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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】二次電池、電池モジュール及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/107 20210101AFI20240319BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20240319BHJP
   H01M 50/169 20210101ALI20240319BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20240319BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20240319BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20240319BHJP
【FI】
H01M50/107
H01M50/152
H01M50/169
H01M50/533
H01M50/586
H01M50/593
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022541789
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 CN2020128472
(87)【国際公開番号】W WO2021227410
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】202020819152.5
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】白清林
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼志▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】高山
(72)【発明者】
【氏名】彭春▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】姜玲燕
【審査官】福井 晃三
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-077078(JP,A)
【文献】特開2000-164257(JP,A)
【文献】特表2012-518890(JP,A)
【文献】特開平11-354083(JP,A)
【文献】特開2015-092456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10-50/198
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、前記本体部から前記本体部の一端に沿って延在し、外周面を有するタブ部とを備える電極組立体と、
前記電極組立体を収容する収容孔を有し、位置規制凸部を備えるケースと、を備え、
前記外周面は、前記収容孔の軸線の周りに延在し、
前記位置規制凸部は、前記タブ部に向かって突出し、且つ前記外周面に押圧され、前記タブ部を位置規制し、
前記電極組立体は、絶縁部材を更に備え、前記絶縁部材の少なくとも一部は前記位置規制凸部と前記タブ部との間に設けられており、
前記タブ部は、前記本体部から離れている第1の部分と前記本体部に接続された第2の部分とを有し、前記タブ部は多層構造であり、二つの隣接する層構造は、前記第1の部分における隙間が前記第2の部分における隙間よりも小さく、前記位置規制凸部は前記第2の部分に押圧されている、二次電池。
【請求項2】
前記絶縁部材は、前記電極組立体の外周面を被覆するように前記収容孔の周方向に沿って筒状構造に巻回されている、請求項に記載の二次電池。
【請求項3】
前記絶縁部材の一部は、前記収容孔の軸方向において前記タブ部を超えている、請求項又はに記載の二次電池。
【請求項4】
前記絶縁部材は、シート状構造である、請求項のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項5】
前記タブ部に押圧される前記位置規制凸部の面は、滑らかな曲面である、請求項1~のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記位置規制凸部の断面は、円弧状又は三角形を呈する、請求項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記タブ部に押圧される前記位置規制凸部の面は、平面である、請求項1~のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記位置規制凸部の断面は、台形を呈する、請求項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記ケースの一部は、前記タブ部に向かって凹んで前記位置規制凸部を形成する、請求項1~のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記位置規制凸部は、環状を呈し、前記タブ部の周りに設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項11】
