(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】サーバ装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/046 20220101AFI20240319BHJP
G06Q 30/016 20230101ALI20240319BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240319BHJP
G06Q 50/00 20240101ALI20240319BHJP
【FI】
H04L51/046
G06Q30/016
G06Q30/0601
G06Q50/00 300
(21)【出願番号】P 2020130943
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2023-07-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505214696
【氏名又は名称】株式会社デジタルホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110003926
【氏名又は名称】弁理士法人イノベンティア
(72)【発明者】
【氏名】野呂 健太
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-081444(JP,A)
【文献】特開2018-060506(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0116339(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/046
G06Q 30/016
G06Q 30/0601
G06Q 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャットアプリ提供会社のアプリ提供会社サーバ装置と通信可能に構成された、事業者のサーバ装置であって、
前記アプリ提供会社サーバ装置から、当該アプリ提供会社サーバ装置が管理するアプリチャットルームに
参加するユーザに対応するユーザ識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記ユーザ識別情報を前記アプリチャットルームから引き継いだ状態で、事業者のチャットボットまたはオペレータと
前記ユーザ識別情報に対応する前記ユーザとが参加する事業者チャットルームを提供するチャット提供部と、
前記事業者チャットルームにおいてやり取りされたチャットに関するチャットデータを記憶する記憶部と、を備える、サーバ装置。
【請求項2】
前記記憶部には、前記ユーザ識別情報と前記チャットデータとが関連付けられたデータベースが構築されている、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記データベースから、事業者のオペレータ端末に対するオペレータによる入力操作に基づいて、前記ユーザ識別情報および前記チャットデータの少なくとも一方を検索する、検索処理部をさらに備える、請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記チャット提供部は、前記事業者チャットルームにおいてオペレータによりメッセージが入力されたことに基づいて、前記アプリ提供会社サーバ装置を介して、前記事業者チャットルームに参加するユーザに対してメッセージが入力されたことを示す通知を送信する、請求項1~3のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記ユーザ識別情報に関する情報を、事業者のオペレータ端末に表示させる表示制御部をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記チャット提供部は、前記事業者チャットルームにおいてユーザが情報を入力するための入力フォームを生成するとともに、前記入力フォームに対するユーザの回答情報を取得し、
前記記憶部は、前記ユーザ識別情報と、前記入力フォームに対するユーザの回答情報を含む前記チャットデータとを関連付けて記憶する、請求項1~5のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記入力フォームに対するユーザの回答情報を、事業者のオペレータ端末に表示させる表示制御部をさらに備える、請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記チャット提供部は、事業者のオペレータ端末におけるチャットルーム開設操作に基づいて、前記事業者チャットルームを開設する、請求項1~7のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項9】
チャットアプリ提供会社のアプリ提供会社サーバ装置と通信可能に構成された、事業者のサーバ装置のプロセッサに、
前記アプリ提供会社サーバ装置から、当該アプリ提供会社サーバ装置が管理するアプリチャットルームに
参加するユーザに対応するユーザ識別情報を取得する処理と、
前記ユーザ識別情報を前記アプリチャットルームから引き継いだ状態で、前記事業者のチャットボットまたはオペレータと
前記ユーザ識別情報に対応する前記ユーザとが参加する事業者チャットルームを提供する処理と、
前記事業者チャットルームにおいてやり取りされたチャットに関するチャットデータを前記事業者のサーバ装置に記憶する処理と、を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャットルームを提供するサーバ装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ間でメッセージをリアルタイムにやり取りできるチャットアプリ(メッセージングアプリ)が知られている(例えば、特許文献1)。チャットアプリは、電子メールによるコミュニケーションと比較して、相手との会話をリアルタイムに進行させることができる、感情を示すエモーティコンが利用できる、既読を確認できる、等の様々な利点があるので、手軽なコミュニケーションツールとして広く普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、様々なチャットアプリが提供されているが、国や地域によっては、例えばスマートフォンユーザの大多数が日常的に利用している、デファクトスタンダード的なチャットアプリが存在することもある。したがって、チャットアプリの提供会社以外の事業者が、そのようなチャットアプリを介してユーザとコミュニケーションを取ることができれば、事業者とユーザの双方にとって、非常に利便性が高い。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムを含む従来のチャットアプリ(チャットルーム提供システム)では、アプリチャットルームにおけるチャットデータは、チャットアプリの提供会社のチャットデータ管理サーバに格納される。このため、チャットアプリの提供会社以外の事業者がチャットアプリを利用するとしても、ユーザとの間で機密性の高い情報のやり取りを行うことはできないという問題点がある。
【0006】
この開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、アプリチャットルームを利用したコミュニケーションの利便性を維持しながら、ユーザと機密性の高い情報のやり取りを行うことが可能なサーバ装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、以下に開示する、第1の局面によるサーバ装置は、チャットアプリ提供会社のアプリ提供会社サーバ装置と通信可能に構成された、事業者のサーバ装置であって、アプリ提供会社サーバ装置から、当該アプリ提供会社サーバ装置が管理するアプリチャットルームにおけるユーザ識別情報を取得する識別情報取得部と、ユーザ識別情報をアプリチャットルームから引き継いだ状態で、事業者のチャットボットまたはオペレータとユーザとが参加する事業者チャットルームを提供するチャット提供部と、事業者チャットルームにおいてやり取りされたチャットに関するチャットデータを記憶する記憶部と、を備える。
