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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】筐体、電池群及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/242 20210101AFI20240319BHJP
   H01M 50/249 20210101ALN20240319BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/249
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022541790
(86)(22)【出願日】2021-03-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 CN2021082082
(87)【国際公開番号】W WO2021190447
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】202011568483.7
(32)【優先日】2020-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020419984.8
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】王文▲傑▼
(72)【発明者】
【氏名】▲儲▼▲イェン▼南
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼友▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】周其旺
(72)【発明者】
【氏名】王▲シュァイ▼
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-097170(JP,A)
【文献】特開2016-097851(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106711368(CN,A)
【文献】中国実用新案第209282269(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第108461685(CN,A)
【文献】特開2008-100626(JP,A)
【文献】特開2013-133044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池群用の筐体であって、
第1のキャビティを有する第1のブラケットと、
第2のキャビティを有し、前記第1のブラケットと端から端まで順に接続して収容空間を形成する第2のブラケットと、
前記第1のキャビティに収容された第1の補強部と前記第2のキャビティに収容された第2の補強部とを備え、前記第1のブラケットを前記第2のブラケットに接続するブロックと、を備え、
前記第1のブラケットは、第1の外側上端壁を備え、前記第2のブラケットは、前記第1の外側上端壁に溶接された第2の外側上端壁を備え、前記第1の外側上端壁と前記第2の外側上端壁との溶接線における前記筐体内部に近い端部は第1の線分であり、
前記第1の補強部は、前記第1のブラケットの第1のキャビティに収容され、かつ前記第1のブラケットに固定され、前記第2の補強部は、前記第2のブラケットの第2のキャビティに収容され、かつ前記第2のブラケットに固定されおり、
前記ブロックの外面には第1の領域が含まれ、前記第1の領域が位置する平面における前記第1の線分の正投影は前記第1の領域内に位置する筐体。
【請求項2】
前記第1のブラケットは、前記第2のブラケットに近い第1の端を有し、前記第1の補強部は前記第1の端の前記第1のキャビティに収容され、
前記第2のブラケットは、前記第1のブラケットに近い第2の端を有し、前記第2の補強部は前記第2の端の前記第2のキャビティに収容されている、請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記第1の外側上端壁と前記第2の外側上端壁との交差線は、第2の線分を更に含み、前記第1の線分は前記第2の線分と交差し、同一線にない、請求項1又は2に記載の筐体。
【請求項4】
前記第1のブラケットは、第1の方向において配列された二つの側壁を備え、前記第1の外側上端壁は、前記第1のブラケットの二つの側壁を接続する外壁であり、前記第1のブラケットは、第1のチャンバを更に備え、前記第1のチャンバと前記第1のキャビティとは前記第1の方向において配列されており、
前記第2のブラケットは、第2の方向において配列された二つの側壁を備え、前記第2の外側上端壁は、前記第2のブラケットの二つの側壁を接続する外壁であり、前記第2のブラケットは、第2のチャンバを更に備え、前記第2のチャンバと前記第2のキャビティとは前記第2の方向において配列されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項5】
前記第1の補強部を前記第1のブラケットに固定する第1の接続部材と、
前記第2の補強部を前記第2のブラケットに固定する第2の接続部材と、
を更に備える、請求項に記載の筐体。
【請求項6】
前記第1の接続部材は、ヘッド部及び接続部を有し、前記第1のキャビティと前記第1のチャンバとは一列に配列され、前記第1のキャビティは前記筐体の外側に近接して設けられ、前記第1のチャンバは、前記筐体の内側に近接して設けられ、前記第1の接続部材のヘッド部を収容し、
前記第2の接続部材は、ヘッド部及び接続部を有し、前記第2のキャビティと前記第2のチャンバとは一列に配列され、前記第2のキャビティは前記筐体の外側に近接して設けられ、前記第2のチャンバは、前記筐体の内側に近接して設けられ、前記第2の接続部材のヘッド部を収容する、請求項に記載の筐体。
【請求項7】
前記ブロックは、前記第1の補強部と前記第2の補強部との交差箇所から前記筐体内部へ突出し、外面に前記第1の領域が含まれている突起部を備える、請求項に記載の筐体。
【請求項8】
前記第1のブラケットの二つの側壁のうちの前記筐体内部に臨む第1の内側壁に、前記突起部を回避するための第1の切り欠き領域が設けられ、前記第2のブラケットの二つの側壁のうちの前記筐体内部に臨む第2の内側壁に、前記突起部を回避するための第2の切り欠き領域が設けられている、請求項に記載の筐体。
【請求項9】
前記第1の補強部は、複数の第1の補強ブロックを備え、前記第1のブラケットは複数の第1のキャビティを備え、前記複数の第1の補強ブロックのそれぞれは前記複数の第1のキャビティの対応する一つに収容され、
前記第2の補強部は、複数の第2の補強ブロックを備え、前記第2のブラケットは複数の第2のキャビティを備え、前記複数の第2の補強ブロックのそれぞれは前記複数の第2のキャビティの対応する一つに収容されている、請求項又はに記載の筐体。
【請求項10】
前記複数の第1の補強ブロックは、前記第1のブラケットの高さ方向である第3の方向において配列され、前記複数の第2の補強ブロックは前記第3の方向において配列されている、請求項に記載の筐体。
【請求項11】
前記第1の接続部材は、前記複数の第1の補強ブロックの少なくとも一つを前記第1のブラケットに固定し、
前記第2の接続部材は、前記複数の第2の補強ブロックの少なくとも一つを前記第2のブラケットに固定する、請求項10に記載の筐体。
【請求項12】
前記突起部は、前記少なくとも一つの第1の補強ブロックと前記少なくとも一つの第2の補強ブロックとの交差箇所から前記筐体内部へ突出する、請求項11に記載の筐体。
【請求項13】
前記少なくとも一つの第1の補強ブロックに複数の前記第1の接続部材が設けられ、
前記少なくとも一つの第2の補強ブロックに複数の前記第2の接続部材が設けられている、請求項11又は12に記載の筐体。
【請求項14】
複数の前記第1の接続部材は、前記第2の方向において配列され、複数の前記第1の接続部材の位置とそれらが所在する第1の補強ブロックの第1の端との距離は、前記第2の方向における前記所在する第1の補強ブロックの長さの1/6から1/2を占め、前記第1の端は前記所在する第1の補強ブロックの前記第2のブラケットから離れた端部であり、
複数の前記第2の接続部材は、前記第1の方向において配列され、複数の前記第2の接続部材の位置とそれらが所在する第2の補強ブロックの第2の端との距離は、前記第1の方向における前記所在する第2の補強ブロックの長さの1/6から1/2を占め、前記第2の端は前記所在する第2の補強ブロックの前記第1のブラケットから離れた端部である、
請求項13のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項15】
複数の電池セルと、
上部ケースと、
底板と、
請求項1~14のいずれか一項に記載の筐体と、を備え、
前記底板と前記筐体とは下部ケースを形成し、前記上部ケースと前記下部ケースとを合わせて閉じて、前記複数の電池セルを収容するための密閉空間を形成する、電池群。
【請求項16】
電池群を電源として用いる装置であって、
電気エネルギーを供給するための請求項15に記載の電池群を備える装置。
【請求項17】
電池の筐体を製造する方法であって、
前記筐体の収容空間を形成するために、第1の外側上端壁を備え、内部に第1のキャビティを有する複数の第1のブラケットと、前記第1の外側上端壁に溶接される第2の外側上端壁を備え、内部に第2のキャビティを有する複数の第2のブラケットとを供給し、
前記第1のブラケットの第1のキャビティに収容され、かつ前記第1のブラケットに固定される第1の補強部と、前記第2のブラケットの第2のキャビティに収容され、かつ前記第2のブラケットに固定され、前記第1の補強部に接続された第2の補強部とを備えるブロックを供給し、
前記第1の外側上端壁と前記第2の外側上端壁との溶接線における前記筐体内部に近い端部は第1の線分であり、
前記ブロックの外面には第1の領域が含まれ、前記第1の領域が位置する平面における前記第1の線分の正投影は前記第1の領域内に位置する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年3月27日に提出された「筐体、電池群及び装置」という名称の中国特許出願202020419984.8の優先権、及び2020年12月25日に提出された「電池のケース、電池、電気機器、ケースの製造方法及び装置」という名称の中国特許出願202011568483.7の優先権を主張し、該出願の全ての内容は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願は、電池の技術分野に関し、特に筐体、電池群及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電池パックの下部ケースは、全ての部材のキャリアであり、その構造強度及びシール性能は特に重要である。現在、下部ケースは一般的に底板、サイドフレーム、締結具等の部分を含み、各部分は、重ね継ぎ溶接の方式で製造される。しかしながら、サイドフレームの溶接継ぎ目に応力集中が形成されやすく、損傷リスクがある。
【発明の概要】
【0004】
