(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04746 20160101AFI20240319BHJP
H01M 8/04664 20160101ALI20240319BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20240319BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20240319BHJP
【FI】
H01M8/04746
H01M8/04664
H01M8/04 H
H01M8/04 J
H01M8/10 101
(21)【出願番号】P 2020169679
(22)【出願日】2020-10-07
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤村 佳克
(72)【発明者】
【氏名】大塚 忍
(72)【発明者】
【氏名】及川 治郎
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-187846(JP,A)
【文献】特開2019-023973(JP,A)
【文献】特開2007-299535(JP,A)
【文献】特開2010-135214(JP,A)
【文献】特開2009-026632(JP,A)
【文献】特開2017-157386(JP,A)
【文献】特開2008-060054(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0112385(US,A1)
【文献】特開2017-016741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04-8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムであって、
燃料電池と、
前記燃料電池に酸化ガスを供給するための酸化ガス供給流路と、
前記燃料電池から酸化オフガスを排出するための酸化オフガス排出流路と、
前記酸化ガス供給流路と前記酸化オフガス排出流路とを接続するバイパス流路と、
前記バイパス流路に設けられ、前記酸化ガス供給流路を流れる前記酸化ガスの流れを、前記燃料電池に向かう流れと前記バイパス流路に向かう流れとに分流するための分流バルブと、
前記分流バルブの開度を調整するバルブ駆動モータと、
前記分流バルブの開度を検知するバルブ開度検知センサと、
前記バルブ駆動モータを制御することにより前記分流バルブの動作を制御し、前記バルブ開度検知センサにより検知された前記分流バルブの開度である検知開度を利用して前記分流バルブの異常を検知する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
検知された前記異常が開かない開異常であり且つ閉じることができる場合に、前記バルブ駆動モータに対して現状の開度よりも小さくする閉指令を送信し、
検知された前記異常が閉じない閉異常であり且つ開くことができる場合と、閉じることも開くこともできない開閉異常である場合と、のいずれかである場合に、前記バルブ駆動モータに対して、前記開度を維持する維持指令を送信する、燃料電池システム。
【請求項2】
燃料電池システムであって、
燃料電池と、
前記燃料電池に酸化ガスを供給するための酸化ガス供給流路と、
前記燃料電池から酸化オフガスを排出するための酸化オフガス排出流路と、
前記酸化ガス供給流路に配置され前記酸化ガスの流れを調整するバルブと、前記酸化オフガス排出流路に配置され前記酸化オフガスの流れを調整するバルブと、のうちの少なくとも一方である調流バルブと、
前記調流バルブの開度を調整するバルブ駆動モータと、
前記調流バルブの開度を検知するバルブ開度検知センサと、
前記バルブ駆動モータを制御することにより前記調流バルブの動作を制御し、前記バルブ開度検知センサにより検知された前記調流バルブの開度である検知開度を利用して前記調流バルブの異常を検知する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
検知された前記異常が閉じない閉異常であり且つ開くことができる場合に、前記バルブ駆動モータに対して現状の開度よりも大きくする開指令を送信し、
検知された前記異常が開かない開異常であり且つ閉じることができる場合と、開くことも閉じることもできない開閉異常である場合と、のいずれかである場合に、前記バルブ駆動モータに対して前記開度を維持する維持指令を送信する、燃料電池システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、前記バルブ駆動モータに対して開度信号を送信することにより前記バルブ駆動モータを制御し、前記送信した前記開度信号の示す開度と前記検知開度との開度差が予め定められた開度差以上の場合、前記異常を検知する、燃料電池システム。
【請求項4】
