(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】治療用アプリおよびメンタルヘルスケアアプリを含むシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20240319BHJP
【FI】
G16H20/00
(21)【出願番号】P 2022109369
(22)【出願日】2022-07-07
【審査請求日】2024-01-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522174281
【氏名又は名称】ロゴスサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000431
【氏名又は名称】弁理士法人高橋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 栄彦
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0233225(US,A1)
【文献】特表2020-537462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00ー80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療用アプリを提供するアプリメーカーの情報処理装置と、医療機関の情報処理装置と、患者の情報処理端末とを含むシステムにおいて、
前記医療機関の情報処理装置を介して前記患者の前記情報処理端末において、前記治療用アプリが利用可能とされ、
アプリメーカーの情報処理装置は、前記患者の前記治療用アプリの利用に伴う治療に関する情報、インセンティブとして付与する対象物の情報、及びインセンティブを付与する付与条件に基づいて、インセンティブ情報を生成し、
前記アプリメーカーから前記医療機関に対して
、前記インセンティブ情報に基づくインセンティブが付与される
、ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療用アプリおよびメンタルヘルスケアアプリを含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、心因性疾患の治療を、従来の医師との対面診断により処方される薬剤の投与に代わって、スマートフォン等のデジタルデバイスにインストールされたアプリケーションのソフトフェアプログラム(以後、治療用アプリという)によって行う技術が開発されてきた。この技術において、医師の診断、あるいは代替えするシステムの疾患の診断により、患者の疾患あるいは病態が特定され、それらに応じた治療用アプリが処方され、患者は薬剤の投与に代わって、この治療用アプリを実践することによって治療を行うことになる。治療用アプリには薬剤による重篤な副作用などがなく、また、患者のスマートフォンやタブレット端末、PCなどで容易に実施することができるので、その開発が大いに期待されている。
【0003】
特に、心因性疾患の治療用のアプリなどでは、症状の改善のためには継続的に患者がアプリによる治療を受診する必要があるが、そのモチベーションが保てない、あるいは、治療効果等の検証のために、治療状況や治療結果のフィードバックが必要な場合がある。しかしながら、単に治療用アプリを処方しただけでは必ずしもこれらの改善を図ることが難しい。
【0004】
特許文献1には、医療機関側端末と、患者側端末と、サーバからなる医療用システムを利用し、患者側端末はサーバから治療用アプリをダウンロードし、患者が治療用アプリで治療を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、治療用アプリを含む治療システムを開示すること、さらに、治療用アプリ等の利用者がアプリの治療を継続し、治療効果のデータ収集を確実にすることである。本発明が解決しようとするもう一つの課題は、メンタルヘルスケアアプリを含むメンタルヘルス改善システムを開示すること、さらに、メンタルヘルス改善アプリ等の利用者がアプリの使用を継続し、改善効果に関するデータ収集を確実にすることである。また、治療用アプリ市場はできたばかりで未だに医師等の認識が乏しく、処方に対するハードルが高く、市場が確立していない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