本願の目的は、筐体、電池群及び装置を提供することであり、該筐体は、高い接続強度及び剛性を有する。
【0005】
一側面において、本願の実施例は、第1のキャビティを有する第1のブラケットと、第2のキャビティを有し、第1のブラケットと端から端まで順に接続して収容空間を形成する第2のブラケットと、第1のキャビティに収容された第1の補強部と第2のキャビティに収容された第2の補強部とを備え、第1のブラケットを第2のブラケットに接続するブロックと、を備える筐体を提供する。
【0006】
本願の実施例の一つの態様によれば、第1のブラケットは、第2のブラケットに近い第1の端を有し、第1の補強部は第1の端の第1のキャビティに収容され、第2のブラケットは、第1のブラケットに近い第2の端を有し、第2の補強部は第2の端の第2のキャビティに収容されている。
【0007】
本願の実施例の一つの態様によれば、第1のブラケットは、第1の外側上端壁を備え、第2のブラケットは、第1の外側上端壁に溶接された第2の外側上端壁を備え、第1の外側上端壁と第2の外側上端壁との溶接線における筐体内部に近い端部は第1の線分であり、第1の補強部は、第1のブラケットの第1のキャビティに収容され、かつ第1のブラケットに固定され、第2の補強部は、第2のブラケットの第2のキャビティに収容され、かつ第2のブラケットに固定されおり、ブロックの外面には第1の領域が含まれ、第1の領域が位置する平面における第1の線分の正投影は第1の領域内に位置する。
【0008】
本願の実施例の一つの態様によれば、第1の外側上端壁と第2の外側上端壁との交差線は、第2の線分を更に含み、第1の線分は第2の線分と交差し、同一線にない。
【0009】
本願の実施例の一つの態様によれば、第1のブラケットは、第1の方向において配列された二つの側壁を備え、第1の外側上端壁は、第1のブラケットの二つの側壁を接続する外壁であり、第1のブラケットは、第1のチャンバを更に備え、第1のチャンバと第1のキャビティとは第1の方向において配列されており、第2のブラケットは、第2の方向において配列された二つの側壁を備え、第2の外側上端壁は、第2のブラケットの二つの側壁を接続する外壁であり、第2のブラケットは、第2のチャンバを更に備え、第2のチャンバと第2のキャビティとは第2の方向において配列されている。
【0010】
本願の実施例の一つの態様によれば、筐体は、第1の補強部を第1のブラケットに固定する第1の接続部材と、第2の補強部を第2のブラケットに固定する第2の接続部材と、を更に備える。
【0011】
本願の実施例の一つの態様によれば、前記第1の接続部材は、ヘッド部及び接続部を有し、第1のキャビティと第1のチャンバとは一列に配列され、第1のキャビティは筐体の外側に近接して設けられ、第1のチャンバは、筐体の内側に近接して設けられ、第1の接続部材のヘッド部を収容し、第2の接続部材は、ヘッド部及び接続部を有し、第2のキャビティと第2のチャンバとは一列に配列され、第2のキャビティは筐体の外側に近接して設けられ、第2のチャンバは、筐体の内側に近接して設けられ、第2の接続部材のヘッド部を収容する。
【0012】
本願の実施例の一つの態様によれば、ブロックは、第1の補強部と第2の補強部との交差箇所から筐体内部へ突出し、外面に第1の領域が含まれている突起部を備える。
【0013】
本願の実施例の一つの態様によれば、第1のブラケットの二つの側壁のうちの筐体内部に臨む第1の内側壁に、突起部を回避するための第1の切り欠き領域が設けられ、第2のブラケットの二つの側壁のうちの筐体内部に臨む第2の内側壁に、突起部を回避するための第2の切り欠き領域が設けられている。
【0014】
本願の実施例の一つの態様によれば、第1の補強部は、複数の第1の補強ブロックを備え、第1のブラケットは複数の第1のキャビティを備え、複数の第1の補強ブロックのそれぞれは複数の第1のキャビティの対応する一つに収容され、第2の補強部は、複数の第2の補強ブロックを備え、第2のブラケットは複数の第2のキャビティを備え、複数の第2の補強ブロックのそれぞれは複数の第2のキャビティの対応する一つに収容されている。
【0015】
本願の実施例の一つの態様によれば、複数の第1の補強ブロックは、第1のブラケットの高さ方向である第3の方向において配列され、複数の第2の補強ブロックは第3の方向において配列されている。
【0016】
本願の実施例の一つの態様によれば、第1の接続部材は、複数の第1の補強ブロックの少なくとも一つを第1のブラケットに固定し、第2の接続部材は、複数の第2の補強ブロックの少なくとも一つを第2のブラケットに固定する。
【0017】
本願の実施例の一つの態様によれば、突起部は、少なくとも一つの第1の補強ブロックと少なくとも一つの第2の補強ブロックとの交差箇所から筐体内部へ突出する。
【0018】
本願の実施例の一つの態様によれば、少なくとも一つの第1の補強ブロックに複数の第1の接続部材が設けられ、少なくとも一つの第2の補強ブロックに複数の第2の接続部材が設けられている。
【0019】
本願の実施例の一つの態様によれば、複数の第1の接続部材は、第2の方向において配列され、複数の第1の接続部材の位置とそれらが所在する第1の補強ブロックの第1の端との距離は、第2の方向における所在する第1の補強ブロックの長さの1/6から1/2を占め、第1の端は所在する第1の補強ブロックの第2の壁から離れた端部であり、複数の第2の接続部材は、第1の方向において配列され、複数の第2の接続部材の位置とそれらが所在する第2の補強ブロックの第2の端との距離は、第1の方向における所在する第2の補強ブロックの長さの1/6から1/2を占め、第2の端は所在する第2の補強ブロックの第1の壁から離れた端部である。
【0020】
他側面では、本願の実施例は、複数の電池セルと、上部ケースと、底板と、上記の筐体と、を備え、底板と筐体とは下部ケースを形成し、上部ケースと下部ケースとを合わせて閉じて、複数の電池セルを収容するための密閉空間を形成する電池群を更に提供する。
【0021】
他側面では、本願の実施例は、電池群を電源として用いる装置であって、電気エネルギーを供給するための上記の電池群を備える装置を更に提供する。
【0022】
他側面では、本願の実施例は、電池の筐体を製造する方法であって、筐体の収容空間を形成するために、第1の外側上端壁を備え、内部に第1のキャビティを有する複数の第1のブラケットと、前記第1の外側上端壁に溶接される第2の外側上端壁を備え、内部に第2のキャビティを有する複数の第2のブラケットとを供給し、第1のブラケットの第1のキャビティに収容され、かつ第1のブラケットに固定される第1の補強部と、第2のブラケットの第2のキャビティに収容され、かつ第2のブラケットに固定され、前記第1の補強部に接続された第2の補強部とを備えるブロックを供給し、第1の外側上端壁と第2の外側上端壁との溶接線における筐体内部に近い端部は第1の線分であり、ブロックの外面には第1の領域が含まれ、第1の領域が位置する平面における第1の線分の正投影は第1の領域内に位置する、方法を更に提供する。
【0023】
他側面では、本願の実施例は、電池の筐体を製造する装置であって、筐体の収容空間を形成するために、複数の第1のブラケット及び複数の第2のブラケットを供給し、互いに接続された第1の補強部及び第2の補強部を備えるブロックを供給するための供給モジュールを備え、第1のブラケットは、第1の外側上端壁を備え、内部に第1のキャビティを有し、第2のブラケットは、第1の外側上端壁に溶接される第2の外側上端壁を備え、内部に第2のキャビティを有し、第1の外側上端壁と第2の外側上端壁との溶接線における筐体内部に近い端部は第1の線分であり、第1の補強部は、第1のブラケットの第1のキャビティに収容され、かつ第1のブラケットに固定され、第2の補強部は、第2のブラケットの第2のキャビティに収容され、かつ第2のブラケットに固定され、ブロックの外面には第1の領域が含まれ、第1の領域が位置する平面における第1の線分の正投影は第1の領域内に位置する、装置を更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下に記載の図面は本願のいくつかの実施例に過ぎない。当業者にとって、創造的労働をしない前提で、更に図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1】本願の一つの実施例に開示された車両の構造概略図である。
図2】本願の一つの実施例に開示された電池群の分解構造概略図である。
図3】本願の一つの実施例に開示された下部ケースの構造概略図である。
図4図3における領域Aの拡大構造概略図である。
図5】本願の実施例の提供する筐体の部分分解構造概略図である。
図6図5に示す筐体の溶接継ぎ目の構造概略図である。
図7】本願の実施例の提供する別の筐体の部分分解構造概略図である。
図8図7に示す筐体の溶接継ぎ目の構造概略図である。
図9】本願の別の実施例に開示された電池群の分解構造概略図である。
図10図9における第2の部材と電池群の取付図である。
図11】本願の別の実施例に開示された第2の部材の概略図である。
図12図11における第2の部材の平面図である。
図13図12に示す第2の部材の部分分解図である。
図14図13における領域Aの部分拡大図である。
図15図12における左上隅領域の部分断面図である。
図16】本願の一つの実施例に開示された第1の壁の断面概略図である。
図17】本願の一つの実施例に開示された第1の壁の第1の外側上端壁と第2の壁の第2の外側上端壁との間の固定方式の概略図である。
図18】本願の一つの実施例に開示された第1の壁の第1の外側上端壁と第2の壁の第2の外側上端壁との間の別の固定方式の概略図である。
図19】本願の一つの実施例に開示された電池群の筐体を製造する方法の概略的なフローチャートである。
図20】本願の一つの実施例に開示された電池群の筐体を製造する装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に図面及び実施例を参照しながら本願の実施形態を更に詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するために用いられるが、本願の範囲を限定するものではなく、即ち本願は説明された実施例に限定されるものではない。
【0026】
本願の説明において、説明すべきこととして、他に説明しない限り、「複数」の意味は二つ以上である。「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語の指示された方位又は位置関係は本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、指定された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されなければならないことを指示するか又は暗示するものではない。したがって、本願を限定するものと理解すべきではない。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は単に対象を説明するために用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示すると理解されるべきではない。「垂直」は厳密な意味での垂直ではなく、誤差許容範囲内にある。「平行」は厳密な意味での平行ではなく、誤差許容範囲内にある。