請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、前記異常を検知した場合に、該異常が前記開異常と前記閉異常とのいずれかであるかを特定するために、前記バルブ駆動モータに対して予め定められた前記開度信号を送信する、燃料電池システム。
【請求項5】
請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、検知された前記異常が前記開異常であり、且つ、閉じることができる場合に、前記バルブ駆動モータに対して前記閉指令として最小開度とする指令を送信する、燃料電池システム。
【請求項6】
請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、検知された前記異常が前記閉異常であり、且つ、開くことができる場合に、前記バルブ駆動モータに対して前記開指令として最大開度とする指令を送信する、燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池に酸化ガスを供給するための酸化ガス供給流路と、燃料電池から酸化オフガスを排出するための酸化オフガス排出流路とを接続するバイパス流路が設けられた燃料電池システムが知られている。このような燃料電池システムでは、各ガス流路にガス流量調整用のバルブが設けられる場合がある。特許文献1には、バイパス流路に設けられたバイパスバルブを用いて燃料電池に供給する酸化ガスの流量を調整する燃料電池システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようにバイパスバルブを用いたシステムでは、バイパスバルブの異常が起こり得る。しかし、特許文献1の燃料電池システムでは、バイパスバルブの異常時にもかかわらず、バイパスバルブに対して平常時と同様な制御が行われる。このため、例えば、バイパスバルブが開動作を行えない異常であるにも関わらず、開度を大きくする指令が送信され、バイパスバルブの開度調整用のバルブ駆動モータに過剰な負荷が掛かるという問題が起こり得る。また、酸化ガス供給流路や酸化オフガス排出流路に設けられたバルブにおいて開動作が行えない異常が発生したためにバルブ駆動モータへの通電を停止した場合、かかるバルブがノーマリークローズのバルブである場合には全閉状態となり、酸化ガス欠となり、又は酸化オフガスが排出できずに、発電を継続できなくなるという問題が起こり得る。このようなことから、燃料電池に用いられるバルブに異常が生じた場合に、バルブ駆動モータの負荷を抑制しつつ、燃料電池の発電を継続可能な技術が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池に酸化ガスを供給するための酸化ガス供給流路と、前記燃料電池から酸化オフガスを排出するための酸化オフガス排出流路と、前記酸化ガス供給流路と前記酸化オフガス排出流路とを接続するバイパス流路と、前記バイパス流路に設けられ、前記酸化ガス供給流路を流れる前記酸化ガスの流れを、前記燃料電池に向かう流れと前記バイパス流路に向かう流れとに分流するための分流バルブと、前記分流バルブの開度を調整するバルブ駆動モータと、前記分流バルブの開度を検知するバルブ開度検知センサと、前記バルブ駆動モータを制御することにより前記分流バルブの動作を制御し、前記バルブ開度検知センサにより検知された前記分流バルブの開度である検知開度を利用して前記分流バルブの異常を検知する制御部と、を備え、前記制御部は、検知された前記異常が開かない開異常であり且つ閉じることができる場合に、前記バルブ駆動モータに対して現状の開度よりも小さくする閉指令を送信し、検知された前記異常が閉じない閉異常であり且つ開くことができる場合と、閉じることも開くこともできない開閉異常である場合と、のいずれかである場合に、前記バルブ駆動モータに対して、前記開度を維持する維持指令を送信する。
この形態の燃料電池システムによれば、制御部は、検知された異常が開かない開異常であり且つ閉じることができる場合に、バルブ駆動モータに対して現状の開度より小さくする閉指令を送信する。このため、バイパス流路に向かう酸化ガスを減らして燃料電池に向かう酸化ガスの流量を増加して、燃料電池の発電を継続させることができる。また、開異常であるにも関わらずバルブ駆動モータに開く指令を送信してしまいバルブ駆動モータの負荷が増大することを抑制できる。制御部は、分流バルブの異常が閉じない閉異常であり且つ開くことができる場合に、バルブ駆動モータに対して開度を維持する維持指令を送信する。このため、燃料電池に向かう酸化ガスの流量の減少を抑えて燃料電池の発電を継続させることができる。また、閉異常であるにも関わらずバルブ駆動モータに閉じる指令を送信してしまいバルブ駆動モータの負荷が増大することを抑制できる。制御部は、分流バルブの異常が閉じることも開くこともできない開閉異常である場合に、バルブ駆動モータに対して開度を維持する維持指令を送信する。このため、燃料電池に向かう酸化ガスの流量の減少を抑えて燃料電池の発電を継続させることができる。また、開閉異常であるにも関わらずバルブ駆動モータに対して閉じる又は開く指令を送信してしまいバルブ駆動モータの負荷が増大することを抑制できる。このように、この形態の燃料電池システムによれば、分流バルブに異常が生じた場合に、バルブ駆動モータの負荷を抑制しつつ、燃料電池の発電を継続させることができる。
