(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】電極組立体、電池セル、電池及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0583 20100101AFI20240319BHJP
H01M 50/466 20210101ALI20240319BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20240319BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20240319BHJP
H01M 10/0587 20100101ALN20240319BHJP
【FI】
H01M10/0583
H01M50/466
H01M50/586
H01M50/593
H01M10/0587
(21)【出願番号】P 2022554325
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(86)【国際出願番号】 CN2021127720
(87)【国際公開番号】W WO2022127403
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】202023057229.9
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】雷育永
(72)【発明者】
【氏名】王▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】郭志君
【審査官】小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-129299(JP,A)
【文献】特開2014-067633(JP,A)
【文献】特開2017-059326(JP,A)
【文献】特開2003-303624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0208832(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/0583-10/0587
H01M 50/466
H01M 50/586
H01M 50/593
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の平坦部及び前記第1の平坦部の第1の方向に沿う端部に接続された第1のタブを含む少なくとも1つの第1の電極シートと、
前記第1の電極シートと逆極性であり、かつ第2の平坦部を含む少なくとも1つの第2の電極シートと、
前記第1の電極シートと前記第2の電極シートとを隔離するための第1のセパレータ及び第2のセパレータとを備え、
前記第1の平坦部と前記第2の平坦部とは、前記第1の方向に対し垂直である第2の方向に沿って積層されており、
前記第1のセパレータは、第1の隔離部、第1の折り曲げ部及び第1の延出部を含み、前記第2のセパレータは、第2の隔離部を含み、前記第1の隔離部と前記第2の隔離部とはそれぞれ前記第2の平坦部の前記第2の方向に沿う両側に位置し、かつ前記第1の平坦部と前記第2の平坦部とを隔離し、前記第1の延出部は、少なくとも一部が前記第2の平坦部の前記第1の隔離部から離れた側に設置され、かつ前記第1の平坦部と前記第2の平坦部との間に位置し、前記第1の折り曲げ部は、前記第1の隔離部と前記第1の延出部とに接続され、かつ前記第2の平坦部の前記第1の方向における前記第1のタブに近接する側に位置し、前記第1の折り曲げ部と前記第1の延出部とは、前記第1のタブが前記第1の平坦部と前記第2の平坦部との間に挿入されるときに前記第2の平坦部と前記第1のタブとを隔離するように配置されて
おり、
前記第1の平坦部は、前記第1の方向における両端に第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1のタブは、前記第1の端部に接続され、
前記第2の平坦部は、前記第1の方向における両端に第3の端部及び第4の端部を有し、前記第3の端部は、前記第4の端部よりも前記第1のタブに近く、前記第1の折り曲げ部は少なくとも前記第3の端部の一部を被覆しており、
前記第2の電極シートは、前記第4の端部に接続された第2のタブを更に含み、
前記第2の平坦部の前記第2の方向に沿う両側にいずれも前記第1の平坦部が設置され、
前記第1のセパレータは、第3の折り曲げ部及び第3の延出部を更に含み、前記第1の延出部と前記第3の延出部とは、それぞれ前記第1の隔離部の前記第2の方向に沿う両側に位置し、かつ前記第3の延出部は、少なくとも一部が前記第1の平坦部の前記第1の隔離部から離れた側に位置し、前記第3の折り曲げ部は、前記第1の隔離部と前記第3の延出部とに接続され、かつ少なくとも一部が前記第2の端部を被覆している、電極組立体。
【請求項2】
前記第1の折り曲げ部は、前記第3の端部を完全に被覆している請求項
1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記第1のセパレータは、前記第2の電極シートの前記第1の方向における前記第1のタブに近接する端部を完全に被覆している請求項
2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記第2の電極シートは、前記第4の端部に接続された第2のタブを更に含み、
前記第2のセパレータは、少なくとも一部が前記第1の平坦部の前記第2の隔離部から離れた側に設置された第2の延出部と、前記第2の隔離部と前記第2の延出部とに接続され、かつ少なくとも一部が前記第2の端部を被覆する第2の折り曲げ部とを更に含む請求項
1~
3のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項5】
第1の平坦部及び前記第1の平坦部の第1の方向に沿う端部に接続された第1のタブを含む少なくとも1つの第1の電極シートと、
前記第1の電極シートと逆極性であり、かつ第2の平坦部を含む少なくとも1つの第2の電極シートと、
前記第1の電極シートと前記第2の電極シートとを隔離するための第1のセパレータ及び第2のセパレータとを備え、
前記第1の平坦部と前記第2の平坦部とは、前記第1の方向に対し垂直である第2の方向に沿って積層されており、
前記第1のセパレータは、第1の隔離部、第1の折り曲げ部及び第1の延出部を含み、前記第2のセパレータは、第2の隔離部を含み、前記第1の隔離部と前記第2の隔離部とはそれぞれ前記第2の平坦部の前記第2の方向に沿う両側に位置し、かつ前記第1の平坦部と前記第2の平坦部とを隔離し、前記第1の延出部は、少なくとも一部が前記第2の平坦部の前記第1の隔離部から離れた側に設置され、かつ前記第1の平坦部と前記第2の平坦部との間に位置し、前記第1の折り曲げ部は、前記第1の隔離部と前記第1の延出部とに接続され、かつ前記第2の平坦部の前記第1の方向における前記第1のタブに近接する側に位置し、前記第1の折り曲げ部と前記第1の延出部とは、前記第1のタブが前記第1の平坦部と前記第2の平坦部との間に挿入されるときに前記第2の平坦部と前記第1のタブとを隔離するように配置されており、
