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特許7456899被水防止部材、スプリンクラヘッドカバー、スプリンクラヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】被水防止部材、スプリンクラヘッドカバー、スプリンクラヘッド
(51)【国際特許分類】
   A62C 37/11 20060101AFI20240319BHJP
   B05B 1/28 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A62C37/11
B05B1/28
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020152568
(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公開番号】P2022046923
(43)【公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127845
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 壽彦
(72)【発明者】
【氏名】青山 脩
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-150965(JP,A)
【文献】特開2010-167064(JP,A)
【文献】特開2008-264021(JP,A)
【文献】特開2005-058588(JP,A)
【文献】特開2001-204846(JP,A)
【文献】特開2001-061987(JP,A)
【文献】特開2000-279547(JP,A)
【文献】特開平10-272205(JP,A)
【文献】特開平10-272201(JP,A)
【文献】実開昭57-157363(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/00 - 99/00
B05B 1/00 - 3/18
B05B 7/00 - 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプリンクラヘッド本体部の周囲に配置されて該スプリンクラヘッド本体部が消火水によって被水するのを防止する被水防止部材であって、
複数の棒状部材が、取付状態において縦方向に延出するように配置されてなることを特徴とする被水防止部材。
【請求項2】
前記複数の棒状部材は、所定の間隔を離して周方向に列をなし、該列が径方向に複数列であり、径方向の各列の棒状部材は隣り合う列における棒状部材の隙間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の被水防止部材。
【請求項3】
前記複数の棒状部材を取り付けるための取付板を有し、該取付板は前記複数の棒状部材の上端を着脱可能に取り付けるための複数の取付穴を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の被水防止部材。
【請求項4】
開口部が形成された天井面の内側に配設された配管に固定されたスプリンクラヘッド本体部に取り付けられるスプリンクラヘッドカバーであって、
前記スプリンクラヘッド本体部に挿入される筒状部と、該筒状部から外方に張り出すように設けられて前記天井面の開口を塞ぐシーリングプレートと、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の被水防止板とを備えてなることを特徴とするスプリンクラヘッドカバー。
【請求項5】
請求項4に記載のスプリンクラヘッドカバーと、スプリンクラヘッド本体部とを備えてなることを特徴とするスプリンクラヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリンクラヘッド本体部の周囲に配置されて該スプリンクラヘッド本体部が消火水によって被水するのを防止する被水防止部材、該被水防止部材を備えたスプリンクラヘッドカバー、該スプリンクラヘッドカバーを備えたスプリンクラヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
室内の天井面等に設けられるスプリンクラヘッドには、物がぶつかる等の外力からスプリンクラヘッドを保護するためのスプリンクラヘッドカバーが設けられる場合がある。
そして、スプリンクラヘッドカバーには、被水防止板が設けられることがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図11は、開口部11を有する天井面13に取り付けられた従来のスプリンクラヘッド15が作動した状態を示している。図11に基づいて、従来の被水防止板について説明する。
スプリンクラヘッド15は、スプリンクラヘッド本体部19に、図11に示すように、開口部11を閉止するためのシーリングプレート21を有するスプリンクラヘッドカバー23が取り付けられ、スプリンクラヘッドカバー23に被水防止板25が設けられている。
【0004】
ここで、被水防止板25の機能について概説する。