(2)本開示の別の一形態によれば、燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池に酸化ガスを供給するための酸化ガス供給流路と、前記燃料電池から酸化オフガスを排出するための酸化オフガス排出流路と、前記酸化ガス供給流路に配置され前記酸化ガスの流れを調整するバルブと、前記酸化オフガス排出流路に配置され前記酸化オフガスの流れを調整するバルブと、のうちの少なくとも一方である調流バルブと、前記調流バルブの開度を調整するバルブ駆動モータと、前記調流バルブの開度を検知するバルブ開度検知センサと、前記バルブ駆動モータを制御することにより前記調流バルブの動作を制御し、前記バルブ開度検知センサにより検知された前記調流バルブの開度である検知開度を利用して前記調流バルブの異常を検知する制御部と、を備え、前記制御部は、検知された前記異常が閉じない閉異常であり且つ開くことができる場合に、前記バルブ駆動モータに対して現状の開度よりも大きくする開指令を送信し、検知された前記異常が開かない開異常であり且つ閉じることができる場合と、開くことも閉じることもできない開閉異常である場合と、のいずれかである場合に、前記バルブ駆動モータに対して前記開度を維持する維持指令を送信する。
この形態の燃料電池システムによれば、制御部は、検知された異常が閉じない閉異常であり且つ開くことができる場合に、バルブ駆動モータに対して現状の開度よりも大きくする開指令を送信する。このため、燃料電池に向かう酸化ガスの流量を増加して燃料電池の発電を継続させることができる。また、閉異常であるにも関わらずバルブ駆動モータに閉じる指令を送信してしまいバルブ駆動モータの負荷が増大することを抑制できる。制御部は、検知された異常が開異常であり且つ閉じることができる場合に、バルブ駆動モータに対して開度を維持する維持指令を送信する。このため、燃料電池に向かう酸化ガスの流量の減少を抑えて燃料電池の発電を継続させることができる。また、開異常であるにも関わらずバルブ駆動モータに開く指令を送信してしまいバルブ駆動モータの負荷が増大することを抑制できる。制御部は、検知された異常が開閉異常である場合に、バルブ駆動モータに対して開度を維持する維持指令を送信する。このため、燃料電池に向かう酸化ガスの流量の減少を抑えて燃料電池の発電を継続させることができる。また、開閉異常であるにも関わらずバルブ駆動モータに対して閉じる又は開く指令を送信してしまいバルブ駆動モータの負荷が増大することを抑制できる。このように、この形態の燃料電池システムによれば、調流バルブに異常が生じた場合に、バルブ駆動モータの負荷を抑制しつつ、燃料電池の発電を継続させることができる。
(3)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記バルブ駆動モータに対して開度信号を送信することにより前記バルブ駆動モータを制御し、前記送信した前記開度信号の示す開度と前記検知開度との開度差が予め定められた開度差以上の場合、前記異常を検知してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、開度信号の示す開度と検知開度とを用いて精度良く異常を検知できる。
(4)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記異常を検知した場合に、該異常が前記開異常と前記閉異常とのいずれかであるかを特定するために、前記バルブ駆動モータに対して予め定められた前記開度信号を送信してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、異常を検知した場合に、かかる異常が開異常と閉異常とのいずれかであるかを精度良く特定できる。
(5)上記(1)の形態の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、検知された前記異常が前記開異常であり、且つ、閉じることができる場合に、前記バルブ駆動モータに対して前記閉指令として最小開度とする指令を送信してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、分流バルブの異常が開異常であり、且つ、閉じることができる場合に、バルブ駆動モータに対して閉指令として最小開度とする指令が送信されるので、燃料電池に向かう酸化ガスの流量の減少を最小限に抑えることができる。このため、燃料電池の発電の継続が更に促進される。