【0027】
下記説明に現れる方位語はいずれも図に示された方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の説明において、更に説明すべきことは、他に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」を広義に理解すべきである。例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されてもよい。直接的に接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0028】
簡潔にするために、異なる実施例において、同じ部材に対する詳細な説明を省略する。理解すべきことは、図面に示された本願の実施例における様々な部材の厚さ、長さ及び幅などの寸法、及び集積装置の全体の厚さ、長さ及び幅などの寸法は例示的な説明に過ぎず、本願にいかなる限定を構成するべきではない。
【0029】
本願に現れた「複数」は、二つ以上(二つを含む)を指し、同様に、「複数組」は二組以上(二組を含む)を指し、「複数枚」は二枚以上(二枚を含む)を指す。
【0030】
本願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等を含むことができるが、本願の実施例はこれらに限定されない。電池セルは円柱体、扁平体、直方体又は他の形状等を呈することができるが、本願の実施例はこれらに限定されない。電池セルは、一般的にパッケージの方式で柱状電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの三種類に分けられるが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0031】
本願の実施例に言及された電池群は、一つ又は複数の電池セルを含むことによりより高い電圧及び容量を提供する単一の物理モジュールを指す。例えば、本願に言及された電池群は電池モジュール又は電池パック等を含むことができる。電池群は一般的に一つ又は複数の電池セルをパッケージングするためのケースを含む。ケースは、液体又は他の異物による電池セルの充電又は放電への影響を回避することができる。
【0032】
電池セルは、電極組立体及び電解液を含み、電極組立体は、正極シート、負極シート及びセパレータで構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極シートと負極シートとの間を移動することにより動作する。正極シートは、正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極活物質層が塗布された集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極タブとされる。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極シートは負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極活物質層が塗布された集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極タブとされる。負極集電体の材料は、銅であってもよく、負極活物質は炭素又はシリコン等であってもよい。大電流が溶断しないように流れることを保証するために、正極タブの数は複数でありかつ一体に積層され、負極タブの数は複数でありかつ一体に積層される。セパレータの材質は、PPやPE等であってもよい。また、電極組立体は、巻回式構造であってもよく、積層式構造であってもよいが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0033】
本願の実施例における電池群のケースは、複数の電池セル、バスバー、および電池の他の部品を収容するためのものである。いくつかの実施例において、ケースに更に電池セルを固定するための構造を設置することができる。ケースの形状は、収容される複数の電池セルに応じて定めることができる。いくつかの実施例において、ケースは角形であってもよく、六つの壁を有する。
【0034】
本願に言及されたバスバーは、複数の電池セルの間の電気的接続、例えば並列接続又は直列接続又はハイブリッド接続を実現する。バスバーは、電池セルの電極端子を接続することにより、電池セル間を電気的に接続することができる。いくつかの実施例において、バスバーは溶接により電池セルの電極端子に固定することができる。
【0035】
理解すべきことは、以上に説明した電池群のケースにおける各部材は本願の実施例を限定するものと理解すべきではなく、即ち、本願の実施例の電池群用のケースは上記部材を含んでもよく、上記部材を含んでいなくてもよい。
【0036】
本願の実施例に記載の技術案はいずれも電池群を電源として用いる様々な装置に適用することができる。該装置は、例えば携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、電気スクーター、電動玩具、電動工具、車両、船舶及び航空機等であってもよいが、これらに限定されない。例えば、航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船等を含む。
【0037】
理解すべきことは、本願の実施例に記載の技術案は、上記に記載の装置に適用されるだけでなく、電池群を用いる全ての装置に適用することができるが、説明を簡潔にするために、下記実施例はいずれも車両を例として説明する。
【0038】
図1は、本願の実施例の提供する車両の構造概略図である。図1に示すとおり、車両100はエンジン駆動車、天然ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド自動車又は航続距離延長型自動車等であってもよい。車両100の内部にモータ、コントローラ及び電池群20を設置することができ、コントローラは電池群20がモータに給電するように制御するために用いられる。例えば、車両100の底部又は前部又は後部に電池群20を設置することができる。電池群20は車両100の電力供給を行うことができ、例えば、電池群20は車両100の動作電源とすることができ、車両100の回路システムに用いられ、例えば、車両100の起動、ナビゲーション及び運転時の動作電力消費需要に用いられる。本願の別の実施例において、電池群20は車両100の動作電源とすることができると共に、車両100の駆動電源とすることができ、燃料油又は天然ガスを代替するか又は部分的に代替して車両100に駆動動力を供給する。
【0039】
異なる使用電力需要を満たすために、電池群20は、複数の電池セルを含むことができる。例えば、図2は本願の一つの実施例の電池群の分解構造概略図であり、電池群20は複数の電池セル3を含むことができる。異なる電力需要に応じて、電池セル3の数を任意の数値に設定することができる。複数の電池セル3を直列接続、並列接続又はハイブリッド接続することにより大きな容量又は電力を実現することができる。各電池群20に含まれる電池セル3の数が多い可能性があるため、取り付けを容易にするために、電池セル3をグループに分けて設置することができ、各グループの電池セル3は、電池モジュールを構成する。電池モジュールに含まれる電池セル3の数は限定されず、需要に応じて設置することができる。電池群は複数の電池モジュールを含むことができ、これらの電池モジュールは直列接続、並列接続又はハイブリッド接続で接続することができる。
【0040】
選択可能に、電池群20は、更に他の構造を含むことができる。例えば、該電池群20は更にバスバーを含むことができ、バスバーは複数の電池セル3の間の電気的接続、例えば並列接続又は直列接続又はハイブリッド接続を実現する。具体的には、バスバーは、電池セル3の電極端子を接続することにより電池セル3の間の電気的接続を実現することができる。更に、バスバーは溶接により電池セル3の電極端子に固定することができる。複数の電池セル3の電気エネルギーは、更に導電機構によりケースを貫通して引き出すことができる。選択可能に、導電機構はバスバーに属してもよい。
【0041】
電池群20は、ケース(又はカバー体と呼ばれる)を更に含むことができ、ケース内部が中空構造であり、複数の電池セル3がケース内に収容される。図2に示すように、ケースは二つの部分を含むことができ、ここでそれぞれ第1の部材と第2の部材(又は上部ケース2と下部ケース10とも呼ばれる)と呼ばれ、上部ケース2と下部ケース10とが一体に係合される。上部ケース2及び下部ケース10の形状は、複数の電池セル3の組み合わせの形状に基づいて決定することができ、上部ケース2及び下部ケース10のうちの少なくとも一つの部材は一つの開口を有する。選択可能に、本願の実施例におけるケースに含まれる上部ケース2と下部ケース10はいずれも中空直方体であり、かつそれぞれ一つの面のみが開口面であり、上部ケース2の開口と下部ケース10の開口は対向して設けられ、かつ上部ケース2と下部ケース10とは互いに係合して密閉チャンバを有するケースを形成する。複数の電池セル3は、互いに並列接続されるか又は直列接続されるか又はバイブリッド接続されて組み合わせられた後に、上部ケース2と下部ケース10とを係合して形成されたケース内に配置される。
【0042】
一つの実施例において、電池群20は、上部ケース2、下部ケース10及び複数の電池セル3を含む。図2に示すように、下部ケース10は底板4及び筐体1を含み、上部ケース2と下部ケース10とを合わせて閉じて、複数の電池セル3を収容するための密閉空間を形成し、複数の電池セル3は密閉空間内に並設される。説明を容易にするために、本願の実施例は図2に示すケースを例として説明するが、本願の実施例はこれらに限定されるものではない。
【0043】
図3は、本願の実施例の提供する下部ケースの構造概略図を示す。図3に示すように、ケースの下部ケース10は内部の各部材のキャリアであるため、その構造強度及びシール性能は特に重要である。現在、下部ケース10の底板4と筐体1等の部分との間は重ね継ぎ溶接の方式で製造される。しかしながら、各筐体1の間の溶接継ぎ目に応力集中が形成されやすく、溶接継ぎ目の強度が低いため、損傷リスクがあり、ケースの強度需要を満たすことができない。下部ケース10内に補強ブラケットを増加させることによりケース強度を増加させると、該補強ブラケットは下部ケース10の内部空間を占用する必要があり、更に該下部ケース10の内部空間の利用率が低く、電池セル3の取り付けに影響を与える。
【0044】
したがって、本願の実施例は、筐体1を提供し、筐体1内に補強構造が設けられて上記問題を解決することができる。
【0045】
図3図5に示すとおり、本願の実施例の提供する筐体1は、第1のブラケット11、第2のブラケット12及びブロック13を含む。
【0046】
第1のブラケット11は、第1のキャビティ111を有する。選択可能に、第1のブラケット11は押出型材であり、第1のブラケット11の構造強度を向上させると同時に、第1のブラケット11の重量を軽減することができる。
【0047】