【0008】
第2の局面によるプログラムは、チャットアプリ提供会社のアプリ提供会社サーバ装置と通信可能に構成された、事業者のサーバ装置のプロセッサに、アプリ提供会社サーバ装置から、当該アプリ提供会社サーバ装置が管理するアプリチャットルームにおけるユーザ識別情報を取得する処理と、ユーザ識別情報をアプリチャットルームから引き継いだ状態で、事業者のチャットボットまたはオペレータとユーザとが参加する事業者チャットルームを提供する処理と、事業者チャットルームにおいてやり取りされたチャットに関するチャットデータを事業者のサーバ装置に記憶する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
上記第1および第2の局面の構成によれば、アプリチャットルームを利用したコミュニケーションの利便性を維持しながら、ユーザと機密性の高い情報のやり取りを行うことが可能なサーバ装置およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態における事業者用システムの処理の概要を説明するための図である。
【
図2】
図2は、一実施形態における事業者用システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3(a)は、一実施形態における事業者用サーバ装置の構成を示すブロック図である。
図3(b)は、制御部の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、一実施形態におけるオペレータ端末の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、一実施形態におけるユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、一実施形態におけるアプリチャットルームに対応する画面の例を示す図である。
【
図7】
図7(a)は、一実施形態における第1チャットルームに対応する画面の例を示す図である。
図7(b)は、
図7(a)におけるチャット第1チャットルームにおける回答と質問の手順を説明するための図である。
【
図8】
図8は、一実施形態におけるオペレータ端末に表示される第2チャットルームに対応する画面の例を示す図である。
【
図9】
図9(a)は、一実施形態におけるユーザ端末に表示される通知画面の例を示す図である。
図9(b)は、一実施形態におけるユーザ端末に表示される第2チャットルームに対応する画面の例を示す図である。
【
図10】
図10(a)は、ユーザ端末に表示される入力フォームAに対応する画面(入力前の状態)の例を示す図である。
図10(b)は、ユーザ端末に表示される入力フォームAに対応する画面(入力後の状態)の例を示す図である。
【
図11】
図11は、一実施形態における入力フォームCによるカメラの起動の承認について説明するための図である。
【
図12】
図12(a)は、一実施形態における入力フォームCによるカメラの自動起動を説明するための図である。
図12(b)は、入力フォームCにおいて複数枚の撮影画像が要求される場合の例の図である。
【
図13】
図13は、一実施形態におけるオペレータ端末に表示される検索画面(検索前の状態)の例を示す図である。
【
図14】
図14は、一実施形態におけるオペレータ端末に表示される検索画面(検索後の状態)の例を示す図である。
【
図15】
図15は、一実施形態における事業者用システムの制御処理を示すシーケンス図である。
【
図16】
図16は、一実施形態の変形例による事業者用システムの表示部に表示される第1チャットルームおよび第2チャットルームの画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。また、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。
【0012】
[事業者用システムの概要]
図1は、本実施形態における事業者用システム100の処理の概要を説明するための図である。事業者用システム100は、チャットアプリ提供会社により提供されるアプリチャットルームR1におけるユーザ識別情報(UID)を、事業者自身の第1チャットルームR2または第2チャットルームR3に引き継いだ状態で、第1チャットルームR2または第2チャットルームR3においてユーザと事業者のオペレータまたはチャットBOTエンジンとがチャット(メッセージおよびデータのやり取り)を行うことを可能にする機能を有する。なお、第1チャットルームR2および第2チャットルームR3は、アプリチャットルームR1とは別個に設けられ、事業者とユーザとが参加する事業者チャットルームとして機能する。
【0013】
ここで、「事業者」は「チャットアプリ提供会社」とは別の者であり、事業者には、チャットアプリ提供会社は含まれない。また、事業者は、ユーザに商品や役務を提供する会社である。ここに開示する事業者用システムは、例えば、金融系企業、保険会社等のように、ユーザの個人情報や資産情報等をユーザとやりとりする事業者に適しているが、事業者の業種はこれらに限定されず、様々な業種の事業者が本開示の事業者用システムの運営主体となり得る。また、事業者は、営利企業に限られず、公共・公益団体でもよいし、学校法人、医療法人、宗教法人等であってもよい。なお、法人格のない各種団体や、官公庁等も事業者に含まれる。また、「機密性の高い情報」とは、不特定多数からのアクセスや第三者への開示が禁止されるべき、任意の情報を意味する。「機密性の高い情報」の例としては、これらに限定されないが、例えば、ユーザの個人情報(例えば、金融口座情報、収入額・支出額情報、免許証情報、住所・戸籍情報など)、ユーザと事業者との契約情報、営業秘密情報、技術情報、および、人または物の撮影画像などが挙げられる。また、「オペレータ」とは、事業者用システム100のオペレータ端末20を操作する者である。「オペレータ」の一例は、事業者に対してユーザから連絡や問い合わせ等があったときに、その受付業務を行う受付担当者である。しかし、「オペレータ」は受付担当者に限らず、事業者においてユーザとコミュニケーションをとる機会があり、かつ、機密性の高い情報を取り扱う権限を有する全ての者(例えば、営業担当者等)を含む。また、「オペレータ」は事業者の従業員に限らず、事業者の代理店または業務委託先の従業員を含む。
【0014】
チャットアプリ提供会社とは、コミュニケーションアプリ(メッセージ交換アプリ・チャットプラットフォームアプリ)を提供する事業を行う会社である。チャットアプリ(コミュニケーションアプリ・メッセージ交換アプリ)とは、例えば、LINEアプリ、プラスメッセージ、フェイスブックメッセンジャー、インスタグラム(ダイレクトメール機能)、ツイッター(ダイレクトメール機能)、カカオトークなどであるが、本開示におけるチャットアプリは上記に限られない。また、アプリチャットルームR1は、チャットアプリ提供会社のアプリ提供会社サーバ装置200により提供される。また、アプリチャットルームR1は、チャットアプリ提供会社が提供するアプリケーションソフトウェア(チャットアプリ)上で動作する。
【0015】
アプリチャットルームR1において、事業者の公式アカウントのチャットBOTエンジンは、ユーザとのチャットによるコミュニケーションを開始する。そして、アプリチャットルームR1におけるユーザの操作または回答内容に基づいて、ユーザと事業者とのコミュニケーションの場が、アプリチャットルームR1から、第1チャットルームR2または第2チャットルームR3に移行される。ここで、本実施形態では、第1チャットルームR2または第2チャットルームR3に移行する際に、アプリチャットルームR1におけるユーザ識別情報が引き継がれる。
