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特許7456607通信システム、集約局、受信局、および通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】通信システム、集約局、受信局、および通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/14 20090101AFI20240319BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20240319BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20240319BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20240319BHJP
【FI】
H04W28/14
H04W4/38
H04W84/18
H04W88/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020024377
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021129266
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141519
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】江連 裕一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】阿部 憲一
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0078167(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0141561(US,A1)
【文献】特開2006-287469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上り方向のデータを送信する少なくとも1つの端末装置と、
基地局、およびコアネットワークを形成するコアノード群である交換局、を含む少なくとも1つの集約局であって前記交換局は、前記端末装置が送信する上り方向のデータを受信し前記基地局に送信する、少なくとも1つの集約局と、
前記基地局と無線接続する少なくとも1つの無線機を含み、前記基地局から送信され、当該無線機で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信する受信局と、
を備える通信システム。
【請求項2】
前記受信局は、
無線区間における上り方向のデータの送信タイミングを調整する制御部、
をさらに備える、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記制御部は、
上り方向のデータの通信経路に関する接続情報、前記端末装置が送信するデータに関する送信データ情報、および無線通信で使用する周波数帯に関する情報のうちの少なくともいずれか1つの情報に基づいて、無線区間における上り方向のデータの送信タイミングを調整する、
請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記受信局から受信した上り方向のデータを予め登録された他の端末装置に転送する転送装置、
をさらに備え、
前記転送装置は、転送するデータである転送データを前記受信局へ送信し、
前記転送データを受信した前記受信局の無線機が送信した転送データを、他の端末装置が接続している集約局の基地局、交換局を介して前記他の端末装置へ送信する、
請求項1、2または3に記載の通信システム。
【請求項5】
上り方向のデータを送信する少なくとも1つの端末装置と、
第1の基地局、およびコアネットワークを形成するコアノード群である第1の交換局、を含む少なくとも1つの第1の集約局であって前記第1の交換局は、前記端末装置が送信する上り方向のデータを受信し前記第1の基地局に送信する、少なくとも1つの第1の集約局と、
前記第1の基地局と無線接続する少なくとも1つの第1の無線機を含み、前記第1の基地局から送信され、当該第1の無線機で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信する第1の受信局と、
を備え、
さらに、
第2の基地局、およびコアネットワークを形成するコアノード群である第2の交換局、を含む少なくとも1つの第2の集約局であって前記第2の交換局は、サーバ装置側から前記所定の通信回線を介して送られてくる下り方向のデータを受信し前記第2の基地局に送信する、少なくとも1つの第2の集約局と、
前記第2の基地局と無線接続する少なくとも1つの第2の無線機を含み、前記第2の基地局から送信され、当該第2の無線機で受信した前記下り方向のデータを前記端末装置へ送信する第2の受信局と、
を備える通信システム。
【請求項6】
前記第1の集約局または第2の集約局は、
無線区間におけるデータの送信タイミングを調整する制御部、
をさらに備える、
請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
基地局と、コアネットワークを形成するコアノード群である交換局と、
を含み、
前記交換局は、端末装置が送信する上り方向のデータを受信し、前記基地局は、前記交換局から受信した前記上り方向のデータを送信する、
集約局。
【請求項8】
基地局と無線接続する少なくとも1つの無線機、
を含み、
端末装置が送信する上り方向のデータが、コアネットワークを形成するコアノード群である交換局から前記基地局に送信され、前記基地局から送信された場合に、前記無線機で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信する、
受信局。
【請求項9】
無線区間における上り方向のデータの送信タイミングを調整する制御部、
をさらに備える、
請求項8に記載の受信局。
【請求項10】
端末装置が上り方向のデータを送信することと、
コアネットワークを形成するコアノード群である交換局が、前記端末装置から受信した前記上り方向のデータを基地局に送信することと、
前記基地局が、前記交換局から受信した前記上り方向のデータを、前記基地局と無線接続する無線機を含む受信局に送信することと、
記受信局が、当該無線機で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信することと、
を含む通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、集約局、受信局、および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、下記非特許文献1には、携帯電話の技術を使用したプライベートLTE(Long Term Evolution)のsXGP(shared XGP)では、データ通信速度について、上りは最大2.5Mbps、下りは14.7Mbpsとなっており、下り通信の通信速度を速くすることが記載されている。
【0003】
また、下記非特許文献2には、IoT(Internet of Things)時代の無線通信システムとして紹介されているSIGFOXは、上りの通信速度が100bps、下りの通信速度が600bpsと、上記同様、下り通信の通信速度を速くすることが記載されている。
【0004】
また、下記特許文献1には、2つの装置間で双方向のデータ伝送を行う場合の通信方法が記載されている。具体的には、観測装置からの送信を「下り」、その逆を「上り」とすると、下り方向へのデータは観測データであり、上り方向へのデータはコマンドであり、下り方向のデータ量は上り方向のデータ量より多い。そこで、下記特許文献1では、所定時間周期のフレームを、相対的に長い下りフレームと相対的に短い上りフレームとに時分割して、データの伝送を行う。これにより、下り方向のデータ量を多くすることが可能である。