前記第1の平坦部は、前記第1の方向における両端に第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1のタブは、前記第1の端部に接続され、
前記第2の平坦部は、前記第1の方向における両端に第3の端部及び第4の端部を有し、前記第3の端部は、前記第4の端部よりも前記第1のタブに近く、前記第1の折り曲げ部は少なくとも前記第3の端部の一部を被覆しており、
前記第2の電極シートは、前記第3の端部に接続された第2のタブを更に含み、前記第1の折り曲げ部は、前記第3の端部の一部を被覆し、
前記第1の方向と前記第2の方向に対し垂直である第3の方向において、前記第1のタブと前記第2のタブとは、間隔を置いて設置されている
、電極組立体。
【請求項6】
前記第1のタブは、前記第3の方向において対向して設置された2つの第1の縁部を有し、前記第1の折り曲げ部は、前記第3の方向において対向して設置された2つの第2の縁部を有し、前記第3の方向において、各前記第2の縁部は、それに対応する前記第1の縁部を超えている請求項
5に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記第2のセパレータは、第2の折り曲げ部及び第2の延出部を更に含み、第2の延出部は、少なくとも一部が前記第1の平坦部の前記第2の隔離部から離れた側に設置され、前記第2の折り曲げ部は、前記第2の隔離部と前記第2の延出部とに接続され、かつ前記第1の端部の一部を被覆している請求項
5又は
6に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記第2の平坦部の前記第2の方向に沿う両側に、いずれも前記第1の平坦部が設置され、
前記第1のセパレータは、第3の折り曲げ部及び第3の延出部を更に含み、前記第1の延出部と前記第3の延出部とは、それぞれ前記第1の隔離部の前記第2の方向に沿う両側に位置し、かつ前記第3の延出部は、少なくとも一部が前記第1の平坦部の前記第1の隔離部から離れた側に位置し、前記第3の折り曲げ部は、前記第1の隔離部と前記第3の延出部とに接続され、かつ少なくとも一部が前記第1の端部を被覆し、
前記第3の方向において、前記第3の折り曲げ部と前記第1の折り曲げ部とは間隔を置いて設置されている請求項
5又は
6に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記第1の延出部は、前記第2の隔離部と前記第2の平坦部との間に位置する請求項1~
8のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項10】
少なくとも1つの請求項1~
9のいずれか一項に記載の電極組立体と、
開口及び前記電極組立体を収容するための収容室を有するケースと、
前記ケースの開口を密閉するエンドカバーと、を含む、電池セル。
【請求項11】
筐体と、前記筐体内に収容される少なくとも1つの請求項
10に記載の電池セルと、を含む電池。
【請求項12】
電気エネルギーを供給するための請求項
11に記載の電池
を備える電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年12月17日に提出された「電極組立体、電池セル、電池及び電力消費装置」という名称の中国特許出願CN202023057229.9の優先権をを要求し、該出願の全ての内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、電池の分野に関し、特に電極組立体、電池セル、電池及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0003】
省エネルギー・排出削減は、自動車産業の持続可能な発展の鍵である。このような状況で、電動車両はその省エネルギーで環境にやさしいという利点により自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。電動車両に対して、電池技術は、その発展に関連する重要な要素である。
【0004】
電池技術の発展において、電池の性能を向上させる以外に、安全問題も無視できない課題である。電池の安全問題を保証することができなければ、該電池を使用することができない。したがって、どのように電池の安全性を向上させるかは、電池技術における解決すべき技術的問題である。
【発明の概要】
【0005】
本願は、短絡リスクを低減し、安全性を向上させることができる電極組立体、電池セル、電池及び電力消費装置を提供する。
【0006】
第1の態様において、本願の実施例は、電極組立体を提供し、前記電極組立体は、第1の平坦部及び第1の平坦部の第1の方向に沿う端部に接続された第1のタブを含む少なくとも1つの第1の電極シートと、第1の電極シートと逆極性であり、かつ第2の平坦部を含む少なくとも1つの第2の電極シートと、第1の電極シートと第2の電極シートとを隔離するための第1のセパレータ及び第2のセパレータとを備え、第1の平坦部と第2の平坦部とは、第1の方向に対し垂直である第2の方向に沿って積層されており、第1のセパレータは、第1の隔離部、第1の折り曲げ部及び第1の延出部を含み、第2のセパレータは、第2の隔離部を含み、第1の隔離部と第2の隔離部とはそれぞれ第2の平坦部の第2の方向に沿う両側に位置し、かつ第1の平坦部と第2の平坦部とを隔離し、第1の延出部は、少なくとも一部が第2の平坦部の第1の隔離部から離れた側に設置され、かつ第1の平坦部と第2の平坦部との間に位置し、第1の折り曲げ部は、第1の隔離部と第1の延出部とに接続され、かつ第2の平坦部の第1の方向における第1のタブに近接する側に位置し、第1の折り曲げ部と第1の延出部とは、第1のタブが第1の平坦部と第2の平坦部との間に挿入されるときに第2の平坦部と第1のタブとを隔離するように配置されている。
【0007】
本願の実施例の電極組立体において、第1の折り曲げ部と第1の延出部とは、第1のタブが第1の平坦部と第2の平坦部との間に挿入されるときに第2の平坦部と第1のタブとを隔離することができ、第1のタブと第2の平坦部とが接触するリスクを低減させ、安全性能を向上させる。第1の折り曲げ部と第1の延出部とは、一体に接続され、第1のタブが第1の延出部と第2の平坦部との間に挿入されることを阻止することで、短絡リスクを低減することができる。
【0008】