(6)上記(2)の形態の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、検知された前記異常が前記閉異常であり、且つ、開くことができる場合に、前記バルブ駆動モータに対して前記開指令として最大開度とする指令を送信してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、調流バルブの異常が閉異常であり、且つ、開くことができる場合に、バルブ駆動モータに対して開指令として最大開度とする指令が送信されるので、燃料電池へ向かう酸化ガス量、または、燃料電池から排出される酸化オフガス量がより多くなるように調整される。このため、燃料電池の発電の継続が更に促進される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。
【
図2】分流バルブの異常時における分流バルブの開度制御の手順を示すフローチャートである。
【
図3】調流バルブの異常時における調流バルブの開度制御の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.実施形態:
A-1.燃料電池システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態としての燃料電池システム10の概略構成を示す説明図である。燃料電池システム10は、図示しない燃料電池車両に搭載され、車両の駆動モータを含む負荷100に対して電力を供給する。
【0009】
燃料電池システム10は、燃料電池20と、酸化ガス給排系30と、水素ガス給排系50と、DC/DCコンバータ70と、二次電池80と、バルブ開度検知センサ82、85、86と、制御部90と、記憶部92とを備える。なお、燃料電池システム10は、燃料電池20の温度を所定範囲に保つために、燃料電池20を冷却する図示しない冷媒循環系をさらに備えていてもよい。
【0010】
燃料電池20は、固体高分子型燃料電池により構成され、水素ガスおよび酸化ガスの供給を受けて発電する。燃料電池20は、複数の単セル21が積層されたスタック構造を有する。各単セル21は、図示しない電解質膜の両面に電極を配置した図示しない膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持する図示しない1組のセパレータとを有する。燃料電池20を構成する各単セル21には、電解質膜を介して、水素ガスが供給されるアノード22と、酸化ガスが供給されるカソード23とが形成されている。なお、
図1では、アノード22およびカソード23を概念図として示している。
【0011】
酸化ガス給排系30は、酸化ガスを燃料電池20に供給し、酸化オフガスを排出する。酸化ガス給排系30は、酸化ガス供給流路31と、エアフローメータ32と、コンプレッサ33と、カソード圧力センサ34と、調流バルブ36と、バイパス流路41と、分流バルブ42と、酸化オフガス排出流路45とを有する。
【0012】
酸化ガス供給流路31は、燃料電池20へと供給される酸化ガスの流路を構成している。エアフローメータ32は、酸化ガス供給流路31に取り込まれた酸化ガスの流量を検出する。コンプレッサ33は、酸化ガスを圧縮して燃料電池20へと圧送する。カソード圧力センサ34は、酸化ガス供給流路31においてコンプレッサ33よりも燃料電池20側に配置され、燃料電池20に供給される酸化ガスの圧力を検出する。
【0013】
調流バルブ36は、入口バルブ35と、カソード調圧バルブ46とを有する。入口バルブ35は、酸化ガス供給流路31に配置されている。入口バルブ35は、コンプレッサ33と燃料電池20との間であってバイパス流路41との接続部位よりも燃料電池20側に配置されている。バルブ駆動モータ35aは、制御部90から受信する指令に応じて入口バルブ35の開度を調整する。この結果、酸化ガス供給流路31を流れる酸化ガスの流量が調整される。
【0014】
カソード調圧バルブ46は、酸化オフガス排出流路45に配置されている。カソード調圧バルブ46は、燃料電池20と、酸化オフガス排出流路45とバイパス流路41との接合点と、の間に配置されている。バルブ駆動モータ46aは、制御部90から受信する指令に応じてカソード調圧バルブ46の開度を調整する。この結果、酸化オフガス排出流路45を流れる酸化オフガスの流量が調整される。
【0015】
バイパス流路41は、酸化ガス供給流路31と酸化オフガス排出流路45とを接続する。分流バルブ42は、バイパス流路41に配置され、酸化ガスの流れを、燃料電池20に向かう流れとバイパス流路41に向かう流れとに分流する。バルブ駆動モータ42aは、制御部90からの指令に応じて分流バルブ42の開度を調整する。この結果、バイパス流路41を流れる酸化ガスの流量が調整される。酸化オフガス排出流路45は、燃料電池20から排出された酸化オフガスを燃料電池システム10の外部へと排出する。本実施形態において、入口バルブ35と、分流バルブ42と、カソード調圧バルブ46とは、全てノーマルクローズとなるように構成されている。入口バルブ35の弁体と、カソード調圧バルブ46の弁体とは、いずれも、分流バルブ42の弁体よりも大きい。入口バルブ35と、カソード調圧バルブ46には、バルブの弁体とバルブボディーの間にシール剤が施されて封止性が高められている。
