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特許7456929導波管セルを製造するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】導波管セルを製造するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/18 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
G02B5/18
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020537551
(86)(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 US2018062835
(87)【国際公開番号】W WO2019135837
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】62/703,329
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/614,813
(32)【優先日】2018-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/663,864
(32)【優先日】2018-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/614,932
(32)【優先日】2018-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/614,831
(32)【優先日】2018-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/667,891
(32)【優先日】2018-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509325972
【氏名又は名称】ディジレンズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウォルダーン, ジョナサン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】モラッド, ラトソン
(72)【発明者】
【氏名】グラント, アラステア ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ, シフイ
(72)【発明者】
【氏名】アブラハム, シブ
(72)【発明者】
【氏名】ポポヴィッチ, ミラン モムシロ
【審査官】吉川 陽吾
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/027006(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/205256(WO,A1)
【文献】特表2018-521350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波管セルを製造するための方法であって、
第1の基板を提供することと、
少なくとも1つの堆積ヘッドを使用して、光学記録材料の層を前記第1の基板上に堆積させることと、
前記光学記録材料の層をホログラフィック露光することと、を含み、
前記光学記録材料の層を前記第1の基板上に堆積させることは、
光学記録材料の第1の混合物を提供することと、
光学記録材料の第2の混合物を提供することと、
前記少なくとも1つの堆積ヘッドを使用して、格子領域を含む所定のパターンを生じさせるように前記光学記録材料の第1の混合物を前記第1の基板の第1の領域上に堆積させ前記光学記録材料の第2の混合物を前記第1の基板の第2の領域上に堆積させることと、を含み、
前記光学記録材料の第1の混合物は、前記光学記録材料の第2の混合物と異なる重量パーセンテージの液晶を有し、
前記格子領域にわたって堆積される前記光学記録材料は、ホログラフィック露光後に所定の格子特性を達成するように調合され、前記所定の格子特性は、ホログラフィック露光後に格子をもたらし、前記格子は、前記所定のパターンに応じて空間的に変動する回折効率を有する、方法。
【請求項2】
第2の基板を提供することと、
前記第2の基板を前記光学記録材料の堆積層上に設置することと、
前記第1の基板、前記光学記録材料の層、および前記第2の基板を積層することと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光学記録材料の第1の混合物は、第1のビーズを含み、
前記光学記録材料の第2の混合物は、前記第1のビーズと異なるサイズである第2のビーズを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
導波管セルを製造するための方法であって、
第1の基板を提供することと、
少なくとも1つの堆積ヘッドを使用して、光学記録材料の層を前記第1の基板上に堆積させることと、
前記光学記録材料の層をホログラフィック露光することと、を含み、
前記光学記録材料の層を前記第1の基板上に堆積させることは、
光学記録材料の第1の混合物を提供することと、
光学記録材料の第2の混合物を提供することと、
前記少なくとも1つの堆積ヘッドを使用して、格子領域と非格子領域とを含む所定のパターンにおいて前記光学記録材料の第1の混合物および前記光学記録材料の第2の混合物を前記第1の基板上に堆積させることと、を含み、
前記格子領域にわたって堆積される前記光学記録材料は、ホログラフィック露光後に所定の格子特性を達成するように調合され、前記所定の格子特性は、ホログラフィック露光後に格子をもたらし、前記格子は、前記所定のパターンに応じて空間的に変動する回折効率を有し、
前記光学記録材料の第1の混合物は、液晶と、モノマーとを含み、
前記光学記録材料の第2の混合物は、モノマーを含み、
前記光学記録材料の第1の混合物は、前記光学記録材料の第2の混合物と異なる重量パーセンテージの液晶を有し、
前記所定のパターンにおいて前記光学記録材料の第1の混合物および前記光学記録材料の第2の混合物を前記第1の基板上に堆積させることは、
前記格子領域にわたって前記光学記録材料の第1の混合物を堆積させることと、
前記非格子領域にわたって前記光学記録材料の第2の混合物を堆積させることと、を含む、方法。
【請求項5】
前記光学記録材料の第1の混合物は、モノマーと液晶とを含むポリマー分散液晶混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリマー分散液晶混合物は、ナノ粒子、スイッチング電圧を低減させるための添加剤、スイッチング時間を低減させるための添加剤、屈折率変調を増加させるための添加剤、およびヘイズを低減させるための添加剤から成る群から選択される添加剤を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの堆積ヘッドは、少なくとも1つのインクジェット印刷ヘッドを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記光学記録材料の層を堆積させることは、
光学記録材料の第1の混合物を提供することと、
光学記録材料の第2の混合物を提供することと、
少なくとも1つのインクジェット印刷ヘッドを使用して、前記光学記録材料の第1の混合物の第1のドットを印刷することと、
前記少なくとも1つのインクジェット印刷ヘッドを使用して、前記第1のドットに隣接して前記光学記録材料の第2の混合物の第2のドットを印刷することと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのインクジェット印刷ヘッドは、第1のインクジェット印刷ヘッドと、第2のインクジェット印刷ヘッドとを備え、
前記光学記録材料の層を堆積させることは、
光学記録材料の第1の混合物を提供することと、
光学記録材料の第2の混合物を提供することと、
前記第1のインクジェット印刷ヘッドを使用して、前記光学記録材料の第1の混合物を前記第1の基板上に印刷することと、
前記第2のインクジェット印刷ヘッドを使用して、前記光学記録材料の第2の混合物を前記第1の基板上に印刷することと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記所定の格子特性は、屈折率変調、屈折率、複屈折性、液晶ダイレクタ整合、および格子層厚さから成る群から選択される特性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記所定の格子特性は、屈折率変調、屈折率、複屈折性、液晶ダイレクタ整合、および格子層厚さから成る群から選択される特性の空間変動を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
格子を加工するためのシステムであって、
ホログラフィックポリマー分散液晶混合物である光学記録材料の第1の混合物を含有する第1のリザーバおよび光学記録材料の第2の混合物を含有する第2のリザーバに接続される少なくとも1つの堆積ヘッドと、
格子を支持するための少なくとも1つの所定の領域を有する第1の基板と、
前記第1の基板を横断して前記少なくとも1つの堆積ヘッドを位置付けることが可能な位置付け要素と、
前記第1の基板を露光するためのホログラフィック露光装置と、を備え、
前記少なくとも1つの堆積ヘッドは、所定のパターンで前記光学記録材料の第1の混合物を前記第1の基板の第1の領域上に堆積させ、前記光学記録材料の第2の混合物を前記第1の基板の第2の領域上に堆積させるように構成され、
前記ホログラフィック露光装置は、前記光学記録材料の第1の混合物および前記光学記録材料の第2の混合物を前記第1の基板上に堆積させた後に前記第1の基板の少なくとも1つの所定の領域をホログラフィック露光するように構成され、
前記堆積された材料は、少なくとも1つの所定の格子領域内に所定の格子特性を提供し、
前記所定の格子特性は、ホログラフィック露光後に格子をもたらし、前記格子は、前記所定のパターンに応じて空間的に変動する回折効率を有し、
前記光学記録材料の第1の混合物は、前記光学記録材料の第2の混合物と異なる重量パーセンテージの液晶を有する、システム。
【請求項13】
前記光学記録材料の第1の混合物は、液晶と、モノマーとを含み、前記光学記録材料の第2の混合物は、モノマーを含み、前記少なくとも1つの堆積ヘッドは、前記光学記録材料の第1の混合物を前記少なくとも1つの所定の格子領域上に堆積させるように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの堆積ヘッドは、少なくとも1つのインクジェット印刷ヘッドを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記所定の格子特性は、屈折率変調、屈折率、複屈折性、液晶ダイレクタ整合、および格子層厚さから成る群から選択される特性を含む、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、第35 U.S.C. § 119(e)号に基づいて、「Method and Apparatus for Fabricating Holographic Gratings」と題され、2018年4月27日に出願された、米国仮特許出願第62/663,864号、「Low Haze Liquid Crystal Materials」と題され、2018年1月8日に出願された、米国仮特許出願第62/614,813号、「Liquid Crystal Materials and Formulations」と題され、2018年1月8日に出願された、米国仮特許出願第62/614,831号、「Methods for Fabricating Optical Waveguides」と題され、2018年1月8日に出願された、米国仮特許出願第62/614,932号、「Method and Apparatus for Copying a Diversity of Hologram Prescriptions from a Common Master」と題され、2018年5月7日に出願された、米国仮特許出願第62/667,891号、および「Systems and Methods for Fabricating a Multilayer Optical Structure」と題され、2018年7月25日に出願された、米国仮特許出願第62/703,329号の利益および優先権を主張する。米国仮特許出願第62/663,864号、第62/614,813号、第62/614,831号、第62/614,932号、第62/667,891号、および第62/703,329号の開示は、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
(技術分野)
【0002】
本発明は、概して、導波管セルを製造するためのプロセスおよび装置に関し、より具体的には、堆積および印刷技法を利用して導波管セルを製造するためのプロセスおよび装置に関する。
【背景技術】
【0003】
導波管は、波を閉じ込め、誘導する(すなわち、波が伝搬し得る空間領域を制限する)能力を伴う構造と称されることができる。導波管の1つのクラスは、電磁波、典型的には、可視スペクトルにおけるものを誘導し得る構造である、光導波管を含む。導波管構造は、いくつかの異なる機構を使用して波の伝搬経路を制御するように設計されることができる。例えば、平面導波管は、回折格子を利用し、入射光を回折させ、導波管構造の中に結合するように設計されることができ、したがって、内部結合された光は、全内部反射(「TIR」)を介して平面構造内で進行し続けることができる。
【0004】
導波管の加工は、導波管内のホログラフィック光学要素の記録を可能にする材料システムの使用を含むことができる。そのような材料の1つのクラスは、光重合性モノマーと、液晶とを含有する混合物である、ポリマー分散液晶(「PDLC」)混合物を含む。そのような混合物のさらなるサブクラスは、ホログラフィックポリマー分散液晶(「HPDLC」)混合物を含む。体積位相格子等のホログラフィック光学要素は、2つの相互にコヒーレントなレーザビームを用いて材料を照射することによって、そのような液体混合物中に記録されることができる。記録プロセスの間、モノマーは、重合し、混合物は、光重合誘発相分離を受け、クリアなポリマーの領域が点在する、液晶微小液滴が密集する領域を作成する。交互する液晶が豊富な領域および液晶が空乏した領域は、格子のフリンジ面を形成する。
【0005】
上記に説明されるもの等の導波管光学系は、様々なディスプレイおよびセンサ用途のために考慮されることができる。多くの用途では、複数の光学機能をエンコードする1つ以上の格子層を含有する導波管が、種々の導波管アーキテクチャおよび材料システムを使用して実現され、拡張現実(「AR」)および仮想現実(「VR」)のための接眼ディスプレイ、航空および道路交通のためのコンパクトなヘッドアップディスプレイ(「HUD」)、およびバイオメトリックおよびレーザレーダ(「LIDAR」)用途のためのセンサにおける新しい革新を可能にすることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、導波管セルを製造するための方法を含み、本方法は、第1の基板を提供するステップと、所定の格子特性を決定するステップと、少なくとも1つの堆積ヘッドを使用して、光学記録材料の層を第1の基板上に堆積させるステップであって、格子領域にわたって堆積される光学記録材料は、所定の格子特性を達成するように調合される、ステップとを含む。
