(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】認証装置
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240319BHJP
G06T 7/90 20170101ALI20240319BHJP
G06V 10/56 20220101ALI20240319BHJP
H04N 23/611 20230101ALI20240319BHJP
H04N 23/661 20230101ALI20240319BHJP
【FI】
G06T7/00 510A
G06T7/00 660B
G06T7/90 A
G06V10/56
H04N23/611
H04N23/661
(21)【出願番号】P 2022505061
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(86)【国際出願番号】 JP2021004123
(87)【国際公開番号】W WO2021176945
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】P 2020037821
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】野口 亮
(72)【発明者】
【氏名】梅田 一秀
(72)【発明者】
【氏名】吉垣 伸介
【審査官】宮島 潤
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110796079(CN,A)
【文献】国際公開第2011/046128(WO,A1)
【文献】特開2012-173761(JP,A)
【文献】特開2018-41273(JP,A)
【文献】特開2010-199771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/00 - 40/16
G06V 40/18 - 40/19
G06V 40/20
G06V 40/30 - 40/70
H04N 7/18
H04N 23/00
H04N 23/40 - 23/76
H04N 23/90 - 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データから、当該画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで特定される人物の部位のうち、予め部位ごとに登録された認証用色
情報に含まれる部位における色情報を取得する取得部と、
前記認証用色情報に含まれる部位ごとの色情報と、前記取得部が取得した前記色情報と、に応じて、部位ごとに色情報が示す色の距離を算出して、算出した色の距離が予め定められた閾値以内である場合に、当該部位が予め登録されたものであると判定し、予め定められた数を超える部位について予め登録されたものであると判定した場合に、画像データ中の人物が予め登録されている服装であると判別し、予め登録されたものであると判定した部位の数が予め定められた数以下である場合に、画像データ中の人物が予め登録されている服装ではないと判別する服装認証を行う認証部と、
を有する
認証装置。
【請求項2】
情報処理装置が、
画像データから、当該画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで特定される人物の部位のうち、予め部位ごとに登録された認証用色
情報に含まれる部位における色情報を取得し、
前記認証用色情報に含まれる部位ごとの色情報と、取得した前記色情報と、に応じて、部位ごとに色情報が示す色の距離を算出して、算出した色の距離が予め定められた閾値以内である場合に、当該部位が予め登録されたものであると判定し、予め定められた数を超える部位について予め登録されたものであると判定した場合に、画像データ中の人物が予め登録されている服装であると判別し、予め登録されたものであると判定した部位の数が予め定められた数以下である場合に、画像データ中の人物が予め登録されている服装ではないと判別する服装認証を行う
認証方法。
【請求項3】
情報処置装置に、
画像データから、当該画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで特定される人物の部位のうち、予め部位ごとに登録された認証用色
情報に含まれる部位における色情報を取得する取得部と、
前記認証用色情報に含まれる部位ごとの色情報と、前記取得部が取得した前記色情報と、に応じて、部位ごとに色情報が示す色の距離を算出して、算出した色の距離が予め定められた閾値以内である場合に、当該部位が予め登録されたものであると判定し、予め定められた数を超える部位について予め登録されたものであると判定した場合に、画像データ中の人物が予め登録されている服装であると判別し、予め登録されたものであると判定した部位の数が予め定められた数以下である場合に、画像データ中の人物が予め登録されている服装ではないと判別する服装認証を行う認証部と、
を実現するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置、認証方法、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
