(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】冷蔵庫用の包装構造および包装方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/68 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
B65D85/68 B
(21)【出願番号】P 2022539371
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(86)【国際出願番号】 CN2020094072
(87)【国際公開番号】W WO2021128736
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】201911382972.0
(32)【優先日】2019-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industry Park, Haier Road No. 1 Laoshan District Qingdao,Shandong 266101, China
(73)【特許権者】
【識別番号】520198579
【氏名又は名称】ハイアール・スマート・ホーム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District, Qingdao, Shandong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】リー シュチー
(72)【発明者】
【氏名】リー ガオジェ
(72)【発明者】
【氏名】ビィェン シィァンシォン
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-196453(JP,U)
【文献】実開昭58-094685(JP,U)
【文献】実開昭58-119556(JP,U)
【文献】特開平06-032366(JP,A)
【文献】中国実用新案第202089441(CN,U)
【文献】仏国特許出願公開第02747374(FR,A1)
【文献】実開昭58-116592(JP,U)
【文献】実開昭57-129084(JP,U)
【文献】中国実用新案第2136816(CN,Y)
【文献】国際公開第2000/020301(WO,A1)
【文献】米国特許第03155419(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/68
B65D 81/113
B65D 81/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫の底部に支持されたボトムベースと、
冷蔵庫の頂部を覆うためのトップベースと、
両端がそれぞれ前記ボトムベースおよび前記トップベースに接続され、それぞれ前記ボトムベースと前記トップベースの4つのコーナーに配置され、前記ボトムベース、前記トップベースとともに冷蔵庫を収容するための収容空間を形成する4つの垂直サイドリブと、を含み、前記垂直サイドリブの冷蔵庫に面する内面上に間隔を空けた複数の突起が設けられ、前記突起は前記垂直サイドリブの短手方向に細長い突起である冷蔵庫用の包装構造であって、
前記包装構造は、フィルム熱収縮によって前記ボトムベース、前記トップベースおよび前記4つの垂直サイドリブから構成された輪郭本体の外面に巻き付けられたフィルム層をさらに含み、前記フィルム層は、前記ボトムベース、前記トップベース、前記4つの垂直サイドリブ、及び冷蔵庫を一体に包み込
み、
4つの前記垂直サイドリブは、第1の垂直サイドリブ、第2の垂直サイドリブ、第3の垂直サイドリブ、および第4の垂直サイドリブであり、
前記第1の垂直サイドリブ及び前記第4の垂直サイドリブは同じ形状であり、且つ、各々の2つの辺の垂直方向に沿った長さが異なり、
前記第2の垂直サイドリブ及び前記第3の垂直サイドリブは同じ形状であり、且つ、各々の2つの辺の垂直方向に沿った長さが同じである、ことを特徴とする冷蔵庫用の包装構造。
【請求項2】
前記包装構造は、上部カバープレートをさらに含み、前記上部カバープレートは前記トップベースの外側を覆い、前記フィルム層が、前記上部カバープレート、前記ボトムベースおよび前記4つの垂直サイドリブから構成された輪郭本体の外面に巻き付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫用の包装構造。
