそれぞれ撮影し、ユーザ端末100上で問題10及び解答20の送信を指示する。図4に示すように、ユーザ端末100の画面上に問題10を送信することを促すメッセージ1001「わからない問題を撮影するか問題の画像を選択してください。」が表示される。これに応じて、ユーザは問題10及び解答20を撮影する。
【0019】
図5Aに、問題10の一例を示す。問題10は、例えば教科書及び問題集に記載されている問題であり、科目は特に限定されない。ここで、ユーザは、ユーザ端末100のカメラを利用して問題10の画像情報を生成してよく、撮影した画像情報から問題10を含む部分を切り出してもよい。なお、過去に生成し、ユーザ端末100に保存した問題10の画像情報を読み出して使用してもよい。
【0020】
本例では、問題10は、数学の順列に関する問題とする。大問として「somethingのすべての文字を用いて、順列を作る。このとき、次のようなものは何通りあるか。」という問題を含み、大問に対して「(1)s、gが両端にあるもの」「(2)o、m、eが隣り合っているもの」「(3)o、mが隣り合っていないもの」「(4)h、i、n、gの順がこのままのもの」及び「(5)sがtより左にあり、hがtより右にあるもの」という5つの小問を含む。
【0021】
なお、問題10は、問題の科目又は分野は限定されないが、問題に図が含まれる場合、図は画像情報により、問題文は文字情報により、学習支援装置200に送信されてもよい。また、ユーザが問題10を画像情報として学習支援装置200に送信した場合であっても、学習支援装置200は、図がなくても問題文のみから解を導出できる場合は図の情報を削除してもよい。問題が長い等、一度に問題が送信できない場合は、問題を複数回に分けて送受信してもよい。
【0022】
なお、本実施形態では、問題10を画像情報として生成しているが、これに限らずテキスト情報又は音声情報として生成してもよい。斯かる場合、ユーザ端末100は、問題10をテキスト情報又は音声情報として生成するよう画面表示してユーザに促してもよい。
【0023】
図5Bに、解答20の一例を示す。解答20は、問題10の解答であり、例えば教科書及び問題集に付属する解答集又は解説集に記載されているものであり、科目は限定されない。ここで、ユーザは、ユーザ端末100のカメラを利用して解答20の画像情報を生成してよく、撮影した画像情報から解答20を含む部分を切り出してもよい。また、過去に生成し、ユーザ端末100に保存した解答20の画像情報を読み出して使用してもよい。
【0024】
本例では、解答20は、数学の順列に関する問題10の解答である。問題10の解答として(1)及び(2)の解答が示されており、それぞれ、「(1)s、gの入り方は2通り。その他の文字はふつうに並べればよいので、2×7!=10080(通り)」「(2)o、m、eをまとめて1つと考えれば、全体は7個の文字と考えられる。その並べ方は7!通り、その各々に対して、o、m、eの入れ替えが3!通りあるので、7!×3!=30240(通り)」と説明されている。
【0025】
解答20には、ユーザが質問をしたい解答の箇所が含まれればよく、ユーザが小問について質問をする場合に、大問に含まれる全ての小問の解答が含まれなくてよい。図が挿入された解説の場合は、画像情報以外の送信では図の情報は欠落するため、図は画像情報により、問題文は文字情報により、学習支援装置200に送信されてもよい。また、ユーザが解答20を画像情報で学習支援装置200に送信した場合でも、学習支援装置200は必要なければ図の情報を削除してもよい。
【0026】
なお、本実施形態では、解答20を画像情報として生成するが、これに限らずテキスト情報又は音声情報として生成してもよい。斯かる場合、ユーザ端末100は、解答20をテキスト情報又は音声情報として生成するよう画面表示してユーザに促してもよい。
【0027】
ユーザがユーザ端末100を(画面をタップするなど)操作することで、生成した問題10及び解答20がユーザ端末100から学習支援装置200に送信される。
【0028】
ステップS100では、学習支援装置200が、ユーザ端末100から問題10及び解答20を受信する。図6に、ステップS100の詳細フローを示す。
【0029】
ステップS110では、送受信部210が、ユーザ端末100から問題10(図5A参照)を受信する。図7に示すように、学習支援装置200は、ユーザ端末100から問題10を受信すると、ユーザ端末100に解答20を送信することを促すメッセージ1003「解答を撮影するか解答の画像を選択してください」を送信する。なお、図7及びその他のユーザ端末100の表示画面を示す図面において、ユーザ端末100の画面上で左寄りに表示されるメッセージは、学習支援装置200から送信されてユーザ端末100が受信したメッセージであり、右寄りに表示されるメッセージは、ユーザ端末100が学習支援装置200に送信したメッセージである。さらに、ユーザ端末100は、ユーザが選択可能な「解答が手元にない」「解答を撮影する」を表示する。
【0030】
