(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】二段階折り畳み式歩行補助装置
(51)【国際特許分類】
A61H 3/04 20060101AFI20240319BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A61H3/04
B62B3/02 B
(21)【出願番号】P 2023124646
(22)【出願日】2023-07-31
【審査請求日】2023-07-31
(31)【優先権主張番号】10-2023-0086473
(32)【優先日】2023-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518002365
【氏名又は名称】オルビットエヌ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】チャ ギョンエ
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-152271(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0485911(KR,Y1)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0167807(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-0817723(KR,B1)
【文献】国際公開第2015/198617(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 3/04
B62B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離隔して上下方向に互いに並んで延長して後方側に傾いた傾斜構造を有する第1および第2メインフレームと、
前記第1および第2メインフレームそれぞれの中間部に結合され、下方に互いに並んで延長して前方側に傾いた傾斜構造を有する第1および第2後側支持フレームと、
前記第1および第2メインフレームの上端部に連結されて備えられる取っ手部と、
前記第1および第2メインフレームそれぞれの下端部ないしこれに隣接する部分に結合される第1および第2前輪部と、
前記第1および第2後側支持フレームそれぞれの下端部ないしこれに隣接する部分に結合される第1および第2後輪部と、
前記第1および第2メインフレームの間で、前記第1および第2メインフレームと前記第1および第2後側支持フレームの両方に連結されるように設けられるシート部材と、
前記第1および第2後側支持フレームよりも高い位置で、前記第1および第2メインフレームにそれぞれ備えらえる第1および第2フォールディング部とを含み、
前記シート部材の前部分を上側に上げることによって前記第1および第2メインフレームの下部と前記第1および第2後側支持フレームの下部を互いに近接させて折り畳むことができるように構成され、前記第1および第2フォールディング部から前記第1および第2メインフレームを前方側の下方向に折り畳むことができるように構成され、
前記第1メインフレームと前記第1後側支持フレームを互いに連結するようにこれらと結合されて備えられる第1連結部材と、
前記第2メインフレームと前記第2後側支持フレームを互いに連結するようにこれらと結合されて備えられる第2連結部材とを含み、
前記シート部材は、前記第1および第2連結部材に結合されてこれらの間に配置され、
前記第1フォールディング部は、
下部組立部材と、
前記下部組立部材と回動軸部材によって互いに結合されるものであって、前記回動軸部材を基準にして前記下部組立部材に対して回動可能なように備えられる上部組立部材と、
前記下部組立部材に設けられて前記上部組立部材の一部と構造的に結合されるように備えられ、前記上部組立部材の回動動作をロックまたはロック解除するためのクラッチ部材とを含み、
前記上部組立部材の回動により、前記第1フォールディング部から前記第1メインフレームが折り畳まれるように構成され、
前記第2フォールディング部は、前記第1フォールディング部と同一の構成または対称的な構成を有し、
前記取っ手部の下側で前記第1および第2メインフレームのうちの少なくとも1つと連結されて備えられるものであって、前記第1および第2後輪部のうちの少なくとも1つを制動するためのブレーキレバーをさらに含み、
前記ブレーキレバーは、走行中のハンドブレーキ機能および駐車時のパーキングブレーキ機能を有し、
前記シート部材の下側に配置されるものであって、フレキシブル(flexible)な材質で構成される収納部材をさらに含み、
前記第1および第2前輪部のステアリングのための回動範囲を制御するためのステアリング調節部材と、
前記シート部材と前記取っ手部の間で、前記第1および第2メインフレームを互いに連結するように配置されるシートバック用連結フレームとをさらに含み、
前記ブレーキレバーがハンドブレーキ機能を実行するとき、利用者が前記ブレーキレバーを引っ張った場合には制動がかかり、利用者が前記ブレーキレバーを離すと制動が解除され、
前記ブレーキレバーがパーキングブレーキ機能を実行するとき、利用者が前記ブレーキレバーを下に下げた場合、前記ブレーキレバーが下側に固定されて制動状態が固定され、前記ブレーキレバーを上側に上げると、固定された制動状態が解除され、
シートバック用連結フレームは、取っ手部とフォールディング部の間でフォールディング部により近く配置され、
第1ステアリング調節部材は、前記第1前輪部の回動範囲が一定の角度内に制限されるように第1前輪部を調節し、
第2ステアリング調節部材は、前記第2前輪部の回動範囲が一定の角度内に制限されるように第2前輪を調節し、