【0016】
第1チャットルームR2において、例えば、事業者のチャットBOTエンジンがユーザとのチャットによるコミュニケーションを行う(応対する)。なお、本開示は、チャットBOTエンジンがユーザに応対することに限られず、事業者のオペレータ(人)が、第1チャットルームR2において、ユーザに応対してもよい。そして、第2チャットルームR3では、事業者のオペレータがユーザとチャットを行う。そして、第1チャットルームR2および第2チャットルームR3におけるチャットに関するデータ(チャットデータD1)は、事業者用サーバ装置10(
図2参照)に記憶される。また、第1チャットルームR2および第2チャットルームR3は、上記チャットアプリのアプリブラウザ上および上記チャットアプリに対して外部のブラウザ上の少なくとも一方で動作する。外部のブラウザとは、例えば、safari、firefox、Chrome、Edgeなどであるが、本開示は、これらに限られない。
【0017】
ここで、チャットデータD1は、第1チャットルームR2および第2チャットルームR3においてやり取りされたテキストデータ(チャットメッセージ)と、第2チャットルームR3においてユーザ端末30から送信された画像データ(静止画または動画)と、事業者から提示された入力フォームに対するユーザの回答情報と、各データを送受信した時刻の情報との少なくとも1つを含む。チャットデータD1には、例えば、ユーザと事業者との間でやりとりされるユーザの個人情報や契約情報等の、機密性の高い情報が含まれている。ここで、第1チャットルームR2および第2チャットルームR3は、チャットデータD1が事業者自身の事業者用サーバ装置10に記憶される点で、セキュリティ性が高い。
【0018】
上記構成によれば、チャットアプリ提供会社が提供するアプリチャットルームR1を事業者とユーザとが利用する場合でも、機密性が高い情報を扱う場面においては、ユーザ識別情報を引き継いだ状態で、アプリチャットルームR1から第1チャットルームR2または第2チャットルームR3にユーザを容易に移行させることができる。ユーザ識別情報を引き継ぐことにより、ユーザによって第1チャットルームR2または第2チャットルームR3を利用するためのアカウント登録等が不要となるので、ユーザの作業負担が軽減される。そして、第1チャットルームR2および第2チャットルームR3におけるチャットデータD1が事業者自身の事業者用サーバ装置10に記憶されるので、チャットデータD1がアプリ提供会社サーバ装置200に記憶される場合と異なり、ユーザと機密性の高い情報のやり取りを行うことができる。この結果、アプリチャットルームR1を利用したコミュニケーションの利便性を維持しながら、ユーザと機密性の高い情報のやり取りを行うことができる。
【0019】
[事業者システムの各部の構成]
図2は、本実施形態における事業者用システム100の概略構成を示すブロック図である。事業者用システム100は、ネットワークNを介して、事業者とユーザとが機密性の高い情報を含むデータのやり取りを行うための第1チャットルームR2および第2チャットルームR3の提供、および、この第1チャットルームR2および第2チャットルームR3おけるチャットデータD1の管理を行うためのシステムである。ネットワークNは、例えば、インターネット等の電気通信回線である。
【0020】
また、事業者用システム100は、事業者用サーバ装置10と、複数のオペレータ端末20とを含む。事業者用サーバ装置10は、ネットワークNを介して、複数のオペレータ端末20と複数のユーザ端末30との各々に通信可能に構成されている。事業者用サーバ装置10と複数のオペレータ端末20と複数のユーザ端末30とは、それぞれ、ネットワークNを介して、事業者用システム100に対して外部に設けられたアプリ提供会社サーバ装置200と通信可能に構成されている。
【0021】
ここで、事業者用サーバ装置10は、本開示では、事業者が物理的に占有するものであってもよいし、使用権を有するだけのものであってもよいが、当該サーバ内のデータの管理権限が原則的に事業者に限定されているものを意味している。また、事業者用サーバ装置10は、1つのサーバ装置により構成されていてもよいし、複数のサーバ群からなるクラウド上に構成される仮想サーバ(クラウドサーバ)により構成されていてもよい。例えば、事業者用サーバ装置10は、クラウドサーバを用いて、複数の事業者が共用してもよいし、クラウドサーバ上に、事業者ごとに各事業者用サーバ装置10が構成されていてもよい。言い換えると、クラウドサーバにおける事業者用システム100の製造(提供)者のドメインのサブドメインとして、各事業者の事業者用サーバ装置10が構成されていてもよい。いわゆる、SaaS(Software as a Service)として、事業者用システム100が提供されてもよい。また、クラウドサーバにおいて、事業者用システム100の利用する事業者ごとにドメインが設定されることにより、事業者用サーバ装置10が構成されていてもよい。すなわち、エンタープライズ型のサービスとして、事業者用システム100が提供されてもよい。
【0022】
図3(a)は、事業者用サーバ装置10の概略構成を示すブロック図である。
図3(b)は、制御部11の機能ブロック図である。事業者用サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを含む。制御部11は、プログラムを実行することにより制御処理を実行するプロセッサを含む。記憶部12には、データベース12aが構築されている。データベース12aには、チャットデータD1とユーザ識別情報とが関連付けられた状態で記憶されている。また、通信部13は、ネットワークNに無線または有線接続可能に構成されている通信インタフェースである。
【0023】
制御部11は、事業者用サーバ装置10における各制御処理を実行するように構成されている。具体的には、制御部11は、識別情報取得部、チャット提供部、表示制御部、および、検索処理部としての機能を有する。識別情報取得部は、アプリ提供会社サーバ装置200から、アプリチャットルームR1におけるユーザ識別情報を取得する。チャット提供部は、ユーザ識別情報をアプリチャットルームR1から引き継いだ状態で、第1チャットルームR2および第2チャットルームR3を提供する。表示制御部は、ユーザ識別情報に関する情報および入力フォームに対するユーザの回答結果を、オペレータ端末20の表示部23に表示させる。検索処理部は、データベース12aから、オペレータ端末20に対するオペレータによる入力操作に基づいて、ユーザ識別情報およびチャットデータD1の少なくとも一方を検索(抽出)する機能を有する。
【0024】
図4は、オペレータ端末20の概略構成を示すブロック図である。
図5は、ユーザ端末30の概略構成を示すブロック図である。複数のオペレータ端末20と複数のユーザ端末30とは、それぞれ、情報端末として構成されている。複数のオペレータ端末20および複数のユーザ端末30は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット型情報端末、パーソナルコンピュータ、IoTデバイスである。一例としては、オペレータ端末20は、パーソナルコンピュータであり、ユーザ端末30は、スマートフォンである。なお、
図2では、オペレータ端末20およびユーザ端末30をそれぞれ2つ図示しているが、オペレータ端末20およびユーザ端末30の数はこれに限られない。
【0025】
図4に示すように、複数のオペレータ端末20の各々は、制御部21と、操作部22と、表示部23と、通信部24とを含む。制御部21は、オペレータ端末20における各制御処理を実行するように構成されている。また、制御部21は、プログラムを実行することにより制御処理を実行するプロセッサを含む。操作部22は、オペレータによる入力操作を受け付けるように構成されている。例えば、操作部22は、キーボード、マウス、タッチパネル、マイクロフォン、および、カメラのうちの少なくとも1つを含む。表示部23は、例えば、液晶または有機ELディスプレイであり、制御部21の指令に基づいて、画像を表示するように構成されている。通信部24は、ネットワークNに無線または有線接続可能に構成されている通信インタフェースである。なお、操作部22は、タッチパネルとして構成されている場合、表示部23を兼ねてもよい。
