(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】食品製品、及び、食品製品の提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0202 20230101AFI20240319BHJP
【FI】
G06Q30/0202 318
(21)【出願番号】P 2022149071
(22)【出願日】2022-09-20
【審査請求日】2023-02-03
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】P 2022087615
(32)【優先日】2022-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715009765
【氏名又は名称】株式会社すなおネット
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】末松 大吉
(72)【発明者】
【氏名】山口 順子
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】緑川 隆
【審判官】相崎 裕恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-146485(JP,A)
【文献】特開2013-30094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の食品である第1の食品と、
前記第1の食品と同一の食品であり、前記第1の食品と一体となって、不可避的に前記第1の食品と共に提供される第2の食品と、
前記第1の食品の価格に関する情報である第1の価格情報と、前記第2の食品の価格に関する情報である第2の価格情報と、
が記載されたウェブサイトにアクセス可能な識別情報と、を備える食品製品であって、
前記第1の食品は、賞味期限が到来していない食品であり、
前記第2の食品は、賞味期限が徒過した食品であり、
前記第2の価格情報は、前記第1の価格情報よりも安価である
食品製品。
【請求項2】
所定の食品である第1の食品と、
該第1の食品と同種同類の食品であり、前記第1の食品と一体となって、不可避的に前記第1の食品と共に提供される第2の食品と、
前記第1の食品の価格に関する情報である第1の価格情報と、前記第2の食品の価格に関する情報である第2の価格情報と、
が記載されたウェブサイトにアクセス可能な識別情報と、を備える食品製品であって、
前記第1の食品は、賞味期限が到来していない食品であり、
前記第2の食品は、賞味期限が徒過した食品であり、
前記第2の価格情報は、前記第1の価格情報よりも安価である
食品製品。
【請求項3】
所定の食品である第1の食品と、
前記第1の食品と一体となって、不可避的に前記第1の食品と共に提供される第2の食品と、
前記第1の食品の価格に関する情報である第1の価格情報と、前記第2の食品の価格に関する情報である第2の価格情報と、
が記載されたウェブサイトにアクセス可能な識別情報と、を備える食品製品であって、
前記第1の食品は、賞味期限が到来していない食品であり、
前記第2の食品は、賞味期限が徒過した食品であり、
前記第2の価格情報は、前記第1の価格情報よりも安価である
食品製品。
【請求項4】
前記第2の食品は、単体としても取引の対象とされており、
前記第2の価格情報は、賞味期限が到来していない前記第2の食品の価格情報よりも安価である
請求項2または請求項3に記載の食品製品。
【請求項5】
前記第1の食品と前記第2の食品が一体となった状態での価格に関する情報である第3の価格情報を備える
請求項1、請求項2、または請求項3に記載の食品製品。
【請求項6】
前記第2の食品は、消費期限が到来していない食品である
請求項1、請求項2、または請求項3に記載の食品製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品製品、及び、食品製品の提供方法に関する。詳しくは、食品ロス(フードロス)の低減を実現可能な食品製品、及び、食品製品の提供方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品を中心として商品の安全性が消費者に注目されており、消費者が商品を選択する際に、消費者は商品自体や商品の原料がどの様な物であるのかという点にまで関心を示す様になっている。
【0003】
そのため、商品の提供者は、提供する商品や商品の原料の成分や産地、製造年月日等の情報を商品の包装に貼付したラベルに記載したり、ICタグに記録したりして、商品を提供している。
【0004】
