(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】提示装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240319BHJP
【FI】
G06Q30/0601 322
(21)【出願番号】P 2019110431
(22)【出願日】2019-06-13
【審査請求日】2022-02-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】522297236
【氏名又は名称】株式会社プロスパイラ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(72)【発明者】
【氏名】大津 一高
(72)【発明者】
【氏名】小林 将人
(72)【発明者】
【氏名】細田 真樹
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】渡邊 聡
【審判官】松尾 俊介
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-288493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防振ゴム製品についての要求特性を示す要求特性情報を取得する要求取得部と、
サプライヤーから提供される防振ゴム製品の特性を、防振ゴム製品の種類ごとに示す製品情報を取得する製品情報取得部と、
前記要求取得部が取得する前記要求特性情報と、前記製品情報取得部が取得する前記製品情報に含まれる防振ゴム製品の種類ごとの特性とに基づ
き、防振ゴム製品の選択に関する防振ゴム製品の特性を解析して解析結果を取得する解析部を備え、当該解析結果を選択条件に用いることにより、前記製品情報取得部が取得する前記製品情報に含まれる防振ゴム製品の複数の種類のうちから、前記要求特性に応じた防振ゴム製品の種類を選択する製品選択部と、
前記製品選択部が選択する防振ゴム製品の種類を提示する提示部と、
を備える提示装置。
【請求項2】
前記製品情報には、防振ゴム製品の価格に関する情報が含まれ、
前記提示部は、
前記要求取得部が取得する前記要求特性情報と前記製品情報取得部が取得する前記製品情報と防振ゴム製品の価格に関する情報とに基づく、防振ゴム製品の見積金額を提示する、
請求項1に記載の提示装置。
【請求項3】
前記要求取得部が取得する前記要求特性情報には、
製品のサイズ、内筒を取り付けるか否かの情報、ばね定数、線形域を示す情報、耐久性、及び共振周波数が含まれる、
請求項1または請求項2に記載の提示装置。
【請求項4】
前記サプライヤーからそれぞれ提供される防振ゴム製品には、
液封ブッシュ、ソリッドブッシュ、エンジンマウント、ストラットマウント、キャブマウント、モータマウント及びマフラーハンガーが含まれる、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の提示装置。
【請求項5】
コンピュータに、
防振ゴムについての要求特性を示す要求特性情報を取得する要求取得ステップと、
サプライヤーから提供される防振ゴム製品の特性を、防振ゴム製品の種類ごとに示す製品情報を取得する製品情報取得ステップと、
前記要求取得ステップにより取得された前記要求特性情報と、前記製品情報取得ステップにより取得された前記製品情報に含まれる防振ゴム製品の種類ごとの特性とに基づ
き、防振ゴム製品の選択に関する防振ゴム製品の特性を解析して解析結果を取得する解析ステップと、
前記解析ステップにより取得された前記解析結果を選択条件に用いることにより、前記製品情報取得ステップが取得する前記製品情報に含まれる防振ゴム製品の複数の種類のうちから、前記要求特性に応じた防振ゴム製品の種類を選択する製品選択ステップと、
前記製品選択ステップにより選択された防振ゴム製品の種類を提示する提示ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コイルばねなどの製品群の電子カタログをネットワークを介して提示することにより、製品をカタログ販売するシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような選定手順は煩雑であることから、防振ゴム製品の場合においても電子カタログなどにより部品選定の手順が簡略化されることが好ましい。
ところが、車両の部品として利用されるような一部の防振ゴム製品の場合には、防振ゴム製品の特性が車両の要求仕様を満たすものであるか否かを、防振ゴム製品のカタログ値からだけでは把握することが困難である場合がある。そこで、従来、防振ゴム製品の発注元(例えば、車両メーカー)から防振ゴム製品のサプライヤーに対して要求仕様が提示され、提示された要求仕様に基づいて部品サプライヤーが防振ゴム製品の特性解析を行った結果を発注元に提示するといった手順によって部品選定が行われていた。したがって、上述のような防振ゴム製品の場合には、従来の電子カタログによる部品選定方法の採用が困難である。
すなわち、従来手法によると、防振ゴム製品の選定手順を簡略化することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、防振ゴム製品の選定手順を簡略化することができる提示装置及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る提示装置は、防振ゴム製品についての要求特性を示す要求特性情報を取得する要求取得部と、サプライヤーから提供される防振ゴム製品の特性を、防振ゴム製品の種類ごとに示す製品情報を取得する製品情報取得部と、前記要求取得部が取得する前記要求特性情報と、前記製品情報取得部が取得する前記製品情報とに基づいて、前記製品情報に含まれる防振ゴム製品の複数の種類のうちから、前記要求特性に応じた防振ゴム製品の種類を選択する製品選択部と、前記製品選択部が選択する防振ゴム製品の種類を提示する提示部とを備える。
【0007】
また、本発明の一態様に係る提示装置において、製品選択部は、前記要求取得部が取得する前記要求特性情報と、前記製品情報取得部が取得する前記製品情報に含まれる防振ゴム製品の種類ごとの特性とに基づく解析結果を選択条件に用いることにより、前記解析部が解析する結果に基づいて、前記製品情報取得部が取得する前記製品情報のうちから、防振ゴム製品の種類を選択する。
【0008】
また、本発明の一態様に係る提示装置において、前記製品情報には、防振ゴム製品の価格に関する情報が含まれ、前記提示部は、前記要求取得部が取得する前記要求特性情報と前記製品情報取得部が取得する前記製品情報と防振ゴム製品の価格に関する情報とに基づく、防振ゴム製品の見積金額を提示する。
【0009】
また、本発明の一態様に係る提示装置において、前記要求取得部が取得する前記要求特性情報には、製品のサイズ、内筒を取り付けるか否かの情報、ばね定数、線形域を示す情報、耐久性、及び共振周波数が含まれる。
【0010】
また、本発明の一態様に係る提示装置において、前記サプライヤーから提供される防振ゴム製品には、液封ブッシュ、ソリッドブッシュ、エンジンマウント、ストラットマウント、キャブマウント、モータマウント及びマフラーハンガーが含まれる。
【0011】
また、本願発明の一態様は、コンピュータに、防振ゴムについての要求特性を示す要求特性情報を取得する要求取得ステップと、サプライヤーから提供される防振ゴム製品の特性を、防振ゴム製品の種類ごとに示す製品情報を取得する製品情報取得ステップと、前記要求取得ステップにより取得された前記要求特性情報と、前記製品情報取得ステップにより取得された前記製品情報とに基づいて、前記製品情報に含まれる防振ゴム製品の複数の種類のうちから、前記要求特性に応じた防振ゴム製品の種類を選択する製品選択ステップと、前記製品選択ステップにより選択された防振ゴム製品の種類を提示する提示ステップと、を実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、防振ゴム製品の選定手順を簡略化することができる提示装置及び提示プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態における防振ゴム製品提示システムの取引態様の一例を示す図である。
【
図2】実施形態における防振ゴム製品提示システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態における記憶部に保存される製品情報の一例を示す図である。
【
図4】実施形態における防振ゴム製品提示装置の一連の動作の一例を示す図である。
【
図5】実施形態における防振ゴム製品提示装置のサイズ選択動作の一例を示す図である。
【
図6】実施形態における防振ゴム製品提示装置のサイズ選択動作における表示の一例を示す図である。
【
図7】実施形態における提示装置の内筒取り付けオプション選択動作の一例を示す図である。
【
図8】実施形態における提示装置の内筒取り付けオプション選択動作表示の一例を示す図である。
【
図9】実施形態における提示装置のばね定数選択動作の一例を示す図である。
【
図10】実施形態における提示装置のばね定数選択動作における表示の一例を示す図である。
【
図11】実施形態における提示装置の線形域選択動作の一例を示す図である。
