(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】遊技テーブル管理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 1/06 20060101AFI20240319BHJP
A63F 1/18 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
A63F1/18
(21)【出願番号】P 2022076668
(22)【出願日】2022-05-06
(62)【分割の表示】P 2020035747の分割
【原出願日】2015-11-19
【審査請求日】2022-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
【審査官】鶴岡 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-066173(JP,A)
【文献】米国特許第04026309(US,A)
【文献】特開2011-067339(JP,A)
【文献】特開2015-198935(JP,A)
【文献】特開2014-229124(JP,A)
【文献】特開平06-134140(JP,A)
【文献】米国特許第03968582(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0220136(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0019739(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0051965(US,A1)
【文献】特表昭64-500243(JP,A)
【文献】特表平10-508236(JP,A)
【文献】国際公開第2014/182306(WO,A1)
【文献】特開2012-157785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/06
A63F 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技テーブル上の遊技用代用貨幣を管理する遊技テーブル管理システムであって、
前記遊技用代用貨幣は、外観上、側面に、前記遊技用代用貨幣の種類に応じて異なる第1色によって特徴づけられる層と、前記遊技用代用貨幣の種類によらない第2色によって特徴づけられる層とを備え、
前記遊技テーブル管理システムは、
前記遊技テーブルに設定された複数のベットエリアに置かれた前記遊技用代用貨幣の複数のスタックの画像を、前記複数のスタックが奥行方向に映るように、斜め上から撮影するカメラと、
前記画像に対してディープラーニング画像認識を行って前記複数のスタックの前記遊技用代用貨幣の枚数を決定する機能を有する管理制御装置と、
を備えた、遊技テーブル管理システム。
【請求項2】
前記管理制御装置は、前記画像に対してディープラーニング画像認識を行って前記複数のスタックの前記遊技用代用貨幣の種類を決定する機能を有する、請求項1に記載の遊技テーブル管理システム。
【請求項3】
前記遊技用代用貨幣の前記側面に前記第1色及び前記第2色から模様が形成され、
前記管理制御装置は、前記第1色に基づいて前記遊技用代用貨幣の前記種類を決定する、請求項1に記載の遊技テーブル管理システム。
【請求項4】
遊技テーブル上の遊技用代用貨幣を管理する遊技テーブル管理システムであって、
前記遊技用代用貨幣は、外観上、側面に、前記遊技用代用貨幣の種類に応じて異なる第1色によって特徴づけられる層と、前記遊技用代用貨幣の種類によらない第2色によって特徴づけられる層とを備え、
前記遊技テーブル管理システムは、
前記遊技テーブルに設定された複数のベットエリアに置かれた前記遊技用代用貨幣の複数のスタックの画像を、前記複数のスタックが奥行方向に映るように、斜め上から撮影するカメラと、
前記画像に対してディープラーニング画像認識を行って前記複数のスタックの前記遊技用代用貨幣の各々の種類を決定する機能を有する管理制御装置と、
を備えた、遊技テーブル管理システム。
【請求項5】
前記第1色は、周方向に連続している、請求項1~4のいずれかに記載の遊技テーブル管理システム。
【請求項6】
前記第2色は、周方向に連続している、請求項1~5のいずれかに記載の遊技テーブル管理システム。
【請求項7】
前記遊技用代用貨幣の前記側面は、厚さ方向に色が変換する部分を有する、請求項1~6のいずれかに記載の遊技テーブル管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場におけるテーブルゲームの管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カジノなどの遊技場では、様々なディーラの遊戯用代用貨幣(チップ)の取扱いミスを防止する試みが行われている。遊技場はディーラのチップの取扱いミスを監視するための監視カメラを備え、監視カメラより得た画像から勝敗結果と異なる遊戯用代用貨幣の回収や償還によるミスや不正を判定するなどしての防止をしている。