ステップS120では、送受信部210が、ユーザ端末100から解答20(図5B参照)を受信する。図8Aに示すように、学習支援装置200がユーザ端末100から解答20を受信すると、画面上に送信された解答20が表示される。
【0031】
なお、図8Bに示すように、ユーザが、ユーザ端末100から解答20を送信できない場合に「解答が手元にない」を選択すると、学習支援装置200は、解説の精度が落ちることについての注意メッセージ1005「解答がない場合、解説の精度が落ちることがあります」をユーザ端末100に送信する。送受信部210が、ユーザ端末100から解答20を取得できない場合、学習支援装置200が記録しているユーザの質問履歴又はすべてのユーザの送信履歴から、同一の問題又は構成の近い問題の解説を検索して取得してもよい。
【0032】
ステップS130では、画像情報である問題10及び解答20をテキスト情報に変換する。ここで、送受信部210は、問題10及び解答20の画像情報をOCR装置400に送信する。OCR装置400は、画像情報をテキスト情報に変換して、送受信部210に返信する。問題10及び解答20がテキスト情報である場合、ステップS130は省略される。これによれば、画像情報で入力された問題10又は解答20を文字情報として生成AI300に入力することができ、画像情報のまま生成AI300に入力するよりも回答50の精度を高め、その回答50に基づいてユーザに対する精度の高い解説40を生成し、ユーザの質問30、すなわち問題10及び解答20における疑問に対して答えることができる。
【0033】
ステップS140では、送受信部210が、テキスト情報である問題10及び解答20を生成AI300に送信する。それにより、ステップS100が完了し、学習支援装置200は待機状態になる。一方、生成AI300は、問題10及び解答20を受信する。
【0034】
学習支援装置200が待機状態になった後、ユーザが、ユーザ端末100の画面上で「質問する」を選択すると(図3参照)、ステップS20に移行する。これに応じて、学習支援装置200は、質問30を送信することを促すメッセージ1101をユーザ端末100に送信する。それにより、図9に示すように、ユーザ端末100の画面上にメッセージ1101「今日はどのような質問ですか?」が表示される。
【0035】
ステップS20では、ユーザが、ユーザ端末100で質問30を入力し、ユーザ端末100上で質問30の送信を指示する。ここで、ユーザは、ユーザ端末100上で質問30を作成する。
【0036】
図10に、質問30の一例を示す。質問30は、問題10及び解答20に対するユーザの疑問を質問として作成したものである。本実施形態では、質問30をテキスト情報として生成するが、これに限らず画像情報又は音声情報として生成してもよい。
【0037】
本例では、質問30は、数学の順列に関する問題10及び解答20に対する質問である。質問30は、問題10の解答20における(2)の「その並べ方が7!」の意味を質問している。質問30は、問題10又は解答20のうちのどの部分に対するユーザの質問なのかを特定できる内容であればよく、例えば小問の番号又は解答20における行数を指定してもよいし、質問したい箇所の文言を引用してもよい。
【0038】
ユーザがユーザ端末100を(画面をタップするなど)操作することで、作成した質問30がユーザ端末100から学習支援装置200に送信される。
【0039】
ステップS200では、送受信部210が質問30を送受信する。まず、送受信部210が、ユーザ端末100から質問30(図10参照)を受信する。本実施形態では、質問30はテキスト情報とするが、質問30が画像情報の場合、送受信部210はステップS130と同様に質問30をテキスト情報に変換し、質問30が音声情報の場合組込み又はオンラインの音声認識ソフトによりテキスト情報に変換する。そして、送受信部210が、テキスト情報である質問30を生成AI300に送信する。このとき、送受信部210は、生成AI300にメッセージ「問題10及び解答20に基づいて質問30に答えてください。」を送信して、質問30への回答作成を指示してもよい。一方、生成AI300は、質問30、さらにメッセージを受信する。
【0040】
ステップS30では、生成AI300が質問30を受信した後、生成AI300が問題10及び解答20に基づいて質問30に対する回答50を生成し、学習支援装置200に送信する。図11に回答50の一例を示す。ここでは、「7!の意味が分かりません」という質問30(図10参照)に対して、「『7!』は『7の階乗』と読みます。これは、7から1までの全て正の整数を掛け合わせるという意味です。つまり、7×6×5×4×3×2×1=5040となります。」という回答である。ただし、回答50は、7!がこの問題の中でどういう意味を持つかの説明は含まれていない。
【0041】
ステップS300では、生成部220が解説40を生成する。図12に、解説生成のステップS300の詳細フローを示す。
【0042】
ステップS310で、生成部220が、生成AI300から、問題10、解答20、及び質問30に基づいて生成された回答50を受信する。
【0043】
