(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】医療撮像システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/04 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
A61B1/04 531
(21)【出願番号】P 2021530841
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(86)【国際出願番号】 US2019063182
(87)【国際公開番号】W WO2020112726
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-16
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】スティス,カーティス ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ディカルロ,ジェフリー エム.
(72)【発明者】
【氏名】リウ,チャンメン
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-200534(JP,A)
【文献】特開2009-066121(JP,A)
【文献】特開2016-058866(JP,A)
【文献】特開2017-225736(JP,A)
【文献】国際公開第2016/194101(WO,A1)
【文献】特開2007-089840(JP,A)
【文献】特開2007-020880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のピクセルと、第2のピクセルと、第3のピクセルと、第4のピクセルとを含む、ピクセルの2×2アレイを含む、画像センサと、
前記第1のピクセルを覆う第1のカラーフィルタであって、前記第1のピクセルが可視光の第1の色成分を収集することを可能にし、前記第1のピクセルが前記可視光の第2の色成分及び第3の色成分を収集することを防止するように構成される、第1のカラーフィルタと、
前記第2及び第3のピクセルを覆う第2のカラーフィルタであって、前記第2及び第3のピクセルがそれぞれ前記可視光の前記第2の色成分を収集することを可能にし、前記第2及び第3のピクセルがそれぞれ前記可視光の前記第1及び第3の色成分を収集することを防止するように構成される、第2のカラーフィルタと、
前記第4のピクセルを覆う第3のカラーフィルタであって、前記第4のピクセルが前記可視光の前記第3の色成分を収集することを可能にし、前記第4のピクセルが前記可視光の前記第1及び第2の色成分を収集することを防止するように構成される、第3のカラーフィルタと、
前記第2のピクセルを覆うピクセルレベル広帯域赤外線カットフィルタであって、前記第2のピクセルが第1の波長範囲に含まれる波長を有する赤外光を収集することを防止するように構成される、ピクセルレベル広帯域赤外線カットフィルタと
、を含む
医療撮像システム。
【請求項2】
前記ピクセルレベル広帯域赤外線カットフィルタは、前記第2のピクセルの表面に接着するように構成されるコーティングを含む、請求項1に記載の医療撮像システム。
【請求項3】
前記第1、第3、及び第4のピクセルを覆う狭帯域赤外線カットフィルタであって、前記第1、第3、及び第4のピクセルが第2の波長範囲に含まれる波長を有する赤外光を収集することを防止するように構成される、狭帯域赤外線カットフィルタを更に含み,前記第2の波長範囲は、前記第1の波長範囲に含まれ、前記第1の波長範囲よりも狭い、請求項1又は2に記載の医療撮像システム。
【請求項4】
前記第1、第3、及び第4のピクセルは、前記第1、第3、及び第4のピクセルが前記第1の波長範囲に含まれる波長を有する赤外光を収集することを防止するように構成されるピクセルレベル広帯域赤外線カットフィルタによって覆われない、請求項1、2又は3に記載の医療撮像システム。
【請求項5】
前記狭帯域赤外線カットフィルタは、前記第1、第2、第3、及び第4のピクセルを覆うガラスフィルタを含む、請求項3に記載の医療撮像システム。
【請求項6】
前記狭帯域赤外線カットフィルタは、
前記第1のピクセルを覆う第1のピクセルレベル
狭帯域赤外線カットフィルタと、
前記第3のピクセルを覆う第2のピクセルレベル
狭帯域赤外線カットフィルタと、
前記第4のピクセルを覆う第3のピクセルレベル
狭帯域赤外線カットフィルタと
、を含む、
請求項3に記載の医療撮像システム。
【請求項7】
前記可視光でシーンを照明するように構成される可視光照明源であって、前記ピクセルの2×2アレイは、前記可視光が前記シーン内の1つ以上の表面から反射した後に、前記可視光の前記色成分を収集する、可視光照明源と、
蛍光撮像剤によって蛍光照明を誘発する蛍光励起照明を放射するように構成される蛍光励起照明源と
、を更に含む、
請求項3、5又は6に記載の医療撮像システム。
【請求項8】
前記ピクセルレベル広帯域赤外線カットフィルタ及び前記狭帯域赤外線カットフィルタが、前記第1、第2、第3、及び第4のピクセルが前記蛍光励起照明を収集することを防止するように、前記蛍光励起照明は、前記第2の波長範囲に含まれる波長を有し、
前記ピクセルレベル広帯域赤外線カットフィルタが、前記第2のピクセルが前記蛍光照明を収集することを防止する一方で、前記狭帯域赤外線カットフィルタが、前記第1、第3、及び第4のピクセルが前記蛍光照明を収集することを可能にするように、前記蛍光照明は、前記第1の波長範囲に含まれるが、前記第2の波長範囲に含まれない、波長を有する、
請求項7に記載の医療撮像システム。
【請求項9】
画像処理システムを更に含み、該画像処理システムは、
前記可視光照明源及び前記蛍光励起照明源をアクティブ化させて前記可視光及び前記蛍光励起照明を同時に放射させ、
前記可視光及び前記蛍光励起照明が同時に放射されている間に、
前記第1のピクセルによって収集される光を表す第1の信号であって、前記第1の色成分と前記蛍光照明との組み合わせを表すデータを含む第1の信号を受信し、
前記第2のピクセルによって収集される光を表す第2の信号であって、前記第2の色成分を表す第2の信号を受信し、
前記第3のピクセルによって収集される光を表す第3の信号であって、前記第2の色成分と前記蛍光照明との組み合わせを表す第3の信号を受信し、
前記第4のピクセルによって収集される光を表す第4の信号であって、前記第3の色成分と前記蛍光照明との組み合わせを表す第4の信号を受信する
ように構成される、
請求項8に記載の医療撮像システム。
【請求項10】
前記画像処理システムは、
前記第3の信号から前記第2の信号を減じて、前記蛍光照明を表す前記第3の信号の蛍光照明成分を識別し、
前記第1の信号から前記蛍光照明成分を減じて、前記第1の色成分のみを表す処理済みの第1の信号を生成し、
前記第4の信号から前記蛍光照明成分を減じて、前記第3の色成分のみを表す処理済みの第4の信号を生成する、
ように更に構成される、
請求項9に記載の医療撮像システム。
【請求項11】
前記画像処理システムは、
蛍光画像を含まないフルカラー画像を提示するコマンドを受信し、
前記コマンドに応答して、前記処理済みの第1の信号、前記第2の信号、及び前記処理済みの第4の信号に基づいて、前記フルカラー画像を生成する、
ように更に構成される、
請求項
10に記載の医療撮像システム。
【請求項12】
前記画像処理システムは、
フルカラー蛍光画像を提示するコマンドを受信し、
前記コマンドに応答して、前記処理済みの第1の信号、前記第2の信号、前記処理済みの第4の信号、及び前記蛍光照明成分に基づいて、前記フルカラー蛍光画像を生成する、
ように更に構成される、
請求項
10に記載の医療撮像システム。
【請求項13】
命令を格納するメモリと、
前記メモリに通信的に連結されるプロセッサと
、を含み、
前記プロセッサは、前記命令を実行して、
ピクセルの2×2アレイに含まれる第1のピクセルによって収集される光を表す第1の信号であって、可視光の第1の色成分と蛍光照明との組み合わせを表すデータを含む第1の信号を受信し、
前記ピクセルの2×2アレイに含まれる第2のピクセルによって収集される光を表す第2の信号であって、前記可視光の第2の色成分を表す第2の信号を受信し、
前記ピクセルの2×2アレイに含まれる第3のピクセルによって収集される光を表す第3の信号であって、前記第2の色成分と前記蛍光照明との組み合わせを表す第3の信号を受信し、
