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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】即湯機能付き給湯機
(51)【国際特許分類】
   F24D 17/00 20220101AFI20240319BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20240319BHJP
【FI】
F24D17/00 P
F24D17/00 M
F24H1/18 L
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021022707
(22)【出願日】2021-02-16
(65)【公開番号】P2022124836
(43)【公開日】2022-08-26
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】綿貫 順也
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 拓馬
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-097853(JP,A)
【文献】特開2005-241086(JP,A)
【文献】特開2012-163236(JP,A)
【文献】特開2000-088267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 17/00
F24H 1/00-15/493
F23N 1/00-5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水を貯湯する缶体と、
前記缶体を加熱するバーナと、
前記缶体の温度を計測する缶体温度センサと、
前記缶体に設けた給水口と、
前記給水口に接続された給水管と、
前記給水管の途中に設けられた減圧弁と、
前記缶体に設けた温水出口と、
前記缶体または前記給水管に設けた温水戻り口と、
前記温水出口と前記温水戻り口の間にポンプと給湯逆止弁とを備えた循環路と、
前記循環路の途中に設けられた給湯栓と、
前記給湯栓の出湯の有無を検出する出湯検出手段と、
前記循環路の温水の流れの有無を検出する循環路検出手段と、
前記バーナの燃焼制御を行う制御部と、
前記制御部と通信可能に接続されたリモコンと、
を備え、
前記制御部は、前記リモコンで設定した設定温度と目標缶体温度との対応関係を定めた温度テーブルを備え、
さらに、前記設定温度に設定されたとき、前記缶体温度センサで検出する前記缶体内の温水の温度が、前記温度テーブルに基づいて定められる前記目標缶体温度になるよう前記バーナの燃焼を制御し、
前記温度テーブルは、第1温度テーブルと、前記第1温度テーブルより前記目標缶体温度が高温に設定された第2温度テーブルを備え、
前記制御部は、前記出湯検出手段の検出有無と前記循環路検出手段の検出有無の4つの組み合わせのうち、
前記出湯検出手段が検出無で、前記循環路検出手段の検出有の組み合わせの場合は、
前記第2温度テーブルに基づいて前記バーナの燃焼を制御し、
他の組み合わせの場合は、
前記第1温度テーブルに基づいて前記バーナの燃焼を制御する
ことを特徴とする即湯機能付き給湯機。
【請求項2】
温水を貯湯する缶体と、
前記缶体を加熱するバーナと、
前記缶体の温度を計測する缶体温度センサと、
前記缶体に設けた給水口と、
前記給水口に接続された給水管と、
前記給水管の途中に設けられた減圧弁と給水逆止弁と、
前記缶体に設けた温水出口と、
前記缶体に設けた温水戻り口と、
前記温水出口と前記温水戻り口の間にポンプと給湯逆止弁とを備えた循環路と、
前記循環路の途中に設けられた給湯栓と、
前記給湯栓の出湯の有無を検出する出湯検出手段と、
前記循環路の温水の流れの有無を検出する循環路検出手段と、
前記循環路の途中で前記給湯栓より上流に設けた給湯温度センサを備えるミキシング弁と、
前記給水管から分岐して前記ミキシング弁と接続するバイパス管と、
前記バーナの燃焼制御と前記給湯温度センサにて前記ミキシング弁の制御を行う制御部と、
前記制御部と通信可能に接続されたリモコンと、
を備え、
前記制御部は、前記出湯検出手段の検出有無と前記循環路検出手段の検出有無の4つの組み合わせのうち、