【0005】
また、下記特許文献2および下記特許文献3には、上下非対称の通信システムにおいて、リソース割り当てやスロット割り当てにより高速化を図る技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-185459号公報
【文献】特開2002-345014号公報
【文献】特開2002-252873号公報
【非特許文献】
【0007】
【文献】総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会(第125回)配付資料 「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち「デジタルコードレス電話の無線局の高度化に係る技術的条件」 103ページ 表 参5-1 データ通信速度 [2020年2月5日]、インターネット<URL:http://www.soumu.go.jp/main_content/000477025.pdf>
【文献】総務省資料 LPWAに関する無線システムの動向について [2020年2月5日]、インターネット<URL:http://www.soumu.go.jp/main_content/000543715.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、たとえば、IoT向けにLPWANを提供する企業グループの研究所では、下記参考文献1において、「LPWAN世界基準では、センサー/デバイスからサーバへデータを送る一方向、つまり「上り」のみの通信が主体であることにも注意が必要である。」ことを述べている。
【0009】
<参考文献1>
株式会社富士通総研 HP上のコラム「通信から見たIoT市場 -新たな通信方式「LPWAN」の登場とその影響-」 [2020年2月13日] インターネット<URL:https://www.fujitsu.com/jp/group/fri/column/opinion/2017/2017-6-2.html>
【0010】
換言すれば、センサーデータの収集や監視カメラの画像収集など、端末装置から送られてくるデータ(上り方向のデータ)を収集,保存,分析,表示するようなIoT用途では、上り方向の通信量が圧倒的に多い。
【0011】
このように、IoTでは上り方向の通信をいかに確保するかが重要であるにもかかわらず、下り方向の通信速度が速い通信規格が多く存在する、という問題があった。すなわち、IoTで無線通信を有効に使用するためには、上り方向の通信速度を速くする方法が必要である。
【0012】
本発明は、下り方向の通信速度が上り方向の通信速度よりも速いことが規定された通信システムにおいて、上り方向の通信速度を下り方向の通信速度まで高速化可能な通信システム、集約局、受信局、および通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願の開示する通信システムは、上り方向のデータを送信する少なくとも1つの端末装置と、基地局、およびコアネットワークを形成するコアノード群である交換局、を含み、前記端末装置が送信する上り方向のデータを、前記交換局を介して前記基地局から送信する、少なくとも1つの集約局と、前記基地局と無線接続する少なくとも1つの無線機を含み、当該無線機で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信する受信局と、を備える。
【0014】
本願の開示する集約局は、基地局と、コアネットワークを形成するコアノード群である交換局と、を含み、端末装置が送信する上り方向のデータを、前記交換局を介して前記基地局から送信する。
【0015】
本願の開示する受信局は、基地局と無線接続する少なくとも1つの無線機、を含み、端末装置が送信する上り方向のデータを、コアネットワークを形成するコアノード群である交換局を介して、前記基地局から送信した場合に、前記無線機で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信する。
【0016】
本願の開示する通信方法は、端末装置が上り方向のデータを送信することと、コアネットワークを形成するコアノード群である交換局が、前記端末装置から受信した前記上り方向のデータを送信することと、基地局が、前記交換局から受信した前記上り方向のデータを送信することと、前記基地局と無線接続する無線機を含む受信局が、当該無線機で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信することと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本願に開示の通信システム、集約局、受信局、および通信方法によれば、下り方向の通信速度が上り方向の通信速度よりも速いことが規定された通信システムにおいて、上り方向の通信速度を下り方向の通信速度まで高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、一般的な通信システムの概略構成の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態の技術的特徴を適用する前後の上り通信速度の一例を示す図である。
図3図3は、通信端末4台使用時の1台あたりの通信速度の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態にかかる通信システムの概略構成の一例を示す図である。
図5図5は、集約局20と受信局30との接続動作の一例を示す図である。
図6図6は、サーバ装置40の要求によるデータ送信動作の一例を示す図である。
図7図7は、端末装置10が収集したデータのデータ送信動作の一例を示す図である。
図8図8は、端末装置10の要求による下り方向のデータ送信動作の一例を示す図である。
図9図9は、第2の実施形態にかかる通信システムの概略構成の一例を示す図である。
図10図10は、転送装置50を内蔵する受信局30の構成の一例を示す図である。
図11図11は、第3の実施形態にかかる通信システムの概略構成の一例を示す図である。
図12図12は、第4の実施形態にかかる通信システムの概略構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本願に開示する通信システム、集約局、受信局、および通信方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、本願の明細書および図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0020】
説明は、以下の順序で行われる。
1.関連技術
2.本発明の実施形態の概要
3.第1の実施形態
3.1.システムの構成
3.2.端末装置の構成
3.3.集約局の構成
3.4.受信局の構成
3.5.サーバ装置の構成
3.6.技術的特徴
4.第1の実施形態の変形例
5.第2の実施形態
5.1.システムの構成
5.2.転送装置の構成
5.3.技術的特徴
6.第3の実施形態
6.1.システムの構成
6.2.サーバ側集約局の構成
6.3.端末側集約局の構成
6.4.受信局の構成
6.5.技術的特徴
7.第4の実施形態
7.1.システムの構成
7.2.技術的特徴
【0021】
<1.関連技術>
センサー情報収集や監視カメラの動画収集などのIoT用途では、端末装置から送信されるデータ(上り方向のデータ)の通信量が多い。
【0022】
図1は、一般的な通信システムの概略構成の一例を示す図である。通信システムの一例である携帯電話等の無線通信方式においては、少なくとも1つの端末装置201と、無線アンテナを備えた基地局202と、コアネットワークを構成するコアノード群である交換局203と、この交換局203とインターネット等の通信回線を介して接続するサーバ装置204とを含む。
【0023】
このような携帯電話等の無線通信方式においては、端末装置201の受信方向(下り方向)の通信帯域を多くし、上り方向の通信帯域を少なくする非対称通信方式が用いられることが多い。