【
図12】実施形態における提示装置の線形域選択動作における表示の一例を示す図である。
【
図13】実施形態における提示装置の線形域選択動作におけるストッパー選択時の表示の一例を示す図である。
【
図14】実施形態における提示装置の耐久性確認動作の一例を示す図である。
【
図15】実施形態における提示装置の耐久性確認動作における表示の一例を示す図である。
【
図16】実施形態における提示装置の動特性解析動作の一例を示す図である。
【
図17】実施形態における提示装置の動特性解析動作における表示の一例を示す図である。
【
図18】実施形態における提示装置の一覧表示動作の一例を示す図である。
【
図19】実施形態における提示装置の一覧表示動作における表示の一例を示す図である。
【
図20】実施形態における提示装置の見積価格提示及び発注動作の一例を示す図である。
【
図21】実施形態における提示装置の見積価格提示及び発注動作における表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[防振ゴム製品提示システムAの概要]
図1は、実施形態における防振ゴム製品提示システムAの概要を示す図である。
防振ゴム製品提示システムAとは、プラットフォーム提供者A100によって提供されるコンピュータシステムである。
防振ゴム製品提示システムAにおいては、プラットフォーム提供者A100からユーザーA200に対して防振ゴム製品の製品選定アプリケーションF1が提供される。防振ゴム製品提示システムAにおいては、防振ゴムサプライヤーA300から防振ゴム製品情報F2が提供される。防振ゴムサプライヤーA300から提供された防振ゴム製品情報F2は、記憶部4に防振ゴム製品の製品情報PIとして記憶される。防振ゴム製品提示システムAにおいては、ユーザーA200が利用する製品選定アプリケーションF1を介して、ユーザーA200の要求仕様がユーザーA200から提供される。防振ゴム製品提示システムAは、記憶部4に記憶された製品情報PIに基づいて、ユーザーA200の要求仕様に応じた防振ゴム製品を選定し、選定した防振ゴム製品の製品情報PIを、防振ゴム製品情報F3としてユーザーA200に提示する。
すなわち、防振ゴム製品提示システムAにおいて、製品選定アプリケーションF1は、既存の防振ゴム製品のなかから、要求仕様に応じた防振ゴム製品を選定する選定ソフトウエアとして機能する。
ここで、ユーザーA200とは、例えば、車両メーカーにおける防振ゴム製品の選定担当者である。防振ゴムサプライヤーA300とは、防振ゴム製品及びこの防振ゴム製品の特性情報である防振ゴム製品情報F2を提供する者である。
なお、本実施形態の防振ゴム製品には、マウント、クッションゴム、ソリッドブッシュ、液封ブッシュ、エアスリーブなどが含まれる。また、防振ゴム製品には、エンジンマウント、ストラットマウント、キャブマウント、モータマウント又はマフラーハンガー等の自動車用防振ゴム製品が含まれていてもよい。以下では、防振ゴム製品が液封ブッシュである場合を一例にして説明する。
【0015】
防振ゴム製品提示システムAには、複数のユーザーA200及び複数の防振ゴムサプライヤーA300が参加可能である。複数の防振ゴムサプライヤーA300は、それぞれの製品情報PIを提供する。複数の防振ゴムサプライヤーA300からそれぞれ提供された製品情報PIは、記憶部4に記憶される。すなわち、記憶部4には、複数の防振ゴムサプライヤーA300の製品情報PIが記憶される。 したがって、防振ゴム製品提示システムAを利用するユーザーA200は、複数の防振ゴムサプライヤーA300がそれぞれ提供する防振ゴム製品の中から、当該ユーザーA200の要求仕様に応じた防振ゴム製品を選定することができる。
【0016】
なお、防振ゴム製品提示システムAは、単独で動作可能な専用の装置、汎用の計算機上で動作する専用アプリケーションソフトウエア、または汎用の計算機上で動作するインターネットブラウザを介してサーバ上で動くソフトウエア等のいずれの形態によって構成されていてもよい。
【0017】
[防振ゴム製品提示システムAにおけるシステム利用料金の流れの概要]
次に、防振ゴム製品提示システムAにおけるシステム利用料金の流れの一例について説明する。この一例では、防振ゴム製品提示システムAがユーザーA200が利用する汎用計算機上で動作するアプリケーションソフトウエアとして構成されているものとして説明する。この一例において、汎用計算機は、不図示のマイクロコンピュータ、RAM(Random access memory)及びROM(Read only memory)等のメモリ、汎用入力装置、汎用出力装置、及び外部機器とのやり取りを行う通信部等を備えている。
【0018】
プラットフォーム提供者A100は、防振ゴムサプライヤーA300に対して、記憶部4に製品情報PIを記憶させる権利を与える。防振ゴムサプライヤーA300は、記憶部4に製品情報PIを記憶させる権利の対価としてのプラットフォーム利用料C100を、プラットフォーム提供者A100に対して支払う。
防振ゴムサプライヤーA300が防振ゴム製品の製品情報PIを記憶部4に記憶させることにより、ユーザーA200は、ユーザーA200の要求仕様に応じた防振ゴム製品を選定することができるようになる。防振ゴムサプライヤーA300は、防振ゴム製品提示システムAを介して自社の製品の製品情報PIをユーザーA200に対して提示することが可能である。
ここで、従来においては、防振ゴムサプライヤーA300は、ユーザーA200(例えば、自動車メーカ)に対して営業活動を行い、自動車メーカーから提供される要求仕様に基づいて、防振ゴム製品の選定を行っていた。
本実施形態の防振ゴム製品提示システムAによれば、記憶部4に記憶された製品情報PIに基づいて、ユーザーA200の要求仕様に応じた防振ゴム製品が選定される。このため、防振ゴム製品提示システムAによれば、防振ゴムサプライヤーA300が自社製品の売り込みなどの営業活動をユーザーA200に対して直接的に行わなくても、自社の防振ゴム製品がユーザーA200によって選定される機会が与えられる。プラットフォーム利用料C100は、従来、防振ゴムサプライヤーA300が負担していた自社製品の営業活動に要する費用が防振ゴム製品提示システムAによって低減されることの対価であるともいえる。
プラットフォーム利用料C100は、月や年を単位とする期間契約によって、またはユーザーA200に対する製品情報PIの提示回数やユーザーA200による製品採用による成功報酬型契約によって、その金額が定められていてもよい。
【0019】
プラットフォーム提供者A100は、ユーザーA200に製品選定アプリケーションF1を提供する。ユーザーA200は、製品選定アプリケーションF1の提供又は利用の対価としてのアプリケーション使用料C200を、プラットフォーム提供者A100に対して支払う。
なお、製品選定アプリケーションF1には、販売(譲渡)による提供形態と、リース(貸出)による提供形態とがあってもよい。
【0020】
防振ゴムサプライヤーA300は、ユーザーA200の要求仕様に応じた防振ゴム製品の製品情報PIを、防振ゴム製品情報F3としてユーザーA200に提供する。ユーザーA200は、提供される防振ゴム製品情報F3の対価としてデータ使用料C300を防振ゴムサプライヤーA300に対して支払う。つまり、データ使用料C300とは、ユーザーA200が防振ゴムサプライヤーA300に対して支払う料金である。防振ゴムサプライヤーA300が防振ゴム製品の製品情報PIを提供することにより、ユーザーA200は、複数の防振ゴムサプライヤーA300の製品仕様どうしを比較できるようになる。
【0021】
[防振ゴム製品提示システムAの機能構成の一例]
図2は、実施形態における防振ゴム製品提示システムAの機能構成の一例を示す図である。
防振ゴム製品提示システムAは、防振ゴム製品提示装置1と、操作検出部2と、情報提供装置3と、記憶部4と、表示部5とを備える。
【0022】
操作検出部2は、ユーザーA200の操作を検出するデバイス(不図示)を備えており、ユーザーA200の操作に応じた要求情報RI及び発注情報OIを取得する。ユーザーA200の操作を検出するデバイスには、スイッチ、キーボード、ポインティングデバイス、音声認識デバイスなどが含まれていてもよい。
【0023】
情報提供装置3は、記憶部4に対して製品情報PIを提供する。本実施形態の一例では、防振ゴム製品提示システムAには、複数の防振ゴムサプライヤーA300が参加する。一例として、防振ゴム製品提示システムAに、防振ゴムサプライヤーA300a~防振ゴムサプライヤーA300cの3つの防振ゴムサプライヤーA300が参加している場合について説明する。この場合、情報提供装置3a~情報提供装置3cが情報提供装置3として備えられ、防振ゴムサプライヤーA300aは情報提供装置3aを、防振ゴムサプライヤーA300bは情報提供装置3bを、防振ゴムサプライヤーA300cは情報提供装置3cを、それぞれ利用する。
防振ゴムサプライヤーA300aは、情報提供装置3aを利用して防振ゴムサプライヤーA300aの製品情報PIaを提供する。提供された製品情報PIaは、記憶部4に記憶させる。これと同様に、防振ゴムサプライヤーA300bは、情報提供装置3bを利用して防振ゴムサプライヤーA300bの製品情報PIbを記憶部4に記憶させる。また、防振ゴムサプライヤーA300cは、情報提供装置3cを利用して防振ゴムサプライヤーA300cの製品情報PIcを記憶部4に記憶させる。