前記出湯検出手段が検出無で、前記循環路検出手段の検出有の組み合わせの場合は、
前記ミキシング弁は前記循環路側を全開とし前記バイパス管側を閉止して、
前記給湯温度センサの温度が前記リモコンで設定した設定温度になるよう前記バーナを制御し、
他の組み合わせの場合は、
前記缶体温度センサで検出する前記缶体内の温水の温度が前記リモコンで設定した前記設定温度より高い所定の目標缶体温度になるよう前記バーナを制御し、
前記ミキシング弁にて前記給湯温度センサの温度が前記リモコンで設定した前記設定温度になるよう制御する
ことを特徴とする即湯機能付き給湯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家庭用の給湯機に関し、特に循環路を設け温水を直ちに出湯させることができる即湯機能付き給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ミキシング弁を備えていない即湯機能付き給湯機としては、図8に示すように缶体110に設けた給水口122に給水管111が接続され、缶体110に設けた温水出口123と温水戻り口124の間にポンプ136と給湯逆止弁137を備えた循環路134が接続され、循環路134に給湯栓135が設けられている。
さらに、缶体110に設けた缶体温度センサ121の値に基づいて熱源機であるバーナ113の燃焼を制御して、リモコン190で設定した温度の温水を循環路134に循環させることができる。
これにより、給湯栓135を開栓すると、直ちに温水を出湯させることができるものである。
即湯機能付きの給湯機として、例えば特許文献1があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-88267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通常の出湯時の運転では、ポンプ136を停止した状態で給湯栓135を開栓すると、給水管111からの水が給水口122を経て缶体110内部に流入し、バーナ113の燃焼によって暖められ、リモコン190で設定した設定温度の湯温で給湯栓135から出湯できるように、缶体温度センサ121で計測される温度が缶体110内部の高さ方向の温度勾配を踏まえた目標缶体温度になるよう前記バーナ113の燃焼を制御するものである。
【0005】
これに対し、即湯運転では、給湯栓135が閉止された状態で、ポンプ136を駆動することにより、循環路134に温水を循環させることができる。
しかしながら、温水戻り口124から缶体110内部に流入してくる温水の温度は、給水口122から缶体110内部に流入する水の温度に比べ非常に高く、缶体温度センサ121付近は目標缶体温度に近い温度になり、バーナ113の燃焼が停止し、温水出口123付近の温水の温度が相対的に下がり、循環路134を流れる温水の温度は前記設定温度より低くなる。
その結果、即湯運転後に給湯栓135を開栓すると、給湯栓135から出る温水の温度は前記設定温度より低くなってしまい、快適性が損なわれるという課題があった。
【0006】
また、ミキシング弁付きの即湯機能付き給湯機としては、図9に示すように循環路134にミキシング弁126と、給水管111から分岐してミキシング弁126に接続するバイパス管129とが備わる。
【0007】
ミキシング弁付きの即湯機能付き給湯機の場合、通常の出湯時の運転では、ポンプ136を停止した状態で給湯栓135を開栓すると、給水管111からの水が給水口122を経て缶体110内部に流入し、バーナ113の燃焼によって沸き上げられ、具体的には、缶体温度センサ121で約50℃、温水出口123付近では約55℃に暖められ、ミキシング弁126でバイパス管129からの水と混合し調整され、リモコン190で設定した設定温度の湯温で給湯栓135から出湯できるよう制御するものである。
【0008】
これに対し、即湯運転では、給湯栓135が閉止された状態で、ポンプ136を駆動することにより、循環路134に温水を循環させることができる。