【0016】
水素ガス給排系50は、水素ガスを燃料電池20に供給し、水素オフガスを排出する。水素ガス給排系50は、水素タンク51と、水素ガス供給路52と、タンク圧力センサ53と、主止バルブ54と、アノード調圧バルブ55と、インジェクタ56と、アノード圧力センサ57と、水素ガス排出路61と、気液分離器62と、循環配管63と、水素ポンプ64と、排気排水バルブ65とを備える。
【0017】
水素タンク51は、高圧の水素を貯蔵している。水素ガス供給路52は、水素タンク51から燃料電池20へと供給される水素の流路を構成している。タンク圧力センサ53は、水素タンク51の圧力を検出する。主止バルブ54、アノード調圧バルブ55、インジェクタ56、およびアノード圧力センサ57は、水素ガス供給路52において、水素タンク51に近い側からこの順序で配置されており、制御部90によって駆動される。
【0018】
主止バルブ54は、水素タンク51からの水素の供給をオンオフする。アノード調圧バルブ55は、燃料電池20に供給する水素の圧力を調整する。インジェクタ56は、電磁駆動式の開閉バルブにより構成され、制御部90によって設定された駆動周期やバルブの開時間に応じて駆動し、水素を噴射する。アノード圧力センサ57は、水素ガス供給路52において循環配管63との接続部位よりも燃料電池20の近くに配置され、アノード22の圧力を検出する。
【0019】
水素ガス排出路61は、燃料電池20と気液分離器62とを接続している。気液分離器62は、燃料電池20から排出された液水混じりのアノード排ガスから液水を分離する。循環配管63は、気液分離器62と水素ガス供給路52のインジェクタ56よりも燃料電池20側とを接続している。水素ポンプ64は、循環配管63に配置され、電気化学反応に用いられなかった水素ガスを含むアノード排ガスを水素ガス供給路52に循環させる。排気排水バルブ65は、通常閉じており、制御部90からの指示に応じてバルブを開く。これにより、気液分離器62によって分離された液水と不純物ガスとが、燃料電池システム10の外部へと排出される。
【0020】
DC/DCコンバータ70は、燃料電池20と、二次電池80および負荷100との間に配置されている。DC/DCコンバータ70は、燃料電池20の出力電圧を所望の電圧に変換する。
【0021】
二次電池80は、充放電可能なバッテリであり、リチウムイオン電池で構成されている。なお、リチウムイオン電池に代えて、ニッケル水素電池等の他の任意の二次電池により構成されてもよい。二次電池80は、燃料電池20とともに燃料電池システム10の電力源として機能するとともに、燃料電池20により発電された電力を蓄電する。
【0022】
バルブ開度検知センサ82は、分流バルブ42の近傍に設けられている。バルブ開度検知センサ85は、入口バルブ35の近傍に設けられている。バルブ開度検知センサ86は、カソード調圧バルブ46の近傍に設けられている。バルブ開度検知センサ82、85、86は、それぞれ、分流バルブ42、入口バルブ35、カソード調圧バルブ46の開度を検知する。
【0023】
負荷100は、燃料電池車両の駆動モータの他、コンプレッサ33や水素ポンプ64等の補機、および、燃料電池車両が備える空調設備(エアコン)等の車両補機を含んでいてもよい。負荷100は、図示しないインバータを介して、燃料電池20若しくは二次電池80から、または、燃料電池20および二次電池80の双方から同時に、電力が供給される。
【0024】
制御部90は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)と主記憶装置とを備えるマイクロコンピュータであり、電子制御ユニットとして構成されている。制御部90には、カソード圧力センサ34、タンク圧力センサ53、アノード圧力センサ57等の各種センサに加えて、燃料電池車両の図示しないアクセル開度センサや車速センサ等のセンサ群から検出信号が入力される。また、制御部90は、入口バルブ35、分流バルブ42、カソード調圧バルブ46、主止バルブ54、アノード調圧バルブ55、インジェクタ56、および排気排水バルブ65等の各種バルブや、コンプレッサ33および水素ポンプ64を含む補機等の、燃料電池20の発電に関わる各部に駆動信号を出力することにより各部を制御する。制御部90は、主記憶装置に記憶された制御プログラムを実行することにより、燃料電池システム10の発電の制御を行なう。
【0025】