ステップS320では、生成部220が、生成AI300に、複数の要点60のまとめを指示する。複数の要点60とは、問題10を解くとき又は解答20を理解するときに必要な知識である。生成部220は、例えば「この問題を解くために必要な知識をすべて列挙してください。また、それらの知識の中に含まれる具体的な性質や定理も含めて教えてください。」と生成AI300に入力することで、生成AI300に解答20の複数の要点60をまとめさせることができる。
【0044】
ステップS40では、生成AI300が複数の要点60をまとめ、学習支援装置200に返信する。
【0045】
図13に、問題10(図5A参照)及び解答20(図5B参照)における、複数の要点60の一例を示す。本例では、複数の要点60は、「順列(Permutations):順列は、一連の要素を特定の順序で並べる方法やパターンを表します。順列の数を計算する際には、n個の要素からr個の要素を選ぶ場合の数式が必要です。」「組み合わせ(Combinations):組み合わせは、一連の要素を順序に関係なく選ぶ方法やパターンを表します。組み合わせの数を計算する際には、n個の要素からr個の要素を選ぶ場合の数式が必要です。」「階乗(Factorial):階乗は、自然数の連続した積を表します。nの階乗はn!で表されます。n!=n×(n-1)×(n-2)×…×2×1」及び「順列の計算式:順列の数を計算する際には、次の式が使用されます:P(n,r)=n!/(n-r)!」の4つの項目で構成されている。
【0046】
ステップS330では、生成部220が、生成AI300から返信された複数の要点60を受信する。なお、複数の要点60のまとめは選択によりスキップしてもよく、斯かる場合、ステップS320~S330を省略してもよい。
【0047】
ステップS340では、生成部220が、回答50に続けて複数の要点60の全部又は一部を加えることで、解説40を生成する。これにより、問題10だけでなく問題10の解答20を生成AI300に入力し、そのうえでさらにユーザからの質問30を生成AI300に入力して、生成AI300に問題10及び解答20に基づいて質問30に対する回答50を生成させ、その回答50に基づいてユーザに対する解説40を生成することで、ユーザの質問30、すなわち問題10及び解答20における疑問に対して答えることができる。また、これによれば、解説40に問題10及び解答20の要点60が含まれることで、ユーザが、問題10及び解答20の要点60を把握して理解できていない要点を洗い出すことができ、学習効果を高めることができる。
【0048】
なお、問題10、解答20、又は質問30のうちの少なくとも1つを画像情報として送受信する場合、画像情報として問題10、解答20、質問30を入力することで、ユーザのテキスト入力作業を削減することができ、さらに生成AI300に図を含んだ問題10、解答20又は質問30に対する回答50を生成させ、その回答50に基づいたユーザに対する解説40を生成することで、図を含んだ問題10、解答20及び質問30であってもユーザの質問30、すなわち問題10及び解答20における疑問に対して答えることができる。
【0049】
図14Aに、問題10、解答20、及び質問30に基づいて生成部220が生成した解説40を例示する。解説40は、問題10及び解答20に基づいた質問30に対する解説に相当する。上述のとおり、解説40は、生成AI300が生成した、問題10及び解答20に基づいた質問30に対する回答50に、更に生成AI300が生成した問題10及び解答20における複数の要点60の一部の内容を、生成部220が組み合わせて生成したものである。なお、解説40を学習支援装置200の記憶装置に保存してもよい。
【0050】
本例では、解説40は、数学の順列に関する問題10及び解答20に対する質問30への解説である。解説40は、「『7!』は『7の階乗』と読みます。これは、7から1までの全て正の整数を掛け合わせるという意味です。つまり、7×6×5×4×3×2×1=5040となります。」という回答50と、「この問題において、『7!』は7つの要素(ここでは文字)があり、それらをどのように並べるかの全ての可能性を表しています。例えば、『abc』の場合、『abc』、『acb』、『bac』、『bca』、『cab』、『cba』の6通り(3!)あります。」及び「これを元に、問題(2)に戻ると、『o、m、e』を1つの要素と考え、それ以外の文字をそれぞれ1つの要素と考えると、合計7つの要素があります。これら7つの要素をどのように並べるかの全ての可能性が『7!』になります。」という2つの要点60と、から構成されている。
【0051】
解説40は、問題10、解答20、及び質問30のいずれかが画像情報で送受信されており、画像情報内に図が含まれていた場合、図を抜き出して引用してもよい。また、質問30の内容が問題10及び解答20の複数の箇所に該当し、かつ箇所によって解説の内容が異なる場合は、生成部220は個別に別の解説を用意し、出力してもよい。
【0052】
