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特許7456889情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240319BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020141789
(22)【出願日】2020-08-25
(65)【公開番号】P2022037577
(43)【公開日】2022-03-09
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】太田 洋介
(72)【発明者】
【氏名】浜野 修輔
(72)【発明者】
【氏名】北村 竜義
(72)【発明者】
【氏名】山下 由美子
(72)【発明者】
【氏名】大崎 新太郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 哲
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-113114(JP,A)
【文献】特開2019-204267(JP,A)
【文献】特開2019-190835(JP,A)
【文献】国際公開第2014/167701(WO,A1)
【文献】特開2006-308341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G08G 1/00 - 1/16
G09B 29/00 - 29/14
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地と目的地との間の移動経路として第1移動経路を新たに生成する場合、前記出発地と前記目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両に関する車両情報に基づいて、車両の運転操作に関する強度及び変化量を取得する操作取得部と、
第1移動経路の周囲に有る施設の混雑状況を取得する混雑取得部と、
前記操作取得部によって取得された運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転コストを推定し、前記混雑取得部によって取得された施設の混雑状況が相対的に高い場合、施設に隣接する第1移動経路が混雑すると推定して運転コストを高くする運転コスト推定部と、
前記運転コスト推定部によって推定された運転コストが相対的に低い第2移動経路を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する生成部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
車両情報に基づいて、車両の運転支援機能に基づく車両の運転支援に関する強度及び変化量を取得する支援取得部を備え、
前記運転コスト推定部は、前記支援取得部によって取得された車両の運転支援に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転コストを推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記運転コスト推定部は、運転支援機能としてアダプティブ・クルーズ・コントロール・システム及び車線逸脱防止支援装置のうち少なくとも一方が動作している場合、運転操作に関する強度及び変化量が少ないとして、相対的に低い運転コストを推定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記運転コスト推定部は、運転支援機能としてアンチロック・ブレーキシステムが動作している場合、運転操作に関する強度及び変化量が多いとして、相対的に高い運転コストを推定する
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
車両情報に含まれる車両の走行に関する画像に基づいて、車両の運転しやすさを判定する判定部を備え、
前記運転コスト推定部は、前記判定部によって判定された結果に基づいて、第2移動経路毎に運転コストを推定する
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記運転コスト推定部は、前記判定部によって運転に影響する可能性のある物体が存在することにより車両の運転が相対的に難しいと判定される場合、運転コストが相対的に高いと推定する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記運転コスト推定部は、前記判定部によって運転に影響する可能性のある物体が存在することにより車両の運転が相対的に容易と判定される場合、運転コストが相対的に低いと推定する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記運転コスト推定部は、車両情報に記録される内容と運転コストとの関係を予め学習した学習モデルと、車両情報とに基づいて、運転コストを推定する
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
出発地と目的地との間の移動経路として第1移動経路を新たに生成する場合、前記出発地と前記目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両に関する車両情報に基づいて、車両の運転操作に関する強度及び変化量を取得する操作取得ステップと、
第1移動経路の周囲に有る施設の混雑状況を取得する混雑取得ステップと、
前記操作取得ステップによって取得された運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転コストを推定し、前記混雑取得ステップによって取得された施設の混雑状況が相対的に高い場合、施設に隣接する第1移動経路が混雑すると推定して運転コストを高くする運転コスト推定ステップと、
前記運転コスト推定ステップによって推定された運転コストが相対的に低い第2移動経路を特定する特定ステップと、
前記特定ステップによって特定された第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する生成ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
出発地と目的地との間の移動経路として第1移動経路を新たに生成する場合、前記出発地と前記目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両に関する車両情報に基づいて、車両の運転操作に関する強度及び変化量を取得する操作取得機能と、
第1移動経路の周囲に有る施設の混雑状況を取得する混雑取得機能と、