治療用アプリまたはメンタルヘルスアプリが提供されるシステムにおいて、そのアプリを行う対象者、あるいは、その対象者を監督する者に対して、アプリの実施状況に応じて、あるいは、アプリの完了に対してインセンティブを付与する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシステムによれば、治療用アプリあるいはメンタルヘルスケア改善アプリの実施システムを容易に構築でき、さらに、治療用アプリやメンタルヘルスアプリの継続を確実とし、また、データ収集を用意とすることができる。また、治療用アプリ等の新市場のアプリの普及による市場拡大を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本発明のインセンティブの対応表の一例を示す図である。
【
図6】本発明のインセンティブの対応表の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0010】
(実施例1)
図1は第1の実施例を示す図である。
図1には、治療システム100、アプリメーカー101、アプリメーカー情報処理装置102、データベース103、配信サービス提供コンテンツプロバイダーや医療機器販売業者の情報処理装置やサーバである、プロバイダサーバ104、医療機関に設置された情報処理装置105、患者等のアプリの対象者が利用するパーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイスなどの患者情報処理端末106が含まれ、それぞれの要素がインターネットや専用回線、公衆通信網、有線ネットワークで接続されている。医療機関はオンライン診療を行う医療機関であると、すべての処理がネットワーク上で完結するので患者の利便性が向上する。治療システムにはデータベース103に蓄えられる治療データに従って、治療用アプリの治療効果の判定機能を有し、治療用アプリで提供される、複数の治療用のモジュールのセットを最適と考えられるセットに切り替える機能を有してもよい。
【0011】
次に
図1を参照しながら、処理の流れを説明する。まず、(1)治療用アプリがアプリメーカー101からプロバイダサーバ104に提供され、(2)プロバイダサーバを有するプロバイダと医療機関情報処理装置105を有する医療機関が販売契約を行い、医療機関情報処理装置105で治療用アプリに関する情報を提供可能となる。(3)医療機関情報処理装置105では、来院した患者に診断を行い、適切な治療用アプリを選択する。つづいて、選択された治療用アプリおよび治療に関する情報、例として、疾患情報、ダウンロードURL、治療期間、患者情報、を、医療機関情報処理装置105に備えられた電子カルテ等から処方箋等の処方情報として提供する。処方情報としては、医療機関情報処理装置105と患者情報処理端末106との間で、紙に記載された処方箋の情報を二次元コード情報等を介して読んでもよいが、直接、インターネットや、近距離無線通信などで接続して医療機関情報処理装置105の医療管理プログラムと患者情報処理端末106のアプリを接続して情報の授受を自動的、あるいは手動で行ってもよい。次に(4)患者は治療アプリを含む診療費の支払いを行う。ここで、前述のアプリ等を介して、電子決済、クレジットカード払いを用いて行うと都合がよい。(5)次に、患者は患者情報処理端末106に処方された治療用アプリをプロバイダサーバ104からダウンロードし、治療に関する情報を治療用アプリにセットする。ここで、治療用アプリをプロバイダサーバ104からダウンロードするようにしたが、データベース103あるいは医療機関情報処理装置105からダウンロードするようにしてもよい。つづいて、(6)医療機関情報処理装置105からプロバイダサーバ104、(7)プロバイダサーバ104からアプリメーカー情報処理装置に支払情報を送信され支払いが行われる。ただし、本実施例のように都度支払いが行われるのではなく、処方数の合計や期間あたりの契約としてそれに応じて支払いを行うようにしてもよい。次に(8)実際の治療用アプリによる治療が開始され、患者情報処理端末106と、アプリメーカー101のデータベース103とのデータ送受が開始され、治療が実施される。(9)、(10)治療用アプリの実施状況、途中経過、結果等のデータは、アプリメーカー101の情報処理装置102からプロバイダサーバ104、医療機関の情報処理装置105に送信される。ここで、直接、医療機関の情報処理装置105に送信されるようにしてもよい。医療機関の情報処理装置105では医師または看護師等が受信した実施状況、途中経過、結果を確認して治療に生かすことができる。