(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】食品包装用袋、サンドイッチ包装用袋およびサンドイッチ包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 75/62 20060101AFI20240319BHJP
B65D 30/28 20060101ALI20240319BHJP
B65D 33/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B65D75/62
B65D30/28 L
B65D30/28 H
B65D33/00 C
(21)【出願番号】P 2019209313
(22)【出願日】2019-11-20
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】509009038
【氏名又は名称】アイワ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119367
【氏名又は名称】松島 理
(74)【代理人】
【識別番号】100142217
【氏名又は名称】小笠原 宜紀
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄一郎
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-022370(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0182359(US,A1)
【文献】特開2018-039515(JP,A)
【文献】特開2019-055783(JP,A)
【文献】特開2010-047320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/62
B65D 30/28
B65D 33/00
B65D 85/36-85/50
B65D 77/20-77/30
B65D 65/10-65/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を収容する袋本体部と、袋本体部の一部に形成された開口予定部と、開口予定部を覆うように外面側に再封止可能に取り付けられた封止シートと、封止シートに続いて設けられた
指でつまんでを袋本体部から引きはがすためのつまみ部を有し、つまみ部の一部において袋本体部に再接続できないように接続された接続部と接続部以外の非接続部が設けられている食品包装用袋。
【請求項2】
開口予定部の外周に沿って接着性軽減部が設けられ、封止シートの接続面には外周まで接着剤が設けられている請求項1に記載の食品包装用袋。
【請求項3】
等脚台形部を有する第1シートおよび第2シートが重なり合っていて、等脚台形の短辺および両斜辺に沿って第1シートおよび第2シートが接続された接続部と、長辺に沿って第1シートおよび第2シートが接続されていない開口部を有する袋本体部を有し、
第1シートの等脚台形部の内部で短辺を一辺とする長方形の内部に形成された開口予定部と、開口予定部を覆うように第1シートで袋体の外側の面に設けられた封止シートと、封止シートに設けられた
指でつまんで封止シートを第1シートから引きはがすためのつまみ部を有し、
開口予定部は等脚台形部の短辺に平行な水平開口予定線と、水平開口予定線の両端部より短辺に垂直な方向に伸びた垂直開口予定線によりコの字状に形成されていて、
開口予定部の外周に沿って接着性軽減部が設けられ、封止シートの接続面には外周まで接着剤が設けられていて、
つまみ部の一部において袋本体部に再接続できないように接続された接続部と接続部以外の非接続部が設けられているサンドイッチ包装用袋。
【請求項4】
等脚台形部を有する第1シートおよび第2シートが重なり合っていて、等脚台形の短辺および両斜辺に沿って第1シートおよび第2シートが接続された接続部と、長辺に沿って第1シートおよび第2シートが接続されていない開口部を有する袋本体部を有し、
第1シートの等脚台形部の内部で短辺を一辺とする長方形の内部に形成された開口予定部と、開口予定部を覆うように第1シートで袋体の外側の面に設けられた長方形の封止シートと、封止シートに連続して設けられた
指でつまんで封止シートを第1シートから引きはがすためのつまみ部を有し、
開口予定部は等脚台形部の短辺に平行な水平開口予定線と、水平開口予定線の両端部より短辺に垂直な方向に伸びた垂直開口予定線によりコの字状に形成されていて、
開口予定部の外周に沿って接着性軽減部が設けられ、封止シートの接続面には外周まで接着剤が設けられていて、
つまみ部の一部において袋本体部に再接続できないように接続された接続部と接続部以外の非接続部が設けられていているサンドイッチ包装用袋に直角三角形のサンドイッチが包装されたサンドイッチ包装体であり、