前記操作取得機能によって取得された運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転コストを推定し、前記混雑取得機能によって取得された施設の混雑状況が相対的に高い場合、施設に隣接する第1移動経路が混雑すると推定して運転コストを高くする運転コスト推定機能と、
前記運転コスト推定機能によって推定された運転操作に関する運転コストが相対的に低い第2移動経路を特定する特定機能と、
前記特定機能によって特定された第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する生成機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ナビゲーション装置等の車両の移動経路を案内する装置が存在する。特許文献1に記載された技術は、車両の位置情報及び時刻情報を記録した走行履歴に基づいて、2地点間を結ぶ異なる複数の移動経路を抽出すると共に、それらの移動経路それぞれの所要時間を算出する。特許文献1に記載された技術は、得られた移動経路及び所要時間を、車両の現在位置に関連付けてユーザに提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-261714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に対して移動経路を案内する場合、車両が移動する際の所要時間のみを考慮すると、車両を走行させにくい道路を案内する可能性がある。例えば、特許文献1に記載された技術は、道路幅の狭い経路をユーザに提供する可能性があり、この場合、ユーザは車両を走行させにくいと感じる可能性がある。
【0005】
本発明は、車両の走行させやすさを考慮した移動経路を生成する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、出発地と目的地との間の移動経路として第1移動経路を新たに生成する場合、出発地と目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両に関する車両情報に基づいて、車両の運転操作に関する強度及び変化量を取得する操作取得部と、操作取得部によって取得された運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転操作に関するコストを推定する運転コスト推定部と、運転コスト推定部によって推定された運転操作に関するコストが相対的に低い第2移動経路を特定する特定部と、特定部によって特定された第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する生成部と、を備える。
【0007】
一態様の情報処理装置は、車両情報に基づいて、車両の運転支援機能に基づく車両の運転支援に関する強度及び変化量を取得する支援取得部を備え、運転コスト推定部は、支援取得部によって取得された車両の運転支援に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。
【0008】
一態様の情報処理装置では、運転コスト推定部は、運転操作支援機能としてアダプティブ・クルーズ・コントロール・システム及び車線逸脱防止支援装置のうち少なくとも一方が動作している場合、運転操作に関する強度及び変化量が少ないとして、相対的に低い運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。
【0009】
一態様の情報処理装置では、運転コスト推定部は、運転操作支援機能としてアンチロック・ブレーキシステムが動作している場合、運転操作に関する強度及び変化量が多いとして、相対的に高い運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。
【0010】
一態様の情報処理装置は、車両情報に含まれる車両の走行に関する画像に基づいて、車両の運転しやすさを判定する判定部を備え、運転コスト推定部は、判定部によって判定された結果に基づいて、第2移動経路毎に運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。
【0011】
一態様の情報処理装置では、運転コスト推定部は、判定部によって運転に影響する可能性のある物体が存在することにより車両の運転が相対的に難しいと判定される場合、運転支援に関するコストが相対的に高いと推定することとしてもよい。
【0012】
一態様の情報処理装置では、運転コスト推定部は、判定部によって運転に影響する可能性のある物体が存在することにより車両の運転が相対的に容易と判定される場合、運転支援に関するコストが相対的に低いと推定することとしてもよい。
【0013】
一態様の情報処理装置は、第1移動経路の周囲に有る施設の混雑状況を取得する混雑取得部を備え、運転コスト推定部は、混雑取得部によって取得された施設の混雑状況が相対的に高い場合、施設に隣接する第1移動経路が混雑すると推定し、運転に関するコストを高くすることとしてもよい。
【0014】
一態様の情報処理装置では、運転コスト推定部は、車両情報に記録される内容とコストとの関係を予め学習した学習モデルと、車両情報とに基づいて、コストを推定することとしてもよい。
【0015】
一態様の情報処理方法では、コンピュータが、出発地と目的地との間の移動経路として第1移動経路を新たに生成する場合、出発地と目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両に関する車両情報に基づいて、車両の運転操作に関する強度及び変化量を取得する操作取得ステップと、操作取得ステップによって取得された運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転操作に関するコストを推定する運転コスト推定ステップと、運転コスト推定ステップによって推定された運転操作に関するコストが相対的に低い第2移動経路を特定する特定ステップと、特定ステップによって特定された第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する生成ステップと、を実行する。
【0016】
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、出発地と目的地との間の移動経路として第1移動経路を新たに生成する場合、出発地と目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両に関する車両情報に基づいて、車両の運転操作に関する強度及び変化量を取得する操作取得機能と、操作取得機能によって取得された運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転操作に関するコストを推定する運転コスト推定機能と、運転コスト推定機能によって推定された運転操作に関するコストが相対的に低い第2移動経路を特定する特定機能と、特定機能によって特定された第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する生成機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0017】
