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特許7456737圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサ
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/17 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
H03H9/17 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019141337
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2021027397
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】坂下 武
【審査官】▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-045694(JP,A)
【文献】特開2007-221588(JP,A)
【文献】特開2007-325205(JP,A)
【文献】特開2019-103083(JP,A)
【文献】特開2009-124640(JP,A)
【文献】特開2005-342817(JP,A)
【文献】特開2009-077159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H3/007-H03H3/10
H03H9/00-H03H9/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に空隙を介し設けられた下部電極と、
前記下部電極上に設けられた圧電膜と、
前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と平面視において重なる領域で規定される共振領域を形成し、前記共振領域は平面視において前記空隙と重なり前記空隙より小さくなるように設けられた上部電極と、
先端が前記共振領域外に位置し、前記空隙内における前記基板上に設けられた突起部と、
を備え、
前記突起部の少なくとも一部は前記下部電極または前記圧電膜と接触しており、
前記突起部の少なくとも一部の先端は、平面視において前記空隙に囲まれていて、
前記突起部は、前記共振領域を囲む少なくとも一部の領域に設けられている圧電薄膜共振器。
【請求項2】
基板と、
前記基板上に空隙を介し設けられた下部電極と、
前記下部電極上に設けられた圧電膜と、
前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と平面視において重なる領域で規定される共振領域を形成し、前記共振領域は平面視において前記空隙と重なり前記空隙より小さくなるように設けられた上部電極と、
先端が前記共振領域外に位置し、前記空隙内における前記基板上に設けられた突起部と、
を備え、
前記突起部の少なくとも一部は前記下部電極または前記圧電膜と接触しており、
前記突起部の少なくとも一部の先端は、平面視において前記空隙に囲まれていて、
前記突起部は、前記上部電極が前記共振領域から引き出される領域に設けられている圧電薄膜共振器。
【請求項3】
前記基板の表面は略平面であり、
前記下部電極は、前記基板から前記空隙を介し上方に膨らむ請求項1または2に記載の圧電薄膜共振器。
【請求項4】
前記空隙は前記基板の表面に設けられた凹部により形成され、
前記突起部の先端は前記基板の表面と略同一平面に位置する請求項1または2に記載の圧電薄膜共振器。
【請求項5】
前記空隙内における前記基板上に設けられた前記突起部の先端は、全て前記共振領域外に位置する請求項1から4のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。
【請求項6】
前記突起部における前記先端の平面視における面積は前記基板側の前記突起部における平面視における断面積より小さい請求項1から5のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。
【請求項7】
前記突起部は前記基板の一部である請求項1からのいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器を含むフィルタ。
【請求項9】
複数の前記圧電薄膜共振器を含み、
前記複数の圧電薄膜共振器の各々の空隙を互いに接続する空隙と、前記接続する空隙上に前記下部電極、前記圧電膜および前記上部電極の少なくとも1つの層が設けられ、前記接続する空隙内に前記突起部の少なくとも一部が設けられている請求項に記載のフィルタ。
【請求項10】
請求項またはに記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサに関し、例えば空隙内に突起部を有する圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の無線端末の高周波回路用に圧電薄膜共振器を有するフィルタやマルチプレクサが用いられている。圧電薄膜共振器は、下部電極、圧電膜および上部電極が積層された積層膜を有している。圧電膜の少なくとも一部を挟み下部電極と上部電極とが対向する領域は弾性波が振動する共振領域である。共振領域内の下部電極の下には弾性波を反射するための空隙が設けられる。空隙は共振領域より大きく設けられている(例えば特許文献1から3)。空隙内の基板上に突起部を設けることが知られている(例えば特許文献2および3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-182463号公報
