(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】ブレーキキャリパー
(51)【国際特許分類】
F16D 63/00 20060101AFI20240319BHJP
F16D 65/02 20060101ALI20240319BHJP
F16D 55/228 20060101ALI20240319BHJP
F16D 55/227 20060101ALI20240319BHJP
F16D 65/18 20060101ALI20240319BHJP
B60T 13/74 20060101ALI20240319BHJP
F16D 121/04 20120101ALN20240319BHJP
F16D 121/24 20120101ALN20240319BHJP
F16D 125/40 20120101ALN20240319BHJP
【FI】
F16D63/00 A
F16D65/02 B
F16D65/02 C
F16D55/228
F16D55/227 106A
F16D65/18
B60T13/74 G
F16D121:04
F16D121:24
F16D125:40
(21)【出願番号】P 2022144537
(22)【出願日】2022-09-12
【審査請求日】2022-11-25
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】522362419
【氏名又は名称】捷加企業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 瑞發
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/174434(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0383336(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0335908(US,A1)
【文献】国際公開第2018/003393(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 13/00-13/74
F16D 49/00-71/04
F16D 121/04
F16D 121/24
F16D 125/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定台、ピストンユニット、蓋体、ライニングユニット、スライド台及びドライブユニットを有するブレーキキャリパーであって、
前記固定台は、第一側壁、及び前記第一側壁に相対して設置される第二側壁を有し、前記第一側壁と前記第二側壁の間には収容設置空間を取り囲んで形成し、前記第一側壁の内壁面には、軸線に平行に、前記収容設置空間に連通する少なくとも1個のピストン槽を設置し、前記第二側壁の外壁面には、前記軸線に平行に、前記収容設置空間に連通するピストン孔を貫通するように設置し、前記固定台には、前記ピストン槽と前記ピストン孔に連通するオイルパイプをさらに設置し、前記オイルパイプには、出入口を設置し、前記第二側壁の外壁面には、前記軸線に平行に少なくとも2個の導入孔を設置し、
前記ピストンユニットは、前記ピストン槽にスライドするように設置する少なくとも1個の第一ピストン、及び前記ピストン孔にスライドするように設置する第二ピストンを備え、前記第二ピストンは、前記固定台外の片側に向かい、収容設置槽を陥没状に設置し、前記収容設置槽の内壁面には、前記軸線に平行に、少なくとも1個の導引部を設置し、及び前記収容設置槽の底部には、押される面を設置し、前記ピストンユニットは、前記収容設置槽にスライドするように設置される、押し動かし部材をさらに有し、前記押し動かし部材の外壁面には、前記導引部に対応し、少なくとも1個のスライド部を設置し、前記スライド部は、前記導引部にスライドするように設置され、これにより前記押し動かし部材は、前記軸線に沿ってのみ、前記第二ピストンに相対してスライドし、同時に前記押し動かし部材は、前記押される面の片側に向かい、押し動かし面を設置し、前記押し動かし面と前記押される面の間には、取り囲んで押し動かし空間を形成し、前記押し動かし部材は、前記収容設置槽外の片側に向かい、位置限定面を設置し、前記位置限定面に、前記軸線に平行に、ネジ孔を設置し、前記第二ピストンの外壁面と前記ピストン孔の内壁面の間には、少なくとも1個の第一流道を設置し、前記第一流道は、前記オイルパイプと相互に連通し、及び前記第二ピストンの内壁面と前記押し動かし部材の外壁面の間には、少なくとも1個の第二流道を設置し、前記第二流道は、前記押し動かし空間と相互に連通し、
