(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】磁気冷凍装置及び冷凍装置
(51)【国際特許分類】
F25B 21/00 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
F25B21/00 A
(21)【出願番号】P 2021054795
(22)【出願日】2021-03-29
【審査請求日】2022-03-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 三博
(72)【発明者】
【氏名】上田 茜
【合議体】
【審判長】鈴木 充
【審判官】竹下 和志
【審判官】村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-112606(JP,A)
【文献】特開2011-69508(JP,A)
【文献】特開昭57-110064(JP,A)
【文献】特開2007-147209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の回転軸(16)の周方向に間隔をあけて配置された複数の磁気作業物質(11)と、
前記磁気作業物質(11)に対して
前記回転軸(16)の周方向に相対移動するとともに、前記磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する磁場印加部(20)と、を備え、
前記磁場印加部(20)は、
前記磁気作業物質(11)に対して
前記回転軸(16)の軸方向の一端側のみに離れて配置された第1部材(21)と、
前記第1部材(21)と前記磁気作業物質(11)との間に配置され
た第1磁石(25)及び第2磁石(26)と、を有し、
前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)は、前記磁気作業物質(11)における前記第1部材(21)と対向する平面の面内方向に、前記第1磁石(25)から前記第2磁石(26)に向かって前記磁気作業物質(11)の内部を磁束が流れるように磁場を印加し、
前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)は、前記磁気作業物質(11)に対して
前記回転軸(16)の周方向に相対移動するように構成される
磁気冷凍装置。
【請求項2】
請求項1の磁気冷凍装置において、
前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)は、磁束が流れている前記磁気作業物質(11)を
前記回転軸(16)の軸方向から見た場合に、前記磁気作業物質(11)
における前記回転軸(16)の周方向の両辺に沿ってそれぞれ配置される
磁気冷凍装置。
【請求項3】
請求項2の磁気冷凍装置において、
前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)は、
前記回転軸(16)の径方向外側の磁石幅が、
前記回転軸(16)の径方向内側の磁石幅よりも大きい
磁気冷凍装置。
【請求項4】
請求項1の磁気冷凍装置において、
前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)は、磁束が流れている前記磁気作業物質(11)を
前記回転軸(16)の軸方向から見た場合に、前記磁気作業物質(11)
における前記回転軸(16)の径方向の両辺に沿ってそれぞれ配置される
磁気冷凍装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つの磁気冷凍装置において、
前記磁場印加部(20)は、第3磁石(27)を有し、
前記第3磁石(27)は、
前記回転軸(16)の軸方向から見て、前記第1磁石(25)と前記第2磁石(26)との間に配置される
磁気冷凍装置。
【請求項6】
所定の回転軸(16)の周方向に間隔をあけて配置された複数の磁気作業物質(11)と、
前記磁気作業物質(11)に対して
前記回転軸(16)の周方向に相対移動するとともに、前記磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する磁場印加部(20)と、を備え、
前記磁場印加部(20)は、
前記磁気作業物質(11)に対して
前記回転軸(16)の軸方向の一端側に離れて配置された第1部材(21)と、
前記第1部材(21)と前記磁気作業物質(11)との間に配置され
た第1磁石(25)及び第2磁石(26)と、を有し、
前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)は、前記磁気作業物質(11)における前記第1部材(21)と対向する平面の面内方向に、前記第1磁石(25)から前記第2磁石(26)に向かって前記磁気作業物質(11)の内部を磁束が流れるように磁場を印加し、
前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)は、前記磁気作業物質(11)に対して
前記回転軸(16)の周方向に相対移動するように構成され、
前記磁気作業物質(11)には、前記磁気作業物質(11)よりも透磁率の高いヨーク(13)が設けられ、
前記ヨーク(13)は、
前記回転軸(16)の軸方向から見て、前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)と重なり合う両辺に沿って配置される