なお、以降の説明において、情報提供装置3a~情報提供装置3cを区別しない場合は情報提供装置3とする。
【0024】
記憶部4は、情報提供装置3から提供される製品情報PIを記憶する。記憶部4は、物理的なサーバ装置として構成されていてもよく、クラウド上に存在する論理的なサーバとして構成されていてもよい。記憶部4は、防振ゴム製品提示装置1の内部に備えられていてもよいし、防振ゴム製品提示装置1の外部に備えられていてもよい。
【0025】
[防振ゴム製品提示装置1の機能構成の一例]
防振ゴム製品提示装置1は、要求取得部100と、製品選択部200と、製品情報取得部300と、提示部400とを備える。
【0026】
要求取得部100は、操作検出部2が検出したユーザーA200の操作結果を取得する。ユーザーA200の操作結果には、要求情報RIと、発注情報OIとが含まれる。要求情報RIとは、ユーザーA200の防振ゴム製品に対する要求特性を示す要求特性情報である。ユーザーA200の防振ゴム製品に対する要求特性には、一例として、製品のサイズ、内筒を取り付けるか否かの情報、ばね定数、線形域を示す情報、耐久性、及び共振周波数等の情報が含まれる。発注情報OIには、防振ゴム製品の発注数が含まれる。ここでいう防振ゴム製品の発注数は、仮値、確定値、または予測値のいずれであってもよい。要求取得部100は、取得した要求情報RIと、発注情報OIとを製品選択部200に出力する。
【0027】
製品情報取得部300は、記憶部4から製品情報PIを取得する。製品情報PIには、防振ゴム製品の種類ごとに、防振ゴム製品の特性を示す製品情報が含まれる。防振ゴム製品の種類は、カタログ品番、型番又は製品名等によって識別される。換言すれば、製品情報PIとは、既製品リストや製品カタログに掲載される防振ゴム製品のカタログ値を示す情報である。
【0028】
図3は、本実施形態の記憶部4に記憶される製品情報PIの一例を示す図である。記憶部4には、例えば、サプライヤーID、防振ゴムID、サイズ、特性、信頼性、価格などの情報が互いに関連付けられて、製品情報PIとして記憶される。サプライヤーIDとは、複数の防振ゴムサプライヤーA300の中から製品情報PIを提供した防振ゴムサプライヤーA300を識別する情報である。防振ゴムIDとは、防振ゴム製品のカタログ品番、型番又は名称等によって識別される、防振ゴム製品の種類を示す情報である。この防振ゴムIDは、各防振ゴムサプライヤーA300がそれぞれ独自に付番した情報であってもよい。
図3に示す一例において、製品情報PI1には、サプライヤーID“S0001”と、防振ゴムID“0001”と、サイズ“外形:50、幅:50、…”と、特性“ばね定数Ks:300-500、ストローク:±3、線形域幅:1.5”と、信頼性“強度:10kN、耐久50%:50万回、耐久100%:5万回、…”と、価格“単価:500、…”との各情報が互いに対応付けられている。これと同様に、製品情報PI2には、サプライヤーID“S0001”と、防振ゴムID“0002”と、サイズ“外形:50、幅:60、…”と、特性“ばね定数Ks:300-500、ストローク:±3、線形域幅:1.5”と、信頼性“強度:15kN、耐久50%:50万回、耐久100%:5万回、…” と、価格“単価:750、…”との各情報が互いに対応付けられている。また、製品情報PI3には、サプライヤーID“S0002”と、防振ゴムID“BG0051”と、サイズ“外形:50、幅:50、…”と、特性“ばね定数Ks:300-500、ストローク:±5、線形域幅:4.0”と、信頼性“強度:20kN、耐久50%:50万回、耐久100%:5万回、…” と、価格“単価:1000、…”との各情報が互いに対応付けられている。
この一例では、製品情報PIは、製品情報PI1と製品情報PI2とが、いずれもサプライヤーID“S0001”である防振ゴムサプライヤーA300から提供されていることを示す。ここで、サイズとは、防振ゴム製品のサイズ(寸法)を示す情報である。特性とは、防振ゴム製品の製品特性を示す情報である。信頼性とは、防振ゴム製品の耐久性能を示す情報である。
【0029】
図2に戻り、製品情報取得部300は、記憶部4から取得した製品情報PIを製品選択部200に出力する。
製品選択部200は、解析部201と、見積部202とを備える。
解析部201は、要求取得部100が取得する要求情報RIと、製品情報取得部300が取得する製品情報PIとに基づき、防振ゴム製品の選択に関する解析を行う。
【0030】
上述したように、要求情報RIには、ユーザーA200による防振ゴム製品に対する要求仕様の情報、すなわち、製品のサイズ、内筒を取り付けるか否かの情報、ばね定数、線形域を示す情報、耐久性、及び共振周波数などの情報が含まれる。また、製品情報PIには、防振ゴム製品のカタログ値の情報、すなわち、サプライヤーID、防振ゴムID、サイズ、特性、信頼性、及び単価などの情報が含まれる。要求情報RIに含まれる要求仕様の各項目と、製品情報PIに含まれる防振ゴム製品のカタログ値の各項目との間には、紐づけがされていない。このため、製品情報PIが示す複数の防振ゴム製品のなかから、要求情報RIが示す要求仕様を満たす防振ゴム製品を選定することは、一般的には困難である。
【0031】
解析部201は、要求情報RIを製品情報PIに紐づく形式に変換し、または製品情報PIを要求情報RIに紐づく形式に変換することによって、防振ゴム製品の選択に関する解析を行う。
具体的には、解析部201は、製品情報PIが示す防振ゴム製品のカタログ値に基づいて、所定のシミュレーション演算を行う。解析部201は、この所定のシミュレーション演算を製品情報PIに含まれる複数の防振ゴム製品のそれぞれについて行う。解析部201は、要求情報RIが示す要求仕様と、シミュレーション演算によって得られる複数の防振ゴム製品のそれぞれについてのシミュレーション結果とを比較する。解析部201は、比較した複数の防振ゴム製品のうち、要求仕様を満たすシミュレーション結果が得られた防振ゴム製品を、提案部品情報PPとして選定する。
なお、以下の説明において、所定のシミュレーション演算及びシミュレーション演算結果に基づく防振ゴム製品の選定手順のことを、選定ロジック(または単に、ロジック)とも記載する。
解析部201は、選定した防振ゴム製品の製品情報PIを、提案部品情報PPとして見積部202及び提示部400に出力する。なお、解析部201が選定する防振ゴム製品は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
【0032】
見積部202は、要求取得部100から出力される発注情報OIと、解析部201から出力される提案部品情報PPと、製品情報取得部300が取得する製品情報PIとに基づいて、解析部201が選定する防振ゴム製品をユーザーA200が購入する際の見積金額を算出する。
上述したように、発注情報OIには、防振ゴム製品の発注数に関する情報が含まれている。製品情報PIには、防振ゴムIDの単価に関する情報が含まれている。見積部202は、解析部201が出力する提案部品情報PPが示す防振ゴム製品について、発注情報OIから発注数に関する情報を、製品情報PIから単価に関する情報を、それぞれ取得する。見積部202は、取得した発注数と、単価とに基づいて、提案部品情報PPが示す防振ゴム製品の見積金額を算出する。見積部202は、算出した見積金額を含む見積情報CIを、提示部400に出力する。
なお、製品情報PIが示す防振ゴム製品の単価は、発注数、最低発注数量、最小発注単位、又は出荷形態等により変動してもよい。また、製品情報PIが示す防振ゴム製品の単価は、防振ゴム製品に付属するオプションの有無により変動してもよい。また、製品情報PIが示す防振ゴム製品の単価は、防振ゴム製品にオプションを付属させる場合に追加される金額を示していてもよい。
なお、防振ゴム製品の単価が防振ゴム製品に付属するオプションの有無により変動する場合には、要求情報RIには、オプションの要求内容を示す情報が含まれていてもよい。この場合、見積部202は、要求情報RIに含まれるオプションの要求内容に基づいて、見積金額を算出する。
また、要求情報RIには、防振ゴム製品のカタログ値からのカスタマイズの要求内容を示す情報が含まれていてもよい。ここで、カタログ値からのカスタマイズとは、例えば、ばね定数Ksについて、ユーザーA200の要求値がカタログ値に存在しない場合に、カタログ値に存在しない要求値を、防振ゴム製品の要求仕様とすることである。この場合、防振ゴムサプライヤーA300は、既存品として用意されていない防振ゴム製品を特注品として用意することになる。この場合には、特注品である防振ゴム製品の単価は、既存品である防振ゴム製品の単価と異なる場合がある。見積部202は、要求情報RIに含まれるカスタマイズの要求内容に基づいて、見積金額を算出する。
【0033】
提示部400は、例えばディスプレイコントローラを備えており、解析部201が出力する提案部品情報PPと、見積部202が出力する見積情報CIと、画像情報として表示部5に出力する。
表示部5は、例えば液晶表示面を備えており、提示部400が出力する画像情報に基づいて、提案部品情報PPと、見積情報CIとを含む画像を表示する。