前記蓋体は、前記ピストン孔の外側に蓋をし、前記蓋体の内壁面には、前記ピストン孔内に向かい、係止部を延伸し、前記係止部には、少なくとも1個の連通孔を設置し、
前記蓋体の前記係止部には前記連通孔に相当する凹部を有し、前記第二ピストンが前記蓋体方向へとスライドし
、前記連通孔は前記第一流道と前記第二流道に導通し、前記蓋体の外壁面には、前記ネジ孔に対応する軸孔を貫通状に設置し、
前記ライニングユニットは、前記収容設置空間に設置され、前記第一ピストン近くに設置される第一ブレーキライニング、及び前記第二ピストン近くに設置される第二ブレーキライニングを有し、
前記スライド台は、前記第二側壁に近接する外側に設置し、前記各導入孔に対応し、それぞれ導入柱を設置し、それぞれ前記各導入孔に通して設置し、これにより前記スライド台は、前記軸線に平行に、前記固定台に相対してスライド作動でき、前記スライド台は、前記軸孔に対応し、定位孔を設置し、及び前記スライド台の周囲には、前記第一側壁方向へ向かい連動アームを延伸し、前記連動アームの末端には、連動部を設置し、前記連動部は、前記第一側壁と前記第一ブレーキライニングの間に位置し、
前記ドライブユニットは、前記スライド台に設置され、前記スライド台に従い移動し、前記定位孔内に回転するように設置されるドライブロッドを有し、前記ドライブロッドの一端には、前記軸孔に対応し、軸部を設置し、前記軸部は、前記軸孔内でスライド作動し、前記軸部の前端には、前記ネジ孔に対応し、ボルト部を延伸し、前記ボルト部は、前記ネジ孔に螺設され、前記ドライブロッドのもう一端には、連結部を設置し、ドライブソースを連結し、前記ドライブソースの駆動を受け、前記押し動かし部材を螺動し、前記収容設置槽内でスライド作動させることを特徴とする、ブレーキキャリパー。
【請求項2】
前記ピストン孔の内壁面には、前記オイルパイプに連通する環状槽、及び前記軸線に平行で、前記環状槽と相互に連通する複数の長形槽を環状に設置し、
これにより、前記第二ピストンの外壁面と前記各長形槽の間には、それぞれ取り囲んで前記第一流道を形成することを特徴とする、請求項1に記載のブレーキキャリパー。
【請求項3】
前記押し動かし部材の直径は、前記収容設置槽の直径より小さく、これにより前記第二ピストンの内壁面と前記押し動かし部材の外壁面の間には、前記第二流道を形成することを特徴とする、請求項1に記載のブレーキキャリパー。
【請求項4】
前記収容設置槽の内壁面と前記押される面の連結箇所には、肩部を環状に設置し、前記肩部の内縁には、第一斜面を設置し、前記押し動かし部材の外壁面と前記押し動かし面の連結箇所には、環状斜面を設置し、前記環状斜面は、前記第一斜面に係止し、前記環状斜面の斜度は、前記第一斜面とは異なり、
同時に前記環状斜面には、少なくとも1個の溝を陥没状に設置し、前記環状斜面が、前記第一斜面に係止すると、前記溝は、前記第二流道と前記押し動かし空間を導通することを特徴とする、請求項1に記載のブレーキキャリパー。
【請求項5】
前記第一斜面と前記収容設置槽の内壁面の間には、第二斜面を設置し、しかも前記第一斜面と前記第二斜面の斜度は異なることを特徴とする、請求項4に記載のブレーキキャリパー。
【請求項6】
前記押し動かし部材の外壁面には、前記軸線に平行に複数の浅長槽をさらに設置することを特徴とする、請求項1に記載のブレーキキャリパー。
【請求項7】
前記押し動かし部材は、前記押し動かし面において、前記ネジ孔に連通する回流孔を貫通状に設置することを特徴とする、請求項1に記載のブレーキキャリパー。
【請求項8】
前記固定台は、前記第二側壁の外壁面に、前記ピストン孔を取り囲んで突出環状部を設置し、前記スライド台は、前記突出環状部に対応し、スライド槽を陥没状に設置し、これにより前記突出環状部は前記スライド槽にスライドするように収容設置されることを特徴とする、請求項1に記載のブレーキキャリパー。
【請求項9】
前記押し動かし部材は、前記位置限定面の、前記ネジ孔に近い箇所に、第一バンプを設置し、前記ドライブロッドは、前記軸部に、第二バンプを対応して設置することを特徴とする、請求項1に記載のブレーキキャリパー。
【請求項10】
前記固定台は、前記第一側壁に、複数の固定孔を設置し、