【0024】
たとえば、携帯電話の技術を使用したプライベートLTEのsXGPでは、データ通信速度について、上りは最大2.5Mbps、下りは14.7Mbpsとなっており、下り通信の通信速度を速くすることが記載されている。
【0025】
<2.本発明の実施形態の概要>
まず、実施形態の概要を説明する。
【0026】
(1)技術的課題
たとえば、IoT向けにLPWANを提供する企業グループの研究所では、「LPWAN世界基準では、センサー/デバイスからサーバへデータを送る一方向、つまり「上り」のみの通信が主体であることにも注意が必要である。」ことを述べている(上記参考文献1参照)。
【0027】
換言すれば、センサーデータの収集や監視カメラの画像収集など、端末装置から送られてくるデータ(上り方向のデータ)を収集,保存,分析,表示するようなIoT用途では、上り方向の通信量が圧倒的に多い。
【0028】
このように、IoTでは上り方向の通信をいかに確保するかが重要であるにもかかわらず、下り方向の通信速度が速い通信規格が多く存在する、という問題があった。すなわち、IoTで無線通信を有効に使用するためには、上り方向の通信速度を速くする方法が必要である。
【0029】
本発明は、下り方向の通信速度が上り方向の通信速度よりも速いことが規定された通信システムにおいて、上り方向の通信速度を下り方向の通信速度まで高速化可能な通信システム、集約局、受信局、および通信方法を提供することを目的とする。
【0030】
(2)技術的特徴
本実施形態では、少なくとも1つの端末装置と、少なくとも1つの集約局と、受信局とを備える。
【0031】
端末装置は、上り方向のデータを送信する。つぎに、集約局は、基地局、およびコアネットワークを形成するコアノード群である交換局、を含み、前記端末装置が送信する上り方向のデータを、前記交換局を介して前記基地局から送信する。そして、受信局は、前記基地局と無線接続する少なくとも1つの無線機を含み、当該無線機で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信する。
【0032】
これにより、下り方向の通信速度が上り方向の通信速度よりも速いことが規定された通信システムにおいて、上り方向の通信速度を下り方向の通信速度まで高速化することができる。
【0033】
(3)効果
無線通信方式の理論上の通信速度は仕様により決まる。以下の実施形態では、上り下りの通信速度が非対称の規格において、仕様上で調整可能な設定(使用する周波数幅、タイムスロットの割り当て等)を変更しても解消できない、無線通信速度の変更(拡大)を実現する。
【0034】
たとえば、無線通信速度を大幅に変更する場合には、仕様や、周波数利用方法を定めた法令を変更する必要があるが、仕様、法令を変更することは、多くの時間と費用を必要とするため、実現することが難しい。そのため、以下の実施形態では、上記の技術的特徴を有する通信システムおよび方法を用いることで、既存の無線通信方式を継続して使用しつつ、受信局の機能を追加することで、上り方向の高速化を実現する。これにより、短期間,低コストで、上り方向の通信速度を高速化できる。
【0035】
上り方向の通信速度の高速化を、プライベートLTEのsXGP規格で実現した場合の効果を示す。
【0036】
図2は、本実施形態の技術的特徴を適用する前後の上り通信速度の一例を示す図である。ここでは、たとえば、sXGP規格の無線帯域5MHz幅を使用した場合を想定する。本実施形態の技術的特徴を適用した結果、システムの全体的な上り方向の通信速度は、14.7Mbpsとなり、本実施形態の技術的特徴を適用する前の2.5Mbpsから5.88倍に高速化される。
【0037】
つぎに、本実施形態の構成を用いて、上り方向の通信を端末装置4台で使用するケースを想定する。図3は、通信端末4台使用時の1台あたりの通信速度の一例を示す図である。たとえば、4台で通信帯域を共有した場合、本実施形態の技術的特徴を適用する前は、0.63Mbpsであり1Mbpsを割り込む値であるが、本実施形態の技術的特徴を適用すると3.68Mbpsとなり5.88倍の高い通信速度となる。
【0038】
また、具体的なIoTアプリケーションとして、画像監視を例に、本実施形態の効果を検証する。Full-HD 30fpsをH.264(BPP 0.050)で実施した場合、映像転送に必要なビットレートは、3.11Mbpsとなる(下記参考文献2参照)。このビットレートでは、本実施形態の技術的特徴を適用する前のsXGPの上り通信速度(図2の2.5Mbps)では全通信帯域を使用しても、上り方向の通信速度で3.11Mbpsを実現することはできない。しかしながら、本実施形態の技術的特徴を適用すると、端末装置4台で利用した場合の通信速度(図3参照)であっても、ビットレートは、上り方向の通信速度で3.11Mbpsを実現することができる。
【0039】
<参考文献2>
総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会委員会 陸上無線通信委員会 デジタルコードレス電話作業班(第2回)資料作2-7「sXGP需要の補足説明」 [2020年2月5日]、
インターネット<URL:http://www.soumu.go.jp/main_content/000628719.pdf>
【0040】
なお、上述した技術的特徴は本実施形態の具体的な一例であり、当然ながら、本発明の実施形態は上述した技術的特徴に限定されない。
【0041】
以下、具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0042】
<3.第1の実施形態>
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0043】
<3.1.システムの構成>
図4は、第1の実施形態にかかる通信システムの概略構成の一例を示す図である。図4に示すとおり、本実施形態の通信システムには、少なくとも1つの端末装置10(10-1,10-2,10-3…)と、少なくとも1つの集約局20(20-1,20-2,20-3…)と、受信局30と、サーバ装置40と、が含まれる。
【0044】
集約局20(20-1,20-2,20-3…)は、たとえば、携帯電話ネットワークの交換設備やその他サーバ群を含む交換局21(21-1,21-2,21-3…)と、無線アンテナを有する基地局22(22-1,22-2,22-3…)とを含む。
【0045】
受信局30は、インターネット等の通信回線に接続可能な通信装置であり、少なくとも1つの無線機31(31-1,31-2,31-3,31-4…)と、制御部32と、記憶部33とを含む。
【0046】
本実施形態では、一般的な通信システム(図1参照)の構成である基地局や交換局を利用しつつ、たとえば、端末装置10側に交換局21や基地局22を配置し、サーバ装置40側に無線機31を配置することで、下り方向(端末装置10の受信方向)で規定されていた高速通信を上り方向(端末装置10の送信方向)でも実現する。すなわち、本実施形態では、端末装置10からサーバ装置40へのデータ送信を、端末装置10,交換局21,基地局22,受信局30,サーバ装置40の経路で行う。
【0047】
<3.2.端末装置の構成>
端末装置10は、データ収集用の通信装置(たとえば、パソコン,スマホ等)であり、たとえば、カメラ,温湿度計,振動センサー等のセンサー類の有線機器、または、これらの機器と通信機能を組み合わせた通信モジュール(無線機器)、のどちらとも接続可能である。また、端末装置10は、上記各有線機器を内蔵する構成であってもよい。また、端末装置10は、集約局20と接続可能とし、たとえば、集約局20内の交換局21を構成するいずれかのコアノードと接続する。この接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。また、集約局20に接続する端末装置10は少なくとも1つとし、特に数に制限はないものとする。
【0048】
<3.3.集約局の構成>