提示部400が出力する情報は、防振ゴム製品の種類を示す文字情報でもよい。また、提示部400が出力する情報は、防振ゴム製品の種類を示す情報と、当該種類の防振ゴム製品の製品特性とであってもよい。なお、表示部5は、画像表示装置であるとして説明するが、これに限られず、プリンタ装置やスピーカ装置などの情報出力装置として構成されていてもよい。
【0034】
[防振ゴム製品提示装置1の動作の一例]
図4は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1の一連の動作の一例を示す図である。
図4を参照して、ユーザーA200が防振ゴム製品提示装置1を使用して、ユーザーA200の所望の防振ゴム製品を検索する場合の一連の動作について説明する。防振ゴム製品提示装置1は、防振ゴム製品に対する要求仕様の設定機能と、要求仕様に基づく解析結果の提示機能とを有する。この一例では、防振ゴム製品提示装置1は、同図に示すステップS10~ステップS80のうち、ステップS10~ステップS40において防振ゴム製品に対する要求仕様の設定機能が実行され、ステップS50~ステップS80において要求仕様に基づく解析結果の提示機能が実行される。
【0035】
[防振ゴム製品に対する要求仕様の設定機能について]
防振ゴム製品に対する要求仕様の設定機能において、防振ゴム製品提示装置1は、防振ゴム製品のサイズと、内筒取り付けの要否と、ばね定数と、防振ゴム製品の変形の線形域とを、防振ゴム製品に対する要求仕様として、ユーザーA200に選択(又は指定)させる機能を提供する。要求情報RIには、上述した要求仕様のそれぞれの項目(すなわち、防振ゴム製品のサイズ、内筒取り付けの要否、ばね定数、及び防振ゴム製品の変形の線形域)を示す情報が含まれる。
【0036】
[サイズ選択動作の一例]
(ステップS10)防振ゴム製品提示装置1は、操作検出部2がユーザーA200の操作を検出したことにより得られる要求情報RIを取得する。この要求情報RIには、防振ゴム製品の目標サイズを示す情報が含まれている。すなわち、防振ゴム製品提示装置1は、製品の目標サイズを取得する。ステップS10についての詳細について、
図5を参照して説明する。
【0037】
図5は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1のサイズ選択動作の一例を示す図である。
(ステップS101)提示部400は、製品情報PIに含まれる防振ゴム製品のサイズ情報を表示部5に表示させる。具体的には、製品情報取得部300は、記憶部4から製品情報PIを取得する。製品情報取得部300は、取得した製品情報PIを提示部400に出力する。提示部400は、製品情報取得部300から出力された製品情報PIを表示部5に表示させる。上述したように、製品情報PIには、防振ゴム製品のサイズ情報が含まれている。表示部5には、防振ゴム製品のサイズ情報が表示される。
表示部5に表示される製品情報PIの一例について、
図6を参照して説明する。
【0038】
図6は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1のサイズ選択動作における表示の一例を示す図である。この一例では、提示部400は、同図に示すサイズ選択画面T601を、表示部5に表示させる。サイズ選択画面T601は、製品一覧表T602と、決定ボタンT603とを画面の構成要素として備える。
製品一覧表T602において、製品情報PIは、防振ゴム製品のサイズごとに防振ゴム製品の種類が仕分けされ、サイズ別に並べられて表示される。
【0039】
(ステップS102)
図5に戻り、要求取得部100は、希望サイズ情報を取得する。希望サイズ情報とは、ユーザーA200が要求する防振ゴム製品のサイズを示す情報である。この希望サイズ情報は、要求情報RIに含まれている。
図6に示すように、表示部5に表示される製品一覧表T602は、サイズ選択ボタンT610と、ソートボタンT620と、決定ボタンT603とを、画面の構成要素として備える。
【0040】
サイズ選択ボタンT610は、ユーザーA200が操作可能な画像であり、選択状態T610bと非選択状態T610aとの2つの操作状態を有する。操作検出部2は、サイズ選択ボタンT610に対するユーザーA200の操作の状態を検出する。操作検出部2は、サイズ選択ボタンT610が選択状態T610bであるか、非選択状態T610aであるかを検出し、検出した操作の状態を要求情報RIに含めて要求取得部100に出力する。要求取得部100は、操作検出部2が出力する要求情報RIに含まれるサイズ選択ボタンT610の操作状態を取得する。
【0041】
ソートボタンT620は、ユーザーA200が操作可能な画像であり、昇順ソートボタンT620aと、降順ソートボタンT620bとの2つの操作画像を含む。昇順ソートボタンT620a及び降順ソートボタンT620bは、サイズ昇順並べ替え操作(又はサイズ降順並べ替え操作)を受け付ける操作画像である。サイズ昇順並べ替え操作(又はサイズ降順並べ替え操作)とは、製品一覧表T602に表示される防振ゴム製品の製品情報PIの表示順序を、サイズの昇順(又は降順)に並べ替える操作である。操作検出部2は、ソートボタンT620に対するユーザーA200の操作の状態を検出する。表示部5に表示される製品一覧表T602の製品情報PIの表示順序は、操作検出部2のソートボタンT620の操作検出結果に基づいて並べ替えられる。
なお、製品一覧表T602には、外形、幅などの製品情報PIの項目ごとにソートボタンT620が備えられていてもよい。
【0042】
決定ボタンT603は、ユーザーA200が操作可能な画像であり、サイズ決定操作を受け付ける。サイズ決定操作とは、サイズ選択ボタンT610による選択結果をユーザーA200が決定する操作である。
【0043】
(ステップS103)
図5に戻り、操作検出部2は、決定ボタンT603に対するサイズ決定操作を検出する。操作検出部2は、サイズ決定操作を検出すると、サイズ決定操作を検出したことを示す情報を要求取得部100に出力する。要求取得部100は、サイズ決定操作が検出されると、上述したステップS102において取得した要求情報RIを製品選択部200に出力する。
【0044】
(ステップS104)製品選択部200は、ステップS103において出力された要求情報RIに基づいて、製品情報PIのサイズ選択状況を判定する。製品選択部200は、選択状態T610bのサイズがない場合(つまり、いずれのサイズも選択されていない場合)(ステップS104;NO)には、処理をステップS106に進めて処理を終了する。製品選択部200は、選択状態T610bのサイズがある場合(ステップS104;YES)には、処理をステップS105に進める。
【0045】
(ステップS105)製品選択部200は、表示済みの製品情報PIのうち、ステップS102においてサイズが選択された防振ゴム製品の製品情報PIを、表示部5に表示させる。
【0046】
[内筒取り付けオプション選択動作の一例]
(ステップS20)
図4に戻り、防振ゴム製品提示装置1は、内筒取り付けオプション選択動作を行う。
図7を参照して、内筒取り付けオプション選択動作の詳細について説明する。
【0047】
図7は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1の内筒取り付けオプション選択動作の一例を示す図である。
(ステップS201)提示部400は、内筒取り付けオプション選択画面T801を表示部5に表示させる。内筒取り付けオプション選択画面T801の一例について、
図8を参照して説明する。
図8は、実施形態における提示装置の内筒取り付けオプション選択画面T801の一例を示す図である。オプション選択画面T801は、製品一覧表T802と、決定ボタンT803とを、画面の構成要素として備える。
製品一覧表T802は、防振ゴム製品のサプライヤーIDと、防振ゴムIDと、可能内筒タイプと、選択ボタンT810とを、画面の構成要素として備える。可能内筒タイプとは、複数種類の内筒のうち、防振ゴム製品に取り付け可能な内筒の種類を示す情報である。一例として、製品一覧表T802には、タイプAと、タイプBと、タイプCと、オーダーメイドとの可能内筒タイプが表示される。ここで、タイプA~タイプCとは、既成品(又は、標準品、カタログ品)の内筒である。オーダーメイドとは、ユーザーA200の要求仕様に応じて製作される内筒である。以下の説明において、可能内筒タイプのうち、既成品(又は、標準品、カタログ品)の内筒を示す可能内筒タイプのことを、既定値の可能内筒タイプとも記載する。この一例では、タイプA~タイプCは、既定値の可能内筒タイプである。
【0048】
選択ボタンT810とは、防振ゴム製品に取り付け可能な内筒の種類のうち、ユーザーA200が取り付けを希望する内筒の種類を選択するための操作画像である。選択ボタンT810は、可能内筒タイプごとに備えられている。選択ボタンT810には、非選択状態T810aと、選択状態T810bと、選択不可状態T810cとの3つの状態がある。非選択状態T810aは、ユーザーA200が取り付けを希望しないことを示す。選択状態T810bは、ユーザーA200が取り付けを希望していることを示す。選択不可状態T810cは、ユーザーA200の希望の有無にかかわらず防振ゴム製品に取り付け不可能であることを示す。
【0049】