画像データ中の服の特徴量に基づく認証処理である服装認証という技術が知られている。
【0003】
服の特徴量に基づく認証処理について記載された文献として、例えば、特許文献1がある。特許文献1によると、顔領域の位置情報に基づいて服領域の大きさを算出し、顔の傾き情報に基づいて服領域を配置する方向を決定する。そして、服領域に基づく領域で服特徴情報を生成し、照合処理を行う。このように、特許文献1には、顔領域に基づいて推定される服領域の特徴情報に基づく照合を行う旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているように顔領域に基づいて算出・推定される服領域の特徴情報に基づく照合を行う場合、人物の状態などによっては服領域を正確に算出・推定することが難しいことがあった。その結果、服装認証の精度を向上させることが難しい、という課題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、服装認証の精度を向上させることが難しい、という課題を解決する認証方法、認証装置、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本開示の一形態である認証装置は、
画像データから、当該画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで特定される人物の部位の特徴量を取得する取得部と、
取得した前記特徴量に基づいて、画像データ中の人物が予め登録されている服装であるか否か判別する服装認証を行う認証部と、
を有する
という構成をとる。
【0008】
また、本開示の他の形態である認証方法は、
情報処理装置が、
画像データから、当該画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで特定される人物の部位の特徴量を取得し、
前記取得部が取得した前記特徴量に基づいて、画像データ中の人物が予め登録されている服装であるか否か判別する服装認証を行う
という構成をとる。
【0009】
また、本開示の他の形態である記録媒体は、
情報処理装置に、
画像データから、当該画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで特定される人物の部位の特徴量を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記特徴量に基づいて、画像データ中の人物が予め登録されている服装であるか否か判別する服装認証を行う認証部と、
を実現するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
上述したような各構成によると、服装認証の精度を向上させることが可能な認証装置、認証方法、記録媒体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の第1の実施形態における認証システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図1で示す認証装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図2で示す認証用部位別色情報の一例を示す図である。
【
図4】
図2で示す骨格座標情報の一例を示す図である。
【
図5】
図2で示す部位別色情報の一例を示す図である。
【
図6】骨格認識部と部位別色情報取得部の処理例を説明するための図である。
【
図7】服装認証部の処理例を説明するための図である。
【
図8】本開示の第1の実施形態における認証装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】認証装置の他の構成例を示すブロック図である。
【
図10】本開示の第2の実施形態における認証装置のハードウェア構成図の一例を示す図である。
【
図11】
図10で示す認証装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
本開示の第1の実施形態について、
図1から
図9までを参照して説明する。
図1は、認証システム100の構成例を示す図である。
図2は、認証装置300の構成例を示すブロック図である。
図3は、認証用部位別色情報333の一例を示す図である。
図4は、骨格座標情報335の一例を示す図である。
図5は、部位別色情報336の一例を示す図である。
図6は、骨格認識部343と部位別色情報取得部344の処理例を説明するための図である。
図7は、服装認証部345の処理例を説明するための図である。
図8は、認証装置300の動作例を示すフローチャートである。
図9は、認証装置300の他の構成例を示すブロック図である。
【0013】
本開示の第1の実施形態においては、画像データ中の人物が予め登録されている服装であるか否か判別する服装認証を行う認証システム100について説明する。後述するように、認証システム100では、肩、ひじ、ひざなど、画像データに対する骨格認識の結果に基づいて特定される人物の複数部位の色情報を取得する。そして、認証システム100は、取得した複数部位の色情報と、予め記憶する情報と、を比較することで、服装認証を行う。