【0007】
別の実施形態では、本方法はさらに、第2の基板を提供するステップと、第2の基板を光学記録材料の堆積層上に設置するステップと、第1の基板、光学記録材料の層、および第2の基板を積層するステップとを含む。
【0008】
さらなる実施形態では、光学記録材料の層を堆積させるステップは、光学記録材料の第1の混合物を提供するステップと、光学記録材料の第2の混合物を提供するステップと、少なくとも1つの堆積ヘッドを使用して、所定のパターンにおいて光学記録材料の第1および第2の混合物を第1の基板上に堆積させるステップとを含む。
【0009】
なおも別の実施形態では、光学記録材料の第1の混合物は、第1のビーズを含み、光学記録材料の第2の混合物は、第1のビーズと異なるサイズである第2のビーズを含む。
【0010】
なおもさらなる実施形態では、光学記録材料の第1の混合物は、光学記録材料の第2の混合物と異なる重量パーセンテージの液晶を有する。
【0011】
また別の実施形態では、本方法はさらに、第1の基板上の格子領域および非格子領域を画定するステップを含み、光学記録材料の第1の混合物は、液晶と、モノマーとを含み、光学記録材料の第2の混合物は、モノマーを含み、所定のパターンにおいて光学記録材料の第1および第2の混合物を第1の基板上に堆積させるステップは、格子領域にわたって光学記録材料の第1の混合物を堆積させるステップと、非格子領域にわたって光学記録材料の第2の混合物を堆積させるステップとを含む。
【0012】
またさらなる実施形態では、光学記録材料の第1の混合物は、モノマーと、液晶と、光開始剤染料と、共開始剤とを含む、ポリマー分散液晶混合物である。
【0013】
別の付加的実施形態では、ポリマー分散液晶混合物は、光開始剤、ナノ粒子、低官能性モノマー、スイッチング電圧を低減させるための添加剤、スイッチング時間を低減させるための添加剤、屈折率変調を増加させるための添加剤、およびヘイズを低減させるための添加剤を含む群から選択される添加剤を含む。
【0014】
さらなる付加的実施形態では、少なくとも1つの堆積ヘッドは、少なくとも1つのインクジェット印刷ヘッドを含む。
【0015】
再び、別の実施形態では、光学記録材料の層を堆積させるステップは、光学記録材料の第1の混合物を提供するステップと、光学記録材料の第2の混合物を提供するステップと、少なくとも1つのインクジェット印刷ヘッドを使用して、光学記録材料の第1の混合物の第1のドットを印刷するステップと、少なくとも1つのインクジェット印刷ヘッドを使用して、第1のドットに隣接して光学記録材料の第2の混合物の第2のドットを印刷するステップとを含む。
【0016】
再び、さらなる実施形態では、少なくとも1つのインクジェット印刷ヘッドは、第1のインクジェット印刷ヘッドと、第2のインクジェット印刷ヘッドとを含み、光学記録材料の層を堆積させるステップは、光学記録材料の第1の混合物を提供するステップと、光学記録材料の第2の混合物を提供するステップと、第1のインクジェット印刷ヘッドを使用して、光学記録材料の第1の混合物を第1の基板上に印刷するステップと、第2のインクジェット印刷ヘッドを使用して、光学記録材料の第2の混合物を第1の基板上に印刷するステップとを含む。
【0017】
なおもまた別の実施形態では、所定の格子特性は、屈折率変調、屈折率、複屈折性、液晶ダイレクタ整合、および格子層厚さを含む群から選択される特性を含む。
【0018】
なおもまたさらなる実施形態では、所定の格子特性は、屈折率変調、屈折率、複屈折性、液晶ダイレクタ整合、および格子層厚さを含む群から選択される特性の空間変動を含む。
【0019】
なおも別の付加的実施形態では、所定の格子特性は、露光後に格子をもたらし、格子は、空間的に変動する回折効率を有する。
【0020】
なおもさらなる付加的実施形態は、格子を加工するためのシステムを含み、本システムは、光学記録材料の少なくとも1つの混合物を含有する少なくとも1つのリザーバに接続される、少なくとも1つの堆積ヘッドと、格子を支持するための少なくとも1つの所定の領域を有する、第1の基板と、第1の基板を横断して少なくとも1つの堆積ヘッドを位置付けることが可能な位置付け要素であって、少なくとも1つの堆積ヘッドは、位置付け要素を使用して、光学記録材料の少なくとも1つの混合物を第1の基板上に堆積させるように構成され、堆積された材料は、ホログラフィック露光後に、少なくとも1つの所定の格子領域内に所定の格子特性を提供する、位置付け要素とを含む。
【0021】
再び、なおも別の付加的実施形態では、少なくとも1つの堆積ヘッドは、光学記録材料の第1の混合物を含有する第1のリザーバおよび光学記録材料の第2の混合物を含有する第2のリザーバに接続される。
【0022】
再び、なおもさらなる実施形態では、光学記録材料の第1の混合物は、液晶と、モノマーとを含み、光学記録材料の第2の混合物は、モノマーを含み、少なくとも1つの堆積ヘッドは、光学記録材料の第1の混合物を少なくとも1つの所定の格子領域上に堆積させるように構成される。
【0023】
また別の付加的実施形態では、少なくとも1つの堆積ヘッドは、少なくとも1つのインクジェット印刷ヘッドを含む。
【0024】
またさらなる付加的実施形態では、所定の格子特性は、屈折率変調、屈折率、複屈折性、液晶ダイレクタ整合、および格子層厚さを含む群から選択される特性を含む。
【0025】
再び、また別の実施形態では、所定の格子特性は、露光後に格子をもたらし、格子は、空間的に変動する回折効率を有する。
【0026】
付加的実施形態および特徴が、続く説明に部分的に記載され、部分的に、本明細書の考察に応じて当業者に明白となるであろう、または本発明の実践によって学習され得る。本発明の性質および利点のさらなる理解が、本明細書の残りの部分および本開示の一部を形成する図面を参照することによって実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
説明は、本発明の例示的実施形態として提示され、本発明の範囲の完全な列挙として解釈されるべきではない、以下の図およびデータグラフを参照して、より完全に理解されるであろう。本発明は、以下の説明に開示されるような本発明の一部または全てを用いて実践され得ることが、当業者に明白となるであろう。
【0028】
図1A図1Aは、本発明のある実施形態による、導波管セルの輪郭図を概念的に図示する。
【0029】
図1B図1Bは、本発明のある実施形態による、楔形外形を伴う導波管セルを概念的に図示する。
【0030】
図1C図1Cは、本発明のある実施形態による、導波管セルの上面図を概念的に図示する。
【0031】
図2A図2Aは、本発明のある実施形態による、作業セルクラスタシステムを概念的に図示する。
【0032】
図2B図2Bは、本発明のある実施形態による、2つの堆積作業セルを伴う作業セルクラスタシステムを概念的に図示する。
【0033】
図3A図3Aは、本発明のある実施形態による、堆積作業セルの等角図を概念的に図示する。
【0034】
図3B図3Bは、本発明のある実施形態による、堆積作業セルの上面図を概念的に図示する。
【0035】
図4図4Aおよび4Bは、本発明の種々の実施形態による、コーティングに関する補償された屈折率変調パターンを算出するための逆光線追跡の使用を概念的かつ図式的に図示する。
【0036】
図5図5Aおよび5Bは、SBGとSRGとの間の基本的構造差異を概念的に図示する。
【0037】
図6図6は、本発明のある実施形態による、格子に関するマーキングされた面積を伴う導波管セルを概念的に図示する。
【0038】
図7図7Aおよび7Bは、本発明のある実施形態による、スプレーモジュールを利用する堆積機構の動作を概念的に図示する。
【0039】
図8図8Aおよび8Bは、本発明のある実施形態による、スプレーモジュールの2つの動作状態を概念的に図示する。
【0040】
図9図9は、本発明のある実施形態による、選択的コーティングプロセスを使用してホログラフィック格子を加工する方法を概念的に図示する、フローチャートである。
【0041】
図10図10は、本発明のある実施形態による、格子領域内に所定の格子特性を提供するための堆積ヘッドを概念的に図示する。
【0042】
図11図11は、本発明のある実施形態による、所定の格子特性を伴う領域を有する材料を堆積させるための堆積ヘッドの動作を概念的に図示する。
【0043】
図12図12は、本発明のある実施形態による、2つの格子層を堆積させるための堆積機構を概念的に図示する。
【0044】
図13図13は、本発明のある実施形態による、材料の格子層を堆積させ、層をホログラフィック露光するためのシステムを概念的に図示する。
【0045】
図14図14は、本発明のある実施形態による、所定の格子特性を有する領域を伴う材料のフィルムを堆積させる方法を概念的に図示する、フローチャートである。
【0046】
図15図15は、本発明のある実施形態による、インクジェット印刷変調スキームを概念的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0047】
実施形態を説明する目的のために、光学設計および視覚ディスプレイの当業者に公知の光学技術のいくつかの周知の特徴は、本発明の基本的原理を不明瞭にしないために、省略または簡略化されている。別様に記載されない限り、光線またはビーム方向に関連する用語「軸上」は、本発明に関連して説明される光学コンポーネントの表面に対して法線方向の軸に平行な伝搬を指す。以下の図面では、光、光線、ビーム、および方向という用語は、同義的に、かつ相互に関連付けて使用され、直線軌道に沿った光エネルギーの伝搬の方向を示し得る。以下の説明の一部は、光学設計の当業者によって一般的に採用される専門用語を使用して提示されるであろう。例証目的のために、図面は、別様に記載されない限り、縮尺通りに描かれないことを理解されたい。
【0048】
ここで図面に目を向けると、導波管セルを製造するためのシステムおよび方法が、図示される。導波管セルは、限定ではないが、格子等の光学要素が、ある波長の電磁放射への露光を通して記録され得る、未硬化および/または未露光光学記録材料を含有するデバイスとして定義されることができる。導波管セルの製造および構築のための多くの技法が存在する。多くの実施形態では、導波管セルは、光学記録材料の薄フィルムを2つの透明基板の間に設置することによって構築される。さらなる実施形態では、作業セルクラスタ製造システムが、そのような導波管セルを構築するために実装される。作業セルは、特定の製造タスクに割り当てられる機械のセットとして定義されることができる。クラスタは、類似する機能を協働的に実施する機械の群として定義されることができる。いくつかの実施形態では、作業セルクラスタは、堆積のための基板を調製するための調製作業セルと、光学記録材料を基板上に堆積させるための堆積作業セルと、導波管セルを形成するために種々の層をともに積層するための積層作業セルとを含む。
【0049】
種々の実施形態による作業セルおよび作業セルクラスタは、多くの異なる方法で構成および実装されることができる。例えば、調製作業セルは、限定ではないが、洗浄手順およびプロトコルを含む、種々のプロセスを通して材料堆積のための基板を調製するように構成されることができる。多くの実施形態では、基板の調製は、基板の表面から汚染物質および粒子を取り除くためのガラス洗浄手順を含む。いくつかの実施形態では、基板の表面接着性質を増加させるための手順が、材料堆積のための基板をさらに調製するために実装される。
【0050】
堆積作業セルは、種々の異なる堆積および印刷機構を使用して、光学記録材料の1つ以上の層を透明基板上に堆積させるように構成されることができる。多くの実施形態では、限定ではないが、インクジェット印刷等の付加製造技法が、光学記録材料の層を堆積させるために使用される。いくつかの実施形態では、噴霧技法が、光学記録材料の層を堆積させるために利用される。好適な光学記録材料は、所与の用途に応じて、広く変動し得る。いくつかの実施形態では、堆積される光学記録材料は、層全体を通して類似する組成を有する。いくつかの実施形態では、光学記録材料は、組成において空間的に変動し、様々な特性を伴う光学要素の形成を可能にする。光学記録材料の組成にかかわらず、光学記録材料を基板上に設置または堆積させる任意の方法が、利用されることができる。
【0051】
積層作業セルが、種々の層を積層し、導波管セルを形成するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、積層作業セルは、光学記録材料および透明基板の3層複合物を積層および形成するように構成される。容易に理解され得るように、導波管セルを構築するために使用される層の数および材料のタイプは、変動し、所与の用途に依存し得る。例えば、いくつかの実施形態では、導波管セルは、保護カバー層、偏光制御層、および/または整合層を含むように構築されることができる。いくつかの実施形態では、本システムは、湾曲導波管および導波管セルの生産のために構成される。導波管セルを構築するための具体的材料、システム、および方法が、下記にさらに詳細に議論される。
導波管セル
【0052】
導波管セルは、本発明の種々の実施形態による、多くの異なる方法で構成および構築されることができる。上記に議論されるように、多くの導波管構成では、導波管セルは、2つの基板の間に挟装される光学記録材料の薄フィルムを含む。そのような導波管セルは、種々のプロセスを使用して製造されることができる。多くの実施形態では、導波管セルは、光学記録媒体として作用することが可能な光学記録材料を用いて第1の基板をコーティングすることによって構築されることができる。種々の光学記録材料が、使用されることができる。いくつかの実施形態では、光学記録材料は、ホログラフィックポリマー分散液晶混合物(例えば、液晶液滴のマトリクス)である。容易に理解され得るように、利用される光学記録材料の選択肢および混合物のタイプは、所与の用途に依存し得る。光学記録材料は、種々の堆積技法を使用して堆積されることができる。いくつかの実施形態では、光学記録材料は、インクジェット、スピンコーティング、および/または噴霧プロセスを通して第1の基板上に堆積されることができる。堆積プロセスは、1つ以上のタイプの光学記録材料を堆積させるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、堆積プロセスは、基板を横断して組成において空間的に変動する光学記録材料を堆積させるように構成される。光学記録材料の堆積後、第2の基板が、光学記録材料が2つの基板の間に挟装され、導波管セルを形成するように設置されることができる。いくつかの実施形態では、第2の基板は、暴露層上にコーティングされる薄い保護フィルムであり得る。そのような実施形態では、限定ではないが、噴霧プロセスを含む種々の技法が、所望の材料のフィルムを用いて暴露層をコーティングするために使用されることができる。いくつかの実施形態では、導波管セルは、限定ではないが、偏光制御層および/または整合層等の種々の付加的層を含むことができる。導波管セルを製造するための他のプロセスは、限定ではないが、重力充填および真空充填方法等のプロセスを使用して、光学記録材料を用いて(2つの基板から構築される)空の導波管セルを充填するステップを含むことができる。