しかし、単に情報を記載や記録したものを商品に添付して提供するだけでは、その情報の改竄や偽造等が容易であり、現に情報の改竄や偽造等が行われている事実もあり、消費者に信用度が低く、消費者が安心して商品を選択することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明の発明者は、単に情報を記載や記録したものを食品に添付するのではなく、食品の原料を粉末にした原料粉末見本を食品に添付して食品を提供する技術を提案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、食品の品質の「見える化」が実現することで、消費者が安心して食品を選択できるようになるが、近年問題視されている「食品ロス」を減らすことには直結し難い。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、食品ロスの低減を実現可能な食品製品、及び、食品製品の提供方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の食品製品は、所定の食品である第1の食品と、前記第1の食品と同一の食品であり、前記第1の食品と一体となって提供される第2の食品と、前記第1の食品の価格に関する情報である第1の価格情報と、前記第2の食品の価格に関する情報である第2の価格情報と、を備える食品製品であって、前記第1の食品は、賞味期限が到来していない食品であり、前記第2の食品は、賞味期限が徒過した食品であり、前記第2の価格情報は、前記第1の価格情報よりも安価である。
【0010】
また、本発明の食品製品は、所定の食品である第1の食品と、該第1の食品と同種同類の食品であり、前記第1の食品と一体となって提供される第2の食品と、前記第1の食品の価格に関する情報である第1の価格情報と、前記第2の食品の価格に関する情報である第2の価格情報と、を備える食品製品であって、前記第1の食品は、賞味期限が到来していない食品であり、前記第2の食品は、賞味期限が徒過した食品であり、前記第2の価格情報は、前記第1の価格情報よりも安価である。
【0011】
更に、本発明の食品製品は、所定の食品である第1の食品と、前記第1の食品と一体となって提供される第2の食品と、前記第1の食品の価格に関する情報である第1の価格情報と、前記第2の食品の価格に関する情報である第2の価格情報と、を備える食品製品であって、前記第1の食品は、賞味期限が到来していない食品であり、前記第2の食品は、賞味期限が徒過した食品であり、前記第2の価格情報は、前記第1の価格情報よりも安価である。
【0012】
また、上記の目的を達成するために、本発明の食品製品の提供方法は、所定の食品である第1の食品と、前記第1の食品と同一の食品である第2の食品と、前記第1の食品の価格に関する情報である第1の価格情報と、前記第2の食品の価格に関する情報である第2の価格情報と、を一体として共に提供する工程を備える食品製品の提供方法であって、前記第1の食品は、賞味期限が到来していない食品であり、前記第2の食品は、賞味期限が徒過した食品であり、前記第2の価格情報は、前記第1の価格情報よりも安価である食品製品の提供方法。
【0013】
また、本発明の食品製品の提供方法は、所定の食品である第1の食品と、該第1の食品と同種同類の食品である第2の食品と、前記第1の食品の価格に関する情報である第1の価格情報と、前記第2の食品の価格に関する情報である第2の価格情報と、を一体として共に提供する工程を備える食品製品の提供方法であって、前記第1の食品は、賞味期限が到来していない食品であり、前記第2の食品は、賞味期限を徒過した食品であり、前記第2の価格情報は、前記第1の価格情報よりも安価である。
【0014】
また、本発明の食品製品の提供方法は、所定の食品である第1の食品と、該第1の食品とは別体である第2の食品と、前記第1の食品の価格に関する情報である第1の価格情報と、前記第2の食品の価格に関する情報である第2の価格情報と、を一体として共に提供する工程を備える食品製品の提供方法であって、前記第1の食品は、賞味期限が到来していない食品であり、前記第2の食品は、賞味期限を徒過した食品であり、前記第2の価格情報は、前記第1の価格情報よりも安価である。
【0015】
また、本発明の食品製品の提供方法は、所定の食品である第1の食品と、前記第1の食品と同一の食品である第2の食品と、を有する食品製品を、前記第1の食品の価格に関する情報である第1の価格情報と、前記第2の食品の価格に関する情報である第2の価格情報とを見せて提供する工程を備える、食品製品の提供方法であって、前記第1の食品は、賞味期限が到来していない食品であり、前記第2の食品は、賞味期限が徒過した食品であり、前記第2の価格情報は、前記第1の価格情報よりも安価である。
【0016】
また、本発明の食品製品の提供方法は、所定の食品である第1の食品と、該第1の食品と同種同類の食品である第2の食品と、を有する食品製品を、前記第1の食品の価格に関する情報である第1の価格情報と、前記第2の食品の価格に関する情報である第2の価格情報とを見せて提供する工程を備える、食品製品の提供方法であって、前記第1の食品は、賞味期限が到来していない食品であり、前記第2の食品は、賞味期限が徒過した食品であり、前記第2の価格情報は、前記第1の価格情報よりも安価である。
