(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】アップストリームリソースグラント方法、関連デバイス、およびコンピュータ読取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04B 10/272 20130101AFI20240319BHJP
【FI】
H04B10/272
(21)【出願番号】P 2022531509
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(86)【国際出願番号】 CN2020112139
(87)【国際公開番号】W WO2021103717
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】201911209201.1
(32)【優先日】2019-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウー,シュイミーン
(72)【発明者】
【氏名】ニエ,シーウエイ
(72)【発明者】
【氏名】ズオン,シヤオフェイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ドーァクン
(72)【発明者】
【氏名】ジュヨン,ガーン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ジュイン
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105592040(CN,A)
【文献】特表2018-526918(JP,A)
【文献】特表2018-500844(JP,A)
【文献】特表2018-500860(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0212705(US,A1)
【文献】10-Gigabit-capable passive optical networks (XG-PON): Transmission convergence (TC) layer specification,SERIES G: TRANSMISSION SYSTEMS AND MEDIA, DIGITAL SYSTEMS AND NETWORKS Digital sections and digital line system - Optical line systems for local and access networks,ITU-T, G.987.3(01/2014),ITU-T,2014年01月13日,pages 7-19,[検索日2023.07.18],インターネット:<URL:https://www.itu.int/rec/T-REC-G.987.3-201401-I/en>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/272
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時分割多重化受動光ネットワーク(TDM-PON)におけるアップストリームリソースグラント方法であって、
光回線終端装置によって、変換処理を実行してアップストリームグラントメッセージを生成するステップであり、
前記変換処理に使用される変換パラメータは、グラントする光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む、
ステップと、
前記光回線終端装置によって、前記変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを送信するステップであり、
前記アップストリームグラントメッセージは、前記光ネットワークユニットのアップストリームリソースグラント指示を搬送し、かつ、
前記アップストリームリソースグラント指示は、前記光ネットワークユニットに対して、グラントされたアップストリームリソースを示し、アップストリームを割当てるために使用される、
ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記変換処理は、前記変換パラメータを使用して、前記アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドについて実行され、または、
前記変換処理は、前記変換パラメータを使用して、前記アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドについて実行され、もしくは、
前記変換処理は、前記変換パラメータを使用して、前記アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドおよび少なくともいくつかのペイロードフィールドについて実行される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アップストリームグラントメッセージは、アロケーション構造メッセージであり、かつ、
前記アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドは、アロケーションIDフィールド、グラントサイズフィールド、スタートタイムフィールドのうち1つ以上を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アップストリームグラントメッセージは、ゲートメッセージであり、かつ、
前記アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドは、タイムスタンプフィールドを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記変換処理は、スクランブリング処理、及び/又は、暗号化処理を含む、
請求項2乃至4いずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記変換処理がスクランブリング処理である場合、前記スクランブリング処理は、
スクランブリング処理されたアップストリームグラントメッセージを獲得するために、前記アップストリームグラントメッセージの全てのスクランブルされるべきフィールドと、前記光ネットワークユニットの物理的アイデンティティとの間で、ビット毎の乗算またはビット毎の排他的論理和を実行し、
前記アップストリームグラントメッセージの全てのスクランブルされるべきフィールドの長さの合計は、前記光ネットワークユニットの物理的アイデンティティの長さに等しく、または、
前記アップストリームグラントメッセージの全てのスクランブルされるべきフィールドの長さの合計は、前記光ネットワークユニットの物理的アイデンティティの長さの整数倍であり、かつ、
前記スクランブルされるべきフィールドの全ては、前記アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドであり、または、
前記スクランブルされるべきフィールドの全ては、前記チェックフィールドであり、かつ、前記アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドであり、もしくは、
前記スクランブルされるべきフィールドの全ては、前記アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドである、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記光ネットワークユニットの物理的アイデンティティは、前記光ネットワークユニットのアイデンティティである、デバイスシリアル番号、メディアアクセス制御アドレス、またはキー、のうち1つ以上を含む、
請求項1乃至6いずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
時分割多重化受動光ネットワーク(TDM-PON)におけるアップストリームリソースグラント
方法であって、
光ネットワークユニットによって、光回線終端装置が変換処理を実行したアップストリームグラントメッセージを受信するステップであり、前記変換処理に使用される変換パラメータは、グラントする前記光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む、ステップと、
前記光ネットワークユニットによって、前記光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む前記変換パラメータを使用して、前記変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージについて逆変換処理を実行するステップと、を含み、
前記方法は、さらに、
前記光ネットワークユニットによって、前記逆変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージで搬送されたアップストリームリソースグラント指示を抽出するステップ、および、
前記光ネットワークユニットによって、前記光ネットワークユニットに対してグラントされ、かつ、前記アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、アップストリーム光信号を前記光回線終端装置に送信するステップ、
を含む、方法。
【請求項9】
前記変換処理は、前記変換パラメータを使用して、前記アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドについて実行され、または、
前記変換処理は、前記変換パラメータを使用して、前記アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドについて実行され、もしくは、
前記変換処理は、前記変換パラメータを使用して、前記アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドおよび少なくともいくつかのペイロードフィールドについて実行される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アップストリームグラントメッセージは、アロケーション構造メッセージであり、かつ、
前記アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドは、アロケーションIDフィールド、グラントサイズフィールド、スタートタイムフィールドのうち1つ以上を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記光ネットワークユニットによって、前記光ネットワークユニットにグラントされ、かつ、前記アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、アップストリーム光信号を送信する前記ステップの前に、
前記方法は、さらに、
光ネットワークユニットによってキャッシュされたアロケーション識別子(アロケーションID)が、前記逆変換処理が実行された前記アップストリームグラントメッセージで搬送されたアロケーションIDと成功裡に一致することを決定するステップ、を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アップストリームグラントメッセージはゲートメッセージであり、かつ、
前記アップストリームグラントメッセージの前記少なくともいくつかのペイロードフィールドは、タイムスタンプフィールドを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記光ネットワークユニットによって、前記光ネットワークユニットにグラントされ、かつ、前記アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、アップストリーム光信号を送信する前記ステップの前に、
前記方法は、さらに、
前記光ネットワークユニットによってキャッシュされた論理リンク識別子(LLID)が、前記アップストリームグラントメッセージのプリアンブルにおいて搬送されたLLIDと成功裡に一致することを決定するステップ、を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記逆変換処理は、デスクランブリング処理、及び/又は、復号処理を含む、
請求項9乃至13いずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記逆変換処理がデスクランブリング処理である場合、前記デスクランブリング処理は、
デスクランブリング処理されたアップストリームグラントメッセージを獲得するために、前記光ネットワークユニットの前記物理的アイデンティティと、前記変換処理が実行された前記アップストリームグラントメッセージの全てのデスクランブリングされるべきフィールドとの間で、ビット毎の乗算またはビット毎の排他的論理和を実行するステップ、を含み、
前記変換処理が実行された前記アップストリームグラントメッセージの全てのデスクランブリングされるべきフィールドの合計長さは、前記光ネットワークユニットの前記物理的アイデンティティの長さに等しく、または、
前記変換処理が実行された前記アップストリームグラントメッセージの全てのデスクランブリングされるべきフィールドの合計長さは、前記光ネットワークユニットの物理的アイデンティティの長さの整数倍であり、かつ、
全てのデスクランブリングされるべきフィールドは、前記アップストリームグラントメッセージの前記少なくともいくつかのペイロードフィールドであり、または、
全てのデスクランブリングされるべきフィールドは、前記アップストリームグラントメッセージの前記チェックフィールドおよび前記少なくともいくつかのペイロードフィールドであり、もしくは、
全てのデスクランブリングされるべきフィールドは、前記アップストリームグラントメッセージの前記チェックフィールドである、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記光ネットワークユニットの前記物理的アイデンティティは、前記光ネットワークユニットの識別子である、装置のシリアル番号、メディアアクセス制御アドレス、またはキー、のうち1つ以上を含む、
請求項8乃至15いずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
光回線終端装置であって、
光モジュールと、
前記光モジュールに結合されたプロセッサ及び/又はメディアアクセス制御(MAC)チップと、を備え、
前記プロセッサ及び/又はMACチップは、請求項1乃至7いずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、
光回線終端装置。
【請求項18】
光ネットワークユニットであって、
光モジュールと、
前記光モジュールに結合されたプロセッサ及び/又はメディアアクセス制御(MAC)チップと、を備え、
前記プロセッサ及び/又はMACチップは、請求項8乃至16いずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、
光ネットワークユニット。
【請求項19】
請求項17に記載の光回線終端装置および請求項18に記載の光ネットワークユニットを備える、
受動光ネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、光通信技術の分野に関し、そして、特には、アップストリームリソースグラント方法、デバイス、受動光ネットワーク、コンピュータ読取り可能な記憶媒体等に関する。
【0002】
本出願は、タイトルが「UPSTREAM RESOURCE GRANT METHOD, RELATED DEVICE, AND COMPUTER-READABLE STORAGE MEDIUM」であり、かつ、2019年11月30日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第2019112092021.1号について優先権を主張するものであり、その全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
現在は、ツイストペアアクセス、同軸ケーブルアクセス、およびファイバアクセスといった、サービスのための多くの共通アクセスネットワークブロードバンドソリューションが存在する。ツイストペアアクセス技術および同軸ケーブルアクセス技術は、既存の銅線リソースを十分に利用することができ、かつ、エンジニアリングコストが低い。しかし、ビデオオンデマンドサービスおよび双方向テレビ会議サービスといった、新興サービスのために十分な帯域幅を提供することが困難であり、かつ、制限された送信距離および小さなネットワークカバレッジ領域を有している。光ファイバは、大容量および長距離伝送をサポートし、そして、従って、ファイバアクセスは、ブロードバンドアクセスのための望ましいソリューションである。
【0004】
電気通信サービスは、ますます豊富になり、ユーザは、帯域幅にますます高い要求を課すようになり、そして、国内外の事業者(operator)は、アクセスネットワークのための避けられない選択肢として、既に、ファイバ・ツー・ザ・ホー(FTTH、fiber to the home)モードをとっている。FTTHモードは、たいてい、受動光ネットワーク(PON、passive optical network)アクセス技術などに依存する必要がある。PONアクセス技術においては、設備部屋を借り、または、電源を提供必要なく、光回線終端装置(OLT,光回線終端装置)とアクセスネットワークの光ネットワークユニット(ONU、optical network unit)との間に、光学スプリッタおよび光ファイバといった受動光コンポーネントのみが必要とされる。
【0005】
実用的なPONシステムにおいては、不正なONU現象が、しばしば発生する。不正なONUとは、特定のタイムスロットに入っていないか、または、特定の波長に入っていない光を発するONUである。特定の波長ではない光を発光するONUは、クロス波長の不良ONUとしても、また、参照され得る。不正なONUは、それ自身のタイムスロットで動作せず、かつ、正常なONUのアップストリームタイムスロットを占有しているので、OLTは、通常、別のONUから送信されたアップストリームサービスを受信することができない。その結果として、正常なONUはサービスを失い、そして、オフラインになる。
【0006】
比較的大量の不正なONU現象は、PONシステムにおけるサービスの通常の稼働に大きな影響を与える。従って、不正なONU現象の発生確率をいかに効果的に低減させるかは、当業者によって緊急に研究されるべき技術課題である。
【発明の概要】
【0007】
本出願の実施形態は、アップストリームリソースグラント方法、デバイス、受動光ネットワーク、コンピュータ読取り可能な記憶媒体、等を提供する。
【0008】
本出願の実施態様の第1態様は、アップストリームリソースグラント方法を提供する。本方法は、以下を含む。
【0009】
例えば、OLTがアップストリームリソースをONUにグラントする必要がある場合、OLTは、変換処理に使用された変換パラメータがONUの物理的アイデンティティを含む場合(変換処理に使用された変換パラメータは、ONUの物理的アイデンティティに加えて別の変換パラメータを含んでよい。確かに、変換処理に使用された変換パラメータは、ONUの物理的アイデンティティのみを含んでよい。)、変換処理に使用された変換パラメータがONUの物理的アイデンティティのみを含む場合、変換処理に使用されたアップストリームグラントメッセージを生成し得る。OLTは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを送信する。アップストリームグラントメッセージは、ONUのアップストリームリソースグラント指示を搬送し、そして、アップストリームリソースグラント指示は、ONUにグラントされたアップストリームリソースを示すために使用される。
【0010】
本出願の実施形態の例示的なソリューションにおいて、ONUの物理的アイデンティティは、ONUを一意に識別するために使用される。ONUの物理的アイデンティティはグローバルに一意であり、異なるONUは、異なる物理的アイデンティティを有している。ONUの物理的アイデンティティは、たいてい、ONUのハードウェアエンティティに関連付けられる。ONUの物理的アイデンティティは、ONUがパワーオフまたはオフラインにされても変更されずに維持される。ONUの物理的アイデンティティは、例えば、ONUの以下の識別子の1つ以上を含む。装置のシリアル番号(SN、serial number)、メディアアクセス制御(MAC、media access control)アドレス、またはキー、である。
【0011】
これに対応して、ONUは、変換処理が実行され、OLTによって送信されたアップストリームグラントメッセージを受信した後、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージに対して、ONUの物理的アイデンティティを含む変換パラメータを使用して逆変換処理を実行する。逆変換処理が成功した場合、アップストリームグラントメッセージが逆変換処理に成功したONUに属していることを示し得る。そして、逆変換処理が失敗した場合、逆変換処理に成功したグラントメッセージがONUに属していないことを示し得る。逆変換処理の成功は、アップストリームグラントメッセージについて変換処理を実行するためにOLTが使用するONUの物理的アイデンティティが、逆変換処理に成功したONUの物理的アイデンティティと同じであることを示す。そして、逆変換処理の失敗は、アップストリームグラントメッセージについて変換処理を実行するためにOLTが使用するONUの物理的アイデンティティが、逆変換処理に成功しなかったONUの物理的アイデンティティと異なることを示す。逆変換処理を使用して、アップストリームグラントメッセージの属性チェックを実行することができ、そして、アップストリームグラントメッセージがONUに属していることが確認された場合、アップストリームグラントメッセージを使用してグラントされたアップストリームリソースはONUに属していることが理解され得る。逆変換処理が成功した場合、ONUは、逆変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージに含まれるアップストリームリソースグラント指示を抽出し得る。そして、ONUは、アップストリームリソースにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリーム上で、アップストリーム光信号を送信する。
【0012】