前記各固定孔内にそれぞれ導引ピンを通して設置し、前記スライド台は、前記連動アームの末端において、前記各導引ピンに対応し、複数の導引孔を設置し、前記各導引ピンは、前記各導引孔にスライドするように収容設置されることを特徴とする、請求項1に記載のブレーキキャリパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキキャリパーに関し、特に車両の後輪に取り付け、車両のフットブレーキ及びハンドブレーキに連動されてブレーキをかけるブレーキキャリパーに関する。
【背景技術】
【0002】
現行の車両は、フットブレーキとハンドブレーキという二つのブレーキシステムを備える。その内、フットブレーキシステムは、使用者が車両のブレーキペダルを踏むと、ブレーキオイルを駆動し、液圧の方式で液圧式キャリパーを押し動かし、車両のディスクを挟み、車輪を押さえ付けてブレーキをかける。
ハンドブレーキシステムは、使用者がハンドブレーキレバーを引く、或いは電子ハンドブレーキスイッチを起動すると、ワイヤーロープ或いはモーターを通して機械式キャリパーを連動し、車両のディスクを挟み、車輪を押さえて付けブレーキをかける。
【0003】
しかし、すべての車両に、液圧式キャリパーと機械式キャリパーを同時に設置する十分なスペースがある訳ではない。そのため、市場には、すでに液圧式と機械式構造を統合した統合型キャリパーが存在する。
しかし、統合型キャリパーは、液圧式キャリパー上に単に機械式構造を加えただけで、なお多くの欠点を有する。
一つは、内部をブレーキオイルが流動するオイルパイプ設計に、機械式構造との最適化統合がなされていないことで、もう一つは、液圧式キャリパーと機械式構造との間の連結構造が堅固でないため、作動時にズレ易いことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術には、内部をブレーキオイルが流動するオイルパイプ設計に、機械式構造との最適化統合がなされておらず、また液圧式キャリパーと機械式構造との間の連結構造が堅固でないため、作動時にズレ易いという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両のフットブレーキ及びハンドブレーキの連動を受けてブレーキをかけ、優れたブレーキ効果を備えるブレーキキャリパーを提供することにある。
【0006】
本発明によるブレーキキャリパーは、固定台、ピストンユニット、蓋体、ライニングユニット、スライド台及びドライブユニットを有する。
前記固定台には、少なくとも1個のピストン槽を設置し、前記ピストン槽には、第一ピストンをスライドするように設置し、及び前記固定台には、ピストン孔を設置し、前記ピストン孔には、第二ピストンをスライドするように設置する。
前記固定台には、前記ピストン槽と前記ピストン孔に連通するオイルパイプをさらに設置し、第二ピストンは、前記固定台外の片側に向かい、収容設置槽を陥没状に設置し、前記収容設置槽内には、押し動かし部材をスライドするように収容設置し、前記押し動かし部材と前記収容設置槽の底部の間には、押し動かし空間を取り囲んで形成する。
前記第二ピストンの外壁面と前記ピストン孔の内壁面の間には、少なくとも1個の第一流道を設置し、前記第一流道は、前記オイルパイプと相互に連通し、及び前記第二ピストンの内壁面と前記押し動かし部材の外壁面の間には、少なくとも1個の第二流道を設置し、前記第二流道は、前記押し動かし空間と相互に連通する。
この他、蓋体をさらに有し、前記蓋体は、前記ピストン孔の外側に蓋をし、前記蓋体の内壁面は、前記ピストン孔内に向かい、係止部を延伸し、前記係止部には、少なくとも1個の連通孔を設置し、前記蓋体の前記係止部には前記連通孔に相当する凹部を有し、前記第二ピストンが前記蓋体方向へとスライドし、前記連通孔は第一流道と該第二流道に導通する。
一方、前記ブレーキキャリパーは、前記第一ピストン近くに設置される第一ブレーキライニング、及び前記第二ピストン近くに設置される第二ブレーキライニングをさらに有する。
この他、前記ブレーキキャリパーは、前記固定台に相対してスライド作動するスライド台をさらに有し、前記スライド台は、連動アームを延伸し、前記連動アームの末端には、連動部を設置し、前記連動部は、第一側壁と前記第一ブレーキライニングの間に位置する。
前記スライド台上に、ドライブユニットをさらに設置し、前記ドライブユニットは、ドライブロッドを有し、前記ドライブロッドの一端は、軸孔を貫通し、前記押し動かし部材に連結し、前記ドライブロッドのもう一端には、連結部を設置し、ドライブソースを連結し、前記ドライブソースの駆動を受け、前記押し動かし部材を連動し、前記収容設置槽内でスライド作動させる。