【文献】特開2007-221588号公報
【文献】特開2009-124640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、圧電薄膜共振器の特性の向上のため空隙を共振領域より大きく設けている。また、共振領域と空隙とが同じ大きさの場合、合わせずれが生じ共振領域内に空隙と重ならない部分が形成されると、弾性波が基板に漏れる。これにより、圧電薄膜共振器の特性が劣化する。このような理由により、空隙を共振領域より大きく形成する。しかし、空隙の外周と共振領域の外周の間の領域には応力が集中しやすく、圧電膜等の積層膜が変形することがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、共振領域近傍の変形を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基板と、前記基板上に空隙を介し設けられた下部電極と、前記下部電極上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と平面視において重なる領域で規定される共振領域を形成し、前記共振領域は平面視において前記空隙と重なり前記空隙より小さくなるように設けられた上部電極と、先端が前記共振領域外に位置し、前記空隙内における前記基板上に設けられた突起部と、を備え、前記突起部の少なくとも一部は前記下部電極または前記圧電膜と接触しており、前記突起部の少なくとも一部の先端は、平面視において前記空隙に囲まれていて、前記突起部は、前記共振領域を囲む少なくとも一部の領域に設けられている圧電薄膜共振器である。
【0007】
本発明は、基板と、前記基板上に空隙を介し設けられた下部電極と、前記下部電極上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と平面視において重なる領域で規定される共振領域を形成し、前記共振領域は平面視において前記空隙と重なり前記空隙より小さくなるように設けられた上部電極と、先端が前記共振領域外に位置し、前記空隙内における前記基板上に設けられた突起部と、を備え、前記突起部の少なくとも一部は前記下部電極または前記圧電膜と接触しており、前記突起部の少なくとも一部の先端は、平面視において前記空隙に囲まれていて、前記突起部は、前記上部電極が前記共振領域から引き出される領域に設けられている圧電薄膜共振器である。
【0008】
上記構成において、前記基板の表面は略平面であり、前記下部電極は、前記基板から前記空隙を介し上方に膨らむ構成とすることができる。
上記構成において、前記空隙は前記基板の表面に設けられた凹部により形成され、前記突起部の先端は前記基板の表面と略同一平面に位置する構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記空隙内における前記基板上に設けられた前記突起部の先端は、全て前記共振領域外に位置する構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記突起部における前記先端の平面視における面積は前記基板側の前記突起部における平面視における構成とすることができる。
【0014】
上記構成において、前記突起部は前記基板の一部である構成とすることができる。
【0015】
本発明は、上記圧電薄膜共振器を含むフィルタである。
【0016】
上記構成において、複数の前記圧電薄膜共振器を含み、前記複数の圧電薄膜共振器の各々の空隙を互いに接続する空隙と、前記接続する空隙上に前記下部電極、前記圧電膜および前記上部電極の少なくとも1つの層が設けられ、前記接続する空隙内に前記突起部の少なくとも一部が設けられている構成とすることができる。

【0017】
本発明は、上記フィルタを含むマルチプレクサである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、共振領域近傍の変形を抑制することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図である。
図2図2(a)から図2(e)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図(その1)である。
図3図3(a)から図3(d)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図(その2)である。
図4図4は、比較例1に係る圧電薄膜共振器の断面図である。
図5図5(a)から図5(f)は、実施例1における突起部の例を示す斜視図である。
図6図6(a)および図6(b)は、それぞれ実施例1の変形例1および2に係る圧電薄膜共振器の平面図である。
図7図7(a)および図7(b)は、それぞれ実施例1の変形例3および4に係る圧電薄膜共振器の平面図である。
図8図8(a)および図8(b)は、それぞれ実施例1の変形例5および6に係る圧電薄膜共振器の平面図である。
図9図9は、シミュレーションした比較例2に係る圧電薄膜共振器の断面図である。
図10図10は、比較例2における位置に対する高さを示す図である。
図11図11は、実施例2に係るフィルタの回路図である。
図12図12(a)は、実施例2に係るフィルタの平面図、図12(b)は、図12(a)のA-A断面図である。
図13図13(a)は、実施例2の変形例1に係るフィルタの平面図、図13(b)は、図13(a)のA-A断面図である。
図14図14は、実施例2の変形例1における接続部付近の平面図である。
