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特許7457133透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システム
(51)【国際特許分類】
   G01B 9/04 20060101AFI20240319BHJP
   G01B 9/021 20060101ALI20240319BHJP
   G02B 21/00 20060101ALI20240319BHJP
   G02B 21/18 20060101ALI20240319BHJP
   G02B 21/36 20060101ALN20240319BHJP
【FI】
G01B9/04
G01B9/021
G02B21/00
G02B21/18
G02B21/36
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022544046
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 CN2021099209
(87)【国際公開番号】W WO2022241875
(87)【国際公開日】2022-11-24
【審査請求日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】202110560573.X
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522286414
【氏名又は名称】深▲せん▼技▲術▼大学
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN TECHNOLOGY UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】3002 Lantian Road, Pingshan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼旭▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】申文静
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/123408(WO,A1)
【文献】特開2019-163932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 9/00-9/10
G02B 21/00
G03H 1/00
G01J 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システムであって、反射型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路及び透過型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路を含み、
前記反射型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路は以下の通りであり、すなわち、第1のビーム(1a)は第1の偏光子(2)を介して偏光方向を変更し、偏光ビームスプリッターキューブ(3)を通過した後偏光状態が垂直である2つの光波に分割され、前記偏光ビームスプリッターキューブ(3)を透過した光は第1の物体光ビームであり、第1の物体光の光路を形成し、前記偏光ビームスプリッターキューブ(3)によって反射された光は第1の参照光ビームであり、第1の参照光の光路を形成し、
前記透過型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路は以下の通りであり、すなわち、第2のビーム(1b)は第2の偏光子(14)を介して偏光方向を変更し、前記偏光ビームスプリッターキューブ(3)を通過した後偏光状態が垂直である光波に分割され、前記偏光ビームスプリッターキューブ(3)によって反射された光は第2の物体光ビームであり、第2の物体光の光路を形成し、前記偏光ビームスプリッターキューブ(3)を透過した光は第2の参照光ビームであり、第2の参照光の光路を形成し、
前記第1の参照光ビームはダイクロイックミラー(10)によって反射され、前記第2の参照光ビームは前記ダイクロイックミラー(10)を透過する、透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システム。
【請求項2】
前記第1の物体光の光路は以下の通りであり、すなわち、前記第1の物体光ビームは順次に第1の反射鏡(4)によって反射され、第1のレンズ(5)を透過し、第1の非偏光ビームスプリッターキューブ(6)を透過して第1の対物レンズ(7)を通過した後サンプル(8)の表面に照射され、前記サンプル(8)の反射光が前記第1の対物レンズ(7)を通過した後前記第1の非偏光ビームスプリッターキューブ(6)によって反射され、第3のレンズ(12)によってコリメートされた後、第1のカメラ(13)に入射され、前記第1のカメラ(13)によって受け取られる、ことを特徴とする請求項1に記載の透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システム。
【請求項3】