スプリンクラヘッドは、天井面等に所定の間隔で複数取り付けられるが、天井面の大きさによっては、所定の間隔を確保できず、隣接するスプリンクラヘッドとの距離が短くなってしまう場合がある。この場合、隣のスプリンクラヘッドの散水が自身の感熱部に降りかかると感知能力の低下という問題が発生する。
そのため、自身の散水が隣のスプリンクラヘッドに降りかからないようにすることが求められ、このような機能を有する部材が被水防止板である。
もっとも、隣のスプリンクラヘッドに散水が降りかからないことの他、適切に散水して消火という本来の機能を阻害しないようにすることが必要なことはいうまでもない。
【0005】
従来の被水防止板25は、図12に示すように、下方に向かって傾斜する3枚の板材25aを上下方向で複数段(3段)に配置し、スプリンクラヘッドカバー23の下端とシーリングプレート21との間に取り付けられている。3枚の板材25aは下段のものから順に面積が大きくなっている。
【0006】
このような被水防止板25が設けられたスプリンクラヘッド15の散水時には、図13に示すように、消火水はデフレクタ17に当たって外方へ散水され、被水防止板25によって斜め下方に向きが変えられる。これによって、隣のスプリンクラヘッド15に散水が降りかかるのを防止できる。また、斜め上方や横からの散水に対し、スプリンクラヘッドに水がかかることを防止できる。
なお、上記のような隣のスプリンクラヘッドに対して自身の散水が降りかかるのを防止したり、隣のスプリンクラヘッドからの散水が自身のスプリンクラヘッドに降りかかるのを防止したりする機能を被水防止機能という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第3619631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の被水防止板25が、上述した機能を発揮できるには、設置状態においてデフレクタ17と被水防止板25との相対位置関係が設計において想定した位置関係にある必要がある。
しかしながら、デフレクタ17と被水防止板25との相対位置関係が常に一定とはならないことがある。以下、この点を説明する。
被水防止板25は、スプリンクラヘッドカバー23に取り付けられており、このスプリンクラヘッドカバー23はスプリンクラヘッド本体部19に取り付けられる。そして、スプリンクラヘッドカバー23のスプリンクラヘッド本体部19への取付方法は以下のように行われる。
スプリンクラヘッドカバー23の筒状部をスプリンクラヘッド本体部19にねじ込み、シーリングプレート21が天井面13の開口縁部に当接するまでねじ込まれる。
【0009】
そして、被水防止板25が隣のスプリンクラヘッド側に配置されるように、ねじ込み状態を調整する。
スプリンクラヘッドは、天井面に取り付ける際に天井面に対する高さ方向の取付位置が規定されているが、施工現場によっては、この取付位置の規定範囲から外れて設置されてしまう場合がある。さらに隣り合うスプリンクラヘッドとの相対位置関係は、施工現場によって異なるため、スプリンクラヘッドカバー23のねじ込み状態は、各現場等で異なることとなり、スプリンクラヘッドカバー23とスプリンクラヘッド本体部19との高さ方向の相対位置は一定ではなく、それ故に、被水防止板25とデフレクタ17との上下方向の相対位置が設計よりも上過ぎたり下過ぎたりする場合がある。
例えば、図14に示すように、デフレクタ17の位置が設計で想定された位置(図11参照)よりも下方にずれた場合には、本来予定していた散水軌道とならず、被水防止機能が発揮できない、あるいは消火能力が発揮できないことが生ずる。
【0010】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、被水防止部材とデフレクタとの相対位置のずれが生じても、散水機能と被水防止機能を十分に発揮することができる被水防止部材、該被水防止部材を備えたスプリンクラヘッドカバー、該スプリンクラヘッドカバーを備えたスプリンクラヘッドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明に係る被水防止部材は、スプリンクラヘッド本体部の周囲に配置されて該スプリンクラヘッド本体部が消火水によって被水するのを防止するものであって、
複数の棒状部材が、取付状態において縦方向に延出するように配置されてなることを特徴とするものである。
【0012】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記複数の棒状部材は、所定の間隔を離して周方向に列をなし、該列が径方向に複数列であり、径方向の各列の棒状部材は隣り合う列における棒状部材の隙間に配置されていることを特徴とするものである。
【0013】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記複数の棒状部材を取り付けるための取付板を有し、該取付板は前記複数の棒状部材の上端を着脱可能に取り付けるための複数の取付穴を備えてなることを特徴とするものである。
【0014】
(4)本発明に係るスプリンクラヘッドカバーは、開口部が形成された天井面の内側に配設された配管に固定されたスプリンクラヘッド本体部に取り付けられるものであって、
前記スプリンクラヘッド本体部に挿入される筒状部と、該筒状部から外方に張り出すように設けられて前記天井面の開口を塞ぐシーリングプレートと、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の被水防止板とを備えてなることを特徴とするものである。