制御部90は、バルブ駆動モータ35a、42a、46aのそれぞれを制御することにより各バルブ35、42、46の動作を制御する。制御部90は、バルブ開度検知センサ85、82、86によって検知された各バルブ35、42、46の開度である検知開度を利用して各バルブ35、42、46の異常を検知する。具体的には、例えば、制御部90は、バルブ駆動モータ35aに対して開度信号を送信することにより、バルブ駆動モータ35aを制御する。制御部90は、送信した開度信号の示す開度と、入口バルブ35の開度である検知開度との開度差が予め定められた開度差以上の場合、入口バルブ35の異常を検知する。
【0026】
制御部90は、入口バルブ35と、分流バルブ42と、カソード調圧バルブ46と、のうちのいずれかの異常が検知された場合に、異常が検知されたバルブのバルブ駆動モータに対して指令を送信する。かかる指令には、開指令と、閉指令と、維持指令とが含まれ得る。開指令は、バルブの開度を現状の開度よりも大きくする指令である。また、閉指令は、バルブの開度を現状の開度よりも小さくする指令である。さらに、維持指令は、バルブの開度を現状の開度に維持する指令である。詳細は後述する。なお、各バルブの開かない開異常、または、閉じない閉異常は、例えば、バルブモータの軸を動かすギアに異物が挟まったり、ギアに錆が生じたり、ギアの歯が折れてしまうことによって起こり得る。また、弁体を支えているシャフトと、シャフトの軸を受ける所に異物が入り込んだ場合にも起こり得る。
【0027】
記憶部92には、バルブの開度が記憶される。また、記憶部92には、各センサからの計測データが記憶される。
【0028】
A-2.分流バルブ異常時の分流バルブの開度制御:
図2は、分流バルブ42の異常時における分流バルブ42の開度制御の手順を示すフローチャートである。分流バルブ42の開度制御は、分流バルブ42の異常が制御部90によって検知された後、繰り返し実行される。
【0029】
制御部90は、検知された異常が、分流バルブ42の異常が閉じない閉異常であり、且つ、開くことができる場合と、分流バルブ42の異常が閉じることも開くこともできない開閉異常である場合と、のいずれかであるか否かを判定する(ステップS10)。分流バルブ42の異常が、閉異常であり、且つ、開くことができる場合と、閉じることも開くこともできない開閉異常である場合と、のうちのいずれかであると判定された場合(ステップS10:Yes)、制御部90は、分流バルブ42のこのときの開度θd1を異常確定時のバルブ開度として記憶部92に記憶する(ステップS12)。制御部90は、バルブ駆動モータ42aに対して、異常確定時のバルブ開度(バルブ開度θd1)を開度指令値とする維持指令を送信する(ステップS14)。この結果、分流バルブ42の開度は異常確定時のバルブ開度を維持するので、分流バルブ42のバルブ駆動モータ42aの負荷は抑制されている。すなわち、閉異常にも関わらず閉指令を送信したり、開異常にも関わらず開指令を送信したりして、分流バルブ42の負荷が増加することを抑制できる。また、開度が維持されているので、分流バルブ42の開度が増加して燃料電池へ向かう酸化ガス量が減少することが抑制される。これにより、燃料電池20における発電が継続される。
【0030】
分流バルブ42の異常が、閉異常であり、且つ、開くことができる場合と、閉じることも開くこともできない開閉異常である場合と、のうちのいずれかでないと判定された場合(ステップS10:No)、制御部90は、バルブ駆動モータ42aに対して、分流バルブ42のバルブ開度を全閉にする指令(以下、「全閉指令」と呼ぶ)を送信する(ステップS16)。なお、全閉指令とは、バルブ開度を最小開度とする指令である。分流バルブ42において、「開くことはできるが閉じない閉異常と、閉じることも開くこともできない開閉異常のいずれかでない異常」とは、「開くことができないが閉じることができる異常」が該当する。このような開くことができないが閉じることができる異常の場合に、ステップS16において、分流バルブ42のバルブ開度を全閉にする指令が送信されるので、バルブ駆動モータ42aの負荷の増加は抑制されている。すなわち、開くことができない異常にもかかわらず開指令を送信して分流バルブ42の負荷が増大することを抑制できる。また、バルブ駆動モータ42aに全閉指令が送られるので、燃料電池20に向かう酸化ガス量を多くできる。このため、燃料電池20の発電が継続される。
【0031】
A-3.調流バルブ異常時の調流バルブの開度制御:
図3は、調流バルブ36の異常時における調流バルブ36の開度制御の手順を示すフローチャートである。調流バルブ36の開度制御は、調流バルブ36の異常が制御部90によって検知された後、繰り返し実行される。なお、「調流バルブ36の異常」とは、調流バルブ36を構成する入口バルブ35とカソード調圧バルブ46とのうちの少なくとも一方の異常のことである。
【0032】
