IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・ボーイング・カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図1
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図2
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図3
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図4
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図5
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図6
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図7
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図8
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図9
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図10
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図11
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図12
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図13
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図14
  • 特許-複合材部品の圧縮装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】複合材部品の圧縮装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/56 20060101AFI20240319BHJP
   B29C 43/02 20060101ALI20240319BHJP
   B29C 43/34 20060101ALI20240319BHJP
   B29C 70/16 20060101ALI20240319BHJP
   B29C 70/30 20060101ALI20240319BHJP
   B29C 70/54 20060101ALI20240319BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20240319BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20240319BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20240319BHJP
【FI】
B29C43/56
B29C43/02
B29C43/34
B29C70/16
B29C70/30
B29C70/54
B64F5/10
B64C1/00 B
B29K105:08
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019190396
(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公開番号】P2020097220
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】16/176,257
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】アレン ジェームズ ハルブリッター
(72)【発明者】
【氏名】エドワード レイ ダンカン
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-148264(JP,A)
【文献】特開昭49-120965(JP,A)
【文献】特開昭62-7520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/56
B29C 43/02
B29C 43/34
B29C 70/16
B29C 70/30
B29C 70/54
B64F 5/10
B64C 1/00
B29K 105/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形型の表面上で積層体を圧縮するための方法であって、
前記積層体を前記成形型に載置することと、
前記積層体の上に圧縮装置を配置することと、
前記圧縮装置に前記成形型を把持させることと、
前記積層体を前記圧縮装置のプレッシャーフットで圧縮することと、
前記圧縮装置を前記成形型から取り外すことと、を含み、
前記圧縮装置に前記成形型を把持させることは、磁性によって行われる、方法。
【請求項2】
前記成形型は、磁性を有しており、
前記圧縮装置に前記成形型を把持させることは、前記圧縮装置内に設けられた、前記圧縮装置に力を加えて前記成形型に接触させる電磁石を起動することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮装置は、磁性を有しており、
