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特許7456798画像データ作成方法、プログラム、画像データ作成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】画像データ作成方法、プログラム、画像データ作成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/393 20060101AFI20240319BHJP
   G06T 11/60 20060101ALI20240319BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20240319BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20240319BHJP
【FI】
H04N1/393
G06T11/60 100A
H04N1/387 110
G06F3/0484
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020030829
(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公開番号】P2021136550
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】米森 達也
(72)【発明者】
【氏名】坂本 一樹
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-060253(JP,A)
【文献】特開2005-293405(JP,A)
【文献】特開2019-008405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/393
G06T 11/60
H04N 1/387
G06F 3/04845
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
公印画像が文字列の末尾に配置される個人番号カードへ印刷するための画像データと、前記公印画像が文字列を配置する領域とは異なる所定の領域に配置される在留カードへ印刷するための画像データと、を作成する画像データ作成方法であって、
前記個人番号カードと前記在留カードとを含む複数のカード種類から、ユーザが画像データの作成を行うカード種類を指定する指定工程と、
前記指定工程で前記個人番号カードが指定されたときに、前記公印画像を拡大縮小するときに用いる基準位置を前記公印画像の左辺中央とする個人番号カード用画像作成工程と、
前記指定工程で前記在留カードが指定されたときに、前記基準位置を前記公印画像の中央とする在留カード用画像作成工程と、
ユーザの操作に応じて、前記基準位置を用いて前記公印画像を拡大縮小する拡大縮小工程と、
を含む画像データ作成方法。
【請求項2】
コンピュータに、請求項に記載の画像データ作成方法の各工程を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
公印画像が文字列の末尾に配置される個人番号カードに印刷するための画像データと、前記公印画像が文字列を配置する領域とは異なる所定の領域に配置される在留カードに印刷するための画像データと、を作成する画像データ作成装置であって、
前記画像データを表示する表示手段と、
ユーザの操作を受け付ける操作受付手段と、
ユーザの操作により前記個人番号カードが指定されたときには、ユーザの操作に応じて前記公印画像を拡大縮小するときに用いる基準位置を前記公印画像の左辺中央とし、ユーザの操作により前記在留カードが指定されたときには、前記公印画像の基準位置を前記公印画像の中央として画像データを作成する制御を行う制御手段と、
前記制御手段が作成した画像データを記録装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像データ作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを編集可能な画像データ作成方法、プログラム、画像データ作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷対象となる画像データの作成および編集のためのアプリケーションプログラムは、画像、図形、テキスト等の複数のオブジェクトを印刷面上にレイアウトする機能を有している。また、このようなアプリケーションプログラムは、オブジェクトの配置後、そのオブジェクトサイズを変更する機能を有する場合がある。オブジェクトのサイズ変更に関する技術として、特許文献1では、オブジェクトの配置関係を鑑み、サイズ変更が可能な方向を設定するユーザインタフェースが記載されている。