【0014】
図1は、認証システム100の構成例を示している。
図1を参照すると、認証システム100は、例えば、カメラ200と認証装置300とを有している。
図1で示すように、カメラ200と認証装置300とは、例えば、ネットワークなどを介して互いに通信可能なよう接続されている。
【0015】
カメラ200は、画像データを取得する撮影装置である。例えば、カメラ200は、予め定められた位置に設置されており、人物の顔と上半身とが少なくとも映る画像データを取得する。また、カメラ200は、取得した画像データと、当該画像データの取得日時などと、を対応付けて、認証装置300に対して送信することが出来る。
【0016】
認証装置300は、人物が着ている服装の認証(服装認証)を行う情報処理装置である。認証装置300は、服装認証の他に、顔認証を行うことも出来る。
図2は、認証装置300の構成例を示している。
図2を参照すると、認証装置300は、主な構成要素として、画面表示部310と、通信I/F部320と、記憶部330と、演算処理部340と、を有している。
【0017】
画面表示部310は、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)などの画面表示装置からなる。画面表示部310は、演算処理部340からの指示に応じて、画像情報334、骨格座標情報335、部位別色情報336、認証結果情報337などの記憶部330に格納された各種情報を画面表示することが出来る。
【0018】
通信I/F部320は、データ通信回路からなる。通信I/F部320は、通信回線を介して接続されたカメラ200や外部装置などとの間でデータ通信を行う。
【0019】
記憶部330は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置である。記憶部330は、演算処理部340における各種処理に必要な処理情報やプログラム338を記憶する。プログラム338は、演算処理部340に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現する。プログラム338は、通信I/F部320などのデータ入出力機能を介して外部装置や記録媒体から予め読み込まれ、記憶部330に保存されている。記憶部330で記憶される主な情報としては、例えば、顔特徴量情報331、学習済みモデル332、認証用部位別色情報333、画像情報334、骨格座標情報335、部位別色情報336、認証結果情報337などがある。
【0020】
顔特徴量情報331は、顔認証部342が顔認証を行う際に用いる顔特徴量を示す情報を含んでいる。顔特徴量情報331では、例えば、人物を識別するための識別情報と、顔特徴量を示す情報と、が対応づけられている。顔特徴量情報331は、例えば、通信I/F部320などを介して外部装置などから予め取得され、記憶部330に格納されている。
【0021】
学習済みモデル332は、骨格認識部343が骨格認識を行う際に用いる、学習済みのモデルである。学習済みモデル332は、例えば、外部装置などにおいて、骨格座標が入った画像データなどの教師データを用いた機械学習を行うことにより予め生成されており、通信I/F部320などを介して外部装置などから取得され、記憶部330に格納されている。
【0022】
なお、学習済みモデル332は、追加の教師データを用いた再学習処理などにより更新されても構わない。
【0023】
認証用部位別色情報333は、服装認証を行う際に、画像データから取得した色情報と比較する対象を示す情報を含んでいる。例えば、認証用部位別色情報333は、予め定義されている。認証用部位別色情報333は、例えば、通信I/F部320などを介して外部装置などから予め取得され、記憶部330に格納されている。
【0024】
図3は、認証用部位別色情報333の一例を示している。
図3を参照すると、認証用部位別色情報333では、例えば、人物を識別するための識別情報と、登録特徴量である認証用色情報と、が対応づけられている。ここで、認証用部位別色情報333に含まれる識別情報は、顔特徴量情報331に含まれる識別情報と同様のものである。また、認証用色情報には、部位ごとの色情報が含まれている。例えば、
図3の1行目では、右肩、左ひじ、……、の色情報(RGB(red, green, blue)情報)が含まれている。
【0025】
なお、認証用部位別色情報333中の認証用色情報には、後述する骨格認識部343により認識可能なすべての部位の色情報が含まれていても構わないし、一部の部位の色情報のみが含まれていても構わない。認証用色情報には、複数部位の色情報が含まれていることが好ましいが、右ひじのみなど、一つの部位の色情報のみが含まれていても構わない。例えば、認証用色情報には、人物の服装のうち特徴的な部位の色情報、長袖やネクタイなど着用が必須であり服装認証部345により比較を行う必要がある部位の色情報(例えば、長袖の場合、左右の手首の色情報。ネクタイの場合、背骨上部の色情報)、などを含むことが出来る。なお、認証用部位別色情報333中の認証用色情報においては、RGB以外により色を定義していても構わない。