前記圧縮装置に前記成形型を把持させることは、前記成形型内に設けられた、前記圧縮装置を引き寄せて前記成形型に接触させる電磁石を起動することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記プレッシャーフットは、前記圧縮装置に空気圧が付与されると駆動され、前記積層体を完全に覆う、請求項1~のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記プレッシャーフットを駆動することは、前記圧縮装置に設けられ、前記プレッシャーフットに機械的に連結されているラムを作動させることを含む、請求項1~のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記ラムを作動させることにより、前記プレッシャーフットに機械的に連結されているとともに前記プレッシャーフット全体に負荷を分散させる緩衝器を圧縮する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記プレッシャーフットが駆動される際に、前記緩衝器と前記ラムとの間に介在するプレートの角度を調節することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記積層体を圧縮することは、前記プレッシャーフットを駆動することを含み、その際に、前記プレッシャーフットは、可撓性材料によって形成されている、請求項1~のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
成形型の表面上で積層体を圧縮するための装置であって、
圧縮力を付与する作動可能なラムを収容する本体と、
前記ラムに機械的に連結されているとともに、前記積層体に圧縮力を付与しつつ前記積層体を覆うように寸法設定された、可撓性材料を含むプレッシャーフットと、
前記装置と前記成形型との間に制御可能に把持力を付与する把持装置と、
前記把持力と前記圧縮力との間で静的均衡を維持するコントローラと、を含み、
前記把持装置は、前記本体を前記成形型に固定する、前記本体に連結された電磁石を含む、装置。
【請求項10】
前記電磁石は、前記成形型との接触を容易にするために、回転可能に前記本体に取り付けられている、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記成形型は、前記把持装置に連結され、前記本体を前記成形型に固定する電磁石を含む、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記プレッシャーフットに機械的に連結された緩衝器をさらに含む、請求項9~11のいずれか1つに記載の装置。
【請求項13】
前記緩衝器と前記ラムとの間に介在するプレートをさらに含む、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合材料の分野に関し、具体的には、複合材部品の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維強化ポリマー(CFRP)部品などの複合材部品は、強度を与えるために圧縮されて固く(例えば硬化)された構成材料の積層体として、レイアップされる。現在の圧縮技術では、積層体をマンドレルに配置し、積層体及びマンドレルの上に真空バッグを載置し、真空バッグを所定位置に密閉し、真空バッグを積層体に押し付けるための大気圧をかける。真空バッグを所定位置に密閉するのは、時間及び手間がかかるプロセスである。
【0003】
従って、上述した問題のうちの少なくともいくつかと、その他の潜在的な問題を考慮に入れた方法及び装置を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載の実施形態は、真空バッグを用いずに精細部分などの小型の積層体を圧縮することができる手持ち(handheld)式空気圧装置及び/又は電磁装置を提供する。例えば、本明細書に記載の実施形態では、マンドレル又は他の成形型を、磁力を付与することにより把持し、把持状態を維持しつつ積層体に空気圧をかけることによりマンドレル上で積層体を成形するものである。一実施形態は、成形型の表面上で積層体を圧縮するための方法である。当該方法は、積層体を前記成形型に載置することと、前記積層体の上に圧縮装置を配置することと、前記圧縮装置に前記成形型を把持させることと、前記積層体を前記圧縮装置のプレッシャーフットで圧縮することと、前記圧縮装置を前記成形型から取り外すことと、を含む。
【0005】
さらなる実施形態は、プロセッサによって実行された際に、成形型の表面上で積層体を圧縮するための方法を遂行させるための命令プログラムが実装された非一時的なコンピュータ可読媒体である。当該方法は、前記積層体を前記成形型に載置することと、前記積層体の上に圧縮装置を配置することと、前記圧縮装置に前記成形型を把持させることと、前記積層体を前記圧縮装置のプレッシャーフットで圧縮することと、前記圧縮装置を前記成形型から取り外すことと、を含む。
【0006】