第2のブラケット12は、第2キャビティ121を有する。選択可能に、第2のブラケット12は押出型材であり、第2のブラケット12の構造強度を向上させると同時に、第2のブラケット12の重量を軽減することができる。複数の第2のブラケット12は複数の第1のブラケット11の首尾に順に接続されて、収容室Oを形成する。
【0048】
ブロック13は、第1の補強部131及び第2の補強部132を含み、第1の補強部131は第1のキャビティ111に収容され、第2の補強部132は第2のキャビティ121に収容され、ブロック13は第1のブラケット11と第2のブラケット12とを接続する。
【0049】
電池群20が使用中に振動、衝撃を受けるため、筐体1の第1のブラケット11と第2のブラケット12との接続箇所の応力が集中し、損傷リスクがある。ブロック13は第1のブラケット11と第2のブラケット12を一体に接続することにより、ブロック13が主な荷重対象となり、接続箇所の応力集中現象を減少させ、筐体1の接続強度及び剛性を向上させる。
【0050】
選択可能に、ブロック13は、中空の二層構造であり、それによりブロック13の構造強度及び剛性を向上させる。また、シミュレーション計算分析により、筐体1の車両本体に接続された側に損傷が発生しやすく、例えば、図3において左側に位置する第1のブラケット11の両端と第2のブラケット12との間の接続箇所がある。したがって、コストを節約するために、首尾が順に接続された第1のブラケット11と第2のブラケット12において、筐体1に損傷が発生しやすい第1のブラケット11と第2のブラケット12との間のみにブロック13を設置することができる。
【0051】
本願の実施例の提供する筐体1は、第1のブラケット11と第2のブラケット12との接続箇所にブロック13を設置することにより、筐体1の接続強度及び剛性を向上させる。
【0052】
以下に図面を参照しながら本願の実施例の提供する筐体1の具体的な構造を更に説明する。
【0053】
図4及び図5に示すとおり、第1のブラケット11は第2のブラケット12に近接する第1の端110を有し、ブロック13の第1の補強部131は第1の端110の第1のキャビティ111に収容される。第2のブラケット12は第1のブラケット11に近接する第2の端120を有し、ブロック13の第2の補強部132は第2の端120の第2のキャビティ121に収容される。ブロック13はそれぞれ第1のブラケット11の端部と第2のブラケット12の端部に収容されるため、筐体1の接続強度及び剛性を向上させると同時に、筐体1の重量を軽減し、更に該筐体1を含む下筐体10のエネルギー密度を向上させる。
【0054】
選択可能に、図5に示すように、ブロック13は押出型材であり、第1の補強部131内に3つのチャンバが設けられ、第2の補強部132内に内向きに凹んだチャンバが設けられ、ブロック13の構造強度を向上させると同時に、ブロック13の重量を軽減することができる。
【0055】
図4に示すように、ブロック13の第1の補強部131に第1の位置決め部aが設けられ、第2の補強部132に第2の位置決め部bが設けられ、第1の位置決め部aは締結具により第1のブラケット11の第1の端110に接続され、第2の位置決め部bは第2のブラケット12の第2の端120に接続され、具体的には締結具、溶接等の方式で接続を実現することができる。
【0056】
いくつかの実施例において、第1の位置決め部a及び第2の位置決め部bはいずれも貫通孔であり、第1の位置決め部aはリベットにより第1のブラケット11の第1の端110に接続され、第2の位置決め部bはリベットにより第2のブラケット12の第2の端120に接続される。図5に示すように、第1の補強部131の収容室Oに向かう内壁に第1の位置決め部a、即ち貫通孔が設けられ、第1の補強部131の厚さ寸法が小さいため、接続部材に十分な収容空間を残すために、第1の補強部131の収容室Oから離れた外壁に逃げ孔a1が開設される。第2の補強部132の厚さ寸法が相対的に大きく、十分な収容空間を有するため、第2の補強部132の収容室Oに向かう内壁のみに第2の位置決め部b、即ち貫通孔が設けられる。
【0057】
いくつかの実施例において、第1の位置決め部a及び第2の位置決め部bは、いずれもねじ孔である。第1の位置決め部aはボルトにより第1のブラケット11の第1の端110に接続され、第2の位置決め部bはボルトにより第2のブラケット12の第2の端120に接続される。同様に、第1の補強部131の収容室Oに向かう内壁に第1の位置決め部a、即ちネジ孔が設けられ、同時に第1の補強部131の収容室Oから離れた外壁に逃げ孔a1が設けられ、第2の補強部132の収容室Oに向かう内壁に第2の位置決め部b、即ちネジ孔が設けられる。
【0058】
理解できるように、第1の位置決め部a及び第2の位置決め部bのうちのいずれか一方は貫通孔であり、かつリベットにより対応する第1のブラケット11又は第2のブラケット12の端部に接続される。第1の位置決め部a及び第2の位置決め部bのうちの他方はねじ孔であり、かつボルトにより対応する第2のブラケット12又は第1のブラケット11の端部に接続され、それにより第1のブラケット11と第2のブラケット12はブロック13を介して互いに接続される。
【0059】
更に、ブロック13の第1の補強部131と第2の補強部132とは、収容室Oに近接する側で交差して設けられ、第1の補強部131と第2の補強部132とは、収容室Oから離れた側で斜面132a又は円弧面132により接続される。斜面132aにより、第1の補強部131と第2の補強部132とは収容室Oから離れた側で滑らかに遷移して接続される。円弧状面132bにより、第1の補強部131と第2の補強部132とは、収容室Oから離れた側で滑らかに遷移して接続される。
【0060】
選択可能に、第1の補強部131及び第2の補強部132とは、収容室Oから離れた側で斜面132a及び円弧状面132bにより接続されてもよい。斜面132aと円弧状面132bのうちのいずれか一方は第1の補強部131の収容室Oから離れた側に接続され、斜面132aと円弧状面132bのうちの他方は第2の補強部132の収容室Oから離れた側に接続される。
【0061】
図4に示すように、斜面132aは第1の補強部131の収容室Oから離れた側に接続され、円弧状面132bは第2の補強部132の収容室Oから離れた側に接続される。斜面132aと弧状面132bの接続箇所は互いに接して設けられている。
【0062】
選択可能に、第1の補強部131と第2の補強部132の収容室Oに近い側は直角に設けられ、第1のブラケット11の縁部と第2のブラケット12の縁部との間の溶接がしっかりしていることを保証し、溶接継ぎ目のシール性を向上させることができる。ブロック13の第1の補強部131が第1のブラケット11の第1のキャビティ111に収容され、第2の補強部132が第2のブラケット12の第2のキャビティ121に収容された後、第1の補強部131及び第2の補強部132の収容室Oから離れた側に設けられた斜面132a及び/又は円弧状面132bは、筐体1の縁部が作業者又は他の物体を傷つけることを防止することができ、同時に筐体1の美観を向上させることができる。
【0063】
更に、第1のブラケット11は、収容室Oに近い第1の内壁11aと収容室Oから離れた第1の外壁11bを含み、第1の外壁11bに取付孔116が設けられ、筐体1は取付孔116を介して外部装置に接続される。例えば、筐体1は、取付孔116を貫通するボルトにより電池群20を車両本体に固定する。
【0064】
第1のブラケット11内に第1の仕切り壁112が設けられ、第1の仕切り壁112は第1のブラケット11の内部空間を少なくとも二つのキャビティに仕切り、ここで、第1のキャビティ111を形成する壁部は第1の内壁11aの少なくとも一部を含む。
【0065】
筐体1は第1のブラケット11における取付孔116を介して外部装置に接続されるため、第1のブラケット11は、荷重を受ける時に振動、揺動などの引っ張りにより取付孔116に不純物、液体などが入りやすい可能性がある。しかしながら、第1の仕切り壁112の仕切り作用により、外部の不純物、液体等は第1のキャビティ111を介して収容室O内に入って、電池群10の電気的性能に影響を与えることができない。これにより、第1の仕切り壁112は、第1のブラケット11の重量を軽減し、第1のブラケット11の剛性及び強度を向上させることができるだけでなく、筐体1のシール保護性能を向上させることができる。
【0066】
図5に示すように、選択可能に、第1の仕切り壁112の断面は十字型を呈して設けられ、第1の仕切り壁112は第1のブラケット11の内部空間を第1のキャビティ111、第3のキャビティ113、第4のキャビティ114及び第5のキャビティ115の行列に分布する四つのキャビティに仕切り、ここで、第1の内壁11aは第1のキャビティ111及び第4のキャビティ114に対応し、第1の外壁11bは第3のキャビティ113及び第5のキャビティ115に対応する。ブロック13の第1の補強部131は、第1のキャビティ111に収容されている。四つのキャビティの容積の大きさは同じであってもよく、異なってもよい。
【0067】
前記のように、取付孔116が荷重を受けるため、外部の不純物、液体等は取付孔116を介して第3のキャビティ113又は第5のキャビティ115に入りやすい。しかしながら、第1の仕切り壁112の仕切り作用により、外部の不純物、液体等は第1のキャビティ111又は第4のキャビティ114を介して収容室O内に入って、電池群10の電気的性能に影響を与えることができない。
【0068】
更に、第2のブラケット12内に第2の仕切り壁122が設けられ、第2の仕切り壁122は第2のブラケット12の内部空間を少なくとも二つのキャビティに仕切り、第2のブラケット12は収容室Oに近接する第2の内壁12a及び収容室Oから離れた第2の外壁12bを含み、ここで、第2のキャビティ121を形成する壁部は第2の内壁12aの少なくとも一部を含む。
【0069】
図5に示すように、選択可能に、第2の仕切り壁122の断面はL字形を呈して設けられ、第2の仕切り壁122は第2のブラケット12の内部空間を第2のキャビティ121と第6のキャビティ124に仕切り、第2のキャビティ121は収容室Oに近接して設けられ、第6のキャビティ124は収容室Oから離れて設けられる。第2の仕切り壁122の仕切り作用により、外部の不純物、液体等は第2のキャビティ121を介して収容室O内に入って電池群10の電気的性能に影響を与えることができず、第2の仕切り壁122は第2のブラケット12の重量を軽減し、第2のブラケット12の剛性及び強度を向上させることができるだけでなく、筐体1のシール保護性能を向上させることができる。
【0070】
更に、第1のブラケット11の第1の端110と第2のブラケット12の第2の端120との当接位置はブロック13に接続される。具体的には、第1のブラケット11の第1の端110と第2のブラケット12の第2の端120との当接位置はブロック13に溶接接続されて、第1の溶接継ぎ目S1を形成する。溶接品質が高いため、第1のブラケット11と第2のブラケット12の接続性能を向上させ、接続強度を保証することができる。図6に示すとおり、塵埃及び水蒸気が電池群の内部に入ることによる電池セル及び部品の損傷を防止し、筐体1のシール保護性能を更に向上させるために、本願の実施例の提供する筐体1は封止板14を更に含み、第1のブラケット11の第1の端110の縁部と第2のブラケット12の第2の端120の縁部との間の領域は封止板14にシール接続される。