図15図15(a)から図15(c)は、それぞれ図14のA-A断面図、B-B断面図およびC-C断面図である。
図16図16は、実施例2の変形例2に係るデュプレクサの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照し実施例について説明する。
【実施例1】
【0021】
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図である。図1(a)は、主に下部電極12、圧電膜14、上部電極16、突起部20および空隙30を図示している。
【0022】
図1(a)および図1(b)に示すように、例えばサファイア基板である基板10上に、下部電極12が設けられている。基板10の上面に凹部からなる空隙30が形成されている。基板10および空隙30上に下部電極12が設けられている。下部電極12は例えば基板10側からクロム(Cr)膜およびルテニウム(Ru)膜である。
【0023】
下部電極12上に、圧電膜14が設けられている。圧電膜14は、例えばC軸配向性を有する窒化アルミニウムを主成分とする。圧電膜14を挟み下部電極12と対向するように圧電膜14上に上部電極16が設けられている。上部電極16は例えば圧電膜14側からルテニウム膜およびクロム膜である。積層膜18は、下部電極12、圧電膜14および上部電極16を含む。
【0024】
共振領域50は、圧電膜14の少なくとも一部を挟み下部電極12と上部電極16とが平面視において重なる領域で規定される。共振領域50の平面形状は例えば楕円形状である。共振領域50内の積層膜18には厚み縦振動モードの弾性波が共振する。平面視において共振領域50は空隙30に重なり、空隙30は共振領域50より大きい。共振領域50の外周と空隙30の外周との間は外周領域52である。空隙30内に突起部20が設けられている。突起部20の先端(上端)は外周領域52に位置する。先端が共振領域50内に位置する突起部20は設けられていない。突起部20は例えば円錐状であり、共振領域50を囲むように設けられている。
【0025】
下部電極12には平面方向に伸びる凸部34が設けられている。凸部34の先端に孔35が設けられている。孔35は基板10と凸部34の間に設けられた導入路33に通じている。導入路33は空隙30と通じている。孔35および導入路33は犠牲層をエッチングするときにエッチング液を導入する。
【0026】
圧電膜14には挿入膜が挿入されていてもよい。挿入膜は、例えば酸化シリコン膜のように圧電膜14よりヤング率の小さい材料および/または弾性定数の温度係数の符号が圧電膜14の弾性定数の温度係数の符号と反対の材料である。共振領域50内の上部電極16上に周波数調整膜および/または保護膜が設けられていてもよい。周波数調整膜および/または保護膜は、例えば酸化シリコン膜または窒化シリコン膜等の絶縁膜である。
【0027】
基板10としては、サファイア基板以外にシリコン基板、アルミナ基板、スピネル基板、石英基板、水晶基板、ガラス基板、セラミック基板またはGaAs基板等を用いることができる。下部電極12および上部電極16としては、ルテニウムおよびクロム以外にもアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)またはイリジウム(Ir)等の単層膜またはこれらの積層膜を用いることができる。例えば、上部電極16の下層をルテニウム、上層を、モリブデンとしてもよい。
【0028】
圧電膜14は、窒化アルミニウム以外にも、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ガリウム(GaN)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛(PbTiO3)等を用いることができる。また、例えば、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、共振特性の向上または圧電性の向上のため他の元素を含んでもよい。例えば、添加元素として、スカンジウム(Sc)、2族元素もしくは12族元素と4族元素との2つの元素、または2族元素もしくは12族元素と5族元素との2つの元素を用いることにより、圧電膜14の圧電性が向上する。このため、圧電薄膜共振器の実効的電気機械結合係数を向上できる。2族元素は、例えばカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)であり、12族元素は例えば亜鉛(Zn)である。4族元素は、例えばチタン、ジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)である。5族元素は、例えばタンタル、ニオブ(Nb)またはバナジウム(V)である。さらに、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、ボロン(B)を含んでもよい。
【0029】
[実施例1の製造方法]
図2(a)から図3(d)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図である。図2(a)に示すように、基板10を準備する。図2(b)に示すように、基板10の上面に凹部31を形成する。凹部31内に突起部20を設ける。凹部31の形成には、例えばフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いる。突起部20の立体形状は、フォトリソグラフィ法におけるマスクの形状およびエッチング法におけるエッチング条件より適宜選択できる。
【0030】