【0003】
また、画像データの作成および編集のためのアプリケーションプログラムは、複数のオブジェクト同士で位置関係を保つように移動・配置する機能を有している場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-241421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、拡大縮小の辺を制限することはできるが、拡大縮小しない辺(拡大縮小する辺の反対側)は固定されている。そのため、拡大縮小に伴ってオブジェクトの中心点が移動し、その結果、オブジェクトの配置のバランスを変化させてしまう。
【0006】
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決することにある。上記の点に鑑み、本発明は、画像が付加された位置に応じて、画像のサイズ変更を適切に行うことができる画像データ作成方法、プログラム、画像データ作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像データ作成方法は、公印画像が文字列の末尾に配置される個人番号カードへ印刷するための画像データと、前記公印画像が文字列を配置する領域とは異なる所定の領域に配置される在留カードへ印刷するための画像データと、を作成する画像データ作成方法であって、前記個人番号カードと前記在留カードとを含む複数のカード種類から、ユーザが画像データの作成を行うカード種類を指定する指定工程と、前記指定工程で前記個人番号カードが指定されたときに、前記公印画像を拡大縮小するときに用いる基準位置を前記公印画像の左辺中央とする個人番号カード用画像作成工程と、前記指定工程で前記在留カードが指定されたときに、前記基準位置を前記公印画像の中央とする在留カード用画像作成工程と、ユーザの操作に応じて、前記基準位置を用いて前記公印画像を拡大縮小する拡大縮小工程とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、オブジェクトが付加された位置に応じて、オブジェクトのサイズ変更を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】印刷システムの構成を示す図である。
図2】アプリケーションにより表示されるGUI画面を示す図である。
図3】印刷可能領域の一部を拡大した図である。
図4】公印画像の拡大操作の拡大結果を示す図である。
図5】公印画像の拡大操作の拡大結果を示す図である。
図6】公印画像の拡大操作の拡大結果を示す図である。
図7図2と異なる文書ファイルがGUI画面に表示された様子を示す図である。
図8】公印画像の拡大操作の拡大結果を示す図である。
図9】オブジェクト配置の処理を示すフローチャートである。
図10】オブジェクト拡大の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態における印刷システムの構成を示す図である。図1に示すように、印刷システムは、PC(情報処理装置)100と、プリンタ(画像形成装置)110とを含む。PC100とプリンタ110は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、若しくはその両方を含むネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。情報処理装置100は、例えばPCであり、本実施形態では、画像データを編集可能なアプリケーションにより、印刷対象となる画像データを作成し、該作成した画像データを外部の装置に送信する。CPU101は、PC100を統括的に制御し、例えば、ROM103に記憶された制御プログラムをRAM102に読み出して実行することにより、画像データの作成、編集等の処理を制御する。また、CPU101は、例えば、通信インタフェース(IF)部104を介して画像データをプリンタ110に送信するよう制御する。通信IF部104は、ネットワークの媒体に応じた構成を有する。RAM102は、主としてCPU101のワークエリアを提供するメモリである。ROM103は、本実施形態の動作を実現するためのアプリケーションプログラム、各種ソフトウェア、基本制御プログラム、各種データ等を記憶する。操作ユーザインタフェース(UI)部105は、各種情報を表示又は入力するための装置であり、例えば、モニタなどの表示部や、キーボード、マウス等を含んで構成される。PC100は、PC以外の形態でも良く、例えば、スマートフォン等の携帯端末の形態であっても良い。また、PC100は、CPU101が実現可能な機能に応じて、図1に示すブロック以外の機能ブロックを適宜有する。
【0012】