図14Bに、異なる生成方式の解説41を例示する。解説41は、数学の順列に関する問題10及び解答20に対する質問30への解説であり、解説40よりも問題10及び解答20のどこがわからないか把握できていないユーザ向けの解説である。解説41は、回答50(図11参照)と、複数の要点60(図13参照)を列挙する形で生成されている。斯かる生成方式は、ユーザが、ユーザ端末100上で要点をすべて閲覧すると設定した場合に選択されてもよい。ユーザ端末100上に表示されるとき、解説41は、複数の要点60をそれぞれ選択できる形で表示させること、又はユーザに要点の番号を返信させることで、複数の要点60の中でユーザが詳しい説明を知りたい要点を選択できるようにしてもよい。
【0053】
なお、要点60のまとめ(ステップS320、S40)を省略してもよい。斯かる場合、学習支援装置200は、ステップS310で生成AI300から受信した回答50のみを用いて解説40を生成する。
【0054】
ステップS400では、ステップS300で生成された解説40をユーザ端末100に送信する。
【0055】
ステップS50では、ユーザ端末100が、出力部230から解説40を受信し、画面上に表示する。図15に、ステップS50における、ユーザ端末100の画面表示の一例を示す。本例では、ユーザがユーザ端末100上で、ステップS20において「その並べ方が7!の意味が分かりません。」という質問30を学習支援装置200に送信し、ステップS40で学習支援装置200から「もちろん、それを説明しますね!「7!」は…」で始まる解説40を受信している。これにより、解説40をユーザ端末100に出力することができ、ユーザ端末100上で解説40を確認することができる。ユーザは、解説40を確認してさらに追加の質問70を入力することもできる。
【0056】
ステップS60では、ユーザは、ユーザ端末100上で追加の質問70を入力し、送信を指示する。それにより、追加の質問70がユーザ端末100から学習支援装置200に送信される。
【0057】
ステップS500では、送受信部210が追加の質問70を送受信する。まず、送受信部210が、ユーザ端末100から追加の質問70を受信する。本実施形態では、追加の質問70はテキスト情報とするが、追加の質問70が画像情報の場合、送受信部210はステップS130と同様に追加の質問70をテキスト情報に変換し、追加の質問70が音声情報の場合組込み又はオンラインの音声認識ソフトによりテキスト情報に変換する。そして、送受信部210が、テキスト情報である追加の質問70を生成AI300に送信する。これによれば、解説40に対するユーザの追加の質問70をさらに生成AI300に入力し、追加の質問70に対する回答51を生成させ、その回答51に基づいてユーザに対する解説42を生成することで、解説40が十分でなかった場合にもユーザの追加の質問70、すなわち解説40における疑問に対して答えることができる。
【0058】
ステップS70、これに続くステップS600、ステップS80、ステップS700、及びステップS90は、それぞれ、ステップS30、ステップS300、ステップS40、ステップS400、及びステップS50と同様の処理が行われる。これらのステップの詳細は省略する。
【0059】
図16に、ステップS90における、ユーザ端末100の画面表示の一例を示す。本例では、ユーザがユーザ端末100上で、ステップS20において「その並べ方が7!の意味が分かりません。」という質問30を学習支援装置200に送信し、ステップS50で学習支援装置200から「もちろん、それを説明しますね!「7!」は…」で始まる解説40を受信し、その後にステップS60で「どうして「o、m、e」は一つの要素として考えるんですか。」という追加の質問70を学習支援装置200に送信し、学習支援装置200から「問題(2)では、…」で始まる解説42を受信している。
【0060】
なお、ユーザの疑問が解消されるまで、ステップS60~S90のフローを繰り返してよい。
【0061】
図17に、学習支援システム1による要点選択の動作フローを示す。先述の動作フロー(図2参照)のステップS50でユーザ端末100に表示された解説41に対して、ユーザは、ユーザ端末100上で解説41(図14B参照)内に列挙された複数の要点60のいずれかを選択してもよい。斯かる処理はステップS61で実行される。それにより、複数の要点60のうち選択された要点の更なる解説の要求がユーザ端末100から学習支援装置200に送信される。
【0062】
ステップS501では、送受信部210と生成部220が、選択された要点の更なる説明を生成する。まず、送受信部210が、生成AI300に選択された要点の説明を指示する。例えば、複数の要点60を生成AIに入力後、「3つ目の要点について、より詳しく説明してください。」と入力することで、選択された要点の説明を要求することができる。
【0063】
ステップS71では、生成AI300が、選択された要点75の説明65を生成し、生成された説明65を生成部220に返信する。
【0064】