前記ケースは、前記位置規制凸部の外部に外嵌嵌設され、且つ前記位置規制凸部と締り嵌めされる筒体を更に備える、請求項10に記載の二次電池。
【請求項12】
前記位置規制凸部の数は、二つ以上であり、二つ以上の前記位置規制凸部は前記タブ部の周りに間隔を置いて設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項13】
第1の皿体と第2の皿体とを有するトップカバーを更に備え、
前記第1の皿体の直径は、前記第2の皿体の直径よりも大きく、
前記第2の皿体を超えた前記第1の皿体の縁部は、前記ケースの端面にオーバーラップされ、且つ前記ケースに溶接されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項14】
前記ケースは、筒状構造を呈し、且つ二つの開口を有し、前記トップカバーの数は二つであり、二つの前記トップカバーは前記ケースの二つの端部にそれぞれ設けられて対応する前記開口を閉鎖する、請求項13に記載の二次電池。
【請求項15】
前記ケースは、円筒状構造である、請求項1~14のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項16】
筐体と、
前記筐体内に設けられた請求項1~15のいずれか一項に記載の二次電池と、
を備える電池モジュール。
【請求項17】
二次電池を電源として用いる装置であって、
電気エネルギーを供給するための請求項1~15のいずれか一項に記載の二次電池を備える装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年5月15日に提出された「二次電池、電池モジュール及び装置」という名称の中国特許出願202020819152.5の優先権を主張し、該出願の全ての内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、電池の技術分野に関し、特に二次電池、電池モジュール及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術の発展に伴い、充放電可能な二次電池の応用の分野はますます広がり、例えば二次電池は自動車、電動自転車又は無線電動工具等に適用することができる。二次電池は、ケースと、ケース内に設けられた電極組立体と、ケースに接続されたトップカバーと、トップカバーに設けられた電極端子と、電極組立体と電極端子とを接続するアダプタプレートとを備えている。いくつかの状況では、二次電池の使用中にアダプタプレートが破断する状況が生じ、二次電池の耐用年数に影響を与えている。
【発明の概要】
【0004】
本願は、二次電池、電池モジュール及び装置を提供する。二次電池は、アダプタプレートに疲労破断が発生する可能性を減らすことができる。
【0005】
一側面では、本願は、電極組立体とケースとを備える二次電池を提供する。電極組立体は、本体部及びタブ部を備え、タブ部は、本体部から本体部の一端に沿って延在し、タブ部は外周面を有する。ケースは、電極組立体を収容する収容孔を有する。ケースは、位置規制凸部を備える。外周面は、収容孔の軸線の周りに延在している。位置規制凸部は、タブ部に向かって突出し、且つタブ部の外周面に押圧されている。位置規制凸部は、タブ部を位置規制する。
【0006】
本願の一つの実施例によれば、電極組立体は、絶縁部材を更に備え、絶縁部材の少なくとも一部は位置規制凸部とタブ部との間に設けられている。
【0007】
本願の一つの実施例によれば、絶縁部材は、電極組立体の外周面を被覆するように収容孔の周方向に沿って筒状構造に巻回されている。
【0008】
本願の一つの実施例によれば、絶縁部材の一部は、収容孔の軸方向において、タブ部を超えている。
【0009】
本願の一つの実施例によれば、絶縁部材は、シート状構造である。
【0010】
本願の一つの実施例によれば、タブ部は、第1の部分と本体部に接続された第2の部分とを有し、タブ部は、多層構造であり、隣接する二つの層構造は、第1の部分における隙間が第2の部分における隙間よりも小さく、位置規制凸部は第2の部分に押圧されている。
【0011】
本願の一つの実施例によれば、タブ部に押圧される位置規制凸部の面は、滑らかな曲面である。
【0012】
本願の一つの実施例によれば、位置規制凸部の断面は、円弧状又は三角形を呈する。
【0013】
本願の一つの実施例によれば、タブ部に押圧される位置規制凸部の面は、平面である。
【0014】
本願の一つの実施例によれば、位置規制凸部の断面は台形を呈する。
【0015】
本願の一つの実施例によれば、ケースの一部はタブ部に向かって凹んで位置規制凸部を形成する。
【0016】
本願の一つの実施例によれば、位置規制凸部は環状を呈し、タブ部の周りに設けられている。
【0017】
本願の一つの実施例によれば、ケースは筒体を更に備え、筒体は位置規制凸部の外部に外嵌され且つ位置規制凸部と締り嵌めされている。
【0018】
本願の一つの実施例によれば、位置規制凸部の数は、二つ以上であり、二つ以上の位置規制凸部はタブ部の周りに間隔を置いて設けられている。
【0019】
本願の一つの実施例によれば、二次電池は、トップカバーを更に備え、トップカバーは、第1の皿体と第2の皿体とを有し、第1の皿体の直径は、第2の皿体の直径よりも大きく、第2の皿体を超えた第1の皿体の縁部は、ケースの端面にオーバーラップされ、且つケースに溶接されている。