いくつかの実施例において、第1の平坦部は、第1の方向における両端に第1の端部及び第2の端部を有し、第1のタブは、第1の端部に接続されている。第2の平坦部は、第1の方向における両端に第3の端部及び第4の端部を有し、第3の端部は、第4の端部よりも第1のタブに近く、第1の折り曲げ部は少なくとも第3の端部の一部を被覆している。第1のタブが力を受けて折り曲げられる場合、第1の折り曲げ部は第1のタブと第3の端部とを隔離することができ、第1のタブが第3の端部にラップされるリスクを低減させ、安全性能を向上させる。
【0009】
いくつかの実施例において、第1の折り曲げ部は第3の端部を完全に被覆している。
【0010】
いくつかの実施例において、第1のセパレータは第2の電極シートの第1の方向における第1のタブに近接する端部を完全に被覆している。
【0011】
いくつかの実施例において、第2の電極シートは、第4の端部に接続された第2のタブを更に含む。第2のセパレータは、少なくとも一部が第1の平坦部の第2の隔離部から離れた側に設置された第2の延出部と、第2の隔離部と第2の延出部とに接続され、かつ少なくとも一部が第2の端部を被覆する第2の折り曲げ部とを更に含む。第2の折り曲げ部と第2の延出部とは、第2のタブが第1の平坦部と第2の平坦部との間に挿入されるときに第1の平坦部と第2のタブとを隔離することができ、第2のタブと第1の平坦部とが接触するリスクを低減させ、安全性能を向上させる。
【0012】
いくつかの実施例において、第2の電極シートは、第4の端部に接続された第2のタブを更に含む。第2の平坦部の第2の方向に沿う両側にいずれも第1の平坦部が設置されている。第1のセパレータは、第3の折り曲げ部及び第3の延出部を更に含み、第1の延出部と第3の延出部とは、それぞれ第1の隔離部の第2の方向に沿う両側に位置し、かつ第3の延出部は、少なくとも一部が第1の平坦部の第1の隔離部から離れた側に位置し、第3の折り曲げ部は、第1の隔離部と第3の延出部とに接続され、かつ少なくとも一部が第2の端部を被覆している。第3の折り曲げ部と第3の延出部とは、第2のタブが第1の平坦部と第2の平坦部との間に挿入されるときに第1の平坦部と第2のタブとを隔離することができ、第2のタブと第1の平坦部とが接触するリスクを低減させ、安全性能を向上させる。
【0013】
いくつかの実施例において、第2の電極シートは、第3の端部に接続された第2のタブを更に含み、第1の折り曲げ部は第3の端部の一部を被覆している。第3の方向において、第1のタブと第2のタブとは間隔を置いて設置され、第3の方向は第1の方向と第2の方向に対し垂直である。
【0014】
いくつかの実施例において、第1のタブは、第3の方向において対向して設置された2つの第1の縁部を有し、第1の折り曲げ部は、第3の方向において対向して設置された2つの第2の縁部を有し、第3の方向において、各第2の縁部は、それに対応する第1の縁部を超えている。
【0015】
いくつかの実施例において、第2のセパレータは、第2の折り曲げ部及び第2の延出部を更に含み、第2の延出部は、少なくとも一部が第1の平坦部の第2の隔離部から離れた側に設置され、第2の折り曲げ部は、第2の隔離部と第2の延出部とに接続され、かつ第1の端部の一部を被覆している。
【0016】
いくつかの実施例において、第2の平坦部の第2の方向に沿う両側に、いずれも第1の平坦部が設置されている。第1のセパレータは、第3の折り曲げ部及び第3の延出部を更に含み、第1の延出部と第3の延出部とは、それぞれ第1の隔離部の第2の方向に沿う両側に位置し、かつ第3の延出部は、少なくとも一部が第1の平坦部の第1の隔離部から離れた側に位置し、第3の折り曲げ部は、第1の隔離部と第3の延出部とに接続され、かつ少なくとも一部が第1の端部を被覆している。第3の方向において、第3の折り曲げ部と第1の折り曲げ部とは間隔を置いて設置されている。
【0017】
いくつかの実施例において、第1の延出部は、第2の隔離部と第2の平坦部との間に位置する。
【0018】
第2の態様において、本願の実施例は、電池セルを提供し、該電池セルは、少なくとも1つの第1の態様の電極組立体と、開口及び電極組立体を収容するための収容室を有するケースと、ケースの開口を密閉するエンドカバーと、を含む。
【0019】
第3の態様において、本願の実施例は、電池を提供し、該電池は、筐体と、少なくとも1つの第2の態様の電池セルを含み、電池セルは筐体内に収容される。
【0020】
第4の態様において、本願の実施例は、電力消費装置を提供し、該電力消費装置は第3の態様の電池から供給された電気エネルギーを受け取るように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下、図面を参照して本願の例示的な実施例の特徴、利点及び技術的効果を説明する。図面において、必ずしも実際の縮尺で描画されているとは限らない。
【
図1】本願の1つの実施例の車両の構造概略図である。
【
図2】本願の1つの実施例の電池の構造概略図である。
【
図3】本願の1つの実施例の電池モジュールの概略図である。
【
図4】本願の1つの実施例の電池セルの構造概略図である。
【
図5】本願の1つの実施例の電極組立体の断面概略図である。
【
図6】本願の1つの実施例の電極組立体の断面概略図である。
【
図7】本願の1つの実施例の電極組立体の断面概略図である。
【
図8】本願の1つの実施例の電極組立体の構造概略図である。
【
図9】本願の1つの実施例の電極組立体の断面概略図である。
【
図10】
図9に示す電極組立体の円形枠Aでの拡大概略図である。
【
図11】
図9に示す電極組立体の円形枠Bでの拡大概略図である。
【
図12】本願の1つの実施例の電極組立体の断面概略図である。
【
図13】本願の1つの実施例の電極組立体の正面概略図である。
【
図14】本願の1つの実施例の電極組立体の局所構造概略図である。
【
図15】本願の1つの実施例の電極組立体の局所構造概略図である。
【
図16】本願の1つの実施例の電極組立体の第1のセパレータの局所構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本願の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術案を明確に説明する。明らかに、説明された実施例は本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要さずに想到し得る他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0023】