【0026】
図5に示すように、複数のユーザ端末30の各々は、制御部31と、タッチパネル32と、カメラ33と、記憶部34と、通信部35とを含む。制御部31は、ユーザ端末30における各制御処理を実行するように構成されている。また、制御部31は、プログラムを実行することにより制御処理を実行するプロセッサを含む。タッチパネル32は、ユーザによる入力操作を受け付けるとともに、画像を表示するように構成されている。また、カメラ33は、ユーザによるタッチパネル32に対する入力操作に基づいて、画像を撮影するように構成されている。記憶部34は、撮影された画像データを記憶するように構成されている。通信部35は、ネットワークNに無線または有線接続可能に構成されている通信インタフェースである。
【0027】
また、複数のオペレータ端末20および複数のユーザ端末30の各々には、ブラウザ用ソフトウェア(例えば、Webブラウザ)がインストールされている。そして、複数のオペレータ端末20および複数のユーザ端末30の各々は、事業者用サーバ装置10にアクセスすることにより、ブラウザ上で、事業者用サーバ装置10が提供する画面(
図7~
図14参照)を表示するように構成されている。
【0028】
(アプリチャットルームの画面例)
図6は、アプリチャットルームR1に対応する画面P1の例を示す図である。複数のオペレータ端末20および複数のユーザ端末30の各々には、アプリ提供会社サーバ装置200が提供するアプリチャットルームR1を利用するためのアプリケーションソフトウェアがインストールされている。このアプリケーションソフトウェアにより、ユーザ端末30は、アプリチャットルームR1に対応する画面P1を表示する。
【0029】
また、アプリ提供会社サーバ装置200には、ユーザごとに設定されたユーザ識別情報(
図2参照)が記憶されている。アプリ提供会社サーバ装置200には、ユーザ識別情報およびユーザ識別情報に付随された情報として、ユーザ名(チャットアプリ上の表示名)、携帯電話番号およびプロフィール画像(アイコン画像)、ステータスメッセージなどの情報が記憶されている。また、アプリ提供会社サーバ装置200には、事業者がアプリチャットルームR1に参加する際に使用される情報である事業者識別情報(
図2参照)が記憶されている。
【0030】
アプリ提供会社サーバ装置200は、事業者とユーザとが参加するアプリチャットルームR1を提供する。すなわち、アプリ提供会社サーバ装置200は、ユーザ識別情報と事業者識別情報とに基づいて、ユーザ識別情報と事業者識別情報(例えば、事業者公式アカウントなど)とに対応するアプリチャットルームR1を生成する。例えば、ユーザ端末30により、チャットアプリ上で事業者(事業者アカウント)がチャット相手としての承認された場合に、アプリ提供会社サーバ装置200は、アプリチャットルームR1を生成する。
【0031】
図6に示すように、ユーザ端末30のタッチパネル32には、アプリチャットルームR1に対応する画面P1が表示される。画面P1には、最初に、事業者アカウントからのメッセージP1eが表示される。なお、
図5には図示していないが、ユーザが何らかのメッセージを入力すると、そのメッセージも画面P1に表示される。
図6の例では、事業者アカウントからの「ご用件を選んで下さい」とのメッセージと共に、選択肢としてのアイコンP1a、P1b、P1cおよびP1dも表示されている。
【0032】
アイコンP1a、P1b、P1cおよびP1dの各々には、リソースの位置を特定するための情報が関連付けられている。例えば、アイコンP1a、P1b、P1cおよびP1dの各々には、互いに異なるURL(Uniform Resource Locator)が関連付けられている。そして、ユーザ端末30は、ユーザによりタッチ操作されたアイコンに対応するURLに基づいて、事業者用サーバ装置10に接続するように構成されている。なお、
図6では、アイコンの数を4つ示しているが、アイコンの数を3つ以下または5つ以上としてもよい。なお、URLは、アイコンに対応付けることに限られず、URLをタッチパネル32にハイパーリンクとして表示してもよいし、URLの情報を含むQRコード(登録商標)をタッチパネル32に表示してもよい。
【0033】
図6の例では、矩形状のアイコンP1a「相談」、P1b「資料請求」、P1c「契約変更」およびP1d「その他」がタッチパネル32に表示される。なお、
図6の例では、URLは、タッチパネル32には表示されない。例えば、アイコンP1a「相談」またはアイコンP1b「資料請求」がユーザによりタッチ操作された場合、ユーザ端末30は、アイコンP1a「相談」、P1b「資料請求」の各々に対応する第1チャットルームR2にアクセスする。また、アイコンP1c「契約変更」またはアイコンP1d「その他」がユーザによりタッチ操作された場合、ユーザ端末30は、事業者用サーバ装置10における第2チャットルームR3にアクセスする。
【0034】
(第1チャットルームの画面例)
事業者用サーバ装置10は、第1チャットルームR2を提供する。第1チャットルームR2では、アプリチャットルームR1に比べて、機密性の高い情報(個人情報等)を取り扱う一方、第2チャットルームR3に比べて、簡易なやり取り(質問と選択肢の選択)が行われる。本実施形態では、第1チャットルームR2を、URLの各々に対応するチャットBOTエンジンがユーザに応対する例を示しているが、オペレータ(人)がユーザにメッセージの送信等を行ってもよい。また、
図1では、第1チャットルームR2を1つのみ図示しているが、本開示はこれに限られず、複数設けられていてもよい。例えば、第1チャットルームR2は、事業者の拠点(営業所・事業所)ごと、または、担当者ごとに、第1チャットルームR2(チャットBOTエンジン)が設けられていてもよい。
【0035】
チャットBOTエンジンは、アプリチャットルームR1から移行してきたユーザに対してメッセージの送信および選択肢を提示する。また、事業者用サーバ装置10は、第1チャットルームR2に参加するユーザに対応するユーザ識別情報(UID)をアプリ提供会社サーバ装置200から取得するように構成されている。詳細には、事業者用サーバ装置10は、アプリ提供会社サーバ装置200にユーザ識別情報を要求する要求指令を送信する。そして、アプリ提供会社サーバ装置200は、要求指令に応じて、ユーザ識別情報を事業者用サーバ装置10に送信する。例えば、事業者用サーバ装置10は、アプリ提供会社サーバ装置200からユーザ識別情報に付随するユーザ名(アプリサービス上の名前)、アイコン画像(
図8のP3bなど)、ステータスメッセージ等を取得する。そして、事業者用サーバ装置10は、取得したユーザ識別情報等を記憶部12のデータベース12a(
図2参照)に記憶する。
【0036】
図7(a)および
図7(b)は、ユーザが
図6において「相談」のアイコンP1aを選択した場合の、第1チャットルームR2に対応する画像P2の例を示す図である。ユーザ端末30のタッチパネル32には、第1チャットルームR2に対応する画像P2が表示される。チャットBOTエンジンは、ユーザによる回答結果に基づいて、提示する選択肢を決定する。
【0037】
例えば、
図7(a)に示すように、まず、タッチパネル32には、「相談」の内容をさらに選択するための選択肢P2aが表示される。なお、タッチパネル32には、チャットBOTエンジンからのメッセージP2c(「相談内容を選んで下さい」)も表示される。そして、タッチパネル32の選択肢P2aに対するユーザの操作(回答結果)に基づいて、
図7(b)に示すように、タッチパネル32には、新たな選択肢P2bが表示される。例えば、
図7(a)の例における「ご相談内容」の選択肢「新規ご契約」、「ご契約内容の変更」、「ご契約内容の照会」および「その他」のうち、「ご契約内容の変更」がユーザによりタッチされた場合、チャットBOTエンジンにより、