【0020】
本願の一つの実施例によれば、ケースは、筒状構造を呈し、且つ二つの開口を有し、トップカバーの数は二つであり、二つのトップカバーはケースの二つの端部にそれぞれ設けられて対応する開口を閉鎖する。
【0021】
本願の一つの実施例によれば、ケースは、円筒状構造である。
【0022】
本願の実施例に係る二次電池は、ケース及びケース内に設けられた電極組立体を備える。ケースは、タブ部に向けて突出する位置規制凸部を有する。位置規制凸部はタブ部の外周面に押圧され、それにより位置規制凸部はタブ部を位置規制する。このように、二次電池に振動又は衝撃が発生した場合、位置規制凸部は、タブ部を位置規制することによりタブ部の湾曲を阻止することで、タブ部が圧縮される寸法を減少させ、更に電極組立体のがたつきによるアダプタプレートの疲労破断の可能性を減らし、二次電池の耐用年数を延長することができる。
【0023】
別の側面では、本願は、筐体及び上記二次電池を備える電池モジュールを提供する。二次電池は、筐体内に設けられている。
【0024】
更に別の側面では、本願は、二次電池を電源として用いる装置を提供し、それは上記の二次電池を備え、二次電池は、電気エネルギーを供給する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下に記載の図面は本願のいくつかの実施例に過ぎない。当業者にとって、創造的労働をしなくても、更に図面に基づいて他の図面を取得することができる。図面において、図面は必ずしも実際の比率に応じて作図されていない。
図1】本願の一つの実施例に開示された車両の構造概略図である。
図2】本願の一つの実施例に開示された電池モジュールの構造概略図である。
図3図2に示す実施例の電池モジュールの分解構造概略図である。
図4】本願の一つの実施例に開示された二次電池の構造概略図である。
図5図4に示す実施例の二次電池の断面構造概略図である。
図6図5におけるA箇所の拡大図である。
図7】本願の別の実施例に開示された二次電池の構造概略図である。
図8図7に示す実施例の二次電池の部分断面構造概略図である。
図9】本願の別の実施例に開示された二次電池の構造概略図である。
図10図9に示す実施例の二次電池の断面構造概略図である。
図11】本願の別の実施例に開示された二次電池の部分断面構造概略図である。
図12】本願の別の実施例に開示された二次電池の部分断面構造概略図である。
図13】本願の別の実施例に開示された二次電池の部分断面構造概略図である。
【符号の説明】
【0026】
1 車両
10 電池モジュール
20 筐体
30 二次電池
31 ケース
31a 収容孔
31aa 軸線
311 位置規制凸部
312 筒体
32 トップカバー
321 第1の皿体
322 第2の皿体
33 電極組立体
331 本体部
332 タブ部
3321 外周面
3322 端面
332a 第1の部分
332b 第2の部分
333 絶縁部材
34 電極端子
35 アダプタプレート
40 仕切り板
99 通路
X 軸方向
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に図面及び実施例を参照にしながら本願の実施形態を更に詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するために用いられるが、本願の範囲を限定するものではなく、即ち本願は説明された実施例に限定されるものではない。
【0028】
本願の説明において、説明すべきこととしては、他に説明しない限り、「複数」の意味は二つ以上である。「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語の指示された方位又は位置関係は本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、指定された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されなければならないことを指示するか又は暗示するものではなく、したがって本願を限定するものと理解すべきではない。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は単に目的を説明するために用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示すると理解されるべきではない。「垂直」は厳密な意味での垂直ではなく、誤差許容範囲内にある。「平行」は厳密な意味での平行ではなく、誤差許容範囲内にあってもよい。
【0029】
下記説明で用いられる方位語は、いずれも図に示された方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の説明において、更に説明すべきこととしては、他に明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されてもよい。直接的に接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0030】