(ステップS202)操作検出部2が、ユーザーA200の選択ボタンT810の操作により内筒タイプが選択されたことを検出すると、要求取得部100は、選択ボタンT810の操作結果を、希望内筒取り付けオプション情報として取得する。
【0050】
(ステップS203)ユーザーA200が決定ボタンT803に対する操作を行うと、要求取得部100は、処理をステップS204に進める。
(ステップS204)製品選択部200は、ステップS202における選択ボタンT810の操作結果を判定する。具体的には、製品選択部200は、ステップS202において選択状態T810bにされた可能内筒タイプの有無を判定する。製品選択部200は、選択状態T810bの可能内筒タイプがない場合(つまり、いずれの可能内筒タイプも選択されていない場合)(ステップS204;NO)には、処理をステップS209に進めて処理を終了する。製品選択部200は、選択状態T810bの可能内筒タイプがある場合(ステップS204;YES)には、処理をステップS205に進める。
【0051】
(ステップS205)製品選択部200は、選択状態T810bの可能内筒タイプが規定値であるか否かを判定する。この一例では、製品選択部200は、選択状態T810bの可能内筒タイプがタイプA~タイプCのいずれかであるか、又はオーダーメイドであるかを判定する。製品選択部200は、既定値の可能内筒タイプ(例えば、タイプA~タイプC)が選択されている場合(ステップS205;YES)には、製品選択部200は、処理をステップS206に進める。製品選択部200は、既定値の可能内筒タイプ(例えば、タイプA~タイプC)が選択されていない場合(例えば、オーダーメイドが選択されている場合)(ステップS205;NO)には、製品選択部200は、処理をステップS207に進める。
【0052】
(ステップS206)既定値の可能内筒タイプ(上述の一例では、タイプA~タイプC)が選択された場合、製品選択部200は、内筒の形状が既定の形状であると決定する。
(ステップS207)既定値の可能内筒タイプが選択されていない場合、製品選択部200は、内筒の形状が既定の形状ではなく、オーダーメイドの形状であると決定する。
(ステップS208)製品選択部200は、上述のステップS201~ステップS207において選択された内筒取り付けオプションの情報を要求情報RIとして取得する。
【0053】
[ばね定数選択動作の一例]
(ステップS30)
図4に戻って、ばね定数選択動作について説明する。防振ゴム製品提示装置1は、ユーザーA200の要求仕様としてのばね定数を、ユーザーA200から操作検出部2を介して取得する。以下、
図9を参照して、ばね定数選択動作の詳細について説明する。
【0054】
図9は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1のばね定数選択動作の一例を示す図である。
(ステップS301)提示部400は、ステップS208において取得された要求情報RIに基づいて、ばね定数選択画面T1001を表示部5に表示させる。
図10を参照して、ばね定数選択画面T1001の一例について説明する。
【0055】
図10は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1のばね定数選択動作における表示の一例を示す図である。ばね定数選択画面T1001は、製品一覧表T1002と、決定ボタンT1003とを画面の構成要素として備える。
【0056】
製品一覧表T1002は、選択ボタンT1010と、ばね定数選択範囲T1020と、オーダーメイド可否表示T1030とを画面の構成要素として備える。
ばね定数選択範囲T1020は、防振ゴム製品において設定可能なばね定数の範囲を、防振ゴム製品ごとに示す。
一例として、同図に示されるサプライヤーIDがS0006であり、防振ゴムIDがRB10-001である防振ゴム製品について説明する。この防振ゴム製品のばね定数選択範囲T1020に示される最小ばね定数値T1021は300である。また、この防振ゴム製品の最大ばね定数値T1022は600である。この場合、ばね定数選択範囲T1020は、防振ゴムIDがRB10-001である防振ゴム製品のばね定数が、300から600の間で設定が可能であることを示す。
この一例では、ユーザーA200は、ユーザーA200の要求仕様としてのばね定数(すなわち、希望ばね定数)を、次に示す2通りの方法によって設定することができる。具体的には、ユーザーA200は、希望ばね定数設定部T1023に希望ばね定数を数値入力することにより、希望ばね定数を設定可能である。また、ユーザーA200は、希望ばね定数インジケータT1024を画面の左右にスライド操作することによって、希望ばね定数を設定可能である。なお、希望ばね定数設定部T1023に入力される数値と、希望ばね定数インジケータT1024の左右の表示位置とが、互いに連動されていてもよい。
【0057】
オーダーメイド可否表示T1030は、オーダーメイド可能表示T1031aと、オーダーメイドばね定数入力部T1031bと、オーダーメイド不可表示T1032とを画面の構成要素として備える。防振ゴム製品によっては、ばね定数をオーダーメイドをすることにより、既定のばね定数を超える(上回る場合と下回る場合とを含む)数値の設定が可能である場合がある。オーダーメイド可能表示T1031a及びオーダーメイドばね定数入力部T1031bは、当該防振ゴム製品について、ばね定数のオーダーメイドが可能である場合に示される。オーダーメイド不可表示T1032は、当該防振ゴム製品について、ばね定数のオーダーメイドが可能でない場合に示される。
【0058】
ばね定数のオーダーメイドについて、同図に示されるサプライヤーIDがS0101であり、防振ゴムIDが0001-5055である防振ゴム製品を一例にして説明する。当該防振ゴム製品について、ばね定数選択範囲T1020に示される最小ばね定数値T1021は300であり、最大ばね定数値T1022は500である。同図の最小ばね定数値T1021及び最大ばね定数値T1022は、いずれも既定のばね定数を示す。すなわち、当該防振ゴム製品の場合、既定のばね定数は300から500の間で設定が可能である。
また、当該防振ゴム製品について、オーダーメイド可否表示T1030には、オーダーメイド可能表示T1031aと、オーダーメイドばね定数入力部T1031bとが示されている。オーダーメイド可能表示T1031aとは、当該防振ゴム製品のばね定数のオーダーメイドが可能であることを示す表示である。オーダーメイドばね定数入力部T1031bとは、当該防振ゴム製品のばね定数を指定する値の入力位置を示す表示である。
【0059】
選択ボタンT1010は、防振ゴム製品のばね定数について、既定のばね定数を用いるか、オーダーメイドのばね定数を用いるかを、ユーザーA200が選択する操作画面である。選択ボタンT1010は、非選択状態T1010aと、選択状態T1010bと、選択不可状態T1010cとを画面の構成要素として備える。
ここで、選択ボタンT1010のうち、オーダーメイドのばね定数を用いることを示す選択ボタンT1010については、当該防振ゴム製品のばね定数がオーダーメイド不可である場合には、選択不可状態T1010cが表示される。
【0060】
(ステップS302)操作検出部2は、ばね定数選択画面T1001に対するユーザーA200の操作を検出する。操作検出部2は、検出した操作を要求情報RIに含めて要求取得部100に出力する。この要求情報RIには、ばね定数選択画面T1001の各構成要素、すなわち選択ボタンT1010と、ばね定数選択範囲T1020と、オーダーメイド可否表示T1030とに対するユーザーA200の操作結果が含まれている。以下の説明において、ばね定数選択画面T1001の各構成要素、すなわち選択ボタンT1010と、ばね定数選択範囲T1020と、オーダーメイド可否表示T1030とに対するユーザーA200の操作結果を、ばね定数選択情報とも称する。
要求取得部100は、要求情報RIを取得する。要求取得部100が取得する要求情報RIには、ばね定数選択情報が含まれる。
【0061】
(ステップS303)ユーザーA200が決定ボタンT1003に対する操作を行うと、要求取得部100は、処理をステップS304に進める。
(ステップS304)製品選択部200は、ステップS302において取得されたばね定数選択情報の内容を判定する。具体的には、製品選択部200は、ステップS302において取得されたばね定数選択情報に、既定値のばね定数を選択する操作結果、又はオーダーメイドのばね定数を選択する操作結果が含まれているか否かを判定する。
ユーザーA200がばね定数を選択する操作を行わずに決定ボタンT1003の操作を行った場合、要求情報RIには、ばね定数を選択する操作結果が含まれない。製品選択部200は、ばね定数を選択する操作結果が要求情報RIに含まれない場合(ステップS304;NO)には、処理をステップS309に進めて、処理を終了する。製品選択部200は、ばね定数を選択する操作結果が要求情報RIに含まれる場合(ステップS304;YES)には、処理をステップS305に進める。
【0062】
(ステップS305)製品選択部200は、ばね定数が選択された防振ゴム製品について、既定値のばね定数が選択されているか、オーダーメイドの値のばね定数が選択されているかを判定する。製品選択部200は、既定のばね定数が選択されている場合(ステップS305;YES)には、処理をステップS306に進める。製品選択部200は、オーダーメイドのばね定数が選択されている場合(ステップS305;NO)には、処理をステップS307に進める。