開口予定部と封止シートはサンドイッチの直角三角形の垂直な辺に沿った面に向けられており、袋本体部の開口部はサンドイッチの底面の上に折り畳まれて封止されたサンドイッチ包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、悪意ある者による異物混入を防止する食品の包装に関する。
【背景技術】
【0002】
サンドイッチや握り飯などの食品の包装として、開口部を有する袋状の包装部材が使用される。開口部より食品を入れ。開口部を粘着テープやシールあるいは熱圧着などで封止することにより、食品包装体が得られる。特に直角三角形のサンドイッチは、等脚台形の食品収容部を有する袋体によって包装される。特許文献1や特許文献2などには、このような直角三角形のサンドイッチを収納する包装袋が記載されている。
【0003】
特許文献1のサンドイッチ用包装袋は、重ね合わされている2枚のフィルムの両側縁と一端部側でシールして封止部が設けられ、他端部に開口部が設けられ、収納部が設けられている食品用の包装袋であり、一方のフィルムの収納部側で封止部付近に開封起点が設けられ、そのフィルムを幅広に開裂させる開裂案内線が開封起点又は開封起点付近から口部に向けて離間して設けられ、摘み部を有するカバーシートが開封起点及び開裂案内線を被覆するように一方のフィルムに重ね合わされ、そのフィルムの開封起点を設けた部位とカバーシートとが剥離できないように接着され、カバーシートとフィルムとが剥離できるように弱シールされている。
【0004】
特許文献2のサンドイッチ用包装袋は、略等脚台形状の食品収容部を有する2枚のプラスチックシートである第1シートおよび第2シートを重ね合わせて形成した本体部と、第2シートに設けられた切り込み部と、切り込み部の上に設けられたプラスチックシートである第3シートを有し、その切り込み部は上辺に平行な1本の切り込み線とこれに垂直な2本の切り込み線によって構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-239179号公開特許公報
【文献】特開2017-30841号公開特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
食品の包装においては、消費者により購入されるまで中の食品が安全な状態であることが求められる。特に、悪意のある者が包装体を開封し、内部に毒物などの異物を投入した後に再度封止して、消費者に異物の混入した食品を食べさせようとすることが考えられるが、このような改ざんを防止することが求められる。
【0007】
これに対し、一旦開封されると、開封されたことが消費者によって感知されるような包装は提案されており、すでに実施されている方法も多い。しかし、そのほとんどは、開封するときに剥離しなければならない箇所に、複数のフィルム層を設けるものであり、そのフィルム層同士の剥離が生じることによって、文字や模様などが現れることによって、開封されたことが消費者に示されるものである。このような多層フィルムの形成は、コストがかかるものである。また、その剥離箇所が大きく、しかも目立つものに限定される。そして、十分な光が差さないような状況であると、ホログラム状の表示が現れても消費者は気付きにくい。さらに、紙シートと紙シートの接続など、不透明な素材同士の接続箇所にも多層フィルムの形成は適さない。
【0008】
この発明は、開封されたことがあるか否かの判別が容易で、構成が簡易な食品包装用袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、この発明の食品包装用袋は、食品を収容する袋本体部と、袋本体部の一部に形成された開口予定部と、開口予定部を覆うように外面側に再封止可能に取り付けられた封止シートと、封止シートに続いて設けられたつまみ部を有し、つまみ部の一部において袋本体部に再接続できないように接続された接続部と接続部以外の非接続部が設けられている。開口予定部の外周に沿って接着性軽減部が設けられ、封止シートの接続面には外周まで接着剤が設けられていることが好ましい。
【0010】
また、この発明のサンドイッチ包装用袋は、等脚台形部を有する第1シートおよび第2シートが重なり合っていて、等脚台形の短辺および両斜辺に沿って第1シートおよび第2シートが接続された接続部と、長辺に沿って第1シートおよび第2シートが接続されていない開口部を有する袋本体部を有し、
第1シートの等脚台形部の内部で短辺を一辺とする長方形の領域の内部に形成された開口予定部と、開口予定部を覆うように第1シートで袋体の内側の面に設けられた封止シートと、封止シートに設けられたつまみ部を有し、
開口予定部は等脚台形部の短辺に平行な水平開口予定線と、水平開口予定線の両端部より短辺に垂直な方向に伸びた垂直開口予定線によりコの字状に形成されていて、