そして、生成部220が、生成AI300から生成された説明65を受信し、選択された要点の解説43とする。これによれば、問題10及び解答20の要点60の中でユーザから選択された要点75を生成AI300に入力して、ユーザから選択された要点75に対する説明65を生成させ、その説明65に基づいてユーザに対する解説43を生成することで、学習支援装置が、ユーザから選択された要点75に集中して解説することで、ユーザの理解を深めることができる。
【0065】
ステップS700、及びステップS90は、それぞれ、ステップS400、及びステップS50と同様の処理が行われる。これらのステップの詳細は省略する。
【0066】
図18に、学習支援システム1による自動採点の動作フローを示す。ここで、ステップS10、ステップS100、ステップS400~700、及びステップ90のステップは、先述のそれらと同様である。ユーザが、操作開始時のユーザ端末100の画面(図3参照)において「採点する」を選択することで本フローが開始する。このとき、ユーザ端末100から、学習支援装置200にメッセージ1201「採点してください。」が送信される。これに応じて、学習支援装置200は、ステップS100の終了後、答案80を送信することを促すメッセージをユーザ端末100に送信する。それにより、図19に示すように、ユーザ端末100の画面上にメッセージ1202「もちろんです。」「あなたの答案を見せていただけますか?」が表示される。
【0067】
ステップS21では、ユーザが、ユーザ端末100で答案80を入力し、送信を指示する。図20に答案80の一例を示す。答案80は、問題10に対してユーザが作成した答案である。答案80は、ユーザ端末100から学習支援装置200に送信される。
【0068】
ステップS201では、送受信部210が答案80を送受信する。まず、送受信部210が、ユーザ端末100から答案80を受信する。なお、答案80が画像情報として入力された場合、ステップS130と同様に答案80をテキスト情報に変換してよい。そして、送受信部210が、生成AI300に答案80を送信するとともに、メッセージ「採点してください。」を送信して答案80の採点を要求する。
【0069】
ステップS31では、生成AI300は、学習支援装置200から答案80を受信し、これを採点し、学習支援装置200に送信する。
【0070】
ステップS301では、答案を採点する。まず、生成部220が、生成AI300から、問題10、解答20、及び答案80に基づいて生成AI300が生成した採点結果90を受信する。次いで、生成部220が、生成AI300に、複数の要点60の抽出を依頼する。ステップS40では、生成AI300が複数の要点60を抽出し、学習支援装置200に返信する。その後、生成部220が、生成AI300から返信された複数の要点60を受信する。そして、生成部220が、採点結果90及び複数の要点60に基づいて解説45を生成する。
【0071】
図21に示すように、ステップS50におけるユーザ端末100の画面表示の一例を示す。本例では、ユーザがユーザ端末100上で、ステップS21において送信した答案が上からメッセージ1203として表示され、ステップS30で生成AIにより生成された採点結果90であるメッセージ1204「あなたの答えは間違っていません。」及びステップ40で生成AIにより生成された複数の要点60の一部であるメッセージ1205「問題の意図を完全に理解しているかを確認しましょう。…」が解説45として表示されている。
【0072】
これにより、答案の採点が完了する。これによれば、ユーザの答案80を生成AI300に入力して、生成AI300に答案を採点させることで、採点の手間を減らし、採点者に依らない採点作業ができる。また、生成AI300の採点結果90に対するユーザの追加の質問71を生成AI300に入力して、生成AI300に問題10及び解答20に基づいて追加の質問71に対する回答52を生成させ、その回答52に基づいてユーザに対する解説44を生成することで、ユーザの採点結果90に対する疑問に答えることができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態に係る学習支援システム1によれば、学習支援装置200によりユーザ端末100から入力された問題10だけでなく問題の解答20を生成AI300に入力し、そのうえでさらにユーザからの質問30を生成AI300に入力して、生成AI300に問題10及び解答20に基づいて質問30に対する回答50を生成させ、その回答50に基づいてユーザに対する解説40を生成することで、ユーザの質問、すなわち問題及び解答における疑問に対して答えることができる。
【0074】
また、本実施形態に係る学習支援装置200は、問題の解答について解説を生成することでユーザの学習を支援する装置であって、ユーザ端末100からユーザが入力した問題10及び問題10の解答20を受信し、問題10及び解答20を生成AI300に送信し、問題10及び解答20の送信後にさらに、ユーザ端末100からユーザが入力した質問30を受信し、質問30を生成AI300に送信する送受信部210と、生成AI300から質問30に対する回答50を受信し、回答50に基づいてユーザに対する解説40を生成する生成部220と、を備える装置が提供される。これによれば、問題10だけでなく問題10の解答20を生成AI300に入力し、そのうえでさらにユーザからの質問30を生成AI300に入力して、生成AI300に問題10及び解答20に基づいて質問30に対する回答50を生成させ、その回答50に基づいてユーザに対する解説40を生成することで、ユーザの質問30、すなわち問題10及び解答20におけるユーザのわからない(疑問)に答えることができる。