前記第1の物体光ビームは、前記第1のカメラ(13)に入射される前に、さらに、第1のフィルタ(22)によってフィルタ処理され、前記第1のフィルタ(22)は、異なる波長のビームをフィルタリングして前記第1のビーム(1a)のみを透過することに用いられる、ことを特徴とする請求項2に記載の透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システム。
【請求項4】
前記第1の参照光の光路は以下の通りであり、すなわち、前記第1の参照光ビームは、半波長板(9)を介して偏光方向を水平偏光状態に調整した後前記ダイクロイックミラー(10)によって反射され、第2のレンズ(11)によって集束され、前記第1の非偏光ビームスプリッターキューブ(6)を透過して、前記第3のレンズ(12)によってコリメートされた後、前記第1のフィルタ(22)によってフィルタ処理され、前記第1のカメラ(13)に入射され、前記第1の物体光ビームと干渉が発生し、干渉情報が前記第1のカメラ(13)によって受け取られた後コンピュータ(21)によって処理して演算された後、前記サンプル(8)の表面反射3次元情報を形成する、ことを特徴とする請求項3に記載の透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システム。
【請求項5】
前記第2の物体光の光路は以下の通りであり、すなわち、前記第2の物体光ビームは、順次に前記第1の反射鏡(4)によって反射され、前記第1のレンズ(5)を透過し、前記第1の非偏光ビームスプリッターキューブ(6)を透過して前記第1の対物レンズ(7)を通過した後前記サンプル(8)の表面に照射され、前記サンプル(8)を通過して第2の対物レンズ(17)によって受け取られ、第2の非偏光ビームスプリッターキューブ(18)によって反射されて第5のレンズ(19)によってコリメートされた後、第2のカメラ(20)に入射され、前記第2のカメラ(20)によって受け取られる、ことを特徴とする請求項4に記載の透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システム。
【請求項6】
前記第2の物体光ビームが前記第2のカメラ(20)に入射される前に、さらに、第2のフィルタ(23)によってフィルタ処理され、前記第2のフィルタ(23)は異なる波長のビームをフィルタリングして前記第2のビーム(1b)のみを透過することに用いられる、ことを特徴とする請求項5に記載の透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システム。
【請求項7】
前記第2の参照光の光路は以下の通りであり、すなわち、前記第2の参照光ビームは、前記半波長板(9)を介して偏光方向を垂直偏光状態に調整した後、前記ダイクロイックミラー(10)を透過し、第2の反射鏡(15)によって反射され、第4のレンズ(16)によって集束され、前記第2の非偏光ビームスプリッターキューブ(18)を透過して前記第5のレンズ(19)によってコリメートされた後前記第2のフィルタ(23)によってフィルタ処理され、前記第2のカメラ(20)に入射され、第2の物体光ビームと干渉が発生し、干渉情報が前記第2のカメラ(20)によって受け取られた後前記コンピュータ(21)によって処理して演算された後前記サンプルの厚さ3次元情報を形成する、ことを特徴とする請求項6に記載の透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システム。
【請求項8】
前記第1のビーム(1a)と前記第2のビーム(1b)とは、レーザ(111)及びビームエキスパンダーによって生成され、前記ビームエキスパンダーは第6のレンズ(112)、第7のレンズ(113)及びピン穴(114)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システム。
【請求項9】
前記第1のビーム(1a)と前記第2のビーム(1b)とは、ファイバ結合レーザー発振器(221)とコリメートレンズ(222)とによって生成される、ことを特徴とする請求項1に記載の透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は顕微鏡の技術分野に関し、具体的には、透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザがサンプルを透過するか、サンプルによって反射されるかによって、主に、透過型と反射型の2つの典型的な光路レイアウトがあり、デジタルホログラフィック顕微鏡は透過型デジタルホログラフィック顕微鏡と反射型デジタルホログラフィック顕微鏡に分けられ、そのうちの透過型デジタルホログラフィック顕微鏡は、主にサンプルの厚さ情報を測定するために使用され、反射型デジタルホログラフィック顕微鏡は主にサンプルの表面輪郭情報を測定するために使用される。
【0003】
