(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】エアゾール化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/891 20060101AFI20240319BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20240319BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20240319BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20240319BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20240319BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20240319BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240319BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240319BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240319BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20240319BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20240319BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A61K8/891
A61K8/02
A61K8/06
A61K8/92
A61K8/31
A61K8/25
A61K8/73
A61K8/81
A61K8/86
A61Q1/02
A61Q1/12
A61Q17/04
(21)【出願番号】P 2020113537
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】P 2019124855
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】柿本 涼
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-108966(JP,A)
【文献】特開2017-178940(JP,A)
【文献】特開2008-100923(JP,A)
【文献】特開2014-070220(JP,A)
【文献】特開2006-282517(JP,A)
【文献】特開2017-154991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)~(d);
(a)融点25~60℃の固形油を1種又は2種以上
(b)シリコーン骨格を有する油溶性皮膜形成剤を1種又は2種以上
(c)カルボニル基及び/またはヒドロキシ基を有する、アニオン性及びノニオン性水溶性高分子から選ばれる1種又は2種以上
(d)水 30質量%以上
を含有する油中水型組成物(A)と
(B)液化ガスを含有し、
(a)、(b)を含む全油性成分中の(b)の質量割合が0.5~15.0質量%、及び(c)、(d)を含む全水性成分中の(c)の質量割合が0.05~2.0質量%であるエアゾール化粧料。
【請求項2】
さらに成分(e)として、シリコーン界面活性剤を含有する請求項1記載のエアゾール化粧料。
【請求項3】
さらに成分(f)として、フェニル変性シリコーンを含有する請求項1または2に記載のエアゾール化粧料。
【請求項4】
(A)と(B)の質量割合比(A):(B)=70:30~98:2である請求項1~3の何れかに記載のエアゾール化粧料。
【請求項5】
使用前の(B)の容器内圧力が20℃条件下で0.3MPa以上0.86MPa以下である請求項1~4の何れかに記載のエアゾール化粧料。
【請求項6】
前記エアゾール化粧料が、泡沫型である請求項1~5の何れかに記載のエアゾール化粧料。
【請求項7】
粉体を含有する請求項1~6の何れかに記載のエアゾール化粧料。
【請求項8】
前記成分(c)が、多糖骨格を有する請求項1~7の何れかに記載のエアゾール化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に油中水型のエアゾール化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、化粧品業界においてエアゾール剤型は噴射剤としてガスを配合することから、泡状の化粧料や清涼感を付与する化粧料、手を汚さず簡易に塗布することができる化粧料を具現化できるため需要が高まっている。泡状化粧料は、特に毛髪化粧料において長い間使用されてきた。
例えば、特許文献1のように手のひらに塗布した際に垂れ落ちしにくいことや、伸び広げる時に軽い感触が得られることから一般消費者に好まれており、水系又は水中油型の原液に特定の水溶性高分子を配合することで、良好な使用感と泡質をもち、適度なセット性を有しつつ、毛髪に塗布した際のフレーキングを抑制することができ、かつ吐出されずに容器内へ残存する量が少ないエアゾール型泡状毛髪化粧料の技術がある。
一方、泡沫状ではないエアゾール剤型の化粧料としては、使用性と品質の改善の観点から、例えば特許文献2に記載のように、油中水型の原液に、特定の融点を持つシリコーンワックスを含有することで、噴射時の噴射剤の気化熱で原液が冷却され増粘することで、噴射された原液がスポンジ内部に浸透し過ぎることがなくなることを見出し、さらに塗布時の滑らかな使用感を持ち、高いカバー力のある化粧膜が得られるエアゾール型化粧料等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-154991号公報
【文献】特開2018-108966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のようなエアゾール型泡状毛髪化粧料技術は、起泡剤として多量の界面活性剤を用いる場合が多く、泡持ちが良くても、べたつきや、皮脂や汗に流れやすくなり、皮膚に塗布する化粧料に同様に展開すると化粧もちが悪くなる問題があった。さらに、水系又は水中油型の原液の場合が多く、特に粉体を含む場合に、肌上では伸び広がりが悪い傾向があった。そこで、伸び広がりの良さを改善するために、外層が油であることによる油中水型組成物を原液とした場合、水系又は水中油型の原液と比較して、更に泡持ちが悪く、泡を含むことによる使用感の軽さを具現化することは困難であった。
また、特許文献2のような特定の融点を持つワックスを配合することで増粘効果を出すだけでは、泡持ちを良くすることは不可能であった。
そこで、上述したように、油中水型組成物を骨格とし、べたつきがない化粧膜と化粧持ちの良さを維持しつつ、粉体がたとえ配合されても十分な泡持ちを実現できるエアゾール化粧料の開発が望まれていた。
【0005】