前出の例では、OLTは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを送信し、そして、変換処理に使用される変換パラメータは、ターゲットONU(ターゲットONUは、アップストリームグラントメッセージに応答することをOLTが期待するONU、すなわち、アップストリームグラントメッセージの有効なONU(すなわち、ホームONU)であり、そして、OLTは、そのアップストリームリソースをターゲットONUにグラントする)の物理的アイデンティティを含むことが理解され得る。このようにして、OLTによって送信されるアップストリームグラントメッセージは、暗黙的にターゲットONUの物理的アイデンティティを搬送する。すなわち、アップストリームグラントメッセージとターゲットONUの物理的アイデンティティとの間のインタリーブがある程度実装されている。従って、変換処理が行われたアップストリームグラントメッセージは、アップストリームグラントメッセージの有効なONUを暗黙的に示すため、変換処理が行われたアップストリームグラントメッセージを受信したONUは、暗黙的な指示に基づいて、アップストリームグラントメッセージがONUに属しているか否かをチェックできる(メッセージ所属チェック)ことを意味する。ONUは、アップストリームグラントメッセージがONUに属していることが確認された場合にのみ、アップストリームグラントメッセージを使用してグラントされたアップストリームリソースを使用する。前出の技術的ソリューションは、OLTがONUにグラントしたアップストリームリソースの精度を向上させるのに役立つことが理解され得る。このことは、明らかに、不正なONU現象の発生確率を低減し、そして、PONシステムのサービス安定性をさらに改善するのに役立つ。
【0013】
本出願の実施態様の第2態様は、アップストリームリソースグラント方法を提供する。本方法は、以下を含む。
【0014】
ONUは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを受信する。ここで、変換処理に使用される変換パラメータは、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含んでいる。ONUは、ONUの物理的アイデンティティを含む変換パラメータを使用して、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージについて逆変換処理を実行する。逆変換処理が成功した場合、ONUは、逆変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージで搬送されたアップストリームリソースグラント指示を抽出する。ONUは、アップストリームリソースにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリーム上で、アップストリーム光信号を送信する。
【0015】
加えて、逆変換処理に失敗した場合、例えば、ONUは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを破棄し得る。
【0016】
逆変換処理は、例えば、デスクランブリング処理及び/又は復号処理を含む。
【0017】
前出の例において、OLTは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを送信し、そして、変換処理に使用される変換パラメータは、ターゲットONUの物理的アイデンティティを含むこと理解され得る(ターゲットONUは、OLTがアップストリームグラントメッセージに応答することを期待するONU、すなわち、アップストリームグラントメッセージの有効なONUであり、OLTは、アップストリームリソースをターゲットONUにグラントする)。このようにして、OLTによって送信されるアップストリームグラントメッセージは、暗黙的にターゲットONUの物理的アイデンティティを搬送する。すなわち、アップストリームグラントメッセージとターゲットONUの物理的アイデンティティとの間のインタリーブがある程度実装される。従って、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージが、アップストリームグラントメッセージの有効なONU(すなわちホーム、ONU)を暗黙的に示すことを意味する。変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを受信したONUは、ONUの物理的アイデンティティを含む変換パラメータを使用して、変換処理が行われたアップストリームグラントメッセージについて、逆変換処理を実行する。つまり、暗黙の指示に基づいて、アップストリームグラントメッセージがONUに属しているか否かをチェックする(メッセージ所属チェック)。ONUは、アップストリームグラントメッセージがONUに属していることが確認された場合(すなわち、逆変換処理が成功した場合)にのみ、アップストリームグラントメッセージを使用してグラントされたアップストリームリソースを使用する。前出の技術的ソリューションは、OLTがONUにグラントしたアップストリームリソースの精度を向上させるのに役立つことが理解され得る。このことは、明らかに、不正なONU現象の発生確率を低減し、そして、PONシステムのサービス安定性をさらに改善するのに役立つ。
【0018】
第1態様および第2態様における技術的ソリューションの例において、例えば、OLTは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを生成するために、アップストリームグラントメッセージのいくつかまたは全てのフィールドについて変換処理を実行することができる。例えば、変換処理は、変換パラメータを使用してアップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドの少なくともいくつかについて実行され、または、変換処理は、変換パラメータを使用してアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドについて実行され、もしくは、変換処理は、変換パラメータを使用してアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドおよび少なくともいくつかのペイロードフィールドについて実行される。
【0019】
別の言葉で言えば、アップストリームグラントメッセージについて変換処理を実行することは、変換パラメータを使用してアップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドについて変換処理を実行すること、または、変換パラメータを使用してアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドについて変換処理を実行すること、もしくは、変換パラメータを使用してアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドおよび少なくともいくつかのペイロードフィールドについて変換処理を実行すること、を含み得る。
【0020】
これに対応して、別の言葉で言えば、アップストリームグラントメッセージについて逆変換処理を実行することは、変換パラメータを使用してアップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドについて逆変換処理を実行すること、または、変換パラメータを使用してアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドについて逆変換処理を実行すること、もしくは、変換パラメータを使用してアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドおよび少なくともいくつかのペイロードフィールドについて逆変換処理を実行すること、を含み得る。
【0021】
前出の方法は、アップストリームグラントメッセージについて変換処理を実行する複数の可能な例示的な方法を提供し、そして、複数の方法は、異なるアプリケーションシナリオにおいて異なる複雑性要件を満たすのに役立つことが理解され得る。
【0022】
具体的には、例えば、変換処理がスクランブリング処理である場合、スクランブリング処理は、スクランブリング処理されたアップストリームグラントメッセージを獲得するために、アップストリームグラントメッセージの全てのスクランブリングされるべきフィールドと光ネットワークユニットの物理的アイデンティティとの間でビット毎の乗算またはビット毎の排他的論理和を実行することを含み得る。アップストリームグラントメッセージの全てのスクランブリングされるべきフィールドの合計長は、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティの長さに等しく、もしくは、アップストリームグラントメッセージの全てのスクランブリングされるべきフィールドの合計長は、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティの長さの整数倍または非整数倍である。全てのスクランブリングされるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドであり、または、全てのスクランブリングされるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドおよび少なくともいくつかのペイロードフィールドであり、もしくは、全てのスクランブリングされるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドである。
【0023】
光ネットワークユニットの物理的アイデンティティの長さが、アップストリームグラントメッセージのスクランブリングされるべきフィールドの全長よりも短い場合、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティは、合意されたルールに従って複製され、そして、スプライス(spliced)されてよく、その長さがアップストリームグラントメッセージのスクランブリングされるべきフィールドの全長に等しいスプライスされたシーケンスを獲得する。そして、次いで、スプライスされたシーケンスとアップストリームグラントメッセージの全てのスクランブリングされるべきフィールドとの間、または、スクランブリング処理されたアップストリームグラントメッセージの全てのスクランブリングされるべきフィールドと光ネットワークユニットの物理的アイデンティティとの間で、ビット毎の乗算またはビット毎の排他的論理和が実行され、スクランブリング処理されたアップストリームグラントメッセージを獲得する。
【0024】
これに対応して、逆変換処理がデスクランブリング処理である場合、デスクランブリング処理は、デスクランブリング処理されたアップストリームグラントメッセージを獲得するために、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティと、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージの全てのデスクランブリングされるべきフィールドとの間で、ビット毎の乗算またはビット毎の排他的論理和を実行することを含み得る。変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージの全てのスクランブリングされるべきフィールドの全長は、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティの長さに等しく、または、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージの全てのスクランブリングされるべきフィールドの全長は、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティの長さの整数倍または非整数倍である。
【0025】
アップストリームグラントメッセージの全てのスクランブリングされるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージの全てのデスクランブリングされるべきフィールドと同じであることが理解され得る。別の言葉で言えば、全てのデスクランブリングされるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドであり、または、全てのデスクランブリングされるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドおよび少なくともいくつかのペイロードフィールドであり、もしくは、全てのデスクランブリングされるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドである。
【0026】
具体的には、別の例として、変換処理が暗号化処理である場合、暗号化処理は、以下を含み得る。暗号化処理されたアップストリームグラントメッセージを獲得するために、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティをキーとして使用して、アップストリームグラントメッセージの全ての暗号化されるべきフィールドについて別個に暗号化処理を実行すること。全ての暗号化されるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドであり、または、全ての暗号化されるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドおよび少なくともいくつかのペイロードフィールドであり、もしくは、全ての暗号化されるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドである。
【0027】
これに対応して、逆変換処理が復号処理である場合、復号処理は、以下を含み得る。復号処理されたアップストリームグラントメッセージを獲得するために、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティをキーとして使用して、アップストリームグラントメッセージの全ての復号されるべきフィールドについて別個に復号処理を実行すること。
【0028】
アップストリームグラントメッセージの全ての暗号化されるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージの全ての復号されるべきフィールドと同じであることが理解され得る。別の言葉で言えば、全ての復号されるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドであり、または、全ての復号されるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドおよび少なくともいくつかのペイロードフィールドであり、もしくは、全ての復号されるべきフィールドは、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドである。
【0029】
前出の例示的な暗号化/スクランブリングメカニズムは、比較的に低い計算複雑性を有し、そして、異なるアプリケーションシナリオにおいて複数の計算的な複雑性要件を満たすのに役立つことが、模擬テストから分かる。
【0030】
前出のソリューションは、国際電気通信連合(ITU、international telecommunication union)のPONシステム、電気電子学会(IEEE、institute of electrical and electronics engineers)のPONシステム、または、別のPONシステムに適用され得る。上記のソリューションがITU PONシステムに適用される場合、アップストリームグラントメッセージは、アロケーション構造(Allocation Structure)メッセージである。上記のソリューションがIEEE PONシステムに適用される場合、アップストリームグラントメッセージは、ゲート(Gate)メッセージである。
【0031】
具体的には、例えば、アップストリームグラントメッセージがアロケーション構造(Allocation Structure)メッセージである場合、アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドは、例えば、グラントサイズフィールド、スタートタイムフィールド、またはアロケーションIDフィールドのうち1つ以上を含み得る。
【0032】
アロケーション構造メッセージのグラントサイズフィールド、スタートタイムフィールド、またはアロケーションIDフィールドは、アップストリームリソースのグラントクリティカル情報を搬送するので、前出の例示的なソリューションにおいて、アップストリームリソースのグラントクリティカル情報を搬送するフィールドについて変換処理が実行されることが理解され得る。このことは、グラントクリティカル情報のプライバシーの改善に役立ち、そして、関連する逆変換が成功した後、メッセージが属するONUのみがアップストリームリソースのグラントのクリティカル情報を知ることができることを確保するのに役立つ。
【0033】
別の例として、アップストリームグラントメッセージがゲートメッセージである場合、アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドは、例えば、タイムスタンプフィールドを含み得る。
【0034】
ゲートメッセージのタイムスタンプフィールドはアップストリームリソースグラント指示を搬送するので、前出の例示的なソリューションにおいて、変換処理は、アップストリームリソースのグラントクリティカル情報が含まれているフィールドについて実行されることが理解され得る。このことは、グラントクリティカル情報のプライバシーの改善に役立ち、そして、関連する逆変換が成功した後、メッセージが属するONUのみがアップストリームリソースのグラントのクリティカル情報を知ることができることを確保するのに役立つ。
【0035】
いくつかの可能な実装において、アップストリームグラントメッセージがアロケーション構造メッセージである場合、アップストリームリソースにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、ONUが、光信号を送信する前に、本方法は、さらに、以下を含み得る。光ネットワークユニットによってキャッシュされたアロケーション識別子(アロケーションID)が、逆変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージで搬送されたアロケーションIDと成功裡に一致することを決定すること。光ネットワークユニットによってキャッシュされたアロケーションIDは、例えば、別の管理メッセージを使用することにより、OLTによって事前に配信され得る。
【0036】
加えて、ONUによってキャッシュされたアロケーションIDが、アップストリームグラントメッセージで搬送されたアロケーションIDと一致しない場合、ONUは、アップストリームグラントメッセージを破棄し得る。
【0037】
成功したアロケーションIDのマッチングは、メッセージ再チェックの成功としてみなされ得る。すなわち、アロケーションIDマッチングメカニズムは、再チェックメカニズムに属するメッセージとしてみなされ得る。再チェックメカニズムは、メッセージ所属精度をさらに改善するのに役立ち、そして、不正なONU現象の発生確率をさらに低減するのに役立つ。確かに、ダブルチェックに属するメッセージが要求されないいくつかのシナリオについては、前出のアロケーションIDマッチング処理が省略され得る。
【0038】
いくつかの他の可能な実装において、アップストリームグラントメッセージがゲートメッセージである場合、アップストリームリソースにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、ONUが、光信号を送信する前に、本方法は、さらに、以下を含み得る。ONUによってキャッシュされた論理リンク識別子(LLID、logical link identifier)が、アップストリームグラントメッセージのプリアンブルで搬送されたLLIDと成功裡に一致することを決定すること。光ネットワークユニットによってキャッシュされたLLIDは、例えば、別の管理メッセージを使用することにより、OLTによって事前に配信され得る。
【0039】
加えて、ONUによってキャッシュされたLLIDが、アップストリームグラントメッセージのプリアンブルで搬送されたLLIDと一致しない場合、ONUは、アップストリームグラントメッセージを破棄し得る。
【0040】
成功したLLIDマッチングは、メッセージ再チェックの成功としてみなされ得る。すなわち、LLIDマッチングメカニズムは、再チェックメカニズムに属するメッセージとしてみなされ得る。再チェックメカニズムは、メッセージ所属精度をさらに改善するのに役立ち、そして、不正なONU現象の発生確率をさらに低減するのに役立つ。確かに、ダブルチェックに属するメッセージが要求されないいくつかのシナリオについては、前出のLLIDマッチング処理が省略され得る。
【0041】
本出願の実施態様の第3態様は、アップストリームリソースグラント方法を提供する。本方法は、以下を含む。
【0042】
例えば、OLTが、ONUにアップストリームリソースをグラントする必要がある場合、OLTは、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを生成し得る。ここで、共同してチェックされエンコーディングされたチェックフィールドは、共同チェックパラメータおよびアップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドを使用して、共同チェックエンコーディングを実行することによって獲得される。そして、共同チェックパラメータは、ONUの物理的アイデンティティを含む。
【0043】
光回線終端装置は、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを送信する。ここで、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージは、ONUのアップストリームリソースグラント指示を搬送し、そして、アップストリームリソースグラント指示は、ONUにグラントされたアップストリームリソースを示すために使用される。
【0044】