前記第1前輪部に備えられる第1圧力センサと、
前記第2前輪部に備えられる第2圧力センサと、
前記第1後輪部に備えられる第3圧力センサと、
前記第2後輪部に備えられる第4圧力センサとをさらに含み、
前記第1圧力センサによって取得した第1圧力と前記第2圧力センサによって取得した第2圧力の平均値が第1閾値
以下であり、前記第3圧力センサによって取得した第3圧力と前記第4圧力センサによって取得した第4圧力の平均値が第2閾値以上の場合、前記第1後輪部および前記第2後輪部が回転し
ないように制動が加えられ、
前記第1圧力と前記第2圧力の平均値が第3閾値以上であり、前記第3圧力と前記第4圧力の平均値が第4閾値以下の場合、前記第1前輪部および前記第2前輪部が回転
するように制動が加えられ、
車輪の時間あたりの回転数を感知する速度センサをさらに含み、
前記速度センサによって歩行者の歩行パターンに対応する平均歩行速度を決定し、
歩行補助装置の現時点の速度が前記平均歩行速度よりも所定の閾値を超える場合、前記第1前輪部、前記第2前輪部、前記第1後輪部、および前記第2後輪部に一定レベルの制動が所定の加速度以下で加えられ、
前記第1前輪部、前記第2前輪部、前記第1後輪部、および前記第2後輪部に重力センサがさらに備えられ、
前記重力センサに基づいて、前記第1前輪部および第2前輪部の位置が前記第1後輪部および前記第2後輪部の位置に比べて所定の閾値以上に高いと判断された場合、前記第1前輪部、前記第2前輪部、前記第1後輪部、および前記第2後輪部に所定の動力を提供し、
前記重力センサに基づいて、前記第1前輪部および第2前輪部の位置が前記第1後輪部および前記第2後輪部の位置に比べて所定の閾値以上に低いと判断された場合、前記第1前輪部、前記第2前輪部、前記第1後輪部、および前記第2後輪部に所定の制動を加え、
歩行補助装置が電子的に制動が加えられる状況において、制動に加えられる力が所定の制動力閾値を超える場合、お知らせ音を提供し、
信号機と連動するコンピューティング装置をさらに含み、前記コンピューティング装置を通じて信号機で歩行不可な状況が発生した場合、前記第1前輪部、前記第2前輪部、前記第1後輪部、および前記第2後輪部に制動を加える、歩行補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行/移動に関連する器具および方法に関し、より詳細には、高齢者が利用することができる歩行器および関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者の人工増加が高まりを見せる中、高齢者を対象にした財貨やサービスを提供する産業および関連市場の大幅な拡大が予想されている。高齢者の自立した生活/活動を支援/補助したり運動や怪我防止をサポートする物品の需要が急増しており、移動補助器具である歩行補助器もこの1つであると言える。歩行補助器は、下肢および腰の筋力低下、バランス感覚の低下、筋骨格系の疾患のような老化症状のある高齢者はもちろん、怪我などによって歩行補助(walking assistance)を必要とする人たちにも役立つ物品であることから、その需要はますます増加している。
【0003】
しかし、既存の歩行補助器のほとんどは鉄材フレームを連結した構造であり、その体積は相当に大きく、比較的衝撃に弱い構造を有するため、輸送や配送/運送などの物流移動の側面において多くの短所があった。また、利用者の立場においても、歩行補助器のコンパクト収納および保管などが求められているが、既存の歩行補助器ではこのような消費者のニーズを満たすことが難しかった。さらに、既存の歩行補助器は、利便性と安全性が低いという問題があった。
【0004】
したがって、利便性と安全性を確保しながらも、物流の移動および収納/保管などの側面で利点をもたらすことができる歩行補助装置の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が達成しようとする技術的課題は、利便性と安全性を確保しながらも、物流の移動および収納/保管などの側面において大きな利点をもたらすことができる歩行補助装置を提供することにある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題に限定されてはならず、記述されていない他の課題は、当業者であれば以下の記載から明確に理解することができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を達成するために、本発明の実施形態によると、互いに離隔して上下方向に互いに並んで延長して後方側に傾いた傾斜構造を有する第1および第2メインフレーム、前記第1および第2メインフレームそれぞれの中間部に結合され、下方に互いに並んで延長して前方側に傾いた傾斜構造を有する第1および第2後側支持フレーム、前記第1および第2メインフレームの上端部に連結されて備えられる取っ手部、前記第1および第2メインフレームそれぞれの下端部ないしこれに隣接する部分に結合される第1および第2前輪部、前記第1および第2後側支持フレームそれぞれの下端部ないしこれに隣接する部分に結合される第1および第2後輪部、前記第1および第2メインフレームの間で前記第1および第2メインフレームと前記第1および第2後側支持フレームの両方に連結されるように設けられるシート部材、および前記第1および第2後側支持フレームよりも高い位置で前記第1および第2メインフレームにそれぞれ備えられる第1および第2フォールディング部を含み、前記シート部材の前部分を上側に上げることによって前記第1および第2メインフレームの下部と前記第1および第2後側支持フレームの下部を互いに接近させて折り畳むことができるように構成され、前記第1および第2フォールディング部で前記第1および第2メインフレームを前方側の下側に折り畳むことができるように構成される、2段階折り畳み式歩行補助装置を提供する。