前記ピクセルの2×2アレイに含まれる第4のピクセルによって収集される光を表す第4の信号であって、前記可視光の第3の色成分と前記蛍光照明との組み合わせを表す第4の信号を受信し、
前記第3の信号から前記第2の信号を減じて、前記蛍光照明を表す前記第3の信号の蛍光照明成分を識別し、
前記第1の信号から前記蛍光照明成分を減じて、前記第1の色成分のみを表す処理済みの第1の信号を生成し、
前記第4の信号から前記蛍光照明成分を減じて、前記第3の色成分のみを表す処理済みの第4の信号を生成する
ように構成される、
画像処理システム。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記命令を実行して、
蛍光画像を含まないフルカラー画像を提示するコマンドを受信し、
前記コマンドに応答して、前記処理済みの第1の信号、前記第2の信号、及び前記処理済みの第4の信号に基づいて、前記フルカラー画像を生成する、
ように更に構成される、
請求項13に記載の画像処理システム。
【請求項15】
当該画像処理システムは、
フルカラー蛍光画像を提示するコマンドを受信し、
前記コマンドに応答して、前記処理済みの第1の信号、前記第2の信号、前記処理済みの第4の信号、及び前記蛍光照明成分に基づいて、前記フルカラー蛍光画像を生成する
ように更に構成される、
請求項13に記載の画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2018年11月30日に出願された「MEDICAL IMAGING SYSTEMS AND METHODS」という名称の米国仮特許出願第62/774,041号に対する優先権を主張し、その全文を参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
撮像デバイスに含まれる従来的な画像センサは、典型的には、各ピクセルがシーン内の表面から反射する光を検出する(フォトサイト(photosites)又は光センサ(photosensors)とも呼ばれる)ピクセルのアレイを含む。次に、検出される光は、シーンの画像を表すデータに変換されることがある。
【0003】
カラー画像の生成を容易にするために、画像センサは、ピクセルを覆うカラーフィルタの構成を含むことがある。各カラーフィルタは、その対応するピクセルが、ピクセルに入射する光の特定の色成分のみを検出することを可能にするように構成される。例えば、従来的なカラーフィルタ構成(例えば、バイエルフィルタ構成(Bayer filter arrangement))は、50パーセントの緑色、25パーセントの赤色、及び25パーセントの青色である。換言すれば、画像センサに含まれる2×2ピクセルアレイ毎に、ピクセルのうちの2つは、2つのピクセルが可視光のうちの緑色成分のみを検出することを可能にするように構成された緑色フィルタによって覆われ、ピクセルのうちの1つは、ピクセルが可視光のうちの赤色成分のみを検出することを可能にするように構成された赤色フィルタによって覆われ、ピクセルのうちの1つは、ピクセルが可視光の青色成分のみを検出することを可能にするように構成された青色フィルタによって覆われる。そのようなカラーフィルタ構成は、一般的に、RGGB、BGGR、RGBG又はGRGBと呼ばれる。残念ながら、そのようなカラーフィルタ構成は、内部解剖学的構造の画像が患者内に位置付けられるように構成された撮像デバイス(例えば、内視鏡)を使用して取得される医療用途に余り適していない。
【発明の概要】
【0004】
添付の図面は、様々な実施形態を図示しており、本明細書の一部である。図示の実施形態は、例示に過ぎず、本開示の範囲を限定しない。図面を通じて、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を指し示している。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本明細書に記載する原理に従った例示的な医療撮像システムを図示している。
【0006】
【
図2】本明細書に記載する原理に従った例示的な画像センサを示している。
【0007】
【
図3A】本明細書に記載する原理に従った例示的なカラーフィルタ構成を示している。
【
図3B】本明細書に記載する原理に従った例示的なカラーフィルタ構成を示している。
【0008】
【
図4】本明細書に記載する原理に従った例示的な医療撮像システムを図示している。
【0009】
【
図5】本明細書に記載する原理に従ったカラーフィルタについてのスペクトル応答曲線を示している。
【0010】
【
図6A】本明細書に記載する原理に従ったフィルタ構成を示している。
【
図6B】本明細書に記載する原理に従ったフィルタ構成を示している。
【0011】
【
図7】本明細書に記載する原理に従ったカラーフィルタについてのスペクトル応答曲線を示している。
【0012】
【
図8A】本明細書に記載する原理に従った例示的なフィルタ構成を図示している。
【
図8B】本明細書に記載する原理に従った例示的なフィルタ構成を図示している。
【
図9A】本明細書に記載する原理に従った例示的なフィルタ構成を図示している。
【
図9B】本明細書に記載する原理に従った例示的なフィルタ構成を図示している。
【
図10A】本明細書に記載する原理に従った例示的なフィルタ構成を図示している。
【
図10B】本明細書に記載する原理に従った例示的なフィルタ構成を図示している。
【0013】
【
図11】本明細書に記載する原理に従った画像処理システムを図示している。
【0014】
【
図12】本明細書に記載する原理に従ってフルカラー画像及びフルカラー蛍光画像を選択的に生成するために撮像処理システムによって行われることがある様々な動作を示している。
【0015】
【
図13】本明細書に記載する原理に従った例示的な方法を図示している。
【0016】
【
図14】本明細書に記載する原理に従った例示的なコンピュータ支援外科システムを図示している。
【0017】
【
図15】本明細書に記載する原理に従った例示的なコンピューティングデバイスを図示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
医療撮像システム及び方法が本明細書に記載される。以下により詳細に記載するように、例示的な医療撮像システムは、ピクセル(画素)の2×2アレイを含む画像センサ(イメージセンサ)を含む。2×2アレイは、第1のピクセルと、第2のピクセルと、第3のピクセルと、第4のピクセルとを含む。赤色フィルタは、第1のピクセルを覆い、第1の青色フィルタは、第2のピクセルを覆い、第2の青色フィルタは、第3のピクセルを覆い、緑色フィルタは、第4のピクセルを覆う。赤色フィルタは、第1のピクセルが可視光の赤色成分を収集することを可能にし、第1のピクセルが可視光の青色成分及び緑色成分を収集することを防止するように構成される。第1及び第2の青色フィルタは、第2及び第3のピクセルがそれぞれ可視光の青色成分を収集することを可能にし、第2及び第3のピクセルがそれぞれ可視光の赤色成分及び緑色成分を収集することを防止するように構成される。緑色フィルタは、第4のピクセルが可視光の緑色成分を収集することを可能にし、第4のピクセルが可視光の赤色成分及び青色成分を収集することを防止するように構成される。
【0019】
様々な利点及び利益が本明細書に記載する医療撮像システム及び方法に関連する。例えば、医療撮像用途では、青色にバイアスされた照明(すなわち、緑色成分又は赤色成分よりも青色成分をより多く有する光)を使用することがしばしば望ましい。これは緑色成分及び赤色成分の波長が青色成分よりも長く、従って、患者解剖学的構造により深く浸透するからである。これは、次に、緑色成分及び赤色成分を青色成分よりも多く散乱させ、撮像デバイスによって取り込まれる画像内で比較的よりぼやけた赤色成分及び緑色成分をもたらす。故に、医療画像用途において、青色にバイアスされた照明は、他の色(例えば、緑色)にバイアスされた照明よりも鮮明な画像をもたらす。光の青色成分を取り込むよう2×2ピクセルアレイ内のピクセルの50%を構成することによって、本明細書に記載するシステム及び方法は、青色にバイアスされた光をより効果的に取り込むことがあり、従って、患者解剖学的構造のより鮮明且つより正確な画像を生成することがある。
【0020】