図2(c)に示すように、基板10上に犠牲層38を例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い成膜する。犠牲層38は、例えば酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、ゲルマニウム(Ge)、酸化シリコン(SiO)またはリンケイ酸ガラス(PSG:phosphosilicate glass)等である。
【0031】
図2(d)に示すように、犠牲層38の上面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用い研磨または研削する。これにより、基板10の上面が露出する。基板10の上面と犠牲層38の上面とは略平坦となる。
【0032】
図2(e)に示すように、犠牲層38および基板10上に下部電極12を例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。その後、下部電極12を、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。下部電極12は、リフトオフ法により形成してもよい。
【0033】
図3(a)に示すように、基板10および下部電極12上に圧電膜14を例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。
【0034】
図3(b)に示すように、圧電膜14上に上部電極16を例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。その後、上部電極16をフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。上部電極16は、リフトオフ法により形成してもよい。圧電膜14をフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。
【0035】
図3(c)に示すように、下部電極12および上部電極16上に金属層22を例えば真空蒸着法およびリフトオフ法を用い形成する。金属層22はパッドおよび/または配線として機能する。金属層22は例えば下部電極12および上部電極16側からチタン層および金層である。
【0036】
図3(d)に示すように、孔35および導入路33(図1(a)参照)を介し、犠牲層38のエッチング液を下部電極12の下の犠牲層38に導入する。これにより、犠牲層38が除去される。これにより、凹部31に空隙30が形成される。
【0037】
[比較例1]
図4は、比較例1に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図4に示すように、比較例1では突起部20が設けられていない。その他の構成は実施例1と同じである。外周領域52における積層膜18は共振領域50における積層膜18より層数が少ない。このため、積層膜18に応力が加わると、外周領域52における積層膜18は変形しやすく、例えば空隙30側に座屈変形する。圧電膜14はスパッタリング法または真空蒸着法を用い形成されており、結晶が厚さ方向に配向する。下部電極12の先端付近の領域60では、圧電膜14の結晶の配向方向が厚さ方向と異なり例えば斜め方向となる。周波数帯を高周波に設計する場合、積層膜18の膜厚は薄くなり、構造的な強度が低下する。空隙30を維持するために積層膜18は圧縮応力を有して成膜される。しかし、強度を考慮して成膜した積層膜18の圧縮応力が低い場合、領域60において積層膜18が矢印62のように下方に座屈変形しやすくなる。この座屈変形によって圧電薄膜共振器に構造的な劣化が生じる課題、および/または、積層膜18が基板10に触れるスティッキングで圧電薄膜共振器の特性が劣化する課題がある。
【0038】
実施例1のように、突起部20の先端が外周領域52に位置する。これにより、外周領域52において積層膜18の下方への変形を抑制できる。突起部20の先端が共振領域50内に位置すると、共振領域50において共振する弾性波が基板10に漏洩する。これにより、損失が大きくなる。よって、突起部20の先端は共振領域50内に位置しないことで、損失を抑制できる。
【0039】
図5(a)から図5(f)は、実施例1における突起部の例を示す斜視図である。図5(a)に示すように、突起部20は頂点20aと底面20cを有する円錐体状である。図5(b)に示すように、突起部20は、上面20bと底面20cを有する円錐台状である。図5(c)に示すように、突起部20は、頂点20aと底面20cを有する多角錐体状である。図5(d)に示すように、突起部20は、上面20bと底面20cを有する多角錐台状である。図5(a)から図5(d)のように、突起部20は、錐体状または錘台状とすることができる。これにより、突起部20の頂点20aおよび上面20bが積層膜18の下面に接触する面積を小さくできる。よって、積層膜18が突起部20に張り付いてしまうスティッキングを抑制できる。突起部20の下部電極12または圧電膜14側の先端は頂点20aまたは上面20bに対応する。突起部20は円柱または多角柱等の柱体状でもよい。
【0040】
図5(e)に示すように、突起部20は、断面形状が三角形状の線状であり、三角形状の頂点をつなぐ線20dと底面20cを有する。図5(f)に示すように、突起部20は断面形状が台形状の線状であり、台形状の上辺をつなぐ上面20eと底面20cを有する。図5(e)および図5(f)のように、突起部20の頂部は線20dまたは底面20cより小さい上面20eでもよい。これにより、積層膜18が突起部20に張り付いてしまうことを抑制できる。突起部20の下部電極12または圧電膜14側の先端は線20dまたは上面20eに対応する。