一態様の情報処理装置は、出発地と目的地との間の第1移動経路を新たに生成する場合、出発地と目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両に関する車両情報に基づいて、車両の運転操作に関する強度及び変化量を取得し、その運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転操作に関するコストを推定し、その運転操作に関するコストが相対的に低い第2移動経路を特定することに基づいて第1移動経路を生成する。これにより、一態様の情報処理装置は、車両の走行させやすさを考慮した移動経路を生成することができる。
また、一態様の情報処理方法及び情報処理プログラムは、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態に係る情報処理システムについて説明するための図である。
図2】一実施形態に係る情報処理装置について説明するためのブロック図である。
図3】出発地P1と目的地P2との間の移動経路について説明するための図である。(A)は、出発地P1と目的地P2との間の移動経路L1(第1移動経路)について説明するための図である。(B)は、出発地P1と目的地P2との間の少なくとも一部の移動経路(第2移動経路L2~L4)について説明するための図である。
図4】一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本明細書では、「情報」の文言を使用しているが、「情報」の文言は「データ」と言い換えることができ、「データ」の文言は「情報」と言い換えることができる。
【0020】
まず、情報処理システム1の概略について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理システム1について説明するための図である。
【0021】
情報処理システム1は、サーバ20及び情報処理装置30を備える。
サーバ20は、種々の情報を記憶する。サーバ20は、例えば、車両10で生成されるCAN(Controller Area Network)情報及びプローブ情報等の車両10の走行に関する車両情報を記憶する。車両情報には、車両10が走行した位置に関する位置情報が記録されていてもよい。サーバ20は、車両10から送信される車両情報を受信して記憶する。また、サーバ20は、道路の周辺に存在する施設の混雑状況に関する混雑情報を取得する。混雑情報は、施設の混雑具合の示す情報であれば種々の情報であってよい。混雑情報は、一例として、施設の販売時点情報(一例として、POS(Point of Sale)情報)であってもよい。施設で生成される販売時点情報が相対的に多い場合、施設が混雑していると推定することが可能である。サーバ20は、例えば、施設から送信される混雑情報を受信して記憶する。なお、サーバ20が記憶する情報は、上述した情報に限らず、他の種々の情報であってもよい。
【0022】
情報処理装置30は、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、又は、サーバ20等であってよい。又は、情報処理装置30は、移動経路を案内するナビゲーション装置であってもよい。
情報処理装置30は、第1地点(例えば、出発地)と第2地点(例えば、目的地)との間の移動経路(第1移動経路)を生成する際に、サーバ20から車両情報を取得する。この場合、情報処理装置30は、サーバ20から混雑情報を取得することとしてもよい。情報処理装置30は、一例として、出発地と目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両10の車両情報に基づいて、車両10の運転操作に関する強度及び変化量を取得する。情報処理装置30は、その運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転操作に関するコストを推定し、その運転操作に関するコストが相対的に低い第2移動経路を特定する。情報処理装置30は、特定した第2移動経路に基づいて、第1移動経路を生成する。この場合、情報処理装置30は、1又は複数の第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する。
【0023】
以下、情報処理装置30について詳細に説明する。
図2は、一実施形態に係る情報処理装置30について説明するためのブロック図である。
【0024】
情報処理装置30は、通信部40、記憶部41、表示部42、情報取得部32、操作取得部33、支援取得部34、判定部35、混雑取得部36、運転コスト推定部37、特定部38及び生成部39を備える。情報取得部32、操作取得部33、支援取得部34、判定部35、混雑取得部36、運転コスト推定部37、特定部38及び生成部39は、情報処理装置30の制御部31(一例として、演算処理装置)の一機能として実現されてもよい。
【0025】
通信部40は、例えば、種々の情報を送受信することが可能な装置である。通信部40は、例えば、サーバ20と通信を行う。通信部40は、例えば、車両10と通信を行うこととしてもよい。また、通信部40は、例えば、携帯端末(図示せず)と通信を行うこととしてもよい。携帯端末は、例えば、ユーザが使用する、スマートフォン又はタブレット等の端末である。また、通信部40は、例えば、施設等で使用される販売時点管理システム(POSシステム)との間で通信を行うこととしてもよい。
【0026】
記憶部41は、例えば、種々の情報を記憶することが可能な装置である。記憶部41は、例えば、後述する生成部39によって生成される第1移動経路に関する情報を記憶することとしてもよい。
【0027】
表示部42は、例えば、文字及び画像等を表示することが可能な装置である。表示部42は、例えば、後述する生成部39によって生成される第1移動経路を表示することとしてもよい。
【0028】
情報取得部32は、通信部40を介して、サーバ20から情報(例えば、車両情報及び混雑情報)を取得する。情報取得部32は、通信部40を介して、車両10から情報(例えば、車両情報)を取得することとしてもよい。この場合、情報取得部32は、出発地と目的地との間の移動経路として第1移動経路を生成する場合、出発地と目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両10の車両情報をサーバ20等から取得する。