集約局20は、たとえば、交換局21と基地局22とを含み、交換局21がデータ収集用の端末装置10と接続し、基地局22がサーバ装置40側の受信局30と接続する。集約局20は、機能的に交換局21および基地局22を実現できていればよく、たとえば、基地局22や、交換局21を構成するコアノード群の機能が、1つの機器に集約される構成であってもよいし、複数の機器で構成されていてもよい。
【0049】
集約局20内の交換局21は、たとえば、第4世代移動通信システムのLTEのコアネットワーク(EPC(Evolved Packet Core)の制御装置やベータベース等)を構成するコアノード群であってもよいし、第5世代移動通信システムのコアネットワークを構成するコアノード群であってもよいし、プライベートLTEのsXGPのコアノード群であってもよいし、無線LANのアクセスポイントを制御するコントローラーなどであってもよい。
【0050】
集約局20内の基地局22は、携帯電話の基地局でもよいし、無線LANアクセスポイントや有線通信から無線通信へのコンバーター等であってもよい。
【0051】
<3.4.受信局の構成>
受信局30は、集約局20内の基地局22に無線接続可能な通信装置(パソコン,スマホ,ルータ等)であり、少なくとも1つの無線機31(30-1,30-2,30-3,30-4…)と、制御部32と記憶部33とを含む。受信局30は、複数の集約局20(20-1,20-2,20-3…)に接続するために、複数台の無線機31を保持してもよいし、1台の無線機31を配置して各集約局20への接続を切り替える方式であってもよい。また、受信局30は、インターネット等の通信回線を通じてサーバ装置40と接続する。
【0052】
記憶部33には、各無線機31(31-1,31-2…)の接続先集約局20の情報(基地局22のID等)や接続先集約局20の接続先端末装置10の情報(ID等)を含む通信経路に関する接続情報、端末装置10が送信するデータの内容(画像,温湿度,振動等)や、データ送信の頻度,送信量(データ量)等の送信データ情報、および、無線機31が通信に使用する周波数帯、等を記憶する。
【0053】
制御部32は、記憶部33と連携し(記憶部33に記憶された情報を把握し)、各端末装置10がデータを送信する送信タイミングを調整する。タイミング調整実施時、制御部32は、各端末装置10または集約局20に対し、端末装置10がデータを送信するタイミング(たとえば、タイムスロット)に関する情報である送信タイミング情報を通知する。これにより、端末装置10の送信データが無線区間で干渉することを回避することができ、通信速度を維持することが可能となる。
【0054】
また、受信局30に搭載される無線機31は、集約局20内の基地局22に無線接続することができればよく、たとえば、LTEの通信モジュールであってもよいし、第5世代携帯電話モジュールであってもよいし、Wi-FIモジュールであってもよい。また、アンテナを内蔵するものであってもよいし、外付けアンテナを接続するコネクタを有する構成であってもよい。また、アンテナの形状および数についても特に限定するものではない。
【0055】
また、本実施形態の無線機31は、それぞれ別の集約局20(基地局22)に接続することとする。ただし、無線機31の数が集約局20の数より少ない場合には、無線機31は、接続先の集約局20を切り替えて通信することも可能である。
【0056】
<3.5.サーバ装置の構成>
サーバ装置40は、端末装置10から、交換局21,基地局22,受信局30を経由して送られてきたデータを処理する。この処理として、たとえば、サーバ装置40は、端末装置から送られてくるデータを収集,保存,分析,表示する。また、サーバ装置40は、端末装置10を制御して所望の動作を行わせる機能を持つこととしてもよいし、端末装置10に対しデータ送信を要求する機能を持つこととしてもよい。
【0057】
<3.6.技術的特徴>
(前提動作)
各集約局20は、自局に接続可能な無線機31に関する情報(以後、無線機情報と表記)を事前に登録し、保持していることを前提とする。無線機情報は、たとえば、加入者情報や機器を識別可能な識別番号(ID)、無線通信に使用する使用帯域の情報等であり、基地局22や交換局21が保持する。また、本実施形態では、端末装置10も予め無線機情報を保持しておくこととする。なお、集約局20が保持する無線機情報は、すべての集約局20で同じであってもよいし、個別に異なっていてもよい。
【0058】
(集約局と受信局との接続)
図5は、集約局20と受信局30との接続動作の一例を示す図である。
【0059】
本実施形態では、集約局20と受信局30が起動されると(ステップS11、ステップS12)、その後、接続動作が可能となる。
【0060】
起動後、集約局20は、自局の情報として、自局内の基地局22のID等を情報通知メッセージに設定し、当該情報通知メッセージを、基地局22を介して周辺の受信局30に向けて送信する(ステップS13)。
【0061】
無線機31を介して情報通知メッセージを受け取った受信局30は、当該情報通知メッセージに記載された情報に基づき希望する接続先(基地局22)であるかどうかを判断する。そして、希望する接続先であれば、受信局30は、自局に搭載された無線機31(複数の場合は選択した無線機31)の情報(ID等)を設定した接続要求メッセージを生成し、当該接続要求メッセージを、前記無線機31から集約局20へ向けて送信する(ステップS14)。なお、上記では、受信局30が、希望する接続先(基地局22)であるかどうかを判断することとしたが、これに限らず、たとえば、情報通知メッセージを受信した無線機31が上記判断処理を行うこととしてもよい。
【0062】
集約局20は、受信した接続要求メッセージの情報と、事前に登録されている無線機情報(加入者情報,ID等)を使用し、認証を行う(ステップS15)。そして、認証の結果を接続応答メッセージに設定し、基地局22から受信局30へ向けて送信する(ステップS16)。たとえば、接続を許可する場合、接続応答メッセージには、接続許可の情報(認証の結果)の他、接続維持に必要な情報として、たとえば、接続時間やデータ送信時の暗号化の鍵等の情報が設定される。
【0063】
受信局30は、無線機31を介して接続応答メッセージを取得し、接続動作を完了する。この状態で、受信局30(無線機31)と集約局20(基地局22,交換局21)が接続され、端末装置10からのデータ送信(上り方向のデータ送信)が可能な状態となる。
【0064】
なお、受信局30は、集約局20からの情報通知メッセージを受信できなかった場合、または受信した情報通知メッセージが希望する集約局20からの情報通知メッセージではなかった場合、集約局20を探索するメッセージを無線機31から送信し、応答した集約局20の中から希望する集約局20を選択し、選択した集約局20向けて接続要求メッセージを送信する。
【0065】
(サーバ要求によるデータ送信)
図6は、サーバ装置40の要求によるデータ送信動作の一例を示す図である。
【0066】
たとえば、図5に示す接続動作完了後、サーバ装置40で端末装置10からのデータが必要となった場合、サーバ装置40は、端末装置10へデータを要求するためのデータ要求メッセージAを生成し、当該データ要求メッセージAを受信局30に向けて送信する(ステップS21)。
【0067】
サーバ装置40からデータ要求メッセージAを受信した受信局30は、集約局20へ送信するためのデータ要求メッセージB(データ要求メッセージAの情報を含む)を生成し、当該データ要求メッセージBを、無線機31を介して集約局20へ向けて送信する(ステップS22)。
【0068】
データ要求メッセージBを基地局22で受信した集約局20は、端末装置10へ送信するためのデータ要求メッセージC(データ要求メッセージBの情報を含む)を生成し、当該データ要求メッセージCを、交換局21から端末装置10に向けて送信する(ステップS23)。
【0069】
データ要求メッセージCを受信した端末装置10は、サーバ装置40からのデータ要求であることを判断すると、自装置内部に保持していたデータを収集するか、または、端末装置10に接続するセンサー等からデータを収集する(ステップS24)。そして、収集したデータをデータ応答メッセージDに設定し、集約局20内の交換局21へ向けて送信する(ステップS25)。