【0008】
前記第1メインフレームと前記第1後側支持フレームが互いに連結するようにこれらに結合されて備えられる第1連結部材、および前記第2メインフレームと前記第2後側支持フレームが互いに連結するようにこれらに結合されて備えられる第2連結部材を含んでよく、前記シート部材は、前記第1および第2連結部材に結合されてこれらの間に配置されてよい。
【0009】
前記第1フォールディング部は、下部組立部材、前記下部組立部材と回動軸部材によって互いに結合されるものであって、前記回動軸部材を基準にして前記下部組立部材に対して回動可能なように備えられる上部組立部材、および前記下部組立部材に設けられて前記上部組立部材の一部と構造的に結合されるように備えられ、前記上部組立部材の回動動作をロックまたはロック解除するためのクラッチ部材を含んでよく、前記上部組立部材の回動によって前記第1フォールディング部で前記第1メインフレームが折り畳まれるように構成されてよい。
【0010】
前記第2フォールディング部は、前記第1フォールディング部と同一の構成を有してもよいし、対称的な構成を有してもよい。
【0011】
前記取っ手部の下側で前記第1および第2メインフレームの少なくとも1つに連結されて備えられるものであって、前記第1および第2後輪部のうちの少なくとも1つを制動するためのブレーキレバーをさらに含んでよく、前記ブレーキレバーは、走行中のハンドブレーキ機能および駐車時のパーキングブレーキ機能を有してよい。
【0012】
前記シート部材の下側に配置されるものであって、フレキシブル(flexible)な材質で構成される収納部材をさらに含んでよい。
【0013】
前記第1および第2前輪部のステアリングのための回動範囲を制御するためのステアリング調節部材をさらに含んでよい。
【0014】
前記シート部材と前記取っ手部の間で前記第1および第2メインフレームを互いに連結するように配置されるシートバック用連結フレームをさらに含んでよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によると、利便性と安全性を確保しながらも、物流の移動および収納/保管などの側面において相当な利点をもたらすことができる歩行補助装置を実現することができる。実施形態に係る歩行補助装置は、二段階折り畳み式構造、すなわち、2回の折り畳みが可能な構造を有するため、輸送や配送/運送のような物流移動の側面において多くの利点をもたらすことができる。また、利用者の立場においても、コンパクトな収納/保管などを可能にすることができる。さらに、実施形態に係る歩行補助装置は、優れた利便性と安全性をもたらすことができる。
【0016】
本発明の効果が上述したものに限定されてはならず、本発明の技術的思想および領域から逸脱しない範囲で多様に拡張されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態における、2段階折り畳み式歩行補助装置を示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態における、2段階折り畳み式歩行補助装置を示した斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態における、2段階折り畳み式歩行補助装置を示した斜視図である。
【
図4a-d】
図4a~dは、本発明の一実施形態における、2段階折り畳み式歩行補助装置を折り畳む過程を示した図である。
【
図5】本発明の一実施形態における、2段階折り畳み式歩行補助装置が折り畳まれた状態(2回折り畳まれた状態)を示した斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態における、2段階折り畳み式歩行補助装置が折り畳まれた状態(2回折り畳まれた状態)を示した斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態における、2段階折り畳み式歩行補助装置が折り畳まれた状態(2回折り畳まれた状態)を示した斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態における、2段階折り畳み式歩行補助装置に適用可能なフォールディング部が有することができる具体的な構成を示した斜視図である。
【
図9】
図8のフォールディング部でクラッチ部材のロックを解除した後、回動軸部材を基準にして上部組立部材を下部組立部材に対して回動させた場合を示した斜視図である。
【
図10】
図8のフォールディング部でクラッチ部材のロックを解除した後、回動軸部材を基準にして上部組立部材を下部組立部材に対して回動させた場合を示した斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態における、歩行補助装置の高さ調節方法を説明するための図である。
【
図12】本発明の一実施形態における、歩行補助装置のハンドブレーキ動作方式を説明するための図である。
【
図13】本発明の一実施形態における、歩行補助装置のパーキングブレーキ動作方式を説明するための図である。
【
図14】本発明の一実施形態における、歩行補助装置のステアリング制御方式を説明するための図である。
【
図15】本発明の他の実施形態における、2段階折り畳み式歩行補助装置を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0019】
以下で説明する本発明の実施形態は、当技術分野において通常の知識を有する者に本発明をより明確に説明するために提供されるものであり、本発明の範囲が以下の実施形態によって限定されてはならず、以下の実施形態は多様な他の形態に変形されてよい。