【0041】
[実施例1の変形例1]
図6(a)は、実施例1の変形例1に係る圧電薄膜共振器の平面図である。図6(a)に示すように、突起部20は外周領域52のうち下部電極12が共振領域50から引き出される領域に設けられ、上部電極16が共振領域50から引き出される領域に設けられていなくてもよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0042】
[実施例1の変形例2]
図6(b)は、実施例1の変形例2に係る圧電薄膜共振器の平面図である。図6(b)に示すように、突起部20は外周領域52のうち上部電極16が共振領域50から引き出される領域に設けられ、下部電極12が共振領域50から引き出される領域に設けられていなくてもよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0043】
実施例1の変形例1および2のように、突起部20は、外周領域52のうち積層膜18が変形しやすい領域に設ければよい。このように、突起部20は、共振領域50を囲む少なくとも一部の領域に設ければよい。
【0044】
[実施例1の変形例3]
図7(a)は、実施例1の変形例3に係る圧電薄膜共振器の平面図である。図7(a)に示すように、突起部20は線状であり、共振領域50を囲むように設けられている。突起部20は導入路33付近に開口部32を有する。これにより、犠牲層をエッチングするときに、エッチング液が共振領域50内の犠牲層38に導入される。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例1の変形例3のように、突起部20は線状でもよい。
【0045】
[実施例1の変形例4]
図7(b)は、実施例1の変形例4に係る圧電薄膜共振器の平面図である。図7(b)に示すように、共振領域50の平面形状は四角形である。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例1の変形例4のように、共振領域50の平面形状は多角形状でもよい。多角形が互いに平行な辺を含まないことで、スプリアスを抑制できる。
【0046】
[実施例1の変形例5]
図8(a)は、実施例1の変形例5に係る圧電薄膜共振器の平面図である、図8(a)に示すように、基板10の上面は略平面である。積層膜18は上方に膨れ、空隙30はドーム状に設けられている。ドーム状とは中心が高く周辺に向かうにしたがい高さが低くなる立体形状である。外周領域52の基板10の上面に突起部20が設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0047】
[実施例1の変形例6]
図8(b)は、実施例1の変形例6に係る圧電薄膜共振器の平面図である、図8(b)に示すように、圧電膜14は下部電極12上に設けられた下部圧電膜14aと下部圧電膜14a上に設けられた上部圧電膜14bとを備えている。下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間に挿入膜28が設けられている。挿入膜28は、共振領域50の中央領域に設けられておらず、中央領域を囲む少なくとも一部の領域に設けられている。
【0048】
上部電極16が共振領域50から引き出される領域では、空隙30の外周と共振領域50の外周(すなわち下部電極12の外周)とは略一致する。これにより、外周領域52は形成されない。下部電極12が共振領域50から引き出される領域では、空隙30の外周は共振領域50の外周(すなわち上部電極16の外周)より外側に位置している。これにより、外周領域52が形成される。突起部20は外周領域52に設けられている。上部圧電膜14bの端面は上部電極16の外周と略一致する。下部圧電膜14aの端面は上部圧電膜14bの端面より外側に位置している。空隙30はドーム状に設けられている。
【0049】
実施例1の変形例5および6のように、基板10の上面は略平坦であり、積層膜18が上方に膨らむことにより空隙30が設けられていてもよい。実施例1の変形例6のように、外周領域52は共振領域50を囲む領域の一部にのみ設けられていてもよい。下部電極12と上部電極16との間に挿入膜28が設けられていてもよい。挿入膜28は共振領域50全体に設けられていてもよい。圧電膜14の端面は階段状でもよい。
【0050】
実施例1およびその変形例1から6において、突起部20の材料は基板10と同じ材料(すなわち突起部20は基板10の一部)でもよく、基板10と異なる材料でもよい。突起部20の材料が基板10と異なる場合、突起部20は例えば酸化シリコンまたは窒化シリコン等の絶縁体で形成する。
【0051】
[比較例2]
比較例2として、実施例1の変形例6と比較し突起部20を有さない圧電薄膜共振器について、積層膜18の下面の高さを2次元にてシミュレーションした。図9は、シミュレーションした比較例2に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図9では、図1から図8(b)と異なり、下部電極12は共振領域50から右方向に引き出されており、上部電極16は共振領域50から左方向に引き出されている。下部電極12および上部電極16上に金属層22が設けられている。
【0052】
シミュレーション条件は以下である。
基板10:シリコン基板
下部電極12:基板10側から厚さが39nmのクロム膜および厚さが77nmのルテニウム膜
下部圧電膜14a:厚さが243nmの窒化アルミニウム膜
挿入膜28:厚さが53nmの酸化シリコン膜
上部圧電膜14b:厚さが243nmの窒化アルミニウム膜