さらなる実施形態は、成形型の表面上で積層体を圧縮するための装置である。当該装置は、圧縮力を付与する作動可能なラムを収容する本体と、前記ラムに機械的に連結されているとともに、前記積層体に圧縮力を付与しつつ前記積層体を覆うように寸法設定された、可撓性のベースを含むプレッシャーフットと、前記装置と前記成形型との間に制御可能に把持力を付与する把持装置と、前記把持力と前記圧縮力との間で静的均衡を維持するコントローラと、を含む。
【0007】
さらなる実施形態は、複合材プリフォームをレイアップするための方法である。当該方法は、少なくとも1つの繊維強化材料のプライを含む積層体を、成形型の表面に載置することと、圧縮装置と前記成形型との間に把持力を維持しつつ、前記積層体に制御可能に圧縮力を付与することにより、前記積層体を前記成形型に向けて圧縮することと、前記成形型における圧縮された前記積層体の最上部に、少なくとも1つのプライをレイアップすることと、前記圧縮工程及び載置工程を繰り返すことと、を含む。
【0008】
本開示の装置及び方法は、以下の付記においても言及されるが、これらの付記は、請求の範囲と混同されるべきではない。
【0009】
付記1. 成形型の表面上で積層体を圧縮するための方法(400)であって、
前記積層体を前記成形型に載置すること(402)と、
前記積層体の上に圧縮装置を配置すること(404)と、
前記圧縮装置に前記成形型を把持させること(406)と、
前記積層体を前記圧縮装置のプレッシャーフットで圧縮すること(408)と、
前記圧縮装置を前記成形型から取り外すこと(410)と、を含む方法。
【0010】
付記2. 前記圧縮装置に前記成形型を把持させることは、磁性によって行われる、付記1に記載の方法。
【0011】
付記3. 前記成形型は、磁性を有しており、
前記圧縮装置に前記成形型を把持させることは、前記圧縮装置内に設けられた、前記圧縮装置に力を与えて前記成形型に接触させる電磁石を起動することを含む、付記2に記載の方法。
【0012】
付記4. 前記圧縮装置は、磁性を有しており、
前記圧縮装置に前記成形型を把持させることは、前記成形型内に設けられた、前記圧縮装置を引き寄せて前記成形型に接触させる電磁石を起動することを含む、付記2に記載の方法。
【0013】
付記5. 前記プレッシャーフットは、前記圧縮装置に空気圧が付与されると駆動され、前記積層体を完全に覆う、付記1に記載の方法。
【0014】
付記6. 前記プレッシャーフットを駆動することは、前記圧縮装置に設けられ、前記プレッシャーフットに機械的に連結されているラムを作動させることを含む、付記1に記載の方法。
【0015】
付記7. 前記ラムを作動させることにより、前記プレッシャーフットに機械的に連結されているとともに前記プレッシャーフット全体に負荷を分散させる緩衝器を圧縮する、付記6に記載の方法。
【0016】
付記8. 前記プレッシャーフットが駆動される際に、前記緩衝器と前記ラムとの間に介在するプレートの角度を調節することをさらに含む、付記7に記載の方法。
【0017】
付記9. 前記積層体を圧縮することは、前記プレッシャーフットを駆動することを含み、その際に、前記プレッシャーフットは、可撓性材料によって形成されている、付記1に記載の方法。
【0018】
付記10. 付記1に記載の方法によって組み立てられた航空機の一部。
【0019】
付記11. プロセッサによって実行された際に、成形型の表面上で積層体を圧縮するための方法を遂行させるための命令プログラムが実装された非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記方法(400)は、
前記積層体を前記成形型に載置すること(402)と、
前記積層体の上に圧縮装置を配置すること(404)と、
前記圧縮装置に前記成形型を把持させること(406)と、
前記積層体を前記圧縮装置のプレッシャーフットで圧縮すること(408)と、
前記圧縮装置を前記成形型から取り外すこと(410)と、を含む、媒体。
【0020】
付記12. 前記圧縮装置に前記成形型を把持させることは、磁性によって行われる、付記11に記載の媒体。
【0021】
付記13. 前記成形型は、磁性を有しており、
前記圧縮装置に前記成形型を把持させることは、前記圧縮装置内に設けられた、前記圧縮装置に力を与えて前記成形型に接触させる電磁石を起動することを含む、付記12に記載の媒体。
【0022】
付記14. 前記圧縮装置は、磁性を有しており、
前記圧縮装置に前記成形型を把持させることは、前記成形型内に設けられた、前記圧縮装置を引き寄せて前記成形型に接触させる電磁石を起動することを含む、付記12に記載の媒体。
【0023】
付記15. 前記プレッシャーフットは、前記圧縮装置に空気圧が付与されると駆動され、前記積層体を完全に覆う、付記11に記載の媒体。
【0024】
付記16. 前記プレッシャーフットを駆動することは、前記圧縮装置に設けられ、前記プレッシャーフットに機械的に連結されているラムを作動させることを含む、付記11に記載の媒体。
【0025】
付記17. 前記ラムを作動させることにより、前記プレッシャーフットに機械的に連結されているとともに前記プレッシャーフット全体に負荷を分散させる緩衝器を圧縮する、付記6に記載の媒体。
【0026】
付記18. 前記プレッシャーフットが駆動される際に、前記緩衝器と前記ラムとの間に介在するプレートの角度を調節することをさらに含む、付記7に記載の媒体。
【0027】
付記19. 前記積層体を圧縮することは、前記プレッシャーフットを駆動することを含み、その際に、前記プレッシャーフットは、可撓性材料によって形成されている、付記11に記載の媒体。