前出の例示的なソリューションでは、OLTは、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを送信し、そして、共同チェックエンコーディングに使用される共同チェックパラメータは、ターゲットONUの物理的アイデンティティを含むことが理解され得る(ターゲットONUは、OLTがアップストリームグラントメッセージに応答することを期待するONU、すなわち、アップストリームグラントメッセージの有効なONUであり、OLTは、アップストリームリソースをターゲットONUにグラントする)。このようにして、OLTによって送信されるアップストリームグラントメッセージは、暗黙的にターゲットONUの物理的アイデンティティを搬送する。すなわち、アップストリームグラントメッセージとターゲットONUの物理的アイデンティティとの間のインタリーブがある程度実装される。従って、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージは、アップストリームグラントメッセージの有効なONU(つまり、ホームONU)を暗黙的に示し、その結果、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを受信したONUは、暗黙の指示に基づいて、アップストリームグラントメッセージがONUに属しているか否かを確認できる(メッセージ所属チェック)ことを意味する。ONUは、アップストリームグラントメッセージがONUに属していることが確認された場合にのみ、アップストリームグラントメッセージを使用してグラントされたアップストリームリソースを使用する。前出の技術的ソリューションは、OLTによってONUにグラントされたアップストリームリソースの精度を向上させるのに役立つことが理解され得る。このことは、明らかに、不正なONU現象の発生確率を低減し、そして、PONシステムのサービス安定性をさらに改善するのに役立つ。
【0045】
本出願の実施態様の第4態様は、アップストリームリソースグラント方法を提供する。本方法は、以下を含む。ONUは、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを受信する。ここで、共同してチェックされエンコーディングされたチェックフィールドは、共同チェックパラメータおよびアップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドを使用して、共同チェックエンコーディングを実行することによって獲得される。そして、共同チェックパラメータは、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む。ONUは、ONUの物理的アイデンティティを含む共同チェックパラメータ、および、受信した共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドを使用して、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージについて完全性チェックを実行する。
【0046】
完全性チェックが成功した場合、光ネットワークユニットは、アップストリームリソースグラントメッセージで搬送されるアップストリームリソースグラント指示を抽出し、そして、光ネットワークユニットは、光ネットワークユニットにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリーム上で、アップストリーム光信号を送信する。
【0047】
前出の例示的なソリューションでは、OLTは、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを送信し、そして、共同チェックエンコーディングに使用される共同チェックパラメータは、ターゲットONUの物理的アイデンティティを含むことが理解され得る(ターゲットONUは、OLTがアップストリームグラントメッセージに応答することを期待するONU、すなわち、アップストリームグラントメッセージの有効なONUであり、OLTは、アップストリームリソースをターゲットONUにグラントする)。このようにして、OLTによって送信されるアップストリームグラントメッセージは、暗黙的にターゲットONUの物理的アイデンティティを搬送する。すなわち、アップストリームグラントメッセージとターゲットONUの物理的アイデンティティとの間のインタリーブがある程度実装される。従って、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージは、アップストリームグラントメッセージの有効なONU(つまり、ホームONU)を暗黙的に示し、その結果、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを受信したONUは、暗黙の指示に基づいて、アップストリームグラントメッセージがONUに属しているか否かを確認できる(メッセージ所属チェック)ことを意味する。ONUは、アップストリームグラントメッセージがONUに属していることが確認された(すなわち、完全性チェックが成功した、または、別の言葉で言えば、検査に属しているメッセージが成功した)場合にのみ、アップストリームグラントメッセージを使用してグラントされたアップストリームリソースを使用する。前出の技術的ソリューションは、OLTによってONUにグラントされたアップストリームリソースの精度(ターゲット可能性)を向上させるのに役立つことが理解され得る。このことは、明らかに、不正なONU現象の発生確率を低減し、そして、PONシステムのサービス安定性をさらに改善するのに役立つ。
【0048】
第3態様および第4態様の例示的なソリューションは、ITU PONシステム、IEEE PONシステム、または、別のPONシステムに適用され得る。前出のソリューションがITU PONシステムに適用される場合、アップストリームグラントメッセージは、アロケーション構造メッセージである。前出のソリューションがIEEE PONシステムに適用される場合、アップストリームグラントメッセージは、ゲートメッセージである。
【0049】
いくつかの可能な実装において、アップストリームグラントメッセージがアロケーション構造メッセージである場合、ONUにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、ONUが、光信号を送信する前に、本方法は、さらに、以下を含む。ONUによってキャッシュされたアロケーション識別子(アロケーションID)が、アロケーション構造メッセージで搬送されたアロケーションIDと成功裡に一致することを決定すること。光ネットワークユニットによってキャッシュされたアロケーションIDは、例えば、別の管理メッセージを使用することにより、OLTによって事前に配信され得る。
【0050】
加えて、ONUによってキャッシュされたアロケーションIDが、アップストリームグラントメッセージで搬送されたアロケーションIDと一致しない場合、ONUは、アップストリームグラントメッセージを破棄し得る。
【0051】
成功したアロケーションIDのマッチングは、メッセージ再チェックの成功としてみなされ得る。すなわち、アロケーションIDマッチングメカニズムは、再チェックメカニズムに属するメッセージとしてみなされ得る。再チェックメカニズムは、メッセージ所属精度をさらに改善するのに役立ち、そして、不正なONU現象の発生確率をさらに低減するのに役立つ。確かに、ダブルチェックに属するメッセージが要求されないいくつかのシナリオについては、前出のアロケーションIDマッチング処理が省略され得る。
【0052】
いくつかの他の可能な実装において、アップストリームグラントメッセージがゲートメッセージである場合、ONUにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、ONUが、光信号を送信する前に、本方法は、さらに、以下を含み得る。ONUによってキャッシュされた論理リンク識別子(LLID)が、ゲートメッセージのプリアンブルで搬送されたLLIDと成功裡に一致することを決定すること。光ネットワークユニットによってキャッシュされたLLIDは、例えば、別の管理メッセージを使用することにより、OLTによって事前に配信され得る。
【0053】
加えて、ONUによってキャッシュされたLLIDが、アップストリームグラントメッセージのプリアンブルで搬送されたLLIDと一致しない場合、ONUは、アップストリームグラントメッセージを破棄し得る。
【0054】
成功したLLIDマッチングは、メッセージ再チェックの成功としてみなされ得る。すなわち、LLIDマッチングメカニズムは、再チェックメカニズムに属するメッセージとしてみなされ得る。再チェックメカニズムは、メッセージ所属精度をさらに改善するのに役立ち、そして、不正なONU現象の発生確率をさらに低減するのに役立つ。確かに、ダブルチェックに属するメッセージが要求されないいくつかのシナリオについては、前出のLLIDマッチング処理が省略され得る。
【0055】
本出願の実施形態の第5態様は、光回線終端装置を提供する。光回線終端装置は、生成ユニットおよび通信ユニットを含み得る。
【0056】
生成ユニットは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを生成するように構成されている。ここで、変換処理に使用される変換パラメータは、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む。
【0057】
通信ユニットは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを送信するように構成されている。ここで、アップストリームグラントメッセージは、光ネットワークユニットのアップストリームリソースグラント指示を搬送し、そして、アップストリームリソースグラント指示は、光ネットワークユニットにグラントされたアップストリームリソースを示すために使用される。
【0058】
第5態様で提供される光回線終端装置におけるユニットまたはモジュールの機能の具体的な実装の詳細については、第1態様で提供されるアップストリームリソースグラント方法の関連する詳細な説明を参照のこと。
【0059】
本出願の実施形態の第6態様は、光ネットワークユニットを提供する。光ネットワークユニットは、逆変換ユニットおよび通信ユニットを含み得る。
【0060】
通信ユニットは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを受信するように構成されている。ここで、変換処理に使用される変換パラメータは、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む。
【0061】
逆変換ユニットは、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む変換パラメータを使用して、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージについて逆変換処理を実行するように構成されている。
【0062】
通信ユニットは、さらに、逆変換処理が成功した場合、逆変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージで搬送されたアップストリームリソースグラント指示を抽出し、そして、アップストリームリソースにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上でアップストリーム光信号を送信する、ように構成されている。
【0063】
第6態様で提供される光ネットワークユニットにおけるユニットまたはモジュールの機能の具体的な実装の詳細については、第2態様で提供されるアップストリームリソースグラント方法の関連する詳細な説明を参照のこと。
【0064】
本出願の実施形態の第6態様は、光回線終端装置を提供する。光回線終端装置は、生成ユニットおよび通信ユニットを含み得る。
【0065】
生成ユニットは、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを生成するように構成されている。ここで、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドは、共同チェックパラメータおよびアップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドを使用して共同チェックエンコーディングを実行することによって獲得される。そして、共同チェックパラメータは、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む。
【0066】
通信ユニットは、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを送信するように構成されている。ここで、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージは、光ネットワークユニットのアップストリームリソースグラント指示を搬送する。そして、アップストリームリソースグラント指示は、光ネットワークユニットにグラントされたアップストリームリソースを示すために使用される。
【0067】
第7態様で提供される光回線終端装置におけるユニットまたはモジュールの機能の具体的な実装の詳細については、第3態様で提供されるアップストリームリソースグラント方法の関連する詳細な説明を参照のこと。
【0068】
本出願の実施形態の第8態様は、光ネットワークユニットを提供する。光ネットワークユニットは、チェックユニットおよび通信ユニットを含み得る。
【0069】
通信ユニットは、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを受信するように構成されている。ここで、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドは、共同チェックパラメータおよびアップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドを使用して共同チェックエンコーディングを実行することによって獲得される。そして、共同チェックパラメータは、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む。
【0070】
チェックユニットは、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む共同チェックパラメータ、および、受信した共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドを使用して、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージについて完全性チェックを実行するように構成されている。
【0071】
通信ユニットは、さらに、完全性チェックが成功した場合、アップストリームグラントメッセージで搬送されるアップストリームリソースグラント指示を抽出し、そして、光ネットワークユニットにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、アップストリーム光信号を送信するように構成されている。
【0072】
第8態様で提供される光ネットワークユニットにおけるユニットまたはモジュールの機能の具体的な実装の詳細については、第4態様で提供されるアップストリームリソースグラント方法の関連する詳細な説明を参照のこと。
【0073】
本出願の実施形態の第9態様は、光モジュール、および、光モジュールに結合されたプロセッサ及び/又はMACチップを含む、光回線終端装置を提供する。プロセッサ及び/又はMACチップは、光回線終端装置によって実行され、かつ、本出願の実施形態にある、任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実行するように構成されている。
【0074】
本出願の実施形態の第10態様は、光モジュール、および、光モジュールに結合されたプロセッサ及び/又はMACチップを含む、光ネットワークユニットを提供する。プロセッサ及び/又はMACチップは、光ネットワークユニットによって実行され、かつ、本出願の実施形態にある、任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実行するように構成されている。
【0075】
本出願の実施形態の第11態様は、受動光ネットワークを提供する。受動光ネットワークは、第9態様で提供される光回線終端装置、および、第10態様で提供される光ネットワークユニットを含む。
【0076】
本出願の実施形態の第12態様は、コンピュータ読取り可能な記憶媒体を提供する。コンピュータ読取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを保管する。コンピュータプログラムがハードウェアによって実行されると、光ネットワークユニットによって実施され、かつ、本出願の実施形態にある、任意の方法のいくつかまたは全てのステップが、実装され得る。
【0077】
本出願の実施形態の第13態様は、コンピュータ読取り可能な記憶媒体を提供する。コンピュータ読取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを保管する。コンピュータプログラムがハードウェアによって実行されると、光回線終端装置によって実施され、かつ、本出願の実施形態にある、任意の方法のいくつかまたは全てのステップが、実装され得る。
【0078】
本出願の第14態様は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品が光ネットワークユニット上で実行されると、光ネットワークユニットは、光ネットワークユニットによって実行され、かつ、前出の態様にある、方法のいくつかまたは全てのステップを実行するのを可能にされる。
【0079】
本出願の実施形態の第15態様は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品が光回線終端装置上で実行されると、光回線終端装置は、光回線終端装置によって実行され、かつ、前出の態様にある、方法のいくつかまたは全てのステップを実行するのを可能にされる。
【0080】
本出願の実施形態の第16態様は、光通信装置を提供する(ここで、通信装置は、OLTまたはONUにおいて使用され得る)。光通信装置は、少なくとも1つの入力端、信号プロセッサ、および、少なくとも1つの出力端を含み得る。信号プロセッサは、前出の態様における任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実行するように構成されている。
【0081】
本出願の実施形態の第17態様は、光通信装置を提供する(ここで、通信装置は、OLTまたはONUにおいて使用され得る)。光通信装置は、入力インターフェイス回路、論理回路、および、出力インターフェイス回路を含み得る。論理回路は、OLTまたはONUによって実行可能であり、かつ、本出願の実施形態にある、任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実行するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0082】
以下は、本出願の実施態様におけるいくつかの添付図面を説明する。
【
図1A】
図1-Aは、本出願の一つの実施形態に従った、PONシステムの概略アーキテクチャ図である。
【
図1B】
図1-Bは、本出願の一つの実施形態に従った、PONシステムのダウンストリーム送信の概略図である。
【
図1C】
図1-Cは、本出願の一つの実施形態に従った、PONシステムのアップストリーム送信の概略図である。
【
図1D】
図1-Dは、本出願の一つの実施形態に従った、不正なONU発生の原因分析を示す概略図である。
【
図1E】
図1-Eは、本出願の一つの実施形態に従った、アップストリームリソースグラント方法の概略フローチャートの例である。
【
図1F】
図1-Fは、本出願の一つの実施形態に従った、ONUの物理的アイデンティティテーブルの概略図の例である。
【
図1G】
図1-Gは、本出願の一つの実施形態に従った、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドを獲得するために、アップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドに対してチェックエンコーディングを実行する概略図の例である。
【
図2A】
図2-Aは、本出願の一つの実施形態に従った、別のアップストリームリソースグラント方法の概略フローチャートの例である。
【
図2B】
図2-Bは、本出願の一つの実施形態に従った、アップストリームグラントメッセージに対する共同チェックエンコーディングの概略図の例である。
【
図3A】
図3-Aは、本出願の一つの実施形態に従った、別のアップストリームリソースグラント方法の概略フローチャートの例である。
【
図3B】
図3-Bは、本出願の一つの実施形態に従った、アプリケーション構造メッセージのフォーマットの概略図の例である。
【
図3C】
図3-Cは、本出願の一つの実施形態に従った、アプリケーション構造メッセージのチェックフィールドを獲得するために、アプリケーション構造メッセージのペイロードフィールドに対してチェックエンコーディングを実行する例示的な概略図である。
【
図3D】
図3-Dは、本出願に従った、いくつかのアプリケーション構造メッセージ・スクランブリング方法の概略図の例である。
【
図3E】
図3-Eは、本出願に従った、いくつかのアプリケーション構造メッセージ・スクランブリング方法の概略図の例である。
【
図3F】
図3-Fは、本出願に従った、いくつかのアプリケーション構造メッセージ・スクランブリング方法の概略図の例である。
【
図3G】
図3-Gは、本出願に従った、いくつかのアプリケーション構造メッセージ・スクランブリング方法の概略図の例である。
【
図3H】
図3-Hは、本出願に従った、いくつかのアプリケーション構造メッセージ・スクランブリング方法の概略図の例である。
【
図3I】
図3-Iは、本出願に従った、いくつかのアプリケーション構造メッセージ・スクランブリング方法の概略図の例である。
【
図3J】
図3-Jは、本出願に従った、アプリケーション構造メッセージデスクランブリング方法の概略図の例である。
【
図3K】
図3-Kは、本出願に従った、アプリケーション構造メッセージ・スクランブリング方法の概略図の例である。
【
図4A】
図4-Aは、本出願の一つの実施形態に従った、別のアップストリームリソースグラント方法の概略フローチャートの例である。
【
図4B】
図4-Bは、本出願の一つの実施形態に従った、アプリケーション構造メッセージに対する共同チェックエンコーディングの概略図の例である。
【
図4C】
図4-Cは、本出願の一つの実施形態に従った、アプリケーション構造メッセージに対する共同チェックエンコーディングの概略図の例である。
【
図5A】
図5-Aは、本出願の一つの実施形態に従った、別のアップストリームリソースグラント方法の概略フローチャートの例である。
【
図5B】
図5-Bは、本出願に従った、ゲートメッセージのフォーマットの概略図の例である。
【
図5C】
図5-Cは、本出願に従った、ゲートメッセージのチェックフィールドを獲得するために、ゲートメッセージのペイロードフィールドに対してチェックエンコーディングを実行する概略図の例である。
【
図5D】
図5-Dは、本出願に従った、いくつかのゲートメッセージスクランブリング方法の概略図の例である。
【