【0026】
画像情報334は、カメラ200が取得した画像データを含んでいる。画像情報334においては、例えば、画像データと、画像データをカメラ200が取得した日時を示す情報と、が対応づけられている。
【0027】
骨格座標情報335は、骨格認識部343により認識された人物の各部位の座標を示す情報を含んでいる。
図4は、骨格座標情報335の一例を示している。
図4を参照すると、骨格座標情報335では、識別情報と部位座標とが対応づけられている。識別情報は、顔特徴量情報331や認証用部位別色情報333に含まれる識別情報と同様のものである。また、部位座標には、画像データ中における各部位の座標を示す情報が含まれている。
【0028】
なお、部位座標に含まれる部位は、学習済みモデル332に応じたものである。例えば、
図4では、背骨上部、右肩、左肩、……、が例示されている。部位座標には、例えば、30か所程度の部位を含むことが出来る(例示した以外でも構わない)。部位座標に含まれる部位は、
図4などで例示した以外であっても構わない。
【0029】
部位別色情報336は、画像情報334に含まれる画像データと、骨格座標情報335に含まれる部位座標と、に基づいて、部位別色情報取得部344が画像データから取得した各部位の色情報を示す情報を含んでいる。
図5は、部位別色情報336の一例を示している。
図5を参照すると、部位別色情報336では、識別情報と部位色情報とが対応付けられている。識別情報は、顔特徴量情報331、認証用部位別色情報333、骨格座標情報335に含まれる識別情報と同様のものである。また、部位色情報には、画像データ中における各部位の色情報が含まれている。例えば、
図5の1行目では、背骨上部、右肩、……、の色情報(RGB(red, green, blue)情報)が含まれている。
【0030】
なお、部位別色情報336中の部位色情報には、骨格座標情報335に含まれるすべての部位の色情報が含まれていても構わないし、一部の部位の色情報のみが含まれていても構わない。例えば、部位色情報には、識別情報が対応する認証用色情報に含まれている部位の色情報が含まれていても構わない。また、部位別色情報336中の部位色情報においては、認証用色情報の場合と同様に、RGB以外により色を定義していても構わない。ただし、部位色情報と認証用色情報とは、同じ手法を用いて色を定義していることが望ましい。
【0031】
認証結果情報337は、服装認証部345による認証処理の結果を示す情報を含んでいる。例えば、認証結果情報337では、識別情報と、入場を許可するか否かを示す情報と、が対応づけられている。服装認証部345による認証処理の詳細については、後述する。
【0032】
演算処理部340は、MPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有する。演算処理部340は、記憶部330からプログラム338を読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム338とを協働させて各種処理部を実現する。演算処理部340で実現される主な処理部としては、例えば、画像取得部341、顔認証部342、骨格認識部343、部位別色情報取得部344、服装認証部345、入場許可部346などがある。
【0033】
画像取得部341は、通信I/F部320を介して、カメラ200から当該カメラ200が取得した画像データを取得する。そして、画像取得部341は、取得した画像データを、例えば画像データの取得日時と対応付けて、画像情報334として記憶部330に格納する。
【0034】
顔認証部342は、画像情報334に含まれる画像データに基づく顔認証を行う。例えば、顔認証部342は、画像データから認証対象となる人物を抽出する。また、顔認証部342は、抽出した人物の目、鼻、口などの特徴点を抽出するとともに、抽出した結果に基づいて特徴量を算出する。そして、顔認証部342は、算出した特徴量と、顔特徴量情報331に含まれる顔特徴量と、の類似度が顔比較閾値を超えているか否かを調べることなどにより、算出した特徴量と記憶部330に格納されている特徴量との照合を行い、照合の結果に基づく認証を行う。例えば、顔認証部342は、顔認証を行うことにより、認証対象となる人物の識別情報を特定する。
【0035】
骨格認識部343は、学習済みモデル332を用いて、画像データ中において顔認証部342による認証対象となった人物の骨格を認識する。例えば、骨格認識部343は、
図6で示すように、背骨上部、右肩、左肩、右ひじ、左ひじ、右手首、左手首、右手、左手、……、などの各部位を認識する。また、骨格認識部343は、認識した各部位の画面データにおける座標を算出する。そして、骨格認識部343は、認識・算出した結果と、顔認証部342による認証により特定された識別情報と、を対応付けて、骨格座標情報335として記憶部330に格納する。
【0036】
なお、骨格認識部343が認識する部位は、学習済みモデル332(学習済みモデル332を学習する際に用いられた教師データ)に応じたものとなる。そのため、骨格認識部343は、学習済みモデル332に応じて、上記例示した以外の部位を認識しても構わない。
【0037】