【0028】
付記20. 付記11に記載のコンピュータ可読媒体に保存された命令によって規定される方法に従って組み立てられた航空機の一部。
【0029】
付記21. 成形型(510)の表面(512)上で積層体(520)を圧縮するための装置であって、
圧縮力を付与する作動可能なラム(350)を収容する本体(110)と、
前記ラムに機械的に連結されているとともに、前記積層体に圧縮力を付与しつつ前記積層体を覆うように寸法設定された、可撓性材料を含むプレッシャーフット(200)と、
前記装置と前記成形型との間に制御可能に把持力を付与する把持装置(124)と、
前記把持力と前記圧縮力との間で静的均衡を維持するコントローラ(1370)と、を含む装置。
【0030】
付記22. 前記把持装置は、前記本体を前記成形型に固定する、前記本体に連結された電磁石を含む、付記21に記載の装置。
【0031】
付記23. 前記電磁石は、前記成形型との接触を容易にするために、回転可能に前記本体に取り付けられている、付記22に記載の装置。
【0032】
付記24. 前記成形型は、前記把持装置に連結され、前記本体を前記成形型に固定する電磁石を含む、付記21に記載の装置。
【0033】
付記25. 前記プレッシャーフットに機械的に連結された緩衝器(320)をさらに含む、付記21に記載の装置。
【0034】
付記26. 前記緩衝器と前記ラムとの間に介在するプレート(330)をさらに含む、付記25に記載の装置。
【0035】
付記27. 付記21に記載の装置を用いて、航空機の一部を製造すること。
【0036】
付記28. 複合材プリフォームをレイアップするための方法であって、
少なくとも1つの繊維強化材料のプライを含む積層体を、成形型の表面に載置すること(1202)と、
圧縮装置と前記成形型との間に把持力を維持しつつ、前記積層体に制御可能に圧縮力を付与することにより、前記積層体を前記成形型に向けて圧縮すること(1204)と、
前記成形型における圧縮された前記積層体の最上部に、少なくとも1つのプライをレイアップすること(1206)と、
前記圧縮工程及び載置工程を繰り返すこと(1208)と、を含む方法。
【0037】
付記29. 前記積層体を圧縮することは、大気圧下において行われる、付記28に記載の方法。
【0038】
付記30. 前記把持力は、磁性によって付与される、付記28に記載の方法。
【0039】
付記31. 前記成形型は、磁性を有しており、
前記把持力を維持することは、前記圧縮装置内に設けられた、前記圧縮装置に力を与えて前記成形型に接触させる電磁石を起動することを含む、付記28に記載の方法。
【0040】
付記32. 前記圧縮装置は、磁性を有しており、
前記把持力を維持することは、前記成形型内に設けられた、前記圧縮装置を引き寄せて前記成形型に接触させる電磁石を起動することを含む、付記28に記載の方法。
【0041】
付記33. 前記積層体に接触するプレッシャーフットに、ラムによって付与される力の量を制御することにより、前記圧縮力を制御することをさらに含む、付記28に記載の方法。
【0042】
付記34. 前記ラムによって付与される力の量は、前記把持力より小さいか又は把持力と等しくなるように制御される、付記33に記載の方法。
【0043】
付記35. 前記ラムによって付与された力を緩衝器で受けることと、
前記緩衝器を介して、前記力を前記プレッシャーフットに全体に分散させることと、をさらに含む、付記33に記載の方法。
【0044】
付記36. 前記力を前記プレッシャーフット全体に分散させることは、前記プレッシャーフットの複数の箇所の其々に力を付与することを含む、付記35に記載の方法。
【0045】
他の例示的な実施形態(例えば、上記実施形態に関連する方法及びコンピュータ可読媒体)は、以下で説明されうる。上述した特徴、機能、及び利点は、様々な実施形態において個別に達成可能であり、また、さらに別の実施形態と組み合わせることも可能である。この詳細については、以下の説明及び図面を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
次に、本開示のいくつかの実施形態を、単なる例示として、添付図面を参照しつつ説明する。全ての図面において、同じ参照数字は、同じ要素又は同じ種類の要素を示している。
【0047】
図1】例示的な実施形態における圧縮装置の斜視図である。
図2】例示的な実施形態における圧縮装置の別の斜視図である。
図3】例示的な実施形態における圧縮装置の分解図である。
図4】例示的な実施形態における、圧縮装置を動作させて積層体を圧縮するための方法を示すフローチャートである。
図5-11】例示的な実施形態における、積層体に対して動作する圧縮装置を示す側面図である。
図12】例示的な実施形態における、圧縮装置を動作させて積層体を圧縮するための方法を示すフローチャートである。
図13】例示的な実施形態における圧縮装置のブロック図である。
図14】例示的な実施形態における航空機の製造及び保守方法のフロー図である。