関連技術の解決において、二次電池にアダプタプレートが破断するという問題が存在する場合、出願人はアダプタプレートの厚さを最適化して全体的な強度を向上させた。しかし、一定時間使用した後、依然としてアダプタプレートが破断する状況が発生した。したがって、出願人は、二次電池の各構造についてさらなる研究分析した結果、アダプタプレートが電極端子と電極組立体との間に設けられていたため、二次電池に振動又は衝撃が発生した場合、電極組立体に電極端子が接近するか又は電極端子から離れるように運動する傾向があり、タブ部が力を受けることを発見した。タブ部が力を受けて湾曲することにより、電極組立体のサイズが小さくなり、電極組立体とトップカバーとの間の移動量が大きくなり、電極組立体はケースに対して動いてしまう。アダプタプレートは、電極組立体の駆動下で複数回圧縮及び引張され、それによりアダプタプレートの一部に疲労破断が発生する。
【0031】
出願人が発見した上記問題に基づいて、出願人は、二次電池の構造を改善し、以下に本願の実施例を更に説明する。
【0032】
本願をよりよく理解するために、以下に図1図13を参照して本願の実施例を説明する。
【0033】
図1に示すように、本願の実施例は、電池モジュール10を電源として用いる装置を提供する。該装置は、車両、船舶、航空機又は電動工具等であってもよいがこれらに限定されない。本願の一つの実施例は、車両本体及び電池モジュール10を備える車両1を提供する。電池モジュール10は、車両本体に設けられている。ここで、車両1は純電気自動車であってもよく、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー型自動車であってもよい。車両本体には、電池モジュール10と電気的に接続された駆動モータが設けられている。電池モジュール10は、駆動モータに電気エネルギーを供給する。駆動モータは伝動機構により車両本体上の車輪に接続され、それにより自動車が走行するように駆動する。電池モジュール10は車両本体の底部に水平に設けられるように選択してもよい。
【0034】
本願の一つの実施例において、図2及び図3に示すように、電池モジュール10は、筐体20、二次電池30及び仕切り板40を備える。筐体20内に設けられた二次電池30の数は、複数であってもよい。複数の二次電池30の間は、図示されていないバスバーを介して互いに直列または並列に接続されていてもよい。筐体20と二次電池30との間には、仕切り板40が設けられている。二つの仕切り板40は、それぞれ二次電池30の二つの端部に対応して設けられ、且つ二次電池30を押し付けることができ、それにより二次電池30の位置移動を制限する。仕切り板40は、二次電池30と他の隣接する構造部材、例えばバスバー、回路基板又はワイヤハーネス等を絶縁的に分離することができ、二次電池30の使用安全性を向上させることができる。一例において、仕切り板40は一体射出成形構造である。本願の実施例の筐体20は、四角形構造やその他の形状である。筐体20は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金又はプラスチック等の材料で製造することができる。
【0035】
図4及び図5に示すように、二次電池30は、ケース31、ケース31に密封的に接続されたトップカバー32、ケース31内に設けられた電極組立体33、トップカバー32に設けられた電極端子34、及び電極組立体33と電極端子34を接続するアダプタプレート35を備える。
【0036】
本願の一つの実施例のケース31は、円柱状の構造である。ケース31は四角形又は他の形状であってもよい、と理解できる。ケース31は、電極組立体33および電解液を収容する収容孔31aと、収容孔31aに連通する開口とを有する。収容孔31aの形状は、円形孔でもよいし、四角形孔でもよい。収容孔31aは、貫通孔又はブラインド孔であってもよい。電極組立体33は、開口を介して収容孔31aに収容されている。ケース31は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金又はプラスチック等の材料により製造することができる。
【0037】
本願の実施例のトップカバー32は、板状構造である。トップカバー32は、ケース31の開口を覆い、ケース31に密封接続されている。電極端子34は、バスバーと溶接する。一つの実施例において、ケース31は、筒状構造を呈し、且つ二つの開口を有する。トップカバー32の数は、二つである。二つのトップカバー32は、ケース31の両端部にそれぞれ設けられ、対応する開口を覆っている。二つの極性が逆である電極端子34は、それぞれ対応するトップカバー32に設けられている。一例において、トップカバー32は、第1の皿体321及び第2の皿体322を有する。第1の皿体321の直径は、第2の皿体322の直径よりも大きい。第1の皿体321の第2の皿体322を超えた縁は、ケース31の端面にオーバーラップされ、ケース31に溶接されている。ケース31の端部は、垂直筒状である。
【0038】