【0053】
導波管セルの構築において使用される基板は、多くの場合、透明材料から作製される。いくつかの実施形態では、基板は、光学プラスチックである。他の実施形態では、基板は、ガラスから加工されてもよい。例示的ガラス基板は、50マイクロメートルまでの厚さにおいて利用可能である、標準Corning Willowガラス基板(屈折率1.51)である。基板の厚さは、用途毎に変動し得る。多くの実施形態では、1mm厚さのガラススライドが、基板として使用される。異なる厚さに加えて、限定ではないが、長方形および曲線形状等の異なる形状の基板もまた、用途に応じて使用されることができる。多くの場合、基板の形状は、導波管の全体的形状を決定することができる。いくつかの実施形態では、導波管セルは、同一の形状である2つの基板を含有する。他の実施形態では、基板は、異なる形状である。容易に理解され得るように、基板の形状、寸法、および材料は、変動し、所与の用途の具体的要件に依存し得る。
【0054】
多くの実施形態では、ビーズまたは他の粒子が、光学記録材料全体を通して分散され、光学記録材料の層の厚さを制御することに役立ち、2つの基板が相互に対して圧潰することを防止すること役立つ。いくつかの実施形態では、導波管セルは、2つの平面基板の間に挟装される光学記録材料層とともに構築される。使用される光学記録材料のタイプに応じて、厚さ制御は、いくつかの光学記録材料の粘度および光学記録材料層に関する境界縁の欠如に起因して、達成することが困難であり得る。いくつかの実施形態では、ビーズは、比較的に非圧縮性の固体であり、これは、一貫した厚さを伴う導波管セルの構築を可能にすることができる。ビーズのサイズは、個々のビーズの周囲の面積に関する局在的最小厚さを決定することができる。したがって、ビーズの寸法は、所望の光学記録材料層厚さを達成することに役立つように選択されることができる。ビーズは、限定ではないが、ガラスおよびプラスチックを含む、種々の材料のうちのいずれかから作製されることができる。いくつかの実施形態では、ビーズの材料は、その屈折率が導波管セル内の光の伝搬に実質的に影響を及ぼさないように選択される。
【0055】
いくつかの実施形態では、導波管セルは、2つの基板が平行または略平行であるように構築される。そのような実施形態では、比較的に類似するサイズのビーズが、層全体を通して均一な厚さを達成することに役立つために、光学記録材料全体を通して分散されることができる。他の実施形態では、導波管セルは、テーパ状外形を有する。テーパ状導波管セルは、光学記録材料を横断して異なるサイズのビーズを分散させることによって構築されることができる。上記に議論されるように、ビーズのサイズは、光学記録材料層の局所的最小厚さを決定することができる。材料層を横断して増加するサイズのパターンにおいてビーズを分散させることによって、光学記録材料のテーパ状層が、材料が2つの基板の間に挟装されるときに形成されることができる。
【0056】
いったん構築されると、導波管セルは、光学記録材料内に光学要素を記録するための種々のプロセスと併用されることができる。例えば、開示されるプロセスは、限定ではないが、「Systems and Methods for High-Throughput Recording of Holographic Gratings in Waveguide Cells」と題され、2018年8月29日に出願された、米国特許出願第16/116,834号および「Holographic Material Systems and Waveguides Incorporating Low Functionality Monomers」と題され、2018年6月13日に出願された、米国特許出願第16/007,932号に説明されるもの等の材料およびプロセスからの実施形態および教示を組み込んでもよい。米国特許出願第16/116,834号および第16/007,932号の開示は、あらゆる目的のために、その全体として本明細書に組み込まれる。
【0057】
本発明のある実施形態による、導波管セル100の輪郭図が、図1Aに概念的に図示される。示されるように、導波管セル100は、限定ではないが、格子等の光学要素のための記録媒体として使用され得る光学記録材料102の層を含む。光学記録材料102は、限定ではないが、上記の節に説明されるHPDLC混合物等の種々の化合物、混合物、または溶液のうちのいずれかであり得る。例証的実施形態では、光学記録材料102は、2つの平行ガラス板104、106の間に挟装される。基板は、平行構成および非平行構成の両方において配列されることができる。図1Bは、本発明のある実施形態による、ビーズ110、112、および114を利用するテーパ状導波管セル108の輪郭図を概念的に図示する。示されるように、ビーズ110、112、および114は、サイズにおいて変動し、2つのガラス板118、120によって挟装される光学記録材料116全体を通して分散される。導波管セルの構築の間、光学記録材料層の面積の局所的厚さは、その特定の面積におけるビーズのサイズによって限定される。光学記録材料を横断して昇順サイズでビーズを分散させることによって、テーパ状導波管セルが、基板がビーズと接触して設置されるときに構築されることができる。上記に議論されるように、導波管セルにおいて利用される基板は、厚さおよび形状において変動し得る。多くの実施形態では、基板は、形状が長方形である。いくつかの実施形態では、導波管セルの形状は、曲線コンポーネントの組み合わせである。図1Cは、本発明のある実施形態による、曲線形状を有する導波管セル122の上面図を概念的に図示する。図1A-1Cは、具体的導波管セル構造および配列を図示するが、導波管セルは、多くの異なる構成において構築されることができ、所与の用途の具体的要件に応じて、種々の異なる材料を使用することができる。例えば、基板は、ガラスの代わりに透明プラスチックポリマーから作製されることができる。加えて、導波管セルの形状およびサイズは、大いに変動し得、限定ではないが、導波管の用途、人間工学的考慮事項、および経済的因子等の種々の因子によって決定されることができる。多くの実施形態では、基板は、湾曲し、湾曲断面を伴う導波管の生産を可能にする。
格子構造
【0058】
本発明の種々の実施形態による導波管セルは、種々の感光性材料を組み込むことができる。多くの実施形態では、導波管セルは、光学要素が記録され得る光学記録媒体として機能するホログラフィックポリマー分散液晶混合物を組み込む。光学要素は、異なる光学性質を呈することが可能な多くの異なるタイプの格子を含むことができる。導波管セル内に記録され得る格子の1つのタイプは、体積ブラッグ格子であり、これは、その屈折率において周期的変動を伴う透明媒体として特徴付けられることができる。本変動は、ある角度におけるある波長の入射光の回折を可能にすることができる。体積ブラッグ格子は、殆どの光が高次に回折されない高効率を有することができる。回折されたゼロ次における光の相対量は、格子の屈折率変調を制御することによって変動されることができる。
【0059】
ホログラフィック導波管デバイスにおいて使用される格子の1つのクラスは、切替可能ブラッグ格子(「SBG」)である。SBGは、HPDLC混合物内に体積位相格子を記録することによって形成され得る回折デバイスである(但し、他の材料も、使用されることができる)。SBGは、最初に、光重合性モノマーおよび液晶材料の混合物の薄フィルムをガラス板または基板の間に設置することによって加工されることができ、これは、導波管セルを形成する。一方または両方のガラス板は、フィルムを横断して電場を印加するために、電極、典型的には、透明な酸化スズフィルムを支持することができる。SBGは、HPDLCが導波管コアまたは導波管に近接するエバネッセント結合層のいずれかを形成する導波管デバイスとして実装されることができる。HPDLCセルを形成するために使用されるガラス板は、全内部反射光誘導構造を提供することができる。切替可能な格子がTIR条件を超える角度において光を回折すると、光は、SBGから外に結合される。
【0060】
SBG内の格子構造は、空間的周期的強度変調を伴う干渉露光を使用する光重合誘発相分離を通して、HPDLC材料のフィルム内に記録されることができる。限定ではないが、照射強度、HPDLC材料の成分の体積分率、および露光温度の制御等の因子が、結果として生じる格子形態および性能を決定することができる。記録プロセスの間、モノマーは、重合し、混合物は、相分離を受ける。LC分子は、集合し、光学波長のスケールでポリマーネットワーク内に周期的に分散される離散または合体液滴を形成する。交互する液晶が豊富な領域および液晶が空乏した領域は、格子のフリンジ面を形成し、これは、液滴中のLC分子の配向秩序からもたらされる強力な光学偏光を伴うブラッグ回折を生成することができる。結果として生じる体積位相格子は、非常に高い回折効率を呈することができ、これは、HPDLC層を横断して印加される電場の大きさによって制御され得る。電場が透明電極を介してホログラムに印加されると、LC液滴の自然な配向は、変化され、フリンジの屈折率変調を低減させ、ホログラム回折効率を非常に低いレベルに低下させる。本デバイスの回折効率は、いかなる電圧も印加されないほぼ100%効率から十分に高い電圧が印加される本質的にゼロ効率までの連続的範囲にわたって、印加される電圧を用いて調節されることができる。あるタイプのHPDLCデバイスでは、ポリマーからのLC材料の相分離は、いかなる認識可能な液滴構造ももたらされない程度まで遂行されることができる。SBGはまた、受動的格子として使用されることができる。本モードでは、その主要な利益は、特有に高い屈折率変調である。SBGは、自由空間用途のための透過または反射格子を提供するために使用されることができる。SBGは、HPDLCが導波管コアまたは導波管に近接するエバネッセント結合層のいずれかを形成する導波管デバイスとして実装されることができる。HPDLCセルを形成するために使用されるガラス板は、全内部反射光誘導構造を提供する。切替可能な格子がTIR条件を超える角度において光を回折すると、光は、SBGから外に結合されることができる。
【0061】
多くの実施形態では、SBGは、液体ポリマー中に分散される固体液晶のマトリクスを有するPOLICRYPS またはPOLIPHEM等の均一な変調材料内に記録される。例示的均一変調液晶ポリマー材料システムが、Caputo et al.による米国特許出願公開第US2007/0019152号およびStumpe et al.によるPCT出願第PCT/EP2005/006950号(その両方が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示されている。均一な変調格子は、高屈折率変調(したがって、高回折効率)および低散乱によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、格子のうちの少なくとも1つは、反転モードHPDLC材料内に記録される。反転モードHPDLCは、格子がいかなる電場も印加されていないときに受動的であり、電場の存在下で回折状態になる点において、従来のHPDLCと異なる。反転モードHPDLCは、「IMPROVEMENTS TO HOLOGRAPHIC POLYMER DISPERSED LIQUID CRYSTAL MATERIALS AND DEVICES」と題された、PCT出願第PCT/GB2012/000680号に開示されるレシピおよびプロセスのうちのいずれかに基づいてもよい。光学記録材料システムが、下記にさらに詳細に議論される。
光学記録材料システム
【0062】
本発明の種々の実施形態によるHPDLC混合物は、概して、LCと、モノマーと、光開始剤染料と、共開始剤とを含む。混合物(多くの場合、シロップと称される)はまた、頻繁に、界面活性剤を含む。本発明を説明する目的のために、界面活性剤は、液体混合物全体の表面張力を低下させる任意の化学薬品として定義される。PDLC混合物における界面活性剤の使用は、公知であり、PDLCの最も初期の調査に遡る。例えば、R.L Sutherland et al.による論文であるSPIE Vol. 2689, 158-169, 1996(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、界面活性剤が添加され得る、モノマーと、光開始剤と、共開始剤と、連鎖延長剤と、LCとを含む、PDLC混合物を説明している。界面活性剤はまた、Natarajan et al.による論文であるJournal of Nonlinear Optical Physics and Materials, Vol. 5 No. l 89-98, 1996(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に言及されている。さらに、Sutherland et al.による米国特許第7,018,563号は、少なくとも1つのアクリル酸モノマーと、少なくとも1つのタイプの液晶材料と、光開始剤染料と、共開始剤と、界面活性剤とを含む、ポリマー分散液晶光学要素を形成するためのポリマー分散液晶材料を議論している。米国特許第7,018,563号の開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0063】
特許および科学文献は、高回折効率、迅速な応答時間、低駆動電圧等を達成するためにそのような材料システムを調合することへの調査を含む、体積格子を組み込む導波管を加工するために使用され得る材料システムおよびプロセスの多くの実施例を含有する。Sutherlandによる米国特許第5,942,157号およびTanaka et al.による米国特許第5,751,452号の両方は、体積格子を組み込む導波管を加工するために好適なモノマーおよび液晶材料組み合わせを説明している。レシピの実施例はまた、以下を含む、1990年代初頭に遡る論文に見出されることができ、その多くは、アクリレートモノマーの使用を開示している。
・R. L. Sutherland et al., Chem. Mater. 5, 1533 (1993)(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、アクリレートポリマーおよび界面活性剤の使用を説明している。具体的には、レシピは、架橋多官能性アクリレートモノマー、連鎖延長剤N-ビニルピロリジノン、LC E7、光開始剤ローズベンガル、および共開始剤N-フェニルグリシンを含む。界面活性剤オクタン酸が、ある変形において添加された。
・Fontecchio et al., SID 00 Digest 774-776, 2000(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、多官能性アクリレートモノマー、LC、光開始剤、共開始剤、および連鎖停止剤を含む、反射型ディスプレイ用途のためのUV硬化性HPDLCを説明している。