【0071】
具体的には、第1のブラケット11の第1の端110の縁部と第2のブラケット12の第2の端120の縁部との間の領域は封止板14に溶接接続されて、第2の溶接継ぎ目S2を形成する。第2の溶接継ぎ目S2の溶接品質要求が高いため、封止板と第1のブラケット11、第2のブラケット12との接続性能を向上させるだけでなく、筐体1のシール性能を更に向上させる。
【0072】
ブロック13は、リベット又はネジ接続の方式によりそれぞれ第1のブラケット11、第2のブラケット12に接続されてもよいため、ブロック13の縁部は第1のブラケット11、第2のブラケット12に溶接接続される必要がない。したがって、封止板14と第1のブラケット11の第1の端110の縁部及び第2のブラケット12の第2の端120の縁部は初回溶接であり、第1のブラケット11、第2のブラケット12の二次溶接問題による溶接スルーのリスクを回避し、良品率を向上させる。
【0073】
筐体1のシール性を保証するために、第1のブラケット11、第2のブラケット12及び封止板14の溶接が完了した後に気密性試験を行う必要がある。前記のように、第1のブラケット11内に第1の仕切り壁112が設けられ、外部の不純物、液体等は第1のキャビティ111を介して収容室O内に入って電池群10の電気的性能に影響を与えることができないため、第1の外壁11bと第1の仕切り壁112との間の領域にシールを必要としない。第1の仕切り壁112と第2の外壁12bとの間の領域は第1のキャビティ111及び第2のキャビティ121の両方と連通し、シール要求を満たす必要がある。
【0074】
筐体1のシールする必要がある領域とシールする必要がない領域はいずれも封止板14によりシールされるため、筐体1の気密検出が無効になると、ガス漏れ点の具体的な位置を決定することができない。また、再加工が必要な場合、溶接された封止板14を切除し、次に予備封止板14と第1のブラケット11、第2のブラケット12を再溶接する必要があるため、筐体1の外観及び溶接継ぎ目品質に悪影響を与えている。
【0075】
第1の外壁11bと第1の仕切り壁112との間の領域(即ち図5における第3のキャビティ113及び第5のキャビティ115)にシール要求がないため、溶接継ぎ目に対する品質要求を低減することができる。第1の仕切り壁112と第2の外壁12bとの間の領域はシール要求を満たす必要があり、それにより電池セル及び電気素子と外部塵埃及び水蒸気との隔離を保証し、これは溶接継ぎ目に対する品質要求が高い。これにより、封止板14を二つに分けることができ、溶接した後に封止要求のある領域のみに対して気密性試験を行えばよい。
【0076】
図7及び図8に示すとおり、封止板14は第1の封止板セグメント141及び第2の封止板セグメント142を含み、第1の外壁11bと第1の仕切り壁112との間の領域は第1の封止板セグメント141に接続され、第1の仕切り壁112と第2の外壁12bとの間の領域は第2の封止板セグメント142にシール接続される。
【0077】
具体的には、第1の外壁11bと第1の仕切り壁112との間の領域が第1の封止板セグメント141に溶接されて形成された第3の溶接継ぎ目S3の溶接品質要求が低く、シール面及び組立面に堆積した半田を研磨する時の要求が低く、手動で制御しやすく、溶接効率を向上させる。第1の仕切り壁112と第2の外壁12bとの間の領域が第2の封止板セグメント142と溶接して形成された第4の溶接継ぎ目S4の溶接品質要求が高く、第4の溶接継ぎ目S4を溶接する時に多くの費用を投資し、シール面及び組立面に堆積した半田を研磨すればよい。
【0078】
筐体1が気密性試験を行う場合、第4の溶接継ぎ目S4の溶接品質を検出する必要があり、一般的に漏れ量<0.04Kpaと要求すればよい。異常があれば、石鹸水を塗布することにより漏れ点を観察することができ、ガス漏れ位置を位置決めしやすく、次に漏れ点を直接的に補修溶接すればよく、封止板14を切除する必要がなく、プロセスの複雑さを低下させ、筐体1の製造可能性を改善し、製品の合格率及び製造効率を向上させる。
【0079】
本願の実施例は、第1のキャビティを有する第1のブラケットと、収容室を形成するように、第1のブラケットの首尾に順に接続され、第2のキャビティを有する第2のブラケットと、第1のキャビティに収容された第1の補強部及び第2のキャビティに収容された第2の補強部を含み、第1のブラケットと第2のブラケットとを接続するブロックと、を含む筐体を提供する。
【0080】
いくつかの実施例において、第1のブラケットは、第2のブラケットに近い第1の端を有し、第1の補強部は第1の端の第1のキャビティに収容され、第2のブラケットは第1のブラケットに近い第2の端を有し、第2の補強部は第2の端の第2のキャビティに収容される。
【0081】
いくつかの実施例において、第1の補強部に第1の位置決め部が設けられ、第2の補強部に第2の位置決め部が設けられ、第1の位置決め部が第1のブラケットの第1の端に接続され、第2の位置決め部が第2のブラケットの第2の端に接続される。
【0082】
いくつかの実施例において、第1の補強部及び第2の補強部は、収容室に向かう側で交差して設けられ、第1の補強部及び第2の補強部は、収容室から離れた側で斜面及び/又は円弧面により接続される。
【0083】
いくつかの実施例において、第1のブラケットは、収容室に近い第1の内壁と収容室から離れた第1の外壁とを含み、第1の外壁に取付孔が設けられ、筐体は取付孔を介して外部装置に接続される。
【0084】
いくつかの実施例において、第1のブラケット内に第1の仕切り壁が設けられ、第1の仕切り壁は第1のブラケットの内部空間を少なくとも二つのキャビティに仕切り、ここで、第1のキャビティを形成する壁部は第1の内壁の少なくとも一部を含む。
【0085】
いくつかの実施例において、第2のブラケット内に第2の仕切り壁が設けられ、第2の仕切り壁は第2のブラケットの内部空間を少なくとも二つのキャビティに仕切り、ここで、第2のキャビティを形成する壁部は第2の内壁の少なくとも一部を含む。
【0086】
いくつかの実施例において、第1のブラケットの第1の端と第2のブラケットの第2の端との当接位置はブロックに接続される。
【0087】
いくつかの実施例において、筐体は、封止板を更に含み、第1のブラケットの第1の端の縁部と第2のブラケットの第2の端の縁部との間の領域は封止板にシール接続される。
【0088】
いくつかの実施例において、封止板は、第2の封止板セグメントを含み、第1の仕切り壁と第2の外壁との間の領域は第2の封止板セグメントによりシール接続される。
【0089】
図9は、本願の他の実施例に開示された電池群の分解構造概略図である。該実施例において、上部ケース2は第1の部材111として実現され、下部ケース10は第2の部材112として実現される。図10図9における第2の部材と電池群との取付図である。
【0090】
本願の他の実施例における電池群20のケースは、他の形状を有してもよい。例えば、図9に示すように、ケースは二つの部分を含むことができ、ここでそれぞれ第1の部材111と第2の部材112(又は上部ケースと下部ケースと呼ばれてもよい)と呼ばれ、第1の部材111と第2の部材112が一体に係合される。第1の部材111及び第2の部材112の形状は複数の電池セル3の組み合わせの形状に基づいて決定することができ、第1の部材111及び第2の部材112のうちの少なくとも一つの部材は一つの開口を有する。例えば、ケースに含まれる第1の部材111及び第2の部材112のうちの一つのみが開口を有する中空直方体であり、もう一つが板状であり、開口をカバーする。例えば、図9及び図10に示すように、ここで第2の部材112が中空直方体であり、かつ一つの面のみが開口面であり、第1の部材111が板状であることを例として、第1の部材111が第2の部材112の開口部にカバーされて密閉チャンバを有するケースを形成し、該密閉チャンバが複数の電池セル3を収容する。
【0091】
図11は、本願の他の実施例に開示された第2の部材の概略図であり、図12図11における第2の部材の平面構造概略図であり、図13図12に示された第2の部材の部分分解図であり、図14図13における領域Aの部分拡大図である。該実施例において、フレーム1は複数の壁として実現され、第1のブラケット11は第1の壁210として実現され、第2のブラケット12は第2の壁220として実現され、ブロック13は補強構造230として実現され、第1の補強部131は第1の部分231として実現され、第2の補強部132は第2の部分232として実現される。
【0092】
図11~14に示すように、第2の部材112は、複数の壁を含み、該複数の壁は収容室を形成することができる。図において該第2の部材112が中空直方体であることを例とすると、該第2の部材112の複数の壁は四つの側壁である。また、該第2の部材112は更に底板4を含み、四つの側壁と該第2の部材112を形成する。図15図12における左上隅領域の部分断面図である。該断面図はケースの底板4に平行な平面に沿って該ケースの中間位置を切断して得られる。
【0093】
説明を容易にするために、ここで該第2の部材112に含まれる任意の二つの交差する壁を例として説明し、かつそれぞれ第1の壁210と第2の壁220と呼ばれる。図11図15に示すように、該第2の部材112が直方体であれば、該第1の壁210と第2の壁220は互いに垂直である。逆に、該第2の部材112が他の多角形であれば、該第1の壁210と第2の壁220は更に他の位置関係を有することができ、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0094】
説明を容易にするために、本願は、図11図15に示す第1の壁210と第2の壁220が互いに垂直であることを例として説明し、かつ第1の壁210の延在方向又は該第1の壁210の長さ方向を第2の方向として定義し、Yとして示す。第2の壁210の延在方向又は該第2の壁210の長さ方向を第1の方向として定義し、Xとして示す。第1の壁210又は第2の壁220の高さ方向を第3の方向として定義し、Zとして示す。かつ、第2の部材112が直方体である場合、X、Y及びZの三つの方向は互いに垂直である。
【0095】
図11図15に示すように、該第2の部材112は、補強構造230を更に含み、該補強構造230は互いに接続された第1の部分231及び第2の部分232を含む。具体的には、第1の壁210の内部に第1のキャビティを有し、第2の壁220の内部に第2のキャビティを有し、補強構造230の第1の部分231は第1の壁210の第1のキャビティ内に収容され、かつ第1の壁210に固定され、補強構造230の第2の部分232は第2の壁220の第2のキャビティ内に収容され、かつ第2の壁220に固定され、更に第1の壁210と第2の壁220の固定を実現する。
【0096】