磁気冷凍装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つの磁気冷凍装置(10)と、
前記磁気冷凍装置(10)と熱交換する熱媒体回路(2)と、を備える
冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、磁気冷凍装置及び冷凍装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、永久磁石のN極から、N極側内蔵ヨーク、材料間ヨーク、材料容器に収容されている磁性材料、材料間ヨーク、S極側内蔵ヨークを順に経由して、永久磁石のS極へ至るように磁束が流れる磁気ヒートポンプ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の発明では、本体部の内部に永久磁石及び内蔵ヨークを配置し、本体部の内周面に沿って材料容器及び材料間ヨークを複数配置している。そのため、磁路長が長くなってしまい、装置全体として大型化するという問題がある。
【0005】
本開示の目的は、磁石の配置を工夫して、磁路長を短くできるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、周方向に間隔をあけて配置された複数の磁気作業物質(11)と、前記磁気作業物質(11)に対して周方向に相対移動するとともに、前記磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する磁場印加部(20)と、を備え、前記磁場印加部(20)は、前記磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置された第1部材(21)と、前記第1部材(21)と前記磁気作業物質(11)との間に配置され且つ前記磁気作業物質(11)の面内方向に磁束が流れるように磁場を印加する第1磁石(25)及び第2磁石(26)と、を有し、前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)は、前記磁気作業物質(11)に対して周方向に相対移動するように構成される磁気冷凍装置である。
【0007】
第1の態様では、磁場印加部(20)は、第1部材(21)と、第1磁石(25)及び第2磁石(26)とを有する。第1部材(21)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、第1部材(21)と磁気作業物質(11)との間に配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)の面内方向に磁束が流れるように磁場を印加する。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)に対して周方向に相対移動するように構成される。
【0008】
このようにすれば、磁路長が短くなるため、装置全体としてコンパクト化を図るとともに、磁束密度を向上させることができる。また、複数に分割した磁石を用いることで、磁力の強い1つの磁石を取り扱うよりも、組み立てが容易となる。
【0009】
本開示の第2の態様は、第1の態様の磁気冷凍装置において、前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)は、磁束が流れている前記磁気作業物質(11)を軸方向から見た場合に、前記磁気作業物質(11)の周方向の両辺に沿ってそれぞれ配置される。
【0010】
第2の態様では、磁気作業物質(11)の周方向に沿って磁束を流すことができる。また、同一形状の磁石を用いて組み立てることができる。
【0011】
本開示の第3の態様は、第2の態様の磁気冷凍装置において、前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)は、径方向外側の磁石幅が、径方向内側の磁石幅よりも大きい。
【0012】
第3の態様では、磁路長に合わせて磁石幅を調整することで、磁気作業物質(11)における磁場強度を一定にできる。
【0013】
本開示の第4の態様は、第1の態様の磁気冷凍装置において、前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)は、磁束が流れている前記磁気作業物質(11)を軸方向から見た場合に、前記磁気作業物質(11)の径方向の両辺に沿ってそれぞれ配置される。
【0014】
第4の態様では、磁気作業物質(11)の径方向に沿って磁束を流すことができる。
【0015】
本開示の第5の態様は、第1~4の態様のいずれか1つの磁気冷凍装置において、前記磁場印加部(20)は、第3磁石(27)を有し、前記第3磁石(27)は、軸方向から見て、前記第1磁石(25)と前記第2磁石(26)との間に配置される。
【0016】
第5の態様では、第3磁石(27)を配置することで、磁気作業物質(11)における磁場強度を強く且つ一定にできる。
【0017】
本開示の第6の態様は、第1~5の態様のいずれか1つの磁気冷凍装置において、前記磁気作業物質(11)には、前記磁気作業物質(11)よりも透磁率の高いヨーク(13)が設けられ、前記ヨーク(13)は、軸方向から見て、前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)と重なり合う両辺に沿って配置される。
【0018】