図15】例示的な実施形態における航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図面及び以下の説明は、本開示の特定の例示的な実施形態を提示するものである。なお、当業者であれば、本明細書に明示あるいは図示されていなくとも、本開示の原理を具体化するとともに本開示の範囲内に含まれる様々な変形を、考案することができるであろう。また、本明細書で説明されているいずれの実施例も、本開示の原理に対する理解を助けるためのものであり、これらの具体的に説明された実施例又は条件に限定されるものではない。従って、本開示は、以下に説明する特定の実施形態又は実施例に限定されるものではなく、請求の範囲及びその均等範囲のみによって限定される。
【0049】
炭素繊維強化ポリマー(CFRP)部品などの複合材部品は、まず、まとめてプリフォーム又は積層体と称される複数の層にレイアップされる。プリフォームの各層内の個々の繊維は、互いに平行に並べられるが、得られる複合材の様々な寸法方向の強度を向上させるため、層によって繊維の配向方向が異なる場合がある。プリフォームは、例えば、粘性の樹脂を含んでおり、プリフォームを固くして(例えば航空機に用いられる)複合部品にするためには、この樹脂が固化される。未硬化の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含浸させた炭素繊維は、「プリプレグ」と称される。その他の種類の炭素繊維として、「乾燥繊維(dry fiber)」があり、これは、熱硬化性樹脂を含浸させていないが、例えば粘着付与剤又はバインダを含むものである。乾燥繊維には、硬化の前に樹脂が注入される。熱硬化性樹脂の場合は、固くすることは、「硬化(curing)」と呼ばれる一方通行のプロセスであり、熱可塑性樹脂の場合は、樹脂は、再加熱すると粘性の状態になる。
【0050】
図1は、例示的な実施形態における圧縮装置100の斜視図である。圧縮装置100は、成形型を把持するとともに、把持状態が維持されている間、積層体に圧縮圧力を付与するように動作する任意のシステム、装置、又はコンポーネントを含む。本実施形態において、圧縮装置100は、本体110及びベース120を含む。ベース120は、下部フレーム128を含み、この下部フレームから、突出部(prong)122が延びている。突出部122には、ベアリング126を介して、電磁石124が取り付けられており、成形型上の表面特徴(例えば一定の角度で配向されている表面)にアラインメントするために電磁石124が旋回又は回転可能となっている。さらなる実施形態において、ベアリング126は、電磁石124が複数の軸の周りを旋回できるようにするものでもよい。電磁石124は、圧縮装置100と成形型との間の把持力を素早く付与したり除去したりするために、オンオフすることができる。これにより、圧縮装置100を成形型に素早く固定したり、素早く取り外したりすることができ、積層体の圧縮の準備に要する時間が短縮される。このような特徴は、特に精細部分などの複数の小型の積層体を圧縮する際に、労力を低減できるという技術的利点をもたらす。本実施形態では電磁石124が例示されているが、さらなる実施形態において、クランプ、吸着カップ、粘着パッドなどの他の把持装置を用いてもよい。
【0051】
本体110は、技術者が圧縮装置100を成形型に対して保持できるようにするためのハンドル112を含んでおり、さらに、電力を受け取るための電気ポート132、加圧ガスを受け取るための空気圧ポート134、及び、電磁石124を作動させるためのスイッチ142を含む。ライト154は、電磁石124が作動状態である際に、これを示すためのものである。本体110は、圧縮装置100の内部に設けられた、プレッシャーフット(pressure foot)を介して積層体に圧縮力を付与するラムやピストン(又は任意の他の適当な部品)を駆動するためのスイッチ144も含む。ダイアル152は、ピストンによって付与される力が、電磁石124による把持力を解消してしまわないように、ラムによって付与される圧力の量を制御する。ラムは、成形型に載置されている積層体を圧縮するために、プレッシャーフット(例えば図2のプレッシャーフット200)を駆動する。本実施形態において、ラムは、空気圧によって駆動される。ただし、さらなる実施形態において、ラムは、液圧や電気モータなどによって駆動してもよい。本体110は、ワイヤカバー116も含み、これらは、突出部122の間に配置されている。また、本体110は、上述した把持力と圧縮力との間で、静的均衡を維持する。
【0052】
図2は、例示的な実施形態における圧縮装置100の別の斜視図であり、図1の矢印2の方向視に相当する。図2は、プレッシャーフット200を示しており、当該プレッシャーフットは、積層体を圧縮するために、積層体に押し当てられる。プレッシャーフット200は、成形型上の1つ以上の表面形状に沿うことができる任意の適当な可撓性材料(例えば、弾性材料又は変形可能材料)を含む。積層体を様々な表面形状に押し付けて圧縮できるようにするために、プレッシャーフット200は、例えば、ゴム又はゴム引きプラスチックなどの伸縮性のある材料によって形成される。本実施形態において、プレッシャーフット200は、凹部210も含む。凹部210は、圧縮プロセス中におけるプレッシャーフット200の屈曲を容易にすることによる技術的利点をもたらす。
【0053】
図3は、例示的な実施形態における圧縮装置100の分解図である。図3は、ベース120が、ファスナ310(例えば、ネジ、ボルトなど)によって、本体110に固定されることを示している。さらに図3に示すように、ベース120は、アクチュエータ340を含む。アクチュエータ340(例えば空気圧シリンダ)は、ラム350をプレート330に向けて駆動する。プレート330は、緩衝器320とラム350との間に介在しており、これにより、緩衝器320を介してプレッシャーフット200と連結されている。緩衝器320は、これにより、プレッシャーフット200と機械的に連結されている。