【0007】
本発明によるブレーキキャリパーは、ディスクの周囲に設置できる。
使用者が車両のフットブレーキを起動すると、油圧作動油はオイルパイプに進入し、一部の油圧作動油はピストン槽内に流入し、第一ピストンを押し動かして第一ブレーキライニングを連動し、ディスクの片側に密着させ、別の一部の油圧作動油は順番に、第一流道と第二流道を経た後、押し動かし空間に進入し、第二ピストンを押し動かして第二ブレーキライニングを連動し、ディスクの反対側に密着させ、これによりフットブレーキの目的を達成する。
使用者がハンドブレーキを起動させると、ドライブソースは、ドライブロッドを駆動し、ドライブロッドは、押し動かし部材を連動し、第二ピストン方向へと移動し、第二ピストンを押し動かして第二ブレーキライニングを連動し、ディスクの片側に密着させ、及びスライド台を反対方向に押し動かし、固定台から離れる方向へと移動させ、これにより連動部は第一ブレーキライニングを押し動かし、ディスクの反対側に密着させ、これによりハンドブレーキの目的を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】本発明による実施形態の第二ピストンの分解斜視図である。
【
図5】本発明による実施形態の
図4の部分拡大断面図である。
【
図6】本発明による実施形態の
図4の6-6線断面図である。
【
図7】本発明による実施形態のフットブレーキ起動時の使用模式図である。
【
図8】本発明による実施形態の
図7の部分拡大断面図である。
【
図9】本発明による実施形態のハンドブレーキ起動前の使用模式図である。
【
図10】本発明による実施形態のハンドブレーキ起動後の使用模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(一実施形態)
本発明による実施形態の斜視図及び分解斜視図である
図1及び
図2に示すように、ブレーキキャリパー100は、固定台10、ピストンユニット20、蓋体30、ライニングユニット40、スライド台50及びドライブユニット60を有する。
【0010】
固定台10は、第一側壁11、及び第一側壁11に相対して設置される第二側壁12を有する。
第一側壁11と第二側壁12の間において、取り囲んで収容設置空間13を形成する。
第一側壁11の内壁面には、軸線Xに平行に、収容設置空間13に連通する少なくとも1個のピストン槽14を設置する。
第二側壁12の外壁面には、軸線Xに平行に、収容設置空間13に連通するピストン孔15を貫通するように設置する。
【0011】
ピストンユニット20は、ピストン槽14にスライドするように設置する少なくとも1個の第一ピストン21、及びピストン孔15にスライドするように設置する第二ピストン22を有する。
【0012】
蓋体30は、ピストン孔15の外側に蓋をし、第二ピストン22は、ピストン孔15内に位置を限定され、これにより第二ピストン22は、ピストン孔15内でしかスライド作動できず、さらに蓋体30の中心位置は、軸線Xに平行に、軸孔31を貫通状に設置する。
【0013】
ライニングユニット40は、収容設置空間13に設置され、第一ピストン21近くに設置される第一ブレーキライニング41、及び第二ピストン22近くに設置される第二ブレーキライニング42を有する。
第一側壁11には、複数の第一固定孔111を設置し、第二側壁12には、対応する複数の第二固定孔121を設置する。
第一ブレーキライニング41は、第一固定孔111に対応し、複数の第一スライド孔411を設置し、第二ブレーキライニング42は、第二固定孔121に対応し、複数の第二スライド孔421を設置し、同時に複数の固定ピン43をさらに有する。
各固定ピン43は、対応する各一組の第一固定孔111、第一スライド孔411、第二スライド孔421及び第二固定孔121にそれぞれ通して設置され、これにより第一ブレーキライニング41と第二ブレーキライニング42は、収容設置空間13内においてのみ、各固定ピン43に沿ってスライド作動する。
この他、第一ブレーキライニング41と第二ブレーキライニング42の間には、圧迫板44をさらに設置する。
【0014】
スライド台50は、第二側壁12に近接する外側に設置し、第二側壁12の外壁面には、軸線Xに平行に少なくとも2個の導入孔16を設置する。
スライド台50は、各導入孔16に対応し、それぞれ導入柱51を設置し、それぞれ各導入孔16に通して設置し、これによりスライド台50は、軸線Xに平行に固定台10に相対してスライド作動できる。