第6の態様では、磁気作業物質(11)の両辺のヨーク(13)に磁束を流すことで、磁気作業物質(11)に対して均一に磁場を印加することができる。
【0019】
本開示の第7の態様は、第1~6の態様のいずれか1つの磁気冷凍装置(10)と、冷凍サイクルを行って前記磁気冷凍装置(10)と熱交換する熱媒体回路(2)と、を備える。
【0020】
第7の態様では、磁気冷凍装置(10)を備えた冷凍装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、実施形態1の冷凍装置の配管系統図である。
【
図2】
図2は、磁気冷凍装置の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、磁気冷凍装置の構成を示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は、磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。
【
図6】
図6は、実施形態1の変形例を示す側面断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態2の磁気冷凍装置の構成を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、磁気冷凍装置の構成を示す分解斜視図である。
【
図9】
図9は、磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。
【
図11】
図11は、実施形態2の変形例1を示す側面断面図である。
【
図12】
図12は、実施形態2の変形例2を示す平面図である。
【
図14】
図14は、実施形態3の磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。
【
図16】
図16は、実施形態3の変形例を示す側面断面図である。
【
図17】
図17は、実施形態4の磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
《実施形態1》
実施形態1について説明する。
【0023】
図1に示すように、冷凍装置(1)は、熱媒体回路(2)を備える。冷凍装置(1)は、例えば、空気調和装置に適用される。熱媒体回路(2)には、熱媒体が充填される。熱媒体は、例えば、冷媒、水、ブラインなどを含む。
【0024】
冷凍装置(1)は、低温側熱交換器(3)と、高温側熱交換器(4)と、ポンプ(5)と、磁気冷凍装置(10)とを備える。磁気冷凍装置(10)は、磁気熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する。
【0025】
熱媒体回路(2)は、閉ループ状に形成される。熱媒体回路(2)には、ポンプ(5)、低温側熱交換器(3)、磁気冷凍装置(10)、高温側熱交換器(4)が順に接続される。
【0026】
熱媒体回路(2)は、低温側流路(2a)と、高温側流路(2b)とを含む。低温側流路(2a)は、磁気冷凍装置(10)の温調流路(10a)と、ポンプ(5)の第1ポート(6a)とを接続する。高温側流路(2b)は、磁気冷凍装置(10)の温調流路(10a)と、ポンプ(5)の第2ポート(6b)とを接続する。
【0027】
〈低温側熱交換器及び高温側熱交換器〉
低温側熱交換器(3)は、磁気冷凍装置(10)で冷却された熱媒体と、所定の冷却対象(例えば、二次冷媒や空気など)とを熱交換させる。高温側熱交換器(4)は、磁気冷凍装置(10)で加熱された熱媒体と、所定の加熱対象(例えば、二次冷媒や空気など)とを熱交換させる。
【0028】
〈ポンプ〉
ポンプ(5)は、第1動作と、第2動作とを交互に繰り返し行う。第1動作では、熱媒体回路(2)の熱媒体を
図1で左方向に搬送する。第2動作では、熱媒体回路(2)の熱媒体を
図1で右方向に搬送する。ポンプ(5)は、熱媒体回路(2)の熱媒体を往復的に流動させる搬送機構を構成する。
【0029】
ポンプ(5)は、往復式のピストンポンプで構成される。ポンプ(5)は、ポンプケース(6)と、ピストン(7)とを備える。
【0030】
ピストン(7)は、ポンプケース(6)の内部で進退可能に配置される。ピストン(7)は、ポンプケース(6)の内部を、第1室(S1)と第2室(S2)とに仕切る。ポンプケース(6)には、第1ポート(6a)と、第2ポート(6b)とが形成される。第1ポート(6a)は、第1室(S1)に連通する。第1ポート(6a)は、低温側流路(2a)に接続される。第2ポート(6b)は、第2室(S2)に連通する。第2ポート(6b)は、高温側流路(2b)に接続される。ピストン(7)は、駆動機構(図示省略)によって駆動される。
【0031】
第1動作では、ピストン(7)が第1ポート(6a)側に移動する。第1動作では、第1室(S1)の容積が小さくなり且つ第2室(S2)の容積が大きくなる。この結果、第1室(S1)の熱媒体が第1ポート(6a)を通じて低温側流路(2a)に吐出される。同時に高温側流路(2b)の熱媒体が第2ポート(6b)を通じて第2室(S2)に吸い込まれる。
【0032】
第2動作では、ピストン(7)が第2ポート(6b)側に移動する。第2動作では、第2室(S2)の容積が小さくなり且つ第1室(S1)の容積が大きくなる。この結果、第2室(S2)の熱媒体が第2ポート(6b)を通じて高温側流路(2b)に吐出される。同時に低温側流路(2a)の熱媒体が第1ポート(6a)を通じて第1室(S1)に吸い込まれる。
【0033】
〈制御部〉