別の定義がない限り、本願に使用される全ての技術及び科学用語は本願の技術分野に属する当業者が一般的に理解する意味と同じである。本願において出願の明細書に使用される用語は具体的な実施例を説明することを目的とするに過ぎず、本願を限定することを意図するものではない。本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の説明における用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。本願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面における用語「第1」、「第2」等は異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主従関係を説明するためのものではない。
【0024】
本願において言及される「実施例」とは、実施例を結合して説明された特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。本明細書の様々な箇所で当該文章が現れたことは、必ずしもいずれも同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と排他的な、独立した又は代替的な実施例でもない。当業者であれば、本願に記載された実施例を他の実施例と組み合わせることができることを明示的かつ暗示的に理解することができる。
【0025】
本願の説明において、説明すべきことは、他に明確な規定及び限定がない限り、用語「装着」、「連結」、「接続」、「取付」は広義に理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的な接続であってもよく、また、直接接続であってもよく、中間媒体を介する間接接続であってもよく、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0026】
本願における「及び/又は」という用語は、関連するオブジェクトの関連関係を説明するためのものに過ぎず、3種類の関係が存在できることを示す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する状況、AとBが同時に存在する状況、Bが単独で存在する状況の3つの状況を示すことができる。また、本願における文字「/」は一般的に、前後に関連するオブジェクトが「又は」の関係であることを示す。
【0027】
本願に現れた「複数」は、2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数組」は2組以上(2組を含む)を指し、「複数枚」は2枚以上(2枚を含む)を指す。
【0028】
本願における「平行」という用語は、絶対的に平行である場合を含むだけでなく、工学的に一般的に認識される略平行である場合も含む。また、「垂直」は絶対的に垂直である場合を含むだけでなく、工学的に一般的に認識される略垂直である場合も含む。
【0029】
本願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池セル、リチウムイオン一次電池セル、リチウム硫黄電池セル、ナトリウムリチウムイオン電池セル、ナトリウムイオン電池セル又はマグネシウムイオン電池セル等を含むことができるが、本願の実施例はこれらに限定されない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体又は他の形状等を呈することができるが、本願の実施例はこれらに限定されない。電池セルは、一般的にパッケージの方式に応じて、柱状電池セル、方体角形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分けられるが、本願の実施例もこれらに限定されない。
【0030】
本願の実施例に言及された電池は、1つ又は複数の電池セルを含むことでより高い電圧及び容量を供給する単一の物理的モジュールを指す。例えば、本願に言及された電池は、電池モジュール又は電池パック等を含むことができる。電池は、一般的に1つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又は他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0031】
本願の実施例に記載の電池セル及び電池は、いずれも電力消費装置に適用され、電池セル及び電池は、電力消費装置に電気エネルギーを供給する。例えば、電力消費装置は、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、電動スクーター、電気自動車、船舶、航空機、電動玩具及び電動ツール等であってもよく、例えば、航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船等を含み、電動玩具は、固定式又は移動式の電動玩具を含み、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船舶玩具及び電動飛行機玩具等であり、電動ツールは、金属切削電動ツール、研磨電動ツール、組立電動ツール及び鉄道用電動ツールを含み、例えば、電動ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマ、衝撃電動ドリル、コンクリート振動器及び電気カンナ等である。
【0032】
理解すべきことは、本願の実施例に記載の電池セル及び電池は上記に記載の電力消費装置に適用するだけでなく、全ての電池を使用する装置に適用することができるが、説明を簡潔にするために、下記実施例はいずれも電気自動車を例として説明する。
【0033】
図1は、本願の1つの実施例の車両1の構造概略図である。
図1に示すように、車両1はエンジン駆動車、天然ガス自動車、又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー型自動車等であってもよい。車両1の内部に電池2、コントローラ3及びモータ4を設置することができ、コントローラ3は電池2がモータ4に電力を供給するように制御するために用いられる。例えば、車両1の底部又は前部又は後部に電池2を設置することができる。電池2は車両1の電力供給に用いることができ、例えば、電池2は車両1の動作電源とすることができ、車両1の回路システムに用いられ、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び運転時の動作電力消費需要に用いられる。本願の別の実施例において、電池2は車両1の操作電源とすることができるだけでなく、車両1の駆動電源とすることができ、燃料油又は天然ガスを代替するか又は部分的に代替して車両1に駆動力を供給する。
【0034】