部位別色情報取得部344は、骨格認識部343による認識の結果である骨格座標情報335を用いて、顔認証部342が認証を行った画像データから色情報を取得する。例えば、部位別色情報取得部344は、
図6で示すように、画像データのうち、骨格座標情報335に含まれる各部位の座標における色情報を取得する。そして、部位別色情報取得部344は、取得した色情報と、顔認証部342による認証により特定された識別情報と、を対応付けて、部位別色情報336として記憶部330に格納する。
【0038】
なお、部位別色情報取得部344は、骨格座標情報335に含まれるすべての座標の色情報を取得しても構わないし、一部の座標の色情報を取得しても構わない。例えば、部位別色情報取得部344は、認証用部位別色情報333において顔認証部342が特定した識別情報と対応づけられている認証用色情報に含まれる部位の座標における色情報のみを取得するよう構成しても構わない。また、部位別色情報取得部344は、画像データにおける座標の色情報をピンポイントで取得しても構わないし、例えば、座標を中心として所定範囲の色情報を取得するよう構成しても構わない。所定範囲の色情報を取得する場合、部位別色情報取得部344は、例えば、取得した色情報の平均や取得した色情報の割合に応じて特定される色情報などを当該部位の色情報と推定しても構わない。
【0039】
服装認証部345は、部位別色情報取得部344が取得した各部位の色情報と、認証用部位別色情報333に含まれる各部位の色情報と、を比較する。換言すると、服装認証部345は、
図7で示すように、識別情報が同一となる、部位別色情報336中の部位色情報と、認証用部位別色情報333中の認証用色情報と、を部位ごとに比較する。例えば、
図7で示す場合、服装認証部345は、右肩、左ひじ、左手、……、の各部位を比較する。そして、服装認証部345は、比較の結果に基づいて、服装が予め登録されているものであるか判別する認証を行う。その後、服装認証部345は、認証の結果を示す情報を認証結果情報337として記憶部330に格納する。
【0040】
例えば、服装認証部345は、部位ごとに色情報が示す色の距離を算出することで、部位色情報と認証用色情報との比較を行う。つまり、服装認証部345は、部位ごとに色差をみることで、部位色情報と認証用色情報との比較を行う。色の距離が予め定められた閾値以内である場合、服装認証部345は、当該部位について、部位別色情報取得部344が取得した部位の色情報が予め登録されたものであると判定する。一方、色の距離が予め定められた閾値を超える場合、服装認証部345は、当該部位について、部位別色情報取得部344が取得した部位の色情報が予め登録されたものでないと判定する。
【0041】
また、服装認証部345は、各部位の比較の結果に基づいて、服装全体が予め登録されているものであるか否か判別する認証を行う。例えば、服装認証部345は、認証用部位別色情報333中の認証用色情報に含まれるすべての部位について、部位別色情報取得部344が取得した部位の色情報が予め登録されたものであると判定した場合に、予め登録された服装であると判別・認証する。
【0042】
なお、服装認証部345による認証は、上記例示した以外であっても構わない。例えば、服装認証部345は、認証用部位別色情報333中の認証用色情報に含まれる部位のうち、予め定められた数を超える部位について予め登録されたものであると判定した場合に、予め登録された服装であると判別・認証することが出来る。また、例えば、服装認証部345は、認証用部位別色情報333中の認証用色情報に含まれる部位のうち、予め必須であると定義された部位について予め登録されたものであると判定した場合に、予め登録された服装であると判別・認証することが出来る。服装認証部345による認証は、例えば、部位ごとに予め定義された値に基づいて算出されるスコアなどにより判別・認証しても構わない。例えば、以上のように、服装認証部345が判定・認証を行う際の条件は、様々なものを採用することが出来る。
【0043】
入場許可部346は、服装認証部345による認証の結果に基づく処理を行う。例えば、入場許可部346は、服装認証部345により予め登録された服装であると判定・認証された場合、ゲートや扉などを開く、画面表示部310に予め登録された服装であると判定・認証された旨を表示する、予め登録された服装であると判定・認証された旨を通信I/F部320を介して外部装置へと送信する、などの入場処理を行うことが出来る。また、入場許可部346は、服装認証部345により予め登録された服装でないと判定・認証された場合に、通信I/F部320を介して外部装置へと警報を送信するなど、認証されなかった場合の処理を行うよう構成しても構わない。
【0044】
以上が、認証装置300の構成例である。
【0045】
続いて、
図8を参照して、認証装置300の動作について説明する。
図8は、認証装置300の動作例を示すフローチャートである。
図8を参照すると、認証装置300の顔認証部342は、画像情報334に含まれる画像データに基づく顔認証を行う(ステップS101)。顔認証部342が行う顔認証処理は、一般的なもので構わない。そして、顔認証部342は、顔認証の結果として、認証対象となる人物の識別情報を特定する。