本願の実施例の電極組立体33は、第1の電極シート、第2の電極シート及び第1の電極シートと第2の電極シートとの間に位置するセパレータを共に巻回することにより本体部331を形成することができ、ここで、セパレータは、第1の電極シートと第2の電極シートとの間に介在する絶縁体である。本体部331は、収容孔31aの軸方向Xに相対して設けられた両端部を有する。本実施例において、例示的に第1の電極シートを正極シートとし、第2の電極シートを負極シートとして説明する。正極シート活物質は、正極シートの塗布領域に塗布され、負極シート活物質は負極シートの塗布領域に塗布されている。本体部331は塗布領域であり、本体部331から延在した未塗布領域はタブ部332を形成する。電極組立体33は、二つのタブ部332、即ち正極タブ部及び負極タブ部を備える。正極タブ部は正極シートの塗布領域から延在し、負極タブ部は負極シートの塗布領域から延在している。本願の実施例において、本体部331の相対する二つの端部にそれぞれ一つのタブ部332が延在している。同極性のタブ部332は、電極端子34に接続されている。タブ部332は、外周面3321および端面3322を有する。外周面3321は収容孔31aの周方向に沿って延在し、即ち収容孔31aの軸線31aaの周りに延在している。端面3322は、収容孔31aの軸方向Xに垂直である。アダプタプレート35は、端面3322に接続されている。
【0039】
本願の実施例のケース31は、電極組立体33を収容するためのものである。ケース31は、位置規制凸部311を備える。位置規制凸部311は、タブ部332に向かって突出しており、タブ部332の外周面3321に押圧されている。位置規制凸部311はタブ部332を位置規制する。ここで、押圧とは、位置規制凸部311がタブ部332の外周面3321に所定の圧縮応力を印加することを指す。圧縮応力の方向は、収容孔31aの径方向に沿ってタブ部332の中心に向かう方向である。収容孔31aの径方向は、収容孔31aの軸方向Xと直交している。
【0040】
本願の実施例の二次電池30は、ケース31及びケース31内に設けられた電極組立体33を備える。ケース31は、タブ部332に向かって突出する位置規制凸部311を有する。位置規制凸部311はタブ部332の外周面3321に押圧され、それにより位置規制凸部311はタブ部332に対して位置規制を形成する。このように、二次電池30に振動又は衝撃が発生した場合、タブ部332が位置規制凸部311の位置規制を受けた後、自身が収容孔31aの径方向に拡張変形しにくく、がたつきが発生した電極組立体33がアダプタプレート35の反力を受けることによってタブ部332の収容孔31aの軸方向Xにおける寸法が小さくなり、即ち収容孔31aの軸方向Xにおいてより扁平に圧着される可能性を減らす。タブ部332が収容孔31aの軸方向Xにおいてより扁平になると、電極組立体33の収容孔31aの軸方向Xにおける移動量が大きくなり、がたつきが発生した電極組立体33によりアダプタプレート35の変形量が大きくなり、アダプタプレート35が疲労破断限界に達しやすくなる。また、位置規制凸部311は、タブ部332により電極組立体33が収容孔31aの軸方向Xに沿ってがたつくことを制限することができ、それにより、がたつきが発生した電極組立体33がアダプタプレート35を繰り返して圧縮して引っ張ることによりアダプタプレート35が疲労破断する可能性を減らし、二次電池30の使用安全性を向上させ、二次電池30の耐用年数を延長する。
【0041】
一つの実施例において、図6に示すように、電極組立体33は、絶縁部材333を更に備える。絶縁部材333は、収容孔31aの周方向に沿って、電極組立体33の外周面を被覆するように筒状構造に巻回されている。絶縁部材333の少なくとも一部は、位置規制凸部311とタブ部332との間に設けられ、それにより絶縁部材333は位置規制凸部311とタブ部332とを分離させることができる。収容孔31aの軸方向Xに沿って、絶縁部材333の一部はタブ部332を超えている。絶縁部材333は、シート状構造であってもよい。
【0042】
一つの実施例において、図6に示すように、本願の実施例のタブ部332は、多層構造である。電極組立体33の製造過程において、タブ部332は、平滑化装置により平滑化処理を行う。平滑化処理されたタブ部332は、第1の部分332aと第2の部分332bとを備える。隣接する二つの層構造の第1の部分332aにおける隙間は、隣接する二つの層構造の第2の部分332bにおける隙間よりも小さく、それにより隣接する二つの層構造は第1の部分332aで緻密であり、隣接する二つの層構造は第2の部分332bで緩くなる。タブ部332の第2の部分332bは本体部331に接続され、第1の部分332aは本体部331から離れている。第2の部分332bが緩いので、がたつきが発生した電極組立体33がトップカバー34又は他の部材の反力を受けた場合、タブ部332は第2の部分332bで湾曲変形が発生し、且つ収容孔31aの径方向において寸法が拡張しやすい。本実施例において、位置規制凸部311は、タブ部332の外周面3321における第2の部分332bと対応する領域に押圧され、タブ部332の第2の部分332bに対して側方の支えを形成でき、それによりタブ部332が外力により押出される時、第2の部分332bは湾曲変形しにくく、タブ部332が外力により押出されて収容孔31aの軸方向Xにおいて寸法が小さくなる可能性を減らす。
【0043】
一つの実施例において、図6に示すように、位置規制凸部311がタブ部332に押圧される面は滑らかな曲面であり、それにより位置規制凸部311がタブ部332に押圧されることによりタブ部332に局所的に応力集中が存在する可能性を減らし、更にタブ部332に局所的に応力集中が存在することによりクラック等の構造的損傷が発生する可能性を減らす。位置規制凸部311がタブ部332に押圧される面は円弧面を選択してもよい。
【0044】
