(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】複合フレックスビームを備えた着陸装置システム
(51)【国際特許分類】
B64C 25/60 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
B64C25/60
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020046258
(22)【出願日】2020-03-17
【審査請求日】2023-03-10
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】マックス・アーバン・キスマートン
(72)【発明者】
【氏名】キム・リントン
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05224669(US,A)
【文献】特開平04-232400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 25/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(104、200)用の着陸装置システム(102、202)であって、
板厚方向の縫合(108、906、1002)および5インチ(12.7センチメートル(cm
))より大きい半径(112、208)をもつ曲率(110、206)を有する複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)
であって、前記縫合(108、906、1002)の密度(142、1010)が、前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)の前縁(143、1012)および後縁(144、1014)の近くでより高い、複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)と、
前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)に連結され、前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)の中立面(118)からオフセット(116、410、412、810)されたトラニオン(114、402、404、506、508、808)と
を備える、着陸装置システム(102、202)。
【請求項2】
前記曲率(110、206)が、前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)の全体にわたって延伸する、請求項
1に記載の着陸装置システム。
【請求項3】
前記板厚方向の縫合(108、906、1002)が、前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)の全体にわたって延伸する、請求項
1または2に記載の着陸装置システム(102、202)。
【請求項4】
前記板厚方向の縫合(108、906、1002)が複数の糸径を有する、請求項1から
3のいずれか一項に記載の着陸装置システム(102、202)。
【請求項5】
航空機(104、200)用の着陸装置システム(102、202)であって、
複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)の長さ(148)全体に沿って板厚方向の縫合(108、906、1002)および曲率(110、206)を有する複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)であって、前記縫合(108、906、1002)の密度(142、1010)が、前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)の前縁(143、1012)および後縁(144、1014)の近くでより高い、複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)を備える、着陸装置システム(102、202)。
【請求項6】
前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)が、前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)のZ方向(126、210)に12インチ(30.48 cm)~14インチ(35.56 cm)の最大許容たわみ値を有するように構成される、請求項1から
5のいずれか一項に記載の着陸装置システム(102、202)。
【請求項7】
前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)が、最大で15度の角度たわみ(128、812)に対応するように構成される、請求項1から
6のいずれか一項に記載の着陸装置システム(102、202)。
【請求項8】
前記縫合(108、906、1002)が、0.2インチ(0.508 cm)~0.5インチ(1.27 cm)のセルサイズ(156、1016、1018)を有する格子パターン(154、1008)である、請求項1から
7のいずれか一項に記載の着陸装置システム(102、202)。
【請求項9】
トラニオン(114、402、404、506、508、808)の動きが許容値を有するように前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)の上面(158、716、811)から少なくとも0.1インチ(0.254 cm)上に配置されたトラニオン(114、402、404、506、508、808)であって、前記トラニオンの動きの最大許容値が、前記トラニオン(114、402、404、506、508、808)を有する前記航空機(104、200)の設計に基づいている、トラニオン(114、402、404、506、508、808)
をさらに備える、請求項1から
8のいずれか一項に記載の着陸装置システム(102、202)。
【請求項10】
前記トラニオンの動きの前記最大許容値が、前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)に荷重が加えられたときの前記トラニオン(114、402、404、506、508、808)の動きに起因する周囲の航空機構造にかかる誘起ひずみが前記航空機(104、200)の前記設計に基づいて許容できるようなものである、請求項
9に記載の着陸装置システム(102、202)。
【請求項11】
航空機(104、200)用の着陸装置システム(102、202)を形成する方法(1100)であって、
複数の繊維層(134、904、1004)を曲率(110、206)にレイアップするステップ(1102)であって、各繊維層(134、904、1004)が
それぞれの繊維配向を有する、ステップ(1102)と、
強化された複数の層(137、1001)を形成するために前記曲率(100、206)の長さ(148)に沿って前記繊維層(134、904、1004)を縫合するステップ(1104)であって、前記縫合(108、906、1002)の密度(142、1010)が前記曲率(110、206)の前縁(143、1012)および後縁(144、1014)の近くでより高い、ステップ(1104)と、
樹脂注入湾曲構造を形成するために樹脂(136)を前記強化された複数の層(137、1001)に注入するステップ(1106)と、
前記着陸装置システム(102、202)の複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)を形成するために前記樹脂注入湾曲構造を硬化させるステップ(1108)と
を含む、方法(1100)。
【請求項12】
前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)から少なくとも0.1インチ(0.254 cm)上に配置されたトラニオン(114、402、404、506、508、808)を使用して前記複合フレックスビーム(106、204、500、702、802、902)を前記航空機(104、200)に取り付けて、前記複合フレックスビームの屈曲に起因する前記トラニオン(114、402、404、506、508、808)の動き(106、204、500、702、802、902)が最小化されるようにするステップ(1114)
をさらに含む、請求項
11に記載の方法(1100)。
【請求項13】
前記縫合するステップ(1104)が前記繊維層(134、904、1004)を格子パターン(154、1008)で縫合することを含み、前記格子パターン(154、1008)が0.2インチ(0.508 cm)~0.5インチ(1.27 cm)のセルサイズ(156、1016、1018)を有する、請求項
11または
12に記載の方法(1100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に飛行機用の着陸装置に関し、より詳細には、小型航空機用の着陸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機用の着陸装置は、他の多くの機能の中で、着陸のエネルギーを吸収する。大型航空機の現在の設計は、空気圧-油圧式緩衝装置の一種であるオレオストラットを含むことがある。しかしながら、オレオストラットは、小型の航空機には望ましくないほど高価なことがある。オレオストラットは、一部の航空機に比較的望ましくない量の重みを加えることもある。
【0003】
一部の航空機は、着陸のエネルギーを吸収するために金属フレックスビームを利用することがある。しかしながら、金属フレックスビームは、小型航空機に望ましくない量の重みを加えることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、上述した課題のうちの少なくともいくつか、ならびにその他の起こり得る課題を考慮した方法および装置があれば望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の例示的な一実施形態は、航空機用の着陸装置システムを提供する。この着陸装置システムは、板厚方向の縫合および5インチ(12.7センチメートル(cm))より大きい半径をもつ曲率を有する複合フレックスビームと、複合フレックスビームに連結され、複合フレックスビームの中立面からオフセットされたトラニオンと、を備える。
【0006】
本開示の別の例示的な実施形態は、航空機用の着陸装置システムを提供する。この着陸装置システムは、複合フレックスビームの長さ全体に沿って板厚方向の縫合および曲率を有する複合フレックスビームを備え、縫合の密度は複合フレックスビームの前縁および後縁の近くでより高い。
【0007】
本開示の別の例示的な実施形態は、航空機用の着陸装置システムを形成する方法を提供する。複数の繊維層が曲率にレイアップされ、各繊維層は当該繊維配向を有する。繊維層は、強化された複数の層を形成するために曲率の長さに沿って縫合され、縫合の密度は曲率の前縁および後縁の近くでより高い。樹脂注入湾曲構造を形成するために強化された複数の層に樹脂が注入される。樹脂注入湾曲構造は、着陸装置システムの複合フレックスビームを形成するために硬化される。