ここで、医療機関の情報処理端末105のプログラムで受信データのフィルタ処理を行うことができる。ここでフィルタ処理は事前に設定されるもので、例えば、所定期間以上、アプリによる治療を実施していない、あるいはアプリで提供されるワークの実施時間が極端に短い、効果が表れていない、といったものが挙げられるがこれに限られるものではない。これらのフィルタ処理で問題が確認された場合、医療機関の情報処理装置105でポップアップ処理等のアラートを行い、医師看護師に注意喚起することができる。また、問題に対応した処理を予め設定しておき、例えば、所定期間以上利用がない場合は患者の情報処理端末106に通知を行うようにすることができる。つづいて、(11)治療用アプリの途中経過や治療効果、治療結果を患者の情報処理端末106に提供し、情報処理端末106の表示器等を介して患者に知らせる。ここで、情報処理端末106への情報の流れは情報処理装置105からにすると、患者に合わせて周知する情報を主治医が選択して送付することができるので最も都合がよいが、予め送信情報を設定して、データベース103から送信するようにしてもよい。また、本実施例ではプロバイダサーバ104から治療用アプリをダウンロードし、治療用アプリとアプリメーカーとの間でデータの送受を行い、治療を行う構成としているが、治療用アプリを患者がアプリメーカーからダウンロードするようにし、そのダウンロードのための情報をプロバイダサーバおよび/または医療機関の情報処理装置で生成して患者の情報処理端末で利用可能とする構成にしてもよい。
【0012】
次に(12)患者による治療用アプリの治療状況に応じて、アプリメーカー102でインセンティブ情報が生成される。インセンティブ情報を算出するために、データベース103にはインセンティブ情報を生成するためのメモリ(図示しない)が設けられている。インセンティブ情報を算出するために、たとえば、患者情報、医療機関情報、プロバイダー情報などの対象者情報、ダウンロード順位(順番)、ダウンロード数順位、治療用プリによるアセスメント結果、アセスメント結果の推移、治療用アプリの開始日、治療用アプリの終了日、治療用アプリの終了順位(順番)などの算出情報、インセンティブとして付与する対象物情報(たとえば、ポイント、金銭など)、その他の情報が一覧リストとしてメモリに保存され、同時に、それらの変換式や、付与条件が保存されている。ここで、システム101にはインセンティブ情報の発生をもたらすイベントを監視(モニタリング)する機能が設けられている。この機能は処理(8)のデータ送受、処理(9)、処理(10)、処理(11)を実施するプログラムの一機能として含まれると都合がよい。また、いずれかのネットワーク上の情報処理装置、情報処理端末、サーバで行われると都合がよい。
【0013】
たとえば、インセンティブ情報として、たとえば、対象者として医療機関が、付与条件として治療用アプリの終了、治療用アプリの終了順位、付与条件、対象物情報、が用いられ、医療機関Aから処方された患者Aが、2022年6月20日に終了順位300番で終了した場合、
図2の付与条件を参照し、診療報酬の20%が医療機関Aにアプリメーカーからデータの購入費としてのキャッシュバックの情報が生成される。このインセンティブ情報に基づいてアプリメーカーから医療機関へ支払いが行われる。この決済もオンラインによる自動決済にされると都合がよい。本実施例ではインセンティブの対象は医療機関としているが、患者やプロバイダあるいは、それらの組み合わせでもよく、インセンティブの対象物を付与する対象者に応じて変えてもよい。また、インセンティブ目当てで中身を適切に実行しないことが想定される場合は、インセンティブ対象として、患者を除いてもよい。一方で治療用アプリ等は患者の選択というよりも医師の選択による処方という医薬品・医療機器分野で特有な特殊な事情があるので、医師に対するインセンティブは非常に有効である。医師にインセンティブをもたらすことで患者に対するより一層のサポートの動機づけとなることも期待できる。アプリを処方する医療機関では患者のアプリ継続への動機づけとなり、患者の継続を積極的にサポートするので治療効果も高まる。さらに、治療データをアプリメーカーが購入する構成としたことでアプリメーカーが新規開発や従来アプリの改修、新規の医療用データベースの構築が可能となる。
【0014】
(実施例2)
図2は第2実施例を示す図である。