そこで本発明は、塗布後にべたつきがない化粧膜を形成し、その膜の化粧持ちが良く、且つ泡持ちに優れるエアゾール化粧料の開発を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記実情に鑑み、鋭意研究を行った結果、固形油を配合すること、および水を一定量配合することで生じる増粘効果と、油溶性皮膜形成剤を配合することで油剤の曳糸性が高まること、及び水溶性高分子を配合することで水溶液の曳糸性が高まることに着目し、油中水型化粧料の泡持ちが向上する素材を探索した。その結果、融点25~60℃の固形油とシリコーン骨格を有する油溶性皮膜形成剤を含油する油相と、カルボニル基及び/またはヒドロキシアルコキシ基を有する、アニオン性及びノニオン性水溶性高分子から選ばれる1種または2種以上と原液の総量に対して30質量%(以下%と略す)以上の水を含む水相を乳化することで得られる油中水型組成物に液化ガスを混合することで、べたつきがない化粧膜と化粧持ちの良さを維持しつつ、塗布時の伸び広がりの良さが十分に感じられる泡持ちを実現できることを見出した。また、前期油溶性皮膜形成剤や水溶性高分子が泡持ちに大きく関与し、さらに乳化を助ける働きがあり、活性剤の配合を一定量にとどめることで、より化粧持ちが向上することを見出した。さらに、フェニル変性シリコーンを含有することで、油性成分中の均一性を向上させ、前記効果により優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
斯様にして、本発明者は、本発明を完成させ、本発明は以下の通りである。
【0007】
〔1〕
次の成分(a)~(d);
(a)融点25~60℃の固形油
(b)シリコーン骨格を有する油溶性皮膜形成剤
(c)カルボニル基及び/またはヒドロキシ基を有する、アニオン性及びノニオン性水溶性高分子から選ばれる1種又は2種以上
(d)水 30質量%以上
を含有する油中水型組成物(A)と
(B)噴射剤を含有し、
(a)、(b)を含む全油性成分中の(b)の質量割合が0.5~15.0質量%、及び(c)、(d)を含む全水性成分中の(c)の質量割合が0.05~2.0質量%であるエアゾール化粧料。
〔2〕
さらに成分(e)として、シリコーン界面活性剤を含有する〔1〕記載のエアゾール化粧料。
〔3〕
さらに成分(f)として、フェニル変性シリコーンを含有する〔1〕または〔2〕に記載のエアゾール化粧料。
〔4〕
(A)と(B)の質量割合比(A):(B)=70:30~98:2である〔1〕~〔3〕の何れかに記載のエアゾール化粧料。
〔5〕
さらに、充填前の(B)の容器内圧力が20℃条件下で0.3MPa以上0.86MPa以下である〔1〕~〔4〕の何れかに記載のエアゾール化粧料。
〔6〕
さらに、前記エアゾール化粧料が、泡沫型である〔1〕~〔5〕の何れかに記載のエアゾール化粧料。
〔7〕
さらに、粉体を含有する〔1〕~〔6〕の何れかに記載のエアゾール化粧料。
〔8〕
さらに、前記成分(c)が、多糖骨格を有する〔1〕~〔7〕の何れかに記載のエアゾール化粧料。
【0008】
また、本技術は、以下の構成をさらに追加採用することも可能である。
〔9〕
さらに成分(g)として、揮発性油剤を含有する〔1〕~〔8〕の何れかに記載のエアゾール化粧料。
【発明の効果】
【0009】
本発明のエアゾール化粧料は、塗布後にべたつきがない化粧膜を形成し、伸び広がりが良く、その膜の化粧持ちが良く、且つ泡持ちに優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の構成について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。また、各数値範囲の上限値と下限値は、所望により、任意に組み合わせることができる。また、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
【0011】
本発明におけるエアゾール化粧料とは、化粧料原液(A)と噴射剤(B)とを缶等の耐圧容器に充填して得られるものであり、気体を内包する化粧料が噴射されるものである。
【0012】
本発明のエアゾール化粧料の原液に用いる成分(a)の固形油は25℃から60℃に融点を持つ結晶性の固形油であり、通常化粧料に用いられるものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、アルキル基、アシル基、アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン、炭化水素系ワックス、植物脂、植物ロウ、動物ロウ等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。好ましくは側鎖、末端にアルキル基、アシル基、アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサンであるシリコーンワックス及び炭化水素で構成されたワックスから選ばれる1種または2種以上である。上記成分は極性が低いため、塗布膜のべたつきを抑えつつ、化粧持ち及び泡持ちを向上させることができる。なお、融点は医薬部外品原料規格記載の第3法により測定することができる。
【0013】
本発明の成分(a)の具体例は、ステアリルジメチコン、アルキル(C26-28)ジメチコン、ステアロキシジメチコン、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、ベヘノキシジメチコン、ワセリン、パラフィン等が挙げられる。これらの固形油の中でも、塗布膜のべたつきを抑えつつ、化粧持ち及び泡持ちを向上させることができる点でステアリルジメチコン、ワセリン、パラフィンが好ましい。
【0014】
成分(a)の市販品としては、ステアリルジメチコンとしては、2503 Cosmetic Wax(融点32℃)(東レ・ダウコーニング社製)、BELSIL SDM 5055 VP(融点30℃)(旭化成ワッカーシリコーン社製)、ABIL Wax 9800(融点26℃)(EVONIK社製)、アルキル(C26-28)ジメチコンとしては、BELSIL CDM 3526VP(融点35℃)(旭化成ワッカーシリコーン社製)、ステアロキシジメチコンとしては、ABIL Wax 2434(融点25℃)(EVONIK社製)、ベヘノキシジメチコンとしては、ABIL Wax 2440(融点40℃)(EVONIK社製)、ワセリンとしては、Snow White Special(融点53~59℃)(SONNEBORN社製)、パラフィンとしては、Paraffin Wax 120(融点48~53℃)(日本精蝋社製)、PARASERA 256(融点56~61℃)、植物脂・植物ロウとしては、パーム油(融点33~39℃)、水添パーム油(融点50~58℃)、マンゴー種子油(融点25~38℃)、シア脂(融点33~41℃)、カカオ脂(融点32~36℃)、モクロウ(融点49~56℃)、ムルムルバター(融点32~36℃)、水添やし油(融点30~34℃)、水添大豆油(融点34~42℃)、水添ナタネ油(融点34℃)、水添アーモンド油、水添マカデミアナッツ油、水添アボカド油、動物ロウとしては、ミツロウ(融点58~63℃)、ラノリン等が挙げられる。
【0015】
本発明における成分(a)の含有量は、特に限定されないが、原液の全油性成分中の下限としては、好ましくは1.0%以上、より好ましくは1.5%以上、更に好ましくは2.0%以上であり、上限としては、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。成分(a)をこの範囲で含有すると、本発明のエアゾール化粧料を噴射した際に、泡持ち、化粧持ちが良く、化粧膜がべたつきにくい点でより好ましい。さらに、噴射した後に、油中水型組成物(A)の表面温度が成分(a)の融点より低いことが、粘度が高まり泡持ちが向上するため好ましく、体温付近の融点25~38℃の範囲である場合に、特に肌上で溶ける使用感を有することから、伸び広がりが良く、融点32℃~60℃の範囲であると、化粧もちとべたつきの無さがより向上する。品質の設定に応じて使い分けることができ、1種また2種以上を選択して使用することがより好ましい。
【0016】