【請求項3】
前記包装構造は、下部カバープレートをさらに含み、前記下部カバープレートは前記ボトムベースの外側を覆い、前記フィルム層が、前記上部カバープレート、前記下部カバープレートおよび前記4つの垂直サイドリブから構成された輪郭本体の外面に巻き付けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫用の包装構造。
【請求項4】
前記ボトムベース、前記トップベースおよび前記4つの垂直サイドリブの材料は、いずれも衝撃吸収材で構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫用の包装構造。
【請求項5】
前記ボトムベースの中央に中空が設けられ、前記中空の面積はボトムベースの面積の1/3~2/3であり、前記トップベースの予定箇所に複数の貫通穴が設けられ、前記複数の貫通穴が均一に分布している、ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫用の包装構造。
【請求項6】
前記包装構造は、包装テープをさらに含み、前記包装テープが前記フィルム層の外側に巻き付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫用の包装構造。
【請求項7】
前記フィルム層はポリエチレンまたはポリ塩化ビニルからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫用の包装構造。
【請求項8】
前記垂直サイドリブの冷蔵庫に面する内面上に間隔を空けた複数の突起が設けられ、前記複数の突起が冷蔵庫の外面に当接する、ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫用の包装構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫包装の技術分野に関し、具体的に冷蔵庫用の包装構造および包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
経済の急速な発展や住民の所得向上に伴い、冷蔵庫などの家電製品は必要不可欠な生活用品となっている。既存の冷蔵庫の産業チェーンにおいて、冷蔵庫の包装は販売、輸送、保管に不可欠な一環である。
【0003】
現在、既存の冷蔵庫包装は、いずれも紙質包装箱を採用し、包装箱にはボトムベース、上部カバー、サイド保護段ボール紙または発泡体が含まれている。紙質包装箱は、体積が大きく、コストが高く、環境に優しくなく、環境影響を容易に受けて湿気、カビや崩れやすいという問題が存在している。
【0004】
したがって、従来技術の紙質包装箱の技術的問題を解決するために、コストが低く、体積が小さく、環境に優しく、環境影響を受けにくい冷蔵庫用の包装構造および方法を提供することが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の紙質箱は、体積が大きく、コストが高く、環境に優しくなく、環境影響を容易に受けて湿気、カビや崩れやすいといった技術的問題が発生しやすい。本発明の実施例は、体積が小さく、コストが低く環境影響を受けにくい冷蔵庫用の包装構造および方法を提供する。この冷蔵庫用の包装構造は、フィルム熱収縮によって1層の外膜を形成し、全紙被覆の包装を必要せず、コスト削減が可能であり、体積が小さくなり環境影響を回避することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例によって提供される冷蔵庫用の包装構造は具体的に以下のとおりである。冷蔵庫用の包装構造は、冷蔵庫の底部に支持されたボトムベースと、冷蔵庫の頂部を覆うためのトップベースと、両端がそれぞれ前記ボトムベースおよび前記トップベースに接続され、それぞれ前記ボトムベースと前記トップベースの4つのコーナーに配置され、前記ボトムベース、前記トップベースとともに冷蔵庫を収容するための収容空間を形成する4つの垂直サイドリブと、を含み、前記包装構造は、フィルム熱収縮によって前記ボトムベース、前記トップベースおよび前記4つの垂直サイドリブから構成された輪郭本体の外面に巻き付けられたフィルム層をさらに含む。