・Y.H. Cho, et al., Polymer International, 48, 1085-1090, 1999(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、アクリレートを含むHPDLCレシピを開示している。
・Karasawa et al., Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 36, 6388-6392, 1997(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、種々の官能状態のアクリレートを説明している。
・T.J. Bunning et al., Polymer Science: Part B: Polymer Physics, Vol. 35, 2825- 2833, 1997(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)もまた、多官能性アクリレートモノマーを説明している。
・G.S. Iannacchione et al., Europhysics Letters Vol. 36 (6). 425-430, 1996(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、ペンタアクリレートモノマーと、LCと、連鎖延長剤と、共開始剤と、光開始剤とを含む、PDLC混合物を説明している。
【0064】
アクリレートは、迅速な動態、他の材料との良好な混合、およびフィルム形成プロセスとの適合性の利益を提供する。アクリレートは、架橋されるため、それらは、機械的にロバストかつ可撓性である傾向がある。例えば、官能性2(ジ)および3(トリ)のウレタンアクリレートが、HPDLC技術に関して広範に使用されている。ペンタおよびヘキサ官能性ステム等のより高い官能性の材料もまた、使用されている。
【0065】
具体的成分を伴うHPDLC混合物が、導波管セル内の光学記録材料としてのそれらの好適な使用と関連して上記に議論されるが、光学記録材料の具体的調合は、広く変動し得、所与の用途の具体的要件に依存し得る。そのような考慮事項は、回折効率(「DE」)、ヘイズ、日射耐性、透明性、およびスイッチング要件を含むことができる。
SおよびP偏光RMLCM材料の実施形態
【0066】
LCを含有する格子のSおよびP偏光応答は、格子Kベクトルに対する平均LCダイレクタ配向に依存し得る。典型的には、ダイレクタは、Kベクトルに略平行であり、強いP応答およびより弱いS応答を与える。LCダイレクタが整合されない場合、格子は、強いS応答を有することができる。本発明の多くの実施形態は、LCおよびモノマー(および光開始剤染料、共開始剤、界面活性剤を含む他の成分)の混合物を組み込むように構成される、反応性モノマー液晶混合物(「RMLCM」)材料システムを含み、これは、ホログラフィック露光下で、相分離を受け、LCのうちの少なくとも1つおよびモノマーのうちの少なくとも1つが、P偏光応答を提供する第1のHPDLC形態を形成し、LCのうちの少なくとも1つおよびモノマーのうちの少なくとも1つが、S偏光応答を提供する第2のHPDLC形態を形成する格子を提供する。種々のそのような実施形態では、材料システムは、RMLCMを含み、これは、好適な官能基(例えば、とりわけ、アクリレート、メルカプト、および他のエステル)と、架橋剤と、光開始剤と、界面活性剤と、液晶とから成る光重合性モノマーを含む。
【0067】
材料調合の成分に目を向けると、任意の単一の光反応性モノマー材料、または組み合わせられると架橋し、相分離する、約1.5~1.9の屈折率を有する、光反応性モノマー材料の混合物から形成される、任意のカプセル化ポリマーが、利用されることができる。実施形態による材料調合において使用可能な例示的モノマー官能基は、限定ではないが、アクリレート、チオレン、チオールエステル、フルオロモノマー、メルカプト、シロキサンベースの材料、および他のエステル等を含む。ポリマー架橋は、限定ではないが、光誘発光重合、熱誘発重合、および化学誘発重合を含む、異なる反応タイプを通して達成されることができる。
【0068】
これらの光重合性材料は、第2の液晶材料を伴う二相配合物において組み合わせられることができる。ポリマーの屈折率に合致する通常および異常な屈折率を有する任意の好適な液晶材料が、最終RMLCM材料の屈折率を平衡させるためのドーパントとして使用されることができる。液晶材料は、製造される、精製される、または自然発生することができる。液晶材料は、ネマティック相およびスメクチック相、コレステリック相、リオトロピックディスコティック相を含む、液晶度の全ての公知の相を含む。液晶は、強誘電性または反強誘電性性質および/または挙動を呈することができる。
【0069】
モノマーおよびLC材料と併用するために好適な任意の好適な光開始剤、共開始剤、連鎖延長剤、および界面活性剤(例えば、オクタン酸等)が、RMLCM材料調合において使用されることができる。光開始剤は、UVおよび/または可視帯域内を含む、任意の所望のスペクトル帯域内で動作し得ることを理解されたい。
【0070】
種々の実施形態では、LCは、相互作用し、LC混合物を形成することができ、2つ以上の異なるLCの分子が、相互作用し、非軸方向構造を形成し、これは、SおよびP偏光の両方と相互作用する。導波管はまた、最適なSおよびP性能のためにLC整合を最適化するためのLC整合材料を含有することができる。多くの実施形態では、PDLC形態におけるPおよびS偏光の回折効率の比率は、1.1:1~2:1の相対的比率に、およびいくつかの実施形態では、約1.5:1に維持される。他の実施形態では、P偏光の測定される回折効率は、20%を上回るもの~60%を下回るものであり、S偏光に関する回折効率は、10%超~50%未満であり、いくつかの実施形態では、P偏光に関するPDLC形態の回折効率は、約30%であり、S偏光に関するPDLC形態の回折効率は、約20%である。これは、P偏光に関する回折効率が約60%であり、S偏光に関する回折効率が約1%である従来のPDLC形態と比較されることができる(すなわち、従来のP偏光材料は、非常に低い、または無視できるS成分を有する)。
ナノ粒子を組み込む混合物
【0071】
多くの実施形態では、反応性モノマー液晶混合物はさらに、LC領域内に配置される化学的活性ナノ粒子を含むことができる。いくつかのそのような実施形態では、ナノ粒子は、LC領域内のカーボンナノチューブ(「CNT」)またはナノクレイナノ粒子材料である。実施形態はまた、ナノクレイ粒子サイズ、形状、および均一性を制御するための方法を対象とする。ナノクレイ粒子を配合および分散させるための方法は、本デバイスの結果として生じる電気および光学性質を決定することができる。HPDLCにおけるナノクレイの使用が、「IMPROVEMENTS TO HOLOGRAPHIC POLYMER DISPERSED LIQUID CRYSTAL MATERIALS AND DEVICES」と題された、PCT出願第PCT/GB2012/000680号に議論されている。
【0072】
ナノクレイナノ粒子は、それらが液晶材料中に分散され得る限り、任意の自然発生する、または製造される組成物から形成されることができる。選択されるべき具体的ナノクレイ材料は、フィルムおよび/またはデバイスの具体的用途に依存する。濃度および分散方法もまた、フィルムおよび/またはデバイスの具体的用途に依存する。多くの実施形態では、液晶材料は、液晶の通常の屈折率をナノクレイ材料と合致させるように選択される。結果として生じる複合材料は、ナノクレイ粒子分散に起因する液晶分子の強制的整合を有することができ、フィルムおよび/またはデバイスの光学的品質は、影響を受け得ない。液晶およびナノクレイ粒子を含む複合混合物は、超音波処理によって等方性状態に混合されることができる。混合物は、次いで、光開始されたアクリル化またはウレタン樹脂等の光学的に架橋可能なモノマーと組み合わせられ、セルを形成するように基板の間に挟装されることができる(または代替として、コーティングプロセスを使用して基板に適用される)。
【0073】
種々の実施形態では、ナノ粒子は、ナノクレイナノ粒子、好ましくは、最も短い寸法において約2~10ナノメートルおよび最も長い寸法において約10ナノメートルの粒径を伴う球体または小板から成る。望ましくは、液晶材料は、液晶の通常の屈折率をナノクレイ材料と合致させるように選択される。代替として、ナノ粒子は、強誘電性性質を有する材料から成り、粒子に液晶分子に対する強誘電性整合効果を誘発させ、それによって、本デバイスの電気光学切替性質を強化することができる。本発明の別の実施形態では、ナノ粒子は、強磁性性質を有する材料から成り、粒子に液晶分子に対する強磁性整合効果を誘発させ、それによって、本デバイスの電気光学切替性質を強化する。本発明の別の実施形態では、ナノ粒子は、誘発された電場または磁場を有し、粒子に液晶分子に対する整合効果を誘発させ、それによって、本デバイスの電気光学切替性質を強化する。熱可塑性プラスチック、ポリマーバインダ等を含む、他の文脈において使用される例示的ナノ粒子が、米国特許第7,068,898号、第7,046,439号、第6,323,989号、第5,847,787号、および米国特許公開第2003/0175004号、第2004/0156008号、第2004/0225025号、第2005/0218377号、および第2006/0142455号(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0074】
ナノクレイは、その自然発生する表面性質と併用されることができる、または表面は、具体的結合、電気、磁気、または光学性質のために化学的に処理されることができる。好ましくは、ナノクレイ粒子は、それらが液晶材料中で均一に分散するように、インターカレートされるであろう。本発明の議論において使用されるような総称用語「ナノクレイ」は、自然発生するモンモリロナイトナノクレイ、インターカレートされたモンモリロナイトナノクレイ、表面修飾されたモンモリロナイトナノクレイ、および表面処理されたモンモリロナイトナノクレイを指し得る。ナノ粒子は、商業的に購入されるものとして使用可能であり得る、またはそれらは、サイズにおいて縮小される、または形態において改変される必要があり得る。使用され得るプロセスは、化学的粒子サイズ縮小、粒子成長、湿潤または乾燥粒子の粉砕、大粒子または原料のミリング、大粒子または原料の振動ミリング、粒子または原料のボールミリング、粒子または原料の遠心ボールミリング、および粒子または原料の振動ボールミリングを含む。これらの技法は全て、乾式で、または液体懸濁液を用いてのいずれかで実施されることができる。液体懸濁液は、緩衝液、溶媒、不活性液体、または液晶材料であり得る。Spex LLC (Metuchen, NJ)によって提供される1つの例示的ボールミリングプロセスは、Spex 8000 High Energy Ball Millとして公知である。Retsch (France)によって提供される別の例示的プロセスは、マイクロメートルサイズ粒子をナノスケール粒子まで縮小するために遊星ボールミルを使用する。
【0075】
ナノ粒子は、ポリマー分散に先立って、液晶材料中に分散されることができる。乾燥または溶媒懸濁ナノ粒子が、等方性分散を達成するために、ポリマー分散に先立って液晶材料またはモノマーと超音波的に混合されることができる。湿潤粒子は、使用される具体的材料に応じて、液晶中への分散のために調製される必要があり得る。粒子が溶媒または液体緩衝液中にある場合、溶液は、乾燥され、乾燥粒子が、上記に説明されるように液晶中に分散されることができる。乾燥方法は、空気中での蒸発、真空蒸発、窒素のような不活性ガスでのパージ、および溶液の加熱を含む。粒子が、液晶材料よりも低い蒸気圧を伴う溶媒または液体緩衝液中に分散される場合、溶液は、液晶と直接混合されることができ、溶媒は、上記の方法のうちの1つを使用して蒸発され、液晶/ナノ粒子分散体を残すことができる。本発明の一実施形態では、光学フィルムは、液晶材料と、ナノクレイナノ粒子とを含み、ナノ粒子は、少なくとも1つの寸法において1マイクロメートル未満のサイズを伴う材料の粒子である。フィルムは、等方的に分布することができる。
【0076】
ナノクレイ材料が議論されるが、多くの実施形態では、CNTが、電圧を低減させるための手段として、ナノクレイの代替として使用される。PDLCデバイスに関連するCNTの性質が、E.H. Kim et al.によって、Polym. Int. 2010; 59: 1289- 1295(その開示が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)において精査されている。PDLCフィルムは、PDLCフィルムの電気光学性能を最適化するために、様々な量の多層カーボンナノチューブ(「MWCNT」)とともに加工された。MWCNTは、最大0.5重量%までプレポリマー混合物中に十分に分散され、ポリウレタンアクリレート(「PUA」)オリゴマー鎖がそれらの長さに沿ってMWCNTに巻着し、高回折効率および良好な相分離をもたらすことを含意した。ポリマーマトリクスの硬度および弾性係数は、本質的に良好な機械的性質を伴うMWCNTの補強効果のため、MWCNTの量の増加とともに強化された。PUAマトリクスの増加された弾性およびマトリクスと液晶と間の不混和性は、PDLCフィルムの回折効率を徐々に増加させた。しかしながら、0.05重量%を上回るMWCNTを伴うPDLCフィルムの回折効率は、低減され、これは、反応性混合物の高い粘度のためのマトリクスとLCとの間の不良な相分離によって引き起こされた。低駆動電圧(75%)を示すPDLCフィルムが、40重量%LCにおける0.05重量%MWCNTを用いて取得され得る。
【0077】
PDLC材料がそのようなナノ粒子を組み込む実施形態では、スイッチング電圧の低減およびポリマー分散液晶フィルムおよび/またはポリマー分散液晶デバイスの電気光学性質の改良は、液晶領域内にナノ粒子を含むことによって取得されることができる。ナノ粒子の包含は、液晶分子を整合させ、屈折率平均化を通してフィルムの複屈折性質を改変する役割を果たす。加えて、ナノ粒子の包含は、液晶領域のスイッチング応答を改良する。
モノマー官能性
【0078】
種々の実施形態によるRMLCM材料システムは、種々の方法で調合されることができる。多くの実施形態では、材料システムは、少なくとも1つのLCと、少なくとも1つの多官能性モノマーと、光開始剤と、染料と、少なくとも1つの単官能性モノマーとを含む、RMLCMである。限定ではないが、記録ビーム出力/波長、格子周期性、および格子厚さ等のいくつかの因子とともに、成分の具体的混合物およびそれらのパーセント組成が、結果として生じるHPDLC格子の回折効率を決定することができる。露光の空間的に周期的な照射強度に起因する不均質な重合は、モノマーおよびLCを分離し、LC分子の配向を秩序化する原動力であり得、これは、HPDLC格子の回折効率に影響を及ぼすことができる。多くの場合、モノマーの拡散係数は、それらの分子量および反応性に依存する。種々のモノマー分子量または官能価は、ポリマーおよびLC相の複雑な分布をもたらし得ることが示されている。多くの場合では、分子官能性は、効率的な相分離および高回折効率を伴う格子の形成を達成する際に重要であり得る。したがって、本発明の多くの実施形態は、結果として生じる格子構造の回折効率および屈折率変調に影響を及ぼすように、少なくとも部分的に、それらの官能性のために選定されるモノマーの具体的混合物を用いて調合される材料システムを含む。そのような混合物を調合する際の他の考慮事項は、限定ではないが、記録ビームの性質および格子の厚さを含むことができる。本発明を説明する目的のために、モノマーの官能性は、各モノマー単位上の反応部位の数を指す。