図2には、治療システム200、アプリメーカー101、アプリメーカー情報処理装置102、データベース103、医療機関に設置された情報処理装置105、患者等のアプリの対象者が利用するパーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイスなどの患者情報処理端末106が含まれ、それぞれの要素がインターネットや専用回線、公衆通信網、有線ネットワークで接続されている。実施例1とはプロバイダサーバ104がシステム200に含まれず、アプリメーカーと医療機関の情報処理装置105が直接接続されている点だけが異なり、処理も実施例1と同様に行われる。この場合、(5)治療用アプリはデータベース103からダウンロードされているが、実施例1と同様に医療機関の情報処理装置105からダウンロードするように構成してもよい。
【0015】
(実施例3)
図3は第3実施例を示す図である。
図3には、治療システム300、アプリメーカー101、アプリメーカー情報処理装置102、データベース103、患者等のアプリの対象者が利用するパーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイスなどの患者情報処理端末106が含まれ、それぞれの要素がインターネットや専用回線、公衆通信網、有線ネットワークで接続されている。実施例1とはプロバイダサーバ104および医療機関の情報処理装置105がシステム300に含まれず、アプリメーカーと患者の情報処理端末106が直接接続されている点だけが異なり、処理も実施例1と同様に行われる。
【0016】
(実施例5)
図5は第5実施例を示す図である。
図5には、ヘルスケア管理システム500、アプリメーカー501、アプリメーカー情報処理装置502、データベース503、福利厚生サービス提供コンテンツプロバイダーや職種別コンテンツプロバイダー、保険サービスコンテンツプロバイダー、就職サービスコンテンツプロバイダーなどの情報処理端末やサーバである、プロバイダサーバ504、企業に設置された情報処理装置505、企業に所属あるいは関連するアプリの対象者が利用するパーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイスなどの労働者情報処理端末506が含まれ、それぞれの要素がインターネットや専用回線、公衆通信網、有線ネットワークで接続されている。
【0017】
次に
図5を参照しながら、処理の流れを説明する。まず、(1)ヘルスケアアプリがアプリメーカー501から契約関係のあるプロバイダのプロバイダサーバ504に提供され、(2)プロバイダサーバを有するプロバイダと企業情報処理装置505を有する企業が販売契約を行い、企業情報処理装置505を有する企業でヘルスケアアプリに関する情報を利用可能となる。また、同時に当該企業に所属する労働者もプロバイダの提供するサービスを労働者情報処理端末506を介して利用可能となる。プロバイダからのアプリの提供方法としてはスタンドアローンのアプリとしてプロバイダのアプリショップに載せる方法やコンテンツプロバイダの提供するプラットフォームの一部として機能するアドオンプログラム、あるいは、プラットフォームから呼び出すアプリプログラムとしての提供などが考えられる。(3)企業の情報処理装置505を介してプロバイダのプロバイダサーバ504に支払情報が送信される。つづいて、(4)プロバイダのプロバイダサーバ504を介してアプリメーカーの情報処理装置502に支払情報が送信され、支払いが行われる。ただし、本実施例のように都度支払いが行われるのではなく、処方数の合計や期間あたりの契約としてそれに応じて支払いを行うようにしてもよい。次にヘルスケアアプリの処理を説明する。(5)労働者はプロバイダの提供するサービスから希望するヘルスケアアプリ(プラットフォームのヘルスケアプログラム機能の呼び出しを含む)を選択して、プロバイダサーバ504から労働者情報処理端末506にダウンロードする。ここで、アプリをダウンロードするだけでなく、プロバイダサーバ504の提供するWEB版のUI/UXとして機能を利用することも可能である。(6)労働者の情報処理端末506から、選択されたヘルスケアアプリおよびヘルスケアに関する情報、労働者情報など、を、プロバイダサーバ504のプラットフォームのデータベース(図示しない)に送信する。(7)ヘルスケアアプリを労働者が開始し、労働者の情報処理端末506とデータベース503でデータの送受を開始され、ヘルスケアを行う。ここで、最初に行った通信時を所定のアプリ利用期間の開始時点としてカウントを開始し、所定期間が終了した場合にはデータベース503から終了のメッセージを労働者の情報処理端末506に送信し、表示させる。利用期間中に経過日数や残存日数を端末506の表示器で表示するようにしてもよい。