【0054】
このような構成では、ラム350は、プレッシャーフット200と機械的に連結されているため、ラム350を作動させることにより、プレッシャーフット200を駆動することができる。具体的には、ラム350を作動させることによりプレート330が下方に動き、これにより、プレッシャーフット200に機械的に連結されているとともにプレッシャーフット200全体に負荷を分散させる緩衝器320が圧縮される。成形型の表面が傾斜している実施形態では、ラムをプレート330に向けて駆動することにより、プレート330の角度を調節することができる。(すなわち、成形型の表面沿いで異なる高さにある緩衝器320は、ラム350からの力を受けた際に、それぞれ異なる量の力を付与するからである。)例えば、図3において、プレート330は、緩衝器320を介して付与された力により、角度θで傾斜している。このような構成は、ラム350によって付与される力をプレッシャーフット200の面積全体に分散させることによる技術的利点をもたらし、これにより、積層体を複雑な形状に沿わせているような状況でも、確実に積層体に対して力を均一に付与することに役立つ。本実施形態において、ラム350は、空気圧によって駆動される。これは、圧縮装置100に空気圧が付与されるとプレッシャーフット200が駆動されることを意味する。
【0055】
圧縮装置100の動作の例示的な詳細を、図4に関連させて説明する。本実施形態では、技術者が、積層体をすでにレイアップし、圧縮のためにこの積層体を成形型上に載置したいと考えていると仮定する。さらに、圧縮装置100は、空気圧を供給するための蓄圧器(pressure reservoir)及び電源と接続されていると仮定する。
【0056】
図4は、例示的な実施形態における、圧縮装置を動作させて積層体を圧縮するための方法400を示すフローチャートである。方法400の工程を、図1の圧縮装置100を参照して説明するが、当業者であればわかるように、方法400は、他のシステムで行うこともできる。本明細書に記載のフローチャートの工程が、すべてを含んでいるものとは限らず、図示しない他の工程も含まれる場合がある。また、本明細書で説明する工程は、別の順序で実行することもできる。
【0057】
工程402において、積層体が成形型に載置される。例えば、図5図1の矢印5方向視による側面図)に示すように、積層体520は、例えば、表面特徴部512を有する成形型510に載置される。
【0058】
工程404において、圧縮装置100が、積層体520の上に、例えばプレッシャーフット200が積層体520を覆うように、配置される。図6において、プレッシャーフット200が積層体520を完全に覆うようにアラインメントされた状態で、圧縮装置100を方向600に移動させる。したがって、プレッシャーフット200の外周530は、積層体520の外周540と等しいか又はそれ以上となるように、寸法設定するとよい。これにより、プレッシャーフット200は、積層体520の全体を、一度に圧縮することができる。
【0059】
工程406において、スイッチ142が起動され、これにより電磁石124に動力が供給される。成形型510が(例えば鋼またはアンバによって形成されることにより)磁性を有するため、電磁石が、圧縮装置100に成形型510を把持させる。これにより、図7に示すように、電磁石124と成形型510との間に引力700が生成される。電磁石124によって把持力が付与されているため、圧縮装置100は、積層体520の上で安定した状態を保つ。さらなる実施形態において、電磁石を成形型510自体に配置し、成形型510に設けられたスイッチによって起動してもよい。このような実施形態では、電磁石124を、鋼などの、磁力に反応する材料に替えるとよい。さらなる実施形態において、圧縮装置100に成形型510を把持させることは、成形型510内に設けられた、圧縮装置100に力を加えて成形型510に接触させる電磁石を起動することを含みうる。
【0060】
工程408において、可撓性材料で形成されたプレッシャーフット200によって、積層体520が圧縮される。図8図9は、圧縮装置100が作動する際の、プレッシャーフット200の動きを示している。例えば、圧縮装置100のオペレータが、スイッチ144を起動し、これにより、アクチュエータ340によってラム350に空気圧が供給される。これにより、ラム350が、図8に示すように、方向800に沿って変位し、プレッシャーフット200を積層体520に押し付け、これにより積層体520を圧縮する。図9では、ラム350が方向800に延出し続けて、プレッシャーフット200が積層体520に沿うように変形した結果、プレッシャーフット200によって積層体520に圧縮力が均一に付与されている。このプロセスの間、プレッシャーフット200によって付与される力は、電磁石124によって供給される把持力と等しいか、あるいはこれより小さい。積層体520が、その下にある表面特徴部512に起因して屈曲しても、圧縮力は均一に付与される。これは、プレッシャーフット200の可撓性によって得られる技術的利点である。
【0061】