異なる使用電力需要を満たすために、電池2は複数の電池セルを含むことができ、ここで、複数の電池セルの間は直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続は直列接続及び並列接続の混合を指す。電池2は、電池パックと称されてもよい。好ましくは、複数の電池セルをまず直列接続するか又は並列接続するか又は直並列接続して電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを更に直列接続するか又は並列接続するか又は直並列接続して電池2を構成する。すなわち、複数の電池セルが、電池2を直接構成してもよく、まず電池モジュールを構成し、電池モジュールが更に電池2を構成してもよい。
【0035】
図2は、本願の1つの実施例の電池2の構造概略図である。
図2に示すように、電池2は複数の電池セル5を含むことができる。電池2は、更に筐体(又はカバー本体と呼ばれる)を含むことができ、筐体内部は中空構造であり、複数の電池セル5は筐体内に収容される。
図2に示すように、筐体は2つの部分を含むことができ、ここで、それぞれ第1の筐体部61及び第2の筐体部62と呼ばれ、第1の筐体部61と第2の筐体部62とが係合される。第1の筐体部61及び第2の筐体部62の形状は複数の電池セル5の組み合わせの形状に基づいて決定することができ、第1の筐体部61及び第2の筐体部62はいずれも1つの開口を有することができる。例えば、第1の筐体部61と第2の筐体部62とはいずれも中空直方体であり、かつそれぞれ1つの面のみが開口面であり、第1の筐体部61の開口と第2の筐体部62の開口とは対向して設置され、かつ第1の筐体部61と第2の筐体部62とは互いに係合して密閉チャンバを有する筐体を形成する。複数の電池セル5は、第1の筐体部61と第2の筐体部62とが係合されて形成された筐体内に、互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み合わせられて配置されている。
【0036】
好ましくは、電池2は、更に他の構造を含むことができ、ここでは説明を省略する。例えば、該電池2は、複数の電池セル5の間の電気的接続、例えば並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現するためのバスバーを更に含むことができる。具体的には、バスバーは電池セル5の電極端子を接続することにより電池セル5の間の電気的接続を実現することができる。更に、バスバーは、溶接により電池セル5の電極端子に固定することができる。複数の電池セル5の電気エネルギーは、更に導電機構により筐体を貫通して引き出すことができる。好ましくは、導電機構はバスバーに属してもよい。
【0037】
異なる電力需要に応じて、電池セル5の数を任意の数値に設定することができる。複数の電池セル5を直列接続、並列接続又は直並列接続することにより大きな容量又は電力を実現することができる。各電池2に含まれる電池セル5の数が多い可能性があるため、取り付けを容易にするために、電池セル5をグループ化して設置し、各グループの電池セル5は電池モジュールを構成することができる。電池モジュールに含まれる電池セル5の数は限定されず、需要に応じて設置することができる。例えば、
図3は電池モジュールの一例である。電池2は複数の電池モジュールを含むことができ、これらの電池モジュールは直列、並列又は直並列で接続することができる。
【0038】
図4は、本願の1つの実施例の電池セル5の構造概略図である。
図4に示すように、本願の実施例の電池セル5は、電極組立体10、ケース20及びエンドカバー組立体30を含み、ケース20は、収容室及び開口を有し、電極組立体10は収容室内に収容される。ケース20は、1つ又は複数の電極組立体10を組み合わせた後の形状に基づいて決定され、例えば、ケース20は中空の直方体又は立方体又は円柱体であってもよく、かつケース20の1つの面は開口を有することにより1つ又は複数の電極組立体10をケース20内に配置することができる。例えば、ケース20が中空の直方体又は立方体である場合、ケース20の1つの平面は開口面であり、すなわち該平面は壁体を有さずケース20の内外を連通させる。エンドカバー組立体30は、エンドカバー31を含み、エンドカバー31は開口を覆いかつケース20に接続され、更にケース20の開口を密閉することにより、電極組立体10は密閉されたキャビティ内に配置される。ケース20内に電解質、例えば電解液が充填される。
【0039】
該エンドカバー組立体30は、2つの電極端子32を更に含むことができ、2つの電極端子32は、エンドカバー31に設置することができる。エンドカバー31は、一般的に平板形状であり、2つの電極端子32はエンドカバー31の平板面に固定され、2つの電極端子32はそれぞれ正電極端子と負電極端子とである。各電極端子32にそれぞれ1つの接続部材33が対応して設置され、接続部材33は、集電部材と呼ばれてもよく、電極組立体10と電極端子32とを電気的に接続するために用いられる。
【0040】
電極組立体10は、正極シート、負極シート及びセパレータで構成される。電池セル5は主に金属イオンが正極シートと負極シートとの間で移動することにより動作する。正極シートは、正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極活物質層が塗布された集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極タブとする。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極シートは、負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗布された集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極タブとする。負極集電体の材料は、銅であってもよく、負極活物質は炭素又はシリコン等であってもよい。大電流により溶断が発生しないことを保証するために、正極タブの数は複数であり、かつ一体に積層され、負極タブの数は複数であり、かつ一体に積層される。セパレータは、大量の貫通した細孔を有し、電解質イオンが自由に通過することを保証することができ、リチウムイオンに対して優れた透過性を有する。セパレータの材質は、PPやPE等であってもよい。電池技術の発展は様々な設計要素、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電倍率などの性能パラメータを同時に考慮する必要があり、また、電池の安全性を考慮する必要がある。
【0041】
いくつかの例において、複数の正極タブは積層され、かつ1つの接続部材33に接続され、更に該接続部材33を介して1つの電極端子32に電気的に接続される。複数の負極タブは積層され、かつもう1つの接続部材33に接続され、更に該もう1つの接続部材33を介してもう1つの電極端子32に電気的に接続される。
【0042】
図5は、本願の1つの実施例の電極組立体10の断面概略図である。