【0029】
出発地及び目的地は、例えば、ソフトキー又はハードキー等の入力部(図示せず)がユーザによって操作されることに基づいて、情報処理装置30に入力されてもよい。
又は、車両10又は携帯端末(図示せず)に搭載されるナビゲーション装置は、ユーザによって操作されることに基づいて出発地及び目的地が入力された場合、出発地及び目的地の情報を情報処理装置30に送信することとしてもよい。この場合、情報処理装置30は、車両10又は携帯端末において入力された出発地及び目的地を取得する。
【0030】
図3は、出発地P1と目的地P2との間の移動経路について説明するための図である。図3(A)は、出発地P1と目的地P2との間の移動経路(第1移動経路)L1について説明するための図である。図3(B)は、出発地P1と目的地P2との間の少なくとも一部の移動経路(第2移動経路L2~L4)について説明するための図である。
情報処理装置30は、出発地P1及び目的地P2が入力された場合、図3(A)に例示するように、第1移動経路L1を生成する。次に、情報処理装置30は、出発地P1及び目的地P2が一致する(略一致する)車両情報を取得して、第1移動経路の主要部分(P3及びP4、並びに、P5及びP6)で分割して第2移動経路L2~L4とする。主要部分は、例えば、相対的に大きな交差点(例えば、交通量が相対的に多い交差点)等、経路を分割するのに適した道路上の位置であってよい。
この場合、第1移動経路は複数有ってもよい。複数の第1移動経路それぞれに対応して、第2移動経路が取得される。
【0031】
第2移動経路は、出発地と目的地との間の移動経路(第1移動経路)の一部であってもよく、第1移動経路の全てであってもよい。第2移動経路が第1移動経路の一部の場合、図3に例示するように、複数の異なる第2移動経路を接続することにより、出発地と目的地との間の全てを結ぶ移動経路としてもよい。第2移動経路が第1移動経路の全ての場合、1つの第2移動経路により、出発地と目的地との間の全てを結ぶ移動経路となる。
【0032】
車両情報には、上述した車両10の位置情報の他に、例えば、車両10の運転操作に関する情報、及び、車両10の運転支援に関する情報、車両10において生成される画像情報等が含まれていてもよい。車両10の運転操作に関する情報は、一例として、ハンドルの操作量(回転角度)、ウインカ(方向指示器)の指示方向及び指示回数、並びに、アクセル及びブレーキの操作量等の情報であってもよい。
車両10の運転支援に関する情報は、一例として、アダプティブ・クルーズ・コントロール・システム、車線逸脱防止支援装置及びアンチロック・ブレーキシステムの作動量の情報であってもよい。
画像情報は、例えば、車両10に搭載されるカメラ部(図示せず)によって車両10の進行方向及び横方向等を撮像することにより生成される。また、画像情報は、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging)で得られる点群画像の情報であってもよい。
【0033】
混雑情報は、上述したように販売時点情報(一例として、POS情報)等であってもよい。
情報取得部32は、出発地と目的地との間に存在する施設の混雑情報を取得する。一例として、情報取得部32は、第2移動経路の周辺に存在する施設の混雑情報を取得することとしてもよい。第2移動経路の周辺に存在する施設とは、例えば、第2移動経路に隣接して立地する施設、及び、第2移動経路から所定距離以内に立地する施設等であってもよい。ここで、情報取得部32は、第1移動経路を生成する場合に、上述したようにサーバ20から施設の混雑情報を取得してもよく、又は、第2移動経路の周辺に存在する施設の販売時点管理システムから混雑情報を取得してもよい。
【0034】
操作取得部33は、情報取得部32によって取得された車両情報(例えば、運転操作に関する情報)に基づいて、車両10の運転操作に関する強度及び変化量を取得する。操作取得部33は、第2移動経路毎に、車両10の運転操作に関する強度及び変化量を取得する。操作取得部33は、例えば、車両10の運転に必要な装置がユーザによってどれだけ操作されたのかを取得する。運転操作に関する情報には、一例として、上述したように、ハンドルの操作量、ウインカの操作回数、アクセルの操作量、及び、ブレーキの操作量等の情報が含まれる。操作取得部33は、例えば、運転操作に関する単位時間当たりの操作量が相対的に多い場合、運転操作に関する強度が相対的に大きいと推定する。一例として、操作取得部33は、ハンドルの操作量(例えば、単位時間当たりの回転角度等)、ウインカの操作回数(例えば、単位走行距離当たりの操作回数等)、アクセルの操作量(例えば、単位時間あたりのアクセルペダルの踏み込み量)及びブレーキの操作量(例えば、単位時間当たりのブレーキペダルの踏み込み量)が相対的に多い場合、運転操作に関する強度が相対的に大きいと推定する。操作取得部33は、例えば、運転操作に関する操作量が相対的に多い場合、運転操作に関する変化量が相対的に大きいと推定する。一例として、操作取得部33は、ハンドルの操作量(例えば、始点から終点までの回転角度(変化量)等)、アクセルの操作量(例えば、アクセルペダルの踏み込み量)及びブレーキの操作量(例えば、ブレーキペダルの踏み込み量)が相対的に多い場合、運転操作に関する変化量が相対的に大きいと推定する。
【0035】
支援取得部34は、車両情報に基づいて、車両10の運転支援機能に基づく車両10の運転支援に関する強度及び変化量を取得する。すなわち、支援取得部34は、第2移動経路毎に、車両10に搭載される運転支援機能がどれだけ動作しているのかを取得する。支援取得部34は、例えば、運転支援機能の単位時間当たりの動作量が相対的に大きい場合、運転支援に関する強度が相対的に大きいと推定する。支援取得部34は、例えば、運転支援機能の動作量が相対的に多い場合、運転支援に関する変化量が相対的に大きいと推定する。
【0036】
運転支援機能には種々の機能があり、例えば、アダプティブ・クルーズ・コントロール・システム、車線逸脱防止支援装置及びアンチロック・ブレーキシステム等の機能がある。この場合、例えば、支援取得部34は、アダプティブ・クルーズ・コントロール・システムの動作量、車線逸脱防止支援装置の動作量及びアンチロック・ブレーキシステムの動作量(例えば、それぞれの運転支援機能の単位時間当たりの動作量)が相対的に大きい場合、運転支援に関する強度が相対的に大きいと推定する。また、例えば、支援取得部34は、アダプティブ・クルーズ・コントロール・システムの動作量、車線逸脱防止支援装置の動作量及びアンチロック・ブレーキシステムの動作量(例えば、それぞれの運転支援機能の始点から終点までの動作量)が相対的に大きい場合、運転支援に関する変化量が相対的に大きいと推定する。