図11図15に示すように、本願の実施例の第1の壁210は、第1の方向Xにおいて配列された二つの側壁、及び第1の外側上端壁211を含み、ここで、第1の壁210の二つの側壁はそれぞれ第1の外側壁212と第1の内側壁213であり、第1の外側壁212は筐体1の外壁であり、第1の内側壁213は筐体1の内壁であり、第1の外側上端壁211は第1の壁210の二つの側壁を接続するための外壁であり、かつ該第1の外側上端壁211は第1の壁210の第3の方向Zに沿った最も外側の壁である。同様に、本願の実施例の第2の壁220は、第2の方向Yにおいて配列された二つの側壁、及び第2の外側上端壁221を含み、ここで、第2の壁220の二つの側壁はそれぞれ第2の外側壁222と第2の内側壁223であり、第2の外側壁222は筐体1の外壁であり、第2の内側壁223は筐体1の内壁であり、第2の外側上端壁221は第2の壁220の二つの側壁222と223を接続するための外壁であり、かつ該第2の外側上端壁221は第2の壁220の第3の方向Zに沿った最も外側の壁である。
【0097】
本願の実施例において、図11図15に示すように、第1の外側上端壁211は第2の外側上端壁221に溶接され、第1の外側上端壁211と第2の外側上端壁221の溶接線における筐体1の内部に近い端部は第1の線分L11である。ここで、補強構造230の外面は第1の領域233を含み、第1の線分L11の第1の領域233が位置する平面での正投影は第1の領域233内に位置する。即ち、補強構造230は溶接線L1よりも筐体1の内部に近い。
【0098】
したがって、本願の実施例の第2の部材112の筐体1は、複数の壁を有し、任意に交差する第1の壁210と第2の壁220との間に、補強構造230を設置することができ、該補強構造230は第1の壁210と第2の壁220のチャンバ内に設けられ、第1の壁210と第2の壁220を接続して固定することで、筐体1の内部空間を占用しない状況で、第1の壁210と第2の壁220との間の剛性及び強度を大幅に増加させ、第1の壁210と第2の壁220との間の応力を減少させることができる。また、第1の壁210の第1の外側上端壁211と第2の壁220の第2の外側上端壁221を溶接し、溶接継ぎ目の第2の部材112の内部に近接する端部の第1の線分L11に対して、補強構造230に第1の領域233を有することにより、該第1の線分L11の該第1の領域233が位置する平面における正投影が該第1の領域233内に位置し、したがって筐体1が電池セル3の膨張力又は他の筐体1の内部から外へ向かう力を受ける時、これらの力がまず補強構造230に作用し、それにより該第1の線分L11が受ける力を減少し、更に溶接継ぎ目強度が低いことによる膨張力又は他の筐体1の内部から外へ向かう力が筐体1の壁を損傷しやすいという問題を解決する。
【0099】
以下に図面を参照しながら、本願の実施例を詳細に説明する。
【0100】
本願の実施例において、第1の壁210は、筐体1のうちのいずれか一つの壁であってもよく、したがって、以下は主に第1の壁210を例として説明する。図16は本願実施例の第1壁の断面模式図である。図14図16に示すように、該第1の壁210の外壁は第1の内側壁213、第1の外側壁212及び第1の外側上端壁211を含み、該第1の壁210の内部に更に第1の接続壁2123を有し、該第1の接続壁2123は第1の内側壁213、第1の外側壁212及び第1の外側上端壁211のうちの少なくとも二つの壁を接続し、かつ該第1の接続壁2123の位置及び形状を合理的に設置することにより、該第1の壁210の内部に複数のチャンバを形成することができ、例えば図に設けられた第1の接続壁2123は第1の壁210のチャンバ214~219を形成する。
【0101】
具体的には、図14図16に示すように、第1の壁210の第1の方向Xに沿った厚さは均一又は不均一であってもよく、即ち第1の内側壁213又は第1の外側壁212は平坦又は不均一であってもよい。例えば、第1の内側壁213又は第1の外側壁212の表面は凹み領域又は突起領域を有することができる。選択可能に、図において第1の内側壁213の表面が平坦ではなく、第1の外側壁212の表面が平坦であることを例とし、かつ筐体1の異なる壁の間も異なってもよく、例えば、図において第1の壁210の第1の内側壁213の表面が平坦ではなく、第2の壁220の第2の内側壁223の表面が平坦であるが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0102】
選択可能に、筐体1の同じ壁の内外の二つの側壁の間は平行であるか又は平行でなくてもよく、例えば、第1の内側壁213と第1の外側壁212との間は平行であるか又は平行でなくてもよい。かつ、筐体1の各壁の表面に平坦でない領域が存在する可能性があることを考慮して、同じ壁の内外の二つの側壁の間に局所領域が平行であり、局所領域が平行でないことが存在する可能性がある。説明を容易にするために、以下は主に第1の内側壁213と第1の外側壁212との間が平行であるか又は略平行であることを例として説明するが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0103】
本願の実施例において、各壁の内部の壁は実際の応用に応じて設置することができ、かつ異なる壁の間も同じ又は異なるように設置することができる。例えば、第1の壁210の内部の第1の接続壁2123は実際の応用に応じて設置することができる。例えば、該第1の接続壁2123は第1の内側壁213及び第1の外側壁212に垂直な壁を含むことができ、更に第1の内側壁213及び第1の外側壁212に平行な壁を含むことができ、更に第1の内側壁213及び第1の外側壁212に対して傾斜する壁を含むことができ、それにより異なる位置に位置する複数のチャンバ214~219を形成する。
【0104】
対応的に、本願の実施例において異なる壁が有するチャンバは同じであってもよく又は異なってもよい。例えば、第1の接続壁2123の分布に対応し、第1の壁210の複数のチャンバ214~219の個数、サイズ及び形状も実際の応用に応じて設定することができる。例えば、該複数のチャンバ214~219の形状は同じであるか又は異なってもよく、サイズも同じであるか又は異なってもよく、図において該複数のチャンバ214~219の形状が同じであるが、サイズが異なることを例とし、かつ該複数のチャンバの軸線は互いに平行であるが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0105】
加工を容易にするために、本願の実施例において、第1の壁210が含む第1の内側壁213、第1の外側壁212、第1の外側上端壁211及び第1の接続壁2123は一体成形構造であってもよく、又は第1の内側壁213、第1の外側壁212、第1の外側上端壁211及び第1の接続壁2123のうちの少なくとも二つは一体成形構造であってもよいが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0106】
選択可能に、図14図16に示すように、第1の壁210は、第1のチャンバを更に含むことができ、第1のチャンバと第1のキャビティは第1の方向Xにおいて配列される。例えば、図中の第1の壁210は、第1のキャビティ2121及び第1のチャンバ2131を含み、ここで、筐体1の内部に近い一列の第1のチャンバ2131は二つの第1のチャンバ215及び217を含むことができ、筐体1の外部に近い一列の第1のキャビティ2121は二つの第1のキャビティ216及び218を含むことができる。同様に、第2の壁220は第2のチャンバを更に含むことができ、第2のチャンバと第2のキャビティは第2の方向Yにおいて配列される。ここで、各列の第2のチャンバは、少なくとも一つの第2のチャンバを含むことができ、各列の第2のキャビティは少なくとも一つの第2のキャビティ、例えば図において、一列の第2のキャビティ2221及び一列の第2のチャンバ2231を含むことができる。
【0107】
本願の実施例において、補強構造230は少なくとも一列の第1のキャビティ内に位置してもよく、同様に、補強構造230は少なくとも一列の第2のキャビティ内に位置してもよい。例えば、本願の実施例は、主に図14図16を例とし、該補強構造230の第1の部分231は、筐体1の外部に近い一列の第1のキャビティ2121内に収容することができる。同様に、該補強構造230の第2の部分232は、筐体1の外部に近い一列の第2のキャビティ2221内に収容されるが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0108】
理解すべきことは、本願の実施例の筐体1は、更に第1の接続部材241及び第2の接続部材242を含むことができ、ここで、第1の接続部材241は、第1の部分231を第1の壁210に固定し、第2の接続部材242は第2の部分232を第2の壁220に固定する。
【0109】
選択可能に、本願の実施例において、該第1の接続部材241及び該第2の接続部材242は締結具又は膨張接着剤等であってもよい。図14図16に示すように、本明細書は主に該第1の接続部材241及び該第2の接続部材242を締結具とすることを例として説明し、該締結具はヘッド部及び接続部材を含むことができ、該締結具はボルト、ねじ又はリベット等であってもよいが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0110】
選択可能に、該第1の接続部材241及び該第2の接続部材242の数及び位置は実際の応用に基づいて設置することができ、例えば、該補強構造230の位置及び設置方式に基づいて該第1の接続部材241及び該第2の接続部材242の数及び位置を決定することができる。
【0111】
具体的には、補強構造230の第1の部分231は複数の第1の補強ブロックを含むことができ、対応して、第1の壁210は、一つ又は複数の第1のキャビティを含むことができ、複数の第1の補強ブロックにおける各第1の補強ブロックは対応する一つの第1のキャビティ内に収容されるが、一つの第1のキャビティ内に一つ又は複数の第1の補強ブロックを備えることができる。例えば、図14図16に示すように、該第1の部分231は4つの第1の補強ブロック2311を含むことができ、該4つの第1の補強ブロック2311は第3の方向Zにおいて配列され、かつ該4つの第1の補強ブロック2311は第1の壁210に含まれた複数のチャンバ214~219のうちの4つの第1のチャンバ214、216、218及び219と一対一に対応する。
【0112】
同様に、補強構造230の第2の部分232は、複数の第2の補強ブロックを含んでもよく、対応して、第2の壁220は、一つ又は複数の第2のキャビティを含んでもよく、複数の第2の補強ブロックにおける各第2の補強ブロックは対応する一つの第2のキャビティ内に収容されるが、一つの第2のキャビティ内に一つ又は複数の第2の補強ブロックを含んでもよい。例えば、図14図16に示すように、該第2の部分232は4つの第2の補強ブロック2321を含むことができ、該4つの第2の補強ブロック2321は第3の方向Zにおいて配列され、かつ該4つの第2の補強ブロック2321は第2の壁220の4つの第2のキャビティと一対一に対応する。
【0113】
選択可能に、図14図16に示すように、第1の壁210に含まれた複数の第1のキャビティの軸線が互いに平行である場合、複数の第1の補強ブロック2311の軸線も互いに平行である。第2の壁220に含まれた複数の第2のキャビティの軸線が互いに平行である場合、複数の第2の補強ブロック2321の軸線も互いに平行である。
【0114】