図7(b)に示すように、「ご契約内容の変更」に対する新たな選択肢である「住所・電話番号の変更」および「契約プランの変更」が表示される。そして、チャットBOTエンジンからの選択肢の表示とユーザによる回答とが繰り返されることにより、受付内容が確定される。なお、選択肢は1つまたは複数のいずれであってもよいし、質問と回答とは1回または複数回のいずれであってもよい。また、第1チャットルームR2において、選択肢からの選択をさせるだけでなく、チャットBOTエンジンからユーザに対して、個人情報等を入力するためのフォーム等を提示しても良い。例えば、
図7(a)および
図7(b)に示す例では、ユーザが事業者との契約内容(具体的には、住所または電話番号)の変更を希望している。図示を省略しているが、この場合、第1チャットルームR2において、チャットBOTエンジンが、変更後の住所や電話番号等をユーザに入力させるフォームを提示し、そのフォームに入力することで、ユーザの住所や電話番号が取得される。また、同様に図示を省略しているが、第1チャットルームR2に移行した後の適切なタイミングにおいて、事業者に登録されている「お客様番号」や「契約番号」等をユーザに入力させるようにしても良い。これらの情報は機密性の高い情報に該当するので、アプリ提供会社のアプリチャットルームR1ではなく、第1チャットルームR2において取り扱うことが適切である。
【0038】
(第2チャットルームの画面例)
図8は、オペレータ端末20における第2チャットルームR3に対応する画面P3の例を示す図である。
図9(b)、
図10(a)および
図10(b)は、ユーザ端末30における第2チャットルームR3に対応する画面P4の例を示す図である。また、
図1では、第2チャットルームR3を1つのみ図示しているが、本開示はこれに限られない。すなわち、第2チャットルームR3は、複数設けられていてもよい。例えば、第2チャットルームR3は、事業者の拠点(営業所・事業所)ごと、または、担当者ごとに、第2チャットルームR3が設けられていてもよい。
【0039】
事業者用サーバ装置10は、第1チャットルームR2において確定された受付内容、または、アプリチャットルームR1におけるユーザの回答情報に基づいて、ユーザの移行先(誘導先)となる第2チャットルームR3が決定される。例えば、この時、事業者用サーバ装置10に登録されているオペレータの中から、ユーザに対応する担当者が決定されてもよい。なお、決定される担当者は、1名に限られず、複数名のグループが担当グループとして決定されてもよい。そして、事業者用サーバ装置10は、移行先となる第2チャットルームR3においてユーザに応対するオペレータ(担当者)のオペレータ端末20に、第2チャットルームR3に対応するURLの情報を含む電子メールを送信するか、オペレータ端末20の表示部23の画面上に通知R3a(プッシュ通知)(
図8参照)を表示させる。例えば、通知R3aは、「要対応」の文字と、通知を取得した日時と、ユーザ名「けいた」を含む。また、電子メールとプッシュ通知とは、これら両方を行うように事業者用サーバ装置10が構成されていてもよいし、いずれか一方のみを行うように構成されていてもよい。
【0040】
具体的には、オペレータ端末20は、事業者用サーバ装置10からの電子メールまたは通知R3aを取得した後、オペレータによる操作部22に対する操作に基づいて、事業者用サーバ装置10の第2チャットルームR3にアクセスするように構成されている。担当グループが決定されている場合は、担当グループのうちのいずれかのオペレータがオペレータ端末20を操作することにより、このオペレータ端末20が事業者用サーバ装置10の第2チャットルームR3にアクセスするように構成されている。例えば、
図8の例では、画面P3上の左側の部分に、オペレータが担当するユーザのリストが表示されている。ユーザのリストのうちのユーザ名「花子」がオペレータによる操作部22に対する操作が行われた場合、画面P3の中央部に、ユーザ名「花子」との第2チャットルームR3が表示される。また、画面P3の上側の部分に、ユーザ名とプロフィール画像P3bとが表示される。また、画面P3の上側の部分に、第1チャットルームR2において回答された情報である「お客様番号」および「電話番号」が表示される。また、画面P3の右側の部分に、ステータス情報P3c、担当グループ情報P3d、タグP3e、入力フォーム回答情報P3f、および、担当者(オペレータ)の名前(例えば、「一郎」)が表示される。
【0041】
図9(a)は、ユーザ端末30のタッチパネル32に表示される通知画面の一例である。第2チャットルームR3においてオペレータによりメッセージが入力された場合、アプリ提供会社サーバ装置200を介して、第2チャットルームR3に参加するユーザに対してメッセージが入力されたことを示す通知が送信される。なお、後述する入力フォームが挿入された場合にも、通知が送信される。具体的には、タッチパネル32に「新着メッセージを受信しました」等のメッセージP1fと、「チャットへ移行」等の第2チャットルームR3へ移行するためのアイコンP1gとが表示される。アイコンP1gには、第2チャットルームR3に対応するURLが関連付けられている。ユーザがアイコンP1gを操作すると、
図9(b)に示す第2チャットルームR3の画面がタッチパネル32に表示される。
【0042】
図9(b)に示すように、ユーザ端末30のタッチパネル32に、第2チャットルームR3の画像P4aが表示される。第2チャットルームR3では、例えば、ユーザからのメッセージとオペレータからのメッセージとが時系列(例えば、上下)に並んで表示される。詳細には、第2チャットルームR3では、ユーザのプロフィール画像P3bと共にユーザにより入力されたテキストデータと送信日時とが互いに近接した表示と、オペレータにより入力されたテキストデータと送信日時とが互いに近接した表示とを含む。また、オペレータからのメッセージには、入力フォームを挿入したことを示す表示が含まれる。また、ユーザからのメッセージには、入力フォームに回答したことを示す表示が含まれる。なお、入力フォームの詳細は、後述する。
【0043】
また、
図8に示すように、表示部23には、第2チャットルームR3に加えて、ユーザ名およびプロフィール画像P3bが表示されるので、オペレータは、ユーザ名およびプロフィール画像P3bを確認しながら、第2チャットルームR3においてユーザとチャットを行うことができる。この結果、チャット中のユーザの誤認を抑制できるので、第2チャットルームR3におけるセキュリティ性を向上させることができる。
【0044】
ステータス情報P3cとしては、選択されたユーザ(例えば、「花子」)との第2チャットルームR3が開設されている場合、例えば、「対応中」が、表示部23に表示される。なお、選択されたユーザとの第2チャットルームR3が開設されていない場合、ステータス情報P3cとして、例えば、「対応開始前」が、表示部23に表示される。
【0045】
タグP3eは、選択されたユーザ(例えば、「花子」)に対して任意に設定されたタグの画像である。タグP3eの追加、変更および削除は、オペレータによる操作部22に対する操作により行われる。
【0046】
ここで、事業者用サーバ装置10は、チャットデータD1に対してユーザ端末30がアクセス可能な期間を、所定の期間(例えば、数十日)に制限するように構成されている。すなわち、チャットデータD1が生成された時点から所定の期間が経過した後には、ユーザ端末30がチャットデータD1にアクセスできないように、事業者用サーバ装置10は制御する。ここで、ユーザと事業者とのやり取りが終了した後でかつアクセスが不要な時期にも、ユーザ端末30がアクセスできる場合には、ユーザ以外の者がユーザ端末30を用いてアクセスする場合や、ユーザが事業者とのやり取り以外の目的を持ってアクセスする場合が生じる可能性がある。これに対して、上記のように制限すれば、ユーザ以外の者がユーザ端末30を用いてアクセスすることや、ユーザが事業者とのやり取り以外の目的を持ってアクセスする可能性を低減することができるので、チャットデータD1に対するセキュリティ性を向上させることができる。