【0020】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するために使用されるものであり、本発明を限定するものではない。本明細書で使用される単数形の用語は、文脈において異なる場合を明確に指摘するものでない限り、複数の形態を含んでよい。また、本明細書で使用される「含む(comprise)」および/または「含む(comprising)」という用語は、記述する形状、段階、数字、動作、部材、要素、および/またはこれらのグループの存在を特定するものであり、1つ以上の他の形状、段階、数字、動作、部材、要素、および/またはこれらのグループの存在または付加を排除するものではない。さらに、本明細書で使用される「連結」という用語は、ある部材が直接的に連結していることを意味するだけでなく、部材の間に他の部材がさらに介在して間接的に連結している場合まで含む概念である。
【0021】
また、本願明細書において、ある部材が他の部材「上に」位置しているとするとき、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、2つの部材の間に別の部材が存在する場合も含む。本明細書で使用される用語「および/または」は、これに列挙された項目のいずれか1つ以上のすべての組み合わせを含む。さらに、本願明細書で使用される「約」や「実質的に」のような程度を示す用語は、固有の製造および物質許容誤差を考慮した上でその数値や程度の範囲またはこれに近い意味で使用されるものであり、本願の理解を助けるために提供される正確または絶対的な数値が記述された開示内容を侵害者が不当に使用することを防ぐために使用されるものである。
【0022】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳しく説明する。添付の図面に示された領域やパーツのサイズや厚さは、明細書の明確性ならびに説明の便宜のために多少誇張される場合もある。詳細な説明の全般にわたって記載された同じ参照番号は、同じ構成要素を示す。
【0023】
図1~3は、本発明の一実施形態における、二段折り畳み式歩行補助装置を示した斜視図である。
図1~3は、折り畳まれていない状態の歩行補助装置を示している。前記歩行補助装置は、「歩行器(walker)」または「歩行補助器」と呼ばれてもよい。
【0024】
図1~3を参照すると、本発明の実施形態に係る歩行補助装置は、互いに離隔して上下方向に互いに並んで延長して後方側に傾いた傾斜構造を有する第1および第2メインフレーム10a、10bを含んでよい。第1および第2メインフレーム10a、10bは、全体的に後方側に傾きながら所定の屈曲構造を有してよい。第1および第2メインフレーム10a、10bそれぞれの下端部は、上端部よりも前方側に配置されてよい。第1メインフレーム10aは、第1メイン柱部または第1メイン柱フレーム部と呼ばれてよく、第2メインフレーム10bは、第2メイン柱部または第2メイン柱フレーム部と呼ばれてよい。前記歩行補助装置は、第1および第2メインフレーム10a、10bの上端部に連結されて備えられる取っ手部12を含んでよい。取っ手部12は、第1メインフレーム10aの上端部と第2メインフレーム10bの上端部を互いに連結する構造を有してよい。
【0025】
前記歩行補助装置は、第1および第2メインフレーム10a、10bそれぞれの中間部に結合され、下側に互いに並んで延長して前方側に傾いた傾斜構造を有する第1および第2後側支持フレーム20a、20bを含んでよい。第1および第2後側支持フレーム20a、20bはそれぞれ、第1および第2メインフレーム10a、10bそれぞれの大略的に中央部の後側に結合されてよい。第1および第2後側支持フレーム20a、20bはそれぞれ、第1および第2メインフレーム10a、10bに対して回動可能なように結合されてよい。第1後側支持フレーム20aは、第1後側支持ロッド(rod)と呼ばれてよく、第2後側支持フレーム20bは、第2後側支持ロッド(rod)と呼ばれてよい。
【0026】
前記歩行補助装置は、第1および第2メインフレーム10a、10bそれぞれの下端部ないしこれに隣接する部分に結合される(連結される)第1および第2前輪部30a、30bを含んでよい。また、前記歩行補助装置は、第1および第2後側支持フレーム20a、20bそれぞれの下端部ないしこれに隣接する部分に結合される(連結される)第1および第2後輪部40a、40bを含んでよい。
【0027】
前記歩行補助装置は、第1および第2メインフレーム10a、10bの間に、第1および第2メインフレーム10a、10bと第1および第2後側支持フレーム20a、20bの両方に連結されるように設けられるシート部材50を含んでよい。シート部材50は、第1および第2後側支持フレーム20a、20bの上端よりも低い位置に設けられてよい。シート部材50は、平坦またはほぼ平坦なプレート形態を有してよい。シート部材50の上に人間が座ったり、物品を載せたりできるようにしてよい。
【0028】
前記歩行補助装置は、第1および第2後側支持フレーム20a、20bよりも高い位置で第1および第2メインフレーム10a、10bにそれぞれ備えられる第1および第2フォールディング部F10a、F10bを含んでよい。第1および第2フォールディング部F10a、F10bはそれぞれ、第1および第2後側支持フレーム20a、20bの上端に隣接するように備えられてよい。第1フォールディング部F10aから第1メインフレーム10aが折り畳まれてよく、第2折り畳み部F10bから第2メインフレーム10bが折り畳まれてよい。第1および第2フォールディング部F10a、F10bの具体的な構造については、
図8~10を参照しながらより詳しく説明する。
【0029】