図5E】
図5-Eは、本出願に従った、いくつかのゲートメッセージスクランブリング方法の概略図の例である。
【
図5F】
図5-Fは、本出願に従った、いくつかのゲートメッセージスクランブリング方法の概略図の例である。
【
図5G】
図5-Gは、本出願に従った、いくつかのゲートメッセージスクランブリング方法の概略図の例である。
【
図5H】
図5-Hは、本出願に従った、いくつかのゲートメッセージスクランブリング方法の概略図の例である。
【
図6A】
図6-Aは、本出願の一つの実施形態に従った、別のアップストリームリソースグラント方法の概略フローチャートの例である。
【
図6B】
図6-Bは、本出願の一つの実施形態に従った、ゲートメッセージに対する共同チェックエンコーディングの概略図の例である。
【
図6C】
図6-Cは、本出願の一つの実施形態に従った、ゲートメッセージに対する共同チェックエンコーディングの概略図の例である。
【
図7】
図7は、本出願の一つの実施形態に従った、光回線終端装置の構造の概略図の例である。
【
図8】
図8は、本出願の一つの実施形態に従った、別の光回線終端装置の構造の概略図の例である。
【
図9】
図9は、本出願の一つの実施形態に従った、別の光回線終端装置の構造の概略図の例である。
【
図10】
図10は、本出願の一つの実施形態に従った、光ネットワークユニットの構造の概略図の例である。
【
図11】
図11は、本出願の一つの実施形態に従った、別の光ネットワークユニットの構造の概略図の例である。
【
図12】
図12は、本出願の一つの実施形態に従った、別の光ネットワークユニットの構造の概略図の例である。
【
図13】
図13は、本出願の一つの実施形態に従った、受動光ネットワークの概略図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
以下に、本出願の実施態様における添付図面を参照して、本出願の実施態様におけるソリューションを説明する。
【0084】
図1-Aは、PONシステムの概略アーキテクチャ図である。PONシステムは、OLT(中央局端(central office end)とも称される)およびONU(ユーザ端とも称される)を含む。光ファイバおよび受動光スプリッタ(スプリッタ)といった、受動光コンポーネントのみが、OLTとONUとの間に結合される必要がある。スプリッタは、光スプリッタの略称であってよい。
【0085】
OLTは、フィーダ(feeder)ファイバを介してスプリッタに結合され、そして、フィーダはフィーダ部とも称される。スプリッタは、複数の光ファイバを一緒に結合することができる。スプリッタは、ドロップ(drop)ファイバを介してONUに結合され、そして、ドロップファイバは、減衰セクションとも称される。
【0086】
OLTからONUへの方向はダウンストリーム方向と称され、かつ、ONUからOLTへの方向はアップストリーム方向と称される。データの送信および受信の最中に、PONネットワークのダウンストリーム方向においてブロードキャストフォームが使用され、かつ、PONネットワークのアップストリーム方向においてユニキャストフォームが使用される。
【0087】
図1-Bは、PONシステムのダウンストリーム送信の概略図である。具体的には、OLTによって配送される1つの光信号が、スプリッタによってN個の光信号へと分割され、そして、N個の光信号は、全てのONUに対して同時に送信される。各ONUは、ONUと同じID番号のダウンストリーム光信号を選択的に受信し、そして、他の光信号を破棄する。
【0088】
図1-Cは、PONシステムのアップストリーム送信の概略図である。具体的には、ONUのN個の入射光信号が、時分割多元接続(TDMA、time division multiple access)技術を使用することにより、1つの光信号へと結合される。TDMA技術の原理は、以下のとおりである。アップストリーム送信時間が複数のタイムスロットTi(i=1,2,3,...,32,...)へと分割され、そして、各アップストリームタイムスロットにおいて、1つのONUのみがアップストリーム光信号をパケット方式でOLTに送信するように構成されており、そして、ONUは、アップストリーム光信号をOLTによって指定される順序で連続的に送信する。この場合、アップストリームタイムスロットは、アップストリームリソースである。TDMAは、以下の要件を課している。OLTと各ONUとの間の距離を測定した後で、OLTは、各ONUに対して厳密な送信タイミングを実行する必要がある。各ONUは、ONU間の競合(conflict)を回避するように、OLTによって送信されるアップストリームグラントメッセージからタイミングタイムスロット(グラントタイムスロット、アップストリームグラントタイムスロット、アップストリームタイミングタイムスロット、アップストリームタイムスロット、等とも称される)を獲得し、かつ、OLTによって指定されるタイミングスロットにおいてアップストリーム光信号を送信する。この原理に基づくPONは、TDM-PONと称される。
【0089】
TDM-PONネットワークにおいて、各ONUは、アップストリーム光信号をグラントタイムスロット内でのみ送信することができ、そして、他の時間には送信器をディセーブルに保持することができる。そうでなければ、複数のONUがアップストリーム光信号を同時に送信する場合、競合が発生し、そして、アップストリーム光信号は相互に干渉する。その結果、OLTは、任意の他のONUから正常(normal)なデータを正しく受信できず、相互にPONネットワーク全体の全てのサービスが中断され得る。この場合、グラントタイムスロットを越えてアップストリーム光信号を任意に送信するONUは、不正な(rogue)ONUと称される。TDM-PONの正常な動作を保証するために、OLTは、不正なONUの発生を避けるように、各ONUに対して異なるグラントタイムスロットを厳密に割り当てる。
【0090】
PONシステムの原理によれば、不正なONUはPONシステムに現れない。しかしながら、実際のPONシステムでは、不正なONU現象がしばしば発生する。不正なONUは、自身のタイムスロットで動作せず、かつ、正常なONUのアップストリームタイムスロットを占有しているので、OLTは、他のONUから送信されたアップストリームサービスを正常に受信することができない。その結果として、正常なONUはサービスを失い、そして、オフラインになる。本出願の発明者は、広範な分析を通して、ライブネットワークにおける不正なONU現象の原因の分布を獲得している。不正なONU現象の種々の原因の分布については、
図1-Dの例を参照のこと。
【0091】
研究によれば、本出願の発明者は、種々の不良ONU現象の中でID占有現象が最も大きな割合を占めることを発見した。例えば、ITU PONシステム(G-PON、XG-PON、XGS-PON、またはNG-PON2)では、ONUのアップストリームグラントタイムスロットがOLTによって割り当てられる。OLTによってグラントされたアップストリームタイムスロットは、アロケーションID(アロケーションID)によって識別される。これに対応して、ONUは、アロケーション構造(アロケーション構造)メッセージで搬送されるアロケーションIDがONUに属しているか否かを識別することにより、アロケーション構造メッセージを使用することによりグラントされたアップストリームタイムスロットがONUに属しているか否かを決定する。アロケーション構造メッセージで搬送されるアロケーションIDがONUに属していること(つまり、このメッセージで搬送されるアロケーションIDが、ONUによってキャッシュされている1つ以上のアロケーションIDにおけるアロケーションと同じであること)を、ONUが識別した場合、ONUは、アロケーション構造メッセージを使用してグラントされたアップストリームタイムスロットがONUに属している(つまり、アップストリームタイムスロットがONUにグラントされている)とみなす。
【0092】
アロケーションIDは、事前に、全てのONUに対してOLTによって一括して割り当てられる。アロケーションIDを受信した後、ONUは、ローカルにアロケーションIDをキャッシュし、そして、OLTは、アロケーションIDとONUの間の通信を記録する。アロケーションIDは、ソフトウェアを使用して割り当てられ、かつ、記録される。いくつかの事例において、例えば、パワーオフされた後でONU-AがオフラインになったことをOLTが見つけた場合、ONU-Aの全てのアロケーションIDがOLTによって解放(release)され、そして、OLTは、解放されたアロケーションIDを別のONU(例えば、ONU-B)に割り当てることができる。その後、OLTは、これらのアロケーションIDに基づいて、ONU-Bに対してアップストリームタイムスロットを割り当てる必要がある。ONU-Aが再起動されたが、パワーオフされる前にONU-Aに対してOLTによって割り当てられたこれらの割り当てIDを、ONU-Aが破棄していない場合、OLTによって送信されたアロケーション構造メッセージがこれらの割り当てIDを搬送するときに、ONU-AおよびONU-Bの両方は、アロケーション構造メッセージを使用して割り当てられたグラントタイムスロットが、ONU-AおよびONU-B自身に属しているとみなす。次いで、2つのONUは、同時に、アロケーション構造メッセージに応答し、かつ、アップストリーム光信号を送信することができる。この場合、ONU-Aは、他のONU(つまり、ONU-B)のアップストリーム光信号送信に影響を与える。その結果として、不正なONU現象が発生する(この場合、ONU-Aは不正なONUである)。ITU PONシステムにおける不正なONU現象の原因は、上記と同様である。
【0093】
現在ONUに属していないアロケーションIDを、ONUによって時間内に、開放することの失敗によって生じる不正なONU現象は、ID占有によって生じる不正なONU現象と称され得る。
【0094】
ID占有によって生じる不正なONU現象について、可能なソリューションは以下のとおりである。ONUがパワーオフされて、オフラインになった後で、ソフトウェア制御が使用され、ONUに対して以前に割り当てられた全てのアロケーションIDをONUが破棄できるようにするか、または、管理メッセージを使用して、OLTが、ONUに対して以前に割り当てられた全てのアロケーションIDを破棄するようにONUに指示す。しかしながら、多くのONUメーカが存在するので、各メーカによって生産されるONUが規格について独自の理解に基づいて設計されるが、現在の規格が関連する設計について強制的な要求を課していない場合には、前出の方法は、問題を望ましくは解決することができない。
【0095】
以下では、さらに、その他のソリューションについて説明する。
【0096】
図1-Eは、本出願の一つの実施形態に従った、アップストリームリソースグラント方法の概略フローチャートの例である。この実施形態は、変換処理シナリオを対象とする。
【0097】
図1から
図Eに示される例において、アップストリームリソースグラント方法は、以下のステップを含み得る。
【0098】
101. OLTが、ONUに対してアップストリームリソースをグラントする必要がある場合(例えば、説明の容易のためONU-Xとして表示される)、OLTは、アップストリームグラントメッセージを生成する。
【0099】
アップストリームグラントメッセージは、アップストリームリソースをONU-Xにグラントするために使用される。アップストリームグラントメッセージの具体的な名前は、異なるネットワークで異なってよい。例えば、IEEE PONシステムにおいて、アップストリームグラントメッセージはゲート(Gate)メッセージである。ITU PONシステムにおいて、アップストリームグラントメッセージはアロケーション構造(Allocation Structure)メッセージである。別のネットワークにおいては、アップストリームグラントメッセージが別の名前を有し得る。
【0100】
本出願の実施態様において言及されるアップストリームリソースは、たいてい、アップストリームタイムスロットであり、そして、従って、アップストリームリソースおよびアップストリームタイムスロットは、ときどき、互換的に使用される。
【0101】
アップストリームグラントメッセージは、ONU-Xのアップストリームリソースグラント指示を搬送し、そして、アップストリームリソースグラント指示は、ONU-Xに対してグラントされたアップストリームリソースを指示すために使用される。異なる特定の名前を有するアップストリームグラントメッセージにおいては、アップストリームリソースグラント指示を搬送するフィールドが異なってよい。例えば、アップストリームグラントメッセージがアロケーション構造メッセージである場合、アップストリームリソースグラント指示は、アロケーション構造メッセージのスタートタイム(Start Time)フィールドおよびグラントサイズ(Grant Size)フィールドにおいて搬送され得る。例えば、アップストリームグラントメッセージがゲートメッセージである場合、アップストリームリソースグラント指示は、ゲートメッセージのタイムスタンプフィールドで搬送され得る。同じルールが、他のネットワークシナリオに対して適用され得る。
【0102】
アップストリームグラントメッセージは、チェックフィールドおよびペイロードフィールドを含み、かつ、アップストリームリソースグラント指示は、アップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドで搬送される。
図1-
図Gを参照する。アップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドは、アップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドにおいてチェックエンコーディングを実行することによって獲得され得る。チェックフィールドは、アップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドにおいて完全性(integrity)チェックを実行するように、受信端(receiver end)によって使用され得る。ペイロードフィールドにおいて1ビットのエラーコードまたは2ビットのエラーコードが発生していることが見つかった場合、チェックフィールドを使用してエラー訂正を実行することができる。これは、送信エラーコードに対するアップストリームグラントメッセージのエラー許容度特性を改善することができる。
【0103】
ペイロードフィールドは、チェックフィールドに関連しているとものとみなされ得ることが理解されるだろう。従って、チェックエンコーディングを実行することによってチェックフィールドを獲得するために使用される必要のある、アップストリームグラントメッセージの他のフィールドは、ペイロードフィールドと称されてよく、そして、ペイロードフィールドは、また、非チェックフィールドまたはチェックリファレンスフィールドとも称されてよい。
【0104】
ペイロードフィールドは、「ペイロード(“payload”)」という名前のフィールドと不必要に等価である。例えば、「ペイロード」という名前のフィールドは、本出願のこの実施形態におけるペイロードフィールドの1つだけのタイプであってよい。
【0105】
102. OLTは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを獲得するために、生成されたアップストリームグラントメッセージにおいて変換処理を実行する。
【0106】
変換処理に使用される変換パラメータは、ONU-Xの物理的アイデンティティを含む。変換パラメータを使用して、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージについて逆変換処理が実行され、その結果、変換処理が実行されていないアップストリームグラントメッセージが復元され得る。
【0107】
本出願の実施形態において言及されているONUの物理的アイデンティティは、ONUを一意に識別するために使用できる任意の識別子である。例えば、ONUの物理的アイデンティティは、ONUの以下の識別子の1つ以上を含んでよい。メディアアクセス制御(MAC、media access control address)アドレス、装置シリアル番号(SN、serial number)、またはキー。
【0108】
本出願のこの実施形態において、OLTは、各ONUの物理的アイデンティティを事前にキャッシュすることができる。具体的に、例えば、OLTは、物理的アイデンティティテーブルまたは他のデータ構造における各ONUの物理的アイデンティティをキャッシュすることができる。物理的アイデンティティテーブルの一つの例が
図1-Fに示されている。OLTは、要求に基づいて、物理的アイデンティティテーブルから対応するONUの物理的アイデンティティを読み出し、そして、ONUの読み出し物理的アイデンティティを使用して、生成されたアップストリームグラントメッセージについて変換処理を実行することができる。
【0109】
生成されたアップストリームグラントメッセージに対する変換処理を、OLTによって、実行することは、アップストリームグラントメッセージのいくつか又は全てのフィールドについて特定的に変換処理を実行することであり得ることが理解されよう。具体的に、例えば、変換パラメータを使用して、アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドについて変換処理が実行され、または、変換パラメータを使用して、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドについて変換処理が実行され、もしくは、変換パラメータを使用して、チェックフィールドとアップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドについて変換処理が実行される。
【0110】
種々の特定の変換処理方法が存在し得ることが理解されよう。例えば、変換処理は、スクランブリング処理及び/又は暗号化処理を含んでよい。スクランブリング処理に対応する逆変換処理はデスクランブリング処理であり、そして、暗号化処理に対応する逆変換処理は復号処理である。
【0111】
103. OLTは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを送信する。
【0112】
104. ONU-Xは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを受信する。変換処理に使用された変換パラメータは、ONU-Xの物理的アイデンティティを含む。ONU-Xは、変換パラメータ(ONU-Xの物理的アイデンティティを含む)を使用して、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージについて逆変換処理を実行する。
【0113】
変換処理に使用される変換パラメータは、ONU-Xの物理的アイデンティティのみを含んでよく、または、ONU-Xの物理的アイデンティティだけでなく、1つ以上の変換パラメータも含んでよい。ここにおいて言及される1つ以上の他の変換パラメータは、本出願において限定されるものではない。
【0114】
105. 逆変換処理が成功した場合、ONU-Xは、逆変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージにおいて搬送されたアップストリームリソースグラント指示を抽出し、そして、ONU-Xは、ONU-Xにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、アップストリーム光信号を送信する。
【0115】
そのONU-Xとは異なる他のONU(記述を容易にするためにONU-Yと称される得る)の場合も、また、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを受信することが理解されよう。ONU-Yは、また、変換パラメータ(ONU-Yの物理的アイデンティティを含む)を使用して、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージについて逆変換処理を実行する。変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージの変換パラメータは、ONU-Yの物理的アイデンティティを含んでいないので、ONU-Yは、ONU-Yの物理的アイデンティティを使用してアップストリームグラントメッセージの逆変換処理を実行できない。失敗は、アップストリームグラントメッセージを使用してグラントされたアップストリームリソースがONU-Yに割り当てられていないことを示す。この場合、ONU-Yはアップストリームグラントメッセージを破棄し得る。これは他のONUでも同様である。
【0116】
前出の例示的なソリューションにおいて、OLTは、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを送信し、そして、変換処理に使用される変換パラメータは、ターゲットONU(すなわち、ONU-X、ここで、ターゲットONUは、アップストリームグラントメッセージに応答することをOLTが期待するONUであり、つまり、アップストリームグラントメッセージの有効な受信端である)の物理的アイデンティティを含むことが理解され得る。このようにして、OLTによって送信されるアップストリームグラントメッセージは、暗黙的にターゲットONUの物理的アイデンティティを搬送する。すなわち、アップストリームグラントメッセージとターゲットONUの物理的アイデンティティとの間のインタリーブがある程度実装される。アップストリームグラントメッセージを受信したONUは、同じ物理的アイデンティティを使用して逆変換処理を実行する必要があり、その結果、変換処理が実行されなかったアップストリームグラントメッセージは、逆変換処理を通じて成功裡に復元され得る。ONUの物理的アイデンティティはグローバルに一意であり、かつ、異なるONUは、異なる物理的アイデンティティを有している。加えて、ONUの物理的アイデンティティは、ONUのハードウェアエンティティに関連付けられてよく、かつ、ONUがパワーオフまたはオフラインにされても変更されずに維持される。従って、各ONUは、対応する逆変換処理を通して、ONUに送信されたアップストリームグラントメッセージを成功裡に復元することができるが、対応する逆変換処理を通して、ONUに送信されないアップストリームグラントメッセージを成功裡に復元することはできない。これは、異なるONU間でのアップストリームグラントメッセージの隔離に役立つ。この場合には、もし、ONUが、時間内に、現在ONUに属していないアロケーションIDを解放しなくても、ONUは、現在ONUに属していないアップストリームグラントメッセージに応答しない。別の言葉で言えば、ONUは、ONUに属していないアップストリームグラントメッセージを使用してグラントされたアップストリームリソースを使用しない(なぜなら、ONUに属していないアップストリームグラントメッセージをONUが受信した場合、ONUは、逆変換処理を通じてONUの物理的アイデンティティを使用して、ONUに属していないアップストリームグラントメッセージを成功裡に復元できないからである)。前出のソリューションは、不正なONU現象の発生確率を低減し、かつ、PONシステムのサービス安定性をさらに向上させるのに役立つことが理解され得る。