本明細書に記載する別の例示的な医療撮像システムは、第1のピクセルと、第2のピクセルと、第3のピクセルと、第4のピクセルとを含む、ピクセルの2×2アレイを含む、画像センサを含む。第1のカラーフィルタは、第1のピクセルを覆い、第1のピクセルが可視光の第1の色成分を収集することを可能にし、第1のピクセルが可視光の第2及び第3の成分を収集することを防止するように構成される。第2のカラーフィルタは、第2及び第3のピクセルを覆う。第2のカラーフィルタは、第2のピクセル及び第3のピクセルがそれぞれ可視光の第2の色成分を収集することを可能にし、第2及び第3のピクセルがそれぞれ可視光の第1及び第3の色成分を収集することを防止するように構成される。第3のカラーフィルタは、第4のピクセルを覆い、第4のピクセルが可視光の第3の色成分を収集することを可能にし、第4のピクセルが可視光の第1及び第2の色成分を収集することを防止するように構成される。ピクセルレベルの広帯域赤外線カットフィルタ(遮断フィルタ)は、第2のピクセルを覆い、第2のピクセルが第1の波長範囲に含まれる波長を有する赤外光を収集することを防止するように構成される。幾つかの例において、狭帯域赤外線カットフィルタは、第1、第3、及び第4のピクセルを覆い、第1、第3、及び第4のピクセルが第2の波長範囲に含まれる波長を有する赤外光を収集することを防止するように構成される。第2の波長範囲は、第1の波長範囲に含まれ、第1の波長範囲よりも狭い。以下に記載するように、この構成は、本明細書に記載するシステム及び方法がフルカラー蛍光画像を選択的に表示することを可能にすることがある、3つの色成分チャネル及び蛍光照明チャネルを有利に提供する。従来のグレースケール蛍光画像とは対照的にフルカラー蛍光画像を表示することによって、本明細書に記載するシステム及び方法は、医療従事者(例えば、外科医)が、血管、胆管、組織灌流、及び他の解剖学的構成をより正確に視覚化し且つ評価することを可能にすることがある。
【0021】
図1は、シーンの画像を取り込む(キャプチャする)ように構成された例示的な医療撮像システム100を図示している。幾つかの例において、シーンは、患者に関連する外科領域を含んでよい。特定の例において、外科領域は、患者内に全体的に配置されてもよく、外科領域は、外科処置が行われるように計画されている、行われている、或いは行われた場所又はそれらの近傍にある、患者内の領域を含んでよい。例えば、患者の内部の組織に対して行われる最小侵襲外科処置のために、外科領域は、組織、組織の下に位置する解剖学的構造、並びに、例えば、外科処置を行うために使用される外科器具が配置される組織の周りの空間を含んでよい。他の例では、外科領域は、患者の外部に少なくとも部分的に配置されてよい。
【0022】
図示のように、医療撮像システム100は、撮像デバイス102と、コントローラ104とを含む。医療撮像システム100は、特定の実装に役立つことがある追加の又は代替のコンポーネント(構成要素)を含んでよい。例えば、医療撮像システム100は、様々な光及び/又は電気信号伝送コンポーネント(例えば、ワイヤ、レンズ、光ファイバ、チョーク回路、導波管など)、電気ワイヤ及び/又は光ファイバを収容し且つ撮像デバイス102とコントローラ104とを相互接続するように構成されるケーブルなどを含んでよい。
【0023】
撮像デバイス102は、シーンの画像を取り込むように構成された内視鏡又は他のカメラデバイスによって実装されてよい。図示のように、撮像デバイス102は、カメラヘッド106と、カメラヘッド106に連結されてカメラヘッド106から離れて延びるシャフト108と、シャフト108の遠位端にある画像センサ110(すなわち、右側画像センサ110-R及び左側画像センサ110-L)と、照明チャネル112とを含む。
図1の例において、撮像デバイス102は、立体視(stereoscopic)である。代替的に、他の例において、撮像デバイス102は、(例えば、2つの画像センサ110の代わりに1つの画像センサ110を含むことによって)平面視(monoscopic)であってよい。
【0024】
撮像デバイス102は、(例えば、患者に外科処置を行う外科医によって)手動で取り扱われ且つ制御されてよい。代替的に、カメラヘッド106は、コンピュータ支援外科システムのマニピュレータアームに連結されてよく、その一例は以下に提供される。この構成において、撮像デバイス102は、ロボット及び/又は遠隔操作技術を用いて制御されてよい。
【0025】
シャフト108の遠位端は、撮像デバイス108によって撮像されるべきシーンに或いはその近傍に配置されてよい。例えば、シャフト108の遠位端は、患者に挿入されてよい。この構成において、撮像デバイス102は、患者内の解剖学的構造及び/又は他の物体の画像を取り込むために用いられてよい。
【0026】
画像センサ110は、それぞれ、電荷結合素子(「CCD」)画像センサ、相補型金属酸化物半導体(「CMOS」)画像センサ、又は同等物のような、任意の適切な画像センサによって実装されてよい。幾つかの例では、
図1に示すように、画像センサ110は、シャフト108の遠位端に位置付けられ。代替的に、画像センサ110は、シャフト108の近位端、カメラヘッド106の内側、又は外部撮像デバイス102の外側(例えば、コントローラ104の内側)により近く位置付けられてよい。これらの代替的な構成において、シャフト108及び/又はカメラヘッド106に含まれる光学系(例えば、レンズ、光ファイバなど)は、シーンからの光を画像センサ110に伝えることがある。
【0027】
画像センサ110は、光を検出する(例えば、取り込む、収集する、感知する、或いは他の方法で取得する)ように構成される。例えば、画像センサ110-Rは、右側視野から光を検出するように構成され、画像センサ110-Lは、左側視野から光を検出するように構成される。
図1の例において、画像センサ110によって検出される光は、シーン内に配置される物体から反射する可視光を含む。しかしながら、本明細書に記載するように、画像センサ110は、シーン内に配置される蛍光撮像剤によって放射される赤外線蛍光照明を追加的又は代替的に検出することがある。以下に図示するように、画像センサ110は、検出された光を1つ以上の画像を表すデータに変換することがある。画像センサ110の例示的な実装を本明細書に記載する。
【0028】
照明チャネル112は、1つ以上の光学コンポーネント(例えば、光ファイバ、光ガイド、レンズなど)によって実装されてよい。以下に記載するように、照明は、シーンを照らすために照明チャネル112を介して提供されてよい。
【0029】
コントローラ104は、撮像デバイス102を制御する且つ/或いは撮像デバイス102とインターフェース接続するように構成されるハードウェア及びソフトウェアの任意の適切な組み合わせによって実装されてよい。例えば、コントローラ104は、コンピュータ支援外科システムに含まれるコンピューティングデバイスによって少なくとも部分的に実装されてよい。
【0030】
コントローラ104は、カメラ制御ユニット114(CCU:camera control unit)と、可視光照明源116とを含む。コントローラ104は、特定の実装に役立つことがあるような追加又は代替のコンポーネントを含んでよい。例えば、コントローラ104は、撮像デバイス102に含まれるコンポーネントに電力を提供するように構成される回路構成を含んでよい。幾つかの例において、CCU114及び/又は可視光照明源116は、代替的に、撮像デバイス102(例えば、カメラヘッド106)に含まれる。
【0031】
CCU114は、画像センサ110の様々なパラメータ(例えば、アクティブ化時間(起動時間)、自動露出など)を制御するように構成される。以下に記載するように、CCU114は、画像センサ110から画像データを受信して処理するように更に構成されてよい。CCU114は、単一ユニットであるように
図1に示されているが、CCU114は、代替的に、右側画像センサ110-Rを制御するように構成された第1のCCUと、左側画像センサ110-Lを制御するように構成された第2のCCUとによって実装されてよい。
【0032】
可視光照明源116は、可視光118を生成して放射するように構成されてよい。可視光118は、照明チャネル112を経由してシャフト108の遠位端に移動してよく、可視光118はシャフト108の遠位端で出て、シーンを照明する。
【0033】
可視光118は、1つ以上の色成分を含んでよい。例えば、可視光118は、全スペクトルの色成分(例えば、赤色成分、緑色成分、及び青色成分)を含む白色光を含んでよい。赤色成分は、約635~700ナノメートル(「nm」)の間の波長を有する。緑色成分は、約520~560nmの間の波長を有する。青色成分は、約450~490nmの間の波長を有する。