本発明の実施形態に係る歩行補助装置は、シート部材50の前部分を上側に上げることにより、第1および第2メインフレーム10a、10bの下部と第1および第2後側支持フレーム20a、20bの下部を互いに接近させて折り畳むことができるように構成されてよく、また、第1および第2フォールディング部F10a、F10bから第1および第2メインフレーム10a、10bを前方側下に折り畳むことができるように構成されてよい。したがって、前記歩行補助装置は、2回の折り畳み可能な構造を有することができ、相当にコンパクトに折り畳むことができる。前記歩行補助装置は、2段階折り畳み式歩行補助装置(2-step folding type walking assist apparatus)であると言える。
【0030】
一実施形態によると、前記歩行補助装置は、第1メインフレーム10aと第1後側支持フレーム20aを互いに連結するようにこれらに結合されて備えられる第1連結部材55a、および第2メインフレーム10bと第2後側支持フレーム20bを互いに連結するようにこれらに結合されて備えられる第2連結部材55bをさらに含んでよい。この場合、シート部材50は、第1および第2連結部材55a、55bに結合され、これらの間に配置されてよい。また、第1および第2連結部材55a、55bは、シート部材50の少なくとも一部を支持するように構成されてよい。シート部材50の前部分を上側に上げるときに、第1および第2連結部材55a、55bが回動されるようにしてよく、第1および第2メインフレーム10a、10bの下部と第1および第2後側支持フレーム20a、20bの下部の間隔が狭まってよい。
【0031】
一実施形態によると、取っ手部12の下側で第1および第2メインフレーム10a、10bのうちの少なくとも1つに連結されて備えられるものであって、第1および第2後輪部40a、40bのうちの少なくとも1つを制動するためのブレーキレバー14がさらに備えられてよい。例えば、ブレーキレバー14は、第1および第2メインフレーム10a、10bの両方に連結されるように設けられてよく、第1および第2後輪部40a、40bを制動するように構成されてよい。これと関連して、第1後輪部40aの制動のための第1制動ユニット27aが第1後輪部40aに隣接する領域に配置されてよく、第2後輪部40bの制動のための第2制動ユニット27bが第2後輪部40bに隣接する領域に配置されてよい。第1制動ユニット27aは、第1後側支持フレーム20aに連結されて設けられてよく、第2制動ユニット27bは、第2後側支持フレーム20bに連結されて設けられてよい。第1および第2制動ユニット27a、27bは、ブレーキレバー14と連動して作動してよい。
【0032】
一実施形態によると、ブレーキレバー14は、走行中のハンドブレーキ機能および駐車時のパーキングブレーキ機能を有してよい。走行中のハンドブレーキ機能の場合、利用者がブレーキレバー14を引っ張った場合には制動がかかってよく、利用者がブレーキレバー14を離すと制動が解除されてよい。駐車時のパーキングブレーキ機能の場合、利用者がブレーキレバー14を下に下げた場合、ブレーキレバー14が下側に固定されて制動状態が固定されてよい。この状態から再びブレーキレバー14を上側に上げると、固定された制動状態は解除されてよい。ブレーキレバー14の機能および動作方式などにより、実施形態に係る歩行補助装置の利便性と安全性を高めることができる。
【0033】
一実施形態によると、前記歩行補助装置は、シート部材50の下側に配置される収納部材(図示せず)(
図4aの52を参照)をさらに含んでよい。前記収納部材は、フレキシブル(flexible)な材料で構成されてよい。前記収納部材は、一種のバスケットやポケットのような形態を有してよい。シート部材50は、前記収納部材の蓋(ドア)の役割を担ってよく、防水機能を有してよい。前記収納部材内には多様な物品を容易に収納できるようにしてよい。また、前記収納部材は、フレキシブルな材質であってよいため、歩行補助装置を折り畳むときに不便がないようにしてよい。場合によっては、前記収納部材は、取り外し可能に構成されてもよい。
【0034】
一実施形態によると、前記歩行補助装置は、第1および第2前輪部30a、30bのステアリングのための回動範囲を制御するためのステアリング調節部材35a、35bをさらに含んでよい。第1前輪部30aのステアリングのための回動範囲を制御するための第1ステアリング調節部材35aが備えられてよく、第2前輪部30bのステアリングのための回動範囲を制御するための第2ステアリング調節部材35bが備えられてよい。第1および第2メインフレーム10a、10bそれぞれの下端部ないしこれに隣接する部分に結合されて下側に延長する第1および第2車輪結合用部材33a、33bがさらに備えられてよく、第1および第2車輪結合用部材33a、33bそれぞれに第1および第2ステアリング調節部材35a、35bが結合されて設けられてよい。第1ステアリング調節部材35aを利用することにより、第1前輪部30aの回動範囲を狭くまたは広く調整することができ、回動しないように(すなわち、0°)固定することもできる。これと同様に、第2ステアリング調節部材35bを利用することにより、第2前輪部30bの回動範囲を狭くまたは広く調節することもでき、回動しないように(すなわち、0°)固定することもできる。したがって、ステアリング調節部材35a、35bにより、実施形態に係る歩行補助装置の利便性と安全性を高めることができる。
【0035】
一実施形態によると、前記歩行補助装置は、シート部材50と取っ手部12の間で第1および第2メインフレーム10a、10bを互いに連結するように配置されたシートバック用連結フレーム60をさらに含んでよい。シートバック用連結フレーム60は、取っ手部12とフォールディング部F10a、F10bの間でフォールディング部F10a、F10bにより近く配置されてよい。シート部材50に人間が座ったり物品が置かれたときに、シートバック用連結フレーム60は、シートバックとしての役割をなしたり、側面の支えとしての役割をなしてよい。また、シートバック用連結フレーム60は、歩行補助装置の構造を堅固にする役割をなしてよい。