【0117】
図2-Aは、本出願の一つの実施形態に従った、別のアップストリームリソースグラント方法の概略フローチャートの例である。この実施形態は、主に、共同(joint)チェックエンコーディングのシナリオを対象とする。
【0118】
図2-Aに示される例において、別のアップストリームリソースグラント方法は、以下のステップを含むことができる。
【0119】
201. OLTがONUにアップストリームリソースをグラントする必要がある場合(例えば、説明を容易にするためにONU-Xと表示される)、OLTは、共同してチェックされエンコーディングされた(jointly checked-encoded)アップストリームグラントメッセージを生成する。
【0120】
アップストリームグラントメッセージは、アップストリームリソースをONU-Xにグラントするために使用される。アップストリームグラントメッセージの具体的な名前は、異なるネットワークにおいて異なってよい。例えば、IEEE PONシステムにおいて、アップストリームゲートメッセージは、ゲート(Gate)メッセージである。ITU PONシステムにおいて、アップストリームグラントメッセージは、アロケーション構造(Allocation Structure)メッセージである。別のネットワークにおいて、アップストリームグラントメッセージは、別の名前を有し得る。
【0121】
本出願の実施態様において言及されるアップストリームリソースは、たいてい、アップストリームタイムスロットであり、そして、従って、アップストリームリソースおよびアップストリームタイムスロットは、ときどき、互換的に使用される。
【0122】
アップストリームグラントメッセージは、ONU-Xのアップストリームリソースグラント指示を搬送し、そして、アップストリームリソースグラント指示は、ONU-Xにグラントされたアップストリームリソースを示すために使用される。異なる特定の名前を持つアップストリームグラントメッセージにおいて、アップストリームリソースグラント指示を搬送するフィールドは、異なってよい。例えば、アップストリームグラントメッセージがアロケーション構造メッセージである場合、アップストリームリソースのグラント指示は、アロケーション構造メッセージの開始時間(Start Time)フィールドおよびグラントサイズ(Grant Size)において搬送され得る。例えば、アップストリームグラントメッセージがゲートメッセージである場合、アップストリームリソースグラント指示は、ゲートメッセージのタイムスタンプフィールドで搬送され得る。同じルールが他のネットワークシナリオに対して適用され得る。
【0123】
共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドは、共同チェックパラメータおよびアップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドを使用して、共同チェックエンコーディングを実行することによって具体的に獲得される。共同チェックパラメータは、ONUの物理的アイデンティティを含む。
図2-Bは、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドを獲得するために、共同チェックエンコーディングを実行することの可能な実装を示している。
【0124】
本出願の実施形態で言及されるONUの物理的アイデンティティは、ONUを一意に識別するために使用できる任意の識別子である。例えば、ONUの物理的アイデンティティは、ONUの以下のアイデンティティの1つ以上を含み得る。MACアドレス、デバイスSN、またはキー。
【0125】
本出願のこの実施形態において、OLTは、各ONUの物理的アイデンティティを事前にキャッシュし得る。具体的に、例えば、OLTは、物理的アイデンティティテーブルまたは別のデータ構造における各ONUの物理的アイデンティティをキャッシュすることができる。物理的アイデンティティテーブルの一つの例が
図1-Fに示されている。OLTは、要求に基づいて物理的アイデンティティテーブルから対応するONUの物理的アイデンティティを読み出し、そして、読み出されたONUの物理的アイデンティティを使用して、生成されたアップストリームグラントメッセージに変換処理を実行することができる。
【0126】
202. OLTは、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを送信する。
【0127】
203. ONU-Xは、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを受信する。共同チェックエンコーディングのために使用される共同チェックパラメータは、ONU-Xの物理的アイデンティティを含む。ONU-Xは、ONUの物理的アイデンティティを含む共同チェックパラメータと、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドおよびチェックフィールドとを使用して、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージについて完全性(integrity)チェックを実行する。
【0128】
共同チェックパラメータは、ONU-Xの物理的アイデンティティのみを含んでもよく、または、ONU-Xの物理的アイデンティティだけでなく、1つ以上の他の変換パラメータも含んでよい。ここにおいて言及された1つ以上の他の変換パラメータは、本出願において限定されない。
【0129】
204. 完全性チェックが成功した場合(メッセージの属性チェックが成功したことを示す)、ONU-Xは、アップストリームグラントメッセージにおいて搬送されるアップストリームリソースグラント指示を抽出し、そして、ONU-Xは、アップストリームリソースにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上でアップストリーム光信号を送信する。
【0130】
ONU-Xと異なる他のONU(説明を容易にするためにONU-Yと称され得る)の場合も、また、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを受信することが理解され得る。ONU-Yは、また、共同チェックパラメータ(ONU-Yの物理的アイデンティティを含む)を使用して、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージについて完全性チェックを実行する。共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージの共同チェックパラメータは、ONU-Yの物理的アイデンティティを含まないので、ONU-Yは、ONU-Yの物理的アイデンティティを使用して、アップストリームグラントメッセージの完全性チェックを実行できない。失敗は、アップストリームグラントメッセージを使用してグラントされたアップストリームリソースがONU-Yに割り当てられていないことを示す(メッセージの属性チェックが失敗したことを示す)。この場合、ONU-Yはアップストリームグラントメッセージを破棄し得る。これは、他のONUでも同様である。
【0131】
前出の例示的なソリューションにおいて、OLTは、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを送信し、そして、共同チェックエンコーディングに使用される共同チェックパラメータは、ターゲットONU(すなわち、ターゲットONUがアップストリームグラントメッセージに応答することをOLTが期待するONU、つまり、アップストリームグラントメッセージのホームONU)の物理的アイデンティティを含むことが理解され得る。このようにして、OLTによって送信されるアップストリームグラントメッセージは、暗黙的にターゲットONUの物理的アイデンティティを搬送する。すなわち、アップストリームグラントメッセージとターゲットONUの物理的アイデンティティとの間のインタリーブがある程度実装される。アップストリームグラントメッセージを受信するONUは、完全性チェックが成功するように(成功した完全性チェックは、チェックに属するメッセージが成功することを示す)、同じ物理的アイデンティティを使用してメッセージについて完全性チェックを実行する必要がある。ONUの物理的アイデンティティはグローバルに一意であり、異なるONUは異なる物理的アイデンティティを有している。加えて、ONUの物理的アイデンティティは、たいてい、ONUのハードウェアエンティティに関連付けられ、かつ、ONUがパワーオフまたはオフラインにされても変更されずに維持される。従って、各ONUは、ONUに属しているアップストリームグラントメッセージに対して完全性チェックを成功裡に実行することができるが、ONUに属していないアップストリームグラントメッセージに対して完全性チェックを成功裡に実行することはできない。これは、異なるONU間でのアップストリームグラントメッセージの隔離に役立つ。この場合には、もし、ONUが、時間内に、現在ONUに属していないアロケーションIDを解放しなくても、ONUは、現在ONUに属していないアップストリームグラントメッセージに応答しない。別の言葉で言えば、ONUは、ONUに属していないアップストリームグラントメッセージを使用してグラントされたアップストリームリソースを使用しない(なぜなら、ONUに属していないアップストリームグラントメッセージをONUが受信した場合、ONUは、ONUの物理的アイデンティティを使用して、ONUに属していないアップストリームグラントメッセージの完全性チェックを成功裡に実行できないからである)。前出のソリューションは、不正なONU現象の発生確率を低減し、かつ、PONシステムのサービス安定性をさらに向上させるのに役立つことが理解され得る。
【0132】
以下は、ITU PONシステムおよびIEEE PONシステムといった、異なるアプリケーションシナリオを参照して、さらなる説明を提供するために実施例を使用する。
【0133】
図3-Aは、本出願の一つの実施形態に従った、別のアップストリームリソースグラント方法の概略フローチャートの例である。本実施形態のソリューションは、ITU PONシステムに適用される。この実施形態では、変換処理が特定的にスクランブリング処理であり、かつ、変換処理に使用される変換パラメータが特定的にONUの物理的アイデンティティ(例えば、ONUのデバイスシリアル番号)である一つの例を使用する。他の変換処理方法および他の変換パラメータを使用する事例は、類推によって推定され得る。
【0134】
図3-Aに示される例において、別のアップストリームリソースグラント方法は、以下のステップを含み得る。
【0135】
301. OLTがONU(例えば、説明を容易にするためにONU-Xとして示される)にアップストリームリソースをグラントする必要がある場合、OLTは、アロケーション構造メッセージを生成することができる。
【0136】
アロケーション構造メッセージは、例えば、OLTにおけるMACチップによって生成され得る。アロケーション構造メッセージは、アップストリームリソースグラント指示を搬送し、かつ、アップストリームリソースグラント指示は、ONU-Xにグラントされたアップストリームリソースを示すために使用される。アップストリームリソースグラント指示は、事前設定されたアップストリームリソース割り当てルールに従って、MACチップ内の動的帯域幅割り当て(DBA、dynamic bandwidth assignment)計算ユニットによる計算を通じて生成され得る。
【0137】
本出願のこの実施形態で言及されるアップストリームリソースは、例えば、アップストリームタイムスロットである。
【0138】
図3-Bは、本出願に従った、ITU PONシステムにおけるアプリケーション構造メッセージの具体的な標準フォーマットの一つの例を示している。
図3-Bに示される例示的なフォーマットのアプリケーション構造メッセージにおいて、最初の51ビットは、メッセージのペイロードフィールドであり、そして、最後の13ビットは、メッセージのチェックフィールドである。チェックフィールドは、ペイロードフィールドでチェックエンコーディングを実行することによって生成され、そして、チェックフィールドは、例えば、ハイブリッド誤り訂正(Hybrid Error Correction、HEC)コードを搬送する。チェックフィールドは、アロケーション構造メッセージのペイロードフィールドについて完全性チェックを実行するために、受信端によって使用され得る。ペイロードフィールドにおいて1ビットのエラーコードまたは2ビットのエラーコードが発生していることが判明した場合、チェックフィールドを使用してエラー訂正が実行され得る。これは、送信エラーコードに対するアプリケーション構造メッセージの誤差許容特性を改善することができる。
図3-Cは、アロケーション構造メッセージのペイロードフィールドを獲得するために、アロケーション構造メッセージのペイロードフィールドに対してチェックエンコーディングを実行する一つの例を示す。
【0139】
302. OLTは、スクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージを獲得するために、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用して、生成されたアロケーション構造メッセージについてスクランブリング処理を実行する。
【0140】
例えば、具体的に、スクランブリング処理は、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用して、アロケーション構造メッセージのペイロードフィールドの一部または全部について実行されてよく、または、スクランブリング処理は、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用して、アロケーション構造メッセージのチェックフィールドについて実行されてよく、もしくは、スクランブリング処理は、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用して、アロケーション構造メッセージのチェックフィールドおよびペイロードフィールドの少なくともいくつかについて実行されてよい。
【0141】
図3-Dは、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用して、チェックフィールドおよびアロケーション構造メッセージの全てのペイロードフィールドについてスクランブリング処理を実行する一つの例を示している。
図3-Eは、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用して、チェックフィールドおよびアロケーション構造メッセージのペイロードフィールドについてスクランブリング処理を実行する一つの例を示している。
図3-Fは、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用して、アロケーション構造メッセージの全てのペイロードフィールドについてスクランブリング処理を実行する一つの例を示している。
図3-Gは、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用して、アプリケーション構造メッセージのペイロードフィールドのいくつかについてスクランブリング処理を実行する一つの例を示している。
図3-Hは、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用して、アロケーション構造メッセージのチェックフィールドでスクランブリング処理を実行する一つの例を示している。
【0142】
図3-Iは、ONUの物理的アイデンティティが、特定的にONUの装置SNである一つの例を示している。ITU PONシステムにおいて、ONUのデバイスSNの長さは64バイトであり、かつ、アロケーション構造メッセージの長さも、また、64バイトである。この場合、スクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージを獲得するために、スクランブリング処理は、アプリケーション構造メッセージとONU-XのデバイスSNとの間で、ビット毎の(bitwise)乗算またはビット毎の排他的論理和(exclusive-OR)処理を具体的に実行することであり得る。
図3-Jは、
図3-Iに示されるスクランブル様式に対応するデスクランブル(descrambling)方式の一つの例を示している。
【0143】
加えて、いくつかの可能な実装において、いくつかのブロードキャストアプリケーション構造メッセージがITU PONシステム内に存在し得る。つまり、いくつかのアプリケーション構造メッセージは全てのONUに送信される。この場合、OLTは、ONUの物理的アイデンティティを使用するのではなく、むしろ、合意されたシリアル番号(すなわち、全てのONUに対して既知のシリアル番号)を使用することによって、ブロードキャストアプリケーション構造メッセージをスクランブルすることができる。この場合の特定のスクランブル様式は、
図3-Dおよび
図3-Eに示す実施例における様式と同様であり得る。
図3-Kは、合意されたシリアル番号を使用して、ブロードキャストアプリケーション構造メッセージについてスクランブリング処理を実行する可能な方法の一つの例を示している。
【0144】
例えば、OLTおよびONUは、スクランブリング方法(スクランブル位置およびスクランブルアルゴリズムといったもの)について、デフォルトの方法またはインタラクティブな方法で合意し得る。このようにして、ONUは、スクランブリング方法に対応するデスクランブリング方法で、アプリケーション構造メッセージをデスクランブルすることができる。
【0145】
303. OLTは、スクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージを送信する。
【0146】
304.OLTから送信された、スクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージを受信した後で、ONU-Aは、ONU-Aの物理的アイデンティティを使用して、アロケーション構造メッセージについてデスクランブリング処理を実行する。
【0147】
デスクランブルが成功した場合、ステップ306が実行される。
【0148】
デスクランブルが失敗した場合、ステップ305が実行される。
【0149】
305. ONU-Aは、アロケーション構造メッセージを破棄し得る。
【0150】
306. アロケーション構造メッセージが成功裡に正常にデスクランブルされた場合(つまり、ONU-Aが、デスクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージを獲得するためのデスクランブリング処理を成功裡に実行した場合)、ONU-Aは、デスクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージのチェックフィールド(ハイブリッド誤り訂正(Hybrid Error Correction、HEC)コード)を使用して、デスクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージについて完全性チェックを実行する。デスクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージについて完全性チェックが成功した場合、ONU-Aは、デスクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージからアロケーション識別子(例えば、アロケーションID)およびアップストリームリソースグラント指示を読み出す。デスクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージの完全性チェックに失敗した場合、ONU-Aは、アロケーション構造メッセージを破棄し得る。
【0151】
ONU-Aは、読み出されたアロケーションIDをONU-AによってキャッシュされたアロケーションIDにマッチ(match)させる(ONU-Aが複数のアロケーションIDをキャッシュしている場合、もし、読み出されたアロケーションIDがキャッシュされたアロケーションIDのいずれかと一致すると、それは、読み出されたアロケーションIDがONU-AによってキャッシュされたアロケーションIDと成功裡に一致することを示す)。読み出されたアロケーションIDがONU-AによってキャッシュされたアロケーションIDと成功裡に一致する場合、ONU-Aは、アップストリームリソースグラント指示を使用して示された、グラントされたアップストリームグラントタイムスロットにおけるアップストリーム光信号を送信する。読み出されたアロケーションIDがONU-AによってキャッシュされたアロケーションIDと一致しない場合、ONU-Aはアロケーション構造メッセージを破棄し得る。
【0152】
いくつかの可能な実装において、光ネットワークユニットによってキャッシュされたアロケーションIDは、例えば、別の管理メッセージを使用することにより、事前にOLTによって配信されてよい。例えば、OLTは、各ONUによって所有されるアロケーションIDを、管理メッセージを使用して、サービス要件に基づいて、ONUに配信することができる。各ONUは、OLTによって配信されたアロケーションIDをキャッシュすることができる。1つのONUは、1つ以上のアロケーションIDを有してよい。
【0153】
成功したアロケーションIDマッチングは、メッセージ再チェックの成功とみなされ得る。すなわち、アロケーションIDマッチングメカニズムは、再チェックメカニズムに属するメッセージとしてみなされ得る。再チェックメカニズムは、メッセージ所属精度をさらに改善し、そして、不正ONU現象の発生確率をさらに低減するのに役立つ。確かに、ダブルチェックに属するメッセージが要求されないいくつかのシナリオについては、前出のアロケーションID照合処理が省略され得る。
【0154】
加えて、いくつかのブロードキャストアロケーション構造メッセージが存在し得る場合(すなわち、ブロードキャストアロケーション構造メッセージが、合意されたシリアル番号を使用してスクランブルされている場合)、ONU-Aによって受信されたアロケーション構造メッセージは、ONU-Aの物理的アイデンティティを使用してスクランブルされてよく、または、合意されたシリアル番号を使用してスクランブルされ得る。
【0155】