圧縮装置100は、例えば30秒や30分などの任意の適当な時間、この圧縮モードに維持することができる。この結果、圧縮が完了する。スイッチ142を切ることにより、電磁石124をオフにし、図10に示すように、引力700を消失させる。次に、工程410において、成形型510から方向1100に持ち上げることにより圧縮装置100を、取り外し、スイッチ144を切り替える。スイッチ144を切り替えると、ラム350を図11の方向1110に移動させることにより、ラム350を元の位置にリセットするか、ラム350への空気圧の付与を停止することにより、緩衝器320によってラム350を休止位置に戻すことができる。図11に示すように、積層体520は圧縮されており、これにより、積層体520は硬度が増した際は、確実に所望のレベルの強度を示すことになる。
【0062】
上述の動作は、複数回、積層体に追加の層が積層されるたびに繰り返すことができ、これは、複雑な輪郭を有する積層体の場合に特に有益である。このような実施形態では、レイアップの際に積層体に所定数のプライが加えられるたびに、圧縮を繰り返し行うことができる。
【0063】
図12は、複合材プリフォームをレイアップするための方法1200を示している。当該方法は、工程1202において、少なくとも1つの繊維強化材料のプライ(例えば10個のプライ)を含む積層体を、成形型の表面に載置することを含む。当該方法は、工程1204において、大気圧下において(すなわち真空バッグを用いずに)圧縮装置と成形型との間に制御可能に把持力を付与することにより、積層体を成形型に向けて圧縮することを含む。工程1206は、成形型における圧縮されたプライの最上部に、少なくとも1つのプライ(例えば次の10個のプライ)をレイアップすることを含み、工程1208は、圧縮工程及び載置工程を繰り返すことを含む。工程1208は、積層体の層の数に応じて、任意の適当な回数行うことができる。
[実施例]
【0064】
以下の実施例では、積層体用の圧縮装置に関連させて、追加のプロセス、システム、および、方法を説明する。
【0065】
図13は、例示的な実施形態における圧縮装置1300のブロック図である。図13によれば、圧縮装置1300は、成形型1350の表面特徴部1352に載置されている積層体1360の上に保持される。圧縮装置1300は、ベース1320を含み、当該ベースは、成形型1350における積層体1360によって覆われていない箇所と磁気的に連結する電磁石1324を有する。ベース1320は、プレッシャーフット1330、緩衝器1332、及び、プレート1334も含む。これらの部品は、ラム1336によって駆動され、ラムは、空気圧ポート1326を介して動力を受けるアクチュエータ1338によって駆動される。上述のように、本明細書では空気圧システムについて記載しているが、さらなる実施形態において、ラム350を駆動するために任意の適当なシステムを用いることができる。本体1310は、ハンドル1312、空気圧ポート1326、及び、電気ポート1328を含む。空気圧ポート1326は、アクチュエータ1338に動力を与え、電気ポート1328は、電磁石1324に動力を与える。マグネットスイッチ1394は、電気ポート1328を介する電力の供給を制御し、空気圧スイッチ1392は、アクチュエータ1338への空気圧の供給を制御する。コントローラ1370によって、本明細書に記載のスイッチ、ポート、アクチュエータなどの動作を自動制御してもよい。例えば、コントローラ1370が、把持力と圧縮力との静的均衡を維持することにより、積層体の圧縮によって圧縮装置1300が成形型1350から離れることがないようにする。コントローラ1370は、さらに、積層体1360に接触するプレッシャーフット1330に対しラム1336によって付与される力の量を制御することにより、圧縮力を制御してもよい。例えば、このような制御は、圧縮力が、確実に、把持力と等しいか又は把持力より小さくなるように行ってもよい。コントローラ1370は、メモリ内の命令を実行するハードウェアプロセッサ、専用ハードウェアなどを含みうる。
【0066】
より具体的に図面を参照すると、本開示の実施形態は、図14に示すように航空機の製造及び保守方法1400に関連させ、図15に示すように航空機1402に関連させて説明することができる。製造開始前の工程として、方法1400は、航空機1402の仕様決定及び設計1404と、材料調達1406とを含む。製造の際は、航空機1402の部品及び小組立品の製造1408及びシステム統合1410が行われる。その後、航空機1402は、例えば認証及び納品1412を経て、就航1414に入る。顧客による就航期間中は、航空機1402は、定期的な整備及び保守1416のスケジュールに組み込まれる。(これは、改良、再構成、改修なども含む場合がある。)本明細書で具体化した装置及び方法は、方法1400で説明した製造及び保守の1つ又は複数の任意の適当な段階(例えば仕様決定及び設計1404、材料調達1406、部品及び小組立品の製造1408、システム統合1410、認証及び納品1412、就航1414、整備及び保守1416)、及び/又は、航空機1402の任意の適当なコンポーネント(例えば機体1418、システム1420、内装1422、推進系1424、電気系1426、油圧系1428、環境系1430)において、採用することができる。
【0067】