【0046】
骨格認識部343は、学習済みモデル332を用いて、画像データ中において顔認証部342による認証対象となった人物の骨格を認識する。また、骨格認識部343は、認識した各部位の画面データにおける座標を算出する。例えば、以上のように、骨格認識部343は、骨格認識を行うことで、各部位の座標を特定する(ステップS102)。
【0047】
部位別色情報取得部344は、骨格認識部343による認識の結果である骨格座標情報335を用いて、顔認証部342が認証を行った画像データから、骨格座標情報335が示す各部位の色情報を取得する(ステップS103)。
【0048】
なお、部位別色情報取得部344は、骨格座標情報335に含まれるすべての座標の色情報を取得しても構わないし、一部の座標の色情報を取得しても構わない。例えば、部位別色情報取得部344は、認証用部位別色情報333において顔認証部342が特定した識別情報と対応づけられている認証用色情報に含まれる部位の座標における色情報のみを取得しても構わない。
【0049】
服装認証部345は、部位別色情報取得部344が取得した各部位の色情報と、認証用部位別色情報333に含まれる各部位の色情報と、を比較する(ステップS104)。例えば、服装認証部345は、部位ごとに色情報が示す色の距離を算出することで、部位色情報と認証用色情報との比較を行う。
【0050】
また、服装認証部345は、各部位について比較した結果が予め定められた条件を満たすか否かに基づいて、人物の服装が予め登録されたものであるか否か判定・認証する(ステップS105)。例えば、各部位について比較した結果が予め定められた条件を満たす場合(ステップS105、Yes)、服装認証部345は、認証対象の人物の服装が予め登録されたものであると判定する。この場合、入場許可部346は、入場を許可するなど入場処理を行う(ステップS106)。一方、各部位について比較した結果が予め定められた条件を満たさない場合(ステップS105、No)、入場許可部346は入場を許可しない。
【0051】
以上が、認証装置300の動作例である。
【0052】
このように、認証装置300は、骨格認識部343と、部位別色情報取得部344と、服装認証部345と、を有している。このような構成により、部位別色情報取得部344は、骨格認識部343による認識の結果である骨格座標情報335を用いて、部位の色情報を取得することが出来る。また、服装認証部345は、部位別色情報取得部344が取得した部位の色情報に基づく認証を行うことが出来る。その結果、服装認証を行うための的確な領域の色情報を比較することが可能となる。これにより、服装認証の精度を上げることが可能となる。
【0053】
また、上記構成によると、部位別色情報取得部344が取得した複数部位の色情報に基づく認証を行うことが出来る。このように複数部位の色情報に基づく認証を行うことで、指定のネクタイをしているか、長袖であるか、など、よりきめの細かい服装認証を行うことが可能となる。その結果、服装認証の精度を上げることが可能となる。
【0054】
なお、本実施形態においては、顔認証の結果に基づいて個人の特定を行う場合について例示した。つまり、登録特徴量である認証用部位別色情報333を特定するための対象特定情報を顔認証により取得する場合について例示した。しかしながら、例えば、
図9で示すように、社員証などのRFID(radio frequency identifier)タグを用いて、個人の特定を行うよう構成しても構わない。
図9で示す場合、認証装置300は、顔認証部342の代わりにID情報取得部347を有しており、記憶部330には顔特徴量情報331の代わりにID情報339が格納されている。ID情報取得部347は、通信I/F部320などを介して外部のRFIDリーダなどからID情報を受信する。また、ID情報取得部347は、受信したID情報と、ID情報と識別情報とを対応づけたID情報339と、に基づいて、識別情報を特定することが出来る。例えば、
図9で示すように、認証装置300は、顔認証の代わりにID情報を取得するよう構成しても構わない。なお、認証装置300は、顔認証処理の代わりに、虹彩認証や指紋認証などの既知の認証処理により識別情報を特定しても構わない。
【0055】
また、認証装置300は、個人の特定までは行わないように構成しても構わない。例えば、認証装置300は、画像データに基づいて年齢や性別などの属性を判別して、判別した属性に応じた集団に対応付けられた認証用色情報を用いて服装認証を行うよう構成しても構わない。また、服装認証部345は、顔認証や属性の判別などを行わずに、予め定められた認証用色情報を用いて服装認証を行うよう構成しても構わない。このように、認証装置300は必ずしも個人や属性に応じた集団の特定・判別まで行わなくても構わない。なお、上記のように属性に応じた集団ごとの服装認証を行う場合、認証用部位別色識別情報333においては、複数の識別情報をまとめた所定の集団ごとに、認証用色情報が対応付けられていても構わない。集団分けは、例えば、役職、職種、性別、などの人物の属性などに応じて予め設定しておくことが出来る。
【0056】