上部電極16:圧電膜14側から厚さが93nmのルテニウム膜および厚さが12nmクロム膜
金属層22:基板10側から厚さが100nmのチタン膜および厚さが500nmの金膜
上部電極16上の周波数調整膜:厚さが19nmの酸化シリコン膜
圧電薄膜共振器の共振周波数:約5GHz
下部電極12の内部応力:-1000MPa(圧縮応力)
圧電膜14の内部応力:0MPa
上部電極16の内部応力:0MPa
外周領域52の幅W2:5μm
共振領域50の幅W1:共振領域50の平面形状を長軸と短軸の比が7:5の楕円形とし、5GHzにおけるインピーダンスが50Ω、61Ω、68Ωおよび100Ωとなる短軸の長さ
【0053】
図10は、比較例2における位置に対する高さを示す図である。位置は図9における横方向の位置を示し、高さは積層膜18の下面の高さを示し、応力が加わらないときの積層膜18の下面の高さを0とする。共振領域50、外周領域52および空隙30は、インピーダンスが68Ωのときを示している。
【0054】
図10に示すように、積層膜18の下面はドーム状となる。インピーダンスが68Ωのとき、積層膜18の下面の高さは外周領域52で負となり、共振領域50で正となる。インピーダンスが100Ωのとき、外周領域52における積層膜18の下面の高さはより負となる。このように、インピーダンスが大きくなると(すなわち共振領域50が小さくなると)、外周領域52における積層膜18は下方に変形する。これにより、共振領域50と外周領域52との境界付近において、積層膜18が破損しやすくなる。
【0055】
上記シミュレーションのように、実施例1およびその変形例において、積層膜18の内部応力を圧縮応力とすると、外周領域52において積層膜18が下方に変形しやすくなる。そこで、外周領域52に突起部20を設けることで、積層膜18が下方に変形することを抑制できる。よって、積層膜18の破損等を抑制できる。
【0056】
実施例1およびその変形例によれば、共振領域50は平面視において空隙30と重なり空隙30より小さくなるように設けられている。これにより、特許文献1のように、圧電薄膜共振器の特性を向上できる。また、共振領域50と空隙30との合わせずれが生じても、共振領域50は空隙30と重なる。これにより、弾性波が基板10に漏れ圧電薄膜共振器の特性が劣化することを抑制できる。
【0057】
1または複数の突起部20は空隙30と面する基板10上に設けられ、突起部20の先端は共振領域50の外側に位置する。これにより、外周領域52における積層膜18の変形を抑制できる。突起部20の下部電極12または圧電膜14側の先端は共振領域50内に位置しない。これにより、突起部20を介して共振領域50内の弾性波が基板10に漏洩することを抑制できる。よって、圧電薄膜共振器の損失等の特性を向上できる。
【0058】
空隙30内における基板10上に設けられた突起部20の下部電極12または圧電膜14側の先端は、全て共振領域50外に位置する。すなわち、先端が共振領域50内に位置する突起部20は設けられていない。これにより、突起部20を介して共振領域50内の弾性波が基板10に漏洩することをより抑制できる。よって、圧電薄膜共振器の損失等の特性をより向上できる。
【0059】
共振領域50と空隙30との合わせずれが生じた場合にも、突起部20が位置するのは共振領域50の周縁の一部であり、弾性波の基板10への漏洩を非常に小さくできる。
【0060】
突起部20における先端の面積は基板10側(例えば底面)の平面断面積より小さい。これにより、突起部20の先端に積層膜18の下面が張り付くことを抑制できる。また、共振領域50と空隙30との合わせずれが生じることで突起部20の一部の先端が共振領域50内に位置した場合にも、弾性波の基板10への漏洩を非常に小さくできる。
【0061】
突起部20は、共振領域50を囲む少なくとも一部の領域に設けられている。これにより、共振領域50を囲む少なくとも一部に設けられた外周領域52における積層膜18の変形を抑制できる。
【0062】
突起部20の少なくとも一部は積層膜18(すなわち下部電極12または圧電膜14)と接触している。これにより、積層膜18の下方への変形を抑制できる。
【0063】
図4の比較例1のように、上部電極16が共振領域50から引き出される領域では、下部電極12の外周が共振領域50の外周を規定している。このため、矢印62のように積層膜18が下方に座屈変形しやすい。そこで、実施例1の図1(b)のように、突起部20を上部電極16が共振領域50から引き出される領域に設ける。これにより、積層膜18の変形を抑制できる。
【0064】
実施例1およびその変形例1から4のように、空隙30は基板10の表面に設けられた凹部31により形成されていてもよい。このとき、突起部20の先端は基板10の表面と略同一平面に位置する。これにより、積層膜18が基板10の表面から下方に変形することを抑制できる。
【0065】
実施例1の変形例5および6のように、基板10の表面は略平面であり、下部電極12は、基板10から空隙30を介し上方に膨らんでいてもよい。
【実施例2】
【0066】
実施例2は、実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器を用いたフィルタの例である。図11は、実施例2に係るフィルタの回路図である。図11に示すように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の直列共振器S1からS4が直列に接続されている。入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の並列共振器P1からP3が並列に接続されている。