【0063】
(ステップS306)製品選択部200は、ばね定数が選択された防振ゴム製品について、既定値のばね定数が選択されたことを決定する。
(ステップS307)製品選択部200は、ばね定数が選択された防振ゴム製品について、オーダーメイドの値のばね定数が選択されたことを決定する。
(ステップS308)製品選択部200は、上述のステップS301~ステップS307において選択されたばね定数の情報を要求情報RIとして取得する。
【0064】
[線形域選択動作の一例]
(ステップS40)
図4に戻って、線形域選択動作について説明する。防振ゴム製品提示装置1は、防振ゴム製品の線形域に関する情報を、ユーザーA200の要求仕様として取得する。以下、
図11を参照して、線形域選択動作の詳細について説明する。
【0065】
図11は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1の線形域選択動作の一例を示す図である。
(ステップS401)提示部400は、ステップS208において取得された要求情報RIに基づいて、線形域選択画面T1201を表示部5に表示させる。
図12を参照して、線形域選択画面T1201の一例について説明する。
【0066】
図12は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1の線形域選択動作における表示の一例を示す図である。線形域選択画面T1201は、製品一覧表T1202と、決定ボタンT1203とを画面の構成要素として備える。
【0067】
製品一覧表T1202は、選択ボタンT1210と、線形域情報T1220とを画面の構成要素として備える。
線形域情報T1220は、撓み荷重曲線T1221aと、近似直線T1221bと、線形近似最大荷重T1222aと、線形近似最大撓み量T1222bとを画面の構成要素として備える。
撓み荷重曲線T1221aは、防振ゴム製品ごとの荷重と撓み量との関係を示す。近似直線T1221bは、撓み荷重曲線T1221aのうち線形近似可能な範囲を示す。なお、これら撓み荷重曲線T1221a及び近似直線T1221bは、製品情報PIにあらかじめ含まれる撓み荷重曲線を示す情報及び近似直線を示す情報に基づいて描画されてもよいし、解析部201によって解析された結果に基づいて描画されてもよい。
一例として、同図に示されるサプライヤーIDがS0101であり、防振ゴムIDが0001-5055である防振ゴム製品について説明する。この一例では、線形域情報T1220には、線形近似最大荷重T1222aが3.0kNであり、線形近似最大撓み量T1222bが42mmであることを示されている。この一例の防振ゴム製品は、荷重3.0kNかつ撓み量42mmまでの範囲において、撓み量が線形に近似できることが示される。
なお、解析部201は、撓み荷重曲線T1221aと、近似直線T1221bとの差を解析してもよい。このように構成されることにより、防振ゴム製品提示装置1は、当該防振ゴム製品についてのより詳細な情報を出力することも可能である。
【0068】
なお、防振ゴム製品の種類によっては、撓み荷重曲線の線形域の範囲をオーダーメイドすることができるものがある。選択ボタンT1210のうちオーダーメイド列は、防振ゴム製品が撓み荷重曲線の線形域の範囲をオーダーメイドすることができるものであるか否かを示す。選択ボタンT1210のうちオーダーメイド列が選択不可状態T1210cである場合には、当該防振ゴム製品が、撓み荷重曲線の線形域の範囲をオーダーメイドすることができないものであることを示す。選択ボタンT1210のうちオーダーメイド列が選択不可状態T1210cでない場合には、当該防振ゴム製品が、撓み荷重曲線の線形域の範囲をオーダーメイドすることができるものであることを示す。
撓み荷重曲線の線形域の範囲をオーダーメイドすることができる防振ゴム製品については、ユーザーA200は、オーダーメイド列の選択ボタンT1210を非選択状態T1210aから、選択状態T1210bに操作することにより、当該防振ゴム製品の線形近似最大荷重T1222a及び線形近似最大撓み量T1222bを、既定の線形域の範囲を超えて設定することが可能になる。
【0069】
(ステップS402)
図11に戻り、操作検出部2は、線形域選択画面T1201に対するユーザーA200の操作を検出する。操作検出部2は、検出した操作を要求情報RIに含めて要求取得部100に出力する。この要求情報RIには、線形域選択画面T1201の各構成要素、すなわち選択ボタンT1210と、線形域情報T1220とに対するユーザーA200の操作結果が含まれている。以下の説明において、線形域選択画面T1201の各構成要素、すなわち選択ボタンT1210と、線形域情報T1220とに対するユーザーA200の操作結果を、線形域選択情報とも称する。
要求取得部100は、要求情報RIを取得する。要求取得部100が取得する要求情報RIには、線形域選択情報が含まれる。
【0070】
(ステップS403)ユーザーA200が決定ボタンT1203に対する操作を行うと、要求取得部100は、処理をステップS404に進める。
(ステップS404)製品選択部200は、ステップS402において取得された線形域選択情報の内容を判定する。具体的には、製品選択部200は、ステップS402において取得された線形域選択情報に、既定値の線形域を選択する操作結果、又はオーダーメイドの線形域を選択する操作結果が含まれているか否かを判定する。
ユーザーA200が線形域を選択する操作を行わずに決定ボタンT1203の操作を行った場合、要求情報RIには、線形域を選択する操作結果が含まれない。製品選択部200は、線形域を選択する操作結果が要求情報RIに含まれない場合(ステップS404;NO)には、処理をステップS420に進めて、処理を終了する。製品選択部200は、線形域を選択する操作結果が要求情報RIに含まれる場合(ステップS404;YES)には、処理をステップS405に進める。
【0071】
(ステップS405)製品選択部200は、線形域が選択された防振ゴム製品について、既定値の線形域が選択されているか、オーダーメイドの値の線形域が選択されているかを判定する。製品選択部200は、既定の線形域が選択されている場合(ステップS405;YES)には、処理をステップS406に進める。製品選択部200は、オーダーメイドの線形域が選択されている場合(ステップS405;NO)には、処理をステップS407に進める。
【0072】
(ステップS406)製品選択部200は、線形域が選択された防振ゴム製品について、既定値の線形域が選択されたことを決定する。
【0073】
(ステップS407)提示部400は、ストッパー選択画面T1301を表示部5に表示させる。
図13を参照して、ストッパー選択画面T1301の一例について説明する。
【0074】
図13は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1のストッパー選択動作における表示の一例を示す図である。ストッパー選択画面T1301は、製品一覧表T1302と、決定ボタンT1303とを画面の構成要素として備える。
製品一覧表T1302は、選択ボタンT1310と、ストッパーの種類を示す画像T1320と、撓み荷重曲線T1330とを画面の構成要素として備える。選択ボタンT1310は、非選択状態T1310aと、選択状態T1310bとを画面の構成要素として備える。
ストッパーの種類を示す画像T1320は、表示される防振ゴム製品において選択可能なストッパーの種類を示す。同図の一例では、防振ゴム製品は、ストッパーE001~ストッパーE003を選択可能である。
撓み荷重曲線T1330は、選択可能なストッパーの種類ごとの防振ゴム製品の荷重と撓み量との関係(すなわち、撓み特性)を示す。同図の一例では、撓み荷重曲線T1330は、ストッパーE001に対応する撓み特性T1340aと、ストッパーE002に対応する撓み特性T1340bと、ストッパーE003に対応する撓み特性T1340cとを示す。
ユーザーA200は、選択ボタンT1310に対する操作によって、ストッパーの種類に応じた複数の撓み荷重曲線T1330のうち、希望する撓み荷重曲線T1330を選択する。
(ステップS408)ユーザーA200が選択ボタンT1310に対する操作を行うと、要求取得部100は、選択ボタンT1310の操作結果を、ストッパーの種類の選択結果を示す情報として取得する。なお、以下の説明において、選択ボタンT1310の操作結果による、ストッパーの種類の選択結果を示す情報を、ストッパー種類選択情報とも称する。換言すれば、要求取得部100は、ストッパー種類選択情報を要求情報RIとして取得する。
【0075】
(ステップS409)ユーザーA200が決定ボタンT1303に対する操作を行うと、要求取得部100は、処理をステップS410に進める。
(ステップS410)製品選択部200は、ステップS408において取得されたストッパー種類選択情報の内容を判定する。具体的には、製品選択部200は、ステップS408において取得されたストッパー種類選択情報に、いずれかの種類のストッパーを選択する操作結果が含まれているか否かを判定する。