【0003】
一方で、賭けられた遊戯用代用貨幣の枚数や総額を把握するため各遊戯用代用貨幣にICタグを付けて遊戯用代用貨幣の額を把握することが提案されている。
【0004】
特許文献1に記載のカードゲームモニタリングシステムでは、遊技テーブル上に置かれた遊戯用代用貨幣が勝敗結果通り回収あるいは償還されたか否かを、遊戯用代用貨幣の動きを画像解析することで判定し、ディーラのチップの取扱いミスのモニタリングが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カジノなどの遊技場では、遊戯用代用貨幣が嵩高く積み重ねられて遊技テーブルに置かれるが、遊技テーブルの下に設けたICタグの読取り装置では、総額が正確に読み取れないという問題があり、読み取り装置の感度を高くすると、異なる位置(位置により勝敗が左右される)に置かれた遊戯用代用貨幣が、合算されてしまい各位置毎の遊戯用代用貨幣の総額が把握できない、という課題が存在する。また従来、
図2に示すように遊戯用代用貨幣(チップ)Tの柄は、複雑なものとなっており、多数のチップが積まれていると、カメラにより正確に積まれた枚数が把握できないという課題がある。
【0007】
また、さらに遊技テーブルにおける不正が高度化し、その遊技テーブルで単純に勝った額が多い、とかの検出では発見できない高度な賭け方による不正などは、カメラでは発見できない、という新たな課題も把握されている。
【0008】
また、ディーラは遊技テーブル上に置かれた遊戯用代用貨幣が勝敗結果通り回収あるいは償還される必要がある。これを、チップを画像解析することで判定しようとしても、遊戯用代用貨幣(チップ)の柄が複雑であるために、賭けられたチップに対応したチップを償還時にディーラが正確に償還したか否かは、現存の実用的な画像解析技術では判定できず、ミスの防止が十分でないという課題が存在した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記種々の課題を解決するため、本願発明のテーブルゲームの管理システムは、
遊技テーブルにおいて各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置と、
前記遊技テーブル上に置いた遊戯用代用貨幣の種類と枚数をカメラを用いて測定する測定装置と、
各ゲームにおいて前記測定装置の測定結果を用いて、ゲーム参加人が前記遊技テーブル上に置いた遊戯用代用貨幣の位置と種類と枚数とを特定し記憶する管理制御装置と、を有し、
前記遊戯用代用貨幣は、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に着色層を備え、前記中間の着色層の両側に白色層もしくは薄色層を積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成し、前記着色層により遊戯用代用貨幣の種類が特定可能な構成を有し、
前記管理制御装置は、前記カード配布装置から得た勝敗結果及びゲーム参加人が置いた遊戯用代用貨幣の位置と種類と枚数の測定結果を用いて、各ゲームにおける参加人の勝者および敗者を判定するとともに前記遊戯テーブルにおけるカジノ側の収支計算を各ゲーム毎に行う計算機能を備える。
【0010】
さらに、管理システムであって、管理制御装置は、各ゲーム参加人が置いた遊戯用代用貨幣の着色層又は白色層もしくは薄色層の数を計測して遊戯用代用貨幣の枚数を判定する機能を備えた構造である。
【0011】
上記種々の課題を解決するため、本願発明の遊戯用代用貨幣は、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に着色層を備え、前記着色層を挟んで両側に白色層もしくは薄色層を積層して、側面に積層方向の縞模様を形成し、前記着色層により遊戯用代用貨幣の種類が特定可能な構成を有する。
【0012】
さらに、遊戯用代用貨幣は、白色層もしくは薄色層の表面には遊戯用代用貨幣の種類を表す印刷が施され、最外層に透明層が設けられ、各層間が熱圧着されて少なくとも5層構造をなす。
【0013】
さらに、遊戯用代用貨幣は、白色層もしくは薄色層の表面にUVインクまたはカーボンブラックインクによるマークが設けられているもの、あるいは最外層の透明層にはエンボス加工が施され、あるいは、最外層の透明層の端にはR加工が施され、あるいは着色層が複数の層により形成されており、さらには着色層にはRFIDが内蔵されている、ものであってよい。
【0014】
上記種々の課題を解決するため、本願発明の遊戯用代用貨幣を検査する検査装置は、
遊戯用代用貨幣が半径方向に通過可能な入口と出口を有する通路と、
前記通路を通過する遊戯用代用貨幣の側面を撮影して側面の積層方向の縞模様の色を判定するチップ種類の判定装置と、
通過する遊戯用代用貨幣の表面に設けたUVインクまたはカーボンブラックインクによるマークを読み取るマーク読取り装置と、