選択可能に、該複数の第1の補強ブロック2311のサイズ及び形状を、複数の第1のキャビティに一致させることができ、該複数の第2の補強ブロック2321のサイズ及び形状を、複数の第2のキャビティに一致させることができる。また、該複数の第1の補強ブロック2311の第2の方向Yに沿った長さは、同じであるか又は異なってもよく、該複数の第2の補強ブロック2321の第1の方向Xに沿った長さも同じであるか又は異なってもよい。例えば、図14図16に示すように、4つの第1の補強ブロック2311の形状が同じであってもよいが、第2の方向Yに沿った長さが異なり、4つの第2の補強ブロック2321の形状が同じであってもよいが、第2の方向Yに沿った長さが異なる。
【0115】
理解すべきことは、図14図16に示すような複数の第1の補強ブロック2311及び複数の第2の補強ブロック2321の設置方式に対して、第1の部分231が筐体1の外部に近い一列の第1のキャビティ2121内に収容される場合、該第1の接続部材241のヘッド部は筐体1の内部に近い一列の第1のチャンバ2131内に位置することができる。同様に、第2の部分232が筐体1の外部に近い一列の第2のキャビティ2221内に収容される場合、第2の接続部材242のヘッド部は筐体1の内部に近い一列の第2のチャンバ2231内に位置することができる。
【0116】
また、第1の接続部材241及び第2の接続部材242の個数は必要に応じて設定することができる。例えば、少なくとも一つの第1の補強ブロック2311に第1の接続部材241が設けられてもよく、ここで、一つの第1の補強ブロック2311に一つ又は複数の第1の接続部材241が設けられ、異なる第1の補強ブロック2311における第1の接続部材241の個数は同じであってもよく又は異なってもよく、それにより第1の部分231と第1の壁210が固定される。同様に、少なくとも一つの第2の補強ブロック2321に第2の接続部材242を設置することができ、ここで、一つの第2の補強ブロック2321に一つ又は複数の第2の接続部材242を設置し、異なる第2の補強ブロック2321における第2の接続部材242の数は同じであってもよく又は異なってもよく、それにより第2の部分232と第2の壁220が固定される。
【0117】
例えば、図14図16に示すように、4つの第1の補強ブロック2311の中間の二つの第1の補強ブロック2311にそれぞれ第2の方向Yに沿って配列された二つの第1の接続部材241を設置し、かつ4つの第2の補強ブロック2321の中間の二つの第2の補強ブロック2321にそれぞれ第1の方向Xに沿って配列された二つの第2の接続部材242を設置することができるが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0118】
いずれか一つの第1の補強ブロック2311における一つ又は複数の第1の接続部材241の分布位置に対して、該一つ又は複数の第1の接続部材241の位置とそれらが所在する第1の補強ブロックの第1の端との間の距離は、第2の方向Yにおける所在する第1の補強ブロックの長さの1/6~1/2を占め、ここで、第1の端は所在する第1の補強ブロックの第2の壁220から離れた一端である。同様に、いずれか一つの第2の補強ブロック2321における一つ又は複数の第2の接続部材242の分布位置に対して、該一つ又は複数の第2の接続部材242の位置とそれらが所在する第2の補強ブロックの第2の端との間の距離は、第1の方向Xにおける所在する第2の補強ブロックの長さの1/6~1/2を占め、ここで、第2の端は所在する第2の補強ブロックの第1の壁210から離れた一端である。
【0119】
また、一つの第1の補強ブロック2311に複数の第1の接続部材241が設けられる場合、該複数の第1の接続部材241の間の間隔は同じであるか又は異なってもよく、同様に、一つの第2の補強ブロック2321に複数の第2の接続部材242が設けられる場合、該複数の第2の接続部材242の間の間隔は同じであるか又は異なってもよい。
【0120】
第1の接続部材241及び第2の接続部材242の位置及び個数を合理的に設置することで、補強構造230と第1の壁210との間及び補強構造230と第2の壁220との間の強度及び安定性を効果的に向上させ、筐体1が損傷するリスクを低減することができる。
【0121】
理解すべきことは、図14図16に示すように、補強構造230は、突起部234を更に含み、突起部234は、第1の部分231と第2の部分232との交差部から筐体1の内部に突出し、該突起部234の外面は第1の領域233を含み、例えば、該第1の領域233は図14に示す突起部234の第3の方向Zに沿った上表面に位置することができ、それにより第1の外側上端壁211と第2の外側上端壁221との溶接線における筐体1の内部に近接する第1の線分L11の第1の領域233が位置する平面における正投影は第1の領域233内に位置するが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0122】
選択可能に、該突起部234の第3の方向Zに沿った位置及び高さは実際の応用に応じて設定することができる。例えば、第1の部分231に第1の接続部材241が設けられた第1の補強ブロックの位置、及び第2の部分232に第2の接続部材242が設けられた第2の補強ブロックの位置に基づいて、該突起部234の位置を設置することができる。例えば、図14図16に示すように、第1の接続部材241と第2の接続部材242がそれぞれ中間位置の二つの第1の補強ブロック2311と二つの第2の補強ブロック2321に設けられる場合、該突起部234は中間の二つの第1の補強ブロック2311と二つの第2の補強ブロック2321の交差箇所から筐体1の内部に突出することができる。
【0123】
理解すべきことは、突起部234の設置位置を考慮して、第1の壁210と第2の壁220の対応する位置に切り欠き領域を設置することができ、該切り欠き領域は、突起部234を回避する。例えば、図14図16に示すように、第1の壁210の第1の内側壁213に第1の切り欠き領域2132を設置することができ、第2の壁220の第2の内側壁223に第2の切り欠き領域2232が設けられ、二つの切り欠き領域はいずれも突起部234を回避する。
【0124】
選択可能に、第3の方向Zにおける該第1の切り欠き領域2132及び第2の切り欠き領域2232の高さは、第3の方向Zにおける突起部234の高さ以上であり、それにより突起部234を回避することができる。ここで、該第1の切り欠き領域2132の第3の方向Zにおける高さと第2の切り欠き領域2232の第3の方向Zにおける高さとは、同じであるか又は異なってもよい。例えば、図14図16に示すように、第3の方向Zにおいて、第2の切り欠き領域2232は第2の内側壁223の中間領域に位置することができ、かつ第2の切り欠き領域2232の第3の方向Zにおける高さは、突起部234の第3の方向Zにおける高さに等しいか又は僅かに大きく設定することができる。第1の切り欠き領域2132は第3の方向Zにおいて第1の内側壁213の中間部及び下部領域に位置し、かつ第1の切り欠き領域2132の第3の方向Zにおける高さは、突起部234の第3の方向Zにおける高さよりも明らかに大きい。
【0125】
本願の実施例において、該突起部234に第1の領域233を有することにより、第1の外側上端壁211と第2の外側上端壁221との溶接線における筐体1の内部に近接する第1の線分L11の第1の領域233が位置する平面における正投影は、第1の領域233内に位置する。具体的には、第1の外側上端壁211と第2の外側上端壁221との間は溶接により固定され、第1の壁210の第1の方向Xに沿った厚さと第2の壁220の第2の方向Yに沿った厚さは同じであるか又は異なってもよく、したがって、第1の外側上端壁211と第2の外側上端壁221との間の溶接線の位置は実際の応用に応じて柔軟に設置することができる。
【0126】
例えば、図17及び図18は、それぞれ第1の壁210の第1の外側上端壁211と第2の壁220の第2の外側上端壁221との間の異なる固定方式の概略図を示す。図10に示すように、第1の壁210の第1の方向Xに沿った厚さと第2の壁220の第2の方向Yに沿った厚さは同じであってもよく、第1の壁210の第1の外側上端壁211と第2の壁220の第2の外側上端壁221を互いに溶接する時、第1の外側上端壁211における第1の辺2111と第2の外側上端壁221における第2の辺2211を溶接することにより、溶接線L1を形成することができ、該溶接線L1における筐体1の内部に近い部分は第1の線分L11であり、該第1の線分L11の長さは溶接線L1より小さい。
【0127】
具体的には、第1の辺2111と第2の辺2211との間の交差線に対して、溶接線L1の長さは該交差線の長さ以下であってもよい。例えば、第1の内側壁213と第2の内側壁223の厚さを考慮して、図17に示すように、第1の辺2111と第2の辺2211との間の交差線における筐体1の内部に近い一端を溶接しなくてもよく、溶接線L1の長さは第1の辺2111と第2の辺2211との間の交差線より小さい。このとき、溶接線L1の筐体1の内部に近い端部に位置する第1の線分L11の位置は図17に示すように、図17において、第1の辺2111と第2の辺2211との間の交差線における第1の線分L11より筐体1の内部に近い部分は溶接されない。
【0128】
選択可能に、図18に示すように、第1の壁210の第1の方向Xに沿った厚さと第2の壁220の第2の方向Yに沿った厚さは、異なってもよく、ここで第2の壁220の厚さが第1の壁210の厚さより大きいことを例として説明する。第1の壁210の第1の外側上端壁211と第2の壁220の第2の外側上端壁221とを互いに溶接する場合、同様に第1の外側上端壁211における第1の辺2111と第2の外側上端壁221における第2の辺2211を溶接することにより、溶接線L1を形成することができ、又、該溶接線L1における筐体1の内部に近い部分は第1の線分L11であり、該第1の線分L11の長さは溶接線L1の長さより小さい。同時に、第2の辺2211は溶接開始位置を区別することができ、溶接線L1の端部の第1の線分L11の第3の方向Zに沿った投影が補強構造230に位置することを保証することができる。
【0129】
また、厚さの差異が存在するため、図18に示すように、第1の外側上端壁211に第1の辺2111に接続された第3の辺2112が存在し、それは第2の外側上端壁221における第2の辺2211に接続された第4の辺2212と交差し、該交差部分の線分は第2の線分L2であり、第1の線分L11は第2の線分L2と交差しかつ同一線になく、例えば、第1の線分L11と第2の線分L2との位置関係は図18に示すように、第1の内側壁213と第2の内側壁223とを互いに当接させ、第1の壁210と第2の壁220とのシール性を保証することができる。ここで、第2の線分L2は一般的に溶接されず、第3の辺2112と第4の辺2212とは互いに当接されるが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0130】