開口予定部の外周に沿って接着性軽減部が設けられ、封止シートの接続面には外周まで接着剤が設けられていて、
つまみ部の一部において袋本体部に再接続できないように接続された接続部と接続部以外の非接続部が設けられている。
【0011】
さらにこの発明のサンドイッチ包装体は上述のサンドイッチ包装用袋に包装された直角三角形のサンドイッチが包装されたものであり、開口予定部と封止シートはサンドイッチの直角三角形の垂直な辺に沿った面に向けられており、袋本体部の開口部はサンドイッチの底面の上に折り畳まれて封止されている。
【発明の効果】
【0012】
この発明の食品包装用袋は、開封の際には大きな開口部を簡単に形成でき、しかも、簡易な構成で開封されたことがあるか否かを消費者に分かりやすく示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図4】食品包装用袋の構成を模式的に示す分解図である。
【
図8】サンドイッチ包装体の窓部側を斜視図である。
【
図9】サンドイッチ包装体の封止シート側を示す斜視図である。
【
図10】食品包装用袋の開封方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の食品包装用袋は、食品を収容する袋本体部と、袋本体部の一部に形成された開口予定部と、開口予定部を覆うように外面側に再封止可能に取り付けられた封止シートを有する。収容する食品としては、開封して取り出してそのまま食べられるようなものが適しており、握り飯等の加工米飯や総菜類、菓子、あるいは調理パンなどが挙げられる。
【0015】
袋本体部はこれらの食品を開口部より入れて収容し、開口部を封止することにより食品包装体を形成できるようになっている。2枚のシートの両側辺と下辺を接続し、上辺部を接続されていない開口部とした袋体である。その素材は、紙シートやプラスチックフィルムなど食品を安全に保存できるものであればよい。
【0016】
開口予定部は、袋本体部の2枚のシートのいずれかに設けられる。シートが容易に開裂される開口予定線によって構成される。開口予定線によって完全に切断されていてもよく、あるいは切断部と接続部が交互に繰り返し現れるような切断補助線でもよい。開口予定部を水平開口予定線と、水平開口予定線の両端部より垂直な方向に伸びた垂直開口予定線によりコの字状に設けることにより、長方形状の大きな開口を簡単に形成することができる。
【0017】
封止シートは開口予定部の上に再封止可能に取り付けられている。再封止可能としては、開口予定部の外周に沿って接着性軽減部が設け、封止シートの接続面には外周まで接着剤が設けることができる。ここで、接着性軽減部とは、封止シートを剥がした時に袋本体部側の表面の素材が引きちぎられて封止シートに付着するのを防止できる程度の低い接着性のことである。したがって、袋本体部が滑らかな表面のプラスチックフィルムで構成されているときなど、特に表面処理をしなくても再封止可能なら接着性軽減部に含むことができる。また、紙シートの場合は、プラスチックコーティングなどにより表面を滑らかにする処理を施すことによって、接着性軽減部を形成することができる。
【0018】
つまみ部は封止シートに続いて設けられ、封止シートを袋本体部から引きはがすときに、指でつまむ部分となる。このつまみ部は封止シートと一体に同一のシートとして形成されることが好ましい。つまみ部には、封止シートの接続部から離れた箇所において袋本体部に再接続できないように接続された接続部が設けられ、さらに袋本体部に接続されていない非接続部が設けられている。
【0019】
食品包装用袋の例について図面に基いて詳細に説明する。
図1は食品包装用袋を示す正面図、
図2は同背面図、
図3は同縦断面図である。直角三角形のサンドイッチを収容するサンドイッチ包装用袋の例である。サンドイッチ包装用袋1は、等脚台形部4を有する第1シート2および第2シート3が重なり合っていて、等脚台形部4の短辺5および両斜辺6に沿って第1シートおよび第2シートが接続された接続部8と、長辺に沿って第1シート2および第2シート3が接続されていない開口部7を有する袋本体部9を有する。さらに、第1シート2で袋体の外側の面には封止シート10が再封止可能な接続で取り付けられている。
図4は食品包装用袋の構成を模式的に示す分解図である。第1シート2および第2シート3としては、紙シートやプラスチックフィルムを素材にすることができるが、本例では焼却処理が容易で、環境中においても分解しやすい紙シートが使用されている。それぞれのシートにおいて、向かい合う面にはプラスチックのラミレート処理が施されている。また、外側の面には耐水性のコーティング処理が施されている。また、封止シート10も紙シートを素材としている。
【0020】
図5は第1シートを示す正面図、
図6は第2シートを示す正面図、