【0079】
HPDLC材料システムにおける様々なモノマー官能性の効果が、科学文献においてある程度研究されている。そのような研究は、概して、格子形成および性能に関する混合物の効果的な、または平均的な官能性の効果を考察している。例えば、Pogue et al.による論文であるPolymer 41 (2000) 733-741(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)において、効果的なモノマー官能性の減少が、一般に、減少されたLC相分離につながることを示すために、調査が、投光PDLCおよびホログラフィックPDLC格子において実行された。
【0080】
本発明による多くの実施形態は、高回折効率および効率的な相分離を有する格子の形成をもたらし得る、低官能性のモノマーの具体的配合物を伴う混合物への調査を含む。科学文献は、典型的には、高官能性モノマーの使用を強調するが、本発明による種々の実施形態は、ある用途における低官能性のモノマーの使用に焦点を当てている。いくつかの実施形態では、混合物内のモノマーは、単官能性モノマーまたは二官能性モノマーのいずれかである。いくつかの実施形態では、三官能性モノマーもまた、含まれる。そのような混合物では、三官能性モノマーは、典型的には、5重量%よりも低い等の低濃度において含まれる。
【0081】
低官能性モノマーを含む混合物は、限定ではないが、材料システムの波長感度、形成されるべきHPDLCの厚さ、および露光温度等の種々の因子に応じて、異なるように挙動することができる。科学文献では、PDLC材料システムへの調査は、典型的には、材料反応効率が、一般に、典型的には、可視光システムでは不良であるため、UV感受性材料システムを含む。しかしながら、本発明の種々の実施形態による調合は、可視光に感受性がある(重合する)低官能性モノマーを使用して、低ヘイズを伴う高回折効率(>80%)に到達することが可能であった。さらなる実施形態では、材料システムは、495~570nmに及ぶ波長を伴う光等の緑色光に感受性があるモノマーを含む。異なる光システムに加えて、HPDLC混合物の性能は、格子が形成される導波管セルの厚さに依存し得る。例えば、所与の材料システムに関して、堆積されたフィルムの異なる厚さは、異なる量のヘイズを伴う導波管を形成することができる。格子厚さは、特許および科学文献において探求されているが、そのような調査は、比較的に厚い格子に焦点を当てている。いくつかの実施形態では、材料システムは、薄い形状因子を伴う導波管において使用するために調合される。さらなる実施形態では、材料システムは、10μmを下回る厚さを伴うHPDLC層および80%を上回る回折効率を伴う格子を有する導波管を製造する際に使用するために調合される。さらなる実施形態では、材料システムは、2~3μm厚さのHPDLC層および80~90%の回折効率を伴う格子を有する導波管において使用するために調合される。材料システムはまた、低ヘイズを伴うそのような導波管を製造するために調合されることができる。いくつかの実施形態では、材料システムは、1%未満のヘイズを有するHPDLC層を形成することができる。導波管ヘイズは、多くのビームバウンスにわたる材料および表面不均質性と相互作用する光の統合効果である。ANSIコントラスト、すなわち、チェッカー盤パターンから得られる平均化された白色測定値と黒色測定値との比率に対する影響は、黒色レベルへの散乱寄与のために劇的であり得る。ヘイズは、大部分が、格子記録の間のLC/モノマー混合物の不完全な相分離からもたらされる、LC液滴および他の小粒子または散乱中心による広角散乱に起因する。ヘイズはまた、少なくとも部分的に、大規模な不均一性によって発生される狭角散乱から生じ、シースルー品質の損失および低減された画像鮮明性につながり得る。厚い導波管において1Dビーム拡大を使用する航空機HUD等のいくつかの導波管用途は、わずか7回のバウンスを生成し、最大80:1のコントラストを可能にする。しかしながら、接眼ディスプレイにおいて使用されるタイプの薄い導波管では、バウンスの回数は、10倍に増加し、ヘイズ制御の必要性をより大きくし得る。
【0082】
RMLCMレシピは、HPDLC層の具体的厚さのために最適化されることができる。多くの実施形態では、RMLCMレシピは、約0.16の屈折率変調を有するように設計される約3μm厚さの均一な変調格子のために最適化される。容易に理解され得るように、加工されるべき導波管部分の具体的厚さは、変動し得、所与の用途の具体的要件に依存し得る。いくつかの実施形態では、導波管部分は、90%透過率および0.3%ヘイズとともに加工されることができる。他の実施形態では、導波管部分は、約0.1%ヘイズとともに加工されることができる(約0.01%ヘイズが、同一の材料の未露光サンプル内に記録される)。いくつかの実施形態では、RMLCMは、0.05%未満のヘイズを含有する導波管部分を加工するために調合されることができる。
【0083】
透過ヘイズは、(ASTM D1003規格に従って)所望のビーム方向から平均で2.5度を上回って逸脱する光のパーセンテージとして定義されることができる。導波管の透明度は、(導波管表面に対する法線から2.5°未満の角度における)狭角散乱光の量によって特徴付けられることができる。透過率は、散乱されることなく導波管を通して透過される光の量として定義されることができる。一般的材料ヘイズを査定するために、散乱は、導波管TIR表面に対して法線方向のベクトルの周囲で測定されることができる。ホログラフィックヘイズを査定するために、散乱は、(アイボックスの中心を通過する)主要な回折方向の周囲で測定されることができる。ヘイズ、透明度、および透過率の測定に関する手順は、ASTM D1003国際試験規格において定義され、「手順A」は、ヘイズメータを使用し、「手順B」は、分光光度計を使用する。ヘイズを測定するための例示的器具は、BYK-Gardner HAZE Guard II機器である。[0070]多くの実施形態では、RMLCM混合物は、液晶混合物と、アクリレートおよびアクリレートエステルの複合混合物と、Dynasylan(R) MEMOと、光開始剤とを含む。さらなる実施形態では、RMLCMは、EHAと、DFHAとを含む。成分の具体的混合物およびそれらのパーセント組成に応じて、結果として生じる格子は、非常に異なる特性を有することができる。いくつかの実施形態では、重量比でのLCの割合は、30%を上回る。さらなる実施形態では、LCの割合は、35重量%を上回る。いくつかの実施形態では、混合物は、高複屈折性を伴う液晶を含む。さらなる実施形態では、高複屈折性液晶は、混合物の20重量%超を占める。いくつかの実施形態では、染料および光開始剤は、混合物の5重量%未満を占める。
【0084】
ネマティックLC材料は、ある範囲の複屈折性を提供することができる(これは、屈折率変調に変換されることができる)。低から中程度の複屈折性は、典型的には、0.09~0.12の範囲を網羅する。しかしながら、格子は、複屈折性が格子に沿って変動する格子を含む、はるかに低い複屈折値を使用して設計されることができる。そのような格子は、空間的に均一な出力照射を提供するために、格子の一方の端部において低効率を伴い、格子の他方の端部において高効率を伴う導波管からの光を抽出するために使用されることができる。高複屈折性(ネマティックLC)は、典型的には、0.2~0.5の範囲である。さらに高い値も、可能性として考えられる。正の誘電異方性を伴うネマティック液晶、化合物、および混合物(すなわち、誘電率が他の方向におけるものよりも分子長軸において大きいLC)が、R. Dabrowski et al.による論文である「High Birefringence Liquid Crystals」; Crystals; 2013;3;443-482(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)において精査されている。
【0085】
混合物中のモノマーの官能性は、結果として生じる格子の回折効率に大いに影響を及ぼし得る。多くの実施形態では、混合物は、様々な濃度における、少なくとも1つの単官能性モノマーと、少なくとも1つの多官能性モノマーとを含む。いくつかの実施形態では、混合物内の単官能性モノマーの濃度は、1~50重量%に及ぶ。単官能性モノマーは、脂肪族/芳香族基と、接着促進剤とを含むことができる。いくつかの実施形態では、混合物中に存在する多官能性モノマーの割合は、2~30重量%の範囲内である。本発明の種々の実施形態による多官能性モノマーは、典型的には、低官能性のモノマーを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、低濃度における二官能性モノマーを含む。さらなる実施形態では、混合物は、15重量%未満における二官能性モノマーを含む。混合物中の二官能性モノマーのタイプおよび濃度に応じて、適正な相分離および格子形成が、起こることができる。例証的実施形態では、単官能性モノマー、二官能性モノマー、およびLCは、30%、14%、および40%の相対的重量比を有し、これは、90%よりも高い回折効率および約0.12の屈折率変調を伴う格子の記録を可能にする調合物をもたらした。
【0086】
容易に理解され得るように、RMLCM内の各成分のパーセント組成は、広く変動し得る。そのような材料システムの調合は、結果として生じる格子においてある特性を達成するように設計されることができる。多くの場合では、RMLCMは、可能な限り高い回折効率を有するように調合される。
導波管セルを製造するための作業セルクラスタ
【0087】
本発明の種々の実施形態による導波管セル製造システムは、作業セルクラスタとして実装されることができる。異なる製造ステップを作業セルにコンパートメント化することによって、モジュール式システムが、実装されることができる。多くの実施形態では、作業セルクラスタは、材料堆積のための基板を調製するための調製作業セルと、光学記録材料を基板上に堆積させるための堆積作業セルと、導波管セルを構築するために種々の層をともに積層するための積層作業セルとを含む。作業セルは、導波管セルに関する異なる製造プロセスを実装するために種々の方法で構成されることができる。いくつかの実施形態では、作業セルは、1つの作業セルの出力が別の作業セルに移送され、製造アセンブリラインを形成するように連結および構成される。移送機構は、限定ではないが、機械的アーム、吸引、および/またはコンベヤシステムの使用等の種々の方法で実装されることができる。いくつかの実施形態では、製品は、手動で移送される。図2Aは、本発明のある実施形態による、作業セルクラスタシステム200を概念的に図示する。例証的実施形態では、システム200は、調製作業セル202と、堆積作業セル204と、積層作業セル206とを含む。示されるように、矢印208は、作業セルの間の連続的作業フロー関係を示す。
【0088】
モジュール式システムにおける1つの利点は、特定のタスク専用の作業セルの数を変動させ、作業セル使用を最適化し、作業セル中断時間を低減させることによってスループットを改良する能力である。例えば、異なる光学記録材料を用いて製造される導波管セルは、異なる堆積時間をもたらし得る。そのような実施形態では、堆積作業セルの数は、作業セルの全体的中断時間を最小限にするため等、各作業セルのタスク完了時間のバランスをとるために、それに応じて変動し得る。図2Bは、本発明のある実施形態による、2つの堆積作業セル212、214を伴う作業セルクラスタシステム210を概念的に図示する。例証的実施形態では、システム210は、調製作業セル216と、2つの堆積作業セル212、214と、積層作業セル218とを含む。点線矢印220は、調製作業セル216からの出力が堆積作業セル212、214のいずれかによって受容され得ることを示す。そのようなシステムは、理想的には、単一の堆積プロセスに関する完了時間が、他のプロセスに関する完了時間よりも約2倍長いときに実装されることができる。
【0089】
図2Aおよび2Bは、具体的作業セルクラスタシステム構成を概念的に図示するが、本発明の種々の実施形態による作業セルクラスタは、所与の用途の具体的要件に応じて、多数の方法で構成されることができる。例えば、作業セルクラスタは、異なる作業フロー経路、作業セルのタイプ、および/または作業セルの数を有するように構成されることができる。
【0090】
導波管セル加工と関連付けられるいくつかの材料およびプロセスの感受性性質に起因して、作業セルは、環境光および汚染物質からの保護を提供するように構成されることができる。多くの実施形態では、光学フィルタが、典型的には、感光性材料である、光学記録材料と相互作用する不要な光を低減および/または防止するために、作業セルを被覆する。光学記録材料の具体的タイプに応じて、堆積作業セルは、ある波長の光が作業セルに入射し、光学記録材料を露光することを防止する、適切な光学フィルタを用いて裏打ちされることができる。光汚染の低減/防止に加えて、作業セルはまた、微粒子汚染を低減させるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、作業セルは、空気汚染を殆ど伴わない環境内で動作するように構成される。低微粒子環境は、限定ではないが、空気フィルタの使用を含む、多くの異なる方法で達成されることができる。いくつかの実施形態では、層流空気流原理を採用する空気フィルタが、実装される。上記に説明されるもの等の汚染低減/防止システムは、別個に、または組み合わせて実装されることができる。具体的システムが説明されるが、本発明の種々の実施形態による作業セルは、所望の様式で作業環境を改変するように種々の方法で構築されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、作業セルは、真空中で動作するように構成される。具体的作業セルおよびそれらの実装および構造が、下記の節にさらに詳細に説明される。
調製作業セル
【0091】
本発明の種々の実施形態による導波管セルは、典型的には、2つの基板の間に挟装される光学記録材料の層から成る。本発明の種々の実施形態によるそのような導波管セルを構築するための製造技法は、光学記録材料の層が基板のうちの1つの上に堆積される堆積ステップを含むことができる。多くの実施形態では、調製作業セルは、基板に対して洗浄/調製手順を実施し、堆積ステップのためにそれらを調製するように実装されることができる。限定ではないが、ガラス板等の基板を調製するステップは、表面から汚染物質を取り除き、より良好な材料堆積のために表面接着性質を高めるステップを含むことができる。
【0092】