【0047】
また、データベース12aには、複数のユーザ識別情報の各々に対応したチャットデータD1が格納されている。この構成によれば、データベース12aを用いて、ユーザ識別情報とチャットデータD1とを容易に管理することができる。詳細には、データベース12aでは、ユーザ識別情報ごとに、第2チャットルームR3が開設済みか否かを表すフラグが付けられている。そして、表示部23には、第2チャットルームR3が開設される前のユーザのリストの画像P3gと、第2チャットルームR3が開設された後のユーザのリストの画像P3hとが表示される。
【0048】
また、第2チャットルームR3が開設された後のユーザのリストの画像P3hのうち、オペレータによるチャットの返信が必要とされるユーザ名の近傍に、チャットの返信が必要であることを示す表示P3i(例えば、「要返信」)が表示される。
【0049】
(入力フォームの例)
事業者用サーバ装置10(制御部11)は、第2チャットルームR3においてユーザが情報を入力するための入力フォームを生成するように構成されている。ここで、入力フォームとは、オペレータによって予め設定された所定の形式に沿った機密性の高い情報に関する質問項目である。この構成によれば、入力フォームを用いることにより、事業者(オペレータ)が第2チャットルームR3において逐次質問する手間を省くことができるので、事業者(オペレータ)の作業負担を軽減することができる。
【0050】
具体的には、
図8に示すように、表示部23には、第2チャットルームR3に挿入される入力フォームを選択するためのアイコンP3jが表示される。例えば、入力フォームAは、ユーザの口座情報を取得するための質問項目である。詳細には、入力フォームAには、ユーザの氏名、住所、銀行名、支店名、および、口座番号などが含まれる。入力フォームBは、ユーザの免許証情報を取得するための質問項目である。詳細には、入力フォームBには、ユーザの氏名、住所、有効期限、免許の種類情報、免許証番号、および、免許証画像などが含まれる。また、入力フォームCは、車体の情報を取得するための質問項目である。詳細には、入力フォームCには、ナンバープレートの番号および車体の状態(損傷状態)を示す画像などが含まれる。なお、入力フォームは、上記の例に限られない。
【0051】
そして、オペレータ端末20は、アイコンP3jがオペレータにより選択された場合、選択されたアイコンP3jに対応する入力フォームを、事業者用サーバ装置10を介して、ユーザ端末30に送信する。
【0052】
図10(a)に示すように、ユーザ端末30のタッチパネル32には、入力フォームの内容を示す画像P4bが表示される。例えば、入力フォームA(口座情報取得フォーム)の場合、ユーザ端末30は、ユーザにより入力されたテキストデータ(お名前、住所、銀行名、支店名、口座番号等)を取得することを行うように構成されている。また、入力フォームB(免許証情報取得フォーム)の場合、ユーザ端末30は、ユーザにより入力されたテキストデータ(氏名、有効期限、免許証番号等)を取得すること、カメラ33を起動させて免許証画像を取得(撮影)すること、および、記憶部34から免許証画像を読み出すことのうちの少なくとも1つを行うように構成されている。
【0053】
そして、
図10(b)に示すように、ユーザ端末30は、入力フォームに対するユーザの回答情報が入力されたことに基づいて、入力フォームに対するユーザの回答情報を、事業者用サーバ装置10に送信する。事業者用サーバ装置10は、ユーザ識別情報と入力フォームに対するユーザの回答情報とを関連付けたデータを記憶部12のデータベース12aに記憶する。
【0054】
そして、
図8に示すように、オペレータ端末20の表示部23に、入力フォーム回答情報P3fが表示される。この構成によれば、事業者(オペレータ)は、入力フォームに対するユーザの回答情報を視認しながら、第2チャットルームR3においてチャットを行うことができる。
【0055】
図11、
図12(a)および
図12(b)のように、入力フォームC(車体情報取得フォーム)の場合、カメラ33がユーザ端末30のブラウザ上で自動的に起動する。例えば、カメラ33は、上記した外部ブラウザ上で起動する。
図11は、タッチパネル32に表示されるユーザに対してカメラ33を起動することの承認を得るための画面の例を示している。例えば、
図11に示すように、タッチパネル32上に、「カメラを起動してもよろしいでしょうか」や図示しないが、「第2チャットルームは、カメラのアクセスを要求しています」等のメッセージと、「承認」ボタンと「拒否」ボタンが表示される。そして、
図11に示すように、タッチパネル32上の「承認」がユーザによりタッチされると、
図12(a)のように、カメラ33がユーザ端末30のアプリ外部のブラウザ上で自動的に起動する。なお、タッチパネル32上の「拒否」がユーザによりタッチされた場合、カメラ33は起動されずに、オペレータとのチャットの画面に戻る。なお、本開示では、ユーザに対してカメラ33を起動することの承認を得ずに、自動的にカメラ33を起動してもよい。
【0056】
図12(a)に示すように、タッチパネル32上には、案内メッセージとガイドGとが表示される。例えば、タッチパネル32上には、「ガイドに車体を合わせてください」という案内メッセージが表示されるとともに、カメラ33により映されている画像と、ガイドGとが表示される。また、複数枚の撮影画像が必要な場合は、
図12(b)のように、1枚目の画像の撮影後に、新たに案内メッセージとガイドGとがタッチパネル32に表示される。撮影された画像や入力された情報は、ユーザ端末30から事業者用サーバ装置10に送信される。事業者用サーバ装置10は、撮影された画像をチャットデータD1の一部として記憶部12のデータベース12aに記憶する。この構成によれば、カメラ33が自動的に起動するので、ユーザがカメラ33を起動させるためのユーザ端末30への操作が不要になるとともに、事業者用サーバ装置10はユーザ端末30から撮影された画像を容易に取得することができる。この結果、ユーザの作業負担が軽減するとともに、オペレータ自身がユーザに対してカメラ33による撮影および画像の送付を詳細に案内する必要がなくなるので、撮影された画像を取得するためのオペレータの作業負担を軽減することができる。また、ユーザは、タッチパネル32に表示されたガイドGに基づいて、対象物(車体)を撮影すればよいので、容易に適切な画像を撮影することができる。この結果、ユーザによる画像の撮影の取り直し等を抑制することができるので、ユーザの作業負担を軽減することができる。そして、適正な撮影方法(適正な撮影角度や対象の撮影位置)により撮影が行われるので、撮影された画像を精度の高い状況把握に使うことができる。さらに、AIや、画像認識技術向上のために、撮影された画像を学習用のデータとして使う場合には、不適正な撮影となる可能性が低いので、有用なデータとして使うことができる。
【0057】
(検索画面の例)
図13は、オペレータ端末20における検索画面の例を示す図である。事業者用サーバ装置10は、オペレータ端末20の操作部22に対するオペレータによる操作に基づいて、チャットデータD1を検索する機能を有する。具体的には、オペレータ端末20は、表示部23には検索画面P5を表示するように構成されている。そして、オペレータ端末20は、ユーザ名等を検索キーワードP5aとして、過去のチャットメッセージ等を検索することができる。検索キーワードとしては、例えば、ユーザ名に加えて、担当者(オペレータ)が属するグループ、第2チャットルームR3(または第1チャットルームR2)を開設した日時、第2チャットルームR3(または第1チャットルームR2)を更新した日時、および、その他フリーワードである。また、オペレータにより、「ステータス」の項目が選択された場合、検索範囲が選択されたステータスに絞り込まれる。例えば、「対応中」が選択された場合、ステータスが「対応中」のユーザのみから検索が行われる。そして、事業者用サーバ装置10は、検索キーワードP5aおよびステータスに対応するチャットデータD1をデータベース12aから読み出す(抽出する)とともに、このチャットデータD1をオペレータ端末20に送信する。