【0034】
幾つかの例において、可視光118は、別の色成分よりも1つの色成分をより多く含むようにバイアスされる。例えば、可視光118は、赤色成分及び緑色成分よりも多くの青色成分を含むことによって青色バイアスされてよい。
【0035】
シーンの1つ以上の画像を取り込むために、コントローラ104(又は他の任意の適切なコンピューティングデバイス)は、可視光照明源116及び画像センサ110をアクティブ化(起動)させてよい。アクティブ化される間に、可視光照明源116は、可視光118を放射し、可視光118は、照射チャネル112を介してシーンに進む。画像センサ110は、シーン内の1つ以上の表面から反射される可視光118を検出する。可視光118が蛍光励起照明を含む場合、画像センサ110は、蛍光励起照明によって誘発される蛍光照明を追加的又は代替的に検出することがある。
【0036】
画像センサ110(及び/又は撮像デバイス102に含まれる他の回路構成)は、検出された光を、シーンの1つ以上の画像を表す画像データ120に変換することがある。例えば、画像センサ110-Rは、右側視野から取り込まれる画像を表す画像データ120-Rを出力し、画像センサ110-Lは、左側視野から取り込まれる画像を表す画像データ120-Lを出力する。画像データ120は、任意の適切なフォーマットを有してよい。
【0037】
画像データ120は、画像センサ110からCCU114に送信される。画像データ120は、画像センサ110とCCU114との間の任意の適切な通信リンクを介して送信されてよい。例えば、画像データ120は、撮像デバイス102とコントローラ104とを相互接続するケーブルに含まれるワイヤによって送信されてよい。
【0038】
CCU114は、画像データ120を処理(例えば、パケット化及び/又はフォーマット化)して、処理済み画像データ122(例えば、画像データ120-Rに対応する処理済み画像データ122-R及び画像データ120-Lに対応する処理済み画像データ122-L)を出力してよい。処理済み画像データ122は、画像処理システムに送信されてよく、画像処理システムは、(例えば、ビデオコンテンツ及び/又は1つ以上の静止画像の形態において)1つ以上のディスプレイデバイス上での表示のために、処理済み画像データ122を準備してよい。例えば、画像処理システムは、画像データ122に基づいて、1つ以上のディスプレイデバイス上での表示のために、1つ以上のフルカラー及び/又はグレースケール画像を生成してよい。
【0039】
図2は、例示的な画像センサ200を示している。画像センサ200は、画像センサ110及び/又は撮像デバイスに含まれる任意の他の画像センサを実装してよい。図示のように、画像センサ200は、複数のピクセルアレイ202(例えば、ピクセルアレイ202-1~ピクセルアレイ202-n)を含む。各ピクセルアレイ202は、ピクセル204の2×2配置を含む。例えば、ピクセルアレイ202-1は、
図2に示すように配置された第1のピクセル204-1、第2のピクセル204-2、第3のピクセル204-3、及び第4のピクセル204-4を含む。画像センサ200は、特定の実装に役立つことがあるように、任意の適切な数のピクセルアレイ202を含んでよい。2×2アレイが
図2に示されているが、各アレイは任意の数のピクセル204(例えば、3×3ピクセルアレイ、4×4ピクセルアレイなど)を含んでよいことが認識されるであろう。
【0040】
シーンのカラー撮像を容易にするために、画像センサ200は、ピクセル204を覆うカラーフィルタの配置を含んでよい。各カラーフィルタは、その対応するピクセル204が、ピクセル204に入射する光の特定の色成分のみを検出することを可能にするように構成される。
【0041】
カラーフィルタは、ピクセル204の表面(例えば、光が入射することがある表面)上に被覆される或いはさもなければ接着されることによって、ピクセル204を覆ってよい。代替的に、カラーフィルタは、任意の他の適切な方法でピクセル204を覆ってよい。
【0042】
図3A~
図3Bは、ピクセル204を覆い、本明細書に記載するシステム及び方法に従って使用されることがある、例示的なカラーフィルタ配置を示している。図示のように、異なるカラーフィルタ302が、各ピクセル204を覆ってよい。説明を容易にするために、
図3Aは、ピクセル204から僅かにオフセットされたフィルタ302を示している一方で、
図3Bは、ピクセル204を直接的に覆うフィルタ302を示している。
【0043】
図3A~
図3Bに示すように、赤色フィルタ302-Rは、ピクセル204-1を覆い、第1の青色フィルタ302-B1は、ピクセル204-2を覆い、第2の青色フィルタ302-B2は、ピクセル204-3を覆い、緑色フィルタ302-Gは、ピクセル204-4を覆う。カラーフィルタ302が配置される順序の故に、本明細書では
図3A~
図3Bに示すフィルタ配置をRBBGと呼ぶ。
【0044】
2つの青色フィルタを含む他のカラーフィルタ配置が、本明細書に記載するシステム及び方法に従って使用されてもよい。例えば、代替的な実施形態において、第1の青色フィルタ302-B1は、ピクセル204-1を覆ってよく、赤色フィルタ302-Rは、ピクセル204-2を覆ってよく、緑色フィルタ302-Gは、ピクセル204-3を覆ってよく、第2の青色フィルタ302-B2は、ピクセル204-4を覆ってよい。この代替的なフィルタ構成をBRBGと呼ぶことがある。
【0045】
上述のように、
図3A~
図3Bに示す構成のような、50%青色であるカラーフィルタ構成を使用することによって、本明細書に記載するシステム及び方法は、25%青色のみである従来的なカラーフィルタ構成と比較して、医療撮像用途において使用される青色バイアス光をより効果的に取り込むことがある。従って、50%青色であるカラーフィルタ構成は、患者に関連する外科領域のより鮮明でより正確な画像を生成することがある。
【0046】
幾つかの例において、本明細書に記載するカラーフィルタ構成は、医療設定において有用なことがある他のタイプの撮像を容易にすることがある。例えば、本明細書に記載するカラーフィルタ構成は、フルカラー蛍光画像を生成するために使用されてよい。従来的なグレースケール蛍光画像とは対照的にフルカラー蛍光画像を表示することによって、本明細書に記載するシステム及び方法は、医療従事者(例えば、外科医)が、血管、胆管、組織灌流、及び他の解剖学的構成をより正確に視覚化し且つ評価することを可能にすることがある。
【0047】
図4は、カラー画像に加えて或いはカラー画像との組み合わせにおいて蛍光画像を取り込むように構成された例示的な医療撮像システム400を示している。医療撮像システム400は、医療撮像システム400が蛍光励起照明源402を更に含むことを除いて、医療撮像システム100と類似している。蛍光励起照明源402は、蛍光励起照明404を生成して放出するように構成され、蛍光励起照明404は、照明チャネル112を介してシーン(例えば、患者に関連する外科領域)に適用されてよい。
【0048】
蛍光励起照明404は、蛍光撮像剤による蛍光照明を誘発するように構成される。蛍光撮像剤は、患者の血流又は他の解剖学的構成に導入される(例えば、注入される)ことがある任意の適切な色素、タンパク質、又は他の物質を含んでよい。蛍光励起照明に暴露されるとき、蛍光撮像剤は、蛍光照明を放射することがある(すなわち、蛍光撮像剤は、蛍光を発することがある)。蛍光照明は、本明細書に記載する画像センサ(例えば、画像センサ110又は画像センサ200)のいずれかによって検出されてよく、様々な細胞活動又は構造(例えば、リアルタイムの血液血管系)を示す蛍光画像を生成するために使用されてよい。
【0049】
幾つかの例において、蛍光励起照明及び蛍光照明の両方は赤外光である。換言すれば、蛍光励起照明及び蛍光照明の両方は、赤外光領域内の波長を有する。赤外光領域は、約700nm(赤色可視光領域の縁)から約1mmまでの波長を含む。より具体的には、蛍光励起照明及び蛍光照明の両方は、赤外光領域にあり、約700nm~約950nmの波長を含む、近赤外光領域に含まれる波長を有してよい。例えば、例示的な蛍光撮像剤は、803nmの波長を有する蛍光励起照明によって励起されるときに、830nmで蛍光を発する。本明細書の例では、蛍光励起照明及び蛍光励起照明の両方が赤外光領域内の波長を有すると仮定する。