【0008】
本開示のさらなる例示的な実施形態は、複合フレックスビームを備えた着陸装置システムを有する航空機を操作する方法を提供する。航空機を飛行させる。航空機を着陸させることからの動的荷重を、複合フレックスビームを平らにすることにより複合フレックスビームに吸収し、複合フレックスビームは、板厚方向の縫合および弛緩状態で5インチ(12.7 cm)より大きい半径をもつ曲率を有する。
【0009】
上記の形態および機能は、本開示の種々の実施形態で独立に実現することができる、あるいは、さらなる詳細を下記の説明および図面を参照して理解することができる他の実施形態では組み合わされてもよい。
【0010】
例示的な実施形態の特徴と考えられる新規な形態は、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかし、例示的な実施形態、ならびにこれらの実施形態の好ましい使用モード、他の目的および形態は、本開示の例示的な実施形態の下記の詳細な説明を参照して添付図面と共に読んだときに最も良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例示的な一実施形態による、複合フレックスビームが製造される製造環境のブロック図である。
【
図2】例示的な一実施形態による、弛緩状態の複合フレックスビームを備えた航空機の正面図である。
【
図3】例示的な一実施形態による、たわみ状態の複合フレックスビームを備えた航空機の正面図である。
【
図4】例示的な一実施形態による複合フレックスビームを備えた航空機の断面図である。
【
図5】例示的な一実施形態による複合フレックスビームを備えた航空機の着陸装置システムの等角図である。
【
図6】例示的な一実施形態による複合フレックスビームを備えた航空機の着陸装置システムの正面図である。
【
図7】例示的な一実施形態による、たわみ状態と弛緩状態の両状態での航空機の着陸装置システムのフレックスビームの正面図である。
【
図8】例示的な一実施形態による、たわみ状態と弛緩状態の両状態での航空機の着陸装置システムのフレックスビームの一部の正面図である。
【
図9】例示的な一実施形態による航空機の複合フレックスビームの前縁の縫合の断面図である。
【
図10】例示的な一実施形態による航空機の複合フレックスビーム内の縫合の分布の等角図である。
【
図11】例示的な一実施形態による航空機用の着陸装置システムを形成する方法の流れ図である。
【
図12】例示的な一実施形態による複合フレックスビームを有する着陸装置システムを備えた航空機を動作させる方法の流れ図である。
【
図13】例示的な一実施形態による航空機の製造および保守点検方法のブロック図である。
【
図14】例示的な一実施形態が実装され得る航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態では、1つまたは複数の異なる考慮事柄を認識し考慮に入れる。例示的な実施形態では、航空機のコストおよび重量を低減することが望ましいことを認識し考慮に入れる。
【0013】
例示的な実施形態では、複合材料が、2つ以上の機能構成要素を組み合わせることによって作られた丈夫で軽量の材料であることを認識し考慮に入れる。例えば、複合材料は、ポリマー樹脂マトリックスに束縛された強化繊維を含むことができる。繊維は、一方向性とすることができ、または織布もしくは織物の形をとることもできる。繊維および樹脂は、複合材料を形成するように配置され硬化される。
【0014】
例示的な実施形態では、複合構造を製造する際、繊維層が典型的にはツール上にレイアップされることを認識し考慮に入れる。繊維層は、繊維からシート状に構成されてもよい。これらの層は、織物、テープ、トウ、または他の適切な形態をとることができる。場合によっては、樹脂が層に注入されるかまたは予め含侵されてもよい。
【0015】
これらの層は、任意の望ましい順序で積み重ねられ形成される。次いで、シート内の樹脂は、オーブンまたはオートクレーブを使用して硬化される。
【0016】
例示的な実施形態では、複合構造が面内で非常に強固であり、特に引張り状態に置かれたときに強固であることを認識し考慮に入れる。炭素繊維などの繊維は、面内の荷重のほとんどを支持する。複合構造は、複合構造の層状性質により、面外で弱くなる。樹脂は、層間の荷重のほとんどを支持する。
【0017】
例示的な実施形態では、複合材料が金属よりも軽いが、金属よりも面外張力が高いことを認識し考慮に入れる。例示的な実施形態では、複合構造が層間引張(ILT)を受けやすいことを認識し考慮に入れる。複合構造内の層間引張は、複合構造の設計の影響を受ける。層間引張(ILT)応力は、開放モーメントが大きくなる、半径が小さくなる、または積層体が薄くなる、のいずれかで増大する。
【0018】
例示的な実施形態では、曲げられたフランジを有する複合構造は、曲げられたフランジが開放を強いられる場合に層間引張を受けることを認識し考慮に入れる。例示的な実施形態では、曲げられたフランジの角度が外力により増大すると半径方向力(F-r)が出現することを認識し考慮に入れる。望ましくない量の半径方向力は、複合材料内に層間剥離などの不整合を引き起こす可能性がある。
【0019】
例示的な実施形態では、半径方向力は金属または複合物において等しく発生することを認識し考慮に入れる。例示的な実施形態では、複合材料内の面外(Z方向)の弱点はこれを、複合構造を設計する際の重要な考慮事項にすることを認識し考慮に入れる。
【0020】
例示的な実施形態では、複合積層体の曲げに対する抵抗は、層間せん断力に少なくとも部分的に起因することを認識し考慮に入れる。複合積層体では、プライ相互間の樹脂は、プライが互いに対してすべることなくプライを所望の半径に保持する。複合積層体の層は、複合積層体の曲線を平らにするローディング(loading)に起因して剥離しがちである。
【0021】
例示的な実施形態では、半径方向力が古典的湾曲ビーム理論、すなわちComposite FEA(複合材の有限要素解析)を使用して推定できることを認識し考慮に入れる。
例示的な実施形態では、半径方向力が
【数1】
によって推定できることを認識し考慮に入れる。
【0022】
ここで、fILTは層間引張応力、Mはモーメント(この場合はモーメントアーム長)、Rは半径、tは断面の厚さである。
【0023】
例示的な実施形態では、複合構造の設計を変更することにより、層間引張応力が変更されることを認識し考慮に入れる。例示的な実施形態では、複合構造の半径を大きくすることにより、層間引張応力が減少することを認識し考慮に入れる。より具体的には、層間引張応力は、R(半径)のサイズがM(モーメントアーム長)に比べて大きくなるにつれて減少する。
【0024】
例示的な実施形態では、複合構造における縫合が複合材料の面外強度を高めることを認識し考慮に入れる。複合構造における縫合は、樹脂が積層体の層を接合する強度よりも面外(法線/垂直)方向の複合材の強度を高める。複合構造の縫合は、積層体の平面に垂直な方向に繊維を設けて、少なくとも隣り合う積層体プライを繊維/縫合で連接する。複合構造の縫合は積層体の3次元性を高める。複合構造の縫合は、樹脂のマトリックスを越えてプライ相互間の荷重経路を提供する。
【0025】
例示的な例は、複合フレックスビームを備えた着陸装置システムを提示する。複合フレックスビームは、縫合され樹脂注入された繊維層で形成される。縫合は層間強度を高める。いくつかの例示的な例では、縫合は、層間引張応力に起因する複合フレックスビーム内の不整合を抑制する。いくつかの例示的な例では、縫合より、サイズまたは許容範囲外の不整合の発生の少なくとも一方が減少する。
【0026】
例示的な例は、航空機用の着陸装置システムを提供する。着陸装置システムは、板厚方向の縫合および5インチ(12.7センチメートル(cm))より大きい半径をもつ曲率を有する複合フレックスビームと、複合フレックスビームの中立面からオフセットされたトラニオンと、を備える。
【0027】
ここで
図1を参照すると、例示的な一実施形態による、複合フレックスビームが製造される製造環境のブロック図が示されている。製造環境100は、航空機104用の着陸装置システム102が製造される環境である。航空機104用の着陸装置システム102は、板厚方向の縫合108および5インチ(12.7cm)より大きい半径112をもつ曲率110を有する複合フレックスビーム106と、複合フレックスビーム106の中立面118からオフセット116されたトラニオン114と、を備える。
【0028】
トラニオン114を含む取付具115は、着陸装置システム102の複合フレックスビーム106を航空機104の機体(図示せず)に連結する。取付具115のベース117は、トラニオン114を複合フレックスビーム106に連結する。ベース117は、トラニオン114を複合フレックスビーム106に連結するために任意の望ましいサイズまたは形状を取る。
【0029】
航空機104は軽航空機である。いくつかの例示的な例では、航空機104は、離陸重量が5キップ(2267.96キログラム(kg))~19キップ(8618.25 kg)の飛行機である。航空機104は固定着陸装置を有し、おそらく最大2つのエンジンを有する。
【0030】
複合フレックスビーム106を設計する前に、航空機104の本体が設計される。航空機104は、サイズおよび重量の検討事項を含めて設計される。航空機104を設計した後、着陸装置システム102の所望のたわみが選択される。複合フレックスビーム106は、所望のたわみに対応するように設計される。
【0031】
着陸装置システム102の所望のたわみを設定した後、転倒点の解析が実行される。転倒点の解析は航空機104の重心を決定する。着陸装置システム102内の車輪アセンブリ150と車輪アセンブリ152の間隔が決定される。車輪アセンブリ150と車輪アセンブリ152の間隔は転倒点解析の影響を受ける。車輪アセンブリ150と車輪アセンブリ152の間隔は、複合フレックスビーム106の長さ148に影響を及ぼす。複合フレックスビーム106の幅166、長さ148、および断面の厚さは、航空機104の着陸装置システム102の所望の基準を満たす設計特性120を満たすように設計される。航空機104の設計が変わると、着陸装置システム102の設計も変わることがある。
【0032】
着陸装置システム102を設計するときにマージンチェック計算が実行される。1つのマージンチェックは、着陸装置アセンブリ102の箇所を含む。着陸装置アセンブリ102のマージンチェック計算は、車輪アセンブリ150および車輪アセンブリ152の転倒点および間隔を含む。このマージンチェックは、前輪(図示せず)のそれぞれと主着陸装置、すなわち車輪アセンブリ150および車輪アセンブリ152を含む着陸装置システム102の車輪との間にギヤ三角形を描くことによって行われる。
【0033】
別のマージンチェックは、航空機104の重心(CG)の高さを含む。航空機104の重心(CG)は、ギヤ三角形の中にあるものとする。
【0034】