方法1400の各工程は、例えば、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレーター(例えば顧客)によって実行または実施されることができる。なお、システムインテグレータは、限定するものではないが、航空機メーカ又は主要システム下請業者をいくつ含んでいてもよい。第三者は、限定するものではないが、売主、下請業者、供給業者をいくつ含んでいてもよい。オペレータは、例えば、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス組織などであってもよい。
【0068】
図15に示すように、方法1400によって製造される航空機1402は、複数のシステム1420及び内装1422を備えた機体1418を含みうる。システム1420の例としては、推進系1424、電気系1426、油圧系1428、及び、環境系1430のうちの1つ以上が挙げられる。また、その他のシステムをいくつ含んでもよい。航空宇宙産業に用いた例を説明したが、本発明の原理は、例えば自動車産業などの他の産業に適用可能である。
【0069】
上述したように、本明細書で具体化した装置及び方法は、方法1400で説明した製造及び保守の1つ又は複数の任意の適当な段階において採用することができる。例えば、部品及び小組立品製造工程1408に対応する部品又は小部品は、航空機1402の就航中に作製される部品又は小部品と同様に作製することができる。また、1つ又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組み合わせを、例えば、小部品製造工程1408及びシステム統合工程1410中に用いることによって、実質的に航空機1402の組み立て速度を速めたりコストを削減したりすることができる。同様に、装置の実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組み合わせの1つ又は複数を、航空機1402の就航中に、例えば、整備及び保守1416中に用いてもよいが、これに限定されない。例えば、本明細書に記載した技術及びシステムは、材料調達1406、部品及び小組立品の製造1408、システム統合1410、就航1414、及び/又は、整備及び保守1416に用いることができ、機体1418及び/又は内装1422に用いることもできる。これらの技術及びシステムを、例えば推進系1424、電気系1426、油圧系1428、及び/又は環境系1430を含むシステム1420に用いることもできる。
【0070】
一実施形態において、部品は、機体1418の一部を含み、部品及び小組立品の製造1408において製造される。当該部品は、システム統合1410において航空機に組み付けられ、摩耗によって使用不可能になるまで、就航段階1414において用いられる。次に整備及び保守段階1416において、当該部品は、廃棄され、新たに製造された部品と交換される。本発明の部品及び方法を、新たな部品を製造するために、部品及び小組立品の製造工程1408全体で採用してもよい。
【0071】
図示あるいは本明細書に記載した様々な制御要素(例えば電気又は電子部品)は、いずれも、ハードウェア、ソフトウェアを実現するプロセッサ、ファームウェアを実現するプロセッサ、又はこれらの何らかの組み合わせとして、実現することができる。例えば、ある要素は、専用ハードウェアとして実現することができる。専用ハードウェア要素は、「プロセッサ」、「コントローラ」、又は、他の同様の用語で称される場合がある。プロセッサによって実現される場合、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共有プロセッサ、又は、いくつかを共有可能な複数の個別プロセッサによって、実現することができる。更に、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアのみを限定的に指すと解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)若しくは他の回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを保存するための読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性記憶装置、論理回路、又は、他の物理的なハードウェア部品若しくはモジュールを暗黙的に含みうる。
【0072】
また、制御要素は、当該要素の機能を実行するための、プロセッサ又はコンピュータによって実行可能な命令として、実現することができる。命令の例をいくつか挙げると、ソフトウェア、プログラムコード、及び、ファームウェアがある。命令は、プロセッサにより実行されると稼働して、当該プロセッサに対して要素の機能を果たすように指示する。命令は、プロセッサによる読み取りが可能な記憶装置に保存することができる。記憶装置の例としては、デジタルメモリ若しくはソリッドステートメモリ、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、又は、光学的に読み取り可能なデジタルデータ記憶媒体などが挙げられる。
【0073】
本明細書において特定の実施形態を説明したが、本開示の範囲は、これらの特定の実施形態に限定されるものではない。本開示の範囲は、以下の請求の範囲及びその均等範囲によって規定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15