【0050】
幾つかのシナリオにおいて(例えば、フルカラー蛍光画像を生成することが望ましいときに)、可視光照明源116及び蛍光励起照明源402は、それぞれ、可視光及び蛍光励起照明を同時に放射する。これらのシナリオにおいて、画像センサ110のピクセルは、2つのタイプの照明の間を区別することなく、可視光及び蛍光照明の両方を収集する。故に、画像センサ110によって出力される画像データ120は、色成分及び蛍光照明成分の両方を表すデータを含む。
【0051】
例示のために、
図5は、カラーフィルタ302のスペクトル応答曲線502を示している。例えば、
図5は、赤色フィルタ302-Rについてのスペクトル応答曲線502-1と、青色フィルタ302-B1及び302-B2についてのスペクトル応答曲線502-2と、緑色フィルタ302-Gについてのスペクトル応答曲線502-3とを示している。スペクトル応答曲線502は、スペクトル応答曲線502を互いに視覚的に区別するために、実線及び破線の異なる変化によって表されている。図示のように、スペクトル応答曲線502は、可視光範囲504及び赤外光範囲506に含まれる波長を表す水平軸に沿ってプロットされている。
【0052】
スペクトル応答曲線502は、各カラーフィルタ302が、どのようにして、その対応するピクセルが可視光118の特定の色成分を収集することを可能にする一方で、ピクセルが可視光118の他の色成分を収集することを防止するかを示している。例えば、スペクトル応答曲線502-1は、可視光線範囲504の赤色領域内の波長で比較的高い応答を有し、可視光線範囲504の他の領域内の波長で比較的低い応答を有する。故に、赤色フィルタ302-Rは、ピクセル204-1が可視光118の赤色成分を収集することを可能にする一方で、ピクセル204-1が可視光118の青色成分及び緑色成分を収集することを防止する。スペクトル応答曲線502-2は、可視光範囲504の青色領域内の波長で比較的高い応答を有し、可視光範囲504の他の領域内の波長で比較的低い応答を有する。故に、青色フィルタ302-B1及び302-B2は、ピクセル204-2及び204-3が可視光118の青色成分を収集することを可能にする一方で、ピクセル204-2及び204-3が可視光118の赤色成分及び緑色成分を収集することを防止する。スペクトル応答曲線502-3は、可視光線範囲504の緑色領域内の波長で比較的高い応答を有し、可視光線範囲504の他の領域内の波長で比較的低い応答を有する。故に、緑色フィルタ302-Gは、ピクセル204-4が可視光118の緑色成分を収集することを可能にする一方で、ピクセル204-4が可視光118の赤色成分及び青色成分を収集することを防止する。
【0053】
図5に示すように、スペクトル応答曲線502は、それぞれ、赤外光範囲506内で比較的高い応答を有する。換言すれば、スペクトル応答曲線502に対応する各カラーフィルタ302は、ピクセル204が少なくとも幾つかのタイプの赤外光を収集することを妨げない。例示のために、
図5に示すように、カラーフィルタ302は、ピクセル204が近赤外光を収集することを妨げない。
【0054】
故に、本明細書に記載するシステム及び方法によれば、1つ以上の赤外線カットフィルタは、画像処理システムが画像データ122に含まれる色成分と蛍光照明成分との間を区別し、それによって、ディスプレイデバイスに命令してフルカラー蛍光画像を表示させることがあるように、ピクセル204のうちの1つ以上を覆ってよい。
【0055】
例示のために、
図6A~
図6Bは、ピクセルレベルの広帯域赤外線カットフィルタ602(「カットフィルタ602」)がピクセル204~2を覆うフィルタ構成を図示している。カットフィルタ602は、ピクセル204-2の表面に接着するように構成されるコーティング(被膜)によって及び/又は任意の他の方法において実装されてよい。
【0056】
例示を容易にするために、
図6Aは、ピクセル204から僅かにオフセットされたフィルタ302及び602を示している一方で、
図6Bは、ピクセル204を直接的に覆うフィルタ302及び602を示している。カットフィルタ602は、青色カラーフィルタ302~B1の上にあるものとして
図6A~
図6Bに図示されている。しかしながら、代替的な実施形態において、青色カラーフィルタ302-B1は、カットフィルタ602の上にあってよい。
【0057】
図示のように、カットフィルタ602に類似するピクセルレベル広帯域赤外線カットフィルタは、ピクセル204-1、204-3、及び204-4を覆わない。これは、画像処理システムが、以下に記載するように、画像データ122に含まれる色成分と蛍光照明成分との間を有利に区別することを可能にすることがある。
【0058】
カットフィルタ602は、ピクセル204-2が、比較的広範囲の波長(例えば、近赤外線範囲全体)に含まれる波長を有する赤外光を収集することを防止するように構成される。これは
図7に図示されており、
図7ではカラーフィルタ302-2のスペクトル応答502-2が近赤外線範囲(例えば、700nm~950nmの間)で比較的平坦である点を除いて、
図7は
図5に類似している。これは呼出し702(callout)によって
図7において強調されている。
【0059】
ピクセル204-2が赤外光を収集することを防止することによって、カットフィルタ602は、ピクセル204-2が可視光118の青色成分のみを収集することを効果的に可能にすることがある。対照的に、ピクセル204-3は、カットフィルタ602と同様のカットフィルタによって覆われないので、ピクセル204-3は、可視光照明源116及び蛍光励起照明源402の両方がアクティブ化されて同時に光を放射するときに、蛍光励起照明404によって誘発される青色成分及び蛍光照明の両方を収集する。以下に記載するように、画像処理システムは、ピクセル204-2によって収集される光を表す信号からピクセル204-3によって収集される光を表す信号を減じて、ピクセル204-2によって収集される光を表す信号に含まれる蛍光照明成分を識別(同定)することがある。
【0060】
幾つかの代替的な実施形態において、ピクセル204-1、204-3、及び204-4のうちの1つ以上は、カットフィルタ602と同様に、広帯域赤外線カットフィルタによって覆われてもよい。例えば、
図8A~
図8Bは、ピクセルレベル広帯域赤外線カットフィルタ602がピクセル204-2及び204-3の両方を覆うフィルタ構成を図示している。例示を容易にするために、
図8Aは、ピクセル204-2及び204-3から僅かにオフセットされたカットフィルタ602を示している一方で、
図8Bは、ピクセル204-2及び204-3を直接的に覆うフィルタ602を示している。
図8A~
図8Bのフィルタ構成は、ピクセル204によって取り込まれる光に基づいて生成されるカラー画像及びグレースケール蛍光画像の鮮明度(sharpness)を増加させることがある。
【0061】
図9A~
図9Bは、カットフィルタ602がRGGBフィルタ構成と共に使用される代替的な構成を示している。図示のように、赤色フィルタ302-Rは、ピクセル204-1を覆い、第1の緑色フィルタ302-G1は、ピクセル204-2を覆い、第2の緑色フィルタ302-G2は、ピクセル204-3を覆い、青色フィルタ302-Bは、ピクセル204-4を覆う。同様に図示するように、カットフィルタ602は、残りのピクセル204-1、204-3、及び204-4を覆う類似のカットフィルタを用いないで、ピクセル204-2を覆う。例示を容易にするために、
図9Aは、ピクセル204から僅かにオフセットされたフィルタ302及びカットフィルタ602を示している一方で、
図9Bは、ピクセル204を直接的に覆うフィルタ302及びカットフィルタ602を示している。
図9A~
図9Bに示す構成は、例えば、照明として使用される可視光が緑色にバイアスされる撮像用途(例えば、非医療用途)において使用されてよい。
【0062】
幾つかの例では、蛍光撮像剤が、蛍光励起照明402とは異なる波長で蛍光を発する。例えば、上述のように、例示的な蛍光撮像剤は、803nmの波長を有する蛍光励起照明によって励起されるときに、830nmで蛍光を発する。ピクセル204が蛍光励起照明404を検出することを防止すると同時に、ピクセル204の少なくとも一部が蛍光撮像剤によって放射される蛍光照明を検出することを可能にすることが望ましいので、狭帯域赤外線カットフィルタが本明細書に記載する医療撮像システムに更に含まれてよい。