この他、スライド台50は、軸孔31に対応し、定位孔52を設置し、及びスライド台50の周囲には、第一側壁11方向へ向かい連動アーム53を延伸する。
連動アーム53の末端には、連動部54を設置し、連動部54は、第一側壁11と第一ブレーキライニング41の間に位置する。
第一側壁11には、収容槽112を陥没状に設置し、連動部54を収容する。
【0015】
ドライブユニット60は、スライド台50に設置され、スライド台50に従い移動する。
ドライブユニット60は、ドライブロッド61を有し、ドライブロッド61の一端は、軸孔31を貫通し、第二ピストン22に連結する。
ドライブロッド61のもう一端は、定位孔52を貫通し、ドライブソース62を連結し、ドライブソース62の連動を受け、第二ピストン22を駆動し、ピストン孔15内でスライド作動させる。
スライド台50は、機械方式で第二ピストン22を押し動かすドライブユニット60を有する。
ドライブソース62は、図中に示す電子モーターで、ワイヤーロープに引き動かされるボールプレート構造或いはレバーとできるが、本発明はドライブソース62の形態に制限を加えるものではなく、さらにドライブソース62とスライド台50の間には、アダプター63をさらに設置し、異なる規格のドライブソース62を接続することができる。
【0016】
図2に合わせて、本発明による実施形態の第二ピストンの分解斜視図、及び本発明による実施形態の断面図である
図3及び
図4に示す通り、第二ピストン22は、固定台10外の片側に向かい、収容設置槽221を陥没状に設置し、収容設置槽221の内壁面には、軸線Xに平行に、少なくとも1個の導引部222を設置する。
この他、ピストンユニット20は、収容設置槽221にスライドするように設置される、押し動かし部材23をさらに有し、押し動かし部材23の外壁面には、導引部222に対応し、少なくとも1個のスライド部231を設置する。
スライド部231は、導引部222にスライドするように設置され、これにより押し動かし部材23は、軸線Xに沿ってのみ、第二ピストン22に相対してスライドし、さらに第二ピストン22に相対して回転する自由度を備えない。
【0017】
本実施形態中において、収容設置槽221は、方形孔を形成し、各角位置に、円弧槽をそれぞれ設置し、導引部222を構成する。
押し動かし部材23は、外壁面に、対応形状の円弧バンプを設置し、スライド部231を構成する。
これにより、スライド部231は、導引部222にスライドするように設置される。
一方、押し動かし部材23は、収容設置槽221外の片側に向かい、位置限定面232を設置し、位置限定面232に、軸線Xに平行に、ネジ孔233を設置する。
ドライブロッド61の一端には、軸孔31に対応し、軸部611を設置する。
軸部611は、軸孔31内でスライド作動し、好ましくは、軸部611の周囲には、シールリング(図示なし)を設置する。
軸部611の前端には、ネジ孔233に対応し、ボルト部612を延伸する。
ボルト部612は、ネジ孔233に螺設される。
ドライブロッド61のもう一端には、連結部613を設置し、連結部613は、定位孔52内に回転するように設置され、ドライブソース62と相互に連結される。
図4に示すように、連結部613は、定位孔52を貫通後、さらに嵌合リング64を通して固定され、これによりドライブロッド61は、スライド台50に固定され、スライド台50に従い移動する。
同時に、ドライブロッド61は、軸部611とスライド台50の間に、軸キャップ65、ワッシャー66及びベアリング67をさらに設置し、これによりドライブロッド61は、スライド台50に相対して回転作動する。
これにより、ドライブソース62は、ドライブロッド61を駆動し、ドライブロッド61は押し動かし部材23を螺動して、収容設置槽221内でスライド作動させ、さらに押し動かし部材23は、第二ピストン22を押し動かして、ピストン孔15内でスライド作動させる。
【0018】
続いて
図4に合わせて、本発明による実施形態の
図4の部分拡大断面図、
図4の6-6線断面図である
図5及び
図6に示すように、固定台10に、ピストン槽14とピストン孔15に連通するオイルパイプ17をさらに設置し、さらにオイルパイプ17には、出入口171を設置する。
一方、
図5に示すように、第二ピストン22は、収容設置槽221の底部に、押される面223を設置する。