従来のデジタルホログラフィック顕微鏡は、一般的に、独立した透過型構造または独立した反射型構造である。いくつかの特別なサンプル、例えばラジアン付きのマイクロオプティクスを測定する場合、透過型デジタルホログラフィック顕微鏡と反射型デジタルホログラフィック顕微鏡のサンプルの測定情報を同時に取得することができないことにより、測定結果が正確ではないという問題が起きる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、従来のデジタルホログラフィック顕微鏡は、透過情報と反射情報を同時に取得することができないことにより、測定結果が正確ではないという問題を解決するように、透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例の以上の目的は以下のように実現され、透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システムを提供し、反射型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路と透過型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路を備え、前記反射型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路は以下の通りであり、すなわち、第1のビームは第1の偏光子を介して偏光方向を変更し、偏光ビームスプリッターキューブを通過した後、偏光状態が垂直である2つの光波に分割され、偏光ビームスプリッターキューブを透過した光は第1の物体光ビームであり、第1の物体光の光路を形成し、前記偏光ビームスプリッターキューブによって反射された光は第1の参照光ビームであり、第1の参照光の光路を形成し、
前記透過型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路は以下の通りであり、すなわち、第2のビームは、第2の偏光子を介して偏光方向を変更し、前記偏光ビームスプリッターキューブを通過した後偏光状態が垂直である2つの光波に分割され、前記偏光ビームスプリッターキューブによって反射された光は第2の物体光ビームであり、第2の物体光の光路を形成し、前記偏光ビームスプリッターキューブを透過した光は第2の参照光ビームであり、第2の参照光の光路を形成し、
第1の参照光ビームはダイクロイックミラー(10)によって反射され、第2の参照光ビームは前記ダイクロイックミラー(10)を透過する。
【0006】
さらに、前記第1の物体光の光路は以下の通りであり、すなわち、第1の物体光ビームは、第1の反射鏡によって反射され、第1のレンズを透過し、第1の非偏光ビームスプリッターキューブを透過し、第1の対物レンズを通過した後、サンプルの表面に照射され、サンプルの反射光は前記第1の対物レンズを通過した後前記第1の非偏光ビームスプリッターキューブによって反射され、次に、第3のレンズによってコリメートされた後、第1のフィルタによってフィルタ処理され、第1のカメラに入射し、前記第1のカメラによって受け取られ、
前記第1の参照光の光路は以下の通りであり、すなわち、第1の参照光ビームは半波長板によって偏光方向を水平偏光状態に調整してからダイクロイックミラーによって反射され、次に、第2のレンズによって集束され、前記第1の非偏光ビームスプリッターキューブを透過して、前記第3のレンズによってコリメートされた後、前記第1のフィルタによってフィルタ処理され、前記第1のカメラに入射され、第1の物体光ビームと干渉が発生し、干渉情報が前記第1のカメラによって受け取られた後、コンピュータによって処理して演算された後、サンプルの表面反射3次元情報を形成し、
前記第2の物体光の光路は以下の通りであり、すなわち、第2の物体光ビームは、順次に前記第1の反射鏡によって反射され、前記第1のレンズを透過し、前記第1の非偏光ビームスプリッターキューブを透過し、前記第1の対物レンズを通過してからサンプルの表面に照射され、サンプルを通過して第2の対物レンズによって受け取られ、次に、第2の非偏光ビームスプリッターキューブによって反射され、第5のレンズによってコリメートされた後、第2のフィルタによってフィルタ処理され、第2のカメラに入射され、前記第2のカメラによって受け取られ、
前記第2の参照光の光路は以下の通りであり、すなわち、第2の参照光ビームは、半波長板によって偏光方向を垂直偏光状態に調整してから前記ダイクロイックミラーを透過し、次に第2の反射鏡によって反射され、第4のレンズによって集束され、第2の非偏光ビームスプリッターキューブを透過し、第5のレンズによってコリメートされた後、前記第2のフィルタによってフィルタ処理され、前記第2のカメラに入射され、第2の物体光ビームと干渉が発生し、干渉情報が前記第2のカメラによって受け取られた後、前記コンピュータによって処理して演算された後、サンプルの厚さ3次元情報を形成する。
【0007】
さらに、前記第1のビーム(1a)と前記第2のビーム(1b)とは、レーザ及びビームエキスパンダーによって生成され、前記ビームエキスパンダーは第6のレンズ、第7のレンズ及びピン穴を含む。
【0008】
さらに、前記第1のビームと前記第2のビームとは、ファイバ結合レーザー発振器とコリメートレンズとを使用して生成される。
【0009】
さらに、前記サンプルは半導体、マイクロオプティクス、生物サンプルまたはmini/micro LEDを含む。
【発明の効果】
【0010】
従来の技術と比べると、本発明による透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システムの有益な効果は以下の通りであり、すなわち、本発明は、マイケルソン干渉計の構造を使用して透過と反射を組み合わせた2波長のデジタルホログラフィック顕微鏡構造を構成し、ダイクロイックミラーを使用して2波長を透過と反射の2つの経路に分割し、サンプルの厚さ情報と表面輪郭情報を同時に測定することができ、測定可能なサンプル範囲がより広く、同時に得られたサンプルの透過情報と反射情報を利用してモデリングをし、得られたサンプルの3次元構造情報はより完全であり、より正確である。なお、サンプルの3次元外観と厚さ情報のリアルタイム測定にも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施例における技術的解決手段をより明確に説明すべく、以下に、実施例を述べるにあたり必要とされる図面について簡単に説明し、以下に記載する図面は本発明の一部の実施例であって、当業者であれば、創造的労働を伴わないことを前提に、これら図面から他の図面を更に取得可能であることはいうまでもない。