【0063】
例示のために、
図10Aは、狭帯域赤外線カットフィルタ1002がピクセル204の全てを覆う例示的なフィルタ構成を示している。狭帯域赤外線カットフィルタ1002は、例えば、ピクセル204の全てを覆い、カラーフィルタ302及びカットフィルタ602の上にある、単一のガラスフィルタとして実装されてよい。狭帯域赤外線カットフィルタ1002は、ピクセル204が蛍光励起照明404の波長を含む波長の比較的狭い範囲(例えば、20nm以下の範囲)の波長に含まれる波長を有する赤外光を収集することを防止するように構成される。よって、狭帯域赤外線カットフィルタ1002は、ピクセル204が蛍光励起照明404を検出することを効果的に防止する。
【0064】
図10Bは、ピクセルレベル狭帯域赤外カットフィルタ1004-1、1004-2、及び1004-3が、それぞれ、ピクセル204-1、204-3、及び204-4を覆う、代替的な構成を示している。ピクセルレベル狭帯域カットフィルタ1004は、任意の適切な方法で実装されてよい。狭帯域赤外線カットフィルタ1002と同様に、ピクセルレベル狭帯域カットフィルタ1004は、ピクセル204-1、204-3、及び204-4が、蛍光励起照明404を検出することを効果的に防止することがある。蛍光励起照明404の波長はカットフィルタ602によって遮断される波長の範囲内にあるので、カットフィルタ602はピクセル204-2が蛍光励起照明404を検出することを同様に防止することが認識されるであろう。
【0065】
図11は、ピクセル204によって収集される光を表す信号に基づいて、ディスプレイデバイス上での表示のための1つ以上の画像を生成するように構成されてよい、画像処理システム1100を図示している。画像処理システム1100は、本明細書に記載する医療撮像システムのいずれかに含まれてよく、或いはそれに接続されてよい。例えば、幾つかの例において、画像処理システム1100は、コントローラ104と通信的に連結される。この構成において、画像処理システム1100は、処理済み画像データ122を入力として受信してよい。
【0066】
図示のように、システム1100は、限定されるものではないが、互いに選択的かつ通信的に連結された格納設備1102(storage facility)及び処理設備1104(processing facility)を含んでよい。設備1102及び1104は、それぞれ、ハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネント(例えば、プロセッサ、メモリ、通信インターフェース、プロセッサによる実行のためにメモリに格納された命令など)を含んでよく、或いはそれらによって実装されてよい。例えば、施設1102及び1104は、コンピュータ支援外科システム内の任意のコンポーネントによって実装されてよい。幾つかの例において、設備1102及び1104は、特定の実装に役立つことがあるような複数のデバイス及び/又は複数の場所の間に分散されてよい。
【0067】
格納設備1102は、本明細書に記載する動作のいずれかを行うために処理設備1104によって使用される実行可能データを維持(例えば、格納)してよい。例えば、格納設備1102は、本明細書に記載する動作のいずれかを行うために処理設備1104によって実行されることがある命令1106を格納してよい。命令1106は、任意の適切なアプリケーション、ソフトウェア、コード、及び/又は他の実行可能なデータインスタンスによって実装されてよい。格納設備1102は、処理設備1104によって受信され、生成され、管理され、使用され、且つ/或いは送信される任意のデータを維持してもよい。
【0068】
処理設備1104は、ディスプレイデバイス上に表示するための画像を生成することに関連する様々な動作を行う(例えば、そのような様々な動作を行うために格納設備1102に格納される命令1106を実行する)ように構成されてよい。
【0069】
例えば、処理設備1104は、可視光118及び蛍光励起照明404を同時に放射するために可視光照明源116及び蛍光励起照明源402をアクティブ化させてよい。可視光118及び蛍光励起照明404が同時に放射されている間に(或いは代替的に可視光118及び蛍光励起照明404が放射された後に)、処理設備1104は、ピクセル204-1によって収集された光を表す第1の信号S1、ピクセル204-2によって収集された光を表す第2の信号S2、ピクセル204-3によって収集された光を表す第3の信号S3、及びピクセル204-4によって収集された光を表す第4の信号S4を受信してよい。
【0070】
この例において、ピクセル204は、
図10A又は
図10Bに示すフィルタ構成(すなわち、ピクセル204-2を覆うカットフィルタ602と、残りのピクセル204-1、204-3、及び204-4を覆う狭帯域赤外線カットフィルタ1002又は狭帯域赤外線カットフィルタ1004とを有する、RBBGカラーフィルタ配置)によって覆われる。この例の目的のために、蛍光励起照明404は803nmの波長を有し、蛍光励起照明404によって誘発される蛍光照明は830nmの波長を有すると仮定する。
【0071】
故に、処理設備1104によって受信される信号は、以下の式によって表されることがある。
【0072】
S1=R+FI
【0073】
S2=B
【0074】
S3=B+FI
【0075】
S4=G+FI
【0076】
これらの式において、Rは、ピクセル204-1によって取り込まれる光の赤色成分を表し、Bは、ピクセル204-2及び204-3によって取り込まれる光の青色成分を表し、Gは、ピクセル204-4によって取り込まれる光の緑色成分を表し、FIは、ピクセル204-1、204-3及び204-4によって取り込まれる蛍光照明を表す。信号S1~S4は、いずれも、ピクセル204-2を覆うカットフィルタ602及びピクセル204-1、204-3、及び204-4を覆う狭帯域赤外線カットフィルタ1002又は狭帯域赤外線カットフィルタ1004の存在の故に、蛍光励起照明404を含まないことに留意されたい。
【0077】
処理設備1104は、信号S1~S4を処理して、(蛍光のない)フルカラー画像及びフルカラー蛍光画像を選択的に生成してよい。例えば、
図12は、フルカラー画像及びフルカラー蛍光画像を選択的に生成するために処理設備1104によって行われることがある様々な動作を示している。
【0078】
合計ブロック1202(summing block)で、処理設備1104は、先ず、S3からS2を減算して、S3に含まれる蛍光照明コンポーネントFIを識別(同定)する。この減算は、任意の適切な信号処理操作を使用して行われてよい。
【0079】
赤色成分R及び緑色成分Gを識別(同定)するために、処理設備1104は、合計ブロック1204でS1からFIを減算し、合計ブロック1206でS4からFIを減算する。図示のように、合計ブロック1204の出力は、赤色成分Rのみを表す処理済みの第1の信号であり、合計ブロック1206の出力は、緑色成分Gのみを表す処理済みの第4の信号である。
【0080】
図示のように、R、G、B、及びFIは、全て、画像生成器1208に入力され、画像生成器1208は、任意の適切な方法において処理設備1104によって実装されてよい。画像生成器1208は、受信した画像モードセレクタコマンド1210に基づいて、ディスプレイデバイスによる表示のための様々なタイプの画像を生成してよい。画像モードセレクタコマンド1210は、ユーザ(例えば、外科医)によって、コンピュータ支援外科システムに含まれる任意のコンポーネントによって、及び/又は特定の実装に役立つことがある任意の他のソースによって提供されてよい。画像モードセレクタコマンド1210は、可視光118と蛍光励起照明404が同時に及び/又は任意の他の適切な時に放射されている間に、画像生成器1208によって受信されてよい。
【0081】
例示のために、画像モードセレクタコマンド1210は、蛍光画像を含まないフルカラー画像を提示するコマンドを含んでよい。このコマンドを受信することに応答して、画像生成器1208は、任意の適切な画像処理技術を使用してR、G、及びB信号に基づいてフルカラー画像を生成してよい。
【0082】
代替的に、画像モードセレクタコマンド1210がフルカラー蛍光画像を提示するコマンドを含むならば、画像生成器1208は、R、G、B、及びIR信号に基づいてフルカラー蛍光画像を生成してよい。これは任意の適切な画像処理技術を用いて行われてよい。
【0083】