前記通路に対して垂直方向から遊戯用代用貨幣の表面に設けた種類を表す印刷を読取る印刷検査装置と、
装置全体の制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記チップ種類の判定装置が判定したチップ種類と、前記印刷検査装置から得た種類を表す印刷の内容とが一致するか否かを検査する構成である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のシステムによれば、遊戯用代用貨幣(チップ)が多数積み上げられていても画像分析でチップの枚数が判定でき、比較的重なった遊戯用代用貨幣も総額が位置と色とで把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態における遊技場のテーブルゲームの管理システムの全体の概要を示す平面図である。
【
図2】
図2は、従来の遊戯用代用貨幣の斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態における遊戯用代用貨幣の正面断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態において把握される遊戯用代用貨幣を積上げた状態の斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態における遊戯用代用貨幣の図で(a)は正面図、(b)は平面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態における遊戯用代用貨幣の検査装置の側断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態における遊戯用代用貨幣の種類の異なるものを積上げた状態の斜視説明写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態の遊技テーブルを有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムを以下に説明する。
図1は同システムの全体の概要を示す図であって、複数の遊技テーブル1を有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムは、遊技テーブル1で行われるゲームの進行状態をゲーム参加人2およびディーラ3を含め複数のカメラ4を介して映像として記録するとともに記録されたゲームの進行状態の映像を画像分析する画像分析装置5を備えた測定装置6、さらに遊技テーブル1において各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置7を備える。カード配布装置7は、すでに当業者で使われて知られている。いわゆる電子シューであり、あらかじめゲームのルールがプログラムされており、配布されるカードCの情報(ランクとスーツ)を読み取って、ゲームの勝敗を判定することができる構造となっている。たとえばバカラゲームでは、バンカーの勝、プレーヤの勝、タイ(引き分け)が、基本的に各2-3枚のカードのランクにより決定され、判定結果(勝敗結果)は表示ランプ8にて表示される。
【0018】
管理制御装置9は、カード配布装置7から得たカードCの情報(ランクとスーツ)を読み取って各ゲームの勝敗結果を判定するとともに、ゲーム参加人2が置いた遊戯用代用貨幣100(チップT)の位置と種類と枚数の測定結果を用いて、各ゲームにおける参加人2の内の勝者2Wおよび敗者2Lを判定する。また、さらに遊戯テーブル1におけるカジノ側の収支計算(敗者2Lの賭けた遊戯用代用貨幣100(チップT)の総額から参加人2の内の勝者2Wに償還した遊戯用代用貨幣100(チップT)の総額を差引いた額)を各ゲーム毎に行う計算機能を備える。
【0019】
本検知システムにおける画像分析装置5、測定装置6および管理制御装置9は、一体もしくは複数の構成からなるコンピュータおよびプログラム、メモリを複合的に備えた構造となっている。
【0020】
次に、本検知システムに使用する遊戯用代用貨幣(チップ)の詳細を説明する。
図3は、本検知システムに使用する遊戯用代用貨幣(チップT)100の正面断面図であり、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に着色層101を備え、この中間の着色層101の両側に白色層102もしくは薄色層(図示しないが着色層101より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造となっている。このように着色層101を備え、この中間の着色層101の両側に白色層102もしくは薄色層(図示しないが着色層101より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造とすることで