「Cant」角は、航空機104の重心(CG)を通過する、ギヤ三角形の長辺に垂直な垂直面に対して測定される。別のマージンチェックは、地面からの航空機104のベリー高さ(belly height)を含む。別のマージンチェックは、航空機104のシル高さ(sill height)(貨物床と地面/滑走路との間の距離)を含み、チェックされる。航空機104のマージンチェックを実行する際、航空機104のシル高さは、車輪アセンブリ150および車輪アセンブリ152のそれぞれの車輪軸高さと取付具115のトラニオン114を含む取付具およびトラニオンの箇所とを使用してチェックされる。マージンチェックでは、トラックのシル高さ(sill height)は、貨物機のシル高さ+/-2インチ(5.08 cm)と一致しなければならない。
【0035】
他のマージンチェックは、車輪アセンブリ150および車輪アセンブリ152の車輪径および車軸高さと、取付具115およびトラニオン114を含む取付具/トラニオンの箇所と、を含む。取付具およびトラニオンの箇所は、右トラニオンと左トラニオンとの間の横方向距離(DY、トラニオン)を含む。取付具およびトラニオンの箇所は、トラニオン114の中心軸159と複合フレックスビーム106の中立面118との間の垂直距離(DZ、軸線)も含む。
【0036】
設計マージンチェックが実行された後、変形マージンチェックが着陸装置システム102に対して実行される。変形マージンチェックは、たわみ124後の着陸時の航空機104のベリーの箇所、Gレベルが許容範囲内にあるかどうか、ならびに複合フレックスビーム106の応力およびひずみが許容範囲内にあるかどうか、を含む。
【0037】
複合フレックスビーム106は、先の計算から決定された所望のたわみおよび長さを満たすように設計される。複合フレックスビーム106は、航空機104の着陸に対応するように設計される。
【0038】
複合フレックスビーム106は設計特性120を有する。設計特性120は、着陸装置システム102が航空機104の運航中に望ましく機能するように選択される。設計特性120は、着陸装置システム102が航空機104に所望の性能を提供するように選択される。設計特性120は強度122およびたわみ124を含む。設計特性120を満たすように複合フレックスビーム106を設計するには、複合フレックスビーム106の断面厚さ(図示せず)、半径112、および複合フレックスビーム106のモーメントアーム長(図示せず)を考慮に入れる。
【0039】
複合フレックスビーム106は、航空機104の着陸中に複合フレックスビーム106上に引き起こされる荷重を支持するのに十分な強度122を有する。強度122は、複合フレックスビーム106の厚さ(図示せず)、幅166、複合フレックスビーム106のモーメントアーム長(図示せず)、半径112、および複合フレックスビーム106のねじりモーメントアーム(図示せず)を考慮に入れる。縫合108は、複合フレックスビーム106の強度122を高める。
【0040】
複合フレックスビーム106はたわみ124を有する。たわみ124は、複合フレックスビーム106が曲がる尺度である。複合フレックスビーム106は、航空機104の着陸エネルギーを吸収するようにたわむ。たわみ124は、Z方向126に、または角度たわみ128として測定することができる。たわみ124は、複合フレックスビーム106の最大許容たわみ値である。最大許容たわみ値は、航空機104の設計に応じて異なる。
【0041】
複合フレックスビーム106は、規定の量をたわませるように構成される。いくつかの例示的な例では、複合フレックスビーム106は、複合フレックスビーム106のZ方向126に12インチ(30.48 cm)~16インチ(40.64 cm)のたわみ124、すなわち最大許容たわみ値を有するように構成される。いくつかの例示的な例では、複合フレックスビーム106は、複合フレックスビーム106のZ方向126に12インチ(30.48 cm)~14インチ(35.56 cm)のたわみ124、すなわち最大許容たわみ値を有するように構成される。いくつかの例示的な例では、複合フレックスビーム106は、最大で15度の曲げによる角度たわみ128に対応するように構成される。
【0042】
たわみ124および角度たわみ128は、複合フレックスビーム106に荷重が加えられるときに生じる。たわみ124および角度たわみ128は、航空機104が着陸するときに生じる。複合フレックスビーム106によって対応されるたわみ124は、繊維層134の繊維配向と、樹脂136の材料と、繊維層134内の繊維の材料と、曲率110と、複合フレックスビーム106に対するトラニオン114の配置と、密度142、縫合108の材料、および縫合108の厚さを含む縫合108の形態と、により対応される。
【0043】
たわみ124はまた、複合フレックスビーム106の弛緩半径130と複合フレックスビーム106の完全たわみ半径132との間の差として表すことができる。弛緩半径130は、複合フレックスビーム106が最小荷重を有するかまたは無荷重であるとき、例えば航空機104が飛行しているときの複合フレックスビーム106の半径112である。弛緩半径130は、航空機104が飛行しているときの複合フレックスビーム106の半径112である。複合フレックスビーム106の完全たわみ半径132は、複合フレックスビームが最大設計荷重を有するときの複合フレックスビーム106の半径112である。複合フレックスビーム106の完全たわみ半径132は、着陸する航空機104などの動的状況の間の複合フレックスビーム106の半径112である。
【0044】
複合フレックスビーム106を形成するには、複数の繊維層134がツール(図示せず)上にレイアップされる。ツール上にレイアップされるとき、繊維層134は、一方向繊維の乾燥層である。一方向繊維は、中立面に対して任意の望ましい方向に向けられる。従来の繊維配向には、中立面に対して0度、(+/-)30度、(+/-)45度、(+/-)60度、および90度が含まれる。いくつかの例示的な例では、繊維層134は、非伝統的な繊維配向を有する繊維層134の少なくとも1つの繊維層を含む。
【0045】
(+/-)30度および(+/-)60度の範囲内の繊維層134の繊維層は、複合フレックスビーム106にかかるねじり荷重(抗力)を処理する。曲げは、約0度の繊維配向を有する繊維層134の繊維層によって処理される。繊維配向が約0度の繊維層は、複合フレックスビーム106の長さ148に揃えられる。いくつかの例示的な例では、5度など、最大で10度の非伝統的な繊維配向が、複合フレックスビーム106の曲げに対応する。
【0046】
(+/-)45度プライは、BETAプライと呼ばれることもあり、レイアップでいくつかの機能を与える。(+/-)45度プライは、ドリル穴の周囲の荷重を再ルーティングし、せん断強度(Fs)を与え、せん断剛性(G)を与え、0度プライでの長手方向の分裂を防ぎ、ボルト継手の支圧強度を高める。ボルト継手の支圧強度を高めることにより、BETAプライはボルト継手における分裂およびせん断を防ぐ。せん断剛性(G)はねじり剛性を駆動し、これにより、車輪アセンブリ150および車輪アセンブリ152の車輪が適切に追跡することが可能になる。複合フレックスビーム106の不必要にねじり柔軟な脚は、車輪が不必要に追跡を失うことを可能にするであろう。
【0047】
BETAプライは(+/-)45度プライでよいが、BETAプライは、(+/-)15度~(+/-)75度の範囲とすることができる。いくつかの例示的な例では、(+/-)15度~(+/-)75度の非伝統的な繊維配向は、ドリル穴の周囲の荷重を再ルーティングし、せん断強度(Fs)を与え、せん断剛性(G)を与え、0度プライでの長手方向の分裂を防ぎ、ボルト継手の支圧強度を高めるために提供される。
【0048】
繊維層134の量および繊維層134の積層順序(プライ順序、角度、厚さ、およびプライ材料)は、航空機104の設計に基づいて選択される。航空機104のサイズ、重量、または所望の性能のうちの少なくとも1つを変更すると、複合フレックスビーム106の設計が変更される。例えば、航空機104のサイズ、重量、または所望の性能のうちの少なくとも1つを変更すると、繊維層134の所望の量または所望の積層順序も変更され得る。
【0049】
複合フレックスビーム106は、エネルギーを吸収するように曲がる。曲がり量は、複合フレックスビーム106の縦方向(Ex)のヤング弾性率に関連している。縦方向(Ex)のヤング弾性率は、繊維層134の積層順序(プライ順序、角度、厚さ、およびプライ材料)によって決定される。繊維層134内の0度繊維層の割合は、縦方向(Ex)に所望のヤング弾性率を生成するように決定される。例示的な一例では、0度繊維層は繊維層134の約50%である。例示的な一例では、繊維層134の約10%が90度層である。繊維層134は、任意の望ましいタイプの繊維を含む。いくつかの例示的な例では、繊維層134は炭素繊維を含む。いくつかの例示的な例では、繊維層134はガラス繊維を含む。繊維層134をレイアップした後、繊維層134に縫合108が施される。
【0050】
縫合108は、繊維層134に糸を通した針(図示せず)を挿入することによって作られる。繊維層134は、縫合108が施されるときに乾燥している。予め含浸された複合材料または「プリプレグ」は、望ましくないほど樹脂を針に移し、針の挿入および除去に影響を与えることになる。さらに、プリプレグ材料内の樹脂は、針が挿入されるときに繊維が一時的に変位したり、針が除去された後で跳ね返ったりするのを妨げることができる。局所的な繊維の動きがないと、繊維は、損傷を受け、かつ/または、望ましくない位置を取ったり位置がずれたりする可能性がある。針への樹脂の望ましくない移動、または繊維の望ましくない変位は、得られる製品の品質に望ましくない影響を与えることになる。
【0051】
縫合108は、板厚方向の補強または板厚方向の縫合とも呼ばれる。板厚方向の縫合である縫合108は、複合フレックスビーム106の全体に延伸する。いくつかの例示的な例では、縫合108は、繊維層134の各層を法線/垂直方向に挿通する。結果として、縫合108は、複合フレックスビーム106のプライのそれぞれを法線/垂直方向に挿通する。縫合108が複合フレックスビーム106のプライのそれぞれを法線/垂直方向に挿通することにより、縫合108は、積層体である複合フレックスビーム106の面に対して法線/垂直方向に繊維を設ける。縫合108は、層間せん断応力に抵抗するのに役立つ。
【0052】
縫合108は、複合フレックスビーム106の各プライに対して法線/垂直方向に挿通するものとして上述したが、いくつかの例示的な例では、縫合108は、ある角度で各プライを貫通延伸する。これらの例示的な例では、縫合108は、プライ相互間に樹脂のマトリックスを越えて荷重経路を提供することにより、層間せん断応力に抵抗するのを助ける。縫合108をある角度で各プライを貫通して延伸させることにより、縫合108は、複合フレックスビーム106の積層体の3次元性を高める。
【0053】