【0037】
判定部35は、車両情報に含まれる車両10の走行に関する画像に基づいて、車両10の運転しやすさを判定する。判定部35は、第2移動経路毎に、車両10の運転しやすさを判定する。車両10には、一例として、車両10の進行方向等を撮像するカメラ部(図示せず)が配される場合がある。判定部35は、一例として、車両10の進行方向等を撮像した画像に基づいて、車両10の運転しやすさを判定する。一例として、判定部35は、車両10の運転に影響する可能性ある、画像に記録される物体及び道路等を認識し、認識の結果に基づいて判定を行う。判定部35は、物体及び道路等の認識を、例えば、パターンマッチング、又は、予め種々の物体及び道路を学習することにより得られた学習モデル等を利用して行うこととしてもよい。物体は、例えば、ガードレール、街路灯及び道路標識等を始めとする、道路の周囲に配される種々の物体であってもよい。道路は、例えば、道路の道幅、車線を規制する中央線及び車線境界線、並びに、路面標示等であってもよい。
【0038】
判定部35は、一例として、道路にガードレールが配される場合、道路に街路灯が配されている場合、道路の道幅が相対的に広い場合、並びに、道路に中央線及び車線境界線が付されている場合には、車両10を運転しやすい(車両10の運転が相対的に容易)と判定する。
一方、判定部35は、一例として、道路にガードレールが配されない場合、道路に街路灯が配されていない場合、道路の道幅が相対的に狭い場合、並びに、道路に中央線及び車線境界線が付されていない場合には、車両10を運転しにくい(車両10の運転が相対的に難しい)と判定する。
すなわち、判定部35は、画像から得られる情報、すなわち、例えば、物体の有無及び道路の状況に応じて、車両10を運転しやすいか否かを判定する。
【0039】
混雑取得部36は、第1移動経路の周囲に有る施設の混雑状況を取得する。すなわち、混雑取得部36は、第2移動経路毎に、情報取得部32によって取得された混雑情報に基づいて、施設の混雑状況を取得する。この場合、混雑取得部36は、第1移動経路の周囲、すなわち、第2移動経路の周囲に存在する施設の混雑状況を取得する。混雑状況は、例えば、施設内のユーザの数であってよい。混雑取得部36は、混雑情報が販売時点情報の場合、混雑状況として施設のレジで会計をしたユーザの数を取得することとしてもよい。混雑取得部36は、施設のレジで会計をしたユーザの数が相対的に多い場合には、施設が混雑していると推定する。一方、混雑取得部36は、施設のレジで会計をしたユーザの数が相対的に少ない場合には、施設が混雑していないと推定する。
【0040】
運転コスト推定部37は、操作取得部33によって取得された運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転操作に関するコストを推定する。例えば、運転コスト推定部37は、運転操作に関する強度及び変化量が相対的に大きい(多い)場合、ドライバによる運転操作が多くなるため、運転操作に関するコストが相対的に大きいと推定する。
すなわち、運転コスト推定部37は、運転操作に関する単位時間当たりの操作量が相対的に多い場合、運転操作に関する強度が大きいと推定する。運転コスト推定部37は、それらの操作量が相対的に多い場合、運転操作に関する変化量が相対的に大きいと推定する。運転コスト推定部37は、運転操作に関する強度及び変化量が相対的に大きい(多い)場合、運転操作に関するコストが相対的に大きいと推定する。運転コスト推定部37は、第2移動経路毎に、運転操作に関する強度及び変化量の大小(多少)に応じて、運転操作に関するコストを推定する。
【0041】
運転コスト推定部37は、支援取得部34によって取得された車両10の運転支援に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。運転支援機能には種々の機能があり、例えば、アダプティブ・クルーズ・コントロール・システム、車線逸脱防止支援装置及びアンチロック・ブレーキシステム等の機能がある。このように運転支援機能には種々の機能があり、それぞれの運転支援機能が動作する場合ではドライバの運転を容易にしたり又は危険を回避したりするため、機能毎にコストを推定する必要がある。例えば、運転支援機能がより大きく動作する場合には、車両10は安全に走行するときがある。一方、例えば、運転支援機能がより大きく動作する場合には、走行時の危険を回避するときがある。このため、運転コスト推定部37は、複数の運転支援機能それぞれに応じて、運転支援に関するコストを推定する必要がある。以下において具体例を説明する。
【0042】
すなわち、運転コスト推定部37は、例えば、運転操作支援機能としてアダプティブ・クルーズ・コントロール・システム及び車線逸脱防止支援装置のうち少なくとも一方が動作している場合、運転操作に関する強度及び変化量が少ないとして、相対的に低い運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。例えば、アダプティブ・クルーズ・コントロール・システム及び車線逸脱防止支援装置が動作する場合には、車両10を略一定の走行状態を保つように運転支援をするため、車両10のドライバは、運転操作が容易になると推定される。このような場合、運転コスト推定部37は、相対的に低い運転支援に関するコストを推定する。
【0043】
一方、運転コスト推定部37は、例えば、運転操作支援機能としてアンチロック・ブレーキシステムが動作している場合、運転操作に関する強度及び変化量が多いとして、相対的に高い運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。例えば、アンチロック・ブレーキシステムが動作する場合、車両10が危険を回避するために運転支援を行うため、車両10のドライバは、難しい運転操作が必要になると推定される。このような場合、運転コスト推定部37は、相対的に高い運転コストを推定する。
【0044】
運転コスト推定部37は、判定部35によって判定された結果に基づいて、第2移動経路毎に運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。すなわち、運転コスト推定部37は、例えば、車両10の進行方向等を撮像した画像を基にして、運転支援に関するコストを推定する。この場合、運転コスト推定部37は、運転支援に関するコストの代わりに、運転操作に関するコストを推定することとしもよい。