【0070】
データ応答メッセージDを交換局21で受信した集約局20は、受信局30へ送信するためのデータ応答メッセージE(データ応答メッセージDの情報を含む)を生成し、当該データ応答メッセージEを、基地局22を介して受信局30へ向けて送信する(ステップS26)。
【0071】
データ応答メッセージEを無線機31で受信した受信局30は、サーバ装置40へ送信するためのデータ応答メッセージF(データ応答メッセージEの情報を含む)を生成し、当該データ応答メッセージFをサーバ装置40へ送信する(ステップS27)。
【0072】
サーバ装置40は、受信局30からデータ応答メッセージFを受信し、データ応答メッセージFに設定された端末装置10からのデータを抽出する(ステップS28)。
【0073】
なお、データ要求メッセージAとデータ要求メッセージBの送信数、およびデータ要求メッセージBとデータ要求メッセージCの送信数は、同数でなくてもよい。また、同様に、データ応答メッセージDとデータ応答メッセージEの送信数、およびデータ応答メッセージEとデータ応答メッセージFの送信数も、同数でなくてよい。また、端末装置10が送信するデータは、送信するデータのデータ量に応じて、たとえば、データ応答メッセージを送った後にさらに続けてデータ送信メッセージで送信するようにしてもよい。
【0074】
また、端末装置10がデータ応答メッセージやデータ送信メッセージを送信する場合等、上り方向(端末装置10の送信方向)の無線通信を実施するタイミングは、たとえば、記憶部33に記憶された情報に基づいて、制御部32が調整する。制御部32の制御で生成される送信タイミング情報は、たとえば、上記データ要求メッセージBに設定され、集約局20に向けて送信される。集約局20は、受信したデータ要求メッセージBから送信タイミング情報を抽出し、指示された送信タイミングでデータ応答メッセージやデータ送信メッセージを送信する。なお、端末装置10が送信するデータのデータ量および送信の頻度等の送信データ情報は、たとえば、サーバ装置40がデータ要求メッセージAに設定して受信局30に送信し、受信局30の制御部32がデータ要求メッセージAから抽出して記憶部33に登録しておくこととしてもよい。また、上記送信タイミング情報は、データ要求メッセージに限らず、たとえば、情報通知メッセージやその他の制御メッセージに設定して通知することとしてもよい。
【0075】
ここで、制御部32によるタイミング制御の一例を簡単に説明する。たとえば、制御部32は、記憶部33に記憶された情報を参照し、たとえば、通信経路に関する接続情報や、サーバ装置40に対してデータを送信する各端末装置10のデータ量および頻度等の送信データ情報を把握する。また、制御部32は、記憶部33に記憶された情報を参照し、無線機31が通信に使用する周波数帯の情報を取得する。そして、これらの情報に基づいて、たとえば、干渉を回避するように集約局20(基地局22)の送信タイミングを調整し、通信規格等で定められている通信速度を維持する。なお、制御部32は、記憶部33に記憶されたすべての情報に基づいてタイミング制御を行う必要はなく、記憶部33に記憶された情報のうち少なくともいずれか1つの情報に基づいてタイミング制御を行うこととしてもよい。また、記憶部33に記憶された情報を参照した結果、送信データ量が基準値よりも少ない場合や、各端末装置10が通信に使用する周波数帯域が異なる場合等、干渉が発生しない、または干渉が少ない状況が維持できる場合には、制御部32は、上り方向の送信タイミングの調整を行わないこともある。制御部32のタイミング制御により、無線区間の干渉を回避することができ、規定の通信速度を維持することができる。
【0076】
(端末装置が収集したデータのデータ送信)
図7は、端末装置10が収集したデータのデータ送信動作の一例を示す図である。
【0077】
ここでは、図5に示す接続動作完了後、端末装置10がデータ収集を実施し(ステップS31)、収集したデータをサーバ装置40へ送信する場合を想定する。この場合、端末装置10は、収集したデータをデータ送信メッセージGに設定し、当該データ送信メッセージGを集約局20内の交換局21へ向けて送信する(ステップS32)。
【0078】
データ送信メッセージGを交換局21で受信した集約局20は、受信局30へ送信するためのデータ送信メッセージH(データ送信メッセージGの情報を含む)を生成し、当該データ送信メッセージHを、基地局22を介して受信局30へ向けて送信する(ステップS33)。
【0079】
データ送信メッセージHを無線機31で受信した受信局30は、サーバ装置40へ送信するためのデータ送信メッセージI(データ送信メッセージHの情報を含む)を生成し、当該データ送信メッセージIをサーバ装置40へ送信する(ステップS34)。
【0080】
サーバ装置40は、受信局30からデータ送信メッセージIを受信し、当該データ送信メッセージIに設定された端末装置10からのデータを抽出する(ステップS35)。
【0081】
なお、データ送信メッセージGとデータ送信メッセージHの送信数、およびデータ送信メッセージHとデータ送信メッセージIの送信数は、同数でなくてもよい。
【0082】
また、上記のように、端末装置10がデータ要求メッセージを受け取ることなくデータ送信メッセージを送信するような場合は、たとえば、端末装置10によるデータ収集タイミングを制御部32に予め通知しておくか、または、記憶部33に予めデータ収集タイミングを登録しておくこととする。そして、制御部32は、送信タイミング情報を予め端末装置10に通知しておくことで、上り方向の無線通信を実施するタイミングを調整する。端末装置10は、送信タイミング情報をデータ送信前に受信局30(制御部32)から受け取ることにより、指示された送信タイミングでデータを送信する。なお、制御部32によるタイミング制御については、上記と同様である。
【0083】
以上のように、第1の実施形態にかかる通信システムにおいては、少なくとも1つの端末装置10(10-1,10-2,10-3…)と、少なくとも1つの集約局20(20-1,20-2,20-3…)と、受信局30とを備える。
【0084】
端末装置10は、上り方向のデータを送信する。つぎに、集約局20は、基地局22、およびコアネットワークを形成するコアノード群である交換局21、を含み、前記端末装置10が送信する上り方向のデータを、前記交換局21を介して前記基地局22が送信する。そして、受信局30は、前記基地局22と無線接続する少なくとも1つの無線機31(31-1,31-2,31-3,31-4…)を含み、当該無線機31で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線を介してサーバ装置40へ送信する。
【0085】
これにより、下り方向の通信速度が上り方向の通信速度よりも速いことが規定された通信システムにおいて、上り方向の通信速度を下り方向の通信速度まで高速化することができる。
【0086】
なお、下り方向(端末装置10の受信方向)のデータ送信については、図1に示す一般的な通信システムで示した構成および経路で行われることとする。これにより、下り方向と上り方向で同等の高速通信を実現できる。
【0087】
また、本実施形態の利用分野としては、上り下りの通信速度が非対称の無線ネットワークが使用されている分野が対象となる。たとえば、携帯電話ネットワーク(3Gネットワークや、LTEネットワーク、プライベートLTEネットワーク、sXGPネットワーク、NB(Narrow Band)-IoTネットワーク等)や、IoT向けネットワーク(LWPA(Low Power Wide Area)など)を利用して提供されるアプリケーション分野が対象となる。より具体的には、パブリック・セーフティ分野(消防、警察、防衛等)において隊員同士が連絡、情報共有するためのアプリケーションを実現するための無線ネットワークへの利用が考えられる。また、IoT分野において、橋や鉄橋などの公共インフラや、工場等の設備を遠隔監視するアプリケーションを提供する際の無線ネットワークへの利用が考えられる。