制御部90は、検知された異常が、調流バルブ36が開異常であり、且つ、閉じることができる場合と、開くことも閉じることもできない開閉異常である場合と、のうちのいずれかであるか否かを判定する(ステップS30)。調流バルブ36の異常が、開異常であり、且つ、閉じることができる場合と、開くことも閉じることもできない開閉異常である場合と、のうちのいずれかであると判定された場合(ステップS30:Yes)、制御部90は、調流バルブ36のこのときの開度θd2を異常確定時のバルブ開度として記憶部92に記憶する(ステップS32)。制御部90は、バルブ駆動モータに対して、調流バルブ36のバルブ開度θd2を開度指令値とする維持指令を送信する(ステップS34)。この結果、調流バルブ36の開度は異常確定時のバルブ開度を維持するので、調流バルブ36のバルブ駆動モータの負荷の増加は抑制されている。すなわち、開異常にもかかわらず開指令を送信したり、閉異常にもかかわらず閉指令を送信したりして、調流バルブ36の負荷が増加することを抑制できる。また、開度が維持されているので、燃料電池20へ向かう酸化ガス量が減少することが抑制される。これにより、燃料電池20における発電が継続される。なお、ステップS32およびステップS34では、調流バルブ36のうち、異常が検知されたバルブのみに対してステップS32およびステップS34の処理が行われる。なお、正常なバルブのバルブ駆動モータに対しては、通常時と同様な開度指令が送信される。
【0033】
調流バルブ36の異常が、開異常であり、且つ、閉じることができる場合と、開くことも閉じることもできない開閉異常である場合と、のうちのいずれかでないと判定された場合(ステップS30:No)、制御部90は、バルブ駆動モータに対して、調流バルブ36のバルブ開度を全開にする指令を送信する(ステップS36)。ステップS36では、上記ステップS32とステップS34と同様に、調流バルブ36のうち、異常のあるバルブのバルブ駆動モータに対して、バルブ開度を全開にする指令が送信される。例えば、調流バルブ36のうち、異常のあるバルブが入口バルブ35の場合は、バルブ駆動モータ35aに対して、バルブ開度を全開にする指令が送信され、他方のカソード調圧バルブ46のバルブ駆動モータ46aに対しては、通常時と同様な開度指令が送信される。なお、全開指令とは、バルブの開度を最大開度とする指令である。
【0034】
調流バルブ36において、「開かない開異常と、閉じることも開くこともできない開閉異常のいずれかでない異常」とは、「閉じることができないが開くことができる異常」が該当する。このような閉じることができないが開くことができる異常の場合に、ステップS36において、調流バルブ36のバルブ開度を全開にする指令が送信されるので、バルブ駆動モータの負荷は抑制されている。すなわち、閉じることができない閉異常にもかかわらず閉指令を送信して、調流バルブ36の負荷が増加することを抑制できる。また、調流バルブ36に全開指令が送られるので、燃料電池20へ向かう酸化ガス量または燃料電池から排出される酸化オフガス量が多くなるように、酸化ガス量または酸化オフガス量が調整される。このため、燃料電池20における発電が継続される。
【0035】
以上説明した本実施形態の燃料電池システム10によれば、制御部90は、分流バルブ42の異常が開異常であり、且つ、閉じることができる場合に、バルブ駆動モータ42aに対して最小開度とする全閉指令を送信する。このため、バイパス流路41に向かう酸化ガスを減らして燃料電池20に向かう酸化ガスの流量を増加して、燃料電池20の発電を継続させることができる。また、開異常であるにも関わらずバルブ駆動モータ42aに開く指令を送信してしまいバルブ駆動モータ42aの負荷が増大することを抑制できる。
【0036】
制御部90は、分流バルブ42の異常が閉じない閉異常であり、且つ、開くことができる場合に、バルブ駆動モータ42aに対して開度を維持する維持指令を送信する。このため、燃料電池20に向かう酸化ガスの流量の減少を抑えて燃料電池20の発電を継続させることができる。また、閉異常であるにも関わらずバルブ駆動モータ42aを閉じる指令を送信してしまいバルブ駆動モータ42aの負荷が増大することを抑制できる。
【0037】
制御部90は、分流バルブ42の異常が閉じることも開くこともできない開閉異常である場合に、バルブ駆動モータ42aに対して開度を維持する維持指令を送信する。このため、燃料電池20に向かう酸化ガスの流量の減少を抑えて燃料電池20の発電を継続させることができる。また、開閉異常であるにも関わらずバルブ駆動モータ42aに対して閉じる又は開く指令を送信してしまいバルブ駆動モータ42aの負荷が増大することを抑制できる。このように、この形態の燃料電池システムによれば、分流バルブ42に異常が生じた場合に、バルブ駆動モータ42aの負荷を抑制しつつ、燃料電池20の発電を継続させることができる。
【0038】
制御部90は、調流バルブ36の異常が閉異常であり、且つ、開くことができる場合に、調流バルブ36のバルブ駆動モータに対して最大開度とする全開指令を送信する。このため、燃料電池20に向かう酸化ガスの流量を増加して燃料電池20の発電を継続させることができる。また、閉異常であるにも関わらずバルブ駆動モータに閉じる指令を送信してしまいバルブ駆動モータの負荷が増大することを抑制できる。
【0039】