縫合108は、任意の望ましい材料で形成される。縫合108のための材料は、所望の強度122を達成するように選択される。縫合108のための材料は、繊維層134の材料に適合するように選択される。縫合108のための材料は、樹脂136に適合するように選択される。縫合108のための材料は、硬化温度を受けた後で望ましい品質を維持するように選択される。いくつかの例示的な例では、縫合108は炭素縫合である。いくつかの例示的な例では、縫合108はポリマー縫合である。いくつかの例示的な例では、縫合108は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアラミド繊維、または他のタイプのポリマーのうちの1つである。いくつかの例示的な例では、縫合108はポリエステル縫合である。いくつかの例示的な例では、縫合108はナイロンで形成される。いくつかの例示的な例では、縫合108は複数の材料を含む。
【0054】
複数の繊維層134に縫合108を施した後、樹脂136が繊維層134に注入される。曲率110の長さ148に沿って繊維層134に縫合108を施すことにより、強化された複数の層137が形成される。樹脂136は、強化された複数の層137に注入される。強化された複数の層137に樹脂136を注入すると、樹脂注入湾曲構造(図示せず)が形成される。樹脂注入湾曲構造(図示せず)は複合材料140を含む。樹脂注入湾曲構造(図示せず)を硬化させると、複合フレックスビーム106が作られる。
【0055】
樹脂136は、複合材料140を形成するために、樹脂注入装置138を使用して強化された複数の層137に注入される。樹脂注入装置138は任意の望ましい形をとる。樹脂注入装置138によって実行される樹脂注入のタイプのいくつかの非限定的な例には、樹脂トランスファー成形(RTM)、樹脂注入(RI)、制御された大気圧樹脂注入(CAPRI)、真空支援樹脂トランスファー成形(VARTM)、または樹脂136を繊維層134に注入する他の望ましい方法が含まれる。樹脂トランスファー成形では、ツールがパーツを密閉する。繊維層がツール内に配置された後、ツールの蓋が閉じられ、次いで樹脂がツールに注入される。樹脂注入では、乾燥した繊維層がツール/金型上に配置され、次いで真空バッグで覆われる。次いで、樹脂は、バッグとパーツとの間、またはツールとパーツとの間に流される。制御された大気圧樹脂注入では、樹脂のガス放出を回避するために圧力の微調整が使用される。
【0056】
複合材料140は、複合フレックスビーム106を形成するために硬化される。複合材料140は、圧力および温度の少なくとも一方を使用して硬化される。
【0057】
縫合108は、Z方向126の支持をすることにより複合フレックスビーム106の強度122を高める。縫合108は、層間せん断応力に抵抗するのに役立つ。縫合108は、航空機104の運航中の複合フレックスビーム106内の許容範囲外の不整合を低減または除去する。縫合108は、複合フレックスビーム106に加えられる荷重による複合フレックスビーム106内のいかなる層間剥離も防止または阻止する。縫合108は、複合フレックスビーム106が曲がるときに、複合フレックスビーム106のプライが引き離されるのを妨げる。縫合108は、複合フレックスビーム106の複合材料140に荷重が加えられたときに、積層体層が互いに対してせん断する/すべるのを妨げる。縫合108は、層間せん断応力に抵抗するのに役立つ。
【0058】
縫合108は、複合フレックスビーム106内に密度142を有する。密度142は、縫合108が繊維層134のある領域内の厚さを何回貫通延伸するかの尺度である。密度142が高い場合、縫合108は、同じ領域内でより多くの回数、繊維層134を貫通延伸する。
【0059】
いくつかの例示的な例では、縫合108の密度142は、複合フレックスビーム106の前縁143および後縁144の近くでより高い。前縁143および後縁144は、複合フレックスビーム106の幅166の反対側縁部である。
【0060】
いくつかの例示的な例では、縫合108は格子パターン154である。格子パターン154のセルサイズは156を有する。セルサイズ156は面内の各縫合の長さである。いくつかの例示的な例では、セルサイズ156は、最大で2インチ(5.08 cm)とすることができる。いくつかの例示的な例では、格子パターン154は、0.2インチ(0.508 cm)~0.5インチ(1.27 cm)のセルサイズ156を有する。いくつかの例示的な例では、格子パターン154は、0.125インチ(0.3175 cm)~0.5インチ(1.27 cm)のセルサイズ156を有する。
【0061】
縫合108の密度142が高い場合、セルサイズ156は小さくなる。縫合108の密度142が複合フレックスビーム106の前縁143および後縁144の近くでより高い場合、セルサイズ156は、複合フレックスビーム106の前縁143および後縁144の近くで小さくなる。
【0062】
トラニオン114は、複合フレックスビーム106を航空機104の機体に連結する。トラニオン114は、複合フレックスビーム106の上面158から少なくとも0.1インチ(0.254 cm)上に配置される。トラニオン114のオフセット116は、複合フレックスビーム106の寸法および設計特性120に基づいて決定される。
【0063】
いくつかの例示的な例では、オフセット116は、複合フレックスビーム106に加えられるべき荷重を考慮することによって決定される。トラニオン114のオフセット116は、航空機104の構成要素に導入されるひずみを低減するように設計される。トラニオン114は、複合フレックスビーム106の上面158から0.1インチ(0.254 cm)~10インチ(25.4 cm)のオフセット116である。
【0064】
トラニオン114をオフセットすることにより、複合フレックスビーム106のローディング中のトラニオン114の動きが低減される。トラニオン114の動きを低減すると、複合フレックスビーム106が平らにされるにつれて航空機104の構成要素に導入されるひずみが低減される。いくつかの例示的な例では、トラニオン114は、複合フレックスビーム106の屈曲によるトラニオン114の動きが最小化されるようにオフセット116される。
【0065】
オフセット116を選択するのは、航空機104および着陸装置システム102を設計することの一部である。オフセット116の許容値は、着陸装置システム102の幾何学的特性および着陸装置システム102の変形特性の所望の許容差内にある。航空機104または着陸装置システム102の他の設計態様が変更されると、オフセット116も変わり得る。
【0066】
航空機104を設計し、たわみ124を決定し、転倒点の計算を実行し、車輪アセンブリ150と車輪アセンブリ152の間隔を決定した後、オフセット116が決定される。オフセット116は、取付具115の回転、複合フレックスビーム106の平坦化、および複合フレックスビーム106の角度たわみ128を考慮して決定される。
たわみ124の場合、半径112は、弛緩半径130から完全たわみ半径132へ動く。たわみ124により、トラニオン114の中心軸159は横方向に動く。
【0067】
取付具115は、複合フレックスビーム106がたわみを受けるときに回転する。取付具115は、複合フレックスビーム106がたわみ124を受け、弛緩半径130から完全たわみ半径132に移行するときに回転する。横方向の変位は、複合フレックスビーム106の平坦化に起因する。横方向の変位は、取付具115の回転に起因する。横方向の変位は、複合フレックスビーム106の圧縮ひずみに起因する。中心軸159の変位は、回転角度および垂直オフセットの関数である。
【0068】
着陸装置システム102に連結されている航空機104の機体(胴体フレーム)上での着陸装置システム102の取付具115の変位によって誘起されるひずみの量に対してマージンチェックが実行される。ひずみ量は、複合フレックスビーム106の平坦化、複合フレックスビーム106の圧縮、および複合フレックスビーム106を航空機104に連結する取付具(取付具115を含む)の回転に起因する誘起ひずみを考慮に入れる。着陸装置システム102に連結された航空機104の機体にかかる誘起ひずみが許容値である場合、オフセット116は許容値である。いくつかの例示的な例では、オフセット116は、着陸装置システム102に連結された航空機104の機体にかかる誘起ひずみが最小化されるように選択される。
【0069】
オフセット116は、トラニオン114の動きが許容値を有するように選択され、トラニオンの動きの最大許容値は、トラニオン114を有する航空機104の設計に基づく。オフセット116の最大許容値は、複合フレックスビーム106に荷重が加えられたときのトラニオン114の動きに起因する周囲の航空機構造にかかる誘起ひずみが航空機104の設計に基づいて許容できるようなものである。いくつかの例示的な例では、周囲の航空機構造は航空機104の機体を含む。トラニオン114の動きに起因する周囲の航空機構造にかかる誘起ひずみが許容値を有するかどうかを決定するのは、航空機104のマージンチェックの一部である。トラニオン114の動きに起因する周囲の航空機構造にかかる誘起ひずみがマージンチェックに合格すると、オフセット116は許容値を有する。
【0070】
誘起ひずみの許容値は航空機104の設計に依存する。航空機104の設計が変わると、誘起ひずみの許容値も変わり得る。航空機104の設計が変わると、複合フレックスビーム106の設計を含む着陸装置システム102の設計が変わり得る。周囲の航空機構造にかかる誘起ひずみの量は、複合フレックスビーム106の設計を含む着陸装置システム102の設計、オフセット116、および取付け点168の影響を受ける。誘起ひずみの許容値が不変の場合でも、航空機104の新しい設計に対しては、誘起ひずみが許容値を有することを確認するためにマージンチェックは再度実行される。航空機104の設計が変更されるときにマージンチェックは繰り返される。マージンチェックの結果が許容範囲外の状態になった場合、オフセット116、取付け点168、複合フレックスビーム106の設計、または航空機104の別の構成要素の設計のうちの少なくとも1つが、どのマージンチェックが許容範囲外の状態を有するかに応じて変更される。
【0071】
上面158は凸面160である。複合フレックスビーム106の底面162は凹面164である。複合フレックスビーム106に荷重が加えられると、複合フレックスビーム106の半径112は弛緩半径130から増大する。複合フレックスビーム106に荷重が加えられると、上面158は平らになる。複合フレックスビーム106が平らになると、複合フレックスビーム106にひずみが導入される。複合フレックスビーム106の上面158の各部分は圧縮を受ける。
図8に見られるように、複合フレックスビーム106が平らになるにつれて、複合フレックスビーム106の各部分は回転する。複合フレックスビーム106が平らになるにつれて、取付け点168と複合フレックスビーム106の第2の取付け点(図示せず)との間の距離が増大する。複合フレックスビーム106が平らになるにつれて、取付け点168は外側に動く。複合フレックスビーム106が平らになるにつれて、複合フレックスビーム106の第2の取付具(図示せず)の第2の取付け点(図示せず)も外側に動く。取付け点168と第2の取付け点との間の距離は、取付け点168と第2の取付け点の両方の動きの和だけ増大する。