本発明のエアゾール化粧料の原液に用いる成分(b)のシリコーン骨格を有する油溶性皮膜形成剤は非晶性であり、オルガノポリシロキサン構造を主鎖とし、直鎖状または分岐状のアルキル及び/またはアルコキシ構造が連続しているものであり、架橋していても良い。また、本発明における皮膜形成とは、皮膜を肌上で形成するものであれば特に限定されないが、具体的には、皮膜形成剤が可溶な揮発性溶剤に40%溶解した溶液を、ガラス板に400μm厚のアプリケーターで塗布し、室温24時間乾燥後に皮膜が形成さていることをいう。これらの皮膜形成剤の中でも、化粧持ちの良さが得られる点で顔の動きに対して割れることがない柔軟なものが好ましい。さらに、泡持ちの効果に寄与する成分である。これらの目的や 配合容易性の観点から、溶剤によって希釈された溶液や分散液であること、または、事前に混合して得られる溶液や分散液であることが好ましい。成分(b)を希釈又は分散させる溶剤としては、ジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、イソドデカンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、揮発性のジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコンがより好ましい。なお、揮発性とは、35~90℃の引火点を有するものである。これらの揮発性油剤に溶解した市販品を用いることもできる。
【0017】
本発明の成分(b)は、具体的には、例えば、トリメチルシロキシケイ酸、ポリメチルシルセスキオキサン、アクリレートシリコーン、フッ素変性シリコーン樹脂等が挙げられる。トリメチルシロキシケイ酸は、[(CH3)3SiO1/2]x[SiO2]yで表されるもの(Xは1~3、Yは0.5~8)等であり、ポリメチルシルセスキオキサンは、R1SiO1.5単位とR2SiO0.5単位(式中R1、R2は置換または非置換の1価の炭化水素基を表す)からなる構造を有しているものである。フッ素変性シリコーン樹脂は、前記一般式(1)で表される構造を有するもので、分子中に、水酸基及び一般式-R2-Rfを必須官能基として含むものである。フッ素変性シリコーン樹脂は、皮膚や粉体に対する付着性の点から、分子内にシラノール基を有し、シラノール基中のOH基の割合が、樹脂質量に対して0.1~5%であるのが好ましく、0.5~5%がより好ましい。
【0018】
本発明の成分(b)は、特に限定されないが、例えば、市販品としては、トリメチルシロキシケイ酸としては、シリコンX-21-5250(50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、シリコンX-21-5250L(50%揮発性ジメチコン溶液)、KF-7312T(60%メチルトリメチコン溶液)、KF-7312K(60%ジメチコン溶液)、KF-9021L(50%揮発性ジメチコン溶液)(何れも信越化学工業社製)、SR1000(純度100%)、SS4267(35%ジメチコン溶液)、SILSOFT74(75%イソドデカン溶液)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製))、FC-5002 IDD Resin Gum((トリメチルシロキシケイ酸/ジメチコノール)クロスポリマー)(東レ・ダウコーニング社製)、ポリメチルシルセスキオキサンとしては、SILFORM FLEXIBLE RESIN(純度100%)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)等が挙げられる。アクリレートシリコーンとしては、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマーが挙げられ、具体的には、KP-549(固形分40%メチルトリメチコン溶液)、KP-550(固形分40%イソドデカン溶液)、KP545L(固形分40%ジメチコン溶液)(信越化学工業社製)、アクリル酸ステアリル及びメタクリル酸ヒドロキシエチルのモノマーを含む共重合体としては、X-22-8338E(固形分30%イソドデカン溶液)(信越化学工業社製)、フッ素変性シリコーン樹脂としては、例えば、トリフルオロプロピルジメチル/トリメチルシロキシシリケートである、XS66-B8226(50%シクロペンタシロキサン溶液)、XS66-C1191、XS66-B8636(50%ジメチコン溶液)(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)等の市販品が挙げられる。これらを1種又は2種以上用いることができる。なかでも、フッ素変性シリコーン樹脂を含むと伸び広がりと化粧もちが良く化粧膜がべたつきにくい点においてより好ましい。
【0019】
本発明における成分(b)の含有量は、原液の全油性成分中に、下限としては、0.5%以上、好ましくは1.0%以上、より好ましくは2.0%以上であり、上限としては、15%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下が好ましい。成分(b)をこの範囲で含有すると、泡持ち、伸び広がりが良く、化粧もちが良く化粧膜がべたつきにくい点においてより好ましい。
【0020】
本発明のエアゾール化粧料の原液に用いる成分(c)のカルボニル基及び/またはヒドロキシ基を有する、アニオン性及びノニオン性水溶性高分子から選ばれる1種又は2種以上は、通常化粧料に用いられる水溶性高分子であれば特に限定されないが、水に溶解しやすくべたつきがなく曳糸性を有するものが特に好ましい。例えば、水溶性の合成高分子化合物、半合成高分子化合物、天然高分子化合物などを挙げることができる。
具体的には、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・メタクリル酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E.O.)共重合体エマルション、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体などの合成高分子等;市販品としては、例えば、CARBOPOL940、941、980、981(カルボマー;Lubrizol Advanced Materials Inc.社製)、PEMULEN TR-1、TR-2、CARBOPOL POLYMER、1342 POLYMER、1382 POLYMER(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-C30))クロスポリマー;Lubrizol Advanced Materials Inc.社製)、SIMULGEL EG(アクリル酸/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体;SEPPIC社製)、ACULYN 22(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス-20コポリマー;ROHM GMBH社製)、ARISTFLEX AVC((アクリル酸ジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー;クラリアントジャパン社製)等が挙げられる。
また、メチルセルロース,エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン等のグルコース等から構成される高分子、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどの半合成高分子が挙げられる。