【0088】
<4.第1の実施形態の変形例>
【0089】
ただし、下り方向で高速な通信速度を要求されていないようなデータ通信では、サーバ装置40から、受信局30,基地局22,交換局21,端末装置10の経路でデータ送信を行うこととしてもよい。
【0090】
図8は、端末装置10の要求による下り方向のデータ送信動作の一例を示す図である。
【0091】
たとえば、図5に示す接続動作完了後、端末装置10でサーバ装置40からのデータが必要となった場合、端末装置10は、サーバ装置40へデータを要求するためのデータ要求メッセージJを生成し、当該データ要求メッセージJを集約局20に向けて送信する(ステップS41)。
【0092】
データ要求メッセージJを交換局21で受信した集約局20は、受信局30へ送信するためのデータ要求メッセージK(データ要求メッセージJの情報を含む)を生成し、当該データ要求メッセージKを、基地局22を介して受信局30へ向けて送信する(ステップS42)。
【0093】
データ要求メッセージKを無線機31で受信した受信局30は、サーバ装置40へ送信するためのデータ要求メッセージL(データ要求メッセージKの情報を含む)を生成し、当該データ要求メッセージLをサーバ装置40に向けて送信する(ステップS43)。
【0094】
データ要求メッセージLを受信したサーバ装置40は、端末装置10からのデータ要求であることを判断すると、たとえば、自装置内部に保持していたデータを収集する(ステップS44)。そして、収集したデータをデータ応答メッセージMに設定し、受信局30へ向けて送信する(ステップS45)。
【0095】
データ応答メッセージMを受信した受信局30は、集約局20へ送信するためのデータ応答メッセージN(データ応答メッセージMの情報を含む)を生成し、当該データ応答メッセージNを、無線機31を介して集約局20へ向けて送信する(ステップS46)。
【0096】
データ応答メッセージNを基地局22で受信した集約局20は、端末装置10へ送信するためのデータ応答メッセージO(データ応答メッセージNの情報を含む)を生成し、当該データ応答メッセージOを、交換局21を介して端末装置10へ送信する(ステップS47)。
【0097】
端末装置10は、集約局20からデータ応答メッセージOを受信し、データ応答メッセージOに設定されたサーバ装置40からのデータを抽出する(ステップS48)。
【0098】
<5.第2の実施形態>
第2の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0099】
<5.1.システムの構成>
図9は、第2の実施形態にかかる通信システムの概略構成の一例を示す図である。図9に示すとおり、本実施形態の通信システムには、第1の実施形態の構成に加え、サーバ装置40と受信局30の間に転送装置50を配置する。その他の構成については前述した第1の実施形態と同一である。なお、図9は、無線機31を2台、端末装置10および集約局20をそれぞれ2台としているが、これに限るものではなく、無線機31、端末装置10および集約局20は、第1の実施形態と同様に、少なくとも1台含まれていればよい。
【0100】
第2の実施形態では、転送装置50を追加することで、サーバ上のアプリケーションを必要とすることなく、端末装置10間での情報共有や通話を実現する。
【0101】
<5.2.転送装置の構成>
転送装置50は、セッション管理部51と転送制御部52とを含む。
【0102】
セッション管理部51は、転送に必要となるセッション情報を管理する。セッション情報は、たとえば、転送を必要とする端末装置10の情報であるIDやIPアドレス、およびセッションIDを含む。なお、端末装置10の情報は、図9に示す2つの端末装置10の情報に限らず、たとえば、3つ以上の端末装置10で情報を共有したい場合には、3つの端末装置10の情報を管理する。
【0103】
転送制御部52は、セッション情報に基づいて、転送元の端末装置10から送られてきたデータを転送先の端末装置10へ転送する。すなわち、図9の例では、転送元の端末装置10-1,交換局21-1,基地局22-1,受信局30(無線機31-1),転送装置50,受信局30(無線機31-2),基地局22-2,交換局21-2,転送先の端末装置10-2という流れでデータの転送が行われる。なお、端末装置10-2から端末装置10-1への転送は逆の流れとなる。
【0104】
<5.3.技術的特徴>
たとえば、転送装置50の転送制御部52は、どの端末装置10間のデータを転送するのかを判断するための情報、すなわち、セッション情報を、通信開始前にセッション管理部51に登録する。
【0105】
たとえば、端末装置10-1と端末装置10-2との間でデータ転送を行う場合、端末装置10-1は、端末装置10-2に送りたいデータをデータ送信メッセージGに設定し、当該データ送信メッセージGを集約局20-1へ向けて送信する。
【0106】
データ送信メッセージGを交換局21-1で受信した集約局20-1は、受信局30へ送信するためのデータ送信メッセージH(データ送信メッセージGの情報を含む)を生成し、当該データ送信メッセージHを、基地局22-1を介して受信局30へ向けて送信する。
【0107】
データ送信メッセージHを無線機31-1で受信した受信局30は、転送装置50へ送信するためのデータ送信メッセージI(データ送信メッセージHの情報を含む)を生成し、当該データ送信メッセージIを転送装置50へ送信する。
【0108】
転送装置50の転送制御部52は、受信局30からデータ送信メッセージIを受信した場合、セッション管理部51で管理するセッション情報を参照し、データ送信メッセージIに設定されたデータが転送すべきデータかどうかを判断する。本実施形態では、セッションIDにより端末装置10-1と端末装置10-2との間のデータ転送であることが判断できるので、転送制御部52は、データ送信メッセージP(データ送信メッセージIの情報を含む)を生成し、当該データ送信メッセージPを受信局30に向けて送信する。
【0109】
データ送信メッセージPを受信した受信局30は、データ送信メッセージQ(データ送信メッセージPの情報を含む)を生成し、当該データ送信メッセージQを、無線機31-2を介して集約局20へ向けて送信する。
【0110】
データ送信メッセージQを基地局22-2で受信した集約局20は、データ送信メッセージR(データ送信メッセージQの情報を含む)を生成し、当該データ送信メッセージRを、交換局21-2から端末装置10-2に向けて送信する。
【0111】
端末装置10-2は、データ送信メッセージRを受信し、当該データ送信メッセージRに設定された端末装置10-1から送られてきたデータを抽出する。
【0112】
なお、端末装置10-2から端末装置10-1へのデータ送信は逆の流れとなる。また、本実施形態では、一例として、受信局30と転送装置50とを別構成としたが、これに限らず、たとえば、転送装置50の機能を受信局30内に持たせることとしてもよい。図10は、転送装置50を内蔵する受信局30の構成の一例を示す図である。
【0113】
以上のように、第2の実施形態にかかる通信システムにおいては、前記受信局30から受信した上り方向のデータを予め登録された他の端末装置10に転送する転送装置50をさらに備える。
【0114】
そして、前記転送装置50は、転送するデータである転送データを前記受信局30へ送信し、前記転送データを受信した前記受信局30の無線機31が送信した転送データを、前記集約局20の基地局22、交換局21を介して前記他の端末装置10へ送信する。
【0115】
これにより、少なくとも1つの集約局20に接続された複数の端末装置10が相互にデータの送受信を行うことができる。
<6.第3の実施形態>
第3の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0116】
<6.1.システムの構成>