【0017】
また、本発明の食品製品の提供方法は、所定の食品である第1の食品と、該第1の食品と別体である第2の食品と、を有する食品製品を、前記第1の食品の価格に関する情報である第1の価格情報と、前記第2の食品の価格に関する情報である第2の価格情報とを見せて提供する工程を備える、食品製品の提供方法であって、前記第1の食品は、賞味期限が到来していない食品であり、前記第2の食品は、賞味期限が徒過した食品であり、前記第2の価格情報は、前記第1の価格情報よりも安価である。
【0018】
ここで、第1の食品と第2の食品とが一体となって提供されることによって、消費者は第1の食品と第2の食品の双方を入手することとなり、食品ロスの低減が期待できる。即ち、第2の食品(賞味期限が徒過した食品)は、それ単体で販売しようとしても、賞味期限が徒過していることが障害となり売れ残りが心配されるのに対して、第1の食品(賞味期限が到来していない食品)と一体として提供することで、第2の食品の価格が第1の食品の価格よりも安価であることも相俟って、消費者に受け入れられやすくなることが期待できる。
【0019】
また、第1の価格情報と第2の価格情報によって、第2の食品の価格が第1の食品の価格よりも安価であることを消費者に知らしめることができる。
【0020】
更に、第2の食品(賞味期限が徒過した食品)の価格が、賞味期限が到来していないときの価格よりも安価である場合には、より一層消費者に受け入れられやすくなる。
【0021】
ところで、ここでの「第1の食品」「第2の食品」とは、一次産品、二次産品のいずれでも良く、栄養素の摂取や嗜好を目的とした飲食物(動物性食品、植物性食品、加工食品、冷凍食品、嗜好食品、調味用材料、健康食品、サプリメント、飲料、加工材料等)を含むことは勿論のこと、医薬品や医薬部外品をも含む趣旨である。例えば、漢方薬も含まれる。また、飼料、養殖用飼料やドッグフード等、魚や動物を対象としたものも含む趣旨である。
【0022】
なお、ここでの「一次産品」とは、加工前の生鮮食品、動物性食品、植物性食品そのものであり、例えば、大根やキャベツ等の野菜、あるいは鶏肉や牛肉等の生肉そのものが該当する。また、例えば、果物、豆類、穀類、魚類も該当する。
【0023】
また、ここでの「二次産品」とは、未加工の生鮮食品、未加工の動物性食品、未加工の植物性食品を加工した産品であり、もち、饅頭、漬物、野菜炒め、ステーキ、ハンバーグ、ラーメン、弁当、パン、牛乳、チーズ、ビール、ワイン、日本酒、ウイスキー、冷凍食品、缶詰、ペットボトル入りのお茶やジュース、コーヒー、清涼飲料、菓子等が挙げられる。
【0024】
更に、ここでの「二次産品」には、一次産品を原料として加工した二次産品を含むことは勿論のこと、二次産品を原料として加工した二次産品をも含む。例えば、味付け済みの卵を原料として仕入れ、焼成して製造された玉子焼きを含む。更に、ここでの「二次産品」には、二次産品を原料として仕入れた二次産品をも含む。例えば、玉子焼きを原料として仕入れ、仕入れた玉子焼きを詰めた弁当も含む。
【0025】
また、ここでの「共に提供」とは、実店舗で第1の食品と第2の食品を提供する場合は勿論、宅配便等で第1の食品と第2の食品を提供する場合も含まれる。
【0026】
また、ここでの「第1の食品」は単数であっても複数であっても良く、「第2の食品」も単数であっても複数であっても良い。
即ち、本発明の食品製品としては、(1)「単数の第1の食品」と「単数の第2の食品」の組み合わせ、(2)「単数の第1の食品」と「複数の第2の食品」の組み合わせ、(3)「複数の第1の食品」と「単数の第2の食品」の組み合わせ、(4)「複数の第1の食品」と「複数の第2の食品」の組み合わせ、のいずれであっても良い。
【0027】
また、ここでの「第1の食品」と「第2の食品」との組み合わせは、(1)同一の食品、(2)同種同類の食品、(3)異なる食品、のいずれであっても良い。
【0028】
また、ここでの「賞味期限」とは、「品質が変わらすに美味しく食べることができる期限」を意味しており、賞味期限を過ぎたとしても、直ぐに食べられなくなることを意味するものではない。
【0029】
また、ここでの「消費期限」とは、「安全に食べることができる期限」を意味しており、消費期限を過ぎた場合には、食べられなくなることを意味している。
【発明の効果】
【0030】
本発明の食品製品、及び、食品製品の提供方法では、第2の食品の売れ残りの低減を通じて、食品ロスの低減を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1(a)】本発明の食品製品の一例を説明するための模式図(1)である。
【
図1(b)】本発明の食品製品の一例を説明するための模式図(2)である。
【