【0072】
上面158からのトラニオン114のオフセット116は、複合フレックスビーム106が荷重を受けたときのトラニオン114の動きによって導入される航空機104内のひずみを低減するように構成される。オフセット116は、上面158とトラニオン114の中心軸159との間の距離である。
【0073】
取付具115のベース117は、トラニオン114を複合フレックスビーム106に取り付ける。ベース117は、取付け点168で複合フレックスビーム106に連結される。取付具115は、ベース117およびトラニオン114を備える。ベース117は、取付け点168で複合フレックスビーム106に連結される。複合フレックスビーム106の上面158上の取付け点168は、複合フレックスビーム106が荷重を受けたときのトラニオン114の動きによって導入される航空機104のひずみを低減するように選択される。複合フレックスビーム106に対するトラニオン114の配置は、複合フレックスビーム106の屈曲によるトラニオン114の移動量に影響を及ぼす。複合フレックスビーム106の上面158上の取付け点168は、複合フレックスビーム106が荷重を受けたときのトラニオン114の動きを低減するように選択される。
【0074】
複合フレックスビーム106の第1の端部145および第2の端部146は、複合フレックスビーム106の長さ148の両端である。第1の端部145は、航空機104の着陸装置システム102の車輪アセンブリ150に関連する。第2の端部146は、航空機104の着陸装置システム102の車輪アセンブリ152に関連する。
【0075】
いくつかの例示的な例では、複合フレックスビーム106は、複合フレックスビーム106の長さ148の全体に延伸する曲率110を有する。曲率110が長さ148の全体に沿って延伸することにより、半径112は大きい。
【0076】
いくつかの例示的な例では、曲率110は一定170である。曲率110が一定170である場合、複合フレックスビーム106は、複合フレックスビーム106の全域で実質的に同じ半径を有する。曲率110が一定170である場合、複合フレックスビーム106は円形の一部である。いくつかの例示的な例では、曲率110が一定170である場合、複合フレックスビーム106は半円形である。いくつかの例示的な例では、曲率110は変化する172。曲率110が変化する172場合、曲率110は、複合フレックスビーム106の全体にわたって同じ半径を有していない。例示的な一例では、曲率110が変化する172場合、複合フレックスビーム106の前縁143と後縁144との間の曲率110を通る断面は楕円形の一部である。
【0077】
複合フレックスビーム106の縫合108、複合材料140、および曲率110は、性能に関する設計特性120を満たすように、サイズ、重量、および設計荷重を含む航空機104の設計に基づいて選択される。複合フレックスビーム106の縫合108、複合材料140、および曲率110は、航空機104の運航中の複合フレックスビーム106の繰返し屈曲を可能にするように選択される。複合フレックスビーム106の縫合108、複合材料140、曲率110は、複合フレックスビーム106に許容範囲外の不整合を導入することなく、航空機104の着陸中に複合フレックスビーム106への繰返し動的ローディングに対応するように選択される。
【0078】
図1における製造環境100の例示は、例示的な一実施形態が実施され得る態様への物理的または構造的制約を含意するものではない。例示される構成要素に加えてまたはその代わりに他の構成要素が使用されてもよい。いくつかの構成要素が不要となり得る。また、ブロックは、いくつかの機能構成要素を示すために提示される。これらのブロックのうちの1つまたは複数が、例示的な実施形態で実施されるときに組み合わされる、分割される、または組み合わされ分割されて異なるブロックにすることができる。例えば、図示されていないが、いくつかの例示的な例では、複合フレックスビーム106の幅166は、複合フレックスビーム106の第1の端部145および第2の端部146に向かって移動するにつれて狭くなる。いくつかの例示的な例では、幅166は、第1の端部145よりも取付け点168で大きい。これらの例示的な例では、幅166は、複合フレックスビーム106が航空機104の機体(図示せず)に連結する場所の近くでより、複合フレックスビーム106の中間点(図示せず)の近くでの方がより大きい。
【0079】
縫合108は、繊維層134に任意の望ましい方法で任意の望ましいパターンで施される。さらに、縫合108の直径は
図1には示されていないが、設計特性120に基づいて選択される。いくつかの例示的な例では、縫合108の直径(図示せず)は、複合フレックスビーム106内で変化する。いくつかの例示的な例では、板厚方向の縫合108は、複合フレックスビーム106において複数の糸径を有する。
【0080】
トラニオン114は、任意の望ましい方法で複合フレックスビーム106に連結される。トラニオン114の配置は、複合フレックスビーム106の屈曲中の弧長の変化に対応する。いくつかの例示的な例では、トラニオン114用のアタッチメントのタイプは、トラニオン114の動きにさらに対応するためにスリップ連結部である。
【0081】
次に
図2を参照すると、例示的な一実施形態による、弛緩状態の複合フレックスビームを備えた航空機の正面図が示されている。航空機200は、
図1の航空機104の物理的実装である。
【0082】
航空機200は着陸装置システム202を有する。着陸装置システム202は、5インチ(12.7 cm)より大きい半径をもつ曲率206を有する複合フレックスビーム204を備える。図示のように、半径208は100インチ(254 cm)より大きい。複合フレックスビーム204は、複合フレックスビーム204の長さの全体に沿って曲率206を有する。
【0083】
図示のように、曲率206は一定曲率である。図示のように、複合フレックスビーム204は、複合フレックスビーム204の長さにわたって半径208を有する。しかしながら、他の図示されていない例示的な例では、曲率206は、変動半径を有する変動曲率である。
【0084】
複合フレックスビーム204は、複合フレックスビーム204のZ方向210に12インチ(30.48 cm)~16インチ(40.64 cm)の最大許容たわみ値を有するように構成される。いくつかの例示的な例では、複合フレックスビーム204は、複合フレックスビーム204のZ方向210に12インチ(30.48 cm)~14インチ(35.56 cm)の最大許容たわみ値を有するように構成される。いくつかの例示的な例では、複合フレックスビーム204は、複合フレックスビーム204のZ方向210に14インチ(35.56 cm)~16インチ(40.64 cm)の最大許容たわみ値を有するように構成される。複合フレックスビーム204のたわみは
図3に示されている。複合フレックスビーム204は、最大で15度の角度たわみに対応するように構成される。
【0085】
図示のように、複合フレックスビーム204は弛緩状態212である。半径208は弛緩半径と呼ばれることがある。
【0086】
図2には見えないが、複合フレックスビーム204は、板厚方向の縫合の形で板厚方向の補強を有する。複合フレックスビーム204は、複合フレックスビーム204の長さの全体に沿って板厚方向の縫合(図示せず)および曲率206を有する。
【0087】
次に
図3を参照すると、例示的な一実施形態による、たわみ状態の複合フレックスビームを備えた航空機の正面図が示されている。
図3の
図300は、たわみ状態302の複合フレックスビーム204の図である。複合フレックスビーム204は、航空機200の着陸中に複合フレックスビーム204にかかる荷重303により、たわみ状態302にある。複合フレックスビーム204は、弛緩状態212とたわみ状態302との間で平らになっている。複合フレックスビーム204は、弛緩状態212とたわみ状態302との間で複合フレックスビーム204の半径を増大している。たわみ状態302では、複合フレックスビーム204の半径304は、
図2の半径208よりも大きい。半径304は、たわみ半径と呼ばれる。図示のように、半径304は200インチ(508 cm)より大きい。
【0088】
複合フレックスビーム204が屈曲されるときに、曲率206は、
図2の半径208が半径304まで増大するにつれて「開かれる」。曲率206が「開かれる」ときに、半径方向力が複合フレックスビーム204に現れる。複合フレックスビーム204の板厚方向の縫合(図示せず)は面外強度を与える。板厚方向の補強(板厚方向の縫合)(図示せず)は、半径方向力による複合フレックスビーム204内の不整合を抑制する。
【0089】
次に
図4を参照すると、例示的な一実施形態による、複合フレックスビームを備えた航空機の断面図が示されている。
図400は、
図2および
図3の航空機200の断面図である。
図400には、トラニオン402およびトラニオン404が見える。
図400では、トラニオン402およびトラニオン404は円形の断面を有する。トラニオン402は取付具403の一部である。トラニオン404は取付具405の一部である。
【0090】
取付具403および取付具405は、複合フレックスビーム204を航空機200の胴体406に連結する。図示のように、トラニオン402の中心軸およびトラニオン404の中心軸はともに、複合フレックスビーム204の中立面407に対してオフセットされる。図示のように、トラニオン402の中心軸およびトラニオン404の中心軸はそれぞれ、複合フレックスビーム204の上面408から少なくとも0.1インチ(0.254 cm)オフセットされる。図示のように、上面408からのトラニオン404の中心軸のオフセット410は0.1インチ(0.254 cm)より大きい。中立面407からのトラニオン402の中心軸のオフセット412も示されている。
【0091】
トラニオン402およびトラニオン404をオフセットすることにより、複合フレックスビーム204のたわみによるトラニオン402およびトラニオン404の動きが制御される。トラニオン402は、取付具403のベース417によって複合フレックスビーム204に連結される。トラニオン404は、取付具405のベース415によって複合フレックスビーム204に連結される。トラニオン402のオフセット412は、ベース417の設計によって設定される。トラニオン404のオフセット410は、ベース415の設計によって設定される。オフセット410およびオフセット412ならびに取付具405のベース415の取付け点414および取付具403のベース417の取付け点416を含む、トラニオン402およびトラニオン404の配置は、複合フレックスビーム204に荷重が加えられたときのトラニオン402およびトラニオン404の動きに起因する周囲の航空機構造にかかるひずみを低減するように選択される。複合フレックスビーム204の長さに沿った取付具403の取付け点416および取付具405の取付け点414の配置は、複合フレックスビーム204に荷重が加えられたときのトラニオン402とトラニオン404の動きに起因する周囲の航空機構造のひずみを低減するように選択される。取付け点414の配置およびトラニオン402のオフセット412は、