いくつかの実装においては、ONU-Aがアロケーション構造メッセージを受信した後で、ONU-Aの物理的アイデンティティを使用してアロケーション構造メッセージデスクランブリング処理を実行する前に、ONU-Aは、最初に、合意されたシリアル番号を使用して、アロケーション構造メッセージデスクランブリング処理を実行することができる。デスクランブリングが失敗した場合でも、ONU-Aは、ステップ304を実行する。デスクランブリングが成功した場合、ONU-Aは、ステップ304を実行しなくてよく(すなわち、ステップ304を省略してもよい)、ONU-Aは、合意されたシリアル番号を使用して、成功したデスクランブルを介して獲得されたアロケーション構造メッセージのチェックフィールド(HECコード)を使用することによって、デスクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージについて完全性チェックを直接に実行し得る。デスクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージの完全性チェックが成功した場合、ONU-Aは、デスクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージからアップストリームリソースグラント指示を読み出し、そして、アップストリームリソースグラント指示を使用して示された、グラントされたアップストリームグラントタイムスロットにおいてアップストリーム光信号を送信し得る。
【0156】
他のいくつかの可能な実装において、ONU-Aがアロケーション構造メッセージを受信した場合、ONU-Aの物理的アイデンティティを使用してアロケーション構造メッセージについて実行されたデスクランブリングが失敗した後で、ONU-Aは、合意されたシリアル番号を使用して、アロケーション構造メッセージに対してデスクランブリング処理を実行し得る。デスクランブリングが失敗した場合でも、ONU-Aは、アロケーション構造メッセージを破棄し得る。合意されたシリアル番号を使用して、アロケーション構造メッセージについて実行されたデスクランブルが成功した場合、ONU-Aは、合意されたシリアル番号を使用して成功したデスクランブリングを通じて獲得された、アロケーション構造メッセージのチェックフィールドを使用することによって、デスクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージについて完全性チェックを直接に実行し得る。デスクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージの完全性チェックが成功した場合、ONU-Aは、デスクランブリング処理されたアロケーション構造メッセージからアップストリームリソースグラント指示を読み出し、そして、アップストリームリソースグラント指示を使用して示された、グラントされたアップストリームグラントタイムスロットにおいてアップストリーム光信号を送信し得る。
【0157】
さらに、ブロードキャストアプリケーション構造メッセージは、OLTによって各ONUに送信されるので、OLTは、代替的に、ブロードキャストアプリケーション構造メッセージについてスクランブリングを実行しなくてよい。すなわち、OLTは、スクランブルされていないアプリケーション構造メッセージを送信することができる。この場合、ONUは、ブロードキャストアプリケーション構造メッセージについて関連するデスクランブリング操作を実行する必要はない。
【0158】
前出のソリューションにおいて、OLTは、スクランブリング処理されたアプリケーション構造メッセージを送信し、かつ、スクランブリング処理に使用されるスクランブリングパラメータは、ターゲットONU(すなわち、ONU-X)の物理的アイデンティティを含むことが理解され得る。このようにして、OLTから送信されるアロケーション構造メッセージは、暗黙のうちにターゲットONUの物理的アイデンティティを搬送する。すなわち、アロケーション構造メッセージとターゲットONUの物理的アイデンティティとの間のインタリーブがある程度実装される。アロケーション構造メッセージを受信したONUは、スクランブルされていないアロケーション構造メッセージが、デスクランブリング処理を通じて成功裡に復元できるように、同じ物理的アイデンティティを使用してデスクランブリング処理を実行する必要がある。ONUの物理的アイデンティティは、グローバルに一意であり、そして、異なるONUは、異なる物理的アイデンティティを有している。加えて、ONUの物理的アイデンティティは、たいてい、ONUのハードウェアエンティティに関連付けられ、そして、ONUがパワーオフまたはオフラインにされても変更されずに維持される。従って、各ONUは、対応する逆変換処理を通して、ONUに送信されたアップストリームグラントメッセージを成功裡に復元することができるが、対応するデスクランブリング処理を通して、ONUに送信されないアップストリームグラントメッセージを成功裡に復元することはできない。これは、異なるONU間でのアロケーション構造メッセージの隔離に役立つ。この場合には、もし、ONUが、時間内に、現在ONUに属していないアロケーションIDを解放しなくても、ONUは、現在ONUに属していないアロケーション構造メッセージに応答しない。別の言葉で言えば、ONUは、ONUに属していないアロケーション構造メッセージを使用してグラントされたアップストリームリソースを使用しない。前出のソリューションは、ITU PONシステムにおける不正なONU現象の発生確率を低減し、かつ、ITU PONシステムのサービス安定性をさらに向上させるのに役立つことが理解され得る。
【0159】
図4-Aは、本出願の一つの実施形態に従った、別のアップストリームリソースグラント方法の概略フローチャートの例である。本実施形態のソリューションは、ITU PONシステムに適用される。この実施形態では、変換処理が、特定的にチェックエンコーディング処理であり、かつ、変換処理に使用される変換パラメータが、特定的にONUの物理的アイデンティティ(例えば、ONUのデバイスSN)である、例を使用している。他の変換パラメータが用いられる事例が、類推により推定され得る。
【0160】
401. OLTが、ONU(例えば、説明を容易にするためにONU-Xとして示される)にアップストリームリソースをグラントする必要がある場合、OLTは、アロケーション構造メッセージを生成し得る。
【0161】
アロケーション構造メッセージは、例えば、OLT内のMACチップによって生成され得る。アロケーション構造メッセージは、アップストリームリソースグラント指示を搬送し、そして、アップストリームリソースグラント指示は、ONU-Xにグラントされたアップストリームリソースを示すために使用される。アップストリームリソースグラント指示は、事前設定されたリソース割り当てルールに従って、MACチップ内の動的帯域幅割り当て(dynamic bandwidth assignment、DBA)計算ユニットによる計算を通じて生成され得る。
【0162】
アロケーション構造メッセージのチェックフィールド(HECコード)は、ONU-Xの物理的アイデンティティおよびアロケーション構造メッセージのペイロードフィールドを使用して、共同チェックエンコーディングを実行することによって生成される。
【0163】
図4-Bは、アロケーション構造メッセージのチェックフィールド(HECコード)を生成するために、ONU-Xの物理的アイデンティティおよびアロケーション構造メッセージのペイロードフィールドを使用して、共同チェックエンコーディングを実行する一つの例を示している。
【0164】
加えて、いくつかの可能な実装において、いくつかのブロードキャストのアプリケーション構造メッセージが、ITU PONシステム内に存在し得る。つまり、いくつかのアプリケーション構造メッセージは、全てのONUに送信される。この場合、OLTは、ブロードキャストアロケーション構造メッセージのチェックフィールドを獲得するために、ONUのSNおよびブロードキャストアロケーション構造メッセージのペイロードフィールドを使用するより、むしろ、合意されたシリアル番号(すなわち、全てのONUに既知のシリアル番号)およびブロードキャストアロケーション構造メッセージのペイロードフィールドを使用することによって、共同チェックエンコーディングを実行し得る。
図4-Cは、ブロードキャストアロケーション構造メッセージのチェックフィールドを獲得するために、合意されたシリアル番号およびブロードキャストアロケーション構造メッセージのペイロードフィールドを使用することによって、共同チェックエンコーディングを実行する一つの例を示している。
【0165】
402. OLTは、共同してチェックされエンコーディングされたアプリケーション構造メッセージを送信する。
【0166】
403. 共同してチェックされエンコーディングされたアロケーション構造メッセージを受信した後で、ONU-Aは、アロケーション構造メッセージの物理的アイデンティティ、および、アロケーション構造メッセージのチェックフィールド(HECコード)とペイロードフィールドを使用して、アロケーション構造メッセージについて完全性チェックを実行する。
【0167】
完全性チェックが失敗した場合、ステップ404が実行される。
【0168】
完全性チェックが成功した場合、ステップ405が実行される。
【0169】
404. ONU-Aは、アロケーション構造メッセージを破棄し得る。
【0170】
405. 完全性チェックが成功した場合、ONU-Aは、アロケーション構造メッセージからアップストリームリソースグラント指示およびアロケーション識別子(例えば、アロケーションID)を読み出す。
【0171】
ONU-Aは、読み出されたアロケーションIDをONU-AによってキャッシュされたアロケーションIDにマッチ(match)させる(ONU-Aが複数のアロケーションIDをキャッシュしている場合、もし、読み出されたアロケーションIDがキャッシュされたアロケーションIDのいずれかと一致すると、それは、読み出されたアロケーションIDがONU-AによってキャッシュされたアロケーションIDと成功裡に一致することを示す)。読み出されたアロケーションIDがONU-AによってキャッシュされたアロケーションIDと成功裡に一致する場合、ONU-Aは、アップストリームリソースグラント指示を使用して示された、グラントされたアップストリームグラントタイムスロットにおけるアップストリーム光信号を送信する。読み出されたアロケーションIDがONU-AによってキャッシュされたアロケーションIDと一致しない場合、ONU-Aはアロケーション構造メッセージを破棄し得る。
【0172】
いくつかの可能な実装において、光ネットワークユニットによってキャッシュされたアロケーションIDは、例えば、別の管理メッセージを使用することにより、事前にOLTによって配信されてよい。例えば、OLTは、各ONUによって所有されるアロケーションIDを、管理メッセージを使用して、サービス要件に基づいて、ONUに配信することができる。各ONUは、OLTによって配信されたアロケーションIDをキャッシュすることができる。1つのONUは、1つ以上のアロケーションIDを有してよい。
【0173】
成功したアロケーションIDマッチングは、メッセージ再チェックの成功とみなされ得る。すなわち、アロケーションIDマッチングメカニズムは、再チェックメカニズムに属するメッセージとしてみなされ得る。再チェックメカニズムは、メッセージ所属精度をさらに改善し、そして、不正ONU現象の発生確率をさらに低減するのに役立つ。確かに、ダブルチェックに属するメッセージが要求されないいくつかのシナリオについては、前出のアロケーションID照合処理が省略され得る。
【0174】
加えて、いくつかのブロードキャストアロケーション構造メッセージが存在し得る(すなわち、アロケーション構造メッセージのチェックフィールドを生成するために、ブロードキャストアロケーション構造メッセージの合意されたシリアル番号およびペイロードフィールドを使用して、共同チェックエンコーディングが実行される場合)、ONU-Aによって受信されたアロケーション構造メッセージのチェックフィールドは、ONU-Aの物理的アイデンティティおよびアロケーション構造メッセージのペイロードフィールドを使用して、共同チェックエンコーディングによって獲得されてよく、または、アロケーション構造メッセージの合意されたシリアル番号およびペイロードフィールドを使用して、共同チェックエンコーディングによって獲得され得る。
【0175】
いくつかの可能な実装において、ONU-Aがアロケーション構造メッセージを受信した後で、ONU-Aの物理的アイデンティティ、および、アロケーション構造メッセージのチェックフィールドとペイロードフィールドを使用して、アロケーション構造メッセージについて完全性チェックを実行する前に、ONU-Aは、最初に、アロケーション構造メッセージのチェックフィールドとペイロードフィールド、および、合意されたシリアル番号を使用して、アロケーション構造メッセージの完全性チェックを実行することができる。完全性チェックが失敗した場合でも、ONU-Aは、ステップ403を実行する。完全性チェックが成功した場合、ONU-Aは、ステップ403を実行しなくてよい(すなわち、ステップ403は省略される)、そして、この場合、ONU-Aは、アロケーション構造メッセージからアップストリームリソースグラント指示を読み出し、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示された、グラントされたアップストリームグラントタイムスロットにおいてアップストリーム光信号を送信し得る。
【0176】
他のいくつかの可能な実装において、ONU-Aがアロケーション構造メッセージを受信した場合、ONU-Aの物理的アイデンティティ、および、アロケーション構造メッセージのチェックフィールドとペイロードフィールドを使用しすることによるアロケーション構造メッセージの完全性チェックが失敗した後で、ONU-Aは、さらに、合意されたシリアル番号、および、アロケーション構造メッセージのチェックフィールドとペイロードフィールドを使用してアロケーション構造メッセージの完全性チェック実行することができる。それでも完全性チェックが失敗した場合、ONU-Aは、アロケーション構造メッセージを破棄し得る。完全性チェックが成功した場合、ONU-Aは、アロケーション構造メッセージからアップストリームリソースグラント指示を読み出し、アップストリームリソースグラント指示を使用して示された、グラントされたアップストリームグラントタイムスロットにおいてアップストリーム光信号を送信し得る。
【0177】
さらに、ブロードキャストアプリケーション構造メッセージは、OLTによって各ONUに送信されるので、OLTは、代替的に、ブロードキャストアプリケーション構造メッセージについて共同チェックエンコーディングを実行しなくてよい。すなわち、OLTは、共同チェックエンコーディングが実行されていないアプリケーション構造メッセージを送信することができる。この場合、ブロードキャストアロケーション構造メッセージの完全性チェックを行うときに、ONUは、合意されたシリアル番号を参照する必要はない。
【0178】
前出のソリューションでは、OLTが、共同してチェックされエンコーディングされたアプリケーション構造メッセージを送信し、そして、共同チェックエンコーディングに使用されるパラメータは、ターゲットONUの物理的アイデンティティ(すなわち、ONU-X)を含むことが理解され得る。このようにして、OLTから送信されるアロケーション構造メッセージは、暗黙のうちにターゲットONUの物理的アイデンティティを搬送する。すなわち、アロケーション構造メッセージとターゲットONUの物理的アイデンティティとの間のインタリーブがある程度実装される。アロケーション構造メッセージを受信したONUは、アロケーション構造メッセージの完全性チェックが成功するように、同じ物理的アイデンティティを使用して共同チェックデコーディング処理を実行する必要がある。ONUの物理的アイデンティティはグローバルに一意であり、異なるONUは、異なる物理的アイデンティティを有している。加えて、ONUの物理的アイデンティティは、たいてい、ONUのハードウェアエンティティに関連付けられ、そして、ONUがパワーオフまたはオフラインにされても変更されずに維持される。従って、各ONUは、対応する共同チェックデコーディング処理を通して、ONUに送信されたアロケーション構造メッセージについて完全性チェックを成功裡に実行できるが、対応する共同チェックデコーディング処理を通して、ONUに送信されないアロケーション構造メッセージについて完全性チェックを成功裡に実行することができない。これは、異なるONU間で、各ONUに属するアロケーション構造メッセージを隔離するのに役立つ。この場合には、もし、ONUが、時間内に、現在ONUに属していないアロケーションIDを解放しなくても、ONUは、ONUに属していないアロケーション構造メッセージに応答することはない。別の言葉で言えば、ONUは、(ONUに属していないアロケーション構造メッセージを受信した場合、ONUの物理的アイデンティティを使用して、ONUに属していないアロケーション構造メッセージの完全性チェックを成功裡に実行できない、つまり、アロケーション構造メッセージは、メッセージ所属チェックを成功できないので)ONUに属していないアロケーション構造メッセージを使用して、グラントされたアップストリームリソースを使用することはできない。前出のソリューションは、ITU PONシステムにおける不正なONU現象の発生確率を低減し、かつ、ITU PONシステムのサービス安定性をさらに向上させるのに役立つことが理解され得る。
【0179】
図5-Aは、本出願の一つの実施形態に従った、別のアップストリーム
リソースグラント方法の概略フローチャートの例である。本実施形態の方法は、主にIEEE PONシステム(EPON、10G-EPON、25G-EPONなど)に適用される。別のアップストリーム
リソースグラント方法は、以下のステップを含み得る。
【0180】
501. OLTが、ONU(例えば、説明を容易にするためにONU-Xとして示される)にアップストリームリソースをグラントする必要がある場合、OLTは、ゲートメッセージを生成することができる。
【0181】
ゲートメッセージは、MACチップまたはOLT内の別のチップによって特定的に生成され得る。ゲートメッセージは、アップストリームリソースグラント指示を搬送し、そして、アップストリームリソースグラント指示は、ONU-Xにグラントされたアップストリームリソースを示すために使用される。アップストリームリソースグラント指示は、事前設定されたリソース割り当てルールに従って、MACチップ内の動的帯域幅割り当て(DBA)計算ユニットによる計算を通じて生成され得る。
【0182】
IEEE PONシステムでは、ゲートメッセージを使用して、アップストリームタイムスロットグラントを完了することができる。ゲートメッセージは、マルチポイント制御プロトコル(MPCP、multi-point control protocol)メッセージタイプに属する。MPCPメッセージタイプは、ゲートメッセージおよび他のポイントツーマルチポイント管理メッセージを含んでいる。この実施形態のソリューションは、また、既存のIEEE PONシステムで使用される種々のMPCPメッセージタイプに適用されるように拡張することもできる。以下では、説明のための例として、主にゲートメッセージを使用する。
【0183】
図5-Bは、ゲートメッセージのフォーマットの一つの例を示している。ゲートメッセージは、固定長イーサネットパケットであり、かつ、長さ/タイプフィールドの0x8808によって示され得る。そして、ゲートメッセージの長さは64バイトの固定長である。そのうち40バイトは、メッセージコンテンツフィールドおよびパディングフィールド(
図5-Bにおけるデータ/リザーブ/パッドフィールド)を示している。最後の4バイトはチェックフィールドを示し、そして、チェックフィールドは、例えば、フレームチェックシーケンス(FCS、frame check sequence)を搬送する。チェックフィールドは、イーサネットパケットの完全性をチェックするために使用され得る。
図5-Cは、ゲートメッセージのペイロードフィールドを獲得するために、ゲートメッセージのペイロードフィールドに対してチェックエンコーディングを実行する例を示している。ゲートメッセージのタイムスタンプフィールドは、アップストリームリソースグラント指示を搬送するために使用され得る。
【0184】
502. OLTは、スクランブリング処理されたゲートメッセージを獲得するために、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用して、ゲートメッセージについてスクランブリング処理を実行する。
【0185】
具体的には、例えば、スクランブリング処理は、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用してゲートメッセージのペイロードフィールドの一部または全部について実行されてよく、スクランブリング処理は、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用して、ゲートメッセージのチェックフィールドについて実行されてよく、もしくは、スクランブリング処理は、ONU-Xの物理的アイデンティティを使用して、ゲートメッセージのチェックフィールドおよびペイロードフィールドの少なくともいくつかについて実行されてよい。
【0186】
同様な効果は、また、
図3-Aに対応する実施形態におけるものと同様のスクランブリング方法を使用することによって、IEEE PONシステムにおいても達成され得る。特定のスクランブリング方法については、
図5-Dから
図5-Gまでを参照のこと。
【0187】
図5-Dは、ONUの物理的アイデンティティを使用することによって、ゲートメッセージのいくつかのペイロードフィールド(例えば、タイムスタンプフィールドを含む)についてスクランブリング処理を実行する例を示している。
図5-Eは、ONUの物理的アイデンティティを使用することによって、ゲートメッセージの全てのペイロードフィールドについてスクランブリング処理を実行する例を示している。
図5-Fは、ONUの物理的アイデンティティを使用して、ゲートメッセージのチェックフィールド(例えば、FCS)についてスクランブリング処理を実行する例を示している。
図5-Gは、ONUの物理的アイデンティティを使用して、ゲートメッセージのチェックフィールドおよびペイロードフィールドについてスクランブリング処理を実行する例を示している。
【0188】
いくつかの可能な実装においては、いくつかのブロードキャストゲートメッセージがPONシステム内に存在する。つまり、いくつかのゲートメッセージは全てのONUに送信される。この場合、OLTは、ONUの物理的アイデンティティを使用するのではなく、むしろ、合意されたシリアル番号(すなわち、全てのONUに既知のシリアル番号)を使用することによって、ブロードキャストゲートメッセージをスクランブルすることができる。この事例における特定のスクランブリング方法は、
図5-Dから