理解できるように、第1の壁210及び第2の壁220は、それぞれ一列の第1のキャビティ及び一列の第2のキャビティのみを有してもよく、補強構造230はL型構造に形成され、L型構造の二つの部分は、それぞれ第1の壁210の第1のキャビティ及び第2の壁220の第2のキャビティ内に収容され、かつそれぞれ第1の方向Xに沿って第1の壁210に充填され、第2の方向Yに沿って第2の壁220に充填される。又は、該第1の壁210と第2の壁220とはそれぞれ複数列の第1のキャビティと複数列の第2のキャビティを有し、補強構造230の二つの部分はそれぞれ第1の壁210の複数列の第1のキャビティと第2の壁220の複数列の第2のキャビティ内に収容され、かつそれぞれ第1の方向Xに沿って第1の壁210の複数列の第1のキャビティに充填され、第2の方向Yに沿って第2の壁220の複数列の第2のキャビティに充填される。上記状況に対して、この時、第1の線分L11の溶接開始端は、高さ方向に沿って補強構造230に投影され、依然として補強構造230に位置することができる。例えば、依然として該補強構造230の第1の外側上端壁211又は第2の外側上端壁221に向かう表面に位置することができ、同様に第1の壁210と第2の壁220との接続を補強し、第1の外側上端壁211と第2の外側上端壁221との間の溶接継ぎ目が損傷するリスクを低減することができる。
【0131】
したがって、本願の実施例の電池の筐体は、交差する第1の壁210の第1のキャビティと第2の壁220の第2のキャビティとに補強構造230を設置することにより、第1の壁210と第2の壁220を接続して固定することで、筐体1の内部空間を占用しない状況で、第1の壁210と第2の壁220との間の剛性及び強度を大幅に増加させ、第1の壁210と第2の壁220との間の応力を減少させることができる。また、第1の壁210の第1の外側上端壁211と第2の壁220の第2の外側上端壁221を溶接し、溶接継ぎ目の筐体1の内部に近い端部の第1の線分L11に対して、補強構造230に第1の領域233を有することにより、該第1の線分L11の該第1の領域233が位置する平面における正投影が該第1の領域233内に位置し、したがって筐体1が電池セル3の膨張力又は他の筐体1の内部から外へ向かう力を受ける時、これらの力がまず補強構造230に作用し、それにより該第1の線分L11が受ける力を低減し、更に溶接継ぎ目強度が低いことによる膨張力又は他の筐体1の内部から外へ向かう力が筐体1の壁を損傷しやすいという問題を解決する。
【0132】
以上は、本願の実施例の筐体、電池群及び電気装置を説明し、以下に本願の実施例の電池の筐体を製造する方法及び装置を説明し、ここで詳細に説明しない部分は前述の各実施例を参照することができる。
【0133】
図19は、本願の一つの実施例の電池群の筐体を製造する方法の概略的なフローチャートを示す。図19に示すように、該方法300は、筐体の収容室を形成するために、複数の第1の壁及び複数の第2の壁を供給し、第1の壁の内部に第1のキャビティを有し、第2の壁の内部に第2のキャビティを有し、第1の壁は第1の外側上端壁を含み、第2の壁は第2の外側上端壁を含み、第1の外側上端壁は第2の外側上端壁に溶接され、第1の外側上端壁と第2の外側上端壁との溶接線における筐体内部に近い端部は第1の線分であるS310と、補強構造を供給し、該補強構造は、互いに接続された第1の部分及び第2の部分を含み、第1の部分は第1の壁の第1のキャビティに収容され、かつ第1の壁に固定され、第2の部分は第2の壁の第2のキャビティに収容され、かつ第2の壁に固定され、ここで、補強構造の外面には第1の領域が含まれ、第1の領域が位置する平面における第1の線分の正投影は第1の領域内に位置するS320と、を含むことができる。
【0134】
図20は、本願の一つの実施例の電池群の筐体を製造する装置の概略ブロック図を示す。図20に示すように、該装置は供給モジュール410を含むことができる。供給モジュール410は、筐体の収容室を形成するように、複数の第1の壁及び複数の第2の壁を供給すると共に、補強構造を供給する。第1の壁の内部に第1のキャビティを有し、第2の壁の内部に第2のキャビティを有し、第1の壁は第1の外側上端壁を含み、第2の壁は第2の外側上端壁を含み、第1の外側上端壁は第2の外側上端壁に溶接され、第1の外側上端壁と第2の外側上端壁との溶接線における筐体内部に近い端部は第1の線分である。補強構造は互いに接続された第1の部分及び第2の部分を含み、第1の部分は第1の壁の第1のキャビティに収容され、かつ第1の壁に固定され、第2の部分は第2の壁の第2のキャビティに収容され、かつ第2の壁に固定され、ここで、補強構造の外面は第1の領域を含み、第1の領域が位置する平面における第1の線分の正投影は第1の領域内に位置する。
【0135】
本願の実施例は、筐体の収容空間を形成するための複数の壁と、互いに接続された第1の部分及び第2の部分を含む補強構造と、を備える筐体を提供し、複数の壁は、互いに交差する第1の壁及び第2の壁を含み、第1の壁の内部に第1のキャビティを有し、第2の壁の内部に第2のキャビティを有し、第1の壁は第1の外側上端壁を含み、第2の壁は第2の外側上端壁を含み、第1の外側上端壁は第2の外側上端壁に溶接され、第1の外側上端壁と第2の外側上端壁との溶接線における筐体内部に近い端部は第1の線分である。第1の部分は第1のキャビティに収容され、かつ第1の壁に固定され、第2の部分は第2のキャビティに収容され、かつ第2の壁に固定され、ここで、補強構造の外面は第1の領域を含み、第1の領域が位置する平面における第1の線分の正投影は、第1の領域内に位置する。
【0136】
いくつかの実施例において、第1の外側上端壁と第2の外側上端壁との交差線は、第2の線分を更に含み、第1の線分は第2の線分と交差しかつ同一線にない。
【0137】
いくつかの実施例において、第1の壁は第1の方向において配列された二つの側壁を含み、第1の外側上端壁は第1の壁の二つの側壁を接続するための外壁であり、第1の壁は第1のチャンバを更に含み、第1のチャンバと第1のキャビティとは第1の方向において配列され、第2の壁は第2の方向において配列された二つの側壁を含み、第2の外側上端壁は第2の壁の二つの側壁を接続するための外壁であり、第2の壁は第2のチャンバを更に含み、第2のチャンバと第2のキャビティとは第2の方向において配列されている。
【0138】
いくつかの実施例では、筐体は、第1の部分を第1の壁に固定する第1の接続部材と、第2の部分を第2の壁に固定する第2の接続部材と、を更に含む。
【0139】
いくつかの実施例において、第1の接続部材は、ヘッド部及び接続部を有し、第1のキャビティと第1のチャンバとは一列に配列され、第1のキャビティは筐体の外側に近接して設けられ、第1のチャンバは筐体の内側に近接して設けられ、第1のチャンバは第1の接続部材のヘッド部を収容し、第2の接続部材はヘッド部及び接続部を有し、第2のキャビティと第2のチャンバとは一列に配列され、第2のキャビティは筐体の外側に近接して設けられ、第2のチャンバは筐体の内側に近接して設けられ、第2のチャンバは第2の接続部材のヘッド部を収容する。
【0140】
いくつかの実施例において、補強構造は、突起部を含み、突起部は第1の部分と第2の部分との交差箇所から筐体内部へ突出し、突起部の外面は第1の領域を含む。
【0141】
いくつかの実施例において、第1の壁の二つの側壁のうちの筐体内部に臨む内側壁に第1の切り欠き領域が設けられ、第2の壁の二つの側壁のうちの筐体内部に臨む内側壁に第2の切り欠き領域が設けられ、第1の切り欠き領域及び第2の切り欠き領域はいずれも突起部を回避する。
【0142】
いくつかの実施例において、第1の部分は、複数の第1の補強ブロックを含み、第1の壁は複数の第1のキャビティを含み、複数の第1の補強ブロックにおける各第1の補強ブロックは複数の第1のキャビティ内の対応する一つの第1のキャビティ内に収容され、第2の部分は複数の第2の補強ブロックを含み、第2の壁は複数の第2のキャビティを含み、複数の第2の補強ブロックにおける各第2の補強ブロックは複数の第2のキャビティ内の対応する一つの第2のキャビティ内に収容されている。
【0143】
いくつかの実施例において、複数の第1の補強ブロックは、第3の方向において配列され、複数の第2の補強ブロックは第3の方向において配列され、第3の方向は第1の壁の高さ方向である。
【0144】
いくつかの実施例において、第1の接続部材は、複数の第1の補強ブロックの少なくとも一つを第1の壁に固定し、第2の接続部材は、複数の第2の補強ブロックの少なくとも一つを第2の壁に固定する。
【0145】
いくつかの実施例において、突起部は少なくとも一つの第1の補強ブロックと少なくとも一つの第2の補強ブロックとの交差箇所から筐体内部へ突出する。
【0146】
いくつかの実施例において、少なくとも一つの第1の補強ブロックに複数の第1の接続部材が設けられ、少なくとも一つの第2の補強ブロックに複数の第2の接続部材が設けられている。
【0147】
いくつかの実施例において、複数の第1の接続部材は第2の方向において配列され、複数の第1の接続部材の位置とそれらが所在する第1の補強ブロックの第1の端との距離は第2の方向における所在する第1の補強ブロックの長さの1/6~1/2を占め、第1の端は所在する第1の補強ブロックの第2の壁から離れた端部であり、複数の第2の接続部材は第1の方向において配列され、複数の第2の接続部材の位置とそれらが所在する第2の補強ブロックの第2の端との距離は第1の方向における所在する第2の補強ブロックの長さの1/6~1/2を占め、第2の端は所在する第2の補強ブロックの第1の壁から離れた端部である。
【0148】
また、本願の実施例は、上記したいずれかの実施例に記載の電池群を含む電気機器を更に提供する。
【0149】
また、本願の実施例は、電池の筐体を製造する方法を更に提供し、当該方法は、筐体の収容室を形成するための複数の壁を供給し、複数の壁は互いに交差する第1の壁及び第2の壁を備え、第1の壁は第1のキャビティを有し、第2の壁の内部は第2のキャビティを有し、第1の壁は第1の外側上端壁を含み、第2の壁は第2の外側上端壁を含み、第1の外側上端壁は第2の外側上端壁に溶接され、第1の外側上端壁と第2の外側上端壁との溶接線における筐体内部に近い端部は第1の線分であることと、補強構造を供給し、補強構造は互いに接続された第1の部分及び第2の部分を含み、第1の部分は第1のキャビティに収容され、かつ第1の壁に固定され、第2の部分は第2のキャビティに収容され、かつ第2の壁に固定され、ここで、補強構造の外面には第1の領域が含まれ、第1の領域が位置する平面における第1の線分の正投影は第1の領域内に位置することとを備える。
【0150】
また、本願の実施例は、電池の筐体を製造する装置を更に提供し、当該装置は、上記方法を実行するモジュールを含む。
【0151】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱することなく、それに様々な改良を行うことができかつ等価物でその中の部材を置き換えることができる。特に、構造衝突が存在しない限り、各実施例に言及された各技術的特徴はいずれも任意の方式で組み合わせることができる。本願は本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に陥る全ての技術案を含む。
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