さらに、グルコース・グルクロン酸・ラムノース等から構成されるジェランガム、グルコース・ガラクトース・コハク酸・ピルビン酸等から構成されるサクシノグルカン、マンノース・キシロース・グルクロン酸等から構成されるシロキクラゲ多糖体、ガラクトマンナンのローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、ガラクトース等から構成されるカラギーナン、硫酸化ムラミン酸・グルコース・ガラクトース・キシロース・フコース等から構成されるスイゼンジノリ多糖体、マンノース・グルクロン酸・アラビノース・アラビノース・ガラクトース等から構成されるチューベロース多糖体、マンノースとグルクロン酸等から構成されるキサンタンガム、グルコースを骨格とする分岐多糖のスクレロチウムガム、ゼラチン、クインスシード、プルラン、コラーゲン、アラビアガム、マンナン、デンプン、デキストラン、カゼイン、アルブミン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸またはその硫酸塩等などの天然高分子等が挙げられる。
【0021】
なお、(c)成分を1種又は2種以上用いることができる。2種以上併用することで泡もち効果とべたつきの無さを両立し、効果を相乗的に発揮する場合もある。特に、これらの水溶性高分子の中でも、伸び広がりが良い点で、カルボニル基及び/またはヒドロキシ基を多く有する多糖を主骨格としたものが好ましく、さらに、べたつきを抑制できる点で、分岐タイプの糖骨格を有するものが好ましい。分岐タイプの糖骨格を有する水溶性高分子は、水が揮発して化粧膜になる際、隙間があるネットワーク構造をとるため、泡持ち、べたつきを軽減することができる。
【0022】
本発明における成分(c)の含有量は、原液の全水性成分中に、下限としては、0.05%以上、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上であり、上限としては、2%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下が好ましい。成分(c)をこの範囲で含有すると、泡持ち、化粧持ちが良く、化粧膜がべたつきにくい点においてより好ましい。
【0023】
本発明のエアゾール化粧料の原液に用いる成分(d)の水は、特に限定されず、精製水、脱イオン水、蒸留水、温泉水や、ローズ水、ラベンダー水等の植物由来の水蒸気蒸留水等のいわゆる水を用いることができる。
【0024】
本発明における成分(d)の含有量は、原液中に30%以上含有する必要があり、下限としては、好ましくは32.0%以上、より好ましくは34.0%以上、更に好ましくは36.0%以上であり、上限としては、好ましくは60.0%以下、より好ましくは50.0%以下、更に40.0%以下が好ましい。成分(c)をこの範囲で含有すると、泡持ちが良く、塗布時の伸び広がりに優れるため好ましい。
【0025】
本発明のエアゾール化粧料の原液に用いる成分(e)のシリコーン界面活性剤は、ポリシロキサン構造を有する活性剤であれば特に限定されず、いずれのものも使用することができる。例えば、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、及び/又はポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン、側鎖にポリエーテルまたポリグリセリンを有するシリコーンエラストマー等があげられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。これらのシリコーン系界面活性剤の中でも、泡持ちの良さが得られる点で、少量で乳化できるHLB8以下のものが好ましい。具体的にはPEG-9ジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー等があげられる。具体的な市販品として、KF-6019(PEG-9ジメチコン)、KF-6028P(PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)、KF-6038(ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)、KF-6105(ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)、(信越化学工業社製)、ABIL EM-90(セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、Evonik Goldschmidt社製)が挙げられ、化粧もちの観点からより好ましい。
【0026】
本発明における成分(e)の含有量は、特に限定されないが、原液中に下限としては、好ましくは0.0%以上、より好ましくは1.0%以上、更に好ましくは1.5%以上であり、上限としては、好ましくは2.5%以下、より好ましくは2.3%以下、更に2.1%以下が好ましい。成分(e)をこの範囲で含有すると、化粧持ちが良く、化粧膜がべたつきにくい点でより好ましい。
【0027】
本発明のエアゾール化粧料の原液に用いる成分(f)のフェニル変性シリコーンは、20℃で液体であれば特に限定されず、いずれのものも使用することができる。例えば、トリフェニルジメチルビニルジシロキサン(例えば、市販品:SILSHINE VP)、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(例えば、市販品:KF-56(メチルフェニルポリシロキサン)等)、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、ジフェニルジメチコン(例えば、市販品:シリコンKF-54(メチルフェニルポリシロキサン)等)、トリメチルシロキシフェニルジメチコン(例えば、市販品:BELSIL PDM1000等)が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また公知の製造方法で製造してもよい。これらの1種又は2種以上を用いることができる。さらにこれらの中でも、ジメチルポリシロキサン及び/又はメチルフェニルポリシロキサン(好適には上述したジフェニルシロキシフェニルトリメチコン等)を用いると、原液の油相においてシリコーン油とその他油剤、特に紫外線吸収剤とのの相溶性を向上させることができ、より油相が均一になることで泡持ちを良くすることができる。
【0028】
本発明における成分(f)の含有量は、特に限定されないが、原液中に、下限としては、好ましくは1.0%以上、より好ましくは2.0%以上、更に好ましくは2.5%以上であり、上限としては、好ましくは10.0%以下、より好ましくは8.0%以下、更に好ましくは5.0%以下である。1~10%が好ましく、より好ましくは2~8%であり、更に2.5~5%が好ましい。成分(f)をこの範囲で含有すると、泡持ちに加えて、化粧持ちが良く、化粧膜がべたつきにくい点でより好ましい。
【0029】
本発明のエアゾール化粧料の原液は、粉体を含有することで化粧持ちが向上し、かつ化粧膜のべたつきを抑制し、メイクアップ効果や紫外線散乱効果を付与することができる。粉体としては、化粧料に一般に使用される粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、水酸化クロム、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂、シリコーンエラストマー系樹脂等の合成樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N-アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、必要に応じて、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等を用いて、公知の方法により表面処理を施したり、更に複合化したものを用いても良い。