図2の半径208と複合フレックスビーム204の最大たわみと航空機200の期待荷重とを含む複合フレックスビーム204の設計に基づく。取付け点416の配置およびトラニオン404のオフセット410は、
図2の半径208と複合フレックスビーム204の最大たわみと航空機200の期待荷重とを含む複合フレックスビーム204の設計に基づく。
【0092】
次に
図5を参照すると、例示的な一実施形態による、複合フレックスビームを備えた航空機の着陸装置システムの等角図が示されている。複合フレックスビーム500は、
図1の複合フレックスビーム106の物理的実装である。
【0093】
図示のように、複合フレックスビーム500は、取付具503および取付具504によって機体502に接合される。取付具503は、ベース505およびトラニオン506を含む。取付具504は、ベース507およびトラニオン508を含む。図示のように、トラニオン506およびトラニオン508は、複合フレックスビーム500の中立面の上に配置される。図示のように、トラニオン506およびトラニオン508は、複合フレックスビーム500の上面より少なくとも0.1インチ(0.254 cm)上にある。
【0094】
図509は、複合フレックスビーム500と航空機の構成要素との間の連結部の簡略化された図である。機体502は、フレーム510、フレーム511、およびフレーム512を含む。フレーム510は、航空機の翼(図示せず)およびストラット(図示せず)に連結される。フレーム511は、航空機の翼(図示せず)および複合フレックスビーム500に連結される。フレーム512は、複合フレックスビーム500に連結される。
【0095】
次に
図6を参照すると、例示的な一実施形態による、複合フレックスビームを備えた航空機の着陸装置システムの正面図が示されている。
図600は、機体502および複合フレックスビーム500の正面図である。
図600では、航空機の追加の構成要素が想像線で示されている。例えば、翼602が想像線で示されている。翼602はフレーム510に連結される。翼602は、想像線で示されているストラット604にも連結される。ストラット604はフレーム510にも連結される。
【0096】
次に
図7を参照すると、例示的な一実施形態による、たわみ状態と弛緩状態の両状態での航空機の着陸装置システムのフレックスビームの正面図が示されている。
図700は、複合フレックスビーム702に荷重が加えられるときの複合フレックスビーム702の動きを示す。
図700には、複合フレックスビーム702が、弛緩状態704と完全たわみ状態706の両状態で示されている。
【0097】
弛緩状態704では、複合フレックスビーム702は弛緩半径708を有する。完全たわみ状態706では、複合フレックスビーム702は完全たわみ半径710を有する。弛緩状態704では、複合フレックスビーム702にかかる荷重は、取り付けられた車輪アセンブリからなる。完全たわみ状態706では、荷重は、フル積載の飛行機が動的着陸をすることによる反応荷重よりも大きい。
【0098】
複合フレックスビーム702が着陸の荷重を吸収するときに、複合フレックスビーム702は、弛緩半径708から完全たわみ半径710などのたわみ半径に移行する。
図700に見られるように、複合フレックスビーム702が着陸の荷重を吸収するにつれて、複合フレックスビーム702は平らになる。複合フレックスビーム702の取付け点相互間の距離は、複合フレックスビーム702が平らになるにつれて増大する。
【0099】
図700では、複合フレックスビーム702は、取付け点712および取付け点714を有する。弛緩半径708と完全たわみ半径710との間で、取付け点712および取付け点714はそれぞれ外側に移動する。複合フレックスビーム702の取付け点相互間の距離は、取付け点712および取付け点714のそれぞれが外側に移動する距離の和だけ増大する。
【0100】
複合フレックスビーム702が平らになるにつれて、上部圧縮面716は短くなる。複合フレックスビーム702に荷重をかけられると、複合フレックスビーム702の材料はひずむ。上部圧縮面716は印加荷重で短くなる。底面718は印加荷重で長くなる。
【0101】
取付け点712では、複合フレックスビーム702は、
図8により詳細に示されるように回転する。取付け点712が回転した結果として、取り付けられたトラニオン(図示せず)も動く。複合フレックスビーム702の上のトラニオン(図示せず)を、取付け点714に向かう動きが許容値を有するようにオフセットすることが望ましい。許容値は、トラニオンを有する航空機の設計に基づいて決定される。許容値は、航空機の設計に導入されるひずみを考慮に入れる。
【0102】
トラニオン(図示せず)が複合フレックスビーム702の上部圧縮面716より下にあると、ローディング中のトラニオンの動きは望ましくない方向である。トラニオン(図示せず)が複合フレックスビーム702の上部圧縮面716より下にあると、ローディング中のトラニオンの動きが、航空機の胴体および着陸装置アセンブリ全体に応力が加わるであろう。
【0103】
胴体(図示せず)への複合フレックスビーム702の取付けは、複合ビームの平坦化と圧縮ひずみとの間の不一致を相殺するように、複合フレックスビーム702の上に配置されたトラニオン(図示せず)を含む支持体を回転させることからなる。取付け点712および取付け点714を望ましい箇所に配置し、複合フレックスビーム702の中立面からトラニオン(図示せず)をオフセットすることにより、複合ビームの平坦化と圧縮ひずみとの間の不一致が相殺する。取付け点712および取付け点714を望ましい箇所に配置し、複合フレックスビーム702の中立面からトラニオン(図示せず)をオフセットすることにより、アタッチメント、フレーム、および航空機構造内のひずみが低減される。
【0104】
次に
図8を参照すると、例示的な一実施形態による、たわみ状態と弛緩状態の両状態での航空機の着陸装置システムのフレックスビームの一部の正面図が示されている。
図800は、複合フレックスビーム802に荷重が加えられるときの複合フレックスビーム802の動きを示す。
図800には、複合フレックスビーム802の一部が、弛緩状態804とフルたわみ状態806の両状態で示されている。
【0105】
トラニオン808は、複合フレックスビーム802に連結される。トラニオン808と複合フレックスビーム802との間の連結部は、トラニオン808の動きを明瞭にしかつ見えるようにするために示されていない。トラニオン808は、任意の望ましい方法でかつ任意の望ましい機械的接続部を使用して複合フレックスビーム802に連結される。トラニオン808は、機械的接続部(図示せず)を介して、複合フレックスビーム802上の取付け点816に連結される。機械的接続部はオフセット810を作り出す。トラニオン808は、複合フレックスビーム802の上面811からのオフセット810を有する。図示のように、オフセット810は約2インチ(5.08 cm)である。
【0106】
複合フレックスビーム802は、複合フレックスビーム802が弛緩状態804とフルたわみ状態806との間で曲がるにつれて平らになる。複合フレックスビーム802は、複合フレックスビーム802が平らになるにつれて角度たわみを受ける。複合フレックスビーム802は、弛緩状態804とフルたわみ状態806との間で角度たわみ812を受けている。図示のように、角度たわみ812は約9.3度である。角度たわみ812は、動的ローディングによる複合フレックスビーム802の角度たわみの値の非限定的な一例にすぎない。複合フレックスビーム802は、最大で15度の角度たわみに対応するように構成される。複合フレックスビーム802が受ける角度たわみの量は、複合フレックスビーム802に載せられる荷重の量の影響を受ける。より大きな荷重を導入すると、複合フレックスビーム802が曲がる量が増加し、複合フレックスビーム802の角度たわみの量も増加する。いくつかの例示的な例では、複合フレックスビーム802の角度たわみは、複合フレックスビーム802の回転と呼ばれることもある。
【0107】
複合フレックスビーム802が角度たわみ812を受けると、トラニオン808の中心は内方へ距離814だけ動く。図示のように、距離814は、取付け点816の動きよりも小さい。図示のように、距離814は、0.5インチ(1.27 cm)未満である。図示のように、取付け点816の動きは、0.5インチ(1.27 cm)より大きい。オフセット810および取付け点816の箇所を含むトラニオン808の配置の結果として、トラニオン808の中心の変位は、許容値および望ましい方向である。
【0108】
オフセット810はトラニオン808の動きを減じる。トラニオン808が取付け点816に配置されると、複合フレックスビーム802の角度たわみ812によるトラニオン808の動きはさらに大きくなるであろう。トラニオン808の動きを減じることにより、取り付けられた機体(図示せず)に導入されるひずみが低減される。
【0109】
次に
図9を参照すると、例示的な一実施形態による、航空機の複合フレックスビームの第1の端部の縫合の断面図が示されている。
図900は、複合フレックスビーム902の一部の断面図である。複合フレックスビーム902は、
図1の複合フレックスビーム106の物理的実装である。図示のように、複合フレックスビーム902は、板厚方向の縫合906を備えた繊維層904を有する。
図900は、例示のみを目的とした複合フレックスビーム902の断面の簡略図である。任意の望ましい数量の層が繊維層904内に存在する。
図900は、樹脂が注入され硬化された繊維層904で形成された複合材料908の断面図である。クロスハッチングが複合材料908内に描かれている。
【0110】
板厚方向の縫合906は、複合フレックスビーム902の面外強度を向上させる。縫合906は、層間引張応力に起因する複合フレックスビーム902内の不整合を抑制する。縫合906は、許容範囲外の不整合を低減または除去するために、複合フレックスビーム902の層間に機械的接続部を提供する。縫合906は、複合フレックスビーム902が曲がるときに、複合フレックスビーム902の層が引き離されるのを妨げる。縫合906は、樹脂だけの場合よりも良く層間応力に抵抗するのに役立つ。縫合906は、複合フレックスビーム902が曲がるときに、層が互いに対して動かないようにする。さらに、縫合906は、複合フレックスビーム902の層間に発生するあらゆる層間剥離を阻止する。
【0111】
次に
図10を参照すると、例示的な一実施形態による航空機の複合フレックスビーム内の縫合の分布の等角図が示されている。
図1000は、強化された複数の層1001の図である。強化された複数の層1001は、繊維層1004内に縫合1002を施すことによって形成される。
図1000では、樹脂は、強化された複数の層1001にまだ注入されていない。各繊維層1004は乾燥している。繊維層1004は、縫合1002を追加して強化された複数の層1001を形成する前に曲率1006に形成されている。
【0112】