しかしながら、温水戻り口124から缶体110内部に流入してくる温水の温度は、給水口122からの水温に比べ非常に高く、缶体温度センサ121付近は目標缶体温度に近い温度になり、バーナ113の燃焼が停止し、温水出口123付近の温水の温度は沸き上げ温度からは下がるものの、リモコン190で設定した前記設定温度よりは高いままであり、シャワーなどの給湯栓135の開栓時に高温の湯が出湯されてしまい、快適性が損なわれるという課題があった。
【0009】
このように、ミキシング弁を備えていない即湯機能付き給湯機の従来例とミキシング弁付きの即湯機能付き給湯機の従来例は、いずれも即湯運転を停止して給湯栓を開栓し給湯した際に、使用者が前記リモコンで設定した設定温度とは異なる温度の温水が出湯され、快適性が損なわれるという課題があった。
【0010】
本発明はかかる背景を鑑みてなされたものであり、即湯機能をもちつつ出湯特性を改善させることのできる商品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1では、温水を貯湯する缶体と、前記缶体を加熱するバーナと、前記缶体の温度を計測する缶体温度センサと、前記缶体に設けた給水口と、前記給水口に接続された給水管と、前記給水管の途中に設けられた減圧弁と、前記缶体に設けた温水出口と、前記缶体または前記給水管に設けた温水戻り口と、前記温水出口と前記温水戻り口の間にポンプと給湯逆止弁とを備えた循環路と、前記循環路の途中に設けられた給湯栓と、前記給湯栓の出湯の有無を検出する出湯検出手段と、前記循環路の温水の流れの有無を検出する循環路検出手段と、前記バーナの燃焼制御を行う制御部と、前記制御部と通信可能に接続されたリモコンと、を備え、前記制御部は、前記リモコンで設定した設定温度と目標缶体温度との対応関係を定めた温度テーブルを備え、さらに、前記設定温度に設定されたとき、前記缶体温度センサで検出する前記缶体内の温水の温度が、前記温度テーブルに基づいて定められる前記目標缶体温度になるよう前記バーナの燃焼を制御し、前記温度テーブルは、第1温度テーブルと、前記第1温度テーブルより前記目標缶体温度が高温に設定された第2温度テーブルを備え、前記制御部は、前記出湯検出手段の検出有無と前記循環路検出手段の検出有無の4つの組み合わせのうち、前記出湯検出手段が検出無で、前記循環路検出手段の検出有の組み合わせの場合は、前記第2温度テーブルに基づいて前記バーナの燃焼を制御し、他の組み合わせの場合は、前記第1温度テーブルに基づいて前記バーナの燃焼を制御することを特徴とした。
【0012】
請求項2では、温水を貯湯する缶体と、前記缶体を加熱するバーナと、前記缶体の温度を計測する缶体温度センサと、前記缶体に設けた給水口と、前記給水口に接続された給水管と、前記給水管の途中に設けられた減圧弁と給水逆止弁と、前記缶体に設けた温水出口と、前記缶体に設けた温水戻り口と、前記温水出口と前記温水戻り口の間にポンプと給湯逆止弁とを備えた循環路と、前記循環路の途中に設けられた給湯栓と、前記給湯栓の出湯の有無を検出する出湯検出手段と、前記循環路の温水の流れの有無を検出する循環路検出手段と、前記循環路の途中で前記給湯栓より上流に設けた給湯温度センサを備えるミキシング弁と、前記給水管から分岐して前記ミキシング弁と接続するバイパス管と、前記バーナの燃焼制御と前記給湯温度センサにて前記ミキシング弁の制御を行う制御部と、前記制御部と通信可能に接続されたリモコンと、を備え、前記制御部は、前記出湯検出手段の検出有無と前記循環路検出手段の検出有無の4つの組み合わせのうち、前記出湯検出手段が検出無で、前記循環路検出手段の検出有の組み合わせの場合は、前記ミキシング弁は前記循環路側を全開とし前記バイパス管側を閉止して、前記給湯温度センサの温度が前記リモコンで設定した設定温度になるよう前記バーナを制御し、他の組み合わせの場合は、前記缶体温度センサで検出する前記缶体内の温水の温度が前記リモコンで設定した前記設定温度より高い所定の目標缶体温度になるよう前記バーナを制御し、前記ミキシング弁にて前記給湯温度センサの温度が前記リモコンで設定した前記設定温度になるよう制御することを特徴とした。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1によれば、前記出湯検出手段が検出無で前記循環路検出手段が検出有の場合に、前記制御部は前記第1温度テーブルより前記缶体温度が高温に設定された前記第2温度テーブルに基づいて前記バーナの燃焼を制御するので、缶体上部の前記温水出口の温水の温度が上がり設定温度の温水が前記循環路を流れることができ、その結果、開栓時には前記給湯栓から出る温水の温度は設定温度となるため、快適性を高めることができる。