【0030】
本発明における粉体の含有量は、特に限定されないが、原液中に、下限としては、好ましくは1.0%以上、より好ましくは6.0%以上、更に好ましくは13.0%以上であり、上限としては、好ましくは25.0%以下、より好ましくは20.0%以下、更に18.0%以下が好ましい。粉体をこの範囲で含有すると、泡持ちを維持しつつ、化粧持ちが良好で、かつ化粧膜がべたつきにくい点でより好ましい。
【0031】
さらに成分(g)として、揮発性油剤を併用することが好ましい。揮発性油剤とは、常圧における沸点が260℃以下の、常温(25℃)で流動性を有する液状の油分を意味する。特に限定されないが、炭化水素油、およびシリコーン油(形状はいずれでもよく、例えば、環状、直鎖状、又は分岐鎖状)を、1種又は2種以上用いることが出来る。
【0032】
本発明における成分(g)の炭化水素油は、特に限定されないが、化粧料に一般的に用いられる軽質イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン等を挙げることができ、市販品としては、IPソルベント1620、IPソルベント2028(以上、出光石油化学社製)、PERMETHYL 99A(PRESPERS社製)、AECイソドデカン(A and E Connock(Perfumery and Cosmetics)Ltd.社製)、クレアシルID CG(CIT Sarl社製)、ファンコールID(Elementis Specialties社製)、オリスターIDD(オリエントスターズLLC社製)、パーメチル 99A(Presperse Corp社製)、ISODODECANE(IMCD INEOS Oligomers社製)、Ritacane ID(リタコーポレーション社製)等が挙げられる。これらの揮発性炭化水素油は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。揮発性炭化水素油としては、乾燥速度の点でイソドデカンが好適に用いられる。
【0033】
本発明における成分(g)の揮発性シリコーン油は、特に限定されないが、化粧料に一般的に用いられるジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等を挙げることができ、市販品としては、DC345 FLUID、SH245 FLUID(東レ・ダウコーニング社製)、KF-995、TMF1.5、シリコンKF-96L-1.5CS、KF-96L-2CS(以上信越化学工業社製)、BELSIL DM 1 PLUS(Wacker Chemical Corporation製)等が挙げられる。これらの揮発性シリコーン油は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。揮発性シリコーン油としては、沸点が200℃未満のものが乾燥速度の点で好ましく、例えばメチルトリメチコン、ジメチコンが好適に用いられる。
【0034】
本発明における成分(g)の含有量は、特に限定されないが、下限として、好ましくは2%以上、より好ましくは5.0%以上、上限として、好ましくは40%以下、より好ましくは25%以下、更に15%以下が好ましい。この範囲であれば、泡持ちを維持しつつ、化粧持ちが良好で、かつ化粧膜がべたつきにくい点でより好ましい。
【0035】
本発明のエアゾール化粧料の原液には、上記の(a)~(e)の成分、及び粉体に加え、本発明の効果を妨げない範囲で、成分(a)、(b)、(f)、(g)以外の油性成分、油ゲル化剤、成分(e)以外の界面活性剤、成分(c)以外の水性成分、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、色素、香料等、通常化粧料に含有される成分を含有することができる。
【0036】
油性成分としては、成分(a)、(b)、(f)、(g)以外のものであり、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、液状やペースト状、固体状等の性状、揮発性、非揮発性や、動物油、植物油、合成油等の起源を問わずに使用することができ、炭化水素類、油脂類、紫外線吸収剤も含むエステル油類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、液状のものは流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ホホバ油、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、2-エチルヘキサン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、トリメリト酸トリトリデシル等のエステル類、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステアリル・2-オクチルドデシル)等のアミノ酸系油剤、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油類、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体が挙げられる。固体状のものは融点が60℃を越えるセレシンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライトワックス、エチレンプロピレンコポリマー等の炭化水素類、モクロウ等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ、モンタンワックス等のロウ類、コレステロール脂肪酸エステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸系油剤、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、油性ゲル化剤として、12-ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/2-エチルヘキサン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、オクタン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリンのデキストリン脂肪酸エステル類、ショ糖ステアリン酸エステル、酢酸ステアリン酸スクロースのショ糖脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0037】
界面活性剤としては、成分(e)以外のものであり、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0038】
水性成分としては、成分(c)以外のものであり、例えば、エチルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類等、植物性エキス等が挙げられる。
【0039】