【0058】
そして、
図14に示すように、オペレータ端末20は、表示部23に検索結果画像P5bを表示するように構成されている。例えば、検索結果画像P5bは、読み出されたチャットデータD1として、第2チャットルームR3(または第1チャットルームR2)を開設した日時である「開設日時」、「更新日時」、「ステータス」、「問い合わせ内容」、「担当(オペレータ)グループ」、「担当者(オペレータ名)」、「ユーザ名」、「電話番号」、「最新メッセージ」、「メモ」、「ユーザ氏名」、入力フォームに対する「回答1」、入力フォームに対する「回答2」、入力フォームに対する「回答3」等を、一覧表示する画像である。また、オペレータ端末20は、読み出されたチャットデータD1が複数存在する場合には、検索結果画像P5bを複数並べて表示部23に表示する。
【0059】
[事業者用システムの制御処理について]
次に、
図15を参照して、本実施形態による事業者用システム100の制御処理について説明する。
図15は、事業者用システム100の制御処理に関するシーケンス図である。なお、説明の都合上、事業者用システム100の制御処理に加えて、アプリ提供会社サーバ装置200の制御処理についても説明する。また、
図15では、ユーザ端末30およびオペレータ端末20は、それぞれ、1つ示しているが、複数あってもよい。
【0060】
ステップS31において、ユーザによるユーザ端末30の操作に基づいて、事業者アカウントがチャット相手として承認される。ステップS41において、アプリ提供会社サーバ装置200が提供するアプリチャットルームR1(
図6参照)において、ユーザと事業者とがやり取りを行う。
【0061】
ステップS32において、ユーザ端末30が、事業者用サーバ装置10のアイコンに対応するURLにアクセスする。そして、ステップS1において、事業者用サーバ装置10からアプリ提供会社サーバ装置200に、ユーザ識別情報(UID)等を要求する要求指令が送信される。ステップS42において、アプリ提供会社サーバ装置200から事業者用サーバ装置10に、ユーザ識別情報等が送信される。なお、アクセスされたURLに対応して、ステップS2またはステップS4に進む。
【0062】
ステップS2において、第1チャットルームR2(
図7(a)および
図7(b))において、事業者のチャットBOTエンジンまたはオペレータがユーザに応対する。例えば、第1チャットルームR2において、チャットBOTエンジンにより質問(選択肢の提示)され、ユーザにより回答(選択肢の選択)される。また、第1チャットルームR2におけるチャット内容や送信されたデータは、逐次事業者用サーバ装置10の記憶部12に記憶される。そして、ステップS3において、第1チャットルームR2におけるやり取りに基づいて、受付内容が確定する。例えば、第1チャットルームR2からいずれの第2チャットルームR3にユーザを誘導させるかが確定される。
【0063】
ステップS4において、事業者用サーバ装置10からオペレータ端末20に通知が行われる。例えば、オペレータ端末20に、ユーザが誘導される先の第2チャットルームR3における対応をオペレータに要求する指令が送信される。ステップS21において、オペレータによるオペレータ端末20に対する開設操作(
図8のリスト中のユーザを選択する操作)が行われる。
【0064】
ステップS5において、事業者用サーバ装置10により、第2チャットルームR3(
図8および
図9(b))が開設される。ステップS22において、オペレータ端末20から事業者用サーバ装置10に、メッセージが送信される。ここで、事業者用サーバ装置10からメッセージが送信された際、ステップS6において、アプリ提供会社サーバ装置200にメッセージを送信したことを示す通知が行われる。なお、この通知には、機密性の高い情報は含まれない。ステップS43において、ユーザ端末30に事業者用サーバ装置10からメッセージが送信されたことを示す通知(
図9(a)参照)が送信される。これにより、ユーザが一旦、第2チャットルームR3に対応するブラウザの動作を停止させていた場合でも、アプリチャットルームR1を介して、事業者用サーバ装置10からメッセージが送信されたことをユーザは認識することが可能となる。そして、ステップS33において、ユーザ端末30が第1チャットルームR2にアクセスし、再び、事業者とユーザとのチャットが行われる。また、第2チャットルームR3におけるチャット内容や送信されたデータは、逐次事業者用サーバ装置10の記憶部12に記憶される。
【0065】
ステップS23において、オペレータによる操作に基づいてオペレータ端末20から入力フォームCが第2チャットルームR3に入力される。そして、入力フォームCが第2チャットルームR3に入力されたことを示す通知がユーザ端末30に送信される(ステップS9およびS44)。ここで、入力フォームCにおいて、カメラ33が自動で起動される設定となっている場合、ステップS34において、カメラが起動することをユーザに承認を求める表示(
図11参照)が行われ、ユーザが承認を行う。そして、ステップS35において、カメラ33が自動で起動する。そして、ステップS36において、ユーザが対象物を撮影した後、撮影された画像を含む入力フォームCの回答結果がユーザ端末30から事業者用サーバ装置10に送信される。これにより、オペレータは、入力フォームCの回答結果を取得することができる。なお、
図15では、説明のために、入力フォームCを送信する例が記載されているが、本開示はこれに限られない。すなわち、入力フォームC以外の入力フォームが送信されてもよいし、入力フォームの送信が不要であるとオペレータが判断すれば、入力フォームは送信されなくてもよい。そして、事業者用サーバ装置10により、第2チャットルームR3における入力フォームの回答結果を含むチャットデータD1とユーザ識別情報とが関連付けた状態で記憶部12(データベース12a)に記憶される。
【0066】
これにより、アプリチャットルームR1を利用したコミュニケーションの利便性を維持しながら、ユーザと機密性の高い情報のやり取りを行うことができる。なお、チャットデータD1を記憶部12に記憶するタイミングについて、チャットデータD1の生成または送受信の際に都度、チャットデータD1が記憶部12に記憶されてもよいし、オペレータによる記憶させる操作に基づいて、チャットデータD1が記憶部12に記憶されてもよい。
【0067】
[変形例]
以上、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0068】
(1)上記実施形態では、事業者用サーバ装置10をクラウドサーバとして構成する例を示したが、この例に限られない。例えば、事業者用サーバ装置10をオンプレミスサーバとして構成してもよい。
【0069】
(2)上記実施形態では、第1チャットルームR2および第2チャットルームR3の両方を設ける例を示したが、この例に限られない。例えば、第1チャットルームR2を設けずに、アプリチャットルームR1から直接、第2チャットルームR3に移行するように事業者用サーバ装置10を構成してもよいし、第2チャットルームR3を設けずに、アプリチャットルームR1から第1チャットルームR2のみに移行するように事業者用サーバ装置10を構成してもよい。
【0070】
(3)上記実施形態では、第2チャットルームR3において、一人のユーザと一人のオペレータとが参加する例を示したが、この例に限られない。例えば、第2チャットルームR3に、一人のユーザと複数人のオペレータとが参加してもよいし、複数人のユーザと一人のオペレータとが参加してもよいし、複数人のユーザと複数人のオペレータとが参加してもよい。
【0071】
(4)上記実施形態では、