【0014】
請求項2によれば、前記温水戻り口を前記缶体に設け、前記出湯検出手段が検出無で前記循環路検出手段が検出有の場合に、前記ミキシング弁の前記バイパス管側を閉止し前記給湯管側を全開とし、前記給湯温度センサによって前記循環路の温水の温度を前記設定温度とするよう前記バーナの燃焼を制御するので、前記設定温度の温水が前記循環路を流れることができ、その結果、開栓時には前記給湯栓から出る温水の温度が設定温度となるため、快適性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態を説明する概略構成図
図2】本発明の第1の実施形態を説明する要部ブロック図
図3】本発明の第1の実施形態の設定温度と目標缶体温度を設定する際に用いられるテーブルを表す図
図4】本発明の第1の実施形態の動作を示すフローチャート
図5】本発明の第2の実施形態を説明する概略構成図
図6】本発明の第2の実施形態を説明する要部ブロック図
図7】本発明の第2の実施形態の動作を示すフローチャート
図8】従来の即湯機能付き給湯機のミキシング弁なしの実施形態を説明する概略構成図
図9】従来の即湯機能付き給湯機のミキシング弁付きの実施形態を説明する概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照して、本発明にかかる即湯機能付き給湯機の第1の実施形態を説明する。
なお、各図において、共通する構成要素や同種の構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を適宜省略する。
【0017】
図1に示すように、1はミキシング弁を備えていない即湯機能付き給湯機で、内部に一定量の湯水が貯湯され、送風ファン14からの燃焼用空気の供給を受けて燃料(灯油またはガス)を燃焼させる燃焼機器としてのバーナ13と、バーナ13の燃焼により発生した燃焼ガスから熱回収し前記湯水を加熱する熱交換器20と、熱交換器20の上方に設置され熱交換器20を通過した後の燃焼ガスを集合させる排気室17と、排気室17を通過した後の燃焼ガスを機外に排出する排気筒18を有しているものである。
【0018】
熱交換器20は、内部に一定量の湯水を貯留する円筒状の缶体10と、缶体10の下部内側に形成されバーナ13の燃焼が行われる燃焼室15と、燃焼室15と排気室17を連通し、バーナ13の燃焼により発生した燃焼ガスを通過させる複数本の煙管16とで構成されている。
【0019】
21は缶体10の上下略中央に取り付けられた湯水の温度を検出する缶体温度センサである。
また、缶体10下部の側周面には給水口22が設けられ、給水口22に給水管11が接続され、給水管11の途中に減圧弁12が設けられている。
【0020】
さらに、缶体10の側周面には、缶体10上部に缶体10内に貯湯されている湯水を給湯するための温水出口23が設けられ、缶体10下部に循環した温水を缶体10に戻し入れるための温水戻り口24が設けられており、温水出口23と温水戻り口24の間に給湯栓35と、ポンプ36と、給湯逆止弁37とを備えた循環路34が設けられている。
また、バーナ13の燃焼制御を行う制御部80と、この制御部80と通信可能に接続されたリモコン90を備えている。
【0021】
図2図3に示すように、80はマイコンからなる制御部で、入力側には缶体温度センサ21、出湯の有無を検出する出湯検出手段25と、循環路34の温水の流れを検出する循環路検出手段30とが接続され、出力側にはバーナ13と送風ファン14が接続されている。
また、制御部80にはリモコン90で設定した設定温度と目標缶体温度との対応関係を定めた温度テーブル83が記憶されている。
【0022】
温度テーブル83は、第1温度テーブル81と、前記第1温度テーブル81より目標缶体温度が高温に設定された第2温度テーブル82を備えており、後述する出湯検出手段25と循環路検出手段30の組み合わせによって使い分けられ、例えば、リモコン90の設定温度が40℃のとき第1温度テーブル81では目標缶体温度は35℃であり、第2温度テーブル82では目標缶体温度が40℃であり、第1温度テーブル81より第2温度テーブル82が高温に設定されている。