さらに成分(h)として紫外線吸収剤を併用しても良い。例えば、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系;パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルへキシル等のPABA系;4-(2-β-グルコピラノシロキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-硫酸、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2、2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-N-オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、2,5-ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6-トリス[4-(2-エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、p-メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系;2-フェニル-ベンズイミダゾール-5-硫酸、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系;2-シアノ-3,3-ジフェニルプロパン-2-エン酸2-エチルヘキシルエステル(別名;オクトクリレン)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルへキシル、1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、シノキサート、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、4-(3,4-ジメトキシフェニルメチレン)-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体等が挙げられ、目的に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
【0040】
保湿剤としては、例えば、尿素、ピロリドンカルボン酸塩等が挙げられる。
【0041】
防腐剤、抗菌剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
【0042】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン等、pH調整剤としては、例えば、乳酸、乳酸塩、クエン酸、クエン酸塩、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としては、例えば、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン等、清涼剤としては、例えば、L-メントール、カンファ、薄荷油、ペパーミント油、ユーカリ油等、抗炎症剤としては、例えば、アラントイン、グリチルレチン酸塩、グリチルレチン誘導体、トラネキサム酸、アズレン等が夫々挙げられる。
【0043】
本発明のエアゾール化粧料の成分(B)液化ガスとしては、特に限定されるものではないが、炭素数2~5の炭化水素及びジメチルエーテル(以下、「DME」と記すことがある。)ジエチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。炭素数2~5の炭化水素としては、具体的に、エタン、プロパン(以下[LPG」と記すことがある。)、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等が挙げられる。これらの中でも、泡持ちが向上する点で、20℃条件下にて圧力が0.3MPa以上0.86MPa以下に調整した液化ガスが好ましい。この範囲の圧力に調整した液化ガスを用いることで、噴射時の気化熱により原液が十分に冷却されて増粘し、泡持ちを向上させることができる。
【0044】
本発明のエアゾール化粧料の噴射剤には、上記成分(B)液化ガスに加え、本発明の効果を妨げない範囲で、二酸化炭素、窒素、アルゴン等を含有することができる。
【0045】
本発明のエアゾール化粧料の原液(A)油中水型組成物と(B)液化ガスの充填割合は、特に限定されるものではないが、質量比で70:30~98:2が好ましく、さらに好ましくは85:15~96:4である。この範囲であると、泡持ちが良好であり、かつ十分な厚みの化粧料が得られ、化粧持ちが向上する点で好ましい。
【0046】
本発明のエアゾール型化粧料の製造方法は、特に限定されるものではなく常法により調製される。例えば、原液は、成分(f)を含む油剤の一部、成分(a)および粉体を、ロールミルやビーズミルを用いて混練し、成分(b)、成分(f)を含む油剤の残部及び成分(e)を含む界面活性剤を加えて加熱混合して均一に分散したものに、成分(c)及び(d)を含む水系成分を加えて乳化して原液である(A)油中水型化粧料を得た後、該(A)油と(B)液化ガスを含む噴射剤を耐圧容器に充填し、エアゾール化粧料を得ることができる。なお、成分(g)、成分(h)は、油剤の一部として配合しても良い。
【0047】
本発明のエアゾール型化粧料の充填方法としては、特に限定されないが、常法により調製した原液を耐圧容器に充填し、容器にエアゾールバルブを固着した後、該バルブを通じて液化ガスを注入する。更に、前記エアゾールバルブに目的に応じた噴射部材を取り付けることによりエアゾール製品とすることができる。また、原液が油相と水相を形成する場合、充填過程において、回数減少と均質化のため、油中水型乳化物を形成した後に充填してもよく、油相と水相や粉体等を、別々に充填してから噴射剤を注入してもよい。
【0048】
本発明のエアゾール化粧料は、特に限定されないが、メイクアップ化粧料に好適に用いられ、ファンデーション、コンシーラー、頬紅、化粧下地、アイシャドウ等に用いることができる。
【実施例】
【0049】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0050】
実施例1~31及び比較例1~7:エアゾール型ファンデーション
表1に示す組成および下記製法にてエアゾール型ファンデーションを調製した。得られたファンデーションについて、(イ)泡持ちの良さ、(ロ)塗布時の伸び広がりの良さ、(ハ)化粧膜のべたつかなさ、(ニ)塗布膜の化粧もちの良さについて、下記の方法により評価し、その結果を併せて表1に示した。
【0051】
【表1】
※1:2503 Cosmetic Wax(東レ・ダウコーニング社製)
※2:MP-1133(テイカ社製)の表面に酸化鉄2.5%と水添リン脂質処理したもの
※3:MPT-100Z(テイカ社製)
※4:MZY-500SHE(テイカ社製)
※5:KP-578(信越化学工業社製)
※6:KP-550(信越化学工業社製)の固形分
※7:シリコンX-21-5250L(50%揮発性ジメチコン溶液)(信越化学工業社製)の固形分
※8:XS66-B8226(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)の固形分
※9:SILFORM FLEXIBLE RESIN(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
※10:KF-56(信越化学工業社製)
※11:Tremoist-TP(日本精化社製)
※12:アデカノールGT-700(ADEKA社製)
※13:ACULYN 33A(固形分28%)(ROHMGMBH社製)
※14:シリカマイクロビードP-1505(日揮触媒化成社製)
【0052】
【0053】
(製造方法)
A:成分(1)~(3)を65℃まで加熱して溶解した。
B:Aに成分(4)~(13)、(24)の一部を混合し、3本ローラーで混錬した。
C:成分(15)~(17)を85℃まで加熱して溶解した。