プリンタ110は、インクジェット記録方式や電子写真方式等の各種記録方式により、記録媒体に画像を記録する。プリンタ110は、PC100から通信IF部104を介して送信された画像データを受信し、該受信した画像データに基づき記録媒体に画像を記録する。プリンタ110は、印刷機能以外の機能を有しても良く、例えば、スキャン機能やファクシミリ機能等の多機能が一体化された多機能型周辺装置(MFP:MultiFunctionalPeripheral)として構成されても良い。
【0013】
本実施形態におけるアプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションと呼ぶ)は、例えば、ROM103に記憶された制御プログラムの1つであり、ユーザは、このアプリケーションの起動により操作UI部105に表示される画面上で、画像データを作成/編集し、画像データに基づく印刷の実行を指示可能である。ユーザが印刷実行を指示した場合、通信IF部104を介して、画像データがプリンタ110に送信される。また、ユーザからの指示受付けの構成としては、画面上でのユーザ操作の受付け以外の構成であっても良く、例えば音声入力による指示受付けの構成であっても良い。
【0014】
本実施形態におけるアプリケーションは、画像データを編集可能なアプリケーションであり、例えば、公印画像を使用する身分証明書等の現住所印刷用アプリケーションである。そのような印刷対象の文書では、公印画像を縦横比固定とし、かつ特定のテキストとの位置関係を保ったまま配置する必要がある。ここで、公印とは公的文書に追記した記載を証明するために使用される押印のことである。このようなアプリケーションでは、特定住所などのテキストの末尾に後続するよう、若しくは、特定テキストと同じ縦位置の特定領域に公印画像を付加して配置する。後述する図2は、テキストの末尾に後続するように公印画像が配置された文書の例を示しており、図7は、特定領域に公印画像が付加して配置された文書の例を示している。
【0015】
テキストの末尾に後続するように公印画像を配置する場合は、テキストの末尾と公印画像との距離を一定に保つ配置規則が定められている。そのため、公印画像の拡大縮小においては、テキストの末尾に隣接する公印画像を拡大縮小しない辺を固定するといったサイズの変更方法が採用される。一方、テキストと同じ縦位置の特定領域の左右中心に公印画像を配置する場合は、公印画像の中心点を一定に保つ配置規則が定められている。公印画像の拡大縮小によって中心点が移動してしまうと、特定領域内の配置のバランスが崩れてしまう。本実施形態では、オブジェクトの配置規則に応じた変更方法により、適切にオブジェクトのサイズ変更を行うので、オブジェクト間の配置のバランスが崩れてしまうことを防ぐことができる。
【0016】
図2は、本実施形態のアプリケーションにより表示されるGUI(グラフィカルユーザインタフェース)画面の一例を示す図である。画面201は、例えば、操作UI部105のモニタに表示される。図2に示すように、画面201には、メニューバー202、原稿表示領域203が表示される。メニューバー202には、メニュー項目として、例えば、開くファイルや保存するファイルを指定するための「ファイル」、指定オブジェクトを編集するための「編集」、オブジェクトを挿入するための「挿入」、印刷レイアウトを調整するための「レイアウト」が表示される。これらのメニュー項目のうち何れかがユーザにより選択されると、選択した項目毎に定められた機能が実行される。図2では、「ファイル」により指定された文書ファイルが原稿表示領域203に表示されている。ユーザは、原稿表示領域203上で任意のオブジェクトを配置するなどによって文書ファイルの編集が可能である。また、メニューバー202上での印刷指示が行われると、原稿表示領域203における表示内容に従って、プリンタ110での印刷が行われる。
【0017】
図2の原稿表示領域203には、公印画像を取り扱う文書ファイル210の一例として、住所変更に伴う個人番号カードが表示されている。ユーザは、原稿表示領域203に表示された文書ファイル210を編集し、プリンタ110での印刷を行うことができる。文書ファイル210には、印刷可能範囲211が表示されており、ユーザは、印刷可能範囲211内のテキスト領域に収まるように記入文字列212を入力することが可能である。
【0018】
記入文字列212の末尾に後続するように、公印画像213が行高さ方向の中央に配置されている。公印画像213の配置は、ユーザが設定した公印画像配置の有無と配置位置の設定に応じてアプリケーションが自動的に付加して配置する。即ち、公印画像213は、記入文字列212の末尾に後続するように配置されるよう設定されている。本実施形態の文書ファイル210では、記入文字列212、公印画像213のみが印刷対象となり、文書ファイル210に含まれる他のオブジェクトは、印刷物に既に印刷されている内容であるので印刷対象外である。しかしながら、文書ファイル210は、表示されている内容全てが印刷対象であっても良い。