【0023】
出湯検出手段25は、給水管11に備えた図示しない流水スイッチによって、給水管11に流水がある場合は流水有の信号を検出し(検出有)、流水が無い場合は流水無しの信号または信号そのものの検出無によって(検出無)、給湯栓35が開栓の状態か、または、閉止の状態かを検出する。
なお、出湯検出手段25は、ポンプ36の駆動がオフまたは循環路34の給湯栓35から温水戻り口24の間に流水が無い場合に、循環路34の温水出口23と給湯栓35の間に備えた流水スイッチの信号を検出することで、給湯栓35が開栓の状態か、または、閉止の状態かを検出してもよい。
【0024】
また、循環路検出手段30は、給湯栓35と温水戻り口24の間の循環路34に設けた図示しない流水スイッチによって、循環路34の給湯栓35から温水戻り口24の間の流水の有無を検出する。
なお、ポンプ36のオンオフ信号を電気的に検出する方法でもよく、他にも、給湯栓35が閉止されている場合に、循環路34の温水出口23と給湯栓35の間に備えた流水スイッチの信号を検出することで、循環路34の給湯栓35から温水戻り口24の間の流水の有無を検出してもよい。
【0025】
制御部80は、缶体10内の湯水を加熱する加熱制御(燃焼制御)として、缶体10内の湯水の温度が後述する温度テーブル83に基づいた目標缶体温度になるように、缶体温度センサ21で検出される缶体10内の湯水の温度に基づき、バーナ13の燃焼を制御するものである。
【0026】
より詳細には、温度テーブル83に基づいて目標缶体温度が定まると、それに応じてバーナ13による加熱を開始する加熱開始温度(燃焼オン温度)及びバーナ13による加熱を停止する加熱停止温度(燃焼オフ温度)が設定され、制御部80は、缶体温度センサ21の検出する温度が前記加熱開始温度(燃焼オン温度)に達したら、バーナ13の燃焼加熱を開始し、缶体温度センサ21の検出する温度が前記加熱停止温度(燃焼オフ温度)に達したら、バーナ13の燃焼加熱を停止する制御を行って、缶体10内の熱媒体の温度が前記目標缶体温度になるように制御するものである。
【0027】
次に、本発明の第1の実施形態の作用について図4に基づいて説明する。
制御部80は、ステップS1にて出湯検出手段25にて給湯栓35が開栓され出湯中か否かを検出し、検出無の場合はステップS2へ遷移し、検出有の場合はステップS4へ遷移する。
ステップS2で、循環路検出手段30にて循環路34に温水が循環しているか否かを検出し、検出有の場合はステップS3へ遷移し、検出無の場合はステップS4へ遷移する。
【0028】
ステップS3では、第2温度テーブル82に基づいて、缶体温度センサ21の温度が、リモコン90で設定した設定温度に対応する目標缶体温度になるようバーナ13を制御する。
ステップS4では、第1温度テーブル81に基づいて、缶体温度センサ21の温度が、リモコン90で設定した設定温度に対応する目標缶体温度になるようバーナ13を制御する。
【0029】
これにより、例えばリモコン90の設定温度が40℃のとき、ステップS1で検出有の場合は、第1温度テーブル81に基づいて缶体10の上下略中央に設置した缶体温度センサ21の温度が目標缶体温度の35℃になるようバーナ13が制御され、このとき缶体10上部の温水出口23付近の温度は前記設定温度40℃になり、給湯栓35から前記設定温度40℃の温水が給湯される。
【0030】
一方、例えばリモコン90の設定温度が40℃のとき、ステップS1で検出無かつステップS2で検出有の即湯運転中は、缶体10の上下略中央に設置した缶体温度センサ21の温度が第2温度テーブル82に基づいて目標缶体温度40℃になるようバーナ13が制御され、このとき缶体10上部の温水出口23付近の温度は前記設定温度40℃になって循環路34を流れる。そして、温水戻り口24では40℃をやや下回った温度の温水が循環路34から缶体10に流れ込み、引き続き缶体温度センサ21の温度が目標缶体温度40℃になるようバーナ13が制御される。その後、給湯栓35の開栓時には前記設定温度40℃の温度の温水が給湯でき、使用者がリモコン90で設定した温度40℃の温水が直ちに給湯できるため快適に使用できる。
【0031】
なお、温水戻り口24を前記缶体10に設けたが、温水戻り口24を前記給水管11に設けてもよいものである。
【0032】