例えば、運転コスト推定部37は、判定部35によって運転に影響する可能性のある物体が存在することにより車両10の運転が相対的に難しいと判定される場合、運転支援に関するコストが相対的に高いと推定することとしてもよい。一例として、道路にガードレールが無い場合には、歩行者が道路に飛び出す可能性があり、又は、霧なので視界が悪い場合にはガードレールを頼りに進行方向の道路の形状(直線又はカーブ等)を知ることができないため、ドライバは、運転が相対的に難しいと考える可能性がある。このような場合などでは、運転コスト推定部37は、運転支援(運転操作)に関するコストが相対的に高いと推定する。
【0045】
運転コスト推定部37は、判定部35によって運転に影響する可能性のある物体が存在することにより車両10の運転が相対的に容易と判定される場合、運転支援に関するコストが相対的に低いと推定することとしてもよい。一例として、道路に街路灯が有る場合には、夜間の走行において道路上の障害物及び歩行者をより早く発見できるため、ドライバは、運転が相対的に容易と考える可能性がある。このような場合などでは、運転コスト推定部37は、運転支援(運転操作)に関するコストが相対的に低いと推定する。
【0046】
運転コスト推定部37は、混雑取得部36によって取得された施設の混雑状況が相対的に高い場合、施設に隣接する第1移動経路が混雑すると推定し、運転に関するコストを高くすることとしてもよい。すなわち、運転コスト推定部37は、混雑取得部36によって施設が混雑していると推定された場合、その施設に隣接する第1移動経路(第2移動経路)が混雑していると推定する。又は、運転コスト推定部37は、所定距離以内にある複数の施設のうち、予め設定された閾値以上の数の施設において混雑していると推定された場合、その所定距離以内の領域に隣接する第1移動経路(第2移動経路)が混雑していると推定してもよい。
【0047】
運転コスト推定部37は、上述したように種々のコストを推定するばかりでなく、例えば、ニューラルネットワーク(例えば、機械学習及び深層学習等)を利用してコストを推定することとしてもよい。
運転コスト推定部37は、例えば、車両情報に記録される内容とコストとの関係を予め学習した学習モデルと、車両情報とに基づいて、コストを推定することとしてもよい。
まず、情報処理装置30(例えば、制御部31)は、例えば、運転操作に関する強度及び変化量と、運転操作に関するコストとを学習することにより学習モデルを生成する。また、情報処理装置30(例えば、制御部31)は、例えば、運転支援に関する強度及び変化量と、運転支援に関するコストとを学習することにより学習モデルを生成する。また、情報処理装置30(例えば、制御部31)は、例えば、道路の周囲に存在する物体及び道路の状況と、運転支援に関するコストとを学習することにより学習モデルを生成する。また、情報処理装置30(例えば、制御部31)は、例えば、施設の混雑状況と、運転に関するコストとを学習することにより学習モデルを生成する。
次に、運転コスト推定部37は、車両情報及び混雑情報と、上述したように学習した学習モデルとに基づいて、種々のコストを推定する。
【0048】
特定部38は、運転コスト推定部37によって推定された運転操作に関するコストが相対的に低い第2移動経路を特定する。
特定部38は、出発地と目的地との間を1つの第2移動経路で結ぶことができる場合には、最もコストが低い第2移動経路を特定する。この場合、特定部38は、最もコストが低い第2移動経路のみに限定されず、コストが最も低いものから順に予め設定された所定数の第2移動経路を特定してもよい。
また、特定部38は、出発地と目的地との間を複数の第2移動経路をつなぎ合わせて結ぶ場合には、相対的にコストの低い複数の第2移動経路を特定する。
【0049】
生成部39は、特定部38によって特定された第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する。
生成部39は、出発地と目的地との間を1つの第2移動経路で結ぶことができる場合には、特定部38によって特定された1又は複数の第2移動経路それぞれを第1移動経路として生成する。
また、特定部38は、出発地と目的地との間を複数の第2移動経路をつなぎ合わせて結ぶ場合には、複数の第2移動経路をつなぎ合わせて1又は複数の第1移動経路を生成してもよい。
【0050】
なお、情報処理装置30は、出発地及び目的地に係りなく、種々の車両情報及び混雑情報を利用して、主要部分の間の経路(第2移動経路)の、車両10の運転操作に関する強度及び変化量、車両10の運転支援に関する強度及び変化量、車両10の運転しやすさ、及び、混雑状況を取得(判定)してもよい。すなわち、情報処理装置30は、主要部分の間の経路(第2移動経路)毎に運転コストを推定し、複数の経路(第2移動経路)によって道路ネットワークを生成してもよい。
この場合、情報処理装置30は、出発地及び目的地が入力された場合、複数の経路(第2移動経路)の道路ネットワークを利用して、すなわち、複数の第2移動経路を接続して出発地と目的地との間を結ぶ移動経路を生成してもよい。なお、情報処理装置30は、予め生成される複数の第2移動経路による道路ネットワークにおいて、第2移動経路が不足する経路については、通常の道路ネットワーク(例えば、通常の道路地図等の道路ネットワーク)を利用して補完してもよい。
【0051】
制御部31は、生成部39によって生成された第1移動経路を出力するよう出力部を制御することとしてもよい。出力部は、例えば、上述した、通信部40、記憶部41及び表示部42であってよい。
すなわち、制御部31は、第1移動経路を、通信部40を介して、直接又は間接的に車両10に送信する。
間接的に車両10に送信する場合とは、例えば、サーバ20を介して、車両10に送信する場合である。
また、制御部31は、第1移動経路を記憶部41に記憶してもよい。
また、制御部31は、第1移動経路を表示部42に表示してもよい。
第1移動経路は、出発地から目的地までの車両10の移動経路を案内する際に利用される。
【0052】
次に、一実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図4は、一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【0053】
ステップST101において、情報取得部32は、通信部40を介して、サーバ20から情報(例えば、車両情報及び混雑情報)を取得する。この場合、情報取得部32は、出発地と目的地との間の移動経路として第1移動経路を生成する場合、出発地と目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両10の車両情報をサーバ20から取得する。
なお、情報取得部32は、通信部40を介して、車両10から情報(例えば、車両情報)を取得することとしてもよい。
【0054】
ステップST102において、操作取得部33は、ステップST101で取得された車両情報(例えば、運転操作に関する情報)に基づいて、車両10の運転操作に関する強度及び変化量を取得する。すなわち、操作取得部33は、例えば、車両10の運転に必要な装置がユーザによってどれだけ操作されたのかを取得する。