図5-Gまでに示す実施例における方法と同様である。
図5-Hは、合意されたシリアル番号を使用して、ブロードキャストゲートメッセージに対してスクランブリングを実行する可能な方法の例を示している。
【0189】
例えば、OLTおよびONUは、スクランブリング方法(スクランブリング位置およびスクランブリングアルゴリズムといったもの)について、デフォルトの方法またはインタラクティブな方法で合意し得る。このようにして、ONUは、スクランブリング方法に対応するデスクランブリング方法でゲートメッセージをデスクランブルすることができる。
【0190】
503. OLTは、スクランブリング処理されたゲートメッセージを送信する。
【0191】
504. ONU-Aは、OLTによって送信されたスクランブリング処理されたゲートメッセージを受信し、ゲートメッセージのプリアンブルにおいて搬送される論理リンク識別子(LLID、logical link identifier)を読み出し、そして、ゲートメッセージのプリアンブルにおいて搬送されるLLIDをONU-AによってキャッシュされたLLIDとマッチングさせる。
【0192】
マッチングが成功した場合、ステップ505が実行される。
【0193】
マッチングが失敗した場合、ステップ506が実行される。
【0194】
505. ONU-Aは、ONU-Aの物理的アイデンティティを使用して、ゲートメッセージにおいてデスクランブリング処理を実行する。
【0195】
デスクランブリングが成功した場合、ステップ507が実行される。
【0196】
デスクランブリングが失敗した場合、ステップ506が実行される。
【0197】
506. ONU-Aは、ゲートメッセージを破棄し得る。
【0198】
507. ゲートメッセージのデスクランブリングが成功した場合、ONU-Aは、デスクランブリング処理されたゲートメッセージのチェックフィールド(例えば、FCS)を使用して、デスクランブリング処理されたゲートメッセージについて完全性チェックを実行することができる。デスクランブリング処理されたゲートメッセージの完全性チェックが成功した場合、ONU-Aは、デスクランブリング処理されたゲートメッセージからアップストリームリソースグラント指示を読み出し、そして、読み出されたアップストリームリソースグラント指示を使用して示されたアップストリームグラントタイムスロットにおいてアップストリーム光信号を送信する。
【0199】
前出の説明は、LLIDマッチングが最初に実行され、そして、次いで、完全性チェックが実行される例を使用していることが理解され得る。実際の製品実装の最中には、完全性チェックが最初に実行され、そして、次いで、LLIDマッチングが実行され得る。ここにおいて、詳細は説明されない。
【0200】
いくつかの可能な実装において、光ネットワークユニットによってキャッシュされたLLIDは、例えば、別の管理メッセージを使用することにより、事前にOLTによって配信され得る。例えば、OLTは、各ONUによって所有されるLLIDを、管理メッセージを使用して、サービス要件に基づいて、ONUに配信し得る。各ONUは、OLTによって配信されたLLIDをキャッシュし得る。1つのONUは、1つ以上のLLIDを有し得る。
【0201】
成功したLLIDマッチングは、メッセージ再チェックの成功と見なされてよい。つまり、LLIDマッチングメカニズムは、再マッチングメカニズムに属するメッセージとして見なされ得る。再チェックメカニズムは、メッセージ所属精度をさらに改善し、そして、不正なONU現象の発生確率をさらに低減するのに役立つ。確かに、ダブルチェックに属するメッセージが要求されないいくつかのシナリオにおいては、前出のLLIDマッチング処理が省略され得る。
【0202】
加えて、ブロードキャストゲートメッセージが存在し得る場合(すなわち、合意されたシリアル番号を使用することにより、ブロードキャストゲートメッセージがスクランブルされた場合)、ONU-Aによって受信されたゲートメッセージは、ONU-Aの物理的アイデンティティを使用してスクランブルされ、または、合意されたシリアル番号を使用してスクランブルされ得る。
【0203】
いくつかの可能な実装において、ONU-Aがゲートメッセージを受信した後、ONU-Aの物理的アイデンティティを使用してゲートメッセージのデスクランブリング処理を実行する前に(ステップ505が実行される前に)、ONU-Aは、最初に、合意されたシリアル番号を使用して、ゲートメッセージについてデスクランブリング処理を実行し得る。デスクランブリングが失敗した場合でも、ONU-Aは、ステップ505を実行する。デスクランブルが成功した場合、ONU-Aは、ステップ505を実行しなくてよく(ステップ505は省略され得る)、そして、ONU-Aは、合意されたシリアル番号を使用することにより、成功したデスクランブリングを通じて獲得されたゲートメッセージのチェックフィールド(HECコード)を使用することによって、デスクランブリング処理されたゲートメッセージについて完全性チェックを直接的に実行し得る。デスクランブリング処理されたゲートメッセージの完全性チェックが成功した場合、ONU-Aは、デスクランブリング処理されたゲートメッセージからアップストリームリソースグラント指示を読み出し、そして、アップストリームリソースグラント指示を使用して示されるグラントされたアップストリームグラントタイムスロットにおいてアップストリーム光信号を送信し得る。
【0204】
他のいくつかの可能な実装において、ONU-Aがゲートメッセージを受信した場合、ONU-Aの物理的アイデンティティを使用してゲートメッセージについて実行されたデスクランブリング処理が失敗した後で、ONU-Aは、合意されたシリアル番号を使用してゲートメッセージについてデスクランブリング処理を実行する。デスクランブリングが失敗した場合、ONU-Aは、ゲートメッセージを破棄し得る。デスクランブルが成功した場合、ONU-Aは、合意されたシリアル番号を使用してデスクランブルが成功した場合に獲得されるゲートメッセージのチェックフィールド(HECコード)を使用することにより、デスクランブリング処理されたゲートメッセージについて完全性チェックを直接的に実行し得る。デスクランブリング処理されたゲートメッセージの完全性チェックが成功した場合、ONU-Aは、デスクランブリング処理されたゲートメッセージからアップストリームリソースグラント指示を読み出し、そして、アップストリームリソースグラント指示を使用して示されるグラントされたアップストリームグラントタイムスロットにおいてアップストリーム光信号を送信し得る。
【0205】
さらに、ブロードキャストゲートメッセージは、OLTによって各ONUに送信されるので、OLTは、ブロードキャストゲートメッセージに対していかなるスクランブリングも実行しない。すなわち、OLTは、非スクランブル(unscrambled)ゲートメッセージを送信し得る。この場合、ONUは、ブロードキャストゲートメッセージに対して関連するデスクランブリング操作を実行する必要はない。
【0206】
前出のソリューションでは、OLTが、スクランブリング処理されたゲートメッセージを送信し、そして、スクランブリング処理のために使用されるスクランブリングパラメータは、ターゲットONU(すなわち、ONU-X)の物理的アイデンティティを含むことが理解され得る。このようにして、OLTによって送信されたゲートメッセージは、ターゲットONUの物理的アイデンティティを暗黙的に搬送する。すなわち、ゲートメッセージとターゲットONUの物理的アイデンティティとの間のインタリーブが、ある程度まで実装されている。ゲートメッセージを受信するONUは、非スクランブルゲートメッセージがデスクランブリング処理を通じて成功裡に復元できるように、同じ物理的アイデンティティを使用することによって、デスクランブリング処理を実行する必要がある。ONUの物理的アイデンティティはグローバルに一意であり、異なるONUは、異なる物理的アイデンティティを有している。加えて、ONUの物理的アイデンティティは、たいてい、ONUのハードウェアエンティティに関連付けられ、そして、ONUがパワーオフまたはオフラインにされても変更されずに維持される。従って、各ONUは、対応するデスクランブリング処理を通じて、ONUに送信されたゲートメッセージを成功裡に復元することができるが、対応するデスクランブリング処理を通じて、ONUに送信されなかったゲートメッセージを成功裡に復元することができない。これは、異なるONU間でのアロケーション構造メッセージの分離に役立つ。この場合には、もし、ONUが、時間内に、現在ONUに属していないLLIDを解放しなくても、ONUは、ONUに属していないゲートメッセージに応答することはない。別の言葉で言えば、ONUは、ONUに属していないゲートメッセージを使用してグラントされたアップストリームリソースを使用しない(ゲートメッセージは、チェックに属するメッセージにおいて承継できないからである)。前出のソリューションは、IEEE PONシステムにおける不正なONU現象の発生確率を低減し、そして、IEEE PONシステムのサービス安定性をさらに向上させるのに役立つことが理解され得る。
【0207】
図6-Aは、本出願の一つの実施形態に従った、別のアップストリーム
リソースグラント方法の概略フローチャートの例である。本実施形態の方法は、主にIEEE PONシステム(EPON、10G-EPON、25G-EPONといったもの)に適用される。別のアップストリーム
リソースグラント方法は、以下のステップを含み得る。
【0208】
601. OLTが、ONU(例えば、記述を容易にするためにONU-X)にアップストリームリソースをグラントする必要がある場合、OLTは、ゲートメッセージを生成することができる。
【0209】
ゲートメッセージは、OLT内のMACチップによって特定的に生成され得る。ゲートメッセージに含まれるグラントコンテンツは、事前設定されたルールに従って、MACチップ内の動的帯域幅割り当て(DBA)計算ユニットによる計算を通じて生成され得る。
【0210】
IEEE PONシステムでは、MPCPメッセージタイプに属するゲートメッセージを使用することにより、アップストリームタイムスロットグラントを完了することができる。MPCPメッセージタイプは、ゲートメッセージ、および、他のポイントツーマルチポイント管理メッセージを含んでいる。この実施形態のソリューションは、また、既存のIEEE PONシステムで使用される全てのMPCPメッセージタイプに適用されるように拡張することもできる。以下では、説明のための例として、主にゲートメッセージを使用する。
【0211】
ゲートメッセージのチェックフィールド(FCS)は、ONU-Xの物理的アイデンティティおよびゲートメッセージのペイロードフィールドを使用することにより、共同チェックエンコーディングを実行することによって生成される。
【0212】
図6-Bは、ゲートメッセージのチェックフィールド(FCS)を生成するために、ONU-Xの物理的アイデンティティおよびゲートメッセージのペイロードフィールドを使用して、共同チェックエンコーディングを実行する例を示している。
【0213】
加えて、いくつかの可能な実装においては、いくつかのブロードキャストゲートメッセージがITU PONシステムに存在し得る。つまり、いくつかのゲートメッセージは、全てのONUに送信される。この場合、OLTは、ブロードキャストゲートメッセージのチェックフィールドを獲得するために、ONUの物理的アイデンティティおよびブロードキャストゲートメッセージのペイロードフィールドを使用するのではなく、むしる、合意されたシリアル番号(すなわち、全てのONUに既知のシリアル番号)およびブロードキャストゲートメッセージのペイロードフィールドを使用することによって、共同チェックエンコーディングを実行し得る。
図6-Cは、ブロードキャストゲートメッセージのチェックフィールドを獲得するために、合意されたシリアル番号およびブロードキャストゲートメッセージのペイロードフィールドを使用することによって、共同チェックエンコーディングを実行する例を示している。
【0214】
602. OLTは、共同してチェックされエンコーディングされたゲートメッセージを送信する。
【0215】
603. ONU-Aは、OLTから送信された、共同してチェックされエンコーディングされたゲートメッセージを受信し、ゲートメッセージのプリアンブルにおいて搬送された論理リンク識別子(LLID)を読み出し、そして、ゲートメッセージのプリアンブルにおいて搬送されたLLIDをONU-AによってキャッシュされたLLIDとマッチングさせる。
【0216】
マッチングが成功した場合、ステップ604が実行される。
【0217】
マッチングが失敗した場合、ステップ605が実行される。
【0218】
604. ONU-Aは、ONU-Aの物理的アイデンティティおよびゲートメッセージのチェックフィールド(FCS)を使用して、ゲートメッセージについて完全性チェックを実行する。
【0219】
完全性チェックが失敗した場合、ステップ605が実行される。
【0220】
完全性チェックが成功した場合、ステップ606が実行される。
【0221】
605. ONU-Aは、ゲートメッセージを破棄し得る。
【0222】
606. ゲートメッセージの完全性チェックが成功した場合、ONU-Aは、ゲートメッセージからアップストリームリソースグラント指示を読み出し、そして、アップストリームリソースグラント指示を使用して示されたアップストリームグラントタイムスロットにおいてアップストリーム光信号を送信する。
【0223】
前出の説明は、LLIDマッチングが最初に実行され、そして、次いで、完全性チェックが実行される例を使用していることが理解され得る。実際の製品実装の最中には、完全性チェックが最初に実行され、そして、次いで、LLIDマッチングが実行され得る。ここにおいて、詳細は説明されない。
【0224】
いくつかの可能な実装において、光ネットワークユニットによってキャッシュされたLLIDは、例えば、別の管理メッセージを使用することにより、事前にOLTによって配信され得る。例えば、OLTは、各ONUによって所有されるLLIDを、管理メッセージを使用して、サービス要件に基づいて、ONUに配信し得る。各ONUは、OLTによって配信されたLLIDをキャッシュし得る。1つのONUは、1つ以上のLLIDを有し得る。
【0225】
成功したLLIDマッチングは、メッセージ再チェックの成功と見なされてよい。つまり、LLIDマッチングメカニズムは、再マッチングメカニズムに属するメッセージとして見なされ得る。再チェックメカニズムは、メッセージ所属精度をさらに改善し、そして、不正なONU現象の発生確率をさらに低減するのに役立つ。確かに、ダブルチェックに属するメッセージが要求されないいくつかのシナリオにおいては、前出のLLIDマッチング処理が省略され得る。
【0226】
加えて、いくつかのブロードキャストゲートメッセージが存し得る場合(すなわち、ゲートメッセージのチェックフィールドを生成するために、合意されたシリアル番号およびゲートメッセージのペイロードフィールドを使用することにより、共同チェックエンコーディングが実行され得る)、ONU-Aによって受信されたゲートメッセージのチェックフィールドは、ONU-Aの物理的アイデンティティおよびゲートメッセージのペイロードフィールドを使用することによって、共同チェックエンコーディングによって獲得され、または、合意されたシリアル番号およびゲートメッセージのペイロードフィールドを使用することによって、共同チェックエンコーディングを通じて獲得され得る。
【0227】
いくつかの可能な実装において、ONU-Aがゲートメッセージを受信した後、ONU-Aの物理的アイデンティティおよびゲートメッセージのチェックフィールドを使用してゲートメッセージの完全性チェックを実行する前に、ONU-Aは、最初に、合意されたシリアル番号およびゲートメッセージのチェックフィールドを使用して、ゲートメッセージの完全性チェックを実行し得る。完全性チェックが失敗した場合、ONU-Aは、ステップ604を実行する。完全性チェックが成功した場合、ONU-Aは、ステップ604を実行しなくてよく(すなわち、ステップ604は省略され得る)。そして、この場合、ONU-Aは、ゲートメッセージからアップストリームリソースグラント指示を読み出し、そして、アップストリームリソースグラント指示を使用して示されるグラントされたアップストリームグラントタイムスロットにおいてアップストリーム光信号を送信し得る。
【0228】
他のいくつかの可能な実装において、ONU-Aがゲートメッセージを受信した場合、ONU-Aの物理的アイデンティティおよびゲートメッセージのチェックフィールドを使用してゲートメッセージについて行われた完全性チェックが失敗した後で、ONU-Aは、さらに、合意されたシリアル番号およびゲートメッセージのチェックフィールドを使用して、ゲートメッセージについて完全性チェックを実行し得る。それでも完全性チェックが失敗した場合、ONU-Aは、ゲートメッセージを破棄し得る。完全性チェックが成功した場合、ONU-Aは、ゲートメッセージからアップストリームリソースグラント指示を読み出し、アップストリームリソースグラント指示を使用して示されるグラントされたアップストリームグラントタイムスロットにおいてアップストリーム光信号を送信し得る。
【0229】
さらに、ブロードキャストゲートメッセージは、OLTによって各ONUに送信されるので、OLTは、代替的に、ブロードキャストゲートメッセージについて共同チェックエンコーディングを実行しなくてよい。すなわち、OLTは、共同チェックエンコーディングが実行されていないゲートメッセージを送信し得る。この場合、ブロードキャストゲートメッセージの完全性チェックを実行するとき、ONUは、合意されたシリアル番号を参照する必要がない。
【0230】
前出のソリューションでは、OLTは、共同してチェックされエンコーディングされたゲートメッセージを送信し、そして、共同チェックエンコーディングに使用されるパラメータは、ターゲットONU(すなわち、ONU-X)の物理的アイデンティティを含むことが理解される。このようにして、OLTによって送信されたゲートメッセージは、ターゲットONUの物理的アイデンティティを暗黙的に搬送する。すなわち、ゲートメッセージとターゲットONUの物理的アイデンティティとの間のインタリーブが、ある程度まで実装されている。ゲートメッセージを受信したONUは、ゲートメッセージの完全性チェックが成功するように、同じ物理的アイデンティティを使用することによって、共同チェックデコーディングを実行する必要がある。ONUの物理的アイデンティティはグローバルに一意であり、異なるONUは、異なる物理的アイデンティティを有している。加えて、ONUの物理的アイデンティティは、ONUのハードウェアエンティティに関連付けられ、そして、ONUがパワーオフまたはオフラインにされても変更されずに維持される。従って、各ONUは、対応する共同チェックデコーディング処理を通して、ONUに送信されたゲートメッセージに対して完全性チェックを成功裡に実行することができるが、対応する共同チェックデコーディング処理を通して、ONUに送信されないゲートメッセージに対して完全性チェックを成功裡に実行することはできない。これは、異なるONU間で、それぞれのONUに属するゲートメッセージを隔離するのに役立つ。この場合には、もし、ONUが、時間内に、現在ONUに属していないLLIDを解放しなくても、ONUは、ONUに属していないゲートメッセージに応答することはない。別の言葉で言えば、ONUは、ONUに属していないゲートメッセージを受信した場合、ONUに属していないゲートメッセージに対して、ONUの物理的アイデンティティを使用して完全性チェックを行うことができないため、ONUに属していないゲートメッセージを使用してグラントされたアップストリームリソースを使用しない(ONUに属していないゲートメッセージをONUが受信した場合、ONUは、物理的アイデンティティを使用することにより、ONUに属していないゲートメッセージについて完全性チェックを成功裡に実行することができない、つまり、ゲートメッセージがチェックに属するメッセージにおいて承継できないからである)。前出の例示的なソリューションは、IEEE PONシステムにおける不正なONU現象の発生確率を低減し、そして、IEEE PONシステムのサービス安定性をさらに改善するのに役立つことが理解され得る。
【0231】
以下は、実施例を使用することによって、いくつかのデバイスの実施形態をさらに提供する。
【0232】
図7を参照する。本出願の一つの実施形態は、光回線終端装置(optical line terminal)700を提供する。光回線終端装置700は、生成ユニット710および通信ユニット720を含む。
【0233】
生成ユニット710は、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを生成するように構成されている。ここで、変換処理に使用される変換パラメータは、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む。
【0234】
変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージについて、変換パラメータを使用して、逆変換処理が実行され、その結果、変換処理が実行されていないアップストリームグラントメッセージが復元され得る。
【0235】
通信ユニット720は、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを送信するように構成されている。ここで、アップストリームグラントメッセージは、光ネットワークユニットのアップストリームリソースグラント指示を搬送し、そして、アップストリームリソースグラント指示は、光ネットワークユニットにグラントされたアップストリームリソースを示すために使用される。
【0236】
例えば、変換処理は、変換パラメータを使用して、アップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドについて実行され、または、変換処理は、変換パラメータを使用して、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドについて実行される。もしくは、変換処理は、変換パラメータを使用して、アップストリームグラントメッセージのチェックフィールドおよび少なくともいくつかのペイロードフィールドについて実行される。
【0237】
例えば、変換処理は、スクランブリング処理、及び/又は、暗号化処理を含む。スクランブリング処理に対応する逆変換処理は、デスクランブリング処理であり、そして、暗号化(encryption)処理に対応する逆変換処理は、復号(decryption)処理である。
【0238】
例えば、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティは、光ネットワークユニットに係る以下のアイデンティティのうち1つ以上を含む。装置のシリアル番号、メディアアクセス制御アドレス(MAC address)、またはキー、である。