調製作業セルは、種々の洗浄および調製プロトコルを実装するように構成されることができる。機械的アームおよび/または吸引装置が、作業セル全体を通して基板を操縦するために使用されることができる。多くの実施形態では、調製作業セルは、限定ではないが、石鹸溶液、酸洗浄剤、アセトン、および種々のタイプのアルコールを含む、種々の溶媒および溶液を使用して、ガラス基板を洗浄するように構成される。いくつかの実施形態では、いくつかのタイプの溶媒および/または溶液が、併用される。例えば、いくつかの実施形態では、メタノールまたはイソプロパノールが、アセトンの後に過剰なアセトンを濯ぐために投与されることができる。いくつかの実施形態では、脱イオン水が、過剰な溶媒または溶液を濯ぐために使用される。溶媒は、限定ではないが、ノズルおよび槽の使用を含む、いくつかの方法で投与されることができる。洗浄後、作業セルは、窒素等の不活性ガスおよび/または加熱要素を使用して、基板を乾燥させるように構成されることができる。
【0093】
多くの実施形態では、洗浄プロセスは、超音波処理ステップを含む。いくつかの実施形態では、基板は、溶液を含有するチャンバ内に設置され、トランスデューサが、超音波を生成するために使用される。超音波は、溶液を攪拌し、基板に接着される汚染物質を除去することができる。処理は、いくつかの因子に応じて、持続時間において変動することができ、異なるタイプの基板を用いて実施されることができる。脱イオン水または洗浄溶液/溶媒が、汚染のタイプおよび基板のタイプに応じて、使用されることができる。
【0094】
多くの実施形態では、調製作業セルは、プラズマチャンバを実装し、基板の表面をプラズマ処理するように構成される。いくつかの実施形態では、基板は、ガラスから作製される。イオンおよび電子の形態において存在して、プラズマは、本質的に、負および正の両方の状態における余分な電子で帯電したイオン化ガスである。プラズマは、基板の表面を処理し、汚染物質を除去する、および/または表面エネルギーを増加させ、接着性質を改良することによって材料堆積のために表面を調製するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、作業セルは、真空ポンプを含み、これは、その下でプラズマ処理が実施され得る真空を生成するために使用されることができる。
【0095】
容易に理解され得るように、本発明の種々の実施形態による調製作業セルは、種々のステップの組み合わせを実施し、所与の用途の要件による具体的洗浄プロトコルを実装するように構成されることができる。ガラス板を調製するための具体的調製作業セルが上記に議論されるが、調製作業セルは、限定ではないが、プラスチックを含む、種々の異なる基板のための種々の調製ステップを実施するように実装されることができる。
堆積作業セル
【0096】
導波管セル製造システムは、2つの基板の間に光学記録材料を設置するための種々の技法を利用することができる。本発明の種々の実施形態による製造システムは、光学記録材料のフィルムが基板上に堆積され、複合物が第2の基板とともに積層され、3層積層物を形成する堆積プロセスを利用することができる。多くの実施形態では、製造システムは、基板上に光学記録材料のフィルムを堆積させるための堆積作業セルを含む、作業セルクラスタである。そのような堆積作業セルは、調製作業セルから基板を受容するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、堆積作業セルは、基板を支持するためのステージと、基板上に材料を堆積させるための少なくとも1つの堆積機構とを含む。種々の堆積ヘッドのうちのいずれかが、堆積機構として機能するように実装されることができる。いくつかの実施形態では、限定ではないが、噴霧ノズル等の噴霧機構が、基板上に光学記録材料を堆積させるために実装される。いくつかの実施形態では、光学記録材料は、印刷機構を使用して堆積される。実装される堆積機構/ヘッドのタイプに応じて、いくつかの異なる堆積能力が、達成されることができる。いくつかの実施形態では、堆積ヘッドは、成分濃度が変動する異なる材料および/または混合物の堆積を可能にすることができる。容易に理解され得るように、利用される具体的堆積機構は、所与の用途の具体的要件に依存し得る。
【0097】
堆積作業セル内のコンポーネントは、光学記録材料を基板上に堆積させるために、種々の方法で移動するように構成されることができる。多くの実施形態では、堆積ヘッドおよび/またはステージは、光学記録材料の1つまたは複数の層を堆積させるために、ある軸を横断して移動するように構成される。いくつかの実施形態では、堆積ヘッドは、基板上への複数の層の堆積を可能にする、3次元ユークリッド空間内等の3次元を横断して材料を移動および堆積させるように構成される。いくつかの実施形態では、堆積ヘッドは、単一の層を堆積させるために、2つ軸のみにおいて移動するように構成される。他の実施形態では、ステージ、その結果、基板は、堆積ヘッドが定常である間に3次元において移動するように構成される。容易に理解され得るように、堆積用途は、印刷ヘッドおよび/またはステージの運動自由度を構成することによって、種々の次元において材料を堆積させるように実装されることができる。ステージおよび堆積ヘッドは、それらの運動自由度の組み合わせが、n次元ユークリッド空間内で材料を堆積することを可能にするように構成されることができ、nは、所望の次元である。例えば、いくつかの実施形態では、堆積ヘッドは、ステージが異なる軸において移動する間に1つの軸において材料を堆積させるために前後に移動するように構成され、2次元ユークリッド平面における材料の堆積を可能にする。いくつかの実施形態では、ステージは、コンベヤベルトを使用して実装される。本システムは、コンベヤベルトが調製作業セル等の異なる作業セルから基板を受容するように設計されることができる。いったん受容されると、コンベヤシステムは、堆積ヘッドが材料の層を基板上に堆積させる間に基板を移動させることができる。コンベヤ経路の終了時、基板は、別の作業セルの中に送達されることができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、堆積作業セルは、光学記録材料を基板上に堆積させるように構成される、インクジェット印刷ヘッドを含む。従来、インクジェット印刷は、所望の画像を形成するためにインクドットのマトリクスを堆積させる印刷方法を指す。典型的な動作では、インクジェット印刷ヘッドは、それぞれ、材料のドットを堆積させ得る、大量の小さい個々のノズルを含有する。付加製造用途では、インクジェット印刷は、典型的なインクジェット印刷ヘッドにおけるノズルのサイズおよび数に起因して、高精度で複雑なパターンおよび構造を作成するために使用されることができる。これらの原理を導波管セル製造用途に適用すると、インクジェット印刷は、厚さおよび組成の観点から均一または略均一な光学記録材料の層を印刷するために使用されることができる。用途およびインクジェット印刷ヘッドに応じて、光学記録材料の1つまたは複数の層が、基板上に印刷されることができる。上記の節に説明されるもの等の種々の光学記録材料は、インクジェット印刷ヘッドと併用されることができる。異なる材料において印刷する能力に加えて、印刷システムは、種々のタイプの基板との併用のために構成されることができる。容易に理解され得るように、印刷されるべき材料および使用される基板の選択肢は、所与の用途の具体的要件に依存し得る。例えば、材料システムにおける選択肢は、印刷安定性および正確度に基づいて選択されることができる。他の考慮事項は、限定ではないが、粘度、表面張力、および密度を含み得、これらは、限定ではないが、液滴形成性および均一な厚さの層を形成する能力等のいくつかの因子に影響を及ぼし得る。
【0099】
本発明のある実施形態による堆積作業セル300が、図3Aおよび3Bに概念的に図示される。図3Aは、堆積作業セル300の等角図を示す一方、図3Bは、同一の堆積作業セル300の上面図を示す。示されるように、堆積作業セル300は、微粒子汚染および環境光が作業セル300内の光学記録材料を露光することを防止するために、光学ガラスフィルタを保持し得るフレームとともに構築される。作業セルは、基板を受容し、導波管セルを出力するためのチャンバ302、304を含む。例証的実施形態では、ステージは、1つの方向に沿って受容された基板を移動させるコンベヤベルト306として実装される。堆積作業セル300はさらに、堆積機構として実装されるインクジェットプリンタ308を含む。インクジェットプリンタ308は、コンベヤベルト306の移動と異なる方向を横断して印刷するように構成され、基板の平面表面を横断する光学記録材料の層の堆積を可能にする。加えて、堆積作業セル300は、導波管セルを構築するために印刷された層および2つの基板を積層するためのローラ積層装置310を実装する。作業セル300はまた、清浄な環境を維持しながら作業セル300内のデバイスの手動操作を可能にする、グローブ312を伴うグローブボックスとして実装される。
【0100】
図3Aおよび3Bは、具体的堆積作業セル構成を描写するが、堆積作業セルは、本発明の種々の実施形態による、多くの方法で構成されることができる。例えば、積層装置は、別個の積層作業セルにおいて実装されることができる。いくつかの実施形態では、自動システム構成が、実装されることができる。多くの実施形態では、複数のインクジェット印刷ヘッドが、使用される。他の実施形態では、噴霧ノズルが、堆積機構として使用される。
材料組成の変調
【0101】
高ルミナンスおよび優れた色忠実度が、AR導波管ディスプレイにおいて重要な因子である。各場合では、FOVを横断する高均一性が、不可欠であり得る。しかしながら、導波管の基本的光学系は、導波管を辿って跳ね返るビームの間隙または重複に起因する不均一性につながり得る。さらなる不均一性が、格子の不完全性および導波管基板の非平面性から生じ得る。SBGでは、複屈折性格子による偏光回転のさらなる問題が存在し得る。最大の課題は、ビームの格子フリンジとの複数の交差からもたらされる、数百万の光路が存在する折り返し格子である。格子性質、特に、屈折率変調の注意深い管理が、本発明の種々の実施形態に従って、不均一性を克服するために利用されることができる。
【0102】
多数の可能性として考えられるビーム相互作用(回折またはゼロ次透過)のうち、あるサブセットのみが、アイボックスに提示される信号に寄与する。アイボックスから逆追跡することによって、所与のフィールドポイントに寄与する折り返し領域が、正確に指摘されることができる。出力照明の暗い領域にさらに送信するために必要とされる変調に対する精密な補正が、次いで、計算されることができる。1つの色に関する出力照明均一性を標的に戻すと、手順は、他の色に関して繰り返されることができる。いったん屈折率変調パターンが確立されると、本設計は、堆積機構にエクスポートされることができ、各標的屈折率変調は、コーティングされるべき基板上の空間分解能セル毎に特有の堆積設定に変換される。多くの実施形態では、空間パターンは、完全な繰り返し性を伴う30マイクロメートル分解能まで実装されることができる。
【0103】
図4Aおよび4Bは、本発明の種々の実施形態による、コーティングに関する補償された屈折率変調パターンを算出するための逆光線追跡の使用を概念的かつ図式的に図示する。本手順は、折り返し格子の最適な使用可能面積およびアイボックスにおいて均一な照明を提供するために必要とされる折り返し格子を横断する屈折率変調変動を決定することができる。図4Aは、入力格子402と、計算メッシュに分割される折り返し格子404と、出力格子406とを含む、基本的導波管アーキテクチャの数学モデルを示す。出力格子を通して、かつ折り返し格子を通して、アイボックスを横断する点からの光線を追跡することによって、所与のFOV方向に関するアイボックス照明に寄与する折り返し格子セルが、識別されることができる。出力格子からの逆ビーム経路が、光線408-414によって示される。異なるFOV角度に関する光線追跡を繰り返すことによって、アイボックスを充填するために必要とされる折り返し格子の最大範囲が、決定されることができる。これは、堆積/印刷されるべきHPDLC材料の面積が、最小に保たれ得ることを確実にし、それによって、最終導波管部分におけるヘイズを低減させる。本手順はまた、アイボックスを横断して照明均一性を維持するために、それらの屈折率変調を増加させる(または減少させる)必要があるセルを識別することができる。例えば、図4Aの実施形態では、殆どの折り返し格子領域は、0.03の屈折率変調を有する。しかしながら、416によって包囲されるある計算セル(例えば、セル418等)および420によって包囲されるある計算セル(例えば、セル422等)は、0.07の屈折率変調を有するべきである一方、長方形区域424内に位置する計算セルは、0.05の屈折率変調を有するべきである。典型的には、屈折率変調値のマップが、AutoCAD DXF(図面交換フォーマット)ファイルとして堆積機構を制御するプロセッサにエクスポートされる。図4Bは、交差偏光子の下の印刷された格子を考察することによって露見されるであろうように、その上に印刷された格子層の屈折率変調マップ(図4Aのモデルに対応する)が重畳される、最終導波管部分452の平面図450である。格子領域は、入力格子454と、出力格子456と、折り返し格子458とを含む。例証的実施形態では、折り返し格子は、図4Aの領域416、420、および424において識別されるセルに対応する高屈折率変調領域460、462、および464を含有する。図4Bの格子領域は、クリアなポリマー領域466によって囲繞される。図4Aおよび4Bは、補償された屈折率変調パターンを算出する具体的方法を図示するが、種々の技法のうちのいずれかが、そのようなパターンを算出するために利用されることができる。
【0104】
表面レリーフ格子(「SRG」)を利用する導波管と比較して、本発明の種々の実施形態による製造技法を実装するSBG導波管は、堆積プロセスの間に動的に調節されるべき屈折率変調および格子厚さ等の効率および均一性に影響を及ぼす格子設計パラメータを可能にすることができる。したがって、格子記録プロセスのための新しいマスタのいかなる必要性も存在しない。変調がエッチング深さによって制御されるSRGでは、そのようなスキームは、格子の各変動が複雑かつ高価なツーリングプロセスを繰り返す必要があるであろうため、実践的ではないであろう。加えて、要求されるエッチング深さ精度およびレジスト撮像複雑性を達成することは、非常に困難であり得る。図5Aおよび5Bは、SBGとSRGとの間の基本的構造差異を概念的に図示する。図5Aは、SRGの一部の断面図500を示す。例証的実施形態では、格子は、空隙506によって分離される傾斜表面レリーフ要素504を支持する基板502を含む。典型的には、表面レリーフ要素および基板は、共通材料から形成される。格子ピッチは、記号pによって示され、格子深さは、記号hによって示される。図5Bは、SBGの断面図550を示す。SRGと対照的に、SBGは、552等の低屈折率のモノマーが豊富なフリンジおよび554等のより高い屈折率のLCが豊富なフリンジから形成される、交互する傾斜ブラッグフリンジを含む。屈折率差は、屈折率変調δnによって特徴付けられ、これは、SRGの格子深さに対する格子回折効率を決定する際に同等の役割を果たす。屈折率変調の変動は、屈折率変調対格子に沿った距離zの重畳されたプロット556によって表される。いくつかの実施形態では、屈折率変調は、図5Bに示されるような正弦波プロファイルを有する。SBGが均一変調HPDLCにおいて形成される実施形態では、屈折率変調プロファイルは、略長方形のLCが豊富な領域およびポリマーが豊富な領域を含むことができる。