縫合1002は、繊維層1004の全体にわたって延伸する。図示のように、縫合1002は格子パターン1008を有する。縫合1002の密度1010は前縁1012の近くで高くなる。縫合1002の密度1010は後縁1014の近くでも高くなる。縫合1002の密度1010は、層間剥離を受ける可能性が最も高い領域内ではさらに高い。
【0113】
格子パターン1008は、最大で2インチ(5.08 cm)のセルサイズを有することができる。いくつかの例示的な例では、格子パターン1008は、0.125インチ(0.3175 cm)~0.5インチ(1.27 cm)のセルサイズを有する。前縁1012および後縁1014の近くでは、セルサイズ1016は、前縁1012と後縁1014との間のセルサイズ1018よりも小さい。セルサイズが小さいと、層間せん断応力に対する強度が高くなる。セルサイズが小さいと、層間剥離を阻止する特性も高くなる。
【0114】
次に
図11を参照すると、例示的な一実施形態による航空機用の着陸装置システムを形成する方法の流れ図が示されている。方法1100は、
図1の着陸装置システム102を形成するために使用され得る。方法1100は、
図2~
図4の複合フレックスビーム204を形成するために使用され得る。方法1100は、
図5および
図6の複合フレックスビーム500を形成するために使用され得る。方法1100は、
図7の複合フレックスビーム702を形成するために使用され得る。方法1100は、
図8の複合フレックスビーム802を形成するために使用され得る。方法1100は、
図9の複合フレックスビーム902を形成するために使用され得る。方法1100の各作業は、縫合1002を施す際に
図10で実施され得る。
【0115】
方法1100は、繊維層134を曲率110にレイアップし、各繊維層は当該繊維配向を有する(作業1102)。方法1100は、強化された複数の層137を形成するために曲率110の長さ148に沿って繊維層134を縫合し、縫合108の密度142は、曲率110の前縁143および後縁144の近くでより高い(作業1104)。方法1100は、樹脂注入湾曲構造を形成するために強化された複数の層137に樹脂136を注入する(作業1106)。方法1100は、着陸装置システム102の複合フレックスビーム106を形成するために樹脂注入湾曲構造を硬化させる(作業1108)。その後、方法1100は終了する。
【0116】
いくつかの例示的な例では、縫合108は、繊維層134を格子パターン154で縫合108することを含み、格子パターン154は、0.2インチ(0.508 cm)~0.5インチ(1.27 cm)のセルサイズ156を有する(作業1110)。いくつかの例示的な例では、繊維層134をレイアップすることは、非伝統的な繊維配向を有する少なくとも1つの層をレイアップすることを含む(作業1112)。
【0117】
いくつかの例示的な例では、方法1100は、複合フレックスビーム106から少なくとも0.1インチ(0.254 cm)上に位置するトラニオン114を使用して、複合フレックスビーム106を航空機104に取り付ける(作業1114)。トラニオン114のオフセット116は、航空機104の構成要素に導入される応力を低減するように設計される。
【0118】
次に
図12を参照すると、例示的な一実施形態による複合フレックスビームを有する着陸装置システムを備えた航空機を動作させる方法の流れ図が示されている。方法1200は、
図1の着陸装置システム102を使用することができる。方法1200は、
図2~
図4の複合フレックスビーム204を使用することができる。方法1200は、
図5および
図6の複合フレックスビーム500を使用することができる。方法1200は、
図7の複合フレックスビーム702を使用することができる。方法1200は、
図8の複合フレックスビーム802を使用することができる。方法1200は、
図9の複合フレックスビーム902を使用することができる。
【0119】
方法1200は、航空機104を飛行させる(動作1202)。方法1200は、航空機104を着陸させることからの動的荷重を、複合フレックスビーム106を平らにすることにより複合フレックスビーム106に吸収し、複合フレックスビーム106は、板厚方向の縫合108および弛緩状態で5インチ(12.7 cm)より大きい半径(112、130)をもつ曲率110を有する(動作1204)。複合フレックスビーム106が動的荷重を吸収するときに複合フレックスビーム106は完全には平らにならない。複合フレックスビーム106は、複合フレックスビーム106が複合フレックスビーム106のZ方向に最大で12インチ(30.48 cm)たわむような量だけ平らになる。複合フレックスビーム106は、複合フレックスビーム106が最大で15度の角度たわみを受けるような量だけ平らになる。その後、方法1200は終了する。
【0120】
いくつかの例示的な例では、トラニオン114は、複合フレックスビーム106に連結され、複合フレックスビーム106の中立面118からオフセット116され、動的荷重を吸収することは、トラニオン114の中心を内側に移動させることを含む(動作1206)。板厚方向の縫合108は、複合フレックスビーム106内の層間引張応力に起因する許容範囲外の不整合を防止する。方法1200は、板厚方向の縫合108を使用して複合フレックスビーム106内の層間引張応力に起因する層間剥離を阻止する(動作1208)。
【0121】
本明細書では、項目リストと共に用いられるときの「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という語句は、列挙された項目のうちの1つまたは複数の様々な組み合わせが使用され得ること、および、リスト内の各項目のうちの1つだけが必要とされ得ること、を意味する。言い換えると、「~のうちの少なくとも1つ」は、リストから項目の任意組み合わせおよび任意の数の項目が使用され得るが、リスト内の項目のすべてが必要ではないことを意味する。項目は、特定の物体、物事、またはカテゴリとすることができる。
【0122】
例えば、「項目A、項目B、または項目Cのうちの少なくとも1つ」は、制限なく、項目A、項目Aおよび項目B、または項目Bを含むことができる。
この例は、項目A、項目B、および項目C、あるいは項目Bおよび項目Cも含むことができる。
もちろん、これらの項目の任意の組み合わせが存在し得る。他の例では、「~のうちの少なくとも1つ」は、例えば、制限なく、2個の項目A、1個の項目B、および10個の項目C、4個の項目Bおよび7個の項目C、あるいは他の適切な組み合わせとすることができる。
【0123】
様々な図示の実施形態での流れ図およびブロック図は、例示的な一実施形態での装置および方法のいくつかの可能な実施態様の構造、機能性、および作業を示す。この点に関して、流れ図またはブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、および/または作業もしくはステップの一部を表すことができる。
【0124】
例示的な一実施形態のいくつかの代替実施態様では、ブロック内に記されている1つまたは複数の機能は、図に記されている順序を外れて行われてもよい。例えば、場合によっては、連続して示されている2つのブロックは実質的に同時に実行されてもよく、あるいは、2つのブロックは、関係する機能性に応じて逆の順序で実行されてもよいことがある。また、図示のブロックに加えて、他のブロックが流れ図またはブロック図に追加されてもよい。一部のブロックは任意選択であり得る。例えば、
図11の作業1110~1114は任意選択であり得る。別の例として、
図12の動作1206~1208は任意選択であり得る。
【0125】
本開示の例示的な諸実施形態は、
図13に示されている航空機の製造および保守点検方法1300ならびに
図14に示されている航空機1400の状況で説明され得る。最初に
図13を参照すると、例示的な一実施形態による航空機の製造および保守点検方法の説明図が示されている。生産開始までの間、航空機の製造および保守点検方法1300は、
図14の航空機1400の仕様および設計1302ならびに材料調達1304を含むことができる。
【0126】
生産中、航空機1400の構成要素および部分組立品の製造1306ならびにシステム統合1308が行われる。その後、航空機1400は、就航中1312に置かれるために認証および搬送1310を経ることがある。顧客による就航中1312に、航空機1400は日常整備および保守点検1314が計画され、日常整備および保守点検1314は、変更、再構成、改修、または他の整備および保守点検を含むことができる。
【0127】
航空機の製造および保守点検方法1300のプロセスはそれぞれ、システム統合者、第三者、および/またはオペレータによって実行または実施することができる。これらの例では、オペレータは顧客とすることができる。この説明のために、システム統合者は、制限なく、任意の数の航空機製造業者および主要システム下請業者を含むことができ、第三者は、制限なく、任意の数の売主、下請業者、および供給業者を含むことができ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、保守点検組織など、とすることができる。
【0128】
ここで
図14を参照すると、例示的な一実施形態が実装され得る航空機の説明図が示されている。この例では、航空機1400は、
図13の航空機の製造および保守点検方法1300によって生産され、複数のシステム1404および内部1406を有する機体1402を含むことができる。システム1404の例としては、推進システム1408、電気システム1410、油圧システム1412、および環境システム1414のうちの1つまたは複数を含む。任意の数の他のシステムが含まれていてもよい。航空宇宙の一例が示されているが、異なる例示的な実施形態が自動車産業などの他の産業に適用されてもよい。
【0129】
本明細書で具現化される装置および方法は、航空機の製造および保守点検方法1300の諸段階のうちの少なくとも1つの間に使用されてもよい。1つまたは複数の例示的な実施形態は、
図13の構成要素および部分組立品の製造1306、システム統合1308、または整備および保守点検1314のうちの少なくとも1つの間に使用されてもよい。例えば、例示的な例は、着陸装置システム102の複合フレックスビーム106を形成するために、構成要素および部分組立品の製造1306の間に使用される。一例として、方法1100は、複合フレックスビーム106を形成するために、構成要素および部分組立品の製造1306の間に使用されてもよい。着陸装置システム102は、航空機1400の機体1402の一部である。方法1100は、機体1402などの航空機1400の一部を製造するために使用されてもよい。
【0130】
例示的な例は、複合フレックスビームを備えた着陸装置システムを提示する。複合フレックスビームは、縫合され樹脂注入された繊維層で形成される。
【0131】
縫合すると面外強度が向上し、層間張力を低減する。縫合すると、複合フレックスビーム内の層間剥離を低減または阻止する。樹脂注入は、面外縫合で複合フレックスビームを作り出すために使用される製作方法である。