一つの実施例において、ケース31の一部はタブ部332に向かって凹んで位置規制凸部311を形成し、ケース31の完全性及び構造強度を保証する。ケース31における位置規制凸部311に対応する領域に凹部が形成されている。位置規制凸部311の断面は円弧状を呈し、位置規制凸部311を形成する領域が過大な引張応力を受けてクラックが発生する可能性を減らすことに役立つ。一例において、電極組立体33とケース31との組立が完了した後、ロールプレス工具を使用してケース31の外側でケース31に対しロールプレスを行って位置規制凸部311を形成する。
【0045】
一つの実施例において、図4及び図6に示すように、位置規制凸部311は環状を呈する。位置規制凸部311は、収容孔31aの周方向に延びてタブ部332を囲むよう設けられている。位置規制凸部311は、タブ部332の外周面3321全体によりタブ部332に側方の支えを提供でき、それにより、タブ部332は各位置でいずれも位置規制凸部311による制約を受けて位置規制される。
【0046】
一つの実施例において、図7及び図8に示すように、位置規制凸部311の数は二つ以上である。二つ以上の位置規制凸部311は、タブ部332の周りに間隔を置いて設けられている。好ましくは、二つ以上の位置規制凸部311はタブ部332の周りに均一に間隔を置いて設ける。隣接する二つの位置規制凸部311の間に通路99が形成され、それにより二次電池30の使用過程で生成されたガス又は二次電池30内に注入された電解液は該通路99を介して流れることができ、それにより二次電池30の爆破弁の正常な使用又は電解液が電極組立体33に浸潤される一致性を保証することができる。
【0047】
一つの実施例において、図9及び図10に示すように、本実施例の二次電池30と図4及び図5に示す実施例の二次電池30は同じ構造なためここでは説明を省略し、主に相違点について説明する。本実施例において、ケース31は、二つの位置規制凸部311を備える。ケース31の各端部に一つの位置規制凸部311が設けられ、それにより二つの位置規制凸部311はそれぞれ本体部331の両側のタブ部332に同時に圧縮応力を印加することで、電極組立体33に対する位置規制制限能力を向上させ、更に電極組立体33がケース31内でがたつく可能性を減らす。
【0048】
一つの実施例において、図11に示すように、本実施例の二次電池30と図6に示す実施例の二次電池30は同じ構造なためここでは説明を省略し、主に相違点について説明する。本実施例において、位置規制凸部311の断面は台形を呈する。タブ部332に押圧される位置規制凸部311の頂面は平面であるので、位置規制凸部311がタブ部332を押圧することによりタブ部332に局所的に応力集中が存在する可能性を減らし、更にタブ部332に局所的に応力集中が存在することによりクラック等の構造的損傷が発生する可能性を減らす。
【0049】
一つの実施例において、図12に示すように、本実施例の二次電池30と図6に示す実施例の二次電池30は同じ構造なためここでは説明を省略し、主に相違点について説明する。本実施例において、位置規制凸部311の断面は三角形を呈する。タブ部332に押圧される位置規制凸部311の頂面は、滑らかな曲面であるので、位置規制凸部311がタブ部332を押圧することによりタブ部332に局所的に応力集中が存在する可能性を減らし、更にタブ部332に局所的に応力集中が存在することによりクラック等の構造的損傷が発生する可能性を減らす。
【0050】
一つの実施例において、図13に示すように、本実施例の二次電池30と図6に示す実施例の二次電池30は同じ構造なためここでは説明を省略し、主に相違点について説明する。本実施例において、ケース31は筒体312を更に備える。筒体312と位置規制凸部311は別々に設けられ、その後に互いに外嵌して接続されている。筒体312は、位置規制凸部311の外部に外嵌され、且つ両者は締り嵌められている。位置規制凸部311は環状構造である。位置規制凸部311は、タブ部332の外部に予め外嵌され、タブ部332の外周面3321に押圧される。そして、位置規制凸部311を電極組立体33とともに筒体312内に納める。
【0051】
本願の実施例の二次電池30は、ケース31及びケース31内に収容された電極組立体33を備える。ケース31は、位置規制凸部311を備える。位置規制凸部311は、タブ部332の外周面3321に押圧されてタブ部332に圧縮応力を印加することができ、それにより位置規制凸部311はタブ部332により電極組立体33を制限することができ、電極組立体33がケース31内にがたつく可能性を減らし、更にがたつきが発生した電極組立体33がアダプタプレート35を繰り返して圧縮して引っ張ることによりアダプタプレート35が疲労破断する可能性を低減し、二次電池30の使用安全性を向上させ、二次電池30の耐用年数を延長することに役立つ。
【0052】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱することなく様々な改良を行うことができ、且つ同等な部材に置き換えることもできる。特に、構造に関するコンフリクトが存在しない限り、各実施例に言及された各技術的特徴はいずれも任意の方式で組み合わせることができる。本願は本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に入る全ての技術案を含む。
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図8
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図13