図7は開封シートを示す正面図である。袋本体部9は、ほぼ外形が同じ第1シート2と第2シート3の重ね合わせにより形成され、上辺5が下辺7より短い等脚台形の形状をした食品収容部4を有する。この食品収容部4において、上辺5および側部の斜辺6では第1シート2と第2シート3が接続されている。一方、下辺7では第1シート2と第2シート3は接続されていない。したがって、食品収容部6は下辺7のみが開いた袋形状になっており、この中に包装されるべき食品であるサンドイッチを収容できるようになっている。食品収容部4の形状は収容されるサンドイッチの形状に対応している。このサンドイッチ包装用袋1には、直角三角形のサンドイッチxが収容されるが、上辺5はサンドイッチxの厚さとほぼ同じか若干広めになっており、斜辺6の垂線に対する角度θはサンドイッチの頂点の角度の半分になっている。
【0021】
食品収容部4の上部には耳部11が設けられ、下部には折り畳み部12が設けられている。この耳部11と折り畳み部12の形状には特に制限はないが、ここでは長方形状とし、連続シートから効率よく切り出せるようにしている。
【0022】
第1シートの中央部、すなわち、等脚台形部の短辺を一辺とする長方形の内部には、開口予定部13が設けられる。この部分はサンドイッチを包装したときに、サンドイッチの垂直面に接する箇所である。開口予定部13は、短辺5に平行な水平開口予定線14と、水平開口予定線14の両端より短辺に垂直な方向に伸びた垂直開口予定線15によりコの字状に形成されている。
【0023】
第1シート2の開口予定部13には、開口予定部13を覆うように第1シート2の外面側に封止シート10が取り付けられている。この封止シート10は第1シート2の開口予定部13の外側から剥離させても、再び第1シート2に取り付けて再封止できるように接着されている。そのため、開口予定部の外周に沿って接着性軽減部20が設けられている。本例では第1シート2には紙シートを使用しており、開口予定部の外周に沿ってプラスチックのコーティング処理を施すことにより、滑らかな表面状態を形成している。紙を構成する繊維はコーティング層に覆われる。一方、封止シートの接続面には外周まで接着剤が設けられている。これにより、封止シート10を第1シート2から剥がしても、封止シート10の接着力は失われず、再度の接着が可能であり、再び開口予定部13を封止することができる。また、開口予定部13の内側も封止シート10と接合されている。
【0024】
封止シート10の接続面は開口予定部13を覆うだけの大きさの長方形である。そして、この封止シート10の接続面に続いてつまみ部16が封止シート10と同じシートとして一体に設けられている。ここで、つまみ部16は水平開口予定線14がある側に設けられる。本例では水平開口予定線14は、等脚台形部4の下辺側にあるので、つまみ部16も封止シート10の下に設けられる。つまみ部16は指でつまむのに適した大きさと形状であり、封止シート10から遠くなるにつれて幅が狭くなっている。本例では下向きに突き出た三角形になっている。
【0025】
つまみ部16では封止シート10から離れた箇所に、第1シート2と接続された接続部17が設けられている。つまみ部16はここでは三角形の下端付近に接続部17が設けられている。このつまみ部16の接続部17は、例えば熱圧着などにより第1シート2に対して再封止ができないように接続されている。そして、接続部17以外の部分は、第1シート2に接続されていない非接続部になっている。
【0026】
第2シート3には、窓部18が形成されている。この窓部18は、等脚台形部4の中央部に設けられており、特に等脚台部4の上辺5を一辺とする長方形の領域の内部に収まっている。ここで、窓部18は閉じた線によって囲まれる範囲内にある。したがって、窓部18の下には、紙シート3が切り抜かれていない部分が存在する。そして、この窓部18には透明シート19が取り付けられていて、これにより窓が形成されている。この窓部18は、等脚台形状の上辺5を一辺とする長方形の大部分を占めるような形状でもよいが、その一部であってもよい。本例では、窓部18は長方形であり、その幅は長方形部の幅の60%以上である。長さは、包装時に窓部18をサンドイッチの斜辺に沿った面(サンドイッチの切断面)に合せたときに、サンドイッチの切断面の上部および下部は入らない程度に設定されている。この場合、等脚台形部4の上辺5と窓部18の上辺の間に10mm以上25mm以下の間隔があり、切り抜き部の下辺と下辺とサンドイッチの斜面下端位置の間に10mm以上25mm以下の間隔があるように設定することが好ましい。特に、上下とも20mm以上25mm以下の間隔にすることが多くのサンドイッチにおいて好ましく、サンドイッチの斜面の上下の端部を覆うとともに、サンドイッチの具材のある部分が効果的に示される。本例では、間隔は22mmに設定している。この切り抜き部によって形成される窓部18によって内部のサンドイッチが観察されるので、購買意欲を促進できるような表示が実現される。