図5に示すように、電極組立体10は、少なくとも1つの第1の電極シート11及び少なくとも1つの第2の電極シート12を含み、第1の電極シート11と第2の電極シート12との極性が逆である。第1の電極シート11が負極シートである場合、第2の電極シート12は正極シートである。第1の電極シート11が正極シートである場合、第2の電極シート12は負極シートである。
【0043】
いくつかの実施例において、電極組立体10は、複数の第1の電極シート11及び複数の第2の電極シート12を含み、複数の第1の電極シート11及び複数の第2の電極シート12が交互に積層される。第1の電極シート11及び第2の電極シート12の積層方向は第1の電極シート11の厚さ方向及び第2の電極シート12の厚さ方向と平行である。
【0044】
各第1の電極シート11は、第1の平坦部111と第1の平坦部111に接続された第1のタブとを含む。第1平坦部111は、略平板状であり、積層方向に対して垂直である。各第2の電極シート12は第2の平坦部121と第2の平坦部121に接続された第2のタブとを含む。第2平坦部121は、略平板状であり、積層方向に対して垂直である。第1平坦部111は、第2平坦部121と平行である。第1平坦部111と第2平坦部121とは、積層方向に沿って交互に積層されている。
【0045】
いくつかの実施例において、第1の電極シート11は、正極シートであり、第2の電極シート12は、負極シートである。第1の平坦部111は、正極活物質層及び正極活物質層が塗布された集電体を含み、第1のタブは正極タブである。第2の平坦部121は、負極活物質層及び負極活物質層が塗布された集電体を含み、第2のタブは負極タブである。
【0046】
電極組立体10は、第1の電極シート11と第2の電極シート12とを隔離するための第1のセパレータ13及び第2のセパレータ14を含む。いくつかの例において、第1のセパレータ13は、Z状で往復に折り曲げられ、かつ複数の第1の隔離部131及び複数の第1の遷移部132を含み、複数の第1の隔離部131は積層方向に沿って積層され、各第1の遷移部132は隣接する2つの第1の隔離部131に接続され、各第1の遷移部132は少なくとも一部が円弧状に折り曲げられる。第2のセパレータ14は、Z状で往復に折り曲げられ、かつ複数の第2の隔離部141及び複数の第2の遷移部142を含み、複数の第2の隔離部141は積層方向に沿って積層され、各第2の遷移部142は隣接する2つの第2の隔離部141に接続され、各第2の遷移部142は、少なくとも一部が円弧状に折り曲げられる。第1の隔離部131及び第2隔離部141は、それぞれ第2の平坦部121の積層方向に沿った両側に位置し、第1平坦部111と第2平坦部121とを隔離する。
【0047】
図6は、本願の1つの実施例の電極組立体10の断面概略図である。
図6に示すように、本願の実施例の電極組立体10は、複数の第1の電極シート11と1つの第2の電極シート12とを含む。
【0048】
具体的には、第2の電極シート12は、複数の第2の平坦部121及び複数の第2の接続部122を含み、複数の第2の平坦部121は、積層方向に沿って積層され、各第2の接続部122は、隣接する2つの第2の平坦部121に接続される。第2の接続部122は、少なくとも一部が円弧状に折り曲げられる。第2の電極シート12は、連続構造であり、かつ往復折り曲げにより複数の第2の平坦部121及び複数の第2の接続部122を形成する。各第1の電極シート11は、隣接する2つの第2の平坦部121の間に設置される。第2の電極シート12は、1つ又は複数の第2のタブを含み、好ましくは、第2のタブと第2の平坦部121の数は同じであり、かつ一対一に対応して設置される。
【0049】
図7は、本願の1つの実施例の電極組立体10の断面概略図である。
図7に示すように、本願の実施例の電極組立体10は、巻回式構造であり、かつ第1の電極シート11、第2の電極シート12、第1のセパレータ13及び第2のセパレータ14を含む。いくつかの例において、第1の電極シート11と第2の電極シート12とは、いずれも1つであり、かつ連続的な帯状構造である。第1の電極シート11、第1のセパレータ13、第2の電極シート12及び第2のセパレータ14を順に積層し、かつ2周以上巻回して電極組立体10を形成し、かつ電極組立体10は、扁平状を呈する。
【0050】
具体的には、第1の電極シート11は、複数の第1の平坦部111及び複数の第1の接続部112を含み、複数の第1の平坦部111は、積層方向に沿って積層され、第1の接続部112は少なくとも一部が円弧状に折り曲げられ、かつ第1の平坦部111に接続される。好ましくは、各第1の接続部112は2つの第1の平坦部111に接続される。第2の電極シート12は複数の第2の平坦部121及び複数の第2の接続部122を含み、複数の第2の平坦部121は積層方向に沿って積層され、第2の接続部122は少なくとも一部が円弧状に折り曲げられ、かつ第2の平坦部121に接続される。好ましくは、各第2の接続部122は2つの第2の平坦部121に接続される。第1平坦部111と第2平坦部121とは、積層方向に積層されている。
【0051】
図8は、本願の1つの実施例の電極組立体10の構造概略図である。
図9は本願の1つの実施例の電極組立体10の断面概略図である。
図10は
図9に示す電極組立体10の円枠Aでの拡大概略図である。
図11は
図9に示す電極組立体10の円枠Bでの拡大概略図である。
【0052】
図8~
図11に示すように、第1の電極シート11は第1の平坦部111及び第1のタブ113を含み、第1のタブ113は第1の平坦部111の第1の方向Xに沿う端部に接続される。第1の平坦部111と第2の平坦部121とは、第2の方向Yに沿って積層され、すなわち積層方向は第2の方向Yに平行である。第2方向Yは、第1方向Xと直交する。
【0053】
第1の平坦部111は、第1の方向Xにおける両端に第1の端部111a及び第2の端部111bを有し、第1のタブ113は、第1の端部111aに接続される。第2の平坦部121は第1の方向Xの両端に第3の端部121a及び第4の端部121bを有し、第3の端部121aは第4の端部121bよりも第1のタブ113に近い。
【0054】
発明者らは、電池セルの組立又は使用過程において、第1のタブが薄いため、第1のタブの第1の平坦部に接続された部分が折り曲げられる可能性があり、このようにして第1のタブが第1の平坦部と第2の平坦部との間に挿入される状況を引き起こす可能性があり、このような状況で、第1のタブが第2の平坦部と導通し、短絡のリスクを誘発する可能性があることを発見した。
【0055】