【0055】
ステップST103において、支援取得部34は、車両情報に基づいて、車両10の運転支援機能に基づく車両10の運転支援に関する強度及び変化量を取得する。すなわち、支援取得部34は、車両10に搭載される運転支援機能がどれだけ動作しているのかを取得する。
【0056】
ステップST104において、判定部35は、車両情報に含まれる車両10の走行に関する画像に基づいて、車両10の運転しやすさを判定する。一例として、判定部35は、車両10の運転に影響する可能性ある、画像に記録される物体及び道路等を認識し、認識の結果に基づいて判定を行う。
【0057】
ステップST105において、混雑取得部36は、ステップST101で取得された混雑情報に基づいて、施設の混雑状況を取得する。この場合、混雑取得部36は、第1移動経路の周囲、すなわち、第2移動経路の周囲に存在する施設の混雑状況を取得する。
【0058】
ステップST106において、運転コスト推定部37は、種々の運転コストを推定する。ここで、運転コスト推定部37は、以下に例示する複数の運転コストのうち少なくとも1つを推定することとしてもよい。
例えば、運転コスト推定部37は、ステップ102で取得された運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転操作に関するコストを推定する。
また、例えば、運転コスト推定部37は、ステップST103で取得された車両10の運転支援に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。
また、例えば、運転コスト推定部37は、ステップST104で判定された結果に基づいて、第2移動経路毎に運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。
また、例えば、運転コスト推定部37は、ステップST105で取得された施設の混雑状況に基づいて、運転コストを推定することとしてもよい。
【0059】
ステップST107において、特定部38は、ステップST106で推定された運転コストが相対的に低い第2移動経路を特定する。
【0060】
ステップST108において、生成部39は、ステップST107で特定された第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する。
【0061】
制御部31は、ステップST108で生成された第1移動経路を出力するよう出力部を制御することとしてもよい。この場合、出力部は、例えば、上述した、通信部40、記憶部41及び表示部42であってよい。
【0062】
次に、本実施形態の効果について説明する。
情報処理装置30は、出発地と目的地との間の移動経路として第1移動経路を新たに生成する場合、出発地と目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両10に関する車両情報に基づいて、車両10の運転操作に関する強度及び変化量を取得する操作取得部33と、操作取得部33によって取得された運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転操作に関するコストを推定する運転コスト推定部37と、運転コスト推定部37によって推定された運転操作に関するコストが相対的に低い第2移動経路を特定する特定部38と、特定部38によって特定された第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する生成部39と、を備える。
情報処理装置30は、推定された運転コストに基づいて車両10の走行させやすさを取得することができる。情報処理装置30は、運転コスト、すなわち、車両10の走行させやすさ考慮して第2移動経路を特定し、その第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する。
よって、情報処理装置30は、ドライバが車両10を運転させやすいと推定される道路(移動経路)を提示することができる。
【0063】
情報処理装置30は、車両情報に基づいて、車両10の運転支援機能に基づく車両10の運転支援に関する強度及び変化量を取得する支援取得部34を備えることとしてもよい。この場合、運転コスト推定部37は、支援取得部34によって取得された車両10の運転支援に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。
情報処理装置30は、車両10に搭載される運転支援機能の動作に基づいて、運転コストを推定することができる。
【0064】
情報処理装置30では、運転コスト推定部37は、運転操作支援機能としてアダプティブ・クルーズ・コントロール・システム及び車線逸脱防止支援装置のうち少なくとも一方が動作している場合、運転操作に関する強度及び変化量が少ないとして、相対的に低い運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。
情報処理装置30は、運転支援機能の一例であるアダプティブ・クルーズ・コントロール・システム及び車線逸脱防止支援装置の動作状況に応じて、運転コストを推定することができる。
【0065】
情報処理装置30では、運転コスト推定部37は、運転操作支援機能としてアンチロック・ブレーキシステムが動作している場合、運転操作に関する強度及び変化量が多いとして、相対的に高い運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。
情報処理装置30は、運転支援機能の一例であるアンチロック・ブレーキシステムの動作状況に応じて、運転コストを推定することができる。
【0066】
情報処理装置30は、車両情報に含まれる車両10の走行に関する画像に基づいて、車両10の運転しやすさを判定する判定部35を備えることとしてもよい。この場合、運転コスト推定部37は、判定部35によって判定された結果に基づいて、第2移動経路毎に運転支援に関するコストを推定することとしてもよい。
情報処理装置30は、車両10において撮像される画像、一例として、車両10の進行方向等を撮像した画像に記録される道路及び道路の周囲に存在する物体の状況に応じて、運転のしやすさを判定する。これによっても、情報処理装置30は、運転コストを推定することができる。
【0067】
情報処理装置30では、運転コスト推定部37は、判定部35によって運転に影響する可能性のある物体が存在することにより車両10の運転が相対的に難しいと判定される場合、運転支援に関するコストが相対的に高いと推定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置30は、車両10において撮像される画像に基づいて、運転コストを推定することができる。