図13は、画像処理システム1100によって行われることがある例示的な方法1300を図示している。
図13は1つの実施形態に従った例示的な動作を図示しているが、他の実施形態は、
図13に示す動作のいずれかを省略、追加、順序変更、及び/又は修正することがある。
【0084】
動作1302において、画像処理システム1100は、ピクセルの2×2アレイに含まれる第1のピクセルによって収集された光を表す第1の信号を受信し、第1の信号は、可視光の赤色成分と蛍光照明との組み合わせを表すデータを含む。動作1302は、本明細書に記載する方法のいずれかにおいて行われてよい。
【0085】
動作1304において、画像処理システム1100は、ピクセルの2×2アレイに含まれる第2のピクセルによって収集された光を表す第2の信号を受信し、第2の信号は、可視光の青色成分を表す。動作1304は、本明細書に記載する方法のいずれかにおいて行われてよい。
【0086】
動作1306において、画像処理システム1100は、ピクセルの2×2アレイに含まれる第3のピクセルによって収集された光を表す第3の信号を受信し、第3の信号は、青色成分と蛍光照明との組み合わせを表す。動作1306は、本明細書に記載する方法のいずれかにおいて行われてよい。
【0087】
動作1308において、画像処理システム1100は、ピクセルの2×2アレイに含まれる第4のピクセルによって収集された光を表す第4の信号を受信し、第4の信号は、可視光の緑色成分と蛍光照明との組み合わせを表す。動作1308は、本明細書に記載する方法のいずれかにおいて行われてよい。
【0088】
動作1310において、画像処理システム1100は、第3の信号から第2の信号を減じて、蛍光照明を表す第3の信号の蛍光照明成分を識別(同定)する。動作1310は、本明細書に記載する方法のいずれかにおいて行われてよい。
【0089】
動作1312において、画像処理システム1100は、第1の信号から蛍光照明成分を減じて、赤色成分のみを表す処理済みの第1の信号を生成する。動作1312は、本明細書に記載する方法のいずれかにおいて行われてよい。
【0090】
動作1314において、画像処理システム1100は、第4の信号から蛍光照明成分を減じて、緑色成分のみを表す処理済みの第4の信号を生成する。動作1314は、本明細書に記載する方法のいずれかにおいて行われてよい。
【0091】
本明細書に記載するシステム及び方法は、患者に対して外科処置を行うために使用されるコンピュータ支援外科システムに関連して使用されてよい。例えば、医療撮像システム100及び400は、コンピュータ支援外科システムに含まれてよい。
【0092】
図14は、例示的なコンピュータ支援外科システム1400(「外科システム1400」)を図示している。図示のように、外科システム1400は、操作システム1402と、ユーザ制御システム1404と、互いに通信的に連結される補助システム1406とを含んでよい。外科システム1400は、患者1408に対してコンピュータ支援外科手術を行うために外科チームによって利用されてよい。図示のように、外科チームは、外科医1410-1と、助手1410-2と、看護師1410-3と、麻酔科医1410-4とを含んでよく、それらの全員を「外科チーム構成員1410」と総称することがある。特定の実装に役立つことがあるような追加の又は代替の外科チーム構成員が外科セッション中に存在してよい。
【0093】
図14は、進行中の最小侵襲外科処置を図示しているが、外科システム1400は、外科システム1400の正確性及び利便性から同様に利益を受けることがある開腹外科処置又は他のタイプの外科処置を行うために同様に使用されてよいことが理解されるであろう。加えて、外科システム1400が利用されることがある外科セッションは、
図14に示すような外科処置の手術段階を含んでよいのみならず、外科処置の術前、術後、及び/又は他の適切な段階を含んでもよいことが理解されるであろう。外科処置は、患者の身体状態を調査又は治療するために手動及び/又は器具技術が患者に対して使用される、任意の処置を含むことがある。
【0094】
図14に示すように、操作システム1402は、複数の外科器具が連結されることがある複数のマニピュレータアーム1412(例えば、マニピュレータアーム1412-1~1412-4)を含んでよい。各外科器具は、任意の適切な外科ツール(例えば、組織相互作用機能を有するツール)、医療ツール、撮像デバイス(例えば、内視鏡)、感知器具(例えば、力感知外科器具)、診断器具、又は(例えば、患者1408に少なくとも部分的に挿入され、患者1408に対してコンピュータ支援外科処置を行うよう操作されることによる)患者1408に対するコンピュータ支援外科処置のために使用されることがある同等物によって実装されてよい。マニピュレータシステム1402は、4つのマニピュレータアーム1412を含むものとして描写され、本明細書に記載されているが、マニピュレータシステム1402は、単一のマニピュレータアーム1412のみ又は特定の実装に役立つことがあるような任意の他の数のマニピュレータアームを含んでよいことが認識されるであろう。
【0095】
マニピュレータアーム1412及び/又はマニピュレータアーム1412に取り付けられる外科器具は、未加工の(すなわち、補正されていない)運動学的情報を生成するために使用される1つ以上の変位変換器、配向センサ、及び/又は位置センサを含んでよい。外科システム1400の1つ以上のコンポーネントは、外科器具をトラッキング(追跡)する(例えば、外科器具の位置を決定する)及び/又は外科器具を制御するために、運動学情報を使用するように構成されてよい。
【0096】
ユーザ制御システム1404は、マニピュレータアーム1412及びマニピュレータアーム1412に取り付けられた手術器具の外科医1410-1による制御を容易にするように構成されてよい。例えば、外科医1410-1は、ユーザ制御システム1404と相互作用(対話)してマニピュレータアーム1412及び外科器具を遠隔的に移動又は操作してよい。この目的を達成するために、ユーザ制御システム1404は、外科医1410-1に、撮像システム(例えば、本明細書に記載する医療撮像システムのいずれか)によって取り込まれるような患者1408に関連する外科領域の像(imagery)(例えば、高精細3D像)を提供してよい。特定の例において、ユーザ制御システム1404は、2つのディスプレイを有するステレオビューアを含んでよく、患者1408と関連付けられる並びに立体視撮像システムによって生成される外科領域の立体視画像は、外科医1410-1によって視認されることがある。外科医1410-1は、像を利用して、マニピュレータアーム1412に取り付けられた1つ以上の外科器具を用いて1つ以上の処置を行ってよい。
【0097】
手術器具の制御を容易にするために、ユーザ制御システム1404は、マスタ制御装置のセットを含んでよい。これらのマスタ制御装置は、(例えば、ロボット及び/又は遠隔操作技術を利用することによって)手術器具の動きを制御するために外科医1410-1によって操作されてよい。マスタ制御装置は、外科医1410-1による多種多様な手、手首、及び指の動きを検出するように構成されてよい。このようにして、外科医1410-1は、1つ以上の外科器具を用いて直感的に処置を行うことがある。
【0098】
補助システム1406は、外科システム1400の一次処理動作を行うように構成された1つ以上のコンピューティングデバイスを含んでよい。そのような構成において、補助システム1406に含まれる1つ以上のコンピューティングデバイスは、外科システム1400の様々な他のコンポーネント(例えば、操作システム1402及びユーザ制御システム1404)によって行われる動作を制御及び/又は調整することがある。例えば、ユーザ制御システム1404に含まれるコンピューティングデバイスが、補助システム1406に含まれる1つ以上のコンピューティングデバイスを介して、操作システム1402に命令を送信してよい。別の例として、補助システム1406は、マニピュレータアーム1412のうちの1つに取り付けられた撮像デバイスによって取り込まれた像を表す画像データを操作システム1402から受信し且つ処理してよい。
【0099】