【0105】
本発明の種々の実施形態による堆積プロセスは、堆積されるべきである材料のタイプを制御することによって、格子設計パラメータの調節を提供することができる。多材料付加製造技法と同様に、本発明の種々の実施形態は、基板上の異なる面積において、異なる材料または異なる材料組成を堆積させるように構成されることができる。多くの実施形態では、光学記録材料の層は、異なる面積において異なる材料を用いて堆積されることができる。例えば、堆積プロセスは、格子領域であることを意味する基板の面積上にHPDLC材料を堆積させ、非格子領域であることを意味する基板の面積上にモノマーを堆積させるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、堆積プロセスは、成分組成が空間的に変動する光学記録材料の層を堆積させるように構成され、堆積される材料の種々の側面の変調を可能にする。異なるタイプの材料および混合物に関する変調スキームおよび堆積プロセスが、下記にさらに詳細に議論される。
【0106】
具体的面積内に印刷される材料の選択肢は、後でその面積内に記録されるであろう光学要素に依存し得る。例えば、いくつかの実施形態では、堆積ヘッドは、3つの異なる格子で記録されることが意図される導波管セルに関する光学記録材料の層を堆積させるように構成される。層は、3つの格子に関して指定される面積のそれぞれにおいて印刷される材料が、全て相互に異なるように堆積されることができる。図6は、本発明のある実施形態による、種々の格子で記録されることが意図されるマーキングされた面積を伴う導波管セル600を概念的に図示する。示されるように、入力格子602、折り返し格子604、および出力格子606に関する面積が、輪郭を描かれる。そのような面積は、それぞれ、所与の用途に応じて、異なる材料または異なる混合物組成から成ることができる。いくつかの実施形態では、異なる材料が、記録された格子の間で異なる回折効率を生成するように堆積されることができる。例証的実施形態では、導波管セルは、曲線形状であり、これは、格子の位置、サイズ、および形状とともに、接眼用途のための導波管であるように設計される。
【0107】
異なる組成を伴う材料の堆積が、いくつかの異なる方法で実装されることができる。多くの実施形態では、1つを上回る堆積ヘッドが、異なる材料および混合物を堆積させるために利用されることができる。各堆積ヘッドは、異なる材料/混合物リザーバに結合されることができる。そのような実装は、種々の用途のために使用されることができる。例えば、異なる材料が、導波管セルの格子および非格子面積のために堆積されることができる。いくつかの実施形態では、HPDLC材料が、格子領域上に堆積される一方、モノマーのみが、非格子領域上に堆積される。いくつかの実施形態では、堆積機構は、異なる成分組成を伴う混合物を堆積させるように構成されることができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、噴霧ノズルが、単一の基板上に複数のタイプの材料を堆積させるために実装されることができる。導波管用途では、噴霧ノズルは、導波管の格子および非格子面積のために異なる材料を堆積させるために使用されることができる。図7Aおよび7Bは、本発明のある実施形態による、スプレーモジュールを利用する堆積機構の動作を概念的に図示する。示されるように、装置700は、第1の材料の第1の混合物を含有する第1のリザーバ708にパイプ706を介して接続される、第1のスプレーモジュール704と、第2の材料の第2の混合物を含有する第2のリザーバ714にパイプ712を介して接続される、第2のスプレーモジュール710とを含む、コーティングモジュール702を含む。例証的実施形態では、第1の材料は、少なくとも、液晶と、モノマーとを含む一方、第2の材料は、モノマーのみを含む。そのような構成は、画定された格子および非格子面積を伴う光学記録材料の層の堆積を可能にする。容易に理解され得るように、異なる混合物の任意の構成が、具体的用途に応じて、適宜利用されることができる。
【0109】
図7Aおよび7Bでは、第1および第2のスプレーモジュールは、716、718によって表されるような制御可能な発散角にわたって液滴の噴射を提供する。本装置はさらに、陰影領域722-726、728、730によって示されるようなアイボックスの中に光を透過させない格子の領域、および732によって示される格子を囲繞する領域によって図示されるように、格子を支持するための所定の領域を有する透明基板720のための支持体を含む。いくつかの実施形態では、領域728、730は、アイボックスからの導波管の逆光線追跡によって識別される。動作の間、アイボックスに入射する回折光を提供する格子を支持するための領域は、第1の混合物を用いてコーティングされる。領域728、730は、第2の混合物を用いてコーティングされる。本装置はさらに、基板を横断してコーティング装置を横断させるために、制御リンク736によってコーティング装置に接続される位置付け装置734を含む。本装置はさらに、コーティング装置が格子を支持するための基板領域にわたって位置付けられているとき、第1のスプレーモジュールをアクティブ化し、第2のスプレーモジュールを非アクティブ化するため、かつコーティング装置が格子を支持しない基板領域にわたって位置付けられているとき、第1のスプレーモジュールを非アクティブ化し、第2のスプレーモジュールをアクティブ化するためのスイッチング機構を含む。
【0110】
本装置の2つの動作状態が、基板の詳細を示す、図8Aおよび8Bに概念的に図示される。図8Aに示されるように、コーティング装置が(縁802、804によって境界されるストリップの上側領域に位置する)非格子支持領域800の上にあるとき、モノマー806の層が、基板上に噴霧されるように、第2のスプレーモジュールは、アクティブ化され、第1のスプレーモジュールは、非アクティブ化される。図8Bに示されるように、コーティング装置が(縁802、804によって境界されるストリップの下側領域に位置する)略格子支持領域808の上にあるとき、液晶およびモノマー混合物810の層が、基板上に噴霧されるように、第2のスプレーモジュールは、非アクティブ化され、第1のスプレーモジュールは、アクティブ化される。
【0111】
図7A-8Bは、噴霧機構の具体的用途および構成を図示するが、噴霧機構および堆積機構は、一般に、種々の用途のために構成および利用されることができる。多くの実施形態では、噴霧機構は、格子を印刷するために構成され、材料組成、複屈折性、および厚さのうちの少なくとも1つが、少なくとも2つの選択可能なスプレーヘッドを有するコーティング装置を使用して制御されることができる。いくつかの実施形態では、堆積作業セルは、レーザバンディングの制御のために最適化される格子記録材料を堆積させるための装置を提供する。いくつかの実施形態では、堆積作業セルは、偏光不均一性の制御のために最適化される格子記録材料を堆積させるための装置を提供する。いくつかの実施形態では、堆積作業セルは、整合制御層と関連付けて偏光不均一性の制御のために最適化される格子記録材料を堆積させるための装置を提供する。いくつかの実施形態では、堆積作業セルは、ビーム分割コーティングおよび環境保護層等の付加的層の堆積のために構成されることができる。加えて、図7A-8Bは、噴霧ノズルの能力を議論するが、これらの能力は、他の堆積機構において実装されることができる。例えば、インクジェット印刷ヘッドはまた、基板の格子および非格子領域内に異なる材料を印刷するために実装されることができる。
【0112】
図9は、本発明のある実施形態による、選択的コーティングプロセスを使用してホログラフィック格子を加工する方法を概念的に図示する、フローチャートである。図9を参照すると、方法900は、コーティングのための透明基板を提供するステップを含む(902)。基板の格子支持領域および非格子支持領域が、画定されることができる(904)。具体的用途に応じて、種々のサイズおよび形状の格子が、画定されることができる。いくつかの実施形態では、格子領域は、入力、折り返し、または出力格子を支持する。多くの実施形態では、基板は、前述のタイプの格子の組み合わせから作製される格子のために画定される領域を有する。液晶と、モノマーとを含有するコーティングのための第1の混合物およびモノマーを含有するコーティングのための第2の混合物が、提供されることができる(906)。第1のスプレーヘッドが、第1の混合物を基板上にコーティングするために提供されることができる(908)。第2のスプレーヘッドが、第2の混合物をコーティングするために提供されることができる(910)。ともに統合される第1および第2のスプレーヘッドは、コーティング装置と見なされることができる。コーティング装置は、その開始位置(k=1)に設定されることができる(912)。コーティング装置は、基板にわたって現在の位置に移動されることができる(914)。現在のコーティング装置が、格子支持領域または非格子支持領域にわたって位置付けられるかの決定が、行われることができる(916)。コーティング装置が格子領域の上にある場合、第1のスプレーヘッドは、アクティブ化されることができ、第2のスプレーヘッドは、非アクティブ化されることができる(918)。コーティングモジュールが格子支持領域の上にある場合、第1のスプレーヘッドは、非アクティブ化されることができ、第2のスプレーヘッドは、アクティブ化されることができる(920)。コーティングステータスに関する決定が、行われることができる(922)。全ての規定された領域がコーティングされた場合、本プロセスは、終了されることができる(924)。規定された領域の全てがコーティングされているわけではない場合、コーティングされるべき次の領域(増分k)が、選択されることができ(926)、堆積ステップは、繰り返されることができる。
【0113】
図9は、基板にわたって異なる材料を堆積させるための具体的方法を図示するが、堆積機構は、空間的に、かつ領域を横断して変動し得る特性を有する材料のフィルムを生産するように構成されることができる。図10は、本発明のある実施形態による、格子領域内に所定の格子特性を提供するための堆積ヘッドを概念的に図示する。図10を参照すると、堆積ヘッド1000は、透明基板をコーティングするためにスプレーモジュール1002によってスプレー噴射1008の中に分散される、液晶およびモノマーのうちの少なくとも1つの混合物を含有するリザーバ1006からパイプ1004を介して給送される第1のスプレーモジュール1002を含む。基板は、格子を支持するための所定の領域を有する。また、基板を横断してスプレーモジュールを横断させるためのX-Y変位コントローラ1010と、ホログラフィック露光に続いて格子領域内に所定の格子特性を提供するフィルムを堆積させるために、各格子領域にわたってモジュールからのスプレー特性を制御するための手段とが、提供される。ホログラフィック露光は、参考文書に開示されるプロセスのうちのいずれかを含む、任意の現在のホログラフィックプロセスを使用して実行されてもよい。例証的実施形態では、堆積ヘッド1000はさらに、混合物の化学成分の温度、希釈度、および相対的濃度のうちの1つ以上のものを制御するための混合物コントローラ1012を含む。堆積ヘッド1000はまた、基板に対するスプレー角度、スプレーの発散角、およびスプレーのオンおよびオフ状態の持続時間のうちの1つ以上のものを制御するためのスプレーコントローラ1014を含むことができる。いくつかの実施形態では、所定の格子特性は、屈折率変調、屈折率、複屈折性、液晶ダイレクタ整合、および格子層厚さのうちの1つ以上のものを含む。容易に理解され得るように、堆積ヘッドは、多くの異なる方法で実装および構成されることができる。多くの実施形態では、X-Y変位コントローラ、混合物コントローラ、およびスプレーコントローラの任意の組み合わせおよびサブセットが、利用されることができる。いくつかの実施形態では、付加的コントローラが、噴霧機構および堆積される材料を構成するために利用される。
【0114】
図11は、本発明のある実施形態による、所定の格子特性を伴う領域を有する材料を堆積させるための堆積ヘッドの動作を概念的に図示する。上記に議論されるように、堆積ヘッドは、屈折率変調、屈折率、複屈折性、液晶ダイレクタ整合、および格子層厚さのうちの1つ以上のものの格子領域を横断する空間的変動を有する材料を堆積させるように構成されることができる。図11に示されるように、スプレーモジュール1100は、基板1104を横断して噴霧経路1102を辿る。スプレーは、例えば、1106、1108等の所定の格子領域の面積内の所定の格子特性を変動させるために、経路1102に沿った通過の間に動的に制御されることができる。いくつかの実施形態では、堆積機構は、露光後、空間的に変動する回折効率を伴う格子を提供する。例えば、再び図11を参照すると、コーティング面積1106、1108(ホログラフィック露光後)は、それぞれ、曲線1110、1112によって表される、回折効率(DE)対角度(U)特性を呈する。
【0115】
図12は、本発明のある実施形態による、2つの格子層を堆積させるための堆積機構を概念的に図示する。示されるように、システム1200は、図11のものと類似するが、さらに、第2の格子層1206をコーティングするための噴射1204を提供する第2のスプレーモジュール1202を含む。多くの実施形態では、格子層は、異なる混合物組成を使用してコーティングされる。いくつかの実施形態では、図7Aのものと同様に、本システムは、第1の液晶および第1のモノマーのうちの少なくとも1つを含む第1の混合物を含有する第1のリザーバに接続される、第1のスプレーモジュールと、第2の液晶および第2のモノマーのうちの少なくとも1つを含む第2の混合物を含有する第2のリザーバに接続される、第2のスプレーモジュールとを含む。
【0116】
図13は、コーティングモジュールと同期されるオンおよびオフ状態を伴う記録ビームを使用して、材料の格子層を堆積させ、層をホログラフィック露光するためのシステムを概念的に図示する。示されるように、システム1300は、所定の格子領域1306、1308を提供する基板1304を横断する噴霧経路1302を辿る、図12のものと類似するコーティング装置を含む。コーティングプロセスが行われている間、記録ビーム1312を提供するホログラフィック露光装置1310が、コーティングされた所定の格子領域1314を露光することができる。多くの実施形態では、ホログラフィック露光装置は、要求される格子を所定の格子領域の中に接触複写する、マスタ格子に基づく。
【0117】