この利用可能期間は、ヘルスケアアプリの推奨利用期間、あるいは、企業とプロバイダとの間の契約で決定される。(8)、(9)ヘルスケアアプリの実施状況、途中経過、結果等のデータは、アプリメーカー501の情報処理装置502からプロバイダサーバ504、企業の情報処理装置505に送信される。ここで、直接、企業の情報処理装置505に送信されるようにしてもよい。企業の情報処理装置505に送信する情報、および、(10)企業担当者が情報処理装置505からプロバイダサーバ504に情報を要求して確認できる情報は労働者が許可した情報、あるいは、所定の情報がマスクされた情報とすると都合がよい。これは、ヘルスケア、特にメンタルヘルスの情報を企業が把握できるようにすると労働者のアプリ利用意欲を削ぐ場合があるからである。また、これらの情報も企業担当者が匿名情報、あるいは、部署ごとのまとまった情報、他企業との比較情報、といった形で確認できるようにしてもよい。企業のヘルスケア担当部署、典型的には人事部や総務部、の担当者は、部署ごとに改善の勧告を行ったり、他企業との比較を当該企業のヘルスケア政策の資料として使うことができる。企業担当者はこれらの情報から、実施状況、途中経過、結果を確認して労働者のメンタルヘルス改善に生かすことができる。(11)アプリ実施中の労働者はプロバイダサーバ504のプラットフォーム等を介して実施状況、途中経過、結果等のデータを確認することができる。
【0018】
次に(12)労働者によるヘルスケアアプリの治療状況に応じて、アプリメーカー102でインセンティブ情報が生成される。インセンティブ情報を算出するために、データベース503にはインセンティブ情報を生成するためのメモリ(図示しない)が設けられている。インセンティブ情報を算出するために、たとえば、労働者情報、企業情報、プロバイダー情報などの対象者情報、ダウンロード順位(順番)、ダウンロード数順位、ヘルスケアアプリによるアセスメント結果、アセスメント結果の推移、ヘルスケアアプリの開始日、ヘルスケアアプリの終了日、ヘルスケアアプリの終了順位(順番)などの算出情報、インセンティブとして付与する対象物情報(たとえば、ポイント、金銭など)、その他の情報が一覧リストとしてメモリに保存され、同時に、それらの変換式や、付与条件が保存されている。ここで、システム501にはインセンティブ情報の発生をもたらすイベントあるいはアプリの実施状況を監視する機能が設けられている。この機能は処理(7)のデータ送受、処理(8)、処理(9)、処理(11)を実施するプログラムの一機能として含まれると都合がよい。
【0019】
たとえば、インセンティブ情報として、たとえば、対象者として企業が、付与条件として、契約年度、ヘルスケアアプリの実施率、対象物情報、が用いられ、契約から2年目となる企業Aに所属する労働者が、2022年6月に、全社員の30%がヘルスケアアプリを実施していた場合、
図6の付与条件を参照し、契約上の利用料の20%が企業Aにアプリメーカーからデータの購入費としてのキャッシュバックの情報が生成される。このインセンティブ情報に基づいてアプリメーカーから企業Aへ支払いが行われる。この決済もオンラインによる自動決済にされると都合がよい。アプリを提供する企業では労働者のアプリ継続への動機づけとなり、労働者の継続を積極的にサポートするので改善効果も高まる。対象者を企業にした場合、担当部署は人事部や総務部等となることが想定される。これらの部所では一般に会社のコストセンターとなっているので収益が上がることは企業として好ましいことである。また、実施例1と同様に、インセンティブを複数に付与したり、対象物をそれぞれ変えることも可能で、また、労働者をインセティブ付与対象から除外したほうが良い場合もある。さらに、改善データをアプリメーカーが購入する構成としたことでアプリメーカーが新規開発や従来アプリの改修、新規のヘルスケア改善用データベースの構築が可能となる。
【0020】
実施例1と実施例2,3で対比して説明したように、実施例5を変形し、プロバイダ504または/および企業の情報処理装置505を省き、直接後続の対象者と接続するように構成することもできる。また、それぞれの実施例で説明した技術は他の実施例で用いることが可能なことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0021】
101 アプリメーカー
102 アプリメーカーの情報処理装置
103 データベース
104 プロバイダサーバ
105 医療機関の情報処理装置
106 患者の情報処理端末