冷凍装置(1)は、制御部(8)を備える。制御部(8)は、所定の運転指令に応じて、ポンプ(5)及び磁気冷凍装置(10)の動作を制御する。制御部(8)は、マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリデバイス(具体的には半導体メモリ)とを用いて構成される。
【0034】
〈磁気冷凍装置〉
図2及び
図3にも示すように、磁気冷凍装置(10)は、磁気作業物質(11)と、磁場印加部(20)と、回転機構(15)とを備える。
【0035】
磁気作業物質(11)は、磁場が印加されることで発熱する。磁気作業物質(11)は、磁場が取り除かれることで吸熱する。なお、磁気作業物質(11)は、印加された磁場が強くなることでも発熱する。磁気作業物質(11)は、印加された磁場が弱くなることでも吸熱する。
【0036】
磁気作業物質(11)の材料としては、例えば、Gd5(Ge0.5Si0.5)4、La(Fe1-xSix)13、La(Fe1-xCoxSiy)13、La(Fe1-xSix)13Hy、Mn(As0.9Sb0.1)等を用いることができる。
【0037】
磁気作業物質(11)は、周方向に間隔をあけて複数配置される。
図2に示す例では、略扇形状に形成された磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に8つ配置される。磁気作業物質(11)よりも径方向内側には、筒状部(12)が配置される。
【0038】
筒状部(12)は、軸方向に延びる筒状の部材で構成される。筒状部(12)の外周面には、複数の磁気作業物質(11)が取り付けられる。
【0039】
回転機構(15)は、回転軸(16)と、モータ(17)とを有する。回転軸(16)は、モータ(17)に連結される。モータ(17)は、回転軸(16)を回転させる。回転軸(16)には、磁場印加部(20)が連結される。回転軸(16)は、筒状部(12)の筒内に差し込まれる。モータ(17)の回転に伴って、回転軸(16)とともに磁場印加部(20)が軸心周りに回転する一方、磁気作業物質(11)が停止した状態となる。これにより、磁気作業物質(11)に対して、磁場印加部(20)が相対回転移動する。
【0040】
磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して、軸方向に離れて配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。磁場印加部(20)は、コア(21)(第1部材)と、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とを有する。
【0041】
コア(21)は、中心部(22)と、複数の突部(23)とを有する。中心部(22)は、軸方向に延びる筒状の部材で構成される。中心部(22)には、回転軸(16)が嵌め込まれる。回転軸(16)は、コア(21)の中心部(22)に連結される。なお、中心部(22)は、磁性材料で構成されていなくてもよい。
【0042】
複数の突部(23)は、磁性材料で構成される。複数の突部(23)は、中心部(22)から径方向外方に向かって放射状に突出する。複数の突部(23)は、周方向に間隔をあけて配置される。
図3に示す例では、略扇形状に形成された突部(23)が、周方向に等間隔に4つ配置される。突部(23)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。
【0043】
図4にも示すように、コア(21)の突部(23)における径方向外側の周方向の幅は、磁気作業物質(11)における径方向外側の周方向の幅よりも大きい。また、隣り合う突部(23)同士の間隔は、隣り合う磁気作業物質(11)同士の間隔の2倍以上に設定される。
【0044】
図5にも示すように、磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)の面内方向に磁束が流れるように、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
【0045】
具体的に、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、軸方向から見て、突部(23)の周方向の両辺に沿って径方向に延びる(
図4参照)。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、径方向外側の磁石幅が、径方向内側の磁石幅よりも大きい。
【0046】
第1磁石(25)は、磁気作業物質(11)側(
図5で上側)がN極、コア(21)の突部(23)側(
図5で下側)がS極となるように配置される。第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)側(
図5で上側)がS極、コア(21)の突部(23)側(
図5で下側)がN極となるように配置される。なお、第1磁石(25)及び第2磁石(26)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
【0047】
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、コア(21)とともに、磁気作業物質(11)に対して周方向に相対回転移動する。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させると、磁気作業物質(11)の面内方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