図14は、本発明のある実施形態による、所定の格子特性を有する領域を伴う材料のフィルムを堆積させる方法を概念的に図示する、フローチャートである。示されるように、方法1400は、コーティングのための透明基板を提供するステップを含む(1402)。基板の格子支持領域および非格子支持領域が、画定されることができる(1404)。液晶と、モノマーとを含有する混合物が、提供されることができる(1406)。いくつかの実施形態では、利用される材料は、光開始剤、ナノ粒子、低官能性モノマー、スイッチング電圧を低減させるための添加剤、スイッチング時間を低減させるための添加剤、屈折率変調を増加させるための添加剤、およびヘイズを低減させるための添加剤のうちの1つ以上のものを含む。混合物を基板上にコーティングするためのスプレーモジュールが、提供されることができる(1408)。スプレーモジュールは、その開始位置(k=1)に設定されることができる(1410)。スプレーモジュールは、基板にわたって現在の位置に移動されることができる(1412)。現在のコーティング装置が、格子支持領域または非格子支持領域にわたって位置付けられるかの決定が、行われることができる(1414)。コーティング装置が格子領域の上にある場合、スプレーモジュールは、格子領域内に所定の格子特性を達成するためのスプレー特性を提供するために、アクティブ化されることができる(1416)。格子領域は、コーティングされることができる(1418)。コーティングステータスに関する決定が、行われることができる(1420)。全ての規定された領域がコーティングされた場合、本プロセスは、終了されることができる(1422)。全ての規定された領域がコーティングされているわけではない場合、コーティングされるべき次の領域が、選択されることができ(1424)、堆積ステップは、繰り返され、kが、インクリメントされることができる。
【0118】
図10-14は、所定の格子特性を有する領域を伴う材料を堆積させる具体的実装および方法を図示するが、種々の構成のうちのいずれかが、実装されることができる。例えば、多くの実施形態では、複数のスプレーモジュールまたは堆積ヘッドが、利用される。種々の所定の格子特性が、具体的用途に応じて、制御および/または変調されることができる。1つを上回る堆積ヘッドを利用する材料組成の変調が、下記にさらに詳細に議論される。
【0119】
上記に議論されるように、堆積プロセスは、成分組成が空間的に変動する光学記録材料を堆積させるように構成されることができる。材料組成の変調は、多くの異なる方法で実装されることができる。いくつかの実施形態では、インクジェット印刷ヘッドが、印刷ヘッド内で種々のインクジェットノズルを利用することによって、材料組成を変調するように構成されることができる。「ドットバイドット」ベースで組成を改変することによって、光学記録材料の層は、これが層の平面表面を横断して様々な組成を有するように堆積されることができる。そのようなシステムは、限定ではないが、インクジェット印刷ヘッドを含む、種々の装置を使用して実装されることができる。プリンタにおけるCMYKシステムまたはディスプレイ用途における付加RGBシステム等、カラーシステムが、数百万の離散色値のスペクトルを生成するために数色のみのパレットを使用する方法と同様に、本発明の種々の実施形態によるインクジェット印刷ヘッドは、異なる材料のいくつかのリザーバのみを使用して様々な組成を伴う光学記録材料を印刷するように構成されることができる。異なるタイプのインクジェット印刷ヘッドは、異なる精密レベルを有することができ、異なる分解能で印刷することができる。多くの実施形態では、300 DPI(「インチあたりドット」)インクジェット印刷ヘッドが、利用される。精密レベルに応じて、所与の数の材料の様々な組成の離散化が、所与の面積を横断して決定されることができる。例えば、印刷されるべき2つのタイプの材料および300 DPIの精密レベルを伴うインクジェット印刷ヘッドを前提として、各ドット場所が、2つのタイプの材料のうちのいずれか1つを含有することができる場合、印刷された材料の所与の体積に関するある平方インチを横断する2つのタイプの材料の組成比の90,001個の可能性として考えられる離散値が存在する。いくつかの実施形態では、各ドット場所は、2つのタイプの材料のうちのいずれか1つまたは両方の材料を含有することができる。いくつかの実施形態では、1つを上回るインクジェット印刷ヘッドが、空間的に変動する組成を伴う光学記録材料の層を印刷するように構成される。2材料用途のために印刷されるドットは、本質的に、バイナリシステムであるが、実践的用途では、ある面積を横断して印刷されるドットを平均化することは、印刷されるべき2つの材料の比率のスライディングスケールの離散化を可能にすることができる。
【0120】
図15は、本発明のある実施形態による、インクジェット印刷変調スキームを概念的に図示する。示されるように、18個の離散単位正方形は、それぞれ、2つの異なるタイプの材料の様々な比率で印刷されることが可能である。例証される実施形態では、インクジェット印刷ヘッドは、18個の単位正方形のそれぞれの中に64個のドットを印刷することが可能である。各ドットは、2つのタイプの材料のうちのいずれか1つを用いて印刷されることができる。単位正方形1502の拡大1500は、単位正方形内の全ての64個のドット場所が第1の材料を用いて印刷されることを示す。同様に、単位正方形1506の拡大1504は、第2の材料を用いて完全に印刷される。単位正方形1508は、64個のドット場所のうちの30個が第1の材料を用いて印刷される一方、残りのドット場所が第2の材料を用いて印刷される、中間組成を示す。したがって、単位正方形1508は、全体として、両方の材料からの中間レベルの濃度を含有する。本変調スキームを利用して、様々な材料特性の任意のパターンが、達成されることができる。
【0121】
単位正方形を横断する可能性として考えられる濃度/比率の離散レベルの量は、単位正方形内に印刷され得るドット場所の数によって与えられる。例証的実施形態では、64個の離散ドットが、単位正方形内に印刷されることができ、これは、したがって、第1の材料の100%から第2の材料の100%に及ぶ、65個の異なる濃度組み合わせの可能性を有する各単位正方形をもたらす。図15は、単位正方形の観点から面積を議論するが、本概念は、実際のユニットに適用可能であり、インクジェット印刷ヘッドの精密レベルによって決定されることができる。印刷される層の材料組成を変調する具体的実施例が議論されるが、インクジェット印刷ヘッドを使用して材料組成を変調する概念は、2つを上回る異なる材料リザーバを使用するために拡大され得、精密レベルにおいて変動し得、これは、使用される印刷ヘッドのタイプに大いに依存することが、容易に理解されることができる。
【0122】
印刷される材料の組成を変動させることは、いくつかの理由から有利であり得る。例えば、多くの実施形態では、堆積の間に材料の組成を変動させることは、格子の異なる面積を横断して様々な回折効率を有する格子を伴う導波管を可能にすることができる。HPDLC混合物を利用する実施形態では、これは、印刷プロセスの間にHPDLC混合物内の液晶の相対的濃度を変調することによって達成されることができ、これは、露光されると様々な回折効率を伴う格子を生産し得る組成を生成する。いくつかの実施形態では、ある濃度の液晶を伴う第1のHPDLC混合物および液晶がない第2のHPDLC混合物が、印刷された材料において形成され得る格子の回折効率を変調するためのインクジェット印刷ヘッドにおける印刷パレットとして使用される。そのような実施形態では、離散化は、インクジェット印刷ヘッドの精密さに基づいて決定されることができる。例えば、150 DPIインクジェット印刷ヘッドが利用される場合、各平方インチは、22,501個の離散レベルの液晶濃度で印刷されることができる。離散レベルは、ある面積を横断して印刷される材料の濃度/比率によって与えられることができる。本実施例では、離散レベルは、液晶なしから第1のPDLC混合物内の液晶の最大濃度に及ぶ。
【0123】
導波管を横断して回折効率を変動させる能力は、種々の目的のために使用されることができる。導波管は、典型的には、光が導波管の2つの平面表面の間で複数回反射され得るように設計される。これらの複数の反射は、光路が格子と複数回相互作用することを可能にすることができる。多くの実施形態では、導波管セルは、光学記録材料層から形成される格子が、様々な回折効率を有し、格子との相互作用の間に光の損失を補償し、均一な出力強度を可能にするように、様々な組成を用いて印刷されることができる。例えば、いくつかの導波管用途では、出力格子は、1つの方向における射出瞳拡大を提供しながら、また、導波管から外に光を結合するように構成される。出力格子は、導波管内の光が格子と相互作用すると、あるパーセンテージの光のみが導波管から外に屈折されるように設計されることができる。残りの部分は、同一の光路において継続し、これは、TIR内に留まり、導波管内で反射され続ける。再び、同一の出力格子との第2の相互作用に応じて、光の別の部分が、導波管から外に屈折される。各屈折の間、依然として導波管内で進行する光の量は、導波管から外に屈折される量だけ減少する。したがって、各相互作用において屈折される部分は、全体的強度に関して徐々に減少する。これが伝搬距離とともに増加するように格子の回折効率を変動させることによって、各相互作用に沿った出力強度の減少は、補償され、均一な出力強度を可能にすることができる。
【0124】
回折効率を変動させることはまた、導波管内の光の他の減衰を補償するために使用されることができる。全ての物体は、ある反射度および吸収度を有する。導波管内のTIR内に閉じ込められた光は、導波管の2つの基板の間で連続的に反射される。表面を構成する材料に応じて、光の一部は、各相互作用の間に材料によって吸収され得る。多くの場合では、本減衰は、小さいが、多くの反射が起こる広い面積を横断して相当なものであり得る。多くの実施形態では、導波管セルは、光学記録材料層から形成される格子が、様々な回折効率を有し、基板からの光の吸収を補償するように、様々な組成を用いて印刷されることができる。基板に応じて、ある波長が、基板によってより吸収されやすくあり得る。多層導波管設計では、各層は、ある範囲の波長の光に結合するように設計されることができる。故に、これらの個々の層によって結合される光は、層の基板によって異なる量において吸収されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、導波管は、カラーディスプレイを実装するために3層スタックから作製され、各層は、赤色、緑色、および青色のうちの1つのために設計される。そのような実施形態では、導波管層のそれぞれの中の格子は、様々な回折効率を有し、ある波長の光の透過の損失に起因する色不平衡を補償することによって色平衡最適化を実施するように形成されることができる。
【0125】
回折効率を変動させるために材料内の液晶濃度を変動させることに加えて、別の技法は、導波管セルの厚さを変動させるステップを含む。これは、ビーズの使用を通して遂行されることができる。多くの実施形態では、ビーズは、導波管セルの構築の間に構造支持のために光学記録材料全体を通して分散される。いくつかの実施形態では、異なるサイズのビーズが、光学記録材料全体を通して分散される。ビーズは、光学記録材料の層の1つの方向を横断して昇順サイズで分散されることができる。導波管セルが積層を通して構築されるとき、基板は、光学記録材料を挟装し、様々なサイズのビーズからの構造支持を用いて、光学記録材料の楔形層を作成する。様々なサイズのビーズが、上記に説明される変調プロセスと同様に分散されることができる。加えて、ビーズサイズを変調することは、材料組成の変調と組み合わせられることができる。いくつかの実施形態では、それぞれ、異なるサイズのビーズとともに懸濁されるHPDLC材料のリザーバが、方略的に分散される様々なサイズのビーズとともにHPDLC材料の層を印刷し、楔形導波管セルを形成するために使用される。いくつかの実施形態では、ビーズサイズ変調は、異なるサイズのビーズの数および使用される異なる材料の数の積に等しい量のリザーバを提供することによって、材料組成変調と組み合わせられる。例えば、一実施形態では、インクジェット印刷ヘッドは、2つの異なるビーズサイズを伴う様々な濃度の液晶を印刷するように構成される。そのような実施形態では、4つのリザーバ、すなわち、第1のサイズのビーズを伴う液晶なしの混合物懸濁液、第2のサイズのビーズを伴う液晶なしの混合物懸濁液、第1のサイズのビーズを伴う液晶が豊富な混合物懸濁液、および第2のサイズのビーズを伴う液晶が豊富な混合物懸濁液が、調製されることができる。
積層作業セル
【0126】
多くの実施形態では、作業セルクラスタは、導波管セルを積層するための積層作業セルを含む。基板上への光学記録材料の堆積後、第2の基板が、光学記録材料上に設置され、3層複合物を作成することができる。多くの場合、第2の基板は、第1の基板と同一の材料から、同一の寸法において作製されるであろう。多くの実施形態では、堆積作業セルは、光学記録材料上に第2の基板を設置するように構成される。他の実施形態では、積層作業セルは、光学記録材料上に第2の基板を設置するように構成される。第2の基板は、手動で、または機械的アームおよび/または吸引機構の使用を通して設置されることができる。いったん第2の基板が設置されると、3層複合物は、不安定すぎて手動で取り扱うことができない場合があり、したがって、多くの実施形態では、積層装置が、複合物を圧密化するために実装される。
【0127】
3層複合物は、種々の方法で積層されることができる。多くの実施形態では、プレス機が、下向き圧力を複合物上に提供するために実装される。他の実施形態では、積層作業セルは、ローラ積層装置を通して複合物を給送するように構成される。圧密化された複合物および光学記録材料の接着性質は、十分な安定性を伴う導波管セルが手動で取り扱われることをもたらすことができる。いくつかの実施形態では、光学記録材料の層は、ビーズを含む。その結果、これらの比較的に非圧縮性のビーズは、圧密化された複合物内の光学記録材料の層の高さを画定することができる。上記の節に議論されるように、異なるように定寸されたビーズが、光学記録材料全体を通して設置されることができる。積層に応じて、ビーズのサイズは、それぞれ、導波管セルの局所的厚さを決定することができる。ビーズのサイズを変動させることによって、楔形導波管セルが、構築されることができる。容易に理解され得るように、基板-光学記録材料層複合物の積層は、多くの異なる方法で構成および実装され得る積層作業セルを使用して達成されることができる。いくつかの実施形態では、積層作業セルは、作業セルクラスタ内のモジュール式作業セルである。他の実施形態では、積層作業セルは、単純に、図3Aおよび3Bに示されるもの等の堆積作業セル内に実装される積層装置である。
【0128】
導波管セルを製造するための具体的システムおよび方法が、上記に議論されるが、多くの異なる構成が、本発明の多くの異なる実施形態に従って実装されることができる。したがって、本発明は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、具体的に説明されるもの以外の方法で実践され得ることを理解されたい。したがって、本発明の実施形態は、あらゆる点で例証的であり、制限的ではないと見なされるべきである。故に、本発明の範囲は、例証される実施形態によってではなく、添付される請求項およびそれらの均等物によって決定されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15