図1(c)】本発明の変形例を説明するための模式図である。
【
図2】シールの記載内容を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と称する)について説明を行う。
ここで、本実施の形態では、2022年1月21日時点を基準として、換言すると、賞味期限が2022年1月20日以前の場合には、賞味期限が徒過しており、賞味期限が2022年1月21日以降の場合には、賞味期限が到来していないものとして、説明を行う。
【0033】
[構成の説明]
図1(a)、
図1(b)は本発明を適用した食品製品の一例を説明するための模式図であり、ここで示す食品製品Aは、食品1A及び食品1Bを含んで構成されている。食品製品Aは、食品1Aと食品1Bをビニール2で包装しており、ビニール2にはシール3が貼り付けられている。
【0034】
また、食品1Aと食品1Bとは、共に二次産品であり、同一の食品である。但し、食品1Aよりも食品1Bの製造日が早い(換言すると、食品1Bは、食品1Aよりも前に製造されている)。
【0035】
ここで、食品1Aは、単体としても取引されている食品であり、その価格(定価)は1,100円(税抜:1,000円)で流通している。即ち、本実施の形態では、食品1Bと共に提供される場合を例に挙げているが、食品1Aのみでも市場に提供されている食品である。
また、食品1Aは、その賞味期限が到来していない(賞味期限が到来していないために、消費期限も到来していない)食品である。具体的には、食品1Aは、その賞味期限が2022年5月31日の食品である。
【0036】
また、食品1Bは、その価格は110円(税抜:100円)の食品である。
更に、食品1Bは、その賞味期限が徒過しているものの、その消費期限が到来していない食品である。具体的には、食品1Bは、その賞味期限が2022年1月20日の食品である。
なお、食品1Bは、その賞味期限が到来していない場合においては、単体としても取引されていた食品であり、その際の価格(定価)は食品1Aと同じ1,100円(税抜:1,000円)で流通していた食品である。
【0037】
本実施の形態における食品1Bは、賞味期限が到来していないときには、単体として販売を行っていたが、売れ残ってしまったものにつき、食品1Aと共に提供している。
【0038】
また、シール3には、
図2で示す様に、食品製品Aの価格(具体的には、「価格:1,210円(税抜:1,100円)」という表示)が記載されると共に、「食品1Aの詳細」、及び、「食品1Bの詳細」が記載されている。
【0039】
ここで、「食品1Aの詳細」としては、食品1Aの価格(具体的には、「価格:1,000円」という表示)、食品1Aの生産日の情報(具体的には、「生産日:2021年8月31日」という表示)、食品1Aの賞味期限の情報(具体的には、「賞味期限:2022年5月31日」という表示)が記載されている。
【0040】
なお、本実施の形態では、食品1Aの賞味期限として日付までしか記載していない場合を例に挙げて説明を行っているが、必要に応じて時間を記載しても良い(例えば、「賞味期限:2022年5月31日 午前10時」といった表示である)。
【0041】
また、「食品1Bの詳細」としては、食品1Bの価格(具体的には、「価格:100円」という表示)、食品1Bの定価(具体的には、「定価:1,000円」という表示)、食品1Bの生産日の情報(具体的には、「生産日:2021年4月20日」という表示)、食品1Bの賞味期限の情報(具体的には、「賞味期限:2022年1月20日」という表示)が記載されている。
【0042】
なお、本実施の形態では、食品1Bの賞味期限として日付までしか記載していない場合を例に挙げて説明を行っているが、必要に応じて時間を記載しても良い(例えば、「賞味期限:2022年1月20日 午前10時」といった表示である)。
【0043】
[効果]
上記した本発明を適用した食品製品の一例では、食品1Aと食品1Bが一体化されているために、食品1Aを提供する際に、食品1Aのみならず、不可避的に食品1Bをも提供することとなる。この様に、食品1Aと共に食品1Bをも消費者に提供することができ、食品1Bの廃棄を抑止することを通じて、食品ロスの低減を実現することができる。
【0044】
また、本発明を適用した食品製品の一例では、食品1Bの価格が安価に設定(具体的には、定価1,000円を100円に設定)されており、食品1Aを購入しようとする消費者にとって、食品1Aと同一の食品である食品1Bをお得に購入できることからも、消費者の購買意欲を喚起することができる。
【0045】
ところで、食品1Bを単体で安価に販売する(例えば、食品1Bを、食品1Aとは無関係に、100円で販売する)場合であっても、ある程度の販売数を見込むことができる。