【0132】
例示的な例は、金属の着陸装置システムよりも低い重量で望ましい強度およびたわみを与える着陸装置システムを提供する。例示的な例は、オレオストラットよりも低いコストで望ましい強度およびたわみを与える着陸装置システムを提供する。例示的な例は、航空機着陸の荷重を支えるために望ましい強度を有する複合フレックスビームを提供する。複合フレックスビームは、不整合を招くことなく所定の量をたわませるように構成される。たわみは、着陸装置システム内の複合フレックスビームで航空機を着陸させる荷重を吸収する。複合フレックスビームの板厚方向の縫合は面外強度を与える。着陸装置システム内のトラニオンのオフセットは、取り付けられた航空機構造内の応力を低減する。
さらに、本開示は下記条項による例を含む。
【0133】
条項1.航空機用の着陸装置システムであって、板厚方向の縫合および5インチ(12.7センチメートル(cm))より大きい半径をもつ曲率を有する複合フレックスビームと、複合フレックスビームに連結され、複合フレックスビームの中立面からオフセットされたトラニオンと、を備える、着陸装置システム。
【0134】
条項2.複合フレックスビームが、複合フレックスビームのZ方向に12インチ(30.48 cm)~14インチ(35.56 cm)の最大許容たわみ値を有するように構成される、条項1に記載の着陸装置システム。
【0135】
条項3.複合フレックスビームが、最大で15度の角度たわみに対応するように構成される、条項1または2に記載の着陸装置システム。
【0136】
条項4.縫合の密度が、複合フレックスビームの前縁および後縁の近くでより高い、条項1から3のいずれか一項に記載の着陸装置システム。
【0137】
条項5.縫合が、0.2インチ(0.508 cm)~0.5インチ(1.27 cm)のセルサイズを有する格子パターンである、条項1から4のいずれか一項に記載の着陸装置システム。
【0138】
条項6.トラニオンは、トラニオンの動きが許容値を有するように複合フレックスビームの上面から少なくとも0.1インチ(0.254 cm)~10インチ(25.4 cm)上にオフセットされ、トラニオンの動きの最大許容値が、トラニオンを有する航空機の設計に基づいている、条項1から5のいずれか一項に記載の着陸装置システム。
【0139】
条項7.トラニオンの動きの最大許容値が、複合フレックスビームに荷重が加えられたときのトラニオンの動きに起因する周囲の航空機構造にかかる誘起ひずみが航空機の設計に基づいて許容できるようなものである、条項6に記載の着陸装置システム。
【0140】
条項8.曲率が、複合フレックスビームの全体にわたって延伸する、条項1から7のいずれか一項に記載の着陸装置システム。
【0141】
条項9.板厚方向の縫合が、複合フレックスビームの全体にわたって延伸する、条項1から8のいずれか一項に記載の着陸装置システム。
【0142】
条項10.板厚方向の縫合が複数の糸径を有する、条項1から9のいずれか一項に記載の着陸装置システム。
【0143】
条項11.航空機用の着陸装置システムであって、複合フレックスビームの長さ全体に沿って板厚方向の縫合および曲率を有する複合フレックスビームであって、縫合の密度が、複合フレックスビームの前縁および後縁の近くでより高い、複合フレックスビームを備える、着陸装置システム。
【0144】
条項12.複合フレックスビームが、複合フレックスビームのZ方向に12インチ(30.48 cm)~14インチ(35.56 cm)の最大許容たわみ値を有するように構成される、条項11に記載の着陸装置システム。
【0145】
条項13.複合フレックスビームが、最大で15度の角度たわみに対応するように構成される、条項11に記載の着陸装置システム。
【0146】
条項14.縫合が格子パターンである、条項1から13のいずれか一項に記載の着陸装置システム。
【0147】
条項15.格子パターンが0.2インチ(0.508 cm)~0.5インチ(1.27 cm)のセルサイズを有する、条項14に記載の着陸装置システム。
【0148】
条項16.曲率が変化する曲率である、条項1から15のいずれか一項に記載の着陸装置システム。
【0149】
条項17.複合フレックスビームの幅が、複合フレックスビームの第1の端部および第2の端部に向かって移動するにつれて狭くなる、条項1から16のいずれか一項に記載の着陸装置システム。
【0150】
条項18.複合フレックスビームの幅が、航空機の胴体の近くでより大きい、条項1から17のいずれか一項に記載の着陸装置システム。
【0151】
条項19.複合フレックスビームの上面から少なくとも0.1インチ(0.254 cm)上に配置されたトラニオンをさらに備える、条項1から18のいずれか一項に記載の着陸装置システム。
【0152】
条項20.航空機用の着陸装置システムを形成する方法であって、複数の繊維層を曲率にレイアップするステップであって、各繊維層が当該繊維配向を有する、ステップと、強化された複数の層を形成するために曲率の長さに沿って繊維層を縫合するステップであって、縫合の密度が曲率の前縁および後縁の近くでより高い、ステップと、樹脂注入湾曲構造を形成するために樹脂を強化された複数の層に注入するステップと、着陸装置システムの複合フレックスビームを形成するために樹脂注入湾曲構造を硬化させるステップと、を含む、方法。
【0153】
条項21.複合フレックスビームから少なくとも0.1インチ(0.254 cm)上に配置されたトラニオンを使用して複合フレックスビームを航空機に取り付けて、複合フレックスビームの屈曲に起因するトラニオンの動きが最小化されるようにするステップをさらに含む、条項20に記載の方法。
【0154】
条項22.縫合するステップが繊維層を格子パターンで縫合することを含み、格子パターンが0.2インチ(0.508 cm)~0.5インチ(1.27 cm)のセルサイズを有する。条項20または21に記載の方法。
【0155】
条項23.繊維層をレイアップするステップが、非伝統的な繊維配向を有する少なくとも1つの層をレイアップすることを含む、条項20から22のいずれか一項に記載の方法。
【0156】
条項24.複合フレックスビームを備えた着陸装置システムを有する航空機を動作させる方法であって、航空機を飛行させるステップと、航空機を着陸させることからの動的荷重を、複合フレックスビームを平らにすることにより複合フレックスビームで吸収するステップと、を含み、複合フレックスビームが、板厚方向の縫合と弛緩状態で5インチ(12.7 cm)より大きい半径をもつ曲率とを有する、方法。
【0157】
条項25.複合フレックスビームを備えた条項1から19のいずれか一項に記載の着陸装置システムを有する航空機を動作させる方法であって、航空機を飛行させるステップと、航空機を着陸させることからの動的荷重を、複合フレックスビームを平らにすることにより複合フレックスビームで吸収するステップと、を含み、半径が弛緩状態で5インチ(12.7 cm)より大きい、方法。
【0158】
条項26.トラニオンが複合フレックスビームに連結され、複合フレックスビームの中立面からオフセットされ、動的荷重を吸収するステップが、トラニオンの中心を内側に移動させることを含む、条項24または25に記載の方法。
【0159】
条項27.板厚方向の縫合を使用して複合フレックスビーム内の層間引張応力に起因する層間剥離を阻止する、条項24から26のいずれか一項に記載の方法。
【0160】
異なる例示的実施形態に関する記述は、例示および説明のために提示されており、網羅的とする、あるいは開示される形の実施形態に限定するためのものではない。多くの修正形態および変形形態が当業者には明らかであろう。さらに、異なる例示的な実施形態が、他の例示的な実施形態と比べて、異なる形態をもたらすことができる。選定される1つまたは複数の実施形態は、実施形態の原理および実際的な用途を最も良く説明するとともに、当業者が検討される特定の使用に適した様々な変更を伴う様々な実施形態の開示を理解できるようにするために、選択され説明される。
【符号の説明】
【0161】
100 製造環境
102 着陸装置システム、着陸装置アセンブリ
104 航空機
106 複合フレックスビーム
108 厚さ方向の縫合
110 曲率
112 半径
114 トラニオン
115 取付具
116 オフセット
117 ベース
118 中立面
120 設計特性
122 強度
124 たわみ
126 Z方向
128 角度たわみ
130 弛緩半径
132 完全たわみ半径
134 繊維層
136 樹脂
137 強化された複数の層
138 樹脂注入装置
140 複合材料
142 密度
143 前縁
144 後縁
145 第1の端部
146 第2の端部
148 長さ
150 車輪アセンブリ
152 車輪アセンブリ
154 格子パターン
156 セルサイズ
158 上面
159 中心軸
160 凸面
162 底面
164 凹面
166 幅
168 取付け点
170 一定
172 変化する
200 航空機
202 着陸装置システム
204 複合フレックスビーム
206 曲率
208 半径
210 Z方向
212 弛緩状態
300 図
302 たわみ状態
303 荷重
304 半径
400 図
402 トラニオン
403 取付具
404 トラニオン
405 取付具
406 胴体
407 中立面
408 上面
410 オフセット
412 オフセット
414 取付け点
415 ベース
416 取付け点
417 ベース
500 複合フレックスビーム
502 機体
503 取付具
504 取付具
505 ベース
506 トラニオン
507 ベース
508 トラニオン
509 図
510 フレーム
511 フレーム
512 フレーム
600 図
602 翼
604 ストラット
700 図
702 複合フレックスビーム
704 弛緩状態
706 完全たわみ状態
708 弛緩半径
710 完全たわみ半径
712 取付け点
714 取付け点
716 上部圧縮面
718 底面
800 図
802 複合フレックスビーム
804 弛緩状態
806 完全たわみ状態
808 トラニオン
810 オフセット
811 上面
812 角度たわみ
814 距離
816 取付け点
900 図
902 複合フレックスビーム
904 繊維層
906 厚さ方向の縫合
908 複合材料
1000 図
1001 強化された複数の層
1002 縫合
1004 繊維層
1006 曲率
1008 格子パターン
1010 密度
1012 前縁
1014 後縁
1016 セルサイズ
1018 セルサイズ
1100 方法
1102 作業
1104 作業
1106 作業
1108 作業
1110 作業
1112 作業
1114 作業
1200 方法
1202 動作
1204 動作
1206 動作
1208 動作
1300 航空機の製造および保守点検方法
1302 仕様および設計
1304 材料調達
1306 構成要素および部分組立品の製造
1308 システム統合
1310 認証および搬送
1312 就航中
1314 日常整備および保守点検
1400 航空機
1402 機体
1404 システム
1406 内部
1408 推進システム
1410 電気システム
1412 油圧システム
1414 環境システム