また、本実施形態においては、予め登録された服装である場合に入場許可部346が入場処理を行う場合について説明した。しかしながら、服装認証部345による認証の結果は、入場処理以外に用いられても構わない。例えば、認証装置300は、服装認証部345による認証の結果、予め登録された服装であると判定・認証した場合に入場を拒絶するよう構成しても構わない。このように、服装認証部345による認証の結果として行われる処理は、入場許可部346による入場許可以外であっても構わない。
【0057】
また、本実施形態においては、画像データに基づいて骨格認識を行う場合について例示した。しかしながら、骨格認識は、例えば、赤外線深度センサなどを用いて行われても構わない。
【0058】
また、本実施形態においては、服装認証を行う際に用いる特徴量として色情報を用いる場合について説明した。しかしながら、特徴量は、色情報以外であっても構わない。特徴量には、例えば、服装の柄や模様などに応じた値などを含むことが出来る。
【0059】
また、
図1、
図2では、1台の情報処理装置により認証装置300としての機能を実現する場合について説明した。しかしながら、認証装置300としての機能は、例えば、ネットワークを介して接続された複数台の情報処理装置により実現されても構わない。また、
図1では、認証システム100がカメラ200と認証装置300とから構成される場合について例示した。しかしながら、認証装置300をカメラ200が有する、カメラ200としての機能を認証装置300が有する、など、カメラ200と認証装置300とは一体的に構成されていても構わない。例えば、以上のように、認証システム100の構成は、
図1で例示した場合に限定されず、様々な変形例を採用することが出来る。
【0060】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、
図10、
図11を参照して説明する。
図10、
図11は、認証装置400の構成例を示している。
【0061】
図10は、認証装置400のハードウェア構成例を示している。
図10を参照すると、認証装置400は、一例として、以下のようなハードウェア構成を有している。
・CPU(Central Processing Unit)401(演算装置)
・ROM(Read Only Memory)402(記憶装置)
・RAM(Random Access Memory)403(記憶装置)
・RAM403にロードされるプログラム群404
・プログラム群404を格納する記憶装置405
・情報処理装置外部の記録媒体410の読み書きを行うドライブ装置406
・情報処理装置外部の通信ネットワーク411と接続する通信インタフェース407
・データの入出力を行う入出力インタフェース408
・各構成要素を接続するバス409
【0062】
また、認証装置400は、プログラム群404をCPU401が取得して当該CPU401が実行することで、
図11に示す取得部421、認証部422としての機能を実現することが出来る。なお、プログラム群404は、例えば、予め記憶装置405やROM402に格納されており、必要に応じてCPU401がRAM403などにロードして実行する。また、プログラム群404は、通信ネットワーク411を介してCPU401に供給されてもよいし、予め記録媒体410に格納されており、ドライブ装置406が該プログラムを読み出してCPU401に供給してもよい。
【0063】
なお、
図10は、認証装置400のハードウェア構成例を示している。認証装置400のハードウェア構成は上述した場合に限定されない。例えば、認証装置400は、ドライブ装置406を有さないなど、上述した構成の一部から構成されてもよい。
【0064】
取得部421は、画像データから、当該画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで特定される人物の部位の特徴量を取得する。
【0065】
認証部422は、取得部421が取得した特徴量に基づいて、画像データ中の人物が予め登録されている服装であるか否か判別する服装認証を行う。
【0066】
このように、認証装置400は、取得部421と、認証部422と、を有している。このような構成により、認証部422は、取得部421が取得した特徴量に基づいて、画像データ中の人物が予め登録されている服装であるか否か判別する服装認証を行うことが出来る。その結果、服装認証を行うための的確な領域の色情報を比較することが可能となる。これにより、服装認証の精度を上げることが可能となる。
【0067】
なお、上述した認証装置400は、当該認証装置400に所定のプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、認証装置400に、画像データから、当該画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで特定される人物の部位の特徴量を取得する取得部421と、取得部421が取得した特徴量に基づいて、画像データ中の人物が予め登録されている服装であるか否か判別する服装認証を行う認証部422と、を実現するためのプログラムである。
【0068】