幾つかの例において、補助システム1406は、ユーザ制御システム1404で外科医1410-1に提供される画像へのアクセスを有さないことがある外科チーム構成員1410に視覚的コンテンツを提示するように構成されてよい。この目的を達成するために、補助システム1406は、外科領域の画像(例えば、2D画像)、患者1408及び/又は外科処置に関連する情報、及び/又は特定の実装に役立つことがある任意の他の視覚的コンテンツのような、1つ以上のユーザインターフェースを表示するように構成される、ディスプレイモニタ1414を含んでよい。例えば、ディスプレイモニタ1414は、外科領域の画像を、画像と同時に表示される追加的なコンテンツ(例えば、グラフィカルコンテンツ、コンテキスト情報など)と共に表示してよい。幾つかの実施形態において、ディスプレイモニタ1414は、タッチスクリーンディスプレイによって実装されてよく、外科チーム構成員1410は、(例えば、接触ジェスチャによって)タッチスクリーンディスプレイと相互作用して、手術システム1400にユーザ入力を提供してよい、。
【0100】
操作システム1402、ユーザ制御システム1404、及び補助システム1406は、任意の適切な方法で互いに通信的に連結されてよい。例えば、
図14に示すように、操作システム1402、ユーザ制御システム1404、及び補助システム1406は、制御ライン1416によって通信的に連結されてよく、制御ライン1416は、特定の実装に役立つことがある任意の有線又は無線通信リンクを表すことがある。この目的を達成するために、操作システム1402、ユーザ制御システム1404、及び補助システム1406は、それぞれ、1つ以上のローカルエリアネットワークインターフェース、Wi-Fiネットワークインターフェース、セルラインターフェースなどのような、1つ以上の有線又は無線通信インターフェースを含んでよい。
【0101】
幾つかの例では、コンピュータ読取可能命令を格納する非一時的コンピュータ読取可能媒体が本明細書に記載する原理に従って提供されてよい。命令は、コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行されるときに、プロセッサ及び/又はコンピューティングデバイスに指示して、本明細書に記載する1つ以上の動作を含む1つ以上の動作を行わせてよい。そのような命令は、様々な既知のコンピュータ読取可能媒体のいずれかを用いて格納及び/又は送信されてよい。
【0102】
本明細書で言及する非一時的コンピュータ読取可能媒体は、コンピューティングデバイスによって(例えば、コンピューティングデバイスのプロセッサによって)読み取られることがある且つ/或いは実行されることがあるデータ(例えば、命令)の提供に関与する任意の非一時的記憶媒体を含んでよい。例えば、非一時的コンピュータ読取可能媒体は、不揮発性記憶媒体及び/又は揮発性記憶媒体の任意の組み合わせを含んでよいが、これに限定されない。例示的な不揮発性記憶媒体は、読出し専用記憶装置、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ、磁気記憶デバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープなど)、強誘電体ランダムアクセス記憶装置(「RAM」)、及び光ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、ブルーレイディスクなど)を含むが、これらに限定されない。例示的な揮発性記憶媒体は、RAM(例えば、ダイナミックRAM)を含むが、これに限定されない。
【0103】
図15は、本明細書に記載するプロセスの1つ以上を行うように具体的に構成されてよい例示的なコンピューティングデバイス1500を示している。本明細書に記載するシステム、コンピューティングデバイス、及び/又は他のコンポーネントのいずれも、コンピューティングデバイス1500によって実装されてよい。
【0104】
図15に示すように、コンピューティングデバイス1500は、通信インフラストラクチャ1510を介して互いに通信的に接続される通信インターフェース1502、プロセッサ1504、記憶デバイス1506、及び入出力(「I/O」)モジュール1508を含んでよい。例示的なコンピューティングデバイス1500が
図15に示されているが、
図15に図示するコンポーネントは限定的であることを意図しない。他の実施形態では、追加的な又は代替的なコンポーネントが使用されてよい。次に、
図15に示すコンピューティングデバイス1500のコンポーネントを追加的な詳細において記載する。
【0105】
通信インターフェース1502は、1つ以上のコンピューティングデバイスと通信するように構成されてよい。通信インターフェース1502の例は、(ネットワークインターフェースカードのような)有線ネットワークインターフェース、(ワイヤレスネットワークインターフェースカードのような)無線ネットワークインターフェース、モデム、オーディオ/ビデオ接続、及び任意の他の適切なインターフェースを含むが、これらに限定されない。
【0106】
プロセッサ1504は、一般的に、データを処理すること、及び/又は本明細書に記載する命令、プロセス、及び/又は動作のうちの1つ以上の解釈すること、実行すること、及び/又は実行を指示することができる、任意のタイプ又は形態の処理ユニットを表す。プロセッサ1504は、記憶デバイス1506に格納されたコンピュータ実行可能命令1512(例えば、アプリケーション、ソフトウェア、コード、及び/又は他の実行可能なデータインスタンス)を実行することによって動作を実行してよい。
【0107】
記憶デバイス1506は、1つ以上のデータ記憶媒体、デバイス、又は構成を含んでよく、任意のタイプ、形態、及び組み合わせのデータ記憶媒体及び/又はデバイスを利用してよい。例えば、記憶デバイス1506は、本明細書に記載する不揮発性媒体及び/又は揮発性媒体の任意の組み合わせを含んでよいが、これらに限定されない。本明細書に記載するデータを含む電子データは、記憶デバイス1506に一時的に及び/又は永久的に記憶されてよい。例えば、プロセッサ1504に指示して本明細書に記載する動作のいずれかを実行させるように構成されたコンピュータ実行可能命令1512を表すデータが記憶デバイス1506内に格納されてよい。幾つかの例において、データは、記憶デバイス1506内に存在する1つ以上のデータベースに配置されてよい。
【0108】
I/Oモジュール1508は、ユーザ入力を受信し、ユーザ出力を提供するように構成された、1つ以上のI/Oモジュールを含んでよい。I/Oモジュール1508は、入力及び出力能力をサポートするあらゆるハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを含んでよい。例えば、I/Oモジュール1508は、キーボード又はキーパッド、タッチスクリーンコンポーネント(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)、受信機(例えば、RF又は赤外線受信機)、運動センサ、及び/又は1つ以上の入力ボタンを含むが、これらに限定されない、ユーザ入力を取り込むためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでよい。
【0109】
I/Oモジュール1508は、グラフィックスエンジン、ディスプレイ(例えば、ディスプレイスクリーン)、1つ以上の出力ドライバ(例えば、ディスプレイドライバ)、1つ以上のオーディオスピーカ、及び1つ以上のオーディオドライバを含むが、これらに限定されない、出力をユーザに提示するための1つ以上のデバイスを含んでよい。特定の実施形態において、I/Oモジュール1508は、ユーザに提示するためにディスプレイにグラフィカルデータを提供するように構成される。グラフィカルデータは、1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース及び/又は特定の実装に役立つことがあるような任意の他のグラフィカルコンテンツを表してよい。
【0110】
先行する記述では、添付の図面を参照して様々な例示的な実施形態を記載した。しかしながら、後続の特許請求の範囲に記載する本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更がそれらに対して行われてよく、追加的な実施形態が実装されてよいことは明らかであろう。例えば、本明細書に記載する1つの実施形態の特定の構成は、本明細書に記載する別の実施形態の構成と組み合わされてもよく或いは置換されてよい。従って、本明細書及び図面は、限定的な意味において考えられるべきでなく、むしろ例示的な意味で考えられるべきである。