【0036】
一実施形態によると、歩行補助装置は、第1および第2メインフレーム10a、10bそれぞれの上端部に隣接する領域に配置される第1および第2高さ固定部材11a、11bをさらに含んでよい。第1および第2メインフレーム10a、10bは、第1および第2高さ固定部材11a、11bの上側に高さ調節が可能なように構成されてよく、第1および第2高さ固定部材11a、11bは、調節された高さを固定させる役割を担ってよい。したがって、利用者の身長や体形などによって、第1および第2メインフレーム10a、10bの高さを容易に制御することができる。
【0037】
付加的に、前記歩行補助装置は、第1メインフレーム10aの下端またはこれに隣接する領域と第2メインフレーム10bの下端またはこれに隣接する領域を互いに連結する第1補助連結フレーム15をさらに含んでよい。また、前記歩行補助装置は、第1後側支持フレーム20aと第2後側支持フレーム20bの間に、これらを互いに連結するように配置された第2補助連結フレーム25をさらに含んでよい。第1および第2補助連結フレーム15、25により、歩行補助装置の構造をより堅固にすることができる。
図1~
図3において、第1補助連結フレーム15が他のフレームと連なっている。欠けていない状態で示されているが、
図4A~
図7に示すように、結合用部材を介して他のフレームと相互結合され、最終形態が実施されることは通常の技術者が理解するだろう。
【0038】
図4a~4dは、本発明の一実施形態における、2段階折り畳み式歩行補助装置を畳む過程を示した図である。
【0039】
図4aおよび4bを参照すると、実施形態に係る歩行補助装置のシート部材50の前部分を手でつかんで上側に上げると、第1および第2メインフレーム10a、10bの下部と第1および第2後側支持フレーム20a、20bの下部が互いに近接するように装置の本体が垂直に立つようにしてよい。
図4bは、一段階の折り畳みが完了した様子を示している。このとき、第1および第2前輪部30a、30bの一部は、第1および第2後輪部40a、40bの間でこれらと側方にオーバーラップ(overlap)して配置されてよい。
【0040】
図4cおよび
図4dを参照すると、第1および第2フォールディング部F10a、F10bそれぞれのクラッチ部材のロックを解除した状態で、取っ手部12が歩行補助装置の前方側の下方向に下がるようにしてよい。第1および第2メインフレーム10a、10bが第1および第2フォールディング部F10a、F10bから折り畳まれてよい。
図4dは、2段階の折り畳みが完了した様子を示している。前記歩行補助装置は、2段階に折り畳まれることによって相当にコンパクトに折り畳まれるようになり、移動および保管などを極めて便利になすことができる。折り畳まれた歩行補助装置は相当にスリムであり、自体的に立たせることができる。
【0041】
なお、前記歩行補助装置を広げる過程は、
図4a~4dを参照しながら説明した過程の逆順でなされてよい。
【0042】
図5~7は、本発明の一実施形態における、2段階折り畳み式歩行補助装置が折り畳まれた状態(2回折り畳まれた状態)を示した斜視図である。
【0043】
図5~7を参照すると、本実施形態に係る歩行補助装置は、シート部材50の前部分を上側に上げることにより、第1および第2メインフレーム10a、10bの下部と第1および第2後側支持フレーム20a、20bの下部を互いに接近させて折り畳むことができるように構成されてよい。また、前記歩行補助装置は、第1および第2フォールディング部F10a、F10bから第1および第2メインフレーム10a、10bを前方側の下方向に折り畳むことができるように構成されてよい。前記歩行補助装置は、2回の折り畳み可能な構造を有することができ、相当にコンパクトに折り畳むことができる。
【0044】
このとき、第1および第2前輪部30a、30bの一部は、第1および第2後輪部40a、40bとの間でこれらと側方にオーバーラップ(overlap)して配置されてよい。これと関連して、第1および第2前輪部30a、30bはそれぞれ、第1および第2メインフレーム10a、10bの下側(すぐ下側)に配置されてよく、第1および第2後輪部40a、40bはそれぞれ、第1および第2後側支持フレーム20a、20bの外側側方に配置されてよい。第1後輪部40aは、第1後側支持フレーム20aの外側側方に配置されてよく、第2後輪部40bは、第2後側支持フレーム20bの外側側方に配置されてよい。したがって、前記歩行補助装置が折り畳まれたときに、第1および第2前輪部30a、30bの一部は、第1および第2後輪部40a、40bとの間でこれらと側方にオーバーラップするようになる。
【0045】
図8は、本発明の一実施形態における、2段階折り畳み式歩行補助装置に適用可能なフォールディング部が有することができる具体的な構成を示した斜視図である。
【0046】
図8を参照すると、本実施形態に係る歩行補助装置に適用可能なフォールディング部は、下部組立部材P10、下部組立部材P10と回動軸部材A1によって互いに結合される上部組立部材P20、および下部組立部材P10に設けられて上部組立部材P20の一部と構造的に結合されるように備えられるクラッチ部材C1を含んでよい。上部組立部材P20は、回動軸部材A1を基準にして下部組立部材P10に対して回動可能なように備えられてよい。クラッチ部材C1は、上部組立部材P20の回動動作をロックまたはロック解除することができるように備えられてよい。非限定的な一例によると、クラッチ部材C1は、一種のバルブ構造を有してよく、バルブを開閉することにより、上部組立部材P20の回動動作がロックまたはロック解除されるように構成されてよい。上部組立部材P20の回動によって前記フォールディング部からメインフレームが折り畳まれるように構成されてよい。下部組立部材P10には前記メインフレームの第1部分が結合されてよく、上部組立部材P20には前記メインフレームの第2部分が結合されてよい。