制御部90は、調流バルブ36の異常が開異常であり、且つ、閉じることができる場合に、調流バルブ36のバルブ駆動モータに対して開度を維持する維持指令を送信する。このため、燃料電池20に向かう酸化ガスの流量の減少を抑えて燃料電池20の発電を継続させることができる。また、開異常であるにも関わらずバルブ駆動モータに開く指令を送信してしまいバルブ駆動モータの負荷が増大することを抑制できる。
【0040】
制御部90は、調流バルブ36の異常が開くことも閉じることもできない開閉異常である場合に、調流バルブ36のバルブ駆動モータに対して開度を維持する維持指令を送信する。このため、燃料電池20に向かう酸化ガスの流量の減少を抑えて燃料電池20の発電を継続させることができる。また、開閉異常であるにも関わらずバルブ駆動モータに対して閉じる又は開く指令を送信してしまいバルブ駆動モータの負荷が増大することを抑制できる。このように、この形態の燃料電池システムによれば、調流バルブ36に異常が生じた場合に、バルブ駆動モータの負荷を抑制しつつ、燃料電池20の発電を継続させることができる。
【0041】
B.他の実施形態:
(B1)上記実施形態の燃料電池システム10において、バイパス流路41と、分流バルブ42とを省略してもよい。この構成においても、調流バルブ36について
図3に示す調流バルブ36の開度制御を実行することにより、上記実施形態と同様な効果を奏する。また、上記実施形態の燃料電池システム10において、入口バルブ35と、カソード調圧バルブ46とのうちの少なくとも一方を省略してもよい。この構成においても、分流バルブ42について
図2に示す分流バルブ42の開度制御を実行することにより、上記実施形態と同様な効果を奏する。入口バルブ35と、カソード調圧バルブ46と、のうちのいずれか一方のみを備える構成においては、分流バルブ42については
図2に示す分流バルブ42の開度制御を実行し、調流バルブの36のうち備わっているいずれか一方のバルブについては
図3に示す調流バルブ36の開度制御を実行することにより、上記実施形態と同様な効果を奏する。
【0042】
(B2)上記実施形態の燃料電池システム10では、3つのバルブのうちの一部のバルブについて、異常時のバルブ開度制御処理を実行しなくてもよい。残りのバルブについて開度制御を実行することにより、上記実施形態と同様な効果を奏する。
【0043】
(B3)上記実施形態の分流バルブ42の異常時の分流バルブ42の開度制御において、ステップS10の処理の実行前に、分流バルブ42が開くことができるかを特定するための処理、および、分流バルブ42が閉じることができるかを特定するための処理を追加して実行してもよい。同様に、上記実施形態の調流バルブ36の異常時の調流バルブ36の開度制御において、ステップS30の処理の実行前に、調流バルブ36が開くことができるかを特定するための処理、および、調流バルブ36が閉じることができるかを特定するための処理を追加して実行してもよい。
【0044】
(B4)上記実施形態の分流バルブ42の異常時の分流バルブ42の開度制御において、ステップS16の処理として分流バルブ42に対して全閉指令が送信されていたが、現在の開度よりも任意の開度だけ閉じる指令が送信されてもよい。また、上記実施形態の調流バルブ36の異常時の調流バルブ36の開度制御において、ステップS36の処理として全開指令が送信されていたが、現在の開度よりも任意の開度だけ開く指令が送信されてもよい。
【0045】
(B5)上記実施形態の調流バルブ36の異常時の調流バルブ36の開度制御において、調流バルブ36のうち、異常が検知されたバルブのみに対して
図3に示す処理が行われ、正常なバルブについては、通常時と同様な開度指令がバルブ駆動モータに送信されていたが、本開示はこれに限定されない。正常なバルブについても、燃料電池20の状態に応じた所定の開度に調整されてもよい。例えば、入口バルブ35に異常が検知された場合、他方のカソード調圧バルブ46について所定の開度に調整されてもよい。
【0046】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
10…燃料電池システム、20…燃料電池、21…単セル、22…アノード、23…カソード、30…酸化ガス給排系、31…酸化ガス供給流路、32…エアフローメータ、33…コンプレッサ、34…カソード圧力センサ、35…入口バルブ、35a,42a,46a…バルブ駆動モータ、36…調流バルブ、41…バイパス流路、42…分流バルブ、45…酸化オフガス排出流路、46…カソード調圧バルブ、50…水素ガス給排系、51…水素タンク、52…水素ガス供給路、53…タンク圧力センサ、54…主止バルブ、55…アノード調圧バルブ、56…インジェクタ、57…アノード圧力センサ、61…水素ガス排出路、62…気液分離器、63…循環配管、64…水素ポンプ、65…排気排水バルブ、70…DC/DCコンバータ、80…二次電池、82,85,86…バルブ開度検知センサ、90…制御部、92…記憶部、100…負荷