【0015】
(5)本発明に係るスプリンクラヘッドは、上記(4)に記載のスプリンクラヘッドカバーと、スプリンクラヘッド本体部とを備えてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る被水防止部材は、スプリンクラヘッド本体部の周囲に配置されて該スプリンクラヘッド本体部が消火水によって被水するのを防止するものであって、複数の棒状部材が、取付状態において縦方向に延出するように配置されてなることにより、被水防止部材とデフレクタとの相対位置のずれが生じても、散水機能と、隣のスプリンクラヘッドに対しての被水防止機能を十分に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態に係る被水防止部材を備えたスプリンクラヘッドの説明図である。
図2図1に示した被水防止部材を説明する図であって、正面図(a)、平面図(b)及び右側面図(c)である。
図3図2に示した被水防止部材の機能を説明する説明図である(その1)。
図4図2に示した被水防止部材の機能を説明する説明図である(その2)。
図5】被水防止部材の他の態様を説明する図であって、正面図(a)、平面図(b)及び右側面図(c)である(その1)。
図6】被水防止部材の他の態様を説明する図であって、正面図(a)、平面図(b)及び右側面図(c)である(その2)。
図7】被水防止部材の他の態様を説明する図であって、正面図(a-1)、平面図(a-2)及び右側面図(a-3)、棒状部材の側面図(b-1)、棒状部材の平面図(b-2)である(その3)。
図8図7に示した被水防止部材の取付状態を説明する説明図である。
図9】被水防止部材の他の態様を説明する図であって、正面図(a)、平面図(b)及び右側面図(c)である(その4)。
図10図9に示した被水防止部材の取付状態を説明する説明図である。
図11】従来の被水防止板を備えたスプリンクラヘッドの説明図である。
図12図11に示した被水防止板を説明する図であって、正面図(a)、平面図(b)及び右側面図(c)である。
図13図12に示した被水防止板の機能を説明する説明図である。
図14】従来の被水防止板の課題を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係る被水防止部材を、図1図3に基づいて説明する。なお、図1において従来例を示した図11と同一部分には同一の符号を付してある。また、以下の説明において、方向を示す上下はスプリンクラヘッドを天井面等に取り付けた状態を基準としている。
本発明の一実施の形態に係る被水防止部材1は、図1に示すように、スプリンクラヘッド2を構成するスプリンクラヘッド本体部19の周囲に配置されてスプリンクラヘッド本体部19が消火水によって被水するのを防止するものであって、かつ、隣のスプリンクラヘッドからの散水がスプリンクラヘッドに降りかかることを防止するものである被水防止部材1は、複数の棒状部材3が取付状態において縦方向に延出するように配置されてなるものである。
以下、被水防止部材1の構成を図2に基づいて詳細に説明する。
【0019】
本実施の形態の被水防止部材1は、自身をシーリングプレート21に支持すると共に複数の棒状部材3が取り付けられる取付板としての上部支持部5と、上部支持部5から下方に向かって延出する複数の棒状部材3と、自身をスプリンクラヘッドカバー23の下部に支持するための下部支持部7と、上部支持部5と下部支持部7を連結する連結部8とを備えている。
【0020】
上部支持部5は、平面視で矩形状をなし、側面視でL字状をなしている。L字における立片部5aが図1に示すようにシーリングプレート21に設けられた溝部に挿入され、これによってシーリングプレート21に支持される。
【0021】
棒状部材3は、軸方向に直交する断面が円形であり、細い円柱状の部材によって構成されている。
棒状部材3の配置は、最も内側(スプリンクラヘッド本体部19に近い側)に周方向に4本が一列に並び、その外側に3本が一列に並び、さらに最も外側に4本が一列に並んでいる。このように本例では、棒状部材3が径方向に3列設けられている。
もっとも、本発明の棒状部材3の径方向の列数や、各列の本数はこれに限定されるものではなく、適宜必要に応じて設定すればよい。
【0022】
また、径方向の各列の棒状部材3は、図2(b)に示すように、隣り合う列における棒状部材3の隙間に配置されている。
このように配置することで、デフレクタ17に衝突した消火水が複数の棒状部材3を通過するときに棒状部材3に衝突しやすくなり、その勢いを弱めて散水軌道を下方に向けやすくなる。
【0023】
下部支持部7は、側面視でフック状の係止部を有し、スプリンクラヘッドカバー23の下端外周部に係止可能になっている。
下部支持部7を設けることで、散水が衝突した際に被水防止部材1の取付状態を安定保持させることができる。
【0024】
上記のように構成された被水防止部材1の作用について、図3に基づいて説明する。