図1】本発明の実施例による透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システムの構造模式図である。
図2】本発明の実施例による光源の一構造の模式図である。
図3】本発明の実施例による光源の他の構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明が解決しようとする技術的問題、技術的解決手段及び有益な効果をより明らかで理解しやすくするために、以下、図面及び実施例を組み合わせ、本発明を更に詳細に説明する。理解すべきこととして、ここで説明される具体的な実施例は本発明を解釈するためにのみ使用され、本発明を制限するためのものではない。
【0013】
本発明はマイケルソン干渉計の構造を使用して2波長に基づく透過と反射を組み合わせたデジタルホログラフィック顕微鏡の構造を構成し、ダイクロイックミラーによって異なる波長の2つの光の光路を透過型光路と反射型光路との2つの経路に分割する目的を果たす。ダイクロイックミラーは、二色性ミラーとも呼ばれ、一定の波長の光を反射するとともに、他の異なる波長の光を透過するために用いられる。例えば、一般的に見られるダイクロイックミラーの光学の指標は、赤色光透過緑色光青色光反射型、青色光透過赤色光緑色光反射型、赤色光緑色光透過青色光反射型、青色光緑色光透過赤色光反射型、または赤色光反射青色光緑色光透過型である。
【0014】
図1を参照し、本発明の実施例は透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システムを提供し、反射型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路と透過型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路を備える。
【0015】
前記反射型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路は、サンプルの表面反射情報を取得するために使用される。図1に示すように、反射型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路は以下の通りであり、すなわち、第1のビーム1aは、第1の偏光子2によって偏光方向を変更し、偏光ビームスプリッターキューブ3を通過した後2つの偏光状態が垂直である光波に分割され、偏光ビームスプリッターキューブ3を透過した光(第1の物体光ビーム)は水平偏光状態であり、サンプルによって反射された物体光の光路(第1の物体光の光路)を形成し、前記偏光ビームスプリッターキューブ3によって反射される光(第1の参照光ビーム)は垂直偏光状態であり、サンプルによって反射された参照光の光路(第1の参照光の光路)を形成する。そのうちのサンプルによって反射された物体光の光路は以下の通りであり、すなわち、第1の物体光ビームは、順次に第1の反射鏡4によって反射され、第1のレンズ5を透過し、第1の非偏光ビームスプリッターキューブ6を透過し、第1の対物レンズ7を通過した後、サンプル8の表面に照射され、サンプル8の反射光は前記第1の対物レンズ7を通過した後、前記第1の非偏光ビームスプリッターキューブ6によって反射され、そして、第3のレンズ12によってコリメートされた後、第1のフィルタ22によってフィルタ処理され、第1のカメラ13に入射され、前記第1のカメラ13によって受け取られる。第1の参照光の光路は以下の通りであり、すなわち、第1の参照光ビームは、半波長板9によって偏光方向を水平偏光状態に調整した後ダイクロイックミラー10によって反射され、そして、第2のレンズ11によって集束され、前記第1の非偏光ビームスプリッターキューブ6を透過して前記第3のレンズ12によってコリメートされた後第1のフィルタ22によってフィルタ処理され、前記第1のカメラ13に入射され、第1の物体光ビームと干渉が発生し、干渉情報が前記第1のカメラ13によって受け取られた後コンピュータ21によって処理して演算された後サンプルの表面反射3次元情報を形成する。前記第1のカメラ13によって受け取られた光は前記第1のフィルタ22によってフィルタ処理された後第1のビーム1aの情報のみを含有する。
【0016】