【0007】
好ましくは、前記包装構造は、上部カバープレートをさらに含み、前記上部カバープレートは前記トップベースの外側を覆い、前記フィルム層が、前記上部カバープレート、前記ボトムベースおよび前記4つの垂直サイドリブから構成された輪郭本体の外面に巻き付けられている。
【0008】
好ましくは、前記包装構造は、下部カバープレートをさらに含み、前記下部カバープレートは前記ボトムベースの外側を覆い、前記フィルム層が、前記上部カバープレート、前記下部カバープレートおよび前記4つの垂直サイドリブから構成された輪郭本体の外面に巻き付けられている。
【0009】
好ましくは、前記ボトムベース、前記トップベースおよび前記4つの垂直サイドリブの材料は、いずれも衝撃吸収材で構成されている。
【0010】
好ましくは、前記ボトムベースの中央に中空が設けられ、前記中空の面積はボトムベースの面積の1/3~2/3であり、前記トップベースの予定箇所に複数の貫通穴が設けられ、前記複数の貫通穴が均一に分布している。
【0011】
好ましくは、前記包装構造は、包装テープをさらに含み、前記包装テープは前記フィルム層の外側に巻き付けられている。
【0012】
好ましくは、前記フィルム層はポリエチレンまたはポリ塩化ビニルからなる。
【0013】
好ましくは、前記垂直サイドリブの冷蔵庫に面する内面上に間隔を空けた複数の突起が設けられ、前記複数の突起が冷蔵庫の外面に当接する。
【0014】
本発明の実施例は、冷蔵庫を包装するための包装方法をさらに提供し、この方法は、冷蔵庫をボトムベースに載置するステップと、4つの垂直サイドリブをそれぞれ前記ボトムベースの4つのコーナーに固定するステップと、トップベースを冷蔵庫の頂部に配置して4つの垂直サイドリブに固定するステップと、フィルムを前記ボトムベース、前記トップベースおよび前記4つの垂直サイドリブから構成された輪郭本体の外面に被覆させ、前記フィルムを加熱し、前記フィルムが熱収縮してフィルム層を形成するステップと、を含む。
【0015】
好ましくは、前記包装方法は、前記フィルム層の外側に包装テープを巻き付けるステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0016】
上記の技術的解決策によれば、本発明の実施例は以下の利点を有する。
【0017】
本発明の実施例によって提出される冷蔵庫用の包装構造は、トップベース、ボトムベースおよび4つの垂直サイドリブを含み、フィルム熱収縮によって1層の外膜を形成し、この外膜は熱収縮によってトップベース、ボトムベースおよび4つの垂直サイドリブをしっかりと包み込んで全体として崩れにくい形に形成し、全紙被覆包装を必要せず、さらにコストダウン、体積減少が達成され得る。さらに、本発明の実施例によって提出される冷蔵庫用の包装構造中のフィルム層は透明であり、ユーザは包装箱を開けることなく冷蔵庫の製品状態を確認することができる。さらに、本発明の実施例によって提出される冷蔵庫用の包装構造のフィルム層は化学的に安定で耐水性があるため、環境要因による包装構造の湿気、カビや崩れやすいという問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例によって提供される冷蔵庫用の包装構造の3次元概略図である。
【
図2】
図1に示す実施例における包装構造の3次元分解概略図である(フィルム層を除く)。
【
図3】
図1に示す実施例における1つの垂直サイドリブの3次元構造概略図である。
【
図4】本発明の実施例によって提供される冷蔵庫用の包装方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
当業者は本発明の内容をより良く理解するために、以下本発明の実施例の図面を参照して、本発明の実施例の技術的解決策を明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明中の実施例に基づいて、当業者は創造的な労働をすることなく得られた他の実施例は、すべて本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0020】