図8に示すように、第2チャットルームR3におけるチャット内容と、プロフィール画像P3bとを同一画面上に表示する例を示したが、この例に限られない。すなわち、第2チャットルームR3におけるチャット内容と、プロフィール画像P3bとを別画面に表示してもよい。
【0072】
(5)上記実施形態では、
図8、
図10~
図12に入力フォームの例を示したが、この例に限られない。すなわち、入力フォームは、口座情報、免許証情報および車体情報以外の情報を入力させるフォームであってもよい。
【0073】
(6)上記実施形態では、
図8のように、第2チャットルームR3と、入力フォーム回答情報P3fとを互いに別の部分に表示するように事業者用サーバ装置10を構成する例を示したが、この例に限られない。すなわち、第2チャットルームR3の画面内に入力フォームに対するユーザの回答情報が表示されるように事業者用サーバ装置10を構成してもよい。
【0074】
(7)上記実施形態では、ユーザが操作するユーザ端末30からのアイコンに対する操作に応じて、事業者用サーバ装置10がアプリ提供会社サーバ装置200からユーザ識別情報を取得する例を示したが、この例に限られない。すなわち、ユーザの操作に関わらず、定期的に、事業者用サーバ装置10がアプリ提供会社サーバ装置200からユーザ識別情報を取得してもよい。
【0075】
(8)上記実施形態では、第2チャットルームR3においてオペレータがメッセージまたは入力フォームを送信した場合に、アプリ提供会社サーバ装置200を介して、ユーザに対してメッセージが入力されたことを示す通知が送信される例を示したが、この例に限られない。例えば、オペレータがメッセージまたは入力フォームを送信した場合に、事業者用サーバ装置10から直接ユーザ端末30に通知が送信されてもよいし、オペレータ端末20からユーザ端末30に通知が送信されてもよい。
【0076】
また、上述したサーバ装置およびプログラムは、以下のように説明することができる。
【0077】
第1の構成に係るサーバ装置は、チャットアプリ提供会社のアプリ提供会社サーバ装置と通信可能に構成された、事業者のサーバ装置であって、アプリ提供会社サーバ装置から、当該アプリ提供会社サーバ装置が管理するアプリチャットルームにおけるユーザ識別情報を取得する識別情報取得部と、ユーザ識別情報をアプリチャットルームから引き継いだ状態で、事業者のチャットボットまたはオペレータとユーザとが参加する事業者チャットルームを提供するチャット提供部と、事業者チャットルームにおいてやり取りされたチャットに関するチャットデータを記憶する記憶部と、を備える(第1の構成)。
【0078】
上記第1の構成によれば、チャットアプリ提供会社が提供するアプリチャットルームを事業者とユーザとが利用する場合でも、機密性が高い情報を扱う場面においては、ユーザ識別情報を引き継いだ状態で、アプリチャットルームから事業者チャットルームにユーザを容易に移行させることができる。そして、事業者チャットルームにおけるチャットデータが事業者自身の記憶部に記憶されるので、チャットデータがアプリ提供会社サーバ装置に記憶される場合と異なり、ユーザと機密性の高い情報のやり取りを行うことができる。この結果、アプリチャットルームを利用したコミュニケーションの利便性を維持しながら、ユーザと機密性の高い情報のやり取りを行うことができる。
【0079】
第1の構成において、記憶部には、ユーザ識別情報とチャットデータとが関連付けられたデータベースが構築されていてもよい(第2の構成)。
【0080】
上記第2の構成によれば、データベースを用いて、ユーザ識別情報とチャットデータとを管理することができる。
【0081】
第2の構成において、データベースから、事業者のオペレータ端末に対するオペレータによる入力操作に基づいて、ユーザ識別情報およびチャットデータの少なくとも一方を検索する、検索処理部をさらに備えてもよい(第3の構成)。
【0082】
上記第3の構成によれば、データベースからユーザ識別情報およびチャットデータの少なくとも一方をオペレータが使用する際に、容易に検索することができる。
【0083】
第1~第3のいずれか1つの構成において、チャット提供部を、事業者チャットルームにおいてオペレータによりメッセージが入力されたことに基づいて、アプリ提供会社サーバ装置を介して、事業者チャットルームに参加するユーザに対してメッセージが入力されたことを示す通知を送信するように構成してもよい(第4の構成)。
【0084】
上記第4の構成によれば、事業者チャットルーム用の専用のアプリを、ユーザの端末にインストールすることなく、アプリ提供会社のアプリを使用して、ユーザにオペレータからメッセージが入力されたことを通知することができる。また、ユーザがオペレータからのメッセージに気付かない状態になるのを抑制することができるので、チャット(ユーザの相談)を迅速に進めることができる。
【0085】
第1~第4のいずれか1つの構成において、ユーザ識別情報に関する情報を、事業者のオペレータ端末に表示させる表示制御部をさらに備えてもよい(第5の構成)。
【0086】
上記第5の構成によれば、事業者のオペレータ端末を操作する事業者のオペレータは、ユーザ識別情報に関する情報を確認しながら、事業者チャットルームにおいてチャットを行うことができる。この結果、事業者(オペレータ)は、チャット中のユーザを誤認することを抑制することができるので、事業者チャットルームにおけるセキュリティ性を向上させることができる。
【0087】
第1~第5の構成のいずれか1つにおいて、チャット提供部は、事業者チャットルームにおいてユーザが情報を入力するための入力フォームを生成するとともに、入力フォームに対するユーザの回答情報を取得し、記憶部は、ユーザ識別情報と入力フォームに対するユーザの回答情報を含むチャットデータとを関連付けて記憶するように構成されていてもよい(第6の構成)。
【0088】
上記第6の構成によれば、入力フォームを用いることにより、事業者(オペレータ)が事業者チャットルームにおいて逐次質問する手間を省くことができるので、事業者(オペレータ)の作業負担を軽減することができる。
【0089】
第6の構成において、入力フォームに対するユーザの回答情報を、事業者のオペレータ端末に表示させる表示制御部をさらに備えてもよい(第7の構成)。
【0090】
上記第7の構成によれば、事業者用端末を操作する事業者のオペレータは、入力フォームに対するユーザの回答情報を確認しながら、事業者チャットルームにおいてチャットを行うことができる。
【0091】
第1~第7の構成のいずれか1つにおいて、チャット提供部を、事業者のオペレータ端末上におけるチャットルーム開設操作に基づいて、事業者チャットルームを開設するように構成してもよい(第8の構成)。
【0092】
上記第8の構成によれば、事業者のオペレータ端末を操作する操作者(オペレータ)が、所望する時点に、事業者チャットルームを開設することができる。
【0093】
第9の構成に係るプログラムは、チャットアプリ提供会社のアプリ提供会社サーバ装置と通信可能に構成された、事業者のサーバ装置のプロセッサに、アプリ提供会社サーバ装置から、当該アプリ提供会社サーバ装置が管理するアプリチャットルームにおけるユーザ識別情報を取得する処理と、ユーザ識別情報をアプリチャットルームから引き継いだ状態で、事業者のチャットボットまたはオペレータとユーザとが参加する事業者チャットルームを提供する処理と、事業者チャットルームにおいてやり取りされたチャットに関するチャットデータを事業者のサーバ装置に記憶する処理と、を実行させる(第9の構成)。
【0094】
上記第9の構成によれば、上記第1の構成と同様に、アプリチャットルームを利用したコミュニケーションの利便性を維持しながら、ユーザと機密性の高い情報のやり取りを行うことができる。
【符号の説明】
【0095】
10…事業者用サーバ装置、11…制御部、12…記憶部、12a…データベース、20…オペレータ端末、22…操作部、23…表示部、100…事業者用システム、200…アプリ提供会社サーバ装置、A B C…入力フォーム、D1…チャットデータ、R1…アプリチャットルーム、R2…第1チャットルーム、R3…第2チャットルーム