【0068】
情報処理装置30では、運転コスト推定部37は、判定部35によって運転に影響する可能性のある物体が存在することにより車両10の運転が相対的に容易と判定される場合、運転支援に関するコストが相対的に低いと推定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置30は、車両10において撮像される画像に基づいて、運転コストを推定することができる。
【0069】
情報処理装置30は、第1移動経路の周囲に有る施設の混雑状況を取得する混雑取得部36を備えることとしてもよい。この場合、運転コスト推定部37は、混雑取得部36によって取得された施設の混雑状況が相対的に高い場合、施設に隣接する第1移動経路が混雑すると推定し、運転に関するコストを高くすることとしてもよい。
施設が混雑している場合には、その施設に隣接する道路(第1移動経路(第2移動経路))が車両10で混雑する可能性がある。情報処理装置30は、施設の混雑状況に応じて、その施設に隣接する第1移動経路(第2移動経路)の運転コストを推定することができる。
【0070】
情報処理装置30では、運転コスト推定部37は、車両情報に記録される内容とコストとの関係を予め学習した学習モデルと、車両情報とに基づいて、運転コストを推定することとしてもよい。
情報処理装置30は、例えば、学習モデルを利用するニューラルネットワーク(例えば、機械学習及び深層学習等)であっても、運転コストを推定することができる。
【0071】
情報処理方法では、コンピュータが、出発地と目的地との間の移動経路として第1移動経路を新たに生成する場合、出発地と目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両10に関する車両情報に基づいて、車両10の運転操作に関する強度及び変化量を取得する操作取得ステップと、操作取得ステップによって取得された運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転操作に関するコストを推定する運転コスト推定ステップと、運転コスト推定ステップによって推定された運転操作に関するコストが相対的に低い第2移動経路を特定する特定ステップと、特定ステップによって特定された第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する生成ステップと、を実行する。
情報処理方法は、推定された運転コストに基づいて車両10の走行させやすさを取得することができる。情報処理方法は、運転コスト、すなわち、車両10の走行させやすさ考慮して第2移動経路を特定し、その第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する。
よって、情報処理方法は、ドライバが車両10を運転させやすいと推定される道路(移動経路)を提示することができる。
【0072】
情報処理プログラムは、コンピュータに、出発地と目的地との間の移動経路として第1移動経路を新たに生成する場合、出発地と目的地との間の少なくとも一部の移動経路となる第2移動経路を過去に走行した車両10に関する車両情報に基づいて、車両10の運転操作に関する強度及び変化量を取得する操作取得機能と、操作取得機能によって取得された運転操作に関する強度及び変化量に基づいて、第2移動経路毎に運転操作に関するコストを推定する運転コスト推定機能と、運転コスト推定機能によって推定された運転操作に関するコストが相対的に低い第2移動経路を特定する特定機能と、特定機能によって特定された第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する生成機能と、を実現させる。
情報処理プログラムは、推定された運転コストに基づいて車両10の走行させやすさを取得することができる。情報処理プログラムは、運転コスト、すなわち、車両10の走行させやすさ考慮して第2移動経路を特定し、その第2移動経路に基づいて第1移動経路を生成する。
よって、情報処理プログラムは、ドライバが車両10を運転させやすいと推定される道路(移動経路)を提示することができる。
【0073】
上述した情報処理装置30の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置30の情報取得部32、操作取得部33、支援取得部34、判定部35、混雑取得部36、運転コスト推定部37、特定部38及び生成部39は、コンピュータの演算処理装置等による情報取得機能、操作取得機能、支援取得機能、判定機能、混雑取得機能、運転コスト推定機能、特定機能及び生成機能としてそれぞれ実現されてもよい。
情報処理プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。情報処理プログラムは、外部メモリ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されていてもよい。
また、上述したように、情報処理装置30の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、情報処理装置30の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置30の情報取得部32、操作取得部33、支援取得部34、判定部35、混雑取得部36、運転コスト推定部37、特定部38及び生成部39は、コンピュータの演算処理装置等を構成する情報取得回路、操作取得回路、支援取得回路、判定回路、混雑取得回路、運転コスト推定回路、特定回路及び生成回路として実現されてもよい。
また、情報処理装置30の通信部40、記憶部41及び表示部42は、例えば、演算処理装置等の機能を含む通信機能、記憶機能及び表示機能として実現されもよい。また、情報処理装置30の通信部40、記憶部41及び表示部42は、例えば、集積回路等によって構成されることにより通信回路、記憶回路及び表示回路として実現されてもよい。また、情報処理装置30の通信部40、記憶部41及び表示部42は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより通信装置、記憶装置及び表示装置として構成されてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 情報処理システム
10 車両
20 サーバ
30 情報処理装置
31 制御部
32 情報取得部
33 操作取得部
34 支援取得部
35 判定部
36 混雑取得部
37 運転コスト推定部
38 特定部
39 生成部
40 通信部
41 記憶部
42 表示部
図1
図2
図3
図4