【0048】
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁束が流れている磁気作業物質(11)を軸方向から見た場合に、磁気作業物質(11)の周方向の両辺に沿ってそれぞれ配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
【0049】
具体的に、第1磁石(25)から磁気作業物質(11)に向かって磁束が流れる。磁気作業物質(11)では、第1磁石(25)から第2磁石(26)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を周方向に沿って磁束が流れる。コア(21)の突部(23)では、第2磁石(26)から第1磁石(25)に向かって、突部(23)の内部を周方向に沿って磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
【0050】
その後、磁場印加部(20)を回転移動させ、隣接する磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させる。これにより、最初に磁場を印加した磁気作業物質(11)は、磁場が取り除かれることで吸熱する。一方、隣接する磁気作業物質(11)は、磁場が印加されることで発熱する。
【0051】
-冷凍装置の運転動作-
冷凍装置(1)の基本的な運転動作について、
図1を用いて説明する。冷凍装置(1)は、加熱動作と、冷却動作とを交互に繰り返し行う。加熱動作と冷却動作とを切り換える周期は、例えば、0.1秒から1秒程度に設定される。
【0052】
〈加熱動作〉
加熱動作では、ポンプ(5)が第1動作を行うとともに、磁場印加部(20)が第1磁場印加動作を行う。つまり、加熱動作では、ポンプ(5)の第1ポート(6a)から熱媒体が吐出される。同時に、磁気作業物質(11)に磁場が印加される。
【0053】
ポンプ(5)の第1室(S1)から低温側流路(2a)に熱媒体が吐出されると、低温側流路(2a)の熱媒体は、磁気冷凍装置(10)の温調流路(10a)に流入する。第1磁場印加動作中の冷凍装置(1)では、磁気作業物質(11)からその周囲へ熱が放出される。このため、温調流路(10a)を流れる熱媒体は、磁気作業物質(11)によって加熱される。温調流路(10a)で加熱された熱媒体は、高温側流路(2b)に流出し、高温側熱交換器(4)を流れる。高温側熱交換器(4)では、高温の熱媒体によって所定の加熱対象(例えば、二次冷媒や空気など)が加熱される。高温側流路(2b)の熱媒体は、ポンプ(5)の第2ポート(6b)から第2室(S2)に吸い込まれる。
【0054】
〈冷却動作〉
冷却動作では、ポンプ(5)が第2動作を行うとともに、磁場印加部(20)が第2磁場印加動作を行う。つまり、加熱動作では、ポンプ(5)の第2ポート(6b)から熱媒体が吐出されると同時に、磁気作業物質(11)の磁場が取り除かれる。
【0055】
ポンプ(5)の第2室(S2)から高温側流路(2b)に熱媒体が吐出されると、高温側流路(2b)の熱媒体は、磁気冷凍装置(10)の温調流路(10a)に流入する。第2磁場印加動作中の冷凍装置(1)では、磁気作業物質(11)がその周囲の熱を奪う。このため、温調流路(10a)を流れる熱媒体は、磁気作業物質(11)によって冷却される。温調流路(10a)で冷却された熱媒体は、低温側流路(2a)に流出し、低温側熱交換器(3)を流れる。低温側熱交換器(3)では、低温の熱媒体によって所定の冷却対象(例えば、二次冷媒や空気など)が冷却される。低温側流路(2a)の熱媒体は、ポンプ(5)の第1ポート(6a)から第1室(S1)に吸い込まれる。
【0056】
-実施形態1の効果-
本実施形態の特徴によれば、磁場印加部(20)は、第1部材(21)(コア)と、第1磁石(25)及び第2磁石(26)とを有する。第1部材(21)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、第1部材(21)と磁気作業物質(11)との間に配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)の面内方向に磁束が流れるように磁場を印加する。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)に対して周方向に相対移動するように構成される。
【0057】
このようにすれば、磁路長が短くなるため、装置全体としてコンパクト化を図るとともに、磁束密度を向上させることができる。また、第1磁石(25)及び第2磁石(26)のように、複数に分割した磁石を用いることで、磁力の強い1つの磁石を取り扱うよりも、組み立てが容易となる。
【0058】
本実施形態の特徴によれば、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁束が流れている磁気作業物質(11)を軸方向から見た場合に、磁気作業物質(11)の周方向の両辺に沿ってそれぞれ配置される。
【0059】
これにより、磁気作業物質(11)の周方向に沿って磁束を流すことができる。また、同一形状の磁石を用いて組み立てることができる。
【0060】
本実施形態の特徴によれば、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、径方向外側の磁石幅が、径方向内側の磁石幅よりも大きい。