図11は、第3の実施形態にかかる通信システムの概略構成の一例を示す図である。本実施形態の通信システムには、少なくとも1つの端末装置10と、端末側集約局60と、端末側受信局70と、サーバ装置40と、サーバ側集約局80と、サーバ側受信局90が含まれる。なお、図11には、一例として、端末装置10が1台の構成が記載されている。以下、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付すこととし、以下、異なる構成および動作について説明する。
【0117】
端末側集約局60は、たとえば、交換局21と、基地局22と、タイミング制御部61とを含む。
【0118】
端末側受信局70は、無線機31と、タイミング通知部71とを含む。本実施形態の端末側受信局70では、第1の実施形態の受信局30の機能の1つである、無線区間の送信タイミングを制御する機能が不要となる。
【0119】
サーバ側集約局80は、たとえば、交換局21と、基地局22と、制御部81とを含む。
【0120】
サーバ側受信局90は、無線機31を含む。本実施形態の端末側受信局70では、第1の実施形態の受信局30の機能の1つである、無線区間の送信タイミングを制御する機能が不要となる。
【0121】
本実施形態では、図1に示す第1の実施形態の構成(上り方向に適用)を拡張し、第1の実施形態の構成を、サーバ装置40から端末装置10方向へのデータ送信(下り方向のデータ送信)にも適用する。
<6.2.サーバ側集約局の構成>
サーバ側集約局80は、たとえば、交換局21と基地局22と制御部81とを含み、前記交換局21がサーバ装置40およびサーバ側受信局90と接続し、前記基地局22が端末側受信局70の無線機31と接続する。制御部81は、第1の実施形態の受信局30の制御部32の機能を有する。
【0122】
<6.3.端末側集約局の構成>
端末側集約局60は、たとえば、交換局21と基地局22とタイミング制御部61とを含み、前記交換局21が少なくとも1つの端末装置10および端末側受信局70と接続し、前記基地局22がサーバ側受信局90の無線機31と接続する。タイミング制御部61は、制御部81から端末側受信局70を介して送られてくる送信タイミング情報に基づいて、端末装置10からサーバ装置40へ送信するデータの送信タイミングを制御する。
【0123】
<6.4.受信局の構成>
端末側受信局70のタイミング通知部71は、サーバ側集約局80の制御部81から無線区間を介して送られてくる送信タイミング情報を中継し、端末側集約局60のタイミング制御部61へ転送する。
【0124】
<6.5.技術的特徴>
以下、図11を用いて第3の実施形態の技術的特徴を説明する。なお、本実施形態では、サーバ側集約局80、サーバ側受信局90、端末側集約局60、端末側受信局70は、時刻の同期がとれている状態を前提とする。また、端末側集約局60とサーバ側受信局90の接続動作、およびサーバ側集約局80と端末側受信局70の接続動作については、前述した集約局20と受信局30の接続動作(図5参照)と同様の手順で行うものとする。また、端末装置10による上り方向のデータ送信動作についても、サーバ装置40とサーバ側受信局90(第1の実施形態の受信局30に対応)との間にサーバ側集約局80が配置されていること以外、第1の実施形態と同様に行う(図6および図7参照)。すなわち、端末装置10から送信されたデータは、端末側集約局60(交換局21、基地局22)、サーバ側受信局90、サーバ側集約局80(交換局21)、サーバ装置40の経路で送信される。
【0125】
第3の実施形態において、サーバ装置40と接続するサーバ側集約局80には、たとえば、制御部81が設置される。制御部81は、端末側集約局60の基地局22からサーバ側受信局90の無線機31へデータを送信するタイミング、およびサーバ側集約局80の基地局22から端末側受信局70の無線機31へデータを送信するタイミング、を調整する。これにより、無線区間のデータ送信タイミングが同時になることを避けることができる。
【0126】
たとえば、サーバ側集約局80の基地局22と端末側集約局60の基地局22の使用する周波数帯,チャネルが同じ場合、それぞれの基地局22が単独でデータを送信すると、干渉が発生する可能性ある。そこで、本実施形態では、制御部81が、タイムスロットの割り当てや送信タイミングを管理することで、干渉を回避する。
【0127】
具体的には、サーバ側集約局80の制御部81は、管理対象となる集約局(図8では2つ)と受信局(図8では2つ)の数と構成を事前に把握しておくか、または、接続している状態から把握する。図9では、サーバ側受信局90は端末側集約局60に無線接続し、端末側受信局70と端末側集約局60は連携し、端末側受信局70はサーバ側集約局80に無線接続している。制御部81は、この状況(通信経路に関する接続情報)を把握する。
【0128】
この状況において、制御部81は、端末側集約局60の基地局22が送信するデータ(端末装置10からサーバ装置40方向へ送信するデータ)の送信タイミング情報を生成する。具体的には、制御部81は、管理対象となる集約局(図8では2つ)と受信局(図8では2つ)の数と構成に基づいて、無線区間におけるデータ送信タイミングが同時になることを避けるように、送信タイミング情報を生成する。そして、制御部81は、生成した送信タイミング情報を、サーバ側集約局80の基地局22から端末側受信局70へ向かって送信する。
【0129】
前記送信タイミング情報を端末側受信局70の無線機31を介して受信したタイミング通知部71は、端末側集約局60のタイミング制御部61に対し、前記送信タイミング情報を転送する。そして、端末側集約局60のタイミング制御部61は、通知された送信タイミング情報に基づいて、端末側集約局60の基地局22によるデータ送信タイミングを制御する。端末側集約局60の基地局22は、このタイミング制御に従って、端末装置10から受信したデータをサーバ側受信局90へ送信する。
【0130】
なお、本実施形態では、サーバ側集約局80の制御部81が無線区間の送信タイミングを調整することとしたが、これに限らず、端末側集約局60が制御部81の機能を有することとしてもよい。この場合は、サーバ側集約局80にタイミング制御部61を設け、サーバ側受信局90が送信タイミング情報を中継することになる。
【0131】
これにより、無線区間(端末側集約局60の基地局22~サーバ側受信局90の無線機31の区間、およびサーバ側集約局80の基地局22~端末側受信局70の無線機31の区間)のデータの送信タイミングが同時になることを避けることができ、干渉を回避できる。また、制御部81が管理対象となる集約局と受信局の数と構成を把握することにより、たとえば、端末側集約局60に接続可能な端末装置10が複数存在する場合であっても、上記同様のタイミング制御が可能である。また、少なくとも1つの端末装置10と端末側集約局60と端末側受信局70とを組み合わせた構成が複数存在する場合であっても、上記同様のタイミング制御が可能である。すなわち、本実施形態では、複数台の端末装置10が同時通信を行う場合であっても、無線区間の干渉を回避することができる。
【0132】
また、本実施形態では、図1に示す第1の実施形態の構成(上り方向に適用)を拡張し、第1の実施形態の構成を、サーバ装置40から端末装置10方向へのデータ送信(下り方向)にも適用し、さらに、サーバ装置40側にも、交換局21および基地局22を有するサーバ側集約局80を追加する。これにより、たとえば、端末装置10が複数台存在した際の端末装置10間の通信(転送)を高速化することも可能となる。
【0133】
以上のように、第3の実施形態にかかる通信システムにおいては、少なくとも1つの端末装置10と、端末側集約局60と、サーバ側受信局90と、サーバ側集約局80と、端末側受信局70と、を備える。
【0134】
たとえば、端末装置10は、上り方向のデータを送信する。つぎに、端末側集約局60は、基地局22、およびコアネットワークを形成するコアノード群である交換局21、を含み、前記端末装置10が送信する上り方向のデータを、前記交換局21を介して前記基地局22から送信する。そして、サーバ側受信局90は、前記基地局22と無線接続する少なくとも1つの無線機31を含み、当該無線機31で受信した前記上り方向のデータをサーバ装置40へ向けて送信する。