【0047】
図8を参照しながら説明したフォールディング部は、
図1~3で説明した第1および第2フォールディング部F10a、F10bに適用されてよい。第1および第2フォールディング部F10a、F10bは、同一の構成を有してもよいし、対称的な構成を有してもよい。
図8を参照しながら説明したフォールディング部の具体的な構成は例示的なものに過ぎず、場合によって異なってもよい。
【0048】
図9および
図10は、
図8のフォールディング部でクラッチ部材C1のロックを解除した後、回動軸部材A1を基準にして上部組立部材P20を下部組立部材P10に対して回動させた場合を示した斜視図である。
【0049】
図11は、本発明の一実施形態における、歩行補助装置の高さ調節方法を説明するための図である。
【0050】
図11を参照すると、第1メインフレーム10aは、第1高さ固定部材11aの上側に高さ調節が可能なように構成されてよく、第1高さ固定部材11aは、調節された高さを固定する役割を担ってよい。第1高さ固定部材11aを開きながら第1メインフレーム10aの高さを調整した後、第1高さ固定部材11aを閉めて固定してよい。このような高さ調節方式は、第2メインフレーム(
図1の10b)にも同じように適用可能である。利用者の身長や体型などによって、第1および第2メインフレーム10a、10bの高さを容易に調節することができる。
【0051】
図12は、本発明の一実施形態における、歩行補助装置のハンドブレーキ動作方式を説明するための図である。
【0052】
図12を参照すると、ハンドブレーキ機能の場合、利用者がブレーキレバー14を引っ張る場合には制動がかかってよく、利用者がブレーキレバー14を離すと制動が解除されてよい。
【0053】
図13は、本発明の一実施形態における、歩行補助装置のパーキングブレーキ動作方式を説明するための図である。
【0054】
図13を参照すると、パーキングブレーキ機能の場合、利用者がブレーキレバー14を下側に押し下げた場合にブレーキレバー14が下側で固定され、制動状態が固定されてよい。この状態で再びブレーキレバー14を引き上げると、固定されていた制動状態は解除されてよい。
【0055】
図14は、本発明の一実施形態における、歩行補助装置のステアリング制御方式を説明するための図である。
【0056】
図14を参照すると、第1ステアリング調節部材35aを利用して第1前輪部30aの回動範囲が狭くまたは広くなるように調節してもよいし、回動しないように(すなわち、0°)固定してもよい。これと同様に、第2ステアリング調節部材(
図1の35b)を利用して第2前輪部(
図1の30b)の回動範囲が狭くまたは広くなるように調節してもよいし、回動しないように(すなわち、0°)固定してもよい。したがって、前輪部30a、30bのステアリング制御を容易になすことができる。
【0057】
一実施形態によると、歩行補助装置には、所定のセンサおよび電子制動装置を備えられてよく、センサに基づいて歩行者の安全性向上機能を提供することができる。
【0058】
一実施形態によると、第1前輪部30a、第2前輪部30b、第1後輪部40a、第2後輪部40bには圧力センサが備えられてよく、備えられた圧力センサによって取得した圧力に基づいて、第1前輪部30a、第2前輪部30b、第1後輪部40a、第2後輪部40bを制御してよい。より具体的には、第1前輪部30aに備えられた第1圧力センサによって取得した第1圧力と第2前輪部30bに備えられた第2圧力センサによって取得した第2圧力の平均値が第1閾値以下であり、第1後輪部40aに備えられた第3圧力センサによって取得した第3圧力と第2後輪部40bに備えられた第4圧力センサによって取得した第4圧力の平均値が第2閾値以上の場合、第1後輪部40aおよび第2後輪部40bが回転しないように制動が加えられてよい。これにより、歩行者が取っ手部12a、12bを握った状態で後方に倒れそうになったときに、上述したような圧力分布が車輪部に発生するようになり、この場合、第1後輪部40aおよび第2後輪部40bが回転しないように自動で制動が加わるようになることにより、歩行者の安定性を高めることができる。
【0059】
他の実施形態では、第1前輪部30aに備えられた第1圧力センサによって取得した第1圧力と第2前輪部30bに備えられた第2圧力センサによって取得した第2圧力の平均値が第3閾値以上であり、第1後輪部40aに備えられた第3圧力センサによって取得した第3圧力と第2後輪部40bに備えられた第4圧力センサによって取得した第4圧力の平均値が第4閾値以下の場合、第1前輪部30aおよび第2前輪部30bが回転するように制動が加えられてよい。この場合、下り坂などで歩行者が前方に倒れそうになる状況で前輪に制動を与えることにより、歩行者の安定性を高める手段を提供することができる。
【0060】
他の実施形態によると、歩行補助装置は、歩行者の歩行パターンに基づいて第1前輪部30a、第2前輪部30b、第1後輪部40a、第2後輪部40bを電子的に制動することにより、ユーザに安全性を提供してよい。より具体的には、備えられた速度センサ(例えば、車輪に備えられ、時間あたりの回転数を感知するセンサなど)に基づいて、歩行補助装置は、歩行者の歩行パターンによって歩行者の平均歩行速度を決定することができ、歩行補助装置の現時点の速度が歩行者の平均歩行速度よりも所定の閾値を超える場合、電子的に第1前輪部30a、第2前輪部30b、第1後輪部40a、および第2後輪部40bに一定レベルの制動を加えることにより、歩行者が所定の速度範囲内で歩行できるように支援してよい。この過程において、歩行補助装置は、所定の加速度以下に制動を加えることにより、歩行者が段階的に速度を落としながら歩行できるようにする手段を提供することができる。