本発明の明細書および請求の範囲並びに上記の図面において、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語は、類似の対象を区別するために使用され、特定の順序やシーケンスを記述するものではない。ここで説明される実施例は、図示や説明される内容以外の順序で実施され得るように、そのような用語は場合に応じて交換可能であることを理解されたい。さらに、「含む」、「有する」やそれらの任意の変形は、非排他的な包含を意図しており、例えば一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品または機器はそれらのステップやユニットを明確に記載する必要がない場合、明確に記載されていないステップまたはユニットや、これらのプロセス、方法、製品または機器に固有の他のステップまたはユニットを含み得る。
【0021】
図1~
図2に示すのは、本発明の実施例によって提供される冷蔵庫用の包装構造の3次元概略図である。
図1に示すように、この実施例では、フィルム層は透明であるため、フィルム層を最終状態の構造で別々に並んで示している。この実施例では、冷蔵庫が包装構造100内に配置される状態における冷蔵庫の垂直方向を垂直とし、冷蔵庫に近い表面を内面とし、冷蔵庫から離れた表面を外面とする。
【0022】
一実施例では、冷蔵庫用の包装構造100は、冷蔵庫底部に支持されたボトムベース20、冷蔵庫頂部を覆うトップベース10、4つの垂直サイドリブおよびフィルム層40を含む。各垂直サイドリブの両端はそれぞれボトムベース20およびトップベース10に接続され、4つの垂直サイドリブはそれぞれボトムベース20とトップベース10の4つのコーナーに配置されている。トップベース10、ボトムベース20および4つの垂直サイドリブは、冷蔵庫を収容するための収容空間を形成している。この実施例では、フィルム層40は、フィルム熱収縮によって、ボトムベース20、トップベース10および4つの垂直サイドリブから構成された輪郭本体の外面に巻き付けられている。ボトムベース20、トップベース10、4つの垂直サイドリブおよびフィルム層40は完全な包装構造100を形成している。
【0023】
トップベース10の形状は冷蔵庫の頂部形状と大体同じであり、ボトムベース20の形状は冷蔵庫の底部形状と大体同じである。好ましくは、トップベース10とボトムベース20の形状およびサイズが同じである。この実施例では、トップベース10とボトムベース20の形状はいずれも正四角形、例えば正方形や長方形である。トップベース10とボトムベース20はそれぞれ4つのコーナーに存在している。
【0024】
ボトムベース20の構造構成は冷蔵庫底部の構造構成と一致し、冷蔵庫の固定効果を高める。具体的に、例えば冷蔵庫底部の構造構成は平面に4つのローラーが突起した構造構成であると、ボトムベース20の構造構成は平面に4つのローラー空洞が窪んだ構造構成であり、4つのローラー空洞の大きさおよび位置は、ローラーの大きさおよび位置に適応する。もちろん、冷蔵庫の底部は様々な構造構成であり得、対応して、ボトムベース20の構造構成も適切に変化する。ボトムベース20は構造構成によって冷蔵庫ボトムベースの構造構成に合わせて、包装構造100による冷蔵庫の固定効果を高める。続けて
図2を参照すると、この実施例では、ボトムベース20の中央に中空201が設けられている。中空201の面積はボトムベース20の面積の1/3~2/3である。ボトムベース20の中空構造により、材料コストをさらに削減し、ボトムベース20の安定性に影響を与えない。
【0025】
トップベース10の予定箇所に複数の貫通穴101が設けられ、複数の貫通穴101は均一に分布している。図面を明確かつ簡潔にするために、
図2では貫通穴101のみを例示し、すべての貫通穴101を示していない。
【0026】
この実施例では、ボトムベース20、トップベース10、4つの垂直サイドリブの材料はいずれも衝撃吸収材、例えばポリエチレンフォーム(EPE)、発泡ポリプロピレン(EPP)、ゴム材料、フリース紙などで構成される。衝撃吸収材料を使用することで、包装構造100の耐衝撃性を効果的に高め、輸送過程に振動による冷蔵庫の破損を回避することができる。
【0027】