【0067】
図12(a)は、実施例2に係るフィルタの平面図、図12(b)は、図12(a)のA-A断面図である。図12(a)では、突起部20の図示を省略している。図12(b)における横方向の長さは図12(a)と対応していない。
【0068】
図12(a)および図12(b)に示すように、基板10上に直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3が設けられている。直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3では、共振領域50の外の空隙30内に突起部20が設けられている。各共振器に犠牲層をエッチングするための導入路33が設けられている。実施例2のように、実施例1およびその変形例に係る圧電薄膜共振器を同一基板10に形成し、ラダー型フィルタとすることができる。直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3の個数は適宜設定できる。直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3の共振領域50の大きさおよび形状は、適宜変更可能である。1または複数の直列共振器S1からS4および1または複数の並列共振器P1からP3の少なくとも1つの共振器に実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器を用いればよい。
【0069】
[実施例2の変形例1]
図13(a)は、実施例2の変形例1に係るフィルタの平面図、図13(b)は、図13(a)のA-A断面図である。図13(a)では、突起部20の図示を省略している。図13(b)における横方向の長さは図13(a)と対応していない。図13(a)および図13(b)に示すように、基板10上に直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3が設けられている。並列共振器P1およびP3には導入路33が設けられている。その他の共振器には導入路33は設けられておらず、隣接する圧電薄膜共振器間を接続する接続部36が設けられている。
【0070】
図14は、実施例2の変形例1における接続部付近の平面図、図15(a)から図15(c)は、それぞれ図14のA-A断面図、B-B断面図およびC-C断面図である。図14から図15(c)に示すように、接続部36は隣接する共振器(例えば直列共振器S1とS2)の空隙30を接続する空隙30aが設けられている。空隙30a内には突起部20fが設けられている。接続部36の空隙30a上には圧電膜14および上部電極16(または下部電極12)が設けられている。突起部20の先端は圧電膜14(または下部電極12)の下面に接触している。図15(a)および図15(b)では共振領域50の外側において上部電極16が繋がり、下部電極12が離れた構造となっているが、共振領域50の外側において上部電極16が離れており、下部電極12が繋がっている構造であってもよい。
【0071】
犠牲層38をエッチングするときに、図14の矢印64のように、直列共振器S1の空隙30から直列共振器S2の空隙30に接続部36の空隙30aを介しエッチング液が流れる。このように、接続部36はエッチング液の流路として機能する。接続部36内の突起部20fは、空隙30a上の圧電膜14および上部電極16が潰れることを抑制できる。
【0072】
実施例2の変形例1によれば、空隙30aは複数の共振器の空隙30を接続する。空隙30a上に下部電極12、圧電膜14および上部電極16の少なくとも1つの層が設けられ、空隙30a内に1または複数の突起部20の少なくとも一部の突起部20fが設けられている。これにより、接続部36をエッチング液の流路として設けることができ、かつ突起部20fは下部電極12、圧電膜14および上部電極16の少なくとも1つの層が潰れることを抑制できる。
【0073】
実施例2のように、各圧電薄膜共振器に導入路33を設けるとチップ面積が大きくなりフィルタが大型化する。そこで、実施例2の変形例1のように、接続部36を設け、導入路33は複数の圧電薄膜共振器のうち一部のみに設ける。これにより、フィルタを小型化できる。また、圧電薄膜共振器同士を近づけることができるため、圧電薄膜共振器間を接続する配線の短縮が可能となる。これにより、オーム損、誘電損を抑制できる。また、配線と他の配線との電磁結合および静電結合を抑制できる。よって、低損失なフィルタを提供できる。
【0074】
[実施例2の変形例2]
図16は、実施例2の変形例2に係るデュプレクサの回路図である。図16に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例2およびその変形例1のフィルタとすることができる。マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したがトリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
【0075】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
10 基板
12 下部電極
14 圧電膜
14a 下部圧電膜
14b 上部圧電膜
16 上部電極
18 積層膜
20、20f 突起部
20a 頂点
20b、20e 上面
20c 底面
20d 線
28 挿入膜
36 接続部
40 送信フィルタ
42 受信フィルタ
50 共振領域
52 外周領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16