押し動かし部材23は、押される面223の片側に面し、押し動かし面234を設置し、押し動かし面234と押される面223の間には、取り囲んで押し動かし空間24を形成する。
同時に、第二ピストン22の外壁面とピストン孔15の内壁面の間には、少なくとも1個の第一流道25を設置する。
第一流道25は、オイルパイプ17と相互に連通し、及び第二ピストン22の内壁面と押し動かし部材23の外壁面の間には、少なくとも1個の第二流道26を設置する。
第二流道26は、押し動かし空間24と相互に連通し、
図6に示すように、本実施形態中において、ピストン孔15の内壁面には、オイルパイプ17に連通する環状槽251、及び軸線Xに平行で、さらに環状槽251と相互に連通する複数の長形槽252を環状に設置する。
これにより、第二ピストン22の外壁面と各長形槽252の間は、それぞれ取り囲んで第一流道25を形成する。
一方、押し動かし部材23の直径は、収容設置槽221の直径より小さく、これにより第二ピストン22の内壁面と押し動かし部材23の外壁面の間に、第二流道26を形成する。
【0019】
図3に示すように、蓋体30の内壁面は、ピストン孔15内に向かい、係止部32を延伸する。
係止部32には、少なくとも1個の連通孔33を設置し、これにより
図5に示すように、第二ピストン22が蓋体30方向へとスライドし
、連通孔33は第一流道25と第二流道26に導通する。
一方、収容設置槽221の内壁面と押される面223の連結箇所には、肩部224を環状に設置し、肩部224の内縁には、第一斜面225を設置し、及び第一斜面225と収容設置槽221の内壁面の間には、第二斜面226を設置する。
さらに、第一斜面225と第二斜面226の斜度は異なる。
この他、押し動かし部材23の外壁面と押し動かし面234の連結箇所には、環状斜面235を設置する。
環状斜面235は、第一斜面225に係止し、さらに環状斜面235の斜度は、第一斜面225とは異なる。
環状斜面235には、少なくとも1個の溝236を陥没状に設置し、環状斜面235が、第一斜面225に係止すると、溝236は、第二流道26と押し動かし空間24を導通する。
これにより、オイルパイプ17は、順番に第一流道25、連通孔33、第二流道26、溝236を経由し、押し動かし空間24と相互に連通する。
【0020】
本発明による実施形態のフットブレーキ起動時の使用模式図、及び
図7の部分拡大断面図である
図7及び
図8に示すように、ブレーキキャリパー100は、ディスク200の周囲に設置される。
使用者が車両のフットブレーキを起動すると、油圧作動油は、出入口171からオイルパイプ17に進入する。
一部の油圧作動油は、オイルパイプ17を経て、ピストン槽14内に流入し、第一ピストン21を押し動かし、第一ブレーキライニング41を連動し、ディスク200の片側に密着する。
別の一部の油圧作動油は、
図8に示すように、順番に第一流道25、連通孔33、第二流道26、溝236を経由後、押し動かし空間24に進入し、第二ピストン22を押し動かし、第二ブレーキライニング42を連動して、ディスク200の反対側に密着させる。
これにより、第一ブレーキライニング41と第二ブレーキライニング42をディスク200の両側に挟んで設置することで、フットブレーキの目的を達成する。
使用者は液圧方式を利用して第一ピストン21と第二ピストン22を押し動かし、第一ブレーキライニング41と第二ブレーキライニング42を連動してブレーキをかける。
ドライブユニット60を利用し第二ピストン22とスライド台50を押し動かし、第一ブレーキライニング41と第二ブレーキライニング42を連動してブレーキをかける。
油圧作動油は、軸線Xに沿って、後方から力を加え第二ピストン22を押し動かすため、第二ピストン22は、より大きい押す力、及びより均一な力を加えて第二ブレーキライニング42を押し動かし、より優れたブレーキ効果を得ることができる。
特筆に値する点は、
図3に示すように、押し動かし部材23の外壁面には、軸線Xに平行に複数の浅長槽237をさらに設置し、これにより油圧作動油を導引し軸線Xに沿って流動させる効果をさらに獲得できる。
この他、押し動かし部材23は、押し動かし面234に、ネジ孔233に連通する回流孔238をさらに貫通状に設置し、これにより油圧作動油はさらに回流孔238に沿って、ボルト部612とネジ孔233間の間隙を貫通し、オイルパイプ17に戻る。
これにより、油圧作動油は循環し、第二ピストン22内に油圧作動油が流動しないデッドゾーンが形成されることを回避できる。