【0075】
また、本実施形態に係る学習支援システム1は、学習支援装置200と、ユーザ端末100と、生成AI300と、を備えるシステムが提供される。これによれば、ユーザの質問に30応じて高い精度の解説を生成し、ユーザの学習効果を向上させることができる。
【0076】
また、本実施形態に係る学習支援方法は、問題10の解答20について解説40を生成することでユーザの学習を支援する学習支援方法であって、ユーザ端末100からユーザが入力した問題10及び問題10の解答20を受信し、問題10及び解答20を生成AI300に送信する段階と、問題10及び解答20の送信後にさらに、ユーザ端末100からユーザが入力した質問30を受信し、質問30を生成AI300に送信する段階と、生成AI300から質問30に対する回答50を受信し、回答50に基づいてユーザに対する解説40を生成する段階と、を備える。これによれば、問題10だけでなく問題10の解答20を生成AI300に入力し、そのうえでさらにユーザからの質問30を生成AI300に入力して、生成AI300に問題10及び解答20に基づいて質問30に対する回答50を生成させ、その回答50に基づいてユーザに対する解説40を生成することで、ユーザの質問30、すなわち問題10及び解答20におけるユーザのわからない(疑問)に答えることができる。
【0077】
また、本実施形態に係る学習支援プログラムは、問題の解答について解説を生成するために、コンピュータに、ユーザ端末100からユーザが入力した問題10及び問題10の解答20を受信し、問題10及び解答20を生成AI300に送信する手段と、問題10及び解答20の送信後にさらに、ユーザ端末100からユーザが入力した質問30を受信し、質問30を生成AI300に送信する手段と、生成AI300から質問30に対する回答50を受信し、回答50に基づいてユーザに対する解説40を生成する手段と、を実行させるプログラムが提供される。これによれば、問題10だけでなく問題10の解答20を生成AI300に入力し、そのうえでさらにユーザからの質問30を生成AI300に入力して、生成AI300に問題10及び解答20に基づいて質問30に対する回答50を生成させ、その回答50に基づいてユーザに対する解説40を生成することで、ユーザの質問30、すなわち問題10及び解答20におけるユーザのわからない(疑問)に答えることができる。
【0078】
また、本実施形態に係る学習支援システム1によれば、学習支援装置200によりユーザ端末100から入力された問題10だけでなく問題の解答20を生成AI300に入力し、そのうえでさらにユーザからの質問30を生成AI300に入力して、生成AI300に問題10及び解答20に基づいて質問30に対する回答50を生成させ、その回答50に基づいてユーザに対する解説40を生成することで、従来技術では約50%から84%の間でばらついていた正答率を98%に安定させることができる。これによれば、ハルシネーションが課題である生成AIの世界に解決の糸口を見つけることができる。
【0079】
本発明の様々な実施形態は、フローチャート及びブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階又は(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階及びセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0080】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャート又はブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0081】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0082】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のコンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャート又はブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0083】
図22は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ1200の例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作又は当該装置の1又は複数のセクションとして機能させることができ、又は当該操作又は当該1又は複数のセクションを実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0084】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、グラフィックコントローラ1216、及びディスプレイデバイス1218を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROMドライブ1226、及びICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータはまた、ROM1230及びキーボード1242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ1240を介して入/出力コントローラ1220に接続されている。
【0085】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中にCPU1212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0086】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD‐ROM1201から読み取り、ハードディスクドライブ1224にRAM1214を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0087】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ1240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ1220に接続してよい。
【0088】
プログラムが、DVD-ROM1201又はICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報の操作又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0089】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御下、RAM1214、ハードディスクドライブ1224、DVD‐ROM1201、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0090】
また、CPU1212は、ハードディスクドライブ1224、DVD‐ROMドライブ1226(DVD‐ROM1201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0091】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0092】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0094】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0095】
1…学習支援システム、10…問題、20…解答、30…質問、40、41、42、43、44、45…解説、50、51、52…回答、60、61…要点、65…説明、70、71…追加の質問、75…選択された要点、80…答案、90…結果、100…ユーザ端末、200…学習支援装置、210…送受信部、220…生成部、230…出力部、400…OCR装置、500…ネットワーク、1001、1002、1003、1004、1005、1101、1102、1103、1104、1105、1201、1202、103、1204、1205…メッセージ、1200…コンピュータ、1210…ホストコントローラ、1212…CPU、1216…グラフィックコントローラ、1218…ディスプレイデバイス、1220…入/出力コントローラ、1222…通信インタフェース、1224…ハードディスクドライブ、1226…DVD-ROMドライブ、1240…入/出力チップ、1242…キーボード
【要約】
【課題】問題の解答について解説を生成することでユーザの学習を支援する装置を提供する。
【解決手段】学習支援装置200は、ユーザ端末100からユーザが入力した問題10及び問題の解答20を受信し、問題及び解答を生成AI300に送信し、問題及び解答の送信後にさらに、ユーザ端末からユーザが入力した質問30を受信し、質問を生成AIに送信する送受信部210と、生成AIから質問に対する回答50を受信し、回答に基づいてユーザに対する解説40を生成する生成部220と、を備える。これによれば、問題だけでなく問題の解答を生成AIに入力し、そのうえでさらにユーザからの質問を生成AIに入力して、生成AIが生成した回答に基づいてユーザに対する解説を生成することで、ユーザの質問、すなわちユーザのわからない(疑問)に答えることができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22