フィルム層40はフィルム熱収縮によってボトムベース20、トップベース10および4つの垂直サイドリブの外側に巻き付けられる。冷蔵庫が収容空間に収容されボトムベース20、トップベース10および4つの垂直サイドリブを組み込んだ後、作業員や産業機械によってフィルムを垂直方向に沿ってボトムベース20、トップベース10および4つの垂直サイドリブから構成された輪郭本体の外面に被覆させ、次に加熱によってフィルムを熱収縮させ、ボトムベース20、トップベース10および4つの垂直サイドリブから構成された外輪郭表面に1層の透明のフィルム層40を形成する。フィルム層40はボトムベース20、トップベース10、4つの垂直サイドリブと冷蔵庫を一体に包み込む。
【0028】
フィルム層40の材料は無色、無臭、無毒、透明かつ熱収縮しやすい特性を有する。この実施例では、フィルム層40の具体的な材料は、ポリエチレン(PE膜)またはポリ塩化ビニル(PVC膜)からなる。フィルム加熱はヒートガンや加熱装置によって行われる。ヒートガン加熱は一般に少量生産に適し、加熱装置加熱は一般大量生産に適している。フィルム層40は透明の特性を有するため、ユーザは包装を開ける必要がなく冷蔵庫の製品状態を確認することができる。さらに、フィルム層40はコストが低く、体積が小さく、コンパクトである特徴を有し、生産、輸送のコストを効果的に低減することができる。さらに、フィルム層40は、化学的に安定で耐水性があるため、環境要因による包装構造の湿気、カビおよび崩れやすいという問題を回避することができる。
【0029】
好ましい実施例では、包装構造100は上部カバープレート15をさらに含む。上部カバープレート15は前記トップベース10の外側を覆う。上部カバープレート15は、半開放型の箱であり、箱内部空洞にトップベース10が収容および取り付けられ、箱の高さがトップベース10の高さと同じか若干大きくなっている。フィルム層40は、フィルム熱収縮によって、ボトムベース20、上部カバープレート15および4つの垂直サイドリブから構成された輪郭本体の外面に巻き付けられている。ボトムベース20、上部カバープレート15、トップベース10、4つの垂直サイドリブおよびフィルム層40は、完全な包装構造100を形成している。好ましくは、包装構造100は下部カバープレート25をさらに含む。下部カバープレート25は前記ボトムベース20外側を覆う。下部カバープレート25は半開放型の箱であり、箱内空洞体にボトムベース20が収容および取り付けられ、箱の高さがボトムベース20の高さと同じか若干大きくなっている。フィルム層40は、フィルム熱収縮によって、下部カバープレート25、上部カバープレート15および4つの垂直サイドリブから構成された輪郭本体の外面に巻き付けられている。下部カバープレート25、ボトムベース20、上部カバープレート15、トップベース10、4つの垂直サイドリブおよびフィルム層40は、完全な包装構造100を形成する。
【0030】
図1~
図2に示す実施例では、包装構造100は、上部カバープレート15、トップベース10、4つの垂直サイドリブ、ボトムベース20、下部カバープレート25およびフィルム層40を含む。上記のように、包装構造100中の上部カバープレート15および下部カバープレート25はなくてもよく、一方のみ設けてもよく、または両方設けてもよい。
【0031】
続けて
図1および
図2を参照すると、4つの垂直サイドリブはそれぞれ第1の垂直サイドリブ31、第2の垂直サイドリブ32、第3の垂直サイドリブ31、および第4の垂直サイドリブ34であり、各垂直サイドリブの両端はそれぞれボトムベース20およびトップベース10に接続される。第1の垂直サイドリブ31、第2の垂直サイドリブ32、第3の垂直サイドリブ33、第4の垂直サイドリブ34はそれぞれボトムベース20およびトップベース10の4つのコーナーに設けられる。ボトムベース20、トップベース10および4つの垂直サイドリブは冷蔵庫を収容するための収容空間を形成する。
【0032】
続けて
図3を参照すると、この実施例では、第3の垂直サイドリブ33を例にとって垂直サイドリブの具体的な構造を説明する。第3の垂直サイドリブ33は、第1の辺331および第2の辺332という2つの辺を有する。第1の辺331と第2の辺332はそれぞれ垂直方向に対して垂直であり、トップベース10とボトムベース20のコーナーに沿って所定の延伸長さ(つまり横方向の幅)を有する。好ましくは、第3の垂直サイドリブ33の冷蔵庫に面する内面には、間隔を空けた複数の突起330が設けられている。つまり第1の辺331と第2の辺332の内面に間隔を空けた複数の突起330が設けられ、突起330は冷蔵庫の外面に当接する。図面を明確かつ簡潔にするために、