D:BにCと成分(14)、(18)~(25)を混合した。
E:成分(26)~(40)を混合し、Dに添加し常温で乳化を行い、原液を得た。
F:Eで得られた原液をアルミ製耐圧容器(直径35mm、高さ11cmの円筒形)に充填した後バルブを固着し、バルブを通じて噴射剤である(B)液化ガスとガス成分(1)~(3)を充填し、エアゾール型ファンデーションを得た。
尚、原液と噴射剤は表記載の比率で、合計32gになるように充填した。
【0054】
(評価方法1:(イ)泡持ちの良さ)
泡持ちが良いエアゾール化粧料は噴射後の化粧料内に小さくて大きさが整った泡が維持され、泡持ちが悪いエアゾール化粧料は噴射後の化粧料内にて一部の泡が合一し、大きな泡が発生して一定時間経過後に破裂する。前記現象を定量的に評価するために、以下に示した噴射後の化粧料内に含まれる泡の大きさの中央値と標準偏差を算出する評価方法を用いた。すなわち、実施例1~15及び比較例1~7のエアゾール型ファンデーションを、縦10cm、横12cm、厚み250μmのガラス板の上に化粧料の重さが0.6gになるよう噴射した。その後10秒経過した後に、上記ガラス板と同じガラス板を化粧料の上にのせて挟み、挟まれた化粧料が厚み100μmになるよう調整した。このガラス板に挟まれた化粧料をガラス板側から、有効画素数1920万画素のカメラにて静止画像を撮影し、画像編集ソフト「Adobe Photoshop」を用いて上記撮影静止画像に記録された化粧膜の各泡の面積を計算した。具体的には、特定の泡の長径の長さを計測し、この泡と同じ静止画像上の泡の長径のピクセル数を算出することで、1ピクセルの1辺の長さ、及び面積を算出した。その後、静止画像に記録された各泡のピクセル数を算出した後、そのピクセル数に1ピクセルの面積を掛けることによって各泡の面積を算出した。この各泡の面積の中央値、及び標準偏差を計算し、下記の評価基準に従って各値を3段階のランクで評価した。更に、各値の評価ランクの組み合わせを下記の判断基準に従って判定した。
[各泡の面積における中央値の評価基準]
(ランク):(評点の平均点)
A :0.05~1.0mm2である
B :1.0~5.0mm2である
C :5.0mm2よりも大きい値である
[各泡の面積における標準偏差の評価基準]
(ランク):(評点の平均点)
A :0.05~5.0mm2である
B :5.0~12.0mm2である
C :12.0mm2よりも大きい値である
[判定基準]
(判定):(評価ランクの組み合わせ)
◎ : 中央値Aで標準偏差A
○ : 中央値Aで標準偏差B、または中央値Bで標準偏差A
△ : 中央値Bかつ標準偏差B
× : 中央値または標準偏差のどちらかがC
【0055】
(評価方法2:(ロ)塗布時の伸び広がりの良さ、(ハ)化粧膜のべたつかなさ、(ニ)塗布膜の化粧もちの良さ)
化粧料評価専門パネル10名に、実施例1~31及び比較例1~7のエアゾール型ファンデーションを、手のひらとエアゾールの噴射口を2cmの距離で、水平を保ち2秒間噴射した後、全顔に伸ばして使用してもらい、ロについては、化粧料を伸ばしている指と肌に摩擦を感じず滑らかに塗布できるかどうか、ハについては、仕上がった化粧膜を指で触りべたつきを感じるかどうかを、ニについては、6時間後に再度評価して貰い、塗布膜が十分に持続しているかを、各自が下記の評価基準に従って5段階評価し、サンプル毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を下記の判定基準に従って判定した。
[評価基準]
(評点):(結果)
5点 : 非常に良好
4点 : 良好
3点 : 普通
2点 : やや不良
1点 : 不良
[判定基準]
(判定):(評点の平均点)
◎ : 4.5点以上
○ : 3.5点以上4.5点未満
△ : 2.5点以上3.5点未満
× : 1.0点以上2.5点未満
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本実施形態の一例であり、本実施形態の実施例1と比較例4の評価方法1:(イ)泡持ちの良さの評価写真である。
【0057】
表1の結果から明らかなように、実施例1~31のエアゾール型ファンデーションは、噴射後の泡持ちが良好で、塗布時に伸び広がりの良さを十分に感じることができ、かつ塗布膜のべたつきを感じにくく、化粧持ちも十分に満足できるものであった。一方、成分(a)を含有しない比較例1は、温度感受性が低下したことで噴射時の気化熱の冷却が発生しても増粘効果が不十分になり泡持ちが満足できるものではなかった。成分(b)の含有量が少ない比較例2と成分(c)の含有量が少ない比較例4は、泡の合一が起こりやすく泡持ちが不十分であった。成分(b)の含有量が多い比較例3は、化粧膜に皮膜形成剤特有のべたつきが強く感じられ、塗布時に摩擦間を感じるようになり伸び広がりも不十分であった。成分(c)の含有量が多い比較例5は、水溶性高分子特有のべたつきが強く感じられ、塗布膜が時間経過によって汗となじみにやすくなり化粧持ちも不十分であった。成分(d)の含有量が少ない比較例6は、乳化による増粘効果が十分に得られないため、泡の合一が起こりやすく泡持ちが不十分であった。成分(B)を含有せず、液化ガス以外の噴射剤のみを用いた比較例7は噴射時の気化熱が十分に発生しないことから、化粧料が増粘されず泡持ちが満足できるものではなかった。以上の結果より、本発明の各成分を組み合わせることにより、塗布時の伸び広がりの良さが十分に感じられる泡持ちを実現でき、かつ、化粧膜のべたつきのなさと化粧持ちの良さに優れるエアゾール型ファンデーションを得ることができる。
【0058】
実施例32:エアゾール型下地
(原液成分) (%)
(1)ジメチコン処理酸化チタン(平均粒子径270nm) 1
(2)ジメチコン処理赤色酸化鉄粉末 0.03
(3)ジメチコン処理黄色酸化鉄粉末 0.01
(4)ジメチコン・含水シリカ処理酸化チタン(平均粒子径35nm) 1
(5)ジメチコン処理酸化亜鉛(平均粒子径35nm) 5
(6)アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)
コポリマー※5 0.8
(7)焼成セリサイト 5
(8)ジメチルポリシロキサン(25℃、動粘度10mm2/s) 5
(9)ジメチルポリシロキサン(25℃、動粘度2mm2/s) 残量
(10)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2
(11)メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 6
(12)イソノナン酸イソトリデシル 3
(13)ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1.5
(14)トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸※8 3
(15)メチルフェニルポリシロキサン※10 3
(16)ステアロキシジメチコン※15(融点25℃) 1
(17)精製水 40
(18)ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニル
トリアジンのエマルジョン ※16 2
(19)トリプロピレングリコール 3
(20)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2
(21)エチルヘキシルグリセリン 0.1
(22)エタノール 6
※15:ABIL Wax 2324(融点25℃)(EVONIK社製)
※16:TINOSORB S Aqua(BASF社製)
【0059】
(製造方法)