【0019】
図3は、印刷可能領域211の一部を拡大した図である。また、図3は、公印画像213のサイズ調整操作時のデフォルト状態を示している。また、図3は、公印画像213が1行の高さ方向に対して小さいため、公印画像213のサイズを拡大するケースを示す。拡大操作方法としては、例えば、公印画像213の四隅のいずれかにマウスカーソルを当て、ドラッグすることによって公印画像213のサイズを拡大する操作が行われる。
【0020】
図4は、公印画像213の拡大操作の拡大結果の一例を示す図である。画像右隅のサイズ調整ガイド401を右下方向にドラッグした結果、拡大後公印画像404のように拡大される。その結果、ドラッグした隅の反対側の隅402を基点としてドラッグ方向に拡大されるため、1行の高さ方向の中心線403と拡大後公印画像404の中心点とがずれてしまっている。そのため、サイズは、1行の高さに適したものになっているが1行内に収まらず、拡大後公印画像404の位置を調整する操作が必要となってしまう。
【0021】
図5は、公印画像213の拡大操作の拡大結果の他の一例を示す図である。画像右隅のサイズ調整ガイド501を右下方向にドラッグした結果、拡大後公印画像504のように拡大される。画像の中心点502を基点として上下左右に均等に拡大されるため、画像左方向にも拡大されてしまい、記入文字列212の末尾位置503を越え、記入文字列212と重なってしまっている。そのため、このケースでも、サイズは、1行の高さに適したものになっているが拡大後公印画像504の位置を調整する操作が必要となってしまう。
【0022】
図6は、本実施形態のアプリケーションによる公印画像213の拡大操作の拡大結果を示す図である。公印画像213は、記入文字列212の末尾に後続するよう配置するオブジェクトであるので、アプリケーションは、公印画像213の画像上での配置時に、拡大可能位置を画像の右端隅601a、601bに制限し、更に拡大基準位置を記入文字列212の末尾位置603と1行の高さ方向の中心線604との交点602に設定する。その結果、右端隅601a、601bを操作すると、拡大後公印画像605のように、1行内に収まりつつ、記入文字列212と重ならないように適切に拡大される。
【0023】
図7は、図2と異なるデザインの文書ファイル701が画面201に表示された様子を示す図である。図7では、公印画像を取り扱う文書ファイル701の一例として、住所変更に伴う在留カードが表示されている。ユーザは、原稿表示領域203に表示された文書ファイル701を編集し、プリンタ110での印刷を行うことができる。文書ファイル701には、テキスト用領域702が表示されており、ユーザは、テキスト用領域702に収まるように記入文字列711、713を挿入することが可能である。
【0024】
記入文字列711、713のそれぞれと同じ行の公印用領域703に、公印画像712、714が1行内の中央に付加して配置されている。公印画像712、714の配置は、ユーザが設定した公印画像配置の有無と配置位置設定に応じてアプリケーションが自動的に付加して配置する。即ち、公印画像712、714は、記入文字列711、713と同じ行に配置されるよう設定されている。本実施形態の文書ファイル701では、記入文字列711、713、公印画像712、714のみが印刷対象となり、文書ファイル701に含まれる他のオブジェクトは、印刷物に既に印刷されている内容であるので印刷対象外である。しかしながら、文書ファイル701は、表示されている内容全てが印刷対象であっても良い。以下、記入文字列713、公印画像714を、記入文字列711、713、公印画像712、714の代表例として説明する。
【0025】
図8は、本実施形態のアプリケーションによる公印画像714の拡大操作の拡大結果を示す図である。公印画像714は記入文字列713と同じ行の公印用領域801に付加して配置されるオブジェクトであるので、アプリケーションは、公印画像714の配置時に、拡大基準位置を公印用領域801の1行の中心点811に設定する。その結果、サイズ調整ガイド812a、812b、812c、812dを操作すると、拡大後公印画像813のように、1行内に収まるように適切に拡大される。
【0026】
図9は、オブジェクト配置開始から完了までの処理を示すフローチャートである。図9の処理は、例えば、CPU101がROM103からプログラムをRAM102に読み出して実行することにより実現される。また、図9の処理は、例えば、アプリケーションの画面上で表示された文書ファイル上の記入文字列212、713でテキストを挿入した場合に行われる。