前記透過型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路はサンプルの透過情報を取得することに用いられる。図1に示すように、透過型デジタルホログラフィック顕微鏡の光路は以下の通りであり、すなわち、第2のビーム1bは、第2の偏光子14によって偏光方向を変更し、偏光ビームスプリッターキューブ3を通過した後偏光状態が垂直である2つの光波に分割され、前記偏光ビームスプリッターキューブ3によって反射された光(第2の物体光ビーム)は垂直偏光状態であり、サンプルを透過する物体光の光路(第2の物体光の光路)を形成し、前記偏光ビームスプリッターキューブ3を透過した光(第2の参照光ビーム)は水平偏光状態であり、サンプルを透過する参照光の光路(第2の参照光の光路)を形成する。そのうちの第2の物体光の光路は以下の通りであり、すなわち、第2の物体光ビームは順次に前記第1の反射鏡4によって反射され、前記第1のレンズ5を透過し、前記第1の非偏光ビームスプリッターキューブ6を透過して前記第1の対物レンズ7を介してサンプル8の表面に照射され、且つサンプル8を通過して第2の対物レンズ17によって受け取られ、そして、第2の非偏光ビームスプリッターキューブ18によって反射されて第5のレンズ19によってコリメートされた後第2のフィルタ23によってフィルタ処理され、第2のカメラ20に入射して、前記第2のカメラ20によって受け取られる。第2の参照光の光路は以下の通りであり、すなわち、第2の参照光ビームは半波長板9によって偏光方向を垂直偏光状態に調整した後前記ダイクロイックミラー10を透過し、そして、第2の反射鏡15によって反射され、第4のレンズ16によって集束され、第2の非偏光ビームスプリッターキューブ18を透過して第5のレンズ19によってコリメートされた後第2のフィルタ23を介してフィルタ処理され、前記第2のカメラ20に入射され、第2の物体光ビームと干渉が発生し、干渉情報が前記第2のカメラ20によって受け取られた後前記コンピュータ21によって処理して演算された後、サンプルの厚さ3次元情報を形成する。前記第2のカメラ20によって受け取られた光は前記第2のフィルタ23によってフィルタ処理された後第2のビーム1bの情報のみを含有する。
【0017】
光源として、前記第1のビーム1a、第2のビーム1bは、コリメート及び拡張された異なる波長の2つのレーザビームであり、2つのレーザビームは光路においてダイクロイックミラー10、第1のフィルタ22、及び第2のフィルタ23によってフィルタリングされて単一レーザ光路の目的を達成する。例えば、第1のビーム1aが緑色レーザで且つ第2のビーム1bが赤色レーザである場合、ダイクロイックミラー10は赤色光透過緑色光反射型のミラーであるように設置され、第1のフィルタ22は緑色光のみを透過するフィルタであり、第2のフィルタ23は赤色光のみを透過するフィルタであり、これにより第1のカメラ13によって受け取られた光は、緑色レーザ光路の情報、即ちサンプルの反射情報のみを含有し、第2のカメラ20によって受け取られた光は、赤色レーザ光路の情報、即ちサンプルの透過情報のみを含有する。
【0018】
図2及び図3は本発明の実施例による光源の2つの異なる構造模式図である。以下、前記第1のビーム1aを例として説明し、前記第2のビーム1bの構造は前記第1のビーム1aの構造と同じである。
【0019】
図2を参照して、前記第1のビーム1aはレーザ111とビームエキスパンダー方式によって生成され、そのうちのビームエキスパンダーは、第6のレンズ112、第7のレンズ113及び1つのピン穴114を含む。前記レーザ111が前記ピン穴114内に射入され、前記レンズ112及び113を通過した後射出される。
【0020】
図3を参照して、前記第1のビーム1aはファイバ結合レーザー発振器221及びコリメートレンズ222を直接使用して生成され、入射光が前記ファイバ結合レーザー発振器221を通過した後前記コリメートレンズ222を通過して射出されてもよい。
【0021】
この2種類の光源構造に対して、異なる拡張スポットサイズを達成するために、異なる仕様のビームエキスパンダーまたはコリメートレンズを選択することができる。
【0022】
従来の単波長デジタルホログラフィック顕微鏡に比べると、本発明の実施例による透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システムはサンプルの厚さ情報及び表面輪郭情報を同時に測定することができ、測定可能なサンプル範囲がより広く、同時に取得されたサンプルの透過情報及び反射情報を利用してモデリングをし、取得されたサンプルの3次元構造情報がより完全で、より正確である。なお、サンプルの3次元外観及び厚さ情報のリアルタイム測定に適用されてもよい。
【0023】
本発明の実施例による透過反射型デジタルホログラフィック顕微鏡システムは、その応用分野が半導体検出、マイクロオプティクス検出、生物サンプル検出及びmini/micro LED検出を含む。
【0024】
以上は本発明の好ましい実施例だけであり、本発明を制限するためのものではない。本発明の精神と原則から逸脱しない限り、行ったいずれの修正、等価置換、改善等は、いずれも本発明の請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0025】
1a-第1のビーム、1b-第2のビーム、2-第1の偏光子、3-偏光ビームスプリッターキューブ、4-第1の反射鏡、5-第1のレンズ、6-第1の非偏光ビームスプリッターキューブ、7-第1の対物レンズ、8-サンプル、9-半波長板、10-ダイクロイックミラー、11-第2のレンズ、12-第3のレンズ、13-第1のカメラ、14-第2の偏光子、15-第2の反射鏡、16-第4のレンズ、17-第2の対物レンズ、18-第2の非偏光ビームスプリッターキューブ、19-第5のレンズ、20-第2のカメラ、21-コンピュータ、22-第1のフィルタ、23-第2のフィルタ、111-レーザ、112-第6のレンズ、113-第7のレンズ、114-ピン穴、221-ファイバ結合レーザー発振器、222-コリメートレンズ。
図1
図2
図3