これに鑑みて、発明者らは、電極組立体の構造を改善することにより、短絡リスクを低減する。具体的には、本願の実施例の電極組立体10において、第1のセパレータ13は、第1の折り曲げ部133及び第1の延出部134を更に含み、第1の延出部134は、少なくとも一部が第2の平坦部121の第1の隔離部131から離れた側に設置され、かつ第1の平坦部111と第2の平坦部121との間に位置し、第1の折り曲げ部133は、第1の隔離部131と第1の延出部134とに接続され、かつ第2の平坦部121の第1の方向Xにおける第1のタブ113に近接する側に位置する。ここで、第1の折り曲げ部133と第1の延出部134とは、第1のタブ113が第1の平坦部111と第2の平坦部121との間に挿入されるときに第2の平坦部121と第1のタブ113とを隔離するように配置される。
【0056】
本願は、第1のセパレータ13を折り曲げることにより、第1の折り曲げ部133及び第1の延出部134を形成することができ、第1の折り曲げ部133は、少なくとも一部が円弧状であり、第1の隔離部131、第1の折り曲げ部133及び第1の延出部134は、U状構造を形成し、かつ第2の平坦部121の第1のタブ113に近接する部分を被覆している。
【0057】
本願の実施例の電極組立体10において、第1の折り曲げ部133と第1の延出部134とは、第1のタブ113が第1の平坦部111と第2の平坦部121との間に挿入されるときに第2の平坦部121と第1のタブ113とを隔離することができ、第1のタブ113と第2の平坦部121が接触するリスクを低減させ、安全性能を向上させる。第1の折り曲げ部133と第1の延出部134とは、一体に接続され、第1のタブ113が第1の延出部134と第2の平坦部121との間に挿入されることを阻止することで、短絡リスクを低減することができる。
【0058】
第1の延出部134の第1の折り曲げ部133から離れた一端は、自由端であり、第1の延出部134の自由端は、第1の平坦部111と第2の平坦部121との間に位置し、かつ第1の方向Xにおいて第1のタブ113と一定の距離を隔離する。第1の平坦部111は、第1の延出部134の自由端を第2の平坦部121に押し付けることができ、第1のタブ113が第1の平坦部111と第2の平坦部121との間に挿入される時、第1の延出部134の自由端が第1のタブ113の押圧で第1の平坦部111と第2の平坦部121との間から離れるリスクを低減することができる。
【0059】
いくつかの実施例において、第1の折り曲げ部133は、少なくとも第3の端部121aの一部を被覆する。第1のタブ113が力を受けて折り曲げられる場合、第1の折り曲げ部133は第1のタブ113と第3の端部121aとを隔離することができ、第1のタブ113が第3の端部121aにラップされるリスクを低減させ、安全性能を向上させる。「第1の折り曲げ部133が少なくとも第3の端部121aの一部を被覆する」とは、第1の折り曲げ部133が第1の方向Xにおいて少なくとも第3の端部121aの一部を覆い、第1の折り曲げ部133が第3の端部121aに直接貼り付けられてもよく、第3の端部121aと第1の方向Xにおいて所定の距離を隔ててもよいことを指す。
【0060】
好ましくは、第3の方向Zにおいて、第1の折り曲げ部133の第3の方向Zに沿う寸法は、第1のタブ113の第3の方向Zに沿う寸法よりも大きい。第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yと直交している。
【0061】
いくつかの実施例において、第1の折り曲げ部133は、第3の端部121aを完全に被覆する。第1の折り曲げ部133は、第1のタブ113と第3の端部121aとを隔離することができ、第1のタブ113が第3の端部121aにラップされるリスクを低減させ、安全性能を向上させる。
【0062】
いくつかの実施例において、第1のセパレータ13は、第2の電極シート12の第1の方向Xにおける第1のタブ113に近接する端部を完全に被覆する。複数の第2の平坦部121及び複数の第2の接続部122を含む第2の電極シート12に対して、第1のセパレータ13は、第2の平坦部121の第1の方向Xにおける第1のタブ113に近接する端部(即ち、第3の端部121a)を被覆するだけでなく、第2の接続部122の第1の方向Xにおける第1のタブ113に近接する端部を被覆し、このようにして、第1のセパレータ13は連続的に折り曲げて、第2の電極シート12の第1の方向Xにおける第1のタブ113に近接する端部を被覆することができる。
【0063】
いくつかの実施例において、第1の延出部134は、第2の隔離部141と第2の平坦部121との間に位置する。電極組立体10を組み立てる過程において、まず第1のセパレータ13と第2の電極シート12とを組み立て、次に第1の電極シート11及び第2のセパレータ14と組み立てることができる。
【0064】
第1の延出部134の第1の方向Xにおける寸法が小さいほど、第1の延出部134は第1の平坦部111と第2の平坦部121との間から脱出しやすく、同時に、第1のタブ113の第1の平坦部111と第2の平坦部121との間に挿入された部分は、第1の延出部134の自由端を超えやすい。第1の延出部134の第1の方向Xにおける寸法が大きいほど、第1の延出部134の占める空間が大きくなり、リチウムイオンの輸送効率への影響が深刻になる。発明者らは、総合的に考慮した結果、第1の方向Xにおいて、第2の平坦部121の寸法に対する第1の延出部134の寸法の比は、0.01-0.3である。
【0065】
いくつかの実施例において、第2のタブ123は、第4の端部121bに接続される。この時、第1のタブ113及び第2のタブ123は、電極組立体10の第1の方向Xに沿う両端から延出する。発明者らは、第2のタブ123も第1の平坦部111と第2の平坦部121との間に挿入される恐れがあることを発見した。これに鑑みて、いくつかの実施例において、第2のセパレータ14は、第2の折り曲げ部143及び第2の延出部144を更に含み、第2の延出部144は少なくとも一部が第1の平坦部111の第2の隔離部141から離れた側に設置され、第2の折り曲げ部143は、第2の隔離部141及び第2の延出部144に接続され、かつ少なくとも一部が第2の端部111bを被覆する。第2の隔離部141、第2折り曲げ部143および第2延出部144は、U字状に形成されており、第1平坦部111の第2タブ123寄りの部分を覆っている。好ましくは、第2の折り曲げ部143は第2の端部111bを完全に被覆している。
【0066】
第2の折り曲げ部143と第2の延出部144とは、第2のタブ123が第1の平坦部111と第2の平坦部121との間に挿入されるときに第1の平坦部111と第2のタブ123とを隔離することができ、第1のタブ113と第2の平坦部121とが接触するリスクを低減させ、安全性能を向上させる。第2の折り曲げ部143と第2の延出部144とは、一体に接続され、第2のタブ123が第2の延出部144と第1の平坦部111との間に挿入されることを阻止することで、短絡リスクを低減することができる。
【0067】