A:成分(1)~(8)を3本ローラーにて混練する。
B:Aと成分(9)~(16)を50℃で加熱混合し、均一に分散させる。
C:成分(17)~(22)を混合し、Bに添加し、常温で乳化し、原液を得た。
D:Cで得られた原液18gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG(0.45MPa)1gおよびジメチルエーテル1gを耐圧容器に充填し、エアゾール型下地を得た。
【0060】
得られたエアゾール型下地は、泡持ちが良好で、塗布時の伸び広がりが良く、化粧膜がべたつかずに、化粧持ちに優れるものであった。
【0061】
実施例33:エアゾール型頬紅
(原液成分) (%)
(1)トリエトキシカプリリルシラン処理二酸化チタン 5
(2)赤色226号 0.8
(3)雲母チタン※17 3
(4)PEG-9ジメチコン 0.8
(5)ジメチコン処理セリサイト 5
(6)ジカプリン酸PG 8
(7)ジメチルポリシロキサン(25℃、動粘度2mm2/s) 残量
(8)エチルセルロース※18 1
(9)オクチルドデカノール 5
(10)デシルテトラデカノール 5
(11)セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン※19 1.5
(12)(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー※20
(ジメチコン分散物の固形分) 2
(13)メチルフェニルポリシロキサン※10 3
(14)ワセリン(融点36~60℃) 1.0
(15)(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー※21 0.5
(16)(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/
シルセスキオキサン)クロスポリマー※22 5
(17)精製水 32
(18)BG 2
(19)ヒアルロン酸 0.2
(20)エタノール 4
※17:TIMIRON STARLUSTER MP-115(メルク社製)
※18:AQUALON EC N-14(ASHLAND社製)
※19:ABIL EM-90(EVONIK社製)
※20:KP-545L(信越化学工業社製)
※21:KSG-18(信越化学工業社製)
※22:KSP-300(信越化学工業社製)
【0062】
(製造方法)
A:成分(1)~(6)を3本ローラーにて混練する。
B:Aと成分(7)~(16)を50℃で加熱混合し、均一に分散させる。
C:成分(17)~(20)を混合し、Bに添加し、常温で乳化し、原液を得た。
D:Cで得られた原液19gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG(0.35MPa)1gを耐圧容器に充填し、エアゾール型頬紅を得た。
【0063】
得られたエアゾール型頬紅は、泡持ちが良好で、塗布時の伸び広がりが良く、化粧膜がべたつかずに、化粧持ちに優れるものであった。
【0064】
実施例34:エアゾール型白粉
(原液成分) (%)
(1)二酸化チタン被覆ナイロン末※23 2
(2)二酸化チタン・酸化亜鉛被覆マイカ※24 5
(3)トリエトキシカプリリルシラン処理タルク 5
(4)赤色202号 1
(5)青404号 0.2
(6)黒色酸化鉄 0.1
(7)酸化亜鉛(平均粒子径25nm) 10
(8)アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)
コポリマー※5 0.8
(9)ジメチルポリシロキサン(25℃、動粘度6mm2/s) 15
(10)ジメチルポリシロキサン(25℃、動粘度1.5mm2/s) 残量
(11)(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー 0.8
(12)ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.8
(13)ポリメチルシルセスキオキサン※9 1
(14)メチルフェニルポリシロキサン※10 2
(15)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル)(融点40℃) 1.0
(16)(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー※25 5
(17)ポリメチルシルセスキオキサン粉末※26 5
(18)精製水 30
(19)BG 2
(20)シロキクラゲ多糖体※11 0.2
(21)エタノール 4
※23:MTXO70-NL(ハヤテマテリアル社製)
※24:MTZE-07EX(テイカ社製)
※25:KSP-100(信越化学工業社製)
※26:トスパール2000B(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
【0065】
(製造方法)
A:成分(1)~(8)を3本ローラーにて混練する。
B:Aと成分(9)~(17)を50℃で加熱混合し、均一に分散させる。
C:成分(18)~(21)を混合し、Bに添加し、常温で乳化し、原液を得た。
D:Cで得られた原液19gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG(0.55MPa)1gを耐圧容器に充填し、エアゾール型白粉を得た。
【0066】
得られたエアゾール型白粉は、泡持ちが良好で、塗布時の伸び広がりが良く、化粧膜がべたつかずに、化粧持ちに優れるものであった。
【0067】
実施例35:エアゾール型日焼け止め料
(原液成分) (%)
(1)トリエトキシカプリリルシラン・ジメチコン処理酸化チタン
(平均粒子径15nm) 20
(2)トリエトキシカプリリルシラン処理酸化亜鉛(平均粒子径25nm) 10
(3)アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)
コポリマー※5 1
(4)ジメチルポリシロキサン(25℃、動粘度6mm2/s) 15
(5)ジメチルポリシロキサン(25℃、動粘度2mm2/s) 残量
(6)メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 7
(7)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1
(8)ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 2
(9)ジカプリン酸PG 5
(10)PEG-9ジメチコン 1.5
(11)トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸※8 4
(12)乳酸セチル(融点41℃)※27 0.5
(13)精製水 30
(14)メチルパラベン 0.1
(15)クロルフェネシン 0.1
(16)シロキクラゲ多糖体※11 0.1
*27:CERAPHYL28(融点41℃)(ASHLAND社製)
【0068】
(製造方法)
A:成分(1)~(4)を3本ローラーにて混練する。
B:Aと成分(5)~(12)を50℃で加熱混合し、均一に分散させる。
C:成分(13)~(16)を混合し、Bに添加し、常温で乳化し、原液を得た。
D:Cで得られた原液19gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG(0.55MPa)1gを耐圧容器に充填し、エアゾール型日焼け止め料を得た。
【0069】
得られたエアゾール型日焼け止め料は、泡持ちが良好で、塗布時の伸び広がりが良く、化粧膜がべたつかずに、化粧持ちに優れるものであった。