【0061】
これにより、磁路長に合わせて磁石幅を調整することで、磁気作業物質(11)における磁場強度を一定にできる。
【0062】
本実施形態の特徴によれば、磁気冷凍装置(10)と、冷凍サイクルを行って磁気冷凍装置(10)と熱交換する熱媒体回路(2)と、を備える。これにより、磁気冷凍装置(10)を備えた冷凍装置(1)を提供できる。
【0063】
-実施形態1の変形例-
実施形態1において、磁気作業物質(11)にヨーク(13)を設けるようにしてもよい。
【0064】
図6に示すように、磁気作業物質(11)には、磁気作業物質(11)よりも透磁率の高いヨーク(13)が設けられる。ヨーク(13)は、軸方向から見て、第1磁石(25)及び第2磁石(26)と重なり合う両辺に沿って配置される。
【0065】
図6に示す例では、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、コア(21)の突部(23)における周方向の両辺に沿って配置される。そのため、ヨーク(13)は、磁気作業物質(11)における周方向の両辺に沿って配置される。
【0066】
ここで、第1磁石(25)から
図6で左側のヨーク(13)に向かって磁束が流れる。左側のヨーク(13)から右側のヨーク(13)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を周方向に沿って磁束が流れる。右側のヨーク(13)から第2磁石(26)に向かって磁束が流れる。第2磁石(26)から第1磁石(25)に向かって、コア(21)の突部(23)の内部を周方向に沿って磁束が流れる。
【0067】
このように、磁気作業物質(11)の両辺のヨーク(13)に磁束を流すことで、磁気作業物質(11)に対して均一に磁場を印加することができる。
【0068】
《実施形態2》
実施形態2について説明する。
【0069】
図7及び
図8に示すように、磁気冷凍装置(10)は、磁気作業物質(11)と、磁場印加部(20)と、回転機構(15)とを備える。
【0070】
磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して、軸方向に離れて配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。磁場印加部(20)は、コア(21)と、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とを有する。
【0071】
コア(21)は、中心部(22)と、複数の突部(23)とを有する。磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)の面内方向に磁束が流れるように、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
【0072】
具体的に、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、軸方向から見て、突部(23)の周方向の両辺に沿って径方向に延びる(
図9参照)。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、軸方向から見て略矩形状に形成される。つまり、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、軸方向から見た磁石幅が、径方向の全長にわたって同じ幅に形成される。これにより、第1磁石(25)及び第2磁石(26)として、同一形状の磁石を用いることができる。
【0073】
第1磁石(25)は、磁気作業物質(11)側(
図10で上側)がN極、コア(21)の突部(23)側(
図10で下側)がS極となるように配置される。第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)側(
図10で上側)がS極、コア(21)の突部(23)側(
図10で下側)がN極となるように配置される。なお、第1磁石(25)及び第2磁石(26)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
【0074】
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、コア(21)とともに、磁気作業物質(11)に対して周方向に相対回転移動する。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させると、磁気作業物質(11)の面内方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
【0075】
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁束が流れている磁気作業物質(11)を軸方向から見た場合に、磁気作業物質(11)の周方向の両辺に沿ってそれぞれ配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
【0076】
-実施形態2の変形例-
〈変形例1〉
実施形態2において、磁気作業物質(11)にヨーク(13)を設けるようにしてもよい。
【0077】
図11に示すように、磁気作業物質(11)には、磁気作業物質(11)よりも透磁率の高いヨーク(13)が設けられる。ヨーク(13)は、軸方向から見て、第1磁石(25)及び第2磁石(26)と重なり合う両辺に沿って配置される。