デフレクタ17に衝突した消火水は、図3の矢印(散水の流れ)に示すように被水防止部材1に向かって散水される。そして、複数の棒状部材3が設けられた領域に消火水が入ると、棒状部材3に衝突しながら、その隙間を通過して被水防止部材1の外側へと散水される。このとき、消火水が棒状部材3に衝突することで、その勢いが弱められ、散水の軌道が下向きになる。これによって、被水防止部材1が取り付けられたスプリンクラヘッド2の隣に配置されたスプリンクラヘッド2に散水が降りかかるのを防止できる。
【0025】
また、本実施の形態の被水防止部材1は、複数の棒状部材3が下方に延出する構造であるため、棒状部材3の上部から下部のいずれの位置でも棒状部材3の配置が同じである。このため、例えば図4に示すように、デフレクタ17の位置(スプリンクラヘッド2の取付位置)が図1に示す位置よりも下方にずれた場合でも、被水防止効果、すなわち散水の軌道を下向きに変える効果は図1とほぼ同じである。
したがって、被水防止部材1とデフレクタ17との相対位置のずれが生じても、消火を効果的にするための散水機能と被水防止機能を発揮することができる。
【0026】
なお、被水防止部材1を構成する棒状部材3の形状は円柱状に限定されるものではなく、例えば図5に示すような三角柱であってもよい。三角柱にした場合には、水平断面で三角の頂点が内側に向くように配置するのが好ましい。そうすることで、放水する消火水の衝突時に抵抗になりすぎず、隣のスプリンクラヘッドからの散水に対し被水防止効果を得ることができる。
【0027】
また、棒状部材3は、図6に示すように、四角柱であってもよい。この場合、図6に示すように、四角形の頂点が内側に向くように配置することで、図5の場合と同様に、放水する消火水の衝突時に抵抗になりすぎず好ましい。
さらに、棒状部材3の形状はその他の形状であってもよいし、全ての棒状部材3が同じ形状である必要はなく、円柱、三角柱、四角柱等の異なる形状のものを混在させてもよい。
【0028】
また、図1に示した例では、棒状部材3が上部支持部5に固定されたものであったが、棒状部材3を上部支持部5に着脱可能に取り付けるようにしてもよい。
例えば、図7に示すように、取付板としての上部支持部5に棒状部材3を配置する位置に取付穴9を設けると共に、棒状部材3の上端部を取付穴9に挿入して取付可能にすればよい。
この場合、棒状部材3の上端の先端を球面状にすると共にそのすぐ下方にくびれ部3aを形成することで、棒状部材3を取付穴9に挿入して固定することができる。
【0029】
なお、棒状部材3の材質は特に限定されず、例えば樹脂等であってもよいが、棒状部材3には消火水が衝突するため、その衝突によって大きく変形したりしないような剛性が高い材質例えば金属製のものを用いるようにしてもよい。
また、棒状部材3の頭部をボルト頭部のように拡径した形状にし、取付穴9の上部に前記ボルト頭部が入るザグリを設けるようにしてもよく、さらには棒状部材3の上部周面と取付穴9にネジを形成して棒状部材3の上部をネジ固定するようにしてもよい。
【0030】
上記のように、上部支持部5に取付穴9を設けて棒状部材3を着脱可能とした場合には、全ての取付穴9に棒状部材3を取り付ける必要はなく、隣接するスプリンクラヘッド2同士の距離や相対位置関係等により、必要とされる数だけ棒状部材3を設置するようにすればよい。
例えば、図8に示す例では、最も外側の取付穴9には棒状部材3を取り付けずに、棒状部材3を径方向で2列にした例である。2列にすれば、3列の場合よりも散水軌道が水平に近くなる。このように、棒状部材3を上部支持部5に着脱可能とすることで、スプリンクラヘッド2の配置状況に応じて、適切な散水軌道とすることができる。
【0031】
[実施の形態2]
実施の形態1においては、被水防止部材1を上部支持部5、複数の棒状部材3及び下部支持部7によって構成し、上部支持部5をシーリングプレート21に固定するというものであった。
本実施の形態の被水防止部材1は、シーリングプレート21を複数の棒状部材3を取り付けるための取付板として機能させるものであり、図9に示すように、シーリングプレート21の中央開口部10の周縁に棒状部材3を着脱可能に取り付けるための取付穴9を、その全周に亘りかつ径方向に複数列となるように設けたものである。
【0032】
棒状部材3の形状は、図9(a)に示すように、上端の先端を球面状にすると共にそのすぐ下方にくびれ部3aを形成するようにすればよい。
このように構成された棒状部材3は、設置状況に応じて必要な範囲に必要な数だけ設置すればよい。例えば、図10に示す例は、図中右側に径方向2列で設けた例である。
【0033】
以上のように、本実施の形態によれば、棒状部材3を必要な範囲に必要な数だけ設置することができ、スプリンクラヘッド2の設置状況に応じて最適な被水防止部材1を構成することができる。また、シーリングプレート21を棒状部材3を取り付けるための取付板として機能させているので、部品点数を少なくできるという効果もある。
【符号の説明】
【0034】
1 被水防止部材
2 スプリンクラヘッド(実施の形態1、2)
3 棒状部材
3a くびれ部
5 上部支持部
5a 立片部
7 下部支持部
8 連結部
9 取付穴
10 中央開口部
11 開口部
13 天井面
15 スプリンクラヘッド(従来例)
17 デフレクタ
19 スプリンクラヘッド本体部
21 シーリングプレート
23 スプリンクラヘッドカバー
25 被水防止板(従来例)
25a 板材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14