この他、第一斜面225と第二斜面226の斜度は異なり、外へと広がるラッパ状を形成し、押し動かし部材23と第二ピストン22の接触面積を減らし、油圧作動油が第二ピストン22を押して、押し動かし部材23から離すのに有利である。
【0021】
本発明による実施形態のハンドブレーキ起動前の使用模式図、及びハンドブレーキ起動後の使用模式図である
図9及び
図10に示すように、ハンドブレーキを起動する時には、使用者は電子ハンドブレーキボタンを押して電子モーター形態のドライブソース62を起動する。
この時、ドライブソース62は、ドライブロッド61を駆動し回転を開始させ、押し動かし部材23はボルト部612の螺動を受け、軸線Xに沿って、第二ピストン22方向へと移動し、環状斜面235は第一斜面225に係止され、第二ピストン22を押し動かして、第二ブレーキライニング42を連動し、ディスク200の片側に密着させる。
【0022】
この時、ドライブロッド61を継続して回転させ、ドライブロッド61は、スライド台50を反対方向に押し動かし、固定台10から離れる方向へと移動させ、連動部54を押し動かし、第一ブレーキライニング41はディスク200の反対側に密着する。
これにより、第一ブレーキライニング41と第二ブレーキライニング42をディスク200の両側に挟んで設置することで、ハンドブレーキの目的を達成する。
【0023】
さらに
図2に示すように、固定台10は、第二側壁12の外壁面に、ピストン孔15を取り囲んで突出環状部151を設置し、スライド台50は、突出環状部151に対応し、スライド槽55を陥没状に設置し、これにより突出環状部151は、スライド槽55にスライドするように収容設置される。
固定台10は、第一側壁11に、複数の固定孔18を設置し、各固定孔18内にそれぞれ導引ピン181を通して設置し、スライド台50は、連動アーム53の末端において、各導引ピン181に対応し、複数の導引孔56を設置し、各導引ピン181は、各導引孔56にスライドするように収容設置される。
これにより、スライド台50が、固定台10に相対してスライドする際の安定性を大幅に向上させる。
【0024】
さらに
図3に示すように、押し動かし部材23は、位置限定面232の、ネジ孔233に近い箇所に、第一バンプ239を設置する。
ドライブロッド61は、軸部611に、第二バンプ614を対応して設置する。
これにより、ドライブロッド61が押し動かし部材23を螺動し収容設置槽221から退出させる時、位置限定面232の軸部611への密着を回避でき、その後、ドライブロッド61が反対方向に回転すると、第二バンプ614を通して第一バンプ239を押し動かし、押し動かし部材23を順調に駆動して回転させ、押し動かし部材23の空回り発生を回避できる。
【0025】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0026】
100 ブレーキキャリパー、
10 固定台、
11 第一側壁、
111 第一固定孔、
112 収容槽、
12 第二側壁、
121 第二固定孔、
13 収容設置空間、
14 ピストン槽、
15 ピストン孔、
151 突出環状部、
16 導入孔、
17 オイルパイプ、
171 出入口、
18 固定孔、
181 導引ピン、
20 ピストンユニット、
21 第一ピストン、
22 第二ピストン、
221 収容設置槽、
222 導引部、
223 押される面、
224 肩部、
225 第一斜面、
226 第二斜面、
23 押し動かし部材、
231 スライド部、
232 位置限定面、
233 ネジ孔、
234 押し動かし面、
235 環状斜面、
236 溝、
237 浅長槽、
238 オイルリターン孔、
239 第一バンプ、
24 押し動かし空間、
25 第一流道、
251 環状槽、
252 長形槽、
26 第二流道、
30 蓋体、
31 軸孔、
32 係止部、
33 連通孔、
40 ライニングユニット、
41 第一ブレーキライニング、
411 第一スライド孔、
42 第二ブレーキライニング、
421 第二スライド孔、
43 固定ピン、
44 圧迫板、
50 スライド台、
51 導入柱、
52 定位孔、
53 連動アーム、
54 連動部、
55 スライド槽、
56 導引孔、
60 ドライブユニット、
61 ドライブロッド、
611 軸部、
612 ボルト部、
613 連結部、
614 第二バンプ、
62 ドライブソース、
63 アダプター、
64 嵌合リング、
65 軸キャップ、
66 ワッシャー、
67 ベアリング、
200 ディスク、
X 軸線。