【0061】
また他の実施形態によると、第1前輪部30a、第2前輪部30b、第1後輪部40a、第2後輪部40bには重力センサが備えられてよく、歩行補助装置は、備えられた重力センサによって取得した圧力に基づいて、第1前輪部30a、第2前輪部30b、第1後輪部40a、第2後輪部40bを制御してよい。より具体的には、重力センサによって、第1前輪部30aおよび第2前輪部30bの位置が第1後輪部40aおよび第2後輪部40bの位置に比べて所定の閾値以上に高いと判断された場合、歩行補助装置は、第1前輪部30a、第2前輪部30b、第1後輪部40a、第2後輪部40bに所定の動力を提供することにより、歩行者の上り坂歩行を支援することができる。
【0062】
これとは反対に、重力センサによって、第1前輪部30aおよび第2前輪部30bの位置が第1後輪部40aおよび第2後輪部40bの位置に比べて所定の閾値以上に低いと判断された場合、歩行補助装置は、第1前輪部30a、第2前輪部30b、第1後輪部40a、第2後輪部40bに所定の制動を加えることにより、歩行者の下り坂歩行を安全的にサポートするための手段を提供することができる。
【0063】
また、歩行補助装置は、第1前輪部30a、第2前輪部30b、第1後輪部40a、第2後輪部40bに、圧力センサによって感知される圧力の変化率が所定の周期以上で感知される場合、第1前輪部30a、第2前輪部30b、第1後輪部40a、第2後輪部40bに所定の制動を加えることにより、路面が滑らかでない道路を歩行する歩行者の安全性をサポートすることができる。
【0064】
さらに、歩行補助装置は、電子的に制動を加える過程において、制動に加えられる力が所定の制動力閾値を超える場合(この場合、制動力閾値は最大制動力よりも小さい値に決定)、お知らせ音を発生することにより、歩行者が制動不可な状況に陥ることを予防することができる。
【0065】
この他にも、歩行補助装置は、信号機との連動が可能な所定のコンピューティング装置をさらに含んでよく、歩行補助装置と信号機を連動させることにより、歩行不可な状況(例えば、赤信号)で車輪部に制動を加えて歩行者の安全を支援する機能を提供することもできる。
【0066】
上述した本発明の実施形態によると、利便性と安全性を確保しながらも、物流移動および収納/保管などの側面において相当な利点をもたらす歩行補助装置を実現することができる。実施形態に係る歩行補助装置は、二段階折り畳み式構造、すなわち、2回の折り畳みが可能な構造を有するため、輸送や配送/輸送のような物流移動の側面において多くの利点をもたらすことができるし、利用者の立場においても、コンパクトな収納/保管などが可能となる。さらに、実施形態に係る歩行補助装置は、優れた利便性と安全性を実現することができる。
【0067】
本明細書では、本発明の好ましい実施形態について開示した。ここでは特定の用語を使用したが、これは本発明の技術内容を簡単に説明し、本発明の理解を助けるための一般的な意味で使用したものに過ぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。ここに開示した実施形態の他にも、本発明の技術思想を基盤とする他の変形例の実施可能であるということは、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって自明であろう。例えば、当技術分野において通常の知識を有する者であれば、
図1~15を参照しながら説明した実施形態に係る歩行補助装置が多様に変形可能であることが理解できるであろう。このため、本発明の範囲は、説明した実施形態によって定められてはならず、特許請求の範囲に記載された技術思想によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0068】
10a 第1メインフレーム
10b 第2メインフレーム
11a 第1高さ固定部材
11b 第2高さ固定部材
12 取っ手部
14 ブレーキレバー
15 第1補助連結フレーム
20a 第1後側支持フレーム
20b 第2後側支持フレーム
25 第2補助連結フレーム
27a 第1制動ユニット
27b 第2制動ユニット
30a 第1前輪部
30b 第2前輪部
33a 第1車輪結合用部材
33b 第2車輪結合用部材
35a 第1ステアリング調節部材
35b 第2ステアリング調節部材
40a 第1後輪部
40b 第2後輪部
50 シート部材
52 収納部材
55a 第1連結部材
55b 第2連結部材
60 シートバック用連結フレーム
A1 回動軸部材
C1 クラッチ部材
F10a 第1フォールディング部
F10b 第2フォールディング部
P10 下部組立部材
P20 上部組立部材
【要約】
【課題】歩行補助装置について開示する。
【解決手段】開示された歩行補助装置は、互いに離隔して上下方向に互いに並んで延長して後方側に傾いた傾斜構造を有する第1および第2メインフレーム、前記メインフレームそれぞれの中間部に結合され、下方に互いに並んで延長して前方側に傾いた傾斜構造を有する第1および第2後側支持フレーム、前記メインフレームの上端部に連結されて備えられる取っ手部、前記メインフレームそれぞれの下端部ないしこれに隣接する部分に結合される第1および第2前輪部、前記後側支持フレームそれぞれの下端部またはこれに隣接する部分に結合される第1および第2後輪部、前記メインフレームの間で前記メインフレームと前記後側支持フレームの両方に連結されるように設けられるシート部材、前記後側支持フレームよりも高い位置で前記メインフレームにそれぞれ備えられる第1および第2フォールディング部を含む。
【選択図】
図1