ユーザーA200がストッパーを選択する操作を行わずに決定ボタンT1303の操作を行った場合、要求情報RIには、ストッパーを選択する操作結果が含まれない。製品選択部200は、ストッパーを選択する操作結果が要求情報RIに含まれない場合(ステップS410;NO)には、処理をステップS420に進めて、処理を終了する。製品選択部200は、ストッパーを選択する操作結果が要求情報RIに含まれる場合(ステップS410;YES)には、処理をステップS411に進める。
(ステップS411)製品選択部200は、ストッパー種類選択情報に基づいて、防振ゴム製品のストッパーの種類が選択されたことを決定する。
(ステップS412)製品選択部200は、上述のステップS401~ステップS411において選択された線形域選択情報(及び、ストッパー種類選択情報がある場合にはストッパー種類選択情報)を要求情報RIとして取得する。
【0076】
(ステップS420)ステップS404で選択ボタンT1210のうち、選択状態T1210bがないと判定された場合、またはステップS413で選択ボタンT1310のうち、選択済み状態T1310bがないと判定された場合、防振ゴム製品提示装置1が提案できる製品の対象外となる。したがって、製品の検索は終了となる。
【0077】
[耐久性確認動作の一例]
(ステップS50)
図4に戻って、耐久性確認動作について説明する。防振ゴム製品提示装置1は、要求情報RIと、製品情報PIとに基づいて、要求情報RIが示す使用環境における防振ゴム製品の耐久性を解析し、その解析結果を防振ゴム製品の耐久性確認結果として出力する。以下、
図11を参照して、耐久性確認動作の詳細について説明する。
【0078】
図14は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1の耐久性確認動作の一例を示す図である。
(ステップS501)解析部201は、ステップS10において選択されたサイズ、ステップS30において選択されたばね定数、及びステップS40において選択された線形域と、所定の解析式とに基づき、防振ゴム製品の耐久性を解析する。ここで、耐久性とは、防振ゴム製品の性能が維持される期間を示す指標である。防振ゴム製品の耐久性は、防振ゴム製品に所定の荷重を加える回数である載荷回数によって示される。また、防振ゴム製品の耐久性は、防振ゴム製品に所定の荷重を繰り返し加えた場合の耐用年数によって示されてもよい。また、解析部201は、載荷回数と、へたり量との関係を示すグラフを算出してもよい。
解析部201は、解析した耐久性の情報(例えば、載荷回数及び耐用年数)を提示部400に出力する。
【0079】
なお、解析部201は、防振ゴム製品の使用条件(温度、湿度、塵埃、加振状態など)にさらに基づいて耐久性を解析してもよい。また、解析部201は、防振ゴム製品の使用条件が複数ある場合には、使用条件ごとに耐久性を解析してもよい。
【0080】
(ステップS502)提示部400は、ステップS501において解析部201から出力される耐久性の情報を表示部5に表示させる。
図15を参照して、表示部5に表示される耐久性確認画面T1501の一例について説明する。
【0081】
図15は、実施形態における提示装置の耐久性確認動作における表示の一例を示す図である。耐久性確認画面T1501は、製品一覧表T1502と、決定ボタンT1503とを画面の構成要素として備える。製品一覧表T1502は、防振ゴム製品を識別する情報(例えば、サプライヤーID、防振ゴムID)と、ステップS501において解析された防振ゴム製品の耐久性の情報とを画面の構成要素として備える。
決定ボタンT1503は、許容範囲内決定ボタンT1503aと、許容範囲外決定ボタンT1503bとを画面の構成要素として備える。許容範囲内決定ボタンT1503aは、提示された耐久性が許容範囲内であるとユーザーA200が判定した場合に、ユーザーA200によって操作される操作画像である。許容範囲外決定ボタンT1503bは、提示された耐久性が許容範囲外であるとユーザーA200が判定した場合に、ユーザーA200によって操作される操作画像である。
【0082】
(ステップS503)ユーザーA200が決定ボタンT1503に対する操作を行うと、要求取得部100は、処理をステップS504に進める。
(ステップS504)要求取得部100は、ステップS503において操作が検出された決定ボタンT1503が、許容範囲内決定ボタンT1503aであるか、許容範囲外決定ボタンT1503bであるかを判定する。要求取得部100は、操作された決定ボタンT1503が許容範囲内決定ボタンT1503aであると判定した場合(ステップS504;YES)には、処理をステップS60に進める。要求取得部100は、操作された決定ボタンT1503が許容範囲外決定ボタンT1503bであると判定した場合(ステップS504;NO)には、処理をステップS505に進め、処理を終了する。
【0083】
[動特性解析動作の一例]
(ステップS60)
図4に戻って、動特性解析動作について説明する。防振ゴム製品提示装置1は、ユーザーA200によって設定された条件に基づいて、防振ゴム製品の動特性を解析する。防振ゴム製品の動特性の解析とは、防振ゴム製品に与えられる振動の周波数とロスファクターとの関係を明らかにすることである。ロスファクターとは、防振ゴム製品に与えられた振動が防振ゴム製品によって減衰される程度を示す係数である。
防振ゴム製品提示装置1は、防振ゴム製品の製品情報PIと、与えられる解析条件(例えば、振動の共振周波数と振動の大きさのピーク値)とに基づいて、防振ゴム製品の動特性を解析する。以下、
図16を参照して、動特性解析動作の詳細について説明する。
【0084】
図16は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1の動特性解析動作の一例を示す図である。
(ステップS601)提示部400は、解析対象の防振ゴム製品についての動特性解析画面T1701を提示する。
図17を参照して、動特性解析画面T1701の一例について説明する。
【0085】
図17は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1の動特性解析動作における表示の一例を示す図である。動特性解析画面T1701は、製品一覧表T1702と、希望共振周波数取得部T1703と、動特性計算ボタンT1703aと、動特性表示部T1704と、決定ボタンT1705とを画面の構成要素として備える。動特性表示部T1704は、動特性グラフT1710と、周波数調整ボタンT1720と、ピーク値調整ボタンT1730とを画面の構成要素として備える。周波数調整ボタンT1720は、周波数増加ボタンT1720aと周波数減少ボタンT1720bとを画面の構成要素として備える。ピーク値調整ボタンT1730は、ピーク値増加ボタンT1730aとピーク値減少ボタンT1730bとを画面の構成要素として備える。
【0086】
製品一覧表T1702には、動特性の解析対象の防振ゴム製品に関する情報(例えば、サプライヤーID、防振ゴムIDなど)が表示される。
希望共振周波数取得部T1703、周波数調整ボタンT1720及びピーク値調整ボタンT1730は、いずれも防振ゴム製品の動特性の解析条件の設定操作を受け付ける操作画像である。
動特性計算ボタンT1703aは、防振ゴム製品の動特性の解析開始操作を受け付ける操作画像である。
動特性グラフT1710には、設定された解析条件における防振ゴム製品の動特性のグラフが表示される。
決定ボタンT1705は、防振ゴム製品の動特性の解析結果を、防振ゴム製品の選定の要求仕様として決定する操作を受け付ける操作画像である。
【0087】
(ステップS602)ユーザーA200が希望共振周波数取得部T1703、周波数調整ボタンT1720及びピーク値調整ボタンT1730を操作して解析条件を設定すると、要求取得部100は、設定された解析条件を取得する。
(ステップS603)ユーザーA200が動特性計算ボタンT1703aに対する操作を行うと、要求取得部100は、処理をステップS604に進める。
【0088】
(ステップS604)解析部201は、解析対象の防振ゴム製品の製品情報PI(例えば、サイズ及びばね定数Ks)と、ステップS602において取得された解析条件(例えば、共振周波数及びピーク値)とに基づき、解析対象の防振ゴム製品の動特性を算出する。
(ステップS605)提示部400は、ステップS604にて算出された動特性を動特性グラフT1710として表示部5に表示させる。
ユーザーA200は、表示された動特性グラフT1710について、解析条件を変更して動特性を再解析するか否かを選択可能である。再解析する場合には、ユーザーA200は、希望共振周波数取得部T1703、周波数調整ボタンT1720及びピーク値調整ボタンT1730を操作して解析条件を変更する。
(ステップS606)ユーザーA200が解析条件の変更操作を行うと(ステップS606;YES)、要求取得部100は、処理をステップS603に戻す。ユーザーA200による解析条件の変更操作がされることなく、決定ボタンT1705の操作がされると、要求取得部100は、処理をステップS607に進めて解析条件及び解析結果を保存し、処理を終了する。
【0089】
[一覧表示動作の一例]
(ステップS70)
図4に戻って、一覧表示動作について説明する。