図5に示すように側面に積層方向の縞模様を形成し、着色層101の色を変える(赤色、緑色、黄色や青色等)ことにより遊戯用代用貨幣100の種類(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)を特定できるようにしている。
【0021】
さらに、
図5(b)に示すように、遊戯用代用貨幣100は、白色層102の表面(上面と下面)には遊戯用代用貨幣100の種類を表す印刷103(100ポイントなど)が施され、最外層に透明層104が設けられ、各層間が熱圧着されて少なくとも5層構造をなしている。これらの遊戯用代用貨幣100は、細長い長尺状のプラスチック材料を用い、長尺の状態で各層(着色層101、白色層102、透明層104)の間が熱圧着されて密着した状態(5層構造等)を形成し、その後にプレス等により円形あるいは長方形等に打ち抜いて形成される。プレスにより打ち抜く際に打ち抜きのための金型のダイとポンチの寸法を設計して最外層の透明層104の端にR加工(丸い角)が施される。
【0022】
さらに、遊戯用代用貨幣100には、白色層102の表面にUVインクまたはカーボンブラックインクによるマークMが設けられている。このマークMは遊戯用代用貨幣100の真偽を表すものであり、紫外線(もしくは赤外線)を当てるとマークが目に見えるようになり、その形や数の組み合わせで真正なものを表す。印刷103やマークMを覆うように最外層には透明層104が熱圧着あるいはコーティング(塗布)されているが、この透明層104にはエンボス加工が施され、遊戯用代用貨幣100が互いに密着するのを防いでいる。
【0023】
印刷103(100ポイントなど)が施された最外層の透明層104の端はR加工(R)が施され、遊戯用代用貨幣100の打ち抜き工程において、白色層102の表面が変形して側面に現れるのを防止している。また、遊戯用代用貨幣100は鋭利な端が残り手や他のチップTを損傷するのを防いでいる。
【0024】
着色層101は、
図3に示すように、着色された複数の層(
図3では3層)により形成されてもよい。着色された複数の層(
図3では3層)は互いに熱圧着されているので、
図3のように3層構造が目視可能な状態ではなく、
図3は説明上3層を表している。さらには着色層101の3層の内真ん中の層には一部くり抜きBが設けられ、その中にはRFIDが内蔵されている。
【0025】
管理制御装置9は、遊戯テーブル1上にゲームの参加人2が置いた遊戯用代用貨幣100をカメラ4で撮像し、置かれたエリア24別に(バンカーに賭けたか、プレーヤに賭けたか、あるいはペア(PAIR)に賭けたか、タイ(TIE)に賭けたか)を画像分析装置5を備えた測定装置6により測定すると共に、各エリアにおいて積層された遊戯用代用貨幣100(チップT)の着色層101(もしくは薄色層)又は白色層102の数と色を測定装置6(画像分析装置5により得られた情報を使い)が分析計測して遊戯用代用貨幣100の種類と枚数を判定する。
【0026】
管理制御装置9は、人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する制御装置であってもよい。管理制御装置9は、カメラ4、画像分析装置5を介して各参加人2が賭ける遊戯用代用貨幣Tの位置24(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)、種類(遊戯用代用貨幣100は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能である。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術においては、自己学習機能等を用いて、遊戯用代用貨幣Tの位置24(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)、種類(遊戯用代用貨幣は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能であるため、各ゲームにおいてカード配布装置7が判定するゲームの勝敗結果に従って、各ゲームの負けた参加人2Lの賭けた遊戯用代用貨幣100の回収(矢印Lに示す)および勝ったゲーム参加人2Wへの勝ち遊戯用代用貨幣100への償還(支払(TW))がゲームの勝敗結果に従って適正に行われたか否かを、管理制御装置9は、画像分析装置5を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。
【0027】
このような場合、
図4に示すように(
図2に示す従来チップに比べて)積層した多層構造になっており、側面に積層方向の縞模様がくっきりと形成されているので、画像分析装置5を含む測定装置6は容易にチップの種類および枚数の測定を正確に行うことが可能となる。さらに、人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術を用いれば、画像の分析、判定がより正確に可能となる。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術は当業者ですでに既知で利用可能であるため、詳細な説明を略する。