図12は、本願の1つの実施例の電極組立体10の断面概略図である。
【0068】
図12に示すように、いくつかの実施例において、少なくとも1つの第2の平坦部121の第2の方向Yに沿う両側にいずれも第1の平坦部111が設置される。
【0069】
第1のセパレータ13は、第3の折り曲げ部135及び第3の延出部136を更に含み、第1の延出部134と第3の延出部136とはそれぞれ第1の隔離部131の第2の方向Yに沿う両側に位置し、かつ第3の延出部136は、少なくとも一部が第1の平坦部111の第1の隔離部131から離れた側に位置し、第3の折り曲げ部135は、第1の隔離部131と第3の延出部136とに接続され、かつ少なくとも一部が第2の端部111bを被覆する。第1の隔離部131、第1の折り曲げ部133、第1の延出部134、第3の折り曲げ部135及び第3延出部136は、S字状に形成されている。好ましくは、第3の折り曲げ部135は、第2の端部111bを完全に被覆している。
【0070】
第3の折り曲げ部135と第3の延出部136とは、第2のタブ123が第1の平坦部111と第2の平坦部121との間に挿入されるときに第1の平坦部111と第2のタブ123とを隔離することができ、第2のタブ123と第1の平坦部111とが接触するリスクを低減させ、安全性能を向上させる。第3の折り曲げ部135と第3の延出部136とは一体に接続され、第2のタブ123が第3の延出部136と第1の平坦部111との間に挿入されることを阻止することで、短絡リスクを低減することができる。
【0071】
図13は、本願の1つの実施例の電極組立体10の正面概略図である。
図14は本願の1つの実施例の電極組立体10の局所構造概略図である。
【0072】
図13及び
図14に示すように、いくつかの実施例において、第2のタブ123は、第3の端部121aに接続される。第1の方向Xにおいて、第1のタブ113と第2のタブ123とは、電極組立体10の同じ側から延出する。第3の方向Zにおいて、第1のタブ113と第2のタブ123とは間隔を置いて設置され、第3の方向Zは第1の方向Xと第2の方向Yに対し垂直である。
【0073】
第1の折り曲げ部133は、第3の端部121aの一部を被覆している。第2タブ123は、第3の端部121aの第1の折り曲げ部133に被覆されていない部分に接続されて延出している。好ましくは、第3の方向Zにおいて、第2のタブ123と第1の折り曲げ部133とは間隔を置いて設置される。
【0074】
いくつかの実施例において、第1のタブ113は、第3の方向Zにおいて対向して設置された2つの第1の縁部を有し、第1の折り曲げ部133は、第3の方向Zにおいて対向して設置された2つの第2の縁部を有し、第3の方向Zにおいて、各第2の縁部は、それに対応する第1の縁部を超えている。第1の折り曲げ部133の第3方向Zに沿う寸法は、第1のタブ113の第3方向Zに沿う寸法よりも大きい。第1のタブ113が折り曲げられる時、第1の折り曲げ部133は、第1のタブ113と第3の端部121aとを隔て、それにより第1のタブ113と第3の端部121aとがラップされるリスクを低減することができる。
【0075】
いくつかの実施例において、第1の延出部134の第3の方向Zに沿う寸法は、第1の折り曲げ部133の第3の方向Zに沿う寸法と同じである。具体的には、第1の延出部134は第3の方向Zにおいて対向して設置された2つの第3の縁部を有し、第3の方向Zにおいて、第3の縁部は対応する第1の縁部と同一平面にある。
【0076】
いくつかの実施例において、第2のセパレータ14は、第2の折り曲げ部143及び第2の延出部144を更に含み、第2の延出部144は、少なくとも一部が第1の平坦部111の第2の隔離部141から離れた側に設置され、第2の折り曲げ部143は、第2の隔離部141及び第2の延出部144に接続され、かつ第1の端部111aの一部を被覆している。第2の折り曲げ部143と第2の延出部144とは、第2のタブ123が第1の平坦部111と第2の平坦部121との間に挿入されるときに第1の平坦部111と第2のタブ123とを隔離することができ、第2のタブ123と第1の平坦部111とが接触するリスクを低減させ、安全性能を向上させる。第2の折り曲げ部143と第2の延出部144とは、一体に接続され、第2のタブ123が第2の延出部144と第1の平坦部111との間に挿入されることを阻止することで、短絡リスクを低減することができる。
【0077】
いくつかの実施例において、第2のタブ123は、第3の方向Zにおいて対向して設置された2つの第4の縁部を有し、第2の折り曲げ部143は、第3の方向Zにおいて対向して設置された2つの第5の縁部を有し、第3の方向Zにおいて、各第5の縁部は、それに対応する第4の縁部を超えている。好ましくは、第2の延出部144の第3の方向Zに沿う寸法は第2の折り曲げ部143の第3の方向Zに沿う寸法と同じである。
【0078】
図15は、本願の1つの実施例の電極組立体10の局所構造概略図である。
図16は、本願の1つの実施例の電極組立体10の第1のセパレータ13の局所構造概略図である。
【0079】
図15及び
図16に示すように、少なくとも1つの第2の平坦部121の第2の方向Yに沿う両側にいずれも第1の平坦部111が設置される。
【0080】
第1のセパレータ13は、第3の折り曲げ部135及び第3の延出部136を更に含み、第1の延出部134と第3の延出部136とは、それぞれ第1の隔離部131の第2の方向Yに沿う両側に位置し、かつ第3の延出部136は、少なくとも一部が第1の平坦部111の第1の隔離部131から離れた側に位置し、第3の折り曲げ部135は、第1の隔離部131と第3の延出部136とに接続され、かつ少なくとも一部が第1の端部111aを被覆している。第3の方向Zにおいて、第3の折り曲げ部135と第1の折り曲げ部133とは間隔を置いて設置される。
【0081】
第3の折り曲げ部135と第3の延出部136とは、第2のタブ123が第1の平坦部111と第2の平坦部121との間に挿入されるときに第1の平坦部111と第2のタブ123とを隔離することができ、第2のタブ123と第1の平坦部111とが接触するリスクを低減させ、安全性能を向上させる。第3の折り曲げ部135と第3の延出部136とは、一体に接続され、第2のタブ123が第3の延出部136と第1の平坦部111との間に挿入されることを阻止することで、短絡リスクを低減することができる。
【0082】
いくつかの実施例において、第2のタブ123は、第3の方向Zにおいて対向して設置された2つの第4の縁部を有し、第3の折り曲げ部135は、第3の方向Zにおいて対向して設置された2つの第6の縁部を有し、第3の方向Zにおいて、各第6の縁部は、それに対応する第4の縁部を超えている。好ましくは、第3の延出部136の第3の方向Zに沿う寸法は、第3の折り曲げ部135の第3の方向Zに沿う寸法と同じである。