また、上述した認証装置400により実行される認証方法は、認証装置400が、画像データから、当該画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで特定される人物の部位の特徴量を取得し、取得した前記特徴量に基づいて、画像データ中の人物が予め登録されている服装であるか否か判別する服装認証を行う、という方法である。
【0069】
上述した構成を有する、プログラム、又は、認証方法、の発明であっても、上記認証装置400と同様の作用・効果を有するために、上述した本発明の目的を達成することが出来る。
【0070】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における認証方法などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0071】
(付記1)
画像データから、当該画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで特定される人物の部位の特徴量を取得する取得部と、
取得した前記特徴量に基づいて、画像データ中の人物が予め登録されている服装であるか否か判別する服装認証を行う認証部と、
を有する
認証装置。
(付記2)
付記1に記載の認証装置であって、
前記取得部は、画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで、人物の複数の部位を特定し、特定した複数の部位の前記特徴量を取得し、
前記認証部は、取得した前記特徴量と予め部位ごとに登録された登録特徴量とを部位ごとに比較することで、前記服装認証を行う
認証装置。
(付記3)
付記2に記載の認証装置であって、
前記認証部は、前記特徴量と前記登録特徴量との間の距離を算出することで部位ごとの比較を行う
認証装置。
(付記4)
付記2または付記3に記載の認証装置であって、
前記特徴量と前記登録特徴量とは色情報である
認証装置。
(付記5)
付記2から付記4までのいずれか1項に記載の認証装置であって、
前記登録特徴量を特定するための対象特定情報を取得し、
前記認証部は、取得した前記特徴量と、前記対象特定情報に基づいて特定される前記登録特徴量と、を比較することで、前記服装認証を行う
認証装置。
(付記6)
付記5に記載の認証装置であって、
人物の属性に応じて人物を複数の集団に分けた際の前記集団ごとに、前記登録特徴量が登録されており、
前記対象特定情報は、前記集団を特定するための情報である
認証装置。
(付記7)
付記5に記載の認証装置であって、
人物ごとに前記登録特徴量が登録されており、
対象特定情報は、人物を特定するための情報である
認証装置。
(付記8)
付記5から付記7までのいずれか1項に記載の認証装置であって、
画像データに基づいて顔認証を行うことで、前記対象特定情報を取得する
認証装置。
(付記9)
情報処理装置が、
画像データから、当該画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで特定される人物の部位の特徴量を取得し、
取得した前記特徴量に基づいて、画像データ中の人物が予め登録されている服装であるか否か判別する服装認証を行う
認証方法。
(付記10)
情報処置装置に、
画像データから、当該画像データ中の人物の骨格を骨格認識により認識することで特定される人物の部位の特徴量を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記特徴量に基づいて、画像データ中の人物が予め登録されている服装であるか否か判別する服装認証を行う認証部と、
を実現するためのプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【0072】
なお、上記各実施形態及び付記において記載したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていたりする。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0073】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【0074】
なお、本発明は、日本国にて2020年3月5日に特許出願された特願2020-037821の特許出願に基づく優先権主張の利益を享受するものである。
【符号の説明】
【0075】
100 認証システム
200 カメラ
300 認証装置
310 画面表示部
320 通信I/F部
330 記憶部
331 顔特徴量情報
332 学習済みモデル
333 認証用部位別色情報
334 画像情報
335 骨格座標情報
336 部位別色情報
337 認証結果情報
338 プログラム
339 ID情報
340 演算処理部
341 画像取得部
342 顔認証部
343 骨格認識部
344 部位別色情報取得部
345 服装認証部
346 入場許可部
347 ID情報取得部
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 プログラム群
405 記憶装置
406 ドライブ装置
407 通信インタフェース
408 入出力インタフェース
409 バス
410 記録媒体
411 通信ネットワーク
421 取得部
422 認証部