【0239】
例えば、アップストリームグラントメッセージは、ゲートメッセージまたはアロケーション構造(Allocation Structure)メッセージである。
【0240】
光回線終端装置700における関連モジュールの機能の具体的な実装詳細については、
図1-E、
図3-A、または
図5-Aにおける例示的なソリューションにおける関連する光回線終端装置の関連説明を参照のこと。詳細は、ここにおいて再度説明されない。
【0241】
図8を参照する。本出願の一つの実施形態は、光回線終端装置700を提供する。光回線終端装置800は、生成ユニット810および通信ユニット820を含む。
【0242】
生成ユニット810は、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを生成するように構成されている。ここで、共同チェックパラメータおよびアップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドを使用して共同チェックエンコーディングを実行することによって、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドが獲得される。そして、共同チェックパラメータは、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む。
【0243】
通信ユニット820は、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを送信するように構成されている。ここで、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージは、光ネットワークユニットのアップストリームリソースグラント指示を搬送し、そして、アップストリームリソースグラント指示は、光ネットワークユニットにグラントされたアップストリームリソースを示すために使用される。
【0244】
例えば、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティは、光ネットワークユニットに係る以下のアイデンティティのうち1つ以上を含む。装置のシリアル番号、メディアアクセス制御アドレス(MAC address)、またはキー、である。例えば、アップストリームグラントメッセージは、ゲートメッセージまたはアロケーション構造(Allocation Structure)メッセージである。
【0245】
光回線終端装置800における関連モジュールの機能の具体的な実装詳細については、
図2-A、
図4-A、または
図6-Aにおける例示的なソリューションにおける関連する光回線終端装置の関連説明を参照のこと。詳細は、ここにおいて再度説明されない。
【0246】
図9を参照する。本出願の一つの実施形態は、光回線終端装置900を提供する。光回線終端装置900は、光モジュール910、および、光モジュール910に結合されたプロセッサ及び/又はMACチップ920を含み得る。プロセッサ及び/又はMACチップ920は、光回線終端装置によって実行され、本出願の実施形態において提供される任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実行するように構成されている。
【0247】
代替的に、プロセッサは、メモリに保管されたコンピュータプログラムを呼び出し、光回線終端装置によって実行され、かつ、本出願の実施形態である、任意の方法のいくつかまたは全てのステップを完了することができる。
【0248】
プロセッサは、また、中央処理装置(CPU、central processing unit)とも称される。特定のアプリケーションにおいて、光回線終端装置900のコンポーネントは、例えば、バスシステムを介して相互に結合されている。データバスに加えて、バスシステムは、さらに、電力バス、制御バス、ステータス信号バス、等を含み得る。プロセッサは、集積回路チップであってよく、そして、信号処理能力を有する。いくつかの実装プロセスにおいて、前出の方法のいくつかまたは全てのステップは、プロセッサ内のハードウェアの集積論理回路を使用することにより、または、ソフトウェアの形式の命令を使用することによって、実装することができる。プロセッサは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイまたは他のプログラマブル論理デバイス、個別(discrete)ゲートまたはトランジスタ論理デバイス、もしくは、個別ハードウェアコンポーネントであり得る。プロセッサは、本出願の実施形態において開示される方法、ステップ、および論理ブロック図を実装または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってよく、または、プロセッサは、任意の従来のプロセッサであってよい、など。本出願の実施形態において開示される方法のステップは、ハードウェアデコーディングプロセッサによって直接的に実行され、かつ、完了されてよく、または、デコーディングプロセッサ内のハードウェアとソフトウェアモジュールとの組み合わせを使用して実行され、かつ、完了され得る。ソフトウェアモジュールは、当該技術分野における成熟したストレージ媒体に置かれてよい。ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ、プログラマブル・リードオンリーメモリ、電気的に消去可能なプログラマブル・メモリ、またはレジスタ、といったものである。ストレージ媒体は、メモリ内に配置される。例えば、プロセッサは、メモリから情報を読み出し、そして、プロセッサのハードウェアとの組み合わせにおいて、前出の方法のいくつかまたは全てのステップを完了することができる。
【0249】
図10を参照する。本出願の一つの実施形態は、光ネットワークユニット1000を提供する。光ネットワークユニット1000は、通信ユニット1010および逆変換ユニット1020を含む。
【0250】
通信ユニット1010は、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージを受信するように構成されている。ここで、変換処理に使用される変換パラメータは、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む。
【0251】
逆変換ユニット1020は、変換パラメータを使用して、変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージについて逆変換処理を実行するように構成されている。
【0252】
通信ユニット1010は、さらに、逆変換処理が成功した場合、逆変換処理が実行されたアップストリームグラントメッセージにおいて搬送されたアップストリームリソースグラント指示を抽出し、かつ、光ネットワークユニットにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で光信号を送信するように構成されている。
【0253】
例えば、変換処理は、変換パラメータを使用してアップストリームグラントメッセージの少なくともいくつかのペイロードフィールドについて実行され、または、変換処理は、変換パラメータを使用してアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドについて実行され、もしくは、変換処理は、変換パラメータを使用してアップストリームグラントメッセージのチェックフィールドおよび少なくともいくつかのペイロードフィールドについて実行される。
【0254】
例えば、変換処理は、スクランブリング処理及び/又は暗号化処理を含む。
【0255】
例えば、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティは、光ネットワークユニットに係る以下のアイデンティティのうち1つ以上を含む。装置のシリアル番号、メディアアクセス制御アドレス、またはキー、である。
【0256】
例えば、アップストリームゲートメッセージ、アロケーション構造(Allocation Structure)メッセージ、または、別のアップストリームグラントメッセージである。
【0257】
例えば、光ネットワークユニット1000は、さらに、マッチングユニット1030を含む。
【0258】
アップストリームグラントメッセージがゲートメッセージである場合、マッチングユニット1030は、アップストリームリソースにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、通信ユニットが、アップストリーム光信号を送信する前に、光ネットワークユニットによってキャッシュされた論理リンク識別子(LLID)が、ゲートメッセージのプリアンブルにおいて搬送されたLLIDと成功裡に一致することを決定するように構成されている。
【0259】
別の例では、アップストリームグラントメッセージがアプリケーション構造メッセージである場合、マッチングユニット1030は、光ネットワークユニットにグラントされ、かつ、アップストリームグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、通信ユニットが、アップストリーム光信号を送信する前に、光ネットワークユニットによってキャッシュされたアロケーションID(Allocation-ID)が、アプリケーション構造メッセージにおいて搬送されたアロケーションIDと成功裡に一致することを決定するように構成されている。
【0260】
光ネットワークユニット1000における関連モジュールの機能の具体的な実装詳細については、
図1-E、
図3-A、または
図5-Aにおける例示的なソリューションにおける関連する光ネットワークユニットの関連説明を参照のこと。詳細は、ここにおいて再度説明されない。
【0261】
図11を参照する。本出願の一つの実施形態は、光ネットワークユニット1100を提供する。光ネットワークユニット1100は、通信ユニット1110およびチェックユニット1120を含む。
【0262】
通信ユニット1110は、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージを受信するように構成されている。ここで、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージは、共同チェックパラメータおよびアップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドを使用して共同チェックエンコーディングを実行することによって獲得され、そして、共同チェックパラメータは、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含んでいる。
【0263】
チェックユニット1120は、光ネットワークユニットの物理的アイデンティティを含む共同チェックパラメータ、および、受信した共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージのペイロードフィールドとチェックフィールドを使用して、共同してチェックされエンコーディングされたアップストリームグラントメッセージについて完全性チェックを実行するように構成されている。
【0264】
通信ユニット1110は、さらに、完全性チェックが成功した場合、アップストリームグラントメッセージにおいて搬送されたアップストリームリソースグラント指示を抽出し、そして、光ネットワークユニットにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、アップストリーム光信号を送信するように構成されている。
【0265】
例えば、光ネットワークユニット1100は、さらに、マッチングユニット1130を含む。
【0266】
アップストリームグラントメッセージがゲートメッセージである場合、マッチングユニット1130は、光ネットワークユニットにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、通信ユニットが、アップストリーム光信号を送信する前に、光ネットワークユニットによってキャッシュされた論理リンク識別子(LLID)が、ゲートメッセージのプリアンブルにおいて搬送されたLLIDと成功裡に一致することを決定するように構成されている。
【0267】
別の例では、アップストリームグラントメッセージがアプリケーション構造メッセージである場合、マッチングユニット1130は、光ネットワークユニットにグラントされ、かつ、アップストリームリソースグラント指示を使用して示される、アップストリームリソース上で、通信ユニットが、アップストリーム光信号を送信する前に、光ネットワークユニットによってキャッシュされたアロケーションID(Allocation-ID)が、アプリケーション構造メッセージにおいて搬送されたアロケーションIDと成功裡に一致することを決定するように構成されている。
【0268】
光ネットワークユニット1100における関連モジュールの機能の具体的な実装詳細については、
図2-A、
図4-A、または
図6-Aにおける例示的なソリューションにおける関連する光ネットワークユニットの関連説明を参照のこと。詳細は、ここにおいて再度説明されない。
【0269】
図12を参照する。本出願の一つの実施形態は、光ネットワークユニット1200を提供する。光ネットワークユニット1200は、光モジュール1210、および、光モジュール1210に結合されたプロセッサ及び/又はMACチップ1220を含み得る。プロセッサ及び/又はMACチップ1220は、光ネットワークユニットによって実行され、本出願の実施形態において提供される任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実行するように構成されている。
【0270】
図13を参照する。本出願の一つの実施形態は、受動光ネットワークを提供する。受動光ネットワークは、光回線終端装置1310および光ネットワークユニット1320を含み得る。光回線終端装置1310は、光回線終端装置によって実行され、かつ、本出願の実施形態で提供される、任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実行するように構成され得る。光ネットワークユニット1320は、光ネットワークユニットによって実行され、かつ、本出願の実施形態で提供される、任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実行するように構成され得る。
【0271】
本出願の一つの実施形態は、コンピュータ読取り可能な記憶媒体を提供する。コンピュータ読取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを保管する。コンピュータプログラムがハードウェアによって実行される場合、光回線終端装置によって実行され、かつ、本出願の実施形態で提供される、任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実施することができる。
【0272】
本出願の一つの実施形態は、コンピュータ読取り可能な記憶媒体を提供する。コンピュータ読取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを保管する。コンピュータプログラムがハードウェアによって実行される場合、光ネットワークユニットによって実行され、かつ、本出願の実施形態において提供される、任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実施することができる。
【0273】
本出願の一つの実施形態は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラムがハードウェアによって実行される場合、光回線終端装置によって実行され、かつ、本出願の実施形態において提供される、任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実施することができる。
【0274】
本出願の一つの実施形態は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラムがハードウェアによって実行される場合、光ネットワークユニットによって実行され、かつ、本出願の実施形態において提供される、任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実施することができる。
【0275】
本出願の一つの実施形態は、さらに、コンピュータ読取り可能な記憶媒体を提供する。コンピュータ読取り可能な記憶媒体はコンピュータプログラムを保管する。そして、コンピュータプログラムは、ハードウェア(例えば、プロセッサ)によって実行され、任意の装置によって実行され、かつ、本出願の実施形態にある、任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実行する。
【0276】
本出願の一つの実施形態は、さらに、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータデバイス上で実行される場合、コンピュータデバイスは、任意のデバイスによって実行され、かつ、本出願の実施形態にある、任意の方法のいくつかまたは全てのステップを実行することが可能である。
【0277】
前出の実施形態の全部またはいくつかは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、または、それらの任意の組み合わせを使用することによって実施され得る。本実施形態を実施するためにソフトウェアが使用される場合、実施形態の全部またはいくつかは、コンピュータプログラム製品の形態で実施することができる。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がロードされ、コンピュータ上で実行される場合、本出願の実施形態に従ったプロシージャまたは機能が、全部または部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または、他のプログラマブル装置であってよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に保管されてよく、または、コンピュータ読取り可能な記憶媒体から別のコンピュータ読取り可能な記憶媒体に送信されてよい。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから他のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタへ、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者線)または無線(例えば、赤外線、無線、またはマイクロ波)方式で送信され得る。コンピュータ読取り可能な記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体、または、1つ以上の使用可能な媒体を統合する、データストレージ装置、例えば、サーバまたはデータセンタであってよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光媒体(例えば、光ディスク)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ)など、である。前出の実施形態において、実施形態の説明は、それぞれフォーカスを有している。実施形態において詳細に説明されていない部分については、他の実施形態における関連する説明を参照すること。
【0278】
前出の実施形態において、実施形態の説明は、それぞれフォーカスを有している。実施形態において詳細に説明されていない部分については、他の実施形態における関連する説明を参照すること。
【0279】
本出願で提供されるいくつかの実施形態において、開示された装置は、他の方法で実施することができることが理解されるべきである。例えば、説明された装置の実施形態は、単なる一つの例である。例えば、ユニット分割は、単に論理関数分割であるか、または、実際の実施の最中の他の分割であってよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントは、別のシステムに結合または統合されてよく、もしくは、いくつかの特徴が、無視され、または実行されなくてよい。加えて、表示または説明された相互間接結合または直接結合、もしくは通信接続は、いくつかのインターフェイスを介して実装することができる。装置またはユニット間の間接結合または通信接続は、電子的または他の形態で実施することができる。
【0280】
別個のパーツとして説明されたユニットは、物理的に分離されても、または、されていなくてもよい。ユニットとして表示されるパーツは、物理的ユニットであっても、なくてもよく、そして、1つの位置に配置されてよく、もしくは、複数のネットワークユニット上に分散されてよい。いくつかまたは全てのユニットは、実施形態のソリューションの目的を達成するために、実際のニーズに基づいて選択され得る。
【0281】
加えて、本出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてよく、または、各ユニットは、物理的に単独で存在してよく、もしくは、2つ以上のユニットは、1つのユニットに統合されてもよい。統合ユニットは、ハードウェアの形態で実施されてよく、または、ソフトウェア機能ユニットの形態で実施されてもよい。
【0282】
統合ユニットがソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売または使用される場合、統合ユニットは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に保管され得る。そうした理解に基づいて、本出願の技術的ソリューションは、本質的に、先行技術に寄与する部分、または、技術的ソリューションの全部またはいくつかを、ソフトウェア製品の形態で実施することができる。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に保管され、そして、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク装置などであり得る)に、本出願の実施形態で説明される方法の全部またはいくつかのステップを実行するように指示すためのいくつかの命令を含む。前出の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM、read-only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、random access memory)、磁気ディスク、または光ディスクといった、プログラムコードを保管することができる任意の媒体を含む。