【0135】
一方、サーバ側集約局80は、基地局22、およびコアネットワークを形成するコアノード群である交換局21、を含み、サーバ装置40側から送られてくる下り方向のデータを、前記交換局21を介して前記基地局22が送信する。そして、端末側受信局70は、前記基地局22と無線接続する少なくとも1つの無線機31を含み、当該無線機31で受信した前記下り方向のデータを前記端末装置10へ送信する。
【0136】
これにより、下り方向の通信速度が上り方向の通信速度よりも速いことが規定された通信システムにおいて、上り方向の通信速度を下り方向の通信速度まで高速化することができる。
【0137】
<7.第4の実施形態>
つづいて、図12を参照して、本発明の第4の実施形態を説明する。上述した第1の実施形態は、具体的な実施形態であるが、第4の実施形態は、より一般化された実施形態である。
【0138】
<7.1.システムの構成>
図12は、第4の実施形態にかかる通信システムの概略構成の一例を示す図である。図12を参照すると、本実施形態の通信システムは、少なくとも1つの端末装置100と、少なくとも1つの集約局110と、受信局120とを備える。
【0139】
<7.2.技術的特徴>
つぎに、第4の実施形態の技術的特徴を説明する。
【0140】
第4の実施形態では、端末装置100は、上り方向のデータを送信する。
【0141】
集約局110は、基地局112、およびコアネットワークを形成するコアノード群である交換局111、を含み、前記端末装置100が送信する上り方向のデータを、前記交換局111を介して前記基地局112が送信する。
【0142】
受信局120は、前記基地局112と無線接続する少なくとも1つの無線機121を含み、当該無線機121で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信する。
【0143】
たとえば、本実施形態の通信システムは、第1の実施形態にかかる通信システムの動作を行ってもよい。
【0144】
以上、第4の実施形態を説明した。第4の実施形態によれば、たとえば、下り方向の通信速度が上り方向の通信速度よりも速いことが規定された通信システムにおいて、上り方向の通信速度を下り方向の通信速度まで高速化することができる。
【0145】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0146】
(付記1)
上り方向のデータを送信する少なくとも1つの端末装置と、
基地局、およびコアネットワークを形成するコアノード群である交換局、を含み、前記端末装置が送信する上り方向のデータを、前記交換局を介して前記基地局から送信する、少なくとも1つの集約局と、
前記基地局と無線接続する少なくとも1つの無線機を含み、当該無線機で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信する受信局と、
を備える通信システム。
【0147】
(付記2)
前記受信局は、
無線区間における上り方向のデータの送信タイミングを調整する制御部、
をさらに備える、
付記1に記載の通信システム。
【0148】
(付記3)
前記制御部は、
上り方向のデータの通信経路に関する接続情報、前記端末装置が送信するデータに関する送信データ情報、および無線通信で使用する周波数帯に関する情報のうちの少なくともいずれか1つの情報に基づいて、無線区間における上り方向のデータの送信タイミングを調整する、
付記2に記載の通信システム。
【0149】
(付記4)
前記受信局から受信した上り方向のデータを予め登録された他の端末装置に転送する転送装置、
をさらに備え、
前記転送装置は、転送するデータである転送データを前記受信局へ送信し、
前記転送データを受信した前記受信局の無線機が送信した転送データを、前記集約局の基地局、交換局を介して前記他の端末装置へ送信する、
付記1、2または3に記載の通信システム。
【0150】
(付記5)
前記交換局を、第4世代移動通信システムのLTEのコアネットワークを構成するコアノード群とする、
付記1~4のいずれか1つの通信システム。
【0151】
(付記6)
前記交換局を、第5世代移動通信システムのコアネットワークを構成するコアノード群とする、
付記1~4のいずれか1つの通信システム。
【0152】
(付記7)
前記交換局を、プライベートLTEのsXGPのコアノード群とする、
付記1~4のいずれか1つの通信システム。
【0153】
(付記8)
上り方向のデータを送信する少なくとも1つの端末装置と、
第1の基地局、およびコアネットワークを形成するコアノード群である第1の交換局、を含み、前記端末装置が送信する上り方向のデータを、前記第1の交換局を介して前記第1の基地局から送信する、少なくとも1つの第1の集約局と、
前記第1の基地局と無線接続する少なくとも1つの第1の無線機を含み、当該第1の無線機で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信する第1の受信局と、
を備え、
さらに、
第2の基地局、およびコアネットワークを形成するコアノード群である第2の交換局、を含み、サーバ装置側から前記所定の通信回線を介して送られてくる下り方向のデータを、前記第2の交換局を介して前記第2の基地局から送信する、少なくとも1つの第2の集約局と、
前記第2の基地局と無線接続する少なくとも1つの第2の無線機を含み、当該第2の無線機で受信した前記下り方向のデータを前記端末装置へ送信する第2の受信局と、
を備える通信システム。
【0154】
(付記9)
前記第1の集約局または第2の集約局は、
無線区間におけるデータの送信タイミングを調整する制御部、
をさらに備える、
付記8に記載の通信システム。
【0155】
(付記10)
基地局と、コアネットワークを形成するコアノード群である交換局と、
を含み、
端末装置が送信する上り方向のデータを、前記交換局を介して前記基地局から送信する、
集約局。
【0156】
(付記11)
基地局と無線接続する少なくとも1つの無線機、
を含み、
端末装置が送信する上り方向のデータを、コアネットワークを形成するコアノード群である交換局を介して、前記基地局から送信した場合に、前記無線機で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信する、
受信局。
【0157】
(付記12)
無線区間における上り方向のデータの送信タイミングを調整する制御部、
をさらに備える、
付記11に記載の受信局。
【0158】
(付記13)
前記制御部は、
上り方向のデータの通信経路に関する接続情報、前記端末装置が送信するデータに関する送信データ情報、および無線通信で使用する周波数帯に関する情報のうちの少なくともいずれか1つの情報に基づいて、無線区間における上り方向のデータの送信タイミングを調整する、
付記12に記載の受信局。
【0159】
(付記14)
端末装置が上り方向のデータを送信することと、
コアネットワークを形成するコアノード群である交換局が、前記端末装置から受信した前記上り方向のデータを送信することと、
基地局が、前記交換局から受信した前記上り方向のデータを送信することと、
前記基地局と無線接続する無線機を含む受信局が、当該無線機で受信した前記上り方向のデータを所定の通信回線へ送信することと、
を含む通信方法。
【符号の説明】
【0160】
10,10-1,10-2,10-3,100,201 端末装置
20,20-1,20-2,20-3,110 集約局
21,21-1,21-2,21-3,111,203 交換局
22,22-1,22-2,22-3,112,202 基地局
30,120 受信局
31,31-1,31-2,31-3,31-4,121 無線機
32,81 制御部
33 記憶部
40,204 サーバ装置
50 転送装置
51 セッション管理部
52 転送制御部
60 端末側集約局
61 タイミング制御部
70 端末側受信局
71 タイミング通知部
80 サーバ側集約局
90 サーバ側受信局
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12