【0078】
図11に示す例では、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、コア(21)の突部(23)における周方向の両辺に沿って配置される。そのため、ヨーク(13)は、磁気作業物質(11)における周方向の両辺に沿って配置される。
【0079】
〈変形例2〉
実施形態2において、磁場印加部(20)が第3磁石(27)を有する構成としてもよい。
【0080】
図12及び
図13に示すように、磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)と、第3磁石(27)とが配置される。第1磁石(25)、第2磁石(26)、及び第3磁石(27)は、磁気作業物質(11)の面内方向に磁束が流れるように、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
【0081】
具体的に、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、軸方向から見て、突部(23)の周方向の両辺に沿って径方向に延びる(
図12参照)。第3磁石(27)は、軸方向から見て、第1磁石(25)と第2磁石(26)との間に配置される。
【0082】
第1磁石(25)、第2磁石(26)、及び第3磁石(27)は、軸方向から見て略矩形状に形成される。つまり、第1磁石(25)、第2磁石(26)、及び第3磁石(27)は、軸方向から見た磁石幅が、径方向の全長にわたって同じ幅に形成される。
【0083】
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)側(
図13で上側)がS極、コア(21)の突部(23)側(
図13で下側)がN極となるように配置される。第3磁石(27)は、磁気作業物質(11)側(
図13で上側)がN極、コア(21)の突部(23)側(
図13で下側)がS極となるように配置される。なお、第1磁石(25)、第2磁石(26)、及び第3磁石(27)におけるN極及びS極の位置関係は、適宜変更可能である。
【0084】
第1磁石(25)、第2磁石(26)、及び第3磁石(27)は、コア(21)とともに、磁気作業物質(11)に対して周方向に相対回転移動する。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)、第2磁石(26)、及び第3磁石(27)を対向させると、磁気作業物質(11)の面内方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
【0085】
具体的に、第3磁石(27)から磁気作業物質(11)に向かって磁束が流れる。磁気作業物質(11)では、第3磁石(27)から第1磁石(25)及び第2磁石(26)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を周方向に沿って磁束が流れる。コア(21)の突部(23)では、第1磁石(25)及び第2磁石(26)から第3磁石(27)に向かって、突部(23)の内部を周方向に沿って磁束が流れる。
【0086】
-実施形態2の変形例2の効果-
本変形例の特徴によれば、磁場印加部(20)は、第3磁石(27)を有する。第3磁石(27)は、軸方向から見て、第1磁石(25)と第2磁石(26)との間に配置される。
【0087】
このように、第3磁石(27)を配置することで、磁気作業物質(11)における磁場強度を強く且つ一定にできる。
【0088】
《実施形態3》
実施形態3について説明する。
【0089】
図14及び
図15に示すように、磁場印加部(20)は、コア(21)と、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とを有する。磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)の面内方向に磁束が流れるように、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
【0090】
具体的に、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、軸方向から見て、突部(23)の径方向の両辺に沿って配置される(
図14参照)。第1磁石(25)は、突部(23)の径方向外側の辺に沿って延びる。第2磁石(26)は、突部(23)の径方向内側の辺に沿って延びる。
【0091】
第1磁石(25)は、磁気作業物質(11)側(
図15で上側)がN極、コア(21)の突部(23)側(
図15で下側)がS極となるように配置される。第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)側(
図15で上側)がS極、コア(21)の突部(23)側(
図15で下側)がN極となるように配置される。なお、第1磁石(25)及び第2磁石(26)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
【0092】
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、コア(21)とともに、磁気作業物質(11)に対して周方向に相対回転移動する。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させると、磁気作業物質(11)の面内方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