図18を参照して、一覧表示動作の詳細について説明する。
【0090】
図18は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1の一覧表示動作の一例を示す図である。
(ステップS701)防振ゴム製品提示装置1は、一覧表示画面T1901を表示部5に表示させる。一覧表示画面T1901とは、上述した各ステップにおける選択結果、設定結果及び解析結果を一覧形式によって示す画面である。
図19を参照して、一覧表示画面T1901の一例について説明する。
【0091】
図19は、実施形態における提示装置の一覧表示動作における表示の一例を示す図である。一覧表示画面T1901は、基本部品情報表示部T1910と、オーダーメイド情報表示部T1920と、特性情報表示部T1930と、耐久性情報表示部表示部T1940と、選択ボタンT1902とを画面の構成要素として備える。
基本部品情報表示部T1910には、解析対象の防振ゴム製品に関する基本情報(例えば、既製品であるかオーダーメイドであるか、サプライヤーID、防振ゴムIDなど)が表示される。
オーダーメイド情報表示部T1920には、解析対象の防振ゴム製品がオーダーメイドである場合における、製品特性に関する情報(例えば、内筒タイプ、オーダーメイドされたばね定数、及びオーダーメイドされた線形域)が表示される。
特性情報表示部T1930は、動特性情報表示部T1930aを画面の構成要素として備える。動特性情報表示部T1930aには、ステップS60において解析された防振ゴム製品の動特性を示す情報(例えば、動特性グラフ)が表示される。
選択ボタンT1902は、確定ボタンT1902aと、再解析ボタンT1902bとを画面の構成要素として備える。
確定ボタンT1902aは、解析内容を確定させる場合に操作される操作画像である。解析内容を確定させる場合とは、例えば、一覧表示画面T1901に提示された内容がユーザーA200の要求仕様の許容範囲内である場合である。
再解析ボタンT1902bは、解析内容を確定せずに再度の解析動作をさせる場合に操作される操作画像である。再度の解析動作をさせる場合とは、例えば、一覧表示画面T1901に提示された内容がユーザーA200の要求仕様の許容範囲外であり、防振ゴム製品の仕様の再選択や解析条件の再設定を行う場合である。
(ステップS702)ユーザーA200が選択ボタンT1902に対する操作を行うと、要求取得部100は、処理をステップS703に進める。
【0092】
(ステップS703)要求取得部100は、ステップS703において操作された選択ボタンT1902の種類を判定する。要求取得部100は、確定ボタンT1902aの操作が検出された場合(ステップS703;YES)には、処理をステップS80に進める。要求取得部100は、再解析ボタンT1902bの操作が検出された場合(ステップS703;NO)には、処理をステップS10に戻す。
【0093】
[見積価格提示動作及び発注動作の一例]
(ステップS80)
図4に戻って、見積価格提示動作及び発注動作について説明する。
図20を参照して、見積価格提示動作及び発注動作の詳細について説明する。
【0094】
図20は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1の見積価格提示動作及び発注動作の一例を示す図である。
(ステップS801)提示部400は、見積価格提示及び発注画面T2101を表示部5に表示させる。
図21を参照して、見積価格提示及び発注画面T2101の一例について説明する。
【0095】
図21は、実施形態における防振ゴム製品提示装置1の見積価格提示及び発注動作における表示の一例を示す図である。見積価格提示及び発注画面T2101は、発注情報取得部T2102と、見積ボタンT2103と、見積価格提示部T2104と、発注ボタンT2105とを画面の構成要素として備える。
発注情報取得部T2102には、防振ゴム製品の発注に関する情報が、ユーザーA200の操作によって入力される。一例として、発注情報取得部T2102は、発注数取得部T2102aと、最低発注数取得部T2102bと、総ロット数取得部T2102cと、希望納期取得部T2102dとを画面の構成要素として備える。以下の説明において、発注情報取得部T2102に入力された防振ゴム製品の発注に関する情報を、発注情報OIとも称する。
見積ボタンT2103は、見積部202による見積動作開始の操作を受け付ける操作画像である。
見積価格提示部T2104には、見積部202による見積結果が表示される。
発注ボタンT2105は、見積部202による見積動作開始の操作を受け付ける操作画像である。
【0096】
(ステップS802)ユーザーA200が発注情報取得部T2102に防振ゴム製品の発注に関する情報を入力すると、要求取得部100は、入力された情報を発注情報OIとして取得する。
(ステップS803)ユーザーA200が見積ボタンT2103に対する操作を行うと、見積部202は、処理をステップS804に進める。
(ステップS804)見積部202は、ステップS10からステップS70までの各ステップにおけるユーザーA200の操作によって選択された防振ゴム製品の仕様と、ステップS802において取得された発注情報OIとに基づいて、防振ゴム製品の見積価格を算出する。提示部400は、見積部202が算出した見積価格を見積価格提示部T2104に表示させる。なお、見積価格提示部T2104に表示される見積価格の情報を、見積情報CIとも称する。
【0097】
(ステップS805)ユーザーA200が発注ボタンT2105に対する操作を行うと、製品選択部200は、処理をステップS806に進める。ユーザーA200が発注ボタンT2105に対する操作を行わずに、発注情報OIの入力操作を行うと、製品選択部200は、処理をステップS802に戻す。
【0098】
(ステップS806)防振ゴム製品提示装置1は、通信部(不図示)を介して防振ゴム製品の発注システムに対して、防振ゴム製品の発注情報OIを出力する。
【0099】
[実施形態の効果のまとめ]
以上説明したように、本実施形態の防振ゴム製品提示装置1は、要求取得部100と、製品選択部200と、製品情報取得部300とを備えている。製品情報取得部300は、複数のサプライヤーがそれぞれ提供する防振ゴム製品の製品情報を取得する。製品選択部200は、要求取得部100が取得するユーザーA200の要求特性に基づいて、製品情報取得部300が取得する防振ゴム製品の製品情報の中から、要求特性に応じた防振ゴム製品を選択する。すなわち、防振ゴム製品提示装置1は、複数のサプライヤーがそれぞれ提供する防振ゴム製品の中から、要求特性に応じた防振ゴム製品を選択する。
【0100】
また、上述した実施形態によれば、防振ゴム製品提示装置1は、ユーザーA200から取得した要求情報RIと、製品情報PIとに基づいた解析結果を、提案部品情報PPの選択条件に用いる。したがって、ユーザーA200が要求する製品を提案することができるという効果がある。
【0101】
また、上述した実施形態によれば、防振ゴム製品提示装置1は、ユーザーA200から発注情報OIを取得することにより、提案部品情報PPの見積金額をユーザーA200に対して提示することができる。したがって、防振ゴムサプライヤーA300は、提案部品情報PPが決定した後、別途見積もりに係る工程を要しないという効果がある。
【0102】
また、上述した実施形態によれば、防振ゴム製品提示装置1がユーザーA200から、要求情報RIを取得する。したがってユーザーA200は、従来では電子カタログ(または紙媒体によるカタログ)に記載されている製品特性から部品選定をしなければならなかったところ、要求情報RIを提示することにより部品選定をすることができるという効果がある。
【0103】
また、上述した実施形態によれば、防振ゴム製品提示装置1は、防振ゴム製品の発注側であるユーザーA200と、防振ゴム製品の受注側である防振ゴムサプライヤーA300とが互いに情報をやり取りして部品選定が行われるような防振ゴム製品を取り扱うことができる。したがって、従来行われていた部品選定に関わる煩雑なやり取りを減らすことができるという効果がある。
【0104】
なお、上述した実施形態における防振ゴム製品提示装置1が備える各部の機能の全体あるいはその機能の一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0105】
また、「コンピュータにより読み取り可能な記録媒体」とは、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに、「コンピュータにより読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0106】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0107】
1…防振ゴム製品提示装置、A…防振ゴム製品提示システム、A100…プラットフォーム提供者、A200…ユーザー、A300…防振ゴムサプライヤー、2…操作検出部、3…情報提供装置、4…記憶部、5…表示部、100…要求取得部、200…製品選択部、300…製品情報取得部、400…提示部、201…解析部、202…見積部、RI…要求情報、PI…製品情報、CI…見積情報、PP…提案部品情報、OI…発注情報