【0028】
管理制御装置9は、遊技テーブル1のディーラ3の遊戯用代用貨幣トレイ10における遊戯用代用貨幣Tの総額が画像分析装置5を用いて分析把握可能で、ゲームが終了して清算した後に、各ゲーム参加人2の賭けた負け遊戯用代用貨幣Tの回収および勝ったゲーム参加人2Wへの勝ち遊戯用代用貨幣への支払TWの額に応じて、遊戯用代用貨幣トレイ10内の遊戯用代用貨幣Tの総額が増減したか否かを、ゲームの勝敗結果に従って比較計算可能である。遊戯用代用貨幣トレイ10における遊戯用代用貨幣Tの総額は、RFIDなどの手段で常に把握されていても、その増減額が正しいか、否かは、管理制御装置9が、画像分析装置5を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。これらも人工知能活用型もしくはディープラーニング構造が活用されてよい。
【0029】
管理制御装置9は、遊技テーブル1の各プレー位置22において賭けた遊戯用代用貨幣の位置(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)と額(種類と枚数)を把握し、各ゲームの勝敗結果により得られる各ゲーム参加人2の勝敗履歴と得た遊戯用代用貨幣の額(勝った額)を、過去の多数(ビッグデータ)のゲームの統計データと比較して特異な状況(カジノにより設定される)として抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造であってもよい。典型的にはある額(100万ドル)以上の勝ち額の発生や、ある遊技テーブル1のプレー位置22において、負けた時の賭け遊戯用代用貨幣の額が少なく、勝った時の賭け遊戯用代用貨幣の額が多い状態が数ゲーム続き、それが過去のゲームの統計データ(ビッグデータ等)と比較して特異な状況としてこれを抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造の管理制御装置9を備えるものである。
【0030】
管理制御装置9は、遊技テーブル1のディーラ3の遊戯用代用貨幣トレイ10における遊戯用代用貨幣100の総額が、各ゲームの後に各参加人2の賭けた遊戯用代用貨幣100との清算が行われて清算した後に、清算に対応した遊戯用代用貨幣の増減が正しいか否かを、比較計算可能な構造となっている。
図1に示すディーラ3の遊戯用代用貨幣100の保持用のチップトレイ10においては、横方向に積層された遊戯用代用貨幣100(チップT)の着色層101又は白色層102の数と色を測定装置6(画像分析装置5により得られた情報を使い)が分析計測することで、遊戯用代用貨幣100の種類と枚数が判定可能である。保持用のチップトレイ10の遊戯用代用貨幣100の総額は、このようにして常に(もしくは所定の時間間隔で)把握されている。管理制御装置9は、各ゲームの清算額(遊戯テーブル1におけるカジノ側の収支計算(敗者2Lの賭けた遊戯用代用貨幣100(チップT)の総額から参加人2の内の勝者2Wに償還した遊戯用代用貨幣100(チップT)の総額を差引いた額))を各ゲーム毎に行う計算機能を備える(段落0016参照)ので、チップトレイ10の遊戯用代用貨幣100の総額は常に(もしくは所定の時間間隔で)検証される。すなわち、遊戯用代用貨幣の増減が、画像分析装置5による画像分析結果ディーラ3による各ゲームの清算額と一致するか否かが検証される。
【0031】
次に本願発明の実施の形態である遊戯用代用貨幣100を検査する検査装置200について説明する。検査装置200には、遊戯用代用貨幣100が半径方向(矢印Y方向)に通過可能な入口201と出口201を有する通路203を備えている。通路203は傾斜しており、遊戯用代用貨幣100は矢印Y方向に通過する。通路203には、遊戯用代用貨幣100の側面を撮影して側面の積層方向の縞模様の色を判定するチップ種類の判定装置204と、通過する遊戯用代用貨幣100の表面に設けたUVインクまたはカーボンブラックインクによるマークMを読み取るマーク読取り装置205と、通路203に対して垂直方向から遊戯用代用貨幣の表面に設けた種類を表す印刷103を読取る印刷検査装置206と、装置全体の制御装置207と、を備え、制御装置207は、チップ種類の判定装置204が判定したチップ種類と、印刷検査装置206から得た種類を表す印刷の内容とが一致するか否かを検査する構成である。
【0032】
この検査装置200により、製造された遊戯用代用貨幣100の印刷103が、遊戯用代用貨幣100の縞模様の色によるチップ種類と一致して正しく印刷されているか否かが検査可能となる。
【符号の説明】
【0033】
1 遊技テーブル
2 プレーヤ
3 ディーラ
4 カメラ
5 画像分析装置
6 計測装置
7 ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置
9 管理制御装置
10 遊戯用代用貨幣トレイ
100(T) 遊戯用代用貨幣
200 検査装置