しかし、食品1Aの購入希望者(消費者)にとって、入手したい(購入したい)食品は食品1Aであるために、食品1Bを単体で販売したとしても、消費者の期待に応えることができない。また、食品の提供者(食品1Aや食品1Bの販売者)にとっては、食品1Bを単体で販売したとしても売上拡大に寄与せず、継続販売が困難になる可能性がある。
そのため、本実施の形態に係る食品製品の一例では、食品1Aと食品1Bを一体化することによって、食品1Aを入手したい(購入したい)という消費者のニーズに応えると共に、食品の提供者の売上拡大を実現し、更に、消費者に食品1Bを提供することによる食品ロスの低減をも実現している。
【0046】
また、本発明を適用した食品製品の一例では、シール3に食品1Bの価格(100円)と定価(1,000円)の双方が記載され、食品1Bの価格が安価である(定価と比べると1/10の価格である)ことを消費者に知らしめることができる。そして、食品1Bの価格が安価に設定されていることを消費者に知らしめることによって、消費者の購買意欲を刺激することができ、より一層の食品ロスの低減が期待できる。
【0047】
[変形例1]
上記した実施の形態では、食品1Bが有料(100円)である場合を例に挙げて説明を行っているが、食品1Aと共に食品1Bを提供することを通じて、食品ロスの低減を実現することができれば充分であって、食品1Bは必ずしも有料である必要は無く、無料(0円)で提供しても良い。
【0048】
[変形例2]
また、上記した実施の形態では、シール3に「食品製品Aの価格」「食品1Aの詳細」「食品1Bの詳細」が記載されている場合を例に挙げて説明を行っているが、こうした情報(シール3に記載した情報)が消費者に伝われば充分であり、必ずしもシール3に情報自体を記載する必要は無く、
図1(c)で示すように、情報にアクセス可能な識別情報4(例えば、二次元バーコード等)を表示しても良い。
なお、識別情報(二次元バーコードなど)にはURLが記録されており、携帯端末等で識別情報を読み取ることで、インターネットを通じて、「食品製品Aの価格」「食品1Aの詳細」「食品1Bの詳細」が記載されたウェブサイトにアクセスすることが可能となる。
【0049】
[変形例3]
更に、上記した実施の形態では、シール3に「食品製品Aの価格」「食品1Aの詳細」「食品1Bの詳細」が記載されている場合を例に挙げて説明を行っているが、こうした情報(シール3に記載した情報)が消費者に伝われば充分であり、必ずしもシール3に記載する必要は無く、各種方法で消費者に情報を伝えた上で、シール3を貼付していない食品製品Aを提供しても良い。
【0050】
[変形例4]
また、上記した実施の形態では、食品1Aと食品1Bが同一食品である場合を例に挙げて説明を行っているが、食品1Aを購入しようとする消費者が、お得感を感じることで、消費者の購買意欲を喚起することができる食品であれば充分であって、食品1Bは必ずしも食品1Aと同一食品である必要は無く、「同種同類の食品」や「異なる食品」であっても良い。
【0051】
ここでの「同種同類の食品」とは、食品同士が「食品として同一視できる」といった関係を意味している。例えば、クリームパンとジャムパンとでは、菓子パンという点で共通しているものの、菓子パンの種類が異なるために同種同類の食品ではない。なお、クリームパン同士でも、クリームの色彩が異なる場合には、同種同類の食品ではない。即ち、外観の色違いは同種同類の食品ではない。また、赤ワインと白ワインとは、たとえ同一農法、同一農場であったとしても、食品として同一視できる関係には無いため、同種同類とは言えない。
【0052】
[変形例5]
また、上記した実施の形態では、食品1A及び食品1Bが二次産品である場合を例に挙げて説明を行っているが、食品1A及び食品1Bは必ずしも二次産品である必要はなく、一次産品であっても良い。
【0053】
[変形例6]
また、上記した実施の形態では、「食品1Bの詳細」として、食品1Bの価格(「価格:100円」という表示)、食品1Bの定価(「定価:1,000円」という表示)を記載して、販売価格が1/10であることを消費者に知らしめる場合を例に挙げているが、実質的な販売価格が1/10であることを表示しても良い。
例えば、「食品1Bの詳細」として、食品1Bの価格(「実質:100円(900円相当のポイントを付与)という表示」、食品1Bの定価(「定価:1,000円」という表示)を記載して、実質的な販売価格が1/10であることを表示しても良い。この場合には、消費者は食品1Bの購入費用として1,000円を支払うことになるが、900円相当のポイントが付与されることになる。
【0054】
[変形例7]
また、上記した実施の形態では、食品1Aよりも食品1Bの製造日(生産日)が早い場合を例に挙げて説明を行っているが、「食品1Aは賞味期限が到来しておらず、食品1Bは賞味期限が徒過している」という条件を満足していれば充分であって、必ずしも、食品1Aよりも食品1Bの製造日(生産日)が早く無くても良い。
【符号の説明】
【0055】
1A 食品
1B 食品
2 ビニール
3 シール
4 識別情報(二次元バーコード)