次に、本発明の第2の実施形態について図5に基づいて説明する。
【0033】
図5に示すように、1はミキシング弁を備えた即湯機能付き給湯機である。
循環路34の給湯栓35より上流側にミキシング弁26が設けられ、ミキシング弁26は循環路34内に給湯温度センサ27を備えている。
また、給水管11に給水逆止弁28を備え、給水逆止弁28より下流側の給水管11から分岐してミキシング弁26と接続するバイパス管29を備えている。
【0034】
図6に示すように、制御部80の入力側には缶体温度センサ21、給湯温度センサ27、出湯の有無を検出する出湯検出手段25と、循環路34の温水の流れを検出する循環路検出手段30とが接続される。
また、出力側にはバーナ13、送風ファン14、ミキシング弁26が接続され、燃焼制御とミキシング弁の制御を行うものである。
【0035】
制御部80は、缶体10内の湯水を加熱する加熱制御(燃焼制御)として、缶体10内の湯水の温度がリモコン90で設定した設定温度より高い所定の目標缶体温度(例えばリモコン90の設定温度が40℃であれば目標缶体温度は50℃)になるようバーナ13を制御し、ミキシング弁26にて給湯温度センサ27の温度がリモコン90で設定した設定温度になるよう制御する。
【0036】
次に、本発明の第2の実施形態の作用について図7に基づいて説明する。
制御部80は、ステップS11にて出湯検出手段25にて給湯栓35が開栓され出湯中か否かを検出し、検出無の場合はステップS12へ遷移し、検出有の場合はステップS15へ遷移する。
ステップS12で、循環路検出手段30にて循環路34に温水が循環しているか否かを検出し、検出有の場合はステップS13へ遷移し、検出無の場合はステップS15へ遷移する。
【0037】
ステップS13では、ミキシング弁26は循環路34側を全開でバイパス管29側を閉止する。
ステップS14で、給湯温度センサ27がリモコン90で設定した設定温度になるようバーナ13の燃焼を制御する。
【0038】
一方、ステップS15では、設定温度より高い所定の温度になるようバーナ13の燃焼を制御する。
ステップS16で、給湯温度センサ27がリモコン90で設定した設定温度になるようミキシング弁26を制御する。
【0039】
これにより、例えばリモコン90の設定温度が40℃のとき、ステップS11で検出有の場合は、缶体10の上下略中央に設置した缶体温度センサ21の温度が目標缶体温度50℃になるようバーナ13が制御され、このとき缶体10上部の温水出口23付近の温度は55℃になり、ミキシング弁26の給湯温度センサ27が前記設定温度40℃になるよう制御され、給湯栓35からは前記設定温度の40℃の温水が給湯される。
【0040】
一方、例えばリモコン90の設定温度が40℃のとき、ステップS11で検出無かつステップS12で検出有の即湯運転中は、ミキシング弁26の循環路34側を全開にしてバイパス管29側を全閉にし、給湯温度センサ27が循環路34の温水の温度を前記設定温度40℃にするようバーナ13の燃焼を制御するので、設定温度40℃の温水が循環路34を流れることができ、その結果、給湯栓35を開栓時には給湯栓35から出る温水の温度が前記設定温度40℃となるため、快適に使用できる。
【0041】
なお、この実施形態では上向きに取り付けられたバーナを構成する燃焼機器で説明したが、これに限定されることなく、例えば横向きに取り付けたガンタイプバーナを構成する燃焼機器でもよい。
【0042】
なお、本実施形態で用いたその他の構成は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しておらず、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1 即湯機能付き給湯機
10 缶体
11 給水管
12 減圧弁
13 バーナ
21 缶体温度センサ
22 給水口
23 温水出口
24 温水戻り口
25 出湯検出手段
26 ミキシング弁
27 給湯温度センサ
28 給水逆止弁
29 バイパス管
30 循環路検出手段
34 循環路
35 給湯栓
36 ポンプ
37 給湯逆止弁
80 制御部
81 第1温度テーブル
82 第2温度テーブル
83 温度テーブル
90 リモコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9