図3では2つの突起330のみを例示し、すべての突起330を示していない。この実施例では、突起330は横方向の細長い突起である。他の実施例では、突起330は他の形状、例えば所定半径を有する円環状突起、または点状の球形突起などであってもよい。突起330により、包装構造100の耐衝撃性がさらに向上する。
【0033】
好ましくは、4つの垂直サイドリブの形状が異なってもよい。
図1~
図2に示すように、この実施例では、第1の垂直サイドリブ31と第4の垂直サイドリブ34の形状は同じであり、1つの長辺および1つの短辺を有し、つまり2つの辺の垂直方向に沿った長さが異なり、第2の垂直サイドリブ32と第3の垂直サイドリブ33の形状も同じであり、垂直方向に沿った長さが同じである2つの辺を有する。
【0034】
好ましい実施例では、包装構造100は包装テープ(図示せず)をさらに含む。包装テープはフィルム層の外側に巻き付けられる。包装テープは具体的に垂直方向に沿って包装構造100の輪郭本体の外側に1ターン巻き付けられる。包装構造100は間隔を空けた複数の包装テープを含み得る。包装テープにより、包装構造全体の安定性を一層向上させるだけでなく、ハンドリング時に作業者のグリップとなるため、作業者によるハンドリングが容易になる。
【0035】
図4に示すように、本発明の実施例は冷蔵庫を包装するための包装方法をさらに提供する。この実施例では、包装方法は4つのステップを含み、各ステップは具体的に以下の通りである。
【0036】
ステップS1:冷蔵庫をボトムベースに載置する。上記のように、包装構造が下部カバープレートをさらに含む場合、まずボトムベースを下部カバープレート内に配置した後、冷蔵庫をボトムベースに載置することができる。
【0037】
ステップS2:4つの垂直サイドリブをそれぞれボトムベースの4つのコーナーに固定する。
【0038】
ステップS3:トップベースを冷蔵庫の頂部に配置して4つの垂直サイドリブに固定する。上記のように、包装構造が上部カバープレートをさらに含む場合、トップベースを冷蔵庫の頂部に配置して4つの垂直サイドリブに固定した後、上部カバープレートをトップベースに被覆させる。または、まずトップベースと上部カバープレートを一体に固定し、次に一体構造を冷蔵庫頂部に配置して4つの垂直サイドリブに固定する。
【0039】
ステップS4:フィルムはボトムベース、トップベースおよび4つの垂直サイドリブから構成された輪郭本体の外面を覆い、前記フィルムを加熱すると、前記フィルムが熱収縮してフィルム層を形成する。フィルム層は、ボトムベース、トップベース、4つの垂直サイドリブと冷蔵庫を一体に包み込む。フィルム加熱は、ヒートガン加熱または加熱装置加熱によって行われる。ヒートガン加熱は一般に少量生産に適し、加熱装置加熱は一般に大量生産に適している。
【0040】
好ましい実施例では、包装方法は、ステップS5:フィルム層の外側に包装テープを巻き付けるをさらに含む。包装テープは具体的に垂直方向に沿って包装構造100の輪郭本体の外側に1ターン巻き付けられる。ステップS5ではフィルム層の外側に間隔を空けた複数の包装テープが巻きつけられる。包装テープにより包装構造100全体の安定性を一層向上させ、ハンドリング時に作業者のグリップとなるため、作業者によるハンドリングが容易になる。
【0041】
本発明の実施例によって提出される冷蔵庫用の包装構造は、トップベース、ボトムベースおよび4つの垂直サイドリブを含み、フィルム熱収縮によって1層の外膜を形成し、この外膜は熱収縮によってトップベース、ボトムベースおよび4つの垂直サイドリブをしっかりと包み込み、全体として崩れにくい形に形成し、全紙被覆包装を必要せず、コスト削減、体積減少をさらに達成できる。
【0042】
本発明の実施例によって提出される冷蔵庫用の包装構造のフィルム層は透明であるため、ユーザは包装箱を開けることなく冷蔵庫の製品状態を確認することができる。
【0043】
本発明の実施例によって提出される冷蔵庫用の包装構造のフィルム層は化学的に安定で耐水性があるため、環境要因による包装構造の湿気、カビや崩れやすいという問題を効果的に回避することができる。
【0044】
以上のように、本発明の実施例を明確に示しおよび説明したが、上記の実施例は例示的であり、本発明を制限するものではなく、当業者は、本発明の範囲内で上記実施例に変更、修正、置換や変形を加えることができるのは言うまでもない。