【0027】
S901において、CPU101は、ユーザにより設定されたオブジェクトの配置設定(配置規則)をROM103から読み出す。そして、CPU101は、読み出した配置設定に従って公印画像を配置する。なお、配置設定は、編集対象の文書ファイルのテンプレート毎にROM103に予め記憶されている。
【0028】
S902において、CPU101は、公印画像の配置設定が関連テキストの末尾に後続させる配置(以下、末尾配置とする)であるか否かを判定する。末尾配置であると判定された場合は、S903において、CPU101は、関連テキストの末尾に隣接する、公印画像の辺または辺の中心点を拡大基準位置として設定する。ここでの拡大基準位置は、図6の拡大基準位置602と対応する。そして、CPU101は、公印画像の配置位置と反対側(対角辺)、即ち、横書きの場合は公印画像の右側、縦書きの場合は公印画像の下側の2隅にサイズ変更用ガイドを表示する。ここでのサイズ変更用ガイドは、図6の右端隅601a、601bと対応する。S903の後、図9の処理を終了する。
【0029】
S902で末尾位置でないと判定された場合、例えば、中心配置または配置の指定なしであると判定された場合は、S904に進む。S904において、CPU101は、公印画像の中心点を基準位置として設定する。ここでの拡大基準位置は、図8の中心点811と対応する。そして、CPU101は、オブジェクトの四隅または四隅と四辺にサイズ変更用ガイドを表示する。ここでのサイズ変更用ガイドは、図8のサイズ調整ガイド812a、812b、812c、812dと対応する。S904の後、図9の処理を終了する。
【0030】
図10は、オブジェクト拡大開始から完了までの処理を示すフローチャートである。図10の処理は、例えば、CPU101がROM103からプログラムをRAM102に読み出して実行することにより実現される。また、図10の処理は、例えば、図9の処理により表示されたサイズ変更用ガイドがドラッグされた際に行われる。
【0031】
オブジェクトの拡大開始の起点は、ユーザによるサイズ変更用ガイドの操作となる。S1001において、CPU101は、ガイド操作が行われた対象オブジェクトの配置設定が、関連テキストの末尾配置であるか否かを判定する。末尾配置であると判定された場合は、S1002において、CPU101は、ユーザが操作したサイズ変更用ガイドと反対側端部の画像中心位置、例えば図6の拡大基準位置602を基準とし、ユーザのサイズ変更用ガイドの操作量に応じて縦横比固定でオブジェクトの拡大を行う。S1002の後、図10の処理を終了する。
【0032】
一方、S1001で末尾配置でないと判定された場合、S1003に進む。S1003において、CPU101は、ガイド操作が行われた対象オブジェクトの配置設定が、中心配置であるか否かを判定する。中心配置であると判定された場合は、S1004において、CPU101は、オブジェクトの中心点811を基準とし、ユーザのサイズ変更用ガイドの操作量に応じて縦横比固定でオブジェクトの拡大を行う。S1004の後、図10の処理を終了する。
【0033】
一方、S1003で中心配置でないと判定された場合、例えば、配置の指定なしと判定された場合、S1005に進む。S1005において、CPU101は、図4で説明したように、操作したサイズ変更用ガイドの対角点を基準とし、ユーザのサイズ変更用ガイドの操作量に応じて縦横比固定でオブジェクトの拡大を行う。S1005の後、図10の処理を終了する。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、オブジェクトの配置設定ごとに適切な拡大が行われるので、オブジェクト拡大後の位置調整を不要とすることができる。なお、本実施形態では、オブジェクトのサイズの拡大について説明したが、縮小についても同様に適用可能である。また、ユーザによりオブジェクトのサイズ変更がされた場合は、変更後のサイズまたは拡大縮小率をRAM102に記憶するようにしても良い。そして、次回同じオブジェクトを配置する際に、変更後のサイズまたは拡大縮小率に従ってサイズを変更してから配置するようにしても良い。また、本実施形態では、公印画像を一例として説明したが、画像データが表す画像上で特定の配置領域に付加される所定画像であれば、公印画像でなくても良い。
【0035】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0036】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
100 PC: 101 CPU: 102 RAM: 103 ROM: 110 プリンタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10