【0093】
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁束が流れている磁気作業物質(11)を軸方向から見た場合に、磁気作業物質(11)の径方向の両辺に沿ってそれぞれ配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
【0094】
具体的に、第1磁石(25)から磁気作業物質(11)に向かって磁束が流れる。磁気作業物質(11)では、第1磁石(25)から第2磁石(26)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を径方向に沿って磁束が流れる。コア(21)の突部(23)では、第2磁石(26)から第1磁石(25)に向かって、突部(23)の内部を径方向に沿って磁束が流れる。
【0095】
-実施形態3の効果-
本実施形態の特徴によれば、第1磁石(25)及び前記第2磁石(26)は、磁束が流れている磁気作業物質(11)を軸方向から見た場合に、磁気作業物質(11)の径方向の両辺に沿ってそれぞれ配置される。
【0096】
これにより、磁気作業物質(11)の径方向に沿って磁束を流すことができる。
【0097】
-実施形態3の変形例-
〈変形例〉
実施形態3において、磁気作業物質(11)にヨーク(13)を設けるようにしてもよい。
【0098】
図16に示すように、磁気作業物質(11)には、磁気作業物質(11)よりも透磁率の高いヨーク(13)が設けられる。ヨーク(13)は、軸方向から見て、第1磁石(25)及び第2磁石(26)と重なり合う両辺に沿って配置される。
【0099】
図16に示す例では、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、コア(21)の突部(23)における径方向の両辺に沿って配置される。そのため、ヨーク(13)は、磁気作業物質(11)における径方向の両辺に沿って配置される。
【0100】
《実施形態4》
実施形態4について説明する。
【0101】
図17に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に間隔をあけて複数配置される。
図17に示す例では、略矩形状に形成された磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に8つ配置される。
【0102】
図18に示すように、磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)の面内方向に磁束が流れるように、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
【0103】
具体的に、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、軸方向から見て、突部(23)の周方向の両辺に沿って径方向に延びる(
図18参照)。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、径方向外側の磁石幅が、径方向内側の磁石幅よりも大きい。
【0104】
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁束が流れている磁気作業物質(11)を軸方向から見た場合に、磁気作業物質(11)の周方向の両辺に対して少なくとも一部が重なり合うように、それぞれ配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
【0105】
これにより、矩形状に形成された磁気作業物質(11)に対して、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加することができる。
【0106】
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0107】
前記実施形態では、第1磁石(25)及び第2磁石(26)を、コア(21)とともに回転移動させるようにしたが、この形態に限定するものではない。
【0108】
例えば、コア(21)の代わりに、別の磁気作業物質(11)を配置し、第1磁石(25)及び第2磁石(26)の両極側に磁気作業物質(11)を配置した構成としてもよい。このようにすれば、第1磁石(25)及び第2磁石(26)を磁気作業物質(11)に対して相対回転移動させることで、同時に磁場が印加される磁気作業物質(11)の数を増やすことができる。
【0109】
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態及び変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。また、明細書及び特許請求の範囲の「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0110】
以上説明したように、本開示は、磁気冷凍装置及び冷凍装置について有用である。
【符号の説明】
【0111】
1 冷凍装置
2 熱媒体回路
10 磁気冷凍装置
11 磁気作業物質
13 ヨーク
20 磁場印加部
21 第1部材(コア)
25 第1磁石
26 第2磁石
27 第3磁石