【0027】
透明シート19はポリプロピエンや生分解性プラスチックなどの透明な食品包装用のプラスチックフィルムである。特に生分解性プラスチックを用いると、シートの基材である紙と共に環境中で早く分解し、環境への悪影響が少なくなる。ここで、第1シート2に対向した第2シート3の面に透明シート19が取り付けられている。したがって、透明シート19はサンドイッチ包装用袋1の内側に設けられる。
【0028】
ついで、このサンドイッチ包装用袋の使用方法について説明する。サンドイッチ包装用袋1の下部は開口部なので、ここからサンドイッチxを挿入できる。サンドイッチxの直角三角形の頂点側から挿入し、奥まで入れる。このとき、サンドイッチxの斜辺に沿った面が第2シート3に当たり、垂直な面が第1シート2に当たるような向きで入れる。そして、サンドイッチ包装用袋の下部の余った部分をキャラメル折りのようにして折り畳み、粘着テープやシールなどで止めれば密封性の高い包装が完了する。
図8と
図9はサンドイッチ包装体を示す斜視図であり、サンドイッチ包装用袋の使用状態を示している。
図8は窓部側を示し、
図9は封止シート側を示す。
【0029】
三角サンドイッチは、通常は正方形または長方形の2枚またはそれ以上のパンの間に具材を挟みこむことによって作られ、その後、対角線に沿って2つに切断される。こうして、複数の直角三角形のパンが重なり合ったサンドイッチができる。斜辺に沿った面が切断面である。包装したときに、この切断面ではない垂直な面が開口予定部13および封止シート10を設けられた位置に表れる。水平開口予定線14とつまみ部16は三角サンドイッチの直角部付近に位置する。
【0030】
ついで、サンドイッチ包装体30の開封について説明する。
図10は食品包装用袋の開封方法を示す斜視図である。このサンドイッチ包装用袋1は、つまみ部16を指でつまんで封止シート10を第1シート2から引きはがすことによって開封を行うことができる。封止シート10の接続面には外周まで接着剤が塗布されているので、外縁まで隙間なく第1シート2に密着しており、この部分をつまんで開封を開始することはできず、つまみ部16から開封を開始するようになっている。つまみ部16の先端部を持ち上げることにより、先ず接続部17が剥離する。この剥離は不可逆的であり、この箇所を再び接着させることはできない。こうして、接続部17での接続が解除されると、つまみ部16を指でつまんで力を入れることができるようになる。一方の手の掌にサンドイッチの底面をのせ、その手でサンドイッチをつかむ。他の手の指でつまみ部16をつまみ、引き上げるようにして第1シート2から封止シート10を引きはがす。
【0031】
第1シート2の開口予定部13の外周から封止シート10が引き剥がされる。開口予定部13の内部は封止シート10に接続されたままである。封止シート10が引き剥がされるにつれて、第1シート2は水平開口予定線14および垂直開口予定線15に沿って分離される。そして、水平開口予定線14および垂直開口予定線15によってコの字に囲まれた内側の部分は封止シート10に接続されたまま引き離される。こうして、開口予定部13の内側に大きな開口部が形成される。この開口部より指を入れて内部のサンドイッチxを取り出すことができる。複数の種類のサンドイッチが収納されている場合にも、窓部18から内部が見えるので、食べたいサンドイッチを選んで取り出せる。
【0032】
残りのサンドイッチがある場合は、封止シート10を再び貼り付けることによって再封止できる。開口予定部の外周に沿って接着性軽減部20が設けられているので、剥離後の封止シート10の接着面は接着力を維持しており、再封止により再度密封できる。一方、つまみ部16の接続部17は再接続されず、第1シート2から浮き上がった状態になる。したがって、このサンドイッチ包装体が既に開放されたことが一見して判別できる。
【0033】
悪意のある者がサンドイッチ包装体に異物を入れるために開封しようとすれば、つまみ部16をつまんで封止シート10を引き放す必要がある。すると、つまみ部16の接続部17は非可逆的に接続を解除される。封止シート10を再び貼り付けてもつまみ部16の接続部17は再接続されず、消費者は容易に異常を察知する。食品包装用袋は簡易な構成であるが、この包装された食品の安全性が保たれる。
【符号の説明】
【0034】
1.食品包装用袋(サンドイッチ包装用袋)
2.第1シート
3.第2シート
4.食品収容部(等脚台形部)
5.上辺
6.斜辺
7.下辺 (開口部)
8.接続部
9.袋本体部
10.封止シート
11.耳部
12.折り畳み部
13.開口予定部
14.水平開口予定線
15.垂直開口予定線
16.つまみ部
17.接続部
18.窓部
19.透明シート
20.接着性軽減部
30.食品